令和7(わ)1126 収賄

裁判年月日・裁判所
令和7年9月4日 名古屋地方裁判所
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判決文本文1,543 文字)

- 1 - 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。 被告人から43万3120円を追徴する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和2年4月1日から令和6年3月31日までの間、名古屋市観光文化交流局観光交流部主幹として、同年4月1日から令和7年3月31日までの間、同部担当課長として、同部が主管する観光客の誘致に係るプロモーションに関する業務につき、業務委託先の選定等の職務に従事していたもの、A(分離前の相被告人。)は、広告宣伝の情報媒体の企画制作及び販売等を目的とする株式会社Bの取締役として、同社の営業等に関する業務を統括していたものであるが、被告人は、前記プロモーションに関する業務に関し、前記Bが受注できるようにするなどの有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、令和5年3月9日頃から令和6年12月6日頃までの間、名古屋市中区三の丸3丁目1番1号名古屋市役所本庁舎において、別表記載のとおり、11回にわたり、Aから、直接又は前記観光交流部観光推進課職員等を介して、現金合計28万9795円の供与を受けるとともに、Aから預かっていた現金合計14万3325円の返還債務の免除を受けて同金額相当の財産上の利益の供与を受け、もってそれぞれ自己の職務に関して賄賂を収受した。 (量刑の理由)本件は、名古屋市観光文化交流局観光交流部主幹(後に担当課長)であった被告人による、広告宣伝企画等会社の営業担当取締役からの収賄の事案である。 賄賂の金額は、現金及び債務免除を合わせて約43 本件は、名古屋市観光文化交流局観光交流部主幹(後に担当課長)であった被告人による、広告宣伝企画等会社の営業担当取締役からの収賄の事案である。 賄賂の金額は、現金及び債務免除を合わせて約43万円に上り、少額とはいえない。被告人は、職務権限を利用して前記会社への業務発注を独断で繰り返す一方で、 - 2 -前記取締役に対し、名古屋市又はその委託先会社に対する経費の請求金額を水増しすることを前提に、私的な支出相当額の現金供与あるいは仮払金精算時の債務免除を持ち掛け、名古屋市の業務の受注実績という箔付け及び新規営業先開拓への好影響を期待した前記取締役にこれらを応じさせ、約1年9か月間、11回にわたり賄賂を収受したもので、名古屋市の観光客誘致業務の公正さはもとより、同業務に関する支出手続及び使途の適正さ、それらに対する市民からの信頼を大きく損ねており、結果は重大である。 被告人は、本件犯行動機に関し、観光客誘致イベントの備品代金等の自腹立替分を取り戻したかった、多くの業務をこなし、イベントの安価な実施に貢献しているのに給料が割に合わないとの思いがあったなどと述べるが、賄賂供与の働き掛けを正当化する理由にならないことは明らかであり、被告人には公務員としての自覚が欠如していたといわざるを得ず、強い非難を免れない。 他方、被告人が、本件各犯行を認めて反省の弁を述べていること、正式裁判を受けるのは今回が初めてであること、保釈にも協力した妻が出廷して今後の監督を誓約していること、そのほか被告人の家族関係、退職金差止めや実名報道等、被告人にとって酌むべき事情も認められるので、今回に限り、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 令和7年9月4日名古屋地方裁判所刑事第1部 令和7年9月4日 名古屋地方裁判所刑事第1部 主文 むべき事情も認められるので、今回に限り、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 裁判官森島聡

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