令和1(行ウ)25 生活保護変更申請却下決定処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年11月30日 札幌地方裁判所
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判決文本文21,880 文字)

主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求処分行政庁が、原告に対して平成29年12月19日付けでした生活保護変更申請却下決定処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は、生活保護法による保護を受けていた原告が、従前から使用していた暖房器具の故障を理由に、新たな暖房器具の購入費用の支給を求めて生活保護の変更の申請(以下「本件申請」という。)をしたところ、処分行政庁がこれを却下するとの決定(以下「本件処分」という。)をしたため、被告に対し、①本件申請は厚生省社会局長通知に定める暖房器具の購入費用を支給するべき事由に該当すること、②これに該当しないとしても、原告に臨時特別の需要があることからすれば、生活保護法等に照らし、本件申請が認められるべきであること、③このような需要があるにもかかわらず、厚生労働大臣への情報提供を行わずにされたものであることを理由に、本件処分が違法であると主張し、本件処分の取消しを求めた事案である。 1 関係法令等の定め⑴ 本件の関係法令等の定めは別紙のとおりであり(同別紙中で定義した略語は、以下の本文においても同様に用いる。)、その概略は⑵のとおりである。 ⑵ア生活保護法8条は、保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとし(同条第1項)、その基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであ って、且つ、これをこえないものでなければならないとする(同条第2項)。 イ厚生労働大臣が上記基準と 類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであ って、且つ、これをこえないものでなければならないとする(同条第2項)。 イ厚生労働大臣が上記基準として定めた告示は、1項において、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の基準(以下「一般基準」という。)はそれぞれ別表(省略)に定めるところによると規定し、2項において、要保護者に特別の事由があって、前項の基準によりがたいときは、厚生労働大臣が特別の基準(以下「特別基準」という。)を定めると規定している。 ウ次官通知は、上記告示を受けて、保護の基準となる最低生活費に関して、要保護者の衣食等月々の経常的な最低生活需要のすべてを満たすための費用として認定される経常的最低生活費、及び、特別の需要のある者について、最低生活に必要不可欠な物資を欠いていると認められる場合であって、それらの物資を支給しなければならない緊急やむを得ない場合に限り、別に定めるところにより、臨時的に認定される臨時的最低生活費(一時扶助費)の指針を定めている。 エ局長通知は、次官通知を受けて、特別基準の設定があったものとして、家具什器費を一般扶助費として支給することができる場合を示し、具体的には、「保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。」(局長通知第7-2⑹ア)、「災害にあい、災害救助法が発動されない場合において、当該地方公共団体等の救護をもってしては、災害により失った最低生活に直接必要な家具什器をまかなうことができないとき。」(同ウ)等の場合を挙げている。 なお、局長通知は、地方自治法が、各大臣は、特に必要があると認めるときは、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る市町村 をまかなうことができないとき。」(同ウ)等の場合を挙げている。 なお、局長通知は、地方自治法が、各大臣は、特に必要があると認めるときは、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る市町村の第1号法定受託事務の処理について、市町村が当該第1号法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができると規定しているところ(同法245条の9第3項)、生活保護法の申請による保護の変更(同法24条9項、1項、 3項)は、第1号法定受託事務とされており、局長通知は、上記の処理基準にあたるものである。 2 前提事実(当事者間に争いがないか、掲記証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実等)⑴ 当事者等ア原告は、札幌市A区に居住する者である。 イ被告は、原告の居住する地域の普通地方公共団体であり、地方自治法上の指定都市であって、第1号法定受託事務として生活保護法における保護の変更の申請の事務等を処理することとされている。 ⑵ 原告の生活保護の受給開始原告は、平成25年11月22日、生活保護法による保護を申請し、同日付けで保護開始となった。 ⑶ 本件処分及び本件訴えに至る経緯ア原告は、平成29年12月4日、暖房器具が故障し、安全に使用することができないなど日常生活に支障が生じており、暖房器具を購入するための費用(金額:1万3590円、摘要:ポータブル石油ストーブ<木造8畳>)が臨時に必要になったとして、生活保護変更申請(本件申請)を行った(甲1の1)。 イ処分行政庁は、平成29年12月19日、本件申請は局長通知に掲げる要件を満たさないとして、本件申請を却下する処分(本件処分)をした(甲2)。 ウ原告は、平成30年3月14日、北海道知事に対し、本 行政庁は、平成29年12月19日、本件申請は局長通知に掲げる要件を満たさないとして、本件申請を却下する処分(本件処分)をした(甲2)。 ウ原告は、平成30年3月14日、北海道知事に対し、本件処分を不服として審査請求を行ったが、北海道知事は、同年12月4日、これを棄却する裁決をした(甲3)。 エ原告は、平成31年1月3日、厚生労働大臣に対し、本件処分について再審査請求を行った(甲4)。 オ原告は、令和元年10月29日、本件訴えを提起した(顕著な事実)。 3 争点及び争点に対する当事者の主張⑴ 本件処分は、本件申請が局長通知の定める事由に当たるにもかかわらず当たらないとしたため違法であるといえるか。 (原告の主張)ア局長通知第7-2⑹アの該当性局長通知第7-2⑹アは、家具什器を支給して差し支えない場合として「保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。」と規定するが、その趣旨は、日常生活における家具什器の高い必要性に対して、保護開始時には、保有資産が制限されているため(保護の要否判定では貯金は認められておらず、保護の程度の判定において最低生活費〔医療扶助及び介護扶助を除く。〕の半分までが繰越金として保有を容認されるにすぎない。)、家具什器を積極給付することにある。 そうであれば、この理由(資金準備ができなかったこと)が保護受給中にも妥当する場合、すなわち、保護開始後においても、繰越金の状況が、最低生活費の半分以下であるなど、暖房器具等を捻出する余裕のない保護開始時と同レベルの生活困窮状態が当該世帯に認められた場合には、局長通知第7-2⑹アを適用又は準用して、暖房器具は積極的に支給されなければならないというべきである。 出する余裕のない保護開始時と同レベルの生活困窮状態が当該世帯に認められた場合には、局長通知第7-2⑹アを適用又は準用して、暖房器具は積極的に支給されなければならないというべきである。 本件申請時の原告の家計上の繰越金は、平成29年10月は3万4625円、同年11月は1万5028円、同年12月は1万1031円であり、いずれも最低生活費の半分以下であった。 したがって、原告の生活は、保護開始後においても、保護開始時の生活困窮状態が継続していたものであり、本件申請に対しては、局長通知第7-2⑹アが適用又は準用され、暖房器具を支給するべきであったのであるから、本件処分は違法である。 イ局長通知第7-2⑹ウの該当性 局長通知第7-2⑹ウは、災害にあって、他の救護では災害により失った最低生活に直接必要な家具什器を賄うことができないときにも一時扶助として暖房器具の支給を認めているところ、その趣旨は、突発的な事情で暖房器具を含む家具什器が使えなくなった場合に、一時扶助として暖房器具を含む家具什器の支給を認めることにあるといえる。 そうであれば、本件暖房器具の故障は突発的なものであり、その原因である経年劣化も自然現象である上(物が経年により劣化するのは自然の摂理である。)、北海道の冬場に暖房器具が使えなければ生命に危険が生じるのであるから、本件暖房器具の故障は原告にとっては災害又は災害に準じるものであったといえる。 したがって、本件申請に対しては、局長通知第7-2⑹ウが適用又は準用され、暖房器具を支給するべきであったのであるから、本件処分は違法である。 (被告の主張)ア局長通知第7-2⑹アの該当性経常的最低生活費については、次官通知第7において「要 用され、暖房器具を支給するべきであったのであるから、本件処分は違法である。 (被告の主張)ア局長通知第7-2⑹アの該当性経常的最低生活費については、次官通知第7において「要保護者の衣食等月々の経常的な最低生活需要のすべてを満たすための費用として認定するものであり、したがって、被保護者は、経常的最低生活費の範囲内において通常予測される生活需要はすべてまかなうべきものであること。」、「被服費等の日常の諸経費は、本来経常的最低生活費の範囲内で、被保護者が、計画的に順次更新していくべきもの」とし、問答集第7-1⑷も、被服や家具什器の更新その他通常予測される生活需要については経常的最低生活費により賄われるのが原則であるとした上で、「予想外の事故や生活の場の転換に際し最低生活の基盤の物質の確保に多額の費用を必要とする場合」において、経常的最低生活費の範囲内でのやりくりが困難となるという特定条件下における臨時特別の需要は、一時扶助により対応す るとしている。 本件においては、原告は、暖房器具の故障による買換えのための家具什器費の支給を求めているが、暖房器具の故障による買換え需要は、「家具什器の更新」として通常予測されるものであるため、経常的最低生活費で賄うべきものである。 そして、昭和60年4月1日当時の局長通知第6の2⑹エ「その他前各号に準ずる場合」というバスケット条項が廃止されたまま、現在に至っていることから、局長通知第7-2⑹アからオまでは限定列挙であり、同アは「保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。」と規定し、家具什器費の支給を行える場合を明確に「保護開始時」に限定しているのであるから、保護開始後の生活状況が保護開始時と同様であるということをも 低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。」と規定し、家具什器費の支給を行える場合を明確に「保護開始時」に限定しているのであるから、保護開始後の生活状況が保護開始時と同様であるということをもって、同規定に基づき一時扶助費を支給することができるという解釈は成り立たない。 イ局長通知第7-2⑹ウの該当性家具什器の経年劣化は通常の使用により起こるものであり「異常な自然現象」には当たりえないこと、暖房器具の故障は経年劣化の結果として「暖房器具がいつかは故障すること」について予測し得るものであることから、災害対策基本法2条1号に規定するような前触れなく発生する「突発的なものではない」ことに加えて、同号に規定する「災害」の類型と暖房器具の故障は性質上明らかに異なるものであり、社会通念に照らしても暖房器具の故障を災害又は災害に準じるものと認めることは到底不可能である。 ⑵ 本件処分は、原告に臨時特別の需要があることにより、家具什器が支給されなければならないことを検討せずになされたため、生活保護法等に違反し、違法であるといえるか。 (原告の主張)ア憲法25条を具体化した生活保護法は、9条において「要保護者の年齢別、 性別、健康状態等その他個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮し」なければならないという必要即応の原則を定めることにより、その実現を図るところ、同法を根拠に支給される一時扶助費は、経常的最低生活費では対応できない臨時特別の需要を賄うことにより憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を確保しようとしたものである。このような規定からすれば、一時扶助費の支給の是非を判断するに当たって第一次的に基準とされる局長通知は、生活保護法9条の必要即応の原則に適うように解釈されなければならな 確保しようとしたものである。このような規定からすれば、一時扶助費の支給の是非を判断するに当たって第一次的に基準とされる局長通知は、生活保護法9条の必要即応の原則に適うように解釈されなければならない。 この点、局長通知第7-2⑹アないしオは、客観的に家具什器費を支給するべき臨時特別の需要があるといえるあらゆる事例が全て網羅されていると評価することは到底できない。 また、局長通知は、「被保護者が次のアからオまでのいずれかに該当した場合であって、それらに該当したとき以降、初めて到来する冬季加算がされる月において、最低生活に直接必要な暖房器具の持ち合わせがないときは、暖房器具の購入に要する費用について(中略)必要な額を認定して差し支えない」と定めるのみで、アないしオ以外の場合には、家具什器費を支給してはならないとまで読み取れる文言を用いていない。 さらに、局長通知は、地方自治法上の処理基準にすぎず、行政内部の事務処理の基準を「必要最小限度」で示しているに過ぎない。 以上からすれば、局長通知第7-2⑹におけるアないしオは、詳細な個別調査を行うことなく、当然に家具什器の支給を検討するべき場合を例示列挙したに過ぎないと解釈するべきであり、アないしオに直接該当しなくとも、これらに比肩するような臨時特別の需要がある場合には、局長通知第7-2⑹により、暖房器具を含む家具什器費の支給を受けることができるというべきである。 イそして、原告は、北海道という寒冷地において、断熱機能の乏しい居宅に 循環器疾患、心疾患、高血圧症、高脂血症、糖尿病等の疾患を患いながら居住しており、低室温環境下で継続的に生活を送れば、これらの疾患が悪化し生命の危険が生じかねない状態であった。また、原告は、暖房器具等の家 疾患、心疾患、高血圧症、高脂血症、糖尿病等の疾患を患いながら居住しており、低室温環境下で継続的に生活を送れば、これらの疾患が悪化し生命の危険が生じかねない状態であった。また、原告は、暖房器具等の家具什器等の買換えのための費用を積み立てることはできていなかった。このような本件申請当時の原告の資産状況及び健康状態からすれば、暖房器具を支給するべき臨時特別の需要があったといえる。 ウ被告の主張するとおり、仮に局長通知第7-2⑹アないしオが限定列挙であり、アないしオに記載された事例以外の事情を考慮して、家具什器費の支給を決定することが許されないとするならば、局長通知は、憲法25条や生活保護法が「健康で文化的な最低限度の生活」の実現のために支給を想定する臨時特別の需要がある場合のうち、極めて限定された場合にしか家具什器費の支給を許さない基準であるといえ、必要即応の原則に対応していない点で合理性を欠くものである。 エ以上によれば、本件処分は、原告に一時扶助費の支給をするべき臨時特別の需要があったにもかかわらず、これを考慮せず、局長通知に記載された事由の該当性のみの判断によりなされたものであるから、憲法25条及び生活保護法9条に違反し、違法である。 (被告の主張)ア局長通知第7-2⑹が暖房器具の購入費用について一定の場合に必要な額を認定して「差し支えない」としているのは、局長通知第7-2⑹に掲げる場合以外の場合に暖房器具の購入費用を認定することが、通常予測される生活需要は全て経常的最低生活費で賄うべきとされていることとの関係で差し支えがある、すなわち許されないからである。 また、局長通知第7-2⑹は昭和60年3月までは「その他前号に準ずる場合」というバスケット条項が定められていたところ、同年4月に削 の関係で差し支えがある、すなわち許されないからである。 また、局長通知第7-2⑹は昭和60年3月までは「その他前号に準ずる場合」というバスケット条項が定められていたところ、同年4月に削除されてから現在に至るまで、このような条項は定められていない。 さらに、生活保護法8条1項に基づき厚生労働大臣が定める基準は、被保護者の日常生活の一般的な需要について8つの扶助別にその保障するべき最低生活の水準を定めた一般基準と、一般基準によっては最低生活を満たし得ないような特殊な事情が生じる場合に、厚生労働大臣が定めることとされている特別の基準がある。また、そのような事情が生じる全ての場合に同大臣がその都度特別基準を定めるのは煩雑であることから、一般基準によりがたいケースの出現が相当数予想される種類の費目については、特別基準の設定があったものとして取り扱うこととされているもの(以下「特別基準の一般設定」ということがある。)があり、局長通知第7-2⑹はこれに該当する。その上で、局長通知第7-10⑵は「特別基準の設定があったものとして取り扱う費用の認定については、各費目に関する告示及び本職通知の規定に従い、かつ、次のアからオまでによって、必要な額を認定すること。」としている。このように、局長通知に従うことを大前提とした上で、同第7-10⑵の規定によってさらに厳格な運用が求められている。 そして、局長通知第7-10⑷は、一般基準、特別基準又は特別基準のあったものとする取扱いによったのでは、告示及び局長通知の想定していない事態に対応できないという場合には、実施機関に対し、厚生労働大臣に情報提供することにより対処することを求めている(その結果、厚生労働大臣が特別基準を設定した場合、一時扶助費を支給できることになる い事態に対応できないという場合には、実施機関に対し、厚生労働大臣に情報提供することにより対処することを求めている(その結果、厚生労働大臣が特別基準を設定した場合、一時扶助費を支給できることになる。)。 以上からすれば、局長通知第7-2⑹のアからオまでに掲げる場合は、法の規定や一時扶助費の趣旨を勘案した上での限定列挙であることは明らかである。 イ局長通知第7-2⑹は、次官通知及び問答集の規定とともに、生活保護法3条及び8条2項が「高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断」によって具体化されたものである。そのため、これらの規定が違法とされるのは、厚生労働大臣の判断に裁量権の逸脱又は濫用があると認められる場合 に限定されるところ、局長通知第7-2⑹にはこのような事情はないから、局長通知が憲法25条及び生活保護法9条に違反するものとはいえない。 また、局長通知は、地方自治法245条の9第1項及び3項の規定による法定受託事務の処理基準であるが、地方公共団体が処理基準に則って法定受託事務を執り行わないと、適正な処理が確保できず、国が本来果たすべき役割を果たすことができないし、地域や保護の実施機関によって取扱に差異が生じ、行政の公正・平等が損なわれてしまうから、地方公共団体には、処理基準に従って事務を行うことが求められているのであって、地方公共団体が独自の判断でこれに反する取扱いをすることを容認したものとは解されず、地方公共団体は局長通知に拘束されるものである。 ウ以上によれば、本件処分は、適法な局長通知に基づきその該当性を判断してなされたものであり、適法である。 ⑶ 本件処分は、被告の厚生労働大臣への情報提供義務を怠って行われたものであるため違法であるといえるか。 (原告の主張) 知に基づきその該当性を判断してなされたものであり、適法である。 ⑶ 本件処分は、被告の厚生労働大臣への情報提供義務を怠って行われたものであるため違法であるといえるか。 (原告の主張)ア暖房器具の買換えなど家具什器の更新については、仮に経常的最低生活費により賄われるのが原則であったとしても、被保護者の資産状況等の個別具体的な事情に応じて、客観的にみて一時扶助費として暖房器具の買換費用を支給するべき場合があること及びそのような事例は局長通知第7-2⑹アないしオに必ずしも限定されないことは前記のとおりである。 イこれに関し、局長通知第7-10⑷は、一般基準によりがたい特別の事由があり、一般設定された特別基準によってもなお最低限度の生活の維持が困難であるような特別の事情が認められる場合には、実施機関が厚生労働大臣に個別の情報提供を行うことを義務付けている。 ウしたがって、局長通知第7-2⑹アないしオが限定列挙であり、これに直接該当しない場合であっても、個別の事情に応じて、一時扶助費の支給をし なければ、最低限度の生活の維持が困難である可能性がある場合には、一時扶助費の支給の是非を判断する前提として、被告において厚生労働大臣に個別の情報提供を行う義務があるというべきである。そして、当該義務を怠ったまま一時扶助費の申請を却下した場合には、一時扶助費の支給の是非を判断する上で、適切な判断過程を踏まえたとはいえず、考慮するべき事情を考慮しないまま処分がなされたものであり、裁量権を逸脱・濫用したものというべきである。 エ本件においては、特に北海道という寒冷地における暖房器具についての一時扶助費の支給の是非が問題となっており、暖房器具の支給がなされなければ、被保護者の生命・身体の安全に直 うべきである。 エ本件においては、特に北海道という寒冷地における暖房器具についての一時扶助費の支給の是非が問題となっており、暖房器具の支給がなされなければ、被保護者の生命・身体の安全に直接影響を及ぼすものであるから、その判断に当たっては慎重な検討が求められる。そして、原告は、本件申請当時、暖房器具の買換えに必要十分な繰越金を保有しておらず、その一方で、狭心症等の重大疾患を有していたことから、暖房器具がない状態で冬季期間を過ごせば、より一層生命・健康の危険を生じさせる可能性があり、場合によっては、凍死や心不全が生じる可能性があることを被告は認識していた。 そうであれば、本件申請においては、暖房器具の買換費用を提供しなければ、最低限度の生活の維持が困難であるような特別の事情が認められ、被告が処分内容を決定するに当たっては、厚生労働大臣に個別の情報提供を行う義務が生じていたものといえる。 オそれにもかかわらず、被告は当該情報提供義務を怠り、原告の個別具体的な事情を一切考慮することなく本件処分を行ったのであるから、本来考慮するべき事項が十分に考慮されておらず、本件処分は裁量権を逸脱・濫用するものとして違法である。 (被告の主張)局長通知第7-10⑷は「各費目に関する告示及び本職通知の規定による基準によりがたい特別の事情がある場合には、厚生労働大臣に情報提供すること」 と規定するところ、本件においてはそもそも基準によりがたい特別な事情が存在しないことから、厚生労働大臣に情報提供を行う事案ではない。 第3 争点に対する判断 1 争点1(本件処分は、本件申請が局長通知の定める事由に当たるにもかかわらず当たらないとしたため違法であるといえるか。)⑴ 局長通知第7-2⑹アの該当性 ない。 第3 争点に対する判断 1 争点1(本件処分は、本件申請が局長通知の定める事由に当たるにもかかわらず当たらないとしたため違法であるといえるか。)⑴ 局長通知第7-2⑹アの該当性原告は、局長通知第7-2⑹アが「保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき」と定める趣旨は、保護開始時に十分な保有資産がない者に対して、日常生活において必要性の高い家具什器費を積極的に支給する点にあることからすれば、保護開始後において同様の状況にある者に対しても家具什器を積極的に支給することが想定されており、原告はこのような状況にあったと主張する。 しかし、次官通知第7の1は、経常的最低生活費は、要保護者の衣食等月々の経常的な最低生活需要のすべてを満たすための費用として認定するものであり、したがって、被保護者は、経常的最低生活費の範囲内において、通常予測される生活需要はすべてまかなうべきものであるとしていることから、日常生活で使用される家具什器の買換えについては、原則として、経常的最低生活費で賄うべきであるという考え方に立脚するものであると解される。 したがって、局長通知第7-2⑹は、このような次官通知の考え方を前提として、通常予測される生活需要を賄う経常的最低生活費では対応できない特別の需要のうち、類型的に家具什器費を支給するのが相当な場合を具体的に列挙したものと解するのが相当である。 そうすると、局長通知第7-2⑹アが、あえてその給付時期について「保護開始時」と明示しているのは、上記の観点から、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがない保護開始時に限って、保護の対象とすることを明示する趣旨であると解されるのであり、保護開始後に「最低生活に直接必要な家具什器の 持合せがないとき」を理由に 必要な家具什器の持合せがない保護開始時に限って、保護の対象とすることを明示する趣旨であると解されるのであり、保護開始後に「最低生活に直接必要な家具什器の 持合せがないとき」を理由に支給することが想定されているとは考えられない。 よって、本件申請は保護開始後である以上、局長通知第7-2⑹アに当たらない。 ⑵ 局長通知第7-2⑹ウの該当性原告は、局長通知第7-2⑹ウが災害にあったことにより最低生活に直接必要な家具什器を失った場合に一時扶助費として給付することとしている趣旨は、突発的な事情によりこのような家具什器を失った者を救済することにある旨主張する。 しかし、家具什器の故障等による喪失は、災害とは異なり、製造年月日や使用頻度、使用状況等から、その発生する時期をある程度予測することが可能であるから、具体的な発生時期を特定することができないからといって災害による場合と同視するべきであるとはいえない。また、保護開始後において、最低生活に直接必要な家具什器が失われる可能性があることは容易に想定されるところ、局長通知第7-2⑹ウは、「災害に」あった場合と明示しており、また、同オにおいても、犯罪被害を受けた場合など、その発生が予測困難である場合を別の事由として列挙している。これらの事情を考慮すれば、単なる家具什器の故障は「災害に」あった場合に当たらないというのが相当である。 よって、本件申請は原告の所有していた暖房器具の故障を理由とするものである以上、局長通知第7-2⑹ウに当たらない。 ⑶ 小括以上によれば、本件申請は局長通知第7-2⑹ウの事由に当たらないのであるから、その該当性を否定した本件処分が違法であるとはいえない。 2 争点2(本件処分は、原告に臨時特別の需要があることにより、家具什器が支 、本件申請は局長通知第7-2⑹ウの事由に当たらないのであるから、その該当性を否定した本件処分が違法であるとはいえない。 2 争点2(本件処分は、原告に臨時特別の需要があることにより、家具什器が支給されなければならないことを検討せずになされたため、生活保護法等に違反し、違法であるといえるか。)⑴ 原告は、憲法25条を具体化した生活保護法9条が必要即応の原則を定めて いること、局長通知は法的拘束力のない必要最小限度の事務処理基準にすぎず、その列挙事由は極めて限定的な場合であることに照らせば、局長通知第7-2⑹アないしオの各事由は臨時特別の需要がある場合を網羅したものとはいえず、例示列挙に過ぎない旨主張する。 これに対し、被告は、局長通知第7-2⑹アないしオは限定列挙であり、これに基づいてなされた本件処分は違法ではない旨主張する。 ⑵ そこで検討すると、前記1⑴のとおり、局長通知第7-2⑹は、次官通知を前提として、通常予測される生活需要を賄う経常的最低生活費のみでは対応できない特別の需要のうち、類型的に家具什器費を支給するのが相当な場合を具体的に列挙したものと考えられる。 そして、証拠(乙11の1~3)及び弁論の全趣旨によれば、昭和59年当時の局長通知第6-2⑹(局長通知第7-2⑹に相当)に存在していた「その他前各号に準ずる場合」という事由は、昭和60年当時の局長通知では削除され、代わりに「保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。」という事由が追加されていること、その余の事由についてはそのまま維持されていること、このような改正がされた理由については、家具什器等の日常の諸経費は、本来、経常的最低生活費の範囲内で、被保護者が順次更新していくべきであるという考え方に基づき、保護開始時の支給 ま維持されていること、このような改正がされた理由については、家具什器等の日常の諸経費は、本来、経常的最低生活費の範囲内で、被保護者が順次更新していくべきであるという考え方に基づき、保護開始時の支給を明確化するとともに、「その他前各号に準ずる場合」を削除したと解説されていること、局長通知は、昭和60年当時のものと比較すると、「犯罪等により被害を受け、又は同一世帯に属する者から暴力を受け、生命及び身体の安全の確保を図るために新たに借家等に転居する場合において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。」という事由が新たに加えられている以外に改正されていないことが認められる。このように、各事由に直接該当しない場合でも、家具什器費の支給が可能であった文言を削除し、あえて、支給可能な事由を限定したことに照らせば、局長通知は、昭和60年の改正以降、家具什器費に関する 特別基準の一般設定については、支給できる事由を列挙したものに限ることを想定していたものといえる。 また、別紙のとおり、局長通知第7-10⑷によれば、局長通知等の基準によりがたい特別の事情がある場合には、厚生労働大臣に情報提供することとされており、厚生労働大臣が特別の事情があると判断した場合には、特別基準の設定がされることが予定され(生活保護法8条2項参照)、これが設定されれば当然支給できるのであるから、局長通知第7-2⑹アないしオの各事由以外の場合に家具什器費の支給がされる余地がないというものではない。 以上によれば、局長通知第7-2⑹アないしオの各事由は、特別基準の一般設定として、一般扶助費のうち家具什器費として支給する場合について、具体的な事由を必要かつ最小限の範囲で列挙したものであり、これ以外の事由について特別基準の一般設定があったものとして取り扱う の一般設定として、一般扶助費のうち家具什器費として支給する場合について、具体的な事由を必要かつ最小限の範囲で列挙したものであり、これ以外の事由について特別基準の一般設定があったものとして取り扱うことは想定していないといえるから、限定列挙であると解するのが相当である。 ⑶ これに関し、原告は、局長通知第7-2⑹アないしオの各事由を限定列挙と解するのは、憲法25条及び生活保護法9条に違反する旨主張する。 しかし、生活保護法により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならないが(同法3条)、最低限度の生活は、抽象的かつ相対的な概念であり、その具体的な内容は、その時々における経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであり、これを保護基準(同法8条2項)として具体化するにあたっては、高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするものである(最高裁昭和57年7月7日大法廷判決・民集36巻7号1235頁、同平成24年2月28日第三小法廷判決・民集66巻3号1240頁参照)。局長通知第7-2⑹は、厚生労働大臣が設定する保護基準そのものではないが、前記のとおり、通常予測される生活需要を賄う経常的最低生活費のみでは対応できない特別の需要のうち、家具什器費を支給するのが相 当な場合を具体的に列挙したものであり、高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とするのは、保護基準の設定と同様と考えられる。 そして、局長通知第7-2⑹は、前記のとおり、日常生活で使用される家具什器の買換えについては、原則として、経常的最低生活費で賄うべきであるという考え方を前提として、家具什器費を支給するのが相当な場合を限定列挙したも 7-2⑹は、前記のとおり、日常生活で使用される家具什器の買換えについては、原則として、経常的最低生活費で賄うべきであるという考え方を前提として、家具什器費を支給するのが相当な場合を限定列挙したものと解されるのであり、そのような考え方は何ら不合理なものではない。 また、局長通知においては、保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないときや、長期入院、災害、転居、あるいは、犯罪被害に遭ったときなどの例外を設けており、これらの内容も特段不合理とはいえない。 原告は、局長通知で列挙された内容が網羅的でないというのみで、その不合理性について具体的な主張をしておらず、局長通知が上記の政策判断として合理性を欠くものであるとは認められない。 そうすると、局長通知第7-2⑹アないしオの各事由を限定列挙と解することが憲法25条及び生活保護法9条等に照らし不合理とはいえず、これらに違反するとはいえない。 ⑷ なお、原告は、経常的最低生活費から家具什器の更新費用を捻出することは不可能であり、臨時特別の需要があったと主張するところ、証拠(甲8、12、13、32、55、乙1)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、本件申請当時、狭心症、糖尿病等にり患していたこと、自身の母から相続し、居住目的での保有が認められた築43年程度の建物に居住しており、建物内部等は相当劣化していること、平成29年9月から同年12月までの原告の家計においては、毎月1万円以上の繰越金を計上しているが、これは病気の発作時に病院へ移動することに備えた9000円のタクシー代が含まれていることが認められる。 しかし、原告の病状は、いずれも医師によりフルタイムで稼働可能と判断されるものであり(乙1、8、9)、本件申請当時も同様であったと推認できること、また、救急外来については救急車を とが認められる。 しかし、原告の病状は、いずれも医師によりフルタイムで稼働可能と判断されるものであり(乙1、8、9)、本件申請当時も同様であったと推認できること、また、救急外来については救急車を要請することにより対応可能で、仮に 救急車よりもタクシーの方が早く病院へ到着することがあり得るとしても、救急車内であれば応急措置を含めた医療行為による処置が可能であることからすれば、タクシー代を保持しておく必要性は必ずしも大きいとまではいえない。 さらに、生活保護を受けていない一般的な家庭においても、家具什器の更新のために日々の家計をやりくりして資金を捻出していることは容易に想像でき、生活保護においても、これと同様に経常的最低生活費を支出しているのであって、実際、原告は1万円以上の繰越金を計上し、本件申請が却下された後、1万3590円を使用して灯油ストーブを購入しているのであるから(甲55、弁論の全趣旨)、経常的最低生活費によって、家具什器の更新費用を捻出することは可能であったものといえる。 したがって、本件申請を認めなければならない臨時特別の需要が原告にあったとは認められない。 ⑸ 以上のとおり、局長通知第7-2⑹アないしオの各事由が限定列挙であり、また、原告に臨時特別の需要があったとはいえないことからすれば、局長通知の該当性を検討してなされた本件処分が違法であるとはいえない。 3 争点3(本件処分は、被告の厚生労働大臣への情報提供義務を怠って行われたものであるため違法であるといえるか。)⑴ 原告は、一般基準によりがたい特別の事由があり、一般設定された特別基準によっても最低限度の生活の維持が困難であるような特別の事情が認められる場合には、厚生労働大臣に個別の情報提供を行うことが義務付けられており、本件処分に当た 特別の事由があり、一般設定された特別基準によっても最低限度の生活の維持が困難であるような特別の事情が認められる場合には、厚生労働大臣に個別の情報提供を行うことが義務付けられており、本件処分に当たりこの情報提供が行われていないのであるから、本件処分は違法である旨主張する。 ⑵ しかし、前記のとおり、家具什器の更新費用は、経常的最低生活費から支出するべきものであり、原告は実際に支給された範囲から1万3590円を支出して灯油ストーブを購入しているのであるから、原告に厚生労働大臣に情報提供する必要があるような特別の事情があったとは認められない。 ⑶ したがって、厚生労働大臣に情報提供をするべき場合ではないのであるから、本件処分は同情報提供義務を怠って行われたものであるとはいえない。 第4 結論よって、原告の請求は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。 札幌地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官右田晃一 裁判官高島剛 裁判官小林遼平 (別紙) 1 生活保護法⑴ 1条この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。 ⑵ 2条すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。 ⑶ 3条この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければなら 法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。 ⑶ 3条この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。 ⑷ 6条1項この法律において「被保護者」とは、現に保護を受けている者をいう。 2項この法律において「要保護者」とは、現に保護を受けているといないとにかかわらず、保護を必要とする状態にある者をいう。 ⑸ 8条1項保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。 2項前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、且つ、これをこえないものでなければならない。 ⑹ 9条保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要 の相違を考慮して、有効且つ適切に行うものとする。 ⑺ 24条1項保護の開始を申請する者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を保護の実施機関に提出しなければならない。(後略)3項保護の実施機関は、保護の開始の申請があったときは、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、申請者に対して書面をもって、これを通知しなければならない。 9項 1項から7項までの規定は、(中略)保護の変更の申請について準用する。 ⑻ 84条の21項この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、地方自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)(中略)においては、政令 。 ⑻ 84条の21項この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、地方自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)(中略)においては、政令の定めるところにより、指定都市(中略)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものとする。 2 生活保護法施行令12条1項指定都市において、法第84条の2第1項の規定により、指定都市が処理する事務については、地方自治法施行令第174条の29第1項から第5項までに定めるところによる。 3 地方自治法⑴ 2条9項この法律において「法定受託事務」とは、次に掲げる事務をいう。 1号法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るもの であって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第1号法定受託事務」という。) 10項この法律又はこれに基づく政令に規定するもののほか、法律に定める法定受託事務は第1号法定受託事務にあっては別表第一の上欄に掲げる法律についてそれぞれ同表の下欄に(中略)掲げるとおりであり、政令に定める法定受託事務はこの法律に基づく政令に示すとおりである。 (別表第一)備考この表の下欄の用語の意義及び字句の意味は、上欄に掲げる法律における用語の意義及び字句の意味によるものとする。 法律事務生活保護法一都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村が(中略)第24条1項及び3項(これらの規定を同条第9項において準用する場合を含む。 び字句の意味によるものとする。 法律事務生活保護法一都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村が(中略)第24条1項及び3項(これらの規定を同条第9項において準用する場合を含む。)(中略)の規定により処理することとされている事務⑵ 245条の2普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない。 ⑶ 245条の71項各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく 適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該法定受託事務の処理について違反の是正又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。 4項各大臣は、前項の規定によるほか、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る市町村の第1号法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認める場合、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認める場合において、緊急を要するときその他特に必要があると認めるときは、自ら当該市町村に対し、当該第1号法定受託事務の処理について違反の是正又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。 ⑷ 245条の91項各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理について、都道府県が当該法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。 3項各大臣は、特に必要があると認めるときは、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る市町村の第1号法定受託事務の処理について、市町村が当 処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。 3項各大臣は、特に必要があると認めるときは、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る市町村の第1号法定受託事務の処理について、市町村が当該第1号法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。 5項第1項から第3項までの規定により定める基準は、その目的を達成するために必要な最小限度のものでなければならない。 ⑸ 252条の191項政令で指定する人口50万以上の市(指定都市)は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。 4号生活保護に関する事務 4 地方自治法施行令174条の29第1項地方自治法252条の19第1項の規定により、指定都市が処理する生活保護に関する事務は、生活保護法及び生活保護法施行令の規定により、都道府県が処理することとされている事務(中略)とする。この場合においては、(中略)同法及び同令中都道府県に関する規定(中略)は、指定都市に関する規定として指定都市に適用があるものとする。 5 生活保護法による保護の基準(昭和38年4月1日号外厚生省告示第158号。 以下「告示」という。)生活保護法による保護の基準1項生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の基準はそれぞれ別表(省略)に定めるところによる。 2項要保護者に特別の事由があって、前項の基準によりがたいときは、厚生労働大臣が特別の基準を定めると規定している。 6 生活保護法による保護の実施要領について(昭和36年4月1日厚生省 による。 2項要保護者に特別の事由があって、前項の基準によりがたいときは、厚生労働大臣が特別の基準を定めると規定している。 6 生活保護法による保護の実施要領について(昭和36年4月1日厚生省発社第123号厚生事務次官通知。以下「次官通知」という。)第7 最低生活費の認定最低生活費は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別等による一般的な需要に基づくほか、健康状態等によるその個人又は世帯の特別の需要の相異並びにこれらの需要の継続性又は臨時性を考慮して認定すること。 1 経常的最低生活費経常的最低生活費は、要保護者の衣食等月々の経常的な最低生活需要のすべてを満たすための費用として認定するものであり、したがって、被保護者は、経常的最低生活費の範囲内において通常予測される生活需要はすべてまかなうべきものであること。 実施機関は、保護の実施にあたり、被保護者がこの趣旨を理解し、自己の生活の維持向上に努めるよう指導すること。 2 臨時的最低生活費(一時扶助費)臨時的最低生活費(一時扶助費)は、次に掲げる特別の需要のある者について、最低生活に必要不可欠な物資を欠いていると認められる場合であって、それらの物資を支給しなければならない緊急やむを得ない場合に限り、別に定めるところにより、臨時的に認定するものであること。 なお、被服費等の日常の諸経費は、本来経常的最低生活費の範囲内で、被保護者が、計画的に順次更新していくべきものであるから、一時扶助の認定にあたっては、十分留意すること。 ⑴ 出生、入学、入退院等による臨時的な特別需要⑵ 日常生活の用を弁ずることのできない長期療養者について臨時的に生じた特別需要⑶ 新たに保護開始する際等に最低生活の基盤となる物資を欠いている場合の特別需要 入退院等による臨時的な特別需要⑵ 日常生活の用を弁ずることのできない長期療養者について臨時的に生じた特別需要⑶ 新たに保護開始する際等に最低生活の基盤となる物資を欠いている場合の特別需要 7 生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号厚生省社会局長通知。本件処分当時のもの。以下「局長通知」という。)第7-2⑹ 家具什器費被保護者が次のアからオまでのいずれかの場合に該当し、次官通知第7に定めるところによって判断した結果、炊事用具、食器等の家具什器を必要とする状態にあると認められるときは、28,700円の範囲内において特別基準の設定があったものとして家具什器(暖房器具を除く。)を支給して差し支えないこと。 なお、真にやむを得ない事情により、この額により難いと認められるときは、45,800円の範囲内において、特別基準の設定があったものとして 家具什器(暖房器具を除く。)を支給して差し支えないこと。 また、被保護者が次のアからオまでのいずれかに該当した場合であって、それらに該当したとき以降、初めて到来する冬季加算が認定される月において、最低生活に直接必要な暖房器具の持ち合わせがないときは、暖房器具の購入に要する費用について、20,000円の範囲内において、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。 なお、被保護者が居住する地域の気候条件や住宅設備の状況等により、FF式又は煙突式等の暖房器具を購入する必要がある場合など、暖房器具の購入に要する費用が20,000円をこえることが、真にやむを得ないと実施機関が認めたときは、暖房器具の購入に要する費用について、50,000円の範囲内において、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えない 00円をこえることが、真にやむを得ないと実施機関が認めたときは、暖房器具の購入に要する費用について、50,000円の範囲内において、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。 これらの場合においては、収入充当順位にかかわりなく、現物給付の方法によること。ただし、現物給付の方法によることが適当でないと認められるときは、金銭給付の方法によっても差し支えないこと。 ア保護開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。 イ長期入院・入所後退院・退所した単身者であって、新たに自活しようとする場合において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。 ウ災害にあい、災害救助法が発動されない場合において、当該地方公共団体等の救護をもってしては、災害により失った最低生活に直接必要な家具什器をまかなうことができないとき。 エ転居の場合であって、新旧住居の設備の相異により、最低生活に直接必要な家具什器を補填しなければならない事情が認められるとき。 オ犯罪等により被害を受け、又は同一世帯に属する者から暴力を受け、生命及び身体の安全の確保を図るために新たに借家等に転居する場合にお いて、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。 第7-10 特別基準の設定による費用⑵ 特別基準の設定があったものとして取り扱う費用の認定については、各費目に関する告示及び本職通知の規定に従い(中略)必要な額を認定すること。 ⑷ 各費目に関する告示及び本職通知の規定による基準によりがたい特別の事情がある場合には、厚生労働大臣に情報提供すること。 8 生活保護問答集について(平成21年3月31日厚生労働省社会・援護局保護課長事務連絡。以下「問答集」という。)第7-1 一般生活費 ある場合には、厚生労働大臣に情報提供すること。 8 生活保護問答集について(平成21年3月31日厚生労働省社会・援護局保護課長事務連絡。以下「問答集」という。)第7-1 一般生活費⑷ 一般扶助被服や家具什器の更新その他通常予測される生活需要については、経常的最低生活費(基準生活費、加算等)の範囲内で賄われるべきものであり、逆にまたこのような生活需要がカバーし得る保護の基準でなければならないわけである。もちろんこのことは1か月分の保護費の中ですべての家具什器や被服の購入が可能であるという意味ではない。一般家庭においても高額な家具什器や被服の臨時的な出費がある場合には、当月分の家計支出は過大となるが、その財源はあらかじめ準備された預金、あるいは、月賦による翌月以降への繰越し等により一定期間を通じて、月々の実質的負担は給与等の収入との関連もあってほぼ一定するのが通常である。基準生活費や加算等の経常的最低生活費もこのように月々これを完全に費消すべきものということではなく、ある程度の期間を通じてのやりくりを考慮したいわば平均月額的な意味での基準として設定されているわけである。 経常的最低生活費を以上のように考えた場合、被服や家具什器の更新等については、通常これにより賄われるのが原則となる。 しかしながら被保護者の家計規模は一般国民のそれより小さく、やりくりの範囲にも自ら限度があり、予想外の事由により臨時多額の需要が生じた場 合には特別の対応が必要となる。例えば、火災により家財道具を消失した場合とか単身の長期入院患者が退院して新たに居を構える場合等予想外の事故や生活の場の転換に際し最低生活の基盤の物資の確保に多額の費用を必要とする場合には、経常的最低生活費の範囲内でのやりくりは困難となる場合が考えられる。 が退院して新たに居を構える場合等予想外の事故や生活の場の転換に際し最低生活の基盤の物資の確保に多額の費用を必要とする場合には、経常的最低生活費の範囲内でのやりくりは困難となる場合が考えられる。 一般扶助は、かかる特定条件下における臨時特別の需要に対応するものである。

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