平成18(わ)221 強盗致傷等

裁判年月日・裁判所
平成19年3月6日 富山地方裁判所
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判決文本文2,799 文字)

- 1 -主文被告人Aを懲役7年6月に,被告人Bを懲役6年にそれぞれ処する。 未決勾留日数中,被告人Aに対しては80日を,被告人Bに対しては60日を,それぞれその刑に算入する。 押収してある現金142万1000円のうち139万1000円を被害者Cに還付する。 理由 (罪となるべき事実),,第1被告人Aは溶接工としてアルバイトをしていた株式会社aを退職した後解雇手当名目で受領した金銭からそれまでa社が立替納付していた自己の所得税額分を差し引かれたことに因縁を付け,a社代表者から金銭を喝取しようと企て,平成18年6月17日午後7時30分すぎころ,富山県b市内のa社事務所において,a社代表取締役C(当時64歳)に対し,両手で鋼材を振りかざし「お前みたいな者,かたわにしてやろうか「殺してやろ,。」,うか,この野郎」などと語気鋭く申し向けて脅迫し,その顔面を手拳で数。 回殴打する暴行を加えた上「何で金を取った。俺の金を返せ」などと申,。 し向けて金銭の交付を要求し,これに応じなければ更にCの生命,身体に危害を加えるかのような気勢を示してCを畏怖させ,よって,そのころ,同所において,Cから現金34万3650円を交付させてこれを喝取し,第2被告人両名は,共謀の上,Cから金品を強取しようと企て,同年10月4日午後7時35分ころ,a社敷地内において,Cに対し,被告人Bが手拳でその顔面を1回殴打し,被告人Aが粘着テープをその両足及び両手に巻き付けるなどの暴行を加えるとともに,被告人Bが連結用金具であるネジシャックルを振りかざしながら「殺してやろうか」などと脅迫してその反抗を抑。 圧し,C所有又は管理に係る現金約290万円及びセカンドバッグ等11点(時価合計約5万1000円相当)在中の手提げ袋1袋(時価約500円相- 2 -当) てやろうか」などと脅迫してその反抗を抑。 圧し,C所有又は管理に係る現金約290万円及びセカンドバッグ等11点(時価合計約5万1000円相当)在中の手提げ袋1袋(時価約500円相- 2 -当)を強取し,その際,上記一連の暴行により,Cに全治約9日間を要する頚椎椎間板障害の傷害を負わせたものである。 (法令の適用)被告人Aの判示第1の所為は刑法249条1項に,被告人両名の判示第2の所為は同法60条,240条前段にそれぞれ該当するところ,判示第2の罪について所定刑中有期懲役刑を選択し,被告人Aについては以上は同法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により重い判示第2の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内,被告人Bについてはその所定刑期の範囲内で,被告人Aを懲役7年6月に,被告人Bを懲役6年にそれぞれ処し,同法21条を適用して未決勾留日数中被告人Aに対しては80日を,被告人Bに対しては60日をそれぞれその刑に算入し,押収してある現金142万1000円(以下「本件押収金」という)のうち139万1000円は,判示第2の罪の賍物で被害者に還。 付すべき理由が明らかであるから,刑事訴訟法347条1項によりこれを被害者Cに還付することとし,訴訟費用は,同法181条1項ただし書を適用して被告人両名に負担させないこととする(なお,本件押収金は,判示第2の強盗致傷の約6時間10分後,被告人Aが警察官に発見された際に使用していた普通乗用自動車内に存置されていたものである。その存置状況や被害者の供述等に符合し,信用性の高い被告人Bの供述によれば,強盗致傷における被告人Aの分け前は約143万6000円であると認められ(これに反する被告人Aの供述は信用できない,他方,被告人Aが強盗致傷前に所持していた金銭は,多くとも3万円。)を超えるこ 強盗致傷における被告人Aの分け前は約143万6000円であると認められ(これに反する被告人Aの供述は信用できない,他方,被告人Aが強盗致傷前に所持していた金銭は,多くとも3万円。)を超えることはない。そこで,本件押収金から上記3万円を差し引いた139万1000円は強盗致傷の賍物であると認められるから,その範囲で被害者に還付する。 。)(量刑の理由)判示第2の強盗致傷は,被告人両名が,平素から多額の金銭を所持している被- 3 -害者を狙い,実行時の役割分担等を決め,粘着テープ等の犯行用具を用意し,被害者を待ち伏せるなどの準備をした上で敢行した計画的な犯行である。その態様は,夜間,二人がかりで被害者に襲いかかり,その顔面を殴打し,緊縛するなどしただけでなく,バッグを離さない被害者に対し,金具を振りかざして「殺して。」,。 ,やろうか等の強烈な脅迫文言を用いており粗暴かつ執拗である被害者は,,多額の財産的な損害を被ったのみならず全治約9日間を要する怪我を負わされ著しい恐怖を感じさせられており,その処罰感情が厳しいのは当然であるにもかかわらず,被告人両名とも見るべき慰謝の措置を講じていない。 被告人Aは,自己の負担すべき納税額分を退職後に受領した金銭から引かれたことを逆恨みし,判示第1の恐喝を敢行した上,さらに,被害者を襲い金品を奪う話を被告人Bに持ちかけ,前の職場に関する種々の情報を提供するなどし,実行段階でも被害者を緊縛するなど一貫して中心的な役割を果たしている。その結果,上記の分け前を得ているが,公判廷においても,自己の主張する分け前額33万8000円を超えて被害弁償をする意思はない旨明言してはばからない。 被告人Bは,被告人Aから本件を持ちかけられるや,多額の分け前を期待してこれに参加し,謀議の過程で犯行を具 の主張する分け前額33万8000円を超えて被害弁償をする意思はない旨明言してはばからない。 被告人Bは,被告人Aから本件を持ちかけられるや,多額の分け前を期待してこれに参加し,謀議の過程で犯行を具体化するとともに,実行段階では被害者への殴打や金品の強取等実行行為の重要な部分を分担し,被告人Aとほぼ同額の分け前を得ている。 以上の点に鑑みると,被告人両名の刑事責任は重大である。 しかしながら,他方,強盗致傷につき,被害者の怪我が幸い重傷には至っていないこと,被害金の約半分が被害者に還付される見込みであること,被告人Bは発案者ではないこと,被告人両名はいずれも本件を認め,反省の態度を示してい,,ること被告人Bの古い罰金前科1犯以外には被告人両名とも前科がないこと等被告人両名のために酌むべき事情も認められる。 そこで,これらの諸事情を総合考慮し,被告人両名をそれぞれ主文の刑に処するのが相当であると判断した(求刑被告人Aにつき懲役10年,被告人Bに。 - 4 -つき懲役8年)平成19年3月6日富山地方裁判所刑事部裁判長裁判官手崎政人裁判官大野博隆裁判官五十嵐浩介

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