- 1 -主文 控訴人の当審で追加した主位的請求を棄却する。 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 主位的請求(当審で追加した請求)(1)オマーン国大使館建物の建築に関する東京都渋谷区長A名義による同国に対する平成18年5月15日付け東京都建築安全条例4条3項による安全認定処分は存在しないことを確認する。 (2)オマーン国大使館建物の建築に関する東京都渋谷区建築主事B名義による同国に対する平成18年7月27日付け建築基準法6条による建築確認処分は存在しないことを確認する。 第一次予備的請求(原審での予備的請求)(1)処分行政庁東京都渋谷区長がオマーン国に対して平成18年5月15日付けでした東京都建築安全条例4条3項に基づく認定処分は無効であることを確認する。 (2)処分行政庁東京都渋谷区建築主事がオマーン国に対して平成18年7月27日付けでした建築確認処分は無効であることを確認する。 第二次予備的請求(原審での主位的請求)(1)処分行政庁東京都渋谷区長がオマーン国に対して平成18年5月15日付けでした東京都建築安全条例4条3項に基づく認定処分を取り消す。 (2)処分行政庁東京都渋谷区建築主事がオマーン国に対して平成18年7月27日付けでした建築確認処分を取り消す。 訴訟費用は第1,2審を通じて被控訴人の負担とする。 - 2 - 仮執行宣言第2事案の概要 事案の概要,関係法令の定め,前提事実及び争点については,次のとおり改めるほか,原判決「事実及び理由」の「第2事案の概要」1から4まで記載のとおりであるから(ただし,専ら原審原告Cに関する部分は除く。),これを引用する。 (1)原判決3頁12行目の「本件認定 改めるほか,原判決「事実及び理由」の「第2事案の概要」1から4まで記載のとおりであるから(ただし,専ら原審原告Cに関する部分は除く。),これを引用する。 (1)原判決3頁12行目の「本件認定及び」から次行末尾までを次のとおり改める。 「本件認定及び本件建築確認につき,主位的に各取消しを求め,予備的に各無効確認を求めた事案である。 原審は,本件訴えについて我が国の裁判権が及び,本件認定及び本件建築確認が行政事件訴訟法3条2項にいう行政庁の処分等に該当するとした上で,本件認定が行政庁に認められた裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用したものであるということはできないとして,本件認定が適法であるからその取消しを求める主位的請求は理由がない,本件認定は処分としては有効であるから,その無効確認を求める予備的請求はその前提を欠くもので理由がない,また,本件建築確認は適法であるからその取消しを求める主位的請求は理由がない,その無効確認を求める予備的請求はその前提を欠くもので理由がないとして,いずれも棄却した。控訴人は,これを不服として控訴し,当審において,本件認定及び本件建築確認について,いずれも存在しないことの確認を求める請求を追加して主位的請求とするとともに,各無効確認を求める原審での予備的請求を第一次予備的請求とし,各取消しを求める原審での主位的請求を第二次予備的請求にそれぞれ訴えを変更した。」(2)原判決13頁17行目冒頭から20行目末尾までを次のとおり改める。 「ア本件認定が,(ア)不存在であるか(主位的),(イ)無効なものか(第一次予備的),(ウ)違法なものということができるか(第二次予備的)。 - 3 -イ本件建築確認が,(ア)不存在であるか(主位的),(イ)無効なものか(第一次予備的),(ウ)違法なものということができるか(第二 (ウ)違法なものということができるか(第二次予備的)。 - 3 -イ本件建築確認が,(ア)不存在であるか(主位的),(イ)無効なものか(第一次予備的),(ウ)違法なものということができるか(第二次予備的)。」 当事者の主張の要旨(1)争点(1)イ(本件認定及び本件建築確認が処分に該当するか)について上記争点についての当事者の主張は,原判決14頁冒頭から16頁14行目末尾まで記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決14頁1行目の「(原告らの主張)」を「(控訴人の主張)」に改め,7行目冒頭から13行目末尾までを削除し,14行目の「ウ」を「イ」に改める。 (2)争点(2)ア(本件認定が,(ア)不存在であるか,(イ)無効なものか,(ウ)違法なものということができるか)について(控訴人の主張)ア本件認定の不存在渋谷区長は,本件認定の通知書をオマーン大使に交付し,この交付により本件建物の建築が本件条例の規定に適合するとの渋谷区長の認識を通知したが,この行為は意思表示を包含せず,法律行為に該当しない単なる事実行為にすぎない。渋谷区長の上記行為によって,あたかも本件条例に基づく安全を認定する行政処分が行われたかのごとき外観を呈したものの,これを内容とする法律上の行政処分としては不存在である。被控訴人も,本件認定が行政処分として行われたことはないと上記主張と同一の主張をしている。したがって,本件認定は,行政処分としては存在しない。 イ本件認定が無効なものである。 本件認定が単なる事実行為でなく,意思表示を内包する法律行為であったとしても,我が国の行政機関による行政処分の効力は,主権を有するオマーンに及ばないと解されるから,本件認定に処分性がなく,行政処分としては無効である。被控訴人も,控訴人の上記主張と実質上同一の本件認 としても,我が国の行政機関による行政処分の効力は,主権を有するオマーンに及ばないと解されるから,本件認定に処分性がなく,行政処分としては無効である。被控訴人も,控訴人の上記主張と実質上同一の本件認- 4 -定に処分性が欠如していると主張している。 ウ本件認定は,本件条例4条3項に規定する「建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支障がないと認める」要件を満たすような客観的状況がないにもかかわらずにされたもので,違法である。 (ア)本件建物は,本件敷地内にほぼ目一杯に建築されることが予定されており,本件建物の周辺には,安全の確保に必要な空地が極めて少ない。 なお,平成11年前の本件条例の同規定には広い空地があることを例示していたので参考に値するが,本件建物の周辺には広い空地はなく,それに相当する安全が確保される状況は何もない。本件建物の建築計画において,本件敷地と本件敷地の東側を通る道路との境界に設置される予定であった障壁を,境界から本件敷地内に2m後退させた位置に建築するように変更し,それにより生じるスペースを事実上道路の一部とするようにされたが,このような方法は脱法的なものであり,周辺の空地の面積を拡大させ,安全を増進するものということはできない。 (イ)本件建物は,床面積は6600mを,高さは24mをそれぞれ超 えるものであり,本件条例4条1項に規定する数値を大幅に上回るものであるから,災害時には甚大な危険を生じさせるものである。そのため,本件建物に関し,「安全上支障がない」というためには,そのような危険を回避することができるだけの客観的状況が必要である。 (ウ)本件条例が大規模建築物について幅員6mを超える道路と接しなければならないということを定めた目的は,災害時に,避難路の確保や緊急車両の 険を回避することができるだけの客観的状況が必要である。 (ウ)本件条例が大規模建築物について幅員6mを超える道路と接しなければならないということを定めた目的は,災害時に,避難路の確保や緊急車両の通行を円滑に行うことで,災害の拡大を防止することにある。 本件敷地に接する道路は,本件敷地の北端地点において4.95m,南端地点において5.23mであり,本件建物に発生し得る災害の拡大の防止に必要な多数の緊急車両がかろうじて通行することができるものに- 5 -すぎないのであるから,円滑な救助及び災害拡大の防止をすることは困難である。 (エ)「安全上支障がない」というためには,周辺住民に及ぼす危険にも配慮した安全が確保されるかどうかが重要である。本件敷地の周辺には,社会福祉法人,学校法人,集合住宅等が存在し,知的障害児,老人,学生等の避難能力の乏しい人たちが多数生活しているので,本件建物に災害が発生した場合,これらの人たちが重大な被害を被るおそれがある。 (オ)本件条例4条3項は,建築される建物及び周辺の安全を確保するための規制であるから,安全かどうかの判断について行政庁の自由な裁量の余地はない。 (被控訴人の主張)ア本件認定は,事実上のものであって法的には不存在である。 イ本件認定は,渋谷区長により,本件建物について以下の事情等を総合的に考慮した上でなされたものであり,その判断は合理的であって,適法である。 (ア)渋谷区長は,本件建物について,敷地の形状,建築物の構造,規模,建築物の敷地内の空地の状況,建築物の敷地外の状況,敷地周囲の市街地の密集の度合い等を総合的に考慮した上で,本件条例が目的とする災害時等における居住者等の避難及び通行の安全について,十分に確保されていると判断した。 (イ)①本件敷地に接する道路は,幅員が平均約5 の密集の度合い等を総合的に考慮した上で,本件条例が目的とする災害時等における居住者等の避難及び通行の安全について,十分に確保されていると判断した。 (イ)①本件敷地に接する道路は,幅員が平均約5.4mで,本件敷地との接道長は約50mであり,また,交通量が少なく,通り抜けが可能な一方通行の道路であること,②本件敷地内には,前面の道路に沿って,幅約2mの歩道状空地が設けられ,また,各方位についてもそれぞれ空地が設けられること,③本件敷地の周辺には低層の建物が点在し,また,高等学校の校庭もあるなど,避難における安全性は高いこと,④本件建- 6 -物は,大使館という施設の性格上,人口密度が低く,本件敷地における建ぺい率は基準の60%より低い52%であり,また,多数の窓が存在することなどから避難上の問題はないこと等の事情が存在するから,本件建物の火災の際の居住者等の避難及び通行における安全の確保については,問題はない。 また,①本件敷地の周辺には建築物は密集しておらず,緊急車両は空地を用いて消火活動等をすることができること,②本件敷地及び本件敷地の周辺の施設には,いずれも貯水槽が設けられていること,③本件建物及び本件敷地の周辺の建物のうちの多くは,耐火構造であること等の事情が存在するから,火災の際の周囲への延焼の危険はなく,また,消火活動にも支障はない。 (3)争点(2)イ(本件建築確認が,(ア)不存在であるか,(イ)無効なものか,(ウ)違法なものということができるか)について(控訴人の主張)ア本件建築確認の不存在渋谷区建築主事は,確認済証なる書面をオマーン大使に交付し,この交付により本件建物の建築が建築基準法等の法規に適合するとの同建築主事の認識を通知したが,この行為は意思表示を包含せず,法律行為に該当しない単なる事実行為にす 証なる書面をオマーン大使に交付し,この交付により本件建物の建築が建築基準法等の法規に適合するとの同建築主事の認識を通知したが,この行為は意思表示を包含せず,法律行為に該当しない単なる事実行為にすぎない。渋谷区建築主事の上記行為によって,あたかも建築基準法に基づく建築確認の行政処分が行われたかのごとき外観を呈したものの,これを内容とする法律上の行政処分としては不存在である。被控訴人も,本件建築確認が行政処分として行われたことはないと上記主張と同一の主張をしている。したがって,本件建築確認は,行政処分としては存在しない。 イ本件建築確認が無効なものである。 本件建築確認が単なる事実行為でなく,意思表示を内包する法律行為で- 7 -あったとしても,我が国の行政機関による行政処分の効力は,主権を有するオマーンに及ばないと解されるから,本件建築確認に処分性がなく,行政処分としては無効である。被控訴人も,控訴人の上記主張と実質上同一の本件建築確認に処分性が欠如していると主張している。 ウ本件建築確認は,以下の各理由から,違法である。 (ア)本件建築確認は,建築主であるオマーンによる建築基準法6条による確認申請がない。建築確認を受けるにつき,確認申請を要しないのは,同法18条に定める「国,都道府県又は建築主事を置く市町村」に限られる。これは,これらの主体が建築の専門家を擁することにかんがみ,建築確認申請に関する手続を簡素化しても,建築の適正に関して支障がないことによる。我が国の建築に関する専門家を擁しない外国国家であるオマーンは,上記主体に該当しないから,オマーンを「国,都道府県又は建築主事を置く市町村」と同様に扱った本件建築確認は,同法6条の手続に反し,違法である。 (イ)前述のとおり,本件認定は違法であるところ,本件建築確認は,確認 いから,オマーンを「国,都道府県又は建築主事を置く市町村」と同様に扱った本件建築確認は,同法6条の手続に反し,違法である。 (イ)前述のとおり,本件認定は違法であるところ,本件建築確認は,確認事項の1つである本件認定の違法を看過し,これが適法であることを前提としたものであるから,違法である。 (ウ)本件建物は,周辺住民に対し,日照,圧迫感及びプライバシーに関して重大な侵害をもたらすものであり,また,周辺住民の居住する住宅の経済的価値を著しく損なうものであるから,オマーンによる本件建物の建築は,本件敷地の所有権を濫用するものである。このように,敷地の所有権の濫用がある場合,建築主事は,建築確認を行うに当たり,当事者の利害につき何らかの調整を試みるべきところ,本件建築確認は,その点を考慮することなくされたものであるから,違法である。 (被控訴人の主張)ア本件建築確認は,事実上のものであって,法的には不存在である。 - 8 -イ本件建築確認は,以下のとおり,いずれも違法はない。 (ア)本件建築確認は,大使等から建築確認申請がされた場合には,事実上,これを建築基準法18条の手続に準じて取り扱うようにとの国の通達に基づいてされたものであり,その手続に違法はない。 (イ)また,建築基準法が建築物の構造等に関する最低基準を定めて国民の生命,健康及び財産を保護するために建築物の建築等を規制していることに照らすと,建築主が建築物を建築する予定がある場合には,たとえ当該建築物について建築主事に対する確認の申請がされていなかったとしても,当該建築物が建築基準関係規定に適合していれば,建築主事は,当該建築物についてその旨の確認をすることが認められるというべきである。 したがって,本件建物について建築主事に対する確認申請がされていないことは,本件 築基準関係規定に適合していれば,建築主事は,当該建築物についてその旨の確認をすることが認められるというべきである。 したがって,本件建物について建築主事に対する確認申請がされていないことは,本件建築確認の違法事由にはならないというべきである。 (ウ)本件建築確認の前提となる本件認定が違法であるから,本件建築確認もまた違法であるとの控訴人の主張については,前述のとおり,本件認定は適法であるから,控訴人の主張はその前提を欠くものである。 (エ)本件建築確認は,日照被害,圧迫感及びプライバシー侵害についての利害調整を行っていないから違法である旨の控訴人の主張については,建築確認において,建築主事は,建築主が建築しようとする建物について,建築基準関係規定に適合するかどうかを審査するものであり,私人間の民事上の利害関係を調整する義務を負うものではないから,上記主張は失当である。 第3当裁判所の判断 争点(1)ア(本件訴えについて我が国の裁判権が及ぶか)について上記争点に関する当裁判所の判断は,原判決22頁13行目の冒頭から31頁11行目末尾までと同一であるから,これを引用する。ただし,原判決24- 9 -頁2行目の冒頭から同頁11行目の末尾までを次のとおり改める。 「(2)ところで,オマーンは,本件建物の建築についてされた本件認定及び本件建築確認の各不存在若しくは無効確認又は取消し等を求める本件訴えの被告ではない。本件訴えは,本件建物の敷地の隣接地に居住する渋谷区民から渋谷区を相手に同区の区長及び建築主事の行った行政処分の違法等を争って提起されたもので,そこに民事裁判権又は行政裁判権の免除の問題が直ちに生ずるものではない。その意味から,本件訴えについて我が国の裁判権が及ぶかどうかを議論する余地はなく,当然に我が国の裁判権が及び,本件 されたもので,そこに民事裁判権又は行政裁判権の免除の問題が直ちに生ずるものではない。その意味から,本件訴えについて我が国の裁判権が及ぶかどうかを議論する余地はなく,当然に我が国の裁判権が及び,本件認定及び本件建築確認がいずれも処分であり,本件訴えにおいてこれらがいずれも不存在若しくは無効と確認され,又は取り消された場合は,オマーンが行政事件訴訟法32条1項にいう「第三者」に該当するから本件の裁判に拘束され,その後,オマーンが建築を続行した場合,それを差し止め得るかどうかは別個の問題であると考えられないわけではない。他方,オマーンは主権国家であり,そのオマーンが直接利益を受ける行政処分が取り消される等の重大な不利益を受ける行政事件訴訟の裁判については,オマーンが民事裁判権又は行政裁判権の免除を受けるものとすれば,同項にいう「第三者」に該当しないと解することにより,行政処分の相手方ではない者が行政庁の所属する公共団体を相手に提起した行政事件訴訟についても民事裁判権又は行政裁判権の免除を受けたのと同様の地位を与えることも考えられるところである。この場合は,行政処分の相手方ではない者が提起した行政事件訴訟については,訴えを提起してもその目的を達成することができないから,訴えの利益を欠くものとして却下すべきかが問題となる。このような意味から,本件認定及び本件建築確認の各取消し等を求める本件訴えに関して,外国国家であるオマーンが我が国の裁判権に服するかどうかについて,念のため検討することとする。」 争点(1)イ(本件認定及び本件建築確認が処分に該当するか)について上記争点に関する当裁判所の判断は,原判決31頁13行目の冒頭から43- 10 -頁6行目末尾までと同一であるから,これを引用する。 争点(2)ア(ア)(本件認定の不存在)につい るか)について上記争点に関する当裁判所の判断は,原判決31頁13行目の冒頭から43- 10 -頁6行目末尾までと同一であるから,これを引用する。 争点(2)ア(ア)(本件認定の不存在)について控訴人は,渋谷区長の本件認定の通知書の交付が事実上の通知で法律行為に該当しないから,本件条例に基づく安全を認定する行政処分が行われたかのごとき外観を呈したものの,これを内容とする法律上の行政処分としては不存在であると主張し,被控訴人の主張についても,本件認定が行政処分として行われたことはないとしていて上記の控訴人主張と同一であると主張する。 確かに,被控訴人は,渋谷区長がオマーン大使から本件建物につき本件申請書の提出を受けたので,建築確認申請が大使等からされた場合には,事実上,これを建築基準法18条の手続に準じて取り扱うべきとする従前からの国の通達に基づき,本件条例の該当条項の審査を行い,本件認定の通知をしたにすぎないとし,本件認定が処分に当たらないと主張しているところではある(前記当事者の主張の要旨の争点(1)イについての被控訴人の主張)。 しかしながら,上記被控訴人の主張するところは,事実に関する主張と法的評価に関する主張の両方であると解されるところ,当事者双方の主張が一致し,裁判所においても争いがないものとして確定することができるのは,渋谷区長が本件認定の通知に至った経緯,根拠及びその通知内容に関わる事実の主張部分であり,本件認定が処分にあたるかどうかについては,きわめて法的な評価であり,裁判所が当事者の主張に拘束されるものではないというべきである。 そして,本件において本件認定が処分といえるかどうかについては,本件認定が本件条例4条3項に基づくものであり,建築主に対して禁止されている建築の全部又は一部につき,禁止を解除する効果を付与し ある。 そして,本件において本件認定が処分といえるかどうかについては,本件認定が本件条例4条3項に基づくものであり,建築主に対して禁止されている建築の全部又は一部につき,禁止を解除する効果を付与しており,申請者個々人に対する権利義務を形成し,又はその範囲を確定してその法的地位に直接影響を与えるものであるから,処分にあたること,その申請者が外国国家の場合でも,当該外国国家の同意がある限り,同様に有効な処分ということができること,本件認定により利益を受けるオマーンが本件認定がされることにより不利- 11 -益を受けるおそれのある者との間で紛争が存在することから,本件申請をしてこれに対する結果に服する旨の意思を明確に表明したこと,その結果,同意があるというべきであることから,本件認定は処分にあたると判断すべきであり,このことは上記2で引用にかかる原判決の説示のとおりである。 そうすると,本件認定が単なる事実行為にすぎないとして,処分として不存在であることの確認を求める控訴人の主位的請求は理由がない。 争点(2)ア(イ)(本件認定が無効であるか)について控訴人は,我が国の行政機関による行政処分の効力は,主権を有するオマーンに及ばないと解されるから,本件認定に処分性がなく,行政処分としては無効であると主張する。 しかしながら,上記3で説示したとおり,本件認定は処分にあたると判断されるから,控訴人の本件認定の無効確認を求める第一次予備的請求は理由がない。 争点(2)ア(ウ)(本件認定が違法であるか)について争点(2)ア(ウ)に関する当裁判所の判断は,原判決43頁9行目の冒頭から48頁20行目末尾までと同一であるから,これを引用する。 以上によると,本件認定は適法であり,その取消しを求める控訴人の第二次予備的請求は理由がない。 争点(2 は,原判決43頁9行目の冒頭から48頁20行目末尾までと同一であるから,これを引用する。 以上によると,本件認定は適法であり,その取消しを求める控訴人の第二次予備的請求は理由がない。 争点(2)イ(ア)(本件建築確認が不存在であるか)について控訴人は,渋谷区建築主事の確認済証なる書面の交付が事実上の通知で法律行為に該当しないから,建築基準法に基づく建築確認の行政処分が行われたかのごとき外観を呈したものの,これを内容とする法律上の行政処分としては不存在であると主張し,被控訴人の主張についても,本件建築確認が行政処分として行われたことはないとしていて上記の控訴人主張と同一であると主張する。 確かに,被控訴人は,渋谷区建築主事がオマーン大使から本件建物につき建築基準法18条2項に基づく計画通知書の提出を受けたので,建築確認申請が- 12 -大使等からされた場合には,事実上,これを建築基準法18条の手続に準じて取り扱うべきとする従前からの国の通達に基づき,建築確認申請はないが計画通知書を同様のものであるとして建築基準関係規定に適合するかどうかの審査を行い,本件建築確認の通知をしたにすぎないとし,本件建築確認が処分に当たらないと主張しているところではある(前記当事者の主張の要旨の争点(1)イについての被控訴人の主張)。 しかしながら,上記被控訴人の主張するところは,事実に関する主張と法的評価に関する主張の両方であると解されるところ,当事者双方の主張が一致し,裁判所においても争いがないものとして確定することができるのは,渋谷区建築主事が本件建築確認の通知に至った経緯,根拠及びその通知内容に関わる事実の主張部分であり,本件建築確認が処分にあたるかどうかについては,きわめて法的な評価であり,裁判所が当事者の主張に拘束されるものではないというべき 通知に至った経緯,根拠及びその通知内容に関わる事実の主張部分であり,本件建築確認が処分にあたるかどうかについては,きわめて法的な評価であり,裁判所が当事者の主張に拘束されるものではないというべきである。 そして,本件において本件建築確認が処分といえるかどうかについては,建築確認は,当該建築物の計画が建築基準法関係法規に適合していることを公権的に判断する行為であって,それがなければ工事をすることができないという法的効果を付与しており,申請者個々人に対する権利義務を形成し,又はその範囲を確定してその法的地位に直接影響を与えるものであるから,処分にあたること,その申請者が外国国家の場合でも,当該外国国家の同意がある限り,同様に有効な処分ということができること,本件建築確認により利益を受けるオマーンが本件建築確認がされることにより不利益を受けるおそれのある者との間で紛争が存在することから,本件認定と本件建築確認相互の法的関係からすると,本件申請には,本件認定に引き続いてなされる建築確認に対する意思決定に服する旨の意思も明確に表明し,同様に同意があるというべきであることから,本件建築確認は処分にあたると判断すべきであり,このことは上記2で引用にかかる原判決の説示のとおりである。 - 13 -そうすると,本件建築確認が単なる事実行為にすぎないとして,処分として不存在であることの確認を求める控訴人の主位的請求は理由がない。 争点(2)イ(イ)(本件建築確認が無効であるか)について控訴人は,我が国の行政機関による行政処分の効力は,主権を有するオマーンに及ばないと解されるから,本件建築確認に処分性がなく,行政処分としては無効であると主張する。 しかしながら,上記6で説示したとおり,本件建築確認は処分にあたると判断されるから,控訴人の本件建築確認の 及ばないと解されるから,本件建築確認に処分性がなく,行政処分としては無効であると主張する。 しかしながら,上記6で説示したとおり,本件建築確認は処分にあたると判断されるから,控訴人の本件建築確認の無効確認を求める第一次予備的請求は理由がない。 争点(2)イ(ウ)(本件建築確認が違法であるか)について争点(2)イ(ウ)に関する当裁判所の判断は,原判決50頁3行目の冒頭から53頁3行目末尾までと同一であるから,これを引用する。ただし,原判決51頁4行目の「されていなかったとしても,」の次に「本件のように,外国の大使が同国において建築しようとする建物に関する建築計画概要書を所轄の建築主事に提出したことを受けて,」を加え,同頁16行目の「3において」を削除する。 以上によると,本件建築確認は適法であり,その取消しを求める控訴人の第二次予備的請求は理由がない。 第4 結論 よって,控訴人の当審で追加した主位的請求は理由がないから棄却するとともに,控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第17民事部裁判長裁判官南敏文- 14 -裁判官安藤裕子裁判官小林宏司
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