昭和39(ラ)55 執行方法に関する異議申立事件

裁判年月日・裁判所
昭和39年12月21日 仙台高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原決定を取消し、本件を盛岡地方裁判所宮古支部に差戻す。          理    由  本件抗告の趣旨理由は別紙のとおりである。  <要旨(一)>民事訴訟法第六二五条第三項は

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判決文本文1,403 文字)

主文 原決定を取消し、本件を盛岡地方裁判所宮古支部に差戻す。 理由 本件抗告の趣旨理由は別紙のとおりである。 <要旨(一)>民事訴訟法第六二五条第三項は同条第一項の財産権につきその換価方法として執行裁判所が特別の処分(殊</要旨(一)>にその権利の譲渡を命ずる処分)をなすことができる旨を規定し、処分の方法については特に制限の規定がなく権利の種類性質に応じて執行裁判所が適当と認めるところに委ねられているのであるから、執行裁判所は電話加入権の換価に際しても、それが債務者及び差押債権者並びにその他の債権者に不利益を蒙らしめることのない限り、差押債権者が債務者に対して有する債権の支払に代え当該加入権の適正な評価額をもつてこれを差押債権者に譲渡する旨の譲渡命令をなし得るものと解するのが相当である。この場合の譲渡命令はそれが第三<要旨(二)>債務者たる日本電信電話公社に送達されることにより当該命令の効果、即ち電話加入権移転の効果(詳しくは公</要旨(二)>衆電気通信法第三八条第一項の公社の承認を申請することのできる権利を取得する効果というべきものであるがその関係はここでは触れない)と債務弁済の効果が生ずべきものであるから、差押債権者としてはその上更に電話加入権の代金を支払つたり或いはこの代金債務と差押債権を相殺する旨の意思表示をする必要はない。 記録によれば、抗告人は債務者Aに対する執行力ある和解調書正本に基づき金二〇万円の金銭債権の強制執行として昭和三九年七月三日本件電話加入権の差押命令並びに差押の上は債権の支払に代えてこれを抗告人に譲渡する旨の譲渡命令の申請に及んでいるのであるが、宮古電報電話局長作成の電話加入原簿登録事項証明書によれば昭和三九年七月二日現在本件電話加入権については差押、仮差押の無い 支払に代えてこれを抗告人に譲渡する旨の譲渡命令の申請に及んでいるのであるが、宮古電報電話局長作成の電話加入原簿登録事項証明書によれば昭和三九年七月二日現在本件電話加入権については差押、仮差押の無いことが証明されており、他に配当要求をしている債権者はなく、原裁判所が選任した鑑定人の評価による本件電話加入権の適正価格は金八万五〇〇〇円ということで前記金二〇万円の差押債権額を下廻る金額であり、債務者は審尋の機会を既に与えられているのであるから、このような事実関係の下においては執行裁判所が抗告人の申請を容れて前記の趣旨の譲渡命令を発したとしても、それによつて債務者、差押債権者その他の債権者が不利益を蒙るところはないものと言うべきである。 従つて原審としては抗告人の本件譲渡命令の申請を認容し、抗告人(債権者)が債務者に対して有する債権金八万五〇〇〇円の支払に代え本件電話加入権を金八万五〇〇〇円で抗告人(債権者)に譲渡する命令を発して然るべきものであつたにも拘らず、以上と見解を異にし抗告人が譲渡代金を支払わないことを理由に本件申請を排斥した原決定は失当であつて取消を免れない。 なお、本件については前記証明書作成の昭和三九年七月二日より既に相当の時日を経過しており、その後新たな差押(仮差押)がなされていないかどうかについて更に審理をつくす必要があると認められるので、これを原裁判所に差戻すのを相当と認め、主文のとおり決定した。 (裁判長判事高井常太郎判事上野正秋判事藤井俊彦)

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