昭和43(ワ)1895 日本ナショナル金銭登録機懲戒解雇

裁判年月日・裁判所
昭和48年2月9日 横浜地方裁判所
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【DRY-RUN】主   文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。        事   実 第一、当事者双方の求めた裁判。 一、原告ら、 (一) 被告が原告らに対して、昭和四三年五月二七日

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主文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 第一、当事者双方の求めた裁判。 一、原告ら、(一) 被告が原告らに対して、昭和四三年五月二七日付でなした別紙懲戒処分一覧表処分内容欄記載の各出勤停止処分は、いずれも無効であることを確認する。 (二) 被告は原告らに対して、別紙懲戒処分一覧表賃金カツト額欄記載の金員および右金員に対する昭和四二年七月一日から完済に至るまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。 (三) 訴訟費用は被告の負担とする。 (四) (二)項につき仮執行の宣言。 二、被告(一) 主文と同旨。 第二、原告らの請求原因一、被告(以下「被告会社」という。)は、肩書地に本社を、東京都大田区<以下略>に蒲田工場を、神奈川県中郡<以下略>に大磯工場を有するほか全国主要都市に営業所を設置して、金銭登録機、計算機、加算機、電子計算機等の製造、販売、修理等を営む会社である。 二、原告らはいずれも被告会社に別紙入社一覧表入社日欄記載日にいずれも期限の定めなく雇傭された被告会社の従業員である。 三、被告会社は昭和四三年五月二七日付で原告らに対し別紙懲戒処分一覧表記載のとおりの出勤停止処分および賃金カツト処分(以下「本件懲戒処分」という。)をなした。 四、本件懲戒処分の理由とするところは、被告会社の懲戒処分通知書によると、次のとおりである。 (一) 被告会社施設内における業務外の文書を無許可で配付することは禁止しているのに、原告らの所属する全国金属労働組合日本ナシヨナル金銭登録機大磯支部(以下単に「支部」という。)は、昭和四〇年四月一二日以降被告会社の許可なく大磯工場建物通用口前の狭い通路上において、通勤する社員一人一人に対し、半強制的に朝ビラを配付している。これに対し被告会社は当初より許可 支部」という。)は、昭和四〇年四月一二日以降被告会社の許可なく大磯工場建物通用口前の狭い通路上において、通勤する社員一人一人に対し、半強制的に朝ビラを配付している。これに対し被告会社は当初より許可制のたてまえにたつて配付方法等につき話し合いを求め、またこのような無届、無許可のビラ配付行為並びにビラの内容に対しても再三再四にわたつて注意、警告をしたのであるが、同支部は全くこれを無視し、配付を続行している。 (二) 昭和四三年三月、被告会社は、右無届、無許可ビラ配付問題の円満解決をはかるため同支部に協議を求め、その際工場建物A、C両ブロツク通用口内にビラボツクスを設置することを提案し、四月一〇日これを設置し、工場長名にて同日以降ビラ配付に当つては本ビラボツクスを使用するよう指示命令したが、原告らはこれさえも省りみず従来同様のビラ配付行為を続行した。 (三) のみならず、同年四月一九日同支部の多数の組合員は雨天を理由に大磯工場建物内に立入りタイムレコーダー附近の狭い通路上で折柄出勤してきた社員に対し半強制的にビラを配付した。このためラツシユ時には現場は一時混乱状態をきわめ、出勤する社員に多大の迷惑を与えた。本行為に対しては会社より直ちに文書または口頭をもつて厳重に警告したにもかかわらず同月二三日および五月八日にも原告らはあえて再び同様な行為を繰り返し、また四月三〇日には工場ロツカールーム内でも前例のないビラ配付を行うなど全く反省の色を示していない。 (四) 原告a、同bは同支部役員として、その余の原告らはいずれも同支部組合員として従前より本件ビラ配付行為に参画し、またこれをめぐる上述の労使間の経緯等を十分に知つていながら原告aは昭和四一年九月より同支部執行委員長として、原告bは昭和四一年九月より同支部副執行委員長として、原告cは昭和四一年九月 為に参画し、またこれをめぐる上述の労使間の経緯等を十分に知つていながら原告aは昭和四一年九月より同支部執行委員長として、原告bは昭和四一年九月より同支部副執行委員長として、原告cは昭和四一年九月より同支部副書記長として、原告d、同eおよび同fは昭和四一年九月よりいずれも同支部執行委員として、これを指導実行し、遂には屋内ビラ配付にまで至らしめたことは会社の施設管理権を全く無視し、業務上の指示命令に従わず会社の秩序を乱したことは明らかである。 (五) なお原告らは、懲戒委員会の席上弁明の機会を与えたところ逆に会社に抗議し、何等反省を示さなかつた。 以上の事実に基き、原告らの行為は就業規則一一二条「社員の行為が次の各号の一に該当する場合は情状に応じて譴責、減給、出勤停止、昇給停止、又は降格に処する。」第七号「業務上の指示、命令に従わず会社の秩序を乱したが、その情軽いとき」に該当するというのである。 五、しかしながら本件懲戒処分は次のとおり無効である。 (一) 原告らがなした「おはようみなさん」の配付は、正当な組合活動であるから、これに対する本件懲戒処分は不当労働行為として無効である。 (イ) 「おはようみなさん」は、支部が同支部に対する大磯工場従業員の支持と理解を求めるため教育、宣伝の目的をもつて作成し、昭和四〇年四月一二日以降今日に至るまで毎朝就業時間前に工場建物の通用口附近で配付し続けてきた組合の機関紙である。「おはようみなさん」の配付が正当な組合活動であることは多言を要しない。 (ロ) 被告会社は、原告らが会社の許可を受けずにビラの配付を続行し、昭和四三年四月一九日には、大磯工場通用口の通路上で配付し、四月二三日、四月三〇日、五月八日にも配付を行つたことを本件懲戒処分の理由として主張するが、就業時間外や休憩時間外の配付についてまで会社の 昭和四三年四月一九日には、大磯工場通用口の通路上で配付し、四月二三日、四月三〇日、五月八日にも配付を行つたことを本件懲戒処分の理由として主張するが、就業時間外や休憩時間外の配付についてまで会社の許可を受けなければならないたてまえになつていた事実は全くない。 就業規則一三条には、就業時間中の配付にのみ会社の許可が必要である旨が明瞭に定められているから、被告会社の主張が事実に反していることは明らかであり、「おはようみなさん」は就業時間前に配付されていたものであるから被告会社の提案と指示に対して支部が従う義務はなかつたのである。 さらに支部は、四月一九日の配付につき多少なりとも強制的なやり方をしたことは全然ないし、現場が混乱したことも従業員が迷惑したことも全然ない。配付は、g労務課長ら職制の妨害をのぞいてはまつたく平穏に行われていたし、従業員はビラを受けとるのも受けとらないのも自由であるし、読むか読まないかも自由なのであるから迷惑なはずはないのである。 (二) 被告会社の本件懲戒処分の理由は、就業規則一一二条七号に該当しないから、右条号に基づいてなされた本件懲戒処分は無効である。 (イ) 就業規則一一二条七号は前記第四項記載のとおりであるが、被告会社の主張によると、原告らは「おはようみなさん」の配付につき被告会社の施設管理権を無視し、これに基づく被告会社の指示命令に従わず被告会社の秩序を乱したものであつて右同号に該当するというものであるところ、企業が企業施設に対する所有権その他の権利に基づき企業施設を管理する一般的な権限を有することは認め得るところではあるが、被告会社の就業規則には企業施設の利用について、数条の規定があるから被告会社が施設管理権に基づき従業員に対して具体的に指示命令し得る事項は就業規則所定の範囲に限られるというべきである。 ろではあるが、被告会社の就業規則には企業施設の利用について、数条の規定があるから被告会社が施設管理権に基づき従業員に対して具体的に指示命令し得る事項は就業規則所定の範囲に限られるというべきである。また、施設管理権に基づく指示、命令は、企業施設の物的利用の仕方に関するものに限られ、それ以上に企業施設内における労働者の行為そのものについてまで発し得るものでないことは、施設管理権が企業施設に対する所有権その他の権利に基づく管理権の総称である以上当然のことである。ビラ配付というのは傍を通る人にビラを手渡すだけのことであるから、それ自体は企業施設の物的利用とは何らのかかわりあいもないことがらである。強いていうならば、企業の管理する土地、建物の中で配付されるという点で企業施設を利用したものと言えないこともないが、「おはようみなさん」は通用口で就業時間前に配付されていたものであるから、ビラ配付によつて企業施設の物的管理には何らの支障も生じていない。従つて、施設管理権に基づいて「おはようみなさん」の配付行為そのものを禁止することはできないから、配付を制止する会社の指示、命令は、従業員を拘束する効力を生じない。 (ロ) 前項に述べたとおり、就業規則一三条によると、就業時間外のビラ配付は、会社の許可なく行い得ることが明らかであるから、会社がこれに反して就業時間外のビラ配付を禁止することは許されていないと解すべきである。従つて就業時間外のビラ配付を禁止、制限する会社の指示命令は、就業規則一三条に違反して無効である。 六、被告会社は、本件懲戒処分に基づき、昭和四三年七月二〇日原告らに支給した賃金から、別紙懲戒処分一覧表賃金カツト欄記載の金員を控除した。 七、よつて原告らは被告会社に対し、本件懲戒処分が無効であること、および控除された賃金ならびにこれに対する昭和 月二〇日原告らに支給した賃金から、別紙懲戒処分一覧表賃金カツト欄記載の金員を控除した。 七、よつて原告らは被告会社に対し、本件懲戒処分が無効であること、および控除された賃金ならびにこれに対する昭和四三年一一月二六日から支払い済みに至るまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。 第三、被告会社の答弁。 一、請求原因第一項の事実は認める。 二、同第二項の事実は認める。 三、同第三項の事実は認める。ただし賃金カツト額は原告fを除く各原告とも各一円少ない額である。 四、同第四項の事実は認める。 五、同第五項は争う。 六、同第六項の事実は認める。ただし控除金額は、原告f以外の原告については、いずれも原告ら主張の金額より各一円少ない金額である。 七、同第七項は争う。 第四、被告会社の主張。 一、原告らは、本件懲戒処分の理由とするビラ配付が行われるようになる以前から支部組合員であり、これが配付行為について当初より支部役員ないし組合員として参画ないし関与しており、これをめぐる従来からの労使間の経緯等についても、十分知つていたものであるところ、昭和四一年九月よりは原告aは支部執行委員長、原告bは支部副執行委員長、原告cは支部執行委員(昭和四二年九月まで)ないし副書記長(昭和四二年九月以降)、原告eおよび同fはいずれも支部執行委員として、また昭和四二年九月よりは原告dは支部執行委員として、これが配付行為を企画し、指導、実行してきたものであるが、被告会社が昭和四三年四月に事態円満解決のためになした提案と指示をかえりみず、依然として従前同様の無許可のビラ配付を続行し、以下述べるような全く目に余る配付行為すら再三の警告を無視して強行したものであり、情状極めて悪質と言わなければならない。 二、昭和四三年四月一九日はたまたま雨天であつたところ、支部が連日続け を続行し、以下述べるような全く目に余る配付行為すら再三の警告を無視して強行したものであり、情状極めて悪質と言わなければならない。 二、昭和四三年四月一九日はたまたま雨天であつたところ、支部が連日続けている無許可ビラ「おはようみなさん」配付のため、午前七時ころから一号館Aブロツク内通路上に原告c、同fをはじめとする一三名の組合員、同館Cブロツク内通路上に訴外hをはじめとする五名の組合員がそれぞれ立ち入り、折りから出勤してくる従業員に対し、半ば強制的にこれを配付しはじめた。右場所はいずれもタイムレコーダーの設置してある狭い通路であり、これを放置すると現場が混乱するので、労務課長g、警備課長iらが再三にわたつて警告、制止するとともに、特にg労務課長からは、A、Cブロツク内通路上で配付していた原告c、訴外hらに対し、同所に備付けのビラボツクスを使用するよう指示したにもかかわらず全くこれを聞き入れなかつたのみか、これらの警告や指示に対し、原告cは、「雨が降つている時は、これまでも建物内で配付しており、もう慣行になつている。」「組合のことをわかりもしないくせに黙つていろ。」「へりくつをいうな。」等の全く聞き捨てにできない言辞を弄して反抗し、結局午前八時まで無許可のビラ配付を続行したものである。 三、右無許可ビラ強硬配付による現場の混乱、一般従業員に対する迷惑については改めて述べるまでもないが、被告会社が話し合いによる円満解決を提案したのにもかかわらずこれを無視したばかりでなく、その直後に益々紛争を拡大せんとし、意識的に強硬配付を続け、既成事実を積み重ねようとする挙に出てきたことは、職場秩序維持上到底看過できないので、被告会社は同日文書をもつて改めて支部に対し警告を発した。 にもかかわらず、支部は、昭和四三年四月二三日および五月八日にも右同様の無 とする挙に出てきたことは、職場秩序維持上到底看過できないので、被告会社は同日文書をもつて改めて支部に対し警告を発した。 にもかかわらず、支部は、昭和四三年四月二三日および五月八日にも右同様の無許可ビラ配付を強行し、また四月三〇日には前例のないロツカールーム内での配付を行なつたものである。被告会社が原告らのこのような企業秩序無視の行動を是認したならば、善良な従業員にははかり知れない悪影響を与えるのみならず、これによつて企業秩序は次第に侵蝕され、遂には企業の運営に支障を生ずるに至ることは火を見るより明らかというべきである。 四、右行為は明らかに被告会社の施設管理権を無視し、これに基づく被告会社の指示命令に従わず被告会社の秩序を乱したものというべきであり、情状も極めて悪質であるので、被告会社は従来のような単なる警告にとどめず、次に述べる懲戒委員会の審議を経て、懲戒処分に付することにしたものであるが、被告会社はなおこれが指導、実行に当つた原告らの反省を期待し、特に就業規則一一二条七号を適用して、本件懲戒処分をなしたものである。 五、原告らの出勤停止処分の期間に差異を設けたのは、原告ら各人に対する次の事情を特に情状として考慮したものである。 (イ) 原告a、同bはそれぞれ支部執行委員長、副執行委員長として、今回の一連の就業規則違反行為を率先指導、実行してきたこと、および原告aはすでに二回の懲戒処分((一)大磯工場ロビー前において無許可職場集会を強行したことにより昭和四〇年一二月二九日に出勤停止一日の懲戒処分、(二)会社誹謗のステツカーを貼つたこと、大磯町政を中傷し会社の名誉信用を毀損した文書の配付、会社役員を誹謗した文書の配付、違法ピケツテイングの実行等により昭和四一年一〇月三一日から一一月二日までの出勤停止三日の懲戒処分)を受け、また原告bは 町政を中傷し会社の名誉信用を毀損した文書の配付、会社役員を誹謗した文書の配付、違法ピケツテイングの実行等により昭和四一年一〇月三一日から一一月二日までの出勤停止三日の懲戒処分)を受け、また原告bは三回の懲戒処分((一)原告aの(一)の処分に同じ、(二)無許可ビラを就業時間中に工場内で配付したことにより昭和四一年二月二日から四日までの出勤停止三日の懲戒処分(三)原告aの(二)の処分と同じ理由により昭和四一年一〇月三一日から一一月五日までの出勤停止五日の懲戒処分)および訓戒一回(会社備品の処理問題により昭和四〇年七月二九日訓戒)を受けているにもかかわらず、何ら反省の色をみせず、繰り返し就業規則違反行為をかさねてきたことを勘案し、二労働日の出勤停止処分にしたものである。 (ロ) 原告cは支部四役の一人である副書記長として、前記就業規則違反行為を率先指導、実行してきたことは原告a、同bと同様であるが、過去において一度も懲戒処分を受けていないことを特に情状として斟酌し、今回は一労働日の出勤停止処分にとどめたものである。 (ハ) 原告f、同d、同eはいずれも支部執行委員として前記就業規則違反行為を指導、実行してきたものであるが、前述の原告aら四役とは責任の度合に若干の差異あることを認め、もとより過去において一度も懲戒処分を受けたこともないので、これらを考慮し、今回は一労働日の出勤停止処分にとどめたものである。なお訴外j、同kは、それぞれ支部書記長、同執行委員であつたが、当時はいずれも解雇されていたので、懲戒処分に付されなかつたものである。 六、本件懲戒処分の手続は次のとおりである。 (一) 大磯工場総務部長lより昭和四三年四月二四日付文書をもつて本事件の概要を報告するとともに懲戒手続に付すべきことを上申してきたので、社長はこれを懲戒事実として取り上 の手続は次のとおりである。 (一) 大磯工場総務部長lより昭和四三年四月二四日付文書をもつて本事件の概要を報告するとともに懲戒手続に付すべきことを上申してきたので、社長はこれを懲戒事実として取り上げる必要を認め、本件を就業規則一〇二条ないし一〇五条により懲戒委員会に諮問した。 (二) これにより懲戒委員会は、人事部長mを議長として昭和四三年五月八日に開催され、議長の本件無許可ビラ配付の実況見分、会社責任者数名からの事情聴取、原告らの弁明(ただし原告f、同d、同eは弁明の機会を与えられたが応じなかつた。)などをもとにして慎重に審議が行われた結果、全員一致の意見をもつて前記各出勤停止処分に付することを相当とする旨の答申がなされた。社長は右答申どおり本件出勤停止処分を決定し、発令するに至つたものである。 以上のとおり本件懲戒処分は、いずれも全く正当になされたものであり、いかなる理由からしても無効とされるいわれは全くないのである。 第五、証拠(省略) 理由 一、被告会社は肩書地に本社を、東京都大田区<以下略>に蒲田工場を、神奈川県中郡<以下略>に大磯工場を有するほか、全国主要都市に営業所を設置して、金銭登録機、計算機、加算機、電子計算機等の製造、販売、修理等を含む会社であること、原告らは、いずれも被告会社に別紙入社一覧表入社日欄記載日にいずれも期限の定めなく雇傭された被告会社の従業員であることは、いずれも当事者間に争いがない。 二、そして被告会社が昭和四三年五月二七日付で原告らに対し、別紙懲戒処分一覧表記載のとおりの本件懲戒処分をなしたことは、原告fを除くその余の原告らの賃金カツト額の点を除いて当事者間に争いがなく、他に立証のない本件においては、右賃金カツト額は原告aについては金二、三四一円、原告bについては金一、七一五円、 たことは、原告fを除くその余の原告らの賃金カツト額の点を除いて当事者間に争いがなく、他に立証のない本件においては、右賃金カツト額は原告aについては金二、三四一円、原告bについては金一、七一五円、原告cについては金九九九円、原告dについては金一、二八九円、原告eについては金一、二五七円とのそれぞれ当事者間に争いのない額と認定せざるを得ない。 三、よつて、以下被告会社のなした本件懲戒処分が相当か否かにつき順次判断する。 (一) 成立に争いのない甲第一ないし第一三号証、同乙第二ないし第二五号証、同乙第四九ないし第五三号証、証人lの証言により成立を認め得る乙第二六、第二七号証、同第四五ないし第四七号証、同第四八号証の一、二いずれも写真であることに争いのない乙第二九ないし第三四号証、(乙第三三、第三四号証の撮影年月日は証人lの証言によつて認め得る。)同第三五号証の一、二、同第三六号証の一ないし三、同第三七ないし第三九号証、同第四〇、第四一号証の各一、二、(以上いずれも撮影年月日は証人lの証言によつて認め得る。)、証人j、同l、同i、同nの各証言および原告c、同o各本人尋問の結果を総合すると、次の事実を認めることができる。 支部は昭和三九年一〇月分裂し、支部のほか新たに日本NCR労働組合が結成された。このため支部としては益々いわゆる教宣活動を活発にすることとし、昭和四〇年四月一二日その日刊の機関紙として「おはようみなさん」を発刊し、支部の活動方針、要求等を掲載し、以後毎朝大磯工場一号館入口において支部組合員が出勤してくる従業員に対し手渡しの方法で配付を続けてきた。 ところで支部はそれまで、その本部、支部の発行する機関紙等の配付については、支部事務所に設けられた各職場別の状差しの中に支部書記局員が投凾しておき、各職場委員がこれを始業前または昼の 続けてきた。 ところで支部はそれまで、その本部、支部の発行する機関紙等の配付については、支部事務所に設けられた各職場別の状差しの中に支部書記局員が投凾しておき、各職場委員がこれを始業前または昼の休憩時間中に各職場に持ち帰つて、昼の休憩時間中に各職場組合員に配付するという方法がとられていたが、前記のように支部が分裂しその教宣活動を活発にするとの意図から、「おはようみなさん」については、出勤時の従業員に対し手渡しの方法で配付することにしたものであつた。 これに対して被告会社は、「おはようみなさん」第一号が配付された四月一二日の配付中に、g労務課長をして事前に許可を得ていないビラは就業時間外といえども、被告会社敷地内で配付してはならない旨申し入れたが、支部はこれに応じないまま、以後も同様の方法により配付が継続されている。晴天の日は大磯工場一号館AおよびCブロツクの各通用口前の巾約一・八メートルの通路上の両側に、それぞれ数名宛並び、雨天の日には同通用口内のタイムレコーダーの設置してある通路上の両側または片側に数名宛並んで、毎朝始業時刻前出勤して来る従業員の前に「おはようみなさん」(その大きさは殆んどわら半紙の半切ないし四分の一切の大きさで一枚のもの)を、一枚宛差し出すというものであり、大磯工場においては、従業員の相当多数が国鉄平塚駅から会社構内まで乗り入れるバスで通勤してくる関係上、従業員が比較的集団で右通用口を通行することが多く、このため通用口の通路巾が前記のように狭いこともあつて、従業員の殆んどがこれを受けとつていた。しかして前記のとおり支部は分裂し、別に日本NCR労働組合が結成されていたこともあり、手渡された「おはようみなさん」はその場に放置、散乱することも多かつた。 被告社会としてはその後も支部に対して無許可で配付してはならない旨 分裂し、別に日本NCR労働組合が結成されていたこともあり、手渡された「おはようみなさん」はその場に放置、散乱することも多かつた。 被告社会としてはその後も支部に対して無許可で配付してはならない旨警告するとともに、支部に対し協議を申し入れ円満解決を図ろうとしたが、支部としては、機関紙の発行および配付は組合活動として自由であり、被告会社と話し合つて配付方法を決めるべきものではないとの立場から話し合いは出来ず、昭和四〇年五月一五日p労務部長が支部三役と会見し、g労務課長と話し合つて善処するよう要請した。その後支部とg労務課長との話し合いとなり、その中でビラボツクスの設置等の提案も被告会社からなされたが、配付する「おはようみなさん」を許可制とするとの前提では話し合いに応じられないとして支部の拒否するところとなり、また支部が、右問題を不当労働行為であるとして、昭和四〇年七月一〇日神奈川地方労働委員会に救済申立てを行なうに至り、以後被告会社と支部との右問題に対する協議は、昭和四三年二月被告会社が申し入れるまで中断された。その間も「おはようみなさん」は従前どおりの方法で配付されていたが、被告会社としては、労働委員会において解決しようと考えていたもので、右配付を容認したわけではなかつた。被告会社は右配付問題をいつまでも未解決のまま放置しておくわけにもいかないため、右労働委員会の判断をまつて解決することを断念し、昭和四三年二月九日、一四日、二八日の三回に亘り、支部に対して協議の申し入れをなし、結局同年三月一三日および四月三日に団体交渉が開かれ、被告会社は「おはようみなさん」の配付が許可制とのたてまえをとるなら、その配付方法について十分話し合うとの考えであつたが、支部は、配付は組合活動の一手段であるから被告会社の許可を求める必要はないとの考えであり、 はようみなさん」の配付が許可制とのたてまえをとるなら、その配付方法について十分話し合うとの考えであつたが、支部は、配付は組合活動の一手段であるから被告会社の許可を求める必要はないとの考えであり、話し合いは全く進展しなかつた。そのため被告会社は同年四月一〇日文書をもつて支部に対し、支部が従来から続けてきた配付方法は認められないこと、およびビラボツクスを同日工場建物内に二カ所設置したので、同日以降支部は配付にあたつてはビラボツクスを利用することとの通告をなし、各通用口の組合掲示板下に状差し状のビラボツクスを設置し、これを使用するよう指示したが、支部は依然として従前の方法により「おはようみなさん」を配付しているので、被告会社は、g労務課長等により、支部に対し配付の方法につき警告したが、支部の右配付方法は変わるところがなかつた。 昭和四三年四月一九日、同月二三日、同年五月八日は、いずれも雨天であつたため、支部は大磯工場一号館AおよびCブロツクの各通用口内のタイムレコーダーを設置してある通路上で「おはようみなさん」の配付を行つた。 すなわち、四月一九日は午前六時五〇分ころから午前八時ころまで、原告c、同fらは支部組合員らとともに、四月二三日は前同時刻ころの間原告o、同aらは支部組合員らとともに、五月八日は午前六時四五分ころから午前八時ころまで原告a、同cらは支部組合員らとともにいずれも出勤してくる従業員を通路の片側ないし両側から迎える形をとり、しかも従業員が雨天のため雨具等を所持していたことから混乱が全くないとは云えなかつた。しかも上記原告らはいずれも配付現場において、被告会社のg労務課長らの制止、警告を受けたにもかかわらず、右配付行為を実行した。 また同年四月三〇日午前六時五〇分頃原告oは組合員一名とともに一号館Bブロツク男子ロツカール も配付現場において、被告会社のg労務課長らの制止、警告を受けたにもかかわらず、右配付行為を実行した。 また同年四月三〇日午前六時五〇分頃原告oは組合員一名とともに一号館Bブロツク男子ロツカールーム内で折柄一直勤務につく従業員らに対し「おはようみなさん」の配付を行つた。 以上の配付のころ、原告aは支部執行委員長、同bは同副執行委員長、同cは同副書記長、同o、同e、同fはいずれも同執行委員をしており(原告らが上記のとおりの役職にあつたことは当事者間に争いがない)、積極的に右配付方法を支持推進してきたものである。 以上の事実を認めることができ右認定に抵触する証人jの証言の一部および原告c、同oの各本人尋問の一部はいずれも措信できず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。 (二) 右認定事実によると、原告らの所属する支部の発行する「おはようみなさん」は、支部の活動方針、要求等を記載した機関紙というべきものであり、その発行自体は、組合の活動として当然に許されるものということができる。 しかして右「おはようみなさん」が、被告会社工場内で配付されたこと前記認定のとおりであるところ、およそ企業の有する施設管理権は、企業がその企業目的に合致するようその施設を管理する権限であつて、単に物的管理権のみを指称するものではないというべきであり、したがつて組合に対する関係においても、その組合の活動が、使用者の建物、敷地等を利用して行う場合には、使用者の施設管理権に基づき、使用者の意思に反して活動することはできず、このことは特段の事情のない限り、休憩時間中あるいは就業時間外のものであつても変わるところはないといわなければならない。 これを本件についてみると、前記のとおり、大磯工場においては、昭和四〇年四月一二日以前は同工場入口においてビラを手渡すといつた配付 時間外のものであつても変わるところはないといわなければならない。 これを本件についてみると、前記のとおり、大磯工場においては、昭和四〇年四月一二日以前は同工場入口においてビラを手渡すといつた配付方法がとられていなかつたこと、支部のとつた配付方法に対し被告会社は配付につき被告会社の許可をとるよう再三申し入れ警告をなしていること、配付場所の通路が狭いため従業員の出勤に混乱を生ずることは皆無ではなく、特に雨天の日には混乱を生ずる場合のあつたこと、「おはようみなさん」の配付については被告会社はビラボツクスを設置して配付方法を考えていること等の事実が明らかであつて、右事実下において、あくまで配付についても自由であるとの考えから自己の立場に固執し、被告会社の指示に従わなかつた原告らの行為は、相当とは言い難い。他に原告らの行為を正当な組合活動として肯定しうる特段の事由は認められない。 したがつて被告会社が原告らに対し、証人lの証言により真正に成立したと認めうる乙第二七号証と同証言を総合して認められる事由すなわち被告主張のごとき原告らの過去の社規違反歴その他の勘案により就業規則一一二条七号を適用して、本件懲戒処分を課したことは被告会社の有する適法な懲戒権の範囲内にあるものというべく、原告らの主張はいずれも理由がない。 四、よつて原告らの本訴請求は失当であるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官柏木賢吉花田政道板垣範之)(別紙省略)

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