昭和33(オ)418 建物明渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和35年11月1日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人下光軍二の上告理由第一点について。  論旨は、上告人の主張は本件建物

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判決文本文1,273 文字)

主文原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由上告代理人下光軍二の上告理由第一点について。 論旨は、上告人の主張は本件建物を被上告人に売渡したといのではなく、将来の取引を約束した、いわば売買の予約の程度のもので、口頭で約束したときには所有権まで移転することは考えていなかつたことは、乙一一号証によると被上告人が家賃を昭和二一年三月まで支払つていることからも推察できるのみならず、上告人は昭和三一年一一月六日附準備書面で、代金の支払(完済)と同時に所有権を移転する約旨であつたと主張しているにかかわらず、原判決は、所有権移転の時期について特別の合意がなされたことはなんらの主張も立証もない旨判示しているのは、審理不尽等の違法を免れないと主張する。 原判決は、「被控訴人は、昭和二〇年一一月一日本件建物を控訴人へ売り渡したと主張し、控訴人は同年一二月六日買受けたと主張し、売買の時期について争があるけれども、とにかく昭和二〇年中に代金二万五千円で売買されたという範囲では当事者間に争がない。売買の目的物の所有権移転の時期についてとくべつの合意がなされたことは、なんら主張も立証もないから本件建物の所有権は右売買のときに被控訴人から控訴人へ移つたと認めるべきである。」と判示している。そして、記録によると、上告人は昭和三元年一〇月一六日の第一審口頭弁論期日において、本件売買契約においては、目的物の所有権は代金完済と同時に移転する約であつた旨明らかに主張して居り(記録八一丁)、その後これを訂正又は撤回した形跡はない(尤も、第一審判決事実摘示にはこの主張が摘示されて居らず、第二審においては右事実摘示に基き第一審口頭弁論の結果が陳述されている。しかし、これがため右- 1 -主張が撤回され は撤回した形跡はない(尤も、第一審判決事実摘示にはこの主張が摘示されて居らず、第二審においては右事実摘示に基き第一審口頭弁論の結果が陳述されている。しかし、これがため右- 1 -主張が撤回されたものと認めるべき事情は本件記録上窺われないのである。)のみならず、被上告人提出の成立に争ない乙一一号証には、昭和二一年二月二五日附で家賃一ヶ月分として一〇〇円領収の旨上告人から被上告人宛記載があるのであつて、これは、証拠共通の原則上、当然昭和二〇年中の売買によつては未だ被上告人に所有権が移転していなかつたことの立証たり得る性質を有するものである。 然るに、原審が所有権移転の時期につき特別の合意がなされたことの主張も立証もないと判示して昭和二〇年中の売買契約のとき本訴物件の所有権は被上告人に移転したものと断じ、上告人の本件明渡請求を棄却したのは、当事者の重要な主張に対する判断を遺脱した違法があるものであつて、他の論旨につき判断するまでもなく、原判決は破棄を免れない。 よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官島保裁判官河村又介裁判官垂水克己裁判官高橋潔裁判官石坂修一- 2 -

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