主文 本件各上告を棄却する。 理由 弁護人湯坐一衛,同湯坐博子の上告趣意のうち,憲法違反をいう点は,実質は単なる法令違反の主張であり,判例違反をいう点は,原判決の認定に沿わない事実関係を前提とするものであって,適切でなく,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ,職権により,銀行法の定める無免許銀行業の罪の成否について判断する。 原判決の認定によれば,被告人株式会社A(以下「被告会社」という。)の代表取締役である被告人Bは,被告会社の業務に関し,本邦内にある送金依頼人らから,大韓民国内にある受取人らへの送金の依頼を受け,送金資金として本邦通貨を受領した上,直接現金を大韓民国内に輸送せずに,同国在住の共犯者Cに対し,ファクシミリで送金依頼人の氏名,送金受任額,送金先銀行口座等を連絡して支払方を指図し,同国内の被告会社に帰属する銀行口座の資金を用いて送金依頼人の指定する受取人名義の銀行口座等に送金受任額相当額を同国通貨で入金させたというのである。【要旨】銀行法2条2項2号は,それを行う営業が銀行業に当たる行為の一つとして「為替取引を行うこと」を掲げているところ,同号にいう「為替取引を行うこと」とは,顧客から,隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて,これを引き受けること,又はこれを引き受けて遂行することをいうと解するのが相当である。したがって,被告人Bの上記各行為が同号にいう「為替取引を行うこと」に当たるとして被告人両名に無免許銀行業の罪の成立を認めた原判決の判断は,正当である。 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,- 1 -主文のとおり決定する。 (裁判長裁判 て被告人両名に無免許銀行業の罪の成立を認めた原判決の判断は,正当である。 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,- 1 -主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官金谷利廣裁判官千種秀夫裁判官元原利文裁判官奥田昌道)- 2 -
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