主文 被告人を罰金7万円に処する。 上記罰金を完納することができないときは金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,平成11年10月25日午後3時50分ころ,道路標識により,その最高速度が50キロメ-トル毎時と指定されている横浜市D区E付近道路において,その最高速度を38キロメ-トル超える88キロメ-トル毎時の速度で普通乗用自動車を運転して進行したものである。 (補足説明)被告人及び弁護人は,被告人の本件速度違反事実を否認するので,以下,検討する。 1 前記各証拠によれば,以下の事実が認定できる。 神奈川県B警察署交通課所属の警察官らは,本件当日,本件道路において速度違反取締りを行うこととなった。 その実施にあたっては,現認係,記録係,停止係,取調べ係に分担して,各係に1ないし数名の警察官が配置されていた。同交通課司法巡査Hは,現認係担当であり,その実施に当たり,測定道路の左側歩道上にレ-ダ-式速度取締装置(日本無線JMA230型)のレ-ダ-検出部を三脚の上に設置した。その際,H巡査は同装置の正規の取扱い規程に従って,同装置から投射されるビ-ムの方向が取締車両走行道路と27度の角度になるように設置するなどの取扱い注意事項を正しく履行して設置した。その後,同装置が正常に作動するかどうかの作動前点検を規程どおりに行い,同装置が正常に作動することを確認した。被告人運転の車両は,本件道路をc町方面からd町方面に向かい,走行中に本件取締り場所付近において,制限速度である50キロメ-トル毎時を38キロメ-トル毎時超過する速度で走行したため,H巡査が前記速度取締り装置の検出スイッチを入れて走行速度を測定し,同車両が速 行中に本件取締り場所付近において,制限速度である50キロメ-トル毎時を38キロメ-トル毎時超過する速度で走行したため,H巡査が前記速度取締り装置の検出スイッチを入れて走行速度を測定し,同車両が速度超過であったので,その数値を記録係(I警察官)に送り,そこでその測定速度,測定時間が印字機で印字されるとともに,記録係警察官が被告人車両の車両ナンバ-と年月日を記載し,記録用紙にもメモ的に記載した。被告人の方は停止係に車両の走行を停止させられ,次いで,取り調べ係の警察官(J巡査)の取調べを受けた。その際,被告人は,警察官から速度測定カ-ドを見せられて自己運転車両の走行速度が88キロメ-トル毎時と記録されていることがわかったが,自分の感覚では60から70キロメ-トル位で走行したもので,記録された数値は納得できないと弁解した。 2 上記認定事実によれば,被告人運転車両の速度の測定は,正常に作動する装置よって正しく測定されていることが認定され,測定数値については疑問の余地はないといえる。なお,前記測定装置は年2回メ-カ-によって定期点検を実施していて,その最新の点検結果は良好で異常もないこと,また,同装置のメ-カ-の技術者の証言(証人L)によれば,本件取締り道路の付近の工作物,看板,中央分離帯の柵などの固定物体に電波が反射しても,この装置の測定には何ら影響しないこと,多重反射ということも生じないこと,また,この装置から出るサイドビ-ムという電波も非常に弱く,影響しないこと,同装置は取締り用という目的から対象者に不利益が生じないよう測定の誤差は常にマイナスになるようになっていて,それは約1パ-セントであり,プラスの誤差は生じないことなどの事実が認められる。 3 これに対し,弁護人は,本件速度測定装置の理論的根拠や科学的信頼性そのものを問題視して スになるようになっていて,それは約1パ-セントであり,プラスの誤差は生じないことなどの事実が認められる。 3 これに対し,弁護人は,本件速度測定装置の理論的根拠や科学的信頼性そのものを問題視しているが,直ちにそれらの主張が是認できるものではなく,前記のように,現時点では,速度測定装置として信頼しうるものといえる。 次に,弁護人は本件の被告人運転車両の速度測定の信用性を疑っているが,速度の誤測定,対象車誤認等もなく,前記のように正確に測定されたものと推認される。 また,被告人は本件日時に自車の速度が60ないし70キロメ-トル毎時であった旨主張しているが,これを認めるに足るものは何もない。 したがって,被告人及び弁護人の主張は理由がないというべきである。 (法令の適用) 1 罰条について道路交通法118条1項2号,22条1項,4条1項,同法施行令1条の2第1項 1 労役場留置について刑法18条 1 訴訟費用の負担について刑事訴訟法181条1項本文(求刑罰金7万円)平成13年12月20日横浜地方裁判所第4刑事部4係裁判官須山幸夫
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