平成14(行コ)147 各損害賠償請求控訴事件(原審・横浜地方裁判所平成10年(行ウ)第43号等)

裁判年月日・裁判所
平成14年12月24日 東京高等裁判所 住民訴訟
ファイル
hanrei-pdf-15244.txt

判決文本文4,199 文字)

主文 1 第1審原告らの控訴並びに第1審被告亀井建設株式会社及び同石井建設株式会社の控訴をいずれも棄却する。 2 第1審原告らの控訴によって生じた費用は同原告らの負担とし,第1審被告亀井建設株式会社及び同石井建設株式会社の控訴によって生じた費用は同被告らの負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 第1審原告ら(第1審甲事件について)(1) 原判決の主文第2項を次のとおり変更する。 (2) 第1審甲事件被告らは,座間市に対し,連帯して872万5500円及びこれに対する平成9年7月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 訴訟費用は第1,2審とも第1審甲事件被告らの負担とする。 (第1審乙事件について)原判決の主文第1項を取り消し,第1審乙事件を横浜地方裁判所に差し戻す旨の裁判を求め,自判の場合につき,次のとおりの裁判を求めた。 (1) 主位的請求ア第1審乙事件被告有限会社浅沼組,同株式会社前里興業,同株式会社高原組,同亀井建設株式会社,同有限会社加藤土建,同新本建設株式会社,同株式会社廣美建設,同鈴商建設株式会社,同草光建設株式会社,同大勇建設株式会社及び同株式会社協和工業は,座間市に対し,連帯して11億1416万2776円(ただし,うち10億6846万1461円は後記イの第1審乙事件被告石井建設株式会社と連帯)及びこれに対する平成10年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ第1審乙事件被告石井建設株式会社は,座間市に対し,10億6846万1461円(この限度で前記アの第1審乙事件被告らと連帯)及びこれに対する平成10年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 予備的請求別紙「乙事件被控訴人別請求(予備的請求)金額一覧表」の左欄記載の第 第1審乙事件被告らと連帯)及びこれに対する平成10年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 予備的請求別紙「乙事件被控訴人別請求(予備的請求)金額一覧表」の左欄記載の第1審乙事件被告らは,座間市に対し,同一覧表の右欄記載の各金員及びこれに対する平成10年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 訴訟費用は第1,2審とも第1審乙事件被告らの負担とする。 2 第1審被告亀井建設株式会社及び同石井建設株式会社(第1審甲事件)(1) 原判決中,第1審被告亀井建設株式会社及び同石井建設株式会社の敗訴部分を取り消す。 (2) 上記取消し部分に係る第1審原告の請求を棄却する(3) 訴訟費用は第1,2審とも第1審原告の負担とする。 第2 事案の概要 1 第1審甲事件は,座間市の住民である同事件原告(1名)が同事件被告ら(8社)に対し,座間市が平成9年度に発注したα線工事(第1回分)について,いわゆる入札談合により同市に損害を被らせたとして,地方自治法(以下「地自法」という。)242条の2第1項4号後段に基づき,座間市に代位して損害賠償を求めたもの,第1審乙事件は,同じく座間市の住民である同事件原告ら3名(うち1名は甲事件原告と共通)が同事件被告ら(12社。うち8社は甲事件被告と共通。なお,原審では乙事件被告は14社)に対し,座間市が平成7年度以降,平成10年3月3日までに実施した土木工事のうちの約90パーセントについて,入札談合により損害を被らせたとして,座間市に代位して損害賠償を求めたものである。 原審は,甲事件の請求については149万1000円の限度で認容すべきものとし(請求は872万5500円),乙事件の訴えについては,適法な監査請求を経ていないので不適法として却下すべきものと判断したため,両事件 事件の請求については149万1000円の限度で認容すべきものとし(請求は872万5500円),乙事件の訴えについては,適法な監査請求を経ていないので不適法として却下すべきものと判断したため,両事件につき,第1審原告らが原審の判断を不服として控訴した。ただし,第1審乙事件被告大臣建設株式会社に対しては控訴せず,同事件被告有限会社小池土建に対する控訴は取り下げた。 また,第1審被告のうち亀井建設株式会社及び石井建設株式会社が甲事件につき敗訴部分を不服として控訴した。 2 前提事実,争点及び争点に関する当事者双方の主張は,原判決の「事実及び理由」第2の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 第3 判断 1 当裁判所も,第1審甲事件原告の請求は第1審甲事件被告らに149万1000円の連帯支払を求める限度で理由があり,その余は理由がないので棄却すべく,第1審乙事件の訴えは不適法として却下すべきものと判断する。その理由は,次のとおり付加するほか,原判決の理由説示(「事実及び理由」第3及び第4。ただし,原判決52頁9行目の「棄却する。」まで)と同一であるから,これを引用する。ただし,原判決39頁24行目及び40頁17行目の各末尾に「(甲18,19,24の2,39の2,3,A,B,弁論の全趣旨)」をそれぞれ加える。 (1) 原判決33頁4行目の「しかし,」の次に次のとおり加える。 「前記認定のとおり(原判決10頁以下(3)参照),公取委は,座間市が発注する公共工事につき,平成7年4月1日から平成10年3月3日まで,座間市建設業協会の会員たる土木工事業者の間で独禁法3条の不当取引制限の禁止違反が行われてきたとして,平成10年7月17日,第1審被告ら18社に対して本件排除勧告を発し,平成11年9月28日,株式会社福司建設を除く17社に対して課徴 業者の間で独禁法3条の不当取引制限の禁止違反が行われてきたとして,平成10年7月17日,第1審被告ら18社に対して本件排除勧告を発し,平成11年9月28日,株式会社福司建設を除く17社に対して課徴金(合計2億1286万円。甲30)の納付命令を発したが,課徴金に係る違反行為は,上記17社の談合行為が独禁法3条に違反し,同法7条の2第1項に規定する「役務の対価に係るもの」に該当することを理由とするものであった(甲30)。 そして,独禁法7条の2第1項は,「事業者が,不当な取引制限……で,商品若しくは役務の対価に係るもの又は実質的に商品若しくは役務の供給量を制限することによりその対価に影響があるものをしたとき」は,公取委は,事業者に対し,「当該行為の実行としての事業活動を行った日から当該行為の実行としての事業活動がなくなる日までの期間(当該期間が3年を超えるときは,当該行為の実行としての事業活動がなくなる日からさかのぼって3年間とする。以下「実行期間」という。)における当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の六を乗じて得た額」(一定の規模以下の事業者については百分の三。同条2項)に相当する額の課徴金の納付を命じなければならないとしているから,公取委が課徴金を課す前提となる売上額を算定するには,一定の実行期間を特定すれば足り,実行期間における役務の対価に係る行為が「当該行為の実行としての事業活動」によるものであることを判断するまでの必要はないと解される。これに対し,本件監査請求は,第1審被告らの談合行為を理由として,その不法行為責任を追及することを目的とするものであるから,単に談合に関する基本合意があったというのみでは足りず,個別の工事ごとに談合行為と行為者(参加者)等を特定するのでなければ,不法行為の成否について判断す 任を追及することを目的とするものであるから,単に談合に関する基本合意があったというのみでは足りず,個別の工事ごとに談合行為と行為者(参加者)等を特定するのでなければ,不法行為の成否について判断することができない。したがって,第1審原告らが主張するように,本件監査請求の対象が本件排除勧告において独禁法違反行為として特定されている行為と同一であるというのみでは,監査の対象が特定されているものということはできない。そして,」(2) 原判決50頁10行目末尾に改行して,次のとおり加える。 「第1審原告は,談合が摘発された後の座間市の発注工事の落札率が,道路工事については平均76パーセント程度に低下しているとも指摘するが,さきに認定したような第1審被告前里興業の受注意欲の程度や他社の動向,本件工事の特徴(本件工事の現場の作業効率の悪さ,本件工事の大部分に下請けが用いられていること,平成8年度のα線の粗利益は約5パーセントにとどまっており,平成9年度のそれも同程度であったことなど)等の事実関係に照らすと,本件においては,これらの個別事情を考慮する必要があり,仮に談合摘発後に第1審原告が指摘するような落札率の低下がみられるとしても,その要因の分析や本件との比較を抜きにして(これらの点につき,前記判断を左右するに足りる資料はない。),その数値を用いることはできない。」 2 よって,原判決は相当であり,本件各控訴はいずれも理由がないので棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第10民事部裁判長裁判官大内俊身裁判官佐藤武彦裁判官田代雅彦別紙乙事件被控訴人別請求(予備的請求)金額一覧表①被控訴人浅沼組 6億8555万5304円②被控訴人前里興業 7億2473万5621円③被控訴人高原組 7億013 別紙乙事件被控訴人別請求(予備的請求)金額一覧表①被控訴人浅沼組 6億8555万5304円②被控訴人前里興業 7億2473万5621円③被控訴人高原組 7億0131万2562円④被控訴人亀井建設株式会社 7億2875万0198円⑤被控訴人有限会社加藤土建 2億2163万9594円⑥被控訴人新本建設株式会社 2億1668万8055円⑦被控訴人株式会社廣美建設 7億8606万0830円⑧被控訴人鈴商建設株式会社 4億9612万5591円⑨被控訴人草光建設株式会社 7億3054万2092円⑩被控訴人大勇建設株式会社 2億2549万2213円⑪被控訴人株式会社協和工業 3億1609万2716円⑫被控訴人石井建設 7億4549万3688円

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る