平成28(ワ)137 損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成30年1月26日 岐阜地方裁判所
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判決文本文59,747 文字)

主文 1 原告が,被告Y1に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。 2 被告Y1は,原告に対し,328万7874円及び別紙1「支払額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 3 被告Y1は,原告に対し,平成30年8月から本判決確定の日まで,毎月末日限り月額21万8000円の割合による金員及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 4 被告Y1は,原告に対し,110万円及びこれに対する平成27年10月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 被告Y1及び被告Y2は,原告に対し,連帯して,55万円及びこれに対する平成28年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 7 訴訟費用は,原告に生じた費用の2分の1及び被告Y1に生じた費用の5分の4を被告Y1の負担とし,原告に生じた費用の4分の1及び被告Y2に生じた費用の2分の1を被告Y2の負担とし,原告に生じたその余の費用,被告Y1に生じたその余の費用,被告Y2に生じたその余の費用及び被告Y3に生じた費用については,原告の負担とする。 8 この判決は,第2項ないし第5項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求(以下,個々の請求の趣旨を各項の番号を用いて,「請求の趣旨1」などと表記する。) 1 主文1項と同旨 2 被告Y1は,原告に対し,239万1903円及びこれに対する平成28年3月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 3 被告Y1は,原告に対し,平成28年3 項と同旨 2 被告Y1は,原告に対し,239万1903円及びこれに対する平成28年3月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 3 被告Y1は,原告に対し,平成28年3月から本判決確定の日まで,毎月末日限り月額21万8000円の割合による金員及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 4 被告Y1は,原告に対し,220万円及びこれに対する平成27年10月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 被告Y1は,原告に対し,110万円及びこれに対する平成27年2月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 被告らは,原告に対し,連帯して,220万円及びこれに対する平成28年3月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 被告らは,原告に対し,連帯して,12万9580円及びこれに対する平成29年1月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,歯科技工士として被告Y1に雇用された原告が,労働契約又はこれに関連する被告らの不法行為に基づいて,以下の請求をした事案である。 ⑴ 請求の趣旨1被告らによる産前産後休暇(以下「産休」という。)及び育児休業(以下「育休」という。)の取得に関する嫌がらせ等の違法な行為によりうつ病を発症したために休職に至ったにもかかわらず,被告Y1が,原告の休職事由が休職期間の満了日までに解消されなかったことを理由に原告を一般退職扱いとしたことについて,業務上の傷病の療養のために休業する期間中において当該労働者を退職させることは許されない(労働基準法(以下「労基法」という。)19条参照。)と主張して,被告Y1に対する労働契約上の権利を有する て,業務上の傷病の療養のために休業する期間中において当該労働者を退職させることは許されない(労働基準法(以下「労基法」という。)19条参照。)と主張して,被告Y1に対する労働契約上の権利を有する地位にあることの確認⑵ 請求の趣旨2ア主位的請求被告Y1に対する労働契約に基づく未払賃金1万9520円(違法な懲 戒処分に基づく減給処分による未払賃金)及びこれに対する平成28年3月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金並びに平成27年3月1日から平成28年2月までの確定未払賃金237万2383円(既払金を除いたもの)及びこれらに対する平成28年3月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払請求イ予備的請求 被告Y1に対する労働契約に基づく未払賃金1万9520円(違法な懲戒処分に基づく減給処分による未払賃金)及びこれに対する平成28年3月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金 被告Y1に対する不法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払請求⑶ 請求の趣旨3ア主位的請求被告Y1に対する労働契約に基づく平成28年3月以降の毎月の賃金及びこれらに対する遅延損害金の支払請求イ予備的請求被告Y1に対する不法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払請求⑷ 請求の趣旨4被告Y1による原告の一般退職扱いについての,被告Y1に対する不法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払請求⑸ 請求の趣旨5被告Y1による違法な懲戒処分についての,被告Y1に対する不法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅 法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払請求⑸ 請求の趣旨5被告Y1による違法な懲戒処分についての,被告Y1に対する不法行為に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払請求⑹ 請求の趣旨6 被告らによる原告の産休及び育休の取得に対する違法な嫌がらせにつき,共同不法行為又は被告Y1については使用者責任に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払請求⑺ 請求の趣旨7請求の趣旨6記載の違法な嫌がらせにつき,共同不法行為又は被告Y1については使用者責任に基づく損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払請求 2 前提事実(争いのない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)⑴ 当事者等ア被告Y1は,岐阜市内において,歯科医院「被告クリニック」(以下「本件クリニック」という。)を営む歯科医師であり,本件クリニックの院長である。 イ被告Y2は,本件クリニックの副院長であり,被告Y3は,本件クリニックの事務局長である。 ウ甲は,本件クリニックの従業員であり,本件クリニック在職中,原告よりも先に妊娠,出産をした者である。 エ原告(旧姓はX’)は,平成22年3月8日に本件クリニックに歯科技工士として採用され(なお,同日から同年5月31日までは試用期間であり,原告が本件クリニックの正社員となったのは同年6月1日である。),本件クリニックに勤務していた者である。原告は,平成23年頃,乙株式会社(以下「本件株式会社」という。)への転籍を命じられたことがあったが,平成27年1月27日以降も,被告Y1との間で雇用契約を締結していた。 オ原告と被告Y1との間の雇用契約(以下「本件契約」と 下「本件株式会社」という。)への転籍を命じられたことがあったが,平成27年1月27日以降も,被告Y1との間で雇用契約を締結していた。 オ原告と被告Y1との間の雇用契約(以下「本件契約」という。)は,期間の定めのない雇用契約であり,平成25年4月以降の固定給は月額21 万8000円,締日は毎月10日,支払日は毎月末日であった。 また,平成24年4月23日に改訂された本件クリニックの就業規則(以下「本件就業規則」という。)の内容の一部は,別紙2記載のとおりであった(乙3)。 ⑵ 原告は,平成25年4月10日に婚姻し,その頃第一子を妊娠したため,同年6月1日,被告らに妊娠の報告を行い,平成25年12月末から産休及び育休を取得した。なお,原告は,平成26年1月4日に第一子を出産した。 ⑶ 原告は,平成27年1月13日,本件クリニックに復職した。 ⑷ 原告は,平成27年1月23日,第二子の妊娠が判明したため,被告らに対し,産休及び育休を取得したい旨申し入れた。 ⑸ 原告は,平成27年2月27日頃,以下の事案1及び事案2を懲戒事由として平成27年2月分の給与から7520円が控除される減給の懲戒処分を受けた(以下「本件懲戒処分」という)。 また,被告Y1は,原告に対し,平成27年2月分の給与については,本件クリニックの賃金規程17条2項に基づき,精勤手当1万2000円を支給しなかった。 ア事案1(本件就業規則39条1項4号(31条2項違反))原告が,①労働局に対して,本件クリニックの従業員である他の妊婦を例に挙げた上で本件クリニックが妊産婦に対して不当に時短を命じている旨の虚偽の報告をして,同妊婦と本件クリニックとの間の信頼関係を損なったこと,②原告と被告Y1が①に関する事実関係を確認する際に同妊婦が同席 上で本件クリニックが妊産婦に対して不当に時短を命じている旨の虚偽の報告をして,同妊婦と本件クリニックとの間の信頼関係を損なったこと,②原告と被告Y1が①に関する事実関係を確認する際に同妊婦が同席していたところ,原告が,声を荒げて反抗的な態度をし,上長の名誉を傷つけるとともに,同妊婦にショックを与えて本件クリニックのスタッフ間の信頼関係を損なったこと,③①に関する報告書を求められたものの,原告が報告書としては考えられない文書を提出したこと。 イ事案2(本件就業規則39条1項1号) 原告が,平成27年1月3日に育休が終了しているにもかかわらず,規定の届出,本件クリニックへの相談,同意又は了解を得ず,出勤日を一方的に定めて,同月13日から出勤を開始したこと(同月4日から同月9日までの6日間については,無断欠勤とみなす。)。 (以上,甲7ないし9)⑹ 原告は,平成27年3月16日,本件クリニックを早退して,丙メンタルクリニックを受診したところ,不安抑うつ状態と診断され,同月17日から1か月の休養加療を要する旨の診断を受けた。(甲10)原告は,その後,平成27年3月18日,体調不良を理由に本件クリニックを早退し,同月20日,体調不良を理由に本件クリニックに出勤しなかった。原告は,同月18日の早退以降,一度も本件クリニックに出勤せず,休職状態となった(以下「本件休職」という。)。 さらに,原告は,同年4月11日,丙メンタルクリニックにおいて,不安抑うつ状態であり,同月17日から3か月の休養加療を要する旨の診断を受けた。また,原告は,同年8月12日,丙メンタルクリニックにおいて,抑うつ神経症と診断され,それ以降,本件口頭弁論終結時においてもなお休養加療を要する状態が続いている(以下,これらの原告の不安 を受けた。また,原告は,同年8月12日,丙メンタルクリニックにおいて,抑うつ神経症と診断され,それ以降,本件口頭弁論終結時においてもなお休養加療を要する状態が続いている(以下,これらの原告の不安抑うつ状態及び抑うつ神経症をまとめて「本件精神疾患」という。)。(甲30の1ないし10)⑺ 原告は,平成27年6月19日,第二子を出産した。 ⑻ 被告Y1は,原告代理人弁護士に対し,平成27年10月7日付け被告Y1代理人弁護士名義の書面により,原告が同年3月に提出した休職願による休職期間が満了する同年9月16日をもって,本件就業規則所定の6か月の休職期間を満了したため,一般退職扱い(以下「本件退職扱い」という。)とした旨の通知(以下「本件退職通知」という。)をした。(甲13)⑼ 原告は,平成29年7月11日,第三子を出産した。(原告本人) ⑽ 本件クリニックでは,毎朝午前8時30分頃から55分頃までの間,本件クリニックに勤務する全従業員(平成27年2月当時は約35人程度)が参加する朝礼が行われているところ,朝礼において,午前8時45分頃から55分頃までの間,被告Y1及び被告Y2が事務連絡や訓示等を行っている。 (被告Y2) 3 争点及びこれに関する当事者の主張⑴ 本件懲戒処分の有効性(原告の主張)ア本件懲戒処分は,懲戒事由が存在しないため,無効である。すなわち,事案1については,本件クリニックが妊産婦に対して不当に時短を命じているのは事実であるから,原告が労働局に報告した内容は虚偽の事実ではないし,原告が上長に対して声を荒げて反抗的な態度をし,上長の名誉を傷つけた事実はない。また,原告は,被告Y2に対し,特に失礼な発言をした事実がないため,その旨の報告書を作成したのにすぎないのであるか いし,原告が上長に対して声を荒げて反抗的な態度をし,上長の名誉を傷つけた事実はない。また,原告は,被告Y2に対し,特に失礼な発言をした事実がないため,その旨の報告書を作成したのにすぎないのであるから,これが「報告書としては考えられない文書」には当たらない。事案2については,原告は,被告Y3の了解を得て,平成27年1月13日に本件クリニックに復職することが決まっており,これに従って,同日,本件クリニックに復職したのであるから,同月4日から同月9日までの期間が無断欠勤であるとはいえない。 イ本件懲戒処分は,原告が労働局に対して申告したことを理由として行われていることから,労基法104条2項に反するという点からも,違法になる。 ウ本件懲戒処分に当たっては,被告らが原告に弁明の手続を与えなかった点において,手続上の違法も認められる。なお,本件懲戒処分に係る懲戒処分通知書の作成日付は平成27年2月28日とされているが,同月27日の段階で原告に手渡されていた。 (被告らの主張)ア事案1及び2については,いずれについても処分の対象となった事実が認められる。すなわち,事案1については,労働局の職員が,平成27年2月10日,本件クリニックを訪問し,原告以外の妊婦に本件クリニックがパートになるよう圧力をかけたというのは本当かと尋ねた。そのため,被告Y2及び被告Y3は,同月13日,原告と甲の両者の同席の下,事実関係の確認をしたところ,甲は本件クリニックから圧力は一切かけられていない旨明確に否定したが,原告は,本件クリニックが甲にパートになるように圧力をかけているという噂を聞いた,噂の出所は言えないと強弁し,被告Y2に向かって大きな声をあげて食ってかかるなどした。被告Y2及び被告Y3は,原告に対し,原告におい ニックが甲にパートになるように圧力をかけているという噂を聞いた,噂の出所は言えないと強弁し,被告Y2に向かって大きな声をあげて食ってかかるなどした。被告Y2及び被告Y3は,原告に対し,原告において,本件クリニックが妊婦に対して不当な時短を命じたなどと根拠もないのに事実に反する申告を労働局に対して行ったことは,本件クリニックのみならず甲の名誉も傷つけ,本件クリニックの従業員の信用を損ねるものであることを指摘し,反省を求めた。さらに,被告Y2及び被告Y3が,原告に対し,労働局に対して申告したことの経緯や甲に関する申告内容が作り話でないのであれば,報告書で根拠を示すよう指示したところ,原告は,同月14日,報告できないと述べて,内容のない報告書を提出するにとどまった。このような原告の対応は,本件就業規則39条1項4号の規定する誠実義務違反,迷惑,不正行為の禁止に該当するから,懲戒事由が存在する。 事案2については,原告の第一子の育休は,最大で平成27年1月4日まで認められるものであったところ,原告は,育休に関する届出をせず,同月13日に突然本件クリニックに出勤し,復職した。原告は,同月5日から同月9日までの欠勤届を出さずに同期間無断欠勤したのであり,本件就業規則39条1項1号に定められる懲戒事由が認められる。 イまた,被告Y1は,本件懲戒処分について,原告が労働局に対し申告を したために懲戒処分にしたのではなく,全く事実と異なることを労働局に申告して本件クリニック及び同僚の名誉と信用を傷つけたことを理由のひとつとして懲戒処分をしたものであるから,本件懲戒処分は労基法104条2項に反するものではない。 ウ被告Y2及び被告Y3は,平成27年2月27日,本件クリニック多目的ホールにおいて,本件クリニックの従業 処分をしたものであるから,本件懲戒処分は労基法104条2項に反するものではない。 ウ被告Y2及び被告Y3は,平成27年2月27日,本件クリニック多目的ホールにおいて,本件クリニックの従業員3名の立会いのもと,原告に対して,本件就業規則を示しつつ,懲戒処分の対象となる事案の内容について説明を行った上で,質問と弁明の機会を与えたが,原告からは何らの弁明や意見も出なかった。その後,被告Y2は,事務局において,被告Y3の同席の下,原告に対して1日待つので反省の念を示してほしいと伝え,懲戒処分回避の機会を与えたものの,原告からは特に反応がなかった。そこで,被告Y2及び被告Y3は,同日,被告Y1に対し,上記一連の経緯を説明した上で,被告らにおいて改めて意見交換をした結果,懲戒処分を下すこととして,翌28日,原告に対する懲戒処分通知書を出した。したがって,被告らとしては,必要な手続を踏んだ上で本件懲戒処分を行ったものであって,手続上も違法ではない。 ⑵ 本件精神疾患発症の業務起因性の有無(原告の主張)本件精神疾患は,以下に記載する被告らのハラスメント行為により生じたものであって,職場の上司等との人間関係に関する職場環境の悪化を原因として生じたものと認められるから,業務起因性が認められる。 ア原告は,平成25年6月1日,夫とともに被告らに第一子の妊娠の報告をした。 原告は,同月3日,被告Y3に対して,本件クリニックにおける産休や育休に関する制度について確認すべく本件就業規則のコピーを交付するよう依頼するなどしたが,被告Y3及び被告Y2から,なぜ急いで本件就業 規則の開示を求めるのかなどと責められ,結局本件就業規則は開示してもらえなかった。 イ原告は,平成25年11月6日,同月22日に原 ,被告Y3及び被告Y2から,なぜ急いで本件就業 規則の開示を求めるのかなどと責められ,結局本件就業規則は開示してもらえなかった。 イ原告は,平成25年11月6日,同月22日に原告の妹の結婚式に出席するために年次有給休暇(以下「本件有給休暇」という。)を取得しようとして,被告Y1に対して有給休暇願を提出した。しかし,被告Y3から金曜日に有給休暇は取得できないと言われたため,原告は,本件有給休暇の取得及び妹の結婚式への出席を諦めた。 また,原告は,本件有給休暇の取得に関して,同月16日には被告Y3から「お前馬鹿か。」などの暴言を,同月17日には被告Y2から「給料もらって行こうなんて浅ましいよ。」などの暴言を,それぞれ吐かれた上,被告Y2から,本件有給休暇を取得すれば,自主退職の形式で退職しなければならないといった説明等を受けた。 ウ原告は,平成27年1月13日,本件クリニックに復職したところ,同月14日,被告Y2から,「はじめは,4時半までから始めた方がいいと思う。」,「給料は時給でパートという形だから精勤手当はない。」,「1年も休んでいたんだから,この先長く勤めるためにもそこから始めたほうがいい。」などと,原告が育休をとったことを暗に非難し,パートタイム勤務扱いという条件を受諾しなければ今後の勤務に支障が生ずるかのように告げて,原告を威圧した。 また,原告が被告Y2からの上記提案を承諾していなかったにもかかわらず,被告Y2は,同月16日,本件クリニックの他の従業員に対して原告の勤務時間を午後4時30分までとするよう指示し,原告にも午後4時30分には勤務を終了してほしい旨告げ,原告が既にパートタイム勤務扱いになっていることを前提にした。また,その際,被告Y2は,原告に対して「今はもう 4時30分までとするよう指示し,原告にも午後4時30分には勤務を終了してほしい旨告げ,原告が既にパートタイム勤務扱いになっていることを前提にした。また,その際,被告Y2は,原告に対して「今はもうパートの段階だからね。」などと言った。 原告は,同月19日,被告Y3から「産休後の勤務形態について(提案)」 と題する書面(甲4。以下「本件書面」という。)を渡された。本件書面には,原告の勤務条件について,午前8時30分から午後4時30分までの7時間を就労時間とすること,残業はなしとすること等を提案する旨記載されていた。 エ被告Y2は,平成27年1月20日,朝礼時に「被告クリニックのために何ができるかよ。私が,私がじゃだめよ。」などと原告に対する不満を暗に述べた。また,同日,被告Y1及び被告Y2は,原告に対し,「戻ってきてもらっても困る。」,「1年も休んでいて,気がしれない。」,「うちにあわせてもらえないと。」などと言い,本件書面記載の条件でパートタイム勤務となるか退職するかの選択肢しかないなどと述べた。 オ原告が,平成27年1月23日,被告Y1及び被告Y3に対し,本件書面記載の勤務条件は受け入れられず,これまでどおり正社員として勤務したいこと,第二子の妊娠が判明したため,再度産休及び育休を取得したいことを話したところ,被告Y1は,原告に対し,「妊娠してどうするつもりなの。」,「時短には応じないと折り合いはつかないと思うよ。」,「結局折り合わないと物別れになっちゃって裁判とかなっちゃうわけだよね。」などと発言し,これに同調して,被告Y3も,「また産休やるの。」などと発言し,原告がパートタイム勤務となるように仕向けた。 また,被告Y2は,同月30日以降,原告からの挨拶を無視するようになった。 ,これに同調して,被告Y3も,「また産休やるの。」などと発言し,原告がパートタイム勤務となるように仕向けた。 また,被告Y2は,同月30日以降,原告からの挨拶を無視するようになった。 カ原告は,平成27年2月13日,被告Y2から,原告が同年1月22日に被告らからパートタイム勤務扱いにするように圧力等をかけられていることについて労働局に相談したことを非難された。 また,被告Y2は,原告に対し,先月分の残業があるから,1日8時間勤務にするべく午後4時30分には帰宅すること,帰宅時間については業務命令であることを告げるとともに,同年2月14日を期限として,原告 の被告Y2に対する失礼な発言について報告書を提出するよう命じた。 さらに,原告は,技工指示書に従い技工物を作成する業務に従事していたが,同月12日から同月22日までの間,技工指示書を渡してもらえず,仕事が与えられない状況となった。被告Y1及び被告Y3も,同月中旬頃以降,原告が挨拶をしても無視するようになった。 キ被告Y2は,平成27年2月16日の朝礼において,遠い旅から1年ぶりに里親の下に戻ってきたA子が,里親がA子に門限等の制限を与えたことに不満を持ち,里親の支援機関の管理長に自分だけでなく他の里子もいじめを受けていると訴えたために,里親は,同支援機関の管理長に問いただされ,一生懸命里子を育ててきたのに根拠のない事実で注意を受けたことに大変ショックを受けたというたとえ話をした。 そして,被告Y2は,本件クリニックの従業員らに対して「A子さんの態度が失礼だと思う方,手を挙げてください。」と問いかけて,従業員らに手を挙げさせ,「ほとんどの方が失礼ですね,はい。」と言って話を終えた。 原告は,上記たとえ話のA子が て「A子さんの態度が失礼だと思う方,手を挙げてください。」と問いかけて,従業員らに手を挙げさせ,「ほとんどの方が失礼ですね,はい。」と言って話を終えた。 原告は,上記たとえ話のA子が当時の原告に酷似する状況であったために,同僚らの前で自分の人格が否定された気持ちになり,絶望感及び失望感を味わった。 また,被告Y1も,上記朝礼において,「身近な人の『こうげき』がなくなる本」と題する書籍(以下「本件書籍」という。)を参照して,身近な人からの攻撃に関する話をしたが,原告の被告らに対する対応を攻撃とみなし,原告を暗に非難するものであった。また,被告Y1は,攻撃をしてくる人は障害があるなどと話したため,原告は自分が障害者呼ばわりされている気持ちになり,強いショックを受けた。 この点,被告Y2のブログの同月6日付けの記事における「ブラック社員が怖い」との記載や,同ブログの同月7日付けの記事における「被告ク リニックという組織のことを,より重要視して考える忠誠心のあるスタッフ」が求められている旨の記載からも,被告Y1及び被告Y2が原告について攻撃をする者とみなして非難していたことが裏付けられる。 さらに,原告は,同月16日午後,被告Y3から,「今日を入れて後4日,4時半までとしてください。」と,早く帰宅するよう指示された。 ク被告Y1は,平成27年2月17日の朝礼において,本件書籍に基づき,訳も分からず攻撃をしてくる相手に対する対処法について,詮索や余計な世話をしないようになどと話し,暗に原告の人格を否定した。 ケ被告Y2は,平成27年2月18日の朝礼において,「自己を無にして投資して初めて本当のことができる。」,「利己的なものが出てくると人は怖くて前に進めない。」などと 原告の人格を否定した。 ケ被告Y2は,平成27年2月18日の朝礼において,「自己を無にして投資して初めて本当のことができる。」,「利己的なものが出てくると人は怖くて前に進めない。」などと述べて,育児のための諸制度を利用しながら働き続けたいとの原告の考えを利己的であると否定するとともに,「一生懸命やる人たちはひたむきに仕事をしていきますから,その人たちに仕事が与えられていきます。」と述べて,あたかも原告が仕事に真面目に取り組んでいないために仕事を与えていないかのような説明をした。 また,被告Y1が,上記朝礼において,本件書籍に基づき,攻撃をする人の特徴につき,虐待されて育ったなどと説明したため,原告は,自分がそのような生育環境にあったかのように説明された気持ちになった。 コ被告Y2は,平成27年2月20日の朝礼において,早出と残業は申請を許可された者だけができること,自己犠牲的・献身的な気持ちを持つことが大切であり,そのような気持ちを持てる人だけが本件クリニックに残ってほしいと述べた。 サ被告Y2は,平成27年2月21日の朝礼において,残業をしてはいけないとある人に述べたのに,その人は今までと同じように勤務したいとして労働局の人に相談したこと,本来は許可を受けて残業しなければならないのに,業務命令を無視して残業した人がいた旨述べた。 また,被告Y1は,上記朝礼において,本件書籍に基づき,攻撃をしてくる人は,空気が読めないタイプの人に多く,アスペルガー症候群のように周りのことに考えが及びにくい人であるなどと話した。 シ被告Y1は,平成27年2月23日の朝礼において,本件書籍に基づき,攻撃をしてくる人のタイプの中に決めつけ体質があるなどと話した。 ス被告Y1は 及びにくい人であるなどと話した。 シ被告Y1は,平成27年2月23日の朝礼において,本件書籍に基づき,攻撃をしてくる人のタイプの中に決めつけ体質があるなどと話した。 ス被告Y1は,平成27年2月25日の朝礼において,攻撃をしてくる人の原因として曖昧なものに耐えられないこと等を挙げ,被告Y2もこれに同調して,「曖昧は大切です。」などと述べた。 また,被告Y1は,うつ病の人は,エネルギーがないため感情をコントロールしにくく,さ細なことで食ってかかってくるなどと話した。 セ被告Y2は,平成27年2月27日の朝礼において,厚生労働省から出ている三原則を紹介し,この三原則を守っているかが従業員の評価に関する重要な要素であり,うち2つは忠誠心とチームワークであると説明した。 被告Y2は,上記説明を通じて,原告について上司に逆らい忠誠心がない者であるとして,暗に原告を非難した。 また,被告Y1は,上記朝礼において,LANケーブルの末端部分に不具合があるとインターネット回路全体に影響を及ぼす旨のたとえ話をして,原告が本件クリニック全体に悪影響を与えているかのような説明をした。 さらに,被告Y1は,本件書籍を引用して,攻撃する人はアスペルガー症候群や発達障害等性格の偏った子供っぽい人間である旨説明した上,そのような人間に対しては,親切の気持ちから発した言葉でも相手の受け取り方が悪いせいで攻撃されることがある,よかれと思って発言しても攻撃的な状況を引き出してしまっていることを覚えておくとよい旨の説明をした。 ソ被告Y2は,平成27年2月27日,被告Y3とともに,懲戒処分を行うには証人が必要であるとして,本件クリニックの従業員ら4名の面前で, 原告に対し,本件懲戒処分を言い渡した 。 ソ被告Y2は,平成27年2月27日,被告Y3とともに,懲戒処分を行うには証人が必要であるとして,本件クリニックの従業員ら4名の面前で, 原告に対し,本件懲戒処分を言い渡した。その際,被告Y2は,原告に対し,残業は一切認めない旨明言するとともに,原告が午前8時30分前に出勤しても早出手当は出ないとしつつ,午前8時30分より早く出勤しなければボーナスの評価において不利になる旨ほのめかし,事実上手当の支給されない早出を強制した。 タ被告Y1は,平成27年2月28日の朝礼において,本件書籍の説明として,攻撃をどのようにかわすかという話をした。 チ被告Y1は,平成27年3月2日の朝礼において,攻撃されても自分が悪いと思う必要はない,攻撃的な話をする人は何でもネガティブなコメントしか気が済まないタイプにすぎないといった話をした。 ツ被告Y1は,平成27年3月3日の朝礼において,身近な人からの攻撃は八つ当たりであると述べ,原告の被告らに対する行為は八つ当たりであるかのように説明した。 労働局の職員が本件クリニックを訪れたことや原告が本件懲戒処分を受けたこと等から,同僚らも原告と被告らとの間の事情を認識していたため,被告Y1の朝礼における一連の話によって,原告と同僚らとの人間関係がぎくしゃくするようになった。 テ被告Y1は,平成27年3月4日の朝礼において,攻撃してくる人が攻撃する理由や対処法等について話した。 ト被告Y1は,平成27年3月6日の朝礼において,攻撃してくる人は自らをも攻撃していると説明した上,攻撃してくる人はいつもぴりぴりした緊張状態にいるなどと説明した。 ナ被告Y1は,平成27年3月7日の朝礼において,冒頭で攻撃が癖になっている人は周りにとっ らをも攻撃していると説明した上,攻撃してくる人はいつもぴりぴりした緊張状態にいるなどと説明した。 ナ被告Y1は,平成27年3月7日の朝礼において,冒頭で攻撃が癖になっている人は周りにとっても不愉快であり,自分自身も有害物質を吸い込んでいるなどと述べた上,攻撃してくる人への対処法等について説明した。 ニ被告Y1は,平成27年3月9日の朝礼において,攻撃してくる人は困 っているという視点を持つことが大切であるなどと説明した。 ヌ被告Y2は,平成27年3月10日の朝礼において,本件クリニックでは,心の良い方は潜在能力を開かせるが,心の悪い方は遠慮願いたいなどと話した。 ネ被告Y1は,平成27年3月13日及び同月16日の各朝礼において,攻撃してくる人への対処法について説明した。 また,被告Y2は,同日の朝礼後,原告を呼び出し,同月11日の病欠に係る原告の有給休暇の申請について,2週間前の申請でなければ有給休暇は認められないとして,同日の有給休暇の取得を認めなかった。 ノ被告Y1は,平成27年3月17日の朝礼において,攻撃をしてくる人への対処法について話した。 原告は,同日,耐えきれずに医療機関を受診したところ,1か月の休養を取るべきとの診断を受けた。 ハ被告Y2は,平成27年3月18日の朝礼において,歯科技工士の離職率について言及し,歯科技工士が勤務できていること自体感謝すべき状況である旨話した。 また,被告Y1は,上記朝礼において,攻撃を行う者に対する対処法について説明するなどした。 原告は,上記キないしハの毎回の朝礼における原告を念頭に置いた被告Y1及び被告Y2の訓示や発言等に耐え切れなくなり,同月18日に早退して以降,本件クリニ 処法について説明するなどした。 原告は,上記キないしハの毎回の朝礼における原告を念頭に置いた被告Y1及び被告Y2の訓示や発言等に耐え切れなくなり,同月18日に早退して以降,本件クリニックに出勤することができなくなった。 ヒこのように,原告は,上記アないしハの被告らによる一連の嫌がらせ行為等により,本件精神疾患を発症したものであり,本件精神疾患の発症につき業務起因性が認められる。 (被告らの主張)ア本件有給休暇の取得について 原告が平成25年11月22日の有給休暇の取得を希望したものの,被告Y3及び被告Y2が,原告に対し,同日に有給休暇は取得できないこと及びその理由について説明したことは認めるが,「お前馬鹿か。」などと発言してはいない。 原告が有給休暇の取得を希望した平成25年11月22日は金曜日であったところ,本件クリニックの休診日(前日の木曜日,翌日の土曜日及び翌々日の日曜日)のはざまである同日には,患者が殺到して極めて忙しくなることが容易に予想されたために,本件有給休暇を非承認としたもので,合理的な理由に基づくものである。 イパートタイム勤務への変更の勧誘について被告Y2及び被告Y3は,社会保険労務士を介して,原告に対し,産休明けの場合には早退等も多いことや原告の利益に配慮して,変形労働時間制とすることを提案したが,強要したり執拗に迫ったりなどはしていない。 また,被告Y2が,必要がないにもかかわらず無断で残業を繰り返す原告に対し,繰り返し注意するとともに,午後4時30分には業務を済ますことができる旨指摘したことはあるが,原告に対して午後4時30分までの就業時間の短縮を強いたことはない。 ウ復職後の原告の業務及び残業 り返し注意するとともに,午後4時30分には業務を済ますことができる旨指摘したことはあるが,原告に対して午後4時30分までの就業時間の短縮を強いたことはない。 ウ復職後の原告の業務及び残業について 被告Y2及び被告Y3が,以前から本件クリニックの従業員らに対し,仕事は就業時間内に終わらせ,残業の必要がある場合には事前に報告して了解を得ることを繰り返し指示していたにもかかわらず,原告は,平成27年1月13日,同月17日,同月19日,同月24日,同月26日,同月28日,同月31日,同年2月2日及び同月13日に,上記指示に反して無断で残業した。そこで,被告Y2及び被告Y3は,原告に対し,上記指示を守るよう注意したが,原告は,労働局から従前と同様に勤務するよう勧められたと反論して,態度を改めなかった。 もとより残業についての上記指示は,従業員として当然順守すべきものであり,労働局の勧告とも何ら関係がない。 被告らが,原告に対して業務を与えなかったということはない。歯科技工士は平均して1か月当たり数枚の技工指示書を受け取って仕事をするのが通常であって,1週間や10日の間,技工指示書を受け取らないことはよくあることであるし,本件クリニックでは,チーフ技工士が,各歯科技工士の仕事の進捗状況等を見ながら適宜技工指示書を渡して仕事を振り分けるため,ある歯科技工士が一定期間新たな技工指示書を受け取らないことは頻繁に生じる。 仮に,原告が,平成27年2月12日から同月22日にかけて,新たな技工指示書を受け取らなったとしても,それは原告が以前に渡された技工指示書による仕事をこなしていたからであり,たまたま同期間に新たな技工指示書を渡されなかったにすぎない。 被告Y2は,平 工指示書を受け取らなったとしても,それは原告が以前に渡された技工指示書による仕事をこなしていたからであり,たまたま同期間に新たな技工指示書を渡されなかったにすぎない。 被告Y2は,平成27年2月20日,原告に対して,本来10日締めで提出すべき技工評価表を提出するよう命じ,更に被告Y3が,提出期限を同月24日と定めて,再度技工評価表を提出するよう指示したが,原告はいずれも無視して提出しなかった。 被告Y2は,同年3月10日にも,原告に対して同年2月分及び3月分の技工評価表の提出を命じたが,原告はこれを無視して提出しなかった。 エ朝礼について 被告Y2は,平成27年2月16日の朝礼において,里親の下に久しぶりに戻ってきた里子に対して,里親が親として当然のしつけをしたところ,その子が外部に対して里親を批判する行動をとったことを紹介した上で,「親は子がかわいいからこそあえて厳しく叱ったりすることもあるのだから,お子さんは親御さんの気持ちを理解すべきだったのでは ないでしょうか。」と話し「私と同じ考えの方,手を挙げてみて。」と話したところ,何名かが手を挙げた。 続いて,被告Y1が,本件書籍を手にして,「いつも言っていることですが,私たち歯科医を含めてスタッフ全員が患者さんに満足してもらえるサービスを提供するには,チームワークをしっかり構築する必要があります。最近無理な要求をされる患者さんがいたり,言いがかりや八つ当たりに近いことを言ったり,きちんと説明をしても過剰な反応をする方もいらっしゃる。こうした難しいことにきちんと対応するには私たちがしっかり対応しなければならない。」と話した。 以上のとおり,被告Y2及び被告Y1は,原告を攻撃するようなたとえ話は一切 もいらっしゃる。こうした難しいことにきちんと対応するには私たちがしっかり対応しなければならない。」と話した。 以上のとおり,被告Y2及び被告Y1は,原告を攻撃するようなたとえ話は一切していない。本件クリニックが労働局から連絡を受けたのが同月6日頃であるとしても,原告が主張する朝礼での訓示は,その後10日以上たってからのことであり,そもそも関連性が認められない。 また,被告Y2のブログの「ブラック社員」とのコメントも,あくまで一般的な内容にとどまり,原告を特定させるような記述は一切うかがえない。 さらに,被告Y3は,原告に対し,「仕事は時間内に終わらせてください。」と伝えたが,労働時間を変更するような要求はしていない。原告が業務命令を無視して同年1月13日から同年2月2日までの期間のうち計8日間に各1時間無断で残業したことから,仕事を早く終わらせるように指示をしたものである。 被告Y1は,平成27年2月17日の朝礼において,「昨日も話したが,無理なクレームをつける方もいるが,こちらにも問題はないかと振り返るなどして過剰に反応しないことも大切です。節度を持った対応をしてください。」と述べた。 被告Y2は,平成27年2月18日の朝礼において,聖書の言葉を引 用しながら,「仕事では無私の気持ちで,患者さんに奉仕する気持ちで臨みましょう。一人一人が一生懸命自分の仕事に取り組むことが大切です。」と述べた。 また,被告Y1は,「無理なことを言う人は,批判された経験があることが多いから,そうした人の気持ちを考えてあげることが必要です。」と述べた。 被告Y2は,平成27年2月20日の朝礼において,「改めて言うことではありませんが,残業は必要があ があることが多いから,そうした人の気持ちを考えてあげることが必要です。」と述べた。 被告Y2は,平成27年2月20日の朝礼において,「改めて言うことではありませんが,残業は必要があるときにあらかじめ了解を得てからするようにしてください。」,「仕事では献身的な気持ちでやりましょう。被告クリニックのメンバーである以上そうした姿勢でやってほしいです。」と述べた。 被告Y2は,平成27年2月21日の朝礼において,「残業は必要があるときに了承を得てからやっていただくようにしてください。これがルールだし,みなさんのプライベート時間を確保することにもなります。」と述べ,被告Y1は,「自分が言ったことが人を傷つけるということが分からない場合もあるのでお互い気を付けましょう。」と述べた。 被告Y2及び被告Y1は,平成27年2月25日の朝礼において,クレーム対応について「正面から答えるのではなく曖昧な回答も一つの方法です。」と述べた。 被告Y2は,平成27年2月27日の朝礼において,「従業員として大切なのはチームワークと仕事に対する忠誠心です。」と述べ,被告Y1は,LANケーブルの末端が故障しているというたとえ話をして,「一人一人が小さなことにも気付くようにしてください。」と訓示した。 被告Y1は,平成27年2月28日の朝礼において,「患者さん対応はしっかりやりましょう。」と述べた。 被告Y1は,平成27年3月2日,同月3日,同月4日,同月6日, 同月7日,同月9日,同月13日,同月16日,同月17日及び同月18日の各朝礼において,「患者さんの言い分はよく聞いた上で,こちらの説明はしっかりきちんと理解してもらうようにしてください。対応は丁寧に,しっかりやりましょ 13日,同月16日,同月17日及び同月18日の各朝礼において,「患者さんの言い分はよく聞いた上で,こちらの説明はしっかりきちんと理解してもらうようにしてください。対応は丁寧に,しっかりやりましょう。」と述べた。 被告Y2は,平成27年3月18日の朝礼において,「歯科技工士さんは離職率が高いけれど,うちでは安心して働いてもらいたい。」と述べた。 このように,被告らは,原告に対して何ら問題となる言動はとっていない。原告は,被告らの発言を誤解・曲解した上で,自分に向けられた批判であると何ら根拠なく独断しているにすぎない。 オ本件懲戒処分について前記⑴(被告らの主張)記載のとおり,本件懲戒処分は適切に行われたものである。 カ小括以上より,原告に対する被告らの言動に問題とされるべき点はなく,原告の本件精神疾患の発症は,被告らの上記言動等とは無関係であるから,業務起因性は認められない。 ⑶ 共同不法行為ないし使用者責任の成否(原告の主張)被告らは,以下のとおり,原告に対する違法な各行為を行ったところ,同各行為は一連のマタニティハラスメントとなるものであるから,被告らは,民法719条1項前段に基づき,共同して不法行為責任を負う。また,被告Y1は,被告Y2及び被告Y3の使用者であるため,被告Y2及び被告Y3の行為について,民法715条に基づき,使用者責任を負う。 ア被告Y1の行為について被告Y1は,前記⑵(原告の主張)エないしハ記載(ただし,同コ,同 ソ及び同ヌは除く。)の発言又は行動をしたことに加え,本件休職に際し,原告が休職に必要な手続についての説明を何度も求めたにもかかわらず,これに応じず,原告が自主的に行った休職手続によって正式な休職扱い 及び同ヌは除く。)の発言又は行動をしたことに加え,本件休職に際し,原告が休職に必要な手続についての説明を何度も求めたにもかかわらず,これに応じず,原告が自主的に行った休職手続によって正式な休職扱いになっているかについての連絡もしなかった上,復職に関する手続の説明もしなかった。また,本件休職後,原告に対し,社会保険料支払の請求をする一方で,産休及び育休の取得や社会保険料の免除に係る手続の案内等は一切行わなかった。 また,本件退職通知には,本件退職扱いに至った理由について,「出産に際しては休職願いを提出されておらず」と記載されているが,原告は,被告Y1から,出産の際に休職願が必要である旨の説明も受けていなかった。 このような被告Y1の行為は,原告が子を有していることや女性であることを理由とする不利益な取扱い及び差別的取扱いに当たることから,育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)10条及び雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律6条3号に反し,違法である。 イ被告Y2の行為について被告Y2は,以下のとおり,原告に対する一連の不法行為を行った。 被告Y2は,本件有給休暇の取得を阻止する言動に及んだ上,同月17日には,有給休暇は経営側に何のメリットもないのに従業員に金を払うものであるという趣旨の発言や,「給料もらって行こうなんて浅ましい。」等の発言をし,本件有給休暇の取得を阻止するとともに,原告の有給休暇願に対し,「無給」の休暇のみを承認した。 被告Y2は,平成27年1月14日,原告の終業時刻について午後4時30分とするとともに,原告の賃金について時給制のパートタイム勤務扱いとし,精勤手当を支給し 対し,「無給」の休暇のみを承認した。 被告Y2は,平成27年1月14日,原告の終業時刻について午後4時30分とするとともに,原告の賃金について時給制のパートタイム勤務扱いとし,精勤手当を支給しない旨を述べ,原告の勤務条件を不利益 に変更するよう勧奨した。 また,被告Y2は,原告が上記勤務条件の変更を拒んでいるにもかかわらず,本件クリニックの他の従業員に対し,原告のパートタイム勤務扱いが決定したかのような発言をしたほか,勤務条件の変更に応じない原告を非難する発言や,勤務条件の変更に応じなければ退職するよう求めるなどの威圧的な発言をすること等によって,少なくとも同日から同年2月中旬頃までの期間,不利益な勤務条件への変更を勧奨した。 被告Y2は,被告Y1とともに,平成27年2月12日から同月22日までの間,原告に対して,技工指示書を渡さず,仕事を与えなかった。 被告Y2は,平成27年1月30日以降,原告が挨拶をしても無視するようになった。 被告Y2は,平成27年1月20日の朝礼において,原告に対する非難を本件クリニックの従業員ら全員の面前で行い,被告Y2のブログにおいても,原告に対する当てつけのような記事の掲載を複数回行った。 被告Y2は,平成27年2月16日から同年3月18日までの各朝礼において,前記⑵(原告の主張)キ,ケ,コ,サ,セ,ヌ及びハ記載の各発言により,本件クリニックの従業員らの面前で原告の人格を否定するような言動を行った。 被告Y2は,原告の平成27年3月11日の病欠について,有給休暇を承認せず,原告の有給休暇の取得を妨げた。 ウ被告Y3の行為について被告Y3は,以下のとおり,原告に対する一連の不法行為を行った。 被告Y3 11日の病欠について,有給休暇を承認せず,原告の有給休暇の取得を妨げた。 ウ被告Y3の行為について被告Y3は,以下のとおり,原告に対する一連の不法行為を行った。 被告Y3は,平成25年11月頃,本件有給休暇の取得に際して,結婚式に行くのに給料を払うのは本件クリニックが祝い金を出すのも同じという趣旨の発言をして,本件有給休暇の取得を阻止した。また,被告Y3は,同月16日,本件有給休暇の取得に関して「お前馬鹿か。」な どと原告が畏怖するに足る暴力的な発言をした。 被告Y3は,原告に対し,平成27年1月19日,本件書面を手渡したところ,原告が本件書面に記載された勤務条件の変更を明確に拒んだ後である同月23日,被告Y1とともに,原告に対し,勤務条件の変更の提案を承諾するよう説得した。 また,被告Y3は,同日,原告が第二子を妊娠したことを知ると,原告に対し,「また産休やるの。」などと,原告が産休をとることを暗に非難し,産休の取得を阻止しようとする発言をした。 被告Y3は,平成27年2月中旬頃以降,原告が挨拶をしても無視するようになった。 被告Y3は,平成27年2月16日,原告に対し,同日を含む4日間については,午後4時30分までの勤務とするよう指示した。 (被告らの主張)否認ないし争う。 ⑷ 本件懲戒処分の違法性(不法行為の成否)(原告の主張)本件懲戒処分は,被告Y1によって何らの懲戒事由もなく行われたものであり,不法行為に該当する。本件懲戒処分は,処分時期やその経緯からして,原告がパートタイム勤務扱いへの勤務条件変更の提案を拒否したことや,原告の労働局への相談によって,被告Y1に対する勧告が発せられたことに対する報復目的及 本件懲戒処分は,処分時期やその経緯からして,原告がパートタイム勤務扱いへの勤務条件変更の提案を拒否したことや,原告の労働局への相談によって,被告Y1に対する勧告が発せられたことに対する報復目的及びパートタイム勤務扱いによる賃金削減を減給処分という形で達成させる目的でなされたことは明らかであり,極めて悪質性が高いものである。 (被告らの主張)否認ないし争う。本件懲戒処分は,前記⑴(被告らの主張)記載のとおり,適法な処分であって,不法行為を構成しない。 ⑸ 本件退職扱いの違法性(不法行為の成否)(原告の主張)原告は,被告Y1による不当な一般退職扱いにより,強い精神的苦痛を受けた上,現在に至るまで健康保険被保険者の資格を喪失した状態となり,医療機関で健康保険の適用を受けることができない状況にある。原告は,被告らの言動により医療機関に継続的に通院することが必要な精神状態に追い込まれたにもかかわらず,不当な一般退職扱いによって健康保険被保険者の資格を喪失させられたのであるから,その精神的苦痛はより甚大なものとなった。本件退職扱いは,被告らの度重なるマタニティハラスメントの最たるものである。 (被告らの主張)否認ないし争う。原告の休職については,被告らに責任はない。また,原告は,本件就業規則にあるとおり,休職期間満了時においても休職事由が不消滅であるため一般退職扱いとなったものである。健康保険被保険者の資格喪失も一般退職扱いになったことを原因とするもので,当然のことである。 ⑹ 損害(原告の主張)ア未払賃金について(請求の趣旨2及び3) 本件懲戒処分は無効であることから,被告Y1は,原告に対し,本件契約に基づき,平成27年2月支払分の賃金について,減給された7 )ア未払賃金について(請求の趣旨2及び3) 本件懲戒処分は無効であることから,被告Y1は,原告に対し,本件契約に基づき,平成27年2月支払分の賃金について,減給された7520円及び本件懲戒処分を受けたために不支給とされた精勤手当1万2000円を支払うべき義務がある。 本件契約において,原告の基本給は月額21万8000円とされているところ,被告Y1は,原告に対し,平成27年3月支払分については20万5156円を,平成27年4月支払分については3万8461円を支払ったにすぎず,平成27年5月支払分以降の賃金は一切支払って いない。したがって,被告Y1は,原告に対し,本件契約に基づき,平成27年3月支払分から平成28年2月支払分までの未払賃金合計237万2383円及び平成28年3月支払分以降月額21万8000円の賃金を支払うべき義務がある。 なお,原告は,平成27年3月18日以降,本件クリニックを休職しているものの,本件休職は,原告が,被告らによる原告への非難や嫌がらせ行為等によって精神的に追い詰められた結果発症した本件精神疾患を原因とするものであり,被告Y1の責に帰すべき事由によるものであるから,原告は,被告Y1に対する賃金支払請求権を失わない。 原告は,平成27年6月19日に第二子を出産したことから,第二子誕生の1週間前である同月12日頃から産前休暇を取得し,その後一定期間は産後休暇等の取得により休職した可能性が考えられる。また,原告は,平成29年7月11日に第三子を出産したことから,第三子誕生の1週間前頃から産前休暇を取得し,その後一定期間は産後休暇等の取得により休職した可能性が考えられる。 もっとも,原告は,被告らの一連の不法行為によって,本 出産したことから,第三子誕生の1週間前頃から産前休暇を取得し,その後一定期間は産後休暇等の取得により休職した可能性が考えられる。 もっとも,原告は,被告らの一連の不法行為によって,本件精神疾患を発症し,家事や育児が手につかない状態となったことから,家事労働に係る労働能力の少なくとも80パーセントを喪失したところ,原告の労働能力喪失による損害は,少なくとも年額290万5833円であり,月額21万8000円を下ることはない。 したがって,原告は,産休及び育休の取得により休職した可能性がある期間については,予備的に,不法行為による損害賠償請求権に基づき,主婦業の休業損害に係る損害賠償金の一部として月額21万8000円の割合による金員の支払を求める。 イ本件退職扱いについて本件退職扱いは,不当なものであることに加え,被告らの度重な るマタニティハラスメントが行われる中で行われたものであって,悪質性は高いというべきである。そして,原告が本件退職扱いにより受けた多大な精神的苦痛に鑑みれば,同精神的苦痛に対する慰謝料は200万円を下らない。また,弁護士費用として20万円も損害とされるべきである。 ウ本件懲戒処分について本件懲戒処分は,処分時期や従前の経緯からして,原告が,パートタイム勤務扱いへの勤務条件変更の提案を拒否したことや原告が労働局に相談したことにより,労働局が本件クリニックに対し勧告を発したことへの報復目的に基づくものであり,極めて悪質性が高いものである。原告が本件懲戒処分により受けた多大な精神的苦痛に鑑みれば,同精神的苦痛に対する慰謝料は100万円を下らない。また,弁護士費用として10万円も損害とされるべきである。 エ被告らの行為(ハラスメント行 懲戒処分により受けた多大な精神的苦痛に鑑みれば,同精神的苦痛に対する慰謝料は100万円を下らない。また,弁護士費用として10万円も損害とされるべきである。 エ被告らの行為(ハラスメント行為)について原告は,被告らの一連のマタニティハラスメント(前記⑶(原告の主張)記載の被告らの一連の行為)によって,第二子の産前の重要な時間に,最終的には抑うつ状態による休職にまで追い込まれた。原告が,被告らによる一連のマタニティハラスメントによって受けた多大な精神的苦痛に鑑みれば,同精神的苦痛に対する慰謝料は200万円を下らない。また,弁護士費用として20万円も損害とされるべきである。 オ治療費原告は,被告らの一連のマタニティハラスメント(前記⑶(原告の主張)記載の被告らの一連の行為)によって,本件精神疾患を発症し,平成27年3月16日以降現在に至るまで,通院治療を余儀なくされた。また,原告は,過度のストレスから,平成28年7月に右急性感音難聴を発症し,通院治療を受けた。 そして,上記治療に係る平成29年1月21日までの治療費は,合計1 2万9580円であるところ,同治療費は,被告らの不法行為と相当因果関係がある損害である。 (被告らの主張)否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前掲前提事実に後掲括弧内に掲記の証拠(ただし,後掲括弧内に掲記の証拠のうち,以下の認定に反する部分は採用しない。)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実を認めることができる。 ⑴ 原告は,平成25年4月頃,第一子を妊娠したため,平成25年6月1日,夫とともに被告らに第一子の妊娠の報告をした。 原告は,本件クリニックにおける産休や育休に関する規定を確認すべく,同月3日,被告Y3 は,平成25年4月頃,第一子を妊娠したため,平成25年6月1日,夫とともに被告らに第一子の妊娠の報告をした。 原告は,本件クリニックにおける産休や育休に関する規定を確認すべく,同月3日,被告Y3に本件就業規則のコピーを交付するよう依頼したところ,被告らは,同月4日の朝礼において,原告を含む従業員らに対して本件就業規則の一部のコピーを配布した。(甲36,原告本人)⑵ 原告は,平成25年8月21日,被告Y3に対し,第一子の出産予定日が平成26年1月19日であることから,同月6日から産休を取得したい旨告げた。(甲36)⑶ア原告は,平成25年11月6日,同月22日に予定されていた妹の結婚式に出席するために有給休暇(本件有給休暇)を取得しようと考え,被告Y1に対して有給休暇願を提出した。(甲16)なお,上記有給休暇願には,特記事項として,「治療やサービスに支障をきたす場合,有給休暇の月日の変更をお願いすることがあります。(時季変更)」,「2連休の前後に有給休暇を取得し,3連続,あるいは4連続となる有給休暇の取得は避けるようお願いします。」などの文言が記載されていた。(甲16) イ被告Y3は,上記原告の申出について,同月8日,原告に対し,同月22日は本件クリニックの休診日の間の開業日に該当するため,本件有給休暇の取得は承認できず,休む場合には欠勤となる旨回答した。また,被告Y3は,同人の回答に反発した原告に対し,「ただで働かせ,給与出せって言うわけ。お祝いしろってことか。」と言った。(甲21の1,24,36,乙1,原告本人)ウ原告は,同月9日,被告Y3に対し,本件有給休暇の取得の不承認について被告Y1及び被告Y2も同じ意見か尋ねたところ,被告Y3の言うことを信用するように言われた。そのため,原告は ,原告本人)ウ原告は,同月9日,被告Y3に対し,本件有給休暇の取得の不承認について被告Y1及び被告Y2も同じ意見か尋ねたところ,被告Y3の言うことを信用するように言われた。そのため,原告は,被告らに妹の祝い金と思われてまで有給休暇を取得したいとは思わなかったことから,本件有給休暇の取得自体を断念した。(甲21の2,24,36)エ原告は,同月16日,被告Y3に対し有給休暇願の返却を求めた際,被告Y3との間で,下記のとおりのやり取りをした。 記原告:局長(判決注:被告Y3を指す。以下同じ)に「お祝い金,出せってことか」って言われて,で,それで,副院長(判決注:被告Y2を指す。以下同じ)たちも同じ見解だって言われたんで,それ,そこまでして私休みたくないんで,結婚式出ないことにしました。 被告Y3:あ,本当。はい。結婚式のお祝い出すなって副院長たちが言ったっていうのは全然…。 原告:言ったってことじゃないです。局長が言われて同じ見解だっていうことであれば,同じことなんで。 被告Y3:ああ,それはちょっと違うな。 原告:そうやって…。 被告Y3:お前けんか売るつもりか。 原告:それ,大丈夫ですか。 被告Y3:お前の方は大丈夫かい。 原告:ふふふ。同じ見解だって言われたんで,私はそのとおりに受け取ったんですけど。 被告Y3:お前馬鹿か。そんなことまで,細かいことまで言うわけないじゃないの。それは私の意見。 原告:私は全部全て一緒ですかって御質問させていただいたんです。 被告Y3:どこにそ…お前ふざけるな。それは言いがかり。 原告:私はそれは傷ついたんですけど。 なお,上記やり取りの際,被告Y3が特別大きな声を出すことはなかった。(甲21の3,24)オ原告は, どこにそ…お前ふざけるな。それは言いがかり。 原告:私はそれは傷ついたんですけど。 なお,上記やり取りの際,被告Y3が特別大きな声を出すことはなかった。(甲21の3,24)オ原告は,同月17日,本件有給休暇の取得に関し,被告Y2と面談したが,その際,被告Y2は,原告に対し,原告が同月22日に休暇を取得した場合,結果的に4連休となってしまうところ,本件有給休暇の取得を承認すると,本件クリニックの繁忙度に関係なく,他の従業員らの士気を下げることにもなりかねないこと等から,有給での休暇の取得は認めず,無給での休暇の取得であれば認める旨の説明をした。(甲21の4,24,原告本人)また,被告Y2は,上記説明に際し,有給休暇を取得して友人の結婚式や葬儀に出席することを例に挙げ,「給料もらって行こうなんて浅ましいよ。もし,それを給料っていうふうにしていうなら,それはそのお友達に逆に御祝儀だ,お香典出すのと同じ。あるいは,その金額を御祝儀出すのと同じっていう。つまり,うちの会社としては何のメリットもないのに,それを余分に出すっていうことになってくるの。」などと発言した。(甲21の4,24,原告本人)⑷ 原告は,平成25年12月末から,第一子の産休及び育休に入った。なお,原告は,平成26年1月4日,第一子を出産した。 原告は,産休及び育休に入る前,被告Y1に対して復職日の記載のある届出を提出していなかった。(原告本人)⑸ア原告は,平成26年12月6日,被告Y3と面談し,復職時期について協議した際,被告Y3に対して,復職日につき平成27年1月13日を希望する旨を伝えたところ,被告Y3は,原告に対し,原告の復職希望日について被告Y1及び被告Y2に伝えると告げた。(甲21の5,24,原告本人) 3に対して,復職日につき平成27年1月13日を希望する旨を伝えたところ,被告Y3は,原告に対し,原告の復職希望日について被告Y1及び被告Y2に伝えると告げた。(甲21の5,24,原告本人)その後,原告は,被告Y3から,原告の本件クリニックへの復職日を同日とする旨の電話連絡を受けた。(甲36,原告本人)イこの点,被告らは,原告の復職時期は平成27年1月4日であると主張し,被告Y3は,平成26年12月6日に原告と上記ア記載の内容について話したことは覚えていないと供述するが,上記の認定に反するものであり,採用できない。 また,被告Y2は,原告が第一子を出産したのが平成26年1月4日であるところ,産休及び育休は出産日から1年間である以上,原告の復職日は平成27年1月4日であると供述するが,原告が平成27年1月4日から復帰したいと被告らに伝えたといった事情は認められないし,同日に予定されていた本件クリニックの新築建物の内覧会における原告の担当業務があらかじめ定められていなかったことに加えて,原告の復職予定日が不明である場合,被告らにおいて,事前に原告と連絡を取って復職予定日を尋ねることも容易であったと考えられるのに,特段原告と連絡を取った形跡がないことからすれば,被告Y2の上記供述もまた採用できない。 ⑹ア原告は,平成27年1月13日,本件クリニックに復職した。 イ被告Y2及び被告Y3は,同日,原告に対して,正当な理由なく欠勤,遅刻を重ねた場合には懲戒処分の対象になり得るし,育休は同月3日までであったのであるから,約1週間の無断欠勤が生じている旨注意したと供 述する(乙25,26,被告Y2本人,被告Y3本人)が,そもそも,原告は,平成26年12月6日時点で,被告Y3に対して本件クリ たのであるから,約1週間の無断欠勤が生じている旨注意したと供 述する(乙25,26,被告Y2本人,被告Y3本人)が,そもそも,原告は,平成26年12月6日時点で,被告Y3に対して本件クリニックへの復帰希望日等を伝えているのであるから(認定事実⑸),原告が無断欠勤をしたとはいえない。したがって,被告Y2及び被告Y3の上記供述は,採用できない。 ⑺ 原告は,平成27年1月14日,社会保険労務士同席の下,被告Y2及び被告Y3との間で,復職後の勤務条件について話合いをした。 被告Y2及び社会保険労務士は,原告に対して,終業時刻を午後4時30分とすること,子育ての関係で遅刻や早退をする場合,精勤手当は不支給となるところ,そのような不利益を避けるために時給の給与体系(いわゆるパートタイム勤務)に変更することを提案した。(甲36,乙25,乙26,被告Y2本人,被告Y3本人)原告は,上記提案について,納得することができなかったため,承諾をしなかった。(甲36)⑻ 原告は,平成27年1月17日,本件クリニックの同僚2名から,被告Y2から原告を午後4時30分に帰宅させるよう指示を受けたと聞かされたことから,被告Y2及び被告Y3と面談し,原告の勤務条件についての話合いをした。 その際,被告Y2は,原告に対して,契約上は明確に決まっていないものの,被告Y2としては原告の勤務時間を午後4時30分までにしてほしいと思っている旨告げるとともに,「もう今パートの状態だからね。」と発言した。これに対し,原告がその旨について記載した書面の交付を求めたところ,被告Y2及び被告Y3は,原告に対して,勤務時間について記載した書面を交付すること及び今後話合いをする場を設けることを約束した。(甲36,甲21の6,24)⑼ 被告Y3は,平成27年 たところ,被告Y2及び被告Y3は,原告に対して,勤務時間について記載した書面を交付すること及び今後話合いをする場を設けることを約束した。(甲36,甲21の6,24)⑼ 被告Y3は,平成27年1月19日,原告に対し,本件書面を交付した。 本件書面には,復職後の原告の勤務条件について,午前8時30分から午後4時30分までの7時間を就労時間とすること,残業はなしとすること,その間の診療終了後の役割,勉強会等への参加は免除すること,1か月から最長6か月までの期間を時給制とし,その後月給制とすること,時給は1170円(交通費,昼食手当は別途支給する。)とすること,社会保険及び雇用保険は継続することが記載されるとともに,「独身で働いていた時と異なり,母として,妻として,仕事を続けることは充分な計画や配慮が必要となります。お子さん,あなた,ご主人の三人四脚の生活が十分軌道に乗るまではこのようにして様子を見ては如何でしょうか。以上,提案させて頂きます。」との記載があった。(甲4,甲36,原告本人)⑽ 原告は,平成27年1月20日,被告らとの間で,復職後の勤務条件について再度話合いを行った。 その際,原告が,被告らに対して,本件書面に記載された時給1170円の計算根拠等を尋ねたところ,被告らは,同時給の計算根拠等について説明した。 また,被告Y2は,原告に対し,時間給になる点及び残業代が支給されない点を除けば従前と変わらず正社員であること,原告の第一子の産休及び育休中に本件クリニックの従業員の人数が増えたため,本件クリニックにとって人件費の負担が増加していること,子育てをしながらの勤務は困難であると思われることから,まずは時短での勤務がよいのではないかと考えていることなどを話した。 さらに,被告Y1は,原告に対し,「X’さんね 費の負担が増加していること,子育てをしながらの勤務は困難であると思われることから,まずは時短での勤務がよいのではないかと考えていることなどを話した。 さらに,被告Y1は,原告に対し,「X’さんね,もう一つ繰り返しになるけど,あなたが休んでる間,ラボが回るようにうちも人材確保してるわけ,既にね。だから,前の状況とは違うんだよってこと。」,「それは,できるだけ理解してほしいわけ。」,「もうX’さんいなくても回っていくんですよ,十分。回っている。」などと述べた。 被告Y2も,原告に対し,「なんで1年間も休んでたのか。私は気がしれない。本当にお金が欲しい人は。」と述べた。 被告らの上記説明に対して,原告が,本件書面記載の勤務条件に合意できない場合にはどうなるのかと尋ねたところ,被告Y2は,また話合いという形にはなるが,本件クリニックにおいて引き続き勤務したいという気持ちがあれば,本件クリニックに合わせてもらう必要がある,勤務条件についてどうしても折り合いがつかない場合には,原告を解雇はしないものの,原告が退職することも含めて決めてほしいなどと回答したことから,原告は,再考してみる旨返答した。 (甲21の8,24)⑾ 原告は,平成27年1月22日,労働局を訪れ,復職後の原告の勤務条件に係る被告らの提案等について相談した。 その際,原告は,労働局の職員に対して,原告以外にも,被告らとの間で産休・育休後にパートタイム勤務になるという話をした本件クリニックの従業員がいる旨の話もした。 原告の相談を受けた労働局の職員は,原告に対し,被告らにおいて,原告が育休を取得している間に従事させる業務がなくなったことや,妻・母として仕事を続けるには十分な配慮が必要なことを理由として,1日の所定労働時間を8時間から7時間に減ら 告に対し,被告らにおいて,原告が育休を取得している間に従事させる業務がなくなったことや,妻・母として仕事を続けるには十分な配慮が必要なことを理由として,1日の所定労働時間を8時間から7時間に減らすとともに,精勤手当が支給されない労働契約への変更を強要している場合には,育児・介護休業法に抵触している可能性があるとして,今後本件クリニックの調査を行う旨告げた。(甲6,21の14,24,36)⑿ 原告は,平成27年1月23日,被告Y1及び被告Y3に対して,第二子の妊娠が判明したため,再度産休及び育休を取得したいこと,第二子の産休及び育休後も本件クリニックで稼働したいことを告げた。 これに対して,被告Y1は,「妊娠してどうするつもりなの。」,「自分 の都合ばっかりでこっちの不利益は考えないの,じゃあ。」などと述べ,被告Y3も,「また産休やるの。」などと述べた。 これに対して,原告は,本件クリニックの不利益を考慮し,第一子の育休から復帰した最初の1か月間については時給制とすることを了承していたが,それ以降については従前と同様の勤務条件での正規雇用でなければ受け入れられないし,辞めるつもりもないと反論した。被告Y1は,「時短には応じないと折り合いはつかないと思うよ。」,「結局,折り合わないと物別れになっちゃって裁判とかなっちゃうわけだよね。」などと原告に話したが,原告も,必要に応じて「これはただの時短ではないので。」,「なら,だったらもうなんか解雇っていうふうにしてくださいっていう…。」などと反論した。 最終的に,被告Y1が,原告に対し,本件クリニックの資産状況が芳しくないことから,勤務条件について譲歩できないか考えてほしいと申し入れたところ,原告も,被告Y1及び被告Y3に対し,再考する旨告げた。 (甲2 被告Y1が,原告に対し,本件クリニックの資産状況が芳しくないことから,勤務条件について譲歩できないか考えてほしいと申し入れたところ,原告も,被告Y1及び被告Y3に対し,再考する旨告げた。 (甲21の9,36)⒀ 被告Y2は,平成27年2月6日付けのブログにおいて,「どんな人材が必要なのか?」という題名で,「今会社を内側から倒産に追い込む,ガンのような存在って何だと思いますか?実は,ブラック企業よりもブラック社員が怖い!のです。」という内容の電子メールが頻繁に送られてくるとした上,会社が繁栄するためには,経営者や上司,先輩の指導を受け入れる素直さを持つ従業員が必要であるという趣旨の記事を投稿した。(甲15の1)⒁ 労働局の職員は,平成27年2月10日,本件クリニックを訪問し,対応した被告Y2及び被告Y3に対して,被告らが原告以外の別の妊婦に対してもパートタイム勤務となるよう圧力をかけているということの真偽等について質問をするとともに,被告Y2との間で,原告と本件クリニックとの間に生じている問題等について2時間程度話をした。(甲21の15,乙25, 26)⒂ 原告は,平成27年2月13日,被告Y1及び甲の同席の下,被告Y2と面談した。その際,原告は,被告Y2から,原告が労働局に相談をした際,被告らが甲に対して産休及び育休の後にパートタイム勤務になるよう圧力をかけたことにつき話した事実の有無等について問われたため,被告らが甲に対して圧力をかけたという話はしておらず,甲が産休及び育休の後にはパートタイム勤務になるという噂を聞いたにすぎないと答えた。これに対して,被告Y2は,原告に対し,その噂の出所について尋ねたが,原告が誰から聞いたかは分からないと答えたため,誰から聞いたか分からない話であれば,作り話であって 噂を聞いたにすぎないと答えた。これに対して,被告Y2は,原告に対し,その噂の出所について尋ねたが,原告が誰から聞いたかは分からないと答えたため,誰から聞いたか分からない話であれば,作り話であって本件クリニックに対する中傷であるなどと述べた。(甲21の14,24)原告は,同日,退勤する際,被告Y2から,同人に対する失礼な言動に関する報告書を翌日までに提出するよう求められたため,同月14日,「昨日,朝礼の後の内容についての件で帰宅時に副院長がおっしゃられた『私に対してあなた失礼なこと言ったわよね』ということが私には理解できませんでしたので,報告することは出来ません。以上のことを報告致します。」と記載した同月13日付けの報告書を提出した。(甲5,36)他方,甲は,同月13日頃,被告Y1に宛てて,「私は,経営者に妊娠・出産・育児・将来に関して,相談に乗って頂いたり一緒に考えて頂いたりしていますが,時間短縮やパート勤務,非正規雇用にする等の圧力を受けた覚えは全くありません。また,他の人にそのような話をした事実も全くないことを申し上げます。」と記載した同日付けの書面を提出した。(乙2)なお,甲は,平成28年6月15日付けで,原告が,甲から上記書面に署名すべきか否か相談を受けたものの,同人を巻き込みたくなかったことから署名するように答えた旨の原告の主張に関し,上記書面に自らの意思により署名しており,原告の同主張は事実無根であること,上記書面に署名をすべ きか原告を含む第三者に相談したことも,第三者から署名するよう促されたこともないこと,このようなことに巻き込まれ迷惑しており,とても不愉快に思っていることなどを記載した書面を作成した。(乙11)⒃ 被告Y2は,平成27年2月13日,本件クリニックに勤務する2名の歯 ともないこと,このようなことに巻き込まれ迷惑しており,とても不愉快に思っていることなどを記載した書面を作成した。(乙11)⒃ 被告Y2は,平成27年2月13日,本件クリニックに勤務する2名の歯科技工士に対し,原告が本件株式会社の従業員であることから,法律上歯科技工士としての仕事をさせることはできない旨の労働局からの指導を受けたこと,原告が労働局に対し被告らが原告や甲に対してマタニティハラスメントを行っていると訴えたものの,被告Y2が誰から甲が圧力をかけられていると聞いたのか尋ねても,これに回答しない原告の態度に照らし,原告は,勤務条件に関する自分の主張を通すために外部に対して作り話をすることにより本件クリニックの評判をおとしめる行動をとっているため,被告Y2としては原告との雇用関係を継続するのは難しいと思っていることを理由として,今後,原告に対して技工指示書を渡さないよう指示した。また,その際,被告Y2は,被告Y1も技工指示書を原告に渡さないよう言っていると話した。(甲21の15)原告は,同月12日から同月22日までの期間,技工指示書を渡されなかった。(甲36,原告本人)⒄ア被告Y2は,平成27年2月16日の朝礼において,里親が,旅から1年ぶりに帰還した里子であるA子に対して,1年前とは家族間の取決め等が変わっていたことを踏まえて,家族とA子が一致団結できるか確認するために門限等の制約を課したところ,A子は,これに不満を持ち,管理局の管理長に対して,別の里子であるB子も里親によるいじめを受けていると訴え出た,そのため,管理局から事情聴取を受けた里親は,驚いてA子とB子に事実確認をしたところ,B子はいじめを受けたことはないと話し,A子は,いじめを受けたと噂で聞いたが,誰から聞いたかを里親に明かすことはできないと答えた から事情聴取を受けた里親は,驚いてA子とB子に事実確認をしたところ,B子はいじめを受けたことはないと話し,A子は,いじめを受けたと噂で聞いたが,誰から聞いたかを里親に明かすことはできないと答えた,という内容のたとえ話をした。 そして,被告Y2が,A子の態度につき,里親に対する失礼な態度だと思う者は挙手するよう求めたところ,ほとんどの従業員らが挙手した。(甲21の16)イ被告Y1は,同日の朝礼において,本件書籍を取り上げ,攻撃をしてくる人の攻撃の内容を吟味すると,言いがかりや八つ当たりであったり,論旨が一貫していないこともあること,攻撃をしてくる人は,過去にひどく傷ついた経験があったり,発達障害の一種であるアスペルガー症候群であったりすること等の話をした。(甲21の17)なお,被告Y1は,従前の朝礼においても,書籍を用いて訓示等をしたことがあった。 ウ原告は,上記アの朝礼の後,同僚から,同朝礼における被告Y2のたとえ話は,原告についての「話だったよね。」などと話しかけられた。(原告本人)⒅ 労働局長は,平成27年2月16日付けで,原告が育児休業から復帰したところ,被告Y1から,母として,妻として,仕事を続けるには十分な配慮が必要なことを理由に1日の所定労働時間を8時間から7時間に減じるとともに精勤手当が支給されない労働契約への変更を強要されたという内容の原告からの紛争解決のための援助の申立てについて,被告Y1に対し,本件クリニックの対応につき是正措置を講ずることを要請する旨の勧告を行った。 上記勧告に係る勧告書には,本件クリニックの講ずべき事項として,原告に対して労働契約内容の変更についての働きかけをこれ以上行わないこと,女性についてのみ婚姻していること,子を有していることを理由 上記勧告に係る勧告書には,本件クリニックの講ずべき事項として,原告に対して労働契約内容の変更についての働きかけをこれ以上行わないこと,女性についてのみ婚姻していること,子を有していることを理由として,正社員について所定労働時間を8時間から7時間に減じ,精勤手当を支給しない雇用形態への変更を勧奨することを直ちにやめることなどが記載されていた。 (以上,甲6)⒆ 被告Y1は,平成27年2月17日の朝礼において,本件書籍を取り上げ,理由のない攻撃に対する対処法について,攻撃をされた人は,自分が悪いなどとネガティブに反応するのではなく,相手が脅威を感じているから攻撃してくるなどと理解するのが賢明であるなどという趣旨の話をした。(甲21の19,24)⒇ア被告Y2は,平成27年2月18日の朝礼において,一生懸命に行うことが大事であって利己的でいては前に進めないと話した上,本件クリニックの歯科技工士が,患者に喜んでもらうため,遅くまで残業し,難しい技工に取り組んだことを立派なことだと褒めたたえ,ひたむきに一生懸命仕事をする人に仕事が与えられる旨の話をした。(甲21の20,24)イ被告Y1は,同日の朝礼において,身近な人からの攻撃について,虐待されて育った人は責められているように感じやすいこと,相手が大切にしているものを軽くあしらうと攻撃されてしまうこと等の話をした。(甲21の21,24)被告Y2は,平成27年2月20日の朝礼において,許可された場合を除き残業することはできないことを伝えた上で,自己犠牲的,献身的な気持ちを持った気持ちのよいスタッフだけが本件クリニックに集合しているが,気持ちや動機の点では小さな漏れも許さないという趣旨の話をした。(甲22の22,24)ア被告Y2は,平成27年2月2 な気持ちを持った気持ちのよいスタッフだけが本件クリニックに集合しているが,気持ちや動機の点では小さな漏れも許さないという趣旨の話をした。(甲22の22,24)ア被告Y2は,平成27年2月21日の朝礼において,残業してはならないとの業務命令を受けたにもかかわらず,業務命令を無視して残業をした従業員がいたとして,申請のない残業や早出は認められない旨の話をした。 (甲21の23,24)イ被告Y1は,同日の朝礼において,攻撃をしてくる人は,知らず知らずに余計な一言を言ってしまっていることがあり,空気が読めないといわれ るタイプの人に多く,感情をコントロールせず,周りのことを考えないために,他人を傷つけることを言ってしまうなどの話をした。(甲21の24,24)被告Y1は,平成27年2月23日の朝礼において,攻撃をしてくる人は,自分の意見を押し付ける決めつけ体質であるが,このようなタイプは心が傷ついている人であるなどと話した。(甲21の25,24)また,原告は,同日,被告Y3から,「労働局からの指導に従う。」と言われ,それ以降,被告らから勤務条件の変更等を求められることはなくなった。(甲36)被告Y1は,平成27年2月25日の朝礼において,曖昧なことに不安を感じやすく,曖昧のままにしておけない人や,発達障害,アスペルガー症候群の人は,曖昧なものに耐えられないため,攻撃してくるという趣旨の話をした。また,被告Y1は,うつ病の人は,感情をコントロールしにくく,さ細なことで食ってかかってくるなどという話もした。 これを受け,被告Y2は,曖昧は大切であり,はっきりさせないことも大切な方法であると話した。(甲21の26,24)ア被告Y2は,平成27年2月27日の朝礼において,厚生労働省の3つの原則として これを受け,被告Y2は,曖昧は大切であり,はっきりさせないことも大切な方法であると話した。(甲21の26,24)ア被告Y2は,平成27年2月27日の朝礼において,厚生労働省の3つの原則として,①やってくださいと命じられたことをやり,やらないでくださいと言われたことはやらないという忠誠心,②当該企業で具体的に何ができるか考えて提案すること,③チームワークとして仲間の人間から信頼されることが大切である旨の話をした。(甲21の28,24)イ被告Y1は,同日の朝礼において,LANケーブルに不具合が生じた場合,インターネット回線そのものに不具合が生じるというたとえ話を用いて,本件クリニックも大きな組織として働いているものの,個々の従業員の状況が全体に影響を及ぼすことから,従業員一人一人が,職務に忠実に,かつ,皆でチームワークよくやっていくことが非常に大切である旨の話を した。 また,被告Y1は,本件書籍を用いて,攻撃をしてくるのは,アスペルガー症候群や発達障害など性格の偏りがある人や心が傷ついている人であるなどという趣旨の話をした。 (甲21の29,24)被告Y2は,平成27年2月27日,被告Y3及び本件クリニックの4名の従業員らの立会いの下,原告に対して,本件懲戒処分についての説明を行った。 その際,被告Y2は,原告に対し,本件懲戒処分は2つの事案を対象としていることから,1つの事案につき1日分の賃金を半減すること,精勤手当は支給しないこと等を告げた。 (甲21の27,24) ア被告Y1は,平成27年2月28日の朝礼において,攻撃を防ぐ方法について,攻撃をされたときに自分が悪いと思うのをやめるなどという趣旨の話をした。(甲21の30,24)イ原告は,同日,本件株式会社か は,平成27年2月28日の朝礼において,攻撃を防ぐ方法について,攻撃をされたときに自分が悪いと思うのをやめるなどという趣旨の話をした。(甲21の30,24)イ原告は,同日,本件株式会社から,原告につき育児休暇終了の日の翌日から,育児休暇前と同じ労働条件で復帰することに同意すること,本件就業規則7章に定める懲戒処分を受けた者に対しては精勤手当を不支給とすることがある旨の定めを理由として,平成27年2月分給与の精勤手当は支給しないものとすること等が記載された通知書を受領した。(甲9)被告Y1は,平成27年3月2日の朝礼において,攻撃をかわす方法について,攻撃をされてショックを受けた場合,自己否定の悪循環に陥ってしまうこともあるが,自分の人生そのものが否定されたわけでもないと考えれば気持ちよく生きていくことができる,上司から否定的なことを言われた場合,自分の全てを否定されるような絶望感を持つ人もいるが,このような上司は,ネガティブなコメントを言うしか気が済まないタイプにすぎないと考え,生 返事をしておいたり,「頑張りますから御指導お願いします。」などと言ったりして対処することもできる,要するに攻撃に対する対処法を知っておくのが混乱を防ぐ,という趣旨の話をした。(甲21の31,24)被告Y1は,平成27年3月3日の朝礼において,身近な人から攻撃されないためのポイントとして,上司からの理不尽な叱責を例に挙げ,攻撃をしてくる人は,相手に配慮して優しくする余裕がないから,八つ当たりをしてしまうところ,そのような相手の状況を踏まえると,攻撃をされたとしてもショックを受けないで済むという趣旨の話をした。(甲21の32,24)被告Y1は,平成27年3月4日の朝礼において,攻撃してくる人の状況を冷静に判断すれば,余裕を持 えると,攻撃をされたとしてもショックを受けないで済むという趣旨の話をした。(甲21の32,24)被告Y1は,平成27年3月4日の朝礼において,攻撃してくる人の状況を冷静に判断すれば,余裕を持って攻撃に対応することができるという趣旨の話をした。(甲21の33,24)被告Y1は,平成27年3月7日の朝礼において,他者に対する攻撃が癖になっている人は,周りにとっても不愉快な存在だが,自分自身も有害物質を吸い込んでおり,自分自身のことも嫌っている場合が多い,攻撃的な上司を例に挙げ,上司に余裕がないから攻撃をしてくるということを理解すれば,余裕が生まれるなどという趣旨の話をした。(甲21の35,24)被告Y1は,平成27年3月9日の朝礼において,自己肯定感の低い人ほど他人からの行動を攻撃であると捉えやすく,他人の言動に敏感で,少しのことでも脅威として考えてしまうことがあること,相手方が困っているからこそ攻撃してくるのだという視点を持つことが大切であるなどという趣旨の話をした。(甲21の36,24)ア被告Y2は,平成27年3月10日の朝礼において,一人一人の潜在能力を発揮する舞台を作るのが自身の使命と考えており,心の良い人については潜在能力を開かせるが,心の悪い人については潜在能力を開くことは遠慮願いたいこと,人のために貢献する気持ちが大事であること等の話をした。また,被告Y2は,人は目上の人や仲間に対する物の見方を通じて 成長するなどという趣旨の話もした。(甲21の37,24)イ被告Y1は,同日の朝礼において,相手を攻撃したとしても相手からの協力は得られないのであるから,効果的な攻撃などはない,攻撃をしてくる人を困っている人と考えることによって,自分は攻撃された被害者ではなく自由な他人になることができ,攻撃 攻撃したとしても相手からの協力は得られないのであるから,効果的な攻撃などはない,攻撃をしてくる人を困っている人と考えることによって,自分は攻撃された被害者ではなく自由な他人になることができ,攻撃する人を冷静に見ることができるなどという趣旨の話をした。(甲21の38,24)原告は,平成27年3月11日午前7時30分頃,被告Y3に対して,体調不良により休みたい旨の連絡をし,本件クリニックに出勤しなかった。(甲11,36)被告Y1は,平成27年3月13日の朝礼において,攻撃をしてくる人に対する対処法について,相手との関係性に応じて対応の仕方を変えるのがよいとして,重要な人たちから攻撃を受けた場合には関係を改善しなければならないが,相手によっては聞き流せばよい場合もあるなどという趣旨の話をした。(甲21の39,24)ア被告Y1は,平成27年3月16日の朝礼において,嫌なことを言われたときの対処法について,店員に不愉快なことを言われた場合を例に挙げ,当該店員の態度の理由について,当該店員が,個人的にストレスを抱えていたとか,解雇宣告された直後だったなどと考えることによって,余計な一言を言わず,できるだけ不愉快な思いをせずにその場をやり過ごすことができ,賢く対処できるなどという趣旨の話をした。(甲21の40,24)イ原告は,被告Y1に対し,同月11日の病欠について,体調不良にて休んだことを理由として,同月16日付けの有給休暇願を提出し,有給休暇の取得を申請した。 これに対し,被告Y2は,同日の朝礼後,原告を呼び止め,本件就業規則上有給休暇の取得については2週間前までに届出の提出が必要である ところ,同月11日の病欠については,事前の届出が提出されていない以上承認することはできない旨告げた。 な 就業規則上有給休暇の取得については2週間前までに届出の提出が必要である ところ,同月11日の病欠については,事前の届出が提出されていない以上承認することはできない旨告げた。 なお,本件就業規則上,有給休暇は,特別の理由がない限り少なくとも2週間前までに,所定の手続により届けなければならないとされていた。 (本件就業規則18条3項)(甲11,36,乙3)ウ原告は,同月16日,本件クリニックを早退し,丙メンタルクリニックを受診したところ,不安抑うつ状態であり,同月17日から1か月の休養加療を要する旨の診断を受けた。(甲10,36)ア被告Y1は,平成27年3月17日の朝礼において,相手の発言に意味付けをしないことによって,相手からの更なる攻撃をかわすことができるなどという趣旨の話をした。(甲21の41,24)イ被告Y3は,同月11日の病欠に関する有給休暇願を,原告に返却したが,同有給休暇願には,被告Y2によって,有給休暇の取得に関し,「非承認」に丸印が付けられていた。(甲11,36)ア被告Y2は,平成27年3月18日の朝礼において,歯科業界を取り巻く環境は厳しいことから,歯科技工士は残業手当のない長時間残業も多く,20代の歯科技工士の離職率が8割にも及んでいるところ,本件クリニックにおいて従業員らが稼働することができることは感謝すべきことである,患者のために心を一つにし,フォローし合って仕事をすることが大切であるなどという趣旨の話をした。(甲21の42,24)イ被告Y1は,同日の朝礼において,攻撃をしてくる友人や職場の先輩を例に挙げ,できるだけ不愉快な思いをせずにその場をやり過ごすための方法等についての話をした。(甲21の43,24)ウ原告は,同日,本件クリニックを早退した。( 攻撃をしてくる友人や職場の先輩を例に挙げ,できるだけ不愉快な思いをせずにその場をやり過ごすための方法等についての話をした。(甲21の43,24)ウ原告は,同日,本件クリニックを早退した。(甲36)原告の夫である丁は,原告がうつ状態のため平成27年3月17日から1 か月の休養加療を要すると診断されたことから,休職に関わる書類一式の郵送を依頼する旨の書面を作成し,同月20日,被告Y1に対し,同書面を簡易書留で郵送したところ,被告Y1は,同月30日に同書面を受領した。(甲12,36,乙15,16)原告及び丁は,平成27年3月30日付けで,原告について,休職期間を同月17日から同年4月16日までとし,不安抑うつ状態による休養加療を理由とする休職願を作成し,被告Y1に対し,同休職願に診断書を添付して郵送した。(甲36,乙17,18)原告は,平成27年4月11日,丙メンタルクリニックを受診し,不安抑うつ状態であり,同月17日から3か月の休養加療を要するとの診断を受けた。原告及び丁は,同月15日付けで,原告について,休職期間を同月17日から同年7月16日までとし,不安抑うつ状態による休養加療を理由とする休職願を作成し,被告Y1に対し,同休職願に診断書を添付して郵送した。 なお,原告及び丁は,上記休職願において,被告Y1に対して,傷病手当の手続について依頼した。 (甲36,乙19,20) 被告Y3は,平成27年4月28日,原告に対し,傷病手当金支給申請書を郵送した。(甲22の1及び2,乙24) 原告は,平成27年6月19日,第二子を出産した。なお,原告は,第二子の出産については,本件クリニックに対し,休職届等の届出をしていない。 原告は,原告訴訟代理人を通じて,同年7月13日,被告Y1に対し, ,平成27年6月19日,第二子を出産した。なお,原告は,第二子の出産については,本件クリニックに対し,休職届等の届出をしていない。 原告は,原告訴訟代理人を通じて,同年7月13日,被告Y1に対し,原告が同年6月19日に第二子を出産したことを連絡するとともに,育休中の社会保険料の免除の手続を行うことを依頼した。(甲36,乙6,弁論の全趣旨) 被告Y1は,被告ら訴訟代理人を通じて,平成27年7月29日付けで,原告訴訟代理人に対し,原告が長期間欠勤しているが所定の届を提出してい ないこと,育児休業中の社会保険料の免除の手続については,原告が医師の証明書(出産予定日等)を提出する必要がある旨連絡した。(乙6) 被告Y1は,被告ら訴訟代理人を通じて,平成27年8月7日付けで,原告訴訟代理人に対し,原告が休業届を提出しないまま欠勤を継続しており,本件就業規則所定の懲戒解雇の対象(無断欠勤が14労働日に及んだ場合)となったこと,同年6月及び7月分の社会保険料の自己負担分7万1380円の支払がされていないこと,出産予定日及び出産届について証明書がない以上,社会保険料の免除の手続もできないこと,同年8月10日までに社会保険料の自己負担分の支払並びに出産予定日及び出産届の提出がないときには,社会保険の対象から外す旨連絡した。(乙7) 原告は,原告訴訟代理人を通じて,社会保険料の免除の手続に関して,医師の証明書に代えて,母子手帳の写しで代替できないか尋ねたところ,被告Y1から,被告ら訴訟代理人を通じて,平成27年8月11日付けで,母子手帳では社会保険料の免除の手続に必要な書類として認められない旨の返答を受けた。(乙8,弁論の全趣旨)なお,満3歳未満の子を養育するための育児休業及びこれに準ずる休業(以下「育 で,母子手帳では社会保険料の免除の手続に必要な書類として認められない旨の返答を受けた。(乙8,弁論の全趣旨)なお,満3歳未満の子を養育するための育児休業及びこれに準ずる休業(以下「育児休業等」という。)期間については,事業主の申出により,健康保険・厚生年金保険の保険料は,被保険者分及び事業主分とも徴収しないものとされている。 また,被保険者から育児休業等取得の申出があった場合,事業主が育児休業等取得者申出書を日本年金機構に提出することとされており(なお,同申出書以外の添付書類は特段要求されていない。),同申出は,被保険者が同申出に係る休業をしている間に行わなければならないとされている。(甲20) 被告Y1は,被告ら訴訟代理人を通じて,平成27年8月19日付けで,原告訴訟代理人に対して,社会保険料の免除のためには,原告から本件株式 会社に対し病院の証明を添付して出産予定日と出産日の双方の届出をする必要があり,同月25日までに必着で必要書類を郵送すること,同日までに必要書類が郵送されない場合には,育児休業給付金の手続等に協力することはできず,今後の社会保険の継続を打ち切ることも考えること等について連絡した。(乙9) 原告が,前記の連絡を受け,本件株式会社に対して,要求された必要書類を郵送したところ,本件株式会社から,平成27年8月27日付けで,社会保険料の免除の手続につき,法律上出産日から56日以内に全ての書類を提出する必要があったところ,原告からの必要書類の到着が遅れたために,社会保険料の免除が認められなかったこと,原告の休業届上の休業期間満了日である同年7月16日を過ぎ,同月17日から同年8月27日まで42日間の無断欠勤が続いていることや出産予定日及び出産日の正式な届が長期間提 免除が認められなかったこと,原告の休業届上の休業期間満了日である同年7月16日を過ぎ,同月17日から同年8月27日まで42日間の無断欠勤が続いていることや出産予定日及び出産日の正式な届が長期間提出されなかったことから懲戒解雇を予定しているが,原告の希望があれば自主退職として事務手続を行う意向であること,原告が自主退職を希望する場合には同月26日をもって本件株式会社から退職扱いとすること等について連絡を受けた。(乙10) 本件株式会社は,平成27年9月7日付けで,離職年月日を同年8月30日,離職理由を「自己都合」として,原告に係る雇用保険被保険者資格喪失届を公共職業安定所に提出した。なお,原告は,平成28年8月9日,離職票の交付を受けた。(甲28の2ないし4) 被告Y1は,平成27年10月7日,被告ら訴訟代理人を通じて,原告訴訟代理人に対し,出産に際して休職願が提出されていないこと,同年3月に提出された休職願を前提とする休職期間が,同年9月16日をもって本件就業規則所定の6か月を満了したために,一般退職扱いとなり,健康保険も停止せざるを得なくなった旨連絡をした。(本件退職扱い。甲13) ア原告は,第一子の育休中である平成27年1月12日頃までは,食事の 支度,掃除,洗濯等の家事全般と育児を行っていたが,同年2月頃から,腹痛や頭痛,食欲不振や熟睡できないといった症状を呈するようになり,買物に行ったり,子供と公園で遊んだりすることができなくなった。また,原告は,情緒不安定になったことから,掃除洗濯などの片付け,金銭等の管理,子供に対する愛情表現が十分にできないときもあり,自己嫌悪からますます気持ちが落ち込む状況に陥った。そのため,原告は,原告の両親や祖母に原告宅に来てもらい,家事や育児の支援を受けて ,金銭等の管理,子供に対する愛情表現が十分にできないときもあり,自己嫌悪からますます気持ちが落ち込む状況に陥った。そのため,原告は,原告の両親や祖母に原告宅に来てもらい,家事や育児の支援を受けていたが,原告,丁及び子らが平成27年8月に原告の実家に転居した以後は,原告の両親及び祖母から,家事については全面的に,育児についても多くの面で協力を受けるようになった。(甲36,原告本人)イ原告は,平成27年7月17日から平成29年10月16日まで,抑うつ神経症による休養加療を要すると診断されており,現在に至るまで,月1回の頻度で,丙メンタルクリニックを受診し,投薬治療やカウンセリングを受けている。(甲30の2ないし10,原告本人)また,原告は,平成28年7月15日,右急性感音難聴を発症し,戊耳鼻咽喉科において通院治療を受けたが,同年8月25日頃には軽快した。 (甲33)原告は,丙メンタルクリニック及び戊耳鼻咽喉科における治療費や薬剤費等として別紙3「治療費一覧表」の「日付」欄記載の各年月日に,「治療費」欄記載の金額を支出した。(甲31の1ないし29,32の1ないし18,34の1ないし3,35の1・2)ウ原告は,本件精神疾患を発症して丙メンタルクリニックを受診するまでは,精神的な要因で医療機関を受診したことはなかった。(原告本人) 2 争点1について⑴ 事案1についてア事案1は,原告が,①労働局に対して,本件クリ ニックの従業員である他の妊婦を例に挙げた上で本件クリニックが妊産婦に対して不当に時短を命じている旨の虚偽の報告をして,同妊婦と本件クリニックとの間の信頼関係を損なったこと,②原告,被告Y1及び同妊婦が同席して①に関する事実関係を確認する際に,声を荒げて反抗的な態度を示し,上長の名 命じている旨の虚偽の報告をして,同妊婦と本件クリニックとの間の信頼関係を損なったこと,②原告,被告Y1及び同妊婦が同席して①に関する事実関係を確認する際に,声を荒げて反抗的な態度を示し,上長の名誉を傷つけるとともに,同妊婦にショックを与えて本件クリニックのスタッフ間の信頼関係を損なったこと,③①に関する報告書を求められたものの,原告が報告書としては考えられない文書を提出したことである。 イこのうち,①に関しては,前提事実及び認定事実に照らしても,原告が,労働局に対し,被告らが主張するような虚偽の報告をした事実は認めるに足りないし,甲が,原告と被告らとの間の紛争に巻き込まれ,迷惑を被り,不愉快に感じていたとしても,それ以上に,甲と被告らとの間の信頼関係が損なわれたとまで認めることもできない。また,原告と被告らとのやり取り等によって,本件クリニックの業務に何らかの支障が生じた等の事情もうかがわれない。 また,②に関しては,原告が,被告Y2から,労働局において,被告らが甲に対し産休及び育休の後にパートタイム勤務になるよう圧力をかけたことにつき話した事実の有無等について問われた際,甲が産休及び育休の後にはパートタイム勤務になる旨の噂の出所については分からないと原告の態度が,もとより被告らの名誉を傷つけるような反抗的な態度であったということはできないし,甲にショックを与えて本件クリニックの従業員間の信頼関係を損なう行為であったと評価することもできない。 さらに,③に係る報告書は,原告が,退勤する際に,被告Y2から,突然,同人に対する失礼な言動に関する報告書を提出するよう求められて作成したにすぎない同報告書自体が,歯科技工士で ある原告において職務上作成すべきものとはいえないこと,報告の対象(被告Y2に対す 対する失礼な言動に関する報告書を提出するよう求められて作成したにすぎない同報告書自体が,歯科技工士で ある原告において職務上作成すべきものとはいえないこと,報告の対象(被告Y2に対する失礼な言動)も漠然とした不明確なものであることからすれば,被告らにとって,原告の作成した同報告書の内容が乏しいものであったとしても,そのことが本件クリニックにおける服務規程に違反し,懲戒事由に該当するものとは到底認められないというべきである。 ウ以上によれば,事案1に関し,原告が本件就業規則5章に定める服務の規定に違反したということはできないから,同規則39条1項4号所定の懲戒事由が存在するとは認められない。 ⑵ 事案2についてア事案2は,原告が,平成27年1月3日に育休が終了しているにもかかわらず,規定の届出,本件クリニックへの相談,同意又は了解を得ず,出勤日を一方的に定めて,同月13日から出勤を開始し,同月4日から同月9日までの6日間にわたり無断欠勤をしたことである。 イしかし,原告が,平成26年12月6日,被告Y3に対し,本件クリニックへの復職日につき平成27年1月13日を希望する旨を伝えたところ,後日,被告Y3が,原告に対し,原告の復職日を同日とする旨の電話連絡をしていることからすれば,原告の本件クリニックへの復職日は,被告らとの事前の調整を経て,同日と決定していたことが認められる。したがって,原告が同月4日から同月9日までの間本件クリニックでの勤務をしなかったことが無断欠勤に当たると評価することはできない。 ウ以上によれば,事案2に関し,原告が正当な理由なく欠勤,遅刻を重ねたとはいえないことから,本件就業規則39条1項1号所定の懲戒事由が存在するとも認められない。 ⑶ 小括 ウ以上によれば,事案2に関し,原告が正当な理由なく欠勤,遅刻を重ねたとはいえないことから,本件就業規則39条1項1号所定の懲戒事由が存在するとも認められない。 ⑶ 小括 以上の次第で,本件懲戒処分は,そもそも被告らが処分の基礎とした懲戒事由が存在するとは認められない。また,仮に,被告らの主張する懲戒事由たる事実の一部やそれに類する事実が認められるとしても,減給という比較的重い本件懲戒処分に見合うような悪質性は,到底認めることはできない。 したがって,本件懲戒処分は,無効であるというべきである。 3 争点2について⑴ 勤務条件の変更の提案について被告らは,原告が平成27年1月13日に本件クリニックに復職した直後から,原告に対して,正社員の立場を維持しつつ,終業時刻を午後4時30分とするとともに,給与体系を時給制にすること,これに伴い精勤手当を支給しないことという勤務条件に変更する旨の提案を行っていた(認定事実⑺ないし⑽,⑿)。 他方,原告は,被告らからの上記提案に対しては,被告らとの折り合いをつけるための話合いには応じる姿勢を取っていたものの,一貫して拒絶の意思を示しており,被告らの対応について,労働局に相談したことに照らし,その意思は強固なものであったと認められる。 もっとも,このような態度を示す原告に対して,被告らは,度重なる勤務条件の変更の申入れをするとともに,原告の譲歩の必要性を説いているところ,原告は,これらの被告らの対応によって,一定程度の精神的負荷を受けたものと考えられる。 ⑵ 原告の業務に関する対応について認定事実⒁ないし⒃によれば,原告が,労働局を訪れ,復職後の原告の勤務条件に係る被告らの提案等について相談をした結果,労働局の職員が,本 えられる。 ⑵ 原告の業務に関する対応について認定事実⒁ないし⒃によれば,原告が,労働局を訪れ,復職後の原告の勤務条件に係る被告らの提案等について相談をした結果,労働局の職員が,本件クリニックを訪問して,聴き取り調査を行ったこと等を契機として,被告Y2が,本件クリニックの歯科技工士らに対し,原告に対して技工指示書を渡さないように指示したことが認められる。 このような被告Y2の対応は,原告が被告らによる勤務条件の変更の提案を受け入れなかったことや,労働局に相談したことに対する制裁的な意味合いを有するものであったと評価することができる。また,本件クリニックにおける従前と同様の勤務条件での勤務を希望する原告にとっては,第一子の育休を取得したことや第二子を妊娠したことにより,本件クリニックで従事できる業務がなくなったと認識させかねない出来事であったと考えられるから,原告に対しては相当程度の精神的負荷を生じさせるものといえる。 ⑶ 本件懲戒処分について被告Y2は,原告に対して,本件懲戒処分についての説明を行うに際し,本件クリニックの4名の従業員らを立ち会わせたの理由について,被告Y2は,本件クリニックに勤務する社会保険労務士や被告ら訴訟代理人から,証人を立てておいたほうがよいとの助言を受けたなどと説明する(被告Y2本人)。しかしながら,前記2で説示したとおり,そもそも本件懲戒処分が無効であり,原告からすれば謂れのないものであったことに加えて,本件懲戒処分についての説明の際,本件クリニックの従業員らを証人としたことによって,原告と被告らとの間の紛争の存在及びその内容が本件クリニックの従業員らにも明確に伝わる可能性が高まったことからすれば,本件懲戒処分に係る一連の被告らの対応によって,原告が相 を証人としたことによって,原告と被告らとの間の紛争の存在及びその内容が本件クリニックの従業員らにも明確に伝わる可能性が高まったことからすれば,本件懲戒処分に係る一連の被告らの対応によって,原告が相当程度の精神的負荷を受けたものというべきである。 ⑷ 朝礼における被告Y2及び被告Y1の訓示についてア前提事実及び認定事実に照らしても,被告Y1及び被告Y2が,本件クリニックの朝礼において,原告を名指しするなど直接的に原告に係る話題を持ち出した事実は認められない。 イもっとも,認定事実⑷,⑾,⒁,⒂及び⒄によれば,被告Y2は,当時の原告の状況に酷似した内容のたとえ話をしており,原告の同僚らも,当該たとえ話が原告のことを指しているものだと理解できる内容であったこ とからすれば,原告において,被告Y2が朝礼の訓示において原告を暗に非難する内容の話をしていると考えることも無理からぬところであり,原告は,本件クリニックの他の従業員らの面前で自分自身のことを非難されていると考えることによって,強い精神的負荷を受けたものというべきである。 ウ加えて,被告Y2が,平成27年2月27日,本件クリニックの4名の従業員らの立会いのもと,原告に対し,本件懲戒処分についての説明を行ったことを踏まえると,同日以降は,全員ではないとはいえ,本件クリニックの従業員らにおいても,原告と被告らとの間に紛争が生じていることを認識しながら,朝礼において,被告Y1及び被告Y2の訓示を聞くようになったことがうかがわれる。 そうすると,被告Y1にその意図がなかったとしても,原告と被告らとが対立していた当時の状況を前提とすれば,原告において,本件書籍を題材とする訓示における「攻撃をしてくる人」が原告を指すと捉え,被告Y1や被告 ,被告Y1にその意図がなかったとしても,原告と被告らとが対立していた当時の状況を前提とすれば,原告において,本件書籍を題材とする訓示における「攻撃をしてくる人」が原告を指すと捉え,被告Y1や被告Y2が朝礼の訓示において原告を暗に非難する内容の話をしていると考えることも無理からぬところであり,原告は,本件クリニックの他の従業員らの面前で自分自身のことを非難されていると考えることによって,強い精神的負荷を受けたものというべきである。 エ以上の次第で,訓示の内容や訓示がされた時期等に鑑み,少なくとも平成27年2月16日の朝礼における被告Y2の訓示,同月27日以降の朝礼における被告Y1の訓示については,原告の本件精神疾患発症の原因として捉えられるべき事実と評価するのが相当である。 ⑸ 小括原告には,上記説示のとおり,被告らの行為によって精神的負荷を受けており,かつ,原告がもともと精神疾患を発症していなかった上,本件精神疾患を発症させるようなその余の事情が認められないことからすれば,これら の精神的負荷の積み重ねによって,原告が本件精神疾患を発症したものと優に推認することができる。 以上によれば,本件精神疾患の発症には,業務起因性が認められる。 4 争点3について⑴ 被告Y1についてア原告は,被告Y1が,平成27年1月20日,原告に対してした「戻ってきてもらっても困る。」との発言が不法行為を構成すると主張する。 この点,被告Y1が,同日,原告に対して,「戻ってきてもらっても困る。」との発言をした事実は認められないものの,認定事実⑽のとおり,同様の趣旨の発言(「もうX’さんいなくても回っていくんですよ,十分。 回っている。」など)をしていたことは認められる。 しかし,結局,原告と被 実は認められないものの,認定事実⑽のとおり,同様の趣旨の発言(「もうX’さんいなくても回っていくんですよ,十分。 回っている。」など)をしていたことは認められる。 しかし,結局,原告と被告らとの間で,勤務条件についての話合いを継続する方向で,同日における話合いが終了したことからすれば,被告Y1の発言をもって,違法な発言であるとまでいうことはできない。 イ原告は,被告Y1が,平成27年1月23日,第二子の妊娠を報告した原告に対して,「妊娠してどうするつもりなの。」,「時短には応じないと折り合いはつかないと思うよ。」,「結局,折り合わないと物別れになっちゃって裁判とかなっちゃうわけだよね。」などと発言し,これらの発言が不法行為を構成すると主張するところ,認定事実⑿のとおり,被告Y1がこれらの発言をした事実が認められる。 しかしながら,これらの被告Y1の発言の内容は,原告への配慮を欠く不適切なものであったと評価し得るものの,一方で,原告もこれらの被告Y1の発言に対し適宜反論していること,結果的には原告の勤務条件が不利益に変更されることはなかったこと(認定事実⑿イ)からすれば,これらの被告Y1の発言によって,原告が,萎縮したり,自己に不利益な勤務条件の変更を受け入れざるを得なくなったなどの事態が生じたわけで はない。 したがって,これらの被告Y1の発言について,不適切ではあるものの,違法であるとまで評価することはできない。 ウ原告は,平成27年2月中旬頃から被告Y1が原告を無視するようになり,この行為が不法行為を構成すると主張するが,仮に挨拶をしないなど原告を無視する行為があったとしても,これが直ちに違法な行為であると評価することはできない。 エ原告は,平成27年2月1 り,この行為が不法行為を構成すると主張するが,仮に挨拶をしないなど原告を無視する行為があったとしても,これが直ちに違法な行為であると評価することはできない。 エ原告は,平成27年2月16日から同年3月17日まで間の各朝礼における被告Y1の発言が不法行為を構成すると主張する。 しかし,認定事実⒄,⒆照らせば,被告Y1の各朝礼における訓示の内容が,原告において,自らを暗に非難する内容の話をしていると捉えたり,本件クリニックの従業員らが原告のことを指す話であると考えたりする可能性がある内容ではあるものの,他方において,直接原告を名指しするものではなく,本件書籍を取り上げ,被告Y1の感想等を交えながらその内容を紹介するにとどまるものであって,その内容自体,組織の内外において攻撃をしてくる人に対する対処法や,そのような人の特徴を述べたものとして,それなりの一般性を有するものであり,殊更に原告を対象として行われたものとまでは認め難い。 したがって,各朝礼における被告Y1の発言について,不法行為が成立するということはできない。 オ原告は,被告Y1が,原告に対し,本件休職に際し,休職に必要な手続についての説明をせず,原告が正式な休職扱いになっているかについての連絡をしなかったこと及び復職に関する手続の説明もしなかったこと,本件休職後も社会保険料支払の請求をする一方で,産休及び育休の取得や社会保険料の免除に係る手続の案内等を一切行わなかったこと並びに出産の 際に休職願が必要である旨の説明をしなかったことをもって,被告Y1に不法行為が成立すると主張する。 しかし,本件休職に関し,被告Y1の原告に対する対応が必ずしも十分であったとはいえないものの,被告Y1が,原告に対し,休職に必要な手続についての もって,被告Y1に不法行為が成立すると主張する。 しかし,本件休職に関し,被告Y1の原告に対する対応が必ずしも十分であったとはいえないものの,被告Y1が,原告に対し,休職に必要な手続についての説明,原告が正式な休職扱いになっているかについての連絡及び出産の際に休職願が必要である旨の説明をそれぞれすべき個別の法的義務を負っていたとまでは認められない。また,原告が既に第一子について産休や育休を取得していることに照らせば,被告Y1が,原告に対し,第二子に関しての産休及び育休の取得や社会保険料の免除に係る手続の案内等を行うべき法的義務を負っていたとも認められない。 したがって,この点に関する原告の主張は,採用できない。 カ以上によれば,原告が主張する被告Y1の各行為について,いずれも人格権侵害による慰謝料請求権の発生を肯認し得るまでの不法行為と評価することはできない。 ⑵ 被告Y2についてア原告は,その妹の結婚式に出席するために本件有給休暇を取得しようとしたところ,被告Y2が,有給休暇の取得を阻止する言動に及んだ上,原告に対し「給料もらって行こうなんて浅ましい。」等の発言をしたことについて,不法行為が成立すると主張するところ,認定事実⑶のとおり,本件有給休暇の取得が不承認とされたこと及び被告Y2が「給料もらって行こうなんて浅ましいよ。」などの発言をした事実が認められる。 有給休暇の取得について,使用者は,有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならず,例外的に請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては,他の時季にこれを与えることができるとされている(労基法39条5項)。 本件において,被告Y2は,有給休暇ではなく無給での休暇であれば 原告の とが事業の正常な運営を妨げる場合においては,他の時季にこれを与えることができるとされている(労基法39条5項)。 本件において,被告Y2は,有給休暇ではなく無給での休暇であれば 原告の休暇の取得を認めるとしていること,その理由として,本件クリニックの繁忙度に関係なく,他の従業員らの士気を下げることにもなりかねないこと等を挙げている(認定事実⑶)ところ,これらの事情が,本件有給休暇の取得によって本件クリニックにおける歯科診療等の正常な運営を妨げるような事情に当たるということはできない。 したがって,被告Y2が本件有給休暇の取得を拒絶したことは,労基法が定める有給休暇制度の趣旨に反する違法なものというべきである。 他方で,被告Y2が,本件有給休暇の取得を拒絶するに際して,「給料もらって行こうなんて浅ましいよ。」などと発言したことについては,労基法が定める有給休暇制度の趣旨に反する不適切かつ不相当なものであったとは認められるものの,は別個に慰謝料の支払を命じなければならないほどの高度の違法性があるとまで認められない。 イ原告は,被告Y2による平成27年1月14日から同年2月中旬頃までの不利益な勤務条件への変更の勧奨が不法行為を構成すると主張する。 被告らとの間で,復職後の勤務条件の変更(勤務時間の短縮及び時給の給与体系への変更)について,第一子の育休からの復職後に初めて話合いをした平成27年1月14日には,上記勤務条件の変更の提案に対して承諾しなかった(認定事実⑺)ものの,同月17日には,被告らの提案する勤務条件の詳細について記載した書面を交付すること及び今後話合いをする場を設けることを求め,被告らは,原告の上記要求に基づき,同月19日に,原告に対し本件書面を交付,同月20日に,原告との間で,復職後の勤 細について記載した書面を交付すること及び今後話合いをする場を設けることを求め,被告らは,原告の上記要求に基づき,同月19日に,原告に対し本件書面を交付,同月20日に,原告との間で,復職後の勤務条件に係る再度の話合いを行ったが認められる。 この点,原告が被告らの提案した復職後の勤務条件の変更について承諾していない時点において,被告Y2が本件クリニックの他の従業員らに対 し原告を午後4時30分に帰宅させるよう指示したこと(認定事実⑻)や,被告Y2が,同月20日に行われた原告の勤務条件の変更に係る話合いの際,原告が本件書面記載の勤務条件に合意できない場合には,原告が退職することも含めて決めてほしいなどと発言したことについては,説得の方法としてはいささか強引であり,不相当な面があったことは否定できない。 もっとも,同月23日に行われた原告の勤務条件の変更に係る話合いまでは,原告は,勤務条件の変更について難色を示す態度をとっていたものの,話合いの最後には,再考してみるなどとして被告らによる提案を持ち帰り検討する姿勢を見せている(認定事実⑿)。また,被告Y2は,労働局の職員による調査を受けた同年2月10日以降は,原告に対して,勤務条件の変更を勧奨するなどの働きかけを行っていない。 そうすると,原告の勤務条件の変更について,上記のとおり,原告に対する説得の方法に不相当な面があったことや,原告が,平成27年1月22日,労働局を訪れ,復職後の原告の勤務条件に係る被告らの提案等につ,他方において,被告Y2が,一応勤務条件の変更に係る話合いの場を設け続けることに応じており,原告に対し,勤務条件の変更につき選択の余地を許さないといった程度まで強硬な説得を行ってはいないこと,労働局の職員による調査を受けた以降は,原告に対 更に係る話合いの場を設け続けることに応じており,原告に対し,勤務条件の変更につき選択の余地を許さないといった程度まで強硬な説得を行ってはいないこと,労働局の職員による調査を受けた以降は,原告に対して,勤務条件の変更を勧奨するなどの働きかけを行っていないことに照らせば,原告の主張する被告Y2の行為が違法であるとまで認めることはできない。 また,勤務条件の変更の勧奨に伴う被告Y2の各発言について,その内容が適切であるとまではいえないものの,慰謝料の支払を命じなければならないほどの違法性があるとまで認められない。 ウ原告は,被告Y2が,平成27年2月12日から同月22日までの間, 原告に対して,技工指示書を渡さず,仕事を与えなかったことが不法行為を構成すると主張するところ,被告Y2が,同月13日,本件クリニックの歯科技工士らに対して,今後,原告に対して技工指示書を渡さないよう指示し,その結果として,少なくとも同日以降は,実際に原告に対し技工指示書が渡されなかった事実が認められる(認定事実⒃)。 この点,被告Y2が,上記指示に際して,原告に対し技工指示書を渡さない理由について,原告が本件株式会社の従業員であることから,法律上歯科技工士としての仕事をさせることができない旨の労働局からの指導をが,同月23日以降は,原告に対する技工指示書の交付が再開されたことからすれば,労働局からの指導が,原告に対する技工指示書の交付を禁止する理由であるとはにわかに信用し難い。 また,被告Y2が,本件クリニックの歯科技工士らに対し,同人としては原告との雇用関係を継続するのは難しいと思っていることをも理由として,原告に対して技工指示書を渡さないよう指示していること(認定事実からすれば,上記指示に当たり,被告Y2には,原告が退職するよう は原告との雇用関係を継続するのは難しいと思っていることをも理由として,原告に対して技工指示書を渡さないよう指示していること(認定事実からすれば,上記指示に当たり,被告Y2には,原告が退職するよう仕向けるための嫌がらせの意図があったことがうかがわれるところ,勤務条件の変更のための勧奨行為としては著しく相当性を欠くというべきである。 したがって,原告の主張する被告Y2の上記行為は,不法行為を構成する。 エ原告は,被告Y2が,平成27年1月30日以降,原告が挨拶をしても無視するようになったことにつき,不法行為を構成すると主張するが,仮に,被告Y2がこのような行為に出たとしても,同行為につき慰謝料の支払を命じなければならないほどの違法性があると認めることはできない。 オ原告は,被告Y2による,平成27年1月20日の朝礼における原告に 対する非難やブログへの原告に対する当てつけのような記事の掲載が不法行為を構成すると主張する。 しかしながら,原告が主張するように,被告Y2が同日の朝礼において,「被告クリニックのために何ができるかよ。私が,私がじゃだめよ。」と発言したとしても,原告を名指しで非難するものではない上,本件クリニックの従業員らに対する一般的な訓示と理解することも十分可能な内容であることから,被告Y2の当該発言が違法であるとは認められない。 また,認定事実⒀のとおり,被告Y2がブログに原告の主張する内容の記事を投稿した事実は認められるものの,やはり原告を名指しするものではない上,その内容が原告に対する当てつけと評価することも困難であることから,上記ブログへの記事の投稿が違法であるとは認められない。 カ原告は,被告Y2の平成27年2月16日から同年3月18日までの各朝礼における発言は,本件クリニック と評価することも困難であることから,上記ブログへの記事の投稿が違法であるとは認められない。 カ原告は,被告Y2の平成27年2月16日から同年3月18日までの各朝礼における発言は,本件クリニックの従業員らの面前で原告の人格を否定するような言動であって,不法行為を構成すると主張する。 被告Y2の平成27年2月16日の朝礼におけるたとえ話については,正に被告らが原告の勤務条件の変更に関する勧奨を行っている最中になされたものであり,また,その内容についても,認定事実⑷,⑾,⒁,⒂,⒄に照らし,里親については本件クリニックを,A子については原告を,B子については甲を,管理局については労働局を,それぞれ指すものと理解することは容易であり,かつ,原告の同僚らも,原告の勤務条件に関するたとえ話であると推測することが十分に可能であったというべきである。しかも,被告Y2は,たとえ話をするにとどまらず,たとえ話におけるA子の里親に対する失礼な態度について同意を求めるために,本件クリニックの従業員らに挙手までさせているところ,もはやたとえ話を用いた一般的な注意喚起や指導の域を逸脱しているというべきであって,このような被告Y2の言動は,本件クリニックの従業員ら の面前で,原告の被告らに対する態度を非難する目的で,行われたというほかない。したがって,被告Y2の上記言動は,その時期,内容及び態様に照らし,著しく相当性を欠く違法なものと認められる。 被告Y2が,平成27年2月20日及び同月21日の各朝礼において,許可された場合を除き残業することはできないこと,残業してはならない旨の業務命令を受けたにもかかわらず,業務命令を無視して残業をした従業員がいたなどの話をしたことがしかし,上記当時,原告と被告らとの間で,現に原告の就業時間につい はできないこと,残業してはならない旨の業務命令を受けたにもかかわらず,業務命令を無視して残業をした従業員がいたなどの話をしたことがしかし,上記当時,原告と被告らとの間で,現に原告の就業時間について問題になっており,仮に,被告Y2の上記話によって,本件クリニックの従業員らにおいて,残業することができないにもかかわらず,原告が残業をしたことを認識することができたとしても,一般的に必要のない残業を禁じること自体は合理性を欠くものでもないことからすれば,被告Y2の上記行為が直ちに不法行為に当たるということはできない。 各朝礼における被告Y2の訓示についても,その内容等に照らし,殊更に原告だけを対象とし,原告を非難する目的での発言とは認められないことから,直ちに不法行為に該当するとは認められない。 キ原告は,被告Y2が原告の平成27年3月11日の病欠につき,有給休暇の取得を承認しなかった行為について,不法行為を構成すると主張する。 しかしながら,証拠(乙3)によれば,本件就業規則において,有給休暇の取得については2週間前までに所定の手続を行わなければならないとされていると認められるところ,そのような手続要件を課したとしても,有給休暇の取得を事実上不可能ならしめるものとまで評価することはできない。そうすると,原告の同日の有給休暇の取得については,本件就業規則が要求する手続要件を履践してないものであるから,被告Y2が,本件就業規則を根拠に,同有給休暇の取得を不承認としたことについて,直ち に不法行為に該当すると認めることはできない。 ク小括したがって,原告が主張する被告Y2の各行為のうち,本件有給休暇の取得を拒絶したこと,平成27年2月13日から同月22日までの間,原告に対して,技工指示書を渡さなかったこ きない。 ク小括したがって,原告が主張する被告Y2の各行為のうち,本件有給休暇の取得を拒絶したこと,平成27年2月13日から同月22日までの間,原告に対して,技工指示書を渡さなかったこと及び同月16日の朝礼において,たとえ話をし,従業員らに挙手を求めたことについては,不法行為が成立するというべきである。 他方において,原告が主張する被告Y2のその余の行為については,いずれも人格権侵害による慰謝料請求権の発生を肯認し得るまでの不法行為と評価することはできない。 ⑶ 被告Y3についてア原告は,被告Y3が,本件有給休暇の取得に関して,結婚式に行くのに給料を払うのは本件クリニックが祝い金を出すも同じという趣旨の発言をしたり,原告に対し「お前馬鹿か。」などと発言したりしたことについて,不法行為を構成すると主張する。 確かに,本件有給休暇の取得の拒絶自体は違法であると認められるものの,被告Y3の言動は,原告に対する配慮を欠き,不適切であるとはいえ,その発言の内容等に照らし,直ちに慰謝料の支払を命じなければならないほどの違法性があるとはいえない。 イ原告は,被告Y3が,原告に対し,平成27年1月19日に本件書面を手渡したり,同月23日に,被告Y1とともに,勤務条件の変更の提案を承諾するよう働きかけたなどの行為が,不法行為を構成すると主張する。 しかし,被告らが勤務条件の変更に対する原告の明確な拒絶の意思を認識したのは,労働局の職員による調査を受けた同年2月10日以降であると考えられるところからすれば,被告Y3の原告に対する説得の方法が,その発言の内容等に鑑みていささか強引であり,不相当な面があったこと は否定できないものの,勤務条件の変更についての話合いの継続中に行われ からすれば,被告Y3の原告に対する説得の方法が,その発言の内容等に鑑みていささか強引であり,不相当な面があったこと は否定できないものの,勤務条件の変更についての話合いの継続中に行われたものであることをも踏まえると,不法行為を構成する違法なものとまで認めることはできない。 ウ原告は,原告が第二子の妊娠を報告した際に,被告Y3が「また産休やるの。」などと発言した行為が,不法行為を構成すると主張する。 確かに,原告が平成27年1月23日に被告Y1及び被告Y3に対して第二子の妊娠を伝えた際,被告Y3が「また産休やるの。」などと述べたこのような被告Y3の発言は,不適切な発言であるといわざるを得ないが,同日の協議において,最終的に,原告が被告らの提案する勤務条件の変更を再考する旨告げていること等からすれば,被告Y3の当該発言によって,原告が第二子に係る産休及び育休の取得を諦めたり,勤務条件の変更を受け入れざるを得なくなったりしたわけではない。そうすると,被告Y3の上記発言が,直ちに不法行為を構成するということはできない。 エ原告は,被告Y3が,平成27年2月中旬頃以降,原告が挨拶をしても無視するようになったことにつき,不法行為を構成すると主張するが,仮に,被告Y3がこのような行為に出たとしても,同行為につき慰謝料の支払を命じなければならないほどの違法性があるとまで認めることはできない。 オ原告は,被告Y3が,平成27年2月16日,原告に対し,同日を含む4日間については,午後4時30分までの勤務とするよう指示した行為について,不法行為を構成すると主張する。しかし,このような被告Y3の指示自体について,慰謝料の支払を命じなければならないほどの違法性があるとまで認めることはできない。 カ う指示した行為について,不法行為を構成すると主張する。しかし,このような被告Y3の指示自体について,慰謝料の支払を命じなければならないほどの違法性があるとまで認めることはできない。 カ以上によれば,原告が主張する被告Y3の各行為について,いずれも人格権侵害による慰謝料請求権の発生を肯認し得るまでの不法行為と評価す ることはできない。 ⑷ 共同不法行為及び使用者責任の成否についてア被告Y3について 被告Y2が本件有給休暇の取得を拒絶したことについて不法行為が成立するものの,本件有給休暇の不承認の決定をしたのは被告Y2であり(認定事実⑶),被告Y2と被告Y3とが本件有給休暇の取得の不承認の決定を共同して行ったことを認めるに足りる証拠はないから,本件有給休暇の取得の拒絶に関し,被告Y2と被告Y3の共同不法行為が成立するとは認められない。 被告Y2が,平成27年2月13日から同月22日までの間,原告に対し,技工指示書を渡さなかった行為について不法行為が成立するものの,被告Y2と被告Y3とが同行為を共同して行ったことを認めるに足りる証拠はないから,原告に対し,技工指示書を渡さなかった行為について,被告Y2と被告Y3の共同不法行為が成立するとは認められない。 被告Y2が,平成27年2月16日の朝礼において,たとえ話をし,従業員らに挙手を求めた行為について不法行為が成立するものの,被告Y2と被告Y3とが同行為を共同して行ったことを認めるに足りる証拠はないから,被告Y2と被告Y3の共同不法行為が成立するとは認められない。 イ被告Y1について 被告Y2が本件有給休暇の取得を拒絶したことについて不法行為が成立するところ,本件有給休暇の取得に係る 告Y3の共同不法行為が成立するとは認められない。 イ被告Y1について 被告Y2が本件有給休暇の取得を拒絶したことについて不法行為が成立するところ,本件有給休暇の取得に係る有給休暇願の宛先は被告Y1とされていること(認定事実⑶)に照らせば,本件有給休暇の取得の不承認に関する最終的な決定権者は本件クリニックの院長である被告Y1であると推認できるのであって,被告Y2と被 告Y1とが本件有給休暇の取得の拒絶につき共同して行ったものと認められるから,被告Y1と被告Y2の共同不法行為が成立する。 被告Y2が,平成27年2月13日から同月22日までの間,原告に対し,技工指示書を渡さなかった行為について不法行為が成立するところ,被告Y2の上記行為については,被告Y1もその旨の指示を出していたと認められる(認定事実⒃)ことからすれば,被告Y2の同行為につき被告Y1が共同して行ったものと認められ,被告Y1につき共同不法行為が成立する。 被告Y2が,平成27年2月16日の朝礼において,たとえ話をし,従業員らに挙手を求めた行為について不法行為が成立するところ,本件全証拠を通覧しても,被告Y2と被告Y1とが,事前に朝礼における訓示の内容等について打合せ等を行ったと認めるには足りないことに照らし,被告Y2が独断で上記たとえ話をするなどしたと認められることから,被告Y1と被告Y2の共同不法行為が成立するとは認められない。 もっとも,本件クリニックにおける朝礼は,従業員らが全員参加するものであることに照らし,業務の一環と位置付けられていると評価できるから,被告Y2の上記行為につき,本件クリニックの院長である被告Y1は,民法715条に基づき,使用者責任を負うというべきである(なお,被 あることに照らし,業務の一環と位置付けられていると評価できるから,被告Y2の上記行為につき,本件クリニックの院長である被告Y1は,民法715条に基づき,使用者責任を負うというべきである(なお,被告Y2の原告に対する損害賠償債務と被告Y1の原告に対する損害賠償債務は,不真正連帯債務となる。)。 5 争点4(本件懲戒処分の違法性)について前記2で説示したとおり,本件懲戒処分は,無効であるというべきである。 そして,前記2で説示したところによれば,事案1については,本件就業規則39条1項4号所定の懲戒事由の不存在について,被告Y1に少なくとも過失が認められる。また,事案2については,認定事実⑸及び⑹に照らし, 本件クリニックの院長である被告Y1が原告の復職時期を知らないとは考えられないことから,本件就業規則39条1項1号所定の懲戒事由の不存在について,被告Y1に少なくとも過失が認められる。 よって,被告Y1が行った本件懲戒処分は違法であり,不法行為を構成するというべきである。 6 争点5(本件退職扱いの違法性)について本件退職扱いは,後記7⑴イで説示するとおり,原告が業務上の疾病にかかり療養のために休業していた期間にされたものであって,無効であるといわざるを得ないことに加え,認定事実ないしのとおり,被告Y1は,原告の退職日について,平成27年8月26日とする予定であるとしたり,休職期間が満了した同年9月16日であるとしたり,あるいは雇用保険被保険者資格喪失届上では同年8月30日としたりと,その取扱いには一貫性が認められない。雇用関係の終了は,使用者にとっても労働者にとっても重要な局面であることからすれば,このような一貫性のない曖昧な取扱いによって,原告を一般退職扱いとすること自体,相当性を著しく欠く が認められない。雇用関係の終了は,使用者にとっても労働者にとっても重要な局面であることからすれば,このような一貫性のない曖昧な取扱いによって,原告を一般退職扱いとすること自体,相当性を著しく欠くものである。 また,被告Y1は,原告の退職は休職期間満了による一般退職扱いであるとしているものの,その当時における原告の傷病の状況を照会することもなかったことからすれば,当時の原告の休職事由該当性の有無について特段の検討もしないまま,一般退職扱いとしたものであって,この点からしても被告Y1の対応は相当性を欠くものである。 確かに,原告は,同年7月16日までを休職期間とする休職届しか提出していない()ものの,他方で,同月13日には,被告Y1に対し,第二子を出産したことを連絡するとともに,育児休業中の社会保険料の免除の手続を行うことを依頼していることからすれば,被告Y1としても,休職の理由については格別,原告が正当な理由により休職をすべき状況にあることを認識することができたのであるから,原告が休職届を提 出していないことをもって原告に不利益に評価すべき理由はない。 したがって,被告Y1が行った本件退職扱いは違法であり,不法行為を構成するというべきである。 7 争点6(損害)について⑴ 労働契約に基づく未払賃金請求についてア前記2で説示したとおり,本件懲戒処分が無効である以上,無効な本件懲戒処分を理由として控除された7520円及び精勤手当1万2000円の合計1万9520円(別紙1「業務期間」欄「平成27年1月11日から同年2月10日まで」の「支払額」欄記載の1万9520円)は,未払賃金であると認められる。 イ前記3で説示したとおり,本件精神疾患の発症には,業務起因性が認められるところ,本 7年1月11日から同年2月10日まで」の「支払額」欄記載の1万9520円)は,未払賃金であると認められる。 イ前記3で説示したとおり,本件精神疾患の発症には,業務起因性が認められるところ,本件退職扱いは,原告が業務上の疾病にかかり療養のために休業していた期間にされたものであって,無効であるといわざるを得ない(労基法19条1項類推適用)。また,使用者たる被告Y1の責に帰すべき事由によって,労働者たる原告が債務の履行として労務を提供することができなくなった以上,原告は労働契約に基づく賃金支払請求権を失わない。 もっとも,原告は,平成27年6月19日に第二子を,平成29年7月11日に第三子を,それぞれ出産している(前提事実⑼)ところ,第二子の出産前にも産休及び育休の取得を希望し,育休中の社会保険料の免除も申請しようとしていたこと)からすれば,第一子の出産時と同様,少なくとも出産日の2週間前から産休の取得を予定し(認定事実⑵,⑷),出産後1年間については育休を取得していたものと考えられるから(第二子につき平成27年6月6日から産休を開始,平成28年6月20日に復職。第三子につき平成29年6月28日から産休を開始,平成30年7月12日に復職。),当該期間については,賃金 支払請求権は発生しない(本件就業規則20条2項,22条2項)。 したがって,原告は,被告Y1に対し,平成27年3月18日から同年6月5日までの期間(ただし,原告は,平成27年3月支払分(同月10日締め)の給与として20万5156円の,同年4月支払分(同月10日締め)の給与として3万8461円の各支払を受けたことを自認しているところ,被告らも明確にこれを争っていないことに照らせば,これらの賃金は既払いであると認めることができる。),平成28年6月20日 締め)の給与として3万8461円の各支払を受けたことを自認しているところ,被告らも明確にこれを争っていないことに照らせば,これらの賃金は既払いであると認めることができる。),平成28年6月20日から平成29年6月27日までの期間及び平成30年7月12日以降について,労働契約に基づく賃金支払請求権を有しているというべきであるところ,別紙1「業務期間」欄「平成27年2月11日から同年3月10日まで」ないし「平成29年6月11日から同年6月27日まで17日間の日割計算(1か月30日計算)」の各「支払額」欄記載の金員の合計326万8354円と,平成30年7月12日以降について,毎月末日限り,月額21万8000円の割合による金員の支払を請求することができる。 ウ原告は,第二子及び第三子の産休及び育休期間中について,前記第2の 記載の被告らの一連の不法行為によって,本件精神疾患を発症したことから,原告の家事労働に係る労働能力が喪失したとして,当該期間中については,不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき,月額21万8000円の支払を求めている。 しかし,前記4,5及び6で説示したとおり,被告らの不法行為に該当するのは,被告Y1及び被告Y2が本件有給休暇の取得を拒絶したこと,被告Y1及び被告Y2が平成27年2月13日から同月22日までの間,原告に対して,技工指示書を渡さなかったこと,被告Y2が同月16日の朝礼において,たとえ話をし,従業員らに挙手を求めたこと,被告Y1による同月27日の本件懲戒処分と本件退職扱いである。確かに,これらの不法行為の悪質性は,必ずしも低いとはいえないものの,原告が本件精神 疾患を発症したのは,前記3,4で説示したとおり,不法行為には該当しないものを含む被告らの言動による精神的負荷の積み重ねに起因するも 質性は,必ずしも低いとはいえないものの,原告が本件精神 疾患を発症したのは,前記3,4で説示したとおり,不法行為には該当しないものを含む被告らの言動による精神的負荷の積み重ねに起因するものであることから,上記不法行為のみによって,直ちに原告の家事労働に係る労働能力が低下又は喪失したとまでは認められないというべきである。 したがって,原告が主張する休業損害は,上記不法行為と相当因果関係がある損害とは認め難い。 以上によれば,この点についての原告の主張は認められない。 ⑵ 本件懲戒処分及び本件退職扱いに基づく損害(慰謝料)についてア前記5で説示したとおり,被告Y1が行った本件懲戒処分は違法であるところ,本件懲戒処分を理由として減給された賃金の支払請求が認められることによって,その損害は回復されたものというべきである。したがって,本件懲戒処分が違法であること自体による慰謝料の支払請求は認められない。 イ前記6で説示したとおり,被告Y1が行った本件退職扱いは違法である上,社会的相当性を著しく欠いているところ,本件退職扱いによって突然失職した原告には相応の精神的苦痛が生じたことが認められる。そうすると,本件退職扱いに係る慰謝料としては100万円が相当である。また,本件事案の難易度,訴訟遂行の経過,認容額等本件における諸般の事情を考慮すれば,弁護士費用は10万円とするのが相当である。 ⑶ 被告Y1及び被告Y2の不法行為に基づく損害(慰謝料)について前記4で説示したとおり,被告Y1及び被告Y2による本件有給休暇の取得の拒絶及び原告に対する技工指示書の不交付並びに被告Y2による平成27年2月16日の朝礼におけるたとえ話については,不法行為に該当するところ,これらによって原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料とし 得の拒絶及び原告に対する技工指示書の不交付並びに被告Y2による平成27年2月16日の朝礼におけるたとえ話については,不法行為に該当するところ,これらによって原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料としては50万円が相当である。また,本件事案の難易度,訴訟遂行の経過,認容額等本件における諸般の事情を考慮すれば,弁護士費用は5万円とするのが相当で ある。 ⑷ 治療費について原告の本件精神疾患等に係る治療費12万9580円については,上記⑴ウで説示したところと同様に,被告らの不法行為のみによって,原告が本件精神疾患を発症したとまでは認められないことから,同不法行為と相当因果関係がある損害とは認められない。 第4 結論以上の次第で,原告の請求は主文掲記の限度で理由があるからその限度で認容し,原告のその余の請求は理由がないからいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第1部 裁判長裁判官鈴木基之 裁判官中畑章生 裁判官足 羽 麦子

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