平成24(行ウ)17 加給年金額対象者不該当処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成25年7月5日 大阪地方裁判所 その他
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判決文本文8,859 文字)

平成25年7月5日判決言渡平成24年(行ウ)第17号加給年金額対象者不該当処分取消請求事件主文 1 厚生労働大臣が原告に対し平成22年6月16日付けでしたAを老齢厚生年金加給年金額対象者としない旨の処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。事実及び理由第1 請求主文同旨第2 事案の概要 1 事案の骨子本件は,原告が,厚生年金保険法(以下「厚年法」という。)附則8条による特別支給の老齢厚生年金(以下「特老厚生年金」という。)の受給権を取得した当時,Aと内縁関係にあったとして,厚生労働大臣に対し,Aを厚年法44条1項所定の配偶者に係る加給年金額の対象者とした「老齢厚生年金・退職共済年金加給年金額加算開始事由該当届」(以下「本件該当届」という。)を提出したところ,Aを上記加給年金額の対象者としない旨の処分(以下「本件処分」という。)を受けたことから,被告に対し,その取消しを求める事案である。 2 関係法令の定め 老齢厚生年金について厚年法42条は,老齢厚生年金は,原則として,被保険者期間を有する者が①65歳以上であり,②保険料納付済期間及び保険料免除期間を合算した期間が25年以上である場合に支給されると規定している。なお,厚年法附則8条は,当分の間,65歳未満の者が,①60歳以上であること,②1年以上の被保険者期間を有すること,③保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であること,のいずれにも該当するに至ったときは,その者に老齢厚生年金(特老厚生年金)を支給すると規定している。 加給年金額の加算についてア加給年金額が加算される要件厚年法44条1項 当するに至ったときは,その者に老齢厚生年金(特老厚生年金)を支給すると規定している。 加給年金額の加算についてア加給年金額が加算される要件厚年法44条1項は,老齢厚生年金の額につき,原則として受給権者がその権利を取得した当時,その者によって生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者があるときは,同法43条に定める額に加給年金額を加算した額とすると規定している。そして,厚年法44条5項は,同条1項の適用上,配偶者が老齢厚生年金の受給権者によって生計を維持していたこと(以下,配偶者が老齢厚生年金の受給権者によって生計を維持していたことを「生計維持要件」という。)の認定に関し必要な事項を政令で定めると規定している。イ 「配偶者」について上記アの「配偶者」について,厚年法3条2項は,婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含むと規定している。 生計維持要件の認定に関し必要な事項について厚年法44条5項の規定を受け,厚生年金保険法施行令3条の5第1項1号は,「老齢厚生年金の受給権者によって生計を維持していた配偶者」につき,当該老齢厚生年金の受給権者がその権利を取得した当時,その受給権者と生計を同じくしていた者であって(以下,配偶者の上記生計の同一性に係る要件を「生計同一要件」という。),厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外のもの(以下,配偶者の上記収入に係る要件を「収入要件」という。)などと規定している。 3 前提となる事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる。 当事者等ア原告は,昭和▲年▲月▲日に出生した男性で 提となる事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる。 当事者等ア原告は,昭和▲年▲月▲日に出生した男性である(甲11)。イ原告は,昭和59年5月7日,韓国国籍を有する外国人であるBと婚姻の届出をしたが,Bは,昭和62年11月7日に本邦から出国した後,現在に至るまで所在が不明である(乙12,13,弁論の全趣旨)。ウ Aは,昭和▲年▲月▲日に出生した女性である(甲22)。エ原告とBについては,平成23年1月15日に離婚の裁判が確定し,原告とAは,同年9月1日,婚姻の届出をした(甲4,11,弁論の全趣旨)。 原告とAの,住民票上の住所の変遷ア原告は,平成元年3月25日付けで,住民票上の住所を,大阪府豊中市α×番14号に異動した(乙14)。イ Aは,平成8年2月19日付けで,住民票上の住所を,大阪府豊中市β×番17号から原告の上記住所地に異動した(乙15)。ウ原告は,平成19年2月6日付けで,住民票上の住所を,兵庫県尼崎市γ×番地C○号に異動し,Aは,同月13日付けで,住民票上の住所を同所に異動した(乙14,15)。 本件処分に至る経緯ア原告は,平成6年11月2日,社会保険庁長官に対して,特老厚生年金を受ける権利の裁定を請求した(乙6)。イ社会保険庁長官は,同年12月8日付けで,上記アの裁定請求に対して,受給権の発生日を▲年▲月▲日,年金額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間を300月とする特老厚生年金を受ける権利の裁定をした(乙6)。ウ原告は,平成22年1月19日(ただし受付日),厚生労働大臣に対し,特老厚生年金の受給権を取得した日(平成▲年 被保険者期間を300月とする特老厚生年金を受ける権利の裁定をした(乙6)。ウ原告は,平成22年1月19日(ただし受付日),厚生労働大臣に対し,特老厚生年金の受給権を取得した日(平成▲年▲月▲日)において,加給年金額の対象となる配偶者があったとして,Aを対象者とする本件該当届を提出した(乙5)。エ厚生労働大臣は,平成22年6月16日付けで,本件該当届について,「老齢厚生年金の受給権を取得した当時…生計を維持していた配偶者…と認められない」として,Aが加給年金額対象者に該当しない旨の処分(本件処分)をした(甲1)。 不服申立て及び本件訴訟の提起ア原告は,本件処分を不服として,平成22年7月9日,近畿厚生局社会保険審査官に対して審査請求をしたが(乙9),同審査官は同年9月16日,原告の審査請求を棄却する決定をした(甲3)。イ原告は,上記審査官の棄却決定を不服として,同年10月25日,社会保険審査会に対して,再審査請求をしたが(乙10),社会保険審査会は,平成23年7月29日,原告の再審査請求を棄却する裁決をした(甲2)。ウ原告は,平成24年1月26日,本件訴訟を提起した(顕著な事実)。 厚年法3条2項の「事実上婚姻関係と同様の事情」について昭和55年5月16日庁保発第15号通知「事実婚関係の認定について」は,厚年法3条2項の「事実上婚姻関係と同様の事情」とは,婚姻の届出を欠くが,社会通念上,夫婦としての共同生活と認められる事実関係(内縁関係)をいい,①当事者間に,社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること,②当事者間に,社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在することが必要であるとしている。 そして, 間に,社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること,②当事者間に,社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在することが必要であるとしている。 そして,届出による婚姻関係にある者が重ねて他の者と内縁関係にある場合,届出による婚姻関係を優先すべきであり,届出による婚姻関係がその実体を全く失ったものとなっているときに限り,内縁関係にある者を事実上婚姻関係と同様の事情にある者として認定するものとしている。(乙11)  生計維持要件について昭和61年4月30日庁保険発第29号通知「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」は,生計維持要件の認定基準として,生計同一要件と収入要件を次のとおり定めている(乙11)。ア生計同一要件について次のア~ウなどに該当する配偶者については生計同一関係を認定する。ア 住民票上同一世帯に属しているときイ 住民票上世帯を異にしているが,住所が住民票上同一であるときウ 住所が住民票上異なっているが,現に起居を共にし,かつ,消費生活上の家計を一つにしていると認められるときイ収入要件について次のいずれかに該当する配偶者は,厚生労働大臣の定める金額(年額850万円)以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外の者に該当するものとする。ア 前年の収入が年額850万円未満であることイ 前年の所得が年額655.5万円未満であることウ 一時的な所得があるときは,これを除いた後,上記ア又はイに該当することエ 上記のア,イ又はウに該当しないが,定年退職等の事情により近い将来収入が年額850万円未満又は所得が年額655.5万円未 れを除いた後,上記ア又はイに該当することエ 上記のア,イ又はウに該当しないが,定年退職等の事情により近い将来収入が年額850万円未満又は所得が年額655.5万円未満となることが認められること 4 争点及び争点に関する当事者の主張本案前の争点は,訴えの利益があるかである。本案の争点は,本件処分の違法性(Aが原告によって生計を維持していた原告の配偶者に当たるか)である。 これらについての当事者の主張は以下のとおりである。 本案前の争点について(被告の主張) 平成19年法律第111号の施行日前に同法による改正前の厚年法に基づき保険給付を受ける権利を取得した者の支分権については,会計法30条及び31条の規定が適用され,権利を行使できるとき(同法31条2項,民法166条1項),すなわち各支払期月の翌月の初日(厚年法36条3項参照)を起算日として,各支払期月ごとに消滅時効が進行し,5年の経過により,順次,援用を要せずに時効消滅するものと解される。本件でも,Aが厚年法44条1項所定の配偶者に係る加給年金額の対象者に該当するとしても,Aは平成▲年▲月▲日に65歳に達することから,同年8月分までの支分権しか発生しないところ,この同月分の支分権は,その支払期である同年10月の翌月の初日である同年11月1日を起算点として,5年を経過することにより援用なくして時効消滅する。そして,原告が本件該当届を提出したのは平成22年1月19日であるから,Aに係る加給年金額の支分権はその時点で既に全て消滅していたことになる。そうすると,仮に,Aが厚年法44条1項による配偶者に係る加給年金額の対象者と認められ,本件処分が判決により取り消されたとしても,Aに係る加給年金額の支分権は既に全て時効によっ していたことになる。そうすると,仮に,Aが厚年法44条1項による配偶者に係る加給年金額の対象者と認められ,本件処分が判決により取り消されたとしても,Aに係る加給年金額の支分権は既に全て時効によって消滅しているのであるから,結局,裁定請求によって当該加給年金額が支払われることは法律上あり得ない。したがって,原告は,本件処分の取消しを求める利益を有する者とはいえず,本件訴えは不適法であるから,却下されるべきである。(原告の主張)原告は,平成▲年▲月▲日付けで特老厚生年金の受給権を取得し,同年10月支給分から同年金を受給しており,これにより支分権を行使しているから,時効の中断が生じており,Aに係る加給年金額との関係でも,消滅時効が進行することはない。また,原告は,社会保険庁長官に対し,特老厚生年金を受ける権利の裁定を請求した際,当時の戸籍上の妻を申告したから,社会保険庁長官がこの者 について加給年金額の対象者に当たるかどうかを調査し確認すれば,原告が当時既にAと内縁関係にあったことを容易に確認できたところ,社会保険庁長官はこれを怠った。このように社会保険庁長官の過失により,原告が加給年金額を受け取れなかった場合に,被告が消滅時効を主張するのは信義則に反して許されないというべきである。 本案の争点について(原告の主張)Aは,原告が特老厚生年金の受給権を取得した平成▲年▲月▲日当時,原告と同居し,内縁関係にあった者であり,原告によってその生計を維持していたのであるから,加給年金額の対象者となる配偶者に該当する。よって,Aを加給年金額の対象者と認めなかった本件処分は,事実誤認に基づくものであり,違法であるから取り消されるべきである。(被告の主張)原告が特老厚生年金の受給権を取得した に該当する。よって,Aを加給年金額の対象者と認めなかった本件処分は,事実誤認に基づくものであり,違法であるから取り消されるべきである。(被告の主張)原告が特老厚生年金の受給権を取得した平成▲年▲月▲日時点で,Aは,原告の世帯に属しておらず,住民票上の住所も同一ではなかった。したがって,前記3 アの生計同一要件の認定基準に照らすと,本件の場合には,「現に起居を共にし,かつ,消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき」(同ウ)に該当するかが問題となるところ,本件該当届の受理に伴って実施された意見聴取の結果,十分な資料等が提出されることはなく,同要件を満たすものと判断できなかった。また,本件訴訟においても,原告は,これらを認めるのに十分な信用性のある証拠を提出しておらず,立証がないというべきである。よって,Aは原告によって「生計を維持していた」とは認められなかったことから,厚生労働大臣が原告に対して,Aを加給年金額の対象者としないとした本件処分は適法である。第3 当裁判所の判断 1 本案前の争点(訴えの利益があるか)について老齢厚生年金の加給年金額加算開始事由該当届の提出は,加給年金額の加算の裁定請求の性質を有し,これに対する裁定行為によって,加算の始期や加算額等が公的に確認され,加給年金額の受給権が具体化すると解するのが相当である。そうすると,加給年金額の対象者に該当しない旨の処分が取り消されれば,上記のとおり加給年金額の受給権を具体化され得る地位を回復するのであるから,上記届出をした者は,当該処分の取消しを求める利益を有するというべきである。この点,被告は,仮にAが加給年金額の対象者に該当するとしても,受給し得た加給年金額の支分権は,いずれも既に時効消滅しており,本件処分を 該処分の取消しを求める利益を有するというべきである。この点,被告は,仮にAが加給年金額の対象者に該当するとしても,受給し得た加給年金額の支分権は,いずれも既に時効消滅しており,本件処分を取り消しても加給年金額が支払われることはないから,原告は本件処分の取消しを求める利益を有しないと主張する。しかしながら,支分権の時効消滅の効果は,法律の規定によって生ずるものであり,厚生労働大臣の処分によって生ずるものではないから,配偶者が加給年金額の対象者に該当しない旨の処分の取消訴訟等において具体的な支分権の時効消滅を争うことはできず,これが時効消滅していないとしてその支払を求める場合には,国を被告としてその支払請求訴訟(行政事件訴訟法4条)を提起すべきと解されるところ(厚生労働大臣は,配偶者が加給年金額の対象者となるべき要件を満たしていた特老厚生年金の受給権者から加給年金額の加算の裁定請求がされた場合には,加給年金額の支分権が時効消滅していると認めるときであっても,加給年金額の加算の裁定をした上で,「「年金時効特例法」に該当する場合を除き,平成○年○月以前の年金は,時効消滅によりお支払いはありません。」と記載された通知をしており(弁論の全趣旨),このような行政実務も,上記の考え方に沿うものといえる。),このような訴訟を提起するためには,前提として,加給年金額の加算の裁定によって加給年金額の受給権が具体化していることが必要であるから,原告は,配偶者が加給年金額の対象者に該当しない旨の裁定(本件処分)の取消しを求 める利益を有しており,支分権の時効消滅を理由に当該利益を否定することはできないというべきである。よって,被告の上記主張は,採用することができない。以上によれば,本件については,訴えの利益があるというべきである。 権の時効消滅を理由に当該利益を否定することはできないというべきである。よって,被告の上記主張は,採用することができない。以上によれば,本件については,訴えの利益があるというべきである。 2 本案の争点(Aが原告によって生計を維持していた原告の配偶者に当たるか)について 認定事実後掲の証拠及び弁論の全趣旨によると,以下の事実が認められる。ア原告とAは,いずれも昭和62年7月2日から昭和63年8月12日までの間,D株式会社に勤務していた(甲5,6)。イ昭和62年7月2日に交付されたAの年金手帳上,同人の氏名は「E」と記載されていた。なお,氏名は,平成5年12月1日付けで「F」と訂正されている。(甲8)ウ原告とAは,平成元年4月から平成19年4月まで,株式会社Gに,大阪府豊中市α×番14号所在のアパートであるHの住み込みの管理人として雇われた。原告は,平成2年8月まではI株式会社にも勤めていたが,同月9日に同社を退職してからは,時々タクシーの運転手として稼働しながら、Aとともに,Hの管理人の仕事を共同して行っていた。なお,株式会社Gの代表取締役の妻は,平成元年当時,原告とAを夫婦だと思っていた。(甲5,7,10,14~17,23~26)エ原告は,平成6年7月頃,大阪地方裁判所に自己破産の申立てをしたが,当時,原告は,HにおいてA及び実母と同居しており,原告がタクシー運転手として月収18万円を,AがHの管理人として月収4万円を,それぞれ得ていた(甲10,18)。 事実認定の補足説明この点,被告は,原告やAらの陳述書(甲14,17)は反対尋問を経て おらず信用できないとか,破産申立書(甲10)についても裁判所に提出されたものかどうかも確認で 実認定の補足説明この点,被告は,原告やAらの陳述書(甲14,17)は反対尋問を経て おらず信用できないとか,破産申立書(甲10)についても裁判所に提出されたものかどうかも確認できず信用できないなどと主張する。しかし,破産申立書については,弁護士がその職責の下に説明した作成経緯(甲23,24)に照らして信用できるのであって,原告やAの陳述書の内容も,上記のとおり信用できる破産申立書の内容や,その他前記のような客観的事実としての年金手帳の記載(甲8)や職歴等(甲5,6)によって裏付けられているといえるから,これらはいずれも信用することができる。 検討ア 「配偶者」該当性について前記前提となる事実のとおり,原告の法律上の妻であったBは,昭和62年に本邦から出国して以来,所在不明であるから,平成▲年▲月▲日当時,原告とBとは事実上離婚状態にあったというべきである。そして,前記前提となる事実及び認定事実によれば,原告とAは,同日当時,住民票上は世帯又は住所を同一にしていたものとは認められないが,昭和62年7月には同時にD株式会社での勤務を始め,Aが社会保険事務所という公的機関に対してJ姓を名乗っていたところ,原告及びAは,その後,株式会社Gに雇われ,Hの管理人として,同居するようになり,周囲からも夫婦であると認識されていた上,平成6年7月頃には,原告の実母と3人で同居し,主として原告の収入により生活していたものと認められる。 そうすると,平成▲年▲月▲日当時,原告とAの間には,①社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があり,②社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在するといえるから,前記第2の3の通知の基準によっても,同人らは内縁関係にあったといえ 認められる事実関係を成立させようとする合意があり,②社会通念上,夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在するといえるから,前記第2の3の通知の基準によっても,同人らは内縁関係にあったといえ,Aは原告の「配偶者」に当たる。 イ生計維持要件について上記のとおり,原告とAは,平成▲年▲月▲日当時,Hにおいて同居し,主に原告の収入により生活していたところ,Aの収入はわずか4万円程度であった(前記(1)エ)。そうすると,当時,Aは原告と「現に起居を共にし,かつ,消費生活上の家計を一つにしている」と認められ,かつ,その「前年の収入が年額850万円未満であること」は明らかであるから,前記第2の3(6)の通知の基準によっても,生計維持要件を満たすというべきである。ウまとめよって,Aは,原告によって「生計を維持していた」原告の「配偶者」に当たる。 3 結論以上の次第で,本件処分は,Aを加給年金額の対象者とするための要件をいずれも満たすにもかかわらず,加給年金額の対象者としなかった違法があるから,取り消されるべきであり,原告の請求は理由があるからこれを認容することとして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部裁判長裁判官西田隆裕裁判官山本 拓裁判官佐 藤 しほり

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