平成23(行ウ)100等 保安林指定解除拒否処分取消等請求事件,市道供用開始決定等無効確認請求事件,公共用物使用収益拒否処分取消等請求事件,損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年4月10日 名古屋地方裁判所 その他
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判決文本文123,487 文字)

平成26年4月10日判決言渡平成23年(行ウ)第100号保安林指定解除拒否処分取消等請求事件(以下「甲事件」という。)平成23年(行ウ)第56号市道供用開始決定等無効確認請求事件(以下「乙事件」という。)平成24年(行ウ)第109号公共用物使用収益拒否処分取消等請求事件(以下「丙事件」という。)平成25年(ワ)第1716号損害賠償請求事件(以下「丁事件」という。) 主文 1 本件各訴えのうち,原告P1株式会社が農林水産大臣に対する保安林指定解除の義務付け及び日進市長に対する公共用物使用収益許可の義務付けを求める部分並びに原告らが市道の路線認定の無効確認を求める部分をいずれも却下する。 2 原告らのその余の訴えに係る請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 甲事件(1) 農林水産大臣が平成22年4月23日付けで原告P1株式会社に対してした保安林の指定を解除しない旨の処分(農林水産省指令22林整治第82号)を取り消す。 (2) 農林水産大臣は,原告P1株式会社の平成20年12月19日付け申請に係る保安林の指定の解除をせよ。 2 乙事件(1) 主位的請求ア日進市長が平成7年4月27日付け日進市告示第52号をもってした市道○ 線の路線認定のうち,別紙2物件目録記載の各土地に係る部分が無効であることを確認する。 イ日進市長が平成7年4月27日付け日進市告示第53号をもってした市道○線の区域決定のうち,別紙2物件目録記載の各土地に係る部分が無効であることを確認する。 ウ日進市長が平成7年4月27日付け日進市告示第54号をもってした市道○線の供用開始決定のうち,別紙2物 線の区域決定のうち,別紙2物件目録記載の各土地に係る部分が無効であることを確認する。 ウ日進市長が平成7年4月27日付け日進市告示第54号をもってした市道○線の供用開始決定のうち,別紙2物件目録記載の各土地に係る部分が無効であることを確認する。 (2) 予備的請求原告らと被告日進市との間で,原告らが別紙2物件目録記載の各土地について道路法4条の制限を受けない完全な所有権を有することを確認する。 3 丙事件(1) 日進市長が平成23年11月8日付けで原告P1株式会社に対してした公共用物使用収益許可申請を不許可とする処分(23日土第604号)を取り消す。 (2) 日進市長は,原告P1株式会社の平成23年10月17日付け公共用物使用収益許可申請に係る許可をせよ。 4 丁事件(1) 被告日進市は,原告P1株式会社に対し,2400万円及びこれに対する平成25年5月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 被告P2は,原告P1株式会社に対し,2400万円及びこれに対する平成25年5月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 甲事件は,愛知県採掘権登録第823号の鉱区内においてけい石及び耐火粘土の採取事業(以下「本件事業」という。)を計画する原告P1株式会社(以下「原告会社」という。)が,平成20年12月19日付けで,農林水産大臣に対し,別紙3物件目録Ⅱ記載1ないし4の各土地(以下「本件保安林土地」という。)の森 林についてされている保安林の指定(以下「本件保安林指定」という。)の解除の申請(以下「本件保安林解除申請」という。)をしたが,平成22年4月23日付けで,同大臣から,本件保安林指定の解除をしない旨の処分(以下「本件保安林不解除処分」と 本件保安林指定」という。)の解除の申請(以下「本件保安林解除申請」という。)をしたが,平成22年4月23日付けで,同大臣から,本件保安林指定の解除をしない旨の処分(以下「本件保安林不解除処分」という。)を受けたため,本件保安林不解除処分の取消し及び同大臣に対する本件保安林指定の解除の義務付けを求める事案である。 乙事件は,原告らが,被告日進市(以下「被告市」という。)との間で,主位的に,日進市長が平成7年4月27日付けでした市道○線(以下「本件市道」という。)の路線認定(以下「本件路線認定」という。),区域決定(以下「本件区域決定」という。)及び供用開始決定(以下「本件供用開始決定」という。)のうち,いずれも原告らが所有する別紙2物件目録記載の各土地(以下「本件各土地」という。)に係る部分が無効であることの確認を求め,予備的に,原告らが本件各土地について道路法4条の制限を受けない完全な所有権を有することの確認を求める事案である。 丙事件は,原告会社が,本件事業の事業区域内に被告市が公共用物として管理している用悪水路(以下「本件水路」という。)があることから,平成23年10月17日付けで,日進市長に対し,本件水路の付替え及び復元工事を目的とする公共用物使用収益許可申請(以下「本件公共用物許可申請」という。)をしたが,同年11月8日付けで,同市長から,本件公共用物許可申請について不許可とする処分(以下「本件公共用物不許可処分」という。)を受けたため,本件公共用物不許可処分の取消し及び同市長に対する本件公共用物許可申請に係る許可の義務付けを求める事案である。 丁事件は,原告会社が,①被告市が,本件保安林解除申請について,本件市道及び本件水路に関する問題点を捏造して何ら根拠のない意見を述べ,本件保安林解除申請及び本件事業を違法に妨 める事案である。 丁事件は,原告会社が,①被告市が,本件保安林解除申請について,本件市道及び本件水路に関する問題点を捏造して何ら根拠のない意見を述べ,本件保安林解除申請及び本件事業を違法に妨害したため,本件保安林不解除処分がされ,本件事業の開始が遅れた,②被告P2は,被告市の市長として上記違法な妨害行為を主導したとして,被告市に対しては国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基 づき,被告P2に対しては不法行為に基づき,各自,本件事業の遅延による損害2598万1702円の内金2400万円及びこれに対する丁事件訴状送達の日の翌日(被告市につき平成25年5月14日,被告P2につき同月12日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 関係法令等の定め(1) 関係法令等の定めは,別紙4「関係法令等の定め」に記載したとおりである。 (2) 保安林指定解除(甲事件)についてア森林法26条2項は,「農林水産大臣は,公益上の理由により必要が生じたときは,その部分につき保安林の指定を解除することができる。」と規定している。 森林法27条1項は,「保安林の指定若しくは解除に利害関係を有する地方公共団体の長又はその指定若しくは解除に直接の利害関係を有する者は,農林水産省令で定める手続に従い,森林を保安林として指定すべき旨又は保安林の指定を解除すべき旨を書面により農林水産大臣又は都道府県知事に申請することができる。」旨規定している。そして,同条2項は,「都道府県知事以外の者が同条1項の規定により保安林の指定又は解除を農林水産大臣に申請する場合には,その森林の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない。」旨規定しており,同条3項は,本文において,「都道府県知事は,同条2項の より保安林の指定又は解除を農林水産大臣に申請する場合には,その森林の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない。」旨規定しており,同条3項は,本文において,「都道府県知事は,同条2項の場合には,遅滞なくその申請書に意見書を附して農林水産大臣に進達しなければならない。」旨規定し,但書において,「申請が同条1項の条件を具備しないか,又は28条の規定に違反していると認めるときは,その申請を進達しないで却下することができる。」旨規定している。 イ森林以外の用途に供するための保安林の指定の解除については,「保安林の転用に係る解除の取扱い要領の制定について」(平成2年6月11日付け2林野治第1868号林野庁長官通知)において「保安林の転用に係る解除の取扱い要領」(以下,単に「取扱要領」という。)が定められている。取扱要領の第2の3(1)は,「公益上の理由」による保安林の転用に係る解除の要件を定めているところ, 同(1)イには,「保安林の転用に係る土地の面積が,当該転用の目的を実現する上で必要最小限度のものであること」,同(1)エ(ウ)には,「事業者が事業等を行うため当該保安林と併せて使用する土地がある場合において,その土地を使用する権利を取得しているか,又は取得することが確実であること」,同(1)エ(エ)には,「(イ)及び(ウ)の土地の利用又は事業等について,法令等による許認可等を必要とする場合には,当該許認可等がなされているか,又はなされることが確実であること」がそれぞれ要件として掲げられている。また,同(1)ウには,「(2)のウに準じた措置が講じられるものであること」が要件として掲げられているところ,同(2)ウ(ア)は,「保安林の転用に当たっては,当該保安林の指定の目的の達成に支障のないよう代替施設(規則15条2項2号 に準じた措置が講じられるものであること」が要件として掲げられているところ,同(2)ウ(ア)は,「保安林の転用に当たっては,当該保安林の指定の目的の達成に支障のないよう代替施設(規則15条2項2号に掲げる施設をいう。)の設置等の措置が講じられたか,又は確実に講じられることについて,(3)の規定による都道府県知事の確認があること」を掲げ,同(2)ウ(ウ)は,本文において,「事業等に係る転用に伴う土砂の流出又は崩壊その他の災害の防止,周辺の環境保全等については,当該事業等に係る転用が,『開発行為の許可制に関する事務の取扱いについて』(平成14年3月29日付け13林整治第2396号農林水産事務次官依命通知)別記の『開発行為の許可基準の運用について』(以下「開発許可運用基準」という。)の第2から第5まで及び『開発行為の許可基準の運用細則について』(平成14年5月8日付け14林整治第25号林野庁長官通知。以下「運用細則」という。)に示す基準に適合するものであること」を掲げるとともに,ただし書において,「転用に係る保安林の面積が5ヘクタール以上である場合には,運用細則の表4に代えて別表に示す基準に適合するものであること」を定め,別表は,開発行為の目的が「土石等の採掘」である場合には,「原則として周辺部に幅おおむね50メートル以上の残置森林又は造成森林を配置する。」という基準を示している。 ウ前記イのとおり取扱要領第2の3(2)ウ(ウ)本文で言及されている開発許可運用基準の第5の1は,「開発行為をしようとする森林の区域に開発行為に係る事業の目的,態様,周辺における土地利用の実態等に応じ相当面積の森林又は緑地の残 置又は造成が適切に行われることが明らかであること」を要件として掲げている。 これについて,運用細則の第5の1(1)は,「『相当 周辺における土地利用の実態等に応じ相当面積の森林又は緑地の残 置又は造成が適切に行われることが明らかであること」を要件として掲げている。 これについて,運用細則の第5の1(1)は,「『相当面積の森林又は緑地の残置又は造成』とは,森林又は緑地を現況のまま保全することを原則とし,止むをえず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであること」,「残置し,若しくは造成する森林又は緑地は,表4の森林の配置等により開発行為の規模及び地形に応じて,事業区域内の周辺部及び施設等の間に適切に配置されていること」と定めている。 なお,「開発行為の許可基準の運用細則の適用について」(平成14年5月8日付け14林整治第82号林野庁森林整備部長通知。以下「運用細則適用関係通知」という。)の第5の1は,「残置し,若しくは造成する森林又は緑地の割合」は,森林の有する公益的機能が森林として利用されてきたことにより確保されてきたことを考慮の上,森林法10条の2第2項3号に関する基準の一つとして決められたものであり,その割合を示す数値は標準的なもので,「おおむね」は,その2割の許容範囲を示しており,適用は個別具体的事案に即して判断されることとなるが,工場又は事業場にあっては20%を下回らないものでなければならないという趣旨であるとしている。 エ 「改正許可基準等の運用に当たっての留意事項について」(平成2年7月3日付け2-20林野庁治山課長通知。以下「留意事項」という。)は,取扱要領等の適用に当たって留意すべき事項を定めたものであるところ,その1(2)キは,「森林の配置については,残置森林によることを原則とし,極力基準を上回る林帯幅で適正に配置されるよう事業者に対し指 扱要領等の適用に当たって留意すべき事項を定めたものであるところ,その1(2)キは,「森林の配置については,残置森林によることを原則とし,極力基準を上回る林帯幅で適正に配置されるよう事業者に対し指導するとともに,造成森林の配置は,土地の形質を変更することがやむを得ないと認められる箇所に限って適用する等その運用については厳正を期するものとする。」としている。 (3) 市町村道の路線認定等(乙事件)についてア道路法(平成11年法律第87号による改正前のもの。以下この項において 同じ。)9条は,「市町村長は,8条の規定により路線を認定した場合においては,その路線名,起点,終点,重要な経過地その他必要な事項を,建設省令で定めるところにより,公示しなければならない。」旨規定している。 道路法18条1項は,前段において,「道路管理者は,路線が指定され,又は路線の認定若しくは変更が公示された場合においては,遅滞なく,道路の区域を決定して,建設省令で定めるところにより,これを公示し,かつ,これを表示した図面を道路管理者の事務所において一般の縦覧に供しなければならない。」旨規定している。 道路法18条2項は,本文において,「道路管理者は,道路の供用を開始し,又は廃止しようとする場合においては,建設省令で定めるところにより,その旨を公示し,かつ,これを表示した図面を道路管理者の事務所において一般の縦覧に供しなければならない。」旨規定している。 イ道路法4条は,本文において,「道路を構成する敷地,支壁その他の物件については,私権を行使することができない。」旨規定している。 (4) 公共用物使用収益許可(丙事件)についてア日進市公共用物管理条例(昭和61年α町条例第10号。以下「本件条例」という。)2条は,柱書きにおいて, ことができない。」旨規定している。 (4) 公共用物使用収益許可(丙事件)についてア日進市公共用物管理条例(昭和61年α町条例第10号。以下「本件条例」という。)2条は,柱書きにおいて,「この条例において『公共用物』とは,同条各号に掲げるものをいう。」旨規定し,その1号は「河川河川法の適用又は準用を受けない水系のうち市長が指定したもの」,2号は「水路前号以外の水路及び溝きょ」,3号は「堤とう河川又は水路を伴わない堤防」,4号は「ため池前3号以外の池及び沼」,5号は「道路道路法により市道に認定された道路以外のもので国又は市の所有に係るもの」を掲げている。 本件条例3条は,柱書きにおいて,「何人も公共用物において同条各号に掲げる行為をしてはならない。」旨規定し,その1号は「公共用物及び公共用物の敷地内の工作物等を損壊すること」,3号は「前2号に掲げるもののほか,公共用物の保全又は利用に支障を及ぼすこと」を掲げている。 本件条例4条は,公共用物の使用又は収益の許可に関して定めており,同条1項は,柱書きにおいて,「同項各号に掲げる行為をしようとする者は,市長の許可を受けなければならない。」旨規定し,その1号は「工作物の設置その他規則で定める行為により公共用物を使用すること」,2号は「公共用物の敷地内において,土石,竹木その他を採取すること」,3号は「農地又は採草放牧地として公共用物を使用すること」,4号は「前3号に掲げる場合のほか,公衆の利便に供するため特に必要やむを得ないと認められる行為により公共用物を使用すること」を掲げている。そして,同条2項は,「同条1項の申請があった場合において,市長は当該申請に係る使用又は収益が公共用物の管理に支障を及ぼさず,かつ,必要やむを得ないと認められる場合に限り,許可を与え を掲げている。そして,同条2項は,「同条1項の申請があった場合において,市長は当該申請に係る使用又は収益が公共用物の管理に支障を及ぼさず,かつ,必要やむを得ないと認められる場合に限り,許可を与えることができる。」旨規定している。 イなお,日進市開発等事業に関する手続条例に係る公共施設等(道路・水路)の構造等技術基準等規則(平成17年日進市規則第63号。以下「開発等事業手続条例技術基準規則」という。)は,日進市開発等事業に関する手続条例(平成17年日進市条例第22号。以下「開発等事業手続条例」という。)第3章及び第7章に規定する基準等に関し必要な事項を定めるものであるが(開発等事業手続条例技術基準規則1条),開発等事業手続条例技術基準規則4条1項は,「事業者は,開発等事業区域に市の管理する市有財産である公共用物が存在する場合は,新たに公共用物を設置するものとする。ただし,次の条件を満たさなければならない。」と規定し,同項ただし書1号は「新たに設置される公共用物は,従前の公共用物と同一用途であり,規模及び機能が同等以上であること」,2号は「開発等事業区域内での公共用物の起終点を変化させないこと」を掲げている。 3 前提事実(当事者間に争いのない事実及び掲記の証拠等により容易に認められる事実。以下,書証番号は,特記しない限り枝番を含む。)(1) 当事者等ア原告会社は,鉱物の採掘及び販売,砂利採取及び採石並びにこれらの販売等を目的とする株式会社である。(甲事件甲1〔資料No.13〕,弁論の全趣旨) イ原告P3は,原告会社の取締役であり,原告会社の代表取締役P4の長男である。(甲事件甲1〔資料No.13〕,弁論の全趣旨)ウ被告P2は,被告市の市長である。 なお,被告市は,かつて「β村」であったが,昭和3 社の取締役であり,原告会社の代表取締役P4の長男である。(甲事件甲1〔資料No.13〕,弁論の全趣旨)ウ被告P2は,被告市の市長である。 なお,被告市は,かつて「β村」であったが,昭和33年1月1日に町制が施行されて「α町」となり,平成6年10月1日に市制が施行されて「日進市」となった地方公共団体である。 (2) 本件保安林指定本件保安林土地の森林(以下「本件保安林」という。)は,大正12年4月16日,旧森林法(明治30年法律第46号)8条に基づき,「土砂扞止林」(土砂の崩壊又は流出の防備を目的とする保安林)として保安林に編入された森林(その所在地は,昭和3年5月20日の分筆前は,β村大字γ×番171)の一部であり,その後,昭和26年に現行森林法(昭和26年法律第249号)が制定された際,「土砂流出防備林」に指定され,昭和37年の同法改正の際,「土砂流出防備保安林」に名称が変更され,現在に至っている。(甲事件乙2,4,弁論の全趣旨)(3) 本件各土地の所有関係等ア別紙2物件目録記載1の土地(以下「本件土地1」という。)は,P5株式会社(以下「P5」という。)が昭和47年10月27日に売買により所有権を取得し,その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から買い受けた。本件土地1には,平成15年4月9日,×番31,×番38,×番39,×番68,×番99及び×番100の各土地(これらは日進市γ所在の当該地番の土地を指す。 以下,土地の地番のみを表示した場合には同じ。)が合筆された。(乙事件甲4,5,25,乙事件乙42,弁論の全趣旨)イ別紙2物件目録記載2の土地(以下「本件土地2」という。)は,P5が昭和47年10月27日に売買により所有権を取得し,その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から 2,弁論の全趣旨)イ別紙2物件目録記載2の土地(以下「本件土地2」という。)は,P5が昭和47年10月27日に売買により所有権を取得し,その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から買い受けた。本件土地2は,平成15年4月9日,当時の×番487の土地に合筆され,同土地は,平成17年8月31日,×番487, ×番1387及び×番1388の各土地に分筆された。このうち,×番1387及び×番1388の各土地については,原告P3が,平成18年10月19日,原告会社から買い受けた。(乙事件甲7,9ないし11,25,乙事件乙42,弁論の全趣旨)ウ別紙2物件目録記載3の土地(以下「本件土地3」という。)は,元々,平成3年9月2日に当時の×番493の土地から分筆された土地の一部であり,P5が昭和47年10月27日に売買により所有権を取得し(前記イ),その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から買い受けた。本件土地3は,平成15年4月9日,×番1301の土地に合筆され,同土地は,平成17年8月31日,×番1301及び×番1389の各土地に分筆された。このうち,×番1389の土地については,原告P3が,平成18年10月19日,原告会社から買い受けた。 (乙事件甲25,38,40,43,乙事件乙42,弁論の全趣旨)エ別紙2物件目録記載4の土地(以下「本件土地4」という。)は,本件土地3と同様,元々,平成3年9月2日に当時の×番493の土地から分筆された土地の一部であり,P5が昭和47年10月27日に売買により所有権を取得し(前記イ),その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から買い受けた。本件土地4は,平成15年4月9日,本件土地3と同様,×番1301の土地に合筆され,同土地は,平成17年8月31日,×番1 前記イ),その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から買い受けた。本件土地4は,平成15年4月9日,本件土地3と同様,×番1301の土地に合筆され,同土地は,平成17年8月31日,×番1301及び×番1389の各土地に分筆された。このうち,×番1389の土地については,原告P3が,平成18年10月19日,原告会社から買い受けた(前記ウ)。(乙事件甲8,25,40,43,乙事件乙42,弁論の全趣旨)オ別紙2物件目録記載5の土地(以下「本件土地5」という。)は,P5が昭和47年10月27日に売買により所有権を取得し,その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から買い受けた。本件土地5は,平成15年4月9日,当時の×番431の土地に合筆され,同土地は,平成17年11月30日,×番431,×番1391,×番1392及び×番1393の各土地に分筆された。このう ち,×番1391,×番1392及び×番1393の各土地については,原告P3が,平成18年10月19日,原告会社から買い受けた。(乙事件甲25,37,41,44ないし46,乙事件乙42,弁論の全趣旨)カ別紙2物件目録記載6の土地(以下「本件土地6」という。)は,元々,平成3年9月2日に当時の×番1299の土地から分筆された土地の一部であり,P5が昭和47年10月27日に売買により所有権を取得し(前記オ),その後,原告会社が,平成14年11月29日,P5から買い受けた。本件土地6は,平成15年4月9日,×番1303の土地に合筆され,同土地は,平成17年11月30日,×番1303,×番1394及び×番1395の各土地に分筆された。このうち,×番1394及び×番1395の各土地については,原告P3が,平成18年10月19日,原告会社から買い受けた。(乙事件甲 日,×番1303,×番1394及び×番1395の各土地に分筆された。このうち,×番1394及び×番1395の各土地については,原告P3が,平成18年10月19日,原告会社から買い受けた。(乙事件甲25,39,42,47,48,乙事件乙42,弁論の全趣旨)(4) 本件市道ア日進市長は,平成7年4月27日付け日進市告示第52号をもって,本件路線認定につき,本件市道の路線名を「○線」,起点を「日進市γ×番地先」,終点を「日進市δ×番地先」と公示し,同告示において,「関係図面は,公示の日から1ヵ月間日進市建設部土木管理課において一般の縦覧に供する。」とした。(乙事件甲1)イ日進市長は,平成7年4月27日付け日進市告示第53号をもって,本件区域決定につき,本件市道の道路の種類を「市道」,路線名を「○線」,起点を「日進市γ×番地先」,終点を「日進市δ×番地先」,敷地の幅員を「3.0~15. 0m」,その延長を「1175.00m」と公示し,同告示において,「関係図面は,公示の日から1ヵ月間日進市建設部土木管理課において一般の縦覧に供する。」とした。(乙事件甲2)ウ日進市長は,平成7年4月27日付け日進市告示第54号をもって,本件供用開始決定につき,本件市道の道路の種類を「市道」,路線名を「○線」,起点を 「日進市γ×番地先」,終点を「日進市δ×番地先」,供用開始日を「平成7年5月1日」と公示し,同告示において,「関係図面は,公示の日から1ヵ月間日進市建設部土木管理課において一般の縦覧に供する。」とした。(乙事件甲3)(5) 本件保安林不解除処分に至る経緯等ア原告会社は,平成13年8月3日付けで,本件保安林土地等を鉱区とする採掘権の登録(愛知県採掘権登録第823号)を受けた上,平成15年2月6日付けで,中 5) 本件保安林不解除処分に至る経緯等ア原告会社は,平成13年8月3日付けで,本件保安林土地等を鉱区とする採掘権の登録(愛知県採掘権登録第823号)を受けた上,平成15年2月6日付けで,中部経済産業局長から,上記採掘権に関する施業案の認可を受けた。原告会社は,瀬戸・東濃・常滑地区の窯業(陶磁器・ガラス産業)の原料とするけい石及び耐火粘土を上記鉱区の鉱山(「藤島鉱山」と呼称されている。)から採取する本件事業を計画している。(甲事件甲1〔申請書,資料No.12,14,14-18〕,弁論の全趣旨)イ原告会社は,平成17年5月19日以降,愛知県尾張農林水産事務所(以下「県事務所」という。)との間で本件保安林指定の解除申請について事前相談を重ねた上,平成20年12月19日,農林水産大臣宛ての本件保安林解除申請の申請書(以下「本件保安林解除申請書」という。)及びその添付資料を県事務所に提出し,森林法27条1項に基づく保安林解除申請(要解除実測面積合計24.8528ha)をした。(甲事件甲1,甲事件乙33,丙事件甲1,弁論の全趣旨)ウ愛知県知事は,平成21年11月17日付けで,日進市長に対し,本件保安林指定の解除について意見照会をした(21尾農第1990-6号)。これに対し,日進市長である被告P2は,「天白川の氾濫による被害を拡大させる要因になる。」,「日進市東部丘陵地域における貴重種の生息・自生環境に致命的な影響を与えかねない。」,「事業計画区域内に市の管理する道路法に基づく道路が存在しており,管理上支障がある。」,「事業計画区域内に市が所有する用悪水路が存在しており,管理上支障がある。用悪水路の所有者である市は,利害関係人である隣接土地所有者として同意はしていない。」など多数の理由を挙げた上,本件保安林指定の解除に対しては 市が所有する用悪水路が存在しており,管理上支障がある。用悪水路の所有者である市は,利害関係人である隣接土地所有者として同意はしていない。」など多数の理由を挙げた上,本件保安林指定の解除に対しては被告市として反対する旨の意見を記載した平成22年1月15日付け回 答書を愛知県知事に提出した(21日産第834号。以下「本件意見提出行為」という。)。(甲事件甲2,42,甲事件乙14,丙事件甲2,10,弁論の全趣旨)エ愛知県知事は,平成22年3月31日,農林水産大臣に対し,本件保安林解除申請書に,「申請の内容を調査検討した結果,国の指示・審査基準に基づき申請者に指導してきた残置森林幅が十分に確保されていない。このため,申請書の計画内容では問題があり,保安林の解除は適とは言いがたいので,この保安林の解除の適否については,慎重な判断をしていただきたい。」旨の意見書を付して,原告会社からの本件保安林解除申請を進達した(21森保第442-4号)。(甲事件甲2,6〔資料<21>〕,42,丙事件甲10)オ農林水産大臣は,平成22年4月23日付けで,本件保安林解除申請について,「森林法26条2項の規定による解除に必要な要件を具備しないため解除しない」旨の本件保安林不解除処分をし(農林水産省指令22林整治第82号),同月26日,原告会社に対し,その旨記載した同月23日付け書面(以下「本件保安林処分通知書」という。)を送付して通知した。これに対し,原告会社代表者は,林野庁の担当者に対し,本件保安林不解除処分の理由の詳細を明らかにするように求めたところ,林野庁治山課は,同年5月1日,原告会社に対し,取扱要領を添付した上,本件保安林指定を解除しないとした理由の詳細は次の①ないし⑦のとおりである旨記載した同年4月30日付け書面(以下「本件保安林処 ろ,林野庁治山課は,同年5月1日,原告会社に対し,取扱要領を添付した上,本件保安林指定を解除しないとした理由の詳細は次の①ないし⑦のとおりである旨記載した同年4月30日付け書面(以下「本件保安林処分理由関係書面」という。)を送付した。(甲事件甲3,4,丙事件甲3,4)① 事業区域内の土地の一部について土地(用悪水路)を使用する権利を取得しておらず,また,取得することが確実であるとは認められないこと(以下「本件理由①」という。)。 ② 土地の利用について必要な許認可等(市道の廃止)がなされておらず,また,なされることが確実であるとは認められないこと(以下「本件理由②」という。)。 ③ 保安林の転用に係る土地の面積が転用の目的を実現する上で必要最小限度のものであるとは認められないこと(以下「本件理由③」という。)。 ④ 掘削中及び埋め戻し中における排水施設の設置が適切に講ぜられることが明らかであるとは認められないこと(以下「本件理由④」という。)。 ⑤ 掘削中及び埋め戻し中における洪水調整池等の設置が適切に講ぜられることが明らかであるとは認められないこと(以下「本件理由⑤」という。)。 ⑥ 掘削中及び埋め戻し中における法面保護の措置が適切に講ぜられることが明らかであるとは認められないこと(以下「本件理由⑥」という。)。 ⑦ 相当面積の森林の残置又は造成が適切に行われることが明らかであるとは認められないこと(以下「本件理由⑦」という。)。 カ原告会社は,平成22年6月21日,農林水産大臣に対し,本件保安林不解除処分を不服として異議申立てをした。これに対し,農林水産大臣は,平成23年1月14日付けで,上記異議申立てを棄却する旨の決定をし(22林整治第687号),その決定書謄本を原告会社に送付した。(甲事件甲5 を不服として異議申立てをした。これに対し,農林水産大臣は,平成23年1月14日付けで,上記異議申立てを棄却する旨の決定をし(22林整治第687号),その決定書謄本を原告会社に送付した。(甲事件甲5,9)(6) 本件公共用物不許可処分に至る経緯等ア本件事業の事業区域(以下「本件事業区域」という。)内には,被告市(平成6年10月1日の市制施行前は愛知郡α町)が所有・管理する別紙3物件目録Ⅱ記載5の土地の一部である本件水路(面積922.7㎡)がある。(甲事件甲1〔申請書〕,丙事件甲5,丙事件乙8ないし10)イ原告会社は,平成23年10月17日付けで,日進市長に対し,本件水路について,次の(ア)ないし(ウ)のとおり公共用物の使用収益の許可を求める旨記載した申請書及び添付図面を提出して本件公共用物許可申請をし,同申請書は同月19日に受け付けられた。(丙事件甲5)(ア) 公共物の種類用悪水路(イ) 目的用悪水路付け替え,復元工事(ウ) 場所日進市γ×-269の一部ウ日進市長は,平成23年11月8日付けで,本件公共用物許可申請について,不許可とする旨の本件公共用物不許可処分をし(23日土第604号),これを原 告会社に書面(以下「本件公共用物処分通知書」という。)により通知した。本件公共用物処分通知書には,不許可の理由として,「日進市として,鉱業開発に対して反対であること」,「日進市議会において決議(平成21年12月22日付け日進市東部丘陵の土砂流出防備保安林の指定解除をしないよう求める決議)があること」,「国により保安林の解除がされない決定がなされていること」,「愛知県により砂防行為について不許可であるため」と記載されていた。(丙事件甲6)エ原告会社は,平成24年1 める決議)があること」,「国により保安林の解除がされない決定がなされていること」,「愛知県により砂防行為について不許可であるため」と記載されていた。(丙事件甲6)エ原告会社は,平成24年1月6日,日進市長に対し,本件公共用物不許可処分を不服として異議申立てをした。これに対し,日進市長は,平成24年4月27日付けで,上記異議申立てを棄却する旨の決定をした(23日総第645-2号)。 同決定では,「本件条例4条2項に照らすと,用悪水路の付け替え及び復元工事は,例えば現存の用悪水路に明白な欠陥があって使用できない等,当該付け替えが必要やむを得ないと認められる必要があるが,そのような事実は認められなかった。」,「本件条例4条2項に基づく許可に係る市長の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったものとは認められなかった。」などの判断が上記棄却の理由とされた。(丙事件甲7,8)(7) 本件訴訟の経緯ア原告らは,平成23年4月26日,被告市を相手取り,乙事件に係る訴えを提起した。(顕著な事実)イ原告会社は,平成23年7月12日,被告国を相手取り,甲事件に係る訴えを提起した。(顕著な事実)ウ原告会社は,平成24年10月5日,被告市を相手取り,丙事件に係る訴えを提起した。(顕著な事実)エ原告会社は,平成25年4月22日,被告市及び被告P2を相手取り,丁事件に係る訴えを提起した。(顕著な事実)オ平成25年12月18日,乙事件,丙事件及び丁事件は甲事件に併合された。 (顕著な事実) 4 争点(1) 甲事件の争点は,本件保安林不解除処分の適法性である。具体的には,本件保安林解除申請が森林法26条2項所定の「公益上の理由により必要が生じたとき」との要件を満たすものであったかどうか(本件理由①ないし⑦の の争点は,本件保安林不解除処分の適法性である。具体的には,本件保安林解除申請が森林法26条2項所定の「公益上の理由により必要が生じたとき」との要件を満たすものであったかどうか(本件理由①ないし⑦のいずれかにより,上記要件を満たさないと判断されるかどうか)が中心的な争点である。 (2) 乙事件の争点は,①本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定(ただし本件各土地に係る部分)の各無効事由の有無,②本件市道のうち本件各土地に係る部分(以下「本件市道部分」という。)についての黙示の公用廃止の有無である(ただし,本件路線認定については,後記第4の2(2)のとおり,その無効確認訴訟の適否(本件路線認定の処分性の有無)が本案前の問題となる。)。上記①のうち本件供用開始決定の無効事由に係る争点は,具体的には,被告市が本件市道部分を道路として使用する権原を有しているかどうかである。 (3) 丙事件の争点は,本件公共用物不許可処分の適法性である。具体的には,主に,①本件公共用物許可申請が本件条例3条に反するものかどうか,②本件公共用物許可申請が本件条例4条1項各号のいずれかに該当するかどうか,③本件公共用物許可申請が本件条例4条2項の要件を満たし,本件公共用物不許可処分が日進市長の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用となるかどうかである。 (4) 丁事件の争点は,主に,被告市及び被告P2の損害賠償責任の有無である。 具体的には,被告市については,①被告P2の違法行為及びそれについての故意又は過失の有無,②本件意見提出行為と原告会社の損害との因果関係の有無,③損害額が争点となり,被告P2については,これらに加え,公務員(市長)個人の損害賠償責任の有無が争点となっている。 第3 当事者の主張 1 甲事件について【被告国の主張】(1) 本 損害額が争点となり,被告P2については,これらに加え,公務員(市長)個人の損害賠償責任の有無が争点となっている。 第3 当事者の主張 1 甲事件について【被告国の主張】(1) 本件保安林不解除処分の要件充足性について 次のアないしオのとおり,本件理由①ないし⑦のいずれの点からしても,本件保安林解除申請は森林法26条2項所定の「公益上の理由により必要が生じたとき」との要件を満たさないものであり,本件保安林不解除処分は適法である。 したがって,本件保安林不解除処分の取消請求は理由がない上,本件保安林指定の解除の義務付けの訴えについては,併合提起された取消訴訟が認容されないものであるから,訴訟要件を欠き,不適法である。 ア本件理由①(用悪水路の使用権)について取扱要領第2の3(1)エ(ウ)では,「事業者が事業等を行うため当該保安林と併せて使用する土地がある場合において,その土地を使用する権利を取得しているか,又は取得することが確実であること」が保安林解除の要件とされている。仮にこの要件を満たさないまま保安林の指定を解除した場合,土地を使用する権利を最終的に得られず,計画に沿った措置が行われないおそれがあり,ひいては当該森林が有してきた公益的機能の低下を招くおそれがあるからである。 本件事業区域内には,被告市が所有・管理する本件水路に係る土地がある。原告会社は,保安林と併せて本件水路に係る土地の一部についても,第1採掘場や洪水調整池等の用地として使用しようとしており,申請書類によれば,本件水路を取り除いた上で,これらの土地を順次掘削し地盤を徐々に掘り下げていく計画となっている。このため,原告会社は,本件事業を行うために,本件水路を所有する被告市から,あらかじめその土地を使用する権利を取得しているか, で,これらの土地を順次掘削し地盤を徐々に掘り下げていく計画となっている。このため,原告会社は,本件事業を行うために,本件水路を所有する被告市から,あらかじめその土地を使用する権利を取得しているか,又はこれを取得することが確実である必要がある。ところが,原告会社は,申請書類において,本件水路について「承認工事申請予定」と記載するにとどまり,上記土地を使用する権利を取得していなかったし,日進市長に対する意見照会の結果に照らしても,同権利を取得することが確実であると認めることはできなかった。 イ本件理由②(市道の廃止)について取扱要領第2の3(1)エ(エ)では,「事業者が事業等を行うために使用する保安林及び当該保安林と併せて使用する土地の利用について,法令等による許認可等を必 要とする場合には,当該許認可等がなされているか,又はなされることが確実であること」が保安林解除の要件とされている。仮にこの要件を満たさないまま保安林の指定を解除した場合,当該許認可等を最終的に得られず,計画に沿った措置が行われないおそれがあり,ひいては当該森林が有してきた公益的機能の低下を招くおそれがあるからである。 本件においては,本件事業の事業区域内に本件市道が通っており,その一部は,第2採掘場,廃土堆積場兼貯鉱場等の用地に取り込まれているため,本件市道の廃止といった被告市の処分が必要であった。ところが,本件市道については,未だ廃止されておらず,日進市長に対する意見照会の結果に照らしても,本件市道が廃止されることが確実であると認めることはできなかった。 ウ本件理由③(最小限の転用)について取扱要領第2の3(1)イでは,「保安林の転用に係る土地の面積が,当該転用の目的を実現する上で必要最小限度のものであること」が保安林解除の要件とされて ウ本件理由③(最小限の転用)について取扱要領第2の3(1)イでは,「保安林の転用に係る土地の面積が,当該転用の目的を実現する上で必要最小限度のものであること」が保安林解除の要件とされている。転用される場合であっても,保安林が極力確保され,転用による影響が最小限となるよう措置する必要があるためである。 本件においては,事業計画書及び代替施設計画書に記載されている各施設の必要面積の根拠が不明であった上,原告会社が施業案の写し等の書類を提出しなかったため,上記各施設が必要最小限度のものであることを確認することはできなかった。 また,本件事業については,残置されるべき森林が広範囲にわたって転用される計画となっており,残置森林の幅が40m未満しかない部分が,採掘等を行う土地の周辺距離のうち75%を占めていた。したがって,保安林の転用に係る土地の面積が転用の目的を実現する上で必要最小限度のものであると認めることはできなかった。 エ本件理由④ないし⑥(排水施設・洪水調整池等・法面保護)について取扱要領第2の3(1)ウ,(2)ウ(ア)では,「当該保安林の指定の目的の達成に支障のないよう代替施設の設置等の措置が講じられたか,又は確実に講じられること」 が保安林解除の要件とされている。転用に係る保安林の指定の解除に当たっては,当該森林が有してきた公益的機能が転用後も引き続き確保されるよう措置する必要があるためである。 本件においては,原告会社に対して繰り返し補正指導等を行ってきたにもかかわらず,原告会社はこれに応じず,次の(ア)ないし(ウ)のとおり,掘削中及び埋戻し中における排水施設及び洪水調整池等の設置並びに法面保護の措置が適切に講ぜられることが明らかであると認めることはできなかった。 (ア) 排水施設の設置につい ないし(ウ)のとおり,掘削中及び埋戻し中における排水施設及び洪水調整池等の設置並びに法面保護の措置が適切に講ぜられることが明らかであると認めることはできなかった。 (ア) 排水施設の設置について原告会社が提出した申請書類では,どこから,どのような範囲で地山を掘削し,地盤を掘り下げ,掘削後の埋戻しを行っていくのか,また,その間,どのような排水施設を,いつ,どこから,どのように配置するかが不明であったが,施業案の写し等の書類も提出されなかったため,排水施設の設置の適否について審査することができなかった。 また,掘削中及び埋戻し中と工事後(埋戻し後)とでは,地形が大きく異なるにもかかわらず,原告会社が提出した申請書類の排水施設計画取りまとめ表では,工事中及び工事後の計算結果数値が全く同一であり,掘削中及び埋戻し中における排水施設の計画は,現地の状況に即したものとはなっていなかった。 (イ) 洪水調整池等の設置について通常,事業期間が長期にわたるものにあっては,工事中においても,土砂の流出による水質の悪化を防止したり,転用に伴い増加する水量を安全に流下させるため,洪水調整池等を設置する必要がある。本件のように鉱物の採掘等が行われる区域内に洪水調整池を設置する場合には,洪水調整池を順次設置しながら採掘作業を進めることになるところ,本件においては,どこに,どのような規格及び構造の洪水調整池等が設置されるのか,また,調整水を場外のどこに,どのように排水するのか等を確認できる資料が一切添付されていなかった。そして,原告会社は,施業案の写し等の書類を提出しなかったため,洪水調整池等の設置の適否について審査する ことができなかった。 (ウ) 法面保護の措置について原告会社が提出した申請書類の工事工程表では,法面保護の植 等の書類を提出しなかったため,洪水調整池等の設置の適否について審査する ことができなかった。 (ウ) 法面保護の措置について原告会社が提出した申請書類の工事工程表では,法面保護の植栽の時期が不明確である上,代替施設計画書には,「景観の維持対策として,採掘が終了し植栽可能な区域より遅滞なく緑化工を施し,速やかに森林の回復を図る。」としか記載されておらず,何ら具体的な法面保護のための方策を確認することができなかった。そして,原告会社は,施業案の写し等の書類を提出しなかったため,法面の保護措置の適否について審査することができなかった。 オ本件理由⑦(残地森林・造成森林)について森林の有する公益的機能には,施設の配置によって代替補完されないものもあるため,森林を他の用途へ転用する場合には,長年かかって形成された土壌を含め現況森林をできるだけ保全し,それらの機能を確保する必要がある。このため,留意事項1(2)キでは,「森林の配置については,残置森林によることを原則とし,極力基準を上回る林帯幅で適正に配置されるよう事業者に対し指導する」とされている。 また,残置する森林の幅について,取扱要領第2の3(1)ウ,(2)ウ,別表では,本件のような転用に係る保安林の面積が5ヘクタール以上である土石等の採掘に係る保安林の転用に係る保安林の解除に当たっては,「おおむね50メートル以上」とされている。この林帯幅は,災害防止や騒音防止,飛砂防止といった森林の公益的機能の効果を維持する上で重要である。 本件においては,本件保安林周辺に大学や市道等の日常生活に関連した施設があることを踏まえると,50mの林帯幅が確保されなければ,土砂の流出,騒音,飛砂等の影響が顕在化し,周辺地域の生活環境への被害が生じるおそれがある。ところが,原告会社が提 の日常生活に関連した施設があることを踏まえると,50mの林帯幅が確保されなければ,土砂の流出,騒音,飛砂等の影響が顕在化し,周辺地域の生活環境への被害が生じるおそれがある。ところが,原告会社が提出した申請書類によると,残置森林の幅が40m未満しかない部分が採掘等を行う土地の周辺距離のうち75%を占めていた上,市道○線沿いの事業区域内には,保護樹帯となる残置森林の林帯幅が20mにも満たない箇所が多数あり,土砂の流出等のおそれが高いことが想定された。 そして,上記の点については,事前相談の段階から原告会社に繰り返し指摘し,指導を行ってきたにもかかわらず,原告会社は,これに応じなかったばかりか,申請書類中の「理由書」において,採掘等を行う周辺部に残置森林を原則配置するという指導には応じられない旨の意思を表明していたものである。他方,造成森林については,原告会社は,申請書類において,「造成森林は法面整形の後,可及的速やかに植林し森林に復し,充分な代替施設(掘込式洪水調整池等)を設けて,当該保安林の目的とする土砂流出防止機能を維持管理する。」と記載するにとどまり,事業期間が23年もの長期にわたるにもかかわらず,造成森林の整備をどのように進めるのかを説明した書類を添付していなかった上,工事工程表では,本来残置森林が配置されるべき箇所において植栽が行われるのは,早い箇所でも事業着手の10年後からであって,最終的には事業着手の22年後に完了するというものであり,「可及的速やか」な造成とは到底いい難いものであった。また,そもそも原告会社は,事業の採算性を理由として残置森林を配置することが困難であると主張しているにすぎず,造成森林を配置する場合の要件(開発許可運用基準第5の1,運用細則第5の1(1),留意事項1(2)キ)である「土地の形質を 採算性を理由として残置森林を配置することが困難であると主張しているにすぎず,造成森林を配置する場合の要件(開発許可運用基準第5の1,運用細則第5の1(1),留意事項1(2)キ)である「土地の形質を変更することがやむを得ないと認められる合理的な理由」があるとはいえなかった。 したがって,採掘等を行う相当面積の森林の残置又は造成が適切に行われることが明らかであると認めることはできなかった。 (2) 他事考慮の有無について農林水産大臣は,本件保安林不解除処分をするに当たっては,取扱要領等の基準に基づき,愛知県知事の意見書を参酌しつつ適正かつ厳格に審査した結果,前記(1)のとおり森林法26条2項の規定による解除に必要な要件を具備していないと判断したものであり,恣意的な処分を行ったものではない。本件保安林不解除処分が政治的な理由から恣意的に行われたとする原告会社の後記(2)の主張は,何ら根拠のない憶測にすぎず,本件保安林不解除処分に他事考慮,裁量権濫用の違法はない。 (3) 行政手続法8条違反の有無について 本件保安林不解除処分は,次のア及びイのとおり,行政手続法8条に違反しておらず,同条違反をいう原告会社の後記(3)の主張は失当である。 ア行政手続法8条の対象となる「申請」は,「自己に対し何らかの利益を付与する処分を求める行為」であるから,一般処分など行政庁の職権発動を求める行為は除かれる。森林法27条1項に規定される利害関係者等からの保安林の指定の解除に係る申請は,行政庁に対し職権処分の発動を求める行為と位置付けられることから,一般処分に該当するとされており,行政手続法8条の適用を受けるものではない。 イまた,本件では,本件保安林処分通知書において,「森林法26条2項の規定による解除に必要な要件を具備して とから,一般処分に該当するとされており,行政手続法8条の適用を受けるものではない。 イまた,本件では,本件保安林処分通知書において,「森林法26条2項の規定による解除に必要な要件を具備していない」との理由が示された上,原告会社の求めに応じて,理由の詳細を取りまとめた本件保安林処分理由関係書面が送付されているから,行政手続法の趣旨に即した手続がとられている。 さらに,本件保安林不解除処分前に原告会社に対して繰り返し補正指導を行ってきた経緯に照らすと,本件では,行政庁の恣意の抑制のみならず,申請者に不服申立ての便宜を与えるという実質的な要請が充足されていることは明らかである。 【原告会社の主張】(1) 本件保安林不解除処分の要件充足性について次のアないしキのとおり,本件理由①ないし⑦はいずれも失当であって,本件保安林解除申請は森林法26条2項所定の「公益上の理由により必要が生じたとき」との要件を満たすものであり,本件保安林不解除処分は実体法上全く根拠のない違法なものである。 ア本件事業の公益性について藤島鉱山の開発は,瀬戸・東濃・常滑地区を中心とする陶磁器・ガラス産業界の行く末を左右するものであり,本件事業の公益性は顕著である。したがって,本件保安林解除申請は,「公益上の理由により必要が生じたとき」との要件を満たす。 イ本件理由①(用悪水路の使用権)について 取扱要領第2の3(1)エ(ウ)は,単なる行政内部基準において定められている事柄にすぎず,法律にない要件を課すものである。仮にこの要件をそのまま適用すると,行政庁が事業を妨害することが可能となってしまう。 原告会社は,本件水路の隣接地の所有者であるP6株式会社(以下「P6」という。)から同土地の使用権を得ているため,当然に本件水路を使 適用すると,行政庁が事業を妨害することが可能となってしまう。 原告会社は,本件水路の隣接地の所有者であるP6株式会社(以下「P6」という。)から同土地の使用権を得ているため,当然に本件水路を使用する権利を取得したものであり,被告市と協議して本件水路の位置や形状の変更をなし得る権利も有している。そして,愛知県は,本件水路について被告市と「協議予定」ということでもよいとしていた。また,本件水路のある土地には,洪水調整池を造成することが予定されているにすぎず,これによって本件水路の管理に支障を来すものではないから,被告市が処分理由として本件水路の管理上の支障を挙げているのは,後記3,4のとおり,本件事業を妨害する違法な行為である。 したがって,本件理由①は失当である。 ウ本件理由②(市道の廃止)について取扱要領第2の3(1)エ(エ)は,単なる行政内部基準で定められている事柄にすぎず,法律にない要件を課すものである。仮にこの要件をそのまま適用すると,行政庁が事業を妨害することが可能となってしまう。 被告市は,後記2のとおり,本件市道部分について,道路として使用する権原を何ら取得することなく,供用開始したものである。また,本件市道は,本件保安林不解除処分時において,道路の体をなしていない。 したがって,本件理由②は失当である。 エ本件理由③(最小限の転用)について原告会社は,既に中部経済産業局長から,本件保安林解除申請において保安林からの転用を求めている土地を本件事業のために使用するという内容で施業案の認可を受けているから,本件保安林解除申請の内容が過大な転用を求めるものであるということはできない。なお,原告会社は,愛知県等から,施業案の写しの提出を指示されたことはないし,本件事業においては,林帯幅50m以上の残 ら,本件保安林解除申請の内容が過大な転用を求めるものであるということはできない。なお,原告会社は,愛知県等から,施業案の写しの提出を指示されたことはないし,本件事業においては,林帯幅50m以上の残置森林を設け ることができない分については,造成森林が配置されるという計画であったから,転用による影響は必要最小限度のものにとどまるというべきである。 したがって,本件理由③は失当である。 オ本件理由④ないし⑥(排水施設・洪水調整池等・法面保護)について本件事業は着手から完結まで23年という長期間を要するものであるところ,同期間の「掘削中及び埋め戻し中」を通じて排水施設及び洪水調整池等の設置や法面保護の措置が適切に講ぜられることを本件保安林解除申請時に明らかにすることは不可能といわざるを得ない。これらの設置ないし措置について各別にみると,次の(ア)ないし(ウ)のとおりであるし,これらの点について愛知県から不足資料の提出を指摘されたこともない(原告会社は,残置森林以外の点では愛知県からの補正指導に全て応じている。)。 したがって,本件理由④ないし⑥は失当である。 (ア) 排水施設の設置について本件事業において,掘削中の雨水等は,鉱物採取のために穿たれた巨坑中に構築された掘削中沈砂調整池に集められ,そこからポンプアップされて用悪水路に排水されるし,採掘後の埋戻し工事中及び埋戻し工事後の雨水等は,1~3号沈砂調整池で保留・調節される。これらは,本件保安林解除申請書の添付資料において明示されている。なお,排水施設計画取りまとめ表において,工事中及び工事後の計算結果数値が同じとなっているのは,工事後の集水区域の状況について,愛知県の指導を受け,植生の回復までの間を裸地と想定しての流下能力を算定したものにすぎず,問題はない において,工事中及び工事後の計算結果数値が同じとなっているのは,工事後の集水区域の状況について,愛知県の指導を受け,植生の回復までの間を裸地と想定しての流下能力を算定したものにすぎず,問題はない。 (イ) 洪水調整池等の設置について前記(ア)の1~3号沈砂調整池は,10年に1度あると想定される豪雨に対応し得るものである。本件保安林解除申請書の添付資料である採掘計画図,廃土堆積想定図及び標準断面図において,その詳細が説明されている。なお,地表下数十mも掘り下げられる鉱山開発において,採掘場自体が巨大な洪水調整池と同様の機能を果 たすから,採掘当初を除き,採掘中及び埋戻し中にあえて洪水調整池を設置する必要性はほとんどない。 (ウ) 法面保護の措置について掘削中の法面の崩壊は鉱業法において最も留意が払われている事柄であり,本件事業について施業案が認可されているのであるから,十二分な対策が講じられていることは明確である。なお,法面保護の植栽の時期は,採掘の進捗状況,鉱物の出荷状況等の経済状況によっても左右されるから,申請時において確定的に決めることは不可能である。 カ本件理由⑦(残地森林・造成森林)について本件事業の計画では,掘削区域の周辺部に残置森林の林帯幅が50m以上ない箇所があるが,次の(ア)ないし(オ)のとおり,造成森林と合わせて林帯幅が50m以上確保されれば足りるはずであるし,「50m以上」という基準を墨守する必要もない。そして,本件においては,掘削区域の周囲全部に林帯幅50m以上の残置森林を設けることができない特別な事情があり,その分造成森林が配置されるという計画になっていた。 したがって,本件理由⑦は失当である。 (ア) 取扱要領において,残置森林を配置することが「原則」であるとされてい できない特別な事情があり,その分造成森林が配置されるという計画になっていた。 したがって,本件理由⑦は失当である。 (ア) 取扱要領において,残置森林を配置することが「原則」であるとされていても,個々の事例において,残置森林の幅50mを確保することが困難であるという合理的な理由ややむを得ない理由がある場合には,例外を認めるべきである。 (イ) 愛知県が林野庁からの指示に基づき調査した結果によると,15件の事例のうち,1件しか残置森林の幅50m以上という条件を満たしていなかったのであるから,「50m以上」という制約を墨守する必要はない。 (ウ) 仮に開発区域の外周に幅50mの残置森林を確保することにした場合には,崩落防止のための然るべき傾斜を設けた法面を形成して鉱床に至り採掘する関係上,第1採掘場における鉱物の採掘量は約47万㎡にとどまり,第2採掘場では採掘不能となるから,本件で予定している採掘量約95万㎡の半分程度しか採掘する ことができないことになる。これでは,効率的に鉱物を採掘することができず,原告会社の経営は成り立たない。したがって,憲法で保障されている企業経営上の観点と鉱山開発という公益上の観点から,掘削区域の周囲全部に林帯幅50m以上の残置森林を設けることができない特別な事情があったというべきである。 (エ) 造成森林については,原告会社は,本件保安林解除申請書の添付資料である工事工程表において,10年目から「第1期採掘場植栽工事」を行うこと,それに先行して事業開始後2年目から選鉱場造成工事に伴う植栽工事を行うことを明らかにしていた。また,添付資料である「事業用地の選定経過」において,「開発中は法面に造成森林を配置して,極力,林帯巾50m以上の確保に努める。」旨記載し,残置森林・造成森林の幅・森林率も記 とを明らかにしていた。また,添付資料である「事業用地の選定経過」において,「開発中は法面に造成森林を配置して,極力,林帯巾50m以上の確保に努める。」旨記載し,残置森林・造成森林の幅・森林率も記載し,愛知県の了解を得たものである。これ以上に,造成森林の整備をどのように進めるのかを説明した書類を提出するように指導されたことはなかった。 なお,造成森林の配置は可及的速やかにされる必要があるという場合の「可及的速やかに」とは,事業の開始時点ではなく,埋戻し作業完了時点から判断すべきである。また,本件事業においては,作業完了まで植林できない間は,調整池兼沈砂池の設置等により,本件保安林の機能である土砂流出防止を阻害することがないような対策を講ずるのであるから,問題はない。 (オ) 原告会社の計画における残置森林及び造成森林の幅がおおむね50mを確保している区域は,97%に達しており,これは,行政書士作成の平成24年3月8日付け「残置森林及び造成森林とりまとめ表」及びその添付図面(甲事件甲40)に記載されているとおりである。 原告会社は,愛知県から求められた資料はすべて提出しており,造成森林についてそれ以上書類を求められなかったから,上記のような図面を提出しなかったにすぎない。 キ本件理由①ないし⑦の後付け性本件理由①ないし⑦は,いずれも本件保安林解除申請に対する審査の過程で愛知 県からは指摘されていなかったものであり,誤った処分を正当化するための後付けの理由にすぎない。 (2) 他事考慮の有無について本件保安林不解除処分は,森林法の目的や保安林制度の目的とはかけ離れた,自然保護・環境保持・里山保全という他事考慮によってされたものであり,政治的な理由から恣意的に行われたものである。したがって,本件保安林不解 解除処分は,森林法の目的や保安林制度の目的とはかけ離れた,自然保護・環境保持・里山保全という他事考慮によってされたものであり,政治的な理由から恣意的に行われたものである。したがって,本件保安林不解除処分には,他事考慮,裁量権濫用の違法がある。 愛知県が林野庁に進達した後,僅か3週間,実質6日間で本件保安林不解除処分がされた経過に照らしても,農林水産大臣は,あらかじめ政治的な理由で恣意的に申請を拒否する方針であったと考えられる。 (3) 行政手続法8条違反の有無について本件保安林不解除処分は,次のアないしウのとおり,理由提示を欠き,行政手続法8条に違反する。 ア保安林の指定は,土地所有者等の権利を大幅に制限し,その指定解除処分は,土地所有者等の権利制限を回復するものであるから,指定解除処分について土地所有者等に申請権を認めることは憲法上の要請であり,森林法27条1項に基づく申請に対する指定解除処分は申請人に対して利益を付与する処分である。したがって,本件保安林解除申請は,行政手続法8条所定の「申請」に当たり,本件保安林不解除処分は,同条の適用を受けるというべきである。 イ本件保安林処分通知書(甲事件甲3)には,本件保安林不解除処分の理由として,「森林法26条2項の規定による解除に必要な要件を具備しないため」としか記載されておらず,本件保安林解除申請がなぜ森林法26条2項による解除に必要な要件を具備していないのかを理解できる理由が記載されていなかった。これでは,いかなる理由で本件保安林解除申請に対して解除しないとの決定をしたのか全く不明であって,理由が付されていないのと同じである。したがって,本件保安林不解除処分は,理由提示を欠き,行政手続法8条に違反する。 ウ原告会社は本件保安林処分通知書を受領した後 か全く不明であって,理由が付されていないのと同じである。したがって,本件保安林不解除処分は,理由提示を欠き,行政手続法8条に違反する。 ウ原告会社は本件保安林処分通知書を受領した後に本件保安林処分理由関係書面(甲事件甲4)を受け取ったが,行政手続法8条1項は,処分をするのと「同時に」処分の理由を示さなければならない旨規定しているし,本件保安林処分理由関係書面は,作成者も明記されていないもので,行政文書の体をなしておらず,本件保安林処分通知書を補完し行政手続法8条違背を払拭するものとはいえない。 また,本件保安林処分理由関係書面の内容を見ても,「理由の詳細」といえるようなものではない。とりわけ,本件理由④ないし⑥は,全く具体的な事実を挙げることなく,「適切に講ぜられることが明らかであるとは認められない」というのみであり,処分理由として明らかに不備である。さらに,本件理由⑦も,「相当面積の森林の残置又は造成が適切に行われることが明らかであるとは認められない」という極めて概括的な表現が用いられており,この文言のみでは具体的にどのような事柄がその理由であるかを把握することはできないから,処分理由として不備である。 2 乙事件について【原告らの主張】(1) 本件路線認定及び本件区域決定の無効事由について道路法9条,18条1項,同条2項は,路線認定,区域決定及び供用開始について住民にその決定を知らせるために,これらを公示し,縦覧に供することを定めている。これは,上記各決定によって権利を侵害される可能性がある者に上記各決定の存在を周知徹底させるためである。 ところが,本件においては,本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定が全て同日に行われ,その各縦覧については,いずれも「公示の日から1ヵ月間日進市建 定の存在を周知徹底させるためである。 ところが,本件においては,本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定が全て同日に行われ,その各縦覧については,いずれも「公示の日から1ヵ月間日進市建設部土木管理課において一般の縦覧に供する。」とするものであった。このように,路線認定及び区域決定の各決定を供用開始決定と同時に行って縦覧するという方法は,関係権利者から,供用開始前にその前提となる路線認定及び区域決定を知らせてこれを争う手段を奪うものであって,道路法の制度の趣旨に反し,違法 である。 したがって,本件路線認定及び本件区域決定は,いずれもこの点で無効である。 (2) 本件供用開始決定の無効事由について被告市は,平成7年4月27日,本件市道部分を道路として使用する権原を有していなかったにもかかわらず,本件供用開始決定をした。したがって,本件供用開始決定のうち,本件市道部分に係る部分は無効である。 なお,権原取得に関する被告市の後記(2)の主張は,次のアないしキのとおり,失当である。 ア被告市は,昭和26年に旧道路法に基づき○線の道路認定がされたと主張するが,その土地の範囲は特定されていないし,当時の所有者であるP7から権原付与を受けたとの主張立証もない。 また,被告市は,○線が本件市道の付替え前の路線である旨主張するが,両者の起点や終点は異なっており,○線が本件市道と同一性を有していることを裏付ける資料は存在しない。 イ旧×番431の土地については,P8ほか25名が,昭和28年1月27日に共有者となっているが,これは,被告が主張するようなε区への所有権移転などではなく,単なる民法上の共有関係である。その後P8ら共有者全員が,昭和31年7月6日,P9ほか3名(以下「P9ら」という。)に対して各共有持 るが,これは,被告が主張するようなε区への所有権移転などではなく,単なる民法上の共有関係である。その後P8ら共有者全員が,昭和31年7月6日,P9ほか3名(以下「P9ら」という。)に対して各共有持分を譲渡していることに照らすと,ε区が同土地を所有していたとは考えられない。 ウ P9らは,昭和35年8月10日に旧×番431の土地を分筆しているが,分筆土地の形状を見ると,分譲目的での分筆と考えられる。 被告市は,上記分筆時に分筆後の土地の一部(道路部分)が当時のα町に寄付された旨主張するが,仮にそうであるならば,α町の道路担当者が○線の形状等の情報をP9らに与え,P9らがその情報に従ってα町のために分筆をしたということになる。ところが,実際には,道路部分についてα町に所有権移転登記はされておらず,分筆後直ちに道路部分について所有権移転登記がされなかった理由について 説明がつかない。 エ旧×番493の土地は,昭和57年3月30日に×番493の土地と×番1118の土地に分筆されたところ,α町は,平成元年3月31日,これらの土地がP5の所有に属することを前提として,P5からこれらの土地の共有持分権を購入する売買契約を締結している(同年10月19日に×番493の土地から×番1281の土地が,×番1118の土地から×番1282の土地がそれぞれ分筆され,いずれの土地も同年9月25日の共有物分割を原因として同年11月20日にα町の単独所有とする登記がされた。)。また,α町は,平成2年2月23日にも,×番493の土地についてP5と同様の売買契約を締結している(平成3年2月15日に×番493の土地から×番1298の土地が分筆され,同土地は同月8日の共有物分割を原因として同月28日にα町の単独所有とする登記がされた。)。被告市(α町)が昭 を締結している(平成3年2月15日に×番493の土地から×番1298の土地が分筆され,同土地は同月8日の共有物分割を原因として同月28日にα町の単独所有とする登記がされた。)。被告市(α町)が昭和35年8月10日以前に所有権を取得していたとする主張は,その後に上記各売買契約が締結されている事実と矛盾する。 オ被告市は,昭和30年前後に本件市道が林道として拡幅整備された旨主張するが,本件市道の周辺は全て保安林であって,保安林の樹木を薪として伐採することはできないにもかかわらず,本件市道が林道として用いられたはずはない。 カ原告会社が平成14年11月29日に本件各土地を購入した際の重要事項説明書には,○線についての記載ないし言及はあるが,本件市道(市道○線)については全く触れられていない。これは,当時,本件市道は存在していなかったことの証左である。 キ平成22年9月2日に撮影された写真を見ても,本件市道の現況は,竹木が繁茂していて,到底道路とはいえない状態であり,被告市も,道路法29条や42条1項に従った道路の管理をしようとはしていないのが実情である。 (3) 黙示の公用廃止について原告会社が平成14年11月29日に本件各土地を購入した当時,本件市道部分は道路の形態を呈していなかった(道路の形状はなく,人が通行している形跡もな かった。)ものであり,本件市道部分については,この時点までに黙示の公用廃止がされていたというべきである。したがって,原告会社は,本件各土地について,道路法4条の制限を受けない完全な所有権を取得したものであり,現在,原告らは,そのような完全な所有権を有している。 【被告市の主張】(1) 本件路線認定及び本件区域決定の無効事由について本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始 したものであり,現在,原告らは,そのような完全な所有権を有している。 【被告市の主張】(1) 本件路線認定及び本件区域決定の無効事由について本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定が同時にされたことが本件路線認定及び本件区域決定の有効性に影響するとは考えられないし,これらを1か月間所定の場所で縦覧に供したのであるから,縦覧の方法に問題があるということもできない。 したがって,原告らの主張は失当であり,本件路線認定及び本件区域決定はいずれも有効である。 (2) 本件供用開始決定の無効事由について次のアないしコに照らすと,被告市は,平成7年4月27日の本件供用開始決定当時,既に本件市道部分を道路として使用する権原を取得していたし,以後も,同権原を有している。原告らは,本件市道部分に係る本件供用開始決定の無効をいうためには,過去において一度も権原の取得がなかったことを立証する必要があるのに,そのような立証はしていない。したがって,本件供用開始決定は,本件市道部分に係る部分を含めて有効である。 ア本件市道は,大正12年に本件保安林の指定がされる前から通行の用に供されており,昭和22年頃以降の航空写真を見ても,既にζとεを結ぶ道路として一般の使用に供されていたことは明らかである。そして,本件市道については,昭和26年に旧道路法に基づき○線の一部として道路認定がされ,昭和28年1月に本件市道を含む広大な土地についてε区に所有権が移転された。その際,区として所有権登記をすることが認められていなかったため,区長経験者であるP8を始めとするε区在住の26名の共有(総有)という形が採られたものである。 イ本件市道は,昭和27年から昭和33年にかけて,薪を運ぶための林道として拡幅整備工事がされた。この工事 P8を始めとするε区在住の26名の共有(総有)という形が採られたものである。 イ本件市道は,昭和27年から昭和33年にかけて,薪を運ぶための林道として拡幅整備工事がされた。この工事は,愛知県から補助金が交付された大規模なものであり,土地所有者らの同意のない違法な工事ではないし,まして当時の土地所有者のうちの何人かはこの工事に参加しており,当然,所有者の同意があったものである。 ウ昭和31年7月に旧×番431の土地の所有権を取得したP9らは,昭和35年8月,前記イで拡幅された道路の形状に従って分筆する登記手続をした。これは公道を明確にするための分筆とみられ,所有者であるP9らも,道路であることを認識していたものである。 なお,上記土地の西側隣接地については,昭和33年10月14日,×番12等の土地が道路の形状に従って分筆され,×番12の土地は同月21日にα町に購入されている。そして,P9らによる上記×番431の分筆は,道路形状に分筆されていた上記隣接地に道路形状としてつながる形で分筆されたものであり,これらの分筆が道路部分を切り出すための分筆であることは明らかである。 エ昭和43年5月16日,愛知県愛日事務所(林務)現況調査において,愛知県も林道を確認している。 オ P5は,昭和47年10月に本件各土地を含む旧×番493の土地を購入したが,不動産業者である以上,購入土地の中に認定道路が含まれていたことを認識していなかったはずはない。P5は,昭和54年に新たに○線として路線認定,区域決定及び供用開始決定がされた際のみならず,平成元年10月19日及び平成3年2月15日に本件市道のうち○線と重なる部分をα町が購入するための分筆に当たって現地で測量及び境界確認がされた際も,また,同年9月2日に本件各土地の分筆に みならず,平成元年10月19日及び平成3年2月15日に本件市道のうち○線と重なる部分をα町が購入するための分筆に当たって現地で測量及び境界確認がされた際も,また,同年9月2日に本件各土地の分筆に当たって現地で測量及び境界確認がされた際も,さらに,平成7年4月に路線の付け替えによる名称変更により本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定がされた際も,何ら苦情や異議を述べなかった。 カ平成元年10月30日,○線建設部分について保安林解除申請がされたが, その申請書に添付された写真には,本件市道部分が明確に道路形状をし,車両が走行している状況が写っている。また,同申請書には,本件市道部分が幅員3.0m程の未舗装道路であると記載され,自動車や自転車,徒歩の往来があったことを前提とする記載がされている。 キ本件市道は,昭和26年以降,改良や名称変更を経ながらも一貫して認定道路であるところ,半世紀にわたり,α町ないし被告市や地域住民によって公道として使用され,一般の通行の用に供されていたものであり,その間,α町ないし被告市や地域住民が賃料を支払ったという形跡はないが,代々の土地所有者等からは何らの苦情や異議も出されなかった。 ク以上のような道路拡幅工事の経緯,分筆の土地の形状や経緯,長年にわたる現実の道路としての使用とこれに対する各所有者の黙認などの経過からすると,被告市は,本件市道部分につき,分筆登記がされた昭和35年8月頃にP9らから寄付を受けた(ただし,何らかの理由により所有権移転登記はされなかった。)か,所有権以外の使用権原の設定(道路として使用することの承諾を含む。)を受けた可能性が高く,いずれにせよ平成7年4月27日までには,道路として使用する権原を取得していたことは明らかである。そして,道路が実際に使用さ 用権原の設定(道路として使用することの承諾を含む。)を受けた可能性が高く,いずれにせよ平成7年4月27日までには,道路として使用する権原を取得していたことは明らかである。そして,道路が実際に使用されるようになってから平成7年4月27日までの間に一度でも被告市が土地所有者から権原を取得すれば,その後に土地の所有権を取得した者は,道路法4条所定の制限を受ける所有権を取得するにすぎない。 ケその後,原告会社は,平成14年11月29日に本件各土地を購入したところ,その売買の際に不動産業者であるP5から認定道路の説明を受けなかったはずはないし,重要事項説明書に「敷地路道路の関係図(概略図)」として「別添公図参照」と記載されていることから公図を確認して本件市道部分を認識したはずであるが,本件市道部分について何らの異議も述べなかった。原告らが本件供用開始が無効であるなどと主張し出したのは,平成22年4月に本件保安林不解除処分を受けてから後のことにすぎない。原告会社代表者は,同年2月12日,日進市役所に おいて被告市の職員と面談した際,認定道路が存在することを当然の前提とした発言をしている。 なお,現在,本件市道部分が荒れて整備できない状態になっているのは,原告らが,本件市道部分の出入り口部分にバリケードを設け,ロープを張って,通行できないようにしているためにすぎないし,道路に草が生い茂り,道路の形状を呈しなくなったというだけで,一旦された供用開始が無効となることはない。 コなお,原告らの前記(2)エの指摘に関しては,被告市がP9らから旧×番431の土地について取得した権原は,所有権であるとは限らないし,また,被告市が既に同土地の所有権を取得していたのであったとしても,対抗要件を具備していなかったことから,道路部分について改めて ×番431の土地について取得した権原は,所有権であるとは限らないし,また,被告市が既に同土地の所有権を取得していたのであったとしても,対抗要件を具備していなかったことから,道路部分について改めて購入して所有権移転登記を経由したと考えられるのであって,原告らの主張するような矛盾はない。 (3) 黙示の公用廃止について黙示の公用廃止は,判例上,取得時効が問題となる事案において,①長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され,②公共用財産としての形態,機能を全く喪失し,③その物の上に他人の平穏かつ公然の占有が継続したが,そのため実際上公の目的が害されるようなこともなく,④もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合に,認められているにすぎない。 本件は,取得時効と関係のない事案であり,黙示の公用廃止を単独で問題とする理由はないと思われるが,この点を措くとしても,①原告会社が購入する僅か7年前に本件路線認定等がされているし,平成15年以降,原告らが入口にロープを張り進入できなくしたため,本件市道は,管理することができなくなり「放置」されているような状況になったにすぎないこと,②平成14年11月の写真を見ても,道路の形態は残っており,新たに開設された○線への通り抜けが可能な状態であったこと,③原告らの占有は,ロープを張るなど平穏なものではなかったこと,④本件市道の存続が必要であるがゆえに,旧○線から○線(本件市道)に名称変更をすることとし,そのための本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定がされ たものであることに照らすと,上記4要件が具備されていないことは明らかである。 したがって,本件市道部分について,黙示の公用廃止がされたということはできないから,原告らは,本件各土地について,道路法4条の制限 あることに照らすと,上記4要件が具備されていないことは明らかである。 したがって,本件市道部分について,黙示の公用廃止がされたということはできないから,原告らは,本件各土地について,道路法4条の制限を受けるというべきである。 3 丙事件について【被告市の主張】(1) 本件公共用物許可申請の本件条例3条違反の有無について本件公共用物許可申請によって原告会社が行おうとしていることは,被告市の所有する土地を含めて大規模に掘削して鉱物を採取するために,本件水路の敷地を本件事業区域内に編入するとともに,現在の用悪水路である本件水路を一旦取り壊し,その現状を変更した上で,沈砂調整池とその放水先を造り出すというものであり,本件条例3条において禁じられている「公共用物の損壊」(1号)又は「公共用物の保全又は利用に支障を及ぼす」行為(3号)に該当する(なお,原告会社が後記(1)で指摘する橋の付け替えや建物の建て替えあるいは宅地開発における道路の付け替えにおいて従前の橋や建物や道路を一時的に壊すことが問題とならないのは,あらかじめ所有者等の同意がされているからにすぎない。他人が所有する土地をその同意がないまま掘削したり,市が所有する用悪水路をその同意がないまま一時的にでも壊すことは,許されない。)。したがって,原告会社の上記行為は,同条により禁止される行為であって,そもそも許可の対象とはなり得ないから,本件公共用物許可申請は,同条に反するものである。 (2) 本件条例4条1項該当性についてア本件公共用物許可申請は,次のとおり,本件条例4条1項各号のいずれにも該当しない。 (ア) 原告会社が行おうとしている行為は,鉱山開発であり,私企業が,営利を目的とした経済活動の一環として,周辺一帯を大規模に掘削するために,公共用物である 条1項各号のいずれにも該当しない。 (ア) 原告会社が行おうとしている行為は,鉱山開発であり,私企業が,営利を目的とした経済活動の一環として,周辺一帯を大規模に掘削するために,公共用物である本件水路の敷地を本件事業区域内に編入し,現在の用悪水路である本件水路を 一旦解体し,その現状を変更した上で,本件水路について他の使用を排除して独占的・占用的に自己の鉱山開発における排水の処理に使用するものである。このような行為は,①営利を目的とした経済活動のためである点で,本件条例4条1項4号所定の「公衆の利便に供するため」のものではないし,②わざわざ被告市の所有する本件水路を使用しなくても,別に原告会社が所有する広大な事業区域内の土地に洪水調整池を築造して排水設備を計画すればよいのに,周辺一帯を大規模に掘削したいがために公共用物である本件水路の敷地を本件事業区域内に編入する点で,同号所定の「特に必要やむを得ないと認められる行為」ではなく,さらに,③公共用物たる用悪水路を一旦解体する点で,同号所定の「公共用物を使用すること」にも当たらない。 (イ) 本件条例4条1項1号は,工作物の設置自体が目的である場合にその前提として公共用物を使用する場合の規定であるから,本件のように,掘削を目的として,掘削後洪水調整池を造るなどという場合に適用の余地はない。 (ウ) 本件条例4条1項2号は,同項1号,3号及び4号が現状の大きな変動を伴わない単なる「使用」を規定しているのと同様に,土地表面にある物の採取を想定して規定したものである。したがって,本件のように地下70mにまで及ぶ掘削は,現状の大きな変動を伴うものであり,同項2号には該当しない。 イところで,本件条例4条が想定しているのは,①道路と個人宅との間に水路用地がある場合に,乗入口とな うに地下70mにまで及ぶ掘削は,現状の大きな変動を伴うものであり,同項2号には該当しない。 イところで,本件条例4条が想定しているのは,①道路と個人宅との間に水路用地がある場合に,乗入口となる橋状のものを当該水路上に作るための使用を許可するケースや,②公共排水施設と個人宅との間に道路用地や水路用地がある場合に,個人宅からの排水管を当該道路用地や水路用地内に埋設するための使用を許可するケースなどであり,原則として公共用物自体の現状を変更しないものを想定している。本件のように,鉱山開発のために公共用物のある土地を含めて大規模に掘削しようとすることは,そもそも同条所定の「使用」に該当しない。まして,原告会社の計画では,数十年にわたる周辺の土地全体の掘削を終えた段階で初めて洪水調整池等が築造されるものであり,その間,本件水路が果たしていた用悪水路としての 機能は停止したままの状態になるのであるから,「使用」に該当しないことは一層明らかである。 なお,原告会社は,公共用物の機能を害さない限り,本件条例上,その使用又は収益を許可しなければならないことになる旨主張するけれども,公共用物の使用又は収益が許可されるためには,本件条例で明確に定められている要件を満たす必要があることはいうまでもない。原告会社が指摘する瀬戸市や多治見市においては,条例により,公共用物の敷地の掘削が許可の対象行為とされているが,被告市においては,このような公共用物の敷地の形状を変更することを許可により認める条例上の規定は存在しない。 なお,公共用地を鉱山事業区域へ編入するためには,その手法・面積・施工方法などについて,事前に管理者と協議し,管理者の同意を得なければならず,用悪水路の付け替えは,この同意の後に手続を行うものであるが,本件については,そのよう 編入するためには,その手法・面積・施工方法などについて,事前に管理者と協議し,管理者の同意を得なければならず,用悪水路の付け替えは,この同意の後に手続を行うものであるが,本件については,そのような協議を経て管理者である被告市の同意がされたという事実はない。 (3) 本件条例4条2項の要件充足の有無等についてア本件条例4条2項は,市長は,当該申請に係る使用又は収益が「公共用物の管理に支障を及ぼさず,かつ,必要やむを得ないと認められる場合」に限り,許可を与えることができると規定しているところ,本件公共用物許可申請によって原告会社が行おうとしていることは,用悪水路の付け替え(同等機能・同等面積で別の場所に移すこと)ではなく,私企業が,経済活動の一環として,周辺一帯を大規模に掘削するために,被告市の所有地であり公共用物である本件水路の敷地を本件事業区域内に編入し,現在の用悪水路である本件水路を一旦解体し,その現状を変更した上で,当該公共用物について他の使用を排除して独占的に自己の鉱山開発における排水処理のために用いるものであるから,「公共用物の管理に支障を及ぼ」すものであり,また,「必要やむを得ないと認められる場合」には該当しない。したがって,本件公共用物許可申請は,市長が同項によって許可を与えることができるものではない。 イ仮に,本件公共用物許可申請に係る使用又は収益が「公共用物の管理に支障を及ぼさず,かつ,必要やむを得ないと認められる場合」に当たるとしても,市長には裁量権があるため,その判断が社会通念に照らして著しく妥当性を欠き,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用した場合に初めて違法となり得るものであるところ,本件公共用物不許可処分について,日進市長がその裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したということはできない。 を欠き,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用した場合に初めて違法となり得るものであるところ,本件公共用物不許可処分について,日進市長がその裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したということはできない。 なお,本件は,①条例により許可基準が明確に定められている点,②もともと保安林であり,勝手に鉱山開発のための掘削をすることはできないところ,被告国は原告会社の本件保安林解除申請を不許可としている点,③原告会社は,用悪水路の付け替えと称しているものの,実際には大規模な鉱山開発のためにこれを壊し,新たに造り直すというものであり,単にこれを占有するものではない点,④本件条例4条1項4号所定の「公衆の利便に供するため」について判断するため,「公衆」がどのように考えているかという民意が重要な判断要素となるから,日進市議会の決議や市民団体等の要望書について斟酌することができる点で,原告会社が後記(3)イで援用する最高裁平成17年(行ヒ)第163号同19年12月7日第二小法廷判決・民集61巻9号3290頁(以下「平成19年最判」という。)の事案とは異なる。上記②ないし④のような事情を考慮して本件公共用物許可申請を不許可としても,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものということはできない。 (4) 開発等事業手続条例技術基準規則4条1項違反の有無について原告会社は,後記(4)のとおり,本件公共用物不許可処分は開発等事業手続条例技術基準規則4条1項に違反する旨主張するが,本件公共用物不許可処分は,本件条例に基づいて申請を不許可としているものであり,本件では,開発事業等手続条例や開発等事業手続条例技術基準規則は関係がない。 そもそも,原告会社は,開発等事業手続条例の施行よりも前に,鉱業法に基づく手続を進め,その認可を受けているため,開発等事業手続条例 発事業等手続条例や開発等事業手続条例技術基準規則は関係がない。 そもそも,原告会社は,開発等事業手続条例の施行よりも前に,鉱業法に基づく手続を進め,その認可を受けているため,開発等事業手続条例の附則(経過措置)により,開発等事業手続条例が適用される余地はない。 仮に,開発等事業手続条例及びこれに係る規則が類推適用されるとしても,公共用物の事業用地への編入及び付け替えについては,日進市開発等事業に関する手続条例に係る公共施設引継ぎ等規則(平成17年日進市規則第72号。以下「開発等事業手続条例引継ぎ規則」という。)7条,8条に規定されているとおり,管理者との協議を経て,管理者において適当と認められる必要があるが,開発事業等手続条例技術基準規則4条1項は,開発事業区域内に公共用物が存在し,公共用物の事業用地への編入及び付け替えが上記のとおり管理者において適当と認められた場合に適用される基準を定めたものである。そして,開発事業等手続条例技術基準規則4条1項ただし書1号及び2号の条件を満たすからといって,それだけで公共用物の付け替えが適当と認められるものではなく,本件条例における許可がされる見込みがないのに公共用物の付け替えが適当と認められることはあり得ない。 したがって,原告会社の上記主張は失当である。 (5) 本件公共用物処分通知書記載の理由と理由の差替え等についてア本件公共用物不許可処分は,本件公共用物処分通知書に挙げられているとおり,次の各点においても,その適法性が基礎付けられる。 (ア) 原告会社が掘削をしようとする地域は,保安林であり,その指定が解除されない限り,鉱山開発のための掘削は認められない。そして,本件保安林指定については,被告国により本件保安林不解除処分がされているところ,この処分がされたの する地域は,保安林であり,その指定が解除されない限り,鉱山開発のための掘削は認められない。そして,本件保安林指定については,被告国により本件保安林不解除処分がされているところ,この処分がされたのは,本件水路が存在していることのみを理由とするものではない。 (イ) 原告会社が行おうとしている行為が,本件条例4条1項4号に該当し,同条2項の要件を充足するかどうかを判断するに当たっては,日進市東部丘陵の自然環境保全や日進市総合計画,日進市土地利用計画,日進市都市マスタープラン,日進市緑の基本計画に基づくまちづくり,上記自然環境保全を求める市民の意向等も考慮要素の一つとなるのであり,これらを総合的に考慮して,本件公共用物不許可処分をすることは,当然に許されることである。 (ウ) 日進市議会において本件保安林指定の解除をしないよう求める決議がされた ことは,本件条例4条1項4号所定の「公衆の利便に供するため」「特に必要やむを得ないと認められる行為」に該当するかどうかの判断材料の一つとなるものであり,他事考慮ではない。 イ本件公共用物不許可処分は,本件条例4条1項,2項により不許可としたものであり,原告会社が後記(5)イで主張するように,理由の追加・差替えには当たらない。 【原告会社の主張】(1) 本件公共用物不許可処分の本件条例3条違反の有無について本件条例3条による禁止は,許可を受ければ,解除されるのであるから,被告市の前記(1)の主張は意味がない。 しかも,原告会社は,用悪水路である本件水路を自らが造る洪水調整池に接続するだけであって,「公共用物を損壊」したり「公共用物の保全又は利用に支障を及ぼす」行為をするものではない。本件において,用悪水路である本件水路を一時的に壊す場面があるとしても,橋の付け替えや 接続するだけであって,「公共用物を損壊」したり「公共用物の保全又は利用に支障を及ぼす」行為をするものではない。本件において,用悪水路である本件水路を一時的に壊す場面があるとしても,橋の付け替えや建物の建て替えあるいは宅地開発における道路の付け替えにおいて従前の橋や建物や道路を一時的に壊すことがあってもこれを「損壊」と非難する者はいないように,直ちに復旧ないし改善する以上,本件条例3条1号所定の「損壊」には当たらない。したがって,本件公共用物許可申請は,同条に反するものではない。 (2) 本件条例4条1項該当性についてア本件公共用物許可申請は,次のとおり,本件条例4条1項1号,2号又は4号に該当する。 (ア) まず,本件事業は「鉱物資源を合理的に開発することによって公共の福祉の増進に寄与する」鉱山開発(鉱業法1条)であり,窯業の原料を供給して地場産業にも大いに貢献するものであるところ,このような社会的に大きな意義を有する本件事業を実施するために洪水調整池の設置及びこれと用悪水路の接続が必要不可欠なのであるから,原告会社が行おうとしている行為は,本件条例4条1項4号の「公 衆の利便に供するため」「特に必要やむを得ないと認められる行為」に該当する。 (イ) 原告会社が本件水路のある場所に洪水調整池ないし沈砂調整池を設置して行おうとしている行為は,本件条例4条1項1号の「工作物の設置により公共用物を使用すること」にも該当する。 (ウ) 原告会社は,本件水路の敷地内において鉱物を採取しようとするものであり,本件条例4条1項2号の「公共用物の敷地内において,土石,竹木その他を採取すること」にも該当する。 イ被告市は,私企業の鉱山開発であることを理由に本件条例4条1項の適用を否定するが,仮にそうであるとすると,例え 号の「公共用物の敷地内において,土石,竹木その他を採取すること」にも該当する。 イ被告市は,私企業の鉱山開発であることを理由に本件条例4条1項の適用を否定するが,仮にそうであるとすると,例えば,企業が宅地開発をする際に,開発区域内に公共用物があって,その管理に支障がないように付け替える場合でも,当該公共用物を管理する市町村がこれを拒否し,開発を阻止できることになってしまう。したがって,本件条例の定めは,公共用物の管理の適正の観点から,合理的なものに読み替えて解釈すべきであり,上記のような開発のための申請を認めないものであるとは解されない。 なお,被告市は,本件水路について所有権を有するものの,あくまで公共用物として適正な管理をしなければならないのであって,私法上の所有者として恣意的に原告会社の使用収益を拒否できるものではない。したがって,鉱山開発事業に不可欠な行為で,公共用物の機能を害さないものであるならば,本件条例上,許可されなければならないものである。 現に,瀬戸市や多治見市では,鉱物採取のための公共用物の占用等の許可が行われている。被告市において,同様の許可をするための条例がないとすれば,条例制定権の濫用であり,本件条例自体が違法である。 (3) 本件条例4条2項の要件充足の有無等についてア本件公共用物許可申請に関する原告会社の計画では,用悪水路である本件水路の一部について掘削した後,造成森林用地とするが,水を流下させるという用悪水路の機能を害することはない(物理的に解体するだけで,機能を損なうものでは ない。)し,それより下流の用悪水路自体に変更はなく,ただ,用悪水路の隣の原告会社所有地を使って,洪水調整池を造り,用悪水路に接続させる水の出入口を造るものである。そうすると,それが「公共用物の管理に い。)し,それより下流の用悪水路自体に変更はなく,ただ,用悪水路の隣の原告会社所有地を使って,洪水調整池を造り,用悪水路に接続させる水の出入口を造るものである。そうすると,それが「公共用物の管理に支障を及ぼす」ことはあり得ないし,また,現状の地形等からして,鉱山開発をするためには用悪水路の掘削及び洪水調整池の設置が必要なのであるから,「必要やむを得ないと認められる場合」に該当する。したがって,本件公共用物許可申請に係る用悪水路の付け替えは,本件条例4条2項の要件を満たす。 イ本件条例4条2項の「できる」という文言は,市長に効果裁量を認めるものではなく,市長は,同項所定の「公共用物の管理に支障を及ぼさず,かつ,必要やむを得ないと認められる場合」という要件を満たす場合に不許可にできる裁量権は有しない。 そして,市長に同項に関する要件裁量を認めるとしても,平成19年最判を前提に,次の(ア)ないし(ウ)に照らすと,本件公共用物不許可処分は,考慮すべきでない事項を考慮し,当然考慮すべき事項を十分考慮しておらず,その結果,社会通念に照らし著しく妥当性を欠いたものということができるから,裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となる。 (ア) 本件水路には,現実の用悪水路は存在しない。また,これが存在するとしても,原告会社の本件公共用物許可申請に係る付け替えによって,現実の用悪水路はほとんど変更されず,用悪水路の一部は掘削されるものの,その機能は害されることなく,従前どおり水が流れる。原告会社の計画では,本件水路の敷地部分と原告会社の所有地に,土砂流出と洪水防止を目的とする沈砂調整池を設置し,これに用悪水路を接続するだけであり,これによって環境や水質に悪影響は全くないし,むしろ下流域への支障を防止して用悪水路の効用を増大させ の所有地に,土砂流出と洪水防止を目的とする沈砂調整池を設置し,これに用悪水路を接続するだけであり,これによって環境や水質に悪影響は全くないし,むしろ下流域への支障を防止して用悪水路の効用を増大させるものとなっている。したがって,被告市の用悪水路の管理に支障を生ずるものではない。 (イ) 原告会社は,地元の窯業の発展に寄与するため,本件事業を計画しており,これは公益に大きく寄与するものである。そして,本件水路の敷地部分に沈砂調整 池を設置することは,本件事業にとって不可欠である。 (ウ) 被告市は,自然破壊を理由に本件公共用物許可申請に反対しているが,それならば,自然公園法,自然環境保全法など自然保護を理由に開発を禁止する法律の適用による必要がある。本件水路付近の山林は,このような法律によって保護すべき貴重な自然ではなく,荒れ果てており,かえって原告会社が不法投棄された廃棄物の処理をするなど環境改善に努めている。また,「民意」というだけで,鉱山開発を禁止することは許されない。結局,被告市の反対は,反対のための反対であり,原告会社の本件事業を妨害しているにすぎない。 (4) 開発等事業手続条例技術基準規則4条1項違反の有無について開発等事業手続条例技術基準規則において示されている基準は,公共用地の編入の協議の基準でもあるところ,本件公共用物許可申請は,開発等事業手続条例技術基準規則4条1項ただし書1号及び2号の条件を満たしている。したがって,同申請を不許可とした本件公共用物不許可処分は,同項に違反する。 (5) 本件公共用物処分通知書記載の理由と理由の差替え等についてア本件公共用物不許可処分の理由として本件公共用物処分通知書に挙げられた4点は,次のとおり,いずれも法律上不許可とする理由には当たらない。 (ア 処分通知書記載の理由と理由の差替え等についてア本件公共用物不許可処分の理由として本件公共用物処分通知書に挙げられた4点は,次のとおり,いずれも法律上不許可とする理由には当たらない。 (ア) 被告市として鉱山開発に反対であることは,公共用物の管理とは全く関係がない他事考慮である。 (イ) 日進市議会において本件保安林指定の解除をしないよう求める決議がされたことは,森林法の定める保安林指定解除を拒否する事由とは全く関係のない横やりであって,単なる要望にすぎず,公共用物の使用を拒否する理由とはならない。 (ウ) 被告国により本件保安林不解除処分がされていることは,本件水路の公共用物の管理とは関係のない別の制度の問題である。しかも,被告市が本件水路の使用に同意せずに本件保安林指定の解除に反対したために本件保安林不解除処分がされたのであって,これを理由に本件公共用物不許可処分をすることは許されない。 (エ) 愛知県の砂防指定地内行為が不許可であることも,本件水路の公共用物の管 理とは関係がない別の制度の問題である。しかも,この不許可は,被告市が河川管理者・市道管理者として承諾しなかった違法な行為の結果であるから,これを理由に本件公共用物不許可処分をすることは許されない。 イ被告市の本件条例4条1項該当性等に関する主張は,訴訟になって初めて追加された後付けの理由であり,このような理由の追加・差替えは,理由付記の趣旨に反し,行政処分を慎重に行うべき要請と原告会社の防御権を侵害するから,許されない。 4 丁事件について【原告会社の主張】(1) 違法行為(不法行為)及び故意・過失の有無について被告P2は,被告市の市長として,愛知県に対し,本件保安林指定の解除に反対する旨の本件意見提出行為をし,その中で,「 原告会社の主張】(1) 違法行為(不法行為)及び故意・過失の有無について被告P2は,被告市の市長として,愛知県に対し,本件保安林指定の解除に反対する旨の本件意見提出行為をし,その中で,「事業計画区域内に市が所有する用悪水路が存在しており,管理上支障がある。用悪水路の所有者である市は,利害関係人である隣接土地所有者として同意はしていない。」との理由(以下「本件意見理由①」という。)や「事業計画区域内に市の管理する道路法に基づく道路が存在しており,管理上支障がある。」との理由(以下「本件意見理由②」という。)を挙げた。 しかしながら,本件意見理由①については,本件事業の事業計画区域内には被告市が所有する本件水路があるものの,管理上の支障はなく,何ら根拠はない。その後にされた本件公共用物不許可処分も,前記3のとおり,違法である。 また,本件意見理由②については,本件事業区域内には被告市の管理する本件市道部分があるものの,その現況は道路ではない。前記2のとおり,本件市道部分については,被告市は道路として使用する権原を有しているわけではなく,原告らが道路法4条の制限を受けない完全な所有権を有している。したがって,本件市道部分について管理上の支障はなく,本件意見理由②は何ら根拠はない。 被告市の市長である被告P2は,原告会社の本件保安林解除申請及び本件事業を 専ら妨害するために,上記のとおり,何ら根拠のない本件水路及び本件市道部分についての問題点(本件意見理由①及び本件意見理由②)を捏造して本件意見提出行為をしたものであり,被告P2の上記行為は,国賠法上違法である。また,これについて被告P2に故意があることは明らかであるし,少なくとも過失があることは優に認められる。 (2) 因果関係の有無について原告会社の本件 P2の上記行為は,国賠法上違法である。また,これについて被告P2に故意があることは明らかであるし,少なくとも過失があることは優に認められる。 (2) 因果関係の有無について原告会社の本件保安林解除申請に対しては,平成22年4月23日に本件保安林不解除処分がされたが,本件水路に関する本件理由①と本件市道部分に関する本件理由②の2つが同処分の実質的な理由とされており,これらが主因である。すなわち,本件意見提出行為によって本件保安林不解除処分がされたのであって,その結果,原告会社は,本件事業の開始が遅れ,その遅延による損害を被った。 (3) 損害額について原告会社は,次のア及びイのとおり,被告P2の違法行為によって合計2598万1702円の損害を被った。 ア借入金の発生金利に係る損害 2098万2577円原告会社は,本件事業を遂行するため,本件保安林の土地購入資金をP10信用金庫から借り入れたところ,平成22年4月30日から平成25年10月31日までに上記借入金の利息累計2098万2577円が発生した。 イ営業利益の運用益に係る損害 499万9125円原告会社は,被告P2の違法行為がなければ,本件事業(藤島鉱山からの鉱物の採掘及び販売)によって,年間4999万1256円の営業利益を得ることができたはずであるから,以下のとおり,この営業利益の運用益(民事法定利率により計算した利息)相当額の損害を被った。 初年度の営業利益4999万1256円は,平成23年4月23日に取得できたものであり,これについての平成24年10月23日までの1年半分の運用益は,374万9344円(≒4999万1256円×0.05×1.5)である。また, 次年度の営業利益4999万1256円は,平成24年4月23日に取得できたも 0月23日までの1年半分の運用益は,374万9344円(≒4999万1256円×0.05×1.5)である。また, 次年度の営業利益4999万1256円は,平成24年4月23日に取得できたものであり,これについての同年10月23日までの半年分の運用益は,124万9781円(≒4999万1256円×0.05×0.5)である。これらを合計すると,499万9125円となる。 (4) 公務員(市長)個人の損害賠償責任の有無について市長が故意に違法行為をした場合には,その被害者に対し,市が国賠法1条1項に基づく損害賠償責任を負うだけでなく,市長も個人として不法行為に基づく損害賠償責任を負うと解すべきである。なぜならば,市長の故意の違法行為については,市長自身の責任とすることによって初めて損害の拡大を防止することができ,被害者を十分に救済できるからである。 本件において,被告P2は,前記(1)のとおり,故意に違法行為を犯したものであり,不法行為に基づく損害賠償責任を負う。 (5) 小括以上によれば,被告市は,原告会社に対し,国賠法1条1項に基づき,2598万1702円の損害賠償をする義務を負う。また,被告P2は,原告会社に対し,不法行為に基づき,同額の損害賠償をする義務を負う。 【被告市及び被告P2の主張】(1) 違法行為(不法行為)及び故意・過失の有無について本件事業を開始するための本件保安林解除申請について判断するのは,被告市でも愛知県でもなく農林水産大臣であって,農林水産大臣は,様々な意見を集約した上で,独自に上記の判断をするのである。被告市の市長である被告P2は,農林水産大臣の判断の前に,愛知県から意見照会を受けたため,愛知県に対し,議会と自治体の総意として本件意見提出行為をしただけであり,本件意見提 上記の判断をするのである。被告市の市長である被告P2は,農林水産大臣の判断の前に,愛知県から意見照会を受けたため,愛知県に対し,議会と自治体の総意として本件意見提出行為をしただけであり,本件意見提出行為が違法行為(不法行為)に該当するということはできない。 しかも,本件意見理由①に関しては,前記3のとおり,原告会社は,周辺一帯を大規模に掘削したいがために本件水路の敷地を本件事業区域に編入し,用悪水路を 一旦解体するものであり,本件水路の管理に支障を及ぼすことは明らかである。また,本件意見理由②に関しては,前記2のとおり,本件市道部分について,被告市は道路として使用する権原を有しており,本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定は有効で,廃止された事実もないが,原告らが出入口部分を封鎖し一般人の通行を妨害しているため,被告市が管理することができない状態になっているにすぎない。このように,本件意見理由①及び本件意見理由②には,根拠があり,被告市がこれらの意見を述べることが違法であるなどということはできない。 以上のとおり,本件において,違法行為(不法行為)は存在せず,故意・過失も存在しない。 (2) 因果関係の有無について本件意見提出行為と原告会社が本件事業を開始することができないこととの間には,農林水産大臣の独自の判断に基づく本件保安林不解除処分という第三者の故意行為が介在している。また,被告市が意見を出せば,必ず本件保安林解除申請が拒否されるものでもない。したがって,本件意見提出行為と原告会社の損害との間には因果関係がない。 また,仮に本件保安林指定が解除されたとしても,被告市が所有権を有する本件水路や認定道路である本件市道部分については,原告会社が勝手に掘削できないものである。したがって,これにより原告 がない。 また,仮に本件保安林指定が解除されたとしても,被告市が所有権を有する本件水路や認定道路である本件市道部分については,原告会社が勝手に掘削できないものである。したがって,これにより原告会社が本件事業を開始できないのは,本件意見提出行為があったことによるものではない。 (3) 損害額について原告会社は,借入金の発生金利を損害に計上するが,この金利は,原告会社が土地を購入した際に自己の現金で購入せず融資を受けたために発生しているものであり,本件事業を行えないことによって発生した損害ではない。 また,原告会社が主張する営業利益については,本件事業を開始した場合に損失を被ることもあるのであるから,机上の空論による数値にすぎない。 なお,原告会社は,そもそも本件保安林指定がされていることを認識した上で土 地を購入し,本件保安林解除申請をしたものであり,そのような申請をしたところで拒否されることがあることは当然認識すべきものであるから,何らの損害も発生していない。 (4) 公務員(市長)個人の損害賠償責任の有無について市が国賠法1条1項に基づく損害賠償責任を負う場合に,公務員個人が被害者に対して直接不法行為に基づく損害賠償責任を負わないことは,確立した判例理論である。 本件において,被告P2は,被告市の市長(機関)として行為したものであり,被告P2個人としてした行為はないから,被告P2個人が不法行為に基づく損害賠償責任を負うことはあり得ない。 したがって,被告P2個人に対する損害賠償請求については,不適法な訴えというべきであるし,仮に訴訟要件を欠くものでないとしても,理由がない。 (5) 小括以上によれば,被告市及び被告P2のいずれも,原告会社に対し,損害賠償責任を負うものではない。 第4 えというべきであるし,仮に訴訟要件を欠くものでないとしても,理由がない。 (5) 小括以上によれば,被告市及び被告P2のいずれも,原告会社に対し,損害賠償責任を負うものではない。 第4 当裁判所の判断 1 甲事件について(1) 前記前提事実に掲記の証拠(いずれも特記しない限り甲事件の証拠である。)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア本件事業区域及びその周辺の状況(ア) 本件事業区域は,日進市の東部丘陵地域に位置し,その全体が,土砂流出防備保安林である本件保安林の一部である。(甲1,乙14,丙事件甲2)(イ) 本件事業区域は,北東から南西にかけて細長い形状で広がっているところ,本件事業区域の南西側の部分には,その北西側に「η」という名称の池が広がっており,上記南西側部分の西方には,森林を挟んで約三,四百m先に日進市総合運動公園が存在し,さらにその西方向にはP11大学のグラウンドや住宅地が広がって いる。他方,本件事業区域の東方には,森林を挟んで約二,三百m先にP12大学のキャンパスがあり,その南東隣にはP13大学のキャンパスがある。また,本件事業区域の南東方向には,森林等を挟んで約700m先にP14高校のグラウンド及び校舎があり,その南東隣にはP15団地がある。本件事業区域の南方には,森林を挟んで約200m先に住宅地が広がっている。(甲1〔申請書,全景写真,図面No.3,資料No.14-11,14-18〕,乙14,丙事件甲2,5,弁論の全趣旨)(ウ) 本件事業区域の北西端には,これに沿って市道○線が通っている。同市道は,途中でほぼ直角に折れ曲がり,本件事業区域内を横切るように北西から南東の方向に走っている。本件市道は,この北西から南東に向かう市道○線の北方約100mの場 れに沿って市道○線が通っている。同市道は,途中でほぼ直角に折れ曲がり,本件事業区域内を横切るように北西から南東の方向に走っている。本件市道は,この北西から南東に向かう市道○線の北方約100mの場所において,これとほぼ並行して北西から南東の方向に延びた後,南方向に弧を描いて折れ曲がり,本件事業区域の南東端部周辺で市道○線に合流している。本件土地1及び本件土地3は,本件市道が市道○線と並行して走り出す北側出発点付近に位置し,本件土地4ないし6は,本件市道が市道○線と合流する地点付近に位置し,本件土地2は,これら両地点を結ぶ本件市道に沿って位置しており,いずれも本件事業区域内にある。また,本件水路は,本件市道の北東約500mの場所に位置し,本件事業区域内にある。(甲1〔申請書,全景写真,図面No.3,資料No.14-11,14-18〕,乙事件甲12,乙事件乙25,27,44ないし46,47の4,48,49の2,50,丙事件甲5,弁論の全趣旨)イ本件事業に関する被告市との協議等原告会社は,平成14年9月5日,本件事業に関し,被告市に対して土地開発行為協議申出書を提出し,同日から平成16年10月25日までの間,15回にわたって協議を重ねた。(乙9)ウ本件保安林指定の解除に関する事前相談の経緯(ア) 原告会社は,平成17年5月19日,県事務所に対し,本件保安林指定の解除について事前相談をし,関係書類を提出した。(乙9,弁論の全趣旨) (イ) 愛知県農林基盤整備担当局森林保全課(以下「県森林保全課」という。)は,平成17年6月7日,林野庁森林整備部治山課(以下「林野庁治山課」という。)に対し,前記(ア)の関係書類の補正指示事項について相談した。(弁論の全趣旨)(ウ) 県事務所は,平成17年6月23日,原告会 7年6月7日,林野庁森林整備部治山課(以下「林野庁治山課」という。)に対し,前記(ア)の関係書類の補正指示事項について相談した。(弁論の全趣旨)(ウ) 県事務所は,平成17年6月23日,原告会社に対し,①用地の選定根拠のほか,選鉱場・堆積場・貯鉱場等の必要面積を説明すること,②施業案の内容を説明すること,③防災施設の設置について説明すること,④周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置すること,⑤被告市への説明経過を明らかにすることなどを求める補正指示をした(1回目の補正指導)。(乙33,45)(エ) 原告会社は,平成17年12月26日及び平成18年1月6日,県事務所に対し,前記(ウ)の補正指示事項に関する修正に係る書類を提出した。(乙9,弁論の全趣旨)(オ) 県森林保全課は,原告会社から提出された前記(エ)の提出書類が補正事項の一部のみに関するものであったことから,平成18年1月13日及び同年2月21日,林野庁治山課に相談した。その結果,再度の補正指導が必要との判断に至ったことから,県事務所は,同年3月1日,原告会社に対し,①選鉱場・堆積場・貯鉱場等の必要面積の合理的根拠を説明すること,②施業案の内容を説明すること,③周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置すること,④被告市との協議結果や同意状況を明らかにすることなどを求める補正指示をした(2回目の補正指導)。(乙34,弁論の全趣旨)(カ) 原告会社は,平成18年5月9日及び同年7月4日,県事務所に対し,前記(オ)の補正指示事項に関する修正に係る書類を提出した。(乙9,弁論の全趣旨)(キ) 県森林保全課は,原告会社から提出された前記(カ)の提出書類が補正事項の一部のみに関するものであったことから,平成18年7月6日から同年8月3日 係る書類を提出した。(乙9,弁論の全趣旨)(キ) 県森林保全課は,原告会社から提出された前記(カ)の提出書類が補正事項の一部のみに関するものであったことから,平成18年7月6日から同年8月3日にかけて,林野庁治山課に相談し,同月31日には,愛知県知事が林野庁長官に対して事前相談に関する報告をした。同年9月21日,林野庁治山課から県森林保全課に対して再度の補正指導の指示があり,これを踏まえて,県事務所は,同月28日, 林務課長名で,原告会社に対し,①選鉱場,廃土堆積場及び貯鉱場の各必要面積の合理的根拠を説明すること,②施業案認可区域を図示すること,③代替施設の設置等の時期を記載した事業期間の工程表を作成すること,④周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置することなどを求め,これらの確認事項について資料を添付して回答するよう求めた(3回目の補正指導)。さらに,県事務所の担当者は,同年10月2日,原告会社から本件保安林解除申請に係る申請書類の作成依頼を受けたP34設計事務所のP35に対し,上記補正指導の内容を口頭で説明した。(乙35,47,弁論の全趣旨)(ク) 原告会社は,平成18年11月24日から平成19年1月12日にかけて,県事務所に対し,前記(キ)の確認事項に関する修正に係る書類を提出した。(乙9,弁論の全趣旨)(ケ) 県森林保全課は,前記(ク)の提出書類が補正事項の一部のみに関するものであったことから,平成18年12月13日から平成19年2月8日にかけて,林野庁治山課に相談した。その結果,再度の補正指導が必要との判断に至ったことから,県事務所は,同年3月5日,林務課長名で,原告会社に対し,①選鉱場の必要面積にかかわる期別の選鉱予定量の合理的根拠,廃土堆積場の必要面積にかかわる廃土堆積料の合理的 が必要との判断に至ったことから,県事務所は,同年3月5日,林務課長名で,原告会社に対し,①選鉱場の必要面積にかかわる期別の選鉱予定量の合理的根拠,廃土堆積場の必要面積にかかわる廃土堆積料の合理的根拠,貯鉱場の必要面積にかかわる貯鉱必要量を説明すること,②第1期工事の事業着手から工事完了までの工程表を記載すること,③鉱物の有効利用のために周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置することなどを求め,これらの確認事項について資料を添付して回答するよう求めた(4回目の補正指導)。その際,県事務所が原告会社にファクシミリ送信した書面(乙36)には,上記③の確認事項について,「注:『緑地の残置又は造成』とは,森林又は緑地を現況のまま保全することを原則とし,止むを得ず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであること。」と付記されていた。(乙36,48,弁論の全趣旨) (コ) 原告会社は,平成20年8月25日及び同年10月15日,県事務所に対し,前記(ケ)の確認事項に関する修正に係る書類を提出した。(弁論の全趣旨)エ本件保安林解除申請書及びその添付資料の提出とその後の補正指導等の経緯(ア) 原告会社は,平成20年12月19日,前記ウ(コ)の提出書類に対する県事務所等の検討結果を聞かないまま,自ら事前相談を打ち切って,県事務所に対し,本件保安林解除申請書及びその添付資料を提出した。(甲1,27,43の13)(イ) 県森林保全課は,平成20年12月22日から同月25日にかけて,本件保安林解除申請書に関して林野庁治山課に報告,相談したところ,本件保安林解除申請書のうち不備がある箇所について改めて補正指導する必要があるとの判断 ,平成20年12月22日から同月25日にかけて,本件保安林解除申請書に関して林野庁治山課に報告,相談したところ,本件保安林解除申請書のうち不備がある箇所について改めて補正指導する必要があるとの判断に至った。(弁論の全趣旨)(ウ) そこで,県事務所は,平成20年12月25日,事務所長名で,原告会社に対し,①選鉱場の必要面積にかかわる選鉱予定量の具体的根拠(掘削量,生産量等)や廃土堆積場の必要面積にかかわる廃土堆積量の具体的・合理的根拠(表土を移動させる必要のある面積,表土の厚さ,掘削量等),貯鉱場の必要面積にかかわる貯鉱必要量を説明すること,②周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置することなどを求めるとともに,③工事工程表では採掘完了から復旧までの間が5年以上空いているが,裸地のまま長期間放置することは適当ではないこと,④最終的に事業が終了した形の計画図がないこと,⑤事業施設配置図兼代替施設配置図において残置森林幅が50mないこと,⑥同図では水路が事業地の中央部に1本入っているだけであるが,法尻,小段等に水路がなく適切な排水ができるか疑問であることなどを指摘し,これらの確認事項について,補正書類の提出を求める旨の書面を郵便及びファクシミリで送付した。郵送書類は翌26日に原告会社に到着した(申請書提出後1回目の補正指導)。(乙9,37,49ないし51)(エ) 原告会社は,平成21年1月30日及び同年2月20日,県事務所に対し,前記(ウ)の確認事項に関する修正に係る書類を提出した。(乙9,弁論の全趣旨)(オ) 県森林保全課は,平成21年2月26日及び同年3月16日,林野庁治山課 に出張して,前記(エ)の提出書類について報告,相談した。2月26日の相談では,林野庁治山課の職員から,「書類に不備があるのな 保全課は,平成21年2月26日及び同年3月16日,林野庁治山課 に出張して,前記(エ)の提出書類について報告,相談した。2月26日の相談では,林野庁治山課の職員から,「書類に不備があるのなら,期限を設けて再度補正指示を出すことになる。見解の相違であれば,解除不適当として進達する方法もある。」との教示がされた。県森林保全課は,上記各相談の結果も踏まえた上で,再度の補正指導が必要との判断に至った。(甲43の1・2,弁論の全趣旨)(カ) そこで,県事務所は,平成21年3月31日,事務所長名で,原告会社に対し,①前記(エ)の補正書類中において「残置森林幅を拡大し」とされている部分はどこを指しているのかを問いただした上,②周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置することなどを求めるとともに,③選鉱場,廃土堆積場及び貯鉱場の各必要面積の根拠に関する説明,④事業施設配置図兼代替施設配置図の記載内容,⑤転用前後の用途別面積の説明などについて具体的な補正箇所を指摘し,⑥工事工程表では採掘完了から復旧までの間が5年以上空いているが,裸地のまま長期間放置することは適当ではないこと,⑦事業施設配置図兼代替施設配置図において残置森林幅が50mないこと,⑧同図において洪水調整池周辺の排水路の計画が不十分であることなどを指摘し,これらの確認事項について,補正書類の提出を求める旨の書面を郵便及びファクシミリで送付した(申請書提出後2回目の補正指導)。この書面(乙38)においては,上記②の確認事項について,「注:『緑地の残置又は造成』とは,森林又は緑地を現況のまま保全することを原則とし,やむを得ず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであること。」と 緑地を現況のまま保全することを原則とし,やむを得ず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであること。」と付記されていた。(乙9,38,52,53)(キ) 原告会社代表者らは,平成21年4月16日,林野庁治山課を訪れ,「隣接地での保安林解除案件においては,残置森林が50m確保されていないにもかかわらず保安林の指定が解除されている。」旨主張したが,同課は,「県事務所から原告会社に求めた補正の内容に関しては,林野庁も同じ認識である。」,「本件の審査に当たって,他の事例がそのまま適用されるものではない。」などと回答した。 (弁論の全趣旨)(ク) 県森林保全課は,平成21年5月21日,林野庁治山課に出張して,本件保安林解除申請に関する今後の対応について相談した。この中で,県森林保全課の職員が,「事業者にとって最大のネックである残置森林幅について,基準を満たせない理由を記載してきたとき」のことを質問すると,林野庁治山課の職員は,「やむを得ない場合とは,農地や河川に隣接している場合などであり,当該地は周辺が森林であるため,基準を満たせない理由はないと思われる。」旨回答した。(甲43の3)(ケ) 原告会社は,平成21年5月22日及び同月29日,県事務所に対し,前記(カ)の確認事項に関する修正に係る書類を提出した。(乙9,弁論の全趣旨)(コ) 県森林保全課は,平成21年6月2日及び同月30日,林野庁治山課に出張して,前記(ケ)の提出書類について報告,相談した。同月2日の相談では,県森林保全課の職員が,「事業者は,保安林の解除の権限を持つ国に早急に進達するよう言っているが,補正内容が不十分であっても,形式要件を整えていれば進達をすること 報告,相談した。同月2日の相談では,県森林保全課の職員が,「事業者は,保安林の解除の権限を持つ国に早急に進達するよう言っているが,補正内容が不十分であっても,形式要件を整えていれば進達をすることになるのか。」などと質問したところ,林野庁治山課の職員は,「残置森林幅の50mの確保は,明文化され公表されている基準なので,形式的要件であり,義務的要件と考えている。事前相談から補正に従っておらず,林野庁は内容も把握しており,補正指示に従っていない案件は受け付けることはできない。」との考えを示し,同月30日の相談では,県森林保全課の職員が,「残置森林幅について,原告会社から,基準の根拠法令を示すよう言われている。」旨伝えたところ,林野庁治山課の職員は,「法令に処理基準等の全てを記載することは困難であり,それを補完するものとして通達や通知があるため,これらは一体のものと考えている。」,「林野庁として残置森林幅おおむね50mの確保は絶対に譲れない部分であることを伝えてほしい。」,「過去や他鉱山の話も関係ない。申請に対しては,その時の制度で審査するものである。」などと回答した。県森林保全課は,上記各相談の結果も踏まえた上で,再度の補正指導が必要との判断に至った。(甲43の4・5, 弁論の全趣旨)(サ) 原告会社は,平成21年7月16日,愛知県知事に対し,「20尾農第1990-1号平成20年12月25日受理の保安林解除申請書を林野庁へ送達のお願い」と題する書面を提出した。この書面では,保安林解除に係わる全ての補正が終了したとして,速やかに許可権者の林野庁の窓口である森林整備部治山課保安林管理班担当に進達することを求める旨記載されていた。(乙9)(シ) 原告会社代表者は,平成21年7月22日,林野庁治山課民有保安林係長に対し,電話を掛 の林野庁の窓口である森林整備部治山課保安林管理班担当に進達することを求める旨記載されていた。(乙9)(シ) 原告会社代表者は,平成21年7月22日,林野庁治山課民有保安林係長に対し,電話を掛けて,早く林野庁に送達されるようにしたい旨告げるとともに,「周囲の業者は,残置森林幅を50m取っていないのに,なぜ原告会社にだけそれを取るように言うのか。」と述べた。これに対し,同係長が,「本当に残置森林幅を50m取っていないなら,県はその業者に指導や命令を出さなければならない。」旨説明すると,原告会社代表者は,「それは分かっている。県は,指導する気がない。 県が主体で行っている事業でさえ,残置森林幅を50m取っていない。」などと述べた上,「本件で残置森林幅を50m取ることは,原告会社の方針として不可能だ。 そこを変更するということは,土地開発協議をまた初めから行うことになるので,それはできない。そこで協議が終わり,県事務所林務課とも何度も事前相談を行って,申請書を提出したのだから,もう変更しない。」旨述べた。(乙10)(ス) 県森林保全課は,平成21年8月5日,林野庁治山課に出張して,「県庁内で検討したところ,本件保安林解除申請書は残置森林幅おおむね50mの基準を満たしていないが,林野庁への進達に必要な森林法27条1項の条件は具備しているとの回答を得た。」旨を報告し,これに対する林野庁の見解を求めた。林野庁治山課は,回答を留保し,検討することになった。(甲43の6)(セ) 県事務所は,平成21年8月19日,事務所長名で,原告会社に対し,①周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林の配置を計画すること,②工事工程表では採掘完了から復旧までの間が5年以上空いているが,裸地のまま長期間放置することは適当ではないので,再検討すること,③ に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林の配置を計画すること,②工事工程表では採掘完了から復旧までの間が5年以上空いているが,裸地のまま長期間放置することは適当ではないので,再検討すること,③前記(ケ)の補正書類中の「採 掘完了から復旧までの間は,貯鉱場として使用するため出荷後植栽可能となり次第,植林します。」という記載について,工程表にそれを記入することなどを求めるとともに,④選鉱場,廃土堆積場及び貯鉱場の各必要面積の根拠に関する説明,⑤事業施設配置図兼代替施設配置図の記載内容などについて具体的な補正箇所を指摘し,これらの確認事項について,補正書類の提出を求める旨の書面を郵便及びファクシミリで送付した(申請書提出後3回目の補正指導)。この書面(乙11)においては,上記①の確認事項について,「注:『残置森林又は造成森林』とは,森林を現況のまま保全することを原則とし,やむを得ず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林が造成されるものであること。」と付記されていた。(乙11,39,54ないし57)(ソ) 県事務所は,平成21年11月4日,林務課長名で,原告会社に対し,前記(セ)の確認事項に追加する形で,形式的な補正箇所等を指摘するとともに,保安林解除図に市道(認定道路)を記入することなどを求める旨の書面を交付した(申請書提出後3回目の補正指導の補足)。(乙12,40)(タ) 原告会社は,平成21年11月17日,県事務所に対し,前記(セ)及び(ソ)の確認事項に関する修正に係る書類を提出した。県事務所は,本件保安林解除申請書について,所定の形式的な部分では要件が整ったと判断した。(弁論の全趣旨)オ本件保安林解除申請書及びその添付資料(補正後)の内容 る修正に係る書類を提出した。県事務所は,本件保安林解除申請書について,所定の形式的な部分では要件が整ったと判断した。(弁論の全趣旨)オ本件保安林解除申請書及びその添付資料(補正後)の内容(ア) 本件保安林解除申請書には,本件保安林土地のうち,P6の所有する別紙3物件目録Ⅱ記載1の土地について3.8531ha,原告会社の所有する同目録記載2の土地について6.5598ha,原告会社の所有する同目録記載3の土地について6.2055ha,P6の所有する同目録記載4の土地について8.2344ha,合計24.8528ha の保安林指定解除を求める旨が記載されていた。 本件保安林解除申請書によると,本件事業の事業計画は,①愛知県採掘権登録第823号の鉱区内の原告会社所有地を第1期採掘場として,72万3520㎥の鉱 物(けい砂,耐火粘土)を採掘し,同所有地内に鉱山付属選鉱場及び第1期廃土堆積場兼貯鉱場を設置する(第1期計画),②上記鉱区全域を第2期採掘場として,95万1930㎥の鉱物(けい砂,耐火粘土)を採掘し,第2期廃土堆積場兼貯鉱場を設置する(第2期計画)という内容であるとされていた。(甲1〔申請書,資料No.1〕)(イ) 本件保安林解除申請書には,残置森林及び造成森林の配置について,別紙5-1のとおりの「第1採掘場造成森林配置図」,別紙5-2のとおりの「第2採掘場造成森林配置図」及び別紙5-3のとおりの「選鉱場造成森林配置図」が添付されていた。 これによると,残置森林の林帯幅が40m以上ある箇所は,別紙6-1ないし6-3に図示したとおりであり,原告会社が採掘等を行う区域の外周のうち,林帯幅10m未満の箇所が19%,10m以上20m未満の箇所が26%,20m以上30m未満の箇所が18%,30m以上40m未満の箇所が1 図示したとおりであり,原告会社が採掘等を行う区域の外周のうち,林帯幅10m未満の箇所が19%,10m以上20m未満の箇所が26%,20m以上30m未満の箇所が18%,30m以上40m未満の箇所が12%,40m以上の箇所が25%(40m未満の箇所は75%)となっていた。市道○線沿いの残置森林は,別紙7のとおりであり,第2採掘場の上記市道に接する沿線部分のうち50mほどの区間では,残置森林が全く配置されておらず,それ以外の沿線部分もおおむね10m前後しか残置森林が配置されない計画となっており,また,選鉱場の上記市道に接する沿線部分も,おおむね15m前後しか残置森林が配置されない計画となっていた。 なお,原告会社が平成24年5月30日の甲事件第5回口頭弁論期日において提出した行政書士作成の同年3月8日付け「残置森林及び造成森林とりまとめ表」及びその添付図面(甲40)によると,残置森林で外周を囲まれた内側の区域は全て造成森林を設置する計画であるとされているが,本件保安林解除申請書には,そのような内容の図面は添付されていなかった。上記添付図面は,本件訴訟提起後に作成されたものであって,本件保安林解除申請書の添付図面とは全く異なる内容のものである。(甲1〔資料No.14-36〕,40,弁論の全趣旨) (ウ) 本件保安林解除申請書に添付されていた「事業用地の選定経過」と題する書面には,残置森林又は造成森林の配置について,「残置森林巾50mを保持することは,鉱物資源の合理的開発を進め,供給不足が予想される珪砂原鉱の量的確保とその安定供給をほとんど不可能にする程の条件であって,申請に係る開発区域の外周に残置森林巾50mを確保し,採掘可能な可採鉱量を試算すると,第1採掘場における約47万㎥のみとなり,第2採掘場は採掘が不能,選鉱場について んど不可能にする程の条件であって,申請に係る開発区域の外周に残置森林巾50mを確保し,採掘可能な可採鉱量を試算すると,第1採掘場における約47万㎥のみとなり,第2採掘場は採掘が不能,選鉱場についても設置不能となり,原告会社の鉱山開発が成り立たない。そのため,開発中は法面に造成森林を配置し,極力,林帯巾50m以上の確保に努める。」,「造成森林は法面整形の後,可及的速やかに植林し森林に復し,十分な代替施設(掘込式洪水調整池等)を設けて,当該保安林の目的とする土砂流出防止機能を維持管理する。」旨が記載されていた。上記書面によると,開発中の平均の残置森林幅,造成森林幅及びこれらの合計の林帯幅は,別紙8のとおりであるとされており,開発後は採掘跡地を全て造成森林として林地に復する旨が記載されていた。また,同じく本件保安林解除申請書に添付されていた「理由書」と題する書面にも,これらと同様の内容のほか,残置森林のみでおおむね50m以上の林帯幅を確保することを求める旨の指導には「一切妥協することはできない」旨が記載されていた。 なお,本件保安林解除申請書には,上記各書面のほかに,造成森林24.51ha及び残置森林13.29ha を維持管理することを誓約する旨の「残置する森林等の管理に関する契約書」が添付されていた。(甲1〔資料No.11,14〕)(エ) 本件保安林解除申請書に添付されていた工事工程表によると,①「選鉱場法面植栽工事」については,2年目当初の1か月間に行い,②「第1期採掘場植栽工事」については,第1期採掘場の洪水調整池設置を2年目に,廃土堆積場造成工事を2年目から3年間にかけて,表土除去工事を3年目から6年目にかけて,鉱物採掘工事を3年目から8年目にかけて,それぞれ行った後,10年目から22年目にかけて植栽工事を行う旨記載されてい 積場造成工事を2年目から3年間にかけて,表土除去工事を3年目から6年目にかけて,鉱物採掘工事を3年目から8年目にかけて,それぞれ行った後,10年目から22年目にかけて植栽工事を行う旨記載されていた。もっとも,工事工程表には,「採掘完了から復旧までの間は貯鉱場として利用するため,出荷後植栽可能となり次第,植林 する。」と付記されているにとどまり,このほかに,森林の造成ないし植栽に関して具体的に言及した記述は全くなかった。(甲1〔資料No.3〕)カその後の本件保安林不解除処分に至る経緯等(ア) 愛知県知事は,平成21年11月17日付けで,日進市長に対し,本件保安林指定の解除について意見照会をした。(乙14,丙事件甲2)(イ) 県森林保全課は,平成21年12月4日,林野庁治山課に出張して,本件保安林解除申請に関する手続の進捗状況について報告するとともに,「原告会社の申請書類において,おおむね50mの林帯幅については,造成森林を含んだものであり,おおむね50mの残置森林幅が確保できない理由については,需要と供給の関係から計画量の採掘が必要との説明となっている。」旨伝えた。これに対し,林野庁治山課からは,「残置森林幅おおむね50mが確保できない理由が十分に説明されていなければ,林野庁としては審査することはできない。個々の案件でその必要性を勘案して判断することになるので,理由がきちんと説明されているようにすることを要する。」旨の意見が述べられた。(甲43の9)(ウ) 日進市長である被告P2は,平成22年1月15日,愛知県知事に対し,前記(ア)の意見照会を受けて,被告市として本件保安林指定の解除に反対する旨の本件意見提出行為をした。この意見書には,「項目別意見」として,①防災面との適合性について,水害及びその被害拡大に 対し,前記(ア)の意見照会を受けて,被告市として本件保安林指定の解除に反対する旨の本件意見提出行為をした。この意見書には,「項目別意見」として,①防災面との適合性について,水害及びその被害拡大に関する危惧が3点にわたって記載され,②環境保全との適合性について,貴重な植物・魚類への影響に関する危惧や,大型重機・搬出車両等による粉塵・騒音・振動が長期にわたり近隣の住宅地・大学等に与える影響に関する懸念などが6点にわたって記載され,③諸計画との適合性について,愛知県や被告市の計画等との整合性に関する問題などが16点にわたって記載され,④申請書記載事項について,市道や用悪水路の管理上の支障のほか,「残置森林巾50mも確保することができず,また,鉱業権設定区域外の保安林までも解除しなければ,事業が実施できないという計画自体が森林法の趣旨を軽視したものであり,問題がある。」との意見などが12点にわたって記載されていた。(乙14, 丙事件甲2)(エ) 県事務所は,平成22年1月25日,県森林保全課に対し,本件保安林解除申請書を上申した。(弁論の全趣旨)(オ) 林野庁治山課は,平成22年2月8日,県森林保全課に対し,前記(ウ)の日進市長の意見について,認定道路及び用悪水路に関する手続や被告市の対応等について被告市への確認を依頼した。(甲43の12)(カ) 愛知県知事は,平成22年2月23日,愛知県森林審議会に対し,本件保安林指定の解除の当否について諮問した(21森保第442-1号)。(乙15,弁論の全趣旨)(キ) 県森林保全課は,平成22年2月24日,林野庁治山課に出張して,本件保安林解除申請書を進達することについて説明し,その中で,「国の審査基準に従って,周辺部におおむね50mの残置森林を配置するよう指導をしてきたが, ,平成22年2月24日,林野庁治山課に出張して,本件保安林解除申請書を進達することについて説明し,その中で,「国の審査基準に従って,周辺部におおむね50mの残置森林を配置するよう指導をしてきたが,申請者は『残置森林に造成森林を加えておおむね50mの林帯幅を確保した。』としている。ただし,掘削中においては,造成森林を含んでも約45%の箇所で林帯幅が不足しており,残置森林のみでは約75%の箇所で不足している。」,「申請者は,これについて,『権限のない県が単独で固執し指導している。県による妨害である。 県がいつまでも進達しないのは不作為であり訴える。』と言っている。」,「解除申請書はかなりのレベルになっており,県で止めることはできないと考えている。」旨報告した。これに対し,林野庁治山課の課長等は,「知事意見書には,知事の意思がどうなのかをはっきり記載してほしい。」,「解除に当たりどのような影響があるかを記載してほしい。」などと要請した。(甲43の13・14)(ク) 愛知県森林審議会は,平成22年3月26日,前記(カ)の諮問のあった事項について審議した。その審議の中では,残置森林幅ないし林帯幅が50m確保されていない点が最も問題となったところ,愛知県の担当者からは,「林帯幅の確保は,内側の開発による粉塵,騒音の影響を出さないようにするためのものである。」,「愛知県も,林野庁に対し,この解除を認めれば林野庁が示している基準がなし崩 し的になるということを述べてきている。」,「本件保安林の目的は土砂の流出を防止するというものであるが,近年,森林の持つ多面的機能が取り沙汰されており,土砂の流出についての影響はなくても,大規模な開発による周辺に及ぼす影響を少なくするという二義的な要件がある。」などといった説明がされ,委員の間では,林帯幅5 の持つ多面的機能が取り沙汰されており,土砂の流出についての影響はなくても,大規模な開発による周辺に及ぼす影響を少なくするという二義的な要件がある。」などといった説明がされ,委員の間では,林帯幅50mの要件を満たさなければ解除できない旨の意見が多数出され,全員一致で答申案のとおりとなった。そこで,愛知県森林審議会は,同日,愛知県知事に対し「保安林の解除に係る審査基準を満たしていないので,当該保安林の指定の解除については賛成しがたいと考える」旨の答申をした(21森審第5号)。(甲27,乙15)(ケ) 愛知県知事は,平成22年3月31日,農林水産大臣に対し,本件保安林解除申請書に意見書を付して,本件保安林解除申請を進達した。この意見書の「意見」欄には,「申請の内容を調査検討した結果,国の指示・審査基準に基づき申請者に指導してきた残置森林幅が十分に確保されていない。このため,申請書の計画内容では問題があり,保安林の解除は適とは言いがたいので,この保安林の解除の適否については,慎重な判断をしていただきたい。」と記載され,「参考」欄には,「県森林審議会からは,この保安林の指定の解除については賛成しがたいと考える旨の答申を得ている。」,「地元日進市長は,この保安林の解除に反対の意見である。」,「市民団体等に反対の意見がある。」と記載されていた。また,上記進達の際に添付された「事業計画の内容審査結果」と題する書面では,①「保安林の機能の代替施設」について,「保安林の解除に係る審査基準にある周辺部の林帯幅について,申請書では造成森林を含んでおおむね50m以上を確保したとしているが,調査したところ採掘中においては申請書にある造成森林を含んでも約45%の箇所で不足しており,残置森林のみでは約75%の箇所で不足している。」と記述され,その計画は「不適 以上を確保したとしているが,調査したところ採掘中においては申請書にある造成森林を含んでも約45%の箇所で不足しており,残置森林のみでは約75%の箇所で不足している。」と記述され,その計画は「不適」とされており,②「土地利用上の配慮」についても,「事業完了時において植栽可能な区域は造成森林として森林に復旧する計画であり,転用による被害の発生がないよう配慮している。」としつつ,上記林帯幅の不足に関する同一 の記述がされ,「不適」とされており,③「結論」として,「代替施設等事業計画の実施は確実であり,転用による防災上の問題はないものと認められるが,国が定める保安林解除の審査基準にある残置森林幅が十分に確保されていない。」と記載され,「不適」とされていた。(甲2,6〔資料<21>〕,42,丙事件甲10)(コ) 農林水産大臣は,平成22年4月23日付けで,本件保安林解除申請について,本件保安林不解除処分をした。(甲3,丙事件甲3)キ残置森林・造成森林の配置に関する基準,取扱い等(ア) 昭和49年の基準導入昭和40年代後半,我が国の経済の高度成長,都市化の進展等の社会経済情勢の変化に伴い,森林の有する公益的機能の発揮に対する国民的要請が高まる中,保安林の転用に係る解除について,災害の防止等に加え,環境保全の措置を適切に講じるなど,その取扱いをより厳正かつ適正に運用するという観点から,林野庁長官は,昭和49年10月31日,各都道府県知事・営林局長に宛てて,「保安林の転用に係る解除の取扱いについて」(49林野治第2527号林野庁長官通知)を発出した。この通知の別紙2の第2の3(1)ウ,(2)ウでは,保安林の転用に係る解除の要件の一つとして,「事業等に係る転用に伴う土砂の流出又は崩壊その他の災害の防止,周辺の環境保全等につ 官通知)を発出した。この通知の別紙2の第2の3(1)ウ,(2)ウでは,保安林の転用に係る解除の要件の一つとして,「事業等に係る転用に伴う土砂の流出又は崩壊その他の災害の防止,周辺の環境保全等については,当該事業等に係る転用が,開発許可運用基準(『開発行為の許可基準の運用について』(昭和49年10月31日付け49林野企第82号農林事務次官依命通達))及び運用細則(『開発行為の許可基準の運用細則について』(昭和49年10月31日付け49林野治第2521号林野庁長官通達))に示す基準に適合するものであること」とされ,同日付けの上記開発許可運用基準の第3の4(1)では,「開発行為をしようとする森林の区域に開発行為に係る事業の目的,態様,周辺における土地利用の実態等に応じ相当面積の森林又は緑地の残置又は造成が適切に行われることが明らかであること」が掲げられた上,同日付けの上記運用細則の17(1)では,これについて,「森林又は緑地を残置することを原則とし,止むをえず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速や かに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであること」とされるとともに,同(2)では,「残置し又は造成する森林又は緑地は,開発行為をしようとする森林の区域内の周辺部(ゴルフ場等の大規模なものにあっては周辺部及びホール間等の中間部)に,開発行為の規模に応じて原則として20m以上の幅をもって,適切に配置されていること」とされた。これにより,一定の幅をもった残置森林又は造成森林の配置が,保安林の転用に係る解除等の要件として導入されたものであるが,その林帯幅の基準は,上記のとおり「原則として20m以上」というものであった(以下「旧基準」という。)。(乙58ないし61)(イ) 平成2年の基準見直 解除等の要件として導入されたものであるが,その林帯幅の基準は,上記のとおり「原則として20m以上」というものであった(以下「旧基準」という。)。(乙58ないし61)(イ) 平成2年の基準見直し昭和60年代に入ると,我が国の経済・社会の急速な発展に伴い,ゴルフ場,スキー場等のリゾート開発等による大規模な森林の利用について,地域の活性化という観点から様々な要望が出される一方,環境問題,水問題等への懸念や関心が高まり,災害の防備,水源の涵養,生活環境の保全・形成を維持する観点から,多くの地方自治体において,条例,要綱等により,残置森林率や土工量制限等に関し国の基準等を上回る独自の開発規制が実施される状況となった。そこで,森林の利用と保全の両立を図るとともに全国的な均衡を図るために,平成2年5月に学識経験者からなる森林保全・利用問題検討会の報告が出され,これを踏まえて,残置森林・造成森林の配置に関する基準を含む保安林の転用に係る解除の取扱いを見直すこととなり,林野庁長官が,同年6月11日付けで,各都道府県知事・営林(支)局長に宛てて,取扱要領を発出するなどした。その結果,前記第2の2(2)イのとおり,土石等の採掘を目的とした大規模な転用に係る保安林の指定の解除の場合には,周辺部に原則としておおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置することとされた(以下「新基準」ともいう。)。そして,留意事項1(7)の定める経過措置により,新基準は,原則として取扱要領等の通知の施行日(平成2年6月11日)以降に転用に係る保安林指定解除申請を行うものに適用されるが,都道府県による事前協議をおおむね了している事案等であって,平成4年6月11日以前に申請手続を 行うものについては旧基準が適用されることとされた。(乙19,21,26,58,弁論 されるが,都道府県による事前協議をおおむね了している事案等であって,平成4年6月11日以前に申請手続を 行うものについては旧基準が適用されることとされた。(乙19,21,26,58,弁論の全趣旨)(ウ) 他の鉱山開発の事例について愛知県は,林野庁からの指示に基づき,県事務所等の管内における既存の鉱山開発地15か所について,残置森林等の状況を調査した。これら15件の事例のうち,4件は,平成3年2月から平成4年2月までの間に保安林解除申請がされ,旧基準が適用される事例であり,残り11件が,平成7年7月から平成20年1月までの間に保安林解除申請がされ,新基準が適用される事例であった。後者のうち,2件は,周辺部のほとんどについて50m以上の残置森林幅が確保されているのに対し,残り9件は,残置森林及び造成森林で50m以上の林帯幅が確保されていた(さらにそのうち4件については,周辺部の半分以上について50m以上の残置森林幅が確保されていた。)。上記の造成森林の造成が開始される時期については,事業開始1年目が1件,2年目が6件,3年目が1件,7年目が1件となっており,7年目に造成を開始する事例は,申請事業者において他社と採掘の進度を調整しながら事業を進めなければならないとの事情があったためとされていた。(甲25,26,乙62ないし65,弁論の全趣旨)(2) 残置森林・造成森林に係る要件の充足の有無についてア森林法26条2項は,「公益上の理由により必要が生じたときは,その部分につき保安林の指定を解除することができる」旨規定している。森林が,水源のかん養,土砂の流出ないし崩壊の防備,飛砂の防備その他様々な公益に資する諸機能を有するものであること等に照らすと,同項にいう「公益上の理由により必要が生じたとき」とは,単に森林を る。森林が,水源のかん養,土砂の流出ないし崩壊の防備,飛砂の防備その他様々な公益に資する諸機能を有するものであること等に照らすと,同項にいう「公益上の理由により必要が生じたとき」とは,単に森林を保安林とすることをやめて森林以外の用途に転用するなどして利用することに公益上の必要性があるだけではなく,その転用等をする公益上の必要性が,当該森林を保安林として存続させてその機能を発揮させる公益上の必要性を上回る程度に生じた場合を指すものというべきである。 そして,森林法26条2項は,「公益上の理由により必要が生じたとき」という 抽象的,概括的な文言を使用し,具体的な解除の基準を定めているものではないところ,上記のような公益上の必要性についての判断に際しては,当該保安林の果たしている機能,役割やこれを解除した場合の影響等に関する専門的,技術的な知見が必要とされることに加え,森林法が,同項では,「解除することができる」と規定し,「解除しなければならない」とする同条1項とは文言を書き分けていることをも併せ考慮すると,同条2項は,「公益上の理由により必要が生じたとき」における保安林指定の解除の許否について,専門的,技術的な知識経験を有する農林水産大臣の裁量判断に委ねたものと解される。したがって,同項に基づく保安林指定の解除をしない旨の処分が違法と評価されるのは,当該処分をした農林水産大臣の判断に,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があると認められる場合に限られるというべきである。 ところで,保安林の転用に係る解除については,取扱要領等(前記第2の2(2)イないしエ)において,具体的な数値的指標を含む詳細な内容の審査基準が定められ,林野庁長官通知等の形で公にされているところ,その趣旨は,保安林の指定解除に関する行政の権限行使の適正や公正を確 (2)イないしエ)において,具体的な数値的指標を含む詳細な内容の審査基準が定められ,林野庁長官通知等の形で公にされているところ,その趣旨は,保安林の指定解除に関する行政の権限行使の適正や公正を確保することにあると解される。そして,このような審査基準の趣旨に鑑みると,(Ⅰ)審査基準の定めが森林法の趣旨,目的に反して明らかに不合理な内容である場合には,農林水産大臣がその定めに従ってした判断は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法と評価されるけれども,(Ⅱ)そのような場合を除けば,農林水産大臣の判断が上記定めに従ってされたものであるときは,その判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法と評価されるのは,上記定めどおりに判断することが社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかな場合に限られるというべきである。 イ取扱要領第2の3(1)ウ,(2)ウ(ウ),別表,開発許可運用基準第5の1,運用細則第5の1(1)によると,「公益上の理由」による保安林の転用に係る保安林の解除に当たっては,「事業等に係る転用に伴う土砂の流出又は崩壊その他の災害の防止,周辺の環境保全等については,当該事業等に係る転用が,『相当面積の森林又 は緑地の残置又は造成が適切に行われること(森林又は緑地を現況のまま保全することを原則とし,止むをえず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであること)が明らかである』という基準に適合するものであること」に準じた措置が講じられることが要件とされ,本件のような,「転用に係る保安林の面積が5ヘクタール以上である場合」における土石等の採掘を目的とする転用に係る保安林の解除に当たっては,「原則として周辺部に じた措置が講じられることが要件とされ,本件のような,「転用に係る保安林の面積が5ヘクタール以上である場合」における土石等の採掘を目的とする転用に係る保安林の解除に当たっては,「原則として周辺部に幅おおむね50メートル以上の残置森林又は造成森林を配置する」ことに準じた措置が講じられることが必要であるとされている。そして,運用細則適用関係通知第5の1は,「残置し,若しくは造成する森林又は緑地の割合」を示す数値は標準的なもので,「おおむね」とはその2割の許容範囲を示す趣旨であることを明らかにしているから,取扱要領別表の上記「おおむね」も,2割の許容範囲を示すものであり,同別表の「おおむね50メートル以上」というのは「40メートル以上」を指すものと解される。また,上記の「可及的速やかに伐採前の植生回復を図る」とは,森林の有する機能の回復という観点に係る基準であるから,森林を一旦伐採してから「可及的速やかに」という意味であると解される。 そして,取扱要領等の適用に当たって留意すべき事項を定めた留意事項の1(2)は,柱書きにおいて,「森林の有する公益的機能には,施設の配置によって代替補完されないものもあるため,森林を開発転用する場合には長年かかって形成された土壌を含め現況森林をできるだけ保全し,それらの機能の確保を図ることが必要である。」,「取扱要領の別表は,森林の保全と利用の調整を図る観点にたって,各都道府県の運用実態等を勘案の上,森林の残置等に係る運用基準の取扱いについてより明確化,適正化するとともに,一定規模以上の保安林を転用解除する場合の要件として定められたものである。」とした上で,そのキにおいて,「森林の配置については,残置森林によることを原則とし,極力基準を上回る林帯幅で適正に配置されるよう事業者に対し指導するとともに,造成森林 件として定められたものである。」とした上で,そのキにおいて,「森林の配置については,残置森林によることを原則とし,極力基準を上回る林帯幅で適正に配置されるよう事業者に対し指導するとともに,造成森林の配置は,土地の形質を変更 することがやむを得ないと認められる箇所に限って適用する等その運用については厳正を期するものとする。」としている。 以上の定めは,森林法の定める保安林の災害(土砂流出)防止,騒音防止,飛砂防止等の諸機能を維持するために合理的な内容ということができ,本件においても,前記前提事実(2)及び前記(1)アの認定事実のとおり,本件保安林は「土砂流出防備保安林」として指定されたものであり,その周辺には,大学や高校等の公共機関,団地や住宅地が広がっており,すぐ近くには市道等があるというのであるから,上記定めに従って解除の許否を判断することには合理性があるというべきである。 そうすると,本件保安林解除申請のような,土石等の採掘を目的とした5ha 以上の保安林の転用に係る解除申請については,(ⅰ)周辺部に幅40m以上の残置森林を配置するか,又は(ⅱ)周辺部に幅40m以上の残置森林を配置できないやむを得ない理由があり一時的に土地の形質を変更する必要がある場合に,その必要がある箇所に限って,伐採後可及的速やかに,残置森林と合わせて幅40m以上になる森林を造成するというのでなければ,農林水産大臣が森林法26条2項所定の「公益上の理由により必要が生じたとき」に当たらないと判断したことが,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法と評価されることはないというべきである。 ウこれを本件保安林解除申請に係る原告会社の計画についてみると,前記(1)オ(イ)で認定したとおり,本件保安林において,幅40m以上の残置森林の配 違法と評価されることはないというべきである。 ウこれを本件保安林解除申請に係る原告会社の計画についてみると,前記(1)オ(イ)で認定したとおり,本件保安林において,幅40m以上の残置森林の配置が計画されているのは,原告会社が採掘等を行う区域の外周のわずか25%にすぎないというのであるから,原告会社の計画が前記イ(ⅰ)の「周辺部に幅40m以上の残置森林を配置する計画」でないことは明らかである。 次いで,前記イ(ⅱ)についてみるに,まず,「周辺部に幅40m以上の残置森林を配置できないやむを得ない理由」の有無に関しては,原告会社は,幅40m以上の残置森林を配置することができない理由として,専ら本件事業の採算上の都合を挙げるにとどまっている。原告会社の計画によると,採掘等を行う区域内部の森 林を伐採するのみならず,その周辺部においても幅40m以上の森林すら残置しないことになるため,本件保安林の機能を少なくとも一時的に失わせることになり,これよる公益上の損失は軽視することができないところ,本件事業で採算が取れることによる公益上の必要性が上記公益上の損失より大きいとは当然にはいえないから,原告会社の挙げる上記理由をもって上記「やむを得ない理由」があるとはいい難い。また,「伐採後可及的速やかに,残置森林と合わせて幅40m以上になる森林を造成する」という点に関しては,前記(1)オ(ウ),(エ)で認定した事実によると,原告会社は,別紙8のとおり,残置森林と合わせて幅40m以上になる森林を造成するとしながらも,その造成の時期や具体的な森林整備の進め方については,工事工程表において,①「選鉱場法面植栽工事」について2年目当初の1か月間に行い,②「第1期採掘場植栽工事」について10年目から22年目にかけて行う旨記載した上で,③「採掘完了から め方については,工事工程表において,①「選鉱場法面植栽工事」について2年目当初の1か月間に行い,②「第1期採掘場植栽工事」について10年目から22年目にかけて行う旨記載した上で,③「採掘完了から復旧までの間は貯鉱場として利用するため,出荷後植栽可能となり次第,植林する。」と付記するにとどまり,それ以上具体的に明らかにすることはなかったというのである。上記①については,1か月間に行うことのできる程度の規模の植栽工事であって,本件で前記林帯幅を確保するには到底足りないものであることは明らかであるし,上記②,③からは,第1期採掘場においては,森林伐採から植栽・造成までにかなりの期間を要し,初めの10年間は全く植栽工事が行われないままの状態で推移することになるのであるから,「伐採後可及的速やかに」造成するという計画であるとは認め難い。さらに,第2期採掘場及び選鉱場に至っては,その具体的な造成時期等は全く明らかにされていない。そうすると,原告会社の計画では,「伐採後可及的速やかに造成する」という要件を満たさないというほかはない(しかも,このように,採掘等を行う区域の内部のみならず,その周辺部においてさえ,森林の機能が保持されない状態が相当長期間にわたって続くことは,前記公益上の損失を一層深刻なものとするから,ますますもって,前記「やむを得ない理由」があるとはいい難い。)。 以上によると,本件保安林解除申請は,前記イ(ⅰ)及び(ⅱ)のいずれをも満 たさないから,森林法26条2項所定の「公益上の理由により必要が生じたとき」に当たらないとの農林水産大臣の本件保安林不解除処分における判断が,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるということはできない。 エこれに対し,原告会社は,①本件において残置森林のみで所定の 産大臣の本件保安林不解除処分における判断が,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるということはできない。 エこれに対し,原告会社は,①本件において残置森林のみで所定の林帯幅を確保することにすると,効率的に鉱物を採掘することができず,経営が成り立たないから,地元の陶磁器・ガラス産業界にとって重要な藤島鉱山の開発という公益上の観点と憲法で保障されている企業経営上の観点から,周辺部に幅40m以上の残置森林を配置できないやむを得ない理由ないし特別な事情があったというべきである,②造成森林の配置は可及的速やかにされる必要があるという場合の「可及的速やかに」とは,事業の開始時点ではなく,埋戻し作業完了時点から判断すべきである,③造成森林の整備を具体的にどのように進めるのかを説明した書類を提出するように指導されたことはなかったし,造成森林について「可及的速やかに」の点が問題なのであれば,具体的にいつから造成するのであれば「可及的速やかに」に当たるのかを指導すべきであった,④原告会社の計画における残置森林及び造成森林の幅がおおむね50mを確保している区域は,97%に達しており,これは,行政書士作成の平成24年3月8日付け「残置森林及び造成森林とりまとめ表」及びその添付図面(甲40)のとおりである,⑤作業完了まで植林できない間は,調整池兼沈砂池の設置等により,本件保安林の機能である土砂流出防止を阻害することがないような対策を講ずるのであるから,問題はない,⑥愛知県が林野庁からの指示に基づき調査した結果,15件の事例のうち,1件しか残置森林の幅50m以上という条件を満たしていなかったのであるから,50m以上という制約を墨守する必要はない,などと主張する。 しかしながら,これらの主張については,次の(ア)ないし(カ)のとお 残置森林の幅50m以上という条件を満たしていなかったのであるから,50m以上という制約を墨守する必要はない,などと主張する。 しかしながら,これらの主張については,次の(ア)ないし(カ)のとおり,いずれも前記イ,ウで説示したところを覆すものではない。 (ア) 上記①の点については,本件事業が陶磁器・ガラスの地場産業に貢献する公 益性のある事業であるとしても,前記アで説示したとおり,その公益上の必要性が,本件保安林の機能保持に係る公益上の必要性を上回ることを要するところ,前者に関する公益上の必要性が本件保安林の機能保持に係る公益上の必要性を明らかに上回るとはいえない以上,原告会社としては,前記イで説示したとおりの取扱要領等所定の要件を満たして保安林の機能を少なくとも一定以上は確保した状態で採掘事業を実施することを検討するほかないのであって,原告会社の採算上の都合が本件保安林の機能保持に係る公益上の必要性よりも当然に優先されるということにはならない。 そして,造成森林は,伐採後造成までの期間は森林の機能が全く保持されない状態が生じるという点で,残置森林と全く同等とみることはできないから,残置森林によることを原則とし,造成森林については,やむを得ない理由がある場合に限って厳正に認めるという留意事項等の前記定めは合理的というべきであるところ,本件において,そのようなやむを得ない理由があるとはいい難いことは,前記ウで説示したとおりである。 (イ) 上記②の点については,取扱要領第2の3(1)ウ,(2)ウ(ウ)で準用される運用細則第5の1(1)の「可及的速やかに」とは,保安林の機能を確保するために定められたものであるから,森林が伐採されてからその後再び造成されるまでの期間が可能な限り短くなるようにとの趣旨に出たものと解される 5の1(1)の「可及的速やかに」とは,保安林の機能を確保するために定められたものであるから,森林が伐採されてからその後再び造成されるまでの期間が可能な限り短くなるようにとの趣旨に出たものと解される。これに対し,原告会社が主張するように,事業開始時点ではなく,埋戻し作業完了時点から起算して「可及的速やかに」造成森林を配置すれば足りるとしたのでは,長期にわたって森林の果たしている機能が確保されない状態が継続することになりかねず,森林法の趣旨,目的に沿わないものというほかはない。 (ウ) 上記③の点については,前記(1)ウ,エで認定した事実によると,原告会社は,事前相談の段階から,一貫して「周辺部に幅おおむね50m以上の残置森林又は造成森林を配置すること」を求める補正指導を受けてきたものであり,合計7回にわたる補正指導のうち,4回目,6回目(申請書提出後2回目)及び7回目(申請書 提出後3回目)の補正指導の際には,「残置森林又は造成森林とは,森林を現況のまま保全することを原則とし,やむを得ず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林が造成されるものであること」と明確に告げられていたものである。そして,森林の配置については残置森林によることが原則とされており(留意事項1(2)キ,運用細則第5の1(1)),原告会社の事業採算上の都合は残置森林によらないやむを得ない理由にはなり得ないことから,林野庁及び愛知県としては,原告会社に対し,おおむね50m以上の幅の残置森林の配置を求め続け,残置森林の代わりに造成森林を配置することに誘導するような指導は行わなかったにすぎないものと考えられる。したがって,原告会社が,残置森林のみでなく造成森林による林帯幅の確保をするのであれば,むしろ 残置森林の代わりに造成森林を配置することに誘導するような指導は行わなかったにすぎないものと考えられる。したがって,原告会社が,残置森林のみでなく造成森林による林帯幅の確保をするのであれば,むしろ自ら「残置森林によらないやむを得ない理由」について十分な根拠を示すとともに,造成森林に関する具体的な整備計画を積極的に提示する必要があったものであり,これを怠りながら,被告国ないし愛知県が造成森林に係る指導をしなかったことに責任を転嫁することはできない。そもそも,一般的に,行政庁が,ある要件を充足しないとして申請を認めない旨の処分をした場合に,その要件を充足するための補正指導をしなかったことが直ちに処分の違法事由となるとはいえないし,ましてや,具体的にいつから造成するのであれば「可及的速やかに」に当たるのかといった事項についてまで教示しなければ当該処分が違法となるなどということはできない。 (エ) 上記④の点については,原告会社が援用する平成24年3月8日付け「残置森林及び造成森林とりまとめ表」及びその添付図面(甲40)は,前記(1)オ(イ)で認定したとおり,本件訴訟提起後に作成されたものであり,本件保安林解除申請書に添付されていた図面とは全く異なる内容のものであるから,本件保安林不解除処分時においてその判断の対象となる原告会社の申請に係る計画の内容をなしていたとみることはできない。また,原告会社が援用する上記添付図面(甲40)では,外周内部に全て造成森林を設置するように記載されているが,その造成時期は明ら かにされておらず,それが事業終了後であるとすれば,森林の機能が保持されない状態が相当長期にわたることになるから,上記添付図面によっても,「可及的速やか」な造成が行われるものと認めることはできない。 (オ) 上記⑤の点について 後であるとすれば,森林の機能が保持されない状態が相当長期にわたることになるから,上記添付図面によっても,「可及的速やか」な造成が行われるものと認めることはできない。 (オ) 上記⑤の点については,土砂流出の防備について,洪水調整池兼沈砂池が設置されれば,残置森林・造成森林が直ちに不要となるわけではなく,それのみで本件保安林の機能を代替し得るものではないし,森林には,土砂流出防止機能のほかに,騒音防止機能や飛砂防止機能等もあるところ,原告会社の計画する調整池兼沈砂池の設置等によって,これらの機能が全て確保されるものとは認め難い。 (カ) 上記⑥の点については,前記(1)キで認定した事実によると,原告会社指摘の15件の事例のうち,4件は旧基準が適用されるものであり,新基準が適用される事例についても,残置森林・造成森林に係る基準をおおむね満たしていたというのであるから,上記事例があるからといって,本件保安林解除申請について,所定の基準を満たさなくてよいとする根拠にはならない。 (3) 本件保安林不解除処分の実体的適法性前記(2)で説示したところによると,本件保安林解除申請は,本件理由①ないし⑥の各点について判断するまでもなく,本件理由⑦の点において,森林法26条2項所定の「公益上の理由により必要が生じたとき」に当たらないと判断することができるものであって,本件保安林不解除処分は,実体的に適法なものというべきである。 (4) 他事考慮の有無についてア原告会社は,本件保安林不解除処分は,森林法の目的や保安林制度の目的とはかけ離れた,自然保護・環境保持・里山保全という他事考慮によってされたものであり,また,進達後,実質6日間で本件保安林不解除処分がされた経過等に照らし,政治的な理由から恣意的に行われたものであるから,他事考 た,自然保護・環境保持・里山保全という他事考慮によってされたものであり,また,進達後,実質6日間で本件保安林不解除処分がされた経過等に照らし,政治的な理由から恣意的に行われたものであるから,他事考慮,裁量権濫用の違法がある旨主張する。 イしかしながら,前記(1)で認定した事実経過によると,本件保安林解除申請に ついては,事前相談の段階から,残置森林・造成森林の要件が一貫して問題となっており,本件保安林不解除処分に当たってその要件を満たさない点が考慮されたことは明らかである。そして,前記(2),(3)で説示したとおり,本件保安林解除申請は,残置森林・造成森林の点で,森林の機能保持という公益に関わる要件を満たしていないのであるから,仮にこの点の他に自然保護・環境保持・里山保全といった事情が考慮されたとしても,そのことによって本件保安林不解除処分を違法とすることはできないというべきである。 また,前記(1)で認定した事実経過によると,愛知県知事から農林水産大臣への進達前に,5年近くの長期にわたって事前相談及び申請書類の審査,検討等がされ,この間,林野庁は,随時愛知県を通じて本件保安林解除申請の内容や問題点を把握していたことが認められる。このことからすれば,進達後短期間のうちに本件保安林不解除処分に至ったことは,決して不自然ではなく,本件保安林不解除処分が政治的理由から恣意的にされたというのは,原告会社の憶測にすぎない。 したがって,原告会社の上記主張は,採用することができない。 (5) 行政手続法8条違反の有無についてア原告会社は,本件保安林不解除処分は,理由提示を欠き,行政手続法8条に違反する旨主張する。 イしかしながら,行政手続法8条1項所定の「申請」とは,「法令に基づき,行政庁の許可,認可,免許その他 原告会社は,本件保安林不解除処分は,理由提示を欠き,行政手続法8条に違反する旨主張する。 イしかしながら,行政手続法8条1項所定の「申請」とは,「法令に基づき,行政庁の許可,認可,免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分を求める行為であって,当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているもの」をいい(同法2条3号),第三者を名宛人とする処分や特定の者を名宛人としない処分(いわゆる一般処分)を求める行為は,「自己に対し」何らかの利益を付与する処分を求める行為には当たらないから,上記「申請」には該当しないと解される。 森林法上,農林水産大臣は,水源のかん養その他同法25条1項各号に掲げられている目的を達成するため必要があるときは,森林を保安林として指定することが できるとされており,いったん保安林の指定があると,当該森林の所有者等は一定の私権の制限を受けることになるけれども,保安林の指定処分そのものは,農林水産大臣が専ら公益的な見地から特定の者を名宛人とせずに対象となる森林に対して行う一般処分としての性質を有するものである。そして,森林法によると,保安林の指定又は解除に直接の利害関係を有する者は,森林を保安林として指定すべき旨又は指定を解除すべき旨を申請することができるとされているけれども(27条1項),この申請は,保安林の指定又は解除に利害関係を有する地方公共団体の長も行うことができるとされている上(同項),農林水産大臣は,保安林の指定又は解除をしようとするときは,あらかじめその旨を当該森林の所在地を管轄する都道府県知事に通知し(29条),都道府県知事から申請者に対する通知やその旨の告示(30条),意見書の提出及び公開による意見聴取(32条)を経て,指定又は解除を告示することとされており(33条1項 都道府県知事に通知し(29条),都道府県知事から申請者に対する通知やその旨の告示(30条),意見書の提出及び公開による意見聴取(32条)を経て,指定又は解除を告示することとされており(33条1項),保安林の指定又は解除については,この告示によって効力が生ずるものとされている(同条2項)。また,保安林の指定又は解除については,農林水産大臣から都道府県知事に通知され(同条1項),さらに都道府県知事から申請者に通知されることになっているけれども(同条3項),指定又は解除がされない場合においては,法文上,申請者に対する通知等の手続に関する規定はない。このような森林法の規定の構造や,保安林の指定又は解除の性質等に照らすと,保安林の指定の解除は,同法27条1項に基づく直接の利害関係人からの申請を契機とすることはあっても,保安林の指定と同様,農林水産大臣が,専ら公益的な見地から,特定の者を名宛人とせずに行う一般処分であって,上記申請をした者に対する処分ではないから,これを求める同項所定の「申請」は,行政手続法8条1項,2条3号所定の「申請」には当たらない。 したがって,本件保安林不解除処分については,行政手続法8条は適用されないから,原告会社の上記主張は採用することができない。 ウなお,実質的にみても,前記前提事実(5)オによると,原告会社に対しては,本件保安林不解除処分がされた際に本件保安林処分通知書が送付されたほか,その 数日後に本件保安林処分理由関係書面が送付され,本件理由①ないし⑦の処分理由が明らかにされていたというのである。このような経緯に照らすと,本件保安林処分通知書に詳細な理由まで記載されていなかったからといって,行政庁の恣意の抑制と不服申立ての便宜の付与に欠けるところはないというべきである。 (6) 甲事件の結論 うな経緯に照らすと,本件保安林処分通知書に詳細な理由まで記載されていなかったからといって,行政庁の恣意の抑制と不服申立ての便宜の付与に欠けるところはないというべきである。 (6) 甲事件の結論以上によると,原告会社の本件保安林不解除処分取消請求は理由がない。 したがって,本件保安林指定の解除義務付けの訴えは,行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)37条の3第1項2号所定の訴訟要件を欠き,不適法というべきである。 2 乙事件について(1) 前記前提事実に掲記の証拠(いずれも特記しない限り乙事件の証拠である。)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア本件各土地の分筆の経緯等(ア) 本件各土地及びその周辺の土地の分合筆の経緯は,別紙9-1及び9-2のとおりである。(乙41,42,弁論の全趣旨)(イ) 本件各土地は,かつては×番277の土地の一部であったところ,×番277の土地は,昭和28年1月16日,×番277及び×番431の各土地に分筆され,×番431の土地は,昭和31年5月19日,×番431及び×番437の各土地に分筆された。(甲16,乙6)(ウ) 前記(イ)の分筆後の×番431の土地は,昭和35年8月10日,×番431,×番485,×番486,×番487,×番488,×番489,×番490,×番491,×番492,×番493,×番494及び×番495の各土地に分筆され,×番493の土地は,昭和57年3月30日,×番493及び×番1118の各土地に分筆された。(甲5,7,16,乙6,10,11)(エ) 前記(ウ)の分筆後の×番1118の土地は,平成元年10月19日,×番1118及び×番1282の各土地に分筆された。本件土地1は,この分筆後の×番1 118の土地であり, 11)(エ) 前記(ウ)の分筆後の×番1118の土地は,平成元年10月19日,×番1118及び×番1282の各土地に分筆された。本件土地1は,この分筆後の×番1 118の土地であり,本件市道の起点(北側)付近に位置している。(甲5,12,31,乙18,27,44ないし46,47の3・4)(オ) 他方,前記(ウ)の分筆後の×番493の土地は,平成元年10月19日,×番493及び×番1281の各土地に分筆され,この×番493の土地は,平成3年2月15日,×番493,×番1298及び×番1299の各土地に分筆された。 (甲7,30,36,37)(カ) 前記(オ)の分筆後の×番493の土地は,平成3年9月2日,×番493,×番1305及び×番1306の各土地に分筆された。これらの土地が,それぞれ,本件土地2,本件土地3及び本件土地4である。 なお,本件土地4は,その後の合筆によって現在は×番1301の土地の一部となっている。(甲7,8,38,乙45,46,47の4,48,49の2,57,弁論の全趣旨)(キ) また,前記(オ)の分筆後の×番1299の土地は,平成3年9月2日,×番1299及び×番1307の各土地に分筆された。これらの土地が,それぞれ,本件土地5及び本件土地6である。(甲37,39,乙45,48,49の2)イ旧○線の供用開始等に至る経緯等(ア) 本件市道部分は,大正以前から付近の水田を所有するP16一族や地元住民の通行の用に供されていた。昭和22年11月7日撮影や昭和24年12月9日撮影の航空写真では,η周辺の「ζ」と呼ばれる集落と本件事業区域の南方に位置する「ε」と呼ばれる集落を結ぶ道路が明瞭に写っており,本件市道部分が道路であったことを確認することができる。(乙1,2,15,16,31, は,η周辺の「ζ」と呼ばれる集落と本件事業区域の南方に位置する「ε」と呼ばれる集落を結ぶ道路が明瞭に写っており,本件市道部分が道路であったことを確認することができる。(乙1,2,15,16,31,34ないし40,66,弁論の全趣旨)(イ) ×番277の土地は,前記アのとおり,かつては本件市道部分を含む地目「保安林」の広大な1筆の土地であったところ,昭和4年8月から昭和8年12月までは,愛知郡β村の所有に属していた。その後,同月にP17及びP18,昭和14年4月にP19,昭和15年3月にP7,同年9月にP20,昭和17年3月に再 びP7が,順次売買により×番277の土地の所有権を取得した。(乙33)(ウ) 昭和26年8月20日,旧道路法に基づき,η(大字θ×)を起点,現P21高校グラウンド東側(大字ι×)を終点とする○線の路線認定がされ,その供用開始がされた。本件市道部分は,この○線の一部であった。この供用開始等について,所有者等から苦情や異議が出た形跡はない。(乙4,18,23,24,27,66,弁論の全趣旨)ウ旧×番431の土地に係る所有権移転と林道整備等(ア) 昭和28年1月28日,当時の×番431の土地について,P7から,β村大字εの住民であるP8ほか25名に所有権を移転する登記がされた。(甲16,乙6,35)(イ) 昭和31年7月6日,上記×番431の土地について,P8ほか25名から,P9らに所有権を移転する登記がされた。(甲16,乙6)(ウ) ところで,昭和27年から昭和30年にかけて,ε側からηに向けて,前記(ア)の土地所有名義人を含むε区住民によって林道整備がされ,同年から昭和33年にかけて,η以西に向けて,ζ区民によって林道整備がされた。これらの工事により,1間(1.8m)程度で ηに向けて,前記(ア)の土地所有名義人を含むε区住民によって林道整備がされ,同年から昭和33年にかけて,η以西に向けて,ζ区民によって林道整備がされた。これらの工事により,1間(1.8m)程度であった道路の幅員が2間(3.6m)程度に拡幅された。 昭和31年6月24日の完了検査には,当時のβ村役場の担当者が現地で立ち会ったが,その際,所有者らから,道路の整備・拡幅工事をしたことについて苦情が出た形跡はない。また,昭和35年12月22日には,上記工事について愛知県からα町に補助金が交付された。(乙5,8,34ないし36,66,弁論の全趣旨)エ道路形状での分筆等(ア) 昭和33年10月14日,前記アの×番431の土地の西側に位置する地目「保安林」の×番9の土地から,細長い道路の形状をした×番12の土地が分筆された。この×番12の土地は,前記ウ(ウ)の昭和30年から昭和33年にかけて行われたη以西の林道整備工事によって拡幅された場所の辺りに位置しており,上記分筆 に係る申告書(乙51)には,同土地に関する異動の事由として「道路となるもの」と記載されていた。α町は,同年10月21日,この×番12の土地を購入した。 また,同月14日には,同じく前記アの×番431の土地の西側に位置する地目「保安林」の×番6の土地から×番15の土地が分筆された。この土地は,前記ウ(ウ)の昭和27年から昭和30年までの林道整備工事で拡幅された場所と昭和30年から昭和33年までの工事で拡幅された場所とが交差する辺りに位置しており,上記×番12の土地に道路の形状でつながるような形となっていた。(乙28,29,50ないし55,59,弁論の全趣旨)(イ) 昭和34年5月25日撮影の航空写真には,前記イ(ア)と同様,ζとεを結ぶ道路が明瞭に写っ 道路の形状でつながるような形となっていた。(乙28,29,50ないし55,59,弁論の全趣旨)(イ) 昭和34年5月25日撮影の航空写真には,前記イ(ア)と同様,ζとεを結ぶ道路が明瞭に写っており,本件市道部分が道路であったことを確認することができる。(乙3,17,22)(ウ) 昭和35年8月10日,当時の×番431の土地から,相当長い道路の形状をした×番493の土地が分筆された。この土地は,前記ウ(ウ)の昭和27年から昭和30年までの林道整備工事が行われた場所の辺りに位置しており,前記(ア)の×番15の土地に道路状につながるような形となっていた。(甲16,乙6,10,11,25,28,29,44,46,47の1,48,50)(エ) 昭和38年5月7日撮影の航空写真には,前記イ(ア),エ(イ)と同様,ζとεを結ぶ道路が明瞭に写っており,本件市道部分が道路であったことを確認することができる。(甲事件甲1〔資料No.14-30〕)(オ) 愛知郡α町長は,昭和43年5月11日,愛知県尾張事務所長から,市町村道の実態について調査の依頼を受け,同月16日,同所長に対し,林道現況台帳や図面を添付して報告した。この林道現況台帳には,○線は,延長3623m,幅員3.6mの道路として記載されていた。(乙7)オ P5による本件各土地取得(ア) P5は,名古屋市λに本店を置く旧P22銀行系の不動産業者(宅地建物取引業者)であり,不動産開発事業も営んでいた。(甲13,乙66,弁論の全趣旨) (イ) P5は,昭和47年10月27日,前記エ(ウ)のとおり既に道路状の細長い形態に分筆されていた当時の×番493の土地や×番431の土地を購入した。その際,P5が,本件各土地を含む×番493の土地が道路となっていることについて苦 日,前記エ(ウ)のとおり既に道路状の細長い形態に分筆されていた当時の×番493の土地や×番431の土地を購入した。その際,P5が,本件各土地を含む×番493の土地が道路となっていることについて苦情や異議を述べた形跡はない。(甲7,60,乙6,10,66,弁論の全趣旨)カ旧○線の供用開始等に至る経緯等昭和54年,α町の道路の路線が町内全域にわたって見直され,○線が廃止される代わりに,同年3月31日,道路法に基づき,本件事業区域の西方にあるP11大学グラウンド入口(大字γ×番地)を起点,ε集落の中をおおむね東西に走っている県道名古屋豊田線との交差部(大字δ×番地)を終点とする町道○線の路線認定,区域決定及び供用開始決定がされた。この町道○線は,ηから県道名古屋豊田線との交差部までの部分において,廃止された○線と重なり合っており,本件市道部分は,この町道○線(廃止前の○線)の一部であった。これらは,α町告示第18-3号ないし第18-5号によって公示され,関係図面が,同日から1か月間,α町の土木課において一般の縦覧に供されたが,この供用開始等について,所有者であるP5等から苦情や異議が出た形跡はない。(乙12,18,19,27,66,弁論の全趣旨)キ現○線及び本件市道の供用開始等に至る経緯等(ア) その後,α町は,前記カの路線とは異なる新たな町道○線を築造することを計画し,そのための用地取得の一環として,平成元年3月31日,P5から,当時の×番493,×番1118等17筆の土地の各共有持分権を買い受け,同年9月25日に共有物分割をした。これに沿って,同年10月19日,×番493の土地が①×番493及び②×番1281の各土地に,×番1118の土地が③×番1118及び④×番1282の各土地に,それぞれ分筆され,①及び③の各 割をした。これに沿って,同年10月19日,×番493の土地が①×番493及び②×番1281の各土地に,×番1118の土地が③×番1118及び④×番1282の各土地に,それぞれ分筆され,①及び③の各土地をP5が,②及び④の各土地をα町が取得した。この分筆手続に当たっては,現地において測量がされ,P5も境界の確認に立ち会ったが,その際,P5が道路の存在等について異議を述べた形跡はない。 なお,P5の社内においては,同年3月11日に,上記町道敷地とするための共有持分権売却及び共有物分割について決裁がされたが,その際,これと併せて,道路管理上必要となる沿道部分についての無償借地(使用貸借)を応諾する旨の決裁もされた。(甲5,7,12,30ないし33,49,52,乙44,46,47の3,66,弁論の全趣旨)(イ) α町長は,平成元年10月30日,新たな町道○線を築造する道路用地とするため,農林水産大臣に対し,×番431,×番492,×番493等17筆の土地について,保安林解除申請をした。 この申請書の「指定解除の理由」欄には,「申請路線は,α町総合運動公園(昭和62年供用開始)への豊田市方面からの新入路(ママ)として道路改良事業をすすめる計画の路線であり,運動公園が供用開始された当初の利用人数は300人/日程度であるが,以後施設の整備に伴い利用人数は増加し,公園完成時には最大1500人/日と予想されます。これに伴い,同路線の交通量が増加することは明らかですが現在新入路(ママ)としては幅員3.0m程の未舗装道路が存在するだけであり,すれ違いも満足にできず非常に危険な状態であります。また,自転車あるいは徒歩の来園者の安全を考えた場合,歩道付きの道路は不可欠であります。以上の理由により,幅員12m(両側に2.5mの歩道付)の進入 すれ違いも満足にできず非常に危険な状態であります。また,自転車あるいは徒歩の来園者の安全を考えた場合,歩道付きの道路は不可欠であります。以上の理由により,幅員12m(両側に2.5mの歩道付)の進入路の築造の計画に伴い保安林解除の申請をするものであります。」と記載されていた。 また,上記申請書に添付されていた現況写真には,本件市道部分が未舗装ではあるものの明確に道路の形状をなしていて,自動車がまさに通行している様子が写っていた。(乙60ないし62,66,弁論の全趣旨)(ウ) α町は,前記(ア)と同様の用地取得の一環として,平成2年2月23日,P5から,当時の×番493等3筆の土地の各共有持分権を購入し,平成3年2月8日に共有物分割をした。これに沿って,同月15日,×番493の土地が①×番493,②×番1298及び③×番1299の各土地に分筆され,①及び③の各土地をP5が,新たな町道○線の道路用地となる②の土地をα町が取得した。この分筆手 続に当たっては,現地において測量がされ,P5も境界の確認に立ち会ったが,その際,P5が道路の存在等について異議を述べた形跡はない。 なお,P5の社内においては,平成2年2月14日に,上記町道敷地とするための共有持分権売却及び共有物分割について決裁がされたが,その際,これと併せて,道路管理上必要となる沿道部分についての無償借地(使用貸借)を応諾する旨の決裁もされた。(甲7,12,36,37,50ないし52,乙44,48,49の1,56,66,弁論の全趣旨)(エ) 平成3年9月2日,当時の×番493の土地が本件土地2,本件土地3及び本件土地4に,×番1299の土地が本件土地5及び本件土地6に,それぞれ分筆された(前記ア(カ),(キ))。このうち,本件土地4及び本件土地6は,前記(ウ)の 493の土地が本件土地2,本件土地3及び本件土地4に,×番1299の土地が本件土地5及び本件土地6に,それぞれ分筆された(前記ア(カ),(キ))。このうち,本件土地4及び本件土地6は,前記(ウ)の×番1298の土地が新たな町道○線の敷地となったときにその両側の法面となる土地であり,新たな町道○線と旧○線(かつての○線)とが交差する辺りに位置していた。これらの分筆手続に当たっては,現地において測量がされ,P5も境界の確認に立ち会ったが,その際,P5が道路の存在等について異議を述べた形跡はない。 (甲6,乙18,27,31,44,46,47の4,48,49の2,57,58,弁論の全趣旨)(オ) 平成7年,幅員約12m(両端に幅員2.5mの歩道付)の舗装済みの新たな市道である○線が完成し,開通した。これに伴い,旧○線のうち,ηから県道名古屋豊田線との交差部までの部分については,名称を「○線」に変更した上で市道として残すこととなり,同年4月27日,道路法に基づき,η(γ×番地先)を起点,県道名古屋豊田線との交差部(δ×番先)を終点とする本件市道の本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定がされた。これらは,日進市告示第52号ないし第54号によって公示され,本件市道が明示された道路図面が,同日から1か月間,被告市の建設部土木管理課において一般の縦覧に供されたが,この供用開始等について,所有者であるP5等から苦情や異議が出た形跡はない。(甲1ないし3,12,乙13,14,18,20,21,27,66,弁論の全趣旨) (カ) 本件市道は,平成12年,平成14年及び平成15年のゼンリン地図においても,道路として表示されていた。また,平成12年撮影,平成14年撮影及び平成15年1月撮影の航空写真には,樹木が生い茂っているために多少分 ,平成12年,平成14年及び平成15年のゼンリン地図においても,道路として表示されていた。また,平成12年撮影,平成14年撮影及び平成15年1月撮影の航空写真には,樹木が生い茂っているために多少分かりにくくなっているものの,前記イ(ア),エ(イ),エ(エ)と同様に,ζからεに向かう道路状の1本の筋が写っており,本件市道が道路として通じていることを確認することができる。(甲56,57,乙67ないし69,71ないし75)ク原告会社による本件各土地取得等(ア) P5は,原告会社に対して本件各土地及びその周辺土地を売却することとなり,その売買に当たって,被告市に対し,×番1ほかの売買予定の民有地と,×番78ほかの公衆用道路(現在の市道○線)や×番269の用悪水路(本件水路)等の公有地との境界について,官民境界確認申請をした。そこで,平成14年11月11日,上記申請に基づく官民境界査定のため,①P5の代理人として土地家屋調査士であるP23,②被告市の土木管理課職員としてP24及びP25,③被告市の代理人として公益社団法人P26所属の土地家屋調査士であるP27,④藤島区長としてP28,⑤藤島区役員としてP29,P30,P31,P32及びP33による現地立会が行われた。その際に撮影された写真(乙第70号証の8頁中段及び10頁の写真)には,本件市道部分の一部が未舗装の道路として通じている様子が明瞭に写っており,道路の形状をしていることを確認することができる。上記官民境界査定に立ち会った現地立会人のうち,上記③のP27,上記④のP28並びに上記⑤のP29,P31及びP32は,平成25年10月25日付け書面において,立会時に本件市道部分が道路形状をしていたとしているが,上記①のP23は,同年9月17日付け書面において,道路としての形状は全くな P29,P31及びP32は,平成25年10月25日付け書面において,立会時に本件市道部分が道路形状をしていたとしているが,上記①のP23は,同年9月17日付け書面において,道路としての形状は全くなかった旨述べている。 (甲58,59,乙43,70,丁事件甲5,弁論の全趣旨)(イ) 原告会社は,平成14年11月29日,P5から,本件各土地を含む100筆の土地(いずれも日進市γ×番又は×番の土地)を購入した。 この際,原告会社とP5は,売買契約書を作成し,その7条において,「売主は, 本物件の所有権移転の時までに,抵当権等の担保権,賃借権等の用益権その他買主の所有権の完全な行使を妨げる一切の負担を,自己の責任において除去しなければならない。」旨を約した。 また,P5は,同日,上記売買について重要事項説明書を作成し,原告会社に交付した。(甲5,7,8,13,25,26,37ないし39,弁論の全趣旨)(ウ) 原告会社は,前記(イ)の売買により本件各土地を取得した当時,本件供用開始決定等について異議を述べることはなかった。(乙66,弁論の全趣旨)(エ) 原告会社は,平成15年頃,本件市道部分の入口にロープを張り,「社有地につき立入禁止」などと表示した看板を設置した。その結果,人も車両も本件市道を通行することは不可能となり,本件市道部分は,樹木が生い茂って道路として管理されない状態となった。(甲22,35,乙66,甲事件甲1〔資料No.14-31〕,弁論の全趣旨)ケ本件保安林解除申請後の経過(ア) 原告会社は,平成20年12月19日,本件保安林土地について,本件保安林解除申請をした。原告会社が本件保安林解除申請書に添付した現況図には,本件事業区域内に本件市道(「認定道路○線」)が通っていることが明記されていた。 年12月19日,本件保安林土地について,本件保安林解除申請をした。原告会社が本件保安林解除申請書に添付した現況図には,本件事業区域内に本件市道(「認定道路○線」)が通っていることが明記されていた。 (甲事件甲1〔申請書,図面No.3〕)(イ) 原告会社は,平成22年4月23日付けで本件保安林不解除処分を受け,同年5月1日,同処分の理由について本件市道部分の廃止がされていないこと(本件理由②)を挙げた本件保安林処分理由関係書面を受け取った。その後,原告会社は,被告市等に対し,本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定が無効である旨を主張するようになった。(甲23,乙66,甲事件甲3,4,丙事件甲3,4,弁論の全趣旨)(ウ) 原告会社の代表者ほか12名は,平成22年2月12日,被告市の市役所を訪れ,市長公室において市職員12名と面談した。その際,原告代表者は,「P5が売る時にちゃんと稟議書やなんか書類は全部ある。《中略》それ(本件市道)が あるけれども,P5もあそこが(本件市道によって)分断されることによって,土地の使用がものすごく大変なんだ,と議事録に書いてある。」と発言した。(乙66,弁論の全趣旨)(エ) 原告らは,平成23年4月26日,本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定の無効確認を求めて乙事件に係る訴えを提起した。原告らは,同年11月17日,前記ク(イ)の重要事項説明書の原本を甲第13号証として提出する旨の証拠説明書を提出したため,裁判所及び被告市からその原本の確認を求められたが,結局,平成25年6月10日,これを原本ではなく写しとして提出した。原告らが提出した重要事項説明書の写しでは,「備考」欄に「敷地と道路との関係は,市道○線に接面している。」との記載があり,「敷地路道路の関係図(概略図)」 0日,これを原本ではなく写しとして提出した。原告らが提出した重要事項説明書の写しでは,「備考」欄に「敷地と道路との関係は,市道○線に接面している。」との記載があり,「敷地路道路の関係図(概略図)」欄に「別添公図参照」と記載されていて,「付属書類」欄にも「公図(写)」が付属書類となっている旨の記載がある。ところが,原告らが提出した甲第13号証には,一部の付属書類が含まれているものの,公図の写しは含まれていない。 なお,原告らは,同日,平成14年8月8日付け公図写しを甲第27号証として提出し,これを,原告会社がP5から上記重要事項説明書の付属書類として交付を受けたものとしているが,これによっても,当時の×番493の土地が道路形状をしていることを確認することができる。(甲13,27,弁論の全趣旨,顕著な事実)(2) 本件路線認定の無効確認訴訟の適法性についてア原告らは,本件路線認定が行訴法3条4項,2項所定の「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(以下「行政処分」という。)に該当することを前提に,その無効確認訴訟を抗告訴訟として提起している。 しかしながら,行政処分とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうものと解される(最高裁昭和28年(オ)第1362号同30年2月24日第一小法廷判決・民集9巻2号217頁,最高裁昭和 37年(オ)第296号同39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁等参照)。 路線認定(道路法8条)は,当該路線に属する道路を道路法上の道路とし,その道路管理者を決定することになる行為であるが,路線は,当該道路が道路網上果たすべき交通機能を示すのに必要な範囲 等参照)。 路線認定(道路法8条)は,当該路線に属する道路を道路法上の道路とし,その道路管理者を決定することになる行為であるが,路線は,当該道路が道路網上果たすべき交通機能を示すのに必要な範囲内で表示される道路の位置にとどまるものであって,道路の具体的な区域や構造等を示すものではなく,路線認定によっては,いまだ道路の区域は確定しない。道路法その他の法令を精査してみても,路線認定によって土地所有者等の私権が制限されるとするような規定も見当たらないから,路線認定は,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものではないというほかはない。 したがって,本件路線認定は,行政処分に当たらないから,その無効確認訴訟は不適法というべきである。 イこれに対し,原告らは,①路線認定は,道路敷地の土地所有者をいずれ収用される地位に立たせるという意味で,土地区画整理法上の事業計画と同様に,その権利義務を実際上左右する行為となる,②区域決定により権利制限効果を受けさせる前段階の行為である(道路法91条)が,それに近接している行為であるなどとして,路線認定に処分性が認められる旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,路線認定の性質は前記アのとおりであり,土地区画整理法上の事業計画とは性質を異にするものであることは明らかであるし,道路敷地の所有者は,供用開始の無効確認訴訟等において道路管理者の使用権原の有無等を争うことができるのであって,路線認定の無効確認訴訟を肯認しなくても権利救済の実効性に欠けるところはない。また,上記②の点については,区域決定に近接して行われる行為であるからといって,区域決定と同視することはできず,路線認定に処分性を認める理由とはならない。したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 (3) 本件 域決定に近接して行われる行為であるからといって,区域決定と同視することはできず,路線認定に処分性を認める理由とはならない。したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 (3) 本件区域決定の無効事由の有無について 原告らは,本件区域決定の無効事由として,本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定が全て同一の日に行われたこと及びその各縦覧がいずれも「公示の日から1ヵ月間日進市建設部土木管理課において一般の縦覧に供する。」とするものであったことが,関係権利者から,供用開始前にその前提となる路線認定及び区域決定を知らせてこれを争う手段を奪うものであって,道路法の制度の趣旨に反し,違法である旨主張する。 しかしながら,道路法上,路線認定,区域決定及び供用開始決定を同じ日に行うことを禁止する規定は存在しない上,本件区域決定が本件路線認定及び本件供用開始決定と同じ日に行われたとしても,本件区域決定自体が公示され,その日から1か月間所定の場所で縦覧されるのであるから,関係権利者から本件区域決定を争う手段を奪うものであるなどということはできない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができず,本件区域決定を無効ということはできない。 (4) 本件供用開始決定の無効事由の有無についてア前記(1)で認定した事実によると,①本件市道部分は,大正以前から地元住民の通行の用に供されてきた土地で,昭和26年8月20日に供用開始がされた○線の一部であり,道路としての外観を呈していたこと,②本件市道部分においては,昭和27年から昭和30年にかけて拡幅工事が行われ,工事完了後,拡幅部分の土地が道路の形状に分筆されているところ,上記拡幅工事は,本件市道部分の当時の所有名義人を含む地元住民によって行われたこと,③原告会 7年から昭和30年にかけて拡幅工事が行われ,工事完了後,拡幅部分の土地が道路の形状に分筆されているところ,上記拡幅工事は,本件市道部分の当時の所有名義人を含む地元住民によって行われたこと,③原告会社の前主であるP5は,昭和47年10月に本件各土地を含む当時の×番493の土地等を買い受けたところ,当時,本件市道部分は,既に道路の形状で分筆されており,明らかに道路としての外観を呈していたが,不動産業者(宅地建物取引業者)であるP5が,自らの取得した本件各土地が道路となっていることに苦情や異議を述べた形跡はないこと,④P5は,本件市道部分について,昭和54年3月に旧○線として供用開始等がされた際にも,苦情や異議を述べていないこと,⑤平成元年10月当時,本件市 道部分は,未舗装ではあるものの幅員3.0m程度の道路としての形状をしていて,自動車等が通行していたが,P5は,同月や平成3年に分筆等のために現地で立ち会いをしたにもかかわらず,道路の存在等について異議を述べた形跡はないこと,⑥P5は,平成7年4月27日,本件路線認定,本件区域決定及び本件供用開始決定がされた際,これらについて苦情や異議を述べた形跡はないこと等を指摘することができる。 これら諸点に照らすと,本件市道部分の所有者であったP5は,本件供用開始決定時までに,本件市道部分が道路として使用されていることを認識しながら,被告市のそのような使用を黙示的に承諾していたものと認められ,これを覆すに足りる証拠はない。したがって,被告市は,本件供用開始決定に当たり,少なくともP5からの黙示の承諾により,本件市道部分を道路として使用する権原を取得していたということができるから,本件供用開始決定は,有効である。 イこれに対し,原告らは,①被告市(α町)が昭和35年8月10日以前に本 の承諾により,本件市道部分を道路として使用する権原を取得していたということができるから,本件供用開始決定は,有効である。 イこれに対し,原告らは,①被告市(α町)が昭和35年8月10日以前に本件市道部分の所有権を取得したことはない旨縷々主張するとともに,②原告会社が平成14年11月29日に本件各土地を購入した際の重要事項説明書には,○線についての記載ないし言及がある一方,本件市道(市道○線)については全く触れられていないから,当時,本件市道は存在していなかったなどと主張する。 しかしながら,上記①の点については,前記(1)で認定した事実,殊に,本件市道部分が大正以前から地元住民の通行の用に供されてきた土地であって,昭和26年に供用開始がされた○線の一部であることや,昭和27年から昭和30年にかけて当時の所有名義人を含む地元住民による拡幅工事が行われていること等に照らすと,そもそもα町が昭和35年8月頃までに本件市道部分(当時は○線)の所有権その他の使用権原を取得していた可能性が高いというべきである。また,この点を暫く措くとしても,前記アで説示したとおり,少なくともP5は,昭和47年10月に本件各土地の所有権を取得した後,平成7年4月27日の本件供用開始時までに,被告市が本件市道部分を道路として使用することを黙示的には承諾していたと いうことができるから,いずれにせよ,被告市は,本件供用開始時までに本件市道部分を道路として使用する権原を取得していたことになる。 上記②の点については,原告らが援用する甲第13号証(重要事項説明書の写し)は,前記(1)ケ(エ)で認定した経緯をたどって写しとして提出されたものであり,本来は在るべき原本が確認されておらず,添付されているはずの公図の写しも欠くものである。また,仮に,上記重要事項 写し)は,前記(1)ケ(エ)で認定した経緯をたどって写しとして提出されたものであり,本来は在るべき原本が確認されておらず,添付されているはずの公図の写しも欠くものである。また,仮に,上記重要事項説明書の原本やこれに添付されている公図においても,売買対象土地が現○線に接面している旨記載されている一方で,本件市道については何ら記載されていなかったものであるとしても,前記(1)キ(オ)で認定したとおり,本件市道が未舗装の狭い道路であるのに対し,新たに付設された現○線が舗装済みの幅員12mもの広い道路であることを考慮すると,上記記載の有無のみから,直ちに本件市道が上記重要事項説明書の作成当時道路として存在していなかったことを推認することはできず,むしろ,前記(1),(4)アで認定,説示したとおり,平成7年4月27日の本件供用開始決定当時,本件市道が道路として存在していたことは明らかというべきである。そして,平成14年11月29日当時においても,本件市道部分の公用廃止がされていなかったことは,後記(5)で説示するとおりである。 したがって,原告らの上記主張は,いずれも採用することができない。 (5) 黙示の公用廃止の有無についてア原告らは,平成14年11月29日当時,本件市道部分は道路の形態を呈しておらず,この時点までに黙示の公用廃止がされていた旨主張する。 イしかしながら,市道の供用の廃止や路線の廃止は,本来,公示するものと定められていること(道路法18条2項,10条3項,9条)に照らすと,市道について黙示の公用廃止があったというためには,客観的にみて,こうした本来の明示的な公用廃止と同視し得るような事実状態にあることが必要であるから,少なくとも,「公共用財産としての形態,機能を全く喪失したこと」(最高裁昭和51年(オ)第 めには,客観的にみて,こうした本来の明示的な公用廃止と同視し得るような事実状態にあることが必要であるから,少なくとも,「公共用財産としての形態,機能を全く喪失したこと」(最高裁昭和51年(オ)第46号同年12月24日第二小法廷判決・民集30巻11号1104頁,最高裁 平成15年(受)第1980号同17年12月16日第二小法廷判決・民集59巻10号2931頁参照)を要するというべきである。 ウそこで,上記の見地に立って検討するに,前記(1)キ(カ),ク(ア)で認定した事実によると,①平成14年11月11日の官民境界査定のための立会の際に撮影された写真(乙第70号証の8頁中段及び10頁の写真)には,本件市道部分の一部が未舗装の道路として通じている様子が明瞭に写っており,道路の形状をしていることを確認することができること,②平成14年及び平成15年のゼンリン地図においても,本件市道は道路として表示されていることなどを指摘することができる。 他方,原告らは,③平成15年1月撮影の航空写真(甲57)には本件市道部分の痕跡を認めることはできない旨主張するとともに,④平成14年11月11日に上記立会をしたP23作成の平成25年9月17日付け回答書(甲59,丁事件甲5の2)を援用する。しかしながら,上記③の点については,上記航空写真(甲57)においても,樹木が生い茂っているために多少分かりにくくなっているものの,ζからεに向かう道路状の1本の筋が写っており,平成14年撮影の航空写真(乙73,74)においても,本件市道が道路として通っていることを確認することができるのであって,繁茂した樹木のために上空からの写真では詳しい状況までは確認することができないにしても,いずれにせよ,上記①のとおり,地表の近くで横から撮影された写真(乙第70号証 確認することができるのであって,繁茂した樹木のために上空からの写真では詳しい状況までは確認することができないにしても,いずれにせよ,上記①のとおり,地表の近くで横から撮影された写真(乙第70号証の8頁中段及び10頁の写真)には,本件市道部分の一部が未舗装の道路として通じている様子が明瞭に写っているのである。また,上記④の点については,前記(1)ク(ア)で認定したとおり,上記立会時に本件市道部分が道路の形状をしていなかった旨述べているのはP23のみであり,他の立会人5人は,いずれも道路の形状をしていたと述べている。なお,立会人の1人であったP33作成の平成25年10月1日付け陳述書(丁事件甲6)には,本件市道部分について道路の外観が存在しない旨の供述記載部分があるけれども,これが具体的にいつからどのような状況になっていることを指しているのかは定かでない上,上記写真に写った現場の状況等に照らしても,上記供述記載部分をそのまま信 用することはできない。 以上を総合すると,平成14年11月29日当時,本件市道部分が道路(公共用財産)としての形態,機能を全く喪失していたとはいい難い。したがって,本件市道部分について,同日までに黙示の公用廃止がされたということはできない。 エ前記(4)及び前記(5)ウで説示したところによると,本件各土地について,原告会社は,平成14年11月29日,道路法4条所定の制限のある所有権を取得したものであり,現在,原告らは,そのような制限のある所有権を有していることになる。 (6) 乙事件の結論以上によると,原告らの主位的請求のうち,本件路線認定の無効確認訴訟は不適法であり,本件区域決定及び本件供用開始決定の各無効確認請求はいずれも理由がない。また,原告らの予備的請求(道路法4条所定の制限のない ると,原告らの主位的請求のうち,本件路線認定の無効確認訴訟は不適法であり,本件区域決定及び本件供用開始決定の各無効確認請求はいずれも理由がない。また,原告らの予備的請求(道路法4条所定の制限のない所有権の確認請求)も理由がない。 3 丙事件について(1) 本件条例4条1項該当性についてア本件条例4条1項は,柱書きにおいて「次に掲げる行為をしようとする者は,市長の許可を受けなければならない。」と規定しているところ,その1号は「工作物の設置その他規則で定める行為により公共用物を使用すること」,2号は「公共用物の敷地内において,土石,竹木その他を採取すること」,3号は「農地又は牧草地として公共用物を使用すること」,4号は「前3号に掲げる場合のほか,公衆の利便に供するため特に必要やむを得ないと認められる行為により公共用物を使用すること」を掲げており,同条2項は,「前項の申請があった場合において,市長は,当該申請に係る使用又は収益が公共用物の管理に支障を及ぼさず,かつ,必要やむを得ないと認められる場合に限り,許可を与えることができる。」と規定している(なお,同条には,「(使用又は収益の許可)」という耳(標題)が付いている。)。 これらの規定の文言及び内容を見ると,本件条例4条は,いずれも,本件条例2条所定の公共用物(河川,水路,堤とう,ため池,道路)の存続を前提とした上で,一定の要件を満たす場合に,私人が当該公共用物又はその敷地を使用又は収益することを認めることを定めるものであるから,当該公共用物そのものがもはや存続し得なくなるような「使用又は収益」の範疇を超える行為については,同条に基づく許可の対象として予定されていないというほかはない。 イ前記前提事実に証拠(甲事件甲1〔写真,図面No.3,5-1,資料No. なるような「使用又は収益」の範疇を超える行為については,同条に基づく許可の対象として予定されていないというほかはない。 イ前記前提事実に証拠(甲事件甲1〔写真,図面No.3,5-1,資料No. 9〕,8〔口頭意見陳述資料2〕,丙事件甲5)及び弁論の全趣旨を総合すると,①本件水路は,本件事業区域を北東から南西にかけて流れ,ηに流れ込む用悪水路の一部であり,常時,その全て(922.7㎡)に水をたたえているわけではないため,雨の少ない時期には水路としての形状が分かりにくい部分もあるものの,その一部にはヒューム管が付設されるなどしていること,②原告会社は,本件事業において,本件水路の敷地を事業区域に編入した上,本件水路に付設されている既存のヒューム管を撤去して敷地を広く掘削し,その掘削後,同所に鉱山開発のための排水処理に必要とされる洪水調整池兼沈砂調整池等を設置するとともに,本件水路とは全く別の場所に,上記洪水調整池等からの排水に用いる素掘水路を新たに設けることを計画しており,原告会社自身,「用悪水路の付け替え」として本件公共用物許可申請をしたものであること,③本件公共用物許可申請は,本件条例を受けて定められた日進市公共用物管理条例施行規則(昭和61年α町規則第7号)3条所定の申請手続にのっとって「公共用物の使用収益の許可」を求めるものであり,本件条例4条に基づく申請であることが認められる。 そうすると,本件公共用物許可申請は,公共用物(用悪水路)である本件水路を撤去,掘削して取り除いた上,その跡地に原告会社の事業用施設を設置し,これとは全く別の場所に本件水路とは別の素堀水路を付設することを内容とするものであって,本件水路そのものがもはや存続し得なくなるようなおよそ「使用又は収益」の範疇を超える行為を目的とするものであって,本件条例4条 の場所に本件水路とは別の素堀水路を付設することを内容とするものであって,本件水路そのものがもはや存続し得なくなるようなおよそ「使用又は収益」の範疇を超える行為を目的とするものであって,本件条例4条において予定されて いる「公共用物の使用又は収益の許可」の対象行為には当たらないといわざるを得ない。 したがって,本件公共用物許可申請は,本件条例4条1項各号のいずれにも該当しないというべきである。 ウこれに対し,原告会社は,①開発のために用悪水路の掘削をすることが許可されないのであるならば,例えば,企業が宅地開発をする際に,開発区域内に公共用物があって,その管理に支障がないようにこれを付け替える場合でも,当該公共用物を管理する市町村がこれを拒否して開発を阻止できることになってしまい,不合理である,②鉱山開発事業に不可欠な行為で,公共用物の機能を害さないものでさえあれば,そのための申請は,許可されなければならない,③現に瀬戸市や多治見市では,鉱物採取のための公共用物の占用等の許可が行われており,被告市において,同様の許可をするための条例がないとすれば,本件条例自体が違法である,などと主張する。 しかしながら,上記①の点については,例えば,都市計画法上の開発行為であれば,開発許可を申請しようとする者は,あらかじめ,開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し,その同意を得なければならないものとされており(同法32条1項),しかも,上記同意を得ることができず,公共施設に影響を与える開発行為を適法に行うことができなくなったとしても,上記の者の権利ないし法的地位が侵害されたものとはいえないと解されている(最高裁平成6年(行ツ)第19号,第20号同7年3月23日第一小法廷判決・民集49巻3号1006頁参照)。したがって,宅地開発の の者の権利ないし法的地位が侵害されたものとはいえないと解されている(最高裁平成6年(行ツ)第19号,第20号同7年3月23日第一小法廷判決・民集49巻3号1006頁参照)。したがって,宅地開発の場合であっても,原告会社が主張するように,公共用物そのものがもはや存続し得なくなり,これを別途移設することを内容とする「公共用物の使用又は収益の許可」が当然に認められるものではない。 上記②の点については,本件公共用物許可申請は,前記イで認定したとおり,本件条例4条に基づく申請であるから,これが許可されるためには,同条の定める要件を充足しなければならないことはいうまでもなく,原告会社の主張に係る要件の みを満たせば当然に許可されなければならないと解することはできない。また,実質的にみても,市の所有に係る公共用物について,一部の者が自己の事業にとって必要な使用収益等に独占することが,たとえ公共用物の機能を害さないからといって,それだけで当然に許可されるべきものとはいい難い。 上記③の点については,瀬戸市公共用物の管理に関する条例(平成5年瀬戸市条例第14号)3条1項4号では「公共用物の敷地を掘削,盛土その他これらに類する行為をすること」が,多治見市法定外公共物管理条例(平成15年多治見市条例第2号)5条1項4号では「法定外公共物の敷地内において掘削,盛土,切土その他土地の形状を変更すること」が,それぞれ市長による許可の対象として規定されているのに対し,被告市の本件条例においては,このような規定は置かれていない。 地方公共団体が,公共用物に関し,私人のどのような行為を申請による許可の対象とするかは,当該地方公共団体の公共用物の管理に関する立法政策に委ねられているものというべきであるから,被告市と瀬戸市及び多治見市との上記の違いは,立法 ,私人のどのような行為を申請による許可の対象とするかは,当該地方公共団体の公共用物の管理に関する立法政策に委ねられているものというべきであるから,被告市と瀬戸市及び多治見市との上記の違いは,立法政策の違いであって,これをもって本件条例が違法であるということはできない。 (2) 本件条例4条2項の要件充足の有無についてア前記前提事実及び前記(1)イで認定した事実によると,本件公共用物許可申請は,原告会社が本件事業のためにしたものであり,本件事業の遂行のためには,本件保安林指定が解除される必要があるが,本件公共用物不許可処分が平成23年11月8日にされた当時,既に本件保安林不解除処分がされており,それが有効に存続している状態にあったものである。そして,本件保安林不解除処分は,本件水路の使用権取得の見込みがないこと(本件理由①)のみならず,残置森林・造成森林が適切に配置されていないこと(本件理由⑦)を理由とするものであるところ,本件保安林解除申請がこの残置森林・造成森林の配置不足の点で森林法26条2項に定める解除の要件を満たさないため,本件保安林不解除処分が適法であることは,前記1で説示したとおりである。 そうすると,本件事業は,いずれにせよ残置森林・造成森林に係る理由によって 本件保安林不解除処分がされていることから,遂行することができないものであって,そのような遂行不能な事業のために公共用物の使用又は収益をすることが「必要やむを得ない」ということはできない。 したがって,本件公共用物許可申請は,本件条例4条2項所定の「必要やむを得ない」という要件も満たさないといわざるを得ない。 イなお,原告会社は,本件保安林不解除処分がされたことは,被告市が本件水路の使用に同意せずに本件保安林指定の解除に反対したことによるも やむを得ない」という要件も満たさないといわざるを得ない。 イなお,原告会社は,本件保安林不解除処分がされたことは,被告市が本件水路の使用に同意せずに本件保安林指定の解除に反対したことによるものであって,被告市がこれを理由に本件公共用物不許可処分をすることは許されないなどと主張するけれども,本件保安林不解除処分の理由としては,本件水路の使用権に係る理由(本件理由①)のみならず,これとは全く別の残置森林・造成森林に係る理由(本件理由⑦)が存在することを看過するものであって,原告会社の上記主張は,採用の限りではない。 (3) 原告会社のその余の主張についてア原告会社は,本件公共用物許可申請は,開発等事業手続条例技術基準規則4条1項ただし書1号及び2号の条件を満たしているから,本件公共用物不許可処分は同項に違反する旨主張する。 しかしながら,本件公共用物許可申請は,前示のとおり,本件条例に基づく申請なのであるから,開発等事業手続条例やその規則の定めとは別に,本件条例所定の要件を満たすことが必要となることはいうまでもない。そして,本件条例や開発等手続条例等の関係法令を精査してみても,開発等事業手続条例技術基準規則4条1項の規定が,同項ただし書1号及び2号に該当しさえすれば,本件条例4条1項や同条2項の要件を満たさなくても公共用物使用収益申請を許可するというような趣旨を含むものであるとは解することができない。したがって,原告会社の上記主張は,採用することができない。 イまた,原告会社は,被告市の本件条例4条1項該当性等に関する主張は,訴訟になって初めて追加された後付けの理由であり,このような理由の追加・差替え は,理由付記の趣旨に反し,行政処分を慎重に行うべき要請と原告会社の防御権を侵害するから,許されない旨主張 は,訴訟になって初めて追加された後付けの理由であり,このような理由の追加・差替え は,理由付記の趣旨に反し,行政処分を慎重に行うべき要請と原告会社の防御権を侵害するから,許されない旨主張する。 しかしながら,まず,本件公共用物不許可処分の適法性を基礎付ける前記(2)の理由(保安林の解除がされていないために本件条例4条2項の要件を満たさないこと)については,前記前提事実(6)ウのとおり,本件公共用物処分通知書において,「国により保安林の解除がされない決定がなされていること」と記載され,本件公共用物不許可処分の理由の一つとして提示されていたものであるから,そもそも原告会社の上記主張は,その前提を欠くものである。 他方,本件公共用物不許可処分の適法性を基礎付ける前記(1)の理由(本件公共用物許可申請に係る行為が本件条例4条1項各号所定の許可の対象行為に当たらないこと)については,本件公共用物処分通知書には明記されておらず,本件訴訟になってから被告市が追加した主張(前記第3の3(2))に係るものである。そして,本件条例自体には理由の提示に関する規定はないが,日進市行政手続条例(平成9年日進市条例第32号)8条1項本文には,「行政庁は,申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は,申請者に対し,同時に,当該処分の理由を示さなければならない。」との規定がある。しかしながら,この規定は,申請に対する拒否処分の理由の有無について行政庁の判断の慎重と公正妥当とを担保してその恣意を抑制するとともに,拒否処分の理由を申請者に知らせることによって,その不服申立てに便宜を与えることを目的としていると解され,そのような目的は,拒否処分の理由を具体的に記載して通知させること自体をもってひとまず実現されるところ,同条例の規定をみても,その理 って,その不服申立てに便宜を与えることを目的としていると解され,そのような目的は,拒否処分の理由を具体的に記載して通知させること自体をもってひとまず実現されるところ,同条例の規定をみても,その理由提示の定めが,上記趣旨を超えて,ひとたび通知書に理由を付記した以上,被告市が当該理由以外の理由を上記拒否処分の取消訴訟において主張することを許さないものとする趣旨を含むと解すべき根拠は見当たらない。しかも,本件においては,前記(1)で説示したところに照らすと,本件公共用物許可申請自体が,本件条例4条1項が想定している場面とは異なる非定型的な申請であったものであるが,そのような事情の下で,日進市長は,本件公共用 物処分通知書において,「国により保安林の解除がされない決定がなされていること」を含む4つの理由を挙げており,本件公共用物許可申請について全く審査をせず恣意的な理由のみを列挙したとはいえないから,日進市長が本件公共用物処分通知書に本件条例4条1項各号該当性に係る理由を付記しなかったことによって本件公共用物不許可処分が慎重さを全く欠くものであったということはできない。また,本件の事案及び訴訟の経過に照らすと,原告会社は本件訴訟において十分に主張を尽くしているから,上記理由の付記がなかったことが取り立てて原告会社の不服申立てを困難にしたとか防御権を侵害したということもできない。 したがって,原告会社の上記主張は,採用することができない。 (4) 丙事件の結論以上によると,原告会社の本件公共用物不許可処分取消請求は理由がない。 したがって,本件公共用物許可申請に係る許可の義務付けの訴えは,行訴法37条の3第1項2号所定の訴訟要件を欠き,不適法というべきである。 4 丁事件について(1) 被告市の損害賠償責任の有無 たがって,本件公共用物許可申請に係る許可の義務付けの訴えは,行訴法37条の3第1項2号所定の訴訟要件を欠き,不適法というべきである。 4 丁事件について(1) 被告市の損害賠償責任の有無ア違法行為の有無について原告会社は,被告市の市長である被告P2が,原告会社の本件保安林解除申請及び本件事業を専ら妨害するために,何ら根拠のない本件水路及び本件市道部分の問題点(本件意見理由①及び本件意見理由②)を捏造して本件意見提出行為をしたものであり,本件意見書提出行為は国賠法上違法であると主張する。 しかしながら,前記前提事実(5)及び前記1(1)で認定した事実によると,本件意見提出行為は,日進市長が愛知県知事から本件保安林指定の解除について意見照会を受けたため,被告市としての意見を回答したものにすぎない。もとより,日進市長としては,本件水路や本件市道部分の管理上の支障の有無や保安林解除の要件の有無のみならず,幅広い観点から被告市としての意見を述べることが許されないものではないし,その意見に理由があるか否かは,愛知県知事から進達された後に保 安林指定解除の判断権者たる農林水産大臣が判断する事柄である。そうすると,日進市長が,専ら原告会社の本件事業を妨害することのみを目的として,法的にも実質的にもおよそ根拠が見出せない理由を並べ立てて殊更に反対意見を提出したというような特段の事情がない限り,県や国からの意見照会に対する回答として意見を述べる行為自体が国賠法上違法となることはないというべきである。 これを本件についてみるに,被告P2が被告市の市長として愛知県知事に提出した意見書の内容は,前記前提事実(5)ウ及び前記1(1)カ(ウ)で認定したとおりであって,法的にも実質的にもおよそ根拠が見出せない理由が並べ立てられたという P2が被告市の市長として愛知県知事に提出した意見書の内容は,前記前提事実(5)ウ及び前記1(1)カ(ウ)で認定したとおりであって,法的にも実質的にもおよそ根拠が見出せない理由が並べ立てられたというようなものではないし,専ら本件事業の妨害のみを目的として殊更に反対意見を述べたというような事情も見当たらない(なお,本件事業区域内に存在する本件市道についてされた本件供用開始決定が有効なものであり,廃止されたこともないことは前記2で説示したとおりであり,また,原告会社の事業計画では,本件事業区域内に存在する公共用物である本件水路が撤去されることになっていたもので,その後にされた本件公共用物不許可処分も適法であることは,前記3で説示したとおりであるから,そもそも,原告会社が主張するように,本件意見理由①及び本件意見理由②が「捏造」されたものであるなどということはできない。)。 したがって,本件意見提出行為が国賠法上違法であるということはできない。 イ因果関係の有無についてなお,念のため,因果関係の有無についても更に検討するに,原告会社は,本件意見提出行為によって本件保安林不解除処分がされ,その結果,本件事業の遅延による損害を被った旨主張する。 しかしながら,前記1で説示したとおり,本件保安林解除申請は,残置森林・造成森林に係る要件を欠くものであったから,本件保安林不解除処分は,その余の点について検討するまでもなく適法にされたものというべきである。そうすると,本件においては,被告P2による本件意見提出行為の有無にかかわらず,本件保安林指定の解除がされる筋合いではなかったものであるから,本件意見提出行為によっ て本件保安林不解除処分がされ,これによって原告会社が損害を被ったということはできない。 ウ小括以上による の解除がされる筋合いではなかったものであるから,本件意見提出行為によっ て本件保安林不解除処分がされ,これによって原告会社が損害を被ったということはできない。 ウ小括以上によると,被告市は,前記ア及びイのいずれの点からしても,原告会社に対して国賠法1条1項に基づく損害賠償責任を負わないというべきであるから,原告会社の被告市に対する国家賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。 (2) 被告P2の損害賠償責任の有無原告会社は,被告P2は故意に本件意見提出行為という違法行為を犯したものであるから,被告市の市長としてした本件意見提出行為について,個人としても不法行為責任を負う旨主張するが,前記(1)アで説示したところから明らかなように,被告P2による本件意見提出行為が違法な行為であるということはできないから,被告P2は,原告会社に対して不法行為に基づく損害賠償責任を負わないというほかはない。 したがって,原告会社の被告P2に対する不法行為に基づく損害賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない(なお,被告P2の本件意見提出行為によって本件保安林不解除処分がされたわけでないことは,前記(1)イで説示したとおりであるから,原告会社の被告P2に対する上記請求は,この点においても理由がないし,また,国賠法1条1項によると,公権力の行使に当たる公共団体の公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には,公共団体がその被害者に対して賠償の責に任ずるのであって,公務員個人は民事上の損害賠償責任を負わないものと解され(最高裁昭和28年(オ)第625号同30年4月19日第三小法廷判決・民集9巻5号534頁,最高裁昭和49年(オ)第419号同53年10月2 ,公務員個人は民事上の損害賠償責任を負わないものと解され(最高裁昭和28年(オ)第625号同30年4月19日第三小法廷判決・民集9巻5号534頁,最高裁昭和49年(オ)第419号同53年10月20日第二小法廷判決・民集32巻7号1367頁等),この理は,当該公務員が市長である場合でも変わるところはないというべきであるから,原告会社の被告P2に対する上記請求は,この点において も理由がない。)。 (3) 丁事件の結論以上のとおり,原告会社の被告市に対する国家賠償請求及び被告P2に対する不法行為に基づく損害賠償請求は,いずれも理由がない。 第5 結論以上の次第で,(Ⅰ)本件各訴えのうち,①原告会社が農林水産大臣に対する本件保安林指定の解除の義務付けを求める訴え(甲事件),②原告らが本件路線認定の無効確認を求める訴え(乙事件)及び③原告会社が日進市長に対する本件公共用物許可申請に係る許可の義務付けを求める訴え(丙事件)は,いずれも不適法であるからこれを却下し,(Ⅱ)原告らのその余の訴えに係る請求(①原告会社の本件保安林不解除処分取消請求(甲事件),②原告らの本件区域決定及び本件供用開始決定の各無効確認請求並びに道路法4条所定の制限のない所有権の確認請求(乙事件),③原告会社の本件公共用物不許可処分取消請求(丙事件)並びに④原告会社の被告市及び被告P2に対する各損害賠償請求(丁事件))は,いずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部 裁判長裁判官福井章代 裁判官笹本哲朗 裁判官平野佑子 (別紙2)物件目録 長裁判官福井章代 裁判官笹本哲朗 裁判官平野佑子 (別紙2)物件目録 1 次の土地のうち,別紙「地積測量図Ⅰ」においてAと表示された部分(平成3年9月2日ないし平成14年11月29日当時の地番×番1118,地積0. 65平方メートル)所在日進市γ地番 ×番1118地目山林地積 631平方メートル 2 次の各土地のうち,別紙「地積測量図Ⅱ」においてAと表示された部分(平成3年9月2日ないし平成14年11月29日当時の地番×番493,地積2267平方メートル)(1) 所在日進市γ地番 ×番487地目保安林地積 8万4230平方メートル(2) 所在日進市γ地番 ×番1387地目保安林地積 6815平方メートル 3 次の土地のうち,別紙「地積測量図Ⅱ」においてBと表示された部分(平成3年9月2日ないし平成14年11月29日当時の地番×番1305,地積18平方メートル)所在日進市γ地番 ×番1301 地目山林地積 4991平方メートル 4 次の各土地のうち,別紙「地積測量図Ⅱ」においてCと表示された部分(平成3年9月2日ないし平成14年11月29日当時の地番×番1306,地積16平方メートル)(1) 所在日進市γ地番 ×番1301地目山林地積 4991平方メートル(2) 所在日進市γ地番 ×番1389地目山林地積 66平方メートル 5 次の土地のう 番1301地目山林地積 4991平方メートル(2) 所在日進市γ地番 ×番1389地目山林地積 66平方メートル 5 次の土地のうち,別紙「地積測量図Ⅲ」においてAと表示された部分(平成3年9月2日ないし平成14年11月29日当時の地番×番1299,地積5. 74平方メートル)所在日進市γ地番 ×番431地目保安林地積 10万1342平方メートル 6 次の各土地のうち,別紙「地積測量図Ⅲ」においてBと表示された部分(平成3年9月2日ないし平成14年11月29日当時の地番×番1307,地積35平方メートル)(1) 所在日進市γ地番 ×番1303地目山林 地積 3486平方メートル(2) 所在日進市γ地番 ×番1394地目山林地積 29平方メートル (別紙3)物件目録Ⅱ 1 所在日進市γ地番 ×番277地目保安林地積 6万6206平方メートル 2 所在日進市γ地番 ×番431地目保安林地積 10万1342平方メートル 3 所在日進市γ地番 ×番487地目保安林地積 8万4230平方メートル 4 所在日進市γ地番 ×番866地目保安林地積 12万4489平方メートル 5 所在日進市γ地番 ×番269地目用悪水路地積 8773平方メートル (別紙4)関係法令等の定め 第1 法令等 1 森林法(昭 5 所在日進市γ地番 ×番269地目用悪水路地積 8773平方メートル (別紙4)関係法令等の定め 第1 法令等 1 森林法(昭和26年法律第249号。平成23年法律第20号による改正前のもの。)1条この法律は,森林計画,保安林その他の森林に関する基本的事項を定めて,森林の保続培養と森林生産力の増進とを図り,もって国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的とする。 2条1項この法律において「森林」とは,左に掲げるものをいう。但し,主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。 1号木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹2号前号の土地の外,木竹の集団的な生育に供される土地10条の2第1項地域森林計画の対象となつている民有林(第25条又は第25条の2の規定により指定された保安林並びに第41条の規定により指定された保安施設地区の区域内及び海岸法(昭和31年法律第101号)第3条の規定により指定された海岸保全区域内の森林を除く。)において開発行為(土石又は樹根の採掘,開墾その他の土地の形質を変更する行為で,森林の土地の自然的条件,その行為の態様等を勘案して政令で定める規模をこえるものをいう。以下同じ。)をしようとする者は,農林水産省令で定める手続に従い,都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし,次の各号の一に該当する場合は,この限りでない。 1号~3号 《省略》 10条の2第2項都道府県知事は,前項の許可の申請があつた場合において,次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは,これを許可しなければならない。 1号当該開発行為をす 10条の2第2項都道府県知事は,前項の許可の申請があつた場合において,次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは,これを許可しなければならない。 1号当該開発行為をする森林の現に有する土地に関する災害の防止の機能からみて,当該開発行為により当該森林の周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること。 1号の2 当該開発行為をする森林の現に有する水害の防止の機能からみて,当該開発行為により当該機能に依存する地域における水害を発生させるおそれがあること。 2号当該開発行為をする森林の現に有する水源のかん養の機能からみて,当該開発行為により当該機能に依存する地域における水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがあること。 3号当該開発行為をする森林の現に有する環境の保全の機能からみて,当該開発行為により当該森林の周辺の地域における環境を著しく悪化させるおそれがあること。 25条1項農林水産大臣は,次の各号(指定しようとする森林が民有林である場合にあっては,第1号から第3号まで)に掲げる目的を達成するため必要があるときは,森林(民有林にあっては,重要流域(2以上の都府県の区域にわたる流域その他の国土保全上又は国民経済上特に重要な流域で農林水産大臣が指定するものをいう。以下同じ。)内に存するものに限る。)を保安林として指定することができる。ただし,海岸法第3条の規定により指定される海岸保全区域及び自然環境保全法(昭和47年法律第85号)第14条第1項の規定により指定される原生自然環境保全地域については,指定することができない。 1号水源のかん養2号土砂の流出の防備 3号土砂の崩壊の防備4号飛砂の防備5号風害,水害,潮害,干害, 境保全地域については,指定することができない。 1号水源のかん養2号土砂の流出の防備 3号土砂の崩壊の防備4号飛砂の防備5号風害,水害,潮害,干害,雪害又は霧害の防備6号なだれ又は落石の危険の防止7号火災の防備8号魚つき9号航行の目標の保存10号公衆の保健11号名所又は旧跡の風致の保存26条1項農林水産大臣は,保安林(民有林にあっては,第25条第1項第1号から第3号までに掲げる目的を達成するため指定され,かつ,重要流域内に存するものに限る。 以下この条において同じ。)について,その指定の理由が消滅したときは,遅滞なくその部分につき保安林の指定を解除しなければならない。 26条2項農林水産大臣は,公益上の理由により必要が生じたときは,その部分につき保安林の指定を解除することができる。 27条1項保安林の指定若しくは解除に利害関係を有する地方公共団体の長又はその指定若しくは解除に直接の利害関係を有する者は,農林水産省令で定める手続に従い,森林を保安林として指定すべき旨又は保安林の指定を解除すべき旨を書面により農林水産大臣又は都道府県知事に申請することができる。 27条2項都道府県知事以外の者が前項の規定により保安林の指定又は解除を農林水産大臣に申請する場合には,その森林の所在地を管轄する都道府県知事を経由しなければならない。 27条3項都道府県知事は,前項の場合には,遅滞なくその申請書に意見書を附して農林水産大臣に進達しなければならない。但し,申請が第1項の条件を具備しないか,又は次条の規定に違反していると認めるときは,その申請を進達しないで却下することができる。 28条農林水産大臣又は都道府県 臣に進達しなければならない。但し,申請が第1項の条件を具備しないか,又は次条の規定に違反していると認めるときは,その申請を進達しないで却下することができる。 28条農林水産大臣又は都道府県知事が前条第1項の申請に係る指定又は解除をしない旨の処分をしたときは,その申請をした者は,実地の状況に著しい変化が生じた場合でなければ,再び同一の理由で同項の申請をしてはならない。 29条農林水産大臣は,保安林の指定又は解除をしようとするときは,あらかじめその旨並びに指定をしようとするときにあってはその保安林予定森林の所在場所,当該指定の目的及び保安林の指定後における当該森林に係る第33条第1項に規定する指定施業要件,解除をしようとするときにあってはその解除予定保安林の所在場所,保安林として指定された目的及び当該解除の理由をその森林の所在地を管轄する都道府県知事に通知しなければならない。その通知した内容を変更しようとするときもまた同様とする。 30条都道府県知事は,前条の通知を受けたときは,遅滞なく,農林水産省令で定めるところにより,その通知の内容を告示し,その森林の所在する市町村の事務所に掲示するとともに,その森林の森林所有者及びその森林に関し登記した権利を有する者にその内容を通知しなければならない。この場合において,保安林の指定又は解除が第27条第1項の規定による申請に係るものであるときは,その申請者にも通知しなければならない。 32条1項第27条第1項に規定する者は,第30条又は第30条の2第1項の告示があっ た場合においてその告示の内容に異議があるときは,農林水産省令で定める手続に従い,第30条の告示にあっては都道府県知事を経由して農林水産大臣に,第30条の2第1項の告示にあっては都道府県知事に,意見書 場合においてその告示の内容に異議があるときは,農林水産省令で定める手続に従い,第30条の告示にあっては都道府県知事を経由して農林水産大臣に,第30条の2第1項の告示にあっては都道府県知事に,意見書を提出することができる。 この場合には,その告示の日から30日以内に意見書を都道府県知事に差し出さなければならない。 32条2項前項の規定による意見書の提出があったときは,農林水産大臣は第30条の告示に係る意見書について,都道府県知事は第30条の2第1項の告示に係る意見書について,公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合において,都道府県知事は,同項の告示に係る意見書の写しを農林水産大臣に送付しなければならない。 32条4項農林水産大臣又は都道府県知事は,第30条又は第30条の2第1項の告示の日から40日を経過した後(第1項の意見書の提出があつたときは,これについて第2項の意見の聴取をした後)でなければ保安林の指定又は解除をすることができない。 33条1項農林水産大臣は,保安林の指定又は解除をする場合には,その旨並びに指定をするときにあってはその保安林の所在場所,当該指定の目的及び当該保安林に係る指定施業要件(立木の伐採の方法及び限度並びに立木を伐採した後において当該伐採跡地について行なう必要のある植栽の方法,期間及び樹種をいう。以下同じ。),解除をするときにあってはその保安林の所在場所,保安林として指定された目的及び当該解除の理由を告示するとともに関係都道府県知事に通知しなければならない。 33条2項保安林の指定又は解除は,前項の告示によつてその効力を生ずる。 33条3項都道府県知事は,第1項の通知を受けたときは,その処分の内容をその処分に係る森林の森林所有者及びその処分が第27条 指定又は解除は,前項の告示によつてその効力を生ずる。 33条3項都道府県知事は,第1項の通知を受けたときは,その処分の内容をその処分に係る森林の森林所有者及びその処分が第27条第1項の申請に係るものであるときはその申請者に通知しなければならない。 34条1項保安林においては,政令で定めるところにより,都道府県知事の許可を受けなければ,立木を伐採してはならない。ただし,次の各号のいずれかに該当する場合は,この限りでない。 1号~9号 《省略》34条2項保安林においては,都道府県知事の許可を受けなければ,立竹を伐採し,立木を損傷し,家畜を放牧し,下草,落葉若しくは落枝を採取し,又は土石若しくは樹根の採掘,開墾その他の土地の形質を変更する行為をしてはならない。ただし,次の各号のいずれかに該当する場合は,この限りでない。 1号~6号 《省略》34条の4森林所有者等が保安林の立木を伐採した場合には,当該保安林に係る森林所有者は,当該保安林に係る指定施業要件として定められている植栽の方法,期間及び樹種に関する定めに従い,当該伐採跡地について植栽をしなければならない。ただし,当該伐採をした森林所有者等が当該保安林に係る森林所有者でない場合において当該伐採があつたことを知らないことについて正当な理由があると認められるとき,当該伐採跡地について第38条第1項又は第3項の規定による造林に必要な行為をすべき旨の命令があつた場合(当該命令を受けた者が当該伐採跡地に係る森林所有者以外の者であり,その者が行う当該命令の実施行為を当該森林所有者が拒んだ場合を除く。)その他農林水産省令で定める場合は,この限りでない。 2 道路法(昭和27年法律第180号。平成11年法律第87号による改正前のもの 施行為を当該森林所有者が拒んだ場合を除く。)その他農林水産省令で定める場合は,この限りでない。 2 道路法(昭和27年法律第180号。平成11年法律第87号による改正前のもの。)4条道路を構成する敷地,支壁その他の物件については,私権を行使することができない。但し,所有権を移転し,又は抵当権を設定し,若しくは移転することを妨げない。 8条1項第3条第4号の市町村道とは,市町村の区域内に存する道路で,市町村長がその路線を認定したものをいう。 8条2項市町村長が前項の規定により路線を認定しようとする場合においては,あらかじめ当該市町村の議会の議決を経なければならない。 9条都道府県知事又は市町村長は,第7条又は前条の規定により路線を認定した場合においては,その路線名,起点,終点,重要な経過地その他必要な事項を,建設省令で定めるところにより,公示しなければならない。 10条1項都道府県知事又は市町村長は,都道府県道又は市町村道について,一般交通の用に供する必要がなくなったと認める場合においては,当該路線の全部又は一部を廃止することができる。路線が重複する場合においても,同様とする。 10条3項前2項の規定により路線を廃止し,又は変更しようとする場合の手続は,路線の認定の手続に準じて行わなければならない。 16条1項市町村道の管理は,その路線の存する市町村が行う。 18条1項 第12条,第13条第1項若しくは第3項又は第15条から前条までの規定によって道路を管理する者(指定区間内の国道にあっては建設大臣,指定区間外の国道にあっては都道府県知事。以下「道路管理者」という。)は,路線が指定され,又は路線の認定若しくは変更が公示された場合においては,遅滞なく,道 る者(指定区間内の国道にあっては建設大臣,指定区間外の国道にあっては都道府県知事。以下「道路管理者」という。)は,路線が指定され,又は路線の認定若しくは変更が公示された場合においては,遅滞なく,道路の区域を決定して,建設省令で定めるところにより,これを公示し,かつ,これを表示した図面を関係建設省地方建設局若しくは北海道開発局又は関係都道府県若しくは市町村の事務所(以下「道路管理者の事務所」という。)において一般の縦覧に供しなければならない。道路の区域を変更した場合においても,同様とする。 18条2項道路管理者は,道路の供用を開始し,又は廃止しようとする場合においては,建設省令で定めるところにより,その旨を公示し,かつ,これを表示した図面を道路管理者の事務所において一般の縦覧に供しなければならない。ただし,既存の道路について,その路線と重複して路線が指定され,認定され,又は変更された場合においては,その重複する道路の部分については,既に供用の開始があったものとみなし,供用開始の公示をすることを要しない。 29条道路の構造は,当該道路の存する地域の地形,地質,気象その他の状況及び当該道路の交通状況を考慮し,通常の衝撃に対して安全なものであるとともに,安全かつ円滑な交通を確保することができるものでなければならない。 42条1項道路管理者は,道路を常時良好な状態に保つように維持し,修繕し,もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。 91条1項第18条第1項の規定により道路の区域が決定された後道路の供用が開始されるまでの間は,何人も,道路管理者(建設大臣が自ら道路の新設又は改築を行う場合における建設大臣を含む。以下この条及び第96条第5項後段において同じ。)が 当該区域についての土地に関す れるまでの間は,何人も,道路管理者(建設大臣が自ら道路の新設又は改築を行う場合における建設大臣を含む。以下この条及び第96条第5項後段において同じ。)が 当該区域についての土地に関する権原を取得する前においても,道路管理者の許可を受けなければ,当該区域内において土地の形質を変更し,工作物を新築し,改築し,増築し,若しくは大修繕し,又は物件を付加増置してはならない。 3 鉱業法(昭和25年法律第289号。平成16年法律第94号による改正前のもの。)1条この法律は,鉱物資源を合理的に開発することによって公共の福祉の増進に寄与するため,鉱業に関する基本的制度を定めることを目的とする。 11条鉱業権は,試掘権及び採掘権とする。 63条2項採掘権者は,事業に着手する前に,経済産業省令で定める手続に従い,施業案を定め,経済産業局長の認可を受けなければならない。これを変更するときも,同様とする。 63条3項経済産業局長は,前項の認可をするには,あらかじめ鉱山保安監督部長に協議しなければならない。 63条4項鉱業権者は,第1項の規定により届出をし,又は第2項の規定により認可を得た施業案によらなければ,鉱業を行ってはならない。 64条鉱業権者は,鉄道,軌道,道路,水道,運河,港湾,河川,湖,沼,池,橋,堤防,ダム,かんがい排水施設,公園,墓地,学校,病院,図書館及びその他の公共の用に供する施設並びに建物の地表地下とも50メートル以内の場所において鉱物を掘採するには,他の法令の規定によつて許可又は認可を受けた場合を除き,管理 庁又は管理人の承諾を得なければならない。但し,当該管理庁又は管理人は,正当な事由がなければ,その承諾を拒むことができない。 104条鉱業権者又は租鉱権 を受けた場合を除き,管理 庁又は管理人の承諾を得なければならない。但し,当該管理庁又は管理人は,正当な事由がなければ,その承諾を拒むことができない。 104条鉱業権者又は租鉱権者は,鉱区若しくは租鉱区又はその附近において他人の土地を左に掲げる目的のため利用することが必要且つ適当であって,他の土地をもって代えることが著しく困難なときは,これを使用することができる。 1号坑口又は坑井の開設2号露天掘による鉱物の掘採3号探鉱又は鉱物の掘採作業のため必要な機械設備の設置4号坑木,火薬類,燃料,カーバイドその他の重要資材,鉱物,土石,鉱さい又は灰じんの置場又は捨場の設置5号選鉱又は製錬用の施設の設置6号鉄道,軌道,索道,石油若しくは可燃性天然ガスの輸送管,道路,運河,港湾,用排水路,池井又は電気工作物の開設7号鉱害の予防又は回復のため必要な施設8号鉱業用の事務所又は鉱業に従事する者の宿舎若しくは保健衛生施設の設置105条採掘権者は,鉱区又はその附近において他人の土地を左に掲げる目的に供した結果,その土地の形質を変更し,これを原状に回復することが著しく困難となつた場合において,なおその土地をその目的に利用することが必要且つ適当であって,他の土地をもって代えることが著しく困難なときは,他人の土地を収用することができる。 1号坑口又は坑井の開設2号土石又は鉱さいの捨場の設置3号選鉱又は製錬用の施設の設置4号鉄道,軌道,索道,道路,運河,港湾,用排水路又は池井の開設 106条1項鉱業権者又は租鉱権者は,前2条の規定により他人の土地を使用し,又は収用しようとするときは,経済産業省令で定める手続に従い,経済産業局長に申請して,その 池井の開設 106条1項鉱業権者又は租鉱権者は,前2条の規定により他人の土地を使用し,又は収用しようとするときは,経済産業省令で定める手続に従い,経済産業局長に申請して,その許可を受けなければならない。 106条2項経済産業局長は,前項の規定による許可の申請があったときは,関係都道府県知事に協議するとともに,鉱業権者又は租鉱権者並びに土地の所有者及び土地に関して権利を有する者の出頭を求めて,公開による意見の聴取を行わなければならない。 106条3項経済産業局長は,前項の意見の聴取をしようとするときは,その期日の1週間前までに,事案の要旨並びに意見の聴取の期日及び場所を当事者に通知し,かつ,これを公示しなければならない。 106条4項第2項の意見の聴取に際しては,当事者に対して,当該事案について,証拠を提示し,意見を述べる機会を与えなければならない。 106条5項経済産業局長は,第1項の許可をしたときは,左に掲げる事項を公告しなければならない。 1号土地を使用し,又は収用しようとする者の氏名又は名称及び住所2号使用又は収用の目的3号使用し,又は収用しようとする土地の所在地及び区域4号使用し,又は収用しようとする土地を表示する図面の縦覧場所106条6項経済産業局長は,第1項の許可をしたときは,直ちに,関係都道府県知事を経由して,使用し,又は収用しようとする土地が所在する市町村の長にその旨を通知するとともに,その土地を表示する図面を送付しなければならない。 107条1項第104条又は第105条の規定による土地の使用又は収用に関しては,この法律に別段の定がある場合を除く外,土地収用法(昭和26年法律第219号)の規定を適用する。 107条2項 107条1項第104条又は第105条の規定による土地の使用又は収用に関しては,この法律に別段の定がある場合を除く外,土地収用法(昭和26年法律第219号)の規定を適用する。 107条2項第104条又は第105条の規定による土地の使用又は収用については,第106条第1項又は第5項の規定による許可又は公告があつたときは,土地収用法第20条の規定による事業の認定又は第26条第1項の規定による事業の認定の告示があつたものとみなし,第106条第6項の規定による通知は同法第26条の2第1項の規定による通知と,第106条第6項の規定により市町村長が送付を受けた図面は同法第26条の2第2項の規定により公衆の縦覧に供すべき図面と,前条第3項の規定による公告は同法第33条の規定による告示とみなす。 4 都市計画法(昭和43年法律第100号)4条12項この法律において「開発行為」とは,主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。 29条1項都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市,同法第252条の22第1項の中核市又は同法第252条の26の3第1項の特例市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては,当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。ただし,次に掲げる開発行為については,この限りでない。 1号~11号 《省略》 32条1項開発許可を申請しようとする者は,あらかじめ,開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し,その同意を得なければならない。 32条2 い。 1号~11号 《省略》 32条1項開発許可を申請しようとする者は,あらかじめ,開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し,その同意を得なければならない。 32条2項開発許可を申請しようとする者は,あらかじめ,開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定める者と協議しなければならない。 32条3項前2項に規定する公共施設の管理者又は公共施設を管理することとなる者は,公共施設の適切な管理を確保する観点から,前2項の協議を行うものとする。 5 森林法施行規則(昭和26年農林省令第54号。平成25年農林水産省令第64号による改正前のもの。)15条1項法第27条第1項の規定による保安林の指定若しくは解除又は法第33条の2第2項(法第44条において準用する場合を含む。)の規定による指定施業要件の変更の申請は,申請書(2通)に図面を添え,農林水産大臣又は都道府県知事に提出してしなければならない。 15条2項前項の場合においては,前項の書面のほか,当該申請者が国の機関の長又は地方公共団体の長以外の者であるときは当該申請者が当該申請に係る指定若しくは解除又は指定施業要件の変更に直接の利害関係を有する者であることを証する書類,当該申請者が保安林を森林以外の用途に供すること(以下この項において「転用」という。)を目的としてその解除を申請する者であるときは次の各号に掲げる書類を添付しなければならない。 1号転用の目的に係る事業又は施設に関する計画書 2号転用に伴って失われる当該保安林の機能に代替する機能を果たすべき施設の設置に関する計画書3号前2号の事業又は施設の設置について行政庁の免許,許可,認可その他の処分を 2号転用に伴って失われる当該保安林の機能に代替する機能を果たすべき施設の設置に関する計画書3号前2号の事業又は施設の設置について行政庁の免許,許可,認可その他の処分を必要とする場合には,当該処分に係る申請の状況を記載した書類(既に処分があつたものについては,当該処分があつたことを証する書類)4号転用の目的に係る事業を行い,又は施設を設置する者(国,地方公共団体及び独立行政法人等登記令第一条に規定する独立行政法人等を除く。)が,法人である場合には当該法人の登記事項証明書,法人でない団体である場合には代表者の氏名並びに規約その他当該団体の組織及び運営に関する定めを記載した書類 6 道路法施行規則(昭和27年建設省令第25号。平成19年国土交通省令第84号による改正前のもの。)1条1項道路法(昭和27年法律第180号。以下「法」という。)第9条の規定による路線の認定又は第10条の規定により第9条の規定に準じて行う路線の廃止若しくは変更の公示は,それぞれ別記様式第1,第2又は第3により,行うものとする。 1条2項都道府県知事又は市町村長は,前項の公示をする場合においては,都道府県道については縮尺5万分の1,市町村道については縮尺1万分の1程度の図面に当該路線を明示し,都道府県又は市町村の事務所において一般の縦覧に供しなければならない。但し,市街地その他特に必要があると認められる部分については,別に拡大図を備えなければならない。 2条法第18条第1項の規定による道路の区域の決定又は変更の公示は,次に掲げる事項について行うものとし,同項の規定による図面は,縮尺千分の1以上のものを用いるものとする。 1号道路の種類2号路線名3号次のイ,ロ又はハに掲げる は,次に掲げる事項について行うものとし,同項の規定による図面は,縮尺千分の1以上のものを用いるものとする。 1号道路の種類2号路線名3号次のイ,ロ又はハに掲げる場合の区分に応じそれぞれイ,ロ又はハに定める事項イ区域の決定の場合(ロに掲げる場合を除く。) 敷地の幅員及びその延長ロ法第47条の5の規定により立体的区域とする区域の決定の場合イに掲げる事項並びに当該立体的区域とする区間及びその延長ハ区域の変更の場合変更の区間並びに当該区間に係る変更前の敷地の幅員及びその延長並びに変更後の敷地の幅員及びその延長4号区域を表示した図面を縦覧する場所及び期間3条法第18条第2項の規定による道路の供用の開始又は廃止の公示は,左に掲げる事項について行うものとし,同項の規定による図面は,一般国道(以下「国道」という。)及び都道府県道については縮尺5万分の1,市町村道については縮尺1万分の1程度のものを用いるものとする。 1号路線名2号供用開始又は廃止の区間3号供用開始又は廃止の期日4号供用開始又は廃止の区間を表示した図面を縦覧する場所及び期間 7 保安林の転用に係る解除の取扱い要領の制定について(平成2年6月11日付け2林野治第1868号林野庁長官通知)(甲事件乙19)第1 趣旨保安林を森林以外の用途に転用するために森林法(昭和26年法律第249号。 以下「法」という。)第26条又は第26条の2の規定に基づき保安林の指定を解除する場合の取扱いについては,法,森林法施行令(昭和26年政令第276号。 以下「令」という。),森林法施行規則(昭和26年農林省令第54号。以下「規則」という。),保安林及び保安施設地区の指定,解除等の取扱い は,法,森林法施行令(昭和26年政令第276号。 以下「令」という。),森林法施行規則(昭和26年農林省令第54号。以下「規則」という。),保安林及び保安施設地区の指定,解除等の取扱いについて(昭和45年6月2日付け45林野治第921号林野庁長官通知)その他関係通知に定めるもののほか,この要領に定めるところによるものとする。 第2 解除の取扱い1・2 《省略》 3 解除の要件保安林の転用に係る保安林の解除については,次の要件を備えなければならない。 (1) 「公益上の理由」による解除ア用地事情等保安林の転用の目的に係る事業又は施設の設置(以下「事業等」という。)による土地の利用が,その地域における公的な各種土地利用計画,当該転用の目的及びその性格等にかんがみ,その土地以外に他に適地を求めることができないか,又は著しく困難であること。 イ面積保安林の転用に係る土地の面積が,次に例示するように当該転用の目的を実現する上で必要最小限度のものであること。 (ア) 道路法に基づく道路のように法令等により基準が定められている場合には,当該基準に照らし適正であること。 (イ) 大規模,かつ,長期にわたる事業等のための転用に係る解除の場合には,当該事業等の全体計画及び期別実施計画が適切なものであり,かつ,その期別実施計画に係る転用面積が必要最小限度のものであること。 ウその他の満たすべき基準(2) のウに準じた措置が講じられるものであること。 エ実現の確実性次の事項のすべてに該当し,申請に係る事業等を行うことが確実であること。 (ア) 事業等に関する計画の内容が具体的であり,当該計画どおり実施されることが確実であること。 (イ) 事業等を実施するもの(以 ,申請に係る事業等を行うことが確実であること。 (ア) 事業等に関する計画の内容が具体的であり,当該計画どおり実施されることが確実であること。 (イ) 事業等を実施するもの(以下「事業者」という。)が当該保安林の土地を使用する権利を取得しているか,又は取得することが確実であること。 (ウ) 事業者が事業等を行うため当該保安林と併せて使用する土地がある場合において,その土地を使用する権利を取得しているか,又は取得することが確実であること。 (エ) (イ)及び(ウ)の土地の利用,又は事業等について,法令等による許認可等を必要とする場合には,当該許認可等がなされているか,又はなされることが確実であること。 (2) 「指定理由の消滅」による解除ア・イ 《省略》ウその他の満たすべき基準(ア) 保安林の転用に当たっては,当該保安林の指定の目的の達成に支障のないよう代替施設(規則第15条第2項第2号に掲げる施設をいう。)の設置等の措置が講じられたか,又は確実に講じられることについて,(3)の規定による都道府県知事の確認があること。 (イ) (ア)の代替施設の設置等については,当該施設の設置に係る転用が開発行為の許可制に関する事務の取扱いについて(平成14年3月29日付け13林整治第2396号農林水産事務次官依命通知。)別記の開発行為の許可基準の運用について(以下「開発許可運用基準」という。)の第2から第5まで及び開発行為の許可基準の運用細則について(平成14年5月8日付け14林整治第25号林野庁長官通知。以下「運用細則」という。)に示す基準に適合するものであること。 (ウ) (イ)のほか,事業等に係る転用に伴う土砂の流出又は崩壊その他の災害の防止,周辺の環境保全等については,当該事業等に係る転用が 下「運用細則」という。)に示す基準に適合するものであること。 (ウ) (イ)のほか,事業等に係る転用に伴う土砂の流出又は崩壊その他の災害の防止,周辺の環境保全等については,当該事業等に係る転用が,開発許可運用基準及び運用細則に示す基準に適合するものであること。 ただし,転用に係る保安林の面積が5ヘクタール以上である場合又は事業者が所有権その他の当該土地を使用する権利を有し事業等に供しようとする区域(以下「事業区域」という。)内の森林の面積に占める保安林の面積の割合が10パーセント以上である場合(転用に係る保安林の面積が1ヘクタール未満の場合を除く。)には,運用細則の第2の1及び同細則の表4に代えて別表に示す基準に適合するものであること。 (エ) 転用に係る保安林の面積が(ウ)のただし書に相当する場合であって,水資源のかん養又は生活環境の保全形成等の機能を確保するため代替保安林の指定を必要とするものにあっては,原則として,当該転用に係る面積以上の森林が確保されるものであること。 エ・オ 《省略》(3) 代替施設の設置等の確認に関する措置ア確認(ア) 都道府県知事は,解除予定保安林について,法第30条又は法第30条の2第1項の告示の日から40日を経過した後(《省略》)に,事業者に対し,3の(2)のウの代替施設の設置等を速やかに講じるよう指導するとともに,当該施設の設置等が講じられたか,又は確実に講じられることについて確認を行うものとする。《以下省略》(イ) (ア)の確認は,次のものについて行う。 ① 法第26条第1項及び法第26条の2第1項の規定による解除。 ② 法第26条第2項及び法第26条の2第2項の規定による解除であって令第2条の3に規定する規模を超え,かつ,法第10条の2第1項 ① 法第26条第1項及び法第26条の2第1項の規定による解除。 ② 法第26条第2項及び法第26条の2第2項の規定による解除であって令第2条の3に規定する規模を超え,かつ,法第10条の2第1項第1号から第3号までに該当しないもの。 イ確認報告法第26条の2により規定されている保安林以外のものについては,都道府県知事は,アの(ア)確認を了した場合には,速やかに別紙様式により林野庁長官に報告す るものとする。 (4) 《省略》第3 その他手続き上の留意事項 1 《省略》 2 都道府県森林審議会への諮問(1) 都道府県知事は,法第27条第3項の規定による意見書の提出に当たっては,都道府県森林審議会の意見を聴し,その結果に基づき適否を明らかにした上,意見書を提出するものとする。《以下省略》(2) 《省略》 3 《省略》別表《抜粋》 開発行為の目的 事業区域内において残置し又は造成する森林又は緑地の割合 森林の配置等 土石等の採掘 1.原則として周辺部に幅おおむね50メートル以上の残置森林又は造成森林を配置する。 2.採掘跡地は必要に応じ埋め戻しを行い, 緑化及び植栽する。また,法面は可能な限り緑化し小段平坦部には必要に応じ客土等を行い植栽する。 8 保安林の解除事務の迅速化及び簡素化について(昭和60年12月24日付 け60林野治第3992号林野庁長官通知)(甲事件乙7)保安林を森林以外に用途に供する必要が生じた場合の指定の解除の取扱いについては,森林法(昭和26年法律第249号)の規定に基づき,適正に対処しているところであ 2号林野庁長官通知)(甲事件乙7)保安林を森林以外に用途に供する必要が生じた場合の指定の解除の取扱いについては,森林法(昭和26年法律第249号)の規定に基づき,適正に対処しているところであるが,臨時行政改革推進審議会の「行政改革の推進方策に関する答申」(昭和60年7月22日)において,保安林の解除事務について,他法令の許認可等との併行審査の実施等を行い,その迅速化及び簡素化を図る旨の提起がなされたところである。 このため,今後,保安林の解除事務の迅速化及び簡素化については,下記によることとしたので,了知の上,遺憾のないようにされたい。 記 1 事前相談等従来,保安林解除申請書及び事業計画等の添付書類(以下「申請書類」という。)内容等が不備で,その補正に相当の期間を要するものが多く見受けられた。 このため,保安林所有者等で保安林を森林以外の用途に供すること(以下「転用」という。)を目的としてその解除を申請しようとする者(以下「事業者」という。)に対しては,次により対処するものとする。 (1) 都道府県知事は,次の点に留意し,適正な申請書類の提出がなされるよう指導するものとする。 ① 転用目的,開発行為の態様及び規模,事業の実施時期等事案の内容を十分聴取の上,転用に係る保安林の解除の要件及び手続,申請書類の作成要領その他留意すべき事項を説明するとともに,適切な指導を行う。 ② 当該事業の実施につき法令等に基づく他の行政庁の免許,許可,認可その他の処分(以下「許認可」という。)を必要とするものについては,当該行政庁に対する許認可の申請手続を速やかに行うよう指導する。 (2) 事前相談等があった事案の対象地が,国有林の保安林及び森林法(昭和26年法律第249号。以下「法」という。)第25条第1項第1号から第3 する許認可の申請手続を速やかに行うよう指導する。 (2) 事前相談等があった事案の対象地が,国有林の保安林及び森林法(昭和26年法律第249号。以下「法」という。)第25条第1項第1号から第3号までに 掲げる目的を達成するための民有林の保安林(法第25条第1項の重要流域内に存するものに限る。)であって,転用しようとする保安林の面積が一定規模(法第26条第1項(指定理由の消滅)によるものは1ha,同条第2項(公益上の理由)によるものは5ha)以上である場合には,当該事案の概要を林野庁長官に報告するものとする。 9 保安林解除事案に係る事前相談等について(昭和61年10月28日付け61林野治第3486号林野庁長官通知)(甲事件乙8)保安林解除事務の迅速化等を図るため,「保安林解除事務の迅速化及び簡素化について(昭和60年12月24日付け60林野治第3992号林野庁長官通達。以下「通達」という。)を施行したところであるが,事前相談等の段階での対応については,下記事項に留意の上,遺憾のないようにされたい。 記通達の記の1の(2)の報告は,事業計画等が具体化した段階で速やかに別紙様式により行うものとし,林野庁との調整結果を踏まえ当該保安林の解除の可否見通し及び解除申請に当たって措置すべき事項を示す等事業者に対する指導を的確に行うものとする。《以下省略》 10 改正許可基準等の運用に当たっての留意事項について(平成2年7月3日付け2-20林野庁治山課長通知)(甲事件乙21)先般,保安林及び保安施設地区の指定,解除等の取扱いについての一部改正並びに保安林の転用に係る解除の取扱い要領の制定及び開発行為の許可基準の運用細則の一部改正について(平成2年6月11日付け2林野治第1868号林野庁長官通知)が通知 解除等の取扱いについての一部改正並びに保安林の転用に係る解除の取扱い要領の制定及び開発行為の許可基準の運用細則の一部改正について(平成2年6月11日付け2林野治第1868号林野庁長官通知)が通知されたところであるが,今後,これらの適用に当たっては,別紙に留意の上,遺憾のないようにされたい。 別紙「改正許可基準等の運用に当たっての留意事項」 1 転用許可等の要件について(1) 《省略》(2) 事業区域内の残置森林等の割合及び配置等の基準について森林の有する公益的機能には,施設の配置によって代替補完されないものもあるため,森林を開発転用する場合には長年かかって形成された土壌を含め現況森林をできるだけ保全し,それらの機能の確保を図ることが必要である。 開発行為の許可基準の運用細則について(平成14年5月8日付け14林整治第25号林野庁長官通知。以下「運用細則」という。)の表4及び保安林の転用に係る解除の取扱い要領(平成2年6月11日付け2林野治第1868号林野庁長官通知。以下「取扱要領」という。)の別表は,森林の保全と利用の調整を図る観点にたって,各都道府県の運用実態等を勘案の上,森林の残置等に係る運用基準の取扱いについてより明確化,適正化するとともに,一定規模以上の保安林を転用解除する場合の要件として定められたものである。 ア~カ 《省略》キ森林の配置については,残置森林によることを原則とし,極力基準を上回る林帯幅で適正に配置されるよう事業者に対し指導するとともに,造成森林の配置は,土地の形質を変更することがやむを得ないと認められる箇所に限って適用する等その運用については厳正を期するものとする。 (3)~(6) 《省略》(7) 改正基準の適用に係る経過措置について改正基準は,通達 ることがやむを得ないと認められる箇所に限って適用する等その運用については厳正を期するものとする。 (3)~(6) 《省略》(7) 改正基準の適用に係る経過措置について改正基準は,通達施行日(6月11日)以降に転用許可等の申請を行うものに適用されるが,既に保安林の解除事務の迅速化及び簡素化について(昭和60年12月24日付け60林野治第3992号林野庁長官通知)に基づく事前相談を了しているもの,又は都道府県の要綱等に基づく事前協議等をおおむね了しているもの(林務担当部局として事業計画の内容審査を了しており,残置森林等の割合,配置等について具体的に指導,調整等がなされている事案)であって,通知施行日以降2年 以内に転用許可等の申請手続きを行うものについては,従前の例により取扱うものとする。 なお,上記の経過措置の運用については,転用に係る保安林の面積が1ヘクタール以上のもの又は開発行為に係る森林の面積が20ヘクタール以上のものは,別紙により,通達施行日以降6ヶ月以内の間に林野庁治山課と協議するものとする。 11 開発行為の許可制に関する事務の取扱いについて(平成14年3月29日付け13林整治第2396号農林水産事務次官依命通知)(甲事件乙22)別記「開発行為の許可基準の運用について」開発行為の許可は,許可の申請書及び添付書類の記載事項が次の要件を満たすか否かにつき審査して行うものとする。《以下省略》第1 一般的事項1~6 《省略》 7 開発行為をしようとする森林の区域(開発行為に係る土地の区域及び当該土地に介在し又は隣接して残置することとなる森林又は緑地で開発行為に係る事業に密接に関連する区域をいう。以下同じ。)内に残置し又は造成した森林又は緑地が善良に維持管理されることが明らかである び当該土地に介在し又は隣接して残置することとなる森林又は緑地で開発行為に係る事業に密接に関連する区域をいう。以下同じ。)内に残置し又は造成した森林又は緑地が善良に維持管理されることが明らかであること。 第2~第4 《省略》第5 法第10条の2第2項第3号関係事項 1 開発行為をしようとする森林の区域に開発行為に係る事業の目的,態様,周辺における土地利用の実態等に応じ相当面積の森林又は緑地の残置又は造成が適切に行われることが明らかであること。 2 騒音,粉じん等の著しい影響の緩和,風害等から周辺の植生の保全等の必要がある場合には,開発行為をしようとする森林の区域内の適切な箇所に必要な森林の残置又は必要に応じた造成が行われることが明らかであること。 3 景観の維持に著しい支障を及ぼすことのないように適切な配慮がされてお り,特に市街地,主要道路等から景観を維持する必要がある場合には,開発行為により生ずる法面を極力縮小するとともに,可能な限り法面の緑化を図り,また,開発行為に係る事業により設置される施設の周辺に森林を残置し若しくは造成し又は木竹を植栽する等の適切な措置が講ぜられることが明らかであること。 12 開発行為の許可基準の運用細則について(平成14年5月8日付け14林整治第25号林野庁長官通知)(甲事件乙23)別紙1第1~第4 《省略》第5 運用基準第5関係事項 1 運用基準第5の1関係事項運用基準第5の1は,次によるものであること。 (1) 「相当面積の森林又は緑地の残置又は造成」とは,森林又は緑地を現況のまま保全することを原則とし,止むをえず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであるこ 森林又は緑地を現況のまま保全することを原則とし,止むをえず一時的に土地の形質を変更する必要がある場合には,可及的速やかに伐採前の植生回復を図ることを原則として森林又は緑地が造成されるものであること。 この場合において,残置し,若しくは造成する森林又は緑地の面積の事業区域(開発行為をしようとする森林又は緑地その他の区域をいう。以下同じ。)内の森林面積に対する割合は,表4の事業区域内において残置し,若しくは造成する森林又は緑地の割合によるものとする。 また,残置し,若しくは造成する森林又は緑地は,表4の森林の配置等により開発行為の規模及び地形に応じて,事業区域内の周辺部及び施設等の間に適切に配置されていること。 なお,表4に掲げる開発行為の目的以外の開発行為については,その目的,態様,社会的経済的必要性,対象となる土地の自然的条件等に応じ,表4に準じて適切に措置されていること。 表4《抜粋》 開発行為の目的 事業区域内において残置し,若しくは造成する森林又は緑地の割合 森林の配置等 土石等の採掘 1.原則として周辺部に幅おおむね30メートル以上の残置森林又は造成森林を配置する。 2.採掘跡地は必要に応じ埋め戻しを行い, 緑化及び植栽する。また,法面は可能な限り緑化し小段平坦部には必要に応じ客土等を行い植栽する。 (2) 造成森林については,必要に応じ植物の成育に適するよう表土の復元,客土等の措置を講じ,地域の自然的条件に適する原則として樹高1メートル以上の高木性樹木を,表5を標準として均等に分布するよう植栽する。なお,修景効果を併せ期待する造成森林にあっては,で 表土の復元,客土等の措置を講じ,地域の自然的条件に適する原則として樹高1メートル以上の高木性樹木を,表5を標準として均等に分布するよう植栽する。なお,修景効果を併せ期待する造成森林にあっては,できるだけ大きな樹木を植栽するよう努めるものとする。 表5 樹高 植栽本数(1ヘクタール当たり) 1メートル 2000本 2メートル 1500本 3メートル 1000本 13 開発行為の許可基準の運用細則の適用について(平成14年5月8日付け14林整治第82号林野庁森林整備部長通知)(甲事件乙25)別紙1第1~第4 《省略》第5 運用細則第5の1(1)関係事項 1 「残置し,若しくは造成する森林又は緑地の割合」は,森林の有する公益的機能が森林として利用されてきたことにより確保されてきたことを考慮の上,森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2第2項第3号に関する基準の一つとして決められたものであり,その割合を示す数値は標準的なもので,「おおむね」は,その2割の許容範囲を示しており,適用は個別具体的事案に即して判断されることとなるが,工場又は事業場にあっては20%を下回らないものでなければならないという趣旨である。 第2 日進市の条例等 1 日進市公共用物管理条例(昭和61年α町条例第10号)(丙事件乙1)1条この条例は,別に定めがあるもののほか,本市において管理すべき公共用物の管理について必要な事項を定めるものとする。 2条 この条例において「公共用物」とは,次に掲げるものをいう。 (1) 河川河川法(昭和39年法律 市において管理すべき公共用物の管理について必要な事項を定めるものとする。 2条 この条例において「公共用物」とは,次に掲げるものをいう。 (1) 河川河川法(昭和39年法律第167号)の適用又は準用を受けない水系のうち市長が指定したもの(2) 水路前号以外の水路及び溝きょ(3) 堤とう河川又は水路を伴わない堤防(4) ため池前3号以外の池及び沼(5) 道路道路法(昭和27年法律第180号)により市道に認定された道路以外のもので国及び市の所有に係るもの3条何人も公共用物において次に掲げる行為をしてはならない。 (1) 公共用物及び公共用物の敷地内の工作物等を損壊すること。 (2) 土石,じん芥,汚毒物その他これらに類するものを投棄し,又は水質を汚濁すること。 (3) 前2号に掲げるもののほか,公共用物の保全又は利用に支障を及ぼすこと。 4条1項次に掲げる行為をしようとする者は,市長の許可を受けなければならない。 (1) 工作物の設置その他規則で定める行為により公共用物を使用すること。 (2) 公共用物の敷地内において,土石,竹木その他を採取すること。 (3) 農地又は採草放牧地として公共用物を使用すること。 (4) 前3号に掲げる場合のほか,公衆の利便に供するため特に必要やむを得ないと認められる行為により公共用物を使用すること。 4条2項前項の申請があった場合において,市長は当該申請に係る使用又は収益が公共用物の管理に支障を及ぼさず,かつ,必要やむを得ないと認められる場合に限り,許可を与えることができる。 4条3項 許可の期間は,3年以内とする。ただし,市長が特に必要と認めたものについては,10年以内とすることができる。 5条 認められる場合に限り,許可を与えることができる。 4条3項 許可の期間は,3年以内とする。ただし,市長が特に必要と認めたものについては,10年以内とすることができる。 5条市長は,前条の使用又は収益の許可に際して,公共用物の維持管理上必要な条件を付することができる。 19条この条例の施行について必要な事項は,市長が別に定める。 2 日進市開発等事業に関する手続条例(平成17年日進市条例第22号)(丙事件乙3)1条この条例は,秩序ある土地利用及び良好な住環境の保全並びに安全で快適な都市環境を備えた市街地の形成を図るため,街づくりに関し,市民等,事業者及び市の責務を明らかにするとともに,開発等事業に関する手続その他必要な事項を定めることにより,市民等,事業者及び市の協働による住み良い街づくりを計画的に推進することを目的とする。 2条この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。 (1)~(3) 《省略》(4) 開発等事業次号に規定する特定開発等事業及び第6号に規定する小規模開発等事業をいう。 (5) 特定開発等事業次に掲げるものをいう。 ア~ウ 《省略》エ土地の用途又は区画形質の変更で,区域面積が500平方メートル以上(500平方メートルに満たない土砂の採取及び埋立て(以下「埋立て等」という。) であっても,当該埋立て等に供する区域面積と,当該埋立て等の区域に隣接又は近接する土地において,同一の事業者(相続,合併及び分割により当該埋立て等を継承した法人等を含む。)が,当該埋立て等に係る第8条第1項により事業計画概要書を提出する日前3年以内に埋立て等を施工した区域又は施工中の区域の面積とを合算して500平方メートル より当該埋立て等を継承した法人等を含む。)が,当該埋立て等に係る第8条第1項により事業計画概要書を提出する日前3年以内に埋立て等を施工した区域又は施工中の区域の面積とを合算して500平方メートル以上になる場合を含む。)又は埋立て等に係る土砂の容積が500立方メートル以上のもの(6)~(13) 《省略》(14) 土地の用途又は区画形質の変更駐車場,資材置場等の設置,水面の埋立,土砂の採取,農地の改良,木竹の伐採その他土地の造成について規則で定める行為をいう。 (15)~(19) 《省略》6条事業者は,開発等事業の施行に当たって許可,認可その他法令に基づく行為(以下「許可等」という。)を要することとされているときは,当該許可等を申請する前に,次条から第18条までに規定する手続を経なければならない。 8条1項事業者は,特定開発等事業を行おうとするときは,事業計画概要書を市長に提出し,協議しなければならない。 8条2項前項の事業計画概要書に記載すべき事項,添付すべき図書その他必要な事項は,規則で定める。 15条1項事業者は,特定開発等事業を行う場合,第7条から前条までに規定する手続を経たのち,規則で定めるところにより,当該特定開発等事業に係る事前協議書を市長に提出しなければならない。 16条1項 市長は,前条に規定する事前協議書が適当であると認める場合は,当該事前協議書に基づき,規則で定めるところにより,当該事業者と書面により当該事業についての特定開発等事業協定(以下「事業協定」という。)を締結するものとする。ただし,当該事業に関して,第5章に定める紛争調整に係る手続を行っている場合は,この限りでない。 16条3項市長は,第1項の規定により締結した事業協定を証する書面(以 )を締結するものとする。ただし,当該事業に関して,第5章に定める紛争調整に係る手続を行っている場合は,この限りでない。 16条3項市長は,第1項の規定により締結した事業協定を証する書面(以下「事業協定書」という。)を規則で定めるところにより公開するものとする。 19条1項事業者及び工事施行者は,事業協定の締結後又は事業届出受理書の交付を受けた後でなければ開発等事業に着手してはならない。 27条1項開発等事業に関する基準については,本章に規定するものを除き,規則で定めるところによる。 58条この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。 附則1項この条例は,平成18年4月1日から施行する。 附則2項この条例の施行の際現に第6条に規定する開発等事業に係る許可等を受け,又は許可等に係る申請を行っている事業者及びこれらの者から相続,合併又は分割(開発等事業に係る事業を継続させるものに限る。)により当該開発等事業を継承した法人は,第7条から第18条までに規定する手続を経たものとみなす。 3 日進市行政手続条例(平成9年日進市条例第32号) 8条1項行政庁は,申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は,申請者に対し,同時に,当該処分の理由を示さなければならない。ただし,条例等に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって,当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請内容から明らかであるときは,申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。 8条2項前項本文に規定する処分を書面でするときは,同項の理由は,書面により示さなければならない。 類その他の申請内容から明らかであるときは,申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。 8条2項前項本文に規定する処分を書面でするときは,同項の理由は,書面により示さなければならない。 4 日進市公共用物管理条例施行規則(昭和61年α町規則第7号)(丙事件乙2)1条この規則は,日進市公共用物管理条例(昭和61年α町条例第10号。以下「条例」という。)第19条の規定に基づき,条例の施行について必要な事項を定めるものとする。 2条条例第4条第1項第1号に規定する行為とは,次の各号に掲げる行為をいうものとする。 (1) 電柱,ガス管,水道管その他これらに類する施設を設置すること。 (2) 道路,材料置場,物掲場その他これらに類する施設を設置すること。 (3) 一時的に設置する駐車場,休憩所その他これらに類する施設を設置すること。 3条1項条例第4条第1項の規定により公共用物の使用又は収益の許可を受けようとする者は,公共用物使用収益許可申請書(第1号様式)を市長に提出しなければならな い。 3条2項前項の許可申請書には,次の各号に掲げる書類(以下「添付書類」という。)を添付しなければならない。ただし,市長において必要でないと認めるものについては,その一部を省略することができる。 (1) 位置図(2) 地籍図の写し(3) 実測平面図及び実測縦横断図(4) 土地の利用にあっては,面積計算図(5) 工作物設置にあっては,設計書及び工事施工方法を記載した書面(6) 土石等の採取にあっては,採取量の積算の基礎及び採取方法を記載した書面(7) 許可の申請に係る使用又は収益に関して他の行政庁の許可・認可等の処分を必要とするときは,これらの処分を受けていることを 土石等の採取にあっては,採取量の積算の基礎及び採取方法を記載した書面(7) 許可の申請に係る使用又は収益に関して他の行政庁の許可・認可等の処分を必要とするときは,これらの処分を受けていることを証する書類又は受付見込みに関する書類(8) 使用又は収益をしようとする公共用物について利害関係人が存する場合は,意見書又は同意書(9) その他市長が指定する書類 5 日進市開発等事業に関する手続条例に係る公共施設等(道路・水路)の構造等技術基準等規則(平成17年日進市規則第63号)(丙事件乙5)1条この規則は,日進市開発等事業に関する手続条例(平成17年日進市条例第22号)第3章及び第7章に規定する基準等に関し必要な事項を定める。 2条この規則において,次の各号に掲げる用語の定義は,当該各号に定めるところによる。 (1) 公共用物日進市公共用物管理条例(昭和61年α町条例第10号)第2条で規定する公共用物をいう。 (2)~(6) 《省略》4条1項事業者は,開発等事業区域に市の管理する市有財産である公共用物が存在する場合は,新たに公共用物を設置するものとする。ただし,次の条件を満たさなければならない。 (1) 新たに設置される公共用物は,従前の公共用物と同一用途であり,規模及び機能が同等以上であること。 (2) 開発等事業区域内での公共用物の起終点を変化させないこと。 4条2項前項にかかわらず,次の各号のいずれかに該当する場合は,公共用物の付け替えを要しないものとする。 (1) 公共用物の機能が喪失しているもの(2) 公共用物が将来にわたり機能を有す必要性がないもの 6 日進市開発等事業に関する手続条例に係る公共施設引継ぎ等規則(平成17年日進市規則第7 1) 公共用物の機能が喪失しているもの(2) 公共用物が将来にわたり機能を有す必要性がないもの 6 日進市開発等事業に関する手続条例に係る公共施設引継ぎ等規則(平成17年日進市規則第72号)(丙事件乙4)1条この規則は,日進市開発等事業に関する手続条例(平成17年日進市条例第22号。以下「条例」という。)第7章に規定する公共施設等の整備及び協力並びに引継ぎに関し必要な事項を定めるものとする。 7条公共用物が特定開発等事業区域内に介在する場合で,事業者が従前の機能を付け替えて新たな公共用物を設置しようとする場合は,条例第8条第2項による事業計画概要書を市長に提出すると同時に公共施設の付け替えに関する協議申請書(第3 号様式)を管理者に提出し,公共用物の付け替えについて協議しなければならない。 8条管理者は,前条に規定する協議が適当と認める場合は,条例第16条第3項に規定する事業協定書にその旨を記載する。

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