平成20(ネ)1564 損害賠償等請求控訴事件(通称 京都市立小中学校教職員損害賠償)

裁判年月日・裁判所
平成21年10月1日 大阪高等裁判所
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判決文本文16,779 文字)

- 1 -平成21年10月1日判決言渡平成20年(ネ)第1564号損害賠償等請求控訴事件 主文 1 一審原告A,一審原告Bの控訴に基づき,原判決主文第2項中,一審原告A,一審原告Bに関する部分を次のとおり変更する。 (1) 一審被告は,一審原告Aに対して55万円及びこれに対する平成16年2月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 一審被告は,一審原告Bに対して55万円及びこれに対する平成16年2月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 一審原告A,一審原告Bのその余の請求を棄却する。 2 一審原告A,一審原告Bを除く一審原告らの控訴及び一審被告の控訴をいずれも棄却する。 3 一審原告A,一審原告Bと一審被告との間に生じた訴訟費用は,第1,2審を通じ,これを15分し,その2を一審被告の,その余を一審原告A及び一審原告Bの負担とし,一審原告A,一審原告Bを除く一審原告ら及び一審被告の各控訴費用は,一審原告A,一審原告Bを除く一審原告ら及び一審被告の各負担とする。 4 この判決は,第1項(1)(2)に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 一審原告ら(1) 控訴の趣旨ア原判決中,一審原告ら敗訴部分を取り消す。 イ一審被告は,一審原告らに対し,それぞれ原判決別紙請求金額目録記載- 2 -の金額及びこれに対する平成16年2月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ウ訴訟費用は第1,2審を通じて一審被告の負担とする。 エ仮執行宣言(2) 一審被告の控訴の趣旨に対する答弁ア一審被告の本件控訴を棄却する。 イ控訴費用は,一審被 支払え。 ウ訴訟費用は第1,2審を通じて一審被告の負担とする。 エ仮執行宣言(2) 一審被告の控訴の趣旨に対する答弁ア一審被告の本件控訴を棄却する。 イ控訴費用は,一審被告の負担とする。 2 一審被告(1) 控訴の趣旨ア原判決中,一審被告敗訴部分を取り消す。 イ上記取消部分にかかる一審原告Cの請求を棄却する。 ウ訴訟費用は,第1,2審を通じて一審原告Cの負担とする。 (2) 一審原告らの控訴の趣旨に対する答弁ア一審原告らの本件控訴を棄却する。 イ控訴費用は一審原告らの負担とする。 第2 事案の概要 1 本件は,いずれも一審被告が設置する京都市立小学校もしくは中学校で勤務する教育職員である一審原告らが,一審被告に対し,①平成15年4月から同年12月まで(8月を除く)の間,平成15年法律第117号による改正前の国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下「給特法」という。)ないし同法の条項も受けた京都府の「職員の給与等に関する条例」(以下「本件条例」という。)で設定された例外的時間外勤務以外の時間外勤務を違法な黙示の職務命令等に基づいて行なわせた,また,健康保持のための時間外勤務を防止しなければならないという安全配慮義務違反があったなどとして,国家賠償法1条に基づき原判決別紙請求金額目録記載の金額に相当する各損害賠償金及びこれらに対する訴状送達の日の翌日である平成- 3 -16年2月4日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,②もしくは,給特法が予定する範囲を超える時間外勤務をしたとして,労働基準法37条又はワークアンドペイの原則等に基づき原判決別紙請求金額目録記載の金額に相当する各未払賃金等の支払及びこれら 払を求め,②もしくは,給特法が予定する範囲を超える時間外勤務をしたとして,労働基準法37条又はワークアンドペイの原則等に基づき原判決別紙請求金額目録記載の金額に相当する各未払賃金等の支払及びこれらに対する上記遅延損害金の支払を求めた事案である。 原審は,一審原告らの時間外勤務が,一審原告らの自由意思を強く拘束するような状況下でなされ,しかも給特法が時間外勤務を原則として禁止し,それを命じうる場合を限定した趣旨を没却するような場合にあたるとは認められないとし,また,一審原告らの労働基準法37条又はワークアンドペイの原則等に基づく主張はこれを採用しないとする一方,一審原告らの安全配慮義務違反の主張については,一審被告は,教育職員の健康の保持,確保の観点から労働時間を管理し,同管理の中でその勤務内容,態様が生命や健康を害するような状態であることを認識,予見した場合などにはその事務の分配等を適正にする等して当該教育職員の勤務により健康を害しないように配慮(管理)すべき義務を負っているとして,一審原告Cについてのみ,その義務違反を認め,慰謝料等55万円及びこれに対する上記遅延損害金の限度でその請求を認容し,一審原告Cのその余の請求及びその余の一審原告らの請求をいずれも棄却した。 これを不服として,一審原告ら及び一審被告の双方が,控訴を申し立てた。 2 前提事実,争点及び争点に対する当事者の主張は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決「事実及び理由」中の第2の2及び3(原判決3頁26行目から26頁7行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決中「別紙」をいずれも「原判決別紙」に改める。 (2) 原判決5頁2行目「(以下省略)」を「(かっこ内省略),実習助手及び寮母をいう。」に改める。 (3) 原判決6頁11行目「 (1) 原判決中「別紙」をいずれも「原判決別紙」に改める。 (2) 原判決5頁2行目「(以下省略)」を「(かっこ内省略),実習助手及び寮母をいう。」に改める。 (3) 原判決6頁11行目「この場合おいて,」を「この場合において,」に改める。 - 4 -(4) 原判決7頁5行目「第2条」の次に「この条例において次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。」を加え,同6行目「第1項ないし第5項」を「第1号ないし第5号」に,同8行目「昭和22年法第26号」を「昭和22年法律第26号」に,それぞれ改める。 (5) 原判決7頁24行目末尾に改行の上「第8条ないし第14条の4省略」を加える。 (6) 原判決9頁20行目末尾に改行の上「第3項及び第4項省略」を加える。 (7) 原判決12頁14行目末尾に改行の上「第6条以下省略」を加える。 (8) 原判決20頁14行目「同時予算」を「独自予算」に改める。 3 当審における一審原告らの補足主張(1) 給特法の立法目的は,教育職員の健康や福祉のために,長時間,無定量の時間外労働の状態をなくす方向で教育職員の労働条件の改善を行うことにあったことは明白であり,教職調整給の支給という給与の改善を本来の目的としたものではない。 給特法の解釈上,教育職員の自由意思を強く拘束するような状況下でされた場合だけが,給特法に抵触する違法な職務命令に該当すると狭く解釈すべきではなく,黙示のものや余儀なくされたものも超過勤務と解されるべきである。 そして,給特法違反に対する法的効果として,立法事実から大きく乖離した違法な時間外勤務に対しては,給特法の時間外賃金を支給しないとの規定の効力が失われ,時間外賃金が支払われなければならない。また,給特法の時間外勤務手当を支 法的効果として,立法事実から大きく乖離した違法な時間外勤務に対しては,給特法の時間外賃金を支給しないとの規定の効力が失われ,時間外賃金が支払われなければならない。また,給特法の時間外勤務手当を支給しない趣旨が尊重されると解しても,違法な時間外勤務に対しては,教育職員の自由な時間を違法に拘束したものとして時間外勤務手当相当額の慰謝料が支払われるべきである。 (2) 超過勤務をせざるを得ないほどの課題を与えていたり,超過勤務を余儀なくさせる時間帯での業務をさせているのは行政当局であり,これらは,教育- 5 -職員の自主的,自発的,創造的な選択では絶対にない。すなわち,教育職員の超過勤務は,全国的に共通した一般的なものであり,授業持ち時間数の多さ,学級経営・学校経営に関する業務の増加,業務内容の複雑化や質的変化あるいは学校をとりまく状況の変化による仕事量の増加や負担の増大,これらの職務を限られた期限内に行わなければならないこと,服務管理の強化,長期休業期間中もほぼ毎日出勤しているという実態などからみて,客観的に教育職員がその業務を正規の時間内に処理することは不可能であり,また,文部科学省の方針により導入された制度によって,給特法施行時と比べ,業務量や教育課題が質的に変化している。教育職員が,超過勤務をせざるを得ないのは,このような外部的要因によるものである。 (3) 教育職員は,形式的な時間外勤務命令や個々の具体的指示がなくても,校長の包括的な職務指示に拘束されて時間外勤務を余儀なくされているのであり,自主的,自発的な時間外勤務といえる状況にはない。したがって,校長からの明示的な時間外勤務命令がなくとも,校長等の管理職が包括的に指示した仕事が,客観的にみて正規の勤務時間内ではなされ得ないと認められる場合で,その仕事内容が教師とし 況にはない。したがって,校長からの明示的な時間外勤務命令がなくとも,校長等の管理職が包括的に指示した仕事が,客観的にみて正規の勤務時間内ではなされ得ないと認められる場合で,その仕事内容が教師としての職務内容であれば,それは給特法に違反する違法な時間外勤務として認められるべきである。教育職員は,個人の主観的な判断で教育活動を行っているわけではなく,文部科学大臣告示としての性格を持つ学習指導要領に従い,自治体の教育委員会が決定した教科書を用い,学校で決められた担当科目,担当学年,クラス,授業時間割に従って授業を行い,役職を遂行しているのであるから,個々の教育職員の日々の教育活動は,動かし難い大枠の中で,すなわち校長等管理職の包括的な指揮命令の下で展開されているのである。 (4) 給特法や本件条例は,時間外勤務をさせないという前提にたち,時間外勤務をしたときにどうするのかを明記していないのであるから,本来あるべき労働基準法37条,本件条例15条及び18条に立ち戻って,時間外勤務手- 6 -当の請求が認められなければならない。仮に,時間外の割増賃金が認められなくとも,ワークアンドペイの原則に基づいて賃金請求権は認められなければならない。また,一審原告らが持ち帰り残業として行った職務内容は,学校長の指揮監督下にある職務であり,これらも使用者の指揮監督下にある労働時間というべきである。 (5) 使用者は,個別の労働者の業務の負担のうち,割り当てられる課題の量と,それらを処理すべき時間といった客観的な側面を管理,調整することが可能な立場にあり,業務の量等を適切に調整するための措置を取る義務を負っており,これはいわゆる裁量労働にあっても,基本的に妥当する。 (6) 文部科学省が設置した「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直 業務の量等を適切に調整するための措置を取る義務を負っており,これはいわゆる裁量労働にあっても,基本的に妥当する。 (6) 文部科学省が設置した「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」(以下,「検討会議」という。)が,平成20年9月8日に発表した審議のまとめ(以下「審議のまとめ」という。)では,教員勤務実態調査に基づいて,学校を取り巻く環境の変化から,授業以外の様々な業務が学校に持ち込まれている現状があり,教員が勤務時間内で全ての業務を処理することが現実的には非常に困難な状況となってしまっているとの指摘がされ,今後必要な取り組みとして,教員の勤務状況を改善し,教員が担当する教科や児童生徒への指導方法などに関して幅広い知識や技能を習得するなどの自己研鑽に励むことができるようにすること,一人の社会人として公私ともに充実した生活を送る余裕を持てるようにして教職の魅力を高めること,事務部門を強化することにより今まで教員が担ってきた事務作業を事務職員が一括して処理することなどが挙げられている。さらに,審議のまとめは,校長などは,部下である教職員の勤務時間外における業務の内容やその時間数を適正に把握するなど,適正に管理する責務を有しているとし,教職調整額制度の導入時において無制限な時間外勤務の拡大という懸念に対する歯止めとして創設されたいわゆる超勤4項目が機能せず,時間外勤務の拡大を招いているとの問題点を指摘した上で,今後必要な取り組みとし- 7 -て,部活動指導,生徒指導,給食指導,学校徴収金などに係る専門的・支援的な職員の配置,外部人材の積極的な活用などにより教員が担う授業以外の業務を縮減することが必要であるとしている。このような検討会議の指摘は,本件で問題となっている安全配慮義務の具体的内容であり,その 的な職員の配置,外部人材の積極的な活用などにより教員が担う授業以外の業務を縮減することが必要であるとしている。このような検討会議の指摘は,本件で問題となっている安全配慮義務の具体的内容であり,その具体的措置が十分に可能であることを示している。 (7) 平成20年7月,国立大学法人D大学は,その運営する附属小中学校について,長崎労働基準監督署から,超過勤務手当の未払について是正勧告を受け,教育職員の労働時間を適正に把握するよう指導を受けている。このことは,教育職員の勤務は時間管理になじまないとする一審被告の主張を正面から否定するものである。 (8) 一審被告は,原審及び当審を通じて,一審原告らの勤務の実態やその内容については積極的に争う姿勢を取ってこなかったところ,本件請求の基礎となる一審原告らの勤務実態調査が実施された平成15年から5年以上が経過した平成20年12月3日付け準備書面において一審原告らの勤務実態に関する詳細な反論を行ってきたのは,時機に後れた攻撃防御方法にあたる。 4 当審における一審被告の補足主張(1) 一審原告Cの勤務する中学校の校長であるEに課せられた義務の内容が明確ではなく,また,一審原告Cの勤務には自主性,自発性,広い裁量があることに鑑みれば,E校長が,それを禁止したり,制限することは適切でなく,E校長は,可能な限り一審原告Cの勤務につき配慮をしていたのであり,義務違反はない。 (2) 一審原告Cは,教育職員であり,同人に対し,慰謝料名目であっても,金員を支払うことは,教職調整額の支給と重複した利益を与えることになり,給特法の趣旨に反する。 (3) 給特法は,教育職員の時間外勤務手当問題を出発点として成立した法律であり,職務の特殊性ゆえに勤務時間外に及ぶことのある教育職員の処遇につ- 8 えることになり,給特法の趣旨に反する。 (3) 給特法は,教育職員の時間外勤務手当問題を出発点として成立した法律であり,職務の特殊性ゆえに勤務時間外に及ぶことのある教育職員の処遇につ- 8 -いて立法的に解決することを目的に,教育職員の職務を勤務時間の内外を問わず再評価し,4パーセントの教職調整額を措置したものである。教育職員の待遇改善に対する動きが本格化するのは給特法成立後であり,昭和49年に,教育職員の給与について特別の措置を定めることにより,すぐれた人材を確保し,もって学校教育の水準の維持向上に資することを目的とする「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」が成立し,その後,人事院勧告に基づき,教育職員の給与水準が引き上げられたことは,給特法が教育職員の待遇改善を主目的としたものでないことの裏付けとなる。 (4) 校長の時間外勤務命令が明示であると黙示であるとを問わず,それが教育職員に対して事実上の拘束力を持つものである限り,時間外勤務と捉える考え方は,給特法制定前のものであり,給特法が制定された現在において,それを違法な時間外労働があるかどうかの判断に援用することは妥当でない。 (5) 給特法は,教育職員の職務を時間外勤務を含む勤務時間の内外を問わず,4パーセントの教職調整額の措置で評価しているのであり,一審原告らに仮に正規の時間外勤務があったとしても,割増賃金はもとより,通常の労働時間の賃金も支給することは,法律上も条例上も許されない。 (6) 安全配慮義務は法律上の明確な規定に基づいて発生するものではなく,個別具体的な状況に応じて判断されるものである。給特法が適用される教育職員に対する安全配慮義務については,職務遂行による成果が時間等目に見える結果等によっては な規定に基づいて発生するものではなく,個別具体的な状況に応じて判断されるものである。給特法が適用される教育職員に対する安全配慮義務については,職務遂行による成果が時間等目に見える結果等によっては計測できないという性質があり,教育職員の自主性,自発性,創造性に基づく職務遂行に期待する面が大きいという教育職員の職務や勤務態様の特殊性に鑑みて制定された給特法の趣旨を踏まえて判断されるべきである。 (7) 検討会議の審議のまとめは,勤務時間管理などについてはその実現に向けて様々な課題があると指摘しており,現時点では,勤務時間管理が行われて- 9 -いないこと,それを実現するのは困難であることを示している。 審議のまとめにおける,教員は時間外において超勤4項目に該当しない業務についても多くの時間従事しているが,命令に基づかずに業務に従事している旨の記載は,教育職員は,超勤命令によらずに,自主的・自発的に,時間外にも業務に従事していることを示しており,一審原告らの時間外勤務も自主的・自発的なものであるから,一審被告には安全配慮義務違反はない。 また,審議のまとめにおける,超勤4項目は適切に見直していく必要があり,今後の超勤4項目の在り方としては,廃止することや必要な項目を追加することなどが考えられる旨の記載は,超勤4項目の廃止や項目の追加により,現状よりも時間外勤務を命じやすくする方向を目指しているのであり,審議のまとめが,必ずしも現状の時間外勤務の減少を目指しているとはいえない。 審議のまとめが,今後必要な取り組みについて記載しているのは,それが存在することを指摘するだけであり,今後必要な取り組みがあることが安全配慮義務の存在を裏付けるものではない。 (8) 国立大学法人D大学が,国立大学の独立行政法人化の関係で 載しているのは,それが存在することを指摘するだけであり,今後必要な取り組みがあることが安全配慮義務の存在を裏付けるものではない。 (8) 国立大学法人D大学が,国立大学の独立行政法人化の関係で給特法の適用対象外となったことから,その運営する附属小中学校につき,時間外勤務手当の支給について労働基準監督署の勧告を受けたことは,給特法が労働基準法37条の適用を除外していることの意味を如実に示しており,教育職員に時間外勤務手当を支給すべきかどうかは給特法が適用されるかどうかによるのであるから,給特法が適用されている一審原告らに時間外勤務手当を支給すべき理由がないのは当然である。 (9) 一審被告の平成20年12月3日付け準備書面の主張は,一審原告らが提出した書証や原審の尋問の結果などを基にした主張であり,一審原告らが想定し得なかった事実や書証を用いた主張ではないから,時機に後れた攻撃防御方法にはあたらない。 - 10 -第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は,一審原告らの本件各請求は,一審原告A,一審原告B,一審原告C(以下「一審原告Aら3名」という。)が一審被告に対し各55万円及びこれに対する平成16年2月4日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があり,一審原告Aら3名のその余の請求及びその余の一審原告らの一審被告に対する各請求は,いずれも理由がなく,これを棄却すべきものと判断する。その理由は,次のとおり付加訂正するほかは,原判決「事実及び理由」中の第3の1ないし4(原判決26頁9行目から63頁8行目まで)の説示と同一であるから,これを引用する。 (1) 原判決中「別紙」をいずれも「原判決別紙」に改める。 (2) 原判決26頁10行目「証拠(」の次に「甲30ないし36,」を,同14行目「8の①②, の説示と同一であるから,これを引用する。 (1) 原判決中「別紙」をいずれも「原判決別紙」に改める。 (2) 原判決26頁10行目「証拠(」の次に「甲30ないし36,」を,同14行目「8の①②,」の次に「13,14,」を,それぞれ加える。 (3) 原判決34頁19行目末尾に改行の上,以下を加える。 「 (3) 平成15年以降の動きア文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長は,労働安全衛生法等の一部を改正する法律(平成17年法律第108号)やそれに伴う政令等の公布に関連して,平成18年4月3日,労働安全衛生法の改正によって,労働者の週40時間を超える労働が1月当たり100時間を超え,かつ,疲労の蓄積が認められるときは,労働者の申出を受けて,医師による面接指導を行わなければならず,また,週40時間を超える労働が1月当たり80時間を超える長時間の労働により疲労の蓄積が認められ,又は健康上の不安を有している労働者等についても面接指導を実施する,又は面接指導に準ずる措置を講じるよう努めなければならないこととされたこと,本件通達で示された労働時間の適切な把握に努めることなどを内容とする「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」と題- 11 -する通知(18ス学健第1号)を出した。(甲30,31)イ国立大学法人東京大学は,「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」により,政府の重要政策課題のひとつとして,教員給与の見直しが具体的に検討されることになったことを受けて,「平成18年度文部科学省委託調査研究教職員の勤務実態に関する調査研究」の一環として平成18年7月から12月にかけて「教員勤務実態調査」(以下「平成18年調査」という。)を実施した。その結果,通常期における残業・持ち帰 委託調査研究教職員の勤務実態に関する調査研究」の一環として平成18年7月から12月にかけて「教員勤務実態調査」(以下「平成18年調査」という。)を実施した。その結果,通常期における残業・持ち帰り時間は,小学校教員については,平日の一日平均の残業時間が1時間41分,持ち帰り時間が36分,週休日の一日当たり平均残業時間が21分,持ち帰り時間が1時間39分であり,中学校教員については,平日の一日平均の残業時間が2時間12分,持ち帰り時間が22分,週休日の一日当たり平均残業時間が1時間29分,持ち帰り時間が1時間40分であり,小学校・中学校の教諭の勤務日の残業時間は1月当たり平均約34時間であった。(甲33,34,36)ウ平成19年3月の中央教育審議会答申「今後の教員給与の在り方について」を受けて,教職調整額の見直しなどについて専門的・技術的な観点から検討するために,平成20年4月,文部科学省に設置された「学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議」(検討会議)は,同年9月8日「審議のまとめ」(甲36)をとりまとめた。審議のまとめでは,平成18年調査の結果からみて教員が勤務時間内ですべての業務を処理することが現実的には非常に困難な状況となっており,その要因として,社会の価値観の多様化や地域や家庭の教育力の低下など学校を取り巻く環境の変化から,授業以外の様々な業務が学校に持ち込まれている現状を挙げ,今後,学校の役割の明確化,学校の組織運営体制の- 12 -整備・充実,学校における教職員の適切な役割分担・外部人材の活用,学校の在り方,教員の職務の在り方の検討などの取り組みが必要であると指摘している。また,校長などが部下である教職員の勤務時間外における業務の内容やその時間数を適正に把握するなど適切に管理 の活用,学校の在り方,教員の職務の在り方の検討などの取り組みが必要であると指摘している。また,校長などが部下である教職員の勤務時間外における業務の内容やその時間数を適正に把握するなど適切に管理する責務を有していることや地方公共団体が地方公務員について安全配慮義務を負っていることを前提として,平成18年調査において,昭和41年の教育職員勤務状況調査(前記〈原判決〉1(1)イ)の結果と比べ,残業時間が増加しており,現在の教職調整額の給料の4パーセントという支給率は,上記の昭和41年の調査から判明した残業時間の長さを基にしているが,その見直しがされておらず,一律かつ定率支給であるため,各教員の勤務負荷に応じて支給率に差を設けることが現行法制上できないとした上で,今後必要な取り組みとして,教員の勤務時間の適切な時間管理が必要となっていることの周知徹底,超勤4項目の適切な見直し,授業以外の業務の縮減,適正な教職員数の確保,部活動指導について教職員以外の専門的な指導者の活用の促進,適切な管理・監督をするようにとの校長への指導,教員の時間外勤務が抑制されるような仕組み作り,適切な教員評価やメリハリある給与体系の構築,時間外勤務の実態に応じて適切に処遇できるような給与制度への見直しなどを挙げている。そして,教職調整額制度に代えて時間外勤務手当制度を導入することは一つの有効な方策であるとしつつ,見直しに係る論点として,自発性,創造性にかかる教員の職務の特殊性,管理職の負担,部活動指導や持ち帰り業務の取扱い,残業時間の縮減などを挙げている。」(4) 原判決35頁20行目「夏期」を「夏季」に改める。 (5) 原判決39頁6行目から7行目にかけての「6月16日から同月29日ま- 13 -での間及び11月10日から同月20日までの間」を「平成1 原判決35頁20行目「夏期」を「夏季」に改める。 (5) 原判決39頁6行目から7行目にかけての「6月16日から同月29日ま- 13 -での間及び11月10日から同月20日までの間」を「平成15年6月16日から同月29日までの間及び同年11月10日から同月20日までの間」に改める。 (6) 原判決41頁23行目「教育員会」を「教育委員会」に改める。 (7) 原判決中「○○」をいずれも「○○」に改める。 (8) 原判決52頁5行目末尾に改行の上,以下を加える。 「(6) 一審原告らは,超過勤務をせざるを得ないほどの課題を与えていたり,超過勤務を余儀なくさせる時間帯での業務をさせているのは行政当局であり,これらは,教育職員の自主的,自発的,創造的な選択では絶対にないし,教育職員は,形式的な時間外勤務命令や個々の具体的指示がなくても,校長の包括的な職務指示に拘束されて時間外勤務を余儀なくされているのであり,自主的,自発的な時間外勤務といえる状況にはないなどと主張する。 しかし,教師と児童生徒との間の直接の人格的接触を通じて,次代を担う児童生徒たちの人格の発展と完成を図る教育に関わる職務は,職務遂行による成果が目に見える結果等により計測できない性質を有しており,そのような教育職員の職務の性質に照らせば,教育職員の職務遂行にあたっては,今なお,それぞれの自主性,自発性,創造性に基づく職務遂行に期待する面が大きいというべきあり,本件各証拠によっても,授業内容やその進め方,担任する学級の運営,部活動の内容や時間,保護者との対応などの様々な場面で,教育職員それぞれの判断が求められ,その判断に基づき職務が遂行されていることが窺える。決められた時間数の授業を行い,一定の基準に従い成績をつけ,あるいは部活動の顧問になったり,研究授業 々な場面で,教育職員それぞれの判断が求められ,その判断に基づき職務が遂行されていることが窺える。決められた時間数の授業を行い,一定の基準に従い成績をつけ,あるいは部活動の顧問になったり,研究授業等を行うなどの点で職務の大枠が定められ,また,その枠や内容が時代により変化してきているという状況にあるものの,自主性,自発性,創造性に基づく職務遂行が期待されるという教育職員- 14 -の職務の本質部分に変化はないと解されることからすれば,先に説示したように,教育職員の時間外勤務そのものが違法と評価されるのは,同職員の自由意思を強く拘束するような状況下でなされ,給特法の趣旨を没却するような場合に限られるというべきであるから,一審原告らの上記主張は採用できない。 また,一審原告らは,平成20年7月,国立大学法人D大学が,その運営する附属小中学校について,長崎労働基準監督署から,超過勤務手当の未払について是正勧告を受け,教育職員の労働時間を適正に把握するよう指導を受けたことは,教育職員の勤務は時間管理になじまないとする一審被告の主張を正面から否定するものであるとも主張する。証拠(甲37の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,国立大学法人D大学が,その運営する附属小中学校について,平成20年7月7日,時間外労働に係る割増賃金の支給等について,長崎労働基準監督署の是正勧告を受けたこと,労働時間を適正に把握すべく措置を講ずることなどの指導を受けたことが認められるが,上記学校は,国立大学の独立行政法人化に伴い,給特法の対象外となったことから,労働基準法37条の適用を受けることになり,それが上記是正勧告等に結びついていると解されるのであり,本件のように給特法の適用を受ける教育職員に関する時間外勤務手当の支給の要否が問われる場合とは事案を異にするというべ 適用を受けることになり,それが上記是正勧告等に結びついていると解されるのであり,本件のように給特法の適用を受ける教育職員に関する時間外勤務手当の支給の要否が問われる場合とは事案を異にするというべきである。したがって,一審原告らの上記主張は採用できない。」(9) 原判決52頁14行目末尾に改行の上,以下を加える。 「 また,使用者は,その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し,業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うと解するのが相当であり,使用者に代わって労働者に対し業務上の指揮監督を行う権限を有する者は,使用者の上記注意義務の内容に従って,その権限を行- 15 -使すべきである(参照・最高裁判所平成12年3月24日第二小法廷判決・民集54巻3号1155頁)。」(10) 原判決53頁4行目「困難なことを考慮すると,」から同8行目末尾までを「困難なこと,勤務時間があらかじめ明確に割り振られ,出勤簿などによる確認・記録が行われていることなどの事情を考慮すると,少なくとも平成15年の時点において,公立学校の設置者にタイムカード等を用いて教育職員の登校及び退校の詳細な時刻を記録することまで求められていると解することは相当でない。」に改める。 (11) 原判決53頁25行目「冬期」を「冬季」に改める。 (12) 原判決57頁1行目から同2行目にかけての「抱いていたこと」の次に「,一審原告Fが時間外勤務とする42時間50分のうち,自宅での勤務が31時間5分に及んでいること」を加える。 (13) 原判決57頁6行目「G校長は,」から同22行目末尾までを次のとおり改める。 「 上記2(5)ウで認定したところに加え,G校長は,一審原告A作 分に及んでいること」を加える。 (13) 原判決57頁6行目「G校長は,」から同22行目末尾までを次のとおり改める。 「 上記2(5)ウで認定したところに加え,G校長は,一審原告A作成の週案(乙C3)に対し,ほぼ毎週コメントを付しており,その中には,調査期間外であるが,「毎日遅くまでありがとうございます」との記載があり,また,教頭によるものではあるが,「休日にうさぎやにわとりのエサやりありがとうございます」との記載があること,上記週案には,指導時数表が設けられ,各週の教科毎の予定時間数のほか,累計の実績時間数がその都度記載されており,平成16年3月第4週の週案には本週13時間,累計実施1102.5時間(但し,音楽の57時間を含む。)との記載があること,H小学校は,一審被告教育委員会から平成15年度の研究発表校として指定されたため,研究発表を行い,その成果を冊子(甲C7)にまとめるなど,一審原告Aを初めとする教育職員がその準備に相当の時間を費やしたと認められること(乙C3,原審証人G〈調書20頁〉,原審一- 16 -審原告A本人〈調書22ないし25頁〉),一審原告Aは5年生の学年主任として,新規採用者の支援指導にあたることが期待されたり,上記研究発表とも関連する年間110時間に及ぶ総合学習の準備の中心的役割を担っていたこと(甲C3ないし7,乙C3,同〈調書13ないし22頁〉),G校長もしくは教頭が学校を出るのは午後9時ころであり,平成16年度には職員室に9時には帰りましょうという貼り紙がされていた時期があったこと(原審証人G〈調書1,15頁〉),5年生の行事であるIでの2泊3日の野外活動の実施について,学年主任である一審原告Aは,事前準備,当日の指導,事後整理などに相当の労力を費やしており,G校長も,週案において, 〈調書1,15頁〉),5年生の行事であるIでの2泊3日の野外活動の実施について,学年主任である一審原告Aは,事前準備,当日の指導,事後整理などに相当の労力を費やしており,G校長も,週案において,「Iにむけての緒々の準備,ありがとうございます。」「Iでのご指導本当にお疲れでした。大変に感謝しています。きちっとしたご指導でした。」とコメントしていること(甲C14ないし16,乙C3,原審一審原告A本人〈調書16,35ないし38頁〉)などからすると,G校長は,一審原告Aの時間外勤務が極めて長時間に及んでいたことを認識,予見できたことが窺われるが,それに対して,改善等の措置を特に講じていない点において,適切さを欠いた部分があるというべきであり,一審原告Aの時間外勤務の時間からすると,配慮を欠くと評価せざるを得ないような常態化した時間外勤務が存在したことが推認でき,G校長は,同一の職場で日々業務を遂行していた以上,そうした状況を認識,予見できたといえるから,事務の分配等を適正にする等して一審原告Aの勤務が加重にならないように管理する義務があったにもかかわらず,必要な措置をとったとは認められないから上記義務違反があるというべきである。」(14) 原判決59頁13行目「上記アの事情」から同23行目末尾までを次のとおり改める。 「 上記(2)クで認定したところに加え,証拠(原審一審原告B本人,原審証人J,甲H5,乙23)によれば,以下の事実が認められる。 - 17 -一審原告Bは,平成14年度に引き続き平成15年度もK中学校の生活指導部長の立場にあり,3年生を担任していたところ,生徒数約680名の同中学校では,授業中に教室を抜け出す生徒などがいたことから,教育職員は,従前から授業の空き時間に校内パトロールを行っていたところ 指導部長の立場にあり,3年生を担任していたところ,生徒数約680名の同中学校では,授業中に教室を抜け出す生徒などがいたことから,教育職員は,従前から授業の空き時間に校内パトロールを行っていたところ,同年10月,教育職員が,3年生の生徒から目を殴られ,公務災害で長期休暇に入るという事件が起きた後は,一審原告Bを中心として,3年生の校内パトロールを強化することとなり,一審原告Bは,授業の空き時間の相当程度を校内パトロールに充てたため,教材研究,プリント作成,テスト採点などの仕事を放課後あるいは自宅で行わざるをえなくなった。当時,同中学校では,教育職員に対する暴力,喫煙,授業妨害等の問題行動が頻発しており,校舎のトイレのトイレットペーパーに火がつけられ,個室が燃え上がり,消防車10数台が駆けつける事態まで発生していた。放課後,生徒が,なかなか帰宅しようとせず,校門付近に集まり,喫煙したり,ごみを散らかすなどしたため,生徒指導部が中心となり,下校指導も開始することとなり,当初は,校長も構成員である生活指導部の補導委員会を中心に実施していたが,その後下校指導は,全校的な取り組みに発展した。 また,6月から8月の各2日,12日,22日は,校区内に夜店が出るため,同中学校の職員は,曜日を問わず,午後7時から午後8時ころまで,交代でパトロールを行うことが慣例となっていた。平成15年には,児童自立支援施設であるL学校に同中学校の生徒3名が入所し,一審原告Bは,担任する生徒に面会するためL学校に出張したり,一時帰宅に備えての環境調整のため家庭訪問を行ったりした。また,同中学校校区内には,2つの児童養護施設があり,同施設に入所した児童は,同中学校に籍を置くため,養護施設指導部長であった一審原告Bは,他の教育職員らと順番に上記施設での学習補充にもあたって 。また,同中学校校区内には,2つの児童養護施設があり,同施設に入所した児童は,同中学校に籍を置くため,養護施設指導部長であった一審原告Bは,他の教育職員らと順番に上記施設での学習補充にもあたっていた。さらに,一審原告Bは,M部の顧問として,休日に,部員をN山に引率したり,O山の家で合宿の打ち合わ- 18 -せをするなどしていた。J校長は,一審原告Bにつき,勤務時間に関係なく動いてくれ,信頼できる教員であった,「何かあったらすぐに動きます。」と言ってくれ,大変頼りにしていた,生徒指導の課題の多い生徒が数人いる学級を任せていたなどと述べている(乙23)。 上記認定事実によれば,J校長は,当時のK中学校の状況や生活指導などにおいて一審原告Bの果たしていた役割を認識していたのであるから,一審原告Bの時間外勤務が極めて長時間に及んでいたことを認識,予見できたことが窺われるが,それに対して,改善等の措置を特に講じていない点において,適切さを欠いた部分があるというべきであり,一審原告Bの時間外勤務の時間からすると,配慮を欠くと評価せざるを得ないような常態化した時間外勤務が存在したことが推認でき,J校長は,同一の職場で日々業務を遂行していた以上,そうした状況を認識,予見できたといえるから,事務の分配等を適正にする等して一審原告Bの勤務が加重にならないように管理する義務があったにもかかわらず,必要な措置をとったとは認められないから上記義務違反があるというべきである。」(15) 原判決60頁14行目冒頭から同16行目末尾までを次のとおり改める。 「ウ以上によれば,一審原告らのうち,一審原告Aら3名について,本件管理義務違反が認められ,その余の一審原告らについては同義務違反は認められない。 エそこで,一審原告Aら3名が被 る。 「ウ以上によれば,一審原告らのうち,一審原告Aら3名について,本件管理義務違反が認められ,その余の一審原告らについては同義務違反は認められない。 エそこで,一審原告Aら3名が被った損害について検討する。」(16) 原判決61頁2行目,同6行目,同8行目「原告C」をいずれも「一審原告Aら3名」に改め,同6行目「50万円」を「それぞれ50万円」に,同11行目「5万円」を「それぞれ5万円」に,いずれも改める。 (17) 原判決61頁11行目末尾に改行の上,以下を加える。 「 一審被告は,一審原告Cは,教育職員であり,同人に対し,慰謝料名目であっても,金員を支払うことは,教職調整額の支給と重複した利益を与- 19 -えることになり,給特法の趣旨に反すると主張するが,本件管理義務は,労働者の生命及び健康等を危険から保護することにその趣旨があり,給特法とはその趣旨を異にするものであるから,一審被告の上記主張は採用できない。」 2 以上によれば,一審原告らの本件各請求は,一審原告Aら3名が一審被告に対し各55万円及びこれに対する平成16年2月4日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があり,一審原告Aら3名のその余の請求及びその余の一審原告らの一審被告に対する各請求は,いずれも理由がないことに帰する。 よって,これと異なる原判決は変更を免れず,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第12民事部 裁判長裁判官安原清藏 裁判官坂倉充信 裁判官本多久美子 充信 裁判官本多久美子

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