主文 1 被告らは,自ら若しくは所属組合員,支援者等の第三者をして,下記の行為によって原告Aの住居の平穏を害し,又はその名誉・信用を毀損する行為をし,若しくはさせてはならない。 (1) 原告Aの自宅(肩書住所地)に赴いて,面会を強要すること(2) 原告Aの自宅(肩書住所地)の門扉の中心地点を基点として,半径150メートルの範囲内の土地において,拡声器を使用し又は大声を上げるなどして原告らを非難し,演説を行い,又はシュプレヒコールをすること(3) 同土地において,原告A又は近隣住居の塀等に横断幕を掛けたり,組合旗を掲げたり,立看板をたてかけたりすること(4) 同士地において,原告らを非難する内容のビラを配付すること(5) 同土地において,ゼッケンを着用し佇立又は徘徊すること 2 被告らは,自ら若しくは所属組合員,支援者等の第三者をして,下記の行為によって原告旭ダイヤモンド工業株式会社の営業活動を妨害し,又はその名誉・信用を毀損する行為をし,若しくはさせてはならない。 (1) 原告旭ダイヤモンド工業株式会社の本店(肩書住所地)に赴いて,面会を強要すること(2) 原告旭ダイヤモンド工業株式会社の本店が入居しているビル(α)の入口ドアの中心地点を基点として半径150メートルの範囲内の土地及び同社の支店,営業所,工場等の施設の各正門門扉の中心地点を基点として半径150メートルの範囲内の土地において,拡声器を使用し又は大声を上げるなどして原告らを非難し,演説を行い,又はシュプレヒコールをすること(3) 同各土地において,原告旭ダイヤモンド工業株式会社又は近隣住居の塀等に横断幕を掛けたり,組合旗を掲げたり,立看板をたてかけたりすること(4) 同各土地において,原告らを非難する内容のビラを配付すること(5) 同各土地において,ゼッケンを着用し佇立又は徘 住居の塀等に横断幕を掛けたり,組合旗を掲げたり,立看板をたてかけたりすること(4) 同各土地において,原告らを非難する内容のビラを配付すること(5) 同各土地において,ゼッケンを着用し佇立又は徘徊すること(6) 同各土地において,デモ行進の形態をとって,ゼッケンを着用し,組合旗,プラカードを掲げ,のぼりを立て,拡声器を使用し,大声を上げ,シュプレヒコールをし,又はビラを配付するなどして原告らを非難すること 3 被告らは,原告Aに対し,各自金50万円及びこれに対する平成15年5月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは,原告旭ダイヤモンド工業株式会社に対し,各自金150万円及びこれに対する平成15年5月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 6 訴訟費用は,これを4分し,その1を原告らの負担とし,その余を被告らの負担とする。 7 この判決は,第3項及び第4項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは,自ら若しくは所属組合員,支援者等の第三者をして,下記の行為その他の方法によって原告Aの住居の平穏を害し,又はその名誉・信用を毀損する行為をし,若しくはさせてはならない。 (1) 原告Aの自宅(肩書住所地)に赴いて,面会を強要すること(2) 原告Aの自宅(肩書住所地)の門扉の中心地点を基点として,半径200メートルの範囲内の土地において,拡声器を使用し又は大声を上げるなどして原告らを非難し,演説を行い,又はシュプレヒコールをすること(3) 同土地において,原告A又は近隣住居の塀等に横断幕を掛けたり,組合旗を掲げたり,立看板をたてかけたりすること(4) 同士地において,原告らを非難する内容のビラを配付すること(5) 同土地 (3) 同土地において,原告A又は近隣住居の塀等に横断幕を掛けたり,組合旗を掲げたり,立看板をたてかけたりすること(4) 同士地において,原告らを非難する内容のビラを配付すること(5) 同土地において,ゼッケンを着用し佇立又は徘徊すること 2 被告らは,自ら若しくは所属組合員,支援者等の第三者をして,下記の行為その他の方法によって原告旭ダイヤモンド工業株式会社の営業活動を妨害し,又はその名誉・信用を毀損する行為をし,若しくはさせてはならない。 (1) 原告旭ダイヤモンド工業株式会社の本店,支店,営業所,工場等同社の施設に赴いて,面会を強要すること(2) 原告旭ダイヤモンド工業株式会社の本店が入居しているビル(α)の入口ドアの中心地点を基点として半径200メートルの範囲内の土地及び同社の支店,営業所,工場等同社の施設の各正門門扉の中心地点を基点として半径200メートルの範囲内の土地において,拡声器を使用し又は大声を上げるなどして原告らを非難し,演説を行い,又はシュプレヒコールをすること(3) 同各土地において,原告旭ダイヤモンド工業株式会社又は近隣住居の塀等に横断幕を掛けたり,組合旗を掲げたり,立看板をたてかけたりすること(4) 同各土地において,原告らを非難する内容のビラを配付すること(5) 同各土地において,ゼッケンを着用し佇立又は徘徊すること(6) 同各土地において,デモ行進の形態をとって,ゼッケンを着用し,組合旗,プラカードを掲げ,のぼりを立て,拡声器を使用し,大声を上げ,シュプレヒコールをし,又はビラを配付するなどして原告らを非難すること 3 被告らは,原告Aに対し,各自金75万円及びこれに対する平成15年5月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは,原告旭ダイヤモンド工業株式会社に対し,各自金460万円及 3 被告らは,原告Aに対し,各自金75万円及びこれに対する平成15年5月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは,原告旭ダイヤモンド工業株式会社に対し,各自金460万円及びこれに対する平成15年5月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,原告らが,被告らの街頭宣伝活動(以下「街宣活動」という)により,原告らの名誉・信用が毀損され,原告Aの平穏に生活を営む権利,原告旭ダイヤモンド工業株式会社の平穏に営業活動を営む権利がそれぞれ侵害された旨主張して,被告らに対し,街宣活動の差し止めを求めるとともに,不法行為に基づき原告Aについては各自75万円,原告旭ダイヤモンド工業株式会社については各自460万円の損害賠償及びこれらに対する訴えの変更申立書送達の日の翌日である平成15年5月29日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の各支払を求めた事案である。 1 争いのない事実等(証拠等によって認定した事実は文末に当該証拠等を掲記した)(1) 当事者等ア原告ら(ア) 原告旭ダイヤモンド工業株式会社(以下「原告会社」という)は,ダイヤモンド及び高硬度物質応用の各種工具,用具及び精密機械の製造,販売並びに輸出入等を業とする株式会社である。原告会社本社は,1階にヴァレンティノ外高級ブランドショップ等がテナントとして入り,ホテルβの建物と一体となっているホテルαの11階にある。また,αの向かいはγホテルであり,原告会社本社前は,高級ブランドショップのブティックが軒を連ねるδ通りに面している。 (イ) 原告Aは,平成7年7月24日から同15年3月31日までの間,原告会社代表取締役社長の役職にあった者である(甲125,原告A)。 イ被告らページ(1)(ア) 被告B(以下「被告B」 る。 (イ) 原告Aは,平成7年7月24日から同15年3月31日までの間,原告会社代表取締役社長の役職にあった者である(甲125,原告A)。 イ被告らページ(1)(ア) 被告B(以下「被告B」という)は,原告会社の従業員であったが,平成11年4月8日,原告会社より勤務成績不良等を理由に普通解雇された(以下これを「本件解雇」という)。本件解雇の効力及び被告Bの雇用契約関係の存否が争われた訴訟(第一審・当庁平成11年(ワ)第25315号,平成12年(ワ)第3328号,控訴審・東京高等裁判所平成13年(ネ)第1845号,上告審・最高裁判所平成14年(オ)第497号,同年(受)第497号)は,いずれも原告会社が勝訴し,同上告審の上告棄却・上告不受理がなされた平成14年6月27日,本件解雇が有効であり被告Bが原告会社の従業員たる地位にないとの公権的判断が確定した。 なお,原告会社において,従業員が解雇されたのは,今日に至るまで被告Bしかいない(原告会社代表者,被告B,弁論の全趣旨)。 (イ) 被告東京・中部地域労働者組合(以下「被告組合」という)は,本件解雇後,被告Bが加入した労働組合である(被告B以外に被告組合に加入している原告会社の従業員は1人もいない)。被告組合は法人登記がされていないが,代表者の定めがあり,代表者として執行委員長が選任されており,対内的には構成員の変動にかかわらず団体そのものが存続しており,対外的にも「東京・中部地域労働者組合」として行動し,組合事務所も有しているほか,他の訴訟事件や不当労働行為救済命令申立事件の当事者となるなどしている権利能力なき社団である。被告組合は,平成11年4月,被告Bから本件解雇の理由等を聴取し検討した結果,被告組合として取り組むことを決定し,以後本件解雇の撤回を求める活動を続けている。なお,被告組合 る権利能力なき社団である。被告組合は,平成11年4月,被告Bから本件解雇の理由等を聴取し検討した結果,被告組合として取り組むことを決定し,以後本件解雇の撤回を求める活動を続けている。なお,被告組合の代表者委員長Cは,平成13年11月の組合大会で委員長に選出された。(争いのない事実,甲15,乙45,証人D,被告組合代表者,弁論の全趣旨)(ウ) 被告Eは,被告組合の組合員であり,被告組合による本件解雇撤回活動等の支援運動に従事している者である。被告Bは,同Eの紹介で前記(イ)のとおり本件解雇後に被告組合に加入した。被告Bが被告組合に加入した当時,同Eは被告組合の執行委員であった。被告Eは,昭和58年以降,一貫して,中部地区労働者交流会という労働者・労働組合の交流会を行う組織の準備委員・世話人である。被告組合は,中部地区労働者交流会での議論の中で,平成3年2月,東京都中央区と千代田区の労働者を中心に結成された組合である。(争いのない事実,被告B,同E,被告組合代表者)(2) 被告らの街宣活動に関する諸事情等ア原告会社・被告組合との交渉経緯等(ア) 被告組合は,平成11年5月12日,原告会社に対し,被告Bが被告組合に加入した旨通知し,本件解雇の撤回等を要求し,上記要求につき団体交渉の申入れをした。当該通知書には,「当組合(被告組合)は下記の者(被告B)から貴社との交渉一切を委任されていることも併せて通知する。」「当組合(被告組合)の了解なく下記の者(被告B)に接触すること,郵便等を送ることを禁止する。」などと記載されていた。(争いのない事実,甲2の1ないし3)(イ) 原告会社代理人である竹内桃太郎,吉益信治,中野裕人(以下3名を「原告会社代理人」という)は,同月19日,被告組合に対し,「貴団体交渉申入受諾通知」をファックスし,団体交渉申入れを受 し3)(イ) 原告会社代理人である竹内桃太郎,吉益信治,中野裕人(以下3名を「原告会社代理人」という)は,同月19日,被告組合に対し,「貴団体交渉申入受諾通知」をファックスし,団体交渉申入れを受諾すること,原告会社代理人が被告組合申入れに係る団体交渉及び被告Bに関する一切の件について原告会社代理人として受任したこと,今後の連絡は原告会社代理人宛にしてほしいこと及び具体的な団体交渉開催日時(平成11年5月26日),場所(弁護士会館11階),会社側出席者(原告会社代理人及び原告会社から若干名)等を通知した(争いのない事実,甲3)。 (ウ) 被告組合は,組合員ら6名で,同月25日,原告会社本社を訪れ,同日付「抗議及び要求書」を原告会社に交付して同文書を読み上げた。同書面には,被告組合はあくまでも原告会社に対し団体交渉を求めていること,団体交渉申入書に対し即刻回答するよう要求することなどが記載されていた。(争いのない事実,甲4)なお,被告らが原告会社を訪れた際に向かい合ってやり取りする時間は,同日に限らず,いずれも長くて10分を超える程度であった(証人D,弁論の全趣旨)。 (エ) 原告会社は,同月25日,被告組合に対し,「貴組合申入にかかる団体交渉及びB殿に関する件一切について,下記3名の弁護士(原告ら訴訟代理人弁護士)に委任しましたので通知します。ついては,今後のご連絡等は下記弁護士あてにして下さい。」との通知書をファックス及び郵送した。原告会社代理人も,同日,被告組合に対し,改めて,同日付回答書をファックスして,本件解雇の撤回には応じられないなどと被告組合の要求に対し回答するとともに,具体的な団体交渉開催日時(平成11年5月26日),場所(弁護士会館11階),会社側出席者(原告会社代理人及び原告会社から若干名)等を通知した。(争いのない事実,甲5 合の要求に対し回答するとともに,具体的な団体交渉開催日時(平成11年5月26日),場所(弁護士会館11階),会社側出席者(原告会社代理人及び原告会社から若干名)等を通知した。(争いのない事実,甲5,6)(オ) 被告組合の組合員は,同月26日,原告会社が指定した団体交渉の場所に誰も赴かなかった(被告B,弁論の全趣旨)。 (カ) 被告組合は,組合員ら6名で,同年6月3日,原告会社本社を訪れ,同日付「抗議及び要求書」を原告会社に交付して,同文書を読み上げた。同書面には,団体交渉は両当事者が直接話し合うことに意味があること,原告会社は直接団体交渉に応じる義務があることなどが記載されていた。(争いのない事実,甲7)(キ) 原告会社代理人は,同月9日,被告組合に対し,「貴団体交渉申入受諾再通知」をファックスして,改めて具体的な団体交渉開催日時(平成11年6月17日),場所(弁護士会館11階),会社側出席者(原告会社代理人及び原告会社から若干名)等を通知し,原告会社からもファックス及び郵送で同旨の回答をした(争いのない事実,甲8,9)。 (ク) 被告組合は,組合員ら7名で,同月14日,原告会社本社を訪れ,同日付「抗議及び要求書」を原告会社に交付して同文書を読み上げた。同書面には,原告会社自らが被告組合の団体交渉申入書に即刻回答するよう要求することなどが記載されていた。原告会社代理人は,同日,被告組合に対し,同日付抗議書(甲11)をファックスした。同書面には,原告会社代理人の通知は会社代理人として正当なものであり,被告組合の団体交渉拒否は不当であることなどが記載されていた。(争いのない事実,甲10,11)(ケ) 被告らは,組合員ら約30名で,同月17日,原告会社本社前路上において,「旭ダイヤ大情宣行動」と称する街宣活動を行い,かつビラまきを行ったが,その際, ていた。(争いのない事実,甲10,11)(ケ) 被告らは,組合員ら約30名で,同月17日,原告会社本社前路上において,「旭ダイヤ大情宣行動」と称する街宣活動を行い,かつビラまきを行ったが,その際,被告Eらは,マイクとスピーカーを使用して演説した(争いのない事実,甲12の1及び2,甲99の2,被告B)。 前記ビラには,「被告組合の団体交渉要求に対し,原告会社は経営法曹会議の重鎮と目される弁護士等3名に団体交渉を委任し,労働組合の追及から逃れようとしています。これは日経連の合同労組対策として『合同労組には個別対応しない』『団交拒否の口実を与えない』という方針のもとに,実質的に合同労組の団交権を否定しようとするものです。日経連・原告会社経営のもくろみを粉砕し,自主団交を勝ち取るべく情宣行動を行います。」などと記載されていた(甲12の1及び2)。 なお,被告組合のビラの内容は,前記ビラに限らず,いずれのビラも被告Bら組合員全員が話し合う中で作成されている(被告B,同E,弁論の全趣旨)。 (コ) 原告会社は,同月18日,被告組合に対し,原告会社代理人からの同日付「抗議書」をもって抗議を行った。 同書面には,原告会社が団体交渉を拒否したことはなく,被告Bが被告組合とともに団体交渉の席に臨むことができるように,原告会社が同社代理人弁護士を同席させ,弁護士とともに団体交渉を行えるのは当然のことであるなどと記載されていた。(争いのない事実,甲14)(サ) 被告組合は,同年9月16日ころ,原告会社本社で,同社に対し,同日付「抗議及び要求書」を交付した。被告組合は,同書面において,会社側交渉委員として弁護士が加わることの違法性について抗議しているのではなく,会社側出席者として原告会社責任者とその部下以外の者が団体交渉に加わることについて被告組合との間に合意がないこ において,会社側交渉委員として弁護士が加わることの違法性について抗議しているのではなく,会社側出席者として原告会社責任者とその部下以外の者が団体交渉に加わることについて被告組合との間に合意がないこページ(2)とを抗議しているのであると主張した。(乙13,弁論の全趣旨)(シ) 原告会社と被告組合との間では,今日に至るまで1回も団体交渉は開催されていない(弁論の全趣旨)。 (ス) 被告組合は,本件に関し,原告会社を相手方として労働委員会に対しあっせんや不当労働行為救済命令申立て等はしていない(被告B,被告組合代表者)。 イ別件訴訟の経過(ア) 原告会社は,被告組合が以後も「抗議及び要求書」を持参して原告会社本社への抗議行動や街宣活動を行っていたことから,同年8月20日,被告Bを被告として雇用関係不存在等確認請求訴訟(水戸地方裁判所下妻支部平成11年(ワ)第228号,当庁に移送後は当庁平成11年(ワ)第25315号)を提起した。これに対し,被告Bは,平成12年2月21日,原告会社に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認や平成11年5月以降の賃金等の支払を求める反訴(当庁平成12年(ワ)第3328号)を提起した(以下,本訴,反訴を併せて,「別件訴訟」という)。(争いのない事実,甲16,17)(イ) 別件訴訟において,担当裁判官は熱心に和解を勧試したが,復職を前提とする被告Bと退職を前提とする原告会社との間で条件が折り合わず,和解は不調となり,判決となった(平成13年3月15日言渡し)。同判決は,原告会社勝訴の判決であった。すなわち,「被告(被告B)は,顧客を担当することとなった平成2年10月以降において,当時東京営業部第2課に配属されていた他の営業担当社員と比較して手配ミスが多かったことなどが原因で,顧客からの信頼がなかなか得られなかっ B)は,顧客を担当することとなった平成2年10月以降において,当時東京営業部第2課に配属されていた他の営業担当社員と比較して手配ミスが多かったことなどが原因で,顧客からの信頼がなかなか得られなかったこと,被告(被告B)が,石材サービスセンターにおいても,手配ミスを繰り返したり,顧客からの預かり品を紛失したり,顧客方に据え付けられている顧客の機械を壊したり,顧客方を訪問した際に軽率,非常識な対応がみられたり,技術的知識,技術的判断力の欠如のために顧客からのクレームに対して適切に対応できなかったりしていたために,顧客からの信頼が得られ難く,そのため営業成績が劣悪であったこと」等から被告Bには就業規則所定の解雇事由(「勤務成績著しく悪く改悛の見込みがないと認めたとき」「技能著しく低く,業務に不適であると認められたとき」「その他,前各号に準ずる止むを得ない事由があるとき」)があるとして本件解雇を有効と判断し,原告会社の雇用関係不存在等確認請求部分は被告Bが反訴を提起していたことから確認の利益がないとして却下したが,社宅料相当損害金の支払請求は認容し,被告Bの反訴請求はすべて棄却する内容であった。(争いのない事実,甲18)なお,原告会社は,別件訴訟の第一審において,被告Bの上司の陳述書のほか電話連絡帳などを証拠として提出していた(甲112ないし114,115の1ないし3,同116の1ないし4,同117の1及び2,同118の1ないし3,同119ないし121,弁論の全趣旨)。 (ウ) 被告Bは,平成13年3月26日,別件訴訟の第一審判決に対し控訴したが,同控訴審では,被告Bの求める被告B本人尋問が採用されないまま,同年10月17日に結審した。なお,同控訴審の結審時において,被告B及び同被告の訴訟代理人弁護士並びに傍聴席の被告組合組合員ないし支援者は,法廷に は,被告Bの求める被告B本人尋問が採用されないまま,同年10月17日に結審した。なお,同控訴審の結審時において,被告B及び同被告の訴訟代理人弁護士並びに傍聴席の被告組合組合員ないし支援者は,法廷において,こもごも被告Bの本人尋問が行われないことが不当であるとして,裁判長に対し,「どうして本人の話を聞かないんですか(訴訟代理人)」,「本人の話を聞け」「裁判長答えなさい」などと抗議した。 被告Bは,別件訴訟の控訴審の審理に当たり,同被告が担当していた顧客からの聞き取りを記載した平成13年4月から同年5月付の各書面を提出したが,これらの書面の中には,陳述者が法廷での証言はできない旨述べた等と記載されているものもあった。これに対し,原告会社は,前記各書面は顧客が内容も確認せずサインしてしまった旨の「B氏宛提出書類無効確認の件」と題する同年5月から同年6月付書面を提出した。(甲126,127,乙5ないし7の各1,2,同8ないし11,被告B)別件訴訟の控訴裁判所は,同年12月26日,被告Bの控訴を棄却した。控訴審の判決には,次のとおり判示されていた。すなわち,「控訴人(被告B)は原審判決言渡後に石材サービスセンター在籍中に自身が営業担当に付されていた取引先を訪問して得た取引先関係者の評価意見を提出しているが,その内容を検討しても上記認定を左右するに足りるものではないし,更にこれらはいずれも少なくとも3年ないし4年以上も以前の事象について意見を求めたものであり,作成の経緯,その際に提示された判断資料の存否及びそれが何であるのか等明らかでなく,これに被控訴人(原告会社)から呈示された上記聴取に応じた関係者の陳述書を併せ考察すると,いずれにしても控訴人(被告B)のした上記事情聴取の結果は控訴人(被告B)の勤務振りに関する上記認定を左右する資料とは評価し得ない 会社)から呈示された上記聴取に応じた関係者の陳述書を併せ考察すると,いずれにしても控訴人(被告B)のした上記事情聴取の結果は控訴人(被告B)の勤務振りに関する上記認定を左右する資料とは評価し得ないものである。」「業界の景気が指摘のとおりであるとしても,その状況は1人控訴人(被告B)にだけ当てはまるものではなく,石材サービスセンターの営業所員全員に共通する問題であるところ,前記認定のとおり控訴人(被告B)のみがその余の営業担当社員の成績を下回っているのであ(る)」等として,本件解雇を有効と判示している。(争いのない事実,甲19)(エ) 被告Bは,別件訴訟の控訴審判決を不服として,同年12月28日,最高裁判所に上告及び上告受理の申立てをした。最高裁判所は,平成14年6月27日,被告Bの主張はいずれも理由がないとして上告棄却及び上告不受理の決定をし,被告Bは,翌28日,最高裁の上記決定を受領した。(争いのない事実,甲20,被告B)ウ被告組合の街宣活動等被告組合は,原告が団体交渉受諾通知を送付した後,最高裁の前記決定がなされるまでの間に,原告会社本社前等での街宣活動合計47回,原告会社本社を訪れて「抗議及び要求書」等を読み上げる行為が合計39回に及んだ。被告らは,街宣活動にあたり,本件解雇が不当であること,原告会社が弁護士に団体交渉を委任していること等を拡声器を用いてアピールするほか,シュプレヒコールをあげるなどしている。(甲39ないし47,弁論の全趣旨)なお,被告組合は,全国争議団交流会の全国結集行動・争議団連絡会議統一行動として,平成12年3月13日午前9時45分ころから10時50分ころにかけて,原告会社本社前で全国52団体88名が集結し,街宣活動を行った(甲15,21,証人D)。 エ被告B及び同Eの活動被告B及び同Eは,平成14年 3日午前9時45分ころから10時50分ころにかけて,原告会社本社前で全国52団体88名が集結し,街宣活動を行った(甲15,21,証人D)。 エ被告B及び同Eの活動被告B及び同Eは,平成14年には,原告会社の株式1000株をそれぞれ購入して同社の株主となり,同年6月27日開催の同社の株主総会に出席して発言・質問した。 オ αの対応等原告会社の本店が入居しているαのビル側では,ニューヨークで発生した平成13年のいわゆる「9.11事件」後,一般の来館者に対しては,1階の受付でテナント側からの許諾を得ない限り上層階へは入館できない体制をとっており,原告会社も,平成13年11月22日以降は,被告らと同ビル1階で応対するようになった。なお,被告らが原告会社本店に来社したのは,最高裁の前記上告棄却等の決定後は,平成14年7月11日が最後である。(争いのない事実,甲15,証人D)カ被告らの街宣活動に対する原告会社の対応等被告らの街宣活動に対しては,α1階にあるヴァレンティノブランドショップから,貸主であるホテルβに何とかして欲しい旨の苦情申し入れがあった。このため,原告会社は,平成11年8月31日,ヴァレンティノに謝罪するほか,同年9月初旬には,αに入居しているテナントにお詫び及びお願いの件と題する書面を持参して謝罪にまわった。 (甲48の1及び2,同63,64,原告会社代表者)その後,原告会社は,別件仮処分の東京地裁での後記決定を受けて,αのテナントに意見を求めたところ,テナントから被告組合の街宣活動に大変迷惑しているという意見が多数寄せられた(甲80,81の1及び2,同82及び83の各1ないし3,同84の1及び2,同85の1ないし3,同86ないし90の各1,2,弁論の全趣旨)。 ページ(3)キ原告Aの病状原告Aは,平成14年7月16日 0,81の1及び2,同82及び83の各1ないし3,同84の1及び2,同85の1ないし3,同86ないし90の各1,2,弁論の全趣旨)。 ページ(3)キ原告Aの病状原告Aは,平成14年7月16日,S状結腸癌で入院したが,その際,ストレス性の胃潰瘍にも罹患していた(甲67)。 ク毎日新聞朝刊記事平成14年11月1日,毎日新聞朝刊に「ノルマ達成できず自殺の課長『労災』 仙台労基署認定」と題する以下の内容の記事が掲載された。すなわち,大手ダイヤモンド工具メーカー「旭ダイヤモンド工業」(本社・東京都千代田区)の男性課長(当時56歳)がノルマを達成できなかったのを苦に自殺したのは業務上の労災にあたると,仙台労働基準監督署が認定していたことが31日,分かった。管理職が自分で立てたノルマによって,逆に心理的負担を受けたことが労災として認められたのは珍しいという。家族や同社などによると,男性は93年12月,福島県郡山市に赴任,98年4月まで,1人で営業にあたった。1日12時間以上の長時間労働に加え,95年には取引先を同社東北支店(仙台市)に,98年4月に事務所が2人態勢になると再び取引先を新人に,それぞれ引き継いだ。このため,男性は新規取引先を開拓しなければならなくなったが,実際には困難だった。男性は自分に課したノルマが達成できないことを苦にし,同年5月自殺したという内容の記事であった。(乙24)なお,被告らは,死亡した男性に課せられた数字等については格別調査はしていない(被告E,弁論の全趣旨)。 ケ別件仮処分の申立て等原告らは,平成14年8月8日,当庁に対し,本件訴えと同様の内容の申立の趣旨による仮処分を申し立てたほか(以下「別件仮処分」という),同年9月17日,間接強制の申立てをした(争いのない事実)。 別件仮処分事件において,原告会社は金銭 に対し,本件訴えと同様の内容の申立の趣旨による仮処分を申し立てたほか(以下「別件仮処分」という),同年9月17日,間接強制の申立てをした(争いのない事実)。 別件仮処分事件において,原告会社は金銭の支払による和解を検討していたが,被告らは本件解雇を撤回し,被告Bを復職させる条件でなければ応じられないとし,和解は成立しなかった(弁論の全趣旨)。 なお,原告らは,平成14年9月20日,本件訴えを提起した。 東京地方裁判所は,平成14年12月25日付で,別件仮処分事件について,被告らに対し,原告Aの肩書住所地所在の自宅(以下「原告A宅」という)での面会強要や原告A宅より半径100メートル以内でのビラ配付等を含む街宣活動等の禁止を命ずる旨の決定をした(乙28)。 原告らは前記決定を不服として即時抗告をしたが,東京高等裁判所は,平成15年3月17日付で原告らの即時抗告を棄却する旨の決定をし,同決定は確定した(乙29,弁論の全趣旨)。 (3) 街宣活動等(ビラの記載の末尾に付した①から⑤の番号は,原告らが,①本件解雇が不当であるとの主張に係る記載,②弁護士委任等組合対応が不当であるとの主張,③訴訟資料の捏造,訴訟妨害を行った結果,本件解雇に係る訴訟が誤った判決となったとの主張に係る記載,④仮処分・間接強制申立は労働組合活動を封殺しようとしているとの主張に係る記載,⑤労働者を自殺に追いやる労務政策をとっているとの主張に係る記載と主張するものにそれぞれ対応する。)ア原告A関係(ア) 原告A宅は閑静な住宅街にあり,原告Aは,ここで妻と2人で生活している。ところで,被告らは,平成14年3月21日(祝日)午前11時20分ころから午前11時25分ころまでの間,組合員ら4名で何らの予告等なく原告A宅に出向き,原告Aに面会を求めて面談し,本件解雇撤回,弁護士委任撤回 被告らは,平成14年3月21日(祝日)午前11時20分ころから午前11時25分ころまでの間,組合員ら4名で何らの予告等なく原告A宅に出向き,原告Aに面会を求めて面談し,本件解雇撤回,弁護士委任撤回等を求める申入書を交付した。原告Aは,その際,被告組合の組合員らに対し,「休みの日にプライベートを侵害されてはたまらない。」と述べた。(争いのない事実,甲22の1及び2,同25,51の1,原告A,弁論の全趣旨)(イ) 被告らは,平成14年5月11日(土曜日)の午前9時30分ころから午前9時45分ころまでの間,組合員ら11名で何らの予告等なく原告A宅に出向き,原告A宅の塀に横断幕を張った上,原告Aに面会を求めて面談し,本件解雇撤回,弁護士委任撤回等を求める申入書を交付した。被告らは,その際,原告A宅近隣約20世帯にビラを投函した。当該ビラには次のとおりの記載があった。すなわち,「旭ダイヤの不当解雇」「不当な『解雇』に居直りを決めこんでいる旭ダイヤ」「退職強要,見せしめ解雇」「旭ダイヤはリストラ遂行の生け贄として,まじめでおとなしいB君に目をつけた」「1998年の7月から,・・・嫌がらせを繰り返しました。そして,自主退職に応じないB君を『見せしめ解雇』したのです。」「B君に対する不当極まりない解雇」(以上①),「労働運動を認めない旭ダイヤ経営」「旭ダイヤ経営は,弁護士に『団交その他一切を委任』したというのです。B君が解雇されて以来,ほぼ毎日のように組合は,会社に当事者同士での自主的な解決を求めてきましたが,その度に会社は,弁護士任せの無責任な対応に終始しました」「社長も不誠実」「今年(2002年)の3月21日,・・・組合の穏やかな話し合いの申し入れに対し,A社長は途中で打ち切り,・・・そそくさと自宅に閉じこもってしまいました。」「労働組合に悪質な攻撃を繰り 「社長も不誠実」「今年(2002年)の3月21日,・・・組合の穏やかな話し合いの申し入れに対し,A社長は途中で打ち切り,・・・そそくさと自宅に閉じこもってしまいました。」「労働組合に悪質な攻撃を繰り返す旭ダイヤの姿勢」(以上②)と記載されていた。しかも,当該ビラには,原告Aの自宅玄関の写真が掲載され,抗議先として,原告A宅の住所及び電話番号が記載されていた上に,「旭ダイヤの不当解雇を許さないぞ!!A社長は自主団交に応じろ!!」「この解雇問題の責任者である旭ダイヤモンド工業(株)の代表取締役社長A氏が,ここ,εのζに住んでいます。」等と記載されていた。(争いのない事実,甲23の1及び2,被告B,弁論の全趣旨)(ウ) 被告らは,平成14年6月16日(日曜日)午後2時45分ころから午後3時23分ころまでの間,組合員ら13名で何らの予告等なくゼッケンを着用して前記原告A宅に出向き,原告A宅のインターホンを数回鳴らして原告Aに面会を求めた上,本件解雇撤回,弁護士委任撤回等を求める申入書を原告A宅の郵便受けに投函した。被告らは,その際,原告A宅の近隣2ブロックの世帯にビラを投函した。当該ビラには次のとおりの記載があった。すなわち,「不当な『解雇』に居直りを決めこんでいる旭ダイヤ」「退職強要,見せしめ解雇」「私たちが解雇撤回を求めている当事者のB君は1999年の4月に会社から『業務成績不良』を理由として,退職強要,職場での嫌がらせのあげく,リストラの『見せしめ解雇』を受けたのです。」「そうでなければ,解雇されたB君を初めとして第2第3の『解雇』が,当然のように無責任な経営者の尻拭いとしてすすめられてしまう・・・旭ダイヤのこのような不当」(以上①),「労働運動を認めない旭ダイヤ経営」「旭ダイヤ経営は,弁護士に『団交その他一切を委任』したというのです。B君が解雇 な経営者の尻拭いとしてすすめられてしまう・・・旭ダイヤのこのような不当」(以上①),「労働運動を認めない旭ダイヤ経営」「旭ダイヤ経営は,弁護士に『団交その他一切を委任』したというのです。B君が解雇されて以来,ほぼ毎月のように組合は,会社に当事者同士での自主的な解決を求めてきましたが,その度に会社は,弁護士任せの無責任な対応に終始しました」「今年(2002年)の3月21日,・・・組合の穏やかな話し合いを,A社長は途中で打ち切り,解雇した労働者の前で,『休みの日にプライベートを侵害されてはたまらない!何か文書があるならそれをくれ!!』と言って,組合員の手から争議解決を求めた『申入書』を取ると,そそくさと自宅に閉じこもってしまいました。」「社長,常務の不誠実な対応」「会社の最高責任者である社長も当事者としての自覚がなく,弁護士任せであることが露呈したのです。」(以上②)と記載されていた。しかも,当該ビラには,原告Aの自宅玄関付近の写真が掲載され,抗議先として,原告A宅の住所及び電話番号が記載されていた上に,「旭ダイヤは不当解雇を撤回しろ!!A社長の無責任な対応を許さないぞ!!」「この解雇問題の責任者である旭ダイヤモンド工業(株)の代表取締役社長A氏が,ここ,・・・εのζに住んでいます。」等と記載されていた。(争いのない事実,甲24の1及び2,同25,被告B,弁論の全趣旨)(エ) 被告らは,平成14年7月7日(日曜日)午後2時42分ころから午後3時15分ころまでの間,組合員ら14名で何らの予告等なくゼッケンを着用して前記原告A宅に出向き,原告Aに面会を求めた上,ハンドメガホンを使って抗議ビラの読み上げ等を行い,本件解雇撤回,弁護士委任撤回等を求める「抗議及び申入書」及びビラを原告A宅の郵便受けに投函した。被告らは,その際,原告A宅の近隣世帯にビラを投函 ,ハンドメガホンを使って抗議ビラの読み上げ等を行い,本件解雇撤回,弁護士委任撤回等を求める「抗議及び申入書」及びビラを原告A宅の郵便受けに投函した。被告らは,その際,原告A宅の近隣世帯にビラを投函した。当該ビラには次のとおりの記載があった。すなわち,「不当解雇」「不当な『解雇』に居直りを決めこんでいる旭ダイヤ」「退職強要,見せしめ解雇」「旭ダイヤはリストラ遂行の生け贄として,まじめでおとなしいB君に目をつけた」「1998年の7月から,・・・嫌ページ(4)がらせを繰り返しました。そして,自主退職に応じないB君を『見せしめ解雇』したのです。」「B君が受けたような不当窮まりない退職強要や解雇」(以上①),「無責任な対応」「労働運動を認めない旭ダイヤ経営」「旭ダイヤ経営は,弁護士に『団交その他一切を委任』したというのです。B君が解雇されて以来,ほぼ毎月のように組合は,会社に当事者同士での自主的な団交を求めてきましたが,その度に会社は,弁護士任せの無責任な対応に終始しました」「社長も不誠実」「A氏は,組合員の手から『申入書』を取ると,そそくさと自宅に閉じこもったり,訪問しても居留守を決めこんだりしています。そして,後日,A氏は弁護士と連名で,見当違いの不当な『抗議書』なるものを組合に送ってきたり,・・・組合の『申入書』の回答期日になっても何の回答も連絡を寄越さないという無責任な対応をとっています。」(以上②)と記載されていた。しかも,当該ビラには,原告Aの自宅の写真が掲載され,抗議先として,原告A宅の住所及び電話番号が記載されていた上に,「旭ダイヤのA社長は無責任な対応をあらため,組合と話し合い,不当解雇を撤回せよ!!」「この解雇問題の責任者である旭ダイヤモンド工業(株)の代表取締役社長A氏が,ここ,εのζに住んでいます。」等と記載されていた。(争いの 責任な対応をあらため,組合と話し合い,不当解雇を撤回せよ!!」「この解雇問題の責任者である旭ダイヤモンド工業(株)の代表取締役社長A氏が,ここ,εのζに住んでいます。」等と記載されていた。(争いのない事実,甲37の1の1ないし3,同37の2ないし4,被告B,弁論の全趣旨)イ原告会社関係(ア) 原告会社は,平成14年6月27日午前10時から,η会館において株主総会を開催し,多数の株主がこれに出席した。被告らは,同日午前8時57分ころから午前10時15分ころまでの間,組合員ら9名で何らの予告もなくゼッケンを着用し,横断幕を掲げて,前記株主総会の開催場所である「η会館」前の幅約3メートルの歩道において,ビラを総会出席者や通行人等不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンで本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤの不当解雇」「不当な『解雇』に居直りを決めこんでいる旭ダイヤ」「見せしめ解雇」「解雇されたB君を初めとして第2第3の『解雇』が,当然のように無責任な経営者の尻拭いとしてすすめられてしまう・・・旭ダイヤのこのような不当」「旭ダイヤのこの労働者『使い捨て』のひどい行為」(以上①),「無責任な経営者の対応」「労組対策専門の弁護士に一切を委任する,会社の無責任な対応」「会社は,合同労組対策専門の弁護士を雇って『B殿に関する一切を委任した』として,私たちと正面から向き合おうとしていません。」(以上②)と記載されていた。(争いのない事実,甲27)(イ) 被告らは,平成14年7月11日午前11時50分ころ,原告会社本社を訪れて,同社に対し,「抗議及び要求書」を交付する等し,被告Bに対する解雇撤回を要求した。被告らは,その後,同日 実,甲27)(イ) 被告らは,平成14年7月11日午前11時50分ころ,原告会社本社を訪れて,同社に対し,「抗議及び要求書」を交付する等し,被告Bに対する解雇撤回を要求した。被告らは,その後,同日午後零時ころから午後1時15分ころまでの間,組合員ら24名で,何らの予告等もなくゼッケンを着用し,不当解雇を撤回せよ等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンで本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。(争いのない事実,甲15,38の1ないし3,証人D,弁論の全趣旨)被告らの前記街宣活動の声は,11階にある原告会社本社に,話の内容までは分からないが,事務処理をしている原告会社従業員に被告組合の声であると気づく程度には聞こえてきた。(証人D,弁論の全趣旨)前記ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤの不当解雇」「不当な『解雇』に居直りを決めこんでいる旭ダイヤ」「見せしめ解雇」「旭ダイヤはリストラ遂行の生け贄として,まじめでおとなしいB君に目をつけた」「B君が受けたような不当窮まりない解雇」(以上①),「無責任な経営者の対応」「労働運動を認めない旭ダイヤ経営」「旭ダイヤ経営は,弁護士に『団交その他一切を委任』したというのです。B君が解雇されて以来,ほぼ毎月のように組合は,会社に当事者同士での自主的な団交を求めてきましたが,その度に会社は弁護士任せの無責任な対応に終始しました。」(以上②)と記載されていた。(争いのない事実,甲38の2)(ウ) 被告らは,平成14年9月10日午後零時10分ころから午後1時20分ころまでの間,組合員ら20名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,不 上②)と記載されていた。(争いのない事実,甲38の2)(ウ) 被告らは,平成14年9月10日午後零時10分ころから午後1時20分ころまでの間,組合員ら20名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,不当解雇を撤回せよ等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤの不当解雇」「旭ダイヤモンド工業(株)は,1998年の7月から,・・・営業部社員のB君に対し,見せしめ的に嫌がらせや職場のいじめを頻発させ」(以上①),「会社は私たちの団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,全く労使間の話し合いに応じようとしてきませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判闘争は会社側の膨大な『資料』と,私たちの採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去る6月28日に最高裁で確定しました。」(以上③),「8月8日,会社は『最高裁で解雇有効確定』を根拠として私たちの団体交渉要求活動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令申立』を東京地裁民事19部に起こしました。以前から,私たちの団体交渉要求行動やビラ配布などの情宣活動に対して所轄の麹町署のみならず,本庁の刑事が監視するなど,旭ダイヤは警察権力と連携して私たちの闘い,組織を潰そうとしてきました。今回の仮処分申請がその一環であることは間違いありません。」「こうした状況の中で出された旭ダイヤの仮処分申請は,B君と同じように『リストラ』の名で職場から放り出された労働者の怒りが団結しないように分断し,強大 分申請がその一環であることは間違いありません。」「こうした状況の中で出された旭ダイヤの仮処分申請は,B君と同じように『リストラ』の名で職場から放り出された労働者の怒りが団結しないように分断し,強大な権力を使ってその闘いを破砕しようとする攻撃の一環です。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④)と記載されていた。(争いのない事実,甲49,50)(エ) 被告らは,平成14年10月16日,東京地方裁判所前の歩道において,何らの予告等もなく,ビラを裁判所来訪者や通行人等の不特定多数に交付した。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤの不当解雇」「旭ダイヤモンド工業(株)は,1998年の7月から,・・・1人の営業部社員に対し,見せしめ的に嫌がらせや職場のいじめを頻発させ」(以上①),「会社は私たちの団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,全く労使間の話し合いに応じようとしてきませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判闘争は会社側の膨大な『資料』と,私たちの採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去る6月28日に最高裁で確定しました。」(以上③),「不当な仮処分申立」「8月8日,会社は『最高裁で解雇有効確定』を根拠として私たちの団体交渉要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令申立』を東京地裁民事19部に起こし,不当にも9月17日付で間接強制を加えてきました。以前から,私たちの団体交渉要求行動やビラ配布などの情宣行動に対して所轄の麹町署のみならず,本庁の刑事が監視するなど,旭ダイヤは警察権力と連携して私たちの闘い,組織を潰そうとしてきました。今回の仮処分間接強制攻撃がその一環であることは間違いありません。」「こう して所轄の麹町署のみならず,本庁の刑事が監視するなど,旭ダイヤは警察権力と連携して私たちの闘い,組織を潰そうとしてきました。今回の仮処分間接強制攻撃がその一環であることは間違いありません。」「こうした状況の中で出された旭ダイヤによる仮処分申請は,彼と同じように『リストラ』の名の下で職場から放り出された多くの労働者の怒りが団結しないように分断し,強大な権力を使って闘いそのものを破砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④)と記載されていた。(争いのない事実,甲107)(オ) 被告らは,平成14年10月25日午後零時20分ころから午後零時50分ころまでの間,組合員ら70数名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,組合旗や「不当解雇を撤回せよ」等と記載されたプラカードを掲げ,「旭ダイヤの不当解雇を撤回しろ!」と書かれたのぼりを立てて,α前を経由するデモ行進を行い,ビラを原告会社の従業員,αテナントの従業員,来訪者,通行人等に配付し,拡声器を使用し,大声をあげ,「原告会社は不当解雇を撤回しろ」等の原告会社を非難し抗議する内容のシュプレヒコールをした。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤの不当解雇」「旭ダイヤモンド工業(株)は,1998年の7月から,・・・B君に対し,見せしめ的ページ(5)に嫌がらせや職場のいじめを頻発させ,毎晩遅くまでカン詰にして退職強要を迫りました。」(以上①),「会社は私たちの団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,全く労使間の話し合いに応じようとしてきませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判闘争は会社側の膨大な『資料』と,私たちの採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去 ,全く労使間の話し合いに応じようとしてきませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判闘争は会社側の膨大な『資料』と,私たちの採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去る6月28日に最高裁で確定しました。」(以上③),「労働運動を禁圧する仮処分攻撃」「8月8日,会社は『最高裁で解雇有効確定』を根拠として私たちの団体交渉要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令申立』を東京地裁民事19部に起こし,不当にも9月17日付で間接強制を加えてきました。以前から,私たちの団体交渉要求行動やビラ配布などの情宣活動に対して所轄の麹町署のみならず,本庁の刑事が監視するなど,旭ダイヤは警察権力と連携して私たちの闘い,組織を潰そうとしてきました。今回の仮処分間接強制攻撃がその一環であることは間違いありません。」「こうした状況の中で出された旭ダイヤによる仮処分申請は,彼と同じように『リストラ』の名の下で職場から放り出された多くの労働者の怒りが団結しないように分断し,強大な権力を使って闘いそのものを破砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④)と記載されていた。(争いのない事実,甲69ないし71,弁論の全趣旨)(カ) 被告らは,平成14年11月13日午後零時ころから午後1時15分ころまでの間,組合員ら15名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「旭ダイヤの不当解雇を撤回しろ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。 当該ビラには,次のような記載があった。 等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。 当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤは1998年の7月から・・・B君に対し,見せしめ的に嫌がらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,会社は彼を職場から追いやったのです。」(以上①),「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去る6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「以前から,私たちの団体交渉要求行動に対して所轄の麹町署のみならず,本庁の刑事が監視するなど,旭ダイヤは警察権力と連携して私たちの闘い,組織を潰そうとしてきました。今回の『仮処分・間接強制』攻撃がその一環であることは間違いありません。」「こうした状況の中で出された旭ダイヤによる仮処分申請は,彼と同じように『リストラ』の名の下で,職場で追いつめられ,自殺したり,放り出された多くの労働者や家族の怒りが団結しないように分断し,強大な権力を使って闘いそのものを粉砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を自殺に追いやる労務 しないように分断し,強大な権力を使って闘いそのものを粉砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を自殺に追いやる労務政策」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲72,73)(キ) 被告らは,平成14年12月4日午後3時15分ころから午後3時50分ころまでの間,組合員ら5名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,横断幕を掲げて,原告会社が製品を出展しているセミコン・ジャパン2002の会場であるθ前において,ビラをセミコン来訪者,通行人等不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤは,1998年の7月から・・・B君に対し,見せしめ的に職場でのいやがらせや頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,解雇したのです。」(以上①),「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が と,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去る6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「以前から,私たちの団体交渉要求行動に対して所轄の麹町署のみならず,本庁の刑事が監視するなど,旭ダイヤは警察権力と連携して私たちの闘い,組織を潰そうとしてきました。今回の『仮処分・間接強制』攻撃がその一環であることは間違いありません。」「こうした状況の中で出された旭ダイヤによる仮処分申請は,彼と同じように『リストラ』の名の下で,職場で追いつめられ,自殺したり,放り出された多くの労働者や家族の怒りが団結しないように分断し,強大な権力を使って闘いそのものを粉砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を自殺に追いやる労務政策」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲98)(ク) 被告らは,平成14年12月13日午後零時ころから午後1時15分ころまでの間,組合員ら20名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「不当解雇を撤回しろ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを原告会社の従業員,α従業員,来訪者(顧客),通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「不当 交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「不当解雇」「旭ダイヤは,1998年の7月から・・・B君に対し,見せしめ的に職場でのいやがらせや頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,解雇したのです。」(以上①),「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去る6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「以前から,私たちの団体交渉要求行動に対して所轄の麹町署のみならず,本庁の刑事が監視するなど,旭ダイヤは警察権力と連携して私たちの闘い,組織を潰そうとしてきました。今回の『仮処分・間接強制』攻撃がその一環であることは間違いありません。」「こうした状況の中で出された旭ダイヤによる仮処分申請は,彼と同じように『リストラ』の名の下で,職場で追いつめられ,自殺したり,放り出された多くの労働者や家族の怒りが団結しないように分断し,強大な権力を使って闘いそのものを粉砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を自殺に追いやる労務政策」「毎日新聞の11月1日 力を使って闘いそのものを粉砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を自殺に追いやる労務政策」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲78,79)(ケ) 被告らは,平成15年1月14日午後零時10分ころから午後1時18分ころまでの間,組合員ら15名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「旭ダイヤの不当解雇を撤回しろ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを原告会社の従業員や通行人等の不特定多数に交付した上,拡ページ(6)声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤは,1998年の7月から・・・B君に対し,見せしめ的にいやがらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,会社は彼を職場から追いやったのです。」(以上①),「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する 委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「去年8月~9月,会社は組合の団交要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令』を東京地裁に申し立て,」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を自殺に追いやる労務政策」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲99の1及び2)(コ) 被告らは,平成15年1月15日午後3時10分ころから午後3時53分ころまでの間,組合員ら12名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「旭ダイヤの不当解雇を撤回しろ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社が出席したダイヤモンド工業協会の賀詞交歓会の会場であったιビル前において,ビラを賀詞交歓会出席者,ιビル来訪者,通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤモンド工業(株)の無責任経営,不当解雇」「旭ダイヤは・・・B君に対し,1998年7月から見せしめ的にいやがらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不 しめ的にいやがらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,会社は彼を職場から追いやったのです。」(以上①),「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「労組活動を妨害しようと画策した不当な旭ダイヤの仮処分・間接強制の申立て」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を自殺に追いやる労務政策」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲100の1及び2)(サ) 被告らは,平成15年1月31日,東京地方裁判所前の歩道において,何らの予告等もなく,ビラを裁判所来訪者や通行人等の不特定多数に交付した。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「退職強要,応じないとでっちあげ解雇」「旭ダイヤは・・・B君に対し,1998年7月から見せしめ的にいやがらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ, 君に対し,1998年7月から見せしめ的にいやがらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,会社は彼を職場から追いやりました。」(以上①),「地域合同労組に対する弁護士任せの会社姿勢」「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇有効』の裁判を作り上げる」「会社はこれに対して裁判でまた,弁護士を通して話を進めようとして『雇用関係不存在』の裁判訴訟を起こしてきました。・・・『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「正当な労組活動を禁じようとする,旭ダイヤモンド工業の不当な申立」「旭ダイヤが労働組合活動を禁圧しようとかけてきた,不当な申立」「さすがの東京地裁も会社の不当申立をほぼ却下」「去年8~9月,会社は・・・組合の団交要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令』を東京地裁に申し立て,」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を排除,自殺に追い込む労務政策」「旭ダイヤの非常に問題のある労務政策」「過酷なノルマで自殺者が出る」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです 問題のある労務政策」「過酷なノルマで自殺者が出る」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲101)(シ) 被告らは,平成15年2月12日午後零時20分ころから午後1時15分ころまでの間,組合員ら12名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「不当解雇を撤回しろ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを原告会社の従業員や通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「退職強要,応じないとでっちあげ解雇」「旭ダイヤは・・・B君に対し,1998年7月から見せしめ的にいやがらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,会社は彼を職場から追いやりました。」(以上①),「地域合同労組に対する弁護士任せの会社姿勢」(以上②),「会社はこれに対して裁判でまた,弁護士を通して話を進めようとして『雇用関係不存在』の裁判訴訟を起こしてきました。・・・『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「旭ダイヤが労 ・・・『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「旭ダイヤが労働組合活動を禁圧しようとかけてきた,不当な申立」「さすがの東京地裁も会社の不当申立をほぼ却下」「去年8~9月,会社は・・・組合の団交要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令』を東京地裁に申し立て」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「非常に問題のある労務政策」「過酷なノルマで自殺者が出る」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」「旭ダイヤの不当な労務政策」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲102の1及び2)(ス) 被告らは,平成15年2月20日午前7時40分ころから午前8時15分ころまでの間,組合員ら11名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「不当解雇を撤回せよ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社の玉川工場前において,ビラを原告会社の従業員や通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「退職強要,応じないとでっちあげ解雇」「旭ダイヤ経営は・・・B君に対し,1998年7月から見せしめ的にいやがらせや職場でのいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗 のいじめを頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体ページ(7)のリストラの『見せしめ』として,会社は彼を職場から追いやりました。」(以上①),「地域合同労組に対する弁護士任せの会社姿勢」「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇有効』の裁判を作り上げる」「会社はこれに対して裁判でまた,弁護士を通して話を進めようとして『雇用関係不存在』の裁判訴訟を起こしてきました。・・・『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,去年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「旭ダイヤ経営の労働運動禁圧を画策する不当な仮処分・間接強制申立」「旭ダイヤ経営が労働組合活動を禁圧しようとかけてきた不当な申立」「さすがの東京地裁も会社の不当申立をほぼ却下」「去年8~9月,会社は・・・組合の団交要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令』を東京地裁に申し立て,」「旭ダイヤの不当な労務政策」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「労働者を職場から排除するばかりか,自殺に追いやる横暴な会社の労務政策」「非常に問題のある労務政策」「過酷なノルマで自殺者が出る」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させてもいるのです。」(以上⑤)と記載されてい 「非常に問題のある労務政策」「過酷なノルマで自殺者が出る」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させてもいるのです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲103の1及び2)(セ) 被告らは,平成15年3月12日午後零時10分ころから午後1時15分ころまでの間,組合員ら18名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「不当解雇を撤回しろ」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを原告会社の従業員や通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「旭ダイヤのこの不当解雇」「退職強要,不当解雇」「旭ダイヤは・・・B君に対し,見せしめ的に職場でのいやがらせや頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,解雇したのです。」(以上①),「弁護士任せの会社の無責任対応」「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,昨年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「労働運動を封殺しようとする会社の不当申立」「会社 社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,昨年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「労働運動を封殺しようとする会社の不当申立」「会社は・・・組合の団交要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令』を東京地裁に申し立て」「こうした状況の中で出された旭ダイヤによる不当な申立は,彼と同じように『リストラ』の名の下で,職場で追いつめられ,自殺したり,放り出された多くの労働者や家族の怒りが団結しないように分断し,強力な権力を使って闘いそのものを粉砕しようとするものです。」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,地域合同労組潰し」(以上④),「旭ダイヤモンド工業(株)の不当な労務政策」「第2,第3の自殺者,解雇者を容認する会社の暴言」「一連の問題のある労務政策」「自殺者も出る会社の不当な労務政策」「毎日新聞の11月1日の朝刊記事にもあるように,旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです」「旭ダイヤ労担の暴言『労災?自殺者なんてどこでも出ている。珍しいことじゃないだろ!!」「上記の暴言を旭ダイヤの労務担当はことなげもなげに私たちに言ったのでした。旭ダイヤ労務担当は『昔からノルマを苦に自殺者は出ているし,不況だからこれからますますそれは増えてくる。 会社経営に犠牲はつきものだし,人が死ぬことなんて気にとめる必要もない些細なことだ』とでも言いたかったのでしょうか。これは,まさに労働者を使い捨てにする,人を人とも思わない考えです。」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲105,106)(ソ) 被告らは,平成15年4月8日午後零時10分ころから午後1時20分ころまでの間,組合員ら20名で何らの予告等もなくゼッケン 」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲105,106)(ソ) 被告らは,平成15年4月8日午後零時10分ころから午後1時20分ころまでの間,組合員ら20名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「不当解雇を撤回せよ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社本社のあるα前の幅3~4メートルの歩道において,ビラを原告会社の従業員や通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「退職強要のあげく,一方的に解雇」「B君はリストラの生け贄として解雇」(以上①),「これは組合の団交申し入れに対し,会社が『B殿に関する一切を』,合同労組対策専門の経営法曹会議の弁護士に『委任する』と,一方的に宣言して,当事者としての責任から逃亡して,組合と正面から話し合おうとしていないことに原因があります。」(以上②),「自殺者を出す労務政策」「労働者への犠牲の強要」「自殺者も出ている,旭ダイヤの非常に問題のある労務政策」「旭ダイヤの社員が過酷なノルマを苦に自殺」(以上⑤)(争いのない事実,甲108の1及び2)(タ) 被告らは,平成15年5月7日午前7時45分ころから午前8時15分ころまでの間,組合員ら10名で何らの予告等もなくゼッケンを着用し,「不当解雇を撤回せよ!」等と書かれた横断幕を掲げて,原告会社の玉川工場前において,ビラを原告会社の従業員や通行人等の不特定多数に交付した上,拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「でっちあげ解雇」「旭ダイヤは・・・B君に対し て本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をし,シュプレヒコールをする等の街宣活動を行った。当該ビラには,次のような記載があった。すなわち,「でっちあげ解雇」「旭ダイヤは・・・B君に対し,見せしめ的に職場でのいやがらせや頻発させ」「それでも彼が自主退職に応じないと見るや,翌年の1999年4月8日,会社は彼を『業務成績不良』を理由としてでっち上げ,解雇しました。」「B君の場合は,不当なノルマ,退職強要に抗して職場でがんばってきたのですが,『会社にたてついたもの』として,会社全体のリストラの『見せしめ』として,解雇したのです。」(以上①),「会社は全て弁護士任せ」「会社は組合の団交要求に対し,『一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡を取るように』などと,まったく労使間の話し合いに応じようとしませんでした。」(以上②),「『解雇有効』の不当判決」「『解雇無効』を訴えた裁判は,会社の作り上げた膨大な『資料』と,当該の採証活動に対する会社の妨害にあって,不当にも反動的な判決が,昨年6月末に最高裁で確定しました。」(以上③),「組合活動を封殺しようとする会社の不当申立」「昨年8月8日,会社は『最高裁での解雇有効確定』を根拠として組合の団交要求行動に対し,その行動の全てを禁止する『仮処分命令』を東京地裁に申し立て」「資本・警察権力一体となった労働組合の活動否定,闘争圧殺,労働者潰し」(以上④),「旭ダイヤモンド工業(株)の不当な労務政策」「自殺容認の会社労担暴言」「労働者を職場から排除したり,追いつめて自殺者を出させている旭ダイヤモンド工業(株)の不当な労務政策」「旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」「旭ダイヤ玉川工場労担の暴言『労災?自殺者なんてどこでも出ている。珍しいことじゃない 務政策」「旭ダイヤという会社は社員に過酷なノルマを課して,自殺者を出させている,非常に問題のある会社なのです。」「旭ダイヤ玉川工場労担の暴言『労災?自殺者なんてどこでも出ている。珍しいことじゃないだろ!!」「上記の暴言を旭ダイヤの労務担当はこともなげに私たちに言ったのでした。旭ダイヤ労務担当は『昔からノルマを苦に自殺者は出ているし,不況だからこれからますますそれは増えてくる。会社経営に犠牲はつきものだし,人が死ぬことなんて気にとめる必要もない些細なことだ』とでも言いたかったのでしょうか。これは,まさに労働者を使い捨てにする,人を人とも思わない考えです。はからずも会社労担から無意識に出てきたものなのでしょう」(以上⑤)と記載されていた。(争いのない事実,甲109の1及び2)(4) その後の事情等被告らは,平成15年5月7日以降も,原告会社の本社前,玉川工場前,大阪支店前,東北支店前,石材サービスセンター前,千葉鶴舞支店前や三重工場前等において,月に1回から数回程度,各回1時間程度の時間でビラ配付等の街宣活動を行っている(争いのない事実,甲122,123,135,136の1及び2,同137ないし160,証人D)。 ページ(8)被告らは,今後も,原告会社が本件解雇を撤回するまで原告会社に対する街宣活動を続ける方針である。また,被告らは,今後,原告A宅へ面会等を求めて赴かないとは約束はできない旨言明している(被告B,同E,被告組合代表者,弁論の全趣旨)。 2 争点(1) 原告Aの差止請求の成否(争点1)被告らの平成14年3月21日から同年7月7日までの間の4回にわたる前記争いのない事実等(3)ア記載の原告A宅での面会を求める行為等が,原告Aの住居の平穏(私生活の平穏)を害し,同人の名誉・信用を毀損するものとして,原告Aは被告らに対し,前記 までの間の4回にわたる前記争いのない事実等(3)ア記載の原告A宅での面会を求める行為等が,原告Aの住居の平穏(私生活の平穏)を害し,同人の名誉・信用を毀損するものとして,原告Aは被告らに対し,前記第1請求第1項記載の差し止めを請求することができるか。 【原告A】ア原告Aが被告らに対し求める差止行為は,前記第1請求第1項記載のとおりであり,これまで被告らが実際に行ってきた行為及びこれに通常伴う行為並びに被告らにおいて容易に予想することができる行為ばかりであり,被告らの活動を不当に制約したり,被告らの予測可能性を奪うものではない。原告Aが求めているのは,被告らがよく用いる表現であるところの原告Aに対する「抗議」「攻撃」を被告らが止めることである。 イ被告らは原告Aに対し面会を強要するなど,その行為が原告Aの住居の平穏を害し,その名誉・信用を害するものであることは明らかである。被告らは,これまで土曜日,日曜日,祭日に原告A宅に押しかけて来ており,原告Aとしては心が休まることがないし,現に健康を著しく害している。被告らは,原告A宅前で拡声器を用いて演説したり,近隣にビラを配付したりするため,近隣にとって非常に迷惑となっており,原告Aとしては近隣に非常に気を遣う状況が続いている。被告らが,原告Aの不在中に同人宅に押しかけてきた場合,同居の家族が心配である。また,被告らの行為により,原告Aは胃潰瘍を発症させるなど,同人の被った損害も甚大である。 また,被告らの前記争いのない事実等(3)ア記載の各ビラには,①解雇が不当であるとの主張に係る記載部分,②弁護士委任等組合対応が不当であるとの主張に係る記載部分があるが,これらの記載部分は,原告Aが原告会社をして被告Bを解雇させ,弁護士委任をなさしめたとして,原告A個人を攻撃することを目的としていることは明らかであ 組合対応が不当であるとの主張に係る記載部分があるが,これらの記載部分は,原告Aが原告会社をして被告Bを解雇させ,弁護士委任をなさしめたとして,原告A個人を攻撃することを目的としていることは明らかである。 ウ被告らの原告A宅への押しかけ等の活動が,原告Aの権利を侵害し,同人に多大な損害をもたらしていることは明らかであるところ,被告らにはこれらの行為が違法であることの意識が全くない。しかも,被告らは,現時点においても,原告A宅へ行く可能性を否定しようともしないのであって,被告らの原告A宅への押しかけ等を差し止めるべき高度の必要性がある。 エ別件訴訟において,本件解雇が有効であるとの確定判決がなされている以上,被告Bは原告会社の従業員(労働者)ではなく,原告会社は被告Bの使用者ではない。そうだとすると,被告組合には原告会社の従業員は1人もいないことになる。このような被告組合及びその組合員らが原告らに対し,原告会社の労働組合として団体交渉の申し入れをし,かつ同申し入れに関わる諸活動をして,同組合活動の正当性を主張する余地はない。被告らの活動はもはや憲法及び労働組合法の保護の範囲外である。また,被告らの表現の自由も原告らの権利の犠牲の上に行使されることは認められない。 オ原告Aが被告らに対し求める差止行為の内容は,被告らがこれまで行ってきた不法行為の数々の実態に照らせば,極めて正当・相当な範囲内のものである。 【被告ら】ア原告Aの差止請求の特定性原告Aが差し止めを求める個々の行為は,いずれも不特定,曖昧かつ著しく広範であり,不当である。のみならず,差し止めを求める行為として,「下記の行為」のほかに「その他の方法」まで含めており,これでは差止行為の範囲を画することが全く不可能である。差し止めを求める行為は,その行為によって原告Aの「住居の平穏を害 し止めを求める行為として,「下記の行為」のほかに「その他の方法」まで含めており,これでは差止行為の範囲を画することが全く不可能である。差し止めを求める行為は,その行為によって原告Aの「住居の平穏を害し,または名誉・信用を毀損する」ものとされているが,いずれも価値判断や評価を要するものであり,差止事項としての明確性を欠く。したがって,前記第1請求第1項記載の差止請求は,請求の趣旨が不特定であり,却下されるべきである。 イ被告らの行為の権利侵害性の欠如被告らの行為は,原告Aの住居の平穏を侵害するものではなく,又その名誉・信用を害するものでもない。原告Aは,抽象的な「心配」等を訴えるのみで,具体的な法益侵害について主張立証をしていない。原告Aが名誉・信用の毀損として主張する各ビラの記載は,あくまでも原告会社代表者としての行為の記述にすぎず,原告A個人の「社会的評価を低下させるもの」ではないから,原告Aの名誉・信用を毀損するものではない。また,原告会社の代表取締役社長であった原告Aの自宅は,原告会社の公的な場所であり,純粋にプライベートな空間ではなく,被告らは本件解雇について原告会社の責任ある立場の人間と当事者同士での話し合いを求めるために原告A宅に赴いたにすぎない。 ウ表現の自由との関係表現の自由に対する事前抑制は,当該行為が他人の権利を侵害することについて明白かつ現在の危険がある場合に限られるべきであるところ,原告らが求める差止行為はそのような要件を満たしていない。 エ正当な労働組合活動労働者には,その代表者を通じて使用者と労働条件その他の待遇や労使関係上のルールについて取り決めることを目標として交渉する権利(団体交渉権)があり,その交渉を実効あらしめるために一定の範囲で争議行為(労働者の要求の示威又は貫徹のための圧力行為)やその他の組合 労使関係上のルールについて取り決めることを目標として交渉する権利(団体交渉権)があり,その交渉を実効あらしめるために一定の範囲で争議行為(労働者の要求の示威又は貫徹のための圧力行為)やその他の組合活動(ビラ配付等の街宣活動)を行うことは,面会強制その他の民事・刑事についての違法性を阻却する。被告らの行った行為は,いずれも,被告組合の活動として,その組合員である被告Bの解雇撤回及び職場復帰のための団体交渉を求めて行われたものである。 労働組合の団体交渉においては,使用者から解雇された者もなお労働者であり,当該被解雇者の解雇撤回及び復職の要求は,同人を解雇した使用者との関係において団体交渉事項となるのは当然であって,この要求を実現する労働組合の活動は,当然,憲法及び労働組合法の保護を受ける。 オ原告Aの差止請求の不合理性等原告Aは,原告Aの自宅の門扉の中心点を基点として半径200メートルの範囲内の土地で行う行為について差し止めを求めているが,その範囲は余りにも広範であり,このような制限には合理的理由がない。 なお,被告B,同Eは,被告組合の組合員として,被告組合の方針の下に行動しているにすぎず,被告B,同Eには責任はない。 (2) 原告Aの損害賠償請求の成否及び相当額(争点2)被告らの前記(1)の原告A宅での面会を求める行為等が,原告Aの住居の平穏(私生活の平穏)を害し,その名誉・信用を毀損するものとして,原告Aは被告らに対し,不法行為に基づき損害賠償を請求することができるか。また,損害賠償額は幾らが相当か。 【原告A】被告らの行為は,争点1に記載したとおり,原告Aの住居の平穏(私生活の平穏)を侵害するとともに,原告Aの名誉・信用を害する違法なものであって,不法行為を構成する。 損害額は,ビラ配付が行われていることが間違いない場合(争い 記載したとおり,原告Aの住居の平穏(私生活の平穏)を侵害するとともに,原告Aの名誉・信用を害する違法なものであって,不法行為を構成する。 損害額は,ビラ配付が行われていることが間違いない場合(争いのない事実等(3)ア(イ)(ウ)(エ)には各20万円が相当であり,被告らがビラ配付をしたかどうか明確な立証ができない場合(争いのない事実等(3)ア(ア))には15万円が相当である。 ページ(9)したがって,原告Aは,被告らに対し,各自75万円及びこれに対する訴えの変更申立書が送達された日の翌日である平成15年5月29日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 なお,慰謝料の算定に当たっては,原告Aが不在の際の同居家族の心配や,被告らがこれまで土曜日,日曜日,祭日に原告A宅へ押しかけて来ており,原告Aとしては心休まることがなく,現に健康を著しく害していること,被告らが拡声器を用いて演説したり,近隣にビラを配付したりするため,近隣にとって非常に迷惑となっており,原告Aとしては近隣に非常に気を遣う状況が続いていることなどを斟酌すべきである。 【被告ら】被告らの行為は,争点1に記載したとおり,原告Aの住居の平穏や名誉・信用を害するものではない。原告Aは,同人に生じた損害の内容を事実として主張立証すべきであるし,かつ,それが金銭的評価の可能なものであることも主張立証しなければならないところ,かかる意味での主張立証をしていない。 被告B,同Eは,被告組合の組合員として,被告組合の方針の下に行動しているにすぎず,被告B,同Eには責任はない。 (3) 原告会社の損害賠償請求の成否及び相当額(争点3)被告らの平成14年6月27日から同15年5月7日までの間の16回にわたる前記争いのない事実等(3)イ記載の街宣活動等が,原告会社の平 い。 (3) 原告会社の損害賠償請求の成否及び相当額(争点3)被告らの平成14年6月27日から同15年5月7日までの間の16回にわたる前記争いのない事実等(3)イ記載の街宣活動等が,原告会社の平穏に営業活動を営む権利を害し,その名誉・信用を毀損したとして,原告会社は,被告らに対し,不法行為に基づき損害賠償を請求することができるか。また,損害賠償額は幾らが相当か。 【原告会社】ア権利侵害被告らの本件街宣活動は,原告会社本社前等で,16回にわたり,①原告会社の本件解雇が不当であること(以下「本件①の事実摘示」という),②原告会社が弁護士に委任する等組合対応が不当であること(以下「本件②の事実摘示」という),③原告会社が別件訴訟で訴訟資料の捏造,訴訟妨害を行った結果,本件解雇に係る訴訟が誤った判決となったこと(以下「本件③の事実摘示」という),④原告会社は,別件仮処分・間接強制申立て等を行うことにより労働組合活動を封殺しようとしていること(以下「本件④の事実摘示」という),⑤原告会社は従業員を自殺に追いやる労務政策をとっていること(以下「本件⑤の事実摘示」という)を内容とするビラを通行人等に配付し,同様の内容のシュプレヒコール,演説等を行うものである。被告らのこれらの街宣活動が,原告会社の社会的評価を低下させる行為であることは明らかであり,また,原告会社の平穏に営業活動を営む権利を侵害していることも明白である。 イ違法性前記アのとおり,被告らの街宣活動の回数の多さ,執拗さは尋常ではなく,原告会社の受忍限度をはるかに超えており,被告らの行為は高度の違法性を有している。被告らの一連の行為を全体的に観察した場合,極めて頻繁かつ執拗に,多数回にわたって,様々な場所で原告会社への攻撃を繰り返しており,また,これらの行為が将来にわたり永遠に続けられる 違法性を有している。被告らの一連の行為を全体的に観察した場合,極めて頻繁かつ執拗に,多数回にわたって,様々な場所で原告会社への攻撃を繰り返しており,また,これらの行為が将来にわたり永遠に続けられることも明らかであって,正当な組合活動,表現行為の範囲を明らかに逸脱している。 ウ原告会社の被った損害,請求額(ア) 被告らは,その不当な要求,主張をわざわざ原告会社本社前や工場等の施設前とか同業者の集まる賀詞交歓会会場前,更には,原告会社の顧客も来訪するイベント会場前で行い,原告会社の名誉・信用を毀損し,かつ,近隣にも大変な迷惑となる場所までわざわざやってきて行っているのであり,原告会社への打撃が大きくなる場所を殊更に選んでいる。しかも,その態様は,ゼッケン・腕章を着用して,拡声器・ハンドマイクを用いた相当音量での演説・シュプレヒコール及びビラ配付というものであって,原告会社や近隣に与える不快感・迷惑感は極めて大きい。演説・ビラの内容も,本件解雇が不当であること,別件訴訟の判決が誤りであること等同じ内容が執拗に繰り返されており,何ら新規なものはなく,同じ場所で繰り返し聞かされている原告会社の者やαの入居者,来訪者等の不快感・迷惑感は多大なものがある。時間の点でも,被告らは,わざわざ人通りの多い時間帯を選んで街宣活動を行っており,通行人の迷惑や初めて街宣活動やビラを見る者に原告会社に対する誤解を生じさせる点でも悪質である。正午ころから午後1時過ぎまでの間に行われる被告らの街宣活動は,原告会社総務部員の昼食休憩時間を奪うという点でも原告会社の被る損害は大きい。 (イ) また,被告らによる街宣活動が原告会社や同社本社が入居しているαに出店しているブランドショップらの営業・業務を妨害し,多大な支障を生ぜしめていることは明らかである。被告らの抗議活動が始まってか (イ) また,被告らによる街宣活動が原告会社や同社本社が入居しているαに出店しているブランドショップらの営業・業務を妨害し,多大な支障を生ぜしめていることは明らかである。被告らの抗議活動が始まってからは,原告会社ではその対応に忙殺されており,株主総会・取締役会・監査役会の運営準備,社員教育,給与等の原告会社総務部員の本来の業務が滞っている状況にある。原告会社の総務部員は,被告らの街宣活動中,ホテルβの警備担当者とともに同活動を監視し,かつ記録をとらなければならず,また,街宣活動終了後にはテープ起こし等に忙殺されるほか,他のブランドショップへの謝罪等を余儀なくされるなどしている。原告会社の総務部員以外の従業員も,被告らの街宣活動が執拗に繰り返され,自らの所属する会社が誹謗中傷されることから,同活動中は業務に集中できない等の被害を被っている。 (ウ) 以上(ア)(イ)を考慮すれば,原告会社が被った損害額は,ビラ配付以外に拡声器使用による演説やシュプレヒコール等がされたとき(争いのない事実等(3)イ(ア)ないし(ウ),(オ)ないし(コ),(シ)ないし(タ))はビラを受け取らなかった人についても原告会社に対する評価が低下する危険が生じている可能性があるので各30万円が,ビラ配付以外の行為をしたかどうか明確な立証ができない場合(争いのない事実等(3)イ(エ)(サ))については各20万円が相当である。そうすると,原告会社は,被告らに対し,各自460万円及びこれに対する訴えの変更申立書が送達された日の翌日である平成15年5月29日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求権を有しているということになる。 エ被告らの違法性ないし責任阻却の主張に対する原告会社の反論(ア) 正当な組合活動の主張に対し被告Bは原告会社の従業員(労働者)では による遅延損害金の支払請求権を有しているということになる。 エ被告らの違法性ないし責任阻却の主張に対する原告会社の反論(ア) 正当な組合活動の主張に対し被告Bは原告会社の従業員(労働者)ではなく,被告組合には原告会社の従業員は1人もいないのであるから,被告らが原告会社に対し,原告会社の労働組合として団体交渉の申し入れをし,かつ同申し入れに関わる諸活動をして,同組合活動の正当性を主張する余地はない。被告らの街宣活動等は,もはや憲法及び労働組合法の保護を受け得ない。被告Bに対する本件解雇が有効であるとの判断が公権的に確定した以上,原告会社には,被告らに対し,団交応諾義務はないはずである。 (イ) 公共の利害に関する事実,専ら公益を図る目的の欠如a 本件解雇が不当かどうかの問題は,被告B個人の問題にすぎず,原告会社という「特定の集団社会」ないし「部分社会」においても,「社会」全体の問題とはいえない。したがって,被告らの街宣活動等は,公共の利害に関する事実についてのものではない。 b 被告らの街宣活動等の目的は,正当かつ有効な本件解雇を威力によって撤回させることにあり,専ら公益を図る目的でないことは明らかである。 (ウ) 真実性及び真実と信じるについての相当性の欠如a 本件①の事実摘示(本件解雇が不当か否か)について別件訴訟における,被告Bの元上司の陳述及び証言は多くの客観的証拠(甲114ないし120)に合致し,信用できるものであるのに対し,被告Bの陳述や供述は客観的証拠に合致せず信用できない。被告Bがミスを繰り返していたことは間違いのないことであり,本件解雇は正当なものであって,被告らが本件解雇を不当とする根拠はない。また,ページ(10)原告会社は,別件訴訟において立証妨害などしておらず,控訴審において被告Bの本人尋問の申出が却下されたのは ,本件解雇は正当なものであって,被告らが本件解雇を不当とする根拠はない。また,ページ(10)原告会社は,別件訴訟において立証妨害などしておらず,控訴審において被告Bの本人尋問の申出が却下されたのは既に第一審で取調べがされており,再度尋問する必要性が乏しいとされたにすぎない。したがって,本件解雇を不当とする余地はない。 以上によれば,本件①の事実摘示(本件解雇が不当か否か)は真実ではなく,被告らにおいて真実と信じるについて相当な理由もない。 b 本件②の事実摘示(弁護士に委任することの不当性)について原告会社は,本件解雇の有効を前提とする金銭和解であれば,一定の対応をなしうる用意があったことから,原告会社の者も団体交渉のメンバーとして出席させ,被告組合と交渉を行う用意があることを何度も繰り返し通知し,また,裁判所からの和解勧告を受け入れて和解交渉を行う用意があることを被告組合に知らせていた。したがって,被告らが,「会社は弁護士任せの無責任な対応に終始しました」「全く労使間の話し合いに応じようとしませんでした」と主張することは事実に反し,真実であると信じるにつき相当な理由もない。 c 本件③の事実摘示(証拠資料捏造等の存否)について原告会社が別件訴訟において提出した訴訟資料は,客観的な証拠である。原告会社は,平成13年4月18日,顧客を訪問した際,顧客から「被告Bが突然現れ,唐突な質問をして回っており,書類にサインをした者もいる」との話を聞いた。そこで,原告会社は,顧客から,被告Bが事前の予約もなく突然現れたこと,裁判に使用するものであるとは聞かされていないで対応したこと,突然昔のことを聞かれたため正確な回答ができなかったこと,サインした書類の控えも渡されていないことを確認した上で,「B氏宛提出書類無効確認の件」と題する書面(乙9ないし11) れていないで対応したこと,突然昔のことを聞かれたため正確な回答ができなかったこと,サインした書類の控えも渡されていないことを確認した上で,「B氏宛提出書類無効確認の件」と題する書面(乙9ないし11)を作成してもらった。原告会社は,前記書面の作成者に対し,作成を強要したことはない。原告会社の以上の対応は,訴訟当事者として当然の立証活動であって,被告Bの立証活動に対する妨害などではない。被告らは,原告会社が訴訟資料を捏造し,訴訟妨害を行った結果,本件解雇にかかる別件訴訟が誤った判決となった旨の誤解を意図的に生じさせようとしているのである。したがって,本件③の事実摘示(証拠資料捏造等の存否)は真実ではなく,被告らにおいて真実と信じるについて相当な理由もない。 d 本件④の事実摘示(労働組合活動の封殺等の存否)について被告らは,原告会社が不法に被告らの労働組合活動の弾圧を行おうとしている旨の誤解を意図的に生じさせようとしているが,原告会社が不法に被告らの労働組合活動を封殺しようとした事実はなく,被告らがそう信じるにつき相当な理由もない。 e 本件⑤の事実摘示(不当な労務政策等の存否)について被告らは,原告会社が意図して従業員に過酷なノルマを課し,職場で追いつめ自殺に追いやっているかのごとき誤解を意図的に生じさせようとしているが,原告会社が,従業員を自殺に追いやる労務政策をとった事実はなく,被告らがそう信じるにつき相当な理由もない。被告らは,毎日新聞の記事の外にはビラの記載内容について裏付けをとっていない。そもそも新聞記事ですら,「男性は自らに課したノルマが達成できないことを苦にし」としており,前記新聞記事は「(原告会社が)過酷なノルマを課して,自殺者を出させている」などという判断・評価の根拠とはならない。 【被告ら】ア権利侵害性(名誉・信用毀損等 達成できないことを苦にし」としており,前記新聞記事は「(原告会社が)過酷なノルマを課して,自殺者を出させている」などという判断・評価の根拠とはならない。 【被告ら】ア権利侵害性(名誉・信用毀損等)の欠如(ア) 被告らの街宣活動等は,いずれも典型的かつ正当な労働組合としての活動である上,被告らはこれらの行為を整然と行っており,原告会社の営業活動や名誉・信用を現実に侵害していない。 (イ) 原告会社は,単に被告らの行為によって迷惑を被っているというに等しい程度の抽象的な主張をしているにすぎない。原告会社は,被告らの行為によって,原告会社のどのような営業活動がどの程度侵害されたのか,原告会社のどのような評価がどの程度毀損されたのかについて,何ら具体的に主張していない。原告会社の総務部員が被告らの街宣活動等に対応しなければならないとしても,人事は総務部の所管事項であり,総務部の一般的な業務に含まれることであって,原告会社総務部の業務が阻害されることにはならない。また,原告会社の総務部員が,被告らの街宣活動中に,同活動を監視したり,記録をとってその終了後にテープ起こしをする必要などないはずである。「他のブランドショップへの謝罪」等も,原告会社の営業活動に支障を生じさせるものとはいえない。被告らが,α前歩道で街宣活動をしても,α11階にある原告会社本社にはスピーカーで声を出している程度の音声しか届かず,原告会社の業務を何ら妨害するものではない。 イ違法性の欠如被告組合の行動は正当なものであり,しかも整然と行われたものであり,違法性はない。 ウ損害の不発生原告会社は,同社に発生した無形損害の内容を事実として主張立証すべきであるし,かつそれが金銭的評価の可能なものであることも主張立証しなければならないところ,原告会社はかかる意味での主張立証をしていな 原告会社は,同社に発生した無形損害の内容を事実として主張立証すべきであるし,かつそれが金銭的評価の可能なものであることも主張立証しなければならないところ,原告会社はかかる意味での主張立証をしていない。したがって,原告会社が被告らの行為によって損害を被ったとの主張及びその損害額についての主張は,いずれも否認する。 エ違法性ないし責任阻却要件の具備(ア) 正当な組合活動a 被告らの街宣活動等は,被告組合の正当な行為としてなされたものであり,違法性ないし責任が阻却される。原告会社は「名誉・信用の毀損」にこだわるが,同社は使用者として労働条件の改善等に関する労働組合の抗議行動を一定程度受忍する義務がある。 b 労働者には,その代表者を通じて使用者と労働条件その他の待遇や労使関係上のルールについて取り決めることを目標として交渉する権利(団体交渉権)があり,その交渉を実効あらしめるために一定の範囲で争議行為(労働者の要求の示威又は貫徹のための圧力行為)やその他の組合活動(ビラ配付等の街宣活動)を行うことは,面会強制その他の民事・刑事についての違法性を阻却する。被告らが行った行為は,いずれも,被告組合の活動として,その組合員である被告Bの解雇撤回及び職場復帰のための団体交渉を求めて行われたものである。 c 被告Bと原告会社との間の雇用契約の不存在が公権的に確認されたとしても,元原告会社の従業員であった被告Bが,元使用者である原告会社に対し本件解雇の撤回ないしは再雇用の要求をすること,これを被告組合が原告会社に要求しそのための団体交渉を申し入れることは,なお憲法上労働組合に保障された団体交渉権及び団体行動権に属する正当な活動である。労働組合の団体交渉においては,使用者から解雇された者もなお「労働者」であり,当該被解雇者の解雇撤回及び復職の要求は,被解雇者を解 働組合に保障された団体交渉権及び団体行動権に属する正当な活動である。労働組合の団体交渉においては,使用者から解雇された者もなお「労働者」であり,当該被解雇者の解雇撤回及び復職の要求は,被解雇者を解雇した「使用者」との関係において団体交渉事項となるのは当然であって,この要求を実現する労働組合の活動は,当然,憲法及び労働組合法の保護を受ける。解雇を有効とする判決が確定しても,これはあくまでも訴訟法上の確定であり,事実上の争いはなお終結していないことがあり,そうした社会的実情のもとで,使用者が当該解雇を翻して被解雇者を復職させることは可能であるし,さらには,被解雇者を再雇用するという経営判断も可能であって,そうした可能性が存在する以上,労働組合の活動については,憲法及び労働組合法の保護が及ぶ。 (イ) 違法性ないし責任阻却要件の具備a 仮に,被告らの行為が原告会社の名誉・信用を毀損するものであったとしても,いずれも公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出たものであって,かつ,被告らが摘示した事実はいずれも真実であるか,真実でなかったとしても,被告らが真実であると信じたことに相当な理由があるから,違法性ないし責任阻却要件が具備しており,不法行為は成立しない。 ページ(11)b 「公共の利害に関する」「公益を図る目的」要件の具備個々の組合員に対する解雇の撤回と復職を求めることが組合員全体の経済的地位の向上や組合員の団結・維持強化につながり,ひいては労働者全体の地位向上に資することになる。被告らの街宣活動は,いわゆる地域一般労働組合の活動として行われたものである。すなわち,被告らは,原告会社の労務管理の不当性を社会に訴えて原告会社の労働者に対する労務管理の改善等を求めることを通じて,一般的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ること われたものである。すなわち,被告らは,原告会社の労務管理の不当性を社会に訴えて原告会社の労働者に対する労務管理の改善等を求めることを通じて,一般的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを目的として行ったものである。名誉・信用毀損の違法性ないし責任阻却の要件である「公共の利害に関する事実」とは,社会全体の利害に関わる事実に限定されるものではなく,特定の集団社会においてのみ利害関係を有する事実をも含むものであり,また,かかる事実の摘示について「専ら公益を図る目的」とは,その部分社会の利益を図ることに主要な動機が存在すれば足りる。そうだとすると,被告らの行為は,「公共の利害に関する事実」について,「専ら公益を図る目的」でされたものということができる。 c 真実性及び真実と信じるについての相当性の要件具備① 本件①の事実摘示(本件解雇が不当か否か)について本件解雇は不当なものであり,仮にそうでないとしても,被告らが本件解雇を不当であると信じたことには相当な理由がある。原告会社が主張する本件解雇事由は,いずれも被告Bの上司や同僚等の報告に基づくものであり,その内容は明らかに事実無根のものや誤解に基づくものが多数含まれていたほか,不当に誇張・歪曲されたものがほとんどであった。原告会社がこのような報告によって認定された事実を理由に被告Bを解雇したことそれ自体が著しく不当なものである。本件解雇を有効とする別件訴訟の公権的判断は確定したが,同訴訟の一審判決及び控訴審判決は専ら被告Bの上司らの陳述書と証言に基づいて原告会社が主張する事実を認定するなど誤ったものである。また,被告Bは,別件訴訟の控訴審において,担当していた顧客からのコメントを記した書面(乙5ないし8)を証拠として提出するとともに,被告Bに対する本人尋問を申請したが,控訴裁判所は,本 たものである。また,被告Bは,別件訴訟の控訴審において,担当していた顧客からのコメントを記した書面(乙5ないし8)を証拠として提出するとともに,被告Bに対する本人尋問を申請したが,控訴裁判所は,本人尋問の申請を却下し,前記書面の証拠価値を一方的に否定し,本件解雇を有効とする第一審判決を支持し,被告Bの控訴を棄却した。別件訴訟の上告審は,十分に上告理由となるべき事情が存在したにもかかわらず,何ら実質的な審理をすることなく,被告Bの上告を棄却した。したがって,被告らが,上記最高裁の決定後も依然として本件解雇が不当であると信じることには相当な理由がある。 ② 本件②の事実摘示(弁護士に委任することの不当性)について原告会社は,被告組合の団体交渉申し入れに対し,被告組合との交渉一切を3名の弁護士に委任し,経営者として直接被告組合と団体交渉することを拒絶した。団体交渉とは,労使両当事者間で直接面談の上行われることを意味する。 平成11年5月25日には原告会社のF総務部副部長が原告会社の対応は適当でなかったと認め,被告組合に謝罪までしている。したがって,原告会社の弁護士委任等組合対応が不当である旨の主張は,真実ないしは真実であると信じるにつき相当な理由がある。 ③ 本件③の事実摘示(証拠資料捏造等の存否)について被告Bは,別件訴訟の控訴審において,その仕事ぶりについて,「よくやっていた」「問題はなかった」等と評する原告会社の顧客のコメントを書証として提出した(乙5ないし8)。これに対し,原告会社は,従業員に各顧客を訪問させて,上記コメントは任意に書いたものではない旨の定型文(乙9ないし11)に署名捺印をさせ,かつ,被告Bからの証言要請に応じないように働きかけて,被告Bの立証活動を妨害した。この結果,別件訴訟の控訴審では,被告Bの本人尋問が採用されず,同訴 い旨の定型文(乙9ないし11)に署名捺印をさせ,かつ,被告Bからの証言要請に応じないように働きかけて,被告Bの立証活動を妨害した。この結果,別件訴訟の控訴審では,被告Bの本人尋問が採用されず,同訴訟は被告Bの敗訴に終わった。したがって,原告会社が,別件訴訟において,訴訟資料の捏造,訴訟妨害を行った結果,本件解雇に係る訴訟が誤った判決となったとの被告らの主張は真実であるか,被告らが真実であると信じるにつき相当な理由がある。 ④ 本件④の事実摘示(労働組合活動の封殺等の存否)について原告会社が,仮処分・間接強制申立てをすることにより労働組合活動を封殺しようとしているとの被告らの主張は真実であるか,被告らが真実であると信じるにつき相当な理由がある。 ⑤ 本件⑤の事実摘示(不当な労務政策等の存否)について平成14年11月1日の毎日新聞朝刊の記事によれば,原告会社の労務政策が従業員を自殺に追いやったことは事実である。 オ被告B,同Eの責任について被告B,同Eは,被告組合の組合員として,被告組合の方針の下に行動しているにすぎず,被告B,同Eには責任はない。 カ原告会社の主張を意見ないし論評は違法であると善解した場合原告会社の主張は,ある事実を基礎とした被告組合の意見ないし論評の表明が名誉・信用毀損であると解されないではない。原告会社の主張をそのように解したとしても,基礎となる事実が公共の利害に関するものであり,しかも表明の目的が専ら公益を図ることにあった場合には,基礎となる事実が重要な部分において真実であることの証明があったときは,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,当該意見ないし論評は違法性を欠く。また,基礎となる事実が重要な部分において真実であることの証明がないときでも,行為者において真実であると信じるに足 意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,当該意見ないし論評は違法性を欠く。また,基礎となる事実が重要な部分において真実であることの証明がないときでも,行為者において真実であると信じるに足りる相当な理由があれば,その故意又は過失は否定される。本件においては,被告らのビラ等は,上記の要件を満たすものであるから,仮に,これらによって原告会社の名誉・信用が毀損されたとしても,違法性等を欠き,不法行為は成立しない。 (4) 原告会社の差止請求の成否(争点4)被告らの前記争いのない事実等(3)記載の街宣活動等が,原告会社の平穏に営業活動を営む権利を害し,名誉・信用を毀損したとして,原告会社は被告らに対し,前記第1請求第2項記載の差し止めを請求することができるか。 【原告会社】ア原告会社が求める差止行為は,これまで被告らが実際に行ってきた行為及びこれに通常伴う行為並びに被告らにおいて容易に予想することができる行為であって,不当に被告らの活動を制約したり,被告らの予測可能性を奪うものではない。原告会社が求めているのは,被告らがよく用いる表現であるところの原告会社に対する「抗議」「攻撃」を被告らが止めることである。原告会社の求める差止請求は,被告らが妥当とする被告らの過去の具体的行動に基づき予測される具体的に特定された行為の不作為を命ずるものであり,被告らの予測可能性を奪うものではない。 イ被告らは,原告会社に対し,執拗に抗議・要求等を繰り返しているが,被告らのこれらの行為は,争点3のところで記載したとおり,正当な組合活動,表現の自由の範囲を逸脱した違法なものである。 被告らの街宣活動の回数の多さ,執拗さは尋常でないというほかなく,原告会社にとって,その頻繁さ,執拗性それ自体からして受忍限度をはるかに超えている。被告らの一連の行為を全体的に観察した ものである。 被告らの街宣活動の回数の多さ,執拗さは尋常でないというほかなく,原告会社にとって,その頻繁さ,執拗性それ自体からして受忍限度をはるかに超えている。被告らの一連の行為を全体的に観察した場合,極めて頻繁かつ執拗に,多数回にわたって,様々な場所で原告会社への攻撃が繰り返されており,また,これらの行為が将来にわたり永遠に続けられることも明らかである。したがって,被告らの行為は,憲法及び労働組合法等で認められている正当な組合活動,表現の自由の範囲を明らかに逸脱している。 被告らは,その不当な要求,主張をわざわざ原告会社の本社前や工場等の施設前とか同業者の集まる賀詞交歓会会場前,更には,原告会社の顧客も来訪するイベント会場前で行うなど,原告会社への打撃が大きくなる場所を殊更に選んで行っている。しかも,その態様は,ゼッケン・腕章を着用して,拡声器・ハンドマイクを用いた相当音量での演説・シュプレヒコール及びビラ配付というものであって,原告会社や近隣に与える不快感・迷惑感は極めて大きい。演説・ビラの内容も,本件解雇が不当であること,別件訴訟の判決が誤りであること等同じ内容を執拗に繰り返すものであページ(12)り,原告会社やαの入居者,来訪者に与える不快感・迷惑感は多大なものがある。時間の点でも,被告らは,わざわざ人通りの多い時間帯を選んで街宣活動を行っており,通行人の迷惑や初めて街宣活動やビラを見る者に原告会社に対する誤解を生じさせる点でも悪質である。正午ころから午後1時過ぎまでの間に行われる街宣活動は,原告会社総務部員の昼食休憩時間を奪うという点でも違法性の程度は大きい。 以上のとおり,被告らの行為は相当とされる限度を超え,不当に原告会社や近隣に損害・迷惑を及ぼすものといわざるを得ない。 ウ被告らは,原告会社が被告Bに対する本件解雇を撤回し 違法性の程度は大きい。 以上のとおり,被告らの行為は相当とされる限度を超え,不当に原告会社や近隣に損害・迷惑を及ぼすものといわざるを得ない。 ウ被告らは,原告会社が被告Bに対する本件解雇を撤回しない限り,永遠に街宣活動等の原告会社を非難する活動を続けるとしているが,かかる被告らの一連の活動によって原告会社が被り,また被るであろう被害・損害はあまりに甚大であり,被告らの行為を差し止める必要性は高い。 エ原告会社が被告らに対し求める差止行為の内容は,被告らがこれまで行ってきた不法行為の数々の実態に照らせば極めて正当・相当な範囲内のものである。 【被告ら】ア原告会社の差止請求の不特定性原告会社が禁止を求める個々の行為自体がいずれも不特定,曖昧かつ著しく広範であって不当である。のみならず,差し止めを求める行為として「下記の行為」のほかに「その他の方法」まで含めており,これでは差止行為の範囲を画することが全く不可能である。また,差し止めを求める行為は,原告会社の営業活動を妨害し,又は名誉・信用を毀損する行為とされているが,いずれも価値判断や評価を要するものであり,差止事項としての明確性を欠く。したがって,前記第1請求第2項記載の差止請求は,請求の趣旨自体が不特定であり,却下されるべきである。 イ差止請求の成否について被告らの行為は,いずれも典型的かつ正当な労働組合としての活動である上,被告らはこれらの行為を整然と行っており,争点3【被告ら】主張で記載したとおり,原告会社の営業活動や名誉・信用を現実に侵害するものではない。原告会社は,単に被告らの行為によって迷惑を被っているというに等しい程度の抽象的な主張をすることによって,他人に迷惑を及ぼす行為は当然差し止められて然るべきであるとの乱暴な論理を展開しているにすぎない。 ウ表現の自由との関係 によって迷惑を被っているというに等しい程度の抽象的な主張をすることによって,他人に迷惑を及ぼす行為は当然差し止められて然るべきであるとの乱暴な論理を展開しているにすぎない。 ウ表現の自由との関係表現の自由に対する事前抑制は,当該行為が他人の権利を侵害する明白かつ現在の危険がある場合に限られるべきであるところ,被告らの行為はこのような要件を満たしていない。 エ原告会社の差止請求の不合理性原告会社は,原告会社本店が入居しているビルの入口ドアの中心点を基点として半径200メートルの範囲内の土地等で行う行為について差し止めを求めているが,その範囲は余りにも広範であり,このような制限には合理的理由がない。 第3 争点に対する判断 1 争点1(原告Aの差止請求の成否)について(1) 請求の趣旨の特定性について被告らは,原告Aの被告らに対する請求の趣旨(前記第1請求第1項)自体が不特定であることを理由に,原告Aの被告らに対する差止請求は却下されるべきであると主張する(争点1【被告ら】主張ア)。 しかしながら,前記第1請求第1項はその内容が十分特定されており,不特定であるとはいえない。被告らは,「その他の方法」では差し止めの対象となる範囲が限定されないとか,「住居の平穏を害し,または名誉・信用を毀損する行為」との文言は価値判断や評価を要し,明確性に欠けると主張するが,本件差止請求は前記第1請求第1項の(1)から(5)で,その内容が詳細に例示されている上に,一般に,差止行為を余りに明確に特定すると潜脱されるおそれがあるため,ある程度包括的な文言でもやむを得ないと解するのが相当であること等に照らすと,被告らの主張は採用することができない。 (2)差止請求の成否についてア労使関係の場で生じた問題は,労使関係の領域である職場領域で解決すべきであり,企業経 いと解するのが相当であること等に照らすと,被告らの主張は採用することができない。 (2)差止請求の成否についてア労使関係の場で生じた問題は,労使関係の領域である職場領域で解決すべきであり,企業経営者といえども,個人として,住居の平穏や地域社会における名誉・信用が保護,尊重されるべきであるから,労働組合の諸権利は企業経営者の私生活の領域までは及ばないと解するのが相当である。したがって,労働組合の活動が企業経営者の私生活の領域において行われた場合には,当該活動は労働組合活動であることのゆえをもって正当化されるものではなく,それが,企業経営者の住居の平穏や地域社会における名誉・信用という具体的な法益を侵害しないものである限りにおいて,表現の自由の行使として相当性を有し,容認されることがあるにとどまるものと解するのが相当である。したがって,企業経営者は,自己の住居の平穏や地域社会における名誉・信用が侵害され,今後も侵害される蓋然性があるときには,これを差し止める権利を有しているというべきである。この点に関し,被告らは,表現の自由に対する事前抑制は,当該行為が他人の権利を侵害する明白かつ現在の危険がある場合に限られるべきであると主張する(争点1【被告ら】主張ウ)が,差し止めに当たって,労働組合が活動として行う表現の自由の保障と企業経営者の住居の平穏(平穏な私生活を営む権利)やその名誉・信用の保護との調整は前示のとおりに解するのが相当であるから,被告らの主張は採用することができない。 イ以上の判断基準に立って,本件をみてみるに,前記争いのない事実等(3)ア,弁論の全趣旨によれば,①被告らは,閑静な住宅街にある原告A宅を4回にわたって訪れて,原告Aとの面会を求めた上で原告Aに申入書を交付し,あるいは,原告A宅の塀に横断幕を張ったり,原告Aが出てこないとイ 論の全趣旨によれば,①被告らは,閑静な住宅街にある原告A宅を4回にわたって訪れて,原告Aとの面会を求めた上で原告Aに申入書を交付し,あるいは,原告A宅の塀に横断幕を張ったり,原告Aが出てこないとインターホンを鳴らしたり,ゼッケンを着用しハンドメガホンを使用して抗議ビラを読み上げるなど,本来的には職場領域で解決されるべき労使紛争を原告A個人の私生活の領域に持ち込んで住居の平穏(平穏な私生活を営む権利)を侵害するとともに,原告Aの住所,電話番号を記載した原告Aを非難する内容のビラを近隣世帯に投函して原告Aの地域社会における名誉・信用を毀損したこと,②被告らは,平成14年7月7日以降,原告A宅を訪れてはいないが,被告らは現在に至るまで本件解雇の撤回を求めて行動しており,被告らは,当法廷において,今後,原告A宅へ面会等を求めて赴かないとは約束できない旨言明していることなどが認められ,これらの点に照らすと,本請求が棄却された場合には,被告らが今後も原告A宅を訪れて上記行動に出る蓋然性が存することを否定できないことが認められる。そうだとすると,被告らのビラの記載内容がたとえ真実であったとしても,被告らの行為は相当性の範囲を著しく超える違法なものであるといわざるを得ず,しかも,今後も原告A宅を訪れて上記行動に出る蓋然性が存する本件にあっては,被告らの行為を差し止める必要性があると解するのが相当である。しかし,被告らの前記行為や原告A宅の周囲の状況(甲51の1)等に鑑みると,被告Aの上記権利を保護するためには,原告Aの前記第1請求第1項の差止請求は,主文第1項の限度で認容すれば足りると解され(なお,被告B及び同Eは,被告組合の組合員として上記行為を行っているが,被告組合の上記行為が違法である以上,これに参加した被告B及び同Eもまた差し止めの対象となる。),これ 認容すれば足りると解され(なお,被告B及び同Eは,被告組合の組合員として上記行為を行っているが,被告組合の上記行為が違法である以上,これに参加した被告B及び同Eもまた差し止めの対象となる。),これを超える部分については理由がないというべきである。 (3) 被告らの主張についての検討ア被告らは,原告Aが抽象的な「心配」等を訴えるのみで,具体的な法益侵害の主張立証をしていないと主張する(争点1【被告ら】主張イ)。 しかし,前記(2)イで判示したとおり,原告Aは,住居の平穏や名誉・信用という具体的な法益に対する侵害を主張立証しているのであるから,被告らの主張は採用することができない。 ページ(13)イ被告らは,原告A宅が原告会社の公的な場所であるとも主張する(争点1【被告ら】主張イ)。 しかし,原告Aが自宅から直接出張に出発し,あるいは,原告会社の従業員が原告A宅に居合わせたとしても,これをもって,原告A宅が原告会社の公的な場所になり,住居の平穏が保護されなくなるとは解し難く,前記被告らの主張は採用することができない。 ウまた,被告らは,原告Aが名誉・信用毀損として主張する各ビラの記載内容は,あくまでも原告会社代表者としての行為の記述にすぎず,原告Aの個人的な「社会的評価を低下させるもの」ではないから,原告Aの名誉・信用を毀損するものではないと主張する(争点1【被告ら】主張イ)。 しかし,前記争いのない事実等(3)アで認定したとおり,当該ビラは,いずれも,原告Aの自宅の写真が掲載され,抗議先として,原告A宅の住所及び電話番号が記載されていた上に,「旭ダイヤの不当解雇を許さないぞ!!A社長は自主団交に応じろ!!」「この解雇問題の責任者である旭ダイヤモンド工業(株)の代表取締役社長A氏が,ここ,・・・εのζに住んでいます。」,「旭ダイヤは不当解 旭ダイヤの不当解雇を許さないぞ!!A社長は自主団交に応じろ!!」「この解雇問題の責任者である旭ダイヤモンド工業(株)の代表取締役社長A氏が,ここ,・・・εのζに住んでいます。」,「旭ダイヤは不当解雇を撤回しろ!!A社長の無責任な対応を許さないぞ! !」,「旭ダイヤのA社長は無責任な対応をあらため,組合と話し合い,不当解雇を撤回せよ!!」等と記載されていることが認められ,これらの記載からは,原告会社のみならず原告A個人を非難し,その社会的評価を低下させていると認めるのが相当である。のみならず,被告B自身,本人尋問の際に,原告会社の経営の責任者は原告Aであり,その責任者に本件解雇問題の責任がある旨近隣住民にPRする目的でこれらを配付した旨供述していることをも併せ考慮すると,被告らの主張は理由がなく,これを採用することはできない。 エさらに,被告らは,被告らの行為は原告Aの住居の平穏を侵害するものではなく,その名誉・信用を害するものではないと主張する(争点1【被告ら】主張イ)が,前記(2)イに照らし,その主張は採用することができない。 (4) 小括以上によれば,原告Aの被告らに対する差止請求は,主文第1項の限度で理由があるのでこれを認容するのが相当であり,これを超える請求部分は理由がないのでこれを棄却するのが相当である。 2 争点2(原告Aの損害賠償請求の成否及び相当額)について(1) 被告らの平成14年3月21日から同年7月7日までの間の4回にわたる前記争いのない事実等(3)ア記載の原告A宅での面会を求める行為等は,前記1(2)イで判示したとおり,原告Aの住居の平穏を害し,その名誉・信用を毀損する違法なものである。したがって,原告Aは,被告らに対し,不法行為に基づき損害賠償を請求することができる。 (2) この点に関し,被告らは,原告Aが被告らの行 住居の平穏を害し,その名誉・信用を毀損する違法なものである。したがって,原告Aは,被告らに対し,不法行為に基づき損害賠償を請求することができる。 (2) この点に関し,被告らは,原告Aが被告らの行為によって被った損害を主張立証すべきところこれをしておらず,また,それが金銭的評価の可能なものであることについても主張立証していない旨主張する(争点2【被告ら】主張)。しかしながら,原告Aは,その住居の平穏(私生活の平穏)及び名誉・信用が害された旨主張立証しており,また,その旨前示1(2)イのとおり認められること,慰謝料の額は,証拠資料に基づき事実審の口頭弁論終結時までに生じたと認定することができる諸般の事情を斟酌して裁判所が算定するものであること等に照らすと,被告らの主張は採用することができない。 また,被告らは,被告B及び同Eは,被告組合の組合員として被告組合の方針の下に行動しているにすぎず,被告B,同Eには責任がないと主張する(争点2【被告ら】主張)。しかし,組合員は,所属する労働組合の方針の下に行動しているといっても,当該労働組合の行為が違法である以上,これに参加している組合員の行為も違法となり,その責任を免責することはできず(違法な組合活動の方針が個々の組合員を拘束するとは解しえない),被告らの主張は採用することができない。 (3) 次に,原告Aが被告らの行為によって被った損害額について検討する。被告らの行為の態様や4回にもわたって執拗に繰り返されたこと等本件証拠により認められる諸般の事情を斟酌すれば,慰謝料の金額は50万円の限度で認容するのが相当であり,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 (4) 小括以上によれば,原告Aの被告らに対する損害賠償請求は,50万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余の請求部 であり,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 (4) 小括以上によれば,原告Aの被告らに対する損害賠償請求は,50万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余の請求部分は理由がない。 3 争点3(原告会社の損害賠償請求の成否及び相当額)について(1) 被告らのビラ配付等の街宣活動等の不法行為性についてア不法行為の被侵害利益としての名誉とは人又は法人の品性,徳行,名声,信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価のこと(最判昭和61年6月11日民集40巻4号872頁参照)をいい,信用とは経済的側面における社会的評価のこという。したがって,名誉・信用の毀損とは,これら人又は法人の客観的な社会的評価を低下させる行為のことをいう。これを本件についてみるに,前記争いのない事実等(3)イ記載の被告らの各ビラの本件①ないし⑤の事実摘示(①原告会社が,リストラの名の下に見せしめとして,本来は解雇すべき理由がないにもかかわらず「業務成績不良」を解雇理由としてでっちあげて被告Bを解雇したこと,②原告会社が,被告組合からの団体交渉申し入れに対し,一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡をとるようにと回答するなど,全く労使間の話し合いに応じようとしなかったこと,③原告会社が,別件訴訟において膨大な訴訟「資料」を捏造し,かつ,被告Bの採証活動を妨害した結果,別件訴訟が誤った判決となったこと,④原告会社が,警察と連携して被告組合の活動を潰そうとしたり,別件仮処分・間接強制を申し立てたりして,被告組合らの労働組合活動を圧殺しようとしていること,⑤原告会社が,従業員に過酷なノルマを課して自殺者を出す労務政策をとっていること)及びこれと同様の内容に係る被告らの街宣活動等は,いずれも,前記名誉,信用の定義に照らし,原告会社の名誉・信用を毀損し, 原告会社が,従業員に過酷なノルマを課して自殺者を出す労務政策をとっていること)及びこれと同様の内容に係る被告らの街宣活動等は,いずれも,前記名誉,信用の定義に照らし,原告会社の名誉・信用を毀損し,平穏に営業活動を営む権利を侵害しているものであるというべきである。そうだとすると,特段の事情の存在しない限り,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等は不法行為を構成するというべきであり,被告らはいずれも不法行為責任を負う(なお,被告らは,被告B,同Eは,被告組合の組合員として,同組合の方針の下に行動しているにすぎず,原告会社に対して責任を負わないと主張するが(争点3【被告ら】主張オ),被告組合の上記行為が違法である以上,これに参加した組合員である被告B及び同Eの行為も不法行為になるといわざるを得ず,この点の被告B,同Eの主張には理由がなく,採用の限りではない)。 イ被告らは,「原告会社は,単に被告らの行為によって迷惑を被っているというに等しい程度の抽象的な主張をしているにすぎない。原告会社は,原告会社のどのような業務がどの程度侵害されたか,原告会社のどのような評価がどの程度毀損されたのか,何ら具体的に主張していない。」として名誉毀損等の事実はないと主張する(争点3【被告ら】主張ア)。しかしながら,原告会社は,その名誉・信用及び平穏に営業活動を営む権利がそれぞれ侵害された旨主張立証しているし,また,上記アとおりその旨認められることに照らすと,被告らの前記主張は理由がなく採用することができない。 ウまた,被告らは,原告会社がある事実を基礎とした被告組合の意見ないし論評の表現を名誉毀損等であると主張しているとも解されるとしてこれに反論している(争点3【被告ら】主張カ)。しかしながら,前記アのとおり,原告会社の主張は事実に関するものであるから,被告らの反論は, 論評の表現を名誉毀損等であると主張しているとも解されるとしてこれに反論している(争点3【被告ら】主張カ)。しかしながら,前記アのとおり,原告会社の主張は事実に関するものであるから,被告らの反論は,その前提を欠いており,その余の点を判断するまでもなく理由がない。 (2) 特段の事情についての判断基準そこで,次に,被告らに特段の事情が存在したか否かを判断するに当たって,どのような基準に依拠するのが相当かについて検討することにする。 ページ(14)アこの点につき,被告らは,「被告組合の行動は正当なものであり,違法性ないし責任はない。原告会社は『名誉・信用の毀損』にこだわるが,使用者として労働条件の改善等に関する労働組合の抗議行動を一定程度受忍する義務がある。」と主張する(争点3【被告ら】主張エ(ア)a)。もとより,被告組合の行動が正当なものであり違法性がなければ,原告会社は被告組合の抗議行動を受忍すべき特段の事情が存すると認めることは誰しも異論がないところであろう。しかし,前記各ビラの記載内容が原告会社の名誉・信用を毀損し,平穏に営業活動を営む権利を侵害するものである以上,被告らの行動が正当なもので違法性がないというためには,被告らの配付のビラ,街宣活動に係る表現の内容が,いずれも公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出たものであって,かつ,被告らが摘示した本件①ないし⑤の各摘示事実がいずれも真実であるか,真実でなかったとしても,被告らが真実であると信じたことに相当な理由がある場合に限ると解するのが相当である。 イ被告らは,「労働者には,その代表者を通じて使用者と労働条件その他の待遇や労使関係上のルールについて取り決めることを目標として交渉する権利(団体交渉権)があり,その交渉を実効あらしめるために一定の範囲で争議行為(労働者の要 その代表者を通じて使用者と労働条件その他の待遇や労使関係上のルールについて取り決めることを目標として交渉する権利(団体交渉権)があり,その交渉を実効あらしめるために一定の範囲で争議行為(労働者の要求の示威又は貫徹のための圧力行為)やその他の組合活動(ビラ配付等の街宣活動)を行うことは,面会強制その他の民事・刑事についての違法性を阻却する。被告らが行った行為は,いずれも,被告組合の活動として,その組合員である被告Bの解雇撤回及び職場復帰のための団体交渉を求めて行われたものである。」旨主張し(争点3【被告ら】主張エ(ア)b),労働組合がゆえに特別の免責事由が存する旨を主張しているようにも思われる。しかし,別件訴訟(前訴)により,原告会社・被告B間に雇用関係のないことが公権的に確定し,法的には本件解雇に関する紛争は解決されて,以後被告組合は原告会社に対する団体交渉権を失っているのであるから,被告組合に対し,一般人には認められない労働組合がゆえの特別の免責事由等を認める余地はなく,前記真実性・相当性の抗弁が立証することができた場合に限って,名誉・信用の毀損及び平穏に営業活動を営む権利を侵害したことに対する免責を認めることができるというべきである。したがって,被告らの前記主張は理由がないので採用することができない。 ウまた,被告らは,「被告Bと原告会社との間の雇用契約の不存在が公権的に確認されたとしても,元原告会社の従業員であった被告Bが,元使用者である原告会社に対し本件解雇の撤回ないしは再雇用の要求をすること,これを被告組合が原告会社に要求しそのための団体交渉を申し入れることは,なお憲法上労働組合に保障された団体交渉権及び団体行動権に属する正当な活動である。労働組合の団体交渉においては,使用者から解雇された者もなお『労働者』であり,当該被解雇者の解雇撤 を申し入れることは,なお憲法上労働組合に保障された団体交渉権及び団体行動権に属する正当な活動である。労働組合の団体交渉においては,使用者から解雇された者もなお『労働者』であり,当該被解雇者の解雇撤回及び復職の要求は,被解雇者を解雇した『使用者』との関係において団体交渉事項となるのは当然であって,この要求を実現する労働組合の活動は,当然,憲法及び労働組合法の保護を受ける。解雇を有効とする判決が確定しても,これはあくまでも訴訟法上の確定であり,事実上の争いはなお終結していないことがあり,そうした社会的実情のもとで,使用者が当該解雇を翻して被解雇者を復職させることは可能であるし,さらには,被解雇者を再雇用するという経営判断も可能であって,そうした可能性が存在する以上,労働組合の活動については,憲法及び労働組合法の保護が及ぶ。」と主張する(争点3【被告ら】主張エ(ア)c)。しかし,公権的に,労使関係が存在しない旨法的な紛争解決が図られながらも,労働組合がその法的な紛争解決に納得できずに事実上の争いを続けている状態をもって,憲法・労働組合法という「法」のもとでは,なお労使関係が存続しているとはにわかに解することは困難であり,被告らの主張は独自の主張というべきであって,当裁判所としては,これを採用することができない。 (3) 特段の事情の存否そこで,以下,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等が,いずれも公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出たものであって,かつ,被告らが摘示した本件①ないし⑤の事実摘示はいずれも真実であるか,真実でなかったとしても,被告らが真実であると信じたことに相当な理由があるか否か,すなわち,特段の事情が存在するか否かについて検討することにする。 ア本件①の事実摘示(本件解雇の不当性)について(ア) 被告らは,本件①の事 告らが真実であると信じたことに相当な理由があるか否か,すなわち,特段の事情が存在するか否かについて検討することにする。 ア本件①の事実摘示(本件解雇の不当性)について(ア) 被告らは,本件①の事実摘示(本件解雇の不当性)が真実であるか,仮にそうでなかったとしても,そう信ずるにつき相当な理由がある旨主張し,その理由として,「原告会社が主張する本件解雇理由はいずれも被告Bの上司や同僚等の報告に基づくもので,その内容には明らかに事実無根のものや誤解に基づくものが多数含まれていたほか,不当に誇張・歪曲されたものがほとんどであった。原告会社がこのような報告によって認定された事実を理由に被告Bを解雇したことそれ自体が著しく不当なものである。本件解雇を有効とする別件訴訟の公権的判断は確定したが,同訴訟の一審判決及び控訴審判決は専ら被告Bの上司らの陳述書と証言に基づいて原告会社が主張する事実を認定するなど誤ったものである。また,被告Bは,別件訴訟の控訴審において,担当していた顧客からのコメントを記した書面を証拠として提出するとともに,被告Bに対する本人尋問を申請したが,控訴裁判所は,本人尋問の申請を却下し,前記書面の証拠価値を一方的に否定し,被告Bの控訴を棄却した。別件訴訟の上告審は,十分に上告理由となるべき事情が存在したにもかかわらず,何ら実質的な審理をすることなく,被告Bの上告を棄却した。」と主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)c①)。 (イ) しかしながら,前記争いのない事実等(2)イで認定したとおり,被告Bは,原告会社より勤務成績不良等を理由に普通解雇され,被告組合の支援のもとこれを争ったものの,前訴である別件訴訟において,本件解雇は有効である旨判断されていることが認められるのであるから,原告会社が,リストラの名の下に見せしめとして,本来は解雇すべ ,被告組合の支援のもとこれを争ったものの,前訴である別件訴訟において,本件解雇は有効である旨判断されていることが認められるのであるから,原告会社が,リストラの名の下に見せしめとして,本来は解雇すべき理由がないにもかかわらず「業務成績不良」を解雇理由としてでっちあげて被告Bを解雇したとの事実,換言すれば,本件解雇が不当であることは到底真実であるとはいえないし,被告らにおいて,この点について,真実であると信ずるにつき相当な理由があると認めることもできない。 被告らは,結局のところ,被告Bが前訴(別件訴訟)で主張したところをこれを審理した裁判所が採用しなかったので,その結論に納得することができないと主張しているにとどまるのであって,格別の資料・根拠に基づき相当な理由があると主張するものと解することはできない。 (ウ) 以上によれば,本件①の事実摘示(本件解雇の不当性)について,被告らに特段の事情が存在するとは認められず,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 イ本件②の事実摘示(弁護士に委任することの不当性)について(ア) 被告らは,本件②の事実摘示(弁護士に委任することの不当性)が真実であるか,仮にそうでなかったとしても,そう信ずるにつき相当な理由がある旨主張し,その理由として,「原告会社は,被告組合の団体交渉申し入れに対し,被告組合との交渉一切を3名の弁護士に委任し,経営者として直接被告組合と団体交渉することを拒絶した。団体交渉とは,労使両当事者間で直接面談の上行われることを意味する。平成11年5月25日には原告会社のF総務部副部長が原告会社の対応は適当でなかったと認め,被告組合に謝罪までしている。」旨主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)c③)。 (イ) しかしながら,前記争いのない事実等(2)アによれば,本件においては,原告会社が,被告組合 適当でなかったと認め,被告組合に謝罪までしている。」旨主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)c③)。 (イ) しかしながら,前記争いのない事実等(2)アによれば,本件においては,原告会社が,被告組合からの団体交渉申し入れに対し,一切を弁護士に委任したので弁護士と連絡をとるようにと回答している事実は認められるものの,原告会社が全く労使間の話し合いに応じようとしなかったとの事実は認めることができない。また,前記争いのない事実等(2)アによれば,原告会社は,代理人弁護士同席により団体交渉を行おうとしていたところ,被告組合は,原告会社の意図を知りながら,被告組合との合意がない旨主張して,代理人弁護士同席の団体交渉を拒否していたにすぎないのであって(争いのない事実等(2)ア(サ)(シ)),原告会社が全く労使間の話し合いに応じようとしていなかったとは認められないし,原告会社が,被告組合との交渉の全てを代理人弁護士に委ね,原告会社の役職員らは団体交渉に一切関与させないことを意図していたとも認めることができない。したがって,「原告会社が,・・・全く労ページ(15)使間の話し合いに応じようとしなかったこと」との事実は主要な部分において真実とはいえないし,また,前記争いのない事実等(2)ア認定の事実に照らせば,被告らが,前記事実を真実と信じるにつき相当な理由があったとはいえない。 (ウ) 以上によれば,本件②の事実摘示(弁護士に委任することの不当性)について,被告らに特段の事情が存在するとは認められず,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 ウ本件③の事実摘示(証拠資料捏造)について(ア) 被告らは,本件③の事実摘示(証拠資料捏造)が真実であるか,仮にそうでなかったとしても,そう信ずるにつき相当な理由がある旨主張し,その理由として,「被告Bは,別件訴訟の控訴審 料捏造)について(ア) 被告らは,本件③の事実摘示(証拠資料捏造)が真実であるか,仮にそうでなかったとしても,そう信ずるにつき相当な理由がある旨主張し,その理由として,「被告Bは,別件訴訟の控訴審において,その仕事ぶりについて,『よくやっていた』『問題はなかった』等と評する原告会社の顧客のコメントを書証として提出した。これに対し,原告会社は,従業員に各顧客を訪問させて,上記コメントは任意に書いたものではない旨の定型文に署名捺印をさせ,かつ,被告Bからの証言要請に応じないように働きかけて,被告Bの立証活動を妨害した。この結果,別件訴訟の控訴審では,被告Bの本人尋問が採用されず,同訴訟は被告Bの敗訴に終わった。」と主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)c③)。 (イ) しかしながら,被告の前記主張によっても,原告会社が別件訴訟において訴訟資料の捏造をしたことにはならないし,本件全証拠に照らしても,原告会社が,別件訴訟において膨大な訴訟「資料」を捏造したと認めるに足りる証拠は存在しない。また,立証活動の妨害の点についても,原告会社が,従業員に各顧客を訪問させて,各顧客から,上記コメントは任意に書いたものではない旨の定型文に署名捺印を得たとしても,これ自体は訴訟における反対当事者の反証活動にすぎず,立証活動の妨害と評価することは困難である。さらに,被告らが,原告会社は被告Bからの証言要請に応じないように働きかけたと主張する点についても,もともと被告Bが集めた元顧客のコメント(乙5ないし8)には,法廷で証言すると記載しているものはなく,かえって,その書面には「証言することは出来ない」(乙5の1),「裁判で証言台に立つ事はかんべんしてほしい」(乙7の1),「今言ったことについて・・・責任は持てない」(乙8)などと記載されているのであるから,他に格別の証拠も 言することは出来ない」(乙5の1),「裁判で証言台に立つ事はかんべんしてほしい」(乙7の1),「今言ったことについて・・・責任は持てない」(乙8)などと記載されているのであるから,他に格別の証拠も存しない本件においては,元顧客が証言に応じなかったのはそれぞれの意思によるものであって,原告会社が被告Bからの証言要請に応じないように働きかけたとの事実は認めることができない。また,本件全証拠を検討するも,被告らにおいて,原告会社が,被告Bの採証活動を妨害したとの事実が真実であると信ずるにつき相当な理由があると認めるに足る証拠もない。 (ウ) 以上によれば,本件③の事実摘示(証拠資料捏造)について,被告らに特段の事情が存在するとは認められず,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 エ本件④の事実摘示(労働組合活動の封殺等)について被告らは,本件④の事実摘示(労働組合活動の封殺等)が真実であるか,仮にそうでなかったとしても,そう信ずるにつき相当な理由がある旨主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)c④)。しかしながら,本件全証拠を検討するも,本件においては,「原告会社が,別件仮処分・間接強制を申し立てたりして,被告組合らの労働組合活動を圧殺しようとしていること」が真実であると認めるに足りる証拠は存在せず,また,被告らにおいて,前記事実が真実であると信じるにつき相当な理由があると認めるに足る証拠もない。よって,被告らの主張は採用することができない。 以上によれば,本件④の事実摘示(労働組合活動の封殺等)について,被告らに特段の事情が存在するとは認められず,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 オ本件⑤の事実摘示(不当な労務政策等)について(ア) 被告らは,本件⑤の事実摘示(不当な労務政策等)が真実であるか,仮にそうでなかったとしても,そう信ずるに 判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 オ本件⑤の事実摘示(不当な労務政策等)について(ア) 被告らは,本件⑤の事実摘示(不当な労務政策等)が真実であるか,仮にそうでなかったとしても,そう信ずるにつき相当な理由がある旨主張し,その理由として,「平成14年11月1日の毎日新聞朝刊の記事によれば,原告会社の労務政策が従業員を自殺に追いやったことは事実である。」と主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)c⑤)。 (イ) しかしながら,前記争いのない事実等(2)クによれば,平成14年11月1日の毎日新聞朝刊の記事は,「管理職が自分で立てたノルマによって,逆に心理的負担を受けたことが労災として認められたのは珍しい」「男性は自分に課したノルマが達成できないことを苦にし」と記載しているのであって,この記載から,この男性が,原告会社の課した過酷なノルマによって自殺したと解することはできない。また,本件全証拠を検討するも,被告らにおいて,この男性の自殺の原因等につき独自に調査等をしたと認めるに足りる証拠は存在しない。したがって,「原告会社が,従業員に過酷なノルマを課して自殺者を出す労務政策をとっていること」は真実とはいえないし,被告らにおいて,真実であると信ずるにつき相当な理由があったともいえない。 (ウ) 以上によれば,本件⑤の事実摘示(不当な労務政策等)について,被告らに特段の事情が存在するとは認められず,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 カ 「公共の利害に関する事実」,「専ら公益を図る目的」の要件について(ア) 前記アないしオで判断したとおり,被告ら配付にかかるビラの記載内容である本件①ないし⑤の事実摘示は,いずれも真実ではなく,被告らにおいて真実であると信じるについて相当の理由はなかった。そうだとすると,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等は,原告会社 るビラの記載内容である本件①ないし⑤の事実摘示は,いずれも真実ではなく,被告らにおいて真実であると信じるについて相当の理由はなかった。そうだとすると,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等は,原告会社の名誉・信用を毀損し,平穏に営業活動を営む権利を侵害するところ,その違法性ないし責任を阻却する特別事情が存在しない本件にあっては,被告らは,その余の点を判断するまでもなく,原告会社に対し,損害賠償義務を負うことになるわけであるが,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等が,公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出たものか否かも問題になっているので,この点について,当裁判所の考えを付言しておくことにする。 (イ) 被告らは,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等が,いずれも公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出たものであるとし,「個々の組合員に対する解雇の撤回と復職を求めることが組合員全体の経済的地位の向上や組合員の団結・維持強化につながり,ひいては労働者全体の地位向上に資することになる。被告らの街宣活動は,いわゆる地域一般労働組合の活動として行われたものである。すなわち,被告らは,原告会社の労務管理の不当性を社会に訴えて原告会社の労働者に対する労務管理の改善等を求めることを通じて,一般的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを目的として行ったものである。名誉毀損等の違法性ないし責任阻却の要件である『公共の利害に関する事実』とは,社会全体の利害に関わる事実に限定されるものではなく,特定の集団社会においてのみ利害関係を有する事実を含むものであり,また,かかる事実の摘示について『専ら公益を図る目的』とは,その部分社会の利益を図ることに主要な動機が存在すれば足りる。」と主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)b)。 (ウ) しかしなが ものであり,また,かかる事実の摘示について『専ら公益を図る目的』とは,その部分社会の利益を図ることに主要な動機が存在すれば足りる。」と主張する(争点3【被告ら】主張エ(イ)b)。 (ウ) しかしながら,前記各ビラの記載内容は,専ら原告会社に対し本件解雇の撤回を求めるものであるし,被告らは,今後も,原告会社が本件解雇を撤回するまでは原告会社に対する街宣活動を続ける方針であるとしているのであるから(争いのない事実等(4)),これらの事実に照らすと,被告らの前記街宣活動の動機は,主として,原告会社に本件解雇を撤回させて被告Bの職場復帰を図ることにあるといわざるを得す,「専ら公益を図る目的」に出たものとは認め難いし,その記載内容が「公共の利害に関する事実」といえるかについても疑問が存するといわざるを得ないところである。 (エ) したがって,以上によれば,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等が,いずれも「公共の利害に関する事実」に係り,「専ら公益を図る目的」に出たものであると認めることは困難であり,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 キ小括ページ(16)以上の検討結果によれば,被告らの前記ビラ配付等の街宣活動等は,特段の事情が認められないから,いずれも原告会社の名誉・信用を毀損し,平穏に営業活動を営む権利を侵害する違法な行為というべきである。 (4) 原告会社が被った損害額ア前記争いのない事実等(3)イ,前記(1)ないし(3)によれば,被告らが,平成14年6月27日から同15年5月7日までの間,16回にわたり(月に1~2回程度)原告会社の株主総会の会場前,原告本社のあるα前,原告会社が製品を出展しているθ前,原告会社の出席した賀詞交歓会の会場であったιビル前,原告会社の玉川工場前等において,約1時間程度,原告会社の名誉・信用を毀損する前記ビラを 前,原告本社のあるα前,原告会社が製品を出展しているθ前,原告会社の出席した賀詞交歓会の会場であったιビル前,原告会社の玉川工場前等において,約1時間程度,原告会社の名誉・信用を毀損する前記ビラを通行人等不特定多数に交付し,あるいは,これらのビラを交付した上で拡声器ないしハンドメガホンにて本件解雇等につき原告会社を非難し抗議する内容の演説をしたりシュプレヒコールをする等の街宣活動等を行ったことは,原告会社の名誉・信用を毀損し,平穏に営業活動を営む権利を侵害したということができ,被告らは,これにより被った原告会社の損害を賠償する義務があるというべきである。 この点に関し,被告らは,原告会社は同社に発生した無形損害の内容を事実として主張立証すべきであるし,かつそれが金銭的評価の可能なものであることも主張立証しなければならないところ,原告会社はかかる意味での主張立証をしていないと主張する(争点3【被告ら】主張ウ)。しかし,原告会社は,同社の名誉・信用が毀損され,平穏に営業を営む権利が侵害されたことを主張立証しており,また,その旨前示のとおり認められること,無形損害の額は,証拠資料に基づき,事実審の口頭弁論終結時までに生じたと認定することができる諸般の事情を斟酌して裁判所が算定するものであること等に照らすと,被告らの主張は理由がなく,採用することができない。 イところで,原告会社は,同社が被った損害の算定に当たって,「被告らによる街宣活動が原告会社や同社本社が入居しているαに出店しているブランドショップらの営業・業務を妨害し多大な支障を生ぜしめていることは明らかである。被告らの抗議活動が始まってからは,原告会社ではその対応に忙殺されており,株主総会・取締役会・監査役会の運営準備,社員教育,給与等の原告会社総務部員の本来の業務が滞っている状況にある。原 らかである。被告らの抗議活動が始まってからは,原告会社ではその対応に忙殺されており,株主総会・取締役会・監査役会の運営準備,社員教育,給与等の原告会社総務部員の本来の業務が滞っている状況にある。原告会社の総務部員は,被告らの街宣活動中,ホテルβの警備担当者とともに同活動を監視し,かつ記録をとらなければならず,また,街宣活動終了後にはテープ起こし等に忙殺されるほか,他のブランドショップへの謝罪等を余儀なくされるなどしている。原告会社の総務部員以外の従業員も,街宣活動等が執拗に繰り返され,自らの所属する会社が誹謗中傷されることから,同活動中は業務に集中できない等の被害を被っている。」ことを斟酌すべきであると主張する(争点3【原告会社】主張ウ(イ))。 しかしながら,原告会社がαのテナントに謝罪したのは平成11年8月から9月にかけてのことであってそれ以後はないこと(しかも,本件請求原因事実とは直接には関係がない)(争いのない事実等(2)カ),原告会社の総務部員が被告らの街宣活動に対応するのも,月に1~2回程度で約1時間程度であること,α前での街宣活動においては,原告会社本社の従業員には,被告組合の街宣活動であると気づく程度の音しか聞こえてこないこと(争いのない事実等(3)イ(イ))等に照らすと,原告会社主張の前記事実は損害賠償額を算定するに当たって斟酌すべき事情とまでは認めることができない。 ウ前記ア,イに,被告らのビラ等の内容や街宣活動等が16回にもわたって執拗に繰り返されたこと等,本件証拠により認められる諸般の事情を併せ斟酌すれば,原告会社が被告らの行為により被った損害額は150万円であると認定するのが相当であり,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 (5) 小括以上によれば,原告会社の被告らに対する損害賠償請求は,150万円及びこれに 行為により被った損害額は150万円であると認定するのが相当であり,当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。 (5) 小括以上によれば,原告会社の被告らに対する損害賠償請求は,150万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,その余の請求部分は理由がない。 4 争点4(原告会社の差止請求の成否)について(1) 請求の趣旨の特定性について被告らは,原告会社の被告らに対する請求の趣旨(前記第1請求第2項)自体が不特定であることを理由に,原告会社の被告らに対する差止請求は却下されるべきであると主張する(争点4【被告ら】主張ア)。 しかしながら,前記1(争点1)で説示したのと同様に,前記第1請求第2項はその内容が十分特定されていると認められるから,被告らの主張は理由がなく,採用することができない。 (2) 差止請求の成否についてア法人は,その名誉・信用が毀損され,平穏に営業活動を営む権利が侵害され,今後も当該侵害行為が継続する蓋然性が高い場合には,当該侵害行為を差し止める権利を有していると解するのが相当である。 イこれを本件についてみるに,前記争いのない事実等(2)ウ,(3)イ,同(4),前記3(1)ないし(3)によれば,①被告らの街宣活動に係るビラの内容等は,虚偽の内容を含んだ原告会社の名誉・信用を毀損し,平穏に営業活動を営む権利を侵害するものであり,このような行為は表現の自由を逸脱するものとして保護に値しないものといわざるを得ないこと,②被告らは別件訴訟で被告Bの敗訴が確定した平成14年6月27日までの間に,原告会社本社前等での街宣活動47回,原告本社を訪れて「抗議及び要求書」等を読み上げる行為が39回に及んでいること,③被告らは,別件訴訟で被告Bの敗訴が確定後も,月に1回から数回程度,各回1時間程度の時間で本件同様のビラを 宣活動47回,原告本社を訪れて「抗議及び要求書」等を読み上げる行為が39回に及んでいること,③被告らは,別件訴訟で被告Bの敗訴が確定後も,月に1回から数回程度,各回1時間程度の時間で本件同様のビラを配付する等の街宣活動を継続していること,④被告らは,今後も,原告会社が本件解雇を撤回するまで原告会社に対する街宣活動等を続ける方針であるとしていることが認められ,そうだとすると,被告らが今後も従前と同様ないしは類似の方法で街宣活動等を行う蓋然性は極めて高いといわざるを得ず,原告会社において同社の名誉・信用を守り,平穏に営業活動を確保するためには,被告らの当該街宣行動等を差し止めなければならない必要性は極めて高いというべきである。 また,前記争いのない事実等(2)イないしエ,同(3)イ,同(4)及び証拠(甲51の2ないし12)並びに弁論の全趣旨によれば,①別件訴訟において,原告会社・被告B間に雇用関係のないことが公権的に確定し,法的には本件解雇に関する紛争は解決されて,以後被告組合は原告会社に対する団体交渉権を失っているのであるから,以後,原告会社は被告組合からの面会申し出に対して応ずる法的義務はないこと,②それにもかかわらず,被告らは,別件訴訟が確定後も,原告会社の本社前のみならず,玉川工場前,大阪支店前,東北支店前,石材サービスセンター前,千葉鶴舞支店前や三重工場前等において,本件解雇を撤回させるために街宣活動をしていること,③被告らが原告会社本社に来社したのは平成14年7月11日が最後ではあるがそれ以前は同日を含めて40回にわたり原告会社本社を訪れて「抗議及び要求書」等の読み上げをしていることが認められ,これら被告らの前記街宣活動等の態様や原告会社の施設の周囲の状況等の諸事情を考慮すると,原告会社の名誉・信用及び平穏に営業活動を営む権利を保護する 抗議及び要求書」等の読み上げをしていることが認められ,これら被告らの前記街宣活動等の態様や原告会社の施設の周囲の状況等の諸事情を考慮すると,原告会社の名誉・信用及び平穏に営業活動を営む権利を保護するためには,原告会社の被告らに対する差止請求は,主文第2項の限度で認容するのが相当であり,この限度を超える部分は理由がないというべきである。 ウなお,この点について,被告らは,「被告らの行為は,いずれも典型的かつ正当な労働組合としての活動である上,被告らはこれらの行為を整然と行っており,原告会社の業務や名誉・信用を現実に侵害するものではない。原告会社は,単に被告らの行為によって迷惑を被っているというに等しい程度の抽象的な主張をすることによって,他人に迷惑を及ぼす行為は当然差し止められて然るべきであるとの乱暴な論理を展開しているにすぎない。」と主張する(争点4【被告ら】主張イ)。しかしながら,前示のとおり,被告らの行為は,原告会社の名誉・信用及び平穏に営業活動を営む権利を侵害する違法なものであるから,被告らの主張は理由がなく,採用することができない。 また,被告らは,表現の自由に対する事前抑制は当該行為が他人の権利を侵害する明白かつ現在の危険がある場合にページ(17)限られるべきであるとも主張する(争点4【被告ら】主張ウ)。しかし,前示のとおり,被告らの街宣活動に係るビラの内容は虚偽の内容を含むものであるところ,このような被告らの表現行為は憲法等で保障する表現の自由を逸脱するものとして保護に値しないといわざるを得ない。よって,被告らの前記主張も理由がなく,採用することができない。 (3) 小括以上によれば,原告会社の被告らに対する差止請求は,主文第2項の限度で理由があるのでこれを認容するのが相当であり,これを超える請求部分は理由がないのでこれを棄却す することができない。 (3) 小括以上によれば,原告会社の被告らに対する差止請求は,主文第2項の限度で理由があるのでこれを認容するのが相当であり,これを超える請求部分は理由がないのでこれを棄却するのが相当である。 第4 結論以上によれば,原告らの請求は,主文の限度で理由があるのでこれを認容し,その余の請求部分は理由がないのでこれを棄却することにする。 東京地方裁判所民事第36部裁判長裁判官難波孝一裁判官三浦隆志裁判官知野明ページ(18)
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