昭和33(ツ)1 家屋明渡請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和33年8月11日 福岡高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人等の負担とする。          理    由  本件上告理由は別紙上告理由書に記載するとおりである。  物権の変動はその登記

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判決文本文1,179 文字)

主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人等の負担とする。 理由本件上告理由は別紙上告理由書に記載するとおりである。 物権の変動はその登記をしたときから第三者に対し対抗力を生ずるのであるから、仮登記に基き本登記がなされた場合にも、その本登記による対抗力は本登記のときから生ずるのであつて、仮登記のとき又は当事者間に<要旨>物権変動の効力を生じたときに遡つて対抗力を生ずるものではない。しかし仮登記は後日本登記がなされるこ</要旨>とによつて、本登記権利者の権利を、仮登記後本登記前になされた中間処分による第三者の権利に優先せしめ、本登記権利者の権利を害する限度において第三者の権利を排除し、もつて本登記権利者の権利がその本登記のときから完全な対抗力を生ずることを保全せんとするものであつて、不動産登記法第七条第二項はその趣旨を規定したものである。すなわちこの規定は、物権変動の対抗力が仮登記当時に遡つて生ずるという意味ではなく、ただ物権の優先的効力について仮登記のときに本登記をしたと同様の効力を与えんとする趣旨である。そしてこのことは、その仮登記が、物権の変動を保全する仮登記であるか、物権変動の請求権を保全する仮登記であるかによつて、その理を異にするものではない。それ故例えば、或る不動産の所有権が甲から乙に移転しその移転を保全する仮登記がなされた後その本登記がなされ、又は甲から乙にその所有権を移転すべき請求権を保全する仮登記がなされた後所有権が乙に移転してその本登記がなされ、他面右仮登記後本登記前に甲が第三者丙に対し同一不動産の所有権を譲渡し又はその不動産に賃借権を設定してそれらの登記がなされた場合には、乙の所有権は丙の所有権又は賃借権に優先するから丙のこれらの権利は否認されることになるが に甲が第三者丙に対し同一不動産の所有権を譲渡し又はその不動産に賃借権を設定してそれらの登記がなされた場合には、乙の所有権は丙の所有権又は賃借権に優先するから丙のこれらの権利は否認されることになるが、本登記による対抗力は本登記のときから生ずるので、乙は丙との関係ではその本登記のときに所有権を取得したことになり、従つてそれ以前において丙が当該不動産を使用収益したことについて、乙は自己の所有権を理由として損害賠償又は不当利得償還の請求をすることはできない。原判決の所論判示はその表現において叙上の説明と異るが、その趣旨は結局同一に帰するものであつて、所論は原判決を正解せず独自の見解に基き原判決を非難するものであり、所論援用の判例は物権変動の請求権保全の仮登記の効力に関し毫も所論の論拠となるものではない。従つて論旨は理由がない。 よつて民事訴訟法第四〇一条、第八九条を適用し主文のとおり判決する。 (裁判長判事竹下利之右衛門判事小西信三判事岩永金次郎)

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