昭和48(行ウ)67 日産自動車救済命令取消

裁判年月日・裁判所
昭和49年6月28日 東京地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-19797.txt

タグ

判決文本文27,069 文字)

主文 一原告を再審査申立人、参加人らを再審査被申立人とする中労委昭和四六年(不再)第三八号事件につき、被告が昭和四八年三月一九日付でした別紙命令書記載の命令を取り消す。二訴訟費用は、本訴によつて生じた部分を被告の、参加によつて生じた部分を参加人らの各負担とする。事実 第一当事者の求める裁判一原告(一) 主文第一項と同旨(二) 訴訟費用は被告の負担とする。二被告(一) 原告の請求を棄却する。(二) 訴訟費用は原告の負担とする。第二請求原因一当事者等原告、参加人らならびに全日産自動車労働組合(以下「日産労組」という。)の組織、人員構成等は、参加人日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部プリンス自動車工業支部(以下「支部」という。)の昭和四八年一月三一日当時における組合員数が九〇名であるほかは、別紙命令書(以下「命令書」という。)理由第1・1記載のとおりである。二本件命令参加人らは昭和四三年二月二二日東京都地方労働委員会に対し、原告を被申立人として、不当労働行為救済の申立てをした。これに対して、同委員会は昭和四六年五月二五日付で、被申立人原告は申立人支部所属の組合員に対し時間外勤務や休日勤務(以下あわせて「残業」という。)を命ずるにあたつて支部所属の組合員であることを理由として他の労働組合員と差別して取り扱つてはならない旨の命令(以下「初審命令」という。)を発した。原告は、初審命令を不服として、被告に対し再審査の申立てをした。しかし、被告は昭和四八年三月一九日付で命令書記載のとおり右再審査の申立てを棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)を発した。この命令書写は同月三一日原告に交付された。三本件命令の違法性本件命令は、原告が支部所属の組合員に対し残業を命 のとおり右再審査の申立てを棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)を発した。この命令書写は同月三一日原告に交付された。 として、被告に対し再審査の申立てをした。しかし、被告は昭和四八年三月一九日付で命令書記載のとおり右再審査の申立てを棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)を発した。この命令書写は同月三一日原告に交付された。三本件命令の違法性本件命令は、原告が支部所属の組合員に対し残業を命 のとおり右再審査の申立てを棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)を発した。この命令書写は同月三一日原告に交付された。三本件命令の違法性本件命令は、原告が支部所属の組合員に対し残業を命じなかつたことをもつて不当労働行為であるとした初審命令の判断を相当であるとしているが、これは事実の認定および法令の適用を誤つたものであつて、違法である。よつて、本件命令の取消しを求める。四原告およびプリンス自動車工業株式会社の交替制勤務と残業の実態(命令書理由第1・2記載事実の認否)(一) (1)記載事実について認める。プリンス自動車工業株式会社(以下「プリンス」という。)においてなされていた残業は、所定就業時間内に業務が終らなかつたような場合等に、従業員が所属長に申し出てその許可を受け、必要に応じて臨時的に行なうという方式によるものであり、残業をするか否かは従業員の自由意思にまかされていた。(二) (2)記載事実について認める原告がプリンスを吸収合併した昭和四一年八月一日から昭和四二年一月ころまでの間、荻窪、三鷹および村山の旧プリンスの三工場においてなされていた残業は、前途のようなプリンス方式によるものである。また、原告が右の期間右三工場の製造部門において後述のような日産型交替制や計画残業を実施しなかつたのは、在庫車処理のために生産縮小の必要があつたので、これを実施する要がなかつたからである。(三) (3)記載事実について認める。原告が昭和四二年二月一日から前記三工場の製造部門において日産型交替制と計画残業を実施することにしたのは、右三工場における在庫車処理の時期も経過したので、増産体勢をとることにしたからである。この日産型交替制と計画残業は、原告がプリンスを吸収合併する以前から原告の他の工場において実施されてい にしたのは、右三工場における在庫車処理の時期も経過したので、増産体勢をとることにしたからである。この日産型交替制と計画残業は、原告がプリンスを吸収合併する以前から原告の他の工場において実施されていたものである。 は、右三工場における在庫車処理の時期も経過したので、増産体勢をとることにしたからである。この日産型交替制と計画残業は、原告がプリンスを吸収合併する以前から原告の他の工場において実施されてい にしたのは、右三工場における在庫車処理の時期も経過したので、増産体勢をとることにしたからである。この日産型交替制と計画残業は、原告がプリンスを吸収合併する以前から原告の他の工場において実施されていたものである。また、計画残業は、現有従業員で毎月の生産計画を達成するには残業が必要とされるところから、この生産計画達成に必要とされる従業員一人あたりの月間残業時間を職場単位に算出し、従業員を計画的に必要時間だけ残業に服させようとするものであつて、プリンス方式の残業とは本質的に異なるものである。したがつて、計画残業は、従業員がやむを得ない事情のない限りこれに服するということによつてはじめて成り立つものであつて、プリンス方式の残業のように、これに服するか否かを従業員がその全くの自由意思により決するというのでは成り立たず、生産計画の達成は不可能となり、原告の業務に重大な支障を来たすことになる。五本件残業問題発生をめぐる諸事情(命令書理由第1・3記載事実の認否)(一) (1)記載事実について認める。(二) (2)記載事実について認める。(三) (3)記載事実について認める。原告は、団体交渉ルールの設定等についての折衝を経て、昭和四二年三月二一日から支部と団体交渉を持つようになつたが、以後同年六月ころまでの団体交渉においては、もつぱら支部の要求にかかる最も重要な事項である賃金問題等が優先的にその交渉対象とされてきた。(四) (4)記載事実について認める。原告が日産型交替制や計画残業の導入について支部に対し提案しなかつたのは、原告と参加人らとの間に支部の存在について争いがあり、原告は前記三工場の製造部門における日産型交替制と計画残業の実施直前である昭和四二年一月になつて支部の存在を認め、支部を団体交渉の相手方とすることにしたば 加人らとの間に支部の存在について争いがあり、原告は前記三工場の製造部門における日産型交替制と計画残業の実施直前である昭和四二年一月になつて支部の存在を認め、支部を団体交渉の相手方とすることにしたばかりであつて、その後同年六月ころまでは支部と前述のとおりの接衝や団体交渉を持つていたので、その導入について支部と協議する余裕がなかつたし、また、支部やその所属組合員が、後述のとおり、同年三月ころから同年六月ころにかけてビラ等を配布して、日産型交替制にともなう遅番勤務や計画残業に反対の態度を示していたからである。 前である昭和四二年一月になつて支部の存在を認め、支部を団体交渉の相手方とすることにしたばかりであつて、その後同年六月ころまでは支部と前述のとおりの接衝や団体交渉を持つていたので、その導入について支部と協議する余裕がなかつたし、また、支部やその所属組合員が、後述のとおり、同年三月ころから同年六月ころにかけてビラ等を配布して、日産型交替制にともなう遅番勤務や計画残業に反対の態度を示していたからである。(五) (5)記載事実について原告が、前記三工場の製造部門の支部所属組合員が早番勤務を所定時間で終えた後の必要残業時間に、臨時雇の作業員をあてるなどして作業させていたことは否認する。その余の事実は認める。原告は右の必要残業時間にリリーフマンをあてて作業させていたのである。原告がこのような措置を講じたのは、計画残業に反対している製造部門の支部所属組合員を計画残業に組み入れるならば、勝手にこれを拒否されたり放棄されたりすることにより業務上多大の支障を生ずること明らかであつて、これに比べれば、リリーフマンをもつて計画残業にあてる方がはるかに業務上の支障が少ないからである。また、原告が製造部門の支部所属組合員を早番勤務にのみ組み入れていたのは、支部やその所属組合員が日産型交替制にともなう遅番勤務に反対していたからである。(六) (6)記載事実について日産労働所属組合員の発言内容は否認する。その余の事実は認める。日産労働所属の組合員は、支部やその所属組合員が日産労組に対し誹謗中傷その他の挑戦的言動を公然と継続していたので、支部所属組合員に対しこれを改めるよう説得したのである。(七) (7)記載事実について認める。これによれ やその所属組合員が日産労組に対し誹謗中傷その他の挑戦的言動を公然と継続していたので、支部所属組合員に対しこれを改めるよう説得したのである。(七) (7)記載事実について認める。これによれば、支部やその所属組合員が日産型交替制にともなう遅番勤務や計画残業に反対していたことは明らかである。(八) (8)記載事実について認める。原告と支部との昭和四二年一一月二三日の団体交渉における、「従来も三六協定に基づく残業には協力してきた。ただ、強制残業には反対だと言つているのだ。」との支部の主張にいう「三六協定に基づく残業」とは、支部所属の組合員が従来行なつていた残業がプリンス方式のそれであることからして、このプリンス方式の残業を意味するものである。 や計画残業に反対していたことは明らかである。(八) (8)記載事実について認める。原告と支部との昭和四二年一一月二三日の団体交渉における、「従来も三六協定に基づく残業には協力してきた。ただ、強制残業には反対だと言つているのだ。」との支部の主張にいう「三六協定に基づく残業」とは、支部所属の組合員が従来行なつていた残業がプリンス方式のそれであることからして、このプリンス方式の残業を意味するものである。したがつて、支部やその所属組合員が計画残業に反対していたことは明らかである。(九) (9)記載事実について否認する。(一〇) (1〇)記載事実について認める。(一一) (11)記載事実について認める。原告は、初審命令が発せられた後の昭和四六年六月一八日から昭和四七年四月一八日までの間に、八回にわたつて支部と団体交渉を行ない、日産労働所属の組合員と同様に、前記三工場の製造部門の支部所属組合員は日産型交替制と計画残業に服し、これらが実施されていない間接部門の支部所属組合員も、原告において残業を命ずることにするので、これに服するよう申し入れた。しかし、支部はこの申入れを拒否した。なお、原告は、本件命令が発せられた後、製造部門の支部所属組会員にも計画残業を命ずることにし、昭和四八年四月一九日と同年五月二日に支部と団体交渉を行なつたが、支部はやはり計画残業に反対するとの意思を表明した。また、原告は同年六月四日から製造部門の支部所属組合員に対し計画残業を命じているが、支部所属組合員 九日と同年五月二日に支部と団体交渉を行なつたが、支部はやはり計画残業に反対するとの意思を表明した。また、原告は同年六月四日から製造部門の支部所属組合員に対し計画残業を命じているが、支部所属組合員は、残業はあくまでも個人の自由意思によるべきものであるとしてこれに服そうとはせず、プリンス方式による残業を行なつている。六不当労働行為の不成立原告が昭和四八年六月四日に至るまで前記三工場の製造部門の支部所属組合員に対し計画残業を命じなかつたのは、支部やその所属組合員がこれに反対していたからである。それに、計画残業は生産計画達成のためにとられた残業の方式として合理的なものであり、強制残業といわれるようなものではない。また、原告が間接部門の支部所属組合員に対し残業を命じなかつたのも、支部やその所属組合員がこれを拒否していたからである。 不成立原告が昭和四八年六月四日に至るまで前記三工場の製造部門の支部所属組合員に対し計画残業を命じなかつたのは、支部やその所属組合員がこれに反対していたからである。それに、計画残業は生産計画達成のためにとられた残業の方式として合理的なものであり、強制残業といわれるようなものではない。また、原告が間接部門の支部所属組合員に対し残業を命じなかつたのも、支部やその所属組合員がこれを拒否していたからである。したがつて、原告が支部所属の組合員に対し計画残業等の残業を命じなかつたとしても、それは正当な理由に基づくものであつて、不当労働行為を構成しない。第三請求原因に対する被告および参加人らの答弁一第一項について支部の昭和四八年一月三一日当時における組合員数が九〇名であることは否認する。その余の事実は認める。支部の同日当時における組合員数は九一名である。二第二項について認める。被告および参加人らは、命令書理由第一・3・(5)および第二・2記載の「臨時雇の作業員」との部分「リリーフマン」としたうえ、命令書記載のとおり事実上および法律上の主張をする。三第三項について本件命令が、原告が支部所属の組合員に対し残業を命じなかつたことをもつて不当労働行為であるとした初審命令の判断を相当であるとしていることは認める。その余は争う。被告が、本件命令において、不当労働行為を認定し、初審命令の判断を相当であ し残業を命じなかつたことをもつて不当労働行為であるとした初審命令の判断を相当であるとしていることは認める。その余は争う。被告が、本件命令において、不当労働行為を認定し、初審命令の判断を相当であるとした理由は、命令書記載のとおりである。したがつて、本件命令は適法である。四第四項について(一) (一)および(二)の各後段の事実は否認する。(二) (三)後段の事実のうち、原告主張の三工場を除く原告の他の工場においては、原告がプリンスを吸収合併する以前から日産型交替制と計画残業が実施されていたことは認める。その余の事実は否認する。五第五項について(一) (三)後段の事実のうち、原告が、団体交渉ルールの設定等について折衝を経て、昭和四二年三月二二日から支部と団体交渉を持つようになつたことは認める。その余の事実は否認する。(二) (四)後段の事実のうち、原告と参加人らとの間に支部の存在について争いがあり、原告がその主張の三工場の製造部門における日産型交替制と計画残業の実施直前である昭和四二年一月になつて支部の存在を認め、支部を団体交渉の相手方とするようになつたこと、原告が、団体交渉ルールの設定についての折衝を経て、同年三月二二日から支部と団体交渉を持つようになつたこと、支部が、同月ころから同年六月ころにかけて、日産型交替制にともなう遅番勤務や計画残業等に関するビラを配布したことは認める。 いがあり、原告がその主張の三工場の製造部門における日産型交替制と計画残業の実施直前である昭和四二年一月になつて支部の存在を認め、支部を団体交渉の相手方とするようになつたこと、原告が、団体交渉ルールの設定についての折衝を経て、同年三月二二日から支部と団体交渉を持つようになつたこと、支部が、同月ころから同年六月ころにかけて、日産型交替制にともなう遅番勤務や計画残業等に関するビラを配布したことは認める。その余の事実は否認する。(三) (五)後段の事実のうち、原告がその主張の必要残業時間にリリーフマンをあてて作業させていたことは認める。その余の事実は否認する。(四) (六)ないし(八)の各後段の事実は否認する。(五) (二)後段の事実について(被告)原告が、日産型交替制や計画残業等の残業について、初審命令が発せられた後に支部と団体交渉を行な る。(四) (六)ないし(八)の各後段の事実は否認する。(五) (二)後段の事実について(被告)原告が、日産型交替制や計画残業等の残業について、初審命令が発せられた後に支部と団体交渉を行なつたことは認める。本件命令が発せられた後における事実については知らない。その余の事実は否認する。(参加人ら)原告が、日産型交替制や計画残業等の残業について、初審命令が発せられた後および本件命令が発せられた後に支部と団体交渉を行なつたことは認める。その余の事実は否認する。六第六項について否認する。第四証拠関係(省略) 理由 一当事者等請求原因第一項の事実は、支部の昭和四八年一月三一日当時における組合員数を除いて、当事者間に争いない。弁論の全趣旨によれば、支部の同日当時における組合員数は九〇名位であることが認められる。二本件命令請求原因第二項の事実と、第三項の事実のうち、本件命令が、原告が支部所属の組合員に対し残業を命じなかつたことをもつて不当労働行為であるとした初審命令の判断を相当であるとしていることは、当事者間に争いない。三原告およびプリンスの交替制勤務と残業の実態(一) 命令書理由第一・2・(1)記載の事実は、当事者間に争いない。成立に争いない乙第六五号証、証人Aの証言により成立を認める甲第一号証および同証言によれば、プリンスにおいてなされていた残業は、業務上の必要に応じてその都度、所属長の業務命令により、あるいは従業員が所属長に申し出てその許可を受けて行なうという方式によるものであつたことが認められる。 いない。三原告およびプリンスの交替制勤務と残業の実態(一) 命令書理由第一・2・(1)記載の事実は、当事者間に争いない。成立に争いない乙第六五号証、証人Aの証言により成立を認める甲第一号証および同証言によれば、プリンスにおいてなされていた残業は、業務上の必要に応じてその都度、所属長の業務命令により、あるいは従業員が所属長に申し出てその許可を受けて行なうという方式によるものであつたことが認められる。(二) 命令書理由第一・2・(2)記載の事実は、当事者間に争いない。前掲甲第一号証、乙第六五号証、成立に争いない乙第三五号証および証人Aの証言によれば、プリンスは、原告に吸収合併された当時、 る。(二) 命令書理由第一・2・(2)記載の事実は、当事者間に争いない。前掲甲第一号証、乙第六五号証、成立に争いない乙第三五号証および証人Aの証言によれば、プリンスは、原告に吸収合併された当時、生産と販売のバランスがとれずに大量の在庫車をかかえていたこと、そこで、原告は、この在庫車処理のために生産縮小の必要があつたので、プリンスを吸収合併した昭和四一年八月一日から昭和四二年一月ころまでの間、荻窪、三鷹および村山の旧プリンスの三工場の製造部門において後記認定のような日産型交替制や計画残業を実施しなかつたこと、そして、右の期間右の三工場においては、残業は前認定のようなプリンス方式によりなされていたことが認められる。(三) 命令書理由第一・2・(3)記載の事実は、当事者に争いない。前掲甲第一号証、乙第三五、第六五証、成立に争いない乙第二六、第三七号証および証人A、同B、同Cの各証言によれば、原告は、前記三工場における在庫車の減少等にともなつて増産体勢をとることにし、昭和四二年二月一日から、右三工場の製造部門においても他の工場におけると同様に日産型交替制と計画残業を実施することにしたこと、この日産型交替制は生産原価を低減させるために生産設備の稼動効率をできる限り高めようとするものであること、計画残業は、現有従業員で毎月の生産計画を達成するには残業が必要とされるところから、この生産計画達成に必要とされる従業員一人あたりの月間残業時間を、従業員の従来の残業就労率を見込んで職場単位に算出し、これを各就労日に割り振る等して、従業員を計画的に日々必要時間数だけ残業に服させようとするものであること、この計画残業が右三工場の製造部門において実施されると、その製造部門のコンベアー作業に従事する従業員のうちから計画残業に服さない者が出たような場合には、他の 必要とされるところから、この生産計画達成に必要とされる従業員一人あたりの月間残業時間を、従業員の従来の残業就労率を見込んで職場単位に算出し、これを各就労日に割り振る等して、従業員を計画的に日々必要時間数だけ残業に服させようとするものであること、この計画残業が右三工場の製造部門において実施されると、その製造部門のコンベアー作業に従事する従業員のうちから計画残業に服さない者が出たような場合には、他の だけ残業に服させようとするものであること、この計画残業が右三工場の製造部門において実施されると、その製造部門のコンベアー作業に従事する従業員のうちから計画残業に服さない者が出たような場合には、他の従業員を補充して作業にあたらせなければならなくなるとともに、この補充体勢を整えるのにかなりの手数をかけなければならなくなること、したがつて、計画残業に服することの不確実な従業員をこれに組み入れて右作業に従事させるときは、作業の円滑な遂行が阻害され、業務に少なからず支障を生ずることになること、また、製造部門の他の作業に従事する従業員についてみても、右のような計画残業に服することの不確実な従業員をこれに組み入れようとすれば、作業上の支障をより少なくするために、共同作業にはつけないで単独作業につける等の配慮をしなければならなくなること、なお、原告は、計画残業の実施にあたつて、従業員に病気等やむを得ない事情があるときにはこれに服さないことを認めているし、これに服さないことがあつたとしても、その理由のいかんを問わず、このことにより従業員を処分したりするようなこともしていないことが認められる。四本件残業問題発生をめぐる諸事情(一) 命令書理由第一・3・(1)および(2)記載の事実は、当事者間に争いない。(二) 命令書理由第一・3・(3)記載の事実は、当事者間に争いない。前掲甲第一号証、乙第三七、第六五号証、成立に争いない甲第五、第八、第九、第一四号証、乙第三九、第四一号証および証人Aの証言によれば、原告は昭和四二年三月二二日から同年六月三日までの間に六回にわたつて支部と団体交渉を持つたが、この団体交渉においては、団体交渉ルールの設定等についての問題のほか、支部の春闘要求事項である賃上げ(但し、定期昇給を含む。)問題とか合併にともなう賃金体系、退職 わたつて支部と団体交渉を持つたが、この団体交渉においては、団体交渉ルールの設定等についての問題のほか、支部の春闘要求事項である賃上げ(但し、定期昇給を含む。 四二年三月二二日から同年六月三日までの間に六回にわたつて支部と団体交渉を持つたが、この団体交渉においては、団体交渉ルールの設定等についての問題のほか、支部の春闘要求事項である賃上げ(但し、定期昇給を含む。)問題とか合併にともなう賃金体系、退職 わたつて支部と団体交渉を持つたが、この団体交渉においては、団体交渉ルールの設定等についての問題のほか、支部の春闘要求事項である賃上げ(但し、定期昇給を含む。)問題とか合併にともなう賃金体系、退職金等に関する問題等がもつぱら議題とされてきたことが認められる。(三) 命令書理由第一・3・(4)記載の事実は、当事者間に争いない。(四) 命令書理由第一・3・(5)記載の事実のうち、原告が、前記三工場の製造部門の支部所属組合員が早番勤務を所定時間で終えた後の必要残業時間に、臨時雇の作業員をあてるなどして作業させていたことを除くその余の事実、原告が右の必要残業時間にリリーフマンをあてて作業させていたことは、当事者間に争いない。前掲甲第一号証、乙第三九号証および証人Aの証言によれば、原告は、このリリーフマンによる補充計画を毎月あらかじめ組んだうえで、昭和四二年二月一日以降計画残業を実施してきたこと、なお、支部は、製造部門において日産型交替制が実施される以前から、日産型交替制にともなう遅番勤務のような夜勤には反対であるとの情宣活動を行なつてきたことが認められる。(五) 命令書理由第一・3・(7)記載の事実は、当事者間に争いない。成立に争いない乙第二八、第四七ないし第五七号証によれば、支部が昭和四二年三月ころから同年六月ころにかけて配布したビラは春闘要求、メーデー参加等に関するものであるが、これには、「会社の残業政策を粉砕しよう。」、「労働条件を合併前に戻せ。」、「深夜勤務の強化、夜勤の早出、隔週夜勤反対。」、「残業、公出……の強制反対。」、「強制残業、深夜勤務はすぐやめよ。」、「残業は自由意思でやらせろ。」等の記載もあることが認められる。(六) 命令書理由第一・3・(8)記載の事実は、当事者間に争いない。前掲甲第一号証、弁論の全趣旨により成立を認 勤務はすぐやめよ。」、「残業は自由意思でやらせろ。」等の記載もあることが認められる。(六) 命令書理由第一・3・(8)記載の事実は、当事者間に争いない。前掲甲第一号証、弁論の全趣旨により成立を認める乙第一二号証および証人Aの証言によれば、昭和四二年六月三日の団体交渉において、原告は、計画残業を強制残業であるとしてこれに反対している限り、支部所属の組合員に計画残業をさせるわけにはゆかない旨主張し、支部は、「残業は指示、協力の関係だ。 意思でやらせろ。」等の記載もあることが認められる。(六) 命令書理由第一・3・(8)記載の事実は、当事者間に争いない。前掲甲第一号証、弁論の全趣旨により成立を認める乙第一二号証および証人Aの証言によれば、昭和四二年六月三日の団体交渉において、原告は、計画残業を強制残業であるとしてこれに反対している限り、支部所属の組合員に計画残業をさせるわけにはゆかない旨主張し、支部は、「残業は指示、協力の関係だ。これが一方的な命令服従の関係では反対だ。」と主張していること、また、同年八月二六日の団体交渉において、支部は、「われわれは強制残業に反対しているのであつて、基準法に基づく残業には反対していないのだ。」と主張していることが認められる。(七) 命令書理由第一・3・(1〇)記載の事実は、当事者間に争いない。(八) 命令書理由第一・3・(11)記載の事実は、当事者間に争いない。前掲乙第一二、第三九、第四一号証、成立に争いない乙第二九号証によれば、昭和四三年一月二六日の団体交渉において、原告は、日産型交替制と計画残業は組みあわせになつている一体のものであるとして、その内容ならびに日産型交替制に服した場合に支給される手当等について説明し、支部は、残業問題と夜勤問題は別個の問題であり、日産型交替制にともなう遅番勤務には基本的に反対である旨主張していることが認められる。(九) 当事者間に争いない事実と成立に争いない甲第一三号証、乙第五八号証、証人Bの証言により成立を認める甲第一一号証、証人Cの証言により成立を認める甲第一二号証および右各証言によれば、次の事実が認められる。1 原告は、初審命令が発せられた後の昭和四六年六月一八日から昭和四七年四月一八日までの間に、八回にわたつて支部と団体交渉を行ない、日産労組所属の組合員 よび右各証言によれば、次の事実が認められる。1 原告は、初審命令が発せられた後の昭和四六年六月一八日から昭和四七年四月一八日までの間に、八回にわたつて支部と団体交渉を行ない、日産労組所属の組合員と同様に、前記三工場の製造部門の支部所属組合員は日産型交替制と計画残業に服し、これらが実施されていない間接部門の支部所属組合員も、原告において残業を命ずることにするので、これに服するよう申し入れた。これに対して支部は、製造部門における日産型交替制にともなう遅番勤務には反対である旨主張するとともに、間接部門における残業についても、支部所属組合員のうちには残業をするほどの量のない作業あるいは質の低い作業に従事している者がいるとして、この作業の量あるいは質に関する問題が解決されない限りこれを受け入れることはできない旨主張した。 も、原告において残業を命ずることにするので、これに服するよう申し入れた。これに対して支部は、製造部門における日産型交替制にともなう遅番勤務には反対である旨主張するとともに、間接部門における残業についても、支部所属組合員のうちには残業をするほどの量のない作業あるいは質の低い作業に従事している者がいるとして、この作業の量あるいは質に関する問題が解決されない限りこれを受け入れることはできない旨主張した。そして、原告と支部との間に右の問題を解決するための交渉が持たれたのであるが、結局意見の一致をみることができなかつたので、間接部門における残業についても合意に達しなかつた。2 原告は本件命令が発せられた後の昭和四八年四月一九日に支部と団体交渉を行ない、前記三工場の製造部門の支部所属組合員は日産型交替制と計画残業に服するよう、ならびに、仮に日産型交替制にともなう遅番勤務には応じられないとしても、計画残業には服するよう申し入れた。これに対して支部は、遅番勤務には応じられないが、計画残業に服するか否かについては支部所属組合員の自由意思によるべきであるということを前提として、計画残業に協力する旨回答した。そこで、原告は、この回答についてはともかくとして、同年六月四日から製造部門の支部所属組合員を計画残業に組み入れることにした。しかし、同日以降昭和四九年一月までの間における製造部門の支部所属組合員の計画残業についての残業就労率をみると、 くとして、同年六月四日から製造部門の支部所属組合員を計画残業に組み入れることにした。しかし、同日以降昭和四九年一月までの間における製造部門の支部所属組合員の計画残業についての残業就労率をみると、コンベアー作業が行なわれていない荻窪および三鷹の両工場の場合には他の従業員のそれより六〇パーセント位低く、コンベアー作業が行なわれている村山工場の場合には他の従業員のそれより五〇ないし七五パーセント位低く、そのために、右三工場の製造部門においては前認定のような業務上の支障が現実に生じている。五不当労働行為の成否(一) 原告は昭和四二年六月三日から昭和四三年一月二六日までと、昭和四六年六月一八日から昭和四七年四月一八日までの間の支部との団体交渉において、前記三工場の製造部門の支部所属組合員は計画残業あるいはこれと日産型交替制に服するよう明示的あるいは黙示的に申し入れた。 五〇ないし七五パーセント位低く、そのために、右三工場の製造部門においては前認定のような業務上の支障が現実に生じている。五不当労働行為の成否(一) 原告は昭和四二年六月三日から昭和四三年一月二六日までと、昭和四六年六月一八日から昭和四七年四月一八日までの間の支部との団体交渉において、前記三工場の製造部門の支部所属組合員は計画残業あるいはこれと日産型交替制に服するよう明示的あるいは黙示的に申し入れた。これに対して支部は、日産型交替制にともなう遅番勤務については明確に拒否した。また、右団体交渉の際における支部の計画残業に関する主張、発言等は、その具体的内容および支部が昭和四二年三月ころから同年六月ころにかけて配布したビラの記載内容、支部所属組合員が従来行なつてきたプリンス方式の残業と計画残業との差異等ならびに前掲乙第三九号証、成立に争いない乙第三四号証によれば、計画残業をもつて強制残業である等として、これを拒否した趣旨のものであると認められる。それに、日産型交替制と計画残業は右三工場の製造部門における実施以前から原告の他の工場において既に実施されていたものであること、日産型交替制と計画残業の内容とその関連性、これらを右三工場の製造部門において実施しようとした理由、右三工場の製造部門の日産労組所属組合員はこれらに服していたこと等からすれば、原告が支部に対して、その所属組合員は 画残業の内容とその関連性、これらを右三工場の製造部門において実施しようとした理由、右三工場の製造部門の日産労組所属組合員はこれらに服していたこと等からすれば、原告が支部に対して、その所属組合員は計画残業あるいはこれと日産型交替制に服するよう求めたことについて、首肯し難いような点はみられない。さらに、支部が計画残業に反対しているにもかかわらずその所属組合員をこれに組み入れるならば業務に支障を生ずるおそれがあると原告が懸念したとしても、それは無理からぬところであり、このことは、原告が右三工場の製造部門の支部所属組合員を現実に計画残業に組み入れた昭和四八年六月四日以降の状況からも明らかに裏付けられる。加えて、原告は、昭和四六年六月一八非から昭和四七年四月一八日までの支部との団体交渉において、右三工場の間接部門の支部所属組合員も残業に服するよう求めたが、支部からの要求であるその所属組合員の従事している作業の量ならびに質に関する問題について意見の一致をみることがでなかつた結果、この間接部門における残業についても合意に達しなかつたのである。 れた昭和四八年六月四日以降の状況からも明らかに裏付けられる。加えて、原告は、昭和四六年六月一八非から昭和四七年四月一八日までの支部との団体交渉において、右三工場の間接部門の支部所属組合員も残業に服するよう求めたが、支部からの要求であるその所属組合員の従事している作業の量ならびに質に関する問題について意見の一致をみることがでなかつた結果、この間接部門における残業についても合意に達しなかつたのである。そして、これに関して、原告の執つた態度に納得し難いところがあつたことを認めるに足りる証拠はない。そうだとすれば、他に支部の運営への支配介入を企図したものであることを裏付けるような特段の事情のない限り、原告が右三工場の製造部門の支部所属組合員に対しては昭和四二年六月三日以降、間接部門の支部所属組合員に対しては昭和四六年六月一八日以降残業を命じなかつたことは、支部が自らの自主的な判断により原告の申入れを拒否したことの結果によるものとみられるから、不当労働行為を構成しない。(二) 前認定の命令書理由第一・3・(2)、(5)第三段記載の事実、ならびに当事者間に争いない命令書理由第一・3・(6)記載の事実(但し、日産労 によるものとみられるから、不当労働行為を構成しない。(二) 前認定の命令書理由第一・3・(2)、(5)第三段記載の事実、ならびに当事者間に争いない命令書理由第一・3・(6)記載の事実(但し、日産労組所属組合員の発言内容を除く。)は、原告が昭和四二年六月三日または昭和四六年六月一八日に至るまで前記三工場の支部所属組合員に残業を命じなかつたことの関係においてであるならばともかくとして、原告がそれ以後においても残業を命じなかつたこととの関係において前述のような特段の事情にあたるとみることはできない。前認定の命令書理由第一・3・(4)後段記載の事実および原告が昭和四二年二月一日以降、右三工場の製造部門の支部所属組合員を早番勤務にのみ組み入れ、右支部所属組合員に残業を命じず、右支部所属組合員が早番勤務を所定時間で終えた後の必要残業時間に、リリーフマンをあてて作業させていたという事実も、前段に述べたところと同断である。ことに、右各事実に関しては次のような事情、すなわち、原告は、同年一月にはともかく支部の存在を認め、その後は支部と団体交渉ルールの設定等について折衝したり、また同年三月二二日から同年六月三日までの間には、もつぱら支部の春闘要求事項であり、基本的な労働条件にかかわる重要事項でもある賃上げ(但し、定期昇給を含む。 残業時間に、リリーフマンをあてて作業させていたという事実も、前段に述べたところと同断である。ことに、右各事実に関しては次のような事情、すなわち、原告は、同年一月にはともかく支部の存在を認め、その後は支部と団体交渉ルールの設定等について折衝したり、また同年三月二二日から同年六月三日までの間には、もつぱら支部の春闘要求事項であり、基本的な労働条件にかかわる重要事項でもある賃上げ(但し、定期昇給を含む。)問題とか合併にともなう賃金体系、退職金等に関する問題等について団体交渉を行つていたこと、支部は、右三工場の製造部門において日産型交替制が実施される以前から、日産型交替制にともなう遅番勤務のような夜勤には反対であるとの情宣活動をし、同年三月ころから同年六月ころにかけては、前認定のとおり記載のあるビラを配布していたこと、ならびに、原告において、支部が計画残業に反対しているものと考えたうえ、この反対にもかかわらずその所属組合員を 年三月ころから同年六月ころにかけては、前認定のとおり記載のあるビラを配布していたこと、ならびに、原告において、支部が計画残業に反対しているものと考えたうえ、この反対にもかかわらずその所属組合員を計画残業に組み入れるならば業務に支障を生じるおそれがあることを懸念し、リリーフマンを作業にあてたこと自体にはそれなりの理由があるし、リリーフマンを作業にあてるにあたつては、このリリーフマンによる補充計画を毎月あらかじめ組むという、作業の円滑な遂行の観点からすれば妥当な方策を講じていること等の事情がる。そして、このような事情がるということは、原告が同年六月三日または昭和四六年六月一八日に至るまで右三工場の支部所属組合員に残業を命じなかつたこととの関係においては格別、少なくとも、原告がそれ以後においても残業を命じなかつたこととの関係においてみる限り、右各事実をもつて前述のような特段の事情に当たるとみることをより一層困難ならしめる。命令書理由第一・3・(9)記載の事実については、前掲乙第三九号証、弁論の全趣旨により成立を認める乙第一三、第一五、第一八、第二一、第二三および第二四号証にこれに添う記載部分があるが、右各記載部分は信用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。以上のほか、原告が昭和四二年六月三日または昭和四六年六月一八日以降においても右三工場の支部所属組合員に残業を命じなかつたことについて、前述のような特段の事情を認めるに足りる証拠はない。 載の事実については、前掲乙第三九号証、弁論の全趣旨により成立を認める乙第一三、第一五、第一八、第二一、第二三および第二四号証にこれに添う記載部分があるが、右各記載部分は信用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。以上のほか、原告が昭和四二年六月三日または昭和四六年六月一八日以降においても右三工場の支部所属組合員に残業を命じなかつたことについて、前述のような特段の事情を認めるに足りる証拠はない。六結論そうすると、本件命令は、原告が支部所属の組合員に対し残業を命じなかつたことをもつて不当労働行為であるとした初審命令の判断を相当であるとして、原告の再審査の申立を棄却しているから、違法として取消しを免れない。よつて、原告の本訴請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担については行政 働行為であるとした初審命令の判断を相当であるとして、原告の再審査の申立を棄却しているから、違法として取消しを免れない。よつて、原告の本訴請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担については行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条、第九二条後段を適用して、主文のとおり判決する。(別紙)命令書(中労委昭和四六年(不再)第三八号昭和四八年三月一九日命令再審査申立人日産自動車株式会社再審査被申立人日本労働組合総評議会全国金属労働組合外二名) 主文 本件再審査申立を棄却する。理由 第一当委員の認定した事実一当事者等(1) 再審査申立人日産自動車株式会社(以下「会社」という。)は、昭和四一年八月一日プリンス自動車工業株式会社(以下「プリンス」という。)を吸収合併し、現在肩書地に本社を、横浜、荻窪、三鷹、村山その他に工場を置き、乗用車、トラック等の製造を業とする会社であり、その従業員数は昭和四八年一月末日現在約五三、〇〇〇名である。(2) 再審査被申立人日本労働組合総評議会全国金属労働組合(以下「全金」という。)は、全国の金属機械産業の労働者で組織する労働組合である。再審査被申立人日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部(以下「地本」という。)は、東京都内の全金組合員で組織する労働組合である。再審査被申立人日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部プリンス自動車工業支部(以下「支部」という。)は、全金及び地本の組合員であつて会社に雇用されるものが組織する労働組合であり、その組合員数は昭和四八年一月末日現在九一名である。 者で組織する労働組合である。再審査被申立人日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部(以下「地本」という。)は、東京都内の全金組合員で組織する労働組合である。再審査被申立人日本労働組合総評議会全国金属労働組合東京地方本部プリンス自動車工業支部(以下「支部」という。)は、全金及び地本の組合員であつて会社に雇用されるものが組織する労働組合であり、その組合員数は昭和四八年一月末日現在九一名である。(3) なお、支部のほかに会社および関連会社の従業員をもつて組織する全日産自動車労働組合(以下「日産労組」という。)があり、会社従業員の大多数がこ の組合員数は昭和四八年一月末日現在九一名である。(3) なお、支部のほかに会社および関連会社の従業員をもつて組織する全日産自動車労働組合(以下「日産労組」という。)があり、会社従業員の大多数がこれに加入している。2 会社およびプリンスの交替制勤務と残業の実体(1) 昭和四一年八月一日会社に合併されるまで、プリンスの荻窪、三鷹、村山の三工場の製造部門においては、左表のような二交替ないし三交替の勤務体制が採られていた。<18584-001>そしてプリンスは、一直勤務者には多少の時間外勤務や休日勤務(以下あわせて「残業」という。)を課すことはあつたが、二直勤務者に対して残業を課すことはほとんどなかつた。(2) 会社は、昭和四一年八月一日の企業合併後、旧プリンスの三工場については暫定的にプリンスの勤務体制に近い交替制を採り、途中同年一〇月からは、生産縮小の必要上大部分の部署において交替制勤務をやめ、昼間勤務のみを行つた。また、会社は、同年八月以降翌四二年一月ごろまでは、残業について支部組合員と日産労組の組合員との間に格別異なる取扱いをしなかつたので、支部組合員もかなりの時間、残業を行つていた。(3) 会社は、昭和四二年二月一日からは、前記三工場の製造部門において、会社の他工場で実施しているのと同様の昼夜二交替の勤務体制(以下「日産型交替制」という。)を採ることとした。その勤務態様は左表のとおりである。<18584-002>なお、会社は、右日産型交替制実施にあわせて残業を計画的に実施することとし、毎月の残業計画は各前月に日産労組と協議して決めた上で実施に移していた(以下これを「計画残業」という。)具体的には早番については一―二時間勤務期間が延長され、遅番については所定の始業時刻が早められて所定勤務時間を超過した時間が時間外勤 交替制」という。)を採ることとした。その勤務態様は左表のとおりである。<18584-002>なお、会社は、右日産型交替制実施にあわせて残業を計画的に実施することとし、毎月の残業計画は各前月に日産労組と協議して決めた上で実施に移していた(以下これを「計画残業」という。)具体的には早番については一―二時間勤務期間が延長され、遅番については所定の始業時刻が早められて所定勤務時間を超過した時間が時間外勤 して決めた上で実施に移していた(以下これを「計画残業」という。)具体的には早番については一―二時間勤務期間が延長され、遅番については所定の始業時刻が早められて所定勤務時間を超過した時間が時間外勤務として取り扱われた。また月一回の休日出勤が通例であつた。後述のように会社は、この計画残業に支部組合員を一切組み入れなかつた。3 本件残業問題発生をめぐる諸事情(1) 昭和四一年八月一日の企業合併を前にして、支部組合員のなかに全金を脱退し日産労組は加入しようとする者と全金にとどまろうとする者とが生じて、両派の対立が激化し、結局大多数は日産労組に加入した。(2) 右合併前後に発生した労使紛争につき東京地方労働委員会および当委員会は、次のような組合の申立に対してそれぞれ不当労働行為救済命令を発している。① 全金、地本および支部は、プリンスが、支部はすでに全金を脱退しておりもはや全金の名を冠する支部は存在しないとの理由で合併に伴う労働条件に関する団交を拒否したことが不法労働行為にあたるとして、東京地労委に救済申立てをしたが、これに対し同地労委は、同年七月一二日付で、プリンスはその団交に応じなければならないという内容の救済命令を発し、また当委員会も同年一一月二六日付で合併後の会社を名宛人としてこれを支持する命令を発した。② 全金は、右合併を前にして、会社やプリンスがその職制らをして支部の組織を破壊するに至らしめるような発言をなさしめ、また職制らがそのような発言をするのを放置し、支部内における日産労組との提携を望む者の活動を支援するような行為をしたことは不法労働行為にあたるとして東京地労委に救済を申し立てたが、これに対し同地労委は、同年七月二六日付で、イ、プリンスは、工場長、課長をして支部組合員に対して、全金の支持を弱めるような言動をなさしめたり、ま 労働行為にあたるとして東京地労委に救済を申し立てたが、これに対し同地労委は、同年七月二六日付で、イ、プリンスは、工場長、課長をして支部組合員に対して、全金の支持を弱めるような言動をなさしめたり、また、係長、班長が係員に対し就業時間中に同旨の説得活動を行うことを放置してはならない、ロ、プリンスは、全金組合員以外の者が全金の支持を弱めるような活動をするにあたつて、会社の会議室や食堂を利用させるなど特別の便宜を供与してはならない、等を内容とする一部救済命令を発した。 同地労委は、同年七月二六日付で、イ、プリンスは、工場長、課長をして支部組合員に対して、全金の支持を弱めるような言動をなさしめたり、また、係長、班長が係員に対し就業時間中に同旨の説得活動を行うことを放置してはならない、ロ、プリンスは、全金組合員以外の者が全金の支持を弱めるような活動をするにあたつて、会社の会議室や食堂を利用させるなど特別の便宜を供与してはならない、等を内容とする一部救済命令を発した。③ 全金、地本および支部は、会社が右合併後の機構改革に伴い、支部組合員六名を配置転換したことは不当労働行為にあたるとして東京地労委に救済を申し立てたが、これに対し同地労委は、昭和四六年四月六日付で、右六名の原職ないし原職相当職への復帰を内容とする救済命令を発した。その後この事件は、同年一二月一五日当委員会で和解が成立し、終結している。(3) 会社は、前記(2)の①の当委員会の命令が発せられたのち、昭和四二年一月、支部の存在を認め、その後団交ルールの設定等につき二―三回支部と接渉し、同年三月二二日より正式の団交を開始した。(4) 会社は、前記(2)の(3)認定のとおり、同年一月下旬、日産型交替制および計画残業の導入について、日産労組と協議し、これらを翌二月一日より実施することとした。しかし、会社は、これらの導入について支部に対しては何らの提案もしていない。(5) 会社は、同年二月以降製造部門の日産労組の組合員を交替制に組み入れ、かつ恒常的に一日一―二時間の時間外勤務および月一回程度の休日出勤をさせた。また交替制勤務のない間接部門では、会社は、日産労組の組合員に対しては日産労組との協定にもとづき、業務の必要に応じて一日四時間、一ヶ月五〇時間の範囲内で残業を命じた。ところ の休日出勤をさせた。また交替制勤務のない間接部門では、会社は、日産労組の組合員に対しては日産労組との協定にもとづき、業務の必要に応じて一日四時間、一ヶ月五〇時間の範囲内で残業を命じた。ところが会社は、製造部門の支部組合員を早番のみの勤務に組み入れ、残業は一切させず、支部組員が早番勤務を所定時間で終えたあとの必要残業時間は、臨時雇の作業員をあてるなどして残業させていた。また、会社は、同月以降間接部門に属している支部組合員にも残業を全く命じなくなつた。(6) 同年一、二月ごろから工場内において昼休み時間や早番終了後多数の日産労組の組合員が少数の支部組合員を取り囲んで「全金をやめろ」、「会社をやめろ」などと言い、紛争が生じた。 みの勤務に組み入れ、残業は一切させず、支部組員が早番勤務を所定時間で終えたあとの必要残業時間は、臨時雇の作業員をあてるなどして残業させていた。また、会社は、同月以降間接部門に属している支部組合員にも残業を全く命じなくなつた。(6) 同年一、二月ごろから工場内において昼休み時間や早番終了後多数の日産労組の組合員が少数の支部組合員を取り囲んで「全金をやめろ」、「会社をやめろ」などと言い、紛争が生じた。(7) 支部は、同年三月ごろから六月ごろにかけて強制残業反対、深夜勤務反対等の趣旨のことを記載した組合ビラを配布した。(8) 支部は、同年六月、支部組合員にも残業をさせるよう会社に申し入れ、以降同年一二月まで同問題につき会社と正式な団交を数回行つたが、その間次のようなよりとりがあつた。① 同年六月三日の団交の席上、支部は、会社に対し、全金組合員が残業の協力を申し出ても職制は、お前は残業計画に入つていないとか、お前は信用できないなどと述べて残業をさせないが、これはどういうことか、という趣旨のことを問い質した。これに対し会社は、支部組合員には残業をさせないようにとの指示を各職制に出してはいない、残業をさせないのは全金の組合員だからということではなく、信頼関係の問題だ、自分の用があつても会社に協力して残業するという場合と、用があるからだめだ、それをもし残業させることは強制残業ではないか、というようなことをいつていたのでは、信用も信頼関係も生れないとの趣旨のことを述べた。② 同年一一月二三日の団交の席上、支部は、 、用があるからだめだ、それをもし残業させることは強制残業ではないか、というようなことをいつていたのでは、信用も信頼関係も生れないとの趣旨のことを述べた。② 同年一一月二三日の団交の席上、支部は、われわれは以前から残業反対とは言つていない、従来も三六協定に基づく残業には協力してきた、ただ強制残業には反対だと言つているのだ、現在会社の定時間勤務の賃金だけでは生活できない、という趣旨のことを述べた。③ 同年一一月二八日の団交の席上会社は、残業が必要なときにやつてもらえないということでは各職制も残業を頼めなくなるだろうという趣旨のことを述べた。その際支部は、残業は何もすきこのんでやるわけではない、賃金が低く生活保護基準以下の実態があるから残業せざるを得ないのだ、その残業をやらせないというような差別をやめろと言つているのだ、等の趣旨のことを述べた。 だけでは生活できない、という趣旨のことを述べた。③ 同年一一月二八日の団交の席上会社は、残業が必要なときにやつてもらえないということでは各職制も残業を頼めなくなるだろうという趣旨のことを述べた。その際支部は、残業は何もすきこのんでやるわけではない、賃金が低く生活保護基準以下の実態があるから残業せざるを得ないのだ、その残業をやらせないというような差別をやめろと言つているのだ、等の趣旨のことを述べた。(9) 支部は、同年一二月支部組合員に各職場で課長、係長、組長らに残業を命じない理由を質問させたところ、課長らは、「支部組合員は日常的に仕事に協力的ではない。」、「それは君自身良く知つているはずだよ。」、「会社の方針であり課の方針でもある。」、「君はビラをまいたり、会社にいろいろたてついている。」、「君は考え方がちがうので信頼できない。」、「考え方を変えて全金を脱退しておれたちの方へ来いよ。」等と答えた。(10) 支部は、同月一五日会社に対して夜間勤務に応ずる条件として週五日制とすること、夜間勤務のときは昼間よりベルトコンベアのスピードを落とすことなどを要求し、ついで本部、地本および支部は、同月二七日東京地労委に残業問題をめぐる紛争についてあつせん申請した。(11) 会社は、翌四三年一月二六日、地労委のあつせん員の勧告にもとづき支部との団交を再開し、その際、支部組合員にだけ夜間勤務を免除し、昼間 地労委に残業問題をめぐる紛争についてあつせん申請した。(11) 会社は、翌四三年一月二六日、地労委のあつせん員の勧告にもとづき支部との団交を再開し、その際、支部組合員にだけ夜間勤務を免除し、昼間勤務と残業をさせることは、日産労組の組合員との均衡からも認め難いとの態度をはじめて示した。なお会社は、その際前記(10)の支部の要求については拒否した。これに対し支部は、現在の条件のままでは夜勤には反対であるとの立場をとり、結局交渉はもの別れに終わつた。以上の事実が認められる。第二当委員会の判断会社は、支部組合員に対し残業を命じなかつた会社の行為は不当労働行為に該当するとした初審判断を争い、次のとおり主張する。① 会社は、昭和四二年二月一日に日産型交替制を実施したが、以降支部組合員が残業を一切しなくなつたのには、支部に責任があるのであつて、会社が支部組合員と日産労組組合員とを差別して取り扱つた結果ではない。 場をとり、結局交渉はもの別れに終わつた。以上の事実が認められる。第二当委員会の判断会社は、支部組合員に対し残業を命じなかつた会社の行為は不当労働行為に該当するとした初審判断を争い、次のとおり主張する。① 会社は、昭和四二年二月一日に日産型交替制を実施したが、以降支部組合員が残業を一切しなくなつたのには、支部に責任があるのであつて、会社が支部組合員と日産労組組合員とを差別して取り扱つた結果ではない。すなわち、支部組合員は、企業合併が行なわれた昭和四一年八月から同年年末までの間は、日産労組の組合員と同様の残業をしていたのに、翌四二年一月からはどういうわけか残業をしなくなり、同年二月日産型交替制実施以降も、支部は強制残業反対のビラをまくなどして、その実は計画残業に反対の態度をとりつづけたため、会社は支部組合員を計画残業に組み入れることができなかつたのである。ところが、同年六月になつて支部は、会社に対し、にわかに支部組合員を残業に組み入れるように要求してきたが、その後の団交においても、あくまで計画残業に反対する態度をとりつづけたので、両者の意見が対立したまま交渉は打ちき切られた。② この残業問題は、同年一二月支部の申請により地労委のあつせんの場に移されたのであるが、あつせん員が労使に対して本問題につき団交をするように勧告したこ 者の意見が対立したまま交渉は打ちき切られた。② この残業問題は、同年一二月支部の申請により地労委のあつせんの場に移されたのであるが、あつせん員が労使に対して本問題につき団交をするように勧告したことを聞き及んだ日産労組は、会社に対し、もし会社が支部との間で、支部組合員を昼勤体制に置いたまま残業もさせるとの解決策をとるならば、日産労組組合員が支部組合員よりも不利に取り扱われることになるとして、これに強い反対の意向を示した。そこで会社は、支部に対し、支部組合員が日産労組組合員と同様夜勤に服するならば残業に組みいれるとの提案をした。しかし支部はこの提案を拒否したので、支部組合員が残業に入れないことの責めは支部が負うべきである。なお、夜勤のない間接部門に属する支部組合員も残業させていないが、これは支部組合員は個々の勤務形態に関係なく一体のものとして取り扱うことが妥当と考えたためである。以上のとおり主張するので、以下判断する。1 まず、支部組合員が残業をしなくなつた原因とその後の事情について検討する。 に組みいれるとの提案をした。しかし支部はこの提案を拒否したので、支部組合員が残業に入れないことの責めは支部が負うべきである。なお、夜勤のない間接部門に属する支部組合員も残業させていないが、これは支部組合員は個々の勤務形態に関係なく一体のものとして取り扱うことが妥当と考えたためである。以上のとおり主張するので、以下判断する。1 まず、支部組合員が残業をしなくなつた原因とその後の事情について検討する。(1) 前記第一の2の(3)に認定したとおり、会社は、日産型交替制を実施して以降、毎月の残業計画は各前月に日産労組と協議した上で決め、これを実施に移している。ところが会社は、前記第一の3の(4)、(5)認定のとおり、支部に対しては、残業計画はおろか交替制の実施についてすら一切提案せず、支部組合員を一方的に早番のみに組み入れ、かつ計画残業から除外したことが認められる。したがつて交替制実施以降支部組合員が残業をしていないのは会社の方針によるものと認めざるをえない。しかもこの方針は、製造部門のみならず、夜勤のない間接部門の支部組合員にも適用されている。(2) もつとも会社は、交替制ならびに計画残業の実施について支部と協議するつもりはあつたが、 をえない。しかもこの方針は、製造部門のみならず、夜勤のない間接部門の支部組合員にも適用されている。(2) もつとも会社は、交替制ならびに計画残業の実施について支部と協議するつもりはあつたが、支部を団体交渉の相手として認めることとしたのが昭和四二年一月のことであり、その後数ヶ月間は、交渉ルールの設定その他の予備接渉に追われてその暇がなかつたと主張している。しかしながら、労働時間に関する問題は労働条件のうちで最も基本的な事項の一つである以上、会社がこの点につき日産労組とは協議しながら支部に対しては提案すらしなかつたことは、前記第一の3の(2)の①に認定した団交拒否事件にみられるように、支部の存在を否認する会社の意図がこの点においてもあらわれているものと認めざるをえない。(3) 他方支部も、当初は支部組合員が計画残業に組み入れられなかつたことについて、これを差別的扱いとして会社に対し抗議したり、是正を要求したりした事実は認められない。しかし前記第一の3の(6)認定のとおり、昭和四二年一、二月頃会社構内において日産労組員と支部組合員との間に紛争が相次いでおり、支部は、残業時あるいはその後に支部組合員に対する日産労組員による暴行事件が発生することを危惧していた事情が認められるので、支部が組合員の残業問題につき当初は積極性を欠いたとしてもやむをえなかつたものと認められる。 会社に対し抗議したり、是正を要求したりした事実は認められない。しかし前記第一の3の(6)認定のとおり、昭和四二年一、二月頃会社構内において日産労組員と支部組合員との間に紛争が相次いでおり、支部は、残業時あるいはその後に支部組合員に対する日産労組員による暴行事件が発生することを危惧していた事情が認められるので、支部が組合員の残業問題につき当初は積極性を欠いたとしてもやむをえなかつたものと認められる。(4) 前記第一の3の(3)認定のとおり、会社と支部との間で正式の団交が持たれるようになつたのは昭和四二年三月のことであるが、会社は、支部がその頃から強制残業反対と記載したビラをまいたりして、その実は会社の計画残業に反対したのだと主張する。しかし、会社が支部に対し具体的に計画残業組み入れを提案し、支部がこれを拒否したのであればともかく、支部が強制残業反対をスローガンとし、 いたりして、その実は会社の計画残業に反対したのだと主張する。しかし、会社が支部に対し具体的に計画残業組み入れを提案し、支部がこれを拒否したのであればともかく、支部が強制残業反対をスローガンとし、会社の従業員に対して団結の力で長時間労働からの開放をかちとるように訴える活動をしたからといつて、会社がこれをもつて支部が実際の残業を拒否しているものとして受け取り、支部組合員に残業をさせないことは妥当でない。(5) 前記第一の3の(8)認定のとおり、支部が六月に会社に対し残業をさせるよう申し入れたのに対し、会社は、支部が強制残業反対の態度をとつている等の理由でその申し入れを受け入れていない。会社はこのことについて、計画残業は従業員が残業命令に服従することを前提としてなり立つてるところ、支部は、残業をするかしないかは個々人の自由意思によると主張しているのであつて、もし会社がかかる支部の主張を受け入れるならば計画残業体制自体がこわれることになる、と主張する。しかしながら支部は、前記第一の3の(8)の②に認定したとおり会社に対し三六協定に基づく残業には協力するとの態度を表明していること、また、製造部門においては計画残業をしていることを承知した上で残業組入れを申し入れていること、支部はそのビラで残業は個人の自由意思でやらせろ、人間を増やせとの闘いを組もうとの趣旨を将来の方針として呼びかけてはいるが、会社との団交においてそのような主張をした事実は認められないこと、また前記第一の2の(2)認定のとおり支部組合員は以前日産労組員と同様の残業をしていたことあるが、その際恣意的に残業をしたりしなかつたりすることがあつたことは認められないこと等を総合すると計画残業下においても会社の危惧するような事態が発生する惧れがあつたとは考えられない。 やせとの闘いを組もうとの趣旨を将来の方針として呼びかけてはいるが、会社との団交においてそのような主張をした事実は認められないこと、また前記第一の2の(2)認定のとおり支部組合員は以前日産労組員と同様の残業をしていたことあるが、その際恣意的に残業をしたりしなかつたりすることがあつたことは認められないこと等を総合すると計画残業下においても会社の危惧するような事態が発生する惧れがあつたとは考えられない。他方会社は、前記第一 際恣意的に残業をしたりしなかつたりすることがあつたことは認められないこと等を総合すると計画残業下においても会社の危惧するような事態が発生する惧れがあつたとは考えられない。他方会社は、前記第一の3の(8)認定のとおり支部との団交においては抽象的論議に終始し、また同(9)認定のとおり、支部組合員から残業をさせない理由を問われた各職制らも一致していやがらせに類することをのべたてていることからして、会社は、支部組合員には残業させない方針をとり、支部組合員に打撃を与えて、支部組識の弱体化を企図していたものであることは明らかである。2 つぎに、支部組合員が昼勤のまま残業に入ることは、日産労組組合員よりも支部組合員を有利に取り扱うことになるとの会社主張について検討する。本来夜勤に入るか否かは労使間で協議して決定すべき事項である。しかるに会社は、自らの責任において支部組合員を一方的に早番のみに組み入れているのであるから、夜勤をしないことを理由に支部組合員の残業組入れを拒否することは筋違いというべきである。しかも前記第一の3の(5)認定のとおり支部組合員が定時刻に退社したのちは、同人らの担当業務その後の残業にはわざわざ臨時雇の作業員を入れて作業させているのであつて、かかる会社の措置はあまりにも不自然である。とすれば、会社は支部組合員の残業問題を正常化し、別途夜勤問題について支部と交渉すべきであつて、右会社主張は採用し難い。3 前記第二の1および2判断のとおり、会社は、支部組合員に一切残業をさせないことによつて日産労組組合員と差別して取り扱つたことは明らかである。そして残業は、本来は好ましいものではないにしても、労働者にとつては収入源であり、ことに本件会社のように残業が恒常的に行われて超過勤務手当額も多額に及んでいることを併せ考えると、会社は、 かである。そして残業は、本来は好ましいものではないにしても、労働者にとつては収入源であり、ことに本件会社のように残業が恒常的に行われて超過勤務手当額も多額に及んでいることを併せ考えると、会社は、支部組合員に対し、残業をさせないことにより経済的打撃をあたえ、もつて支部組識の弱体化を企図したものと認めざるをえず、会社のかかる行為を労働組合法第七条第三号に該当する不当労働行為であるとした本件初審判断は相当である。 そして残業は、本来は好ましいものではないにしても、労働者にとつては収入源であり、ことに本件会社のように残業が恒常的に行われて超過勤務手当額も多額に及んでいることを併せ考えると、会社は、支部組合員に対し、残業をさせないことにより経済的打撃をあたえ、もつて支部組識の弱体化を企図したものと認めざるをえず、会社のかかる行為を労働組合法第七条第三号に該当する不当労働行為であるとした本件初審判断は相当である。なお、会社は、本件再審査に併行して、支部と交渉し、非夜勤部門については残業をさせる趣旨の提案をしたので、組合の救済申立て中この部分は解決ずみであるともいうが、会社はいまなお初審命令を履行せず、非夜勤部門の支部組合員の残業問題も支部との交渉が調わないまま未解決なのであるから、この点についても会社主張は採用できない。以上のとおり、本件再審査申立てには理由がない。よつて、労働組合法第二五条、同第二七条および労働委員会規則第五五条を適用して主文のとおり命令する。

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る