平成19年5月22日判決言渡し平成17年(ワ)第50号損害賠償請求事件判決主文 被告は,原告に対し,20万8372円を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は15分し,その14を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1当事者の求めた裁判 原告(1) 被告は,原告に対し,318万8785円を支払え。 (2) 訴訟費用は被告の負担とする。 (3) 仮執行宣言 被告(1) 原告の請求を棄却する。 (2) 訴訟費用は原告の負担とする。 第2事案の概要 本件は,A町(被告を設置する市町村合併により消滅。以下「旧A町」という)の設置運営に係るB病院(以下「被告病院」という)に勤務していた。 。 原告が,旧A町長(以下「処分庁」という)の違法な休職処分を受けたこと。 による精神的ショックから入院治療及びそれに引き続く療養を余儀なくされ,その結果,当該休職処分及び後続の累次休職処分を前提として,依願退職までの間に給料等を減額され,又は無支給とされたとして,国家賠償法1条に基づき,減額・無支給分の給料等合計179万1093円及び退職手当の減額分1 04万4396円の合計額から,休職期間中に受領した傷病手当金の推計額64万6704円を控除した218万8785円の損害賠償金並びに100万円の慰藉料(合計318万8785円)の支払を求めた事案である。 前提事実(争いのない事実以外については証拠等を併記する)。 (1) 原告は,平成2年8月1日から,被告病院に准看護師として勤務し,平成16年3月31日付けで依願退職した者である。 (2) 被告は,平成17年11月7日,C市,D町,E町,F町,旧A町が合併して上記各市町の区 平成2年8月1日から,被告病院に准看護師として勤務し,平成16年3月31日付けで依願退職した者である。 (2) 被告は,平成17年11月7日,C市,D町,E町,F町,旧A町が合併して上記各市町の区域に置かれた地方公共団体であり,旧A町の権利義務を承継した者である。 (3) 原告の休暇取得及び休職の状況原告の被告病院における勤務状況は,次のとおりである(一部争いのある部分については,その旨を付記する。乙4,12及び下記証拠。 )ア平成14年9月6日から同月11日まで(乙5の1・2)被告病院で高血圧症及び脳動脈瘤疑いにより自宅での安静加療が必要と診断され,病気休暇を取得して勤務を休んだ。 イ同年10月2日から同月22日まで(乙6の1・2,弁論の全趣旨)同月1日に受診した医療法人G会H病院(以下「H病院」という)で。 うつ病により3週間の休養治療が必要と診断され,病気休暇を取得して勤務を休んだ。また,その間の同月7日から,高血圧症,不安神経症,うつ傾向の症状により,I病院に入院した。 ウ同月23日,24日(弁論の全趣旨)引き続きI病院に入院し,年次有給休暇を取得した。 エ同月25日から同年11月7日まで(乙7の1・2)同月25日にI病院で高血圧症・不安神経症・うつ傾向により2週間の入院治療が必要と診断され,病気休暇を取得して引き続き入院した。 オ同月8日から19日まで(乙8の1・2) 同月6日にI病院で高血圧症・不安神経症により2週間程度の入院加療の継続が必要と診断され,病気休暇を取得して引き続き入院した。 カ同月20日から同年12月3日まで(乙9の1・2)同月18日ころI病院で高血圧症・不安神経症・うつ傾向により2週間の安静療養が必要と診断され,病気休暇を取得して引き続き入院した。 キ同月4日から17日まで(乙10の1・2) 日まで(乙9の1・2)同月18日ころI病院で高血圧症・不安神経症・うつ傾向により2週間の安静療養が必要と診断され,病気休暇を取得して引き続き入院した。 キ同月4日から17日まで(乙10の1・2)同年11月29日にI病院で高血圧症・不安神経症・うつ傾向により2,。 週間の入院加療が必要と診断され病気休暇を取得して引き続き入院したク同月18日から24日まで(乙11の1・2)同月16日にI病院で,高血圧・不安神経症・うつ傾向により,同月20日まで入院治療,その後同月24日まで自宅療養がそれぞれ必要と診断され,病気休暇を取得した。 ケ同月24日から平成15年1月6日まで平成14年12月24日は年次有給休暇を取得し,同月25日,26日及び平成15年1月6日に出勤した(なお,この間の出勤状況について,争いがある。 。)コ同年1月7日から同年3月6日まで(本件休職処分)同年1月7日受診した医療法人J会K病院(以下「K病院」という)。 で自律神経失調症等の診断を受け,入院治療を受けた(甲8。 )処分庁において,同日付けで,法28条2項1号の規定により上記期間の休職を命じ,その期間中,給料,扶養手当及び住居手当の合計額の10(,0分の80を支給するとの内容の休職辞令が作成された乙13の1~3乙14。以下「本件休職処分」という。なお,本件休職処分がされた日時等については,争いがある。 。)なお,原告は,同年3月の期末手当として,1万3745円の支給を受けている(乙30。 ) サ同年3月7日から平成16年1月31日まで(乙15~24〔枝番を含む)。〕K病院で同年3月31日まで入院治療を受け,同日退院し,平成16年3月31日の退職に至るまで,療養を続けた。 その間,処分庁において,5回にわたり休職処分がされ,休職初日から 枝番を含む)。〕K病院で同年3月31日まで入院治療を受け,同日退院し,平成16年3月31日の退職に至るまで,療養を続けた。 その間,処分庁において,5回にわたり休職処分がされ,休職初日から1年内である平成16年1月6日までは給料等の100分の80を支給さ,,れたが同月7日から原告が退職した同年3月31日までの間の給料等は無支給とされた。 なお,この間,原告は,平成15年6月の期末手当として,23万8500円の支給を受けている(乙30。 )(,。 ,「」(4) 休職及び病気休暇に関する定め乙28の1-3 なお以下法は地方公務員法を指すほか,旧A町の条例及び規則は,いずれも市町村合併に伴う失効前のものである)。 ア休職処分の要件及び手続一般職の地方公務員(職員)が心身の故障のため長期の休養を要するときはその意に反して休職とすることができ,その手続及び効果に関する定めは条例に委任されている(法28条2項1号,3項)ところ「A町職,」(「」。)員の分限に関する手続及び効果に関する条例以下分限条例というは,法第28条第2項第1号の規定に該当するものとして職員を休職する場合においては,医師2名を指定してあらかじめ診断を行わせなければならないものと定め(2条1項,また,職員の意に反する休職の処分は,)その旨を記載した書面を当該職員に交付して行わなければならない(同条2項)ものと定めている。 イ休職中の給与に関する定め法24条6項は職員の給与,勤務時間その他の勤務条件の定めを条例に委任しているところ「A町職員の給与に関する条例(以下「給与条例」,」 という)は,職員が公務災害,結核性疾患以外の心身の故障により法第。 28条第2項第1号に基づき休職にされたときは,その休職の期間が満1年 「A町職員の給与に関する条例(以下「給与条例」,」 という)は,職員が公務災害,結核性疾患以外の心身の故障により法第。 28条第2項第1号に基づき休職にされたときは,その休職の期間が満1年に達するまでは,これに給料,扶養手当,住居手当及び期末手当のそれぞれ100分の80を支給するが,それ以外の給与は支給しないものと定めている(18条3項,5項。 )ウ病気休暇についての定めイと同様に法24条6項の委任を受けた「職員の勤務時間,休暇等に関する条例(以下「休暇等条例」という)及びその委任を受けた同条例」。 施行規則(以下「休暇等規則」という)は,病気休暇を「職員が負傷又。 は疾病のため療養する必要があり,その勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇」と定義し(休暇等条例13条,休暇等規),,則15条は公務上のもの及び結核性疾患以外の負傷又は疾病については90日をこえない範囲内でその療養に必要と認められる期間,病気休暇が承認されるものと定めている(同条1項3号。 )(5) 原告の給与及び手当の基準等(甲16,乙1,31~33,36,37,40)ア原告(准看護師)は,平成13年10月から給与条例別表第4所定の医療職給料表(三)3級12号給を受けていたが,給与条例の改正条例(旧A町平成14年条例第32号〔附則1項の規定により平成15年1月1日施行,同平成15年条例第13号〔附則1項の規定により平成15年1〕2月1日施行〕の各施行により,原告の職務の級及び号級に対応する給与月額は,次のとおり改定された。 平成14年12月末まで月額31万1400円平成15年1月1日から月額30万5300円同年12月1日から月額30万1900円イ旧A町の常勤職員の退職手当の支給には,旧A町が加入していた鹿児島 年12月末まで月額31万1400円平成15年1月1日から月額30万5300円同年12月1日から月額30万1900円イ旧A町の常勤職員の退職手当の支給には,旧A町が加入していた鹿児島 県町村職員退職手当組合が規約3条2項に基づき制定した「一般職の職員の退職手当に関する条例」が適用される。 (ア) 同条例上,退職した職員の退職手当は,原則として,退職した日における給料月額に,職員の勤続期間を次の各号に区分して,当該各号に掲げる割合を乗じて得た額の合計額となる(3条1項。 )a1年以上10年以下の期間1年につき100分の100b11年以上20年以下の期間1年につき100分の110(以下略)(イ) 自己都合により退職した職員については,勤続期間に応じて上記の基準による金額から一定割合が減額される。勤続期間が11年以上19年以下の者については,100分の80を乗じるものとされている(3条2項。 )(ウ) 退職手当の算定の基礎となる勤続期間は,職員としての引き続いた在職期間により,具体的には,職員となった日の属する月から退職した日の属する月までの月数計算によるが,法28条の規定による休職処分その他の事由により現実に職務に従事することを要しない期間のある月(現実に職務に従事することを要する日のあった月を除く)があると。 きは,その月数の2分の1に相当する月数を在職期間から除算する(7条1項,2項,4項。 )ウ原告は,平成16年3月31日に依願退職した後,退職の日の当時の給料月額30万1900円を基礎として,(ア)記載の算定方法(ただし,勤続期間の計算においては,平成2年8月から平成16年3月まで13年8か月の在職期間から,休職期間があり,かつ勤務日がない月の月数〔平成15年2月から平成16年3月まで14か月〕の2分 法(ただし,勤続期間の計算においては,平成2年8月から平成16年3月まで13年8か月の在職期間から,休職期間があり,かつ勤務日がない月の月数〔平成15年2月から平成16年3月まで14か月〕の2分の1に相当する月数〔7か月〕を差し引いた13年1か月が基礎とされた)により算出した。 金額に,それぞれ自己都合の退職として(イ)記載の割合を乗じた金額の合 計である323万4355円の退職手当を受けた。 (計算式) ①301,900××10×=2,415,200(1~10年目相当分) ②301,900××3×=797,016(11~13年目相当分) (,)③301,900×××=22,1391か月相当分円未満切捨て (①~③合計)3,234,355円 争点 (1) 責任原因(本件休職処分の違法事由)について(原告の主張)原告は,医師から職務復帰可能と診断されて平成14年12月26日及び27日,平成15年1月3日及び6日の各日に勤務したが,旧A町職員は,その間にも原告に休職に関する説明を行い,同月6日の午前中,被告病院事務局長(以下単に「事務局長」という)において,翌日以降休養するよう。 。 ,。 ,申し渡した本件休職処分はこの告知をもってされたものであるそして処分庁による本件休職処分には次の違法事由があり,そのことにつき故意又は過失があるから,被告は,国家賠償法1条に基づき,これにより原告が被った損害を賠償する責任を負う。 ア原告は上記のとおり,医師の診断に基づき職場復帰して問題なく職務を遂行していたのに,処分庁は,上記診断を無視し,新たな医師の診断もないまま,平成15年1月6日に原告を休職としたものであるから 。 ア原告は上記のとおり,医師の診断に基づき職場復帰して問題なく職務を遂行していたのに,処分庁は,上記診断を無視し,新たな医師の診断もないまま,平成15年1月6日に原告を休職としたものであるから,本件休職処分は根拠を欠く違法なものである。 イ休暇等条例12条,休暇等規則15条3号によれば,病気休暇は90日をこえない範囲内で必要と認められる期間取得することが認められ,病気休暇取得日数が連続90日をこえない職員が休職とされることはないというのが労使慣行であったから,病気休暇の取得日数が82日にすぎない原,,告を休職とした本件休職処分は労使慣行を無視した不合理なものであり 違法である。 ウ分限条例2条2項によれば,意に反する休職処分は書面を交付して行うべきであるのに,本件休職処分の辞令が交付されたのは平成15年5月1日である。したがって,本件休職処分は,書面による辞令交付を欠いており違法である。 エ分限条例2条1項によれば,意に反する休職処分は2名以上の医師の診断に基づいてすべきであるのに,本件休職処分がされた平成15年1月6日当時も,辞令が作成された同月7日当時も,2人以上の医師の診断書はなかったから,本件休職処分は,上記手続を欠いており違法である。 (被告の主張)本件休職処分は,以下のとおり適法であるから,被告は原告に対して損害賠償金を支払う義務を負わない。 ア本件休職処分の理由(ア) 原告は,平成14年9月から,うつ傾向,不安神経症等の病名により治療及び療養が必要と診断されて年次有給休暇及び病気休暇を取得し,,,その間一時的に職場復帰した時にも仕事中に腕・脚等に力が入らない頭が重たいなどの不調を訴えていた。また,原告は,同年12月25日に復職した後,負担の軽い業務に配置して様子を見てみたところ,事務局長や看護師 時的に職場復帰した時にも仕事中に腕・脚等に力が入らない頭が重たいなどの不調を訴えていた。また,原告は,同年12月25日に復職した後,負担の軽い業務に配置して様子を見てみたところ,事務局長や看護師長に対して,まっすぐ歩けない,頭がふらつくなどの症状を訴え,さらに平成15年1月5日には乗用車を運転中に他の旧A町職員の運転車両と接触しそうになったことなどから,医師の診断を受けるよう勧めたところ,同月7日,高血圧症,自律神経失調症により2か月の入院加療が必要との診断を受けるに至った。 (イ) 旧A町としては,原告の上記病名による病気休暇が合計82日の長期に及んでいた上に,復職後も従前と同様の症状を訴え,さらには医師からも従前と同種の病名での長期の入院加療が必要と診断されるに至った ことから,従前の病気が治癒していないと判断された。そこで,患者の生命身体をあずかり事故防止が強く要請される原告の業務の特殊性や,被告病院の看護態勢の確保の要請も考慮して,原告を休職処分としたものである。 イ本件休職処分をした当時,原告の病気休暇の取得日数は90日をこえていなかったものであるが,その場合に休職処分をすることも法令上何ら妨げられるものではなく,上記のことから休職処分が違法になるものではない。旧A町において,過去に病気休暇の取得日数が90日をこえない者を休職とした事例はないが,それは,本件のような特殊なケースが過去になかったからにすぎない。 ウ本件休職処分の辞令については,当日の書面交付はしていないが,事務局長から原告に対して辞令の全文を口頭で伝えた上,平成15年1月中旬ころまでには原告の妻に交付されていたものである。 エ本件休職処分をした当時,医師2名による診断書の提出はなかったものであるが,これは,原告が平成16年1月7日にL市内で医師の診断 成15年1月中旬ころまでには原告の妻に交付されていたものである。 エ本件休職処分をした当時,医師2名による診断書の提出はなかったものであるが,これは,原告が平成16年1月7日にL市内で医師の診断を受け,即日入院となった旨の電話連絡を受けたため,原告に診断書の提出を求めたにもかかわらず,病院が遠方であったことと原告の対処が遅かった,。 ,ことから診断書の提出がやむを得ず遅れたものである旧A町としては休職辞令がない状態では原告が無断欠勤をしたのと同じ状態になるため,原告の利益のためそのような事態を避けるべく,診断書がないまま本件休職処分の決裁,発令に至ったものである。仮に本件休職処分にこのような手続上の不備があったとしても,本件休職処分の有効性を左右するものではない。 (2) 原告の損害について(原告の主張)ア原告が上記のとおり入院治療及び引き続く療養を余儀なくされたのは, 事務局長において休養するよう求めた行為(本件休職処分の告知)から精神的ショックを受けたことによるものであり,上記の行為がなければ,原告は通常どおり勤務することが可能であり,したがって後の休職処分を受けて療養することもなかった。 したがって,本件休職処分及び後続の累次の休職処分に伴い給料等の一部又は全部が無支給にされて原告の収入が減少した分,及び休職を前提として退職手当が減額された分は,すべて,上記の違法行為と因果関係のある損害というべきであるから,被告は,原告に対して損害賠償金を支払うべきである。 イ原告の損害額は,次のとおりである。 (ア) 平成15年1月7日から平成16年1月6日まで(12か月)当該期間中,原告は給料月額は30万5300円を得ることができ,この額を基礎として計算した勤勉手当等も得られたはずであるのに,本件休職処分により,その10 7日から平成16年1月6日まで(12か月)当該期間中,原告は給料月額は30万5300円を得ることができ,この額を基礎として計算した勤勉手当等も得られたはずであるのに,本件休職処分により,その100分の80しか得ることができず,減額分(100分の20)相当の損害を被った。損害額は,次のとおり97万6960円である。 (給料等)305,300××12=732,720 (勤勉手当等)305,300×4(か月分)×=244,240 (合計)976,960円(イ) 平成16年1月7日から同年3月31日(退職)まで当該期間(2か月20日)中,原告は上記と同様の基準による給料等を得ることができたのに,本件休職処分により無支給となったから,当該給料等の金額相当の損害を被った。損害額は,次のとおり81万4133円となる。 305,300×(2+)=814,133 (ウ) 退職手当原告に休職期間がないとした場合,退職までの勤続期間は13年8か月となるから,これを前提事実(5)イ(ア)の算定式に当てはめると,本来得ることができた退職手当は,次のとおり428万4376円となる。 ①305,300××10=3,053,000 ②305,300××3=1,007,490 ③305,300××=223,886 (①~③合計)4,284,376円したがって,上記金額と原告が実際に得た323万9980円との差額である104万4396円が,原告の被った損害額となる。 (エ) 傷病手当金相当額の控除原告は,給料等を無支給とされた期間中,共済組合から傷病手当金の給付を受けた。平成16年1月7日から同月31日までの期間中22日間を対象として19万7604円が支給さ (エ) 傷病手当金相当額の控除原告は,給料等を無支給とされた期間中,共済組合から傷病手当金の給付を受けた。平成16年1月7日から同月31日までの期間中22日間を対象として19万7604円が支給されていることから,この金額に,同年2月1日から同年3月31日の退職時までのうち50日が対象になるものと仮定して推計した44万9100円を加えた64万6704円を控除するのが相当である。 (推計の計算式)197,604÷22×50=449,100(オ) 慰藉料100万円(カ) 総合計318万8785円(被告の主張)原告の主張は争う。 第3当裁判所の判断 事実経過(1) 前記前提事実に各項掲記の証拠等を総合すると,次の事実を認めることができる。 ア原告は,平成3年10月1日から訪問看護室長の職にあったが,平成14年7月ころから頻繁に血圧上昇,ふらふら感といった不調を訴えた。原告は,被告病院で診察を受けたところ,血圧不安定が見られることから高血圧症,脳動脈瘤疑いとの診断を受け,同年9月6日から11日まで,病気休暇を取得した(甲12〔4丁表,20〔4頁,乙1)。 〕〕原告はさらに耳鼻科や脳外科で検査を受けたが,当該科の観点からの異常は認められず,同年10月1日ころH病院を受診したところ,うつ病と(),,診断されて抗うつ剤パキシルの投与を受け同月2日から22日まで病気休暇を取得した(甲12〔4丁表,20〔4頁,乙29)。 〕〕イ原告は,上記病気休暇中の同月7日,気分不良及び血圧不安定を訴えてI病院でM医師の診察を受け,その後同病院に入院した。原告は,被告病院に対し,M医師作成の診断書を提出したが,同診断書上,休養を要する期間の始期が同月25日とされていたため,原告は,ア記載の病気休暇の終期と上記休養の始 受け,その後同病院に入院した。原告は,被告病院に対し,M医師作成の診断書を提出したが,同診断書上,休養を要する期間の始期が同月25日とされていたため,原告は,ア記載の病気休暇の終期と上記休養の始期との間(同月23日及び24日の2日間)につき有,,給休暇の承認を受け同月25日から同年12月17日まで4回にわたり高血圧症,不安神経症及びうつ傾向又はこれらと同旨の病名により病気休暇を取得し,その間同病院で入院治療を受けた。 原告は,安定剤又は抗うつ剤(メイラックス,ルジオミール)の投与により血圧上昇及びふらふら感等の症状の改善を見せたものの,外泊したり職場に立ち寄ったりすると不調を来したため,M医師は,原告の症状について,家庭又は職場での人間関係に要因があるとの疑いを持った。 原告は,同年12月3日,M医師の紹介により,N大学医学部附属病院(以下「N病院」という)O医師の診察を受けたが,その際「職場に出。 ようとすると悪くなる」などと訴えた。O医師は,原告の症状を高血圧症及び恐怖症(phobia)と診断し,M医師に対しては,原告に職場復帰の意欲があることからデプロメール(安定剤又は抗うつ剤)を増量して職場復 帰させてよい,それで問題が生じた場合には同病院で治療したい旨の申し送りをした。 そこで,M医師は,同年12月16日付けで,高血圧症,不安神経症及びうつ傾向により同月24日まで治療又は療養が必要であるが,翌25日から職場復帰が可能であると診断した(以上につき甲12〔4丁表,。 〕甲20〔4・6・17頁,乙11の2)〕ウ原告は,職場復帰に先立つ同月24日,旧A町助役を交えて事務局長らと話し合い,N病院を再度受診した結果を踏まえて以後の勤務に関して決めることとしたが,翌25日のO医師の診察中「両足がよたよたして倒れそうである 復帰に先立つ同月24日,旧A町助役を交えて事務局長らと話し合い,N病院を再度受診した結果を踏まえて以後の勤務に関して決めることとしたが,翌25日のO医師の診察中「両足がよたよたして倒れそうである「20日に退院したが仕事に行けそうにない」などと訴え,」看護師長に対しては,今後の勤務については,実際に勤務をして様子を見ないと分からない旨を伝えた(甲20〔17・18頁,乙34,35,。 〕証人P)原告は,同月26日から職場復帰したが,それまでの病気休暇の取得日数は82日間に上っていた。 エ原告は,職場復帰直後の同年26日及び27日については,事務局長の判断により,本来業務(訪問看護)よりも負担の軽い,病棟内での看護補助事務に従事することとなった。しかし,看護師長は,原告を他の介護員に紹介した際の原告の挙動や,他の介護員から報告を受けた内容から,原告は仕事が手に付かず,十分に仕事ができる状態ではないと判断し,事務局長に対し,その旨を報告した(乙34,35,証人P)。 オ原告は,平成15年1月5日に自動車を運転中,A町職員運転の自動車と衝突しそうになった。事務局長は,翌日である同月6日に当該職員からこれを知らされ,同日出勤した原告に対し,自動車での出勤は控えるようにとの趣旨の指示をし,N病院を受診するように勧めた(甲20〔20。 頁,乙29,乙34,証人P)〕 カ原告は,翌日である同月7日,O医師の診察を受けたが,自ら又は原告の妻において「車にぶつけてばかり「家では1日中寝てばかり「腹か」」ら下が力が入らぬ」などと状況を説明し,O医師は,上記イ記載と同じ診断により,入院の上で経過観察の必要があるとして,K病院への紹介手続をとった。原告は,K病院のQ医師に対し,めまいや頭の重い感じはないが,仕事をし出すと頭がぼーっとす ,O医師は,上記イ記載と同じ診断により,入院の上で経過観察の必要があるとして,K病院への紹介手続をとった。原告は,K病院のQ医師に対し,めまいや頭の重い感じはないが,仕事をし出すと頭がぼーっとするなどと訴え,Q医師は,自律神経失調症,高血圧症により2か月間の入院治療を要する旨の診断をした(甲。 8,12〔7丁表・裏,20〔19・20頁)〕〕キ事務局長は,同日,原告から,入院することになった旨の連絡を受け,上記のK病院での診断内容も把握したため,上記診断内容に沿う2名の医師の診断書を取得するよう指示した上で,旧A町長,助役,総務課長及び同課P係長と協議した。その結果,原告は既に病気休暇を82日間取得したものの従前の疾病が治癒しないまま,2か月間の休養を要する状態になったものであり,休養に専念するためには休職とするのが相当であると判断され,診断書の提出をまたず,同日付けで原告を2か月間の休職とすることとなった(本件休職処分。乙29,34,証人P)。 ク原告は,上記のとおり,本件休職処分の発令日(平成15年1月7日)当時はL市内で入院しており,そのころ,休職辞令の交付はなかった。 原告は,キ記載のとおり事務局長から指示され,同月14日,病院職員に対して診断書2通の作成を依頼したが,その際,休職処分となった旨の説明をしておらず,K病院側は,被告病院に問い合わせて初めて,原告が休職中である旨を知るという状態であった(甲12〔10丁表)。 〕原告は,同年3月末日ころまでL市内で入院を続けていたが,退院後の同年4月中になって,休職とされたことに納得がいかない旨を訴えるよう,。 ,,になり処分の理由を文書で出すよう求めた旧A町は同月28日ころ総務課P係長らが原告方に出向き,文書ではなく口頭で説明したい旨働き かけ,その に納得がいかない旨を訴えるよう,。 ,,になり処分の理由を文書で出すよう求めた旧A町は同月28日ころ総務課P係長らが原告方に出向き,文書ではなく口頭で説明したい旨働き かけ,その結果,原告も最終的に文書の交付を求めないことで納得した。 (甲20〔22頁,乙29,34,証人P)〕旧A町内では,以上の経緯を踏まえ,事務局長から同月29日付けの経過報告書が作成・提出されたが,同報告書においては,本件休職処分の休職辞令については「全文を本人にTELで伝えました」との説明がある。 にとどまる(乙29)。 (2) なお,原告本人(甲18,原告本人)は,原告の病状につき,本件休職処分前の体調は良好で,職場復帰後の仕事も辛くなく,何の問題もなく勤務していたが,平成15年1月6日に休養を申し渡され,妻にも同様の連絡があったことを知るに至り,突然変調を来たしたものであるなどと述べるけれども,(1)掲記の診療記録等の証拠とも著しく食い違うものであって,採用することができない。 争点(1)(本件休職処分の違法性について)(1) 法28条2項1号の定める休職処分は,公務の能率の維持及びその適正な運営の確保のためにされるものであるが,職員にとっては一方的に勤務関係に変動を生じる不利益処分であることから,分限条例2条2項は,処分の事実及び内容を明確にして職員の利益を保護するため,休職処分の方式を特に書面によるものに限定していると解される。上記の規定の内容・趣旨にかんがみると,職員の意に反する休職処分については,口頭の告知では足りず,辞令が直接の交付その他の方法により職員に到達したといえない限り効力を生じないし,仮に後日辞令が職員に到達したとしても,処分の効力が到達の日より前に遡って生じることはないというべきである。 (2) そこで検討する 付その他の方法により職員に到達したといえない限り効力を生じないし,仮に後日辞令が職員に到達したとしても,処分の効力が到達の日より前に遡って生じることはないというべきである。 (2) そこで検討すると,原告本人(甲18,原告本人)は,平成15年5月1日ころ,自宅において同日付け休職辞令を受領した際,あわせて本件休職処分に係る辞令も受領したと陳述するところ,事務局長が同年4月29日付けで作成した経過報告書(乙29)においても,休職辞令については全文を本 人に電話で告知した旨の記載しかなく(記載の内容や前後の文脈からして,処分の伝達は,時期や相手方等を問わず,本人への電話連絡によってしかされていない趣旨とみるのが自然である,上記報告の当時において,辞令。)が原告に到達していた形跡は何らうかがわれない。 被告は,平成15年1月中旬ころまでには,事務局長において,そのころ被告病院に入院した原告の妻に対して辞令を交付した旨を主張し,同旨のPの陳述記載(乙38)もあるけれども,主張事実自体が漠然としている上,原告は当該事実を強く争っており,他に同主張を裏付けるような証拠もないことからすれば,採用しがたい。また,乙38中には,原告の本件休職処分に対する主たる不満は処分の実体的な理由にあり,原告は平成16年8月ころの調停期日に至るまで辞令交付の時期を問題にしたことはなかった旨の陳述記載もあるが,処分の実体的な理由を争う原告が,辞令交付の時期という形式面の事項を取り立てて問題にしなかったとしても不自然とはいえず,上記陳述に係る事実から,直ちに原告が本件休職処分の辞令交付を遅滞なく受けていたと断定することはできない(なお,上記事実経過によれば,旧A町側は原告から休職の実体的な理由について文書による説明を求められながら,口頭説明で済ませようと努めて 職処分の辞令交付を遅滞なく受けていたと断定することはできない(なお,上記事実経過によれば,旧A町側は原告から休職の実体的な理由について文書による説明を求められながら,口頭説明で済ませようと努めていたものとうかがわれ,休職辞令のみならず,本来は処分の際に交付すべき処分事由の説明書(法49条1項)の交付もなかったものと推認される。 。)以上によれば,原告本人の陳述に沿う事実を認めることができ,これによ,,()れば本件休職処分は休職期間中平成15年1月7日から3月6日まで原告に対して辞令が到達していなかったものである(上記事実経過にあらわれた本件休職処分の決定の経緯,その後の原告の言動,対応等に照らし,本件休職処分の当時,原告が休職とされることを明確に理解し同意していたとまで認めるに足りる証拠はない)から,原告が主張するその余の違法事由。 について検討するまでもなく,効力を生ずる余地がない。 (3) 以上によれば,処分庁は,条例上必須の方式を欠く,無効な休職処分をしたものであり,処分や瑕疵の性質にかんがみれば,上記の行為は国家賠償法上も違法というべきであり,処分庁にはそのことにつき過失が認められるから,国家賠償法1条に基づく損害賠償義務を免れないというべきである。 争点(2)(損害について)(1) 本件休職処分の当否等について本件休職処分が違法であることは上記2のとおりであるが,原告の損害について検討する前提として,本件休職処分が根拠を欠く不合理なものであるか否か(第2・3(原告の主張)アイ)についても検討しておく。 ア1に認定した事実経過によれば,①原告は平成14年9月ころからふらつき等の不調を訴え,高血圧症に加えてうつ傾向等の精神又は神経系統の疾病により治療を受け,病院内での経過は良好であるものの,職場に 1に認定した事実経過によれば,①原告は平成14年9月ころからふらつき等の不調を訴え,高血圧症に加えてうつ傾向等の精神又は神経系統の疾病により治療を受け,病院内での経過は良好であるものの,職場に出向き,又は出向こうとすると不調を来すという症状を示していた,②原告は担当医師の診断を得て職場復帰するため退院したものの,職場復帰を前にして早くも歩行時のふらつき等①と同様の症状が現れ,仕事に行けそうにないなどと医師に訴え,復帰した職場においても頭がぼーっとする感じに襲われ,本来業務より負担の軽い看護補助事務にさえ支障がある旨の評価を受けた,③原告は事務局長に勧められて平成15年1月7日に病院の診察を受けたが,そこでも不調を訴え,自律神経失調症という精神・神経系統の疾病等により2か月の入院治療が相当と診断された,④原告は上記の高血圧及び精神・神経系の疾病により条例上90日をこえない範囲で取得することができる病気休暇を,2日間の有給休暇をはさみ82日間取得した状況にあり,①~③の経過からは(病気休暇の原因となった疾病がいったん治癒し,勤務再開により再発したなど)新規に90日以内の病気休暇の取得を承認するのを相当とする事情があったともいえず,原告になお連続2か月間の休養の機会を確保するためには,休職処分以外に適 切な手段がなかった,⑤処分庁は,原告が82日間と長期にわたり病気休暇を取得したが治癒しないまま,更に2か月の休養を必要とする旨の医師による診断を受けるに至ったことなどから本件休職処分を相当と判断したものであり,その判断の前提事実の認識に誤りはない,と認められる。 法28条2項1号の休職処分は,公務の能率の維持及びその適正な運営の確保の見地から認められる分限処分としてされるものであり,職員を休職とするかどうかの判断は,心身の 認識に誤りはない,と認められる。 法28条2項1号の休職処分は,公務の能率の維持及びその適正な運営の確保の見地から認められる分限処分としてされるものであり,職員を休職とするかどうかの判断は,心身の故障の内容・程度,当該職員の職の性格や担当事務の内容,必要な休養期間その他諸般の事情を考慮してする必要があるから,事柄の性質上処分庁の裁量にゆだねられるものと解されるところ,以上の事実からは,本件休職処分を相当とした処分庁の判断に当該裁量を逸脱し,又は濫用する点は認められない。 イ原告は,本件休職処分は職務遂行能力に問題のない原告に対し,医師の診断もなくされた不合理なものである旨主張するけれども,上記事実経過に照らせば,本件休職処分当時の原告の症状が職務遂行に支障がない程度であったとも,本件休職処分が医師の診断によらないでされたとも認めることができず,主張は採用することができない(なお,平成15年1月6日に事務局長と原告の間で交わされたやり取りは1認定のとおりであり,これをもって本件休職処分の告知があったと評価することはできない。 。)また,原告は,病気休暇の取得日数が連続90日をこえない職員を休職とすることは不合理であると主張するが,病気休暇と休職とは制度の趣旨目的,要件を異にし,前者の取得が必ずしも後者の前提となるものではなく,例えば,職員が病気休暇の残日数で賄いきれない長期の休養を要することが明らかな場合に,病気休暇の承認をしないで休職処分をしたとしても,法の趣旨に反するものではないといえる。したがって,本件休職処分に先立つ原告の病気休暇の取得日数が90日をこえないことのみから,直ちに本件休職処分が不合理であるということはできないし,他の事情とあ わせて検討しても,本件休職処分が不合理といえないことは,上記のとおりである。 の取得日数が90日をこえないことのみから,直ちに本件休職処分が不合理であるということはできないし,他の事情とあ わせて検討しても,本件休職処分が不合理といえないことは,上記のとおりである。 なお,原告本人は,旧A町においては,病気休暇が連続90日に達する前にいったん出勤すれば休職処分を受けない慣行があった旨陳述し,同旨の陳述記載(甲18)もある。その趣旨は明らかではないが,仮に本件のように職員の病気休暇の原因となった傷病が治癒しないまま引き続き休養を要する場合においても,形式的に短期の出勤実績を作ることにより,再度休養した場合に休職処分を受けず,結果として合計で90日をこえる病気休暇を取得することができる慣行があったという趣旨であるとすれば,そのような慣行が病気休暇の日数の上限を90日に限定した条例・規則の趣旨に適合するかどうかが検討されるべき筋合いであって,当該慣行が存在するか否かは,本件休職処分の適法性を左右しない。 (2) 本件休職処分による損害の範囲について原告は,本件休職処分は問題なく職務を遂行していた原告に対し根拠なくされたものであり,その後の原告の入院及び休養は全て本件休職処分による精神的ショックによるものであるとして,被告に対し,後続の休職処分に基づくものも含めた休職期間中の減収分及び退職手当の減額分全ての賠償に加え,慰藉料の支払も求めるけれども,(1)の検討によれば,主張はその前提が誤っており,採用することができない。本件休職処分は根拠を欠くものではなく,その瑕疵は専ら辞令交付という方式・手続上のものであること,原告が平成15年1月7日の入院当時又は同年5月1日ころの辞令交付当時,辞令交付の有無やその時期について不満を述べていたなどの事情も証拠上うかがわれないことからすれば,違法な本件休職処分により原告が被っ が平成15年1月7日の入院当時又は同年5月1日ころの辞令交付当時,辞令交付の有無やその時期について不満を述べていたなどの事情も証拠上うかがわれないことからすれば,違法な本件休職処分により原告が被った損害といえるのは,たかだか,本件休職処分そのものを前提として法的根拠なく給料等が減額されたことによる財産的損害にとどまるものであって,慰謝料の支払や,後続の休職処分に基づく給料等の減額分の賠償を求めることはで きないというべきである。 (3) 損害額についてそこで検討すると,原告の被った損害は次のとおりである。 ア休職期間中の給料等の減額分12万2120円前記前提事実及び乙30によれば,原告は本件休職処分の当時,給料月額30万5300円等を受けていたと認められるから,原告が法的根拠なく給料,扶養手当及び住居手当の100分の80のみの支給とされたことによる損害は,原告が主張する額(1か月当たり給料月額30万5300円の100分の20に相当する額)を下らないものと認められる。そうすると,本件休職処分の期間(2か月)中に原告が被った損害額は,次のとおり12万2120円を下らない。 (計算式)305,300××2=122,120 イ期末手当の減額分6万4113円給与条例16条によれば,期末手当は,基準日に在職する職員に対し,同条3項所定の期末手当基礎額(ただし,医療職給与表(三)に該当する職員である原告は,100分の5加算の対象になる。同条4項,給与条例施行規則34条の2)を基礎とし,基準日以前一定期間における当該職員の在職期間(休職期間がある場合は,その2分の1の期間を除算。同規則35条2項3号)に応じて定まる割合(給与条例16条2項)を乗じた金額が支給されることとなるが,平成15年3月の期末手当(基準日同月1日) 間(休職期間がある場合は,その2分の1の期間を除算。同規則35条2項3号)に応じて定まる割合(給与条例16条2項)を乗じた金額が支給されることとなるが,平成15年3月の期末手当(基準日同月1日)については,平成14年条例第32号(以下「改正条例」という)。 1条による改正後の給与条例が改正条例附則5項の特例措置の下で適用され,平成15年6月の期末手当(基準日同月1日)については,改正条例1条,2条による改正後の給与条例が改正条例附則6項所定の読替えの上で適用される(いずれの場合も,基準日以前3か月内の在職期間が考慮されることとなる。以上につき乙31,40,42。 ) したがって,上記検討のとおり平成15年1月7日から同年3月6日までの期間が適法な休職期間といえないことにより,原告は,当該期間を休職期間としないで再計算した結果支給されるべき手当額と,実際に支給された手当額の差額相当分を法的根拠なく得られなかったことになる。当該差額分も,本件休職処分により原告が被った損害であると解して妨げないところ,前記前提事実及び乙39~41によれば,損害額は,平成15年3月の期末手当につき別紙1記載のとおり6万4113円,同年6月の期末手当につき別紙2記載のとおり0円であると認められる。 ウ退職手当の減額分2万2139円前記前提事実によれば,原告の退職手当の算定においては,休職期間があり,かつ勤務日のない期間が平成15年2月から平成16年3月まで14か月間であることを前提として,その2分の1に相当する7か月を在職期間から除算して勤続期間(13年1か月)が算定されたものであるが,上記検討のとおり,本件休職処分に係る平成15年1月7日から同年3月6日までの期間は適法な休職期間とみることができないから,在職期間から除算されるべき期間は,平成1 か月)が算定されたものであるが,上記検討のとおり,本件休職処分に係る平成15年1月7日から同年3月6日までの期間は適法な休職期間とみることができないから,在職期間から除算されるべき期間は,平成15年4月から平成16年3月まで12か月間の2分の1に相当する6か月にとどまることになる(勤続期間は13年2か月となる。したがって,原告は,違法な本件休職処分により,。)後者の勤続期間により算定した金額と,前者の勤続期間により算定した金額との差額を法的根拠なく得られなかったものであり,当該差額分は,違法な本件休職処分により原告が被った損害というべきである。損害額は,次のとおり,2万2139円となる。 (勤続期間を13年2か月とした場合の計算式)①・②(前提事実(5)ウの計算式①・②と同じ) ③301,900×××=44,278(円未満切捨て) (①~③合計)3,256,494円 (上記金額と前提事実(5)ウの退職手当支給額との差額)22,139円ウ損害額の合計20万8372円第4 結論 以上の次第で,原告の請求は,損害賠償金20万8372円の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 鹿児島地方裁判所知覧支部裁判官土屋毅(別紙略)
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