主文 1 本件訴えのうち,被告A府に対し,A府私立外国人学校振興補助金を交付しない旨の処分の取消しを求める部分及び同補助金の交付の義務付けを求める部分,並びに,被告A市に対し,A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金を交付しない旨の処分の取消しを求める部分及び同補助金の交付の義務付けを求める部分を却下する。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告A府に対する請求(1) 補助金に関する請求ア 1次的請求(主位的請求)(ア) A府知事が原告に対して平成24年3月29日付けでした原告の平成23年度A府私立外国人学校振興補助金の交付申請を不交付とする旨の決定を取り消す。 (イ) A府知事は,原告に対し,上記交付申請に係る平成23年度A府私立外国人学校振興補助金を交付する旨の決定をせよ。 イ 2次的請求(上記アが認容されない場合の予備的請求)被告A府は,原告が平成24年3月9日付けでした平成23年度A府私立外国人学校振興補助金の交付の申込みを承諾せよ。 ウ 3次的請求(上記ア及びイが認容されない場合の予備的請求)原告が,A府私立外国人学校振興補助金交付要綱に基づき平成23年度私立外国人学校振興補助金の交付を受けられる地位にあることを確認する。 エ 4次的請求(上記アからウまでが認容されない場合の予備的請求)被告A府は,原告に対し,8080万円を支払え。 (2) 上記(1)エを除く国家賠償請求ア被告A府は,原告に対し,330万円及びこれに対する平成24年3月29日から支払済みまで年 ,原告に対し,8080万円を支払え。 (2) 上記(1)エを除く国家賠償請求ア被告A府は,原告に対し,330万円及びこれに対する平成24年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ被告A府は,原告に対し,8080万円に対する平成24年3月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告A市に対する請求(1) 補助金に関する請求ア 1次的請求(主位的請求)(ア) A市長が原告に対して平成24年3月30日付けでした原告の平成23年度A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金の交付申請を不交付とする決定を取り消す。 (イ) A市長は,原告に対し,上記交付申請に係る平成23年度A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金を交付する旨の決定をせよ。 イ 2次的請求(上記アが認容されない場合の予備的請求)被告A市は,原告が平成23年9月9日付けでした平成23年度A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金の交付の申込みを承諾せよ。 ウ 3次的請求(上記ア及びイが認容されない場合の予備的請求)原告が,A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金交付要綱に基づき平成23年度A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金の交付を受けられる地位にあることを確認する。 エ 4次的請求(上記アからウまでが認容されない場合の予備的請求)被告A市は,原告に対し,2650万円を支払え。 (2) 上記(1)エを除く国家賠償請求 エ 4次的請求(上記アからウまでが認容されない場合の予備的請求)被告A市は,原告に対し,2650万円を支払え。 (2) 上記(1)エを除く国家賠償請求 ア被告A市は,原告に対し,330万円及びこれに対する平成24年3月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 イ被告A市は,原告に対し,2650万円に対する平成24年3月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要(以下,別紙2「略語一覧」記載のとおり略語を用いる。)学校教育法134条1項に定める外国人を対象とした各種学校を設置運営する学校法人である原告は,被告A府に対して,A府要綱に基づく本件23年度A府補助金8080万円の交付申請(本件A府交付申請)をし,また,被告A市に対して,A市要綱に基づく本件23年度A市補助金2650万円の交付申請(本件A市交付申請)をしたが,A府知事及びA市長によりいずれも不交付とする旨の決定(本件各不交付)を受けた。 本件は,原告が,本件各不交付がいずれも違法であるなどとして,被告A府に対し,1次的に本件A府不交付の取消し(請求1(1)ア(ア))及び本件23年度A府補助金の交付決定の義務付け(同(イ))を求め(本件A府取消等請求),2次的に原告の本件A府申請に対する被告A府による承諾の意思表示を求め(請求1(1)イ。本件A府承諾請求),3次的にA府要綱に基づき原告が本件23年度A府補助金の交付を受けられる地位にあることの確認を求め(同ウ。本件A府確認請求),4次的に本件A府不交付により原告に本件23年度A府補助金相当額8080万円の損害が生じたとして国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として同額の支払を求める(同エ。本件A府補助金国賠請求)とと ,4次的に本件A府不交付により原告に本件23年度A府補助金相当額8080万円の損害が生じたとして国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として同額の支払を求める(同エ。本件A府補助金国賠請求)とともに,その余の国家賠償請求として,風評被害等の損害330万円(弁護士費用30万円を含む。)及びこれに対する遅延損害金(請求1(2)ア)並びに本件23年度A府補助金又は同相当額8080万円の支払の遅延により生じた損害金(同イ)の支払を求め(本件A府風評等国賠請求),また,被告A市に対し,1次的に本件A市不交付の取消し(請求2(1)ア(ア))及び本件23年度A市補助金の交付決定の義務付け(同(イ))を求め(本件A市取消等請求),2次的に原告の本件A市申請に対する被告A市による 承諾の意思表示を求め(請求2(1)イ。本件A市承諾請求),3次的にA市要綱に基づき原告が本件23年度A市補助金の交付を受けられる地位にあることの確認を求め(同ウ。本件A市確認請求),4次的に本件A市不交付により原告に本件23年度A市補助金相当額2650万円の損害が生じたとして国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として同額の支払を求める(同エ。本件A市補助金国賠請求)とともに,その余の国家賠償請求として,風評被害等の損害330万円(弁護士費用30万円を含む。)及びこれに対する遅延損害金(請求2(2)ア)並びに本件23年度A市補助金又は同相当額8080万円の支払の遅延により生じた損害金(同イ)の支払を求める(本件A市風評等国賠請求)事案である。 なお,原告は,本件各風評等国賠請求について,主位的請求であるとともに予備的請求である旨記載するが(平成26年1月17日付け訴えの変更(追加)申立書),同各請求は,本件各承諾請求や本件各確認請求等の補助金に関する請求と 評等国賠請求について,主位的請求であるとともに予備的請求である旨記載するが(平成26年1月17日付け訴えの変更(追加)申立書),同各請求は,本件各承諾請求や本件各確認請求等の補助金に関する請求と条件付ける趣旨は示されておらず,本件各風評等国賠請求は,上記補助金に関する各請求と単純併合のものを誤記したものと認める。 また,原告は,本件各承諾請求と本件各確認請求を,いずれも選択的請求と記載するが(平成26年2月18日付け訴えの変更申立書の補充書),本件各確認請求は,給付請求である本件各承諾請求が認容される場合には確認の利益がなく不適法となることを前提に,被告らの承諾義務が認められず本件各承諾請求が認容されない場合でも,A府要綱及びA市要綱の各交付対象要件該当性の確認を求める趣旨のものと解され,いずれも本件各承諾請求が認容されない場合の予備的請求(3次的請求)と善解することができる。 1 関係法令等の定め関係法令等の定めは,別紙3「関係法令等の定め」のとおりである。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実のほか各項掲記の証拠(以下,証拠番号に枝番のあるものは特記しない限り枝番を全て含む。)等により認定することのできる事実等) (1) 原告原告は,全国に27あるB学園の1つであり,ABC級学校のほかD級学校6校,D・E級学校2校,E級学校1校をA府内に設置する準学校法人である(甲71)。 (2) 本件A府不交付に至るまでの経緯ア被告A府は,昭和47年,「私立各種学校設備費補助金」に係る制度を創設し,原告に対しては,昭和49年度から同補助金を交付した。 被告A府は,平成3年度から,A府私立専修学校専門課程等振興補助金交付要綱に基づいて私立各種学校として認可している外国人 度を創設し,原告に対しては,昭和49年度から同補助金を交付した。 被告A府は,平成3年度から,A府私立専修学校専門課程等振興補助金交付要綱に基づいて私立各種学校として認可している外国人学校について助成を行っており,原告に対してもこれに基づいて補助金の交付をしていたが,平成5年3月19日,A府要綱を制定し,以後,これに基づいて,平成22年度まで,毎年,原告に本件A府補助金を交付してきた。なお,同年度の原告に対する本件A府補助金の額は8724万5000円であった。(以上につき甲122,乙31,32,弁論の全趣旨)イ被告A府は,A府要綱を数回にわたって改正しているところ,平成24年3月7日付け改正前のA府要綱は,別紙3「関係法令等の定め」3(3)のとおりであった(甲9,11)。 ウ原告は,平成24年3月9日,被告A府に対し,平成23年度分に係るFE級学校8校分の平成23年度A府補助金8080万円の交付申請(本件A府申請)をした(甲12,乙27)。 エ平成24年3月16日,一部日刊紙の朝刊に,「B学校生 G氏に忠誠」と題し,「全国のB学校から選抜された児童・生徒約100人が1~2月にH国を訪れた際,故Iと新指導者,G氏に忠誠を誓う歌劇を披露していた」とする本件新聞報道が掲載された(乙3)。 オ被告A府は,平成24年3月29日,原告に対し,本件23年度A府補助金を交付しない旨の決定(本件A府不交付)をし,その旨原告に通知し た。なお,本件A府不交付を通知する書面には,不交付の理由として,A府要綱2条8号に「該当しているとの確証が得られず」,A府要綱「2条に該当するものと確認できない」旨の記載がある。(以上につき甲13)(3) 本件A市不交付に至るまでの経緯ア被告A 府要綱2条8号に「該当しているとの確証が得られず」,A府要綱「2条に該当するものと確認できない」旨の記載がある。(以上につき甲13)(3) 本件A市不交付に至るまでの経緯ア被告A市は,昭和62年度から,各種学校における学校教育の目的を達成するために必要な教具・施設の整備及び学校の維持運営に対する補助金として,原告に対する補助金の交付を行っており,平成3年にはA市要綱を制定し,以後,これに基づいて,平成22年度まで,毎年,原告に本件A市補助金を交付してきた。なお,同年度の本件A市補助金の額は2650万円であった。(以上につき甲123,弁論の全趣旨)。 イ原告は,平成23年9月9日(同月12日消印),被告A市に対し,平成23年度分に係るFE級学校8校分の平成23年度A市補助金2650万円の交付申請(本件A市申請)をした(甲16,丙8,弁論の全趣旨)。 ウ被告A市の担当者は,平成24年3月8日,A市役所J局内において,原告に対して,「B学校に対する補助金支給にかかる要件」と題する本件メモを交付した。なお,本件メモには,次の(ア)から(オ)までの記載がある。 (以上につき甲17,丙8)(ア) 「日本の学習指導要領に準じた教育をする」(イ) 「学校の財務内容の公開」(ウ) 「Kとの関係を清算する」(エ) 「肖像画を教室から撤去する」(オ) 「肖像画を職員室から撤去する」エ被告A市は,A市要綱を数回にわたって改正しているところ,平成24年3月27日付け改正前のA市要綱は,別紙3「関係法令等の定め」4(3)のとおりであった(甲15,18)。 オ被告A市は,平成24年3月頃,原告に対し,本件23年度A市補助金 を交付しない旨の決定( のA市要綱は,別紙3「関係法令等の定め」4(3)のとおりであった(甲15,18)。 オ被告A市は,平成24年3月頃,原告に対し,本件23年度A市補助金 を交付しない旨の決定(本件A市不交付)をし,同月30日,原告に通知した。なお,本件A市不交付を通知する書面には,本件A市不交付の理由として,A市要綱2項の本件A市補助金の交付対象法人ではない旨の記載がある。(以上につき甲19)(4) 本件訴えの提起原告は,平成24年9月20日,本件訴えを提起した。なお,原告は,当初,本件各取消等請求を掲げていたが,平成26年1月17日,行政事件訴訟法19条の追加的併合により,各被告に対するその余の請求を追加した。 (以上につき顕著な事実)(5) 本件訴え提起後の事情被告A市は,平成24年7月30日,A市要綱を廃止した。 A府知事は,平成28年4月1日付けで「私立学校に関する事務」をA府教育長に委任した。 3 争点本件における主要な争点は,以下のとおりである。なお,被告A市は,この他,原告が,被告A市に対する当初の本件A市取消等請求に,各予備的請求を追加的に併合することが法律の要件を欠き許されないと主張する。 (1) 本案前の争点ア被告A府関係本件A府不交付の処分性-本件A府取消等請求(争点1)イ被告A市関係(ア) 本件A市不交付の処分性-本件A市取消等請求(争点2)(イ) 本件A市確認請求に係る確認の利益の有無-本件A市確認請求(争点3)(2) 本案の争点ア被告A府関係 (ア) 本件A府取消等請求aA府要綱交付対象要件充足の有無(争点4)b 本件 請求(争点3)(2) 本案の争点ア被告A府関係 (ア) 本件A府取消等請求aA府要綱交付対象要件充足の有無(争点4)b 本件A府不交付における手続的違法の有無(争点5)(イ) 本件A府承諾請求aA府要綱交付対象要件充足の有無(争点4)b 被告A府の承諾義務の有無(争点6)(ウ) 本件A府確認請求A府要綱交付対象要件充足の有無(争点4)(エ) 本件A府国賠請求aA府要綱交付対象要件充足の有無(争点4)b 国家賠償法上の違法及び故意過失の有無(争点7)c 損害額(争点8)イ被告A市関係(ア) 本件A市取消等請求aA市要綱交付対象要件充足の有無(争点9)b 本件A市不交付における手続的違法の有無(争点10)(イ) 本件A市承諾請求aA市要綱交付対象要件充足の有無(争点9)b 被告A市の承諾義務の有無(争点11)(ウ) 本件A市確認請求A市要綱交付対象要件充足の有無(争点9)(エ) 本件A市国賠請求aA市要綱交付対象要件充足の有無(争点9)b 国家賠償法上の違法及び故意過失の有無(争点12)c 損害額(争点13) 4 当事者の主張 (1) 争点1(本件A府不交付の処分性)について(原告の主張)本件A府補助金は,地方自治法232条の2,教育基本法8条,私立学校法59条,私立学校振興助成法1条,10条,16条等の法令上の根拠を有しており,その上で,被告A府は,実践的な要件や 張)本件A府補助金は,地方自治法232条の2,教育基本法8条,私立学校法59条,私立学校振興助成法1条,10条,16条等の法令上の根拠を有しており,その上で,被告A府は,実践的な要件や手続をA府要綱として作成し,これに基づいて行政実践を積み重ねてきたものであるから,行政としては,申請に対する応答義務を負う制度として存在していたと評価することができる。このような理解は,被告A府の指針や,国においても承認されている。また,原告に対する被告A府の助成は昭和49年以降途切れることなく続けられてきたから,A府による助成である本件A府補助金が長年にわたり原告の存立を左右する重要な財政基礎になっており,これに対する補助金受領者の信頼は法的保護に値するものといえる以上,原告が被告A府から申請に基づいて本件A府補助金の交付を受けることに権利性が認められることは明らかである。 したがって,被告A府による本件A府補助金を不交付とする旨の決定は,直接国民の権利義務を制限し又はその範囲を確定する行為であって,行政処分に当たる。 (被告A府の主張)地方公共団体が行う補助金の交付は,一定の要件を充たした申請者に対し,補助金交付の対象となる事業を遂行することを条件として行うものであるが,その本質は,金銭の給付という受益的行為にすぎず,行政庁が優越的地位に基づいて権力的な規制を行うものではないから,法律あるいは条例によって法的規制が加えられ,行政争訟的な手続が保障されているなどの特段の事情のない限り,「行政庁の処分」には当たらず,負担付贈与契約と解すべきものである。 本件A府補助金についても,各年度の予算の範囲内で,A府交付規則及び A府要綱に基づいて交付されるものであるところ,本件A府補助金の交付に 付贈与契約と解すべきものである。 本件A府補助金についても,各年度の予算の範囲内で,A府交付規則及び A府要綱に基づいて交付されるものであるところ,本件A府補助金の交付には,法律あるいは条例による法的規制もなく,補助金の交付に関する行政争訟的な手続も定められていない。そして,補助金が継続して交付されることは補助金受領者の単なる期待にすぎず,補助金交付の継続に対する信頼なるものが,法律上保護された利益として評価される余地は全くない。 したがって,A府要綱に定める本件A府補助金の交付決定は,「行政庁の処分」ではなく,一定の補助事業を行うことを条件に補助金の交付を受けたいとの原告の申込みに対する被告A府の承諾として行われるものであって,その法的性質は私法上の負担付贈与契約にすぎない。 (2) 争点2(本件A市不交付の処分性)について(原告の主張)本件A市補助金は,地方自治法232条の2,教育基本法8条,私立学校法59条,私立学校振興助成法1条,10条,16条,学校法人援助の手続に関する条例(甲50)等の法令上の根拠を有している。このことは,被告A市においても,自らA市補助金等チェックシート(甲48)において,本件A市補助金が「私立学校法,私学振興助成法」に根拠を有している旨を明らかにしているところである。 被告A市は,本件A市補助金について,上記の法令を根拠とした上で,実践的な要件や手続をA市要綱として作成し,これに基づいて行政実践が積み重ねられていたのであるから,行政としては,申請に対する応答義務を負う制度として存在していたと評価することができ,これは,被告A市の指針や,国においても承認されている。 また,原告に対する被告A市による助成は昭和62年から途切れるこ 請に対する応答義務を負う制度として存在していたと評価することができ,これは,被告A市の指針や,国においても承認されている。 また,原告に対する被告A市による助成は昭和62年から途切れることなくされ続けてきたのであって,これが長年にわたり原告の存立を左右する重要な財政基礎になっており,これに対する補助金受領者の信頼は法的保護に値するものである以上,原告が被告A市から申請に基づいて本件A市補助金 の交付を受けることに権利性が認められることは明らかである。 したがって,被告A市による本件23年度A市補助金を不交付とする旨の決定(本件A市不交付)は,直接国民の権利義務を制限し又はその範囲を確定する行為であって,行政処分に当たる。 (被告A市の主張)本件A市補助金は,地方自治法232条の2の「寄附又は補助」としてされたものである。本件A市不交付は,A市要綱に基づいてされたものであるが,A市要綱は,いかなる場合に補助金を交付するかを定めるとともに,A市交付規則を受けて補助金交付の内部手続の細則を定めたにすぎないものというべきであるから,これをもって本件A市補助金の交付・不交付に処分性があるものと解することはできない。本件A市不交付は,実質的には贈与契約の申込みに対する応答の性質を有するものであり,行政処分には当たらない。 原告は,学校法人援助の手続に関する条例が本件A府補助金の根拠の一つであり,被告A市において用いているA市補助金等チェックシートに本件A市補助金の根拠として「私立学校法,私学振興助成法」との記載があることから,本件A市補助金の交付又は不交付に法令上の根拠があると主張する。 しかし,同条例は,昭和50年の私立学校振興助成法の制定とともに私立学校法59条が改正された際,廃止 興助成法」との記載があることから,本件A市補助金の交付又は不交付に法令上の根拠があると主張する。 しかし,同条例は,昭和50年の私立学校振興助成法の制定とともに私立学校法59条が改正された際,廃止されるべきものであって,A市要綱との関連はない。A市補助金等チェックシートは,被告A市における全ての補助金等を対象として3~4年ごとに重点的な見直し作業を行う際に当該補助金等の必要性や効果を検証するための評価ツールとして用いられるもので,同シートをホームページ上で公開し,市民が個別補助金等の見直し状況を把握できるようにすることを目的として作成されるものであるから,これにより本件A市補助金の交付の法的性質が決められる関係にない。したがって,本件A市補助金の交付の法的性質が地方自治法232条の2に基づく「寄附又は 補助」であることに変わりはない。 (3) 争点3(本件A市確認請求に係る確認の利益の有無)について(原告の主張)確認訴訟について,一般には給付訴訟が可能であれば確認の利益がないとされるが,紛争の直接的かつ抜本的な解決のために確認訴訟の形態を採ることが有効かつ適切であれば確認の利益が認められる。本件A市確認請求においても,紛争の直接的かつ抜本的な解決に資するため,確認の利益が肯定される。 (被告A市の主張)原告がA市長に対して本件A市補助金の交付を受けられる地位にあることの確認を求める訴えについては,原告は,このような地位にあることを前提として,端的に,被告A市に対し,本件A市補助金の交付を求める給付訴訟を提起すべきであるから,確認の訴えを選択することが適切とはいえず,確認の利益がない。 (4) 争点4(A府要綱交付対象要件の充足の有無)について(原告の主張) を求める給付訴訟を提起すべきであるから,確認の訴えを選択することが適切とはいえず,確認の利益がない。 (4) 争点4(A府要綱交付対象要件の充足の有無)について(原告の主張)ア(ア) 原告が運営する外国人学校のうち,D・E級学校については,教室及び職員室からも肖像画を撤去するなどしていた上,Yは,原告の生徒らの祖国が主催する行事であって「特定の政治団体」が主催するものではなく,学校行事でもないから,被告A府がなし崩し的に設けた4要件についても充足していたことが明らかである。 したがって,本件A府不交付は違法であるし,原告に対しては,本件23年度A府補助金が交付されなければならない。 (イ) 被告A府は,本件新聞報道をきっかけとする資料の追加提出要請に原告が応じなかったなどとして本件A府不交付を正当化しようとするが,原告が被告A府の担当者から電話を受けた際にも,「資料提供がない場合 には不交付となる可能性がある」などといった注意喚起はなかったし,そもそもYは,祖国が主催する行事であって,「特定の政治団体」によるものでもなく,学校行事でもないから,その資料の提出の必要性は認め難いものであった。そうすると,本件A府不交付は,不当な政治的介入としか考えられず,到底許されるものではない。 仮に被告A府による本件A府補助金を交付するか否かについて,被告A府(A府知事)にある程度の裁量を認めるとしても,本件A府不交付に当たり,子どもの学習権という本来最も重視すべき要素,価値を不当に軽視し,本来考慮に入れるべきでない政治理由を極めて過大に評価し,このことにより判断が左右されたことは明らかであるから,被告A府(A府知事)による本件A府不交付は裁量判断の方法ないしその過程に誤り に軽視し,本来考慮に入れるべきでない政治理由を極めて過大に評価し,このことにより判断が左右されたことは明らかであるから,被告A府(A府知事)による本件A府不交付は裁量判断の方法ないしその過程に誤りがあるものとして違法である。 イ仮にA府要綱2条8号の要件を充たすことが確認できない状況にあったとしても,次のとおり,原告が本件A府補助金の交付を受けることについて権利・利益を有していることに照らせば,平成24年3月7日付け改正によりA府要綱2条に付加された4要件は違法(違憲)・無効であり,原告がその余のA府要綱2条交付対象要件を充たしていることは明らかである。 したがって,原告はA府要綱2条交付対象要件を充たしている。 (ア) 原告の被告A府に対する本件23年度A府補助金に係る権利性等以下の事情に照らせば,原告が,被告A府に対し,本件A府補助金の交付を求める権利・利益を有していることは明らかであって,これらの点は平成23年度A府補助金についても同様に妥当する。 a 憲法26条及び13条について子どもの学習権,教育を受ける権利を支え,実質的に保障するためには普通教育を行う学校が不可欠である。そして,学校を運営するために資金が必要であることは論を待たず,これを児童生徒から徴収す る授業料だけで賄うことは,現代社会においてはおよそ不可能である。 本件A府補助金も子どもの学習権,教育を受ける権利を支え,実質的に保障するものであり,憲法26条,13条に根拠があるというべきである。 そうであるからこそ,本件A府不交付により被る原告の学校運営に対する打撃は顕著である。これにより原告は,十分な人員,教材,施設を確保できない反面,生徒の保護者には授業料の増額の要請をせざ そうであるからこそ,本件A府不交付により被る原告の学校運営に対する打撃は顕著である。これにより原告は,十分な人員,教材,施設を確保できない反面,生徒の保護者には授業料の増額の要請をせざるを得ず,その結果,子どもたちの学習環境を維持することができなくなる。これは,憲法26条の教育を受ける権利(子どもの学習権),及び13条(幸福追求権)を抑圧,侵害していると評価される。 b 国際人権基準及び民族教育への権利について国際人権法(世界人権宣言26条,社会権規約2条,13条,14条,自由権規約26条,子どもの権利条約2条,28条,人種差別撤廃条約5条等)においては,B学校を含む外国人学校,民族学校が実施する母国語・継承語教育や出身国・地域の歴史を学ぶ民族教育は,無差別・平等に保障されるべき普遍的人権として子どもたちの享受する教育への権利を実現するための不可欠の構成要素である。そして,自己の民族や言語への教育の権利が全ての子どもに実質的に保障されなければならず,殊に,マイノリティに属する子どもの学習権の実質的保障のためには,公権力がより意識的な強い保護を与えなければならない。 かかる国際人権法に照らしても,子どもたちの教育への権利を実現するために長年にわたり交付されてきた本件A府補助金について,原告は交付を受ける権利性を有してると解すべきであって,他方において,政治的理由により原告のみを対象として,かつ,それを減額するどころか皆無とするような被告A府による本件A府不交付は違法であ る。 c 私立学校の自由について私立各種学校を含む私立学校は,私人ないし私的団体により設置・経営され,当該私的団体等により独自の教育が行われる教育機関であるから,私立学 。 c 私立学校の自由について私立各種学校を含む私立学校は,私人ないし私的団体により設置・経営され,当該私的団体等により独自の教育が行われる教育機関であるから,私立学校に対し,子どもたちに提供する教育の内容を自由に決めることが保障されているという自主性が極めて重要である。しかしながら,被告A府は,私立学校として尊重されるべき原告の自主性を一顧だにせず,原告に対し,本件A府補助金の交付対象要件を設け,その要件充足を求めた上,原告がその要件を充たしていることを確認することができないとして本件A府不交付をしているのであるから,被告A府の行為は,本件A府補助金の交付に殊更要件を追加して原告の建学の精神や理念に強制的に介入するものである。そうすると,このような被告A府の手法は,私立学校としての原告の存在意義を失わせるものである。 私立の1条校にあまねく助成がされ,公立の普通教育には多額の税金が投入されていることに加え,高校無償化制度などの私立学校と公立学校の格差を是正する動きがあることに照らせば,日本の施策の方向性として子どもの教育につき家庭の経済環境によらない機会均等を目指していることは明らかである。そうすると,助成を「補完的なもの」と位置付ける被告A府の主張は誤りというべきである。 d 平等原則及び差別禁止について被告A府による本件A府不交付は,私立学校一般と原告との間の,また同じ各種学校である他の外国人学校と原告との間の不平等を来している。 被告A府がした本件A府不交付により,被告A市による本件A市不交付と相まって,原告への助成金は0円となったのに対し,A府内の 私立高等学校については,高等学校等就学支援金,若しくは私立高校生等授業 本件A府不交付により,被告A市による本件A市不交付と相まって,原告への助成金は0円となったのに対し,A府内の 私立高等学校については,高等学校等就学支援金,若しくは私立高校生等授業料支援補助金制度によって,国及び被告A府から生徒1人当たり55万円若しくは58万円以内の授業料が保護者の年収を考慮した上でほぼ全額支給されている。また,被告A府は,原告と同じ各種学校である学校法人Mが設置するM等に対して,平成23年度の本件A府補助金を交付している。このように,被告A府による本件A府不交付は,原告と他の私立学校,原告と他の各種学校との間に合理的理由のない不平等を生じさせている。 外国人学校の歴史的沿革をみると,外国人学校は,単に生徒の国籍国あるいは出身国に応じて普通教育を行う学校であるから,その意味では本来的には各種学校として分類されるべきものではなかったはずであるが,国の法制が遅れたため,都道府県がこれを認可して各種学校としているにすぎない。そうであるとすると,外国人学校については,一般の各種学校とは異なる手厚い措置が採られることこそが当然というべきであり,1条校や専修学校に助成がされるのであれば,外国人学校に対しても当然に助成がされるべきである。 e 後退的措置の禁止について公費助成の後退的措置が許容されるのは,利用可能な資源を最大限用いても権利状況の悪化が避けられないような経済的危機に直面している場合や,諸権利全体の状況改善を目的とした措置である場合等に限定されるのであり,かつ公的機関はその客観的かつ合理的理由を立証しなければならない。しかるところ,公費助成が停止されると子どもたちの学習権が侵害される上,平成3年以降,これまで長年にわたって本件A府補助金を含む公費助成が続け 関はその客観的かつ合理的理由を立証しなければならない。しかるところ,公費助成が停止されると子どもたちの学習権が侵害される上,平成3年以降,これまで長年にわたって本件A府補助金を含む公費助成が続けられ,これが原告にとって必要不可欠な資金として位置付けられていることに照らせば,被告A府による本件A府不交付は,著しい後退的措置として許されない。 また,本件A府補助金は,マイノリティ教育への権利の実質的保障としても位置付けられるべきであり,本件A府不交付のような後退的措置は,権力による差別の助長として,また,社会の差別意識や差別の風潮を助長させるものとして許されない。 (イ) 平成24年3月7日付け改正によりA府要綱2条に付加された4要件が違法・無効であること被告A府は,本件A府補助金の交付を受けるための交付対象要件として4要件(①「日本の学習指導要領に準じた教育活動を行うこと」,②「財務情報を一般公開すること」,③「特定の政治団体と一線を画すこと」,④「特定の政治指導者の肖像画を教室から外すこと」の各要件)を付加したが,被告A府による4要件の設定はおよそ理由のないものであり,原告を狙い撃ちにするために設定されたものとして違法・無効である。 a 1条校においては,その教育課程が文部科学省公示の学習指導要領に基づく必要があるところ,外国人学校として民族教育や母国語教育の必要性を存在基盤とする原告にとっては,必要時間数の関係から,その存在基盤を維持しつつ学習指導要領に準拠して両者を両立させることは実際上不可能である。本件A府補助金の交付対象要件として,「学習指導要領に準じた教育を行っているという実態」が存在することを要求することは,原告ら外国人学校に学習指導要領への追従を求め せることは実際上不可能である。本件A府補助金の交付対象要件として,「学習指導要領に準じた教育を行っているという実態」が存在することを要求することは,原告ら外国人学校に学習指導要領への追従を求めるものであり,外国人学校の教育の自主性への不当な介入として許されない。 b 被告A府は「財務情報を一般公開すること」を本件A府補助金の交付対象要件とする。しかし,私立学校法47条は財務資料等の公開について言及していない。そして,文部科学省も従前から「私学の自主性」の観点から,財務情報の公開については「指導」の範囲にとどめている。現在,学校法人の財務情報の公開を求める議論はあるものの, プライバシー保護等の観点から公開の範囲や方法について検討がされている段階である。もとより,各種学校について同法134条において準用する同法43条にこのような情報の公開の根拠があるはずもない。そうであるにもかかわらず,被告A府は,このような議論を全て捨象し,外国人学校に対して財務情報の一般公開を課したのであって,これは原告を狙い撃ちにしたものである。 c 被告A府は,「特定の政治団体と一線を画すこと」を本件A府補助金の交付対象要件とし,同要件について,私立学校法36条2項に根拠があるとする。しかし,同項は,理事会が,学校法人の業務を決し,理事の職務の執行を監督するという当然のことを規定しただけであって,そこから「特定の政治団体と一線を画すこと」という要件が論理的に導かれるものではない。また,原告が運営する各種学校には教育基本法14条2項は適用されないから,これに政治的中立性を求める根拠もない。加えて,「特定の政治団体」が何を指すか不明確で一般には理解できないものであるし,被告A府は「特定の政治団体」を「公安調査庁が公表する 2項は適用されないから,これに政治的中立性を求める根拠もない。加えて,「特定の政治団体」が何を指すか不明確で一般には理解できないものであるし,被告A府は「特定の政治団体」を「公安調査庁が公表する直近の「内外情勢の回顧と展望」において調査等の対象となっている団体」などと定義するが,治安維持の観点から調査あるいは記述の対象を恣意的に選択している「内外情勢の回顧と展望」の記述には客観性が乏しく,教育の問題を判断するための指標としての適格性がないというべきであるし,理事会機能の自主性の確保を図ることとは無関係といわざるを得ない。 さらに,私立学校法1条の「公共性」からは,「政治的中立性」(多数の者に対して強い影響力を持ち得る教育に,一党一派に偏した政治的主義・主張が持ち込まれてはならないことを意味するものというのが政府答弁である。)という概念が導き出せるものでもない。 d 被告A府は,「特定の政治指導者の肖像画を教室から外すこと」を本 件A府補助金の交付対象要件とする。しかし,原告を含む各種学校には,教育基本法14条2項は適用されないから政治的中立性を求める根拠はないはずである。また,原告に対する助成は,教育基本法8条,私立学校法59条及び私立学校振興助成法10条に基づくものであるが,これらの助成を政治教育を行わない各種学校に限定する規定は見いだせない。さらに,創始者の肖像画や銅像が掲示されていることは他の学校においても確認されるところであり,これらの人物が政治指導者といえる場合もあり得るところであるが,これの掲示があったからといって直ちに政治的中立性が損なわれるともいえない。 (被告A府の主張)ア本件A府不交付について地方公共団体が,本件A府補助金を交付するかどうか れの掲示があったからといって直ちに政治的中立性が損なわれるともいえない。 (被告A府の主張)ア本件A府不交付について地方公共団体が,本件A府補助金を交付するかどうかを決定するに当たっては,合理的な裁量の範囲が認められるべきであるところ,被告A府がA府交付規則及びA府要綱を定め,これらに従って本件A府補助金の交付の可否を判断し,交付対象要件を充たさなかったことから本件A府不交付をしているのであって,本件A府不交付の判断をしたことが,裁量権の逸脱ないし濫用と評価される余地はない。 しかるところ,原告は,被告A府から,本件新聞報道をきっかけとして本件新聞報道に記載された行事への参加に関する関係書類を提出するよう求められたにもかかわらず,平成24年3月18日,口頭で本件新聞報道に係る行事への参加は補助金の交付対象要件に反するものとは認識していないが,上記行事への参加に関する関係書類を提出することはできない旨の回答をしたにとどまり,これを明確にする資料の提出をしなかった。そのため,被告A府においては,原告がA府要綱2条8号の「特定の政治団体が主催する行事に,学校の教育活動として参加していないこと」という要件を充たすことにつき確証を得ることができず,原告がA府要綱2条所 定の交付対象要件を充たしているとの判断ができなかったため,本件A府不交付をしたにすぎない。 したがって,本件A府不交付は,原告がした本件A府申請がA府要綱2条交付対象要件を充たさなかったことによるものである。もとより政治的介入等として批判されるものでもない。 イ A府要綱2条交付対象要件充足の必要性についてA府においては,学校法人が設置する外国人学校では,1条校に準じた教育活動が行われてお 治的介入等として批判されるものでもない。 イ A府要綱2条交付対象要件充足の必要性についてA府においては,学校法人が設置する外国人学校では,1条校に準じた教育活動が行われており,1条校に準じて助成の措置を行うべき必要があるとの考えから,A府要綱を定めて外国人学校を設置する学校法人に対する助成の措置(本件A府補助金)を行うこととしている。そして,本件A府補助金の交付は,A府交付規則及びA府要綱に基づいて行われるところ,補助金の交付対象となる学校法人又はその設置する外国人学校は,A府要綱2条所定の交付対象要件の全てを充たすものでなければならない。 A府要綱2条所定の交付対象要件は平成24年3月7日付けで改正されているところ,同改正において付加された4要件の基本的な考え方は,次のとおりであって,いずれも合理的なものであり,A府要綱に4要件を内容とする改正をすることに何ら違法性はない。 (ア) 「日本の学習指導要領に準じた教育活動を行うこと」(A府要綱2条5号関係)各種学校については,全国的には,私学助成がほとんど行われていないが,被告A府における本件A府補助金は,上記のとおり,外国人学校は,学校の設置主体が学校法人であって,私立学校法の適用の下に公共性が一定程度担保されるとともに,1条校に準じた教育が行われている点において,他の各種学校とは教育の実態が異なることに着目し,1条校と同様に助成の措置を行うこととしてされたものである。 このように,本件A府補助金は,私立外国人学校が,学習指導要領に 沿った1条校に準じた教育を行っているという実態に鑑みて助成の措置を行うのであるから,この点を交付対象要件として明確にするため,これを4要件として追加することとしたもの 習指導要領に 沿った1条校に準じた教育を行っているという実態に鑑みて助成の措置を行うのであるから,この点を交付対象要件として明確にするため,これを4要件として追加することとしたものである。 (イ) 「財務情報を一般公開すること」(A府要綱2条1号関係)学校教育法134条に定める各種学校においても,「保護者及び地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに,これらの者との連携及び協力の推進に資するため,教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を積極的に提供する」とされ(同法43条等),また,学校法人は,財産目録,貸借対象表,収支計算書及び事業報告書並びに監査報告書の備置き等を求められており(私立学校法47条1項,2項),文部科学省通知(乙10)が発出され,「学校法人が公共性の高い法人として説明責任を果たす」必要があり,「法律によりすべての学校法人に共通に義務付けるべき最低限の内容」として積極的な財務情報の公開を促している。そこで,被告A府においても,公益性の求められる補助金の交付を受ける学校法人に対して,財務情報の積極的な公開を求めることとしてA府要綱2条1号を追加したのであって,決して原告を狙い撃ちしたものではない。 (ウ) 「特定の政治団体と一線を画すこと」(A府要綱2条6号から8号まで関係)私立学校法36条2項において「理事会は,学校法人の業務を決し,理事の職務の執行を監督する」とされていることから,当該学校の業務に関して理事会において意思決定がされていることを明確にするため,本件A府補助金の交付対象要件に追加したものである。また,各種学校も私立学校法の目的としての「私立学校の健全な発達」を図ることを目的としているから,各種学校である原告についても「公共性」は求め め,本件A府補助金の交付対象要件に追加したものである。また,各種学校も私立学校法の目的としての「私立学校の健全な発達」を図ることを目的としているから,各種学校である原告についても「公共性」は求められているのであって,この「公共性」には,私立学校の政治的中立性も 当然に含まれる。 これに対し,原告は,原告のような1条校に当たらない各種学校には教育基本法14条2項が適用されないから,「政治的中立性」を要件とすることはできないと主張するが,各種学校においても政治的中立性が求められることは上記のとおりであるし,本件A府補助金は,学校法人が設置する外国人学校のうち1条校に準じた教育活動が行われ,1条校に準じて助成の措置を行うべき必要があるものについて助成を行う制度であって,1条校に準じた教育活動が行われているといえるためには,教育の政治的中立性が確保されていることが必要である。なお,被告A府は,本件A府補助金の交付を受けない外国人学校に対してまで,1条校に求められるような政治的中立性を求めるものではない。 (エ) 「特定の政治指導者の肖像画を教室から外すこと」(A府要綱2条9号関係)教育基本法14条2項で求められる政治的中立性を確保するという観点から,交付対象要件に追加することとしたものである。 私立学校においては,その自主性から創始者の肖像画や銅像が掲示されている例もあり,教育目的で設置されているものと解される。しかし,公共性と政治的中立性が求められる学校法人においては,思想教育を行うなど政治的利用をすることは問題であり,とりわけ本件A府補助金を受ける学校法人としては一層の公益性が求められているというべきであるからふさわしいものではない。このような見地から,本件A府補助金 うなど政治的利用をすることは問題であり,とりわけ本件A府補助金を受ける学校法人としては一層の公益性が求められているというべきであるからふさわしいものではない。このような見地から,本件A府補助金の交付を受ける各種学校の政治的中立性の確保を求めるものである。 ウ原告の主張について(ア) 原告は,憲法26条,13条,国際人権法(世界人権宣言26条,社会権規約2条,13条,14条,自由権規約26条,子どもの権利条約2条,28条,人種差別撤廃条約5条等)を挙げて,原告が本件A府補 助金の交付を受ける権利を有していると主張する。しかし,これらの規定によっても,原告の被告A府に対する本件A府補助金の交付請求権を具体的に生じさせるものではない。むしろ,本件A府補助金を始めとする補助金について,その交付を具体的に義務付ける規定はない以上,地方公共団体が,私立学校や各種学校に対して補助金を交付するかどうかは,当該地方公共団体の合理的裁量に委ねられていると解すべきである。 したがって,原告に本件A府不交付をしたことが,直ちに原告の法律上の権利や利益を侵害することにはならない。 4要件は政治的理由に基づいて付加されたものではないから,政治的理由によって原告のみを念頭に置いて4要件を付加して本件A府不交付をしたものでもなく,原告の権利を違法,不当に侵害するものでもない。 (イ) 原告は,民族教育や私立学校の自由を根拠として,補助金の交付請求権があると主張する。しかし,これらによっても原告の被告A府に対する本件A府補助金の交付請求権を具体的に生じさせるものではない。 原告の学校は,1条校ではなく各種学校であるところ,一般に,各種学校は,学校法人でなくとも設立することができ(学校教育法134条) 府補助金の交付請求権を具体的に生じさせるものではない。 原告の学校は,1条校ではなく各種学校であるところ,一般に,各種学校は,学校法人でなくとも設立することができ(学校教育法134条),修業期間や授業時間,教員の資格等において,1条校と比べて緩やかな規制となっていることから,1条校と比較すると各種学校に対して助成する必要は低い。もっとも,被告A府においては,各種学校の中にあって,学校法人が設置する外国人学校については1条校に準じた教育活動が行われてきたことから,一定の要件の下に助成を行ってきたし,外国人学校の中には,1条校の要件を充たし,1条校として認可されているものもある。そうすると,外国人に対する普通教育を行う学校であるからといって,当該外国人学校に対して必然的に1条校と同様に助成がされるべきことにはならないし,このような学校に助成をしなかったとしても,私立学校の自由を侵害したことにはならない。 (ウ) 原告は,本件A府不交付が,A府内の私立学校と原告との間で,また,A府内の各種学校と原告との間で不平等を発生させているとして,平等原則に反すると主張する。しかし,私立学校に対する経常費補助金と原告に対する本件A府補助金の交付額の内容や額に差があるとしても,このことは,本件A府不交付に関わるものとはいえないから,本件A府不交付の違法事由足り得ない。また,4要件は,本件A府補助金の交付対象となる外国人学校に共通する要件として設けたものであり,原告のみを対象として設けたものではない。被告A府が原告に本件A府不交付を行ったのは,原告が4要件のうち1要件(A府要綱2条8号)を充足しなかったことによるものである。 (エ) 原告は,後退的措置の禁止を理由に本件23年度A府補助金の交付請求権がある 不交付を行ったのは,原告が4要件のうち1要件(A府要綱2条8号)を充足しなかったことによるものである。 (エ) 原告は,後退的措置の禁止を理由に本件23年度A府補助金の交付請求権があると主張する。しかし,後退的措置の禁止をいうとされる社会権規約13条1項は,締約国において,全ての者に教育に関する権利が,国の社会政策により保護されるに値するものであることを確認し,締約国がこの権利の実現に向けて積極的に政策を推進すべき政治的責任を負うことを宣明したものであって,個人に対し即時に具体的権利を付与すべきことを定めたものではない。このことは,同規約2条1項が,締約国において「立法措置その他の全ての適当な方法によりこの規約において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成する」ことを求めていることからも明らかである。 加えて,法令上,地方公共団体が私立学校や各種学校に対して補助金を交付することが義務付けられていないことは上記(ア)のとおりであり,被告A府が本件23年度A府補助金の交付に当たって4要件を設けたことが,目的及び手段において正当であることは上記イのとおりである。 したがって,本件A府不交付が後退的措置の禁止原則に反する旨をいう原告の主張は失当である。 (オ) 原告は,本件A府不交付は,子どもの学習権を不当に軽視し,本来考慮に入れるべきではない政治的理由を極めて過大に評価した結果によるものであるから,裁量判断の方法ないしその過程に誤りがあると主張する。しかし,本件A府不交付はA府要綱に従ってされたものであり,上記イのとおり,4要件は,法令の趣旨を踏まえ,これに適合することを目的として設けられたものであり,政治的理由に基づいて設けられたものではない。 (カ) 上記(ア 従ってされたものであり,上記イのとおり,4要件は,法令の趣旨を踏まえ,これに適合することを目的として設けられたものであり,政治的理由に基づいて設けられたものではない。 (カ) 上記(ア)から(オ)までのとおり,原告の本件23年度A府補助金の交付を受ける権利が保障されるものでもないし,4要件が違法,無効とされるものでもない。 (5) 争点5(本件A府不交付における手続的違法の有無)について(原告の主張)被告A府は,A府行政手続条例において,申請に対する処分をするに当たり,審査基準を具体的に定め,予め公にしておくことが求められている(5条)。しかし,被告A府は,原告が申請を行う直前にA府要綱を改正して4要件を付加し,交付対象の要件として新しく付加された部分について確証が持てないことを理由として本件A府不交付をしたのであって,審査基準が予め公になっていたとはいえない以上,このようなやり方は,A府行政手続条例5条に違反しているというべきである。その意味においても,本件A府不交付は取り消されなければならない。 (被告A府の主張)本件A府不交付は,A府要綱に定める交付対象要件を充たさなかったことによるものにすぎず,行政処分でもないから,A府行政手続条例に違反するものでもない。 (6) 争点6(被告A府の承諾義務の有無)について(原告の主張) 上記(4)(原告の主張)のとおり,原告は,A府要綱2条の交付対象要件を充たしていた。 本件A府補助金の交付が契約によるものであるとしても,その公益的性格から純然たる私法上の契約とは異なり,行政処分に準じた公平さや上位規範に沿った扱いが要求され,契約自由の原則が制限される。そして,上記(4)(原告の主張)イ によるものであるとしても,その公益的性格から純然たる私法上の契約とは異なり,行政処分に準じた公平さや上位規範に沿った扱いが要求され,契約自由の原則が制限される。そして,上記(4)(原告の主張)イ(ア)のとおり,原告には本件A府補助金の交付を受ける権利・利益があることなどの事情に照らせば,A府要綱2条の交付対象要件を充たしていながら被告A府が本件A府補助金の交付を拒否することは許されないというべきである。 したがって,被告A府は,原告に対し,本件A府申請を承諾する旨の意思表示をしなければならない。 (被告A府の主張)争う。 なお,上記(4)(被告A府の主張)のとおり,原告は,A府要綱2条に定める交付対象要件を充たしていたとは認められないから,被告A府に承諾義務はない。 (7) 争点7(国家賠償法上の違法及び故意過失の有無)について(原告の主張)上記(4)(原告の主張)のとおり,A府要綱2条の交付対象要件を充たしているにもかかわらずされた本件A府不交付は違法であるし,上記(5)(原告の主張)のとおり,本件A府不交付をするに当たり手続的な違法がある。そうすると,A府知事がした本件A府不交付には国家賠償法上の違法があり,故意又は過失も認められる。 (被告A府の主張)上記(4)及び(5)の各(被告A府の主張)のとおり,本件A府不交付に違法はない。本件A府不交付をしたA府知事に国家賠償法上の違法や故意・過失が あるとする原告の主張は,否認ないし争う。 (8) 争点8(損害額)について(原告の主張)ア本件A府補助金国賠請求に係る損害本件A府不交付により,原告には,本件23年度A府補助金相当額8080万円の財産的損害 8) 争点8(損害額)について(原告の主張)ア本件A府補助金国賠請求に係る損害本件A府不交付により,原告には,本件23年度A府補助金相当額8080万円の財産的損害が生じた。 したがって,原告は,被告A府に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として8080万円の支払を求める。 イ本件A府風評等国賠請求に係る損害本件A府不交付が取り消されるなどして本件23年度A府補助金が交付され,又は本件23年度A府補助金相当額の損害賠償金が交付されることにより,本件A府不交付により原告に生じた当該補助金の元金部分に係る損害(8080万円)は塡補されるとしても,同元金部分が塡補されるまでの遅延損害金に相当する額は塡補されるものではない。そうすると,この遅延損害金に相当する額は別途損害として塡補されなければならない。 また,本件A府不交付により原告に生じた風評被害等の無形の損害は300万円を下ることはない。そして,訴訟提起のために弁護士費用を要しているところ,その費用は30万円を下らない。 したがって,原告は,被告A府に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,330万円及び8410万円(交付されるべきであった本件23年度補助金相当額8080万円に上記330万円を加算した額)に対する平成24年3月29日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (被告A府の主張)否認ないし争う。 (9) 争点9(A市要綱交付対象要件充足の有無)について (原告の主張)後記アのとおり,原告は本件A市補助金を受けることについて権利・利益を有しており,また,後記イのとおり,平成24年3月27日付け 充足の有無)について (原告の主張)後記アのとおり,原告は本件A市補助金を受けることについて権利・利益を有しており,また,後記イのとおり,平成24年3月27日付け改正によりA市要綱2項に付加された新要件は違法(違憲)・無効であって,原告にその余の交付対象要件充足に欠けるところはないから,原告がA市要綱2項交付対象要件を充たしていることは明らかである。仮に新要件が違法・無効とはいえないとしても,後記ウのとおり,信義則に照らし,原告はA市要綱2項交付対象要件を充たしていると評価されるべきである。 ア原告の被告A市に対する本件A市補助金に係る権利性等上記(4)(原告の主張)イ(ア)において主張したところと同様に,憲法26条及び13条,国際人権基準及び民族教育への権利,私立学校の自由,平等原則及び差別禁止,後退的措置の禁止により,昭和62年度から本件A市補助金の交付を受けている原告が,被告A市に対し,本件A市補助金の交付を求める権利・利益を有していることは明らかである。そして,これらの点は,本件23年度A市補助金についても同様である。 なお,原告は,本件A市不交付以降,本件A市補助金の交付を受けることができない状態が続いている。 イ平成24年3月27日付け改正によりA市要綱2項に付加された新要件が違法・無効であることA市要綱2項は,平成24年3月27日付け改正により本件A市補助金の交付対象要件として,「当該年度にA府私立外国人学校振興補助金の交付を受けることが見込まれる」こと(新要件)が付加された。以下の事情に照らせば,新要件は,違法・無効である。 (ア) 新要件は本件A市補助金の制度の趣旨に反するものであること本件A市補助金は 見込まれる」こと(新要件)が付加された。以下の事情に照らせば,新要件は,違法・無効である。 (ア) 新要件は本件A市補助金の制度の趣旨に反するものであること本件A市補助金は,国や被告A府とは無関係に,被告A市が,学校教育法に規定する小・中学校に準ずる教育をしている学校法人に対し,そ の実態を考慮して独自に補助金の交付を行ってきたものである。そして,被告A市は,原告がそのような学校法人に当たるとして,これまで本件A市補助金を交付してきた。しかし,今般,被告A市は,本件A市補助金が本件A府補助金を補完するものであるなどと従前の経緯を無視した説明をするに至り,従前の経緯とは齟齬する新要件を突如として付加したものである。このような新要件は,本件A市補助金の交付対象の要件として許されるものではない。 (イ) 新要件は原告を狙い撃ちにする不法な動機によるものであること被告A市は,被告A府が政治的理由により原告のみを狙い撃ちにして本件A府不交付を行うことを把握するや,被告A府と同様に,政治的理由により原告のみを狙い撃ちにするためにA市要綱の改正を行ってA市要綱2項に「当該年度にA府私立外国人学校振興補助金の交付を受けることが見込まれる私立学校法に定める学校法人」という要件(新要件)を追加した。このように,政治的理由により原告のみを狙い撃ちにして本件A市不交付をするために設けられた新要件は,違法・無効である。 また,被告A市は,被告A府が新たに設定した違法な4要件及び本件A府不交付を踏まえて新要件を付加したのであるから,被告A市は新要件を設けて,被告A府が掲げた4要件を本件A市補助金に係る交付対象の必須要件として追認したものと評価できる。したがって,被告A市の新要件の付加も 踏まえて新要件を付加したのであるから,被告A市は新要件を設けて,被告A府が掲げた4要件を本件A市補助金に係る交付対象の必須要件として追認したものと評価できる。したがって,被告A市の新要件の付加も,被告A府による4要件の付加と同様に,違法・無効である。 ウ原告が信義則上A市要綱2項交付対象要件を充たすものとされるべきであること本件A市申請の後に設けられた新要件を充たしていないことを理由に本件A市不交付をすることは信義則に違反し許されない。 したがって,原告は,A市要綱2項交付対象要件を充たしているという べきである。 (被告A市の主張)ア本件A市不交付は,A市要綱に基づいて行われているものであるが,A市要綱は,法令等には当たらず,本件A市交付規則を受けて補助金交付の内部的手続の細則を定めたものにすぎない。したがって,本件A市補助金の受給権は交付決定により発生するものであり,交付決定がない段階ではその受給権が保障されているものではない。そして,私立学校法59条及び私立学校振興助成法10条にも,本件A市補助金を受ける権利を保障する内容の規定はないから,これらの規定が本件A市補助金の受給に権利性を付与するものではない。 被告A市は,A市要綱2項を改正しているが,この改正は,原告を始めとする各種学校の監督官庁が都道府県(被告A府を含む。)であるから,本件A市補助金の交付が本件A府補助金の交付を前提とし,これを補完するものであることをA市要綱上に明記したものにすぎず,これに政治的理由はない。そして,本件A市補助金は,被告A市がA市要綱を定め,これに従って交付するか否かについて決定を行うものであり,平成24年3月27日付けのA市要綱の改正も単に本件A市補助金の交付対象 治的理由はない。そして,本件A市補助金は,被告A市がA市要綱を定め,これに従って交付するか否かについて決定を行うものであり,平成24年3月27日付けのA市要綱の改正も単に本件A市補助金の交付対象要件として新要件を明記したにすぎないものであるから,新要件がA府補助金の交付要件の適法性やその要件充足性について斟酌するものではないし,当然ながらA府要綱に付加された4要件を追認するものでもない。 そして,被告A市は,原告による本件A市申請を受けた後,本件A市補助金が交付されるか否かが実質的にはA府補助金の交付対象要件を充たすか否かと同様になるものと見込まれたことから,原告に対し,本件A府補助金の交付対象要件として把握していた内容を記した本件メモを示すなどしてこれらの説明をした上で本件A市申請が新要件を含む本件A府補助金の交付対象要件に該当するか否かを検討し,実際に被告A府が本件A府補 助金を交付することが見込まれないことが判明したことから,本件A市不交付をしたのであって,この点に違法はないし,原告が本件A市補助金の交付対象要件を充たしていたとはいえない。 なお,被告A市が原告に示した本件メモは,A市補助金の要件を示したものではなく,上記のとおり,被告A市の担当者が原告に対して本件A市補助金の交付を受けることができるか否かの見通しを説明するに当たり,本件A市補助金の交付を受けるためには,結果として被告A府によるA府補助金の交付対象要件を充たすことが必要となる旨の説明を行う際に,当時被告A市において把握していた被告A府による本件A府補助金の交付対象要件を示したものにすぎないから,本件メモに記載された5つの項目はA市補助金の交付対象要件ではない。 イ原告の主張について原告は,本件23年 A府による本件A府補助金の交付対象要件を示したものにすぎないから,本件メモに記載された5つの項目はA市補助金の交付対象要件ではない。 イ原告の主張について原告は,本件23年度A市補助金の交付を受ける権利を有しており,被告A市による本件A市不交付によってこれが侵害されたと主張するが,以下の事情から,いずれも理由がない。 (ア) 原告は,憲法13条,26条,国際人権法(世界人権宣言26条,社会権規約2条,13条,14条,自由権規約26条,子どもの権利条約2条,28条,人種差別撤廃条約5条等)により,本件A市補助金の交付請求権を有していると主張するが,具体的な制度構築に当たっては様々な考慮要素を立法裁量に委ねていると解され,憲法13条,26条から具体的な権利が導き出されるものではないし,原告が主張する上記条約等がいかなる構成により国内法と同じ法規範性を有するか不明である。これら社会権の具体化は,立法等による具体化を経て,漸進的に達成されるべきものといわざるを得ない。 (イ) 原告は,民族教育や私立学校の自由を理由に本件A市補助金の交付請求権があると主張する。しかし,本件A市補助金を受給する権利は, 被告A市の裁量により交付決定がされた上で成立するものであり,それ以前には法的に保障されたものではない。また,原告のいう私立学校の自由は教育内容の決定権の所在に関するものであると思料されるところ,被告A市は,何ら原告の教育内容の決定権を侵害していない。被告A市がA市要綱に新要件を付加したことは,合理的な裁量の範囲内のことであるし,もとより,原告の本件A市補助金の交付対象要件や本件A府補助金の交付対象要件に従わない自由を制限するものではない。 原告は,本件A市補助金が学校の運営に 的な裁量の範囲内のことであるし,もとより,原告の本件A市補助金の交付対象要件や本件A府補助金の交付対象要件に従わない自由を制限するものではない。 原告は,本件A市補助金が学校の運営に必要不可欠な状況であるなどとその窮状を訴えるが,単なる事実状態であって,それが本件A市補助金の交付を受けることについての法的根拠となるものではない。 (ウ) 原告は,本件A市不交付が後退的措置の禁止原則に反すると主張する。しかし,本件A市補助金の受給権は法的に保障されたものではないのであるから,無条件に継続的に交付されることが権利として保障されたものではない。これまでの交付も,毎年度の申請と審査を経て結果的に毎年度交付されていたにすぎない。そして,A市要綱は補助金交付の内部的手続の細則を定めたものにすぎず,これを理由として受給権が保障されるものでもないし,この点をおいたとしても,A市要綱に不交付や返還に関する規定があることに照らせば,毎年度の受給権が保障される内容にもなっていないことは明らかである。そもそも,本件A市補助金の交付は,実質的にみると,私法上の贈与契約における申込みに対する応答の性質を持つものにすぎず,何ら法的に保障された権利に基づくものではないため,交付決定がない以上,被告A市がこれを交付すべき義務を負うものではなく,交付しないことが違法となるものではない。 また,原告は後退的措置の禁止の根拠として,社会権規約を挙げるが,社会権規約の規定により直接的に具体的権利が保障されるものではない。 なお,原告は,本件A市補助金が本件A市不交付により停止されたと 主張するが,本件A市補助金は,原告に対する本件A市不交付の後に,平成23年度末をもって制度を廃止したものであって,停止しているも ,本件A市補助金が本件A市不交付により停止されたと 主張するが,本件A市補助金は,原告に対する本件A市不交付の後に,平成23年度末をもって制度を廃止したものであって,停止しているものではない。 (エ) 原告は,本件A市不交付には,政治的動機に基づく他事考慮がある一方,他方で考慮すべき事項を考慮していないと主張する。しかし,本件A市不交付は行政処分ではないから,行政処分を行うに当たっての裁量といった問題は生じないし,また,A市要綱に付加された新要件は,被告A府が本件A府補助金を交付することが見込まれることであるから,この要件自体は政治とは無関係である。仮に被告A府におけるA府要綱に付加された4要件に政治的問題があるとしても,これは被告A府との間での問題であって,本件A市補助金の要件の問題ではない以上,被告A市との関係で主張されるべきものではない。 (オ) 原告は,本件A市不交付が,原告と他の私立学校及び他の外国人学校との平等原則に違反すると主張する。しかし,憲法14条は,合理的な区別までも禁じているものではない。A市要綱は,「義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人」に対する補助金について定めるものであって,1条校とはそもそも性質の異なる各種学校を対象としたものであるから,1条校と補助等を同じくしなければならないものではない。 また,被告A市がA市要綱に基づいて本件A市補助金を交付していた学校として,原告の他にMがあるものの,Mは,平成23年度の本件A市補助金の交付対象となる学校法人として,A市要綱の要件を充たしていたことから,本件A市補助金の交付を受けているにすぎない。 (10) 争点10(本件A市不交付における手続的違法の有無)について(原告の主張) 法人として,A市要綱の要件を充たしていたことから,本件A市補助金の交付を受けているにすぎない。 (10) 争点10(本件A市不交付における手続的違法の有無)について(原告の主張)以下の事情に照らせば,本件A市不交付は,その手続経過にも違法がある から,違法なものとして取り消されるべきものである。 ア被告A市は,申請から60日以内に結論を出す旨をA市要綱8項に定めていながら,平成23年9月9日付け(12日受付)でされた本件A市申請を放置しただけでなく,結論を出す直前にA市要綱を平成24年3月27日付けで改正し,遡及適用を行って本件A市不交付をした。同改正前のA市要綱によれば,原告には本件23年度A市補助金が交付されていたはずである。そして,同改正の内容も,前年度までは,長年,被告A市が独自に判断を行っていたものを,突然,A府に倣う旨の要件を付加したものであって,同改正の狙いは,政治的な理由であり,かつ,原告がした本件A市申請を却下することにあったことは明らかであるから,原告を狙い撃ちにしたものであることも明らかである。 このような経緯は,被告A市の行政手続条例にも違反している。 イまた,被告A市は,平成24年3月27日にA市要綱を改正し新要件を付加するなどしているが,これに先立つ同月21日,被告A市の担当者は原告に対して,本件A市申請が不交付となる見込みであることを伝えている。これは,被告A市が,A市要綱の改正に先立ち,当時は存在しなかった新要件を適用して本件A市不交付をしたものと評価できるから,本件A市不交付は,A市要綱に基づいてされたものとはいえない。 (被告A市の主張)原告は,本件A市不交付が,本件A市申請に対しA市要綱8項に定める「申請を受 のと評価できるから,本件A市不交付は,A市要綱に基づいてされたものとはいえない。 (被告A市の主張)原告は,本件A市不交付が,本件A市申請に対しA市要綱8項に定める「申請を受理してから60日以内」に行われなかったとして,また,平成27年3月27日付け改正前に,同改正に基づいて付加された要件に基づいてされているとして,A市要綱に基づかないでされたものであって,手続違反があると主張する。 しかし,A市要綱は,本件A市補助金の交付についての内部的な細則を定めたものにすぎず,法的効果を有するものではない。本件A市補助金の 交付決定の通知を「申請を受理してから60日以内」としているのは,あくまで標準的な処理の期間を内部的に定めたものにすぎず,これに反したとしても違法の問題は生じない(行政処分を前提とする申請ではないから,行政手続条例上の「申請」には当たらない。)。 また,被告A市は,本件A市申請があった後,被告A府の動向を注視する必要があったことから60日を経過したものであって,いたずらに60日を経過したものではない。被告A市においては,原告の監督官庁が都道府県(被告A府)であり,本件A市補助金が本件A府補助金を補完する位置付けであり,本件A府補助金の交付を当然の前提としたものであったことから,被告A府の動向を踏まえた判断を行ってきたものであって,原告に対しても,被告A市の担当者からその旨の説明を度々行っている。そして,本件A市不交付までの期間についても,本件A府不交付が平成24年3月29日であり,それまで,本件A市補助金の交付の可否についてやむなく判断できなかったにすぎず合理的な期限の範囲内のものと評価することができる。また,そもそも原告がA市要綱に定める申請期限である5月末日を経 あり,それまで,本件A市補助金の交付の可否についてやむなく判断できなかったにすぎず合理的な期限の範囲内のものと評価することができる。また,そもそも原告がA市要綱に定める申請期限である5月末日を経過した後に本件A市申請をしているのであって,上記期間を遵守する前提を欠いている。 A市要綱は,原告・被告A市間の贈与契約の契約条件を明文化したもの,つまり贈与契約の申込みの誘因であると評価されるべきものである。被告A市が原告からの本件A市申請(契約の申込み)に対し,本件A市不交付つまりは「承諾の拒否」をしたことにより,原告と被告A市との間に贈与契約が成立しなかったものであって,契約成立後に契約条件(交付条件)を変更したものではない。 (11) 争点11(被告A市の承諾義務の有無)について(原告の主張)上記(9)(原告の主張)のとおり,原告は,平成24年3月27日改正前の A市要綱2項の交付対象要件を充たしていたし,同改正により付加された新要件は違法・無効であるか,信義則によりこれを適用することができないから,原告は,A市要綱2項の交付対象要件を充たしていた。 本件A市補助金の交付が契約によるものであるとしても,その公益的性格から純然たる私法上の契約とは異なり,行政処分に準じた公平さや上位規範に沿った扱いが要求され,契約自由の原則が制限される。そして,上記(9)(原告の主張)アのとおり,原告には本件A市補助金の交付を受ける権利・利益があることなどの事情に照らせば,A市要綱2項の交付対象要件を充たしていながら被告A市が本件A市補助金の交付を拒否することは許されないというべきである。 したがって,被告A市は,原告に対し,本件A市申請を承諾する旨の意思表示をしなければならない。 していながら被告A市が本件A市補助金の交付を拒否することは許されないというべきである。 したがって,被告A市は,原告に対し,本件A市申請を承諾する旨の意思表示をしなければならない。 (被告A市の主張)争う。 上記(9)(被告A市の主張)のとおり,原告は,A市要綱2項に定める交付対象要件を充たしていたとは認められないから,被告A市には,本件A市申請を承諾する義務はない。 (12) 争点12(国家賠償法上の違法及び故意過失の有無)について(原告の主張)上記(9)(原告の主張)のとおり,A市要綱2項の交付対象要件を充たしているか,信義則上これと同視されるにもかかわらずされた本件A市不交付は違法であるし,上記(10)(原告の主張)のとおり,平成24年3月27日のA市要綱の改正等や本件A市不交付に至るまでには被告A市の手続違反がある。 そうすると,A市長がした本件A市不交付には国家賠償法上の違法があり,故意又は過失も認められる。 (被告A市の主張) 上記(9)及び(10)の各(被告A市の主張)のとおり,本件A市不交付に違法はない。本件A市不交付をしたA市長に国家賠償法上の違法や故意・過失があるとする原告の主張は,否認ないし争う。 (13) 争点13(損害額)について(原告の主張)ア本件A市補助金国賠請求に係る損害本件A市不交付により,原告には,本件23年度A府補助金相当額2650万円の財産的損害が生じた。 したがって,原告は,被告A府に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,本件23年度A市補助金相当額2650万円の支払を求める。 イ本件A市風評等国賠請求に係る損害本件A がって,原告は,被告A府に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,本件23年度A市補助金相当額2650万円の支払を求める。 イ本件A市風評等国賠請求に係る損害本件A市不交付が取り消されるなどして本件23年度A市補助金が交付され,又は本件23年度A市補助金相当額の損害賠償金が交付されることにより,本件A市不交付により原告に生じた当該補助金の元金部分に係る損害(2650万円)は塡補されるとしても,同元金部分の損害が塡補されるまでの遅延損害金に相当する額は塡補されるものではない。そうすると,この遅延損害金に相当する額は別途損害として塡補されなければならない。 また,本件A市不交付により原告に生じた風評被害等の無形の損害は300万円を下ることはない。そして,訴訟提起のために弁護士費用を要しているところ,その費用は30万円を下らない。 したがって,原告は,被告A市に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,330万円及び2980万円(交付されるべきであった本件23年度A市補助金相当額2650万円に上記330万円を加算した額)に対する平成24年3月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合 による遅延損害金の支払を求める。 (被告A市の主張)否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 原告による追加的併合について原告は,本件各取消等請求に係る訴訟に行政事件訴訟法19条の追加的併合によりその余の請求に係る訴えを提起しているところ,追加的併合が認められるためには,基本となる取消訴訟が適法であることが必要である。しかしながら,基本となる取消訴訟の適法性の有無が争点として終局判決で判断されるような場合には,併合審理した上,仮に基本となる取消訴訟を るためには,基本となる取消訴訟が適法であることが必要である。しかしながら,基本となる取消訴訟の適法性の有無が争点として終局判決で判断されるような場合には,併合審理した上,仮に基本となる取消訴訟を不適法却下する際は,併合事件について弁論の併合がされたものとして,実体判断することができると解すべきで,これを不適法却下するのは相当ではない。これに反する被告A市の主張は,採用することができない。 2 争点1(本件A府不交付の処分性)について(1) 抗告訴訟の対象となる処分について抗告訴訟の対象となる処分とは,「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」であり(行政事件訴訟法3条1項,2項,6項),これは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう(最高裁判所昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。 (2) 本件A府不交付についてア地方公共団体が私人に対して補助金を交付する関係は,地方公共団体が,その優越的地位に基づき公権力を発動して私人の権利自由を制限し又はこれに義務を課するものではなく,本来,資金の給付を求める私人の申込みに対する承諾という性質を有する非権力的な給付行政に属するものである から,その関係においては,原則として,行政処分は存在しないものというべきである。もっとも,法令等が,一定の政策目的のために,特に一定の者に補助金の交付を受ける権利を与えるとともに,補助金の交付手続により行政庁に当該者の権利の存否を判断させることとした場合や,法令等が補助金の交付手続を定める中で行政庁による不交付決定に対して不服申立手続を設けているような場合などに とともに,補助金の交付手続により行政庁に当該者の権利の存否を判断させることとした場合や,法令等が補助金の交付手続を定める中で行政庁による不交付決定に対して不服申立手続を設けているような場合などには,例外的に補助金の交付決定に処分性が認められるものと解される。 イ弁論の全趣旨によれば,本件A府不交付は,私立学校法64条5項により準用される同法59条,私立学校振興助成法16条により準用される同法10条及び地方自治法232条の2に加え,A府交付規則,A府要綱に基づいて行われたと認められる。このうち,地方自治法232条の2には,公益上の必要がある場合という要件のほか要件・効果の定めがない。その趣旨は,どのような者にどのような補助を行うかの判断を,地方公共団体の執行機関等が社会的・地域的事情を総合的に考慮して行う公益上の必要に関する政策的な裁量に委ねたものと解するのが相当であり,一定の者に補助金の交付を受けられる地位を与える趣旨を含むものとは解されない。 また,私立学校法の上記各規定は,地方公共団体が教育の振興上必要があると認める場合に,別に法律で定めるところにより,準学校法人に対して必要な助成をすることができる旨を定め,これを受けた私立学校振興助成法の上記各規定が,地方公共団体が準学校法人に対して補助金の支出等を行い得る旨を定めているが,これらの法令にも,どのような準学校法人がどのような事業を行う場合にどの程度の補助金を支出するのか,具体的な要件・効果に関する規定は見当たらない。さらに,上記各法令には,準学校法人に対する補助金の支出等の具体的な手続を定める規定や,これに補助金の交付等の請求権・申請権を認める規定,不交付決定に対して不服申立手続を設ける規定等もなく,そのような規定の制定等を地方公共団体 に の支出等の具体的な手続を定める規定や,これに補助金の交付等の請求権・申請権を認める規定,不交付決定に対して不服申立手続を設ける規定等もなく,そのような規定の制定等を地方公共団体 に委任する規定も見当たらない。これらのことを総合すると,私立学校法及び私立学校振興助成法の上記各規定は,地方公共団体が準学校法人に対して補助金の支出等ができることを規定したにとどまるものと解するのが相当であって,上記各法令の規定が,準学校法人に対し,補助金の交付を受ける権利や補助金の交付申請権を与える趣旨を含むものと解することはできない。 そして,A府交付規則は,私立学校法,私立学校振興助成法及び地方自治法等の委任によらず,また,条例(地方自治法14条)の形式によることなく,補助金の交付の申請,決定等に関する基本的事項を一般的に規定するもので,不交付となった場合の不服申立てについても規定がない。これらの事情に照らせば,A府交付規則及びA府要綱は,A府内部の事務手続を定める趣旨を超えて,対象者に当該補助金の交付を受けることのできる法的権利を認める趣旨を含むものとは解されない。 さらに,他に本件A府不交付に法令等が行政処分としての性質を与えたと解する根拠は見当たらない。 ウしたがって,本件A府不交付は,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものとはいえないから,「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条1項,2項,6項)に当たるとは認められず,抗告訴訟の対象となる処分に該当しない。 上記に反する原告の主張(前記第2の4(1)(原告の主張))は,採用することができない。 (3) 小括そして,原告は,行政事件訴訟法3条6項2号及 る処分に該当しない。 上記に反する原告の主張(前記第2の4(1)(原告の主張))は,採用することができない。 (3) 小括そして,原告は,行政事件訴訟法3条6項2号及び37条の3所定のいわゆる申請型の義務付けの訴えとして,本件23年度A府補助金の交付の義務付けを求めるところ(請求1(1)ア(イ)),上記のとおり,本件A府不交付は「行 政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条1項,2項,6項)に当たるとは認められないから,本件A府不交付と表裏ともいうべき関係にある本件23年度A府補助金を交付する旨の決定についても同様に解されるのであって,抗告訴訟の対象となる処分に該当しない。そうすると,その余の点について判断するまでもなく,本件訴えのうち本件A府取消等請求に係る部分は不適法といわざるを得ない。 3 争点2(本件A市不交付の処分性)について(1) 本件A市不交付についてア上記2(2)アのとおり,地方公共団体が私人に対して補助金を交付する関係においては,原則として行政処分は存在しないというべきであり,法令等が,一定の政策目的のために,特に一定の者に補助金の交付を受ける権利を与えるとともに,補助金の交付手続により行政庁に当該者の権利の存否を判断させることとした場合や,法令等が補助金の交付手続を定める中で行政庁による不交付決定に対して不服申立手続を設けているような場合など例外的に,補助金の交付決定に処分性が認められるものと解される。 イ(ア) 弁論の全趣旨によれば,本件A市不交付は,私立学校法64条5項により準用される同法59条,私立学校振興助成法16条により準用される同法10条及び地方自治法232条の2に加え,A市交付規則,A市要綱に基づいて行われ れば,本件A市不交付は,私立学校法64条5項により準用される同法59条,私立学校振興助成法16条により準用される同法10条及び地方自治法232条の2に加え,A市交付規則,A市要綱に基づいて行われたと認められる。このうち,上記2(2)イのとおり,地方自治法232条の2,私立学校法及び私立学校振興助成法の上記各規定は,地方公共団体が準学校法人に対して補助金の支出等ができることを規定したにとどまるものと解するのが相当であって,上記各法令の規定が,準学校法人に対し,補助金の交付を受ける権利や補助金の交付申請権を与える趣旨を含むものと解することはできない。 そして,A市交付規則は,私立学校法,私立学校振興助成法及び地方自治法等の委任によらず,また,条例(地方自治法14条)の形式によ ることなく,被告A市における補助金の交付の申請,決定等に関する基本的事項を一般的に規定するもので,不交付となった場合の不服申立てについても規定がない。これらの事情に照らせば,A市交付規則及びA市要綱は,A市内部の事務手続を定める趣旨を超えて,対象者に当該補助金の交付を受けることのできる法的権利を認める趣旨を含むものとは解されない。 さらに,他に本件A市不交付に法令等が行政処分としての性質を与えたと解する根拠は見当たらない。 (イ) 以上に対し,原告は,本件A市補助金が学校法人援助の手続に関する条例に基づいている,あるいは,被告A市において用いているA市補助金等チェックシートに本件A市補助金の根拠として「私立学校法,私学振興助成法」が明記されているなどと主張する。しかし,同条例は昭和27年4月1日から施行されたもので,その1条において「私立学校法…59条第1項の規定」という現行の私立学校法59条の条項とは整合しな 興助成法」が明記されているなどと主張する。しかし,同条例は昭和27年4月1日から施行されたもので,その1条において「私立学校法…59条第1項の規定」という現行の私立学校法59条の条項とは整合しない表記が用いられ,申請書に添付する書類も同条例において「予算書(前年度及び当該年度のもの)」が求められるのに対し,A市要綱5項では「予算書(当該年度のもの)」などとされ(甲15,18,50,丙6),A市要綱にも同条例との関係に言及した記載がないことに照らせば,A市要綱が同条例を根拠とするものでないことは明らかというべきである。また,A市補助金等チェックシートは,その記載欄に照らせば,補助金等の必要性や効果について,被告A市及びA市民らが検証,確認等をするために作成されたものにすぎず(甲48,弁論の全趣旨),その記載をもって当該補助金等の法令上の根拠を裏付けることはできないというべきである。 ウしたがって,本件A市不交付は,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものとはいえないから,「行 政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条1項,2項,6項)に当たるとは認められず,抗告訴訟の対象となる処分に該当しない。 上記に反する原告の主張(前記第2の4(2)(原告の主張))は,採用することができない。 (2) 小括そして,原告は,行政事件訴訟法3条6項2号及び37条の3所定のいわゆる申請型の義務付けの訴えとして,本件23年度A市補助金の交付の義務付けを求めるところ(請求2(1)ア(イ)),上記のとおり,本件A市不交付は「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条1項,2項,6項)に当たるとは認められないから,本件A市 付けを求めるところ(請求2(1)ア(イ)),上記のとおり,本件A市不交付は「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条1項,2項,6項)に当たるとは認められないから,本件A市不交付と表裏の関係ともいうべき本件23年度A市補助金を交付する旨の決定についても同様に解されるのであって,抗告訴訟の対象となる処分に該当しない。そうすると,その余の点について判断するまでもなく,本件訴えのうち本件A市取消等請求に係る部分は不適法といわざるを得ない。 4 争点3(本件A市確認請求に係る確認の利益の有無)について(1) 確認の利益について上記3のとおり,本件A市補助金はA市要綱に基づいて交付されるものであり,法令等を直接の根拠とするものとは解されないところ,A市要綱は,被告A市の内部における事務手続を定める趣旨であるから,A市要綱に定める所定の交付対象要件が備われば当然に給付請求権が発生すると解することはできない。他方,A市長が行う本件A市補助金の交付・不交付の決定が,抗告訴訟の対象となる「処分」に当たらないことは,上記3で説示したとおりであるから,本件A市補助金に係る具体的な給付請求権は,申込み(申請)と承諾(交付決定)により成立する贈与契約を原因として発生するものと解さざるを得ない。そうすると,承諾(交付決定)のない本件においては,贈 与契約が未だ成立しておらず,具体的な給付請求権も発生していないことになる。そして,本件A市承諾請求についても,A市要綱が被告A市における内部手続を定めたものであることに照らせば,所定の交付対象要件に該当するとしても実体上直ちに被告A市に承諾義務が発生するものとは解されない。 上記を踏まえ,原告は,本件A市確認請求をしているところ,本件A市補助金の交付 に照らせば,所定の交付対象要件に該当するとしても実体上直ちに被告A市に承諾義務が発生するものとは解されない。 上記を踏まえ,原告は,本件A市確認請求をしているところ,本件A市補助金の交付のような行為は,契約(贈与契約)という形式で行われるものであるとしても,教育の振興という行政目的を実現するために行われるものであって公益的性格を有していることは明らかであるし,被告A市は,本件A市補助金の交付事業を行うに当たっての基準としてA市要綱を定めている以上,内部の事務手続としてはこれに従って進めなければならず,これに反する事務運営は許されない。そうであるとすると,被告A市による本件A市補助金の交付は,契約として契約自由の原則に服するものの,純然たる私法上の契約とは異なり,被告A市は,被告A市の内部における事務運営が上記の行政目的及びA市要綱の定めに沿ったものとされる点において制限を受けるということができ,これを申請者である原告の側からみると,被告A市において,本件A市補助金の交付対象としてA市要綱に沿った事務運営の対象とされることについて,一定の利益を有しているものと解することができる。 そして,申請者においては,上記利益を有することを背景に,本件A市補助金の交付を受けられる地位にあること,すなわち本件A市補助金の交付対象要件を充足することの確認訴訟を提起し,本件A市補助金の交付の可否について裁判所の公権的判断を求めることは,補助金交付の要否をめぐる問題を解決するための適切な手段であるということができる一方で,他に必ずしも適切な解決手段があるといい難いことに照らせば,本件A市確認請求について確認の利益を肯定することができる。 (2) 被告A市の主張についてこれに対し,被告A市は,被告A市に対する本件A市補助金 手段があるといい難いことに照らせば,本件A市確認請求について確認の利益を肯定することができる。 (2) 被告A市の主張についてこれに対し,被告A市は,被告A市に対する本件A市補助金の交付を求め る給付訴訟を提起すべきであり,本件A市確認請求は不適法であると主張する。しかし,上記のとおり,本件A市補助金は,A市要綱に基づいて交付されるところ,A市要綱は被告A市における内部の事務手続を定めたものにすぎず,申請者と被告A市との間での権利義務を規律するものとはいえない以上,被告A市による交付決定(申請という申込みに対してされる承諾)がされていない段階において,原告が上記給付訴訟を提起したとしても,これにより紛争の実効的解決を期待することはおよそできないというべきであるから,被告A市の主張を採用することはできない。 (3) 小括したがって,原告の本件A市確認請求には,確認の利益があると認められる。 (4) 本件A府確認請求に係る確認の利益について被告A府は,本件A府確認請求に係る確認の利益について何ら主張していないものの,上記と同様に,原告の本件A府確認請求についても,確認の利益を肯定することができる。 5 認定事実本案の争点を判断するに当たり,前記前提事実のほか各項掲記の証拠等によれば,以下の事実が認められる。 (1) 本件A府補助金及び本件A市補助金ア被告A府においては,平成3年度から「A府私立専修学校専門課程等振興補助金交付要綱」に基づいて私立各種学校として認可している外国人学校に助成をしてきており,平成4年5月にはA府国際化推進基本方針において「内外の人々に対して差別のない開かれた豊かなこころの人々に支えられた社会の実現を図る」という方向性が示 て認可している外国人学校に助成をしてきており,平成4年5月にはA府国際化推進基本方針において「内外の人々に対して差別のない開かれた豊かなこころの人々に支えられた社会の実現を図る」という方向性が示されたことを踏まえ,平成5年3月19日,外国人学校は,設置者が学校法人であり,またその教育活動が我が国社会における社会構成員としての教育をも実施しているという 事実に着目し,A府内に所在する私立各種学校で,専ら我が国に居住する外国人を対象とする学校のうち,修学者の年齢層が概ね幼稚園,小学校,中学校及び高等学校の修学年齢に相当する学校であって,知事が特に必要と認める学校(外国人学校)について,これを他の各種学校とは区別し,現行の私学助成体系の中に外国人学校助成を新たに位置付けるためにA府要綱を制定し,平成4年度から本件A府補助金を外国人学校に交付してきた。そして,被告A府は,同年度から原告に対しても本件A府補助金を交付してきた。(以上につき前提事実(2)ア,甲6,9,11,乙31,32)イ被告A市は,昭和62年度から,各種学校における学校教育の目的を達成するために必要な教具・施設の整備,並びに学校の維持運営に対する補助金を交付してきており,平成3年には「外国人を専ら対象とし,義務教育に準ずる教育を実施する各種学校の果たす役割に鑑み,その健全な発達に資する」ことを目的として本件A市補助金を交付することを主な内容とするA市要綱を制定し,これに基づいて平成3年度から本件A市補助金を交付してきた。そして,被告A市による原告に対する助成(補助金の交付)は従前からされていたが,同年度からはA市要綱に基づいて原告に対する本件A市補助金の交付がされるようになった。(以上につき前提事実(3)ア,甲15,16,丙8)(2) 平成 (補助金の交付)は従前からされていたが,同年度からはA市要綱に基づいて原告に対する本件A市補助金の交付がされるようになった。(以上につき前提事実(3)ア,甲15,16,丙8)(2) 平成22年度の補助金の交付状況等ア(ア) 平成22年2月頃,私立高校授業料無償化の施策の一環とされた国就学支援金の交付対象として,BC級学校を対象とするか否か議論がされていたところ,BC級学校が国就学支援金の交付対象予定とされていることを疑問視する論調の新聞報道(「H国がB学園に資金提供」(同月23日付け),「教室にH国指導者の肖像画」(同年3月4日付け),「B学校の統廃合の停止をH国指導者がKに指示」(同日付け),「H国指導者への個人崇拝教育」(同月5日付け),「H国C級学校で使用する「現代B史」 の教科書はKが編纂し歴史を改変」(同月11日付け)等。)がされた(乙26)。 (イ) 昭和30年に結成されたKの活動は多方面に及ぶところであるが,その結成当初は,B学校の建設,学校認可手続等を進めるなどしていた。 なお,その指導思想は,昭和42年頃,従前の「社会主義的愛国思想」から主体思想・N主義に移行したとも評されている。 (以上につき甲54,71)。 そして,Kは,公安調査庁が取りまとめた「内外情勢の回顧と展望平成22年(2010年)1月」と題する冊子中において,「H国・K」とする項目の下に取り上げられている。同項目中には,「Kは,B人学校での民族教育を「愛族愛国運動」の生命線と位置付けており,学年に応じた授業や課外活動を通して,H国・Kに貢献し得る人材の育成に取り組んでいる。」,「B人学校では,一律にK傘下事業体「O」が作成した教科書を用いたB語での授業を行っている。」,「Kは,…教職員やD級 た授業や課外活動を通して,H国・Kに貢献し得る人材の育成に取り組んでいる。」,「B人学校では,一律にK傘下事業体「O」が作成した教科書を用いたB語での授業を行っている。」,「Kは,…教職員やD級部4年生以上の生徒をそれぞれKの傘下団体であるPやQに所属させ,折に触れIの「偉大性」を紹介する課外活動を行うなどの思想教育を行っている。」などの記載がある。そして,平成24年1月に取りまとめられた「内外情勢の回顧と展望」においても,Kについての記述がある。(以上につき乙4,証人R)イ A府知事(当時の府知事はS)は,平成22年3月,B学校への補助の是非をめぐって自らB学校を訪問する意思があることを表明し,同月12日,B学校を視察し,原告関係者と意見交換を行った。その際,A府知事は,ABC級学校において教室正面の黒板の上部にH国指導者の肖像画が掲示されていることを確認した上,原告関係者から,スポーツ大会などでKから支援を受けていることや財務諸表の公開はこれから検討を進める状況であるといった説明を受けた。A府知事は,その席で,本件A府補助金 やA府授業料支援補助金(国による就学支援と併せて授業料を無償としようとするもの)は被告A府独自の制度であること,貴重な府民の税金を投入する以上,補助対象となる学校については教育活動や学校運営が適切に行われていることが必要であり,この点についての府民の理解が公金投入の前提であるし,これは私立高校や高等専修学校でも同様であることを伝えた上で,本件A府補助金の交付のために,原告関係者に対して,以下の①から④までの事項を要請した。(以上につき甲121,128,乙26,33,34,証人T)① Kと一線を画すこと。 ・Kとの人的・金銭的な関係を絶つ。 下の①から④までの事項を要請した。(以上につき甲121,128,乙26,33,34,証人T)① Kと一線を画すこと。 ・Kとの人的・金銭的な関係を絶つ。 ・K主催の行事に参加しない。 ・生徒が参加するコンクール等は,K主催から保護者等の主催に切り替えること。 ② H国指導者の肖像画を教室から外すこと。 ③ 日本の学習指導要領に準じた教育活動を行うこと。 ・特に,H国指導者の個人崇拝につながる教科書記述は見直すべき。 ④ 学校の財務状況を一般公開する。 ウ被告A府においては,平成22年,教育学の有識者,日本の私立高等学校校長及びB語の専門家などの4名の委員により構成されるWGを設置し,「A府授業料支援補助金等の検討を行うに当たり,ABC級学校の教育活動や教科書が日本の学習指導要領等に準じているかについての確認を行うとともに,必要な助言や提言を行う」ことを目的とし,同年5月20日から同年9月22日まで,6回にわたるワーキングを実施し,原告が運営する学校の教育活動を調査した。WGは,同日,調査結果として提言を取りまとめた。(以上につき甲20)提言には,確認結果として,ABC級学校は各種学校(学校教育法13 4条)であるから,学習指導要領の適用は受けないものの,「学習指導要領に示された教科,特別活動を概ね実施。」,「必履修教科である家庭科が開設されていない。」,「総合的な学習の時間が開設されていない。」,「ホームルーム活動が実施されていない。」,「学習指導要領上の最低必要要件である「74単位」を上回る「90単位」を設定。」,「日本語版の年間授業計画(シラバス)が作成されていない。」が示された ,「ホームルーム活動が実施されていない。」,「学習指導要領上の最低必要要件である「74単位」を上回る「90単位」を設定。」,「日本語版の年間授業計画(シラバス)が作成されていない。」が示された(甲20)。 エ被告A府(私学課)は,平成22年8月,B学校の教育活動や学校運営の問題点を指摘する新聞報道(「政府見解(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」)とも矛盾」(同月5日付け),「K幹部が校長兼任」(同月7日付け),「H国の政治的指導者への忠誠度で教員認定」(同月13日付け),「Kの政治組織に生徒を強制加入」(同月15日付け),「学費納入時に活動費を徴収してKに上納」(同月21日付け))がされたことを受けて,原告に対し,これらについての事実関係や上記イ①から④までの各項目との関係を明らかにするよう求めた(乙26,証人T)。 オ A府下には,B学校と同様に各種学校に区分され,本件A府補助金の交付対象となっている外国人学校がB学校のほかに2校あるところ,被告A府は,そのうちの1校であるMに対し,平成22年9月30日に学校の教育活動を視察するとともに,同年11月2日に学校運営に関するヒアリングを行い,また,他の1校であるAUに対し,同年9月28日に学校の教育活動を視察し,同年11月5日に学校運営に関するヒアリングを行い,いずれも上記イ①から④までの各項目を充たしていることを確認した(乙26)。 カ国は,平成22年11月,同年4月に多くの外国人学校を国就学支援金の交付対象とする一方でBC級学校をその交付対象から除外していたことから,BC級学校をその交付対象とするか否かの検討のため,専門家会議(高等学校等就学支援金の支給に関する検討会議)をしてその教育内容の 調査を実施させ,同年8月30日付けで同専門家会 から,BC級学校をその交付対象とするか否かの検討のため,専門家会議(高等学校等就学支援金の支給に関する検討会議)をしてその教育内容の 調査を実施させ,同年8月30日付けで同専門家会議により取りまとめられた報告書(高等学校の課程を置く外国人学校の指定に関する基準等について)等を受けて,BC級学校に対して国就学支援金を交付するための手続を進めていたが,同年11月23日に発生したL砲撃事件等を受けて,同手続を停止した(甲129,乙26,証人T)。 A府は,平成22年12月にB学校の保護者会との間での意見交換等を行ったが,原告から,理事会での調整や保護者会の説明に時間を要したとして,当初,同年秋頃に予定していた上記イ①から④までの各項目について回答を延期したいとの申入れを受けた(乙26)。 キ Vは,それまでV内に所在するB学校に対して独自に教育運営費補助金を交付していたが,B学校10校に対してその交付を当面中止することとし,平成22年12月24日,その旨が新聞により報じられた。なお,Vは,平成22年度以降,教育運営費補助金の交付対象から10校のB学校を除外したままである。(以上につき乙26,弁論の全趣旨)ク原告は,平成23年3月8日,A府知事に対し,上記イ①から④までの各項目について検討した結果として,概要,以下の内容を伝えた(甲21の1,証人T,原告代表者本人)。 「今後,」「提言において指摘された点に留意し自主的に教育活動を強化改善してまいります。」,「学校の財務情報については,2010年度内に,学園のホームページを通じて公開してまいります。」,「本学園は,…特定の政治団体の下部組織ではありません。本学園は学校法人の寄付行為にのっとり,理事会の決定により誠実に教育活動・学校運営を 度内に,学園のホームページを通じて公開してまいります。」,「本学園は,…特定の政治団体の下部組織ではありません。本学園は学校法人の寄付行為にのっとり,理事会の決定により誠実に教育活動・学校運営を行っているところです。」,「本学園は準学校法人ではありますが,基本方針において,特定の政党や政治団体の干渉を受けることなく学園の自主性を堅持することなどを明示いたします。」,「現在,D級学校やE級学校には肖像画を掲げておりません。他方,同胞一世から受け継いだ想いや,民族教育を支えてくれた ことに対する感謝の情などを理解できるであろうC級学校においては掲げております。祖国への想いはアイデンテイテイの確立において重要なものであり,また,個々人の想いに係るデリケートな事柄であるため,肖像画については,私たち自らが考え,方向性を出すべきであると考えております。以上のようなことを踏まえ,C級学校の肖像画についての要件提示に対し,この間,議論を重ねてまいりました。」ケ原告は,平成23年3月22日,理事会において責任ある学校運営を行うこと,開かれた学校運営を進めるために取組みを行うこと,適正な学校運営を進めるための取組みを行うことを内容とした「基本方針」(ガバナンス向上に向けた基本方針)を発表し,原告学園のホームページにおいて,財務情報(財産目録,貸借対照表,資金収支計算書・消費収支決算書)を掲示公開した。そして,原告は,同月23日,その内容を被告A府に報告した。(以上につき甲21の2,乙26,証人T,原告代表者本人)コ被告A府は,平成23年3月25日,C級学校を除くD・E級学校合計9校については,上記イ①から④までの各項目を充たしているとして,同D・E級学校合計9校について補助金(合計8724万5000円)を交付す 府は,平成23年3月25日,C級学校を除くD・E級学校合計9校については,上記イ①から④までの各項目を充たしているとして,同D・E級学校合計9校について補助金(合計8724万5000円)を交付することとした。なお,原告は,同補助金の交付申請に当たり,C級学校分の補助金については申請をしていなかった。 (以上につき甲8,122,乙26)サなお,被告A市は,平成23年1月27日,原告の申請に基づき,例年と同様に,平成22年度分の本件A市補助金を原告に交付した(甲123,証人W)。 (3) 本件A府申請及び本件A市申請等ア被告A市は,原告に対する本件23年度A市補助金の交付に備え,平成23年6月,市議会においてその予算案を通過させていたところ,同年9月12日,原告から,本件23年度A市補助金(BD級学校,BDE級学 校,BE級学校の合計9校)に係る同月9日付けの交付申請書及び添付書類を受理した。なお,同申請は,当初,添付書類に不備があったが,同年10月12日にその不備が是正された。(以上につき甲16,丙8,弁論の全趣旨)イ A府議会においては,平成23年9月からA府議会及びその準備のための諸調整(上記アの9校に係るA府補助金の補正予算案の提出を含む。)が行われていたところ,一部議員から,「職員室に肖像画を掲示することは,実質的に教室に肖像画を掲示することと同等の意味を持つため,「教室だけでなく職員室からも肖像画を外すこと」を要件とすべき」などといった主張が出された(乙27,原告代表者本人)。 ウ被告A府(私学課)は,平成23年10月19日,原告に対し,「AB学園への申入れ内容」と題する書面を交付した。同書面には,「A府としては,補助金の交付要件である4要件に基づき,補助金の ウ被告A府(私学課)は,平成23年10月19日,原告に対し,「AB学園への申入れ内容」と題する書面を交付した。同書面には,「A府としては,補助金の交付要件である4要件に基づき,補助金の交付手続きを進め,今議会で必要な予算を提案した」,「先日の教育常任委員会において,議会から議論があり,補助金の交付要件としては,肖像画について,教室だけではなく,生徒が出入りする職員室からも外すべきとの意見があったので,是非,ご検討をお願いしたい」,「10月21日が,今会議の採決日となっているため,それまでに,ご回答をいただきたいが,期日が迫っているため,学校から回答が得られない場合には,今会議の会期末日まで継続審議ということになる可能性が高い。」,「その場合には,今会議の会期末日の採決日が12月中旬に予定されていることを踏まえ,11月末までにご回答をいただきたい。」と記載されていた。(以上につき甲23の1,乙27)エ原告は,平成23年10月19日,被告A府に対し,「A府からの申入れに対するAB学園の回答(10/19)」と題する書面を交付した。同書面には,「AB学園としては,知事の視察の際に示された補助金の交付要件について,この間,学園として議論を重ね,その結果について昨年度末に回 答を行った」,「また,この交付要件に基づき,引き続き,適切に学校運営を行うこととしておりましたが,今回,新たに,府議会から補助金の交付要件について意見をいただいた。」,「学園としては,直ちに,方向性を示すことは困難であるが,府民の代表である府議会からの意見を真摯に受け止め,検討を進めてまいりたい。」と記載されていた。(以上につき甲23の2,乙27)オ平成23年10月21日,A府議会の本会議において原告からの上記回答内容が報告 からの意見を真摯に受け止め,検討を進めてまいりたい。」と記載されていた。(以上につき甲23の2,乙27)オ平成23年10月21日,A府議会の本会議において原告からの上記回答内容が報告されたところ,教育常任委員会において,原告が設置する9校に係る本件A府補助金の補正予算案は,採決されることなく,同委員会で継続審査されることとなった(乙27)。 被告A市においても,これらの動向を注視した上で,本件A市補助金の交付要件を見直す必要があると判断し,本件A市補助金の交付手続を保留することとなった(丙8)。 カ平成23年11月27日,A府知事選挙及びA市長選挙が実施され,それまでA府知事を務めていたSがA市長に就任した(弁論の全趣旨)。 キ被告A府は,平成23年12月,A府知事の判断に基づいて「H国指導者の肖像画を教室から外すこと」の要件にいう「教室」には職員室も含まれるものとし,同月12日,上記オの9校分の本件A府補助金に係る補正予算案について,教室に加えて職員室にも肖像画の掲示がされていないことの確認ができていたAB第四D級学校1校分に減額する旨の議案訂正を行い,同月21日,府議会において附帯決議付きで当該学校1校分に係る補正予算案を可決した。なお,同附帯決議は,概ね上記(2)イ①から④までの各項目の厳正な対応を求めるとし,同各項目の更なる厳格な実態調査を継続して実施することや,同各項目を充たさないことが判明した場合は,補助金の返還を求めることなどを内容とするものであった。 (以上につき甲25,乙27,証人R) ク原告は,平成23年12月22日,被告A府の対応を非難するとともに,上記(2)イ①から④までの各項目に従い従前どおりの交付を求めるなどの談話を発表した(甲26)。 R) ク原告は,平成23年12月22日,被告A府の対応を非難するとともに,上記(2)イ①から④までの各項目に従い従前どおりの交付を求めるなどの談話を発表した(甲26)。 ケ被告A府は,平成23年12月30日,新聞紙面において,「12月29日にABC級学校で,KA本部が主催するI氏の追悼式が開催された」との報道がされたことから,原告に対して同追悼式の会場となった同体育館の使用申請書の提出を求め,当該追悼式の主催者がKA本部ではないことを確認した(乙27)。 コ被告A府は,平成24年2月20日,私立外国人学校設置者に宛てて,「「A府私立外国人学校振興補助金交付要綱」の改正について」と題する書面を送付し,A府要綱を改正する旨の通知をした。同書面には,改正概要として,「平成22年度の補助金交付から,新たに交付要件を設定しているところですが,今年度分の補助金交付にあたり,次の交付要件を交付要綱に明文化します。」,「①日本の学習指導要領に準じた教育活動を行うこと」,「②学校の財務情報を一般公開すること」,「③特定の政治団体と一線を画すこと」,「④特定の政治指導者の肖像画を職員室を含む教室から外すこと」などと記載されていた。(以上につき甲10,証人R)サ被告A府(私学課)は,平成24年2月29日,原告に対し,本件A府補助金の申請をするか否かについての方向性等を確認するとともに,申請の事前対応のための場を持ちたいとする連絡をしたところ,原告は,肖像画を外す場所として,教室に加えて職員室が加えられたことから,原告内部の対応等に時間を要しているとして,申請するともしないとも返答することができない状況にあると伝えた(弁論の全趣旨)。 シ原告は,平成24年3月5日,学園理事会を開催し,A府 とから,原告内部の対応等に時間を要しているとして,申請するともしないとも返答することができない状況にあると伝えた(弁論の全趣旨)。 シ原告は,平成24年3月5日,学園理事会を開催し,A府要綱や上記コの4つの要件等に対する対応を協議し,①早期に議論の経過と結論を学父母会議で報告すること,②原告学園のうちD・E級学校については肖像画 は職員室から撤去する,③C級学校については即座に撤去することはしない,④C級学校を除くD・E級学校について本件A府補助金交付の申請を行うことを決定した(弁論の全趣旨)。 ス被告A府(私学課)は,平成24年3月6日,原告に対し,B学校とKの関係についてKのホームページに,「Kの指導のもとで運営」との記載があることを指摘した。これを受けて,原告は,Kに対し,上記ホームページの記載が誤解を招くものであるとして,その修正を申し入れた。(以上につき甲28,弁論の全趣旨)セ被告A府は,平成24年3月6日,原告からD・E級学校についてA府補助金の交付申請をする旨の連絡を受けたことから,同月7日,原告に対し,申請書提出期限を同月9日とする「平成23年度A府私立外国人学校振興補助金に係る交付申請書の提出について(通知)」と題する申請資料群及び同月7日付けで改正されたA府要綱を送付した(弁論の全趣旨)。 ソ被告A市は,平成24年1月又は2月頃から,A市要綱の改正について検討を始めていたところ,同月23日頃の時点で,本件A市補助金の取扱いについて,平成23年度以降は被告A府と同様の扱いとする方針を決め,同年3月6日には本件A市補助金の交付要件を本件A府補助金の交付要件に合わせることとし,同月8日,A市役所J局内において原告担当者らにその旨の説明を行った。その際,被告A市は,原 とする方針を決め,同年3月6日には本件A市補助金の交付要件を本件A府補助金の交付要件に合わせることとし,同月8日,A市役所J局内において原告担当者らにその旨の説明を行った。その際,被告A市は,原告に対して,被告A市において当時把握していた被告A府の本件A府補助金の交付対象要件を記載した本件メモを渡した。(以上につき甲17,丙8,証人W,原告代表者本人,弁論の全趣旨)タ原告は,平成24年3月9日,被告A府に対し,平成23年分に係るD・E級学校8校分の本件23年度A府補助金8080万円の交付申請(本件A府申請)をした。被告A府は,これを受けてA府要綱に基づき,本件A府申請の内容について審査を開始するとともに,予算が計上されていなか った7校分の補正予算案の提出の準備を始めた。(以上につき甲12,乙27,原告代表者本人,弁論の全趣旨)なお,同月10日,一部新聞において,本件A府申請を受けて,被告A府が今後申請に係る各学校を調査し,肖像画を外した対応が確認できれば,A府要綱の充足を確認できたものとして補正予算を計上する方針を示したとする新聞報道がされた(甲27)。 チ被告A府は,平成24年3月10日から,肖像画の撤去確認を目的としたD・E級学校8校に対する学校訪問を開始し,被告A市もこれに同行した。被告A府及び被告A市の各担当者は,同月12日から同月14日までの間,申請に係る学校の授業視察を行い(ただし,XBD級学校には被告A市の担当者は同行していない。),被告A府の担当者は,同月15日から同月17日までの間,帳簿書類の検査の他,各学校年間行事スケジュールの調査などをした。これらの調査等において,調査対象とされた学校の教室や職員室等において肖像画の掲示は確認されなかった。 (以上につき乙2 日までの間,帳簿書類の検査の他,各学校年間行事スケジュールの調査などをした。これらの調査等において,調査対象とされた学校の教室や職員室等において肖像画の掲示は確認されなかった。 (以上につき乙27,丙8,証人R,証人W,弁論の全趣旨)ツなお,平成23年度当時,原告が設置するB学校と共に本件A府補助金の対象となり得る外国人学校としてMとUが存在したが,これら2校はいずれもA府要綱に定める4要件を含む本件A府補助金の交付対象要件を充たしていたとして同年度に係る同補助金の交付をそれぞれ受け,また,同年度当時,原告が設置するB学校とともに本件A市補助金の対象となり得る学校法人であったMは,A市要綱に定める交付対象要件を充たしていたとして被告A市による同年度の本件A市補助金の交付を受けた(乙27,証人W,弁論の全趣旨)。 (4) 本件新聞報道と本件各不交付等ア平成24年3月16日,B学校の生徒がH国を訪問し,歌劇に参加したとの本件新聞報道がされた。本件新聞報道には,Yについて,「日本では, K幹部ら一部にだけ録画映像の視聴が許された。…Kの幹部会議では昨年,B学校校長が先頭に立ってG氏への忠誠と愛国教育推進を宣誓したしたことも判明している。」などの記事内容も含まれていた。これを受けて,被告A府は,原告に対し,本件新聞報道に係る行事への参加に関する関係書類を提出することを求めた。(以上につき前記前提事実(2)エ,乙3,27,原告代表者本人)原告が運営するABC級学校長のZは,同日午後6時頃,A府庁を訪れ,本件新聞報道に関し,① AB学園(D級・E級学校)からも生徒十数名が参加,② AB学園から付添教員が参加しているかは不明,③ 生徒は3週間程度の休暇を取り,H国を訪問し,現地で他府県の生徒 訪れ,本件新聞報道に関し,① AB学園(D級・E級学校)からも生徒十数名が参加,② AB学園から付添教員が参加しているかは不明,③ 生徒は3週間程度の休暇を取り,H国を訪問し,現地で他府県の生徒と合同練習,④ 舞踊等を担当しているB大学校の教員や学校関係者で構成される委員会からの依頼により,各D級・E級学校において周知を図り,参加者数等を取りまとめ,⑤ 生徒や保護者が任意に参加するものであり,学校行事として参加するものではない,⑥ H国への訪問に係る費用は,学校ではなく,保護者が負担,⑦ 新年を祝う行事として,数十年前から毎年実施されているもの,⑧ B学校の生徒は,行事全体の10分程度の出演であり,行事の構成について学校は承知していないなどと説明をした。被告A府(私学課)は,上記説明を受け,Zに対し,行事の主催者を確認することができる参加者募集のチラシ等の生徒に対する案内文書等の提出を求めたところ,Zは,翌17日に改めて説明するなどと述べた。(以上につき乙27,証人R,原告代表者本人)イ被告A府(私学課)は,平成24年3月17日,A府庁に来庁したZから,A府要綱に定める交付対象要件に反する事実はないから口頭での説明のみで足り,書面等を提出する必要はないという原告の考え方について説明を受けたが,Zに対し,改めて生徒に対する案内文書等の提出を求めるとともに,その提出がなければ本件23年度A府補助金が交付されない可 能性がある旨を伝えたものの,Zの協力は得られなかった(乙27,証人R,原告代表者本人)。 被告A府(私学課)は,同月18日,Zに電話を掛けて,改めて本件新聞報道を踏まえた事実確認を求めるとともに,生徒に対する案内文書等の提出を求め,その提出がない場合には本件23年度A府補助金が交付され 告A府(私学課)は,同月18日,Zに電話を掛けて,改めて本件新聞報道を踏まえた事実確認を求めるとともに,生徒に対する案内文書等の提出を求め,その提出がない場合には本件23年度A府補助金が交付されない可能性がある旨を伝えたが,Zは,従前と同様に,本件新聞報道に係るYへの参加は本件A府補助金の交付対象要件に反するものとは認識していないとしつつも,Yの参加に関する生徒に対する案内文書等を提出することはできない旨の回答を繰り返した(乙27,証人R,原告代表者本人。 なお,原告は本件23年度A府補助金が交付されない可能性を伝える注意喚起がなかった旨主張するが,上記各証拠に照らして採用できない。)。 ウ被告A府(私学課)は,平成24年3月19日,A府庁内において,Zに対し,本件23年度A府補助金は不交付とし,補正予算案も提出しないこととなった旨を伝えた。なお,同日,被告A府が原告に対する本件23年度A府補助金を交付しないことを決めた旨の報道がされた。 (以上につき甲30,乙27,弁論の全趣旨)原告は,同日,被告A府が本件23年度A府補助金を交付しないことに決めた旨報じられたことを受けて,被告A府の対応がB学校・民族教育に対する不当な干渉であって,公明正大かつ公平な態度で交渉に取り組むことを切に望む旨のコメントを発表した(甲30)。 エ被告A市は,平成24年3月21日頃,上記ウを受けて,原告の理事に電話をかけて,本件23年度A市補助金を交付しない見込みである旨を伝えた(丙8)。 オ被告A府は,平成24年3月29日,原告に対し,本件23年度A府補助金を不交付とする旨の決定(本件A府不交付)をし,原告にその旨を通知した(甲13)。 カ被告A市は,平成24年3月27日,A市要綱を改正し,同 告に対し,本件23年度A府補助金を不交付とする旨の決定(本件A府不交付)をし,原告にその旨を通知した(甲13)。 カ被告A市は,平成24年3月27日,A市要綱を改正し,同月28日頃に,原告に対し,本件23年度A市補助金を不交付とする旨の決定(本件A市不交付)をし,同月30日,原告に本件A市不交付を通知するとともにA市要綱を交付した(甲19,丙8)。 キ被告A市は,平成23年度の本件A市補助金について交付申請をしていたMについて,被告A府からA府補助金の交付対象とされる見込みである旨を確認し,同学校がA市要綱に定める交付対象要件を充たしているものとして,同年度の本件A市補助金を交付する旨の決定をした(丙8)。 6 争点4(A府要綱交付対象要件充足の有無)について(1) 原告のA府要綱2条該当性についてア(ア) 原告が本件A府申請をした平成24年3月9日時点において,既にA府要綱は同月7日付け改正により4要件が付加されていた(前記前提事実(2)イ,ウ)のであるから,本件A府申請は同改正後のA府要綱を前提としてされたものということができる。 (イ) 被告A府においては,原告による本件A府申請を受けてA府要綱2条に定める交付要件に該当するか審査していたところ,公安調査庁が平成24年1月において取りまとめた「内外情勢の回顧と展望」にはKに関する記述がある上,平成22年1月に取りまとめた「内外情勢の回顧と展望」にはKがB学園において思想教育を行っている旨の記述があり(上記認定事実(2)ア(イ)),従前から,Kが原告を含むB学園に対して指示等をする関係にあるなどと報道されていた(上記認定事実(2)ア(ア),エ,(3)ケ,ス)。そして,平成24年3月16日には本件新聞報道がされ,「Kの )),従前から,Kが原告を含むB学園に対して指示等をする関係にあるなどと報道されていた(上記認定事実(2)ア(ア),エ,(3)ケ,ス)。そして,平成24年3月16日には本件新聞報道がされ,「Kの幹部会議では…B学校校長が先頭に立って…宣誓した」など,KとB学校とのつながりをうかがわせる記述もみられたことからすると(上記認定事実(4)ア),被告A府において,原告が運営するD・E級学校の生徒らが学校の教育活動として,Kの主催の下にYに参加したので はないかと疑うに足りる状況が生じていたことは否定できないといえる。 他方,被告A府においては,本件新聞報道の内容の真偽等を確認するために原告側のZに説明を求め,Zから口頭による説明(その内容は,上記認定事実(4)ア①から⑧までのとおりであって,B大学校の教員らで構成される委員会からの依頼により参加者を取りまとめるが,学校行事ではなく,生徒らが任意に参加するものであることなど。)を受けているものの,行事の主催者が確認できる参加者募集のチラシなど生徒に対する案内文書等の提出を求めた際にはZによりその提出を拒絶された上,さらに,同書面等の提出がない場合には本件23年度A府補助金が交付されない可能性がある旨を伝えるなどしたにもかかわらず,Zからは本件A府補助金の交付要件に反する事情はない旨の説明を受けるのみで同案内文書等の提出を受けることができなかった(上記認定事実(4)ア,イ)というのであるから,原告が運営するD・E級学校の生徒らが学校の教育活動として,Kの主催の下にYに参加したことが疑われる状況の中,A府要綱2条の交付対象要件該当性についての検討をしなければならない被告A府の担当者において,その疑われるべき状況を解消することができたとは到底いえない(むしろZの上記対応 ことが疑われる状況の中,A府要綱2条の交付対象要件該当性についての検討をしなければならない被告A府の担当者において,その疑われるべき状況を解消することができたとは到底いえない(むしろZの上記対応に照らせば,その疑われる状況が固定化したということができる。)。加えて,Zは,同案内文書等を提出する必要はないと説明はするものの,同案内文書等が存在しないという趣旨の説明はしていないし(上記認定事実(4)ア,イ),原告が運営する学校からも生徒十数名がYに参加し,生徒らはこれに参加することを憧れの舞台への参加として受け止めていたこと(証人A’)に加え,Yからわずか2か月程度しか経過していなかったことからすると,同案内文書等が全て散逸,滅失したとも考え難いところであって,Zが同案内文書等を被告A府に提出することができない合理的理由があったとは認められない。 上記案内文書等は本訴においても書証として提出されておらず,被告A府職員による繰り返しの案内文書等の提出要請にもかかわらず,提出を求められていた資料(案内文書等)を提出しないことに合理的理由があったとは解されないから,原告が運営するD・E級学校の生徒らが学校の教育活動として,Kの主催の下にYに参加したものと疑われ,少なくとも「直近の「内外情勢の回顧と展望」において調査等の対象となっている団体」が「主催する行事に,学校の教育活動として参加していないこと」(A府要綱2条6号,8号)の要件を充たしているものと認めることができる状況になかったというべきである。 (ウ) したがって,原告は,A府要綱に基づいて本件A府申請をしたにもかかわらず,A府要綱2条に定める交付対象要件を充たしていたと認めることはできない。 イ以上に対し,原告は,前記第2の4(4)( したがって,原告は,A府要綱に基づいて本件A府申請をしたにもかかわらず,A府要綱2条に定める交付対象要件を充たしていたと認めることはできない。 イ以上に対し,原告は,前記第2の4(4)(原告の主張)アのとおり,原告がした本件A府申請がA府要綱2条に定める交付対象要件を充たすと主張するが,上記アに説示したとおり,当該主張を採用することはできない。 なお,原告は,被告A府の担当者から,Yに関する生徒に対する案内文書等の提出がない場合に本件23年度A府補助金の交付が受けられない旨の注意喚起はなかったと主張するが,このような注意喚起が存在したことは上記認定事実(4)イのとおりであって,これに反する当該主張を採用することはできない。 (2) 4要件が違法・無効である旨の主張等についてア原告は,前記第2の4(4)(原告の主張)イ(ア)のとおり,憲法26条,13条,社会権規約19条等の国際人権法,平等原則及び後退的措置の禁止等を挙げて,本件A府補助金の交付を受ける権利,利益を有している旨を主張する。しかし,憲法26条,13条,社会権規約19条等の国際人権基準は具体的な権利を基礎付けるものとはいえず,他の私立学校や各種 学校との間に補助金の交付の有無等に差異が生じたとしても,直ちに平等原則に反するものとはいえないというべきであるし,後退的措置の禁止が政治的義務として指摘される点はともかくとしてこれが法的義務となるとは解されない以上,これらにより原告が上記の法的権利を有していると認めることはできない。 もっとも,本件A府不交付により原告が平成23年度A府補助金の交付を受けられないことにより,結果として,原告が運営する各種学校の通学する児童,生徒及びその保護者の学習環境の悪化や経済的負担の増 もっとも,本件A府不交付により原告が平成23年度A府補助金の交付を受けられないことにより,結果として,原告が運営する各種学校の通学する児童,生徒及びその保護者の学習環境の悪化や経済的負担の増大等の影響が生ずることが懸念されるところではある(証人B’,証人C’)。しかしながら,A府要綱による本件A府補助金に係る交付事業は,学校法人への助成という枠組みを前提としている以上,当該学校法人又はこれが運営する学校がA府要綱に定める交付対象要件を充たしていない場合に当該学校法人が本件A府補助金の交付を受けることができなくなることはA府要綱の内容から自明のことというべきであるし,税金等の公金を原資とする本件A府補助金は1条校に準じた教育活動が行われている学校法人に対して交付されるものであることに照らせば,1条校に準じた教育活動を行っている学校あるいは同学校を運営している学校法人であるといえない場合に,本件A府補助金の交付が受けられないとしてもやむを得ないといわざるを得ない。 イまた,原告は,前記第2の4(4)(原告の主張)イ(イ)のとおり,平成24年3月7日付け改正によりA府要綱に付加された4要件が違法・無効であるとして,A府要綱に定めるその余の要件を充たす以上,原告はA府要綱の交付対象要件を充たすと主張する。 しかし,上記(1)のとおり,A府要綱に定める本件A府補助金の交付の法的性質は贈与であって,被告A府は,贈与を受けることができる資格をいかに定めるかについて,教育の振興という行政目的の実現のため一定の裁 量を有しているというべきである。そして,被告A府が交付する本件A府補助金は,学校法人が設置する外国人学校においては,1条校に準じた教育活動が行われているから,1条校に準じて助成の措置を行うべき必要が を有しているというべきである。そして,被告A府が交付する本件A府補助金は,学校法人が設置する外国人学校においては,1条校に準じた教育活動が行われているから,1条校に準じて助成の措置を行うべき必要があるとの考えからA府要綱を定め,これに基づいて本件A府補助金の交付を行っているのであるのから(上記認定事実(1)ア),平成24年3月7日付け改正により,このような経緯を明確にするため,概要,①「日本の学習指導要領に準じた教育活動を行うこと」(A府要綱2条5号関係),②「財務情報を一般公開すること」(A府要綱2条1号関係),③「特定の政治団体と一線を画すこと」(A府要綱2条6号から8号まで関係),④「特定の政治指導者の肖像画を教室から外すこと」(A府要綱2条9号関係)を交付対象要件として追加して明記したことも,私立学校としての公共性や本件A府補助金の経緯や考え方に沿うものとして,上記裁量の範囲内というべきである。 そして,本件A府不交付はA府要綱2条8号該当性を認めないものであるところ,同号は,上記③の要件(「特定の政治団体と一線を画すこと」)を具体化したものである。これは, 私立学校法36条2項において「理事会は,学校法人の業務を決し,理事の職務の執行を監督する」とされていることから,当該学校の業務に関して理事会において意思決定されていること及び他の団体等による不当な介入がないことを明確にするとともに,各種学校においても,私立学校として「私立学校の健全な発達」を図ることを目的とし,「公共性」が求められていることは否定できないところであって,そこには私立学校にも一定程度の政治的中立性が要求されていると解されるから,この点をも明確化し,加えて,本件A府補助金は,学校法人が設置する外国人学校のうち1条校に準じた教育活動が行われ って,そこには私立学校にも一定程度の政治的中立性が要求されていると解されるから,この点をも明確化し,加えて,本件A府補助金は,学校法人が設置する外国人学校のうち1条校に準じた教育活動が行われ,1条校に準じて助成の措置を行うべき必要があるものについて助成をするものとして発足し,活用されてきたものである以上(上記認定事実(1)ア),1 条校に準じた教育活動が行われていることが助成の実質的な要件ともいうべきところ,そのような要件を充たすというためには,教育の一定程度の政治的中立性が確保されていることが必要であると解されるから,この点をも明確化するものということができる。そして,A府要綱にこのような要件,条項を付加することは,本件A府補助金の経緯や考え方を要件として明確化し,もって本件A府補助金に係る制度・運用を規律しようとするものといえ(乙26,27,34,証人T,証人R),私立学校法の上記定めやA府要綱及び本件A府補助金の経緯等に照らし相応の合理性があるということができる。 そして,上記③の要件(「特定の政治団体と一線を画すこと」)の現実の運用として,A府要綱2条6号は,同条8号にいう「特定の政治団体」について「公安調査庁が公表する直近の「内外情勢の回顧と展望」において調査等の対象となっている団体」(ただし,政治資金規正法3条2項に規定する政党を除く。)と定義している。公安調査庁は,破壊活動防止法 (昭和27年法律第240号)の規定による破壊的団体の規制に関する調査及び処分の請求並びに無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成11年法律第147号)の規定による無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する調査,処分の請求及び規制措置を行い,公共の安全の確保を図ることを任務とし,国内諸集団等に 体の規制に関する法律(平成11年法律第147号)の規定による無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する調査,処分の請求及び規制措置を行い,公共の安全の確保を図ることを任務とし,国内諸集団等に対する情報の収集・分析等を行う国家機関であって(公安調査庁設置法3条,公安調査庁組織規則参照),これが調査等の対象として公表している団体が主催する行事に,学校の教育活動として参加している学校法人(A府要綱2条8号参照)に対し,税金等の公金を原資とする本件A府補助金を交付することを許容するか否かは,正に当該補助金制度を設計・運用する被告A府の裁量に属する事柄というべきであるから,このような要件を設けることにその裁量の範囲に逸脱又は濫用があるとはいえない。 ウさらに,原告は,A府知事が4要件の前身ともいうべき「Kと一線を画すこと」などを内容とする4つの項目を平成22年3月に示していることを挙げ,A府要綱に付加された4要件は原告を狙い撃ちにしたものであって,教育への不当な政治的介入であり,突然されたA府要綱の改正はその内容が公にされたとはいえず行政手続法5条,A府行政手続条例に違反すると主張する。 しかし,A府知事が平成22年3月に「Kと一線を画すこと」など4つの項目を原告に告げたのは,A府知事が正に原告の運営に係る学校を訪問して原告関係者と意見交換をしている場においてであって(上記認定事実(2)イ),本件A府補助金に係る交付対象要件の一般論を原告の場合に置き換えて説明したものにすぎないということができる。そして,上記イのとおり,4要件を設けたことには相応の理由があり,裁量の範囲内ということができるし,4要件を具体化したA府要綱の内容も一般性を具備した体裁をとっているのであって,殊更に原告に対する本件A府補助 イのとおり,4要件を設けたことには相応の理由があり,裁量の範囲内ということができるし,4要件を具体化したA府要綱の内容も一般性を具備した体裁をとっているのであって,殊更に原告に対する本件A府補助金の交付を阻止するため,原告を狙い撃ちにしたものとまではいえない。また,4要件は本件A府補助金の交付対象要件であって,原告における教育内容を直接規律するものではなく,教育に不当に介入するものともいえない。もとより,本件A府補助金の交付を受けない外国人学校に対して,1条校に求められるような政治的中立性を求めるものではない。 さらに,本件A府補助金の交付関係は行政処分ではなく,A府要綱は被告A府内部の事務手続を定めるものであるから,行政手続法及びA府行政手続条例の適用の前提を欠いている上,被告A府は,上記認定事実(3)コ,サのとおり,平成24年3月7日付けA府要綱の改正に先立ち,原告に改正内容を伝えるなどしていたことに照らせば,原告との関係においてA府要綱を公にしていなかったともいえない。 (3) 小括 以上によれば,原告がA府要綱2条に当たるとは認められず,もとより平成24年3月7日付け改正によりA府要綱に付加された4要件も違法,無効とはいえないから,原告がA府要綱交付対象要件を充たすと認めることはできない。 したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件A府承諾請求及び本件A府確認請求は,いずれも理由がない。 7 争点7(国家賠償法上の違法及び故意過失の有無)について(1) はじめに国家賠償法1条1項にいう違法とは,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背することであり,当該公務員が職務上通常尽くすべき注意義務 に国家賠償法1条1項にいう違法とは,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背することであり,当該公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と当該行為をしたと認められる事情がある場合には上記法的義務の違背があるものというべきである(最高裁判所平成5年3月11日第一小法廷判決・民集47巻4号2863頁等)。 (2) 検討ア上記6のとおり,原告がした本件A府申請はA府要綱に定めるA府補助金の交付要件を充たしていない以上,本件A府不交付が違法であると認めることはできない。 イ原告は,前記第2の4(7)(原告の主張)のとおり,本件A府不交付が違法であると主張するが,上記6のとおり,原告はA府要綱に定める本件A府補助金の交付要件を充たしておらず,憲法26条,13条,社会権規約19条等の国際人権基準,平等原則及び後退的措置の禁止等によっても本件A府補助金の交付を受ける権利を認めることはできない以上,原告に本件23年度A府補助金の交付を受ける権利や利益を認めることはできないから,本件A府不交付によりこれらの権利や利益が侵害されたと認めることはできない。また,上記6(2)アのとおり,平成24年3月7日付け改正 によりA府要綱に付加された4要件もこれが違法,無効であると認めるに足りる事情はない。 そして,原告は,本件A府不交付が原告を狙い撃ちにしたものであると主張するが,上記6(2)ウのとおり,そのような事実を認めることはできないし,本件A府不交付は,原告が被告A府職員から提出を求められたYの生徒に対する案内文書等の提出等をしなかったことなどの事情から,A府要綱2条8号に定める交付対象要件を充たしていると認めることができず, ,本件A府不交付は,原告が被告A府職員から提出を求められたYの生徒に対する案内文書等の提出等をしなかったことなどの事情から,A府要綱2条8号に定める交付対象要件を充たしていると認めることができず,原告がA府要綱2条に定める交付対象要件を充たすものと認められなかったことによるものであって,相応の合理的理由がある。また,原告は,被告A府によるA府要綱の改正等が,行政手続法,A府行政手続条例に違反すると主張するが,本件A府補助金の交付関係は行政処分ではなく,A府要綱は被告A府の内部の事務手続を定めるものであるから,その前提を欠いているというべきであるし,上記認定事実(3)コ,サのとおり,平成24年3月7日付けA府要綱の改正に先立ち,原告に改正内容を伝えるなどしているから,被告A府の対応の経緯に注意義務に違反したといえる事情はない。 (3) 小括以上のとおり,本件A府不交付に,国家賠償法1条1項の違法があるとは認められない。したがって,本件A府国賠請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。 8 争点9(A市要綱交付対象要件充足の有無)について(1) A市要綱2項該当性についてア本件A市申請(平成23年9月12日)及び追完(同年10月12日)の当時,A市要綱における本件A市補助金の交付対象が「本市内において各種学校を設置する私立学校法に定める学校法人」とされていた点が,平成24年3月27日付けで改正され,「本市内において各種学校を設置し, 当該年度にA府私立外国人学校振興補助金の交付を受けることが見込まれる私立学校法に定める学校法人」とされている。 本件A市補助金の交付が贈与契約という形式でされていることからすると,契約の成否及び内容は,申込み(申請)と承諾(交付 を受けることが見込まれる私立学校法に定める学校法人」とされている。 本件A市補助金の交付が贈与契約という形式でされていることからすると,契約の成否及び内容は,申込み(申請)と承諾(交付決定)により決まるというべきであり,被告A市の内部の事務手続を定めるA市要綱は,申込み(補助金申請)の誘因として位置付けられるものであり,それを超えて契約の成否及び内容を直接確定するものとは解されない。そして,A市要綱は,平成24年3月27日付け改正の際にも経過規定が設けられておらず,交付決定がされた後においても事情変更による交付決定の取消し等があり得るものとされ(12項),申請に対してそのまま承諾(交付決定)がされたとしても確定的に申請内容に従った交付が得られることを保証するものではない。これらの点に照らせば,本件A市補助金の交付決定に当たっては,その時点でのA市要綱が適用され,交付申請をした後にこれに対する交付・不交付の判断がされないうちにA市要綱が改正された場合には,改正後の要綱に基づいてその交付・不交付の判断をする趣旨のものということができる。補助金の交付申請の際に前提とされたA市要綱と異なる内容の要綱によって補助金の交付・不交付(契約の成否・内容)が決められる場合には,申請者の期待を損なう状況も生じ得るが,A市要綱は,本件A市補助金の申請期限と交付・不交付の判断の期限を設け(5項,8項),交付・不交付の決定後次の年度の申請までの間に改正作業を行うことで,上記のような場合を限定しているものと解される。そうすると,A市要綱に定められた提出期限である5月末日を3か月以上経過してされた本件A市申請については,申請者である原告において申請後にA市要綱が改正されることにより不利益が生ずるとしてもやむを得ないものといわざるを得ない。 限である5月末日を3か月以上経過してされた本件A市申請については,申請者である原告において申請後にA市要綱が改正されることにより不利益が生ずるとしてもやむを得ないものといわざるを得ない。 イそして,被告A市において,A市要綱の内容をいかに定めるかについて は,上記のとおり裁量を有しているものと解され,そうすると,被告A市において,各種学校の監督権限が被告A府にあり,本件A市補助金は本件A府補助金を補完する性格のもので,本件A府補助金を前提としているとし,これを明記すべくA市要綱2項を改正すること(丙8,証人W)は,相応の根拠があるというべきである。 ウしたがって,A市要綱に設けられた新要件が違法,無効ということはできず,上記認定事実(4)オのとおり,被告A府が本件A府不交付をしたのであるから,原告が「本市内において各種学校を設置し,当該年度にA府私立外国人学校振興補助金の交付を受けることが見込まれる私立学校法に定める学校法人」に当たるということはできず,A市要綱2項に定める本件A市補助金の交付対象要件を充たさないことは明らかである。 (2) 原告の主張についてア原告は,前記第2の4(9)(原告の主張)アのとおり,憲法26条,13条,社会権規約19条等の国際人権基準,平等原則及び後退的措置の禁止を根拠に本件A市補助金の交付を受ける権利,利益を有しており,平成24年3月27日付けA市要綱の改正は同権利等を侵害するものであると主張する。しかし,憲法26条,13条,社会権規約19条等の国際人権基準は具体的な権利を基礎付けるものとはいえず,他の私立学校や各種学校との間に補助金の交付の有無等に差異が生じたとしても,直ちに平等原則に反するものとはいえないというべきであるし,また,後退的措置の禁止 具体的な権利を基礎付けるものとはいえず,他の私立学校や各種学校との間に補助金の交付の有無等に差異が生じたとしても,直ちに平等原則に反するものとはいえないというべきであるし,また,後退的措置の禁止も政治的義務はともかくとして,法的義務とは解されないから,これらにより原告が上記権利等を有していると認めることはできない。 なお,上記6(2)アと同様に,本件A市不交付により原告が平成23年度A市補助金の交付を受けられないことにより,結果として,原告が運営する各種学校に通学する児童,生徒及びその保護者の学習環境の悪化や経済的負担の増大等の影響が生ずることが懸念されるところであるが,A市要 綱による本件A市補助金に係る交付事業が学校法人への助成という枠組みを前提としている点も同様であるから,既に説示したところと同様に,当該学校法人又はこれが運営する学校がA市要綱に定める交付要件を充たしていない以上,本件A市補助金の交付が受けられないとしてもやむを得ないといわざるを得ない。 イ(ア) また,原告は,前記第2の4(9)(原告の主張)イのとおり,本件A市補助金は,国やA府とは無関係に,被告A市が学校教育法の規定する小・中学校に準ずる教育をしている学校法人があるという実態を考慮して交付を始めた制度であって,被告A市が原告にもそのような実態があることを認めていたからこそ長年にわたって本件A市補助金を交付してきたはずであり,本件A市補助金を被告A府が行っているA府補助金を補完するものと位置付けること自体,本件A市補助金の趣旨及びその経緯に反し,政治的理由による狙い撃ちであるから,新要件を付加することは許されないと主張する。確かに,平成3年度分から原告に交付されてきた本件A市補助金は平成4年度分から原告に交付されてきた本件A 経緯に反し,政治的理由による狙い撃ちであるから,新要件を付加することは許されないと主張する。確かに,平成3年度分から原告に交付されてきた本件A市補助金は平成4年度分から原告に交付されてきた本件A府補助金に先立って交付され始めたものであり(上記認定事実(1)ア,イ),原告に対する平成22年度分の本件A市補助金の交付決定は,本件A府補助金の交付決定(平成23年3月25日)に先立つ同年1月27日にされている点で,本件A市補助金の交付が本件A府補助金の現実の交付を前提としてされていたとは解し難いところである。 (イ)a しかし,被告A府においては,昭和49年度から原告に対する助成(私立各種学校設備費補助金)をしており,その後,本件A府補助金の交付が始まってからというもの,本件A府補助金の交付がされなかったのは平成23年度が初めてであるし(前記前提事実(2)ア,上記認定事実(4)オ),平成22年度分の本件A府補助金については被告A府の担当者と原告との間で,被告A府が求めた4項目を充たすか否か について種々のやりとりをした上で,これを充たすとしてその交付がされている上(上記認定事実(2)イからカまで,同クからコまで),平成23年度分のA府補助金についても,被告A府職員は,原告に対して,その交付を受けるために必要となる文書等を指示し,原告の対応によってA府要綱2条に定める交付対象要件を充たせばその交付がされるという趣旨の説明をしていた(上記認定事実(4)ア,イ)。このように本件23年度A市補助金までは,本件A府補助金の交付がなく本件A市補助金が本件A府補助金を補完するものであるという性格が問われるような状況が現実化することがなかったにすぎない。そして,各種学校については被告A府が監督官庁を務めていること(学校教育法13 本件A市補助金が本件A府補助金を補完するものであるという性格が問われるような状況が現実化することがなかったにすぎない。そして,各種学校については被告A府が監督官庁を務めていること(学校教育法134条2項,4条,13条等。丙8,証人W)に照らせば,これに対する助成等についても第一次的には被告A府が役割を担うべきとの立場で,A市内にある各種学校のうち義務教育に準ずる教育を実施する学校法人である外国人学校について,その役割に鑑み,被告A市において被告A府による助成を補完する形で助成することとし,A市要綱を定めて本件A市補助金の交付をしてきたものと認められる(丙8,証人W)。 そうすると,被告A市においては,本件A府補助金を補完するものとして本件A市補助金の交付をしてきたものであるが,平成23年度において,本件A府補助金が交付されず,本件A市補助金の本件A府補助金を補完する性格が問われる状況が生じたことから,その性格をA市要綱上においても明確にするために平成24年3月27日付けA市要綱の改正が行われたものと解されるところであって,当該改正によっても,A市要綱に実質的な改正はないということができる。 b また,仮に平成24年3月27日付けA市要綱の改正により,その実質的な内容に変更があったと解したとしても,A市要綱は,A市交 付規則を受けて補助金交付の内部手続を定めた細則であるから,被告A市がA市要綱をいかに定めるかについて裁量を有しており,この点は,贈与契約の性質を有する本件A市補助金の交付対象としての要件(交付対象要件)についても異なるものとは解されない。そして,上記のとおり,A市内に所在する外国人学校を含む各種学校の監督官庁が被告A府であることから,このような各種学校に対する助成等について 件(交付対象要件)についても異なるものとは解されない。そして,上記のとおり,A市内に所在する外国人学校を含む各種学校の監督官庁が被告A府であることから,このような各種学校に対する助成等についても被告A府が第一次的に行うべきものとし,本件A市補助金はこれを補完するものとして補助制度の枠組みを規律し,このような位置付けをその交付対象要件として明記することも合理性を有するもので,その裁量の範囲内ということができる。そして,A市要綱の改正内容も,各種学校の個々の特性や教育内容に関わらない補助制度の枠組みに関する事項であることに照らせば,同改正が原告を殊更狙い撃ちにしたものということはできず,また,被告A府による4要件が違法・無効でないことは前述したとおりである。 ウさらに,原告は,前記第2の4(9)(原告の主張)ウのとおり,本件A市申請後に改正されたA市要綱によることが信義則に反する旨主張する。しかし,本件A市補助金の交付の法的性質は贈与契約であり,A市要綱は被告A市の内部手続を定めた細則にすぎない以上,A市要綱が原告と被告A市との法律関係を直接規律するものではないし,A市要綱の定めも,申請内容に比して減額して交付される場合や,交付決定がされた後における事情の変更による決定の取消し等についての定めを設けているのであって(10項,12項),申請者がした申請内容を保証し,その内容に従った本件A市補助金の交付が確定的にされることを前提とはしていない。そして,原告が本件A市申請をしたのはA市要綱5項に定める申請期限を経過した後であり,上記(1)アのとおり,A市要綱もこのような申請を本来的に予定しているとは解され ないところである。そうすると,被告A市がA市要綱を上記のとおり改正したとしても,原告との関係においてこれ (1)アのとおり,A市要綱もこのような申請を本来的に予定しているとは解され ないところである。そうすると,被告A市がA市要綱を上記のとおり改正したとしても,原告との関係においてこれが許されないとまではいえず,A市要綱を改正して本件A市不交付としたことが,信義則に反しているとはいえない。 (3) 小括以上によれば,平成24年3月27日付けでA市要綱に付加された新要件が違法,無効とはいえず,原告がA市要綱2項に当たるとは認められず,また,同項を適用することが信義則に反するともいえないから,原告がA市要綱交付対象要件を充たすと認めることはできない。 したがって,本件A市承諾請求及び本件A市確認請求は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がない。 9 争点12(国家賠償法上の違法及び故意過失の有無)について(1) 検討ア上記8のとおり,原告はA市要綱に定める本件A市補助金の交付対象要件を充たしていない以上,本件A市不交付が違法であると認めることはできない。 イ原告は,前記第2の4(12)(原告の主張)のとおり,本件A市不交付が違法であると主張するが,上記8のとおり,原告はA市要綱に定める本件A市補助金の交付対象要件を充たしておらず,憲法26条,13条,社会権規約19条等の国際人権基準,平等原則及び後退的措置の禁止等によっても本件A市補助金の交付を受ける権利を認めることはできない以上,原告に本件A市補助金の交付を受ける権利や利益を認めることはできないというべきであるから,本件A市不交付によってこれらが侵害されたとはいえない。 また,上記8(2)イのとおり,平成24年3月27日付け改正によりA市要綱に盛り込まれた新要件もこれが違法であると認めるに足 から,本件A市不交付によってこれらが侵害されたとはいえない。 また,上記8(2)イのとおり,平成24年3月27日付け改正によりA市要綱に盛り込まれた新要件もこれが違法であると認めるに足りる事情はな いし,本件A市不交付においては,本件A市不交付をするに先立ち,被告A市においては被告A府の判断に従う旨を原告担当者に告げていることからすると,原告においても本件A市申請が申請内容どおり許可されるか否かについて楽観視できない状況が早くから生じていたということができ,本件A市不交付も予想し得ないものではなかったというべきである。そして,原告は,本件A市不交付が原告を狙い撃ちにしたものであると主張するが,本件A市申請が交付要件を充たさないとされた新要件そのものが違法なものとは解されない上に,殊更に原告を狙い撃ちして本件A府不交付をしたとまで認めるに足りないというべきである。 加えて,原告は,本件A市不交付がA市要綱8項に定める期間内にされていない,本件A市不交付はA市要綱の改正前に事実上されていたと主張する。しかし,A市要綱は,申請期限を毎年5月末日としているのに対し,本件A市申請はこれに3か月以上遅れてされているのであるから,申請期限に大きく遅れた申請について,A市要綱8項に定める期限内に交付・不交付の決定がされていないことを不当ということはできない。また,被告A市担当者は,A市要綱の改正前に原告に対して本件A市申請が不交付となる見込みであると告げているものの,その時点で既に被告A市による交付は被告A府が交付するか否かに沿ったものとする旨の方針が決められていたのであって,これに従ったものということができるし,実際にこれに従ってA市要綱が改正され,本件A市不交付がされていることに照らせば,これを殊更注意義 か否かに沿ったものとする旨の方針が決められていたのであって,これに従ったものということができるし,実際にこれに従ってA市要綱が改正され,本件A市不交付がされていることに照らせば,これを殊更注意義務に違反したということはできない。 なお,本件A市不交付は行政処分ではなく,A市要綱は被告A市の内部の事務手続を定めるものにすぎない以上,被告A市における行政手続条例に違反する旨の原告の主張は前提を欠いている。 (2) 小括以上によれば,本件A市不交付に,国家賠償法1条1項の違法があるとは 認められない。したがって,本件A市国賠請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。 第4 結論よって,本件訴えのうち,本件各取消等請求に係る部分は,不適法であるから却下することとし,原告のその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部 裁判長裁判官山田 明 裁判官新宮智之 裁判官坂本達也 (別紙1)当事者目録大阪市a 区bc 丁目d 番e 号原告学校法人AB学園同代表者理事長 n原告訴訟代理人弁護士 o同p同q同r同s同t同u同v 同q同r同s同t同u同v同w同x同y同z同a’同b’同c’同d’同e’同f’大阪市f 区gh2丁目被告 A府同代表者知事 g’ 処分行政庁 A府教育長 h’被告A府訴訟代理人弁護士 i’被告A府訴訟復代理人弁護士 j’同k’同l’同m’被告A府指定代理人 n’同o’同p’同q’大阪市i 区jk-l-m被告 A市同代表者市長 r’被告A市訴訟代理人弁護士 s’同t’同u’被告A市指定代理人 v’同w’同x’同y’同z’ (別紙2)略語一覧A府私立外国人学校振興補助金交付要綱 →A w’同x’同y’同z’ (別紙2)略語一覧A府私立外国人学校振興補助金交付要綱 →A府要綱A府私立外国人学校振興補助金 →本件A府補助金平成23年度分の本件A府補助金 →本件23年度A府補助金A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金交付要綱 →A市要綱A市義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金 →本件A市補助金平成23年度分の本件A市補助金 →本件23年度A市補助金原告の被告A府に対する本件23年度A府補助金の交付申請→本件A府申請原告の被告A市に対する本件23年度A市補助金の交付申請→本件A市申請A府知事による本件A府申請を不交付とする旨の決定→本件A府不交付A市長による本件A市申請を不交付とする旨の決定→本件A市不交付本件A府不交付及び本件A市不交付 →本件各不交付請求1(1)アに係る請求 →本件A府取消等請求請求1(1)イに係る請求 →本件A府承諾請求請求1(1)ウに係る請求 →本件A府確認請求請求1(1)エに係る請求 →本件A府補助金国賠請求請求1(2)に係る請求 →本件A府風評等国賠請求本件A府補助金国賠請求及び本件A府風評等国賠請求 請求1(1)エに係る請求 →本件A府補助金国賠請求請求1(2)に係る請求 →本件A府風評等国賠請求本件A府補助金国賠請求及び本件A府風評等国賠請求→本件A府国賠請求 請求2(1)アに係る請求 →本件A市取消等請求請求2(1)イに係る請求 →本件A市承諾請求請求2(1)ウに係る請求 →本件A市確認請求請求2(1)エに係る請求 →本件A市補助金国賠請求請求2(2)に係る請求 →本件A市風評等国賠請求本件A市補助金国賠請求及び本件A市風評等国賠請求→本件A市国賠請求本件A府承諾請求及び本件A市承諾請求→本件各承諾請求本件A府確認請求及び本件A市確認請求→本件各確認請求本件A府風評等国賠請求及び本件A市風評等国賠請求→本件各風評等国賠請求H国 →H国K →K平成24年3月16日,一部日刊紙の朝刊に,「B学校生 G氏に忠誠」と題し,「全国のB学校から選抜された児童・生徒約100人が1~2月にH国を訪れた際,故Iと新指導者,G氏に忠誠を誓う歌劇を披露していた」とする記事が掲載されたこと →本件新聞報道H国において平成24年1月~2月に開催された歌劇公演であって,全国のB学校から選抜された児童・生徒約100人が参加したもの(本件新聞報道に係る歌劇公演) →Y「B学校に対 て平成24年1月~2月に開催された歌劇公演であって,全国のB学校から選抜された児童・生徒約100人が参加したもの(本件新聞報道に係る歌劇公演) →Y「B学校に対する補助金支給にかかる要件」と題する書面→本件メモ補助金等見直しチェックシート(甲48) →A市補助金等チェックシート人権に関する世界宣言 →世界人権宣言経済的,社会的及び文化的権利に関する国際条約→社会権規約 市民的及び行政的権利に関する国際規約 →自由権規約児童の権利に関する条約 →子どもの権利条約あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約→人種差別撤廃条約学校法人Mが設置するAM →M平成24年3月7日付け改正によりA府要綱2条に付加された要件→4要件「私立学校法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」(平成16年7月23日付け16文科高第305号。乙10) →文部科学省通知市民的及び行政的権利に関する国際規約 →自由権規約平成24年3月27日付け改正によりA市要綱2項に付加された要件→新要件R →RT →TABC級学校の教育活動の確認ワーキング→WGABC級学校の教育活動に関する提言 →提言A府府民文化部私学・大学課 →私学課U →U →WGABC級学校の教育活動に関する提言 →提言A府府民文化部私学・大学課 →私学課U →UW →WZ →Z学校教育法1条に定める幼稚園,小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,大学及び高等専門学校 →1条校文部科学大臣,都道府県の教育委員会及び都道府県知事→文部科学大臣等専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人(私立学校法64条4項) →準学校法人A府補助金交付規則 →A府交付規則学校法人会計処理基準(昭和46年文部省令第18号)→会計基準公安調査庁が公表する直近の「内外情勢の回顧と展望」において調査等の対象となっている団体。ただし,政治資金規正法(昭和23年法律第194号)3条2項に規定する政党を除く。 →特定の政治団体特定の人間の外観を表現した絵画や写真等 →政治指導者の肖像画A市補助金等交付規則 →A市交付規則法令,条例及び規則 →法令等 (別紙3)関係法令等の定め 1 地方自治法の定め地方自治法232条の2は,普通地方公共団体は,その公益上必要がある場合においては,寄附又は補助をすることができる旨を定めている。 2 教育基本法,学校教育法,私立学校法及び私立学校振興助成法の定め(1) 教育基本法第1章は,教育の目的及び理念を定め 要がある場合においては,寄附又は補助をすることができる旨を定めている。 2 教育基本法,学校教育法,私立学校法及び私立学校振興助成法の定め(1) 教育基本法第1章は,教育の目的及び理念を定め,1条において,教育の目的を,2条各号において,教育が学問の自由を尊重しつつ達成すべき目標を,それぞれ掲げ,3条において生涯学習の理念を,4条において教育の機会均等を,それぞれ定め,教育の機会均等に関し,全て国民は,ひとしく,その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず,人種,信条,性別,社会的身分,経済的地位又は門地によって,教育上差別されないこと(同条1項),国及び地方公共団体は,能力があるにもかかわらず,経済的理由によって修学が困難な者に対して,奨学の措置を講じなければならないこと(同条3項)等を定めている。 教育基本法第2章は,教育の実施に関する基本を定め,義務教育(同法5条),学校教育(同法6条~9条),家庭教育(同法10条),幼児期の教育(同法11条),社会教育(同法12条),政治教育(同法14条)及び宗教教育(同法15条)について定め,政治教育に関し,「法律に定める学校」は,特定の政党を支持し,又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない旨を定めている(同法14条2項)。 教育基本法第3章は,教育行政について定め,「教育は,不当な支配に服することなく,この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり,教育行政は,国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下,公正かつ適正に行われなければならない」と定めた上(同法16条1項),地方公共団体は,その地域における教育の振興を図るため,その実情に応じた教育 に関する施策を策定し,実施しなければならないこと 正に行われなければならない」と定めた上(同法16条1項),地方公共団体は,その地域における教育の振興を図るため,その実情に応じた教育 に関する施策を策定し,実施しなければならないこと(同条3項),国及び地方公共団体は,教育が円滑かつ継続的に実施されるよう必要な財政上の措置を講じなければならないこと(同条4項)等を定めている。 また,同法18条は,同法に規定する諸条項を実施するため,必要な法令が制定されなければならない旨を定めている。 (2) 学校教育法は,「学校」を,幼稚園,小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,大学及び高等専門学校とする(同法1条)一方で,同条に定める学校以外のもので,学校教育に類する教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び同法124条所定の専修学校を除く。)について「各種学校」の制度を設けている(同法134条1項)。 また,同法は,学校について,その設置廃止,設置者の変更等について文部科学大臣等の認可を要求し(同法4条1項前段),その設立認可の申請につき,①修業年限,学年,学期及び休業日に関する事項,②部科及び課程の組織に関する事項,③教育課程及び授業日時数に関する事項,④学習の評価及び課程修了の認定に関する事項等を定めた学則(学校教育法施行規則4条)等を添えて行うべきこととし(同規則3条),校長及び教員の配置及び欠格事由を定め(同法7条,9条),法令の規定に故意に違反したとき,法令の規定により文部科学大臣等がした命令に違反したとき,又は,6か月以上授業を行わなかったときは,文部科学大臣等において学校の閉鎖を命ずることができるものとし(同法13条1項),上記各規定を各種学校に準用している(同法134条2項)。また,同法施行規則は,各種学校 上授業を行わなかったときは,文部科学大臣等において学校の閉鎖を命ずることができるものとし(同法13条1項),上記各規定を各種学校に準用している(同法134条2項)。また,同法施行規則は,各種学校に関し必要な事項(同条3項)として,届出及び認可の申請手続(同規則3~7条,14条,19条,27条),生徒の懲戒(同規則26条),学校評価(同規則66~68条)に係る学校に関する規定を,それぞれ各種学校に準用している(同規則190条)。なお,各種学校については,同法3条所定の設置基準はないが,同法134条3項及び同法施行規則191条に基づいて,各種学校規程(昭和31年文部省令第31号)が定められ,修 業期間,授業時数,施設,設備等に関する規定が置かれている。 そして,同法は,学校,専修学校又は各種学校以外の教育施設が学校又は大学院の名称を用いることを禁じ(同法135条1項),学校,専修学校又は各種学校以外のものが各種学校の教育(学校教育に類する教育)を行う場合には,各種学校設置の認可を申請すべき旨を勧告することができるものとし,当該教育施設がその勧告に従わず,又はその認可が得られなかった場合には,当該教育を止めるべき旨を命ずることができるものとする(同法136条1,2項)。 (3) 私立学校法は,私立学校の特性に鑑み,その自主性を重んじ,公共性を高め,私立学校の健全な発達を図ることを目的として掲げ(同法1条),私立学校を設置するために設立される学校法人(同法3条)のほか,専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする準学校法人(同法64条4項)に関する規定を置き,学校法人に関する同法第3章の規定全体を,準学校法人に準用している(同法64条5項)。 これにより,準学校法人は,学校法人と同様,その設立及び寄附行為の変更 64条4項)に関する規定を置き,学校法人に関する同法第3章の規定全体を,準学校法人に準用している(同法64条5項)。 これにより,準学校法人は,学校法人と同様,その設立及び寄附行為の変更について所轄庁の認可が必要とされ(同法30条,31条及び45条の準用),役員の定数が法定され,その選任に制限が設けられる(同法35条及び38条の準用)とともに,法令の規定に違反し又は法令の規定に基づく所轄庁の処分に違反した場合において,他の方法により目的を達することができない場合には,所轄庁において解散を命ずることができるものとされている(同法62条の準用)。そして,国又は地方公共団体は,教育の振興上必要があると認める場合には,別に法律で定めるところにより,学校法人のほか,準学校法人に対しても,私立学校教育に関し必要な助成をすることができるものとされている(同法59条の準用)。 (4) 私立学校振興助成法は,上記私立学校法の規定を受けて,国又は地方公共団体は,学校法人に対し,補助金を支出し,又は通常の条件よりも有利な条件で,貸付金をし,その他の財産を譲渡し,若しくは貸し付けることができる旨を定 め(同法10条),これを準学校法人に準用している(同法16条)。そして,同法12条は,所轄庁は,助成を受ける学校法人について,次の各権限を有する旨を定めており,同条は,準学校法人に準用されている(同法16条)。なお,私立学校法及び私立学校振興助成法上,準学校法人の所轄庁は都道府県知事とされている(私立学校法4条4号,私立学校振興助成法2条4項)。 ア助成に関し必要があると認める場合において,当該学校法人からその業務若しくは会計の状況に関し報告を徴し,又は当該職員に当該学校法人の関係者に対し質問させ,若しくはその帳簿,書類その他の 。 ア助成に関し必要があると認める場合において,当該学校法人からその業務若しくは会計の状況に関し報告を徴し,又は当該職員に当該学校法人の関係者に対し質問させ,若しくはその帳簿,書類その他の物件を検査させること。 イ当該学校法人が,学則に定めた収容定員を著しく超えて入学又は入園させた場合において,その是正を命ずること。 ウ当該学校法人の予算が助成の目的に照らして不適当であると認める場合において,その予算について必要な変更をすべき旨を勧告すること。 エ当該学校法人の役員が法令の規定,法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反した場合において,当該役員の解職をすべき旨を勧告すること。 3 被告A府における規則等の定め(1) A府交付規則の定め(甲5)ア A府交付規則1条は,この規則は,A府がA府以外の者に対して交付する補助金(以下,A府交付規則において「補助金」という。)の交付の申請,決定等に関する事項その他補助金に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより,補助金に係る予算の執行の適正化を図ることを目的とする旨定める。 イ A府交付規則4条1項は,補助金の交付の申請をしようとする者は,同項各号に掲げる事項を記載した補助金交付申請書を,A府知事に対し,その定める期日までに提出しなければならない旨定める。 ウ A府交付規則5条1項は,A府知事は,補助金の交付の申請があったと きは,当該申請に係る書類等により当該申請の内容を審査し,補助金を交付すべきものと認めたときは,補助金の交付の決定をする旨,同規則6条1項は,A府知事は,補助金の交付の決定をする場合においては,同項に掲げる条件を附するものとする旨,同条2項は,同条1項の掲げるもののほか,A府知事は ときは,補助金の交付の決定をする旨,同規則6条1項は,A府知事は,補助金の交付の決定をする場合においては,同項に掲げる条件を附するものとする旨,同条2項は,同条1項の掲げるもののほか,A府知事は,補助金の交付の目的を達成するため必要があると認めるときは,補助事業に要する経費の使用方法に関する事項等について必要な条件を附する旨定める。 エ A府交付規則7条は,A府知事は,補助金の交付の決定をしたときは,速やかにその決定の内容及びこれに附した条件を,補助金の交付の申請をした者に通知する旨定める。 (2) A府要綱の定め(甲11)ア A府要綱1条は,被告A府は,A府内に所在する私立各種学校で専ら我が国に居住する外国人を対象とする学校のうち,修学者の年齢層が概ね幼稚園,小学校,中学校及び高等学校の修学年齢に相当する学校であって,A府知事が特に必要と認める学校(以下,A府要綱において「外国人学校」という。)の教育条件の維持向上及び外国人学校に在学する生徒に係る修学上の経済的負担の軽減を図るため,予算の定めるところにより,外国人学校を設置する学校法人(準学校法人を含む。以下,A府要綱において「学校法人」という。)に対し,本件A府補助金を交付するものとし,その交付については,A府交付規則に定めるもののほか,A府要綱の定めるところによる旨定める。 イ A府要綱2条は,本件A府補助金の交付対象とする学校法人又はその設置する外国人学校は,次の各号の全てに該当するものとする旨定める。 1号会計基準に準拠した会計処理を行うとともに,財務情報を一般に公開していること2号生徒に対する教育活動に一定以上の経費を支出していること 3号国又は他の経常的補助制度の交付対象となっていないこと ともに,財務情報を一般に公開していること2号生徒に対する教育活動に一定以上の経費を支出していること 3号国又は他の経常的補助制度の交付対象となっていないこと4号当該年度の5月1 日に在学する生徒の数が一定以上であること5号概ね幼稚園,小学校,中学校及び高等学校の修学年齢に相当する生徒に対し,学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)38条に規定する幼稚園教育要領,同規則52条に規定する小学校学習指導要領,同規則74条に規定する中学校学習指導要領,同規則84条に規定する高等学校学習指導要領に準じた教育をそれぞれ行っていること6号私立学校法35条1項(同法64条5号において準用する場合を含む。)に規定する理事及び監事が,特定の政治団体の役員を兼務していないこと7号学校法人が,特定の政治団体への寄附又は特定の政治団体からの寄附の受入れをしていないこと8号特定の政治団体が主催する行事に,学校の教育活動として参加していないこと9号政治指導者の肖像画を教室等に掲示していないこと10号その他A府知事が必要と認める事項ウ A府要綱4条は,本件A府補助金の額は定額とし,毎年度別に定める基準により算出した額以内とする旨定める。 エ A府要綱5条は,A府交付規則4条1項の申請に当たっては,同要綱5条に掲げる書類を毎年度A府知事が指定する日までに,A府知事に提出しなければならない旨定める。 オ A府要綱8条は,A府知事は,学校法人又は,その設置する外国人学校が同条各号に定める事由のいずれかに該当する場合には,その状況に応じ,本件A府補助金を不交付又は減額して交付することができる旨定める。 ,A府知事は,学校法人又は,その設置する外国人学校が同条各号に定める事由のいずれかに該当する場合には,その状況に応じ,本件A府補助金を不交付又は減額して交付することができる旨定める。 1号法令の規定,法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反したもの。 2号及び3号 (略)4号経理その他の事務処理が著しく適正を欠いているもの。 5号外国人学校の設置運営上著しく適正を欠く収入若しくは支出又は財産の運用があるもの。 6号役員若しくは教職員の間又はこれらの者の間などにおいて,訴訟その他の紛争があり,適正な外国人学校の運営を期しがたいもの。 7号外国人学校の教育条件が極めて低く,かつ,その是正に応ずる努力が認められないもの。 8号前各号に掲げるもののほか,教育条件又は管理運営が著しく適正を欠いているもの。 カ A府要綱9条1項は,A府知事は,補助事業の円滑な遂行及び効果の増進を図るため,A府交付規則5条の規定による補助金交付決定額を概算払により交付するものとする旨定める。 (3) 平成24年3月7日付け改正前のA府要綱の定め(甲9,11)平成24年3月7日付け改正前のA府要綱2条は,本件A府補助金の交付対象とする学校法人又はその設置する外国人学校は,次の各号の全てに該当するものとする旨定めていた。 1号会計基準に準拠した会計処理を行っていること2号生徒に対する教育活動に一定以上の経費を支出していること3号国又は他の経常的補助制度の交付対象となっていないこと4号当該年度の5月1日に在学する生徒の数が一定以上であること5号概ね幼稚園,小学校,中学校及び高等学校の修学年齢に相当す 号国又は他の経常的補助制度の交付対象となっていないこと4号当該年度の5月1日に在学する生徒の数が一定以上であること5号概ね幼稚園,小学校,中学校及び高等学校の修学年齢に相当する生徒に対し,その修学年齢に相応な教育を行っていること 4 被告A市における規則等の定め(1) A市交付規則の定め(甲14)ア A市交付規則1条は,この規則は,別に定めがあるもののほか,補助金 等の交付の申請,決定等に関する事項その他補助金等に係る予算の執行に関する基本的事項を規定することにより,補助金等の交付の不正な申請及び補助金等の不正な使用の防止その他補助金等に係る予算執行並びに補助金等の交付の決定の適正化を図ることを目的とする旨定める。 イ A市交付規則4条は,補助金等の交付の申請をしようとする者は,A市長の定める期日までに,同条各号に掲げる事項を記載した申請書に事業計画書及び収支予算書又はこれに相当する書類その他A市長が必要と認める書類を添付して,これをA市長に提出しなければならない旨,補助金等の内容に応じてA市長が必要がないと認めるときは,これらの書類の添付を省略することができる旨定める。 ウ A市交付規則5条1項は,A市長は,補助金等の交付の申請があったときは,当該申請に係る書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等により,当該申請に係る補助金等の交付が法令,法令等に違反しないかどうか,補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか,金額の算定に誤りがないかどうか等を調査し,補助金等を交付すべきものと認めたときは,速やかに交付の決定をする旨,同条3項は,A市長は,同条1項の調査の結果,補助金等を交付することが不適当であると認めたときは,速やかに補助金等を交付しない旨の決定をする旨,同 きものと認めたときは,速やかに交付の決定をする旨,同条3項は,A市長は,同条1項の調査の結果,補助金等を交付することが不適当であると認めたときは,速やかに補助金等を交付しない旨の決定をする旨,同条4項は,A市長は,補助金等の交付の申請が到達してから当該申請に係る補助金等の交付の決定又は補助金等を交付しない旨の決定をするまでに通常要すべき標準的な期間を定め,かつ,これを公表するよう努める旨定める。 エ A市交付規則7条1項は,A市長は,補助金等の交付の決定をしたときは,速やかにその決定の内容及びこれに付した条件を補助金等の交付の申請をした者に通知する旨,同条2項は,A市長は,補助金等を交付しない旨の決定をしたときは,速やかにその旨を理由を付して補助金等の交付の申請をした者に通知するものとする旨定める。 (2) A市要綱の定め(甲18)ア A市要綱1項は,A市要綱は,A市交付規則に基づき,外国人を専ら対象とし,義務教育に準ずる教育を実施する各種学校(以下,A市要綱において「各種学校」という。)の果たす役割に鑑み,その健全な発達に資するため,被告A市が行う助成措置について必要な事項を規定するものとする旨定める。 イ A市要綱2項は,本件A市補助金交付の対象者は,A市内において各種学校を設置し,当該年度に本件A府補助金の交付を受けることが見込まれる私立学校法に定める学校法人(以下,A市要綱において「学校法人」という。)とする。 ウ A市要綱5項は,同要綱により本件A市補助金の交付を受けようとする学校法人は,義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金交付申請書に次の書類を添えて,補助金の交付を受けようとする会計年度の5月末日までに,A市長に提出しなければならない 学校法人は,義務教育に準ずる教育を実施する各種学校を設置する学校法人に対する補助金交付申請書に次の書類を添えて,補助金の交付を受けようとする会計年度の5月末日までに,A市長に提出しなければならない旨定める。 1号予算書(当該年度のもの)2号財産目録3号収支計算書(前年度のもの)エ A市要綱8項1号は,A市長は,同要綱5項の規定による申請があったときは,その内容を審査し,本件A市補助金交付を決定したときは,その決定の内容及びこれに付した条件を記載した補助金交付決定通知書を申請を受理してから60日以内に,当該申請をした学校法人に対して交付する旨,同要綱8項2号は,A市長は,本件A市補助金を交付しない旨の決定をしたときは,交付しない理由を付した補助金交付決定通知書を,申請を受理してから60日以内に,当該申請をした学校法人に対して交付する旨定める。 オ A市要綱10項は,本件A市補助金交付の条件は,次に掲げるとおりとする旨,A市長は,特に必要があると認める場合においては,次の各号に掲げるものの他に,条件を付することができる旨定める。 1号から7号まで (略)カ A市要綱11項は,学校法人は,同要綱8項1号に規定する通知を受領した場合において,当該通知に係る本件A市補助金の交付の決定内容又はこれに付された条件に不服があるときは,当該通知の受領から30日以内に本件A市補助金交付申請の取下げ書を提出することにより,申請の取下げをすることができ,この取下げがあったときは,当該決定はなかったものとみなす旨定める。 キ A市要綱17項1号は,A市長は,学校法人が本件A市補助金を他の用途に使用するなど,補助金交付決定の内容又はこれに付した条件その他法令等又は ,当該決定はなかったものとみなす旨定める。 キ A市要綱17項1号は,A市長は,学校法人が本件A市補助金を他の用途に使用するなど,補助金交付決定の内容又はこれに付した条件その他法令等又はこれに基づくA市長の処分に違反したときは,補助金交付決定の全部または一部を取り消すことができる旨,同項3号は,A市長は,同項1号の規定による取消しをしたときは,速やかに補助金交付決定の取消し書により,当該学校法人に通知するものとする旨定める。 ク A府要綱18項1号は,A市長は,同要綱17項に規定する取消しを実施した場合において,補助金交付対象事業の当該取消しに係る部分に関し,既に本件A市補助金が交付されているときは,同項3号に規定する通知の日から30日以内にその返還を求めるものとする旨定める。 (3) 平成24年3月27日付け改正前のA市要綱の定め(甲15,18)ア平成24年3月27日付け改正前のA市要綱2項は,本件A市補助金交付の対象者は,A市内において各種学校を設置する私立学校法に定める学校法人とする旨定めていた。 イ平成24年3月27日付け改正前のA市要綱10項は,本件A市補助金交付の条件は,次に掲げるとおりとする旨定めていた。 1号から7号まで (略)(以上)
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