昭和25(う)2413 法人税法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年7月30日 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      被告会社に対する原判決中判示第一に関する部分を破棄する。      原判決中判示第二に対する被告会社の本件控訴を棄却する。      本件公訴事実中原判示第一に関する部分につい

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主文 被告会社に対する原判決中判示第一に関する部分を破棄する。 原判決中判示第二に対する被告会社の本件控訴を棄却する。 本件公訴事実中原判示第一に関する部分については被告会社に対し刑を免除する。 被告人甲に対する原判決はこれを破棄する。 同被告人を懲役六月に処する。 但し本裁判確定の日より弍年間右刑の執行を猶予する。 原審の訴訟費用は同被告人と被告会社との連帯負担とする。 理由 本件控訴の理由は末尾添付の被告人両名の弁護人中江源、同構淵春次、同阿南主税、同清瀬一郎、同柏原武夫提出の各控訴趣意書及び控訴趣意補充書記載の通りである。 一、 弁護人溝淵春次第四点、弁護人阿南主税第一点(補充書第一点共)、弁護人柏原武夫第一点(補充書共)について、論旨はいずれも要するに、原判決は法人税法第四十八条の逋脱犯が国税犯則取締法第十二条の二の規定による収税官吏の告発を訴訟条件とする犯罪であるのに、この告発なくして為した不適法の公訴請求に対し実体的審理判決を為した違法があると主張するのである。(以下昭和十五年法律第二十五号法人税法を旧法人税法又は旧法と、昭和二十二年法律第二十八号法人税法を法人税法又は法と、昭和二十五年法律第七十二号による改正後の法人税法を新法人税法又は新法と略称する。)要するに国税犯則取締法はもと間接国税犯則者処分法と称せられ、間接国税に関する犯則事件についてのみ適用されていたのであるが昭和二十三年七月七日法律第一〇七号(所得税法の一部を改正する等の法律)によつて、その適用範囲を通告処分に関する規定を除き直接国税犯則事件にまで拡張するに至り同時に同法の題名を現在の通りに改め、第十二条の二として「収税官吏ハ間接国税以外ノ国税ニ関スル犯則 る等の法律)によつて、その適用範囲を通告処分に関する規定を除き直接国税犯則事件にまで拡張するに至り同時に同法の題名を現在の通りに改め、第十二条の二として「収税官吏ハ間接国税以外ノ国税ニ関スル犯則事件ノ調査ニ依リ犯則アリト思料スルトキハ告発ノ手続ヲ為スヘシ」との条項が附加されたのである。 <要旨第一>およそ、法が特別法において特定の罪について当該官吏や当該機関の告発を訴訟条件とする趣旨の規定を設</要旨第一>ける場合には普通一般的には「何々の罪は何々(当該官吏又は機関)の告発を待つてこれを論ずる」という形式で表わされる。(例えば独占禁止法第九六条第一項事業者団体法第一六条第一項等)それゆえに法が単に「直ちに告発を為すべし」とか「告発しなければならない」と規定する形式によつた場合(例えば国税犯則取締法一三条一四条一七条議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律八条経済調査庁法二六条)には、その告発が訴訟条件であるかどうかは当該規定の文言自体によつては少しも明らかにされていないので、その規定の趣旨を解明した上之を決定しなければならないのである。換言すればこの場合にその告発が訴訟条件であると解するにはそれに相当する合理的根拠例えば国税犯則取締法の間接国税犯則事件における通告処分の先行とか議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律における国会自治の原理と云うように強力な理由が存在しなければならないのである。ところで従来間接国税犯則事件について告発の規定を設けながら直接国税犯則事件についてこのことのなかつたこと自体が既に租税犯則事件において間接国税たると直接国税たるとを問わずその全体を通じて当該官吏の告発を訴訟条件とすべき必然的本質的な理由の存在しないことを示すのである。かように間接国税犯則事件において告発を訴訟条件と解すべき理由は、原則 たると直接国税たるとを問わずその全体を通じて当該官吏の告発を訴訟条件とすべき必然的本質的な理由の存在しないことを示すのである。かように間接国税犯則事件において告発を訴訟条件と解すべき理由は、原則として通告処分と云う特殊な手続が先行し、通告の趣旨が履行されたときは、もはや刑事訴追が許されない(同法一六条)ことを唯一の根拠とし、その他に合理的理由が存在しない以上通告処分の規定が適用されない、直接国税犯則事件については同法第十二条の二に規定する告発は訴訟条件ではないと解すべきは理の当然である。このことは同条は「収税官吏は云々」と規定し、直接国税犯則事件については告発をなす権限を有する者は収税官吏であるのに、間接国税犯則事件については原則として国税局長又は税務署長に限られているのと対立し、しかも本条の場合の告発は、犯則事件の調査により犯則ありと思料するときは、事務的に機械的になされなければならないのであつて、その間に情状等により取捨判断する余地はないことからも理解されるのである。従来の判例が訴訟条件と認めている二つの場合、即ち間接国税犯則事件の場合と議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第八条の場合とを綜合して考察してみるに、いずれの場合においても、告発をしない例外の場合を法が認めている点が共通の特徴であることを見逃してはならない。 告発の権限を有している者に告発をしない場合を認めているからこそ、検察官が刑事訴追をするに当つては、告発を待つ必要があるのである。このことが即ち告発が訴訟条件となつているということに外ならない。然るに間接国税以外の国税に関する犯則事件の場合や経済調査庁法二六条の場合には法は告発をしない場合を認めていないのである。 従つてこれらの場合においては、検察官の刑事訴追が告発の有無によつて左右されねばならないもの 国税に関する犯則事件の場合や経済調査庁法二六条の場合には法は告発をしない場合を認めていないのである。 従つてこれらの場合においては、検察官の刑事訴追が告発の有無によつて左右されねばならないものとする法制上の根拠がない。 論旨はこの告発は訴訟条件であると主張しその理由として(一) 捜査機関ではない収税官吏の告発は一般官吏の義務的告発を規定した刑訴二三九条二項によつて十分まかない得る筈であるのに、更に本条でこれらの者の告発義務を重複して規定した所以は即ち、告発を訴訟条件とする趣旨と解する以外に之を合理的に理解し得ないと云うけれども、本条はその新設と同時に捜査機関ではない収税官吏に同法にいわゆる「調査」と云うその実質においては犯罪の捜査と少しも異るところのない権限を認めたことに相表裏する規定であつて、調査権の拡張を認めたが故に、その調査の結果について官吏の採るべき処置を明確にする意味において、捜査機関の事件の送致と同趣旨を表現したものと考えられるのである。 この理は経済調査庁法二六条にも見えるところであつて、この場合の告発は全くの注意規定でこれを訴訟条件なりと解すべきでないことは所論もこれを肯定するところである。 (二) 国税犯則取締法は犯則事件の調査、証拠物件の押収領置等について収税官吏のみにその権限を認め、警察官吏は収税官吏の調査を援助する程度を出ない(同法五条)と云うことを理由とするけれども、この援助は収税官吏の職務行為そのものの援助ではなく、収税官吏の職務の執行に対する外部的障害を排除するための援助にすぎないから、同法第五条の規定は通常の捜査機関の犯罪捜査権を排斥するものではない。 (三) 通告処分制度があるから、間接国税犯則事件においては告発が訴訟条件であると云うのは理由とならない。何となれば間接国税犯則事件の中には通告処 常の捜査機関の犯罪捜査権を排斥するものではない。 (三) 通告処分制度があるから、間接国税犯則事件においては告発が訴訟条件であると云うのは理由とならない。何となれば間接国税犯則事件の中には通告処分をせずに直ちに告発し得る場合がある(同法一三条一四条二項一七条二項)からであると云うけれども、間接国税犯則事件については通告処分及び告発の両手続がともに履践されることが原則である。所論はこの原則を度外視し、特殊な例外をあげて、原則から導き出された妥当な結論を非難するにすぎない。 (四) 直接国税には通告処分制度はないが実質においてはそれに準ずるものとみるべき通知制度すなわち加算税及び追徴税の納付通知があると云うけれども、間接国税犯則事件においては明文を設け「犯則者通告ノ旨履行シタルトキハ同一事件ニ付訴ヲ受クルコトナシ」(同法一六条一項)と規定しているに対し、直接国税犯則事件においてはかような明文が存せず所論通知制度は憲法第三十九条に云う「刑事上の処罰」ではないから、所論通知制度と逋脱犯に対する刑罰科刑権が併存するものと解すべき点において両者の間に著しい差異を見出すのである。即ち前者において告発を訴訟条件とするのは若し訴訟条件でないとすれば通告を履行して公訴権の消滅した事件について更に公訴を提起し、裁判所もこれを知らずに有罪の判決を言渡すような不合理を生ずるのであるが、後者においてはこのことは存しないから、所論通知制度の存在を援用する主張は首肯し難い。 二、 弁護人中江源第二点(三)、弁護人溝淵春次第二点、弁護人阿南主税第六点(イ)、弁護人柏原武夫第五点について、論旨は要するにいずれも法人税法第二十一条による中間事業年度の申告はその性質上概算申告と云うべきものであり、同法第四十八条の逋脱犯は成立しないと主張するのである。 <要旨第二>案す 第五点について、論旨は要するにいずれも法人税法第二十一条による中間事業年度の申告はその性質上概算申告と云うべきものであり、同法第四十八条の逋脱犯は成立しないと主張するのである。 <要旨第二>案するに中間事業年度の申告には同法第二十一条第二項により第十九条第二項が準用せられる結果、同法第</要旨第二>十八条第二項が準用せられる法定事業年度における確定申告とは差異あることは所論の通りである。しかしながら、中間事業年度は同法第二十一条第一項により法人税法の適用については(事業年度とみなされ法定事業年度と何等区別されず、又その申告の性質は所得税法における予定申告の如く将来の所得の予定を申告するものとはちがい、既に経過した過去六個月の収支を帳簿により計算して所得を算出すべきものであつて予定申告とはその本質を異にしており、法第十九条第二項及び法人税法施行規則(昭和二十二年勅令第百十一号)第二十六条によればその計算に関する明細書及び当該事業年度終了の日における貸借対照表並に概算による損益計算書の添付も要求せられ、過去六個月間における所得金額をでき得る限り正確に算定すべき義務を負うているのである。 このことは法第二十五条に規定する修正申告に関する規定からも看取される。即ち、中間申告においては確定申告におけるが如くこれに添付すべき書類は株主総会の承認又は総社員の同意その他これに準ずるものの承認を必要としないと云うだけであつて、中間事業年度を経過する日を以て諸帳簿の閉切をなし、帳簿上一応打切決算し財産目録、貸借対照表、損益計算書を作成し所得金額を計算すべく、確定申告と同様一定の期間内に申告し申告すれば直ちに納税すべく若し怠れば督促並に滞納処分を受くべく中間申告を遅滞し又は怠れば加算税追徴税を課せられるのであつて罰則の規定においても所得税法のそれとは異なり 告と同様一定の期間内に申告し申告すれば直ちに納税すべく若し怠れば督促並に滞納処分を受くべく中間申告を遅滞し又は怠れば加算税追徴税を課せられるのであつて罰則の規定においても所得税法のそれとは異なり右両者を区別していないのである。 従つて法第二十一条第一項は法人の定めた事業年度を法人税法の適用上即ち徴税上二分したものと解すべく中間申告による納税義務は同条によつて新しく認められた独立の義務であつて法人が自己の営業上設けた事業年度は徴税の目的上否定せられたのである。従つて法第四十八条の適用上中間申告の場合は確定申告と同様に逋脱犯の対象となると解すべきである。仮りに所論のように中間申告に法第四十八条の犯罪の成立を否定すれば所得税法において、中間申告よりも強制力のすくない予定申告について所得税法第七十条第一号において虚偽申告罪の成立を認めているのと対比して著しく権衡を失することとなるのである。また仮りに本件の中間申告が概算申告的の性質を有するものであるとしても、概算申告については常に逋脱犯は成立しないと一概に論じ去るわけにはいかない。いうまでもなく、概算申告は申告期限までに決算が確定しないときにするものであつて、後日その決算が確定したときは、いわゆる確定申告をするものであるから概算申告当時に客観的事実に反する申告をしても、これによつて直ちに逋脱の犯意の存在を認めることは、多くの場合において困難であることは否めない。しかし概算申告当時明らかに一定の利益の存在することを確知しながら、ことさらにこれを秘匿して課税の対象となることを回避する手段を講じているような、逋脱の意図の極めて明白な場合でも、なを概算申告であるの故を以て逋脱犯の成立を認めないのは、法人税法の規定の趣旨に反する解釈である。法第二十六条は概算申告についても申告と同時に税金納付の義務を うな、逋脱の意図の極めて明白な場合でも、なを概算申告であるの故を以て逋脱犯の成立を認めないのは、法人税法の規定の趣旨に反する解釈である。法第二十六条は概算申告についても申告と同時に税金納付の義務を課しており、法第四十八条の罰則は全ての申告につき適用ある建前を採つている。要するに概算申告当時に逋脱の犯意を認めるかどうかは結局事実認定の問題にすぎないものと考える。しかして本件各中間申告当時の事情については、原判決拳示の証拠によると、被告人甲が本件別口勘定を秘匿して、これを課税の対象として申告することを積極的に回避する手段を講じていた事実を明白に認められるのである。 (後記五の説明参照)本件別口勘定を本勘定に繰入れたり本件別口勘定を以て特殊損失の補填に充当することを主張したりすることは、いずれも本件発覚後の彌縫手段にすぎないものと認める。 従つて原判決が本件中間申告について逋脱犯の成立を認めたことは正当である。 所論は新法人税法第十九条第一項本文の規定を援用し、この規定は中間申告が法人税の確定前に概算により、税金の支払のみを認め法人の事業年度の納税義務の確定たる所得金額とは関係のないことを明らかにしているものと云わねばならぬと云い或は新法第四十八条を援用し中間申告の場合を除外しているのは改正前においても中間申告がその性質上逋脱犯の対象とならないのであるが、この点疑を容れる余地をなくするため条文に特に明記したものであると云うのであるが新法第十九条第一項本文はその但書と併せて理解すべきであつて、同条第一項は従来の方法による中間申告の外に前年度実績による予定申告納税制度を採用し、これを原則的方法としたのであつて即ち前年度実績を基準とする予定申告か又は従来のように事業年度開始の日から六個月間を一事業年度とみなし中間決算をなしその実績による中間申告 予定申告納税制度を採用し、これを原則的方法としたのであつて即ち前年度実績を基準とする予定申告か又は従来のように事業年度開始の日から六個月間を一事業年度とみなし中間決算をなしその実績による中間申告かいずれかの方法により中間申告をなすことができるので、この本文だけを挙げて中間申告は常に当該事業年度の所得金額とは無関係であると云う主張は首肯し得ない。又新法による中間申告は前年度実績による予定申告と中間の決算による中間申告とを併用し、もし法人がそのいずれも申告期間内に提出しなかつたときは当該申告期間経過のときにおいて前年度実績による予定申告書を提出したものとみなされ(同条第五項)中間申告書の提出が強制されないので、この新法による改正に照応して中間申告は新法第四十八条から除外され、その代りに六個月打切り決算による中間申告のみについて虚偽申告を処罰する新法第四十九条第一号の罰則が設けられたのであるから、この改正の経過と従来所得税法第七十条第一号に相当する新法第四十九条第一号が存しなかつたことにかんがみるときは却て法第四十八条において中間申告を明文を以て除外していない以上は中間申告は同条の逋脱犯の対象となるものと解すべきである。論旨は理由がない。 三、 弁護人は阿南主税第六点(ロ)及び弁護人清瀬一郎第三点について、論旨は被告会社は特別経理会社で昭和二十一年八月十一日より企業再建整備法による新旧勘定併合の日までを一事業年度として決算を行い之を株主総会に附議して承認を得、始めて確定せられるものであることは企業再建整備法第四十条の二の規定するところであるから、その申告は法人税法第十九条の概算申告の性質を有し、中間申告と同様逋脱犯の対象とならないと主張する。しかし企業再建整備法附則(昭和二十一年法律第四十号)第二項において「第四十条の二の規定にかかわら 、その申告は法人税法第十九条の概算申告の性質を有し、中間申告と同様逋脱犯の対象とならないと主張する。しかし企業再建整備法附則(昭和二十一年法律第四十号)第二項において「第四十条の二の規定にかかわらず、法人税法の適用については、定款に定める事業年度の終了の日において事業年度が終了したものとみなす」と規定している。 即ち法人税法上は新旧勘定併合の日は事業年度終了の日とは認めないので、定款等に定める事業年度ごとに決算し、その都度申告納税しなければならないのである。決算が確定しないと云うことは株主総会に附議し、その承認を得ないと云うだけのことであつて、申告納税すべき以上事業年度ごとに諸帳簿の閉切をなし、財産目録、貸借対照表、損益計算書を作成し、当該事業年度の所得金額をできる限り正確に算定しなければならない。会社経理応急措置法第十六条によれば特別経理会社も会社の事業年度毎に新旧勘定別に財産目録、貸借対照表、損益計算書の作成を要求されている。それゆえに所論別口勘定の如き資産譲渡による利益金はあくまでも法人税法第九条の規定により計算すべく、所論内規主秘第二四号通牒二の(十)は唯それが確定した決算ではないがため原価償却評価損、繰延資産等の訂正を意味するものであつて所論のように別口勘定を設け新旧勘定併合の時に之を本勘定に併合し一括申告することを許容するのではないものである。仮りに所論のような方法が許されるものとすれば何人もでき得る限り故意に別口勘定を設けて、申告納税の時期を次々と遅らせ、最後に一括申告をすることとなるべく、かくては法人税法第十九条の規定の趣旨が没却せられある一定期間租税収入の大宗たる法人税収入を殆んど喪失し国家の財政上好ましからざる結果をもたらすであろう。之を要するに特別経理会社といえども法人税法の適用上は前記附則二項により企業再建整 が没却せられある一定期間租税収入の大宗たる法人税収入を殆んど喪失し国家の財政上好ましからざる結果をもたらすであろう。之を要するに特別経理会社といえども法人税法の適用上は前記附則二項により企業再建整備法の指定日後新旧勘定併合の日までを一事業年度として取扱う旨の規定を排除して法人税法の規定に復元したのであるから、あくまでも法人税法の規定によつて律すべく、中間における申告は法人税法第四十八条の適用を免れないのである。論旨は理由がない。 四、 弁護人中江源第二点(一)(二)(四)、弁護人阿南主税第四点(補充書第四点共)第五点、弁護人柏原武夫第四点について、論旨はいずれも要するに原判決は逋脱犯の構成要件の観念を誤解し本件に対し不法に旧法人税法第二十九条及び法人税法第四十八条を適用した違法があると主張するに帰するのである。案ずるに法人税逋脱犯の構成要件として納税義務者が法人税を免れたことと、それが詐偽その他不正の行為によるものであることの要件を具備せなければならないことは所論の通りである。ところで一般に租税債務は各税法の規定する課税要件の完成した時に成立する。即ち法律の定めるところにより課税標準を計上し、税率を適用して課税せられ得べき状態を生じた時に租税債務は成立するものと解せられ、法人税法について云へば課税標準計算の期間たる事業年度終了のときに課税要件は完成し、租税債務が成立するものであつて、その租税債務の内容は事業年度の終了と共に客観的には確定しているけれども、これを具体的に幾許であるかと確定するにはその後の計算によつて之を発見するの外はないので旧法人税法のように賦課課税制度の下においては納税義務者は所得金額等の課税標準について申告の義務を命ぜられているがそれは政府の課税上の調査資料としての性格を有するにすぎず、政府は必要な調査を行つた 旧法人税法のように賦課課税制度の下においては納税義務者は所得金額等の課税標準について申告の義務を命ぜられているがそれは政府の課税上の調査資料としての性格を有するにすぎず、政府は必要な調査を行つた上税額を決定するので、ここに租税債務の内容は具体的に確定するものと云うべく、法人税法のように申告納税制度の下においては課税標準の計算期間たる事業年度終了後一定の期間内に納税義務者が自ら所得金額を発見しこれに税率を適用し税額を算出し、自主的に申告し、納税することとしているので、この申告と同時に租税債務の内容は具体的に確定されるのである。この賦課々税は申告納税と云う過程を経て租税債務はその内容が確定し、納税により債権としての満足を得られるのであるが、事業年度の終了と共に客観的に確定している租税債権を具体的に発見確定せしめる過程において、その発見を誤らしめ、又は誤つたままにしておくことになれば租税債権は真実に反し、真実より少ない数額において具体的に確定されることになり、ひいて税の収納もそれだけ減少すると云う結果を生ずるのであるから「税を免れた」とは法人税の収納を減少させる結果を生ぜしめる事実を発生せしめたことと解するを相当とする。そして税を免れたと云う結果は「詐偽その他不正の行為」によつてなされたものであることを必要とすることは多言を要しないがここに不正行為とは逋脱の目的を以てなすところの逋脱を可能ならしめる一切の行為を云い、故意に過少に算出した虚偽の申告書の提出ほど明白にこれに該当するものはなく、申告納税制度の下においては虚偽の申告そのものが直接的に税額を過少に確定せしめ税の収納を減少させる結果を生ぜしめる事実自体であるから因果関係の存在は極めて明白であつて、この場合逋脱の既遂犯は申告と同時に成立し賦課々税制度の下においても申告そのものが政府の決 を過少に確定せしめ税の収納を減少させる結果を生ぜしめる事実自体であるから因果関係の存在は極めて明白であつて、この場合逋脱の既遂犯は申告と同時に成立し賦課々税制度の下においても申告そのものが政府の決定の資料となるのであるから、租税債務が政府の決定によつて確定するからとて直ちに申告と租税収納を減少せしめることの間に常に当然に因果関係がないのであつて、個々の具体的場合につき証拠に基き判断すべき事項で、この場合既遂犯は政府の決定と同時に成立するのである。この法人税逋脱犯の構成要件に関する所論はいずれも独自の見解であつて、首肯し難い。 五、 弁護人中江源第三点第四点、弁護人溝淵春次第一点、弁護人阿南主税第三点(補充書共)について、論旨は原判決は被告人甲に逋脱犯の構成要件たる法人税を免れんとする犯意の有無の認定につき事実を誤認し、且つ証拠によらないで犯意を認定した違法があると主張するのである。 案ずるに会社がその経理の必要上別口勘定を設け且別口勘定帳を作成することは法令上自由であり、これを禁止した法令はないから、会社が会計組織の都合上別口勘定を設ける目的があり、それ相当の理由があれば、脱税の目的で別口勘定が作られたと云うことが二重帳簿作成当時の四囲の状況から証拠上判定されない限り、別口勘定を設けることそれ自体を以て脱税の意図あるものと認定することのできないことは所論の通りである。しかし、原判決も所論別口勘定を設けたこと自体を以て直に脱税の意図があつたものとは認定していないのである。即ち、原判決は「本店等の機密的な費用の財源に充てるため別口勘定を設けた」旨判示し、「被告人が別口勘定を除外した法人税申告書及び添付書類を提出した」点に脱税の目的を認定しているのである。それゆえに所論は原判決の認定しない事実をあげて証拠がないとか、事実の認定を誤つ た」旨判示し、「被告人が別口勘定を除外した法人税申告書及び添付書類を提出した」点に脱税の目的を認定しているのである。それゆえに所論は原判決の認定しない事実をあげて証拠がないとか、事実の認定を誤つているとか主張するものであつて、非難の的がはずれている。ところで犯意とは罪となるべき事実を認識しながら、敢て之をなす意思を云うのであるから、所論のように法人税逋脱犯の犯意は自己の具体的行為が法人税法に定めた納税義務を免れしめて以て国家の徴税権を侵害することを認識しながら敢てこれを為す行為又は不行為であると云つて差支えないであろう。法人税法によれば法人税は各事業年度の所得について課せられ法人の各事業年度の所得は各事業年度の総益金から総損金を控除した金額によるのであつて、法人が少くとも事業による利益があり、それが課税の対象外におかれる正当の理由がない限り、その利益は法人税の課税標準となることは明白であるからたとえ所論のような理由により別口勘定を設けたにせよ、その利益金は課税標準から除外されるべき理由はなく、各事業年度において別口勘定による利益金の存在についての認識があり、現にその利益金の数額が原判決認定のように各事業年度において相当多額に上る以上これを除外した財産目録、貸借対照表、損益計算書等を添付して本勘定の所得のみについて所得の申告をすることはすなわち脱税の認識があつたものと認められるのである。そして被告人甲が別口勘定の利益金の存在と法人税申告の際別口勘定の利益金が算入されていないことを認識していたことは同被告人の原審公判廷における供述に徴し極めて明白であるから、原判決の認定は正当である。所論は特別経理会社の特質を論じ別口勘定を新旧勘定併合の時まで未精算として繰りのべても納税上別に差支えなく許されたものと考え之を除外して申告したまでであつて脱 白であるから、原判決の認定は正当である。所論は特別経理会社の特質を論じ別口勘定を新旧勘定併合の時まで未精算として繰りのべても納税上別に差支えなく許されたものと考え之を除外して申告したまでであつて脱税の意思はなかつたと主張するけれども、さような常識に反する考え方は被告人甲の地位身分に照らし到底措信し難く、仮りに真実さように考えていたとしても、それは同被告人の独断に出た法律上の誤解であつて犯意を阻却するものではない。論旨は理由がない。 六、 弁護人阿南主税第二点及び弁護人柏原武夫第二点について、論旨は原判決は起訴状による本訴因に対し、予備的訴因の追加請求があつたのに予備的訴因に対する公訴事実の同一性について判断を示さず、且つ本訴因により裁判をしなかつた理由を附せないで予備的訴因について裁判をした違法があると主張する。 しかし記録を調査するに、本訴因も、予備的訴因も共に、被告会社の昭和二十一年八月十一日から昭和二十二年三月三十一日までの事業年度に対するものであるから、たとえ数額に相当の差異あるにせよ、公訴事実の同一性を害するものではない。そして裁判所が審理した結果予備的訴因について有罪判決の言渡をした以上は、それはその反面において、公訴事実の同一性を認めしかも本訴因を排斥した趣旨をも表明して居るものと解し得られるから、この点に関し改めて判決理由中にその旨を説明する必要はないものと解する。原裁判には所論のような違法は存しない。 七、 弁護人柏原武夫第三点について、論旨は原判決は検事が起訴した被告人甲に関する公訴事実訴因第一の事実につき法令の適用を誤り判断を遺脱した違法があると主張する。 案ずるに、原判決が採用した予備的訴因の第一を検するに「被告人甲は被告会社の業務に関し云々」と記載し居ることは所論の通りであつて、この記載のみからす 適用を誤り判断を遺脱した違法があると主張する。 案ずるに、原判決が採用した予備的訴因の第一を検するに「被告人甲は被告会社の業務に関し云々」と記載し居ることは所論の通りであつて、この記載のみからすれば第一事実についても検事が被告人甲を起訴したもののように見える。しかし、起訴状によれば、「第一、前記甲は云々」と記載し、第二以下は何れも、その冒頭に「被告人甲は云々」と記載し、しかも訴因第一に関する罰条として特に「法人において租税及び葉煙草専売に関し事犯ありたる場合に関する法律第一条」と掲げているので、これによつて之を見れば訴因第一については被告人甲を起訴していないものと解するを相当とする。それゆえに論旨は理由がない。 八、 弁護人溝淵春次第三点及び弁護人阿南主税第七点について、論旨は原判決は訴因第一について旧法人税法第二十九条但書による免責条件に該当する事実はないと判示しているが、この判示は公判において取調べた証拠にあらわれた事実を確認し、同条但書の規定を不当に排斥した違法があると主張する。 よつて、記録を調査するに証人乙(国税査察部第二課第二係長)同丙(同第二係員)同丁(同)の証言として所論摘記のような供述が存し、これらの証言によれば昭和二十三年九月一日大阪財務局に国税査察部が創設され大会社を調査した結果どこの会社も終戦後のインフレによつて相当な利益を上げているがその大部分は別途勘定として一様に法人税の申告書から除外されていたので、被告会社もその通りであると考え昭和二十三年十二月二十日頃調査に赴き、調査に着手しているうち、乙係長は会社の経理課長及び経理部長から別口勘定に関する別口金銭出納簿(検第十三号の一)の任意提出を受け、それと相前後して会社監査室におて丁が社員に対し書類の閲覧を求めたところ、少しも拒否するところなく書棚の中にあると 長及び経理部長から別口勘定に関する別口金銭出納簿(検第十三号の一)の任意提出を受け、それと相前後して会社監査室におて丁が社員に対し書類の閲覧を求めたところ、少しも拒否するところなく書棚の中にあると云うので、その同意を得てその中から別口勘定に関する工場別売上勘定元帳(検第十九号)を発見し、之を丙の手を経て乙係長に渡した事実が認められる。即ち、乙係長等は被告会社に対する確固たる法人税法違反の嫌疑を抱くに足る証拠があつて臨検したものではなく、唯他会社を調整した実績から被告会社にも同様な事実があるかもしれぬと云う、漠然たる予測を以て任意調査に赴いたところ、調査着手後とは云え被告会社側より進んで別口勘定に関する帳簿を提出してその調査に協力しているのである。かような場合も犯罪が官に発覚しない前犯人自らその犯罪事実を官に告知したもの、すなわち、自首に該当すると解するを相当とする。原判決は旧法人税法第二十九条但書の規定の適用を不当に排斥した違法があつて、破棄を免れない。 被告会社は公訴事実第一(原判示第一の事実)については自首によつてその罪を問はれない、すなわち刑を免除すべきである。論旨は理由がある。 九、 弁護人中江源第一点について、論旨は原判決は刑訴第三三五条第二項の法律上犯罪の成立を妨げる理由を主張しているのにこれに対し何等の判断を示さない違法があると主張し、被告会社は法第二十九条の更正決定に基き法人税追徴額追徴税加算税を所定期間内に完納しているので、この法律上犯罪の成立を妨げる事実の主張に対し判断をしていないと云うのである。 しかし申告納税制度の下においては納税義務者は自らの課税標準と税額を決定して申告すると同時に各税額を納付するものであるから、納税者が故意に虚偽の申告書を提出したときは既にこの時において逋脱犯の成立することは説明したとこ 下においては納税義務者は自らの課税標準と税額を決定して申告すると同時に各税額を納付するものであるから、納税者が故意に虚偽の申告書を提出したときは既にこの時において逋脱犯の成立することは説明したところであつて、爾後更正手続が行われると否とは犯罪の成否に影響なく所論のように犯罪成立後政府が調査して更正決定を発し、納税義務者が脱税額を完納したからとてそれは情状の問題であつて犯罪の成立を阻却するものではない。論旨は理由がない。 十、 弁護人清瀬一郎第一点(補充書共)について、論旨は原判決は企業再建整備法第三十九条第二項の適用を遺脱し、そのために本来法人税を課すべからざる別口勘定の資産譲渡益金に対し法人税を課すべきであると誤解し、その結果被告会社の法人税申告書に之を記載せざりしことを以て法人税逋脱の犯罪なりと認めたもので、前記法条の適用を遺脱した違法があると主張するのである。 しかし、企業再建整備法施行令第七条によればその第三項に「法第三十九条第二項の規定の適用を受けようとする特経会社は法人税法第十八条ないし第二十二条に規定する申告書に大蔵大臣の定める事項を記載しなければならない」と規定し、その第五項に「法第三十九条第二項の規定は法人税法第十八条ないし第二十二条に規定する申告書に第三項に規定する事項の記載がない場合にはこれを適用しない」と規定しているのであるが、被告会社が法人税法第十八条ないし第二十二条の申告書に同第三項及び昭和二十二年六月十一日大蔵省令第五十九号第二条に掲げる事項を記載しなかつたことは所論も肯定するところである。ところで同施行令第七条第六項によれば「税務署長は、特別の事情があるときは、大蔵大臣の定めるところにより第三項の申告書に同項に規定する事項の記載がなかつた場合においても、法第三十九条第二項の規定を適用することができ 七条第六項によれば「税務署長は、特別の事情があるときは、大蔵大臣の定めるところにより第三項の申告書に同項に規定する事項の記載がなかつた場合においても、法第三十九条第二項の規定を適用することができる」と規定し、税務署長の行政処分によつてその適用を受ける途が残されているのであるが、それは税務署長が申告書に記載しなかつたことにつき「已むを得ない事由があると認めたとき」に限ることは前記大蔵省令第四条に明定するところであつて、記録の上においては右のような税務署長の行政処分を受けた事跡はあらわれていないのみならず、ここに「已むを得ない事由」とあるを如何に解釈すべきかは一つの問題であるが、検事に対する戊(被告会社経理課員)の第一回供述調書によれば「被告会社の昭和二十二年三月末決算の法人税について申告納税する様になり同年六月二十五日に申告したが、この時は戦時補償特別税千七百五万六千七百二十六円五銭を損失で計上して十一万円余りの普通所得がある旨申告したところ、これはいけないと税務署に云われ、仮払金として繰延整理し、普通所得百三十三万八千百四十七円と修正申告を甲部長の指図を得て申告した、この申告の際に特経会社指定持である昭和二十一年八月十一日現在当社保有の財産を社外に販売して生じた益金を特別損失の填補に充てる間は益金として課税の対象にならないと云うことを税務署の人にもきき法人税法の解説と云う本で同趣旨の財務局の取扱を知り甲部長に話したところその様にするように指示があつたので仮受金として計上した」と云い、この供述と検証第十七号の一ないし四の法人税申告書の記載を綜合すれば被告人甲は法人税の課税上益金に算入しない資産譲渡益等の特殊利益が被告会社に存在することを知りながら、この特殊利益を別口勘定として秘匿しているために故意にこれを法第三十九条第二項の規定の適用 合すれば被告人甲は法人税の課税上益金に算入しない資産譲渡益等の特殊利益が被告会社に存在することを知りながら、この特殊利益を別口勘定として秘匿しているために故意にこれを法第三十九条第二項の規定の適用を受け得べき金額として申告書に掲げなかつたものと認められ、申告書に記載しなかつたことにつき「已むを得ない事由があるもの」とは到底考えられないから、所論のように別口勘定の利益は課税の対象とならないといくら主張してみても法第三十九条第二項の適用を受くるに由なく問題とならないのである。しかも益金不算入は無制限に認められるものではなく前記施行令第七条第二項に規定する限度に達するまでの金額に対し課税しないと云うのであるが、被告人甲の当公判廷における供述によれば「昭和二十一年八月十一日現在における会社の特損金は大体九百万円ないし一千万円位までのものと記憶しているがこの金額は当時会社における積立準備金その他所定の積立金等によつて一応特損金を穴埋めしてもなおかつ不足して出たもので、結局会社の企業再建計画の認可が昭和二十四年七月二十五日にあつたのでそれまでの間に新勘定から旧勘定に支払つた利息によつて前述の特損金は全部カバーされた」と云い既に特損金は全部補填され所論特例適用限度額に少しも余裕のないことを示しているのである。 仮りに所論のように特例適用限度額として三百七十三万六千七百九円が残存するとしても原判決認定の別口勘定の利益金合計四千七百六十二万六千九百四十一円に比しその十二分の一にも足らない数額であるから判決に影響を及ぼすとも考えられないのである。以上いずれにしても論旨は理由なきものである。 十一、 弁護人清瀬一郎第二点について。 論旨は本件別口勘定の主要な項目は被告会社の器具機械、調度品及び鉱業権の譲渡代金であるから、これを益金として計上するためには ても論旨は理由なきものである。 十一、 弁護人清瀬一郎第二点について。 論旨は本件別口勘定の主要な項目は被告会社の器具機械、調度品及び鉱業権の譲渡代金であるから、これを益金として計上するためには、譲渡代金より取得原価を控除しなければならないのに、原判決中にはこれを控除した形跡はなく法人税法第九条を無視した違法があると主張するのである。 しかし原審証人己(被告会社経理課長)の証言によれば「別口の収入はこれを本帳にのせる際は単に雑益勘定を起すのみにて事が足りるのである。即ち収入源は何れも簿外資産であつて現在本勘定においてもその存在が現われていないのである」と云い原審公判廷における被告人甲の供述(第九回公判調書)によれば「別口勘定のものB、C、Kは繭から生産された品物であるから本来繭代金として支払つているので本勘定にのせるべきものである」と云い、これらの供述から所論取得原価は本勘定において控除されていることを容易に看取し得るのである。論旨は理由がない。 十二、 弁護人中江源第五点、弁護人溝淵春次第五点、弁護人阿南主税第八点、弁護人柏原武夫第六点について、論旨はいずれも量刑不当を主張するのである。 よつて、所論の諸点を考慮し記録に現われた各般の事情を斟酌すると、被告会社に対する原判決中判示第二関係部分の原審の科刑は相当であるけれども、被告人甲に対し刑の執行を猶予しなかつたのは不当に重い量刑であると考えられる。それゆえに同被告人に対する原判決はこの点において破棄を免れない。 以上の理由により、被告会社の控訴について被告会社に対する原判決中判示第一の部分は刑事訴訟法第三百九十七条に従いこれを破棄し、即ち被告会社の昭和二十一年八月十一日から昭和二十二年三月三十一日に至る事業年度の逋脱罪に関する公訴事実については同法第四百条但書第四百四条第 一の部分は刑事訴訟法第三百九十七条に従いこれを破棄し、即ち被告会社の昭和二十一年八月十一日から昭和二十二年三月三十一日に至る事業年度の逋脱罪に関する公訴事実については同法第四百条但書第四百四条第三百三十四条に従い刑の免除の言渡しをなすべく、判示第二の分に対する控訴は同法第三百九十六条に従い棄却し、被告人甲の控訴については同法第三百九十七条により原判決を破棄し、法第四百条但書に従い次の通り判決する。 被告人甲関係について原判決挙示の証拠により原判示第二の事実を認定し、之を法律に照すと被告の所為は各法人税法第四十八条第一項に該当するのであるが、同法は同年法律第百四十二号で改正、同年十二月一日から施行、更に昭和二十三年法律第百七号で改正、同年七月七日から施行せられ、右法律第百四十二号附則第十五条、法律第百七号附則第六十条新法人税法附則第二十項によりそれぞれ改正前の違反行為には従前の法律を適用することとなつているので、判示第二の(一)には法律第二十八号、第二の(二)には法律第百四十二号、第二の(三)には法律第百七号を適用しそれぞれ、所定の懲役刑を選択し以上は刑法第四十五条前段の併合罪であるから同法第四十七条第十条に則り最も重い、第二の(三)の罪の刑に法定の加重をしたうえ被告人を懲役六月に処し、同法第二十五条により弍年間右刑の執行を猶予し訴訟費用の負担について刑事訴訟法第百八十一条第一項第百八十二条を適用して主文の通り判決する。 (裁判長判事斎藤朔郎判事松本圭三判事綱田覚一)

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