平成17(し)23 強姦未遂保護事件に関し保護処分に付さない決定に対する抗告の決定に対する再抗告事件

裁判年月日・裁判所
平成17年3月30日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所 平成16(く)204
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判決文本文1,252 文字)

主文 本件抗告を棄却する。 理由 本件抗告の趣意のうち,憲法違反をいう点は実質は単なる法令違反の主張であり,判例違反をいう点は所論引用の判例が事案を異にして本件に適切でなく,その余は事実誤認の主張であって,いずれも少年法35条の抗告理由に当たらない。 所論にかんがみ,原審の審理手続の当否につき職権で判断する。 本件は,外9名との共謀による強姦未遂保護事件で事実が争われ,原々審において,検察官を出席させて審理した上,被害者の供述及び少年の自白供述(以下「被害者の供述等」という。)の信用性には疑いがあるとして,少年を保護処分に付さない決定をしたのに対し,検察官から重大な事実の誤認を理由として抗告受理の申立てがなされ,これを受理した原審において,被害者の供述等の信用性に対する原々決定の消極的評価は原々審が取り調べた証拠を前提とする限り是認できないとしつつ,これを最終的に信用できるというためには,共犯者とされる者らのアリバイ供述等(以下「アリバイ供述等」という。)の信用性につき更に審理を尽くす必要があるとして,原審自ら,その点に関する事実の取調べを行い検討した上,原々決定を取り消し,事件を家庭裁判所に差し戻す決定をしたことに対する再抗告の事案である。 所論は,原々審が検討していない点にまで踏み込んだ原審の事実の取調べや判断の在り方が,事後審である抗告裁判所としての合理的な裁量の範囲を逸脱したものであるという。 そこで検討すると,少年保護事件における非行事実の認定に関する証拠調べの範囲,限度,方法の決定は,家庭裁判所の完全な自由裁量に属するものではなく,その合理的な裁量にゆだねられたものであるところ(最高裁昭和58年(し)第77- 1 -号同年10月26日第一小法廷決定・刑集37巻8号12 決定は,家庭裁判所の完全な自由裁量に属するものではなく,その合理的な裁量にゆだねられたものであるところ(最高裁昭和58年(し)第77- 1 -号同年10月26日第一小法廷決定・刑集37巻8号1260頁),その【要旨1】抗告裁判所による事実の取調べも,少年保護事件の抗告審としての性質を踏まえ,合理的な裁量により行われるべきものと解される(少年法32条の6参照)。前記のとおり,【要旨2】本件においては,原々審が取り調べた証拠を前提とする限り,被害者の供述等の信用性に関する原々審の消極的評価は是認できないが,アリバイ供述等につき信用性の検討を行わない限り,被害者の供述等について最終的な信用性の判断をすることができないというのであるから,原審が,アリバイ供述等の信用性について,必要な事実の取調べをして検討した上で,原々決定を取り消し,事件を差し戻したことは,合理的な裁量の範囲内として是認することができる。 よって,同法35条2項,33条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官島田仁郎裁判官横尾和子裁判官甲斐中辰夫裁判官泉徳治裁判官才口千晴)- 2 -

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