【DRY-RUN】主 文 原判決中上告人A1および同A2に関する部分を破棄する。 被上告人の右上告人両名に対する控訴を棄却する。 その余の上告を棄却する。 上告人A1およ
主文原判決中上告人A1および同A2に関する部分を破棄する。 被上告人の右上告人両名に対する控訴を棄却する。 その余の上告を棄却する。 上告人A1および同A2と被上告人との間に生じた訴訟の総費用は被上告人の負担とし、上告人A3と被上告人との間に生じた上告費用は右上告人の負担とする。 理由上告代理人飯島安三郎名義の上告理由第一点について。 原判決によれば、本件土地は上告人ら三名の共有であるところ、D農地委員会は右土地につき自作農創設特別措置法の規定により買収計画を樹立して手続を進め、さらに、被上告人は昭和二三年七月二日を買収の時期とする買収の手続をしたが、右委員会は買収計画およびその公告にあたり、また、被上告人は右買収処分にあたり、いずれも所有者の表示をA3外二名と記載し、買収令書は右のように記載されたものを昭和二四年二月三日上告人A3に交付したのみで、上告人A1、同A2には交付せず、右上告人両名は上告人A3に交付された令書の移送を受けたことも、右令書の受領を追認したこともなかつたところ、その後、本訴が提起された後において、被上告人は、昭和三〇年九月三〇日上告人A2に対し、また、昭和三一年一二月一七日上告人A1に対し、それぞれ、農地法施行法二条一項五号の規定に基づき、前記昭和二三年七月二日を買収の時期とする買収令書を郵送交付した、というのである。 おもうに、農地法施行法二条一項五号の規定が自作農創設特別措置法の規定による公告のあつた買収計画にかかる牧野について従前の例により買収することができるものとしたのは、それが経過規定であるという趣旨から考察すれば、買収計画の- 1 -公告・承認後遅滞なく買収令書を交付する場合とか、買収計画の公告・承認後遅滞なく買収令書 より買収することができるものとしたのは、それが経過規定であるという趣旨から考察すれば、買収計画の- 1 -公告・承認後遅滞なく買収令書を交付する場合とか、買収計画の公告・承認後遅滞なく買収令書の交付または公告がなされたが、それが法定の要件を欠く違法のものであつたため、当該交付または公告の瑕疵を補正する意味で、重ねて買収令書の交付を行なう等旧法に基づき進行中の買収手続を終了させる場合などにかぎられ、本件のように、上告人A1、同A2に対しては、買収計画の公告・承認後遅滞なく買収令書の交付や公告が行なわれた事跡がまつたくないにもかかわらず、買収の時期より七、八年も経過した後に、前記農地法施行法の規定に依拠してあらたに買収令書を交付して買収処分をするがごときは到底許されないものと解すべきである(最高裁判所昭和四三年六月一三日第一小法廷判決、民集二二巻六号一一九八頁参照)。 したがつて、上告人A1、同A2に対する昭和三〇、三一年における各買収令書の交付は無効というほかなく、これを有効と認めた原審の判断に前記農地法施行法の規定の違反があるとする諭旨は理由があるに帰し、原判決は、その余の上告理由について判断を加えるまでもなく、右上告人両名に関する部分については破棄を免れない。 ところで、原判決の確定した事実に徴すれば、本件土地につき上告人ら三名の各持分は平等と認められるところ、共有土地の買収は、法律的には、結局、共有者各人に対し、その持分を買収することとなるものと解すべきであるから、本件係争の買収処分の各上告人に対する関係は、各上告人の持分に対する買収処分と認むべきである。そして、原判決の確定した事実に徴すれば、上告人A1、同A2については一度も有効な買収令書の交付がなかつたこととなるから、結局、右上告人両名に対する各持分の買収処分は無効といわ 分と認むべきである。そして、原判決の確定した事実に徴すれば、上告人A1、同A2については一度も有効な買収令書の交付がなかつたこととなるから、結局、右上告人両名に対する各持分の買収処分は無効といわざるをえない。 以上の次第で、上告人A1、同A2に対する買収処分の無効確認を求める本訴請求を認容すべきことは明らかであり、第一審判決は理由を異にするが、結局、昭和二三年七月二日を買収の時期とする右上告人両名に対する買収処分の無効を確認す- 2 -るものとして結論を同じくするから、右上告人両名に対してした被上告人の控訴は理由なきに帰し、これを棄却すべきである。 つぎに、上告人A3については、原判決の確定した事実に徴すれば、昭和二四年二月三日同上告人に対する買収令書の交付により同上告人の持分についての買収処分があつたものというべく、原判決は、同上告人に対する右買収処分は無効でないと判断しているものと解すべきところ、上告理由はこの点につき何ら主張するところがないから、同上告人の上告は棄却すべきものである。 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条、三九六条、三八四条、九五条、九六条、九三条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小川信雄裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一裁判官岡原昌男- 3 -
▼ クリックして全文を表示