【DRY-RUN】- 1 - ○ 主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 控訴人 1 原判決を取消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は第一、二
- 1 - ○ 主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 控訴人 1 原判決を取消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 二 被控訴人 主文同旨 第二 当事者の主張 、 、 、 当事者双方の主張は次のとおり付加訂正するほか原判決事実摘示のとおりであるから ここにこれを引用する。 一 1 原判決二枚目裏三行目「同年六月二日」以下同四行目末尾までの部分を「同日付 をもつて被控訴人の右審査の申出を棄却する旨の決定(以下「本件審査決定」という) 。 を し、同年六月二日に被控訴人に通知した」と訂正し、同六枚目裏四行目の「おいて」の 。 次 に「昭和五三年度及び同五四年度の」を付加する。 2 原判決六枚目裏五行目の次に改行のうえ次のとおり付加する。 「さらに、控訴人は被控訴人に対し、次のとおり、本件口頭審理外の手続においても、標 準宅地の所在位置、その時価、算定根拠を開示し、かつ本件土地の周辺の路線価をも開示 している。すなわち、本件審査申出前である昭和五四年四月一三日及び本件審査申出当日 である同年五月二日の二回にわたり、当時旭川市職員であつた訴外Aは、被控訴人の要求 に従い昭和五四年度に係る標準宅地の所在位置、その時価、算定根拠を開示し、かつ本件 土地周辺の同年度路線価図をも開示した。なお、右標準宅地は本件土地の一部であつて、 本件審査決定書(甲第二号証の二)に旭川好鳥園と記載されている部分(以下、右標準宅 地を「標準宅地旭川好鳥園」という)である」 。 。 3 原判決六枚目裏七行目の「更に」の次に「本件口頭審理において」を付加する。 、 二 控訴人の新たな主張(本件土地の固定資産評価額の適正) 1 仮に、控訴人が被控訴人に対し、本件土地周辺の土地の評価額を開示しなかつた点 七行目の「更に」の次に「本件口頭審理において」を付加する。 、 二 控訴人の新たな主張(本件土地の固定資産評価額の適正) 1 仮に、控訴人が被控訴人に対し、本件土地周辺の土地の評価額を開示しなかつた点な いしその固定資産課税台帳の縦覧を許さなかつた点に違法があるとしても、本件土地の固 定資産評価額及び課税標準額はいずれも次の2ないし5に述べるとおり適正に決定され、 本件土地の評価は適法になされているので、被控訴人の本訴請求は理由がない。 2 固定資産評価の基準及び方法 (一) 地方税法三四九条一項は「基準年度に係る賦課期日に所在する土地又は家 屋・・・・・・・・・に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は、 当該土地又は家屋の基準年度に係る賦課期日における価格・・・・・・・・・で土地課税 。」 、 台帳若しくは土地補充課税台帳・・・・・・・・・に登録されたものとする と規定し - 2 - さらに同法三四一条五号は「価格」とは「適正な時価をいう」と規定している。 (二) 右の「適正な時価」の決定について、同法四〇三条一項は「市町村長は・・・・ ・・・・・ 、 。」 三八八条一項の固定資産評価基準によつて固定資産の価格を決定しなければならない と定め、同法三八八条一項前段は「自治大臣は固定資産の評価の基準の方法及び手続を定 め、これを告示しなければならない」と定め、同法三八八条一項の規定に基づき定められ た自治省告示(昭和三八年一二月二五日自治省告示第一五八号)である固定資産の評価基 準並びに評価の実施の方法及び手続(以下「固定資産評価基準」という)には、土地の 。 評 価は現況に基づいて地目別に行なわれ、宅地の評価は売買実例価格から求める正常売買価 格に基づいて適正な時価を評定するという方法によるとされている。 (三) そして宅地の評価は、各筆の宅地について評点数を付設し 況に基づいて地目別に行なわれ、宅地の評価は売買実例価格から求める正常売買価 格に基づいて適正な時価を評定するという方法によるとされている。 (三) そして宅地の評価は、各筆の宅地について評点数を付設し、当該評点一点当りの 価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法によるものであるが(右評価基準第1章第3 節一、その評点を付するについては、市町村の宅地の状況に応じ、主として市街地的形 ) 態 を形成する地域における宅地については「市街地宅地評価法」によつて、主として市街地 的形態を形成するに至らない地域における宅地については「その他の宅地評価法」によつ てこれを付設することとされている(右評価基準第1章第3節二。 ) (四) 本件土地は右にいう市街地を形成する地域における宅地に当り、従つて本件土地 は「市街地宅地評価法」によつて評価するのであるが、その手順は次のとおりである。 (1) 市内の宅地をその利用状況によつて商業地区(繁華街、高度商業地区、普通商業 地区、住宅地区(併用住宅地区、高級住宅地区、普通住宅地区)等の各用途地区に区分 ) す る。 (2) 前記によつて区分した各用途地区を街路の状況、公共施設等の接近状況、家屋の 疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて、その状況が相当に相違する地域ごとに区分 し、当該地域の「主要な街路」を選定する。 (3) 主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定する。 (4) 標準宅地について売買実例価額等から適正な時価を評定する。 (5) 標準宅地の適正な時価に基づいてその沿接する主要な街路に路線価(標準宅地路 線価)を付設する。 (6) 標準宅地路線価に比準してその他の街路に路線価を付設する。 (7) 路線価を基礎として画地計算法を適用し、各筆の宅地の評点数(評価額)を求め る(右評価基準第1章第3節二(一 。 )) 3 本件土 6) 標準宅地路線価に比準してその他の街路に路線価を付設する。 (7) 路線価を基礎として画地計算法を適用し、各筆の宅地の評点数(評価額)を求め る(右評価基準第1章第3節二(一 。 )) 3 本件土地の具体的評価 (一) 被控訴人の所有に係る本件土地は、固定資産評価基準にいわゆる主として市街地 的形態を形成する地域における宅地のうちの普通商業地区に属する。訴外旭川市長は、当 該地区における標準宅地として、本件土地のうち旭川好烏園なる建物のある旭川市<地名 略>(以下、単に「<地名略>」などという)の標準宅地旭川好鳥園部分と喫茶店クロ 。 ー - 3 - ( 、 「 」 。) バーのある<地名略>の土地以下右標準宅地を標準宅地喫茶店クローバーという とを選定した。 (二) 標準宅地の適正な時価及び路線価については、売買宅地の正常売買価格を基準と して、標準宅地と売買事例宅地の位置、利用上の便等の相違並びに基準宅地及び標準宅地 相互間の評価の均衡と、さらには精通者価格及び相続税路線価等を総合的に考慮して評価 することとされているが(前記評価基準第1章第3節二(一)1(2、同3(1)1及 ) び 7、その趣旨は適正な時価及び路線価については全体のバランスの中で総合的に評価す ) る ことを明示したものに他ならない。 (三) ところで、基準宅地とは、最高の路線価を付設した街路に沿接する標準宅地をい い(右評価基準第1章第3節三2(1 、旭川市においては<地名略>の土地がそれで )) あ るが、昭和五四年度の固定資産評価に際し、この基準宅地の精通者価格が一平方メートル 当り金五七万九〇〇〇円であつたことから、旭川市長は右基準宅地の価格を先ず一平方メ ートル当り金六〇万円と評価した。 ついで、指定市以外の適正な時価及び路線価については、都道府県知事が、指定市の適正 な時価及び路線価と 〇〇円であつたことから、旭川市長は右基準宅地の価格を先ず一平方メ ートル当り金六〇万円と評価した。 ついで、指定市以外の適正な時価及び路線価については、都道府県知事が、指定市の適正 な時価及び路線価との均衡を考慮し、市町村間の均衡上必要があると認める時は、市町村 長が評定した適正な時価及び路線価について所要の調整を行なうこととされており(右評 価基準第1章第3節三2(2)及び(3、同3(1 、右による調整後の昭和五四年度 ) )) の 基準宅地路線価は一平方メートル当り金三一万円と決定された。因みに、 昭和五一年基準年度の基準宅地の路線価は一平方メートル当り金二六万円であり、約一・ 二倍の上昇率である。 (四) ところで、本件土地の一部である「標準宅地旭川好鳥園」の正面(南側)路線価 は次のとおり決定した。 すなわち、右標準宅地に関する売買実例地は右標準宅地から基準宅地に向つて約一三〇メ 、 ( ) 、 ートル南方で右標準宅地と同一用途地区内但し高度商業地区の<地名略>に所在し その昭和五一年九月当時における売買実例価格は一平方メートル当り金二二万四〇〇〇円 であつた。そこで、旭川市長は、右売買実例価格をふまえたうえ、右標準宅地(正面)の 精通者価格が一平方メートル当り金一一万九〇〇〇円であつたことや右標準宅地(正面) と売買実例地との位置関係等を考慮して、右標準宅地(正面)の価格を一平方メートル当 り金一一万九〇〇〇円と評定した。 そして、基準宅地の路線価の上昇割合、基準宅地の基準価格と路線価との乖離の割合、近 傍の標準宅地の標準価格と路線価との乖離の割合、相続税の路線価の上昇割合等を総合的 、 。 、 に考慮して右標準宅地の正面路線価を一平方メートル当り金七万円と決定した因みに この路線価の上昇率は昭和五一年の基準年度の約一・二倍である。 (五) なお「標準宅地喫茶店ク 昇割合等を総合的 、 。 、 に考慮して右標準宅地の正面路線価を一平方メートル当り金七万円と決定した因みに この路線価の上昇率は昭和五一年の基準年度の約一・二倍である。 (五) なお「標準宅地喫茶店クローバー」の背面(北側)路線価については、旭川市 、 長 は、前記の売買実例価格をふまえたうえ、右標準宅地(背面)の精通者価格が一平方メー - 4 - トル当り金九万一〇〇〇円であつたことなどの理由により、右標準宅地(背面)の価格を 一平方メートル当り金九万円と評定した。 そして、その路線価については、前記(四)と同様の方法により、一平方メートル当り金 五万一七〇〇円と決定した。その上昇率は、前基準年度の約一・二倍である。 ( ) 、 ( 「 」 。) 、 ( ) 六 さらに 本件土地の東側の通路 以下 本件通路 という は 前記二2 四 (6)に記載の「その他の街路」に該当するところ、適法かつ適正に付設された前記各標 準宅地の路線価を基礎として、街路の状況、公共施設等の接近状況、家屋の疎密度、その 他の宅地の利用上の便等の相違等を総合的に考慮して、本件通路の路線価は、一平方メー トル当り金四万三五〇〇円と決定した。 4 <地名略>の街路の路線価について ( ) ( 「 」 一 被控訴人が本件土地と比較している六条通<地名略>の街路 以下 六丁目街路 という)は、 。 固定資産評価基準に所謂主として市街地形態を形成する地域における宅地のうち、併用住 宅地区に区分されるが、旭川市長はこの土地が含まれる当該地区における標準宅地として ニユー北海ホテルのある<地名略>の土地(以下、右標準宅地を「標準宅地ニユー北海ホ テル」という)と第一パーキングのある<地名略>の土地(以下、右標準宅地を「標準 。 宅 地第一パーキング」という)を選定し、前記のように、これらの標準宅地の路線価から 。 宅地を「標準宅地ニユー北海ホ テル」という)と第一パーキングのある<地名略>の土地(以下、右標準宅地を「標準 。 宅 地第一パーキング」という)を選定し、前記のように、これらの標準宅地の路線価から 。 比 準して「六丁目街路」の路線価を付設したのである。 (二) 「標準宅地ニユー北海ホテル」の路線価は次のとおり決定した。すなわち、右標 準宅地に隣接する土地(もとより併用住宅地区内)の売買実例価格が昭和五三年一月当時 一平方メートル当り金一五万一〇〇〇円であつた。そこで、旭川市長は、右売買実例価格 をふまえたうえ、右標準宅地の精通者価格が一平方メートル当り金八万九一〇〇円であつ たことなどの理由により右標準宅地の価格を一平方メートル当り金九万円と評定した。 そして、その路線価については、前記3(四)と同様の方法により一平方メートル当り金 四万九二〇〇円と決定した。右路線価の上昇率は、前基準年度の約一・二倍である。 (三) また「標準宅地第一パーキング」の路線価については、旭川市長は、前記の売 、 買 実例価格をふまえたうえ、右標準宅地の精通者価格が一平方メートル当り金五万二三〇〇 円であつたことなどの理由により、右標準宅地の価格を一平方メートル当り金五万二〇〇 〇円と評定した。 そしてその路線価については、前記2(四)と同様の方法により一平方メートル当り金二 万九三〇〇円と決定した。右路線価の上昇率は、前基準年度の約一・二五倍である。 (四) 「六丁目街路」は、前記二2(四(6)に記載の「その他の街路」に該当する ) と ころ、適法かつ適正に付設された右各標準宅地の路線価を基礎として、本件通路と同様、 総合的な考慮の結果、その路線価を一平方メートル当り金二万八五〇〇円と決定した。そ して、右路線価の上昇率は、前基準年度の約一・二五倍である。 5 評価の総合性について - 5 して、本件通路と同様、 総合的な考慮の結果、その路線価を一平方メートル当り金二万八五〇〇円と決定した。そ して、右路線価の上昇率は、前基準年度の約一・二五倍である。 5 評価の総合性について - 5 - (一) 以上、何れの場合も、標準宅地の路線価は標準宅地の価格より相当大幅に下廻つ て決定されているが、これは基準宅地及び各標準宅地間の路線価のバランスを考慮したこ と、 基準宅地及び相続税の路線価の上昇割合を考慮したこと、更に前基準年度の評価額に対す る上昇率は、一般的には概九二割、状況変化の著しい地域については概ね二倍を目途とす る旨の北海道の指示があつたこと等を総合的に勘案した結果によるものであり、評価は斯 くの如く全体のバランスの中で総合的に実施されねばならない。 (三) なお、被控訴人は、本件土地の登録価格が本件土地より時価の高額である周辺の 土地の登録価格より高額であると推測されるとか(請求の原因4の(一 、本件土地の )) 路 線価は「六丁目街路」の路線価に比較すると高いとも主張しているが(甲第四号証、そ ) の ような事実は全くなく、かつ本件土地の用途地区は普通商業地区に属し「六丁目街路」 、 は 併用住宅地区に属しているもので、用途地区の異なる土地相互間における価格を比較する こと自体が誤りである。 三 控訴人の新たな主張に対する被控訴人の認否及び反論 1 控訴人の新たな主張1は争う 地方税法において、固定資産の評価について特に不服申立てを認め、また固定資産評価審 査委員会なる独立した第三者機関を認けてその審査にあたらせることとしているのは、固 定資産の評価には、専門技術的な知識、経験を必要とし、多分に主観的、恣意的な要素の 加わるおそれがあるところから、納税者の権利・利益を保護するために、また評価の客観 的合理性を担保させ、もつて固定資産税の適正な賦課を期 、専門技術的な知識、経験を必要とし、多分に主観的、恣意的な要素の 加わるおそれがあるところから、納税者の権利・利益を保護するために、また評価の客観 的合理性を担保させ、もつて固定資産税の適正な賦課を期せんとする趣旨であり、特に口 頭審理の制度は右の趣旨を徹底させるため審査申出人に対し手続参加の権利を与え、口頭 審理にあつて審査委員会が審査申出入に対し不服の限度に応じて評価の根拠・計算方法等 価格決定の理由を明らかにすることは審理の基礎的な要請であり、これによつてはじめて 審査申出人をして法律上保障された攻撃・防禦の方法を尽さしめることが可能となるので あるから、審査申出人に対し価格決定の理由を示さずなされた審査決定は、固定資産評価 台帳に登録された価格自体の適否如何にかかわらず、違法なものとして取消を免れないも のである。 しかるところ、本件口頭審理において、被控訴人は、本件土地は買い物公園に近いが「本 件通路」は舗装されておらず道路でもないこと、舗装されかつ歩車道の区別のある六条本 通り・昭和通りの時価(取引価格)は本件土地より高額であるにもかかわらず、固定資産 の評価額は本件土地より低額であること、 本件土地の評価が適正ではないこと、固定資産評価基準による路線価が開示されなかつた ので被控訴人は右の結論を相続税の路線価から推測したことなどを主張したにもかかわら ず、控訴人は、本件土地の路線価及び昭和通り・六条本通り等の路線価を示さず、またこ れらの各路線価の評価根拠・計算方法等価格決定の理由を了知させる措置をもとつていな い。 2 控訴人の新たな主張2の(一)ないし(四)の事実は認める。 - 6 - ( ) 。 ( ) 、 。 3 同3 一 の事実は知らない 同3 二 の前段の事実は否認し 後段の主張は争う 同3(三)のうち、基準宅地の意義及び指定市以外の適正な時価及び 事実は認める。 - 6 - ( ) 。 ( ) 、 。 3 同3 一 の事実は知らない 同3 二 の前段の事実は否認し 後段の主張は争う 同3(三)のうち、基準宅地の意義及び指定市以外の適正な時価及び路線価については都 道府県知事が控訴人主張のとおりの調整を行なうこととされていることは認めるが、その 余の事実は知らない。同3(四)のうち「標準宅地旭川好鳥園」の正面路線価が一平方 、 メ ートル当り金七万円と決定されたことは認めるが、その余の事実は知らない。同3(五) のうち「標準宅地喫茶店クローバー」の背面(北側)路線価が一平方メートル当り金五 、 万 一七〇〇円と決定されたことは認めるが、その余の事実は知らない。同3(六)のうち、 「本 件通路」の路線価が一平方メートル当り金四万三五〇〇円と決定されたことは認めるが、 その余の事実は知らない。 4 同4(一)の事実は知らない。同4(二)のうち「標準宅地ニユー北海ホテル」の 、 路 線価が一平方メートル当り金四万九二〇〇円と決定されたことは認めるが、その余の事実 は知らない。同4(三)のうち、旭川市長が「標準宅地第一パーキング」の価格を一平方 メートル当り金五万二〇〇〇円と評定したことは認めるが、その余の事実は知らない。同 4(五)のうち「六丁目街路」の路線価が一平方メートル当り金二万八五〇〇円と決定 、 さ れたことは認めるが、その余の事実は知らない。 5 同5(一 (二)は争う。 )、 6 控訴人の主張に対する反論(固定資産評価基準に違反し、正常売買価格に基づくこと なく「適正な時価」を評定した違法) (一) 固定資産評価基準は、土地の価格につき正常売買価格から適正な時価を評定する 手段であるから、適正な時価は正常売買価格を適確に反映したものでなければならない。 (二) ところで、本件口頭審理で、被控訴人において正常な売 準は、土地の価格につき正常売買価格から適正な時価を評定する 手段であるから、適正な時価は正常売買価格を適確に反映したものでなければならない。 (二) ところで、本件口頭審理で、被控訴人において正常な売買価格を反映していない と具体的に指摘した路線価につき、 控訴人主張の正常売買価格(以下の「控訴人の価格)及び「評定にかかる適正な時価」 」 及 び被控訴人主張の正常売買価格(以下の「被控訴人の価格)を比較すると次のとおりと 」 な る。 番号 街路名 「被控訴人の価格」/m2 「評定にかかる適性な時価」/m2 「控 訴人の価格」/m2 (1) 本件土地正面 二四万二〇〇〇円 七万円 一一万 九〇〇〇円 ( ) ( ) ( ) <地名略> 約二九% 約四九% (2) 本件土地背面 一八万二〇〇〇円 五万一七〇〇円 九万 円 - 7 - (<地名略>北側) (約二八%) (約四 九%) (3) 本件通路 一二万一〇〇〇円 四万三五〇〇円 不明 (約三六%) (4) <地名略> 三〇万三〇〇〇円 四万九二〇〇円 不明 (約一六%) (5) <地名略> 三九万四〇〇〇円 五万八八〇〇円 不明 (約一五%) (6) <地名略> 二一万二〇〇〇円 二万八五〇〇円 不明 (約一三%) (7) <地名略> 一六万七〇〇〇円 二万七三〇〇円 不明 <地名略> (約一六%) (三) 「被控訴人の価格」と「評価にかかる適正な時価」とを比較すると、右(1)及 び(2)の路線価については、右適正な時価は「被控訴人の価格」の約二九パーセンーの 割合になつているが(3)の路線価については、右適正な時価は「被控訴人の価格」の 、 約 三六パーセントの割合であり(4)ないし(7)の路線価については、右適正な時価は 、 「被 控訴人の価格」と約一三ないし一六パーセントの割合になつている。ちなみに「控訴人 、 の 訴人の価格」の 、 約 三六パーセントの割合であり(4)ないし(7)の路線価については、右適正な時価は 、 「被 控訴人の価格」と約一三ないし一六パーセントの割合になつている。ちなみに「控訴人 、 の 価格」と右適正な時価を比較すると(1)及び(2)の路線価については、右適正な時 、 価 は「控訴人の価格」の五五パーセント前後の割合である(なお(4)ないし(7)の路線 価も同じような比率と推測される。 ) したがつて、旭川市の前記(1)ないし(7)の路線価は正常な売買価格から評定されて いるものとはいえない。 (四) このように、旭川市の路線価が正常な売買価格による適正な時価となつていない のは、 次の如く固定資産評価基準に基づき評価していないからである。 、 、 、 すなわち第一に標準宅地の選定に関して宅地の利用状況を基準とした用途区分をなし 右用途区分した各地区を街路の状況、公共施設等の接近状況、家屋の疎密度、その他の宅 地の利用上の便等から相当に相違する地域ごとに区分し、主要街路に沿接するものから標 。 、 ( ) 、 準宅地を選定することを怠つたものと推測されることである 例えば 前記 3 地区は 現実の利用状況からみるとはとんど併用住宅地区であり、街路の状況は幅員が五・四五メ ートルで歩車道の区別のない未舗装街路であり、指定道路でもないため冬期間は除雪等の 、 ( )( ) ( ) 、 公共サービスの行なわれない所であるのに対し 前記 4 5 及び 7 の各地区は 現実の利用状況が居住用住宅のほとんどない大部分が商業施設しかも高度利用された施設 であり、街路の状況は幅員が二〇メートル以上で歩車道の区別された舗装道路であり、冬 期間除雪等の公共サービスの行なわれている所であるにもかかわらず、前者につき普通商 業地域とされ、後者につき併用住宅地区とされている。 - 8 員が二〇メートル以上で歩車道の区別された舗装道路であり、冬 期間除雪等の公共サービスの行なわれている所であるにもかかわらず、前者につき普通商 業地域とされ、後者につき併用住宅地区とされている。 - 8 - 第二に、標準宅地の適正な時価を宅地の売買実例価額から評定するものとされているにも かかわらずこれによつていないことは、控訴人が各標準宅地の売買実例価格を主張せず精 通者価格を主張していることからも推測される。 第三 証拠(省略) ○ 理由 一 請求原因1(被控訴人が本件土地の共有者であること、同2(本件土地に対する昭 ) 和 五四年度の固定資産税の評価額及び課税標準額の課税台帳登録、同3(被控訴人の審査 ) 申 出とこれに対する本件口頭審理の開催及び審査決定の存在)の各事実は、当事者間に争い がない。 二 本件審査決定手続の違法性について 1 固定資産評価審査委員会制度の意義などについて (一) 市長村長は、固定資産評価員が固定資産評価基準に従つて行なつた評価に基づい て固定資産の評価等を毎年二月末日までに決定しなければならず(地方税法四一〇条、 ) 右 評価等を決定した場合においては、直ちにその価格等を固定資産課税台帳に登録しなけれ ばならない(同法四一一条一項。そして、課税台帳に登録された事項について不服のあ ) る 固定資産税の納税者は、委員会に審査の申出をすることができる(同法四三二条一項)旨 定められている。 (二) 委員会は、右申出を受けた場合においては、直ちに必要と認める調査、 口頭審理その他事実審査を行ない、右申出を受けた日から三〇日以内に審査決定をしなけ ればならないが(同法四三三条一項、審査を申し出た者の申請があつたときは、特別の ) 事 情がある場合を除き、口頭審理の手続によらなければならず(同条二項、口頭審理を行 ) な うときは、審査を申し出た者 ばならないが(同法四三三条一項、審査を申し出た者の申請があつたときは、特別の ) 事 情がある場合を除き、口頭審理の手続によらなければならず(同条二項、口頭審理を行 ) な うときは、審査を申し出た者、市町村長または固定資産評価員その他の関係者の出席及び 証言を求めることができ(同条三項、その手続による審査は、公開して行なわなければ ) な らない(同条六項)とされている。 (三) 固定資産税の納税者は、委員会の決定に不服があるときは、その取消しの訴えを 提起することができるが(同法四三四条一項、固定資産税の賦課についての不服申立て ) に おいては、固定資産の価格や委員会の決定の違法を争うことは許されない(同条二項、同 法四三二条三項歩照。 ) (四) 右のように、法律上、課税台帳に登録された価格等について不服のある固定資産 、 、 税の納税者に審査の申出をなすことを認めかつ独立した第三者機関たる委員会を設けて 、 、 これに事責審査に基づく審査決定を行なわせることとしているのは固定資産の評価には 専門技術的な知識や経験を必要とするばかりでなく、多分に主観的かつ恣意的な要素の加 - 9 - わる虞があるので、事後的にもせよ評価の客観的合理性を担保させ、もつて固定資産税の 適正な賦課を期せんとする趣旨に出たもので、固定資産評価審査委員会制度は、納税者の 権利保障制度であり、租税法律主義の理念の要請に合致するものと解される。そして、固 定資産課税台帳の縦覧制度と相まつて、口頭審理制度は、この趣旨に基づき、審査申出入 に対して手続参加の権利を与えたものということができる。 ところが、固定資産の評価は、固定資産評価基準に定められた複雑な専門技術的かつ計算 の手順を経てなされるため、納税者としては、課税台帳を縦覧して評価額を知り、これに 対し不服の念を抱いたとしても、如何なる算出根 、固定資産の評価は、固定資産評価基準に定められた複雑な専門技術的かつ計算 の手順を経てなされるため、納税者としては、課税台帳を縦覧して評価額を知り、これに 対し不服の念を抱いたとしても、如何なる算出根拠や計算方法によつて右の評価額が決定 されたかについては、通常殆んどこれを知ることができないのみならず、審査の申出も、 右縦覧後比較的短期間内にこれをなすべきものと定められている(同法四三二条一項参 照。 ) (五) 以上の諸点に鑑みると、委員会としては、課税台帳に登録された固定資産の評価 に関する審査の申出を受けた場合、まず、審査申出人に対し、不服事由を明らかにし、 かつ不服事由となつた評価に関する反論の主張及び立証をするための合理的に必要な範囲 で、評価の根拠や計算方法等価格決定の理由を了知させる措置をとるべきである。 すなわち、これを土地についていえば、委員会は、少なくとも、当該土地の地目や市街地 性の認定結果「市街地宅地評価法」の実施に関しては、用途地区の区分結果、標準宅地 、 の 所在位置、その適正な時価や路線価とその算出根拠、当該土地の路線価や評点数と評点一 点当りの価格、さらに後記のように審査申出人が自己の所有する土地の評価額が適正かつ 公平なものであるか否かを対比検討するために合理的に必要な範囲の当該土地周辺の宅地 の評価額や路線価などを、自ら、もしくは市町村長あるいは固定資産評価員をして、口頭 審理の内外を通じ、審査申出人に明らかにし、もつて不服事由に関する主張及び立証の機 会を実質的に保障することが要請され、委員会がこれを怠るときは、その審査手続は公正 を欠き違法たるを免れないものというべきである。 (六) 控訴人は、右の点に関し、特定土地の周辺の土地の評価額は、同土地の所有者本 人またはこれと同等に扱われる代理人に限つて会表すべきであり、右評価額を第三者に 法たるを免れないものというべきである。 (六) 控訴人は、右の点に関し、特定土地の周辺の土地の評価額は、同土地の所有者本 人またはこれと同等に扱われる代理人に限つて会表すべきであり、右評価額を第三者に開 示することは、地方税法二二条(秘密漏えいに関する罪)及び地方公務員法三四条(守秘 義務)の規定に抵触することになる旨主張する。 しかし、課税台帳の縦覧制度(地方税法四一五条参照)の趣旨は、納税者に台帳の縦覧を 通じて、その所有する固定資産の評価を知り、これが適正に行なわれているか否か及び右 評価が他の納税者の場合と比較して公平に行なわれているか否かを検討させる機会を与え ることにあり、右縦覧制度は、固定資産評価審査委員会制度と同様に納税者の権利保障制 度であると考えられ、このような縦覧制度の趣旨及び目的に照らすと、納税者が縦覧する ことのできる課税台帳の範囲は、自己の所有する固定資産に関する部分のみならず、右の 諸点を検討するうえで、合理的に必要な範囲の他の固定資産に関する部分も含まれるもの と解するのが相当である。 したがつて、右の限度において、委員会が、前記のように周辺の土地の評価額を審査申出 、 、 人に対して明らかにすることは許されるものというべきであるから控訴人の前記主張は これを採用することができない。 - 10 - 2 本件審査手続について 前記当事者間に争いのない事実に、成立に争いのない甲第一号証、 同第二号証の一、二、同第三、第四号証、同第一二号証の三、乙第六ないし第九号証、同 第一一号証の一ないし五、同第一二号証(甲第一号証、同第四号証、乙第六ないし第九号 証は原本の存在とも、原審における被控訴人本人尋問の結果)第一回)によつて真正に ) 成 立したと認める甲第五号証の一、三、原審証人B、同C、当審証人D、同Aの各証言(い ずれも後記措信しない部分を除く 証は原本の存在とも、原審における被控訴人本人尋問の結果)第一回)によつて真正に ) 成 立したと認める甲第五号証の一、三、原審証人B、同C、当審証人D、同Aの各証言(い ずれも後記措信しない部分を除く 、原審(第一、二回)及び当審(第一、二回)にお 。) け る被控訴人本人尋問の結果ならびに弁論の全趣旨を総合すると、次の各事実が認められ、 原審証人B、同C、当審証人D、同Aの各証言中、右認定に反する部分は前掲各証拠に照 らし措信できず、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。 (一) 被控訴人は、昭和五三年九月八日父である訴外Eが死亡し、訴外Fと共に本件土 地を共同相続(なお、被控訴人の共有持分は三分の二である)したものであり、したが 。 つ てその固定資産税の納税義務者である。 (二) 被控訴人は、昭和五三年一一月ころ、右相続税の納付申告の準備のため、旭川中 税務署を訪れ本件土地の相続税の路線価を尋ねたところ、右税務署の担当者より、本件通 路には右路線価が付設されていないので、後日、旭川市の固定資産税の路線価を参考にし て右路線価を付設したうえで、これを被控訴人に連絡する旨の説明を受けた。 (三) 被控訴人は、その後、右税務署から本件通路の相続税の路線価を一平方メートル 当り金四万一〇〇〇円と付設したとの連絡を受け、その適正さに疑問を抱きつつも、昭和 五四年度の固定資産の評価替に際して本件土地に関し正当な評価がなされれば、右相続税 の路線価をより低額に修正してもらうことができるものと考え、税務署から賦課された相 続税を一応納付した。 (四) 旭川市長は、地方税法三四一条六号にいう基準年度である昭和五四年度の本件土 地の固定資産の評価額を金五一三〇万五三二八円と決定し、これを課税台帳に登録し、昭 和五四年四月九日から同月二八日までの間、課税台帳を関係者の縦覧に供した。そこで いう基準年度である昭和五四年度の本件土 地の固定資産の評価額を金五一三〇万五三二八円と決定し、これを課税台帳に登録し、昭 和五四年四月九日から同月二八日までの間、課税台帳を関係者の縦覧に供した。そこで、 被控訴人は、昭和五四年四月一三日、旭川市役所を訪れ、本件土地及びその周辺の土地の 課税台帳の縦覧を請求したところ、旭川市の担当者は、本件土地の課税台帳の縦覧は許し たものの、その他の土地の課税台帳の縦覧は拒絶した。 なお、右縦覧に際し、 被控訴人は、旭川市資産税課土地係長Aに面会し、本件通路の路線価を教えてもらいたい 旨求めた。これに対し、A係長は、相続税の路線価と固定資産税の路線価とはそれぞれ別 個の手続により付設されるものであるから右両路線価の間に連動関係はない旨説明したう え、本件土地とその周辺の土地とを含む昭和五四年度の固定資産税の路線価図(乙第六な いし第九号証の路線価図はその一部である)を閲覧させたが、右閲覧の時間は極く短時 。 間 であつて、右図面上に記載された路線価を記憶したり、そのメモをとつたりする余裕はな かつた。 - 11 - (五) 被控訴人は、課税台帳に登録された本件土地の昭和五四年度固定資産評価額を不 服として、昭和五四年五月二日、控訴人に対し、本件審査の申出をなし、その審査請求書 (甲第一号証はその写しである)には、その理由として「本件土地の評価額が周辺の土 。 地 の評価額に比較して割高となつている」旨記載し、右審査は口頭審理の手続によつてな 。 す ことを申請した。 (六) 本件審査の申出を受けた控訴人は、職権により、口頭審理手続外で同審理に先立 ち、評価庁たる旭川市長より、本件土地の固定資産の評価額の算出に関する原判決添付別 紙目録二の記載事項を内容とする書面、本件土地及びその周辺の土地の昭和五四年度固定 資産税の路線価図(乙第六ないし第 立 ち、評価庁たる旭川市長より、本件土地の固定資産の評価額の算出に関する原判決添付別 紙目録二の記載事項を内容とする書面、本件土地及びその周辺の土地の昭和五四年度固定 資産税の路線価図(乙第六ないし第九号証、標準宅地価額調査表(乙第一一号証の一な ) い し五)及び標準宅地路線価表の抜粋などの資料の提出を受けた。 (七) 控訴人は、昭和五四年五月二九日、本件口頭審理を約一時間半にわたり関催した が、被控訴人は、その席上、審査申出の理由として「本件土地は、平和通り(買物公園) には近いが、側方は舗装もなされていない本件通路に面している。このような立地条件に ある本件土地と六丁目街路付近とを比較すると、後者にはNHKやホテルの建物が存在し ており、時価は後者の方が明らかに高いと思われる。ところが、昭和五三年度の相続税の 路線価は、本件土地の方が六丁目街路よりも高く評価されており、この点は固定資産税の 路線価についても同様であると考えられる。これは、相続税の路線価が固定資産税の路線 価を参考にして付設されることによるものである。そこで、昭和五四年度の固定資産税の 路線価について、本件土地がその周辺の土地と比較して不当に高く評価されていないか否 かの審査を求める。なお、旭川市当局は、被控訴人に対し、 本件土地以外の課税台帳の縦覧を許さなかつたが、これでは本件土地の評価が他の土地と 比較して適正かつ公平になされているか否かを検討する機会が与えられないことになり不 当である」旨主張した。 。 これに対し、旭川市担当者は「固定資産の評価は、固定資産評価基準及び北海道の指示 、 等 に基づいて実施しており、これらの趣旨を十分に踏まえた路線価の決定及び画地計算法等 による評価額や課税標準額の算出とその計算過程は、いずれも適切なものである。昭和五 一年度の評価は、これより以前に評価替のなされた 実施しており、これらの趣旨を十分に踏まえた路線価の決定及び画地計算法等 による評価額や課税標準額の算出とその計算過程は、いずれも適切なものである。昭和五 一年度の評価は、これより以前に評価替のなされた昭和四八年の評価額と課税標準額との 間に負担調整措置により相当の差があつたので、同年から昭和五一年にかけて評価額に対 する最低の課税標準額が六〇パーセント程度の負担調整の土地は、昭和五一年度評価額が 課税標準額の二倍を超えないよう評価替せよとの北海道の指示があり、また本件土地と六 丁目街路とは差があるが、本件土地が平和通りに近いこと及び昭和通りに面して建築され ているNHKの建物の裏は日章小学校であり両者の裏側の状況が異なることなどによるも のである。なお、被控訴人に対し本件土地の周辺の土地の課税台帳を縦覧させることは、 税法及び地方公務員並びに自治省行政実例に照らし適当ではない」旨主張したが、それ 。 以 上に、本件土地の昭和五四年度の固定資産の評価額の具体的な算出根拠及びそれが適正か - 12 - つ公平であることの具体的根拠については十分な説明がなかつた。 (八) 右のように、被控訴人は、本件土地の昭和五四年度における固定資産の評価が適 正に行なわれたか否か及び右評価が他の納税者の場合と比較して公平に行なわれたものか 否かについて本件口頭審理による審査を求めていたものであるが、本件土地の周辺の土地 の課税台帳や固定資産税の路線価図の縦覧や閲覧を許されなかつたため、本件口頭審理に おいては、被控訴人自らが右審理前に入手していた昭和五三年度相続税の路線価に関する 資料に基づいて、右審査の不服事由の主張及び立証をなしたものであり、右の事情は控訴 人においても明らかなところであつた。 (九) しかるに、控訴人は、本件口頭審理に先立ち旭川市長より前認定のとおりの資料 の提出を受け、 右審査の不服事由の主張及び立証をなしたものであり、右の事情は控訴 人においても明らかなところであつた。 (九) しかるに、控訴人は、本件口頭審理に先立ち旭川市長より前認定のとおりの資料 の提出を受け、本件口頭審理においても控訴人委員は右資料を手許において参照していた が、被控訴人の右資料の開示要求に応ずることはできないと判断してこれを拒絶した。そ して、控訴人は、 前認定のような旭川市担当者の抽象的な説明を受けたのみで、標準宅地の所在位置、その 適正な時価や路線価とその算出根拠、本件土地の路線価や評点数と評点一点当りの価格、 審査申出人たる被控訴人が前記不服事由について検討するために必要かつ合理的な範囲の 周辺の土地の評価額や路線価などを明らかにする措置をとることもなく、本件口頭審理の 手続を終結した。 (一〇) 控訴人は、昭和五四年五月二九日、本件審査の申出を棄却する旨の本件審査決 定をなし、同決定書正本(甲第二号証の二)を同年六月二日ころ、被控訴人に対して送付 した。 、 、 、 、 3 以上の認定事実によれば被控訴人は基本的には本件審査申出の不服事由として 昭和五四年度における本件土地の固定資産の評価が高すぎること及びその評価方法や計算 根拠の明示がなされないので、右評価が適正かつ公平になされたものであるか否か疑問で ある旨主張しているところ、控訴人は、本件口頭審理において、評価庁たる旭川市長に対 し前認定のような抽象的な説明をさせたのみで、本件土地の具体的な評価方法や計算根拠 を明らかにする措置を何らとらず、また職権により提出を受けていた本件土地の評価に関 する詳細な前記各資料を示してその内容を被控訴人に了知させたりする措置もとらず、結 局右不服事由に関する実質的な主張及び立証の機会を被控訴人に対して与えることなく (なお、前認定の昭和五四年四月一三日におけるA係長 記各資料を示してその内容を被控訴人に了知させたりする措置もとらず、結 局右不服事由に関する実質的な主張及び立証の機会を被控訴人に対して与えることなく (なお、前認定の昭和五四年四月一三日におけるA係長の被控訴人に対する応対内容なら びに控訴人が、本件審査決定後、本件土地の固定資産評価額の一応の算出根拠を記載した 書面を添付して本件審査決定書正本を被控訴人に送付していることなどを考慮に入れて も、 なお到底右主張及び立証の機会は保障されていなかつたというほかはない 、本件審査 。) 決 定をなしたものというべきである。 そうすると、本件口頭審理の手続には右の点において重大な瑕疵があるというべく、本件 審査決定は、その余の点について判断するまでもなく、違法な行政処分として取消を免れ ない。 三 結論 よつて、本件審査決定の取消を求める被控訴人の本訴請求は、正当としてこれを認容すべ - 13 - く、これと同旨の原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却するこ ととし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を適用し て、主文のとおり判決する。 (裁判官 瀧田 薫 吉本俊雄 井上繁規) 原審判決の主文、事実及び理由 ( ) 、 一 別紙目録の一記載の土地に対する昭和五四年度固定資産課税台帳登録価格につき 、 。 被告が昭和五四年六月二日付でした原告の審査申出を棄却する旨の決定はこれを取消す 二 訴訟費用は被告の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 請求の趣旨 主文同旨 二 請求の趣旨に対する答弁 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 第二 当事者の主張 一 請求の原因 1 別紙目録一の(一)記載の土地(以下本件土地という)は、もと原告の父Eの所有 。 で 、 、 。 あつたところ昭和五三年九月八日同人 訴訟費用は原告の負担とする。 第二 当事者の主張 一 請求の原因 1 別紙目録一の(一)記載の土地(以下本件土地という)は、もと原告の父Eの所有 。 で 、 、 。 あつたところ昭和五三年九月八日同人が死亡し原告とFとが本件土地を共同相続した なお、原告の共有持分は三分の二である。 2 旭川市長は昭和五四年一月末日本件土地に対する昭和五四年度の固定資産税の評価額 及び課税標準額を別紙目録一の(二)記載のとおり決定し、これを昭和五四年度固定資産 課税台帳(以下課税台帳という)に登録した。 。 3 原告は本件土地の登録価格について不服があるため、昭和五四年五月二日被告に対し 審査の申出をしたところ、被告は昭和五四年五月二九日口頭審理(以下本件口頭審理とい う)をしたのち、同年六月二日原告の右審査の申出を棄却する旨の決定(以下本件審査 。 決 定という)をした。 。 4 しかし、本件審査決定は次の理由により違法であるから取消を免れない。 (一) 課税台帳の登録価格について納税者から審査の申出を受けた固定資産評価審査委 員会(以下委員会という)は、審査申出入の申請があつたときは、特別の事情がある場 。 合 を除き、口頭審理の手続により審理を行なわなければならず(地方税法四三三条二項、 ) こ の審理方式によるときは、審査申出人、市長その他の関係者の出席及び証言を求め(同条 三項、関係者に提出資料の閲覧をさせ(同条五項、行政不服審査法所定の審理手続に ) ) 従 い、参考人の陳述及び鑑定要求(行政不服審査法二七条、検証(同法二九条、審尋(同 ) ) 法三〇条)等の方法で審査資料の収集に努め(地方税法四三三条七項、これらを公開の ) - 14 - 審 理手続で行なわなければならない(同条六項。 ) ところが、原告は被告に対し、本件口頭審理期日において、本件土地の登録価格が本件土 地より め(地方税法四三三条七項、これらを公開の ) - 14 - 審 理手続で行なわなければならない(同条六項。 ) ところが、原告は被告に対し、本件口頭審理期日において、本件土地の登録価格が本件土 地より時価の高額である周辺の土地の登録価格より高額であると推測されることから、 本件土地の登録価格が周辺の土地に比較して過大であること、固定資産評価の体系とそれ に基づく本件土地の評価額の具体的決定理由及びその計算根拠並びに周辺の土地の登録価 格を明示するよう求めたにもかかわらず、被告は本件口頭審理期日において、何ら右決定 理由、計算根拠及び周辺の土地の登録価格を明らかにせず、また、前記各法条に定められ た手続を履践することなく、原告に弁論立証の機会を与えないまま、ただ一回の審理で一 方的に審理を打切つたものであつて、審理手続に瑕疵が存する。 (二) 地方税法に基づいて定められた旭川市固定資産評価審査委員会規程(以下委員会 規程という)によれば、被告は審理にあたり旭川市長に対し答弁書の提出を求め(同規 。 程 九条、関係者相互の対質・証言を求め、口頭審理を終了するに先だつて関係者に意見を ) 述 ( ) 、 べ必要な資料を提出する機会を与える同規程一〇条ものとされているにもかかわらず 右手続は履践されていないから手続上の瑕疵が存する。 (三) ところで、委員会は審査決定において、その理由中で少なくとも争点を明らかに し、これに対する判断、意見を記載することによつて、審査申出人に決定理由を知らせる ことが必要である。しかるに、本件審査決定は「別紙目録二記載のとおり評価の根拠、 、 評 価の方法等は地方税法三八八条一項の規定に基づき適法にして適正なものである」とい 。 う のみで、本件土地の登録価格が周辺の土地の登録価格に比較して過大であるという審査申 出人(原告)の主張に対し全く理由を 方法等は地方税法三八八条一項の規定に基づき適法にして適正なものである」とい 。 う のみで、本件土地の登録価格が周辺の土地の登録価格に比較して過大であるという審査申 出人(原告)の主張に対し全く理由を記載していないから、これのみで取消事由に該当す るものである。 (四) 本件土地の登録価格の決定にあたり、旭川市長は、固定資産評価員または固定資 産評価補助員に固定資産の状況を毎年少なくとも一回実地に調査させなければならず(地 方税法四〇八条、また、固定資産の評価に関する事務に従事する旭川市職員は、原告と ) と もにする実地調査、原告に対する質問等のあらゆる方法によつて公正な評価をするように 努めなければならない(同法四〇三条二項)ものとされている。しかし、右所定の義務は 履践されていないのに、旭川市長は本件土地の評価額を決定したものであるから違法であ るところ、本件審査決定は右違法を看過してなされたものである。 5 よつて、本件審査決定を取消すのと判決を求める。 二 請求原因に対する被告の認否 1 請求原因1ないし3は認める。 2 同4の(一)のうち、審査申出人の申請があつたときは、特別の事情がある場合を除 き、地方税法四三三条二項の規定に基づき口頭審理の手続により審理を行なわなければな らないことは認めるが、その余は否認する。審理方法については、いずれも「申出があれ - 15 - ばできる」との規定であつて、強行規定ではなく、必ず履践しなければならないものでは ない。 3 同4の(二)は否認する。 4 同4の(三)のうち、本件審査決定に原告主張のとおりの理由が記載されていたこと は認めるが、その余は否認する。本件審査決定には、別紙目録二記載のとおり審査決定の 理由が具体的に記載されている。 5 同4の(四)は否認する。なお、同項で原告の主張する事由は、原処分庁である旭川 と は認めるが、その余は否認する。本件審査決定には、別紙目録二記載のとおり審査決定の 理由が具体的に記載されている。 5 同4の(四)は否認する。なお、同項で原告の主張する事由は、原処分庁である旭川 市長に対して申立てるべきものであり、被告が審査する事項ではない。 三 被告の主張 1 原告は、被告が本件口頭審理期日において本件土地の評価額の具体的決定理由、計算 根拠及び周辺の土地の登録価格を明らかにしなかつたと主張するが、原告は審査申出書に おいて、本件土地の評価額が周辺の土地の評価額に比較して割高であると主張し、更に、 口頭審理においては、本件土地の評価額が他の土地の評価額と比較して正しいかどうかを 審査するよう申出ていたもので、周辺の土地との比較においてのみ本件土地の評価額の高 低を明らかにするよう求めていたのである。周辺の土地の評価額は所有者本人またはこれ と同等に扱われる者(代理人)に限つて公表すべきであり、それを第三者に明示すること は地方税法二二条(秘密漏えいに関する罪)及び地方公務員法三四条(守秘義務)の規定 に抵触する。本件口頭審理において旭川市長はその旨主張した。被告はこれと同一の見解 であつたので、周辺の土地の登録価格を明らかにしなかつたのである。原告は本件口頭審 、 。 、 理において路線価図を提示し双方で路線価の設定について質疑を行つた以上のとおり 周辺の土地の評価額の公表は守秘義務との関連において適当でなく、更に、評価にあたつ ての基本的な事項である路線価について論議されている事実からみて、本件土地の評価額 の決定理由及び計算根拠は明確にされている。 2 原告は、被告が本件審査決定をするについて地方税法四三三条二、三、五項、行政不 服審査法二七、二九、三〇条、地方税法四三三条六、七項に定められた手続を履践してい ないと主張するが、 被告は地方税法四 2 原告は、被告が本件審査決定をするについて地方税法四三三条二、三、五項、行政不 服審査法二七、二九、三〇条、地方税法四三三条六、七項に定められた手続を履践してい ないと主張するが、 被告は地方税法四三三条二項の規定により口頭審理を実施し、その口頭審理において同条 三項の規定により原告及び旭川市長(実際は旭川市長の委任を受けた者)の出席及び証言 を求め、更に、行政不服審査法三〇条の規定による審尋を行うことにより事実の審査を行 う等所定の審理手続を履践した。参考人の陳述及び鑑定(行政不服審査法二七条、検証 ) (同 法二九条)については、原告の請求がなく、被告もその必要がないと判断したので実施し なかつたものである。 3 原告は、被告が原告に弁論立証の機会を与えないまま、ただ一回の審理で一方的に審 理を打切つた旨主張するが、被告委員長の「この場で結論を出してもよいか」との発 、 。 言 に対し、原告は「それで私が納得するかどうかは別問題である」と主張しており、右 、 。 は 原告が不服事由を充分に究明した結果の発言と考えられ、本件口頭審理は原告の了解をえ て終了したものであり、被告が一方的に打切つたものではない。また、委員会は事実審査 - 16 - をする場合、口頭審理を通じてのみ弁論、資料の提出、審理等を行なわなければならない とは解されず、むしろ、地方税法四三三条一項には、委員会は審査の申出を受けた場合に おいては「直ちにその必要と認める調査、口頭審理その他事実審査を行い」と規定されて おり、口頭審理と並行して他の審理を行いうるものであり、更に、委員会は審査申出人が 提出した資料または口頭弁論の結果に拘束されることなく、各委員が実体的に真実である と信ずる自由な心証に基づいて審査を行うものである。被告は本件口頭審理とは別に職権 で調査を行ない、収集した資料をも総合して原告 資料または口頭弁論の結果に拘束されることなく、各委員が実体的に真実である と信ずる自由な心証に基づいて審査を行うものである。被告は本件口頭審理とは別に職権 で調査を行ない、収集した資料をも総合して原告の審査申出事項を十分に検討し、本件審 査決定をしたものである。 4 原告は、被告が委員会規程九、一〇条の各手続を履践していないと主張するが、委員 会規程九条によれば、被告が旭川市長に対し答弁書を求めることを要するのは書面審理を 行う場合であり、口頭審理を実施する場合には要請されていないから、答弁書を求めなか つたものである。また、被告は委員会規程一〇条三項に基づき関係者の相互対質を行い、 同条の他の各項の手続も履践している。 5 原告は、被告が本件審査決定において、本件土地の登録価格が周辺の土地の登録価格 に比較して過大であるとの原告の主張に対し全く理由を記載していない旨主張するが、 原告は周辺の土地との比較においてのみ本件土地の評価額の高低を求めているところ、課 税台帳の評価額は納税者本人または本人と同等に扱われる者(代理人)に限つて開示すべ きもので、それを第三者に開示することは納税者の秘密に属する資産状況が公にされる結 、 ( ) ( ) 果を生じ 地方税法二二条 秘密漏えいに関する罪 及び地方公務員法三四条 守秘義務 に抵触する。従つて、被告は右各規定との関連で周辺の土地の評価額の開示は不適当と判 断したものである。 、 、 原告は本件土地の評価額はその周辺の土地の評価額に比較して過大であると主張するが 右主張は、本件土地よりも、その不服はむしろ本件土地の周辺の土地について存すると解 されるのであつて、課税台帳に登録された事項について不服があるとはいえない。被告が 審査することができる事項は本件土地の評価額それ自体の適否であり、本件土地の評価額 と周辺の土地の評価額との 存すると解 されるのであつて、課税台帳に登録された事項について不服があるとはいえない。被告が 審査することができる事項は本件土地の評価額それ自体の適否であり、本件土地の評価額 と周辺の土地の評価額との比較において過大であるか否かの判断を下すことは被告の審査 権限外である。 第三 証拠関係(省略) ○ 理由 第一 請求原因1ないし3は当事者間に争いがない。 第二 原本の存在及び成立に争いのない甲第一、第四号証、成立に争いのない甲第二号証 の一、二、第三号証、第七号証の三、原告本人尋問の結果(第一回)により真正に成立し たものと認められる甲第五号証の一ないし五、第一一号証、証人B、同Cの各証言、原告 本人尋問の結果(第一、第二回)に弁論の全趣旨を総合すると、原告は、昭和四七年に不 動産鑑定士、同五〇年に公認会計士の各資格を取得し、同五一年四月から札幌市で不動産 鑑定士、公認会計士事務所を経営している者であるが、昭和五三年九月八日父Eが死亡し たため、本件土地の相続税を納付する必要上、本件土地の相続税及び固定資産税の各路線 価を調査したことがあり、その結果周辺土地と比較して本件土地の評価額が不当に高額に なつているのではないかとの疑問を抱いたこと、昭和五四年度は固定資産の評価年度で 、 あ - 17 - り、旭川市長は同年四月九日から同月二八日まで課税台帳を縦覧に供したので、原告は右 疑問点を調査するため課税台帳を縦覧しようとしたが、同市長は課税台帳のうち本件土地 以外の部分は原告の縦覧を拒否したこと、そこで、原告は昭和五四年五月二日被告に対し 本件審査の申出をし、請求の理由として、 本件土地の評価額が周辺の土地の評価額と比較して割高となつている旨主張したこと、本 件口頭審理は同年五月二九日被告委員三名、原告、旭川市職員五名が出席して開催された が、その席上、原告は、要旨「本件土 本件土地の評価額が周辺の土地の評価額と比較して割高となつている旨主張したこと、本 件口頭審理は同年五月二九日被告委員三名、原告、旭川市職員五名が出席して開催された が、その席上、原告は、要旨「本件土地は、平和通り(買物公園)には近いが、側方は舗 装もされていない小路に面しており、近傍でNHKやホテルの建築されている昭和通り付 近とを比較すると、時価は後者の方が高いと思われるのに、昭和五三年度の相続税の路線 価を参照すると前者の方が高く評価されており、相続税の路線価は固定資産税の路線価に 基づいて付設されるので、同年度固定資産税の路線価についても前者の方が高く評価され ていると思われるが、これは公平ではない。昭和五四年度においても、本件土地が周辺の 土地と比べて高く評価されていないかどうか審査して欲しい。また、旭川市では、課税台 帳については縦覧期間においても本人部分しか閲覧させない取扱いであり、本件土地と周 辺の土地の評価額を比較する機会が与えられていないが、これは不当である」と主張し 。 た こと、これに対し、旭川市当局は、要旨「固定資産の評価は、固定資産評価基準及び北海 道の指示等に基づいて実施しており、これらの趣旨を十分にふまえながら、路線価を決定 し、また、画地計算法等により評価額更には課税標準額を算出しているのであつて、その 計算過程においても適切なものである。 都市計画税についても同様である。課税台帳の縦覧について他都市の例が出ていたが、税 法、地方公務員法に基づき、税務担当者として守らなければならない規定を受け、それに よつて業務を推進している。更に、自治省行政実例によると、それらの閲覧は適当なもの ではない旨の見解があり、旭川市としてもこれを受けて忠実に守つている。昭和四八年の 評価替は、七名の土地精通者から五〇三か所の地点についての意見を聞いて、その平均 実例によると、それらの閲覧は適当なもの ではない旨の見解があり、旭川市としてもこれを受けて忠実に守つている。昭和四八年の 評価替は、七名の土地精通者から五〇三か所の地点についての意見を聞いて、その平均的 価格一・三以上と〇・七以下とを除き、更に平均値をとりだして出したものが最頻地であ る。最頻地の価格は標準地に意見価格を付設し、北海道の基準宅地の指示平均価格とを対 比し、それに〇・七を乗じて付設した。昭和五一年度については、北海道から、昭和四八 年の評価額と課税標準額との間には負担調整措置により相当の差があつた、昭和四八年か ら同五一年にかけて評価額に対する最低の課税標準額が六〇パーセント程度の負担調整に ついての土地は、 昭和五一年度の評価額は課税標準額の二倍をこえないよう評価替をせよとの指示であつ た。 本件土地とNHK側とは差があるが、それは本件土地の方が平和通りに近く、また昭和通 りに面して建築されているNHKの建物の裏は日章小学校であり、両者の裏側の状況が異 なるためである」との説明をしたが、それ以上標準宅地はどこであるのか、その時価、 。 昭 和五四年度の本件土地及び周辺土地の路線価はいくらか、その根拠についての説明はなか つたこと、また、被告は、本件口頭審理にあたり、旭川市長から本件土地及びその周辺の 土地の路線価図、標準宅地価格調べを審査資料として交付を受けており、審理の席上これ - 18 - らを参照していたが、これらを原告に明らかにすることは、地方税法二二条(秘密漏えい に関する罪)及び地方公務員法三四条(守秘義務)の各規定に抵触するとする旭川市当局 の見解に従い、原告の求めにもかかわらず、これらを原告に開示することはせず、原告は 右資料の内容を知る機会のないまま本件口頭審理手続は終結したこと、その後被告は右資 、 、 、 料その他を検討して別紙目録二記 に従い、原告の求めにもかかわらず、これらを原告に開示することはせず、原告は 右資料の内容を知る機会のないまま本件口頭審理手続は終結したこと、その後被告は右資 、 、 、 料その他を検討して別紙目録二記載の理由を付した本件審査決定をしたことところで 固定資産税の課税標準である固定資産の価格は、宅地の場合、各筆の宅地に評点数を付設 し、この評点数に評点一点当りの価額を乗じて求める方法により算出されるが、市街地宅 地評価法により評点数を付設する手順は(1)宅地を、商業地区、住宅地区、工業地区 、 等 の利用状況等の共通な用途地区に区分し、当該各地区について、その状況が相当に相違す る地域ごとに細分し、当該地域の主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定す る(2)標準宅地について、売買実例価額から評定する適正な時価を求め、これに基づ 、 い て当該標準宅地の沿接する主要な街路について路線価を付設し、これに比準してその他の 街路の路線価を付設する(3)路線価を基礎として、奥行、間口、宅地の形状等の影響 、 を 計量する画地計算法を適用して、各筆の宅地の評点数を付設する(4)評点一点当りの 、 価 額は、宅地の指示平均価額(指定市町村にあつては自治大臣、それ以外の市町村にあつて は自治大臣の指示に基づき都道府県知事が算定する)に宅地の総地積を乗じ、これをその 付設総評点数で除した額に基づいて市町村長が決定する(5)各筆の評価額はその筆の 、 評 点数に評点一点当りの価額を乗じて求めることとされていること、 以上の事実を認めることができ、他に右認定に反する証拠は存しない。 第三 右認定したところにより、本件審査手続に違法があるか否かについて判断する。 原告は、本件土地の評価額が周辺の土地との比較において割高になつている旨主張してい るが、その意図するところは、結局本件土地の評価額 定したところにより、本件審査手続に違法があるか否かについて判断する。 原告は、本件土地の評価額が周辺の土地との比較において割高になつている旨主張してい るが、その意図するところは、結局本件土地の評価額が適正価額に比較して過大であると いうものと解せられるのであつて、これが被告の審査すべき事項であることは明らかであ る。 ところで、地方税法四三二条以下が固定資産の評価について特に不服申立を認め、これに 対し固定資産評価審査委員会という独立した第三者機関を設けてその審査に当らせること としているのは、固定資産の評価には専門・技術的な知識、経験を必要とする一面、多分 に主観的・恣意的な要素が加わる恐れがあるところから、評価の客観的合理性を担保して 納税者の権利・利益を保護しようとする趣旨に出たものと考えられる。なかでも、審査申 出入の申請があつたときは、特別の事情がある場合を除き、口頭審理の手続により審査を 行うこととしているのは、右の趣旨を徹底するため、審査申出人に対して手続参加の機会 を与えようとするものであつて、この趣旨からすれば、口頭審理の手続においては、審査 、 、 申出人が不服事由を特定し明らかにするために合理的に必要とされる範囲で評価の根拠 方法、手順等を了知できるような措置をとるとともに、明らかにされた不服事由について 審査申出人に反論の主張と立証の機会を与えるべきものである。もつとも、法が、固定資 - 19 - 産税の迅速な賦課、徴収という公益目的を達するため、審査決定は審査申出の日から三〇 日以内にしなければならない旨規定している(法四三三条一項)ことからすれば、委員会 における口頭審理手続は民事訴訟の口頭弁論におけるごとく口頭審理を通じてのみ資料の 収集をはかるべきことが要請されるものではないが、口頭審理外で収集した資料について は、口頭審理において審査申出 委員会 における口頭審理手続は民事訴訟の口頭弁論におけるごとく口頭審理を通じてのみ資料の 収集をはかるべきことが要請されるものではないが、口頭審理外で収集した資料について は、口頭審理において審査申出人に反論の主張、立証の機会を与えるべきであり、これを 怠るときはその審査手続は公正を欠き違法となるというべきである。 原告は不動産鑑定士、公認会計士の資格を有しており、評価の手順については専門的知識 、 、 、 を有しているのであるから被告は口頭審理外で収集した資料である標準宅地価格調べ 本件土地及びその周辺の土地の路線価図等の資料のうち、原告の不服事由を明らかにし、 かつ明らかにされた不服事由に対する原告の反論の主張、立証の機会を与えるのに合理的 に必要な範囲のもの、すなわち少くとも本件土地の周辺の土地の評価額または路線価及び 、 、 、 、 路線価付設の基礎となつた標準宅地の所在位置 その時価算定根拠を旭川市長をして または自ら、原告に対して明らかにすることが必要であつたといわなければならない。し かしながら、被告はこの措置に出ることなく、本件口頭審理において、わずかに旭川市当 局から、本件土地が平和通りに近いとか、NHKの裏側は日章小学校に面しているなどと 述べられた以外は全く抽象的な説明しかされなかつたにもかかわらず、それ以上の説明を させ、または自らこれをすることはしなかつたため、原告は具体的な反論の主張、立証の 機会を与えられることなく、口頭審理は終結となつたものである。 この点に関して、被告は周辺の土地の評価額を原告に開示することは、納税者の秘密に属 する資産状況が公にされる結果を生じ、地方税法二二条(秘密漏えいに関する罪)及び地 ( ) 。 、 方公務員法三四条守秘義務に抵触する旨主張するので検討する地方税法四一五条は 市町村長は毎年一定の期間課税台帳をその指定 にされる結果を生じ、地方税法二二条(秘密漏えいに関する罪)及び地 ( ) 。 、 方公務員法三四条守秘義務に抵触する旨主張するので検討する地方税法四一五条は 市町村長は毎年一定の期間課税台帳をその指定する場所において関係者の縦覧に供しなけ ればならないことを規定しているが、その趣旨は納税者にその所有する固定資産の評価額 を知る機会を与えるとともに、その評価額が公平妥当な額であるか否かを検討させること にあるものと解される。従つて、右規定により納税者が縦覧できる課税台帳の範囲は、納 税者自らの所有する固定資産に関する部分に限らず、他の周辺の固定資産に関する部分に ついても自己の所有する固定資産の評価額との間に均衡がとれているか否かを検討するた 。 、 めに合理的に必要な範囲のものと解される限り縦覧しうるものと考えられるそうすると 本件口頭審理において被告が周辺の土地の評価額を原告に開示することは秘密をもらすこ とにはならないというべきである。 第四 以上のとおりであつて、被告は本件口頭審理において標準宅地の所在位置、その時 価、算定根拠を開示せず、かつ、本件土地の周辺の土地の評価額または路線価を開示する ことをせず、原告が不服事由を明らかにし、不服事由に対する原告の反論の主張、立証の 機会を与えることなく本件審査申出を棄却する決定をした点において、本件審査手続は違 法のものというべきであり、 本件審査決定はその余の点につき判断するまでもなく取消を免れない。 第五 よつて、原告の本訴請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき行政事件 訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。 別紙(省略) - 20 - 文のとおり判決する。 別紙(省略) - 20 -
▼ クリックして全文を表示