昭和39(オ)1020 占有妨害排除、損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和42年9月26日 最高裁判所第三小法廷 判決 その他 名古屋高等裁判所 昭和36(ネ)187
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【DRY-RUN】主    文      原判決中、昭和三四年度産玄米についての引渡請求および損害賠償の請 求に関する部分を破棄し、これを      名古屋高等裁判所に差し戻す。      その余の請求に関する上告を棄

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判決文本文2,565 文字)

主    文      原判決中、昭和三四年度産玄米についての引渡請求および損害賠償の請 求に関する部分を破棄し、これを      名古屋高等裁判所に差し戻す。      その余の請求に関する上告を棄却する。      前項の請求に関する上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人村上秀一の上告理由第一点について。  原判決挙示の証拠によれば、所論の点についての原判決の示した事実判断はこれ を肯認することができる。右認定した事実関係によると、本件農地についてDおよ び被上告人が直接占有を有し、上告人は間接占有しか有しない旨の判断は、当審も、 正当として、これを是認することができる。  原判決には、所論のような違法はなく、所論は、原審の専権に属する証拠の取捨・ 選択、事実の認定を非難し、または原審の認定しない事実を前提として、原判決を 非難するものであつて、採用しがたい。  同第二点ないし第四点について。  原判決は、Dは、昭和二三年六月被上告人と婚姻して父E方に同居し、同二三年 一二月頃より右EおよびDと被上告人の夫婦が本件農地を耕作し、右Eが病気にな つてからはその依頼により、右両名がもつぱら本件農地を耕作していたところ、同 二八年一一月七日右Eが死亡し、上告人(兵庫県相生市居住)のみが同人を相続し、 本件農地は実質的に不在地主たる上告人の所有になつたが、本件農地所在の農業委 員会は、買収手続をするより右Eの生前より耕作している被上告人夫婦に耕作権を 認めた方がよいと諒承して、耕作人名義もしばらく被上告人名義としていたこと、 そして被上告人は自作を仮装するためDに耕作作業を依頼することにしていたが、 - 1 - 実際には、本件農地は、Dと被上告人に貸し付けたもので、同人らに生活のゆとり がないため、とくに、小作料その他の地料を徴せずに本件農 作を仮装するためDに耕作作業を依頼することにしていたが、 - 1 - 実際には、本件農地は、Dと被上告人に貸し付けたもので、同人らに生活のゆとり がないため、とくに、小作料その他の地料を徴せずに本件農地の収穫をすべて右両 名の取得するにまかせるに至つたこと、ところが、同三四年七月にDと被上告人と が不和になり、別居して離婚訴訟が提起されるようになつて、上告人も本件農地の 耕作人名義が被上告人となつているのを発見したこと、などの事実を認定したうえ、 右事実によれば、同三四年度において、本件農地よりえた米の収穫は本件農地につ いて使用貸借ないし転借による適法な権原を有する被上告人およびDが耕作して得 たものであつて、その所有権は上告人に存しないで被上告人およびDにある旨、す なわち、被上告人およびDは上告人に対抗しうる本権を有する旨を判断して、同三 四年度産玄米の返還およびそれに代る損害賠償の請求を排斥していることは、原判 決の判文上明らかである。  しかし、昭和二元年一一月二二日以降に成立した農地の使用貸借にもとづく権利 については、その農地の属する地方長官の許可または農地委員会の承認(農地法施 行後の同二七年一〇月二一日以降については農業委員会の許可)をえなければその 効力を生じないことは、農地調整法四条、同法施行令二条、農地法三条一項、四項 の各規定に徴し明らかであるところ、被上告人らの有する本件農地の使用貸借ない し転借にもとづく必要な許可(または承認)があつたことは原判決では判示されて いないところであるから、前記使用貸借ないし転借にもとづく被上告人らの権利の 取得がその効力を生じたものと解することはできない。もつとも、原判決は、所轄 の農業委員会が被上告人名義で耕作されることを諒承していた旨を判示するが、こ れだけでもつて、本件農地の使用貸借ないし転借にもとづく権利 効力を生じたものと解することはできない。もつとも、原判決は、所轄 の農業委員会が被上告人名義で耕作されることを諒承していた旨を判示するが、こ れだけでもつて、本件農地の使用貸借ないし転借にもとづく権利の取得について法 所定の許可(または承認)のあつたことを判示したものと解することはできない。 そして、農地について耕作権を有しない者がこれを耕作した場合にその耕作物の収 取権が土地所有者(ないし適法な賃借人)に属することは当裁判所の判例とすると - 2 - ころである(当小法廷判決昭和二八年(オ)第一四三五号同三一年六月一九日民集 一〇巻六号六七八頁参照)。それゆえ、被上告人およびDが本件農地の耕作物につ いて所有権を取得しうるためには、同人らが有する本件農地の使用貸借ないし転借 にもとづく権利の取得時期を明らかにした上、前記の各法律の適用を受けるときに は、その所定の許可(または承認)のあつたことを判示することを要するのに、そ れなくして、被上告人およびDが本権を上告人に対抗しうることを理由に上告人の 請求を失当として排斥した原判決は、法令の解釈をあやまつた結果、審理不尽の違 法をおかしたものというべく、この点をつく論旨は理由がある。  よつて原判決中、昭和三四年度産玄米についての引渡および損害賠償の請求に関 する部分を破棄してこれを原審に差し戻すが、その余の請求に関する部分の上告は、 理由がないからこれを却棄することとし、民訴法四〇七条、三九六条、三八四条、 九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり、判決する。      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    横   田   正   俊             裁判官    柏   原   語   六             裁判官    田   中   二   郎              長裁判官    横   田   正   俊             裁判官    柏   原   語   六             裁判官    田   中   二   郎             裁判官    下   村   三   郎             裁判官    松   本   正   雄 - 3 -

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