- 1 -主文 別紙物件目録記載1の4,1の17のうち課税地目が雑種地の部分,1の19の各土地に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につき,被告が平成13年6月12日付けでした原告Aの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載2の4,2の5の各土地に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につき,被告が平成13年6月12日付けでした原告Bの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載3の1ないし3の12の各土地に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につき,被告が平成13年6月12日付けでした原告Cの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載4の1,4の6ないし4の8,4の10,4の13の各土地に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につき,被告が平成13年6月12日付けでした原告Dの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載5の8,5の14の各土地に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につき,被告が平成13年6月12日付けでした原告Eの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載6の1ないし6の11の各土地に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につき,被告が平成13年6月12日付けでした原告Fの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 ,,,, 訴訟費用は原告Aと被告の間に生じたものはこれを10分しその1を被告のその余を原告Aの負担とし,原告Bと被告の間に生じたものは,これを10分し,その1を被告の,その余を原告Bの負担とし,原告Cと被告の間に生じたものは,これを5分し,その4を被告の,その余を原告Cの負担とし,原告Dと被告の間に生じたものは,これを5分し,その3を被 0分し,その1を被告の,その余を原告Bの負担とし,原告Cと被告の間に生じたものは,これを5分し,その4を被告の,その余を原告Cの負担とし,原告Dと被告の間に生じたものは,これを5分し,その3を被告の,その余を原告Dの負担とし,原告Eと被告,,,,の間に生じたものはこれを10分しその1を被告のその余を原告Eの負担とし原告Fと被告の間に生じたものは,これを5分し,その4を被告の,その余を原告Fの負担とする。 事実 及び理由第1請求 別紙物件目録記載1の1ないし1の25の各土地(以下「本件土地1の1」ないし「本件土地1の25」という)に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につ。 き,被告が平成13年6月12日付けでした原告Aの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載2の1ないし2の26の各土地(以下「本件土地2の1」ないし「本件土地2の26」という)に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につ。 き,被告が平成13年6月12日付けでした原告Bの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載3の1ないし3の15の各土地(以下「本件土地3の1」ないし「本件土地3の15」という)に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につ。 - 2 -き,被告が平成13年6月12日付けでした原告Cの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載4の1ないし4の13の各土地(以下「本件土地4の1」ないし「本件土地4の13」という)に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につ。 き,被告が平成13年6月12日付けでした原告Dの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載5の1ないし5の24の各土地(以下「本件土地5の1」ないし「本件土地5の24」という)に係る 告が平成13年6月12日付けでした原告Dの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載5の1ないし5の24の各土地(以下「本件土地5の1」ないし「本件土地5の24」という)に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につ。 き,被告が平成13年6月12日付けでした原告Eの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 別紙物件目録記載6の1ないし6の13の各土地(以下「本件土地6の1」ないし「本件土地6の13」という)に係る平成12年度固定資産課税台帳登録価格につ。 き,被告が平成13年6月12日付けでした原告Fの審査の申出を棄却する旨の決定を取り消す。 第2事案の概要本件は,原告らが,その所有する本件土地1ないし本件土地6(枝番を含む)を含む区域(以下「本件区域」という)が市街化区域として都市計画決定されていると。 ころ,同計画決定が違法であると主張し,同計画決定を前提とする平成12年度の固定資産課税台帳登録価格を不服として被告に審査の申出をしたが,これを棄却する旨の決定を受けたため,その取消しを求める事案である。 前提事実(証拠の掲記のない事実は当事者間に争いのない事実である)。 (1)当事者ア原告Aは,本件土地1の1ないし1の23を所有し,本件土地1の24及び1の25の共有持分を有している。 イ原告Bは,本件土地2の1ないし2の26を所有している。 ウ原告Cは,本件土地3の1ないし3の15を所有している。 エ原告Dは,本件土地4の1ないし4の8を所有し,本件土地4の9ないし4の13の共有持分を有している。 オ原告Eは,本件土地5の1ないし5の24を所有している。 カ原告Fは,本件上地6の1ないし6の12を所有し,本件土地6の13の共有持分を有している。 (2)本件区域は,都市計画法に基づき兵庫県知事 原告Eは,本件土地5の1ないし5の24を所有している。 カ原告Fは,本件上地6の1ないし6の12を所有し,本件土地6の13の共有持分を有している。 (2)本件区域は,都市計画法に基づき兵庫県知事が行った阪神間都市計画市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画決定(昭和45年10月31日付け兵庫県告示第1408号)により,市街化区域と決定された(以下「本件都市計画決定」という。 。)そして,本件土地1の1,1の2,1の3のうち課税地目が田の部分(別紙評価決定目録中本件土地1の3(2,1の5ないし1の13,1の15,1の))16,1の17のうち課税地目が畑及び田の部分(別紙評価決定目録中本件土地1の17(2(3,2の1ないし2の3,2の9ないし2の14,4の2),))ないし4の5,5の3ないし5の7,5の9は,それぞれ生産緑地地区と定めら- 3 -れている。 (3)西宮市長は,平成12年2月,平成12年度における本件各土地の価格を別紙評価決定目録1ないし6(枝番を含む)の価格欄のとおり決定し(以下「本件評価決定」という,西宮市備付けの土地・家屋課税台帳に上記価格(以下「本。)件登録価格」という)を登録した。 。 (4)原告らは,被告に対し,平成12年5月10日,本件区域は,都市計画法7条2項に規定されている市街化区域の要件を欠くことから,本件都市計画決定は違法であり,これを前提とした本件評価決定も当然に違法であると主張し,本件登録価格を不服として審査の申出を行った(以下「本件審査申出」という。 。)(5)被告は,平成13年6月12日,本件都市計画決定の適法性について判断を行う立場になく,本件評価決定は,地方自治法,固定資産評価基準及び西宮市土地評価要領に基づき適正に行われたものであるとして,本件審査申出をい 成13年6月12日,本件都市計画決定の適法性について判断を行う立場になく,本件評価決定は,地方自治法,固定資産評価基準及び西宮市土地評価要領に基づき適正に行われたものであるとして,本件審査申出をいずれも棄却する旨の決定をした(以下「本件審査決定」という。 。)(),,()。 原告らは平成13年8月13日本件訴訟を提起した当裁判所に顕著(7)土地の評価に関する規定は以下のとおりである。 ア地方税法地方税法349条1項は,土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準を,当該土地の基準年度に係る賦課期日における価格で土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録されたものと規定している。 そして,同法388条1項は,総務大臣は,固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続(以下「固定資産評価基準」という)を定め,これ。 を告示しなければならないと規定し,同法403条1項は,市町村長は,固定資産評価基準によって,固定資産の価格を決定しなければならないと規定している。 イ固定資産評価基準本件各土地に関する固定資産評価基準の概要は以下のとおりである。 (ア)田及び畑の評価(第1章・第2節,第2節の2)a田及び畑の別に状況類似地区を区分して状況類似地区ごとに標準田又は標準畑を選定し,選定された標準田又は標準畑について,売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設し,標準田又は標準畑の評点数に比準して,状況類似地区内の各筆の田又は畑の評点数を付設する。 そして,評点一点当たりの価額に当該評点数を乗じて各筆の田及び畑の価額を求める。 b農地法4条1項及び5条1項の規定により,田及び畑以外のもの(宅地等)への転用に係る許可を受けた田及び畑並びにその他の田及び畑で宅地(),等に転用することが確実と認めら の価額を求める。 b農地法4条1項及び5条1項の規定により,田及び畑以外のもの(宅地等)への転用に係る許可を受けた田及び畑並びにその他の田及び畑で宅地(),等に転用することが確実と認められるもの宅地等介在農地については沿接する道路の状況,公共施設等の接近の状況その他宅地等としての利用上の便等からみて,転用後における当該田及び畑とその状況が類似する土地の価額を基準として求めた価額から当該田及び畑を宅地等に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除して価額を求- 4 -める。 c市街化区域農地(生産緑地地区を除く)については,沿接する道路の。 ,,状況公共施設等の接近の状況その他宅地としての利用上の便等からみて当該市街化区域農地とその状況が類似する宅地の価額を基準として求めた価額から当該市街化区域農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる造成費に相当する額を控除して価額を求める。 (イ)宅地の評価(第1章・第3節)a各筆の宅地について評点数を付設し,当該評点数を評点一点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法による。 各筆の宅地の評点数は,市町村の宅地の状況に応じ,主として市街地的形態を形成する地域における宅地については「市街地宅地評価法」によって,主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地については「その他の宅地評価法」によって付設する。ただし,市町村の宅地の状況に応じ必要があるときは,主として市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地についても「市街地宅地評価法」によって各筆の宅,地の評点数を付設することができる。 b「市街地宅地評価法」(a)地区区分と標準宅地の選定宅地を商業地区,住宅地区,工業地区,観光地区等に区分し,各地区について,その状 」によって各筆の宅,地の評点数を付設することができる。 b「市街地宅地評価法」(a)地区区分と標準宅地の選定宅地を商業地区,住宅地区,工業地区,観光地区等に区分し,各地区について,その状況が相当に相違する地区ごとに,その主要な街路に沿接する宅地のうちから奥行,間口,形状等の状況が当該地域において標準的なものと認められる標準宅地を選定する。 (b)路線価の付設,,標準宅地について売買実例価額から正常な条件の下での価額を求めこの価額から適正な時価を求め,その単位地積当たりの適正な時価に基づいて当該標準宅地の沿接する主要な街路について路線価を付設し,主要な街路以外のその他の街路については,近傍の主要な街路の路線価を基礎とし,主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する宅地との間における宅地利用上の便等の相違を総合的に考慮して,その単位地積当たりの路線価を付設する。 (c)各宅地の評価各筆の宅地の評点数は,その沿接する路線価を基礎とし,各筆について評価の対象とすべき画地を認定し,奥行のある土地,正面と側面あるいは裏面等に路線がある土地,三角地又は不整形地,無道路地もしくは袋地等の状況に従って所定の補正を加える方式(画地計算法)を適用して決定する。各筆の宅地の価額は,この評点数に評点一点当たりの価額を乗じて算出する。 そして,市町村長は,宅地の状況に応じ,必要があるときは,画地計算法における評価基準別表3の附表等について所要の補正をして適用する。 - 5 -c「その他の宅地評価法」状況類似地区を区分して状況類似地区ごとに標準宅地を選定し,選定された標準宅地について,売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設し,標準宅地の評点数に比準して,状況類似地区内の各筆の宅地の評点数を付設する。 (ウ)山 に標準宅地を選定し,選定された標準宅地について,売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設し,標準宅地の評点数に比準して,状況類似地区内の各筆の宅地の評点数を付設する。 (ウ)山林の評価(第1章・第7節)a状況類似地区を区分して状況類似地区ごとに標準山林を選定し,選定された標準山林について,売買実例価額から評定する適正な時価に基づいて評点数を付設し,標準山林の評点数に比準して,状況類似地区内の各筆の山林の評点数を付設する。 そして,評点一点当たりの価額に当該評点数を乗じて各筆の山林の価額を求める。 b宅地,農地等のうちに介在する山林及び市街地近郊の山林で,当該山林の近傍の宅地,農地等との評価の均衡上,上記aの方法によって評価することが適当でないと認められるものについては,当該山林の附近の宅地,農地等の価額に比準して,山林の価額を求める。 (エ)原野の評価(第1章・第9節)a原野は,原野の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める。 b市町村内に原野の売買実例価額がない場合においては,土地の位置,その利用状況等を考慮し,附近の土地の価額に比準して,原野の価額を求める。 (オ)雑種地の評価(第1章・第10節)a雑種地は,ゴルフ場等の用に供する土地及び鉄軌道用地を除き,雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める。 b市町村内に売買実例価額がない場合においては,土地の位置,その利用状況等を考慮し,附近の土地の価額に比準して,雑種地の価額を求める。 ウ西宮市土地評価要領西宮市では,土地の評価要領が定められており,本件各土地に関する評価要領の概要は以下のとおりである(乙10)。 (ア)田及び畑の評価(第3章・第1節)固定資産評価基準の規定と同様である。 (イ)宅地の は,土地の評価要領が定められており,本件各土地に関する評価要領の概要は以下のとおりである(乙10)。 (ア)田及び畑の評価(第3章・第1節)固定資産評価基準の規定と同様である。 (イ)宅地の評価(第3章・第2節)固定資産評価基準の規定と同様であるが,各筆の宅地の評点数は「市街地宅地評価法」によって付設する。 (ウ)山林の評価(第3章・第6節)aα地区の市街化調整区域内の山林は純山林として,本庁地区の市街化調整区域内の山林及びα地区の市街化区域内の山林は市街地近郊山林として評価し,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=標準地単価×地積÷1000(標準地単価は1000平方メー- 6 -トル当たりのものである)。 b本庁地区の市街化区域内の山林及びα地区の市街化区域内の一部の山林は,宅地介在山林として評価し,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=付近の宅地の単価×造成費相当比準率×その他補正×地積(エ)原野の評価(第3章・第7節)a本庁地区及びα地区の市街化区域内の原野は,宅地介在原野として評価し,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=付近の宅地の単価×造成費相当比準率×地積bα地区の市街化調整区域内の原野は,農地介在原野として評価し,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=付近の農地の単価×造成費相当比準率×地積÷1000(付近の農地の単価は1000平方メートル当たりのものである)。 (オ)雑種地の評価(第3章・第8節)a雑種地(ゴルフ場,遊園地等,鉄軌道用地及び私道を除く)の評価。 (a)本庁地区及びα地区の市街化区域内の雑種地は,宅地介在雑種地として評価し,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=付近の宅地の単価×造成費相当比準率×地積ただし,造成費相当比準率の適用により 本庁地区及びα地区の市街化区域内の雑種地は,宅地介在雑種地として評価し,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=付近の宅地の単価×造成費相当比準率×地積ただし,造成費相当比準率の適用により市街化区域農地及び宅地介在農地との均衡を失するものにおいては,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=(付近の宅地の単価-造成費相当額)×地積(b)α地区の市街化調整区域内の雑種地は,農地介在雑種地として,以下の計算式により評価額を算出する。 評価額=付近の農地の単価×造成費相当比準率×地積÷1000(付近の農地の単価は1000平方メートル当たりのものである)。 b私道の評価当該私道に付設された路線価もしくは路線価が付設されていない私道については公道の路線価に比準して算出する比準路線価の1割相当に地積を乗じたものを評価額とする。 争点 (1)本件登録価格の違法(争点1)(2)本件都市計画決定の違法性が本件評価決定に承継されるか(争点2)(3)本件都市計画決定の違法性(争点3) 争点に関する当事者の主張(1)争点1(本件登録価格の違法)について(原告らの主張)ア本件区域を市街化区域とする本件都市計画決定がされたことによって,本件各土地は不当に高く評価されている。 イ本件区域は,本来市街化調整区域となるべき区域である。市街化区域内の土地については,都市計画法33条により,市街地としての最低限度必要な要件- 7 -として設けられた技術的基準に適合している限り,開発許可をしなければならないとされている一方,市街化調整区域内の土地については,同法34条により,厳重に開発行為が規制されており,同条各号所定のごく限られた開発行為以外は許されないとされている。このように,市街化区域内の土地は,開発行為が原則自由であること の土地については,同法34条により,厳重に開発行為が規制されており,同条各号所定のごく限られた開発行為以外は許されないとされている。このように,市街化区域内の土地は,開発行為が原則自由であることから,市街化域調整区域内の土地に比して,高額に評価されている。そして,市街化調整区域となるべき本件区域が市街化区域に決定されることによって,本件各土地が不当に高く評価されていることは明らかである。 また,生産緑地地区内の農地については,状況類似の標準地を選定し,それに評点数を付設して評価額を決定するとされているところ,本件区域が市街化区域であることが標準地の選定に影響している。現に,本件区域の生産緑地地区内の農地は,市街化調整区域内の農地に比して,田が1.7倍,畑が1.3倍ほど高額に評価されている。 (被告の主張)ア固定資産の評価について,全国的な統一を図り,市町村間の均衡を維持するため,地方税法388条1項は,総務大臣は,固定資産評価基準を定めなければならないと規定し,同法403条1項は,市町村長が,固定資産の価格を決定する場合には,総務大臣の定める固定資産評価基準によって行わなければならないと規定している。 そして,西宮市においては,固定資産評価基準及びこれに基づき定められた西宮市土地評価要領に基づいて本件各土地の固定資産評価を行っているところ,本件各土地のうち宅地,生産緑地地区内の農地,宅地介在農地及び山林に関しては,本件都市計画決定は本件登録価格に影響を与えていない。 イ原告らは,本件区域が市街化調整区域となるべき区域であると主張する。しかし,本件区域内には,人家,田畑,主要道路などが存在している一方,本件区域の外側の市街化調整区域は,人家,田畑が存在していない自然の山々で成り立った区域であることに照らし,原告らの主張は成り立たな かし,本件区域内には,人家,田畑,主要道路などが存在している一方,本件区域の外側の市街化調整区域は,人家,田畑が存在していない自然の山々で成り立った区域であることに照らし,原告らの主張は成り立たない。 (2)争点2(本件都市計画決定の違法性が本件評価決定に承継されるか)について(原告らの主張)ア地方税法附則19条の2第1項は,昭和47年度以降の各年度に係る賦課期日に所在する市街化区域農地に対して課する固定資産税の課税標準となるべき価格については,当該市街化区域農地とその状況が類似する宅地の固定資産税の課税標準とされる価格に比準する価格によって定められるべきものとすると規定している。かかる条文構造からして,市街化区域という事実は,本件区域内の農地に対し,宅地並課税処分をするための要件事実であり,不可欠の先決問題である。 そして,都市計画決定には処分性が認められず,都市計画決定自体の取消訴訟を提起することができないことから,都市計画決定を前提とする次の処分においてその違法性を主張できると解さないと,都市計画決定の違法性を争う機- 8 -会が失われる。 以上により,本件都市計画決定の違法性は本件評価決定に承継される。 イ被告は,都市計画決定には公定力に準じる効力が与えられるべきであると主張する。しかし,都市計画決定は行政行為でないことから,行政行為に特有の効力である公定力が認められないことは明らかである。 (被告の主張)ア固定資産の評価について,全国的な統一を図り,市町村間の均衡を維持するため,地方税法388条1項は,総務大臣は,固定資産評価基準を定めなければならないと規定し,同法403条1項は,市町村長が,固定資産の価格を決定する場合には,総務大臣の定める固定資産評価基準によって行わなければならないと規定している。しかし,この 評価基準を定めなければならないと規定し,同法403条1項は,市町村長が,固定資産の価格を決定する場合には,総務大臣の定める固定資産評価基準によって行わなければならないと規定している。しかし,この固定資産評価基準には,市街化区域に関する都市計画決定の適法性を要するとの定めはない。 そうすると,本件都市計画決定の適法性は,固定資産の評価のための要件ではないと解されるから,西宮市長が本件各土地を評価するに当たり,本件都市計画決定の適法性について判断しなかったとしても,本件評価決定が違法となるものではない。 イ違法性の承継は,先行行為と後行行為とが相結合して一つの効果を形成する一連の行政行為である場合において認められるものであって,先行行為と後行行為がそれぞれ目的及び効果を異にする別個の行政行為の間では認められない。 ,,区域区分に関する都市計画決定は都市計画法7条1項及び18条に基づき無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図ることを目的として,関係市町,。 村の意見を聴きかつ都市計画審議会の決議などを経て決定されるものであるそして,この目的を達成するため,都市計画決定の区域内での一定の開発行為等について知事の許可を要するなどの土地利用の制限がされるというものであって,その性質は完結的である。 一方,本件評価決定は,本件都市計画決定により市街化区域とされた土地について,公正,公平に固定資産税を課税することを目的として,地方税法付則19条の2,同条の3に基づき,固定資産税の課税標準となるべき価格を決定する行為であり,この価格決定に基づき市街化区域内にある土地の固定資産税額が算定されるのであり,土地の利用権を制限するものではない。 そうすると,本件都市計画決定という先行行為と本件評価決定という後行行為は,各々目的と効果を異にする別個の行 区域内にある土地の固定資産税額が算定されるのであり,土地の利用権を制限するものではない。 そうすると,本件都市計画決定という先行行為と本件評価決定という後行行為は,各々目的と効果を異にする別個の行為であって,相結合して一つの法効果を目指すものとはいえないことから,本件都市計画決定の違法性は本件評価決定に承継されないというべきである。 ウ原告らは,本件都市計画決定には公定力が認められないことから,本件評価決定にその違法性が承継されると主張する。しかし,都市計画決定は狭義の行政行為ではないものの,現代行政の中で計画行為の機能は大きく,重要な位置を占めていることから,公定力に準じる効果が与えられるべきである。 (3)争点3(本件都市計画決定の違法性)について- 9 -(原告らの主張)ア(ア)都市計画法7条2項所定の「すでに市街地を形成している区域」について,同法施行令8条1項1号は,相当の人口及び人口密度を有する市街地その他の既成市街地として国土交通省令で定めるもの並びにこれに接続して現に市街化しつつある土地の区域とすることと規定している。 そして,同法施行令8条1項1号所定の「既成市街地」について,同法施行規則8条1号は,50ヘクタール以下のおおむね整形の土地の区域ごとに算定した場合における人口密度が1ヘクタール当たり40人以上である土地の区域が連たんしている土地の区域で,当該区域内の人口が3000以上であるものと規定し,同条2号は,前号の土地の区域に接続する土地の区域で,50ヘクタール以下のおおむね整形の土地の区域ごとに算定した場合における建築物の敷地その他これに類するものの面積の合計が当該区域の面積の3分の1以上であるものと規定している。 また,同法施行規則8条2号所定の「前号の土地に接続して現に市街化しつつある土地の区域」に ける建築物の敷地その他これに類するものの面積の合計が当該区域の面積の3分の1以上であるものと規定している。 また,同法施行規則8条2号所定の「前号の土地に接続して現に市街化しつつある土地の区域」について,都市局長通達によれば,既成市街地に接続して,現に住宅建設又は宅地化が進行しておおむね10年以内に既成市街地相当の土地の区域となることが見込まれている土地をいうものとされている。この解釈は,法の条文とも整合しており,十分に妥当性があり合理的なものといえる。 (イ)本件区域は,β山の山麓から中腹にかけての急峻な傾斜地に階段状に開かれた農家住宅が点在する小集落であって,その地形は山腹の形状に沿った甚だ不整形なものである。また,本件区域の総面積は約38.73ヘクタールであり,本件区域内の人口は290人であるので,人口密度は1. 。 ,,ヘクタール当たり749人であるそして本件区域内の住宅や農地は石垣,崖及び土手脚によって遮断されて連たんしておらず,本件区域内で比較的人家が集中している地域の面積の割合も,本件区域の10分の1程度である。 また,本件区域は,既成市街地に接続していない上,昭和48年から現在まで,何らの変化もなく開発の兆しすら認められないことから,今後10年以内に市街化が進行するとは到底考えられない。 そうすると,本件区域は,都市計画法施行規則8条1号,同条2号の要,,件を欠くことから同法施行令8条1項1号所定の既成市街地とはいえずまた,上記局長通達の要件も欠くことから,同法施行令8条1項1号所定の既成市街地に接続して現に市街化しつつある土地の区域ともいえない。 イ(ア)都市計画法7条2項所定の「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」について,同法施行令8条1項2号は,原則として,①当該都市計画区 しつつある土地の区域ともいえない。 イ(ア)都市計画法7条2項所定の「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」について,同法施行令8条1項2号は,原則として,①当該都市計画区域における市街化の動向並びに鉄道,道路,河川及び用排水施設の整備の見通し等を勘案して市街化することが不適当な土地の区域,②溢水,湛水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域,③優良な集団農地その他長期にわたり農用地として保存すべ- 10 -き土地の区域,④優れた自然の風景を維持し,都市の環境を保持し,水源を涵養し,土砂の流出を防備する等のため保全すべき土地の区域を含まないものとすることと規定している。 (),,,イ本件区域は水源涵養土砂災害の防備及び自然環境保全の見地からこれを保全すべき必要性の大きいことはいうまでもなく,都市計画法施行規則8条1項2号により,市街化区域に含めてはならない区域となる。 ウ以上によれば,本件区域は,都市計画法7条2項所定の「すでに市街地を形成している区域」及び「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」のいずれにも該当せず,本件区域を市街化区域とする本件都市計画決定は違法である。 (被告の主張)ア本件都市計画決定の手続面の適法性(ア)都市計画法16条1項は,都道府県又は市町村は,都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすると規定し,同法18条1項は,都道府県は,関係市町村の意見を聴き,都市計画を決定するものとすると規定している。そして,市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画における関係市町村及び住民の意見との調整について,昭和44年6月4日付けの建設事務次官 意見を聴き,都市計画を決定するものとすると規定している。そして,市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画における関係市町村及び住民の意見との調整について,昭和44年6月4日付けの建設事務次官通達によれば,関係市町村の住民の利害に深い関係を有するので,その指定に当たっては,関係市町村及び住民の意見の調整について十分配慮するため,その意見の聴取等に遺漏のないようにすることとされている。 (イ)兵庫県知事は,昭和45年2月10日,本件区域を市街化調整区域とする案による公聴会を開催した。そして,住民の多くが本件区域を市街化区域と指定することを要望したことから,兵庫県知事は,本件区域を市街化区域とする都市計画の原案を作成して縦覧を行い,本件都市計画決定を行った。 また,本件都市計画決定については,昭和55年以降4度の見直しがなされたが,そのいずれの時点においても,当初指定時と同様,兵庫県知事は,都市計画の素案に関する公聴会を開催し,住民意見の聴取を行うとともに,西宮市に意見照会を行った。 以上のとおり,本件都市計画決定は,その手続においてなんら違法な点はない。 イ本件都市計画決定の実体面の適法性(ア)都市計画法7条2項所定の「おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」については,昭和44年9月10日付けの都市局長通達により,市街地の発展の動向,当該区域の地形,自然条件,交通条件を配慮し,かつ,都市施設を効果的に配置し,整備することができるよう定めたものとするとされ,また,都市計画法施行令8条1項2号は,当該都市計画区域における市街化の動向並びに鉄道,道路,河川及び用排- 11 -水施設の設備の見通し等を勘案して,市街化することが不適当な土地の区域を市街化区域に含めないよう規定している。 そして,昭和55年9月1 おける市街化の動向並びに鉄道,道路,河川及び用排- 11 -水施設の設備の見通し等を勘案して,市街化することが不適当な土地の区域を市街化区域に含めないよう規定している。 そして,昭和55年9月16日付けの都市局長通達によれば,市街化区域内の土地のうち現に市街化されておらず,当分の間,営農が継続されることが確実であることなどにより,計画的な市街地整備の見込みのないものについては,積極的に市街化調整区域に編入するものとされている。 以上からすれば,市街化区域の指定は,人口の動向,航空写真で見る現況のみによって判断すべきものではなく,道路や用排水施設等の整備の見通しを含めた計画的市街地整備の見込みの有無によって総合的に判断すべきものとされていることは明らかである。 (イ)昭和45年に市街化区域の指定がされた時点,昭和55年,昭和60年,平成3年及び平成10年に市街化区域の指定を見直した時点のいずれにおいても,本件区域は,計画的に市街化を図るべき区域として,市街化区域及び市街化調整区域の区分に関する都市計画と同時に定める阪神間都市計画区域の整備,開発又は保全の方針で位置づけられている。そして,本件区域に係る道路,用排水施設等の都市基盤については,γ線の改良整備(昭和49年県道認定,武庫川上流域下水処理区域の指定(昭和56)年,δトンネルの開通(平成3年,下水道供用開始(平成5年)など))着実にその整備が進んでいる。 以上のとおり,本件区域を計画的な市街地整備の見込みがある区域として市街化区域に指定したことについて,実体上の要件不備はなく,本件都市計画決定は適法である。 第3当裁判所の判断 争点1(本件登録価格の違法)について(1)固定資産評価決定の違法の判断方法ア上記第2・1(7)アのとおり,地方税法349条1項は,土地に 都市計画決定は適法である。 第3当裁判所の判断 争点1(本件登録価格の違法)について(1)固定資産評価決定の違法の判断方法ア上記第2・1(7)アのとおり,地方税法349条1項は,土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準を,当該土地の基準年度に係る賦課期日における価格で土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録されたものと規定し,同項にいう価格について,同法341条5号は,適正な時価をいうと規定する。 そして,土地に対する固定資産税は,土地の資産価値に着眼し,その所有という事実に担保力を認めて課する一種の財産税であって,個々の土地の収益性の有無にかかわらず,その所有者に対して課するものであるから,上記の適正な時価とは,正常な取引の下に成立する当該土地の取引価格,すなわち,客観的な交換価値をいうと解される(最高裁判所平成15年6月26日第一小法廷判決・民集57巻6号723頁参照。 )イ適正な時価の意義を上記アのように解すると,土地の適正な時価の算定は,個々の土地について個別的,具体的に鑑定評価することが最も正確な方法ということになるが,課税対象となる土地は全国的に大量に存在することから,個々の土地について,課税の基礎となるべき価格の評価を実施することが困難で- 12 -あることは明らかである。そこで,法は,評価方法を総務大臣の定める固定資産評価基準によることとし,もって,大量の固定資産の評価について,各市町村の評価の均衡を確保するとともに,評価に関与する者の個人差に基づく評価の不均衡を解消しようとしている。 そして,固定資産評価基準は,各筆の土地を個別評価することなく,大量の土地について可及的に適正な時価を評価する技術的方法と基準を規定するものであるから,個別的な評価と同様の正確性を有しないことは制度上やむを得ない 評価基準は,各筆の土地を個別評価することなく,大量の土地について可及的に適正な時価を評価する技術的方法と基準を規定するものであるから,個別的な評価と同様の正確性を有しないことは制度上やむを得ないものというべきであり,固定資産評価基準による評価と客観的時価とが一致しない場合が生ずることも当然に予想される。しかし,適正な時価とは,上記アで指摘したとおり,客観的に観念されるべき価格であって,総務大臣又は市町村長の裁量に属する事項と解することはできず,法が総務大臣の固定資産評価基準に委任したものは適正な時価の算定方法であるから,固定資産評価基準による評価が客観的時価を上回る場合には,その限度において登録価格は違法なものということになる。 ウ以上からすると,固定資産評価決定の違法性を判断する際には,当該決定が固定資産評価基準に従ってなされたかという点だけではなく,その結果算出された価格が当該土地の客観的時価を上回っていないかという点についても審理の対象とすべきである。 そして,原告らは,上記第2・3(1(原告らの主張)アのとおり,本件)区域を市街化区域とする本件都市計画決定がされたことにより,本件各土地は不当に高く評価されていると主張する。そこで,以下,本件都市計画決定が本件登録価格に影響し,その結果,本件各土地の登録価格が適正な時価を上回ることになったと認められるかについて検討する。 (2)本件評価決定の内容ア農地a生産緑地地区内の農地西宮市長は,固定資産評価基準(上記第2・1(7)イ(ア)a)に基づ,,,き生産緑地地区内の田及び畑については別紙評価決定目録記載のとおりいずれも純田及び純畑として評価し,兵庫県西宮市ε××××-1所在の田及び畑を標準地としてその評点数を算出し,これに基づき各土地の評点数を付設したそして同評 畑については別紙評価決定目録記載のとおりいずれも純田及び純畑として評価し,兵庫県西宮市ε××××-1所在の田及び畑を標準地としてその評点数を算出し,これに基づき各土地の評点数を付設したそして同評点数を基礎とし地積及び評点一点当たりの価格1。 ,,(円)を乗じて,各土地の価格が算出された(甲8の2,甲9の2,甲11。 の2,甲12の2)b市街化区域農地西宮市長は,固定資産評価基準(上記第2・1(7)イ(ア)c)に基づき,市街化区域農地については,市街地宅地評価法つまり路線価方式により価格を算出した。 具体的には,西宮市長は,兵庫県西宮市ζ×××又は兵庫県西宮市η×××所在の宅地を標準地とし,当該標準地に接する街路の路線価を付設し,この路線価に基づきその他の街路の路線価を算出し,以上により求めた各路線- 13 -価を基礎として画地計算法を適用し,その後,造成費相当額を控除して各土地の評点数を付設した。そして,同評点数を基礎とし,地積及び評点一点当たりの価格(1円)を乗じて,各土地の価格が算出された(甲8の2,甲。 10の2,甲11の2,甲12の2)c宅地介在農地西宮市長は,固定資産評価基準(上記第2・1(7)イ(ア)b)に基づき,宅地介在農地については,上記bと同様の評価方法により,その価格を算出した(甲13の2。 )イ宅地西宮市長は,固定資産評価基準(上記第2・1(7)イ(イ)a,同b)及び西宮市土地評価要領(上記第2・1(7)ウ(イ)に基づき,宅地につい)ては,市街地宅地評価法つまり路線価方式により価格を算出した。 具体的には,西宮市長は,兵庫県西宮市ζ×××又は兵庫県西宮市η×××所在の宅地を標準地とし,当該標準地に接する街路の路線価を付設し,この路線価に基づきその他の街路の路線価を算出し,以上により求めた 具体的には,西宮市長は,兵庫県西宮市ζ×××又は兵庫県西宮市η×××所在の宅地を標準地とし,当該標準地に接する街路の路線価を付設し,この路線価に基づきその他の街路の路線価を算出し,以上により求めた各路線価を基礎として画地計算法を適用し,各土地の評点数を付設した。そして,同評点数を基礎とし,地積及び評点一点当たりの価格(1円)を乗じて,各土地の価格。(,,,,)が算出された甲8の2申9の2甲11の2甲12の2甲13の2ウ山林西宮市長は,固定資産評価要領(上記第2・1(7)イ(ウ)a)及び西宮市土地評価要領(上記第2・1(7)ウa)に基づき,山林については,別紙評価決定目録記載のとおり,いずれも市街地近郊山林として評価し,兵庫県西宮市θ××××-1又は兵庫県西宮市ι×××所在の山林を標準地としてその評点数を算出し,これに基づき各土地の評点数を付設した。そして,同評点数を基礎とし,地積及び評点一点当たりの価格(1円)を乗じて,各土地の価格。(,,,,,が算出された甲8の2甲9の2甲10の2甲11の2甲12の2甲13の2)エ原野西宮市長は,西宮市土地評価要領(上記第2・1(7)ウ(エ)a)に基づき,原野については,別紙評価決定目録記載のとおり,いずれも宅地介在原野として評価し,市街地宅地評価法つまり路線価方式により価格を算出した。 具体的には,西宮市長は,兵庫県西宮市ζ×××所在の宅地を標準地とし,当該標準地に接する街路の路線価を付設し,この路線価に基づきその他の街路の路線価を算出し,以上により求めた各路線価を基礎として画地計算法を適用し,その後,造成費相当比準率を乗じて各土地の評点数を付設した。そして,同評点数を基礎とし,地積及び評点一点当たりの価格(1円)を乗じて,各土地の価格が算出さ た各路線価を基礎として画地計算法を適用し,その後,造成費相当比準率を乗じて各土地の評点数を付設した。そして,同評点数を基礎とし,地積及び評点一点当たりの価格(1円)を乗じて,各土地の価格が算出された(甲10の2,甲11の2)。 オ雑種地(ア)雑種地(ゴルフ場,遊園地等,鉄軌道用地及び私道を除く)。 ,(()()())西宮市長は西宮市土地評価要領上記第2・1 ウオaa- 14 -に基づき,雑種地については,別紙評価決定目録記載のとおり,いずれも宅地介在雑種地として評価し,市街地宅地評価法つまり路線価方式により価格を算出した。 具体的には,西宮市長は,兵庫県西宮市ζ×××又は兵庫県西宮市η×××所在の宅地を標準地とし,当該標準地に接する街路の路線価を付設し,この路線価に基づきその他の街路の路線価を算出し,以上により求めた各路線価を基礎として画地計算法を適用し,その後,造成費相当比準率を乗じて各土地の評点数を付設した。そして,同評点数を基礎とし,地積及び評点一点当たりの価格(1円)を乗じて,各土地の価格が算出された(甲8の2,。 甲9の2,甲11の2)(イ)私道西宮市長は,私道については,兵庫県西宮市ζ×××所在の宅地を標準地とし,当該標準地に接する街路の路線価を付設し,同路線価に0.1を乗じて各土地の評点数を付設した。そして,同評点数を基礎とし,地積及び評点一点当たりの価格(1円)を乗じて,各土地の価格が算出された(甲12。 の2)(3)固定資産評価基準及び西宮市土地評価要領(以下「固定資産評価基準等」という)に基づく評価方法の合理性。 ア上記(2)で検討したとおり,本件各土地が市街化区域に所在することにより価格の評価方法に影響が生じる土地は,市街化区域農地,原野及び雑種地であることが 等」という)に基づく評価方法の合理性。 ア上記(2)で検討したとおり,本件各土地が市街化区域に所在することにより価格の評価方法に影響が生じる土地は,市街化区域農地,原野及び雑種地であることが認められる。すなわち,市街化区域農地の価格の算出については,固定資産評価基準により,造成費相当額を控除するが,その余は宅地と同様の評価方法が用いられることになり,原野及び雑種地についても,西宮市土地評価要領により,宅地介在原野及び宅地介在雑種地として評価され,造成費相当比準率を乗じるがその余は宅地と同様の評価方法が用いられることになる以,(下,これらの評価方法を併せて「宅地並み評価方法」という。 。)ところで,都市計画法7条2項によれば,市街化区域とは,すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされていることから,市街化区域内の農地,原野及び雑種地は,近い将来,宅地に転用される可能性が高く,宅地としての潜在的価値を有してお,。 り市街地に所在する宅地に準じた価格で取引される状況にあると考えられるそうすると,市街化区域内の農地,原野及び雑種地について宅地並み評価方法を採用する固定資産評価基準等の規定は,当該土地の適正な時価への接近方法として合理的なものであり,法の趣旨に沿うものということができる。 イもっとも,宅地並み評価方法の合理性は,当該土地が,都市計画法7条2項所定の市街化区域の実態を有することを前提として初めて成り立つものであるから,都市計画決定により市街化区域とされた区域が,市街化区域としての実態を有さず,当該区域内の農地,原野及び雑種地が宅地に準じた価格で取引される状況に至っていない場合には,当該土地の価格の算出に当たり,宅地並み評価方法を採用する前提が崩れ,固定資産評価 域としての実態を有さず,当該区域内の農地,原野及び雑種地が宅地に準じた価格で取引される状況に至っていない場合には,当該土地の価格の算出に当たり,宅地並み評価方法を採用する前提が崩れ,固定資産評価基準等の上記規定の合理性を維- 15 -持することはできないことになる。 そして,一般に,農地,原野及び雑種地の取引価格が宅地に比して低額であると考えられることに加え,別紙評価決定目録のとおり,課税地目が純田として評価されている土地と宅地として評価されている土地の価格を比較すると,前者が明らかに低額であることに照らすと,市街化区域としての実態を有さないと認められる区域内に所在する農地,原野及び雑種地の価格の算出についてまでも,固定資産評価基準等に基づき宅地並み評価方法を採用すると,その結果算定された評価額は当該土地の適正な時価を上回ることになると考えられる。このことは,別紙評価決定目録記載のとおり,本件各土地のうち市街化区域農地として評価された土地の評価額と純田として評価された土地の評価額との間で看過できない価格の開きがあることからも裏付けられる。 ウそうすると,本件区域が市街化区域としての実態を有さず,農地,原野及び雑種地が宅地に準じた価格で取引される状況に至っていない限り,本件各土地のうち固定資産評価基準等に基づいて算出された市街化区域農地原野及び雑種地の価格は,当該土地の適正な時価から乖離し,これを上回るものと認められる。したがって,本件評価決定は,その限度で違法となるものと解される。なお,上記(1)で説示したとおり,固定資産評価決定の違法は,当該土地について算定された評価額が適正な時価を上回るか否かという観点から検討されるべき問題であるから,賦課期日において当該土地を含む区域が市街化区域としての実態を有するかということを端的に問題 ,当該土地について算定された評価額が適正な時価を上回るか否かという観点から検討されるべき問題であるから,賦課期日において当該土地を含む区域が市街化区域としての実態を有するかということを端的に問題とすれば足りるのであって,都市計画決定自体の違法を問題とする必要はない。 (4)本件区域の実態ア証拠(甲19の2,甲33,乙4)及び弁論の全趣旨によれば,①本件各土地はいずれも兵庫県西宮市κλに所在するところ,λ地区の面積が,西宮市全体の面積の中に占める割合は9.01パーセントであり,κ全体の面積に占める割合は37.07パーセントであること,②κの面積の75パーセントが市街化調整区域であり,残り25パーセントが市街化区域であること,③本件都市計画決定前の昭和40年から平成12年までのλ地区の人口及び世帯数の推移についてみると,人口については,昭和40年が669人,昭和45年が679人,昭和55年が825人,平成2年が769人,平成12年が781人であり,世帯数については,昭和40年が123世帯,昭和45年が141世帯,昭和55年が201世帯,平成2年が207世帯,平成12年が232世帯であること,④平成12年のλ地区の人口が,同年の西宮市全体の人口に占. ,. める割合は018パーセントであり同年のκ全体の人口に占める割合は461パーセントであること,⑤平成12年のλ地区の世帯数が,同年の西宮市全体の世帯数に占める割合は0.13パーセントであり,同年のκ全体の世帯数に占める割合は4.48パーセントであること,⑥平成12年の西宮市全体の人口密度は1ヘクタール当たり44.47人であり,同年のκ全体の人口密度は1ヘクタール当たり7.12人であり,同年のλ地区の人口密度は1ヘクタール当たり0.85人であること,⑦本件区域において,比較的住居が は1ヘクタール当たり44.47人であり,同年のκ全体の人口密度は1ヘクタール当たり7.12人であり,同年のλ地区の人口密度は1ヘクタール当たり0.85人であること,⑦本件区域において,比較的住居が集中- 16 -している地域の割合は,本件区域全体の面積の約2割程度であり,その余の地域には山林や田畑が広がっていること,⑧κの市街化区域内の人口密度は1ヘクタール当たり約29人であり,西宮市の中では最も人口密度の低い地区であることが認められる。 イ上記ア②で認定したとおり,確かに,本件区域が所在するλ地区は,本件都市計画決定がされた昭和45年と本件評価決定がされた平成12年を比べると,人口は約100人増加しており,世帯数は約90世帯増加している。しかし,このようなλ地区における人口及び世帯数の増加は,昭和45年から昭和55年にかけて集中しているのであって,平成2年から平成12年までの10年間の増加率はわずかであり,昭和55年の人口と比べるとむしろ減少している。 ,,,,また上記ア⑥同⑧で認定したとおり平成12年のλ地区の人口密度は西宮市全体の人口密度の約50分の1であり,西宮市の中で最も人口密度の低い地区とされているκ全体の人口密度に比べても約8分の1であることからすると,本件各土地が所在するλ地区は,西宮市の中において極めて人口密度の低い地区であることが認められる。 そして,本件各土地のうち市街化区域農地,原野及び雑種地は,本件区域を市街化区域とする本件都市計画決定がされてから30年が経過された現在も宅地に転用されていない(甲30。 )以上に指摘した点に加え,上記アで認定した諸事実を総合考慮すると,本件各土地が所在する本件区域は,現に市街地を形成しているとは認められないのみならず,今後の人口の増加により市街化が図られることも )以上に指摘した点に加え,上記アで認定した諸事実を総合考慮すると,本件各土地が所在する本件区域は,現に市街地を形成しているとは認められないのみならず,今後の人口の増加により市街化が図られることも見込めないから,市街化区域としての実態を有していないというほかなく,したがって,農地,原野及び雑種地が宅地に準じた価格で取引される状況にないといわざるをえない。 (5)まとめア以上によれば,本件各土地のうち市街化区域農地(本件土地1の4,3の1ないし3の6,3の8ないし3の11,4の1,5の8,5の14,6の1ないし6の11,原野(課税地目(本件土地3の7,3の12,4の6ない))し4の8,4の10)及び雑種地(課税地目(本件土地1の17のうち課税)地目が雑種地の部分(別紙評価決定目録中本件土地1の17(1,1の1))9,2の4,2の5,4の13)について,宅地並み評価方法により算定された本件登録価格は,当該土地の適正な時価を上回ると認められることから,その限度で本件評価決定は違法となるものと解される。 イ本件各土地のうち上記以外の土地については,市街化区域に所在することが価格の評価方法に影響を与えていないので,本件区域が市街化区域としての実体を有しないと認められたとしても,その評価額が適正な時価を上回ることになるとは直ちに認められない。 原告らは,上記第2・3(1(原告らの主張)イのとおり,本件区域は,)市街化調整区域となるべき区域であり,市街化区域内の土地については,開発- 17 -行為が原則自由であることから,開発行為が厳重に規制されている市街化域調整区域の土地に比較して,本件各土地は高額に評価されていることは明らかであると主張する。確かに,原告らが指摘するとおり,都市計画法34条は,市街化調整区域内における開発行 に規制されている市街化域調整区域の土地に比較して,本件各土地は高額に評価されていることは明らかであると主張する。確かに,原告らが指摘するとおり,都市計画法34条は,市街化調整区域内における開発行為について,同条1号ないし10号所定の要件のいずれかに該当しなければ,都道府県知事は開発許可をしてはならないと規定し,市街化区域内における開発行為に比べて,開発許可の要件を加重している。しかし,本件区域が市街化調整区域となるべき区域であるとの点は措くとしても,上記のような市街化区域と市街化調整区域の開発行為に関する都市計画法上の制限の差異が,当該区域内の土地の固定資産評価額に影響を与えているとまでは断ずることができず,この点の原告らの主張は採用できない。 また,原告らは,上記第2・3(1(原告らの主張)イのとおり,本件区)域が市街化区域であることが標準地の選定に影響していると主張する。本件各土地の評価のために選定されている標準地は上記(2)のとおりであるが,本件において,本件区域が市街化区域であることが,これら標準地の選定に影響を与えていると断ずることもできず,この点の原告らの主張も採用することはできない。 そして,原告らは,上記第2・3(2(3)のとおり,本件都市計画決),定が違法であることから本件評価決定も違法となると主張する。しかし,上記で検討したとおり,市街化区域内に所在するか否かにかかわらず価格の評価方法に影響が生じない土地については,本件登録価格が適正な時価を上回るとは,,,認められないのであるから仮に本件都市計画決定が違法であったとしても本件評価決定が違法となるものではない。 したがって,本件土地1の1ないし1の3,1の5ないし1の16,1の17のうち課税地目が畑,田及び宅地の部分,1の18,主の20ないし1の25, ったとしても本件評価決定が違法となるものではない。 したがって,本件土地1の1ないし1の3,1の5ないし1の16,1の17のうち課税地目が畑,田及び宅地の部分,1の18,主の20ないし1の25,2の1ないし2の3,2の6ないし2の26,3の13ないし3の15,4の2ないし4の5,4の9,4の11,4の12,5の1ないし5の7,5の9ないし5の13,5の15ないし5の24,6の12,6の13に関する原告らの請求については,その余の争点について判断するまでもなく,いずれも棄却することとなる。 ウところで,固定資産評価額に関する不服を理由とする訴訟については,いわゆる裁決主義が採られており(地方税法432条1項,434条,原告らは)審査決定の固有の瑕疵だけでなく原処分である登録価格の決定自体の違法をも主張することができるから,登録価格が適正な価格を上回ることを理由に登録価格の決定が違法とされ,これを相当とした審査決定が取り消されることがある。この場合,裁判所が,適正な価格として具体的金額を認定し,登録価格がこれを超えることを理由にその決定を違法とするときは,その超える部分についてのみ審査決定を取り消すいわゆる一部取消判決をするのが相当である。そして,一部取消判決がなされた場合,行政事件訴訟法33条1項により,その拘束力は関係行政庁である市町村長に及び,市町村長は,審査決定がなされた場合と同様の措置をとることが義務づけられることになる。 - 18 -もっとも,客観的に適正とされる価格を認定し判断するためには訴訟手続内の資料では足りず,そのため裁判所として具体的な金額を認定することができないときは,固定資産評価委員会に改めて判決の趣旨に従い,これについての審理をさせるのが相当であると考えられる。このことは,裁判所と固定資産評価委員会の機 判所として具体的な金額を認定することができないときは,固定資産評価委員会に改めて判決の趣旨に従い,これについての審理をさせるのが相当であると考えられる。このことは,裁判所と固定資産評価委員会の機能の差異からする要請でもあるといえる。したがって,かかる場合には,裁判所としては,固定資産評価委員会の決定を全体として取り消すことになる。 そして,本件各土地のうち市街化区域農地,雑種地及び原野については,本件登録価格が客観的時価を超えていることは認定できても,提出された証拠だけでは,選定すべき標準地及びその価格等を確定することができず,適正な時。 ,,価がいくらであるかを認定することができないしたがって本件においては適正な時価について上記趣旨に従い改めて審査させるのが相当であるから,上記各土地に関する被告の本件審査決定を全部取り消すべきである。 結論 以上によれば,本件土地1の4,1の17のうち課税地目が雑種地の部分,1の19,2の4,2の5,3の1ないし3の12,4の1,4の6ないし4の8,4の10,4の13,5の8,5の14,6の1ないし6の11に関する原告らの請求は理由があるから認容することとするが,その余の土地に関する原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第5民事部裁判長裁判官村岡泰行裁判官野中百合子裁判官山下隼人
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