令和5年5月26日判決言渡令和4年(ネ)第10046号特許権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所令和元年(ワ)第25152号)口頭弁論終結日令和5年3月29日判決 控訴人株式会社ドワンゴ 同訴訟代理人弁護士大野聖二多田宏文 同訴訟代理人弁理士松野知紘 被控訴人 FC2,INC. (以下「被控訴人FC2」という。) 同訴訟代理人弁護士髙橋淳壇俊光宮川利彰 被控訴人株式会社ホームページシステム(以下「被控訴人HPS」という。) 同訴訟代理人弁護士濱田佳志 主文 1 原判決中被控訴人FC2に関する部分を次のとおり変更する。 ⑴ 被控訴人FC2は、「FC2動画」(https://video. fc2.com/)において、被控訴人FC2のサーバから日本国内に存在するユーザ端末に対し、ユーザ端末の表示装置において動画上にオーバーレイ表示されるコメントが、水平方向に移動し、互いに重ならないように表示される態様となるように、動画ファイル及びコメ ントファイルを配信してはならない。 ⑵ 被控訴人FC2は、控訴人に対し、1101万5517円及び別紙4-1認容額一覧表の「認容額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の びコメ ントファイルを配信してはならない。 ⑵ 被控訴人FC2は、控訴人に対し、1101万5517円及び別紙4-1認容額一覧表の「認容額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで「遅延損害金利率(年)」欄記載の各割合による金員を支払え。 ⑶ 控訴人の被控訴人FC2に対するその余の請求をいずれも棄却する。 2 控訴人の被控訴人HPSに対する控訴を棄却する。 3 控訴人の当審における被控訴人HPSに対する拡張請求を棄却する。 4 訴訟費用は、控訴人と被控訴人FC2との間では、第1、2審を通じ てこれを10分し、その7を控訴人の負担とし、その余を被控訴人FC2の負担とし、控訴人と被控訴人HPSとの間では、当審における訴訟費用は全て控訴人の負担とする。 5 この判決の第1項⑴及び⑵は、仮に執行することができる。 6 被控訴人FC2のため、上告及び上告受理申立てのための付加期間 を30日と定める。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人らは、別紙1被告ファイル目録記載の各ファイルを日本国内に所 在するユーザ端末に配信してはならない。 3 被控訴人らは、別紙2被告サーバ用プログラム目録記載の各プログラムを抹消せよ。 4 被控訴人らは、別紙3被告サーバ目録記載の各サーバを除却せよ。 5⑴ 主位的請求被控訴人らは、控訴人に対し、連帯して10億円及びこれに対する令和 元年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 予備的請求被控訴人らは、控訴人に対し、連帯して10億円及び別紙5予備的請求額一覧表の「請求額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の各日 分の割合による金員を支払え。 ⑵ 予備的請求被控訴人らは、控訴人に対し、連帯して10億円及び別紙5予備的請求額一覧表の「請求額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで「遅延損害金利率(年)」欄記載の各割合による金 員を支払え。 第2 事案の概要(略称は、特に断りのない限り、原判決に従う。) 1 事案の要旨本件は、発明の名称を「コメント配信システム」とする特許第6526304号の特許(以下「本件特許」といい、本件特許に係る特許権を「本件特許権」 という。)の特許権者である控訴人が、米国法人である被控訴人FC2が運営するインターネット上のコメント付き動画配信サービスである「FC2動画」(https://video.fc2.com/。以下「被告サービス1」という。)、「FC2 SayMove!」(http://say-move. org/。以下「被告サービス2」という。)及び「FC2 ひまわり動画」 (http://himado.in/。以下「被告サービス3」といい、被告サービス1ないし3を併せて「被告各サービス」という。)に係る各システム(以下「被告各システム」と総称し、被告各サービスの番号に従ってそれぞれを「被告システム1」などという。)は、本件特許に係る発明の技術的範囲に属するものであり、被控訴人FC2が米国に存在する別紙3被告サーバ目録 記載の各サーバ(以下「被告各サーバ」という。)から日本国内に存在するユ ーザ端末に別紙1被告ファイル目録記載の各ファイル(以下「被告各ファイル」という。)を配信する行為が、被告各システムの「生産」(特許法2条3項1号)に該当し、本件特許権を侵害する旨主張し、また、被控訴人HPSは被控訴人FC2と実質的に一体のものとして上記 告各ファイル」という。)を配信する行為が、被告各システムの「生産」(特許法2条3項1号)に該当し、本件特許権を侵害する旨主張し、また、被控訴人HPSは被控訴人FC2と実質的に一体のものとして上記行為を行っている旨主張して、被控訴人らに対し、特許法100条1項及び2項に基づき、被告各ファイルの日本国 内に存在するユーザ端末への配信の差止め、別紙2被告サーバ用プログラム目録記載の各プログラム(以下「被告サーバ用プログラム」という。)の抹消及び被告各サーバの除却を求めるとともに、特許権侵害の共同不法行為に基づく損害賠償請求の一部として1000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前 民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 原審は、①被告各システムは、本件特許に係る発明の全ての構成要件を充足し、その技術的範囲に属する、②しかし、特許権の効力が当該国の領域内においてのみ認められることを意味する属地主義の原則から、特許法2条3項1号 の「生産」に該当するためには、特許発明の全ての構成要件を満たす物が、日本国内において新たに作り出されることが必要であると解すべきであるところ、被告各システムの構成要素である被告各サーバは、いずれも米国内に存在し、日本国内に存在するユーザ端末のみでは、本件特許に係る発明の全ての構成要件を充足しないから、被控訴人らが被告各システムを日本国内で「生産」した ものとは認められず、また、被控訴人HPSが、控訴人が侵害を主張する期間において被告各サービスに関する業務を行っていたとは認められないとして、被控訴人らによる本件特許権の侵害の事実を認めることはできないと判断し、控訴人の請求をいずれも棄 が、控訴人が侵害を主張する期間において被告各サービスに関する業務を行っていたとは認められないとして、被控訴人らによる本件特許権の侵害の事実を認めることはできないと判断し、控訴人の請求をいずれも棄却した。 そこで、控訴人は、原判決を不服として、本件控訴を提起した。 また、控訴人は、当審において、損害賠償請求に関する部分について、主位 的に、令和元年5月分(同月17日から31日までの分)についての特許法102条2項に係る損害額の一部である10億円及び遅延損害金を請求し、予備的に、同月17日から令和4年8月31日までの分についての同項に係る損害額又は同条3項に係る損害額の一部である10億円及び遅延損害金を請求する旨の訴えの変更をし、請求を拡張した。 2 前提事実(証拠の摘示のない事実は、争いのない事実又は弁論の全趣旨により認められる事実である。)⑴ 当事者ア控訴人は、コンピュータを利用したネットワークシステムの企画、開発、製造、販売、賃貸等を業とする株式会社である。 イ被控訴人FC2は、インターネット上でのブログや動画配信サイトの運営等を業とする米国法人である。 ウ被控訴人HPSは、インターネットを利用した各種情報提供サービス等を業とする株式会社である。 ⑵ 本件特許 ア出願経緯原判決の「事実及び理由」の第2の2⑵記載のとおりであるから、これを引用する。 イ特許請求の範囲本件特許の特許請求の範囲は、請求項1ないし13からなり、その請 求項1及び2の記載は、次のとおりである(以下、請求項1に係る発明を「本件発明1」、請求項2に係る発明を「本件発明2」といい、これらを併せて「本件各発明」という。)。 【請求項1】サーバと、これとネットワークを介して接 とおりである(以下、請求項1に係る発明を「本件発明1」、請求項2に係る発明を「本件発明2」といい、これらを併せて「本件各発明」という。)。 【請求項1】サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、 を備えるコメント配信システムであって、 前記サーバは、前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し、前記コメント情報は、 前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメン ト付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、前記サーバが、前記動画と、前記コメント情報とを前記端末装置に送信することにより、前記端末装置の表示装置には、 前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、が前記第1コメントと 前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示され る、コメント配信システム。 【請求項2】動画配信サーバ及びコメント配信サーバと、これらとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、前記コメント配信サーバは、 前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、前記端末装置にコメント情報を送信し、前記動画配信サーバは、前記端末装置に前記動画を送信し、前記コメント情報は、 前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメン ト付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、前記コメント配信サーバが前記コメント情報を、前記動画配信サーバが前記動画 前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、前記コメント配信サーバが前記コメント情報を、前記動画配信サーバが前記動画を、それぞれ前記端末装置に送信することにより、前記端末 装置の表示装置には、 前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示され る、コメント配信システム。 ウ構成要件の分説本件各発明を構成要件に分説すると、次のとおりである。 (ア) 本件発明11A サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装 置と、を備えるコメント配信システムであって、1B 前記サーバは、前記サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、1C 前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し、 1D 前記コメント情報は、前記第1コメント及び前記第2コメントと、前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与された時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、 1E 前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、 1F 前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、 重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、 1F 前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、 前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、1G 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、1H 前記サーバが、前記動画と、前記コメント情報とを前記端末装置 に送信することにより、前記端末装置の表示装置には、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、 が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表示される、1I コメント配信システム。 (イ) 本件発明22A 動画配信サーバ及びコメント配信サーバと、これらとネットワー クを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、2B 前記コメント配信サーバは、前記動画配信サーバから送信された動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受 信し、2C1 前記端末装置にコメント情報を送信し、2C2 前記動画配信サーバは、前記端末装置に前記動画を送信し、2D 前記コメント情報は、前記第1コメント及び前記第2コメントと、 前記第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与さ れた時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、2E 前記動画及び前記 第1コメント及び前記第2コメントのそれぞれが付与さ れた時点に対応する、前記動画の最初を基準とした動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と、を含み、2E 前記動画及び前記コメント情報に基づいて、前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び 前記第2コメントと、を前記端末装置の表示装置に表示させる手段と、2F 前記第2コメントを前記1の動画上に表示させる際の表示位置が、前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、2G 重なると判定された場合に、前記第1コメントと前記第2コメン トとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部と、を備えるコメント配信システムにおいて、2H 前記コメント配信サーバが前記コメント情報を、前記動画配信サーバが前記動画を、それぞれ前記端末装置に送信することにより、前記端末装置の表示装置には、 前記動画と、前記コメント付与時間に対応する動画再生時間において、前記動画の少なくとも一部と重なって、水平方向に移動する前記第1コメント及び前記第2コメントと、が前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならないように表 示される、2I コメント配信システム。 ⑶ 被告各サービスの運営原判決17頁11行目の「なお」から13行目末尾までを削るほか、原判決の「事実及び理由」の第2の2⑸記載のとおりであるから、これを引用す る。 ⑷ 被告各システムの構成ア被告システム1について被告システム1は、「動画配信サーバ」及び「コメント配信サーバ」と、これらとネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備える ⑷ 被告各システムの構成ア被告システム1について被告システム1は、「動画配信サーバ」及び「コメント配信サーバ」と、これらとネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備えるコメント配信システムであって、本件発明1の構成要件1A、1G及び1 I、本件発明2の構成要件2A、2G及び2Iを充足する。 イ被告システム2及び3について被告システム2及び3は、それぞれ、「コメント配信サーバ」と、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備えるコメント配信システムであって、本件発明1の構成要件1G及び1I、本件発明 2の構成要件2G及び2Iを充足する。 3 国際裁判管轄原判決18頁10行目の「事務所」を「営業所」と、同行目から11行目にかけての「民訴法3条の2」を「民訴法3条の2第3項」と改めるほか、原判決の「事実及び理由」の第2の2⑺記載のとおりであるから、これを引用する。 4 争点⑴ 準拠法(争点1)⑵ 被告各システムの本件発明1の技術的範囲の属否(争点2)⑶ 被告各システムの本件発明2の技術的範囲の属否(争点3)⑷ 被控訴人らによる被告各システムの「生産」の有無(争点4) ⑸ 無効の抗弁の成否(争点5)ア特開2004-193979号公報(乙17。以下「乙17公報」という場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由1)(争点5-1)イ特開2004-297245号公報(乙18。以下「乙18公報」とい う場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由2)(争点5- 2)ウ特開2004-15750号公報(乙19。以下「乙19公報」という場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由3)(争点5-3)エ山本大介・長尾確 効理由2)(争点5- 2)ウ特開2004-15750号公報(乙19。以下「乙19公報」という場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由3)(争点5-3)エ山本大介・長尾確「閲覧者によるオンラインビデオコンテンツへのアノテーションとその応用」人口知能学会論文誌Vol.20(2005年 11月発行)(乙20。以下「乙20文献」という場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由4)(争点5-4)オ特開2003-111054号公報(乙21。以下「乙21公報」という場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由5)(争点5-5) カ国際公開第00/64150号(乙24。以下「乙24公報」という場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由6)(争点5-6)キ米国特許出願公開第2004/0098754号明細書(乙25。以下「乙25文献」という場合がある。)を主引用例とする進歩性欠如(無効理由7)(争点5-7) ク明確性要件違反(無効理由8)(争点5-8)ケサポート要件違反(無効理由9)(争点5-9)コ実施可能要件違反(無効理由10)(争点5-10)サ先願要件違反(無効理由11)(争点5-11)シ分割要件違反による新規性及び進歩性欠如(無効理由12)(争点5- 12)ス優先権主張の要件違反による進歩性欠如等(無効理由13)(争点5-13)セ公序良俗違反(無効理由14)(争点5-14)⑹ 権利の濫用の成否(争点6) ⑺ 差止め及び除却等の必要性(争点7) ⑻ 控訴人の損害額(争点8)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(準拠法)について原判決の「事実及び理由」の第3の1記載のとおりであるから、これを引 の必要性(争点7) ⑻ 控訴人の損害額(争点8)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(準拠法)について原判決の「事実及び理由」の第3の1記載のとおりであるから、これを引用する。 2 争点2(被告各システムの本件発明1の技術的範囲の属否)について「被告システム」を「被告各システム」と、「被告サービス」を「被告各サービス」と、「本件発明」を「本件各発明」と改めるほか、原判決の「事実及び理由」の第3の2記載のとおりであるから、これを引用する。 3 争点3(被告各システムの本件発明2の技術的範囲の属否)について 「被告システム」を「被告各システム」と改めるほか、原判決の「事実及び理由」の第3の3記載のとおりであるから、これを引用する。 4 争点4(被控訴人らによる被告各システムの「生産」の有無)について「被告サービス」を「被告各サービス」と、「本件発明」を「本件各発明」と、「被告システム」を「被告各システム」と改め、以下のとおり当審におけ る当事者の補充主張を付加するほか、原判決の「事実及び理由」の第3の4記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 当審における控訴人の補充主張ア 「生産」と属地主義の原則との関係(ア) 「生産」(特許法2条3項1号)とは、発明の技術的範囲に属する 物を新たに作り出す行為である。 属地主義の原則は、「特許権の効力が当該国の領域内においてのみ認められること」を意味するにとどまり、そこから直ちに、原判決のように「生産」に当たるためには、特許発明の構成要件の全てを満たす物が、日本国内において新たに作り出されることが必要であると解するのは、 論理の著しい飛躍がある。 属地主義の原則が、特許権の効力を及ぼすには、構成 、特許発明の構成要件の全てを満たす物が、日本国内において新たに作り出されることが必要であると解するのは、 論理の著しい飛躍がある。 属地主義の原則が、特許権の効力を及ぼすには、構成要件の全てを国内で充足することまで要求していると解釈するとすれば、「サーバ」を国外に置きさえすれば、極めて容易にネットワーク関連特許の侵害を潜脱できることになり、我が国のネットワーク関連の特許権の効力を著しく弱体化してしまう不合理が生じる。特に、現在、国外のサーバを使っ て国内にサービスを提供することは極めて容易であるから、このような解釈を採れば、重要な技術分野について特許権侵害の責任を問うことが困難となり、不当な結果を招くことになる。 また、罪刑法定主義(憲法31条)の適用を受ける刑法においてさえ、構成要件の一部が日本国内で実現することで、国内犯の成立を肯定し、 属地主義の原則を充足するものと解されており(最高裁平成25年(あ)第510号同26年11月25日第三小法廷決定・刑集68巻9号1053頁参照)、特許法における属地主義についても、構成要件を満たす物の一部が国外において作り出されていても、それ以外の部分が国内で作り出されていれば「生産」に該当すると解釈すべきである。 さらに、アメリカ、ドイツ、イギリス等では、法律上属地主義が明記されているが、構成要件の一部が国外で充足されていても、裁判所が解釈論として特許権侵害を認める判断をしており(甲308、312、315、317等)、インターネットが国境を越えて広がっている現状を踏まえ、属地主義について実質的な判断をしている。 (イ) 以上によれば、属地主義の原則との関係においては、特許発明の構成要件を満たす物の一部さえ、日本国内において作り出されていれば、 を踏まえ、属地主義について実質的な判断をしている。 (イ) 以上によれば、属地主義の原則との関係においては、特許発明の構成要件を満たす物の一部さえ、日本国内において作り出されていれば、「生産」に該当すると解釈すべきである。これと異なる原判決の判断は誤りである。 イ 「生産」(特許法2条3項1号)該当性 (ア) 被告各システムは、米国に存在するサーバと、日本に存在する多 数のユーザ端末から構成される。被告各システムを代表して、被告システム1のHTML5版について別紙8-1の図(同図では代表して一つのユーザ端末のみを記載している。)を用いて説明すると、その動作は以下のとおりである。 ① ユーザがユーザ端末に対して所望の動画ページを指定する。これに より、ユーザが更に操作をすることなく、後記②ないし⑨が行われる。 ② ユーザ端末が、①に応じて、指定された動画ページに対応するウェブページのデータ及びJSファイルのリクエストをサーバに送信する。 ③ サーバが、②に応じて、ウェブページのデータ及びJSファイルの リクエストを受信する。 ④ サーバが、③に応じて、リクエストされたウェブページのデータ及びJSファイルをユーザ端末に送信する。 ⑤ ユーザ端末が、④に応じて、ウェブページのデータ及びJSファイルを受信する。 ⑥ ユーザ端末が、⑤に応じて、受信したJSファイルに従って動画ファイル及びコメントファイルのリクエストをサーバに送信する。 ⑦ サーバが、⑥に応じて、動画ファイル及びコメントファイルのリクエストを受信する。 ⑧ サーバが、⑦に応じて、リクエストされた動画ファイル及びコメン トファイルをユーザ端末に送信する。 ⑨ ユーザ端末が、⑧に応じて、サーバから送信された動画フ ルのリクエストを受信する。 ⑧ サーバが、⑦に応じて、リクエストされた動画ファイル及びコメン トファイルをユーザ端末に送信する。 ⑨ ユーザ端末が、⑧に応じて、サーバから送信された動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 ⑩ ユーザが再生ボタンをクリックする。 ⑪ ユーザ端末が、⑩に応じて、動画上を移動するコメントを再生表示 する。 (イ) 前記(ア)の被告システム1の動作と「生産」との関係は、以下のとおり、④が生産の開始であり、⑨が生産の完了である。 前記(ア)の①ないし③は、ユーザの操作に基づいて被告システム1の生産を注文し、これをサーバが受け付ける行為であり、「生産」に含まれず、その開始前に行われるものである。 前記(ア)の④ないし⑨によって、ユーザ端末において動画上を移動するコメントが再生表示可能な状態となり、本件各発明の技術的範囲に属する被告システム1が新たに作り出される。 よって、前記(ア)の④(サーバによるウェブページのデータ及びJSファイルの送信)が「生産」の開始であり、前記(ア)の⑨(ユーザ端末 による動画ファイル及びコメントファイルの受信)が「生産」の完了である。 (ウ) このように、被告システム1の「生産」は、㋐米国に存在するサーバが、ウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメントファイルを送信すること(前記(ア)の④及 び⑧)、及び、㋑日本に存在するユーザ端末が、上記ウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメントファイルを受信すること(前記(ア)の⑤及び⑨)から構成される。 そして、「生産」の一部である㋐の送信は米国で行われ、他の一部である㋑の受信は日本で行われる。 (エ) この点に関し、 受信すること(前記(ア)の⑤及び⑨)から構成される。 そして、「生産」の一部である㋐の送信は米国で行われ、他の一部である㋑の受信は日本で行われる。 (エ) この点に関し、サーバがウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメントファイルを送信したとしても、これらをユーザ端末が受信しない限り、ユーザ端末において動画上を移動するコ メントを再生表示することはできないから、ユーザ端末が上記各ファ イルを受信するまでは被告システム1が完成したとはいえない。そして、ユーザ端末による受信があって初めて、ユーザ端末において動画上を移動するコメントを再生表示できるようになり、本件各発明の技術的範囲に含まれる被告システム1が新たに作り出された状態となるから、日本国内で行われるユーザ端末による動画ファイル等の受信 (前記(ウ)の㋑)も「生産」の一部である。 また、「生産」行為に関しては、新たに作り出される「物」がどの国に生じるかということを無視して、「生産」行為がどこの場所で行われたかを判断することはできない。 そして、被告システム1の大部分(日本にある多数のユーザ端末で構 成される部分)は、日本において新たに作り出されており、日本において少なくとも大部分の「生産」行為を観念することができるから、被告システム1は、日本国内において「生産」(特許法2条3項1号)されているといえる。 ウ 「生産」の主体 (ア) 控訴人が本件において実施行為として主張するのは、被控訴人らによる被告各サーバから日本国内に存在するユーザ端末に向けられたファイル配信行為等であり、国外に存在するユーザ端末に向けられた行為は、実施行為として主張しない。 (イ) 前記イ(ウ)の㋐はサーバによる送信 バから日本国内に存在するユーザ端末に向けられたファイル配信行為等であり、国外に存在するユーザ端末に向けられた行為は、実施行為として主張しない。 (イ) 前記イ(ウ)の㋐はサーバによる送信であるから、主体が被控訴人ら であるのは明らかである。また、㋑は、㋐に応じてユーザの操作が介在することなく、サーバからウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメントファイルを送信することにより行われるものであるから、㋑の主体も被控訴人らである。 被告システム1の「生産」は、日本に存在する多数のユーザ端末をい わば材料として、米国に存在するサーバからウェブページのデータ、J Sファイル、動画ファイル及びコメントファイルを送信することにより作り出されるものであるから、被控訴人らのみによって行われ、ユーザの行為は含まれない。 前記イ(ア)の⑩及び⑪は、作り出された被告システム1をユーザが使用する行為であって、「生産」に含まれず、その完了後に行われるもの である。 以上によれば、被告システム1の生産の主体は、被控訴人らである。 ⑵ 当審における被控訴人らの補充主張ア 「生産」と属地主義の原則との関係の主張に対し(ア) 特許法2条3項1号の「生産」とは、特許発明の技術的範囲に属 する物を新たに作り出す行為であることは、争わない。 そして、属地主義の原則によれば、「特許の効力が当該国の領域においてのみ認められる」のであるから、海外で作り出された行為が特許法2条3項1号の「生産」に該当しないのは当然の帰結であること、権利一体の原則によれば、特許発明の実施とは、当該特許発明を構成する要 素全体を実施することをいうことからすると、一部であっても海外で作り出されたものがある場合には、特許法2条3項 あること、権利一体の原則によれば、特許発明の実施とは、当該特許発明を構成する要 素全体を実施することをいうことからすると、一部であっても海外で作り出されたものがある場合には、特許法2条3項1号の「生産」に該当しないというべきである。 したがって、特許法2条3項1号の「生産」に当たるためには、特許発明の構成要件の全てを満たす物が、日本国内において新たに作り出さ れることが必要であるとした原判決の判断は正当である。 (イ) 控訴人が、特許発明の構成要件を満たす物の一部さえ、日本国内において作り出されていれば、特許法2条3項1号の「生産」に該当することの根拠として挙げる諸点は、以下のとおり理由がない。 a 刑法においては構成要件の一部が日本国内であっても、国内犯が成 立するとされている点について 判例では、不法原因給付物の横領について、横領罪の成立を認め(最高裁昭和36年10月10日判決)、禁制品の窃盗についても窃盗罪の成立を認めており(最高裁昭和24年2月15日判決)、刑事処罰における各要件は民事上の請求権の有無とは独立して解釈されている。 控訴人の主張は、不法原因給付物や禁制品であっても刑事上の保護の対象となるのであるから、民事上の返還請求を認めるべきと論じているに等しい。 また、日本国外に存在する被告人に対する法執行が事実上不可能な刑事法と違い、民事法は日本国外の被告に対する提訴が可能で、相 互承認下にある国であれば執行も可能であるから、我が国独自の特許法の解釈を他国の住民・法人に強制することによる悪影響は、民事法においてより大きい。 したがって、特許法2条3項1号の「生産」に該当するかは、民事上の請求権の解釈として、条約との整合性や国際調和の観点から解 されるべきであるか とによる悪影響は、民事法においてより大きい。 したがって、特許法2条3項1号の「生産」に該当するかは、民事上の請求権の解釈として、条約との整合性や国際調和の観点から解 されるべきであるから、aは、控訴人主張の根拠にならない。 b 「サーバ」を国外に置きさえすれば、ネットワーク関連特許の侵害を回避できるとの点について特許回避が可能であることが問題であるからといって、構成要件を満たす物の一部さえ、日本国内において作り出されていれば、「生 産」に該当するというのは論理の飛躍がある。むしろ、構成要件を満たす物の一部が日本国内で作り出されれば、直ちに、我が国の特許法の効力を及ぼすという解釈の方が、問題が多い。仮に特許発明の構成要件を満たす物が一部ずつ作り出されていることをもって、当該「生産」行為の全てについて、差止請求や損害賠償請求をすることができ るとすれば、インターネット利用者のうち一人でも日本に存在する者 がいれば日本の特許権侵害を理由に訴訟提起が可能という帰結になりかねない。この場合、異なる制度を持つ他の国の特許制度を無視して、日本の特許権の考えを他の国の事業者に強制することになり、各国における特許制度を尊重すべきという属地主義の根幹的思想に反し、パリ条約にも反することになり、国際調和を著しく害する結果となる。 また、同様の解釈で外国の特許権侵害を日本の事業者に認めれば(例えば、日本にサーバが存在するサービスについて、外国からブラウザで視聴可能であることをもって、当該外国の特許権侵害を認める。)、インターネットで公開されるサービスであれば、世界中のどの国の特許権侵害にもなって、訴訟提起が可能という帰結となり、特許 法秩序の混乱は著しい。 したがって、仮に「生産」に当たるためには特許発明 ターネットで公開されるサービスであれば、世界中のどの国の特許権侵害にもなって、訴訟提起が可能という帰結となり、特許 法秩序の混乱は著しい。 したがって、仮に「生産」に当たるためには特許発明の構成要件の全てを満たす物が日本国内において作り出される必要があるとの解釈に不合理な点があるのであれば、各国の特許法制度及び条約の改正によって対応されるべきものであり、日本の特許法の解釈によって日 本の特許権の効力をいたずらに他国へ拡張することは妥当ではないから、bは、控訴人主張の根拠にならない。 c アメリカ、ドイツ、イギリス等では、構成要件の一部が国外で充足されていても、特許権侵害を認める判断をしているとの点について控訴人が挙げる諸外国の例は、3か国における数例にとどまり、 このような僅かな例をもって、属地主義の原則に例外を、個々の裁判所の判断によって設けるべきであると結論付けることは、その正当性につき一切の検討がされておらず、論理の飛躍があるというべきである。我が国の裁判例においては、カードリーダー事件の最高裁判決(最高裁平成12年(受)第580号同14年9月26日第一小法廷 判決・民集56巻7号1551頁)等により属地主義の原則を厳格に 貫いてきたのであり、その例外を設けることの悪影響が明白に予見されることは、前述のとおりであるから、仮に属地主義の原則の例外を設けるとしても、それは立法によってされるべきである。 したがって、cは、控訴人主張の根拠にならない。 イ 「生産」(特許法2条3項1号)該当性の主張に対し (ア) 特許法は、「実施」について明確に定義し、第三者に対する予測可能性・法的安定性を重要視していることからすれば、被控訴人らの「行為」が「生産」に該当するかの判断は、最初に、被控訴人 し (ア) 特許法は、「実施」について明確に定義し、第三者に対する予測可能性・法的安定性を重要視していることからすれば、被控訴人らの「行為」が「生産」に該当するかの判断は、最初に、被控訴人らの「行為」を特許発明との対比によらず自然的行為から確定し、当該行為により「新たに作り出された」「物」が、「発明の技術的範囲に含ま れるか」を吟味する方法によって決する「濾過テスト」によるのが妥当である。 そして、「構成要件」をもって「生産」である「行為」を論じるべきではないから、第三者が行った行為や単なる因果の結果にすぎないものを、被控訴人らの「行為」とすることは許されない。 これを本件についてみるに、被告各システムの「生産」に関連する被控訴人FC2の行為は、被告各システムに対応するプログラムを製作すること及びサーバに当該プログラムをアップロードすることに尽き、いずれも米国内で完結している。 その後、ユーザ端末にコメントや動画が表示されるまでは、ユーザら によるコメントや動画のアップロードを含む利用行為が存在するが、ユーザ端末の表示装置は汎用ブラウザであって、当該利用行為は、本件各発明の特徴部分とは関係がない。また、インターネットは世界中に開かれているから、当該利用行為は、日本のみで行われている行為でもなく、これを捉えて日本の特許法の実施行為と解することは属地主義の原則に 反するというべきである。 さらに、被告システム1において、ユーザ端末は、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述並びに第三者が被控訴人FC2のサーバにアップロードしたコメント及び被控訴人FC2のサーバにアップロードした動画(被告システム2及び3においては第三者のサーバにアップロードした動画)の内容に従って、動画及 三者が被控訴人FC2のサーバにアップロードしたコメント及び被控訴人FC2のサーバにアップロードした動画(被告システム2及び3においては第三者のサーバにアップロードした動画)の内容に従って、動画及びコメントを受 動的に表示するだけものにすぎず、特徴的な構造を備えていないし、特徴的な動作もしていない。ユーザ端末に動画やコメントが表示されるのは、既に生産された装置(被告各システム)をユーザがユーザ端末の汎用ブラウザを用いて利用した結果にすぎず、そこに「物」を「新たに」「作り出す行為」は存在しない。 そして、乙311の意見書では「一般に、通信に係るシステムはデータの送受を伴うものであるため、データの送受のタイミングで毎回、通信に係るシステムの生産、廃棄が一台目、二台目、三台目、n台目と繰り返されることまで「生産」に含める解釈は、当該システムの中でのデータの授受の各タイミングで当該システムが再生産されることになり、 採用しがたい」との指摘(乙327の意見書も同様の指摘をする。)がされており、この指摘によれば、被控訴人FC2の行為は本件発明1の「生産」に該当しないというべきである。 以上のとおり、被告各システムの生産は、米国内にサーバを設置し、プログラムを蔵置し、インターネットを通じて提供可能な状態とするこ とにより完了している。 したがって、被告各システムの生産の開始は前記⑴イ(ア)④の送信、その完了は⑨の受信であるとの控訴人の主張は理由がない。 (イ)a 仮にユーザ端末における受信行為を日本国内における実施行為と解するとしても、前記アで述べたとおり、特許法2条3項1号の 「生産」に当たるためには、特許発明の構成要件の全てを満たす物が、 日本国内において新たに作り出されることが必要であり、被告各シス るとしても、前記アで述べたとおり、特許法2条3項1号の 「生産」に当たるためには、特許発明の構成要件の全てを満たす物が、 日本国内において新たに作り出されることが必要であり、被告各システムの構成要素である被告各サーバは、いずれも米国内に存在し、日本国内に存在するユーザ端末のみでは、本件特許に係る発明の全ての構成要件を充足しないから、被告各システムの日本国内における「生産」は認められない。 b この点に関し、控訴人は、被告システム1の大部分(日本にある多数のユーザ端末で構成される部分)は、日本において新たに作り出されており、日本において少なくとも大部分の「生産」行為を観念することができるから、被告システム1は日本国内において「生産」(特許法2条3項1号)されている旨主張する。 しかしながら、控訴人の主張は、「大部分」という不明確な基準で生産行為該当性を判断する点で、第三者に対する予見可能性を失わせるものであって、失当である。 また、控訴人の主張は、「構成要件」をもって「生産」である「行為」を論じるものであり、発明の技術的範囲に属する「物」(被告各 システム)を「新たに作り出す行為」と当該「物」である被告各システムの利用により生じる状態(ユーザ端末に動画上を移動するコメントが表示可能になること)とを混同する点においても、失当である。 さらに、仮にこの基準を採用したとしても、被告各システムについては、プログラムの作成、サーバへの蔵置は海外で行われており、 システムの「大部分」が日本国内で作り出されていないことは、明らかである。 したがって、控訴人の上記主張は理由がない。 ウ 「生産」の主体の主張に対し控訴人は、被告システム1の「生産」は、㋐米国に存在するサーバが、 ウェブページの ないことは、明らかである。 したがって、控訴人の上記主張は理由がない。 ウ 「生産」の主体の主張に対し控訴人は、被告システム1の「生産」は、㋐米国に存在するサーバが、 ウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメントファ イルを送信すること、㋑日本に存在するユーザ端末が、上記ウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメントファイルを受信することで構成され、㋐はサーバによる送信であるから、主体が被控訴人らであり、㋑は、㋐に応じてユーザの操作が介在することなく、サーバからウェブページのデータ、JSファイル、動画ファイル及びコメン トファイルを送信することにより行われるから、㋑の主体も被控訴人らである旨主張する。 しかしながら、㋐の送信行為は、被控訴人FC2が行っているのではなく、インターネットに接続されたサーバにプログラムを蔵置したことから、リクエストに応じて自動的に行われるものであり、因果の流れに すぎない。 次に、㋑は、ユーザによるウェブページの指定やウェブページに表示された再生ボタンをユーザがクリックすることにより行われ、ユーザの操作が介在しているから、その前提において誤りがある。また、仮に被控訴人FC2が㋐の送信行為を行っているとしても、特許法は、「譲渡」 と「譲受」、「輸入」と「輸出」、「提供」と「受領」を明確に区分して規定している以上、被控訴人FC2が㋑の受信行為を行っていると解すべきではない。 したがって、控訴人の上記主張は理由がない。 5 争点5(無効の抗弁の成否)について 以下のとおり訂正するほか、原判決別紙4「無効の抗弁の成否についての当事者の主張」記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決127頁8行目の「乙17公報」の次に「 )について 以下のとおり訂正するほか、原判決別紙4「無効の抗弁の成否についての当事者の主張」記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決127頁8行目の「乙17公報」の次に「(【0005】、【0007】、【0008】、【0017】、【0041】、【0045】、【0047】、【0066】、【0122】、【0125】ないし【0127】、【0129】、【01 30】、【0135】ないし【0138】、【0192】、図14、15及び1 8)」を、同頁16行目の「「注釈記憶メモリ」」の次に「という。」を加える。 ⑵ 原判決128頁18行目の「【0137】」を「【0136】、【0137】」と、129頁23行目の「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と、130頁4行目から5行目にかけての「内在することから」を「内在する。」と、同頁7行目の「変更する公知技術」を「変更することは、公知であるか ら」と、同頁8行目の「を適用する」を「、かかる公知技術を適用する」と改め、同頁19行目から20行目にかけての「乙26ないし28」の次に「(乙26の【0059】及び【0095】、乙27の4頁左上欄2行~8行、14行~19行、乙28の【0007】及び【0011】)」を加える。 ⑶ 原判決131頁1行目の「乙48、61、62」の次に「(乙48の80 頁、乙61の190頁、191頁、196頁及び199頁、乙62の182頁及び188頁)」を加え、同頁4行目の「発明であり、技術分野を共通するものであり」を「ものである点で、技術分野が共通するから」と改める。 ⑷ 原判決137頁16行目の「乙18公報」の次に「(【0001】、【0005】、【0007】、【0009】、【0012】、【0013】、【0019】ない し【0 が共通するから」と改める。 ⑷ 原判決137頁16行目の「乙18公報」の次に「(【0001】、【0005】、【0007】、【0009】、【0012】、【0013】、【0019】ない し【0021】、【0028】、【0029】)」を加え、139頁17行目の「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と改める。 ⑸ 原判決146頁11行目の「乙19公報」の次に「(【0004】、【0005】、【0007】、【0014】、【0020】、【0023】、【0032】、【0036】、【0049】、【0050】、【0060】、【0068】、【0069】、 図9)」を、同頁21行目の「「差分時間メモリ」」の次に「という。」を加える。 ⑹ 原判決147頁3行目の「「発言情報」」の次に「という。」を加え、同頁15行目の「以下」を削り、148頁1行目の「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と、151頁18行目の「NTT発明」を「乙19発明」 と改める。 ⑺ 原判決152頁10行目の「乙20文献」の次に「(「3.1システム構成」、「4.1アノテーション編集ページ」、「4.2テキストアノテーション」、「5.アノテーション信頼度」)」を加え、154頁4行目の「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と改める。 ⑻ 原判決160頁末行の「乙21公報」の次に「(【0003】、【0030】、 【0035】、【0037】、【0038】、【0041】、【0043】ないし【0045】、【0050】、【0051】、【0057】、【0060】、図5)」を加え、162頁2行目から3行目にかけての「TBS発明」を「乙21発明」と、同頁20行目の「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と改める。 ⑼ 原判決170頁3行目の「乙2 5)」を加え、162頁2行目から3行目にかけての「TBS発明」を「乙21発明」と、同頁20行目の「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と改める。 ⑼ 原判決170頁3行目の「乙24公報」の次に「(抄訳)」を加え、171頁2行目から3行目にかけての「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と改め、178頁5行目の「乙24公報の」を削る。 ⑽ 原判決179頁6行目の「乙25文献」の次に「(【0032】、【0034】、【0035】、【0042】、【0045】、【0059】、図1A及び1B)」 を加え、181頁1行目から2行目にかけての「判定部と重なると」を「判定部と、重なると」と改め、184頁11行目の「乙25の」を削る。 ⑾ 原判決187頁15行目から196頁1行目までを次のとおり改める。 「8 争点5-8(明確性要件違反(無効理由8))について(被控訴人らの主張) 本件発明1の構成要件1Cの「前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し」との記載は、サーバが受信したコメントをどのタイミングで端末に送信するかが明らかでない。 したがって、本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)の記載は、不明確であり、明確性要件(特許法36条6項2号)に適合しないから、 本件特許には、明確性要件違反の無効理由(特許法123条1項4号) がある。 (控訴人の主張)本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)には、コメント送信のタイミングを規定していなくとも、ユーザから付与されたコメントに関するコメント情報を端末に送信する点が規定されているから、発明の外延は 明確であり、明確性要件に適合する。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由8は理由がない。 9 争点5-9(サポート要件違反(無効理由9) を端末に送信する点が規定されているから、発明の外延は 明確であり、明確性要件に適合する。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由8は理由がない。 9 争点5-9(サポート要件違反(無効理由9))について(被控訴人らの主張)本件明細書の【0008】の記載は、【0004】の「従来技術…リ アルタイムでのコメントのやりとりをすることができず、コミュニケーションとしての面白みが十分とはいえなかった。」との記載と併せると、コメント配信サーバがコメントを受信すると、「その都度」当該コメントを端末装置に送信することを記載したものと解すべきである。 他方で、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、 端末装置がどのタイミングでコメント情報を受信するかについての記述がないところ、コメント配信サーバがコメントを受信すると、「その都度」当該コメントを端末装置に送信する旨の記述がなければ、リアルタイムでのコメントのやり取りを行うことは不可能であることからすると、この点の記述を欠く請求項1及び2は、発明の詳細な説明に記載した範 囲を超えているから、サポート要件(特許法36条6項1号)に適合しない。 次に、本件明細書の【0011】には、「本発明によれば、…そして、動画に対して入力されたコメント情報のうち、消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しな いようにしたので、そのコメントが動画にふさわしくないコメントであ るか否かについて、ユーザの意思を考慮した表示をすることができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を向上させることが可能となる。」との記載がある。 他方で、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がコ することができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を向上させることが可能となる。」との記載がある。 他方で、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がコメントを表示することについての記載はあっても、表示し ないことについての記載はないことからすると、発明の詳細な説明に記載された発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えているから、サポート要件に適合しない。 したがって、本件特許には、サポート要件違反の無効理由(特許法1 23条1項4号)がある。 (控訴人の主張)本件明細書の【0008】には、本件原出願の請求項が記載されているにすぎず、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)とは無関係である。 また、本件明細書の【0011】には、当初出願のクレームに対応した発明の課題が記載されているにすぎず、上記課題は、本件発明1及び2の課題とは異なるものである。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由9は、その前提を欠くものであり、失当である。 争点5-10(実施可能要件違反(無効理由10))について(被控訴人らの主張)前記9の(被控訴人らの主張)のとおり、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がどのタイミングでコメント情報を受信するかについての記述がなく、リアルタイムでのコメント のやり取りを行うことは不可能であり、また、本件明細書の【0011】 には、「消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにした」との記述があるが、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がコメン 、「消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにした」との記述があるが、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がコメントを表示することについての記載はあっても、表示しないことについての記載はないから、一つの請求項から発明を把握できない場合に 該当する。 そうすると、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明1及び2の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものといえないから、実施可能要件(特許法36条4項1号)に適合しない。 したがって、本件特許には、実施可能要件違反の無効理由(特許法123条1項4号)がある。 (控訴人の主張)前記9の(控訴人の主張)に述べたのと同様の理由により、被控訴人ら主張の無効理由10は、その前提を欠くものであり、失当である。 11 争点5-11(先願要件違反(無効理由11))について(被控訴人らの主張)控訴人が被控訴人らを「被告」として提起した東京地方裁判所平成28年(ワ)第38565号特許権侵害差止等請求事件(以下「別件訴訟」という。乙15)において請求の根拠とされた特許第4695583号 (以下「別件訴訟特許2」という。乙44)は、本件出願前に出願(特願2006-333851号。出願日平成18年12月11日。乙11)された。 しかるところ、本件発明1及び2は、別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明と同一又は実質的に同一であるから、先願要件(特許法 39条)に違反し、特許を受けることはできない。 したがって、本件特許には、先願要件違反の無効理由(特許法123条1項2号)がある。 (控訴人の主張)本件発明1及び2と別件訴訟特許2の請求項1ないし し、特許を受けることはできない。 したがって、本件特許には、先願要件違反の無効理由(特許法123条1項2号)がある。 (控訴人の主張)本件発明1及び2と別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明とは、少なくとも、①別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明は、 いずれも「コメント情報を受信する毎に」との要件を含むのに対し、本件発明1及び2はそのような要件を含まない点、②本件発明1及び2は、いずれも第1及び第2コメントが水平方向に移動する旨の要件を含むのに対し、別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明はそのような要件を含まない点で相違する。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由11は、理由がない。 12 争点5-12(分割要件違反による新規性及び進歩性欠如(無効理由12))について(被控訴人らの主張)本件出願は、本件原出願(出願日平成19年3月2日、優先日平成1 8年12月11日。乙9)の一部を順次分割(引用した原判決の第2の2⑵の①ないし⑧。以下、それぞれを「①の出願」などという。なお、⑧の出願は本件出願である。)した分割出願である。 そして、④ないし⑧の出願の出願時の請求項1は、③の出願の請求項1と同一であり、⑤ないし⑦の出願における補正後の請求項1は、④の 出願の請求項1と同一の内容のものである。特に、⑥及び⑦の出願は、③の出願と同一の請求項で出願し、その後、④の出願と同一の補正をした後、④の出願と同一であることを理由に拒絶査定に至っている。 以上によれば、④ないし⑦の出願(特に⑥及び⑦の出願)は、補正時期の制限(特許法17条の2第1項、3項)の脱法として用いた濫用的 分割出願というべきものであるから、これらの出願については、分割出 願は原出願の時にしたものとみな ⑦の出願)は、補正時期の制限(特許法17条の2第1項、3項)の脱法として用いた濫用的 分割出願というべきものであるから、これらの出願については、分割出 願は原出願の時にしたものとみなすという分割出願の効果(特許法44条2項)は生じないというべきである。 そうすると、本件出願の出願日は、現実の出願日である平成30年10月29日となるから、本件発明1 及び2は、④ないし⑦の出願の明細書等に記載された発明との関係において、新規性及び進歩性の要件(特 許法29条)を満たさない。 したがって、本件特許には、新規性欠如及び進歩性欠如の無効理由(特許法123条1項2号)がある。 (控訴人の主張)本件出願は、特許法44条1項所定の適法な分割出願であるから、本 件出願の出願日は、同条2項により、本件原出願時(出願日平成19年3月2日、優先日平成18年12月11日)に遡及する。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由12は、その前提を欠くものであり、失当である。 13 争点5-13(優先権主張の要件違反による進歩性欠如等(無効理 由13))について(被控訴人らの主張)本件原出願の優先権主張の基礎とする出願(特願2006-333850号)は、補正要件を満たしていないから、本件原出願について、特許法41条1項1号に基づく優先権主張は許されない。そして、特許に 関する登録情報の信用性及び画一的判断の必要の観点から、本件出願の現実の出願日(平成30年10月29日)を基準時として、本件発明1及び2の新規性及び進歩性が判断されるべきである。 しかるところ、控訴人は、「ニコニコ動画」という名称で、本件発明1及び2に係る技術を用いたサービスを平成18年12月12日に公開 していること、当時の運営会社であるニワ 断されるべきである。 しかるところ、控訴人は、「ニコニコ動画」という名称で、本件発明1及び2に係る技術を用いたサービスを平成18年12月12日に公開 していること、当時の運営会社であるニワンゴは、上記サービス公開後 の平成19年1月以降積極的にプレスリリースを出しており、その技術は公知のものとなっていること、遅くとも、本件出願時点では、別件訴訟特許2は公開(乙11)され、本件発明1及び2は公知となっていることからすると、本件発明1及び2は、進歩性がない。 したがって、本件特許には、進歩性欠如の無効理由(特許法123条 1項2号、29条)がある。 (控訴人の主張)本件原出願の国内優先権主張の基礎とされた特願2006-333850号の出願について、被控訴人らの主張する補正要件違反があるか否かは、本件原出願の優先権主張に影響しないものである(特許法41条 1項)。また、本件原出願において不適法な補正は行われておらず、本件出願は適法な分割出願である。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由13は、その前提を欠くものであり、失当である。 14 争点5-14(公序良俗違反(無効理由14))について (被控訴人らの主張)平成30年9月19日に言い渡された別件訴訟の第1審判決(乙15)は、別件訴訟特許2に係る発明は、端末からコメント情報を受信する「毎に」端末にコメント情報を送信するものであるが、被控訴人FC2のプログラムは、この要件を満たさないなどとして、本件発明1及び2 の技術的範囲に属さないと判断した。 そこで、控訴人は、別件訴訟の結果を覆すことを目的として、上記の「毎に」の要件を外した本件発明1及び2について本件出願をしたものであるから、本件発明1及び2は、特許法32条の「公の秩序」を害する そこで、控訴人は、別件訴訟の結果を覆すことを目的として、上記の「毎に」の要件を外した本件発明1及び2について本件出願をしたものであるから、本件発明1及び2は、特許法32条の「公の秩序」を害するおそれがある発明に該当する。 したがって、本件特許には、公序良俗違反の無効理由(特許法123 条1項2号)がある。 (控訴人の主張)被控訴人らの主張は争う。」 6 争点6(権利の濫用の成否)について原判決の「事実及び理由」の第3の6記載のとおりであるから、これを引用 する。 7 争点7(差止め及び除却等の必要性)について「被告サーバ」を「被告各サーバ」と、「被告サービス」を「被告各サービス」と、「被告ファイル」を「被告各ファイル」と、「被告システム」を「被告各システム」と改めるほか、原判決の「事実及び理由」の第3の8記載のとお りであるから、これを引用する。 8 争点8(控訴人の損害額)について(控訴人の主張)⑴ 主位的請求関係ア特許法102条2項に基づく損害額 被控訴人らが、本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日から令和4年8月31日までの間、被告各システムを生産し、被告各サービスを提供することによって、●●●●●●●●●●円を売り上げ、これにより被控訴人らが得た利益(限界利益)の額は、●●●●●●●●●万円を下らず(甲24)、このうち令和元年5月17日から同月31日 までの分(5月分)の売上高は●●●●●●●●円、限界利益額は●●●●●●●●円を下らない。 そして、被控訴人らによる被告各システムの生産は本件発明1及び2に係る本件特許権の侵害行為に当たるから、特許法102条2項により、被控訴人らが得た上記限界利益額は、控訴人が上記侵害行為により受け 、被控訴人らによる被告各システムの生産は本件発明1及び2に係る本件特許権の侵害行為に当たるから、特許法102条2項により、被控訴人らが得た上記限界利益額は、控訴人が上記侵害行為により受け た損害額と推定される(以下、この推定を「推定⑴」という場合があ る。)。 イ推定覆滅事由の不存在等(ア) 被控訴人らは、①被告各サービスの前記限界利益額のうち、コメント表示が付されていない動画を配信するサービスに係る部分は、本件発明1及び2の実施により受けた利益に該当しない、②本件発明1 及び2のコメント表示機能は、コメント付き動画配信サービスである被告各サービスを提供する被告各システムにおける機能の一部であって、顧客誘引力を有していないことは、推定⑴の覆滅事由に該当するなどと主張する。 しかしながら、①については、被告各サービスにおいては、ユーザは、 動画に対してコメントを付すことができるのであって、そのような状態を作出すること自体が本件特許権の侵害行為であるから、実際にユーザがコメント付与機能を用いず、コメントが付されなかった動画の割合が高いとしても、そのことから直ちに被告各サービスの前記限界利益額が本件発明1及び2の実施により受けた利益に該当しないということはで きない。 ②については、本件発明1及び2のコメント表示機能が強い顧客誘引力を有することは、被控訴人ら及び「bilibili動画」がこれを積極的に模倣していることから明らかである。 したがって、被控訴人らの上記主張は失当である。 (イ) 以上のとおり、被控訴人らの推定覆滅事由等の主張は失当であるから、控訴人の特許法102条2項に基づく損害額(令和元年5月分のみ)は、推定⑴により、●●●●●●●●円となる。 ウ弁護士費用被控訴人 とおり、被控訴人らの推定覆滅事由等の主張は失当であるから、控訴人の特許法102条2項に基づく損害額(令和元年5月分のみ)は、推定⑴により、●●●●●●●●円となる。 ウ弁護士費用被控訴人らによる本件特許権の侵害行為と相当因果関係のある弁護士 費用相当の控訴人の損害額は、前記イ(イ)の損害額の10パーセントを 下らない。 ⑵ 予備的請求関係ア特許法102条2項に基づく損害額(ア) 被控訴人らが、被告各システムを生産し、被告各サービスを提供したことによる令和元年5月17日から令和4年8月31日までの間 の売上高は、別紙6売上高等一覧表の「小計」欄記載のとおり、●●●●●●●●●●●●円、限界利益額は、別紙7-1限界利益額等一覧表の「小計」欄記載のとおり、●●●●●●●●●●●●円を下らない。 (イ) そして、被控訴人らによる被告各システムの生産は本件発明1及 び2に係る本件特許権の侵害行為に当たるから、特許法102条2項により、被控訴人らが得た前記(ア)の限界利益額●●●●●●●●●●●●円及び別紙7-1の「消費税相当額」欄記載の10パーセントの消費税相当額●●●●●●●●●●●円の合計額●●●●●●●●●●●●円は、控訴人が上記侵害行為により受けた損害額と推定され る(以下、この推定を「推定⑵」という場合がある。)。 しかるところ、被控訴人らの推定覆滅事由等の主張がいずれも失当であることは、前記⑴イのとおりであるから、控訴人の同項に基づく損害額(令和元年5月17日から令和4年8月31日までの分)は、推定⑵により、上記合計額となる。 イ特許法102条3項に基づく損害額(ア) 株式会社帝国データバンク作成の「知的財産の価値評価を踏まえた特許等の活用の在り方に関する調 までの分)は、推定⑵により、上記合計額となる。 イ特許法102条3項に基づく損害額(ア) 株式会社帝国データバンク作成の「知的財産の価値評価を踏まえた特許等の活用の在り方に関する調査研究報告書~知的財産(資産)価値及びロイヤルティ料率に関する実態把握~」(以下「本件報告書」という。甲23)には、「Ⅲ. 各国のロイヤルティ料率」の「1.ロイ ヤルティ料率の動向」として、産業分野を「ソフトウェア」とする国 内アンケート結果のロイヤルティ料率は、「6.3%」と記載されている。 (イ) コメント機能付き動画配信サービスにおいては、視聴者らが動画にコメントを付与し、これを共有しながら動画を視聴するという点にその魅力がある。しかるに、仮に本件発明1及び2を実施しなければ、 コメント同士が重なり合ってこれを読むことができず、このサービスの魅力は大きく低減するから、被告各サービスの売上げ及び利益に対する本件発明1 及び2の貢献は極めて大きい。 また、本件発明1及び2の技術によってこそ、動画のコメントの重なり合いを防ぐことが可能となり、魅力的なコメント機能付き動画配信サ ービスを提供できるものであり、他の構成によってこれを代替することはできない。 (ウ) 本件特許は、控訴人の主要な事業である「ニコニコ動画」の模倣を防止するためのものであり、控訴人は、他社に本件特許について実施許諾をせず、かつ、訴訟を通じてでも他社による侵害行為を排除す る方針を採用している。 したがって、仮に本件特許について他社に実施許諾をするとした場合には、業界水準の実施料率で実施許諾を行うことはあり得ず、極めて高い実施許諾料を設定せざるを得ない。 この点に関し、被控訴人らは、控訴人が「bilibili動画」の 運営会社に るとした場合には、業界水準の実施料率で実施許諾を行うことはあり得ず、極めて高い実施許諾料を設定せざるを得ない。 この点に関し、被控訴人らは、控訴人が「bilibili動画」の 運営会社に対して、本件特許についてライセンスしている旨主張するが、「bilibili動画」のコメント付き動画サービスは、本件特許のライセンスに基づくものではなく、控訴人は、上記運営会社に対して特許権侵害訴訟の提訴準備をしているところであるから、被控訴人らの上記主張は失当である。 (エ) 特許権侵害をした者に対して事後的に定められる実施料率は、通 常の実施料率に比べて自ずと高額となるべきである。 (オ) 前記(ア)ないし(エ)の事情その他本件に現れた諸事情を総合考慮すると、本件において、特許法102条3項に基づく実施料相当額の損害額の算定の基礎となる実施料率は、20パーセントを下らない。 そうすると、控訴人の特許法102条3項に基づく実施料相当額の損 害額は、別紙6売上高等一覧表の「小計」欄記載の売上高●●●●●●●●●●●●円(令和元年5月17日から令和4年8月31日までの分)に実施料率20パーセントを乗じた●●●●●●●●●●●円及び同一覧表の「消費税相当額」欄記載の10パーセントの消費税相当額●●●●●●●●●円の合計額●●●●●●●●●●●円を下らない。 ウ弁護士費用被控訴人らによる本件特許権の侵害行為と相当因果関係のある弁護士費用相当の控訴人の損害額は、前記ア(イ)の特許法102条2項の損害額(消費税相当額を除く。)又は前記イ(オ)の同条3項の損害額(消費税相当額を除く。)の各10パーセントを下らない。 ⑶ 小括よって、控訴人は、被控訴人らに対し、本件特許権侵害の共同不法行為による損害賠償請求権 又は前記イ(オ)の同条3項の損害額(消費税相当額を除く。)の各10パーセントを下らない。 ⑶ 小括よって、控訴人は、被控訴人らに対し、本件特許権侵害の共同不法行為による損害賠償請求権に基づき、主位的に、特許法102条2項に基づく損害額●●●●●●●●円及び弁護士費用相当額の合計額の一部である10億円及びこれに対する令和元年6月1日から支払済みまで改正前民法所定の年 5分の割合による遅延損害金の連帯支払を、予備的に、別紙7-1限界利益額等一覧表の「特許法102条2項に係る損害額」欄記載の●●●●●●●●●●●●円又は別紙6売上高等一覧表の「特許法102条3項に係る損害額」欄記載の●●●●●●●●●●●●円の一部である10億円(選択的主張)及び別紙5予備的請求額一覧表の「請求額」欄記載の各金員に対する 「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで「遅延損害金利率 (年)」欄記載の各割合による遅延損害金の連帯支払を求める。 (被控訴人らの主張)⑴ 主位的請求関係ア特許法102条2項に基づく損害額の主張に対し控訴人の主張のうち、被告各サービスの令和元年5月17日から同月3 1日までの分(5月分)の売上高が●●●●●●●●円、限界利益額が●●●●●●●●円を下らないとの部分は否認し、その余は争う。 控訴人の挙げる甲24は、平成25年11月1日から平成26年9月30日までの被控訴人HPSの売上げに関するものであって、令和元年5月分の被告各サービスの売上高に関するものではない。同月から令和 4年8月までの間の被告各サービスの売上高及び限界利益額は、乙84記載のとおりである。 イ推定覆滅事由等について(ア) 本件発明1及び2は、コメント表示機能に係る発明であるところ、被告各サ 4年8月までの間の被告各サービスの売上高及び限界利益額は、乙84記載のとおりである。 イ推定覆滅事由等について(ア) 本件発明1及び2は、コメント表示機能に係る発明であるところ、被告各サービスにおいて、そもそもコメント表示機能を用いている動 画は極めて少ない。例えば、令和3年1月11日時点で、被告サービス1の「FC2動画」において公開されている●●●●●●●●個の動画に対して、一つ以上コメントが付されているものは●●●●●●●個にとどまり、その割合は●●●●パーセントである(乙85)。これは、「FC2動画」は、全体としてアダルト動画のコンテンツに収益 を依存しており、アダルト動画を視聴するに当たっては、コメント等でユーザ同士がコミュニケーションを取ることが少ないことや、多数のコメントが表示されると動画が見づらくなること等によるものである。 そして、被告各サービスの前記限界利益のうち、コメント表示が付さ れていない動画を配信するサービスに係る部分は、本件発明1及び2の 実施により受けた利益に該当しないから、当該部分については、特許法102条2項は適用されない。 (イ) 本件発明1及び2のコメント表示機能は、コメント付き動画配信サービスである被告各サービスを提供する被告各システムにおける機能の一部であって、顧客誘引力を有していない。被告各サービスにお いて、顧客を誘引しているのは、ユーザの投稿したアダルト動画の斬新さを含む動画自体の魅力やその他の要素であり、コメント表示機能、特に本件発明1 及び2の要素によって顧客が誘引されることはない。 また、被告各サービスにおいて、コメント表示機能の重要性は極めて低く、むしろ、動画の閲覧を希望するユーザにとって、多くのコメント が動画上に表示された場 によって顧客が誘引されることはない。 また、被告各サービスにおいて、コメント表示機能の重要性は極めて低く、むしろ、動画の閲覧を希望するユーザにとって、多くのコメント が動画上に表示された場合、動画が見づらくなるという弊害が生じるため、多くの動画配信サービスでは本件発明1 及び2に係るコメント表示機能は利用されていない。被控訴人FC2においても、そのような点を重視し、令和4年8月2日にコメントを動画上に表示する機能を廃止している。 このように被告各サービスにおいて、本件発明1及2のコメント表示機能は、システム全体の機能の一部のみで実施されているにすぎず、顧客誘引力を有していないことは、推定⑴の覆滅事由に該当する。 (ウ) 前記(ア)のとおり、被告各サービスの前記限界利益のうち、コメント表示が付されていない動画を配信するサービスに係る部分は特許法1 02条2項が適用されない。また、前記(イ)の覆滅事由により、控訴人主張の推定⑴は、全部覆滅されるというべきであり、仮に推定⑴の覆滅が一部にとどまるとしても、その覆滅割合は99.99パーセントを下らない。 したがって、控訴人の同項に基づく損害額の主張は失当である。 ウ弁護士費用の主張に対し 控訴人の主張は争う。 ⑵ 予備的請求関係ア特許法102条2項に基づく損害額の主張に対し令和元年5月17日から令和4年8月31日までの間の被告各サービスの売上高が●●●●●●●●●●●●円、限界利益額が●●●●●● ●●●●●●円であることは認める。 しかしながら、前記⑴イ(ウ)で述べたとおり、被告各サービスの前記限界利益のうち、コメント表示が付されていない動画を配信するサービスに係る部分は特許法102条2項が適用されず、また、本件発明1 。 しかしながら、前記⑴イ(ウ)で述べたとおり、被告各サービスの前記限界利益のうち、コメント表示が付されていない動画を配信するサービスに係る部分は特許法102条2項が適用されず、また、本件発明1及2のコメント表示機能は、システム全体の機能の一部のみで実施されて いるにすぎず、顧客誘引力を有していないとの推定覆滅事由により、控訴人主張の推定⑵は、全部覆滅され、仮に推定⑵の覆滅が一部にとどまるとしても、その覆滅割合は99.99パーセントを下らない。 また、仮に、本件において被控訴人FC2に対する損害賠償の支払が命ぜられるとしても、消費税上輸出免税の対象になる。 イ特許法102条3項に基づく損害額の主張に対し(ア) 本件報告書の「アンケート調査結果」の「特許権のロイヤルティ料率の平均値」として、「コンピュータテクノロジー」の項が「3. 1%」とされていること(7頁)を踏まえると、控訴人がコンピュータテクノロジーに関する特許権の実施料率の基準として主張する「6. 3%」という料率は、高すぎる。 (イ) 前記⑴イ(イ)のとおり、被告各サービスにおいて、顧客を誘引しているのは、ユーザの投稿したアダルト動画の斬新さを含む動画自体の魅力やその他の要素であり、本件発明1 及び2のコメント表示機能によって顧客が誘引されることはなく、むしろ、動画の閲覧を希望する ユーザにとって、多くのコメントが動画上に表示された場合、動画が 見づらくなるという弊害が生じるため、多くの動画配信サービスでは本件発明1 及び2に係るコメント表示機能は利用されていない。このことは、動画配信事業において、本件発明1及び2に何ら需要がなく、その経済的価値がないことを示している。 (ウ) 前記⑴イ(ア)のとおり、被告各サービスにおいて、コメン 機能は利用されていない。このことは、動画配信事業において、本件発明1及び2に何ら需要がなく、その経済的価値がないことを示している。 (ウ) 前記⑴イ(ア)のとおり、被告各サービスにおいて、コメント表示 機能を用いている動画は極めて少なく、被告各サービスのうち、コメント表示が付されていない動画を配信するものは、本件発明1及び2の実施に当たらない。 (エ) 控訴人は、中国で運営されている「bilibili動画」の運営会社に対し本件特許についてライセンスしているから、控訴人は、 他社に本件特許について実施許諾をせず、かつ、訴訟を通じてでも他社による侵害行為を排除する方針を採用しているものとはいえない。 (オ) 以上によれば、本件特許の実施料率はゼロであり、仮にいくらか認められるとしても、コンピュータテクノロジーに関する他の特許権の実施料率相場に比して、非常に低く認定されるべきであるから、控 訴人の特許法102条3項に基づく損害額の主張は、理由がない。 ウ弁護士費用の主張に対し控訴人の主張は争う。 ⑶ 小括以上によれば、控訴人の損害賠償請求に関する主位的請求及び予備的請求 は、いずれも理由がない。 第4 当裁判所の判断 1 本件明細書の記載事項について⑴ 本件明細書(甲2)には、次のような記載がある(下記記載中に引用する図1ないし10については別紙9を参照)。 ア 【技術分野】 【0001】本発明は、動画コンテンツを再生しながら、再生中のコンテンツを利用してユーザ間のコミュニケーションを行うことができるコメント配信システム、端末装置、コメント配信方法、及びプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】従来から、例えば、放送されたテ ザ間のコミュニケーションを行うことができるコメント配信システム、端末装置、コメント配信方法、及びプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】従来から、例えば、放送されたテレビ番組などの動画に対してユーザが発言したコメントをその動画と併せて表示するシステムがある。 例えば、地域ごとに放送時間が異なるテレビ番組等に関する掲示板において、テレビ番組の1シーンに対する書き込みを、放送開始からの正味 時間に対応させて記憶しておき、掲示板を閲覧する時間が異なっていても、以前に書き込まれた内容がテレビ番組のシーンに合わせて表示させるシステムがある(例えば、特許文献1参照)。このシステムによれば、ユーザは放送時間のタイムラグを感じることがなく、テレビ番組を見ながら、コメントを閲覧して楽しむことができる。 【発明が解決しようとする課題】【0004】しかしながら、上述した従来技術におけるシステムでは、単に動画の時間(動画の再生時間)と対応付けてコメントを登録しておき、動画と合わせて再生するものであるので、ユーザ間において、リアルタイムでの コメントのやりとりをすることができず、コミュニケーションとしての面白みが十分とはいえなかった。 【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーシ ョンを図ることができるコメント配信システム、端末装置、コメント配 信方法、及びプログラムを提供することにある。 イ 【課題を解決するための手段】【0006】上述した課題を解決するために、本発明は、動画データを配信する動画配信サーバと、動画に対するコメントを配信す 提供することにある。 イ 【課題を解決するための手段】【0006】上述した課題を解決するために、本発明は、動画データを配信する動画配信サーバと、動画に対するコメントを配信するコメント配信サーバと、 複数の端末装置と、がネットワークを介して接続されたコメント配信システムであって、前記コメント配信サーバは、コメントが前記端末装置によって付与された時点における、前記動画の最初を基準として動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間と前記コメントとを含むコメント情報を前記複数の端末装置のうちいずれかの端末装置か ら送信される毎に受信して記憶する第1のコメント情報記憶部と、前記第1のコメント情報記憶部に記憶されたコメント情報を読み出して、前記端末装置に配信するコメント情報配信部と、を有し、前記端末装置は、前記動画配信サーバから配信される動画データを受信して再生する動画再生部と、前記再生する動画に対して入力されたコメント情報を前記コ メント配信サーバから受信するコメント情報受信部と、前記コメント情報受信部が受信したコメント情報を記憶する第2のコメント情報記憶部と、前記動画再生部によって再生される動画を表示するとともに、再生される動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間のコメントを前記第2のコメント情報記憶部から読み出し、読み出したコメントを動画 とともに表示する表示部と、を有することを特徴する。 【0007】また、本発明は、上述のコメント配信システムにおいて、前記コメント表示部によって表示されるコメントの表示位置が他のコメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、前記判定部がコメントの表示位 置が重なると判定した場合に、各コメント同士が重ならない位置に表示 によって表示されるコメントの表示位置が他のコメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部と、前記判定部がコメントの表示位 置が重なると判定した場合に、各コメント同士が重ならない位置に表示 させる表示位置制御部と、を有することを特徴とする。 ウ 【発明の効果】【0011】本発明によれば、入力されたコメント情報のうち、再生する動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメ ント情報から読み出し、読み出したコメント内容を動画とともに表示するようにした。そして、動画に対して入力されたコメント情報のうち、消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにしたので、そのコメントが動画にふさわしくないコメントであるか否かについて、ユーザの意思を考慮した表 示をすることができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を向上させることが可能となる。 エ 【発明を実施するための形態】【0013】以下、本発明の一実施形態によるコメント配信システムについて図面を 参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態によるコメント配信システムの構成を示す概念図である。この図において、動画配信サーバ1は、端末装置3からの配信要求に応じて、動画データを配信する。この配信は、例えば、ストリーミング配信によって行われる。コメント配信サーバ2は、動画配信サーバ1が配信する動画に対するコメントを端 末装置3から受信し、その動画を閲覧する各端末装置3に配信する。端末装置3は、ネットワーク4を介して動画配信サーバ1とコメント配信サーバ3に接続し、動画配信サーバ1から配信される動画を受信して表示するとともに、コメント配信サーバ3 する各端末装置3に配信する。端末装置3は、ネットワーク4を介して動画配信サーバ1とコメント配信サーバ3に接続し、動画配信サーバ1から配信される動画を受信して表示するとともに、コメント配信サーバ3から配信されるコメントを受信して動画上に表示する。 【0014】 次に、図1におけるコメント配信サーバ2、端末装置3について、図面を用いて更に説明する。図2は、コメント配信サーバ2の構成を示す概略ブロック図である。この図において、コメント情報記憶部21は、コメントの内容と、このコメント内容が付与された時点における、動画の再生開始時点を基準とした動画再生時間をコメント付与時間としてコメ ント内容とを対応づけてコメント情報として記憶する。 このコメント情報記憶部21に記憶されるデータの一例を図3に示す。 コメント情報記憶部21には、動画配信サーバ1により配信される動画に対するコメントをスレッド毎にまとめたコメント情報が複数記憶されている。各コメント情報は、動画を識別する動画IDとスレッドを識別 するスレッドIDの情報を含み、どの動画に対するどのスレッドであるのかを識別できるようになっている。そして、コメント情報には、コメント付与時間とコメント内容の他に、そのコメントを付与(発言)した実際の時刻を示すコメント情報投稿実時間(上述の実時間情報に相当)と、コメントを付与したユーザを識別する情報であるユーザ名、コメン トを動画上にどのように表示させるのかを指定する情報であるコメント表示方法を対応付けたコメントデータが複数含まれ、当該動画IDの動画を再生しており、且つ当該スレッドIDのスレッドのコメントを閲覧している端末装置3からコメントデータを受信した場合には、当該受信したコメントデータが追加保存 トデータが複数含まれ、当該動画IDの動画を再生しており、且つ当該スレッドIDのスレッドのコメントを閲覧している端末装置3からコメントデータを受信した場合には、当該受信したコメントデータが追加保存されるようになっている。ここでは、ス レッドIDが動画IDに対応づけて記憶されていることによって、同じ動画であっても、異なるスレッドを複数設けても、それらを識別することができる。このコメント情報記憶部21が上述の第1のコメント情報記憶部に相当する。 【0015】 次に、コメント情報配信部22は、コメント情報記憶部21に記憶され たコメント情報を読み出して、端末装置3に配信する。コメント情報更新管理部23は、通信部24を介して端末装置3から受信した、追加となるコメント情報を動画ID、スレッドIDに従って、コメント情報記憶部21に追加して記憶する。 通信部24は、端末装置3と各種通信を行い、端末装置3から送信され る情報をコメント情報更新管理部23に出力してコメント情報を追加して記憶させるための指示を出力をしたり、コメント情報配信部22にコメント情報の配信指示を出力する。 【0016】次に、端末装置3について、図面を用いて説明する。図4は、端末装置 3の構成を説明する概略ブロック図である。 この図において、動画再生部31は、端末装置3のユーザによって指定された動画の配信要求を動画配信サーバ1に送信し、動画配信サーバ1から配信される動画を受信して再生する。コメント情報受信部32は、再生する動画に対して入力されたコメント情報をコメント配信サーバ2 から受信する。コメント情報記憶部33は、コメント情報受信部32が受信したコメント情報を記憶する。このコメント情報記憶部 は、再生する動画に対して入力されたコメント情報をコメント配信サーバ2 から受信する。コメント情報記憶部33は、コメント情報受信部32が受信したコメント情報を記憶する。このコメント情報記憶部33は、上述の第2のコメント情報記憶部に相当する。 【0017】表示装置34は、液晶表示装置やCRT(CathodeRayTub e)等であり、各種情報を表示する。第1の表示部35は、動画再生部31によって再生される動画を表示するとともに、コメント情報記憶部33に記憶されたコメント情報のうち、再生する動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間が対応づけられたコメントをコメント情報から読み出し、読み出したコメントを動画とともに表示装置34によって 表示する。また、第1の表示部35は、コメント内容を動画上にオーバ ーレイ表示させる機能を有する。第2の表示部36は、コメント情報記憶部33に記憶されるコメントデータに基づいて、コメントのリストをコメント一覧として表示装置34に表示する。ここでは、コメントデータに含まれたコメント投稿実時間の情報の順に従って表示する。 【0018】 この表示装置34に表示される情報について、更に説明する。図5は、表示装置34に表示される情報の一例を示す図である。表示欄101には、このコメント配信サーバにアクセスした際のURL(uniformresourcelocator)が表示される。表示欄102には、再生される動画の動画IDが表示される。表示欄103には、現 在表示されている動画が閲覧要求されたのべ回数が閲覧回数として表示される。この閲覧回数は、他のユーザが動画を再生(閲覧要求)した場合には、その時点で同じ動画を閲覧中のユーザのカウント数が増加され、カ 表示されている動画が閲覧要求されたのべ回数が閲覧回数として表示される。この閲覧回数は、他のユーザが動画を再生(閲覧要求)した場合には、その時点で同じ動画を閲覧中のユーザのカウント数が増加され、カウント数が更新されて表示される。表示欄104には、第1の表示部によって表示される動画が表示される。表示欄105は、第2の表示部 によって表示されるコメントが表示される領域であり、ここでは、表示欄104によって表示される動画上にコメントが表示される。また、ここでは、表示欄105は、表示欄104よりも大きいサイズに設定されており、オーバーレイ表示されたコメント等が、動画の画面の外側でトリミングするようになっており、コメントそのものが動画に含まれてい るものではなく、動画に対してユーザによって書き込まれたものであることが把握可能となっている。 【0019】操作パネル106は、再生ボタン、停止ボタン、巻き戻しボタン、早送りボタン、音量調整ボタン、動画全体のどのあたりを再生しているのか を示す再生状態表示欄、などが表示されており、マウスによっていずれ かのボタンにカーソルを合わせてクリックされることによって、そのボタンに応じた操作の入力を受け付けする。表示欄107には、動画全体の再生時間長と、現在表示欄105に表示されている動画の動画再生時間とが表示される。入力欄108には、動画に対して発言するユーザの名前が入力部37を介して入力される。ここで、入力欄108の近傍に チェックボックスを設けておき、このチェックボックスがチェックされたか否かに従って、メールアドレスを入力するか否かを選択させ、チェックボックスがチェックされた場合に、入力欄108を2つにし、ユーザの名前と、ユーザのメールアドレスとの入力を受け付け がチェックされたか否かに従って、メールアドレスを入力するか否かを選択させ、チェックボックスがチェックされた場合に、入力欄108を2つにし、ユーザの名前と、ユーザのメールアドレスとの入力を受け付けるようにしてもよい。入力欄109には、コメントの表示のさせ方を指定する情報が 入力される。コメントの表示のさせ方としては、例えば、コメントの動画上に表示させる位置、フォント、文字のサイズ、移動表示させる開始位置と終了位置と移動表示させる方向等を、オーバーレイ表示をさせるための指定をする情報として設定可能である。なお、ここで、コメントの表示のさせ方については、予め決めておき、ユーザが入力しなくても よいようにすることも可能である。 【0020】コメント欄110には、入力部37を介してユーザによってコメントが入力される。ボタン111は、クリックされることによって、コメント欄110に入力されたコメントや、入力欄108に入力されたユーザの 名前や、入力欄109に入力されたコメントの表示のさせ方の情報をコメント配信サーバ2に送信する。表示欄112は、コメントのリストであるコメント一覧が表示される領域である。このコメント一覧には、コメントに付与された発言順序を示す番号(符号112a)、コメントを入力したユーザの名前(符号112b)、コメントの書き込みをしたコメン ト付与時間(符号112c)、発言されたコメントの一部(符号112d) が、投稿された実時間情報の順に従って表示される。この表示欄112に、表示欄112を画面上に表示させるか否かを指定するチェックボックス等の入力欄を設け、この入力欄に入力された表示の可否の指示に従い、表示をさせるあるいは、表示を隠すようにすることも可能である。 また、この表示欄112 面上に表示させるか否かを指定するチェックボックス等の入力欄を設け、この入力欄に入力された表示の可否の指示に従い、表示をさせるあるいは、表示を隠すようにすることも可能である。 また、この表示欄112に表示させるコメントの一部の個数をユーザの 指示に従って、変更するようにしてもよい。表示欄113は、表示欄112に表示されたコメント一覧のうち、ユーザのよってカーソルが合わせられたコメントの詳細が表示される。コメントの詳細としては、コメントの全文や、コメントを発言したユーザの名前、メールアドレスなどが表示される。 【0022】次に、図4に戻り、入力部37は、マウスやキーボード等の入力装置であり、ユーザからの各種情報の入力を受け付ける。選択部38は、第2の表示部36によって表示されたコメントのリストのうち、入力部37を介して入力されるコメントの選択の入力を受け付ける。再生制御部3 9は、選択部38によって選択されたコメントのコメントデータをコメント情報記憶部33から読み出し、読み出したコメントデータのコメント付与時間に対応する動画再生時間から、動画を第1の表示部によって再生させ表示装置34に表示させるとともに、読み出したコメントデータのコメント内容を第1の表示部35によって表示装置34に表示させ る。 【0023】送信部40は、第1の表示部35によって表示された動画に対するコメント内容のデータ入力を受け付けるとともに、コメント内容が入力された時点の動画再生時間をコメント付与時間としてコメント内容とともに コメント配信サーバに送信する。また、送信部40は、入力部37から 入力された指示に従って、各種情報をコメント配信サーバ2や動画配信サーバ1に送信する機能を有する。 【002 ともに コメント配信サーバに送信する。また、送信部40は、入力部37から 入力された指示に従って、各種情報をコメント配信サーバ2や動画配信サーバ1に送信する機能を有する。 【0024】次に、上述したコメント配信システムの動作について説明する。ここでは、まず、コメント配信システムの動作の概略について説明する。 まず、端末装置3は、コメント配信サーバ2にアクセスして、コメントの書込み時間が最近のものである動画の一覧のデータを受信し、表示装置34に表示する。この時、例えば、表示装置34には、図6に示すような、最近の動画一覧として、動画名、スレッド名等が表示される。ここで、ユーザによって閲覧したいスレッドが選択され、そのスレッドの 名称をマウスによってクリックされると、端末装置3は、クリックされたスレッドに対応する動画に設定されている動画IDを動画配信サーバ1に送信し、動画の配信要求を行うとともに、クリックされたスレッドに設定されたスレッドIDと動画IDをコメント配信サーバ2に送信し、コメント情報の送信要求をする。これを受けて、動画配信サーバ1は、 動画IDによって指定された動画を、配信要求をした端末装置3にストリーミング配信する。一方、コメント配信サーバ2は、スレッドIDと動画IDに対応するコメント情報をコメント情報記憶部21から読み出して、配信要求をした端末装置3に配信する。 【0025】 端末装置3は、動画配信サーバ1から配信された動画を受信して表示装置34に表示するとともに、コメント配信サーバ2から配信されたコメント情報に基づいてコメント内容を動画上に表示する。ここでは、動画の再生を開始してからの動画再生時間に合わせて、その動画再生時間に一致するコメント付与時 もに、コメント配信サーバ2から配信されたコメント情報に基づいてコメント内容を動画上に表示する。ここでは、動画の再生を開始してからの動画再生時間に合わせて、その動画再生時間に一致するコメント付与時間が設定されたコメント内容が順次動画上に 表示される。 オ 【0026】次に、コメント配信サーバ2、端末装置3の動作について、順次説明する。 まず、コメント配信サーバ2の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。コメント配信サーバ2の通信部24は、コメント情 報の配信要求を端末装置3から受信したか否かを検出する(ステップS101)。コメント情報の配信要求を受信した場合には、通信部24は、コメント情報配信部22にコメント情報の配信指示をする。ここでは、配信要求に含まれる、コメント情報の動画ID及びスレッドIDがコメント情報配信部22に出力される。コメント情報配信部22は、通信部 24から出力された動画ID及びスレッドIDに対応するコメント情報のコメント情報記憶部21から読み出し(ステップS102)、読み出したコメント情報を配信要求をした端末装置3に配信する(ステップS103)。ここでは、動画ID及びスレッドIDに対応付けされている各コメント情報を一括して送信する。 【0027】一方、コメント情報の配信要求ではなく、端末装置3から送信されたコメントデータを受信した場合(ステップS104)、通信部24は、コメントデータをコメント情報更新管理部23に出力する。コメント情報更新管理部23は、コメント情報記憶部21を参照し、通信部24から出 力されたコメントデータに含まれる動画ID及びスレッドIDに基づいてコメント情報を特定し、特定したコメント情報に対し、受信したコ 管理部23は、コメント情報記憶部21を参照し、通信部24から出 力されたコメントデータに含まれる動画ID及びスレッドIDに基づいてコメント情報を特定し、特定したコメント情報に対し、受信したコメントデータを追加保存する(ステップS105)。追加保存されると、コメント情報配信部22は、当該動画IDの動画を再生している端末装置3であって、当該動画IDの動画とともに当該スレッドIDのコメント を閲覧している端末装置3を特定し、その特定した端末装置3のそれぞ れに、追加保存したコメントデータを配信する(ステップS106)。他方、コメント情報の配信要求ではなく、端末装置3から送信されたコメントデータの受信もしていない場合は、ステップS101に移行する。 ここで、同じ動画IDの動画を再生しており、且つ当該スレッドIDのスレッドのコメントを閲覧している端末装置3を特定する方法としては、 例えば、コメント配信サーバ2にアクセスしてきた端末装置3とセッションを確立しておき、このセッションが有効な端末装置3を動画閲覧中として特定することなどがある。 【0028】次に、端末装置3の動作について図面を用いて説明する。図8は、端 末装置3の動作を説明するためのフローチャートである。 端末装置3の入力部37は、ユーザから動画再生の指示が入力されると(ステップS201)、指示された動画の動画IDを送信部40によって動画配信サーバ1に送信し、動画の配信要求をするとともに、コメント情報の配信要求をコメント配信サーバ2に送信する。そして、コメント 情報受信部32は、コメント配信サーバ2から配信されるコメント情報を受信したならば(ステップS202)、コメント情報記憶部33に記憶する。 【0029】コメン して、コメント 情報受信部32は、コメント配信サーバ2から配信されるコメント情報を受信したならば(ステップS202)、コメント情報記憶部33に記憶する。 【0029】コメント情報が受信されコメント情報記憶部33に記憶されると、動画 再生部31は、動画配信サーバ1から配信される動画を受信し、受信した動画を再生し、第1の表示部35によって表示装置34に表示する(ステップS203)。動画の再生が開始されると、第1の表示部35は、現在の動画再生時間に基づいて、動画再生時間に一致するコメント付与時間が設定されたコメントデータがあるか否かをコメント情報記憶部3 3を参照して、判定する(ステップS204)。動画再生時間に一致する コメント付与時間が設定されたコメントデータがある場合(ステップS205-YES)、第1の表示部35は、当該コメントデータの表示位置を算出する(ステップS206)。そして算出された表示位置に従って、動画上にコメントの表示制御を行う(ステップS206)。 一方、動画再生部31は、再生が終了したか否かを判定し、再生が終了 していれば処理を終了し、再生が終了して否ければ、ステップS204に移行する。 【0030】一方、ステップS205において、表示させるコメントがなければ、配信部40は、入力部37からコメントが入力されたか否かを検出する (ステップS209)。コメントの入力があった場合には、そのコメントが入力された時点(例えば、「書く」ボタン(符号111)がクリックされた時点)における、その動画を再生しているソフトウェアのプレイヤーが指す再生時間(動画再生時間)を読み出し、その動画再生時間をコメント付与時間とし、再生中の動画の動画IDと、閲覧中のコメン ックされた時点)における、その動画を再生しているソフトウェアのプレイヤーが指す再生時間(動画再生時間)を読み出し、その動画再生時間をコメント付与時間とし、再生中の動画の動画IDと、閲覧中のコメントの スレッドIDと、現在の実時間情報(現在時刻の情報)と、端末装置3のユーザのユーザ名と、入力されたコメント内容と、コメント表示方法とを対応づけて、コメント情報としてコメント情報記憶部33のコメント一覧に追加保存する(ステップS210)。そして、送信部40は、追加保存したコメント情報をコメント配信サーバ2に送信し(ステップS 211)、ステップS208に移行する。 【0031】ステップS209において、コメントの入力ではない場合、端末装置3はコメント情報受信部32によって、コメントデータを受信したか否かを検出する(ステップS212)。コメントデータを受信した場合、コメ ント情報受信部32は、受信したコメントデータをコメント情報記憶部 33に追加保存し、ステップS208に移行する。 【0032】一方、ステップS212において、コメントデータの受信ではない場合、端末装置3の選択部38は、入力部37から、コメント選択操作の入力があったか否かを検出する(ステップS214)。コメント選択操作の入 力があった場合、選択部38は、選択されたコメントデータのコメント内容を再生制御部39に出力する。再生制御部39は、この出力を受けて、選択されたコメントデータに対応づけて記憶されたコメント付与時間をコメント情報記憶部33を参照して読み出し、読み出したコメント付与時間に応じた動画再生時間に従って、動画再生位置の巻き戻し、あ るいは早送りをすることによって、コメントデータに対応づけて記憶 をコメント情報記憶部33を参照して読み出し、読み出したコメント付与時間に応じた動画再生時間に従って、動画再生位置の巻き戻し、あ るいは早送りをすることによって、コメントデータに対応づけて記憶されたコメント付与時間に一致する動画再生時間から再生を行わせ(ステップS215)、そのコメント付与時間のコメント内容を表示させ、ステップS208に移行する。 カ 【0033】 次に、コメントが画面上に表示された場合について図面を用いて説明する。ここでは、図5の「最近のコメント一覧」において、「有名シェフのオムライス」の動画に対応付けされた「料理の感想を言おう!」というスレッドが選択された場合について説明する。このスレッドが選択されると、「有名シェフのオムライス」の動画が例えば、図5の表示欄104 の領域内に再生される。そして、動画再生時間に応じてコメントが動画上に順次表示される。図5では、動画再生時間が9秒の場合の画面が示してあり、ここでは、コメント付与時間が9秒のユーザFのコメントである「おいしそう~!」が、画面の右側から左側に移動表示される(符号115)。そして、動画の再生が進み、動画再生時間が13秒になると、 図9に示すような画面が表示される。ここでは、コメント付与時間が9 秒のコメントである「おいしそう~!」が、画面左側に移動しており、表示欄104の外側であって表示欄109の内側にトリミングされた状態で「そう~!」の部分だけ表示されている(符号200)。また、コメント付与時間が10秒のユーザZのコメントである「有名シェフの作品はいいねぇ。」のコメントがユーザBのコメントの下の位置に表示されて いるとともに(符号201)、コメント付与時間が12秒のユーザEのコメントである「どこの卵を使 メントである「有名シェフの作品はいいねぇ。」のコメントがユーザBのコメントの下の位置に表示されて いるとともに(符号201)、コメント付与時間が12秒のユーザEのコメントである「どこの卵を使ってるの?」が画面の下方の位置に表示される(符号202)。このようにして、コメントが順次表示される。 【0034】以上、1つの端末装置3のみの動作に着目して説明したが、実際には、 同じ動画であって、同じスレッドを閲覧しているユーザ間において、以下のようにしてコメントのやりとりをすることができる。ここでは、図10を用いて、説明をする。 例えば、あるユーザEによって、動画が再生され、動画再生時間が12秒の時点で「どこの卵を使っているの?」というコメントが発言として 追加入力されると(符号a)、その追加入力されたコメントのコメント情報がコメント配信サーバ2を介して、同じ動画であって同じスレッドを閲覧している端末装置3に配信される。 【0035】その配信後に、別のユーザCによって、同じ動画が再生されると(符号 b)、ユーザCの端末装置3に、追加されたコメントを含めてコメント情報が配信される。そして、動画再生時間が12秒の時点で、「どこの卵を使っているの?」というユーザEからのコメントが表示される。そして、このコメントを閲覧したユーザCが、その回答として、ユーザCの動画再生時間が15秒の時点(ユーザEの動画再生時間では、例えば100 秒の時点)で「○○県産らしいよ。」というコメントを入力してコメント 配信サーバ2に送信すると(符号c)、その送信されたコメントがユーザEの端末装置3に配信される。このとき、例えば、動画再生時間が100秒の時点において、ユーザEのコメント を入力してコメント 配信サーバ2に送信すると(符号c)、その送信されたコメントがユーザEの端末装置3に配信される。このとき、例えば、動画再生時間が100秒の時点において、ユーザEのコメント一覧のリストに、ユーザCのコメントの一部が実時間に従った順で表示される(符号d)。例えば、最新のコメントとして、コメント一覧の一番下(あるいは一番上)に表示 される。そして、このコメント一覧を見たユーザEによって、コメントの一部がクリックされると、再生中の動画が、動画再生時間15秒の時点に戻って再生されるとともに、ユーザEの端末装置3の画面上に「○○県産らしいよ。」のコメントが表示される(符号e)。これによって、ユーザEは、あたかも自分のコメントに返信があったかのようにして楽 しむことができる。そして、このようなコメントのやりとりを繰り返すことによって、異なるタイミングで動画を閲覧しているユーザ同士であっても、コメントを介してコミュニケーションを図ることが可能となる。 このように、実時間でのコメント入力順にコメントを管理し、コメント一覧として表示するようにしたので、動画の再生タイミングが一致して いないユーザ同士であっても、コメントのやりとりをリアルタイムで行うことができ、コミュニケーションを図ることが可能となる。 【0036】また、このようなコメントの書き込みとそのコメントが書き込みされた時点からの動画の再生が繰り返されると、ユーザの間においては、動画 の再生タイミングの差が0に近づき、同じ動画をほぼ同じタイミングで閲覧しながら、コメントのやりとりを行うことができる。 【0037】ここでは、同じ動画を複数のユーザが閲覧している場合について説明したが、ある動画について、ユーザが誰 イミングで閲覧しながら、コメントのやりとりを行うことができる。 【0037】ここでは、同じ動画を複数のユーザが閲覧している場合について説明したが、ある動画について、ユーザが誰も見ていない状況において、ある ユーザが動画を再生をした場合には、それまでに記憶されていたコメン ト情報がコメント配信サーバ2から端末装置3に配信され、動画再生のタイミングに従って、順次再生される。これにより、他に誰も閲覧しているユーザがいない状況であっても、過去に発言されたコメントを、その動画の動画再生時間に従って、順に閲覧することができる。ここでは、コメントの書き込みをすることもできる。 【0038】なお、上述した実施形態においては、コメント一覧にコメントが追加されて、追加されたコメントがユーザによってクリックされた場合に、コメントに設定されているコメント付与時間に一致する動画再生時間から再生され、コメントが表示される場合について説明したが、追加された コメントがクリックされなければ、動画再生時間が、追加されたコメントに設定されているコメント付与時間に到達した時点で、そのコメントが動画上に表示される。 また、仮に自分が閲覧している動画の動画再生時間において、他のユーザによってコメントが書き込まれたとしても、実時間の順でコメント 一覧に表示されるので、その追加されたコメントをクリックすることによって、そのコメントが書き込まれた時点に巻き戻しあるいは早送りをして、コメントを閲覧することができる。また、ここでは、動画再生時間が巻き戻しされることによって、新たに追加で書き込まれたコメントも含めて、それまでに書き込みされたコメントがコメント付与時間に応 じて、動画再生時間に従って、順次表 た、ここでは、動画再生時間が巻き戻しされることによって、新たに追加で書き込まれたコメントも含めて、それまでに書き込みされたコメントがコメント付与時間に応 じて、動画再生時間に従って、順次表示される。 【0039】また、ここでは、操作パネル106の再生状態表示欄のスライドバーを移動させることにより、再生時間の巻き戻し、早送りをすることも可能であるが、この操作であると、動画が巻き戻しあるいは早送りされてし まい、見たいコメントがすぐに画面上から消え、見つかりにくい場合が あるが、コメント一覧から選択することにより、見たい場面からみることも可能である。 また、上述した実施形態においては、コメント配信サーバ2から配信されたコメントデータを端末装置3が受信して画面に反映して表示させる場合について説明したが、自身の端末装置3において、ユーザから入力 されたコメントについては、コメントが入力された時点ですぐに(コメント配信サーバ2に送信してコメント配信サーバ2側で受信される前に)画面に表示させるようにしてもよい。具体的には、図8のステップS209においてコメントが入力されると、その入力されたコメントを自身の端末装置3において表示し、ステップS210に移行し、入力された コメントをコメント一覧に追加保存し、その後、コメント配信サーバ2に送信するようにしてもよい。 キ 【0040】次に、コメントの表示について説明する。 入力されたコメントは、画面上の上段、中段、下段など、表示させる位 置や、コメントを移動表示させる表示時間を入力欄109に入力することによって設定することが可能である。また、表示時間を設定する場合は、例えば、画面の上段にコ 段、中段、下段など、表示させる位 置や、コメントを移動表示させる表示時間を入力欄109に入力することによって設定することが可能である。また、表示時間を設定する場合は、例えば、画面の上段にコメントを一定時間(例えば、4秒)表示させて消すようにすることができる。また、画面の表示領域内に現れてから領域外に移動して消えるまでの時間を指定して(例えば、4秒)、移動 スピードを調整することも可能である。また、ある動画再生時間に多数のコメントが集中して入力された場合等において、それらを表示させると同じ高さのラインで重なってしまう場合は、画面上の高さを変えて表示あるいは、移動表示させることが可能である。また、表示時間が設定されたことによって、コメントの文字列の長さに応じて移動スピードが 異なる場合は、コメントが移動し終わる前に次のコメントが追いついて しまう場合もあるので、このような場合にも、次のコメントを違う高さのラインに表示または、移動表示させるようにしてもよい。 【0043】なお、上述した実施形態において、動画配信サーバ1とコメント配信サーバ2とが別のサーバである場合について説明したが、同一のサーバで、 動画配信サーバ1とコメント配信サーバ2との機能を実現するようにしてもよい。 また、上述した実施形態においては、本サービスにおけるコメントと動画の閲覧を行う場合に、コメント配信サーバ2にアクセスして、最近のコメント一覧のデータを受信し、表示装置34に表示された最近のコメ ント一覧から動画とスレッドを選択する場合について説明したが、この動画をスレッドを指定して、コメントと動画の閲覧できるURLを作成し、インターネット上に公開するようにしてもよい。具体的には、動画IDとスレ から動画とスレッドを選択する場合について説明したが、この動画をスレッドを指定して、コメントと動画の閲覧できるURLを作成し、インターネット上に公開するようにしてもよい。具体的には、動画IDとスレッドIDが含まれ、クリックをするとその動画の再生とそのスレッドのコメント情報を受信することができるURLをブログやイン ターネットのサイト上の掲示板に書き込みをして他のユーザにクリックさせるようにしてもよい。また、このようなURLをサムネイル画像等に設定しておき、クリックをさせるようにしてもよい。 ク 【0063】以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具 体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。 ⑵ 前記⑴の記載事項及び本件各発明に係る特許請求の範囲の記載によれば、本件明細書には、本件各発明に関し、次のような開示があることが認められる。 ア従来から、放送されたテレビ番組などの動画に対してユーザが発言した コメントをその動画と併せて表示するシステムがあるが、このシステムでは、単に動画の時間(動画の再生時間)と対応付けてコメントを登録しておき、動画と併せて再生するものであるので、ユーザ間において、リアルタイムでのコメントのやり取りをすることができず、コミュニケーションとしての面白みが十分とはいえなかった(【0002】、【000 4】)。 イ 「本発明」は、ユーザ間において、同じ動画を共有して、コメントを利用しコミュニケーションを図ることができるコメント配信システムを提供することを目的とするものである(【0005】)。 「本発明」のコメント配信システムは、上記課題を解決するために、 サーバと、これとネットワ ョンを図ることができるコメント配信システムを提供することを目的とするものである(【0005】)。 「本発明」のコメント配信システムは、上記課題を解決するために、 サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置とを備えるという構成を採用し、①前記サーバは、サーバから送信された動画を視聴中のユーザが動画に対して付与したコメントを受信し、当該コメントが付与された時点に対応する、当該動画の最初を基準として動画の経過時間を表す動画再生時間であるコメント付与時間とを含むコメン ト情報を端末装置に送信するものであり、②前記端末装置は、サーバから、動画と、当該動画に係るコメント情報をサーバから受信して、当該動画の動画再生時間に対応するコメント付与時間のコメントを当該動画上にオーバーレイ表示するものであって、さらに、③前記システムは、前記端末装置に表示されるコメントの表示位置が他のコメントの表示位 置と重なるか否かを判定する判定部と、前記判定部がコメントの表示位置が重なると判定した場合に、各コメント同士が重ならない位置に表示させる表示位置制御部とを有することを特徴とするものである(【0006】、【0007】、【0018】)。 「本発明」によれば、入力されたコメント情報のうち、再生する動画 の動画再生時間に対応するコメント付与時間が対応付けられたコメント をコメント情報から読み出し、読み出したコメント内容を動画とともに表示することができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を向上させることが可能となるという効果を奏する(【0011】)。 2 争点1(準拠法)について以下のとおり訂正するほか、原判決の「事実及び理由」の第4の2記載の とおりであるから、これを引用する。 ⑴ となるという効果を奏する(【0011】)。 2 争点1(準拠法)について以下のとおり訂正するほか、原判決の「事実及び理由」の第4の2記載の とおりであるから、これを引用する。 ⑴ 原判決74頁17行目の「第580」を「第580号」と改め、同頁18行目の「本件の」から20行目末尾までを「控訴人の被控訴人らに対する特許法100条1項及び2項に基づく被告各ファイルの配信の差止め、被告サーバ用プログラムの抹消及び被告各サーバの除却を求める請求については、 本件特許権が登録された国である我が国の法律が準拠法となる。」と改める。 ⑵ 原判決74頁25行目の「判決」の次に「参照」を加え、75頁2行目の「日本国特許」を「我が国の特許権」と、同頁4行目の「日本」を「我が国」と、同頁5行目の「に係る準拠法は日本法である。」を「については、我が国の法律が準拠法となる。」と改める。 3 争点2(被告各システムの本件発明1の技術的範囲の属否)及び争点3(被告各システムの本件発明2の技術的範囲の属否)について「本件発明」を「本件各発明」と、「前提事実⑹」を「前提事実⑷」と、「被告システム」を「被告各システム」と改めるほか、原判決の「事実及び理由」の第4の3及び4記載のとおりであるから、これを引用する。 4 争点4(被控訴人らによる被告各システムの「生産」の有無)について⑴ 認定事実以下のとおり訂正するほか、原判決の「事実及び理由」の第4の5⑴記載のとおりであるから、これを引用する。 ア原判決104頁19行目から22行目までを次のとおり改める。 「 前記第2の2の前提事実並びに後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれ ば、被告各サービスの運営及び被告各システムの動作等に関して、以下の事実が 2行目までを次のとおり改める。 「 前記第2の2の前提事実並びに後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれ ば、被告各サービスの運営及び被告各システムの動作等に関して、以下の事実が認められる。 ア被控訴人FC2による被告各サービスの運営状況」イ原判決105頁4行目の「被告サービス1は」を「被告サービス1には」と、同頁25行目の「被告サービス3は」を「被告サービス3には」と、 同頁末行の「であり」を「が用意されており」と改める。 ウ原判決106頁3行目の「被告サービス」を「被告各サービス」と、同頁14行目の「3⑶イ(ア)a」を「3⑵ア(イ)a」と改め、同頁22行目から111頁24行目までを次のとおり改める。 「ウ被告サービス1においてコメント付き動画が日本国内に存在するユ ーザ端末(以下「国内のユーザ端末」という。)で表示されるプロセス被告サービス1において、コメント付き動画が国内のユーザ端末で表示されるプロセスをFLASH版とHTML5版とで区別して整理すると、次のとおりとなる(甲5、6、弁論の全趣旨)。 (ア) 被告サービス1のFLASH版(別紙8-2を参照)① ユーザが、事前にAdobeFlashPlayerをブラウザのプラグイン(拡張機能)としてユーザ端末(国内のユーザ端末。以下、この項において同じ。)にインストールしておく。 ② ユーザが、ユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページを指定する。 ③ ②に応じて、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びSWFファイルをユーザ端末に送信する。 ④ ユーザ端末が上記HTMLファイル及びSWFファイルを受 信し じて、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びSWFファイルをユーザ端末に送信する。 ④ ユーザ端末が上記HTMLファイル及びSWFファイルを受 信し、これらをブラウザのキャッシュに保存する。 FLASHが、ブラウザのキャッシュにあるSWFファイルを読み込む。 ⑤ ユーザが、ユーザ端末において、ブラウザ上に表示されたウェブページにおける動画の再生ボタンを押す。 ⑥ ④でFLASHが読み込んだSWFファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求する命令が格納されており、FLASHが、その命令に従って、ブラウザに対し動画ファイル及びコメントファイルを取得するよう指示し、ブラウザが、その指示に従って、被控訴 人FC2の動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行い、被控訴人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行う。 ⑦ ⑥のリクエストに応じて、被控訴人FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバ がコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信する。 ⑧ ユーザ端末が、⑦の動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザにおいて動画上にコメントをオ ーバーレイ表示させる。 その表示の際に二つのコメントが重複するか否かを判定する計算及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、SWFファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 (イ) 被告サービス1のHTML5版(別紙8-3を参照) ① ユーザが、ユーザ端末(国内のユーザ端末。以下、この項に は、SWFファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 (イ) 被告サービス1のHTML5版(別紙8-3を参照) ① ユーザが、ユーザ端末(国内のユーザ端末。以下、この項に おいて同じ。)のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページを指定する。 ② ①に応じて、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びJSファイルをユーザ端末に送信する。 ③ ユーザ端末が上記HTMLファイル及びJSファイルを受信し、これらをブラウザのキャッシュに保存する。 ④ ③で保存されたJSファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求する命令が格納されており、ブラウザが、その命令に従って、被控訴人 FC2の動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行い、被控訴人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行う。 ⑤ ④のリクエストに応じて、被控訴人FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバ がコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信する。 ⑥ ユーザ端末が、⑤の動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 ⑦ ユーザが、ユーザ端末において、ブラウザ上に表示されたウェブページにおける動画の再生ボタンを押す。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させる。 その表示の際に二つのコメントが重複するか否かを判定する計算及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、 JSファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 エ その表示の際に二つのコメントが重複するか否かを判定する計算及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、 JSファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 エ被告サービス2及び3においてコメント付き動画が国内のユーザ端末で表示されるプロセス被告サービス2及び3において、コメント付き動画が国内のユーザ端末で表示される手順をFLASH版とHTML5版とで区別して整理すると、次のとおりとなる(甲5、6、弁論の全趣旨)。 なお、被告サービス1と被告サービス2及び3とは、被告サービス1では動画ファイルが被控訴人FC2の動画配信用サーバからユーザ端末に送信されるのに対し、被告サービス2及び3では動画ファイルが他の動画配信サービスの動画配信用サーバからユーザ端末に送信される点で相違する。 (ア) 被告サービス2及び3のFLASH版① ユーザが、事前にAdobeFlashPlayerをブラウザのプラグイン(拡張機能)としてユーザ端末(国内のユーザ端末。以下、この項において同じ。)にインストールしておく。 ② ユーザが、ユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画(被告サービス2又は3に登録された他の動画配信サービスの動画)を表示させるための被告サービス2又は3のウェブページを指定する。 ③ ②に応じて、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブペ ージのHTMLファイル及びSWFファイルをユーザ端末に送信する。 ④ ユーザ端末が上記HTMLファイル及びSWFファイルを受信し、これらをブラウザのキャッシュに保存する。 FLASHが、ブラウザのキャッシュにあるSWFファイル を読み込む。 ⑤ ④でFLASHが読み込んだSWFファイルには、動画及びコメ これらをブラウザのキャッシュに保存する。 FLASHが、ブラウザのキャッシュにあるSWFファイル を読み込む。 ⑤ ④でFLASHが読み込んだSWFファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求する命令が格納されており、FLASHが、その命令に従って、ブラウザに対し動画ファイル及びコメントファイルを取得するよう指示し、ブラウザが、その指示に従って、被控訴 人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行い、他の動画配信サービスの動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行う。 ⑥ ⑤のリクエストに応じて、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、他の動画配信サービスの動画配 信用サーバが動画ファイルを、それぞれユーザ端末に送信する。 ⑦ ユーザ端末が、⑥の動画ファイル及びコメントファイルを受信する。 ⑧ ユーザが、ユーザ端末において、ブラウザ上に表示されたウェブページにおける動画の再生ボタンを押す。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させる。 その表示の際に二つのコメントが重複するか否かを判定する計算及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、 SWFファイルによって規定される条件に基づいて行われている。 (イ) 被告サービス2及び3のHTML5版① ユーザが、ユーザ端末(国内のユーザ端末。以下、この項において同じ。)のブラウザにおいて、所望の動画(被告サービス2又は3に登録された他の動画配信サービスの動画)を表示さ せるための被告サービス2又は3のウェブページを指定する。 項において同じ。)のブラウザにおいて、所望の動画(被告サービス2又は3に登録された他の動画配信サービスの動画)を表示さ せるための被告サービス2又は3のウェブページを指定する。 ② ①に応じて、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びJSファイルをユーザ端末に送信する。 ③ ユーザ端末が上記HTMLファイル及びJSファイルを受信し、これらをブラウザのキャッシュに保存する。 ④ ③で保存されたJSファイルには、動画及びコメントに関する情報の取得をリクエストするようにブラウザに要求する命令が格納されており、ブラウザが、その命令に従って、被控訴人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行い、他の動画配信サービスの動画配信用サーバに対 し動画ファイルのリクエストを行う。 ⑤ ④のリクエストに応じて、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、他の動画配信サービスの動画配信用サーバが動画ファイルを、それぞれユーザ端末に送信する。 ⑥ ユーザ端末が、⑤の動画ファイル及びコメントファイルを受 信する。 ⑦ ユーザが、ユーザ端末において、ブラウザ上に表示されたウェブページにおける動画の再生ボタンを押す。 これにより、ユーザ端末が、受信した動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザにおいて動画上にコメントをオ ーバーレイ表示させる。 その表示の際に二つのコメントが重複するか否かを判定する計算及び重複すると判定された場合の重ならない表示位置の指定は、JSファイルによって規定される条件に基づいて行われている。」エ原判決111頁25行目、同頁末行から112頁1行目にかけての各 「被告サービス」をいずれも「被告各サ 示位置の指定は、JSファイルによって規定される条件に基づいて行われている。」エ原判決111頁25行目、同頁末行から112頁1行目にかけての各 「被告サービス」をいずれも「被告各サービス」と改める。 ⑵ 被控訴人FC2による被告各システムの「生産」の有無についてア被告サービス1のFLASH版における被控訴人FC2の行為が本件発明1の実施行為としての「生産」(特許法2条3項1号)に該当するか否かについて(ア) はじめに 本件発明1は、サーバとネットワークを介して接続された複数の端末装置を備えるコメント配信システムの発明であり、発明の種類は、物の発明であるところ、その実施行為としての物の「生産」(特許法2条3項1号)とは、発明の技術的範囲に属する物を新たに作り出す行為をいうものと解される。 そして、本件発明1のように、インターネット等のネットワークを介して、サーバと端末が接続され、全体としてまとまった機能を発揮するシステム(以下「ネットワーク型システム」という。)の発明における「生産」とは、単独では当該発明の全ての構成要件を充足しない複数の要素が、ネットワークを介して接続することによって互いに有機的な関 係を持ち、全体として当該発明の全ての構成要件を充足する機能を有するようになることによって、当該システムを新たに作り出す行為をいうものと解される。 そこで、被告サービス1のFLASH版における被控訴人FC2の行為が本件発明1の実施行為としての「生産」(特許法2条3項1号)に 該当するか否かを判断するに当たり、まず、被告サービス1のFLASH版において、被告システム1を新たに作り出す行為が何かを検討し、その上で、当該行為が特許法2条3項1号の「生産」に該当するか及び 該当するか否かを判断するに当たり、まず、被告サービス1のFLASH版において、被告システム1を新たに作り出す行為が何かを検討し、その上で、当該行為が特許法2条3項1号の「生産」に該当するか及び当該行為の主体について順次検討することとする。 (イ) 被告サービス1のFLASH版における被告システム1を新たに 作り出す行為について a 被告サービス1のFLASH版においては、訂正して引用した原判決の第4の5⑴ウ(ア)のとおり、ユーザが、国内のユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページを指定する(②)と、それに伴い、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びSWFファイルを ユーザ端末に送信し(③)、ユーザ端末が受信した、これらのファイルはブラウザのキャッシュに保存され、ユーザ端末のFLASHが、ブラウザのキャッシュにあるSWFファイルを読み込み(④)、その後、ユーザが、ユーザ端末において、ブラウザ上に表示されたウェブページにおける当該動画の再生ボタンを押す(⑤)と、上記SWFフ ァイルに格納された命令に従って、FLASHが、ブラウザに対し動画ファイル及びコメントファイルを取得するよう指示し、ブラウザが、その指示に従って、被控訴人FC2の動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行うとともに、被控訴人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行い(⑥)、上記リ クエストに応じて、被控訴人FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信し(⑦)、ユーザ端末が、上記動画ファイル及びコメントファイルを受信する(⑧)ことにより、ユーザ端 動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信し(⑦)、ユーザ端末が、上記動画ファイル及びコメントファイルを受信する(⑧)ことにより、ユーザ端末が、受信した上記動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウ ザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させることが可能となる。このように、ユーザ端末が上記動画ファイル及びコメントファイルを受信した時点(⑧)において、被控訴人FC2の動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバとユーザ端末はインターネットを利用したネットワークを介して接続されており、ユーザ端末のブラウザに おいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させることが可能となる から、ユーザ端末が上記各ファイルを受信した時点で、本件発明1の全ての構成要件を充足する機能を備えた被告システム1が新たに作り出されたものということができる(以下、被告システム1を新たに作り出す上記行為を「本件生産1の1」という。)。 b これに対し、被控訴人らは、①被告各システムの「生産」に関連す る被控訴人FC2の行為は、被告各システムに対応するプログラムを製作すること及びサーバに当該プログラムをアップロードすることに尽き、いずれも米国内で完結しており、その後、ユーザ端末にコメントや動画が表示されるまでは、ユーザらによるコメントや動画のアップロードを含む利用行為が存在するが、ユーザ端末の表示装置は汎用 ブラウザであって、当該利用行為は、本件各発明の特徴部分とは関係がない、②被告システム1において、ユーザ端末は、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述並びに第三者が被控訴人FC2のサーバにアップロードしたコメント及び被控訴人FC2のサーバにアップロードし システム1において、ユーザ端末は、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述並びに第三者が被控訴人FC2のサーバにアップロードしたコメント及び被控訴人FC2のサーバにアップロードした動画(被告システム2及び3においては第 三者のサーバにアップロードした動画)の内容に従って、動画及びコメントを受動的に表示するだけものにすぎず、ユーザ端末に動画やコメントが表示されるのは、既に生産された装置(被告各システム)をユーザがユーザ端末の汎用ブラウザを用いて利用した結果にすぎず、そこに「物」を「新たに」「作り出す行為」は存在しない、③乙31 1記載の「一般に、通信に係るシステムはデータの送受を伴うものであるため、データの送受のタイミングで毎回、通信に係るシステムの生産、廃棄が一台目、二台目、三台目、n台目と繰り返されることまで「生産」に含める解釈は、当該システムの中でのデータの授受の各タイミングで当該システムが再生産されることになり、採用しがたい」 との指摘によれば、被控訴人FC2の行為は本件発明1の「生産」に 該当しないというべきである旨主張する。 しかしながら、①については、被控訴人FC2が被告システム1に対応するプログラムを製作すること及びサーバに当該プログラムをアップロードすることのみでは、前記aのとおり、本件発明1の全ての構成要件を充足する機能を備えた被告システム1が完成していないと いうべきである。 ②については、前記aのとおり、被控訴人FC2の動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバとユーザ端末がインターネットを利用したネットワークを介して接続され、ユーザ端末が必要なファイルを受信することによって、本件発明1の全ての構成要件を充足する機能を 備えた被 メント配信用サーバとユーザ端末がインターネットを利用したネットワークを介して接続され、ユーザ端末が必要なファイルを受信することによって、本件発明1の全ての構成要件を充足する機能を 備えた被告システム1が新たに作り出されるのであって、ユーザ端末が上記ファイルを受信しなければ、被告システム1は、その機能を果たすことができないものである。 ③については、上記のとおり、被告システム1は、被控訴人FC2の動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバとユーザ端末がインタ ーネットを利用したネットワークを介して接続され、ユーザ端末が必要なファイルを受信することによって新たに作り出されるものであり、ユーザ端末のブラウザのキャッシュに保存されたファイルが廃棄されるまでは存在するものである。また、上記ファイルを受信するごとに被告システム1が作り出されることが繰り返されるとしても、そのこ とを理由に「生産」に該当しないということはできない。 よって、被控訴人らの上記主張は理由がない。 (ウ) 本件生産1の1が特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かについてa 特許権についての属地主義の原則とは、各国の特許権が、その成立、 移転、効力等につき当該国の法律によって定められ、特許権の効力が 当該国の領域内においてのみ認められることを意味するものであるところ(最高裁平成7年(オ)第1988号同9年7月1日第三小法廷判決・民集51巻6号2299頁、最高裁平成12年(受)第580号同14年9月26日第一小法廷判決・民集56巻7号1551頁参照)、我が国の特許法においても、上記原則が妥当するものと解され る。 前記(イ)aのとおり、本件生産1の1は、被控訴人FC2のウェブサーバが、所 一小法廷判決・民集56巻7号1551頁参照)、我が国の特許法においても、上記原則が妥当するものと解され る。 前記(イ)aのとおり、本件生産1の1は、被控訴人FC2のウェブサーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページのHTMLファイル及びSWFファイルを国内のユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信し、また、被控訴人FC2の動画配 信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信することによって行われているところ、上記ウェブサーバ、動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバは、いずれも米国に存在するものであり、他方、ユーザ端末は日本国内に存在する。す なわち、本件生産1の1において、上記各ファイルが米国に存在するサーバから国内のユーザ端末へ送信され、ユーザ端末がこれらを受信することは、米国と我が国にまたがって行われるものであり、また、新たに作り出される被告システム1は、米国と我が国にわたって存在するものである。そこで、属地主義の原則から、本件生産1の1が、 我が国の特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かが問題となる。 b ネットワーク型システムにおいて、サーバが日本国外(以下、単に「国外」という。)に設置されることは、現在、一般的に行われており、また、サーバがどの国に存在するかは、ネットワーク型システム の利用に当たって障害とならないことからすれば、被疑侵害物件であ るネットワーク型システムを構成するサーバが国外に存在していたとしても、当該システムを構成する端末が日本国内(以下「国内」という。)に存在すれば、これを用いて当該システムを国内で利用することは可能 るネットワーク型システムを構成するサーバが国外に存在していたとしても、当該システムを構成する端末が日本国内(以下「国内」という。)に存在すれば、これを用いて当該システムを国内で利用することは可能であり、その利用は、特許権者が当該発明を国内で実施して得ることができる経済的利益に影響を及ぼし得るものである。 そうすると、ネットワーク型システムの発明について、属地主義の原則を厳格に解釈し、当該システムを構成する要素の一部であるサーバが国外に存在することを理由に、一律に我が国の特許法2条3項の「実施」に該当しないと解することは、サーバを国外に設置さえすれば特許を容易に回避し得ることとなり、当該システムの発明に係る 特許権について十分な保護を図ることができないこととなって、妥当ではない。 他方で、当該システムを構成する要素の一部である端末が国内に存在することを理由に、一律に特許法2条3項の「実施」に該当すると解することは、当該特許権の過剰な保護となり、経済活動に支障を 生じる事態となり得るものであって、これも妥当ではない。 これらを踏まえると、ネットワーク型システムの発明に係る特許権を適切に保護する観点から、ネットワーク型システムを新たに作り出す行為が、特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かについては、当該システムを構成する要素の一部であるサーバが国外に存在 する場合であっても、当該行為の具体的態様、当該システムを構成する各要素のうち国内に存在するものが当該発明において果たす機能・役割、当該システムの利用によって当該発明の効果が得られる場所、その利用が当該発明の特許権者の経済的利益に与える影響等を総合考慮し、当該行為が我が国の領域内で行われたものとみることができる ときは、特許法2条3項1号の「生産 該発明の効果が得られる場所、その利用が当該発明の特許権者の経済的利益に与える影響等を総合考慮し、当該行為が我が国の領域内で行われたものとみることができる ときは、特許法2条3項1号の「生産」に該当すると解するのが相当 である。 これを本件生産1の1についてみると、本件生産1の1の具体的態様は、米国に存在するサーバから国内のユーザ端末に各ファイルが送信され、国内のユーザ端末がこれらを受信することによって行われるものであって、当該送信及び受信(送受信)は一体として行われ、 国内のユーザ端末が各ファイルを受信することによって被告システム1が完成することからすれば、上記送受信は国内で行われたものと観念することができる。 次に、被告システム1は、米国に存在する被控訴人FC2のサーバと国内に存在するユーザ端末とから構成されるものであるところ、 国内に存在する上記ユーザ端末は、本件発明1の主要な機能である動画上に表示されるコメント同士が重ならない位置に表示されるようにするために必要とされる構成要件1Fの判定部の機能と構成要件1Gの表示位置制御部の機能を果たしている。 さらに、被告システム1は、上記ユーザ端末を介して国内から利 用することができるものであって、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性の向上という本件発明1の効果は国内で発現しており、また、その国内における利用は、控訴人が本件発明1に係るシステムを国内で利用して得る経済的利益に影響を及ぼし得るものである。 以上の事情を総合考慮すると、本件生産1の1は、我が国の領域内で行われたものとみることができるから、本件発明1との関係で、特許法2条3項1号の「生産」に該当するものと認められる。 c これに対し、被控訴人 慮すると、本件生産1の1は、我が国の領域内で行われたものとみることができるから、本件発明1との関係で、特許法2条3項1号の「生産」に該当するものと認められる。 c これに対し、被控訴人らは、①属地主義の原則によれば、「特許の効力が当該国の領域においてのみ認められる」のであるから、海外 (国外)で作り出された行為が特許法2条3項1号の「生産」に該当 しないのは当然の帰結であること、権利一体の原則によれば、特許発明の実施とは、当該特許発明を構成する要素全体を実施することをいうことからすると、一部であっても海外で作り出されたものがある場合には、特許法2条3項1号の「生産」に該当しないというべきである、②特許回避が可能であることが問題であるからといって、構成要 件を満たす物の一部さえ、国内において作り出されていれば、「生産」に該当するというのは論理の飛躍があり、むしろ、構成要件を満たす物の一部が国内で作り出されれば、直ちに、我が国の特許法の効力を及ぼすという解釈の方が、問題が多い、③我が国の裁判例においては、カードリーダー事件の最高裁判決(前掲平成14年9月26日第一小 法廷判決)等により属地主義の原則を厳格に貫いてきたのであり、その例外を設けることの悪影響が明白に予見されるから、仮に属地主義の原則の例外を設けるとしても、それは立法によってされるべきである旨主張する。 しかしながら、①については、ネットワーク型システムの発明に 関し、被疑侵害物件となるシステムを新たに作り出す行為が、特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かについては、当該システムを構成する要素の一部であるサーバが国外に存在する場合であっても、前記bに説示した事情を総合考慮して、当該行為が我が国の領域内で行われたものとみること 生産」に該当するか否かについては、当該システムを構成する要素の一部であるサーバが国外に存在する場合であっても、前記bに説示した事情を総合考慮して、当該行為が我が国の領域内で行われたものとみることができるときは、特許法2条3項1号の「生 産」に該当すると解すべきであるから、①の主張は採用することができない。 ②については、特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かの上記判断は、構成要件を満たす物の一部が国内で作り出されれば、直ちに、我が国の特許法の効力を及ぼすというものではないから、② の主張は、その前提を欠くものである。 ③については、特許権についての属地主義の原則とは、各国の特許権が、その成立、移転、効力等につき当該国の法律によって定められ、特許権の効力が当該国の領域内においてのみ認められることを意味することに照らすと、上記のとおり当該行為が我が国の領域内で行われたものとみることができるときに特許法2条3項1号の「生産」 に該当すると解釈したとしても、属地主義の原則に反しないというべきである。加えて、被控訴人らの挙げるカードリーダー事件の最高裁判決は、属地主義の原則からの当然の帰結として、「生産」に当たるためには、特許発明の全ての構成要件を満たす物を新たに作り出す行為が、我が国の領域内において完結していることが必要であるとまで 判示したものではないと解され、また、我が国が締結した条約及び特許法その他の法令においても、属地主義の原則の内容として、「生産」に当たるためには、特許発明の全ての構成要件を満たす物を新たに作り出す行為が我が国の領域内において完結していることが必要であることを示した規定は存在しないことに照らすと、③の主張は採用する ことができない。 したがって、被控訴人らの上記主 物を新たに作り出す行為が我が国の領域内において完結していることが必要であることを示した規定は存在しないことに照らすと、③の主張は採用する ことができない。 したがって、被控訴人らの上記主張は理由がない。 (エ) 被告システム1(被告サービス1のFLASH版に係るもの)を「生産」した主体についてa 被告システム1(被告サービス1のFLASH版に係るもの)は、 前記(イ)aのとおり、被控訴人FC2のウェブサーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページのHTMLファイル及びSWFファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信し、ユーザ端末のブラウザのキャッシュに保存された上記SWFファイルによる命令に従ったブラウザからのリクエストに応じて、被 控訴人FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2 のコメント配信用サーバがコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信することによって、新たに作り出されたものである。そして、被控訴人FC2が、上記ウェブサーバ、動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバを設置及び管理しており、これらのサーバが、HTMLファイル及びSWFファイル、動画ファ イル並びにコメントファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末による各ファイルの受信は、ユーザによる別途の操作を介することなく、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述に従い、自動的に行われるものであることからすれば、被告システム1を「生産」した主体は、被控訴人FC2であるというべきである。 この点に関し、被告システム1が「生産」されるに当たっては、前記(イ)aのとおり、ユーザが、ユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるため 被控訴人FC2であるというべきである。 この点に関し、被告システム1が「生産」されるに当たっては、前記(イ)aのとおり、ユーザが、ユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページを指定すること(②)と、ブラウザ上に表示されたウェブページにおける当該動画の再生ボタンを押すこと(⑤)が必要とされるところ、上記のユ ーザの各行為は、被控訴人FC2が設置及び管理するウェブサーバに格納されたHTMLファイルに基づいて表示されるウェブページにおいて、ユーザが当該ページを閲覧し、動画を視聴するに伴って行われる行為にとどまるものである。すなわち、当該ページがブラウザに表示されるに当たっては、前記のとおり、被控訴人FC2のウェブサー バが当該ページのHTMLファイル及びSWFファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末が受信したこれらのファイルがブラウザのキャッシュに保存されること(④)、また、動画ファイル及びコメントファイルのリクエストについては、上記SWFファイルによる命令に従って行われており(⑥)、上記動画ファイル及びコメントファイルの 取得に当たってユーザによる別段の行為は必要とされないことからす れば、上記のユーザの各行為は、被控訴人FC2の管理するウェブページの閲覧を通じて行われるものにとどまり、ユーザ自身が被告システム1を「生産」する行為を主体的に行っていると評価することはできない。 b これに対し、被控訴人らは、①米国に存在するサーバが、ウェブペ ージのデータ、JSファイル(FLASH版においてはSWFファイル)、動画ファイル及びコメントファイルを送信することは、被控訴人FC2が行っているのではなく、インターネットに接続されたサーバにプログラムを蔵置したこと ァイル(FLASH版においてはSWFファイル)、動画ファイル及びコメントファイルを送信することは、被控訴人FC2が行っているのではなく、インターネットに接続されたサーバにプログラムを蔵置したことから、リクエストに応じて自動的に行われるものであり、因果の流れにすぎない、②日本(国内)に存在す るユーザ端末が、上記ウェブページのデータ、JSファイル(SWFファイル)、動画ファイル及びコメントファイルを受信することは、ユーザによるウェブページの指定やウェブページに表示された再生ボタンをユーザがクリックすることにより行われ、ユーザの操作が介在しており、また、仮に被控訴人FC2が①の送信行為を行っていると しても、特許法は、「譲渡」と「譲受」、「輸入」と「輸出」、「提供」と「受領」を明確に区分して規定している以上、被控訴人FC2が上記受信行為を行っていると解すべきではない旨主張する。 しかしながら、①については、前記aのとおり、被控訴人FC2が、ウェブサーバ、動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバを設 置及び管理しており、これらのサーバが、HTMLファイル及びSWFファイル、動画ファイル並びにコメントファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末による各ファイルの受信は、ユーザによる別途の操作を介することなく、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述に従い、自動的に行われるものであることからすれば、 被告システム1を「生産」した主体は、被控訴人FC2であるという べきである。 また、②については、前記aのとおり、ウェブページの指定やウェブページに表示された再生ボタンをクリックするといったユーザの各行為は、被控訴人FC2の管理するウェブページの閲覧を通じて行われるにとどまるものであり、ユーザ端末 のとおり、ウェブページの指定やウェブページに表示された再生ボタンをクリックするといったユーザの各行為は、被控訴人FC2の管理するウェブページの閲覧を通じて行われるにとどまるものであり、ユーザ端末による上記各ファイルの受 信は、上記のとおりユーザによる別途の操作を介することなく自動的に行われるものであることからすれば、上記各ファイルをユーザ端末に受信させた主体は被控訴人FC2であるというべきである。 したがって、被控訴人らの上記主張は理由がない。 (オ) 小括 以上によれば、被控訴人FC2は、本件生産1の1により、被告システム1を「生産」(特許法2条3項1号)したものと認められる。 イ被告サービス1のHTML5版における被控訴人FC2の行為が本件発明1の実施行為としての「生産」(特許法2条3項1号)に該当するか否かについて (ア) 被告サービス1のHTML5版における被告システム1を新たに作り出す行為について前記ア(ア)のとおり、ネットワーク型システムの発明における「生産」とは、単独では当該発明の全ての構成要件を充足しない複数の要素が、ネットワークを介して接続することによって互いに有機的な関係を持ち、 全体として当該発明の全ての構成要件を充足する機能を有するようになることによって、当該システムを新たに作り出す行為をいうものと解される。 被告サービス1のHTML5版においては、訂正して引用した原判決の第4の5⑴ウ(イ)のとおり、ユーザが、国内のユーザ端末のブラウザ において、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブペー ジを指定する(①)と、それに伴い、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びJSファイルをユ において、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブペー ジを指定する(①)と、それに伴い、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びJSファイルをユーザ端末に送信し(②)、ユーザ端末が受信した、これらのファイルはブラウザのキャッシュに保存され(③)、その後、上記JSファイルに格納された命令に従って、ブラウザが、被控訴人FC2の動画配信用サーバに対し 動画ファイルのリクエストを行うとともに、被控訴人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行い(④)、上記リクエストに応じて、被控訴人FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信し(⑤)、ユーザ端末が、上記動画ファイル 及びコメントファイルを受信する(⑥)ことにより、ユーザ端末が、受信した上記動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させることが可能となる。 このように、ユーザ端末が上記動画ファイル及びコメントファイルを受信した時点(⑥)において、被控訴人FC2の動画配信用サーバ及びコ メント配信用サーバとユーザ端末はインターネットを利用したネットワークを介して接続されており、ユーザ端末のブラウザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させることが可能となるから、ユーザ端末が上記各ファイルを受信した時点で、本件発明1の全ての構成要件を充足する機能を備えた被告システム1が新たに作り出されたものというこ とができる(以下、被告システム1を新たに作り出す上記行為を「本件生産1の2」といい、本件生産1の1と併せて「本件生産1」という。)。 (イ) 本件生産1の 出されたものというこ とができる(以下、被告システム1を新たに作り出す上記行為を「本件生産1の2」といい、本件生産1の1と併せて「本件生産1」という。)。 (イ) 本件生産1の2が特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かについてa 前記(ア)のとおり、本件生産1の2は、被控訴人FC2のウェブサ ーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブペー ジのHTMLファイル及びJSファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信し、また、被控訴人FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信することによって行われているところ、上記ウェブサーバ、動画 配信用サーバ及びコメント配信用サーバは、いずれも米国に存在するものであり、他方、ユーザ端末は国内に存在する。すなわち、本件生産1の2において、上記各ファイルが米国に存在するサーバから国内のユーザ端末へ送信され、ユーザ端末がこれらを受信することは、米国と我が国にまたがって行われるものであり、また、新たに作り出さ れる被告システム1は、米国と我が国にわたって存在するものである。 そこで、属地主義の原則から、本件生産1の2が、我が国の特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かが問題となる。 b 前記ア(ウ)bに説示した観点から、本件生産1の2についてみると、本件生産1の2の具体的態様は、米国に存在するサーバから国内のユ ーザ端末に各ファイルが送信され、国内のユーザ端末がこれらを受信することによって行われるものであって、当該送信及び受信(送受信)は一体として行われ、国内のユーザ端末が各ファイルを受信することによっ ーザ端末に各ファイルが送信され、国内のユーザ端末がこれらを受信することによって行われるものであって、当該送信及び受信(送受信)は一体として行われ、国内のユーザ端末が各ファイルを受信することによって被告システム1が完成することからすれば、上記送受信は国内で行われたものと観念することができる。 次に、被告システム1は、米国に存在する被控訴人FC2のサーバと国内に存在するユーザ端末とから構成されるものであるところ、国内に存在する上記ユーザ端末は、本件発明1の主要な機能である動画上に表示されるコメント同士が重ならない位置に表示されるようにするために必要とされる構成要件1Fの判定部の機能と構成要件1G の表示位置制御部の機能を果たしている。 さらに、被告システム1は、上記ユーザ端末を介して国内から利用することができるものであって、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性の向上という本件発明1の効果は国内で発現しており、また、その国内における利用は、控訴人が本件発明1に係るシステムを国内で利用して得る経済的利益に影響を及ぼし得るもので ある。 以上の事情を総合考慮すると、本件生産1の2は、我が国の領域内で行われたものとみることができるから、本件発明1との関係で、特許法2条3項1号の「生産」に該当するものと認められる。 (ウ) 被告システム1(被告サービス1のHTML5版に係るもの)を 「生産」した主体について被告システム1(被告サービス1のHTML5版に係るもの)は、前記(ア)のとおり、被控訴人FC2のウェブサーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページのHTMLファイル及びJSファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信し、ユー ザ端末のブラウザ 人FC2のウェブサーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページのHTMLファイル及びJSファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信し、ユー ザ端末のブラウザのキャッシュに保存された上記JSファイルによる命令に従ったブラウザからのリクエストに応じて、被控訴人FC2の動画配信用サーバが動画ファイルを、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、それぞれユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信することによって、新たに作り出されたものである。そし て、被控訴人FC2が、上記ウェブサーバ、動画配信用サーバ及びコメント配信用サーバを設置及び管理しており、これらのサーバが、HTMLファイル及びJSファイル、動画ファイル並びにコメントファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末による各ファイルの受信は、ユーザによる別途の操作を介することなく、被控訴人FC2がサーバにアップロ ードしたプログラムの記述に従い、自動的に行われるものであることか らすれば、被告システム1を「生産」した主体は、被控訴人FC2であるというべきである。 この点に関し、被告システム1が「生産」されるに当たっては、前記(ア)のとおり、ユーザが、ユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス1のウェブページを指定すること(①) が必要とされるところ、上記のユーザの行為は、被控訴人FC2が設置及び管理するウェブサーバに格納されたHTMLファイルに基づいて表示されるウェブページにおいて、ユーザが当該ページを閲覧し、動画を視聴するに伴って行われる行為にとどまるものであり、上記のとおり、その後に行われる上記各ファイルの受信は、ユーザによる別途の操作を 介することなく、被控訴人FC2が 当該ページを閲覧し、動画を視聴するに伴って行われる行為にとどまるものであり、上記のとおり、その後に行われる上記各ファイルの受信は、ユーザによる別途の操作を 介することなく、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述に従い、自動的に行われるものであることからすれば、ユーザ自身が被告システム1を「生産」する行為を主体的に行っていると評価することはできない。 (エ) 小括 以上によれば、被控訴人FC2は、本件生産1の2により、被告システム1を「生産」したものと認められる。 ウ被告サービス2及び3における被控訴人FC2の行為が本件発明1の実施行為としての「生産」(特許法2条3項1号)に該当するか否かについて (ア) 被告サービス2及び3における被告システム2又は3を新たに作り出す行為について前記ア(ア)のとおり、ネットワーク型システムの発明における「生産」とは、単独では当該発明の全ての構成要件を充足しない複数の要素が、ネットワークを介して接続することによって互いに有機的な関係を持ち、 全体として当該発明の全ての構成要件を充足する機能を有するようにな ることによって、当該システムを新たに作り出す行為をいうものと解される。 被告サービス2及び3のFLASH版においては、訂正して引用した原判決の第4の5⑴エ(ア)のとおり、ユーザが、国内のユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス2 又は3のウェブページを指定する(②)と、それに伴い、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びSWFファイルをユーザ端末に送信し(③)、ユーザ端末が受信したこれらのファイルはブラウザのキャッシュに保存され、ユーザ端末の 、被控訴人FC2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びSWFファイルをユーザ端末に送信し(③)、ユーザ端末が受信したこれらのファイルはブラウザのキャッシュに保存され、ユーザ端末のFLASHが、ブラウザのキャッシュにあるSWFファイルを読み込み(④)、 その後、上記SWFファイルに格納された命令に従って、FLASHが、ブラウザに対し動画ファイル及びコメントファイルを取得するよう指示し、ブラウザが、その指示に従って、被控訴人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行うとともに、他の動画配信サービスの動画配信用サーバに対し動画ファイルのリク エストを行い(⑤)、上記リクエストに応じて、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、上記動画配信用サーバが動画ファイルを、それぞれユーザ端末に送信し(⑥)、ユーザ端末が、上記動画ファイル及びコメントファイルを受信する(⑦)ことにより、ユーザ端末が、受信した上記動画ファイル及びコメントファイルに基 づいて、ブラウザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させることが可能となる。 また、被告サービス2及び3のHTML5版においては、訂正して引用した原判決の第4の5⑴エ(イ)のとおり、ユーザが、国内のユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス2 又は3のウェブページを指定する(①)と、それに伴い、被控訴人FC 2のウェブサーバが上記ウェブページのHTMLファイル及びJSファイルをユーザ端末に送信し(②)、ユーザ端末が受信した、これらのファイルはブラウザのキャッシュに保存され(③)、その後、上記JSファイルに格納された命令に従って、ブラウザが、被控訴人FC2のコメント配信用 ーザ端末に送信し(②)、ユーザ端末が受信した、これらのファイルはブラウザのキャッシュに保存され(③)、その後、上記JSファイルに格納された命令に従って、ブラウザが、被控訴人FC2のコメント配信用サーバに対しコメントファイルのリクエストを行うとともに、 他の動画配信サービスの動画配信用サーバに対し動画ファイルのリクエストを行い(④)、上記リクエストに応じて、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、上記動画配信用サーバが動画ファイルを、それぞれユーザ端末に送信し(⑤)、ユーザ端末が、上記動画ファイル及びコメントファイルを受信する(⑥)ことにより、ユーザ 端末が、受信した上記動画ファイル及びコメントファイルに基づいて、ブラウザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させることが可能となる。 このように、ユーザ端末が上記動画ファイル及びコメントファイルを受信した時点(FLASH版の⑦、HTML5版の⑥)において、他の 動画配信サービスの動画配信用サーバ及び被控訴人FC2のコメント配信用サーバとユーザ端末はインターネットを利用したネットワークを介して接続されており、ユーザ端末のブラウザにおいて動画上にコメントをオーバーレイ表示させることが可能となるから、ユーザ端末が上記各ファイルを受信した時点で、本件発明1の全ての構成要件を充足する機 能を備えた被告システム2又は3が新たに作り出されたものということができる(以下、被告システム2を新たに作り出す行為を「本件生産2」、被告システム3を新たに作り出す行為を「本件生産3」という。)。 (イ) 本件生産2及び3が特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かについて a 前記(ア)のとおり、本件生産2及び3は、被控訴人FC2のウェブ 件生産3」という。)。 (イ) 本件生産2及び3が特許法2条3項1号の「生産」に該当するか否かについて a 前記(ア)のとおり、本件生産2及び3は、被控訴人FC2のウェブ サーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス2又は3のウェブページのHTMLファイル及びSWFファイル又はJSファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信し、また、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、他の動画配信サービスの動画配信用サーバが動画ファイルを、それぞれユーザ端 末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信することによって行われているところ、少なくとも上記ウェブサーバ及びコメント配信用サーバは、いずれも米国に存在し、また、上記動画配信用サーバも国外に存在することがあり(訂正して引用した原判決の第4の5⑴イ(イ))、他方、ユーザ端末は国内に存在する。すなわち、本件生産2及び3において、 上記各ファイルが国外に存在するサーバから国内のユーザ端末へ送信され、ユーザ端末がこれらを受信することは、国外と国内にまたがって行われるものであり、また、新たに作り出される被告システム2及び3は、国外と国内にわたって存在するものである。そこで、属地主義の原則から、本件生産2及び3が、我が国の特許法2条3項1号の 「生産」に該当するか否かが問題となる。 b 前記ア(ウ)bに説示した観点から、本件生産2及び3についてみると、本件生産2及び3の具体的態様は、国外に存在するサーバ(なお、前記aのとおり動画配信用サーバについては国内に存在する場合がある。)から国内のユーザ端末に各ファイルが送信され、国内のユーザ 端末がこれらを受信することによって行われるものであって、当該送信及び受信(送受信 配信用サーバについては国内に存在する場合がある。)から国内のユーザ端末に各ファイルが送信され、国内のユーザ 端末がこれらを受信することによって行われるものであって、当該送信及び受信(送受信)は一体として行われ、国内のユーザ端末が各ファイルを受信することによって被告システム2又は3が完成することからすれば、上記送受信は国内で行われたものと観念することができる。 次に、被告システム2及び3は、米国に存在する被控訴人FC2 のコメント配信用サーバ及び国外又は国内に存在する動画配信用サーバと国内に存在するユーザ端末とから構成されるものであるところ、国内に存在する上記ユーザ端末は、本件発明1の主要な機能である動画上に表示されるコメント同士が重ならない位置に表示されるようにするために必要とされる構成要件1Fの判定部の機能と構成要件1G の表示位置制御部の機能を果たしている。 さらに、被告システム2及び3は、上記ユーザ端末を介して国内から利用することができるものであって、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性の向上という本件発明1の効果は国内で発現しており、また、その国内における利用は、控訴人が本件発明1 に係るシステムを国内で利用して得る経済的利益に影響を及ぼし得るものである。 以上の事情を総合考慮すると、本件生産2及び3は、我が国の領域内で行われたものとみることができるから、本件発明1との関係で、特許法2条3項1号の「生産」に該当するものと認められる。 (ウ) 被告システム2及び3を「生産」した主体について被告システム2及び3は、前記(ア)のとおり、被控訴人FC2のウェブサーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス2又は3のウェブページのHTMLファイル及びSWFファイル又は た主体について被告システム2及び3は、前記(ア)のとおり、被控訴人FC2のウェブサーバが、所望の動画を表示させるための被告サービス2又は3のウェブページのHTMLファイル及びSWFファイル又はJSファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信し、ユーザ端末のブラ ウザのキャッシュに保存された上記SWFファイル又はJSファイルによる命令に従ったブラウザからのリクエストに応じて、被控訴人FC2のコメント配信用サーバがコメントファイルを、他の動画配信サービスの動画配信用サーバが動画ファイルを、それぞれユーザ端末に送信し、ユーザ端末がこれらを受信することによって、新たに作り出されたもの である。そして、被控訴人FC2が、上記ウェブサーバ及びコメント配 信用サーバを設置及び管理しており、これらのサーバが、HTMLファイル及びSWFファイル又はJSファイル並びにコメントファイルをユーザ端末に送信し、ユーザ端末による各ファイルの受信は、ユーザによる別途の操作を介することなく、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述に従い、自動的に行われるものであることから すれば、被告システム2及び3を「生産」した主体は、被控訴人FC2であるというべきである。 この点に関し、被告システム2及び3が「生産」されるに当たっては、前記(ア)のとおり、ユーザが、ユーザ端末のブラウザにおいて、所望の動画を表示させるための被告サービス2又は3のウェブページを指定す ること(FLASH版の②、HTML5版の①)が必要とされるところ、上記のユーザの行為は、被控訴人FC2が設置及び管理するウェブサーバに格納されたHTMLファイルに基づいて表示されるウェブページにおいて、ユーザが当該ページを閲覧し、動画を視聴するに伴って行 ころ、上記のユーザの行為は、被控訴人FC2が設置及び管理するウェブサーバに格納されたHTMLファイルに基づいて表示されるウェブページにおいて、ユーザが当該ページを閲覧し、動画を視聴するに伴って行われる行為にとどまるものであり、上記のとおり、その後に行われる上記各 ファイルの受信は、ユーザによる別途の操作を介することなく、被控訴人FC2がサーバにアップロードしたプログラムの記述に従い、自動的に行われるものであることからすれば、ユーザ自身が被告システム2又は3を「生産」する行為を主体的に行っていると評価することはできない。 (エ) 小括以上によれば、被控訴人FC2は、本件生産2により、被告システム2を「生産」し、本件生産3により、被告システム3を「生産」したものと認められる。 エ被告サービス1における被控訴人FC2の行為が本件発明2の実施行為 としての「生産」(特許法2条3項1号)に該当するか否かについて 被控訴人FC2の本件生産1によって新たに作り出された被告システム1は、本件発明2の全ての構成要件を充足し、その技術的範囲に属するものであるから、前記ア及びイに説示したことと同様の理由により、本件生産1は、本件発明2との関係においても、特許法2条3項1号の「生産」に該当するものと認められる。 オ被告サービス2及び3における被控訴人FC2の行為が本件発明2の実施行為としての「生産」(特許法2条3項1号)に該当するか否かについて被控訴人FC2の本件生産2及び3によって新たに作り出された被告システム2及び3は、本件発明2の全ての構成要件を充足し、その技術 的範囲に属するものであるから、前記ウに説示したことと同様の理由により、本件生産2及び3は、本件発明2との関係に 出された被告システム2及び3は、本件発明2の全ての構成要件を充足し、その技術 的範囲に属するものであるから、前記ウに説示したことと同様の理由により、本件生産2及び3は、本件発明2との関係においても、特許法2条3項1号の「生産」に該当するものと認められる。 カまとめ以上によれば、被控訴人FC2は、本件生産1により被告システム1を、 本件生産2により被告システム2を、本件生産3により被告システム3をそれぞれ「生産」し、本件特許権を侵害したものと認められる。 これに反する被控訴人らの主張は理由がない。 ⑶ 被控訴人HPSによる被告各システムの「生産」の有無について被控訴人HPSの被告各システムへの関与の状況は訂正して引用した原判 決の第4の5⑴オのとおりであり、少なくとも本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日以降において、被控訴人HPSが被告各サービスに関する業務を行っていたとは認められず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 よって、被控訴人HPSが、被告各システムを「生産」し、本件特許権を 侵害したものとは認められない。 これに反する控訴人の主張は理由がない。 5 争点5(無効の抗弁の成否)について別紙10(争点5(無効の抗弁の成否)についての判断)記載のとおりである。 6 争点6(権利の濫用の成否)について 被控訴人らは、本件出願は別件訴訟の蒸し返し目的でされたものであり(別紙10記載の「⒁ 争点5-14(公序良俗違反(無効理由14))について」の被控訴人らの主張参照)、また、そのような出願経過に鑑みれば、本件出願が実質的に特許法17条の2第3項及び第4項の規定を逸脱する目的で分割出願されたものであることは明ら 無効理由14))について」の被控訴人らの主張参照)、また、そのような出願経過に鑑みれば、本件出願が実質的に特許法17条の2第3項及び第4項の規定を逸脱する目的で分割出願されたものであることは明らかであるから、本件特許権を被控訴人らに対し て行使することは権利の濫用として許されない旨主張する。 しかしながら、別紙10記載の⑿及び⒁で説示したところに照らせば、被控訴人らの主張は、その前提を欠くものであり、採用することができない。 7 争点7(差止め及び除却等の必要性)について⑴ 差止めについて ア前記4のとおり、被控訴人FC2は、本件生産1により被告システム1を、本件生産2により被告システム2を、本件生産3により被告システム3をそれぞれ「生産」し、本件特許権を侵害したものと認められる。 そして、前記4⑵ア(イ)a 及び同イ(ア)のとおり、本件生産1においては、被控訴人FC2のサーバから動画ファイル及びコメントファイルが 国内のユーザ端末に送信され、これらのファイルが国内のユーザ端末に受信されることによって被告システム1が「生産」されたものである。 この点に関し、被控訴人FC2は、被告サービス1について、令和4年8月2日、ユーザ端末の表示装置において動画上にコメントをオーバーレイ表示する機能を廃止し、動画表示領域とは別にコメント表示領域 を設ける仕様に変更した旨主張する。 そこで検討するに、証拠(乙97ないし99)によれば、被告サービス1においては、令和5年3月14日の時点において、動画が表示される領域とは別の領域にコメントが表示される仕様になっていることが認められる。なお、同日より前から上記仕様に変更されていることについては、これを認めるに足りる証拠はない。 そうすると、同日 れる領域とは別の領域にコメントが表示される仕様になっていることが認められる。なお、同日より前から上記仕様に変更されていることについては、これを認めるに足りる証拠はない。 そうすると、同日以降において、被控訴人FC2によって、本件生産1による本件特許権の侵害が行われているものとは認められない。 しかしながら、被告サービス1においては、依然として動画と共にコメントが表示されるサービスが提供されており、その仕様を変更して再び動画上にコメントをオーバーレイ表示することによって本件特許権侵 害に係るサービスを提供することが容易であることに鑑みると、本件生産1による本件特許権の侵害を予防するために、被控訴人FC2のサーバから日本国内に存在するユーザ端末に対し、ユーザ端末の表示装置において動画上にオーバーレイ表示されるコメントが、水平方向に移動し、互いに重ならないように表示される態様となるように、動画ファイル及 びコメントファイルを配信すること(両ファイルを国内のユーザ端末に送信し、国内のユーザ端末に受信させること)を差し止める必要があるものと認められる。 イまた、本件生産2及び3については、被控訴人FC2が、令和2年9月25日、被告サービス2及び3に係る事業をShweNandar Co., Ltd.に譲渡したこと(訂正して引用した原判決の第4の5⑴ア(イ)a)からすると、被控訴人FC2によって、同日以降において、本件生産2及び3による本件特許権の侵害が行われているものとは認められず、また、将来行うおそれがあるものとは認められないから、本件生産2及び3については、動画ファイル及びコメントファイルの配信の 差止めの必要性はないというべきである。 ウ以上によれば、控訴人の差止請求については、被控 は認められないから、本件生産2及び3については、動画ファイル及びコメントファイルの配信の 差止めの必要性はないというべきである。 ウ以上によれば、控訴人の差止請求については、被控訴人FC2に対し、被告サービス1において、被控訴人FC2のサーバから国内に存在するユーザ端末に対し、ユーザ端末の表示装置において動画上にオーバーレイ表示されるコメントが、水平方向に移動し、互いに重ならないように表示される態様となるように、動画ファイル及びコメントファイルを配 信することの差止めを求める限度で理由があるものと認められる。 ⑵ 除却等についてア前記⑴のとおり、令和5年3月14日以降において、被控訴人FC2によって、本件生産1による本件特許権の侵害が行われているものとは認められない。 加えて、被告サービス1において、本件特許権侵害に係るコメント付き動画の配信サービスが行われていた令和3年1月11日の時点においても、被告サービス1で公開された●●●●●●●●個の動画のうち、コメントが付された動画は●●●●●●●個であり(乙85)、その割合は●●●●パーセントにとどまっていたこと、前記⑴アのとおり、被告 サービス1においては、本件特許権を侵害することなく、動画の配信サービスを提供することが可能であることからすれば、被告サービス1に係るプログラムの抹消及びサーバの除却の必要性があるものと認めることはできない。 イ次に、被控訴人FC2が、令和2年9月25日、被告サービス2及び3 に係る事業をShweNandarCo., Ltd.に譲渡したことは、前記⑴イのとおりである。 そして、被控訴人FC2が被告サービス2及び3に係るプログラム及びサーバを所持していることを認めるに足りる証拠はない。 NandarCo., Ltd.に譲渡したことは、前記⑴イのとおりである。 そして、被控訴人FC2が被告サービス2及び3に係るプログラム及びサーバを所持していることを認めるに足りる証拠はない。 そうすると、被告サービス2及び3に係るプログラムの抹消及びサー バの除却の必要性があるものと認めることはできない。 ウ以上によれば、控訴人の被告サーバ用プログラムの抹消請求及び被告各サーバの除却請求は、いずれも理由がない。 8 争点8(控訴人の損害額)について⑴ 特許法102条2項に基づく損害額についてア主位的請求関係について 控訴人は、被控訴人らが、本件特許権の設定登録がされた令和元年5月17日から令和4年8月31日までの間、被告各システムを生産し、被告各サービスを提供することによって、●●●●●●●●●●円を売り上げ、これにより被控訴人らが得た利益(限界利益)の額は、●●●●●●●●●●円を下らず、このうち令和元年5月17日から同月31日 までの分(5月分)の売上高は●●●●●●●●円、限界利益額は●●●●●●●●円を下らないと主張する。 しかしながら、控訴人が上記主張の根拠として提出する甲24によって、上記の売上高及び限界利益額を認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 したがって、控訴人の上記主張は理由がない。 イ予備的請求関係について(ア) 本件生産1ないし3により「生産」された被告システム1ないし3で提供された被告各サービスの割合前記4のとおり、被控訴人FC2は、本件生産1により被告システム 1を、本件生産2により被告システム2を、本件生産3により被告システム3を「生産」し、本件特許 告各サービスの割合前記4のとおり、被控訴人FC2は、本件生産1により被告システム 1を、本件生産2により被告システム2を、本件生産3により被告システム3を「生産」し、本件特許権を侵害したものであり、本件生産1ないし3は、いずれも、サーバがユーザ端末に動画ファイル及びコメントファイルを送信し、ユーザ端末がこれらを受信することによって行われるものである。 しかるところ、被告各サービスで配信される動画でコメントが付され ているものの数は限られており、令和3年1月11日の時点において、被告サービス1で公開された●●●●●●●●個の動画のうち、コメントが付された動画は●●●●●●●個であり(乙85)、その割合は●●●●パーセントであったこと、被告各サービスは、日本語以外の言語でもサービスが提供されているものの、そのユーザの大部分は国内に存 在すること(甲9、弁論の全趣旨)からすれば、被告各サービスのうち、本件生産1ないし3で「生産」された被告システム1ないし3によって提供されたものの割合は、本件特許権が侵害された全期間にわたって●●●パーセントと認めるのが相当である。 (イ) 被控訴人FC2の利益額(限界利益額) a 被告サービス1関係乙84によれば、令和元年5月17日から令和4年8月31日までの期間の被告サービス1の売上高は、別紙6売上高等一覧表の「売上高」欄の「被告サービス1」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●●●●●円であること、その限界利益額は、別紙7-1限界利益額等 一覧表の「限界利益額」欄の「被告サービス1」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●●●●●円であることが認められる。 このうち、本件特許権の侵害行為である本件生産1 、別紙7-1限界利益額等 一覧表の「限界利益額」欄の「被告サービス1」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●●●●●円であることが認められる。 このうち、本件特許権の侵害行為である本件生産1により「生産」された被告システム1によって提供されたものの割合は、前記(ア)のとおり、●●●パーセントであるから、本件生産1による売上高は、 ●●●●●●●●●●●円(●●●●●●●●●●●●円×●●●●●)と認められ、被控訴人FC2が本件生産1により得た限界利益額は、別紙7-2限界利益額算定表の「限界利益内訳」欄の「本件生産1」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●●円と認められる。 b 被告サービス2関係 乙84によれば、令和元年5月17日から令和2年10月31日 までの期間の被告サービス2の売上高は、別紙6売上高等一覧表の「売上高」欄の「被告サービス2」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●円であること、その限界利益額は、別紙7-1限界利益額等一覧表の「限界利益額」欄の「被告サービス2」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●円であることが認められる。 このうち、本件特許権の侵害行為である本件生産2により「生産」された被告システム2によって提供されたものの割合は、前記(ア)のとおり、●●●パーセントであるから、本件生産2による売上高は、●●●●●●円(●●●●●●●●円×●●●●●)と認められ、被控訴人FC2が本件生産2により得た限界利益額は、別紙7-2限界 利益額算定表の「限界利益内訳」欄の「本件生産2」欄記載のとおり、合計●●●●●●円と認められる。 c 被告サービス3関係乙84によれば、令和元年5月17日から令和2年10月31日までの期間の被告サービス3の売上高は、別紙6売上 」欄記載のとおり、合計●●●●●●円と認められる。 c 被告サービス3関係乙84によれば、令和元年5月17日から令和2年10月31日までの期間の被告サービス3の売上高は、別紙6売上高等一覧表の 「売上高」欄の「被告サービス3」欄記載のとおり、合計●●●●●●円であること、その限界利益額は、別紙7-1限界利益額等一覧表の「限界利益額」欄の「被告サービス3」欄記載のとおり、合計●●●●●●円であることが認められる。 このうち、本件特許権の侵害行為である本件生産3により「生産」 された被告システム3によって提供されたものの割合は、前記(ア)のとおり、●●●パーセントであるから、本件生産3による売上高は、●●●●円(●●●●●●円×●●●●●)と認められ、被控訴人FC2が本件生産3により得た限界利益額は、別紙7-2限界利益額算定表の「限界利益内訳」欄の「本件生産3」欄記載のとおり、合計● ●●●円と認められる。 d まとめ(a) 前記aないしcによれば、被控訴人FC2が本件生産1ないし3により得た限界利益額は、別紙7-2限界利益額算定表の「限界利益額(消費税相当分(10%)を含む)」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●●●●円と認められる。 なお、被控訴人FC2は、仮に、本件において被控訴人FC2に対する損害賠償の支払が命ぜられるとしても、消費税上輸出免税の対象になる旨主張するが、被控訴人FC2による被告各サービスの提供が輸出取引に当たることを認めるに足りる証拠はないから、被控訴人FC2の上記主張は理由がない。 (b) 以上のとおり、被控訴人FC2が本件生産1ないし3により得た限界利益額は、合計●●●●●●●●●●●円であり、この限界利 る証拠はないから、被控訴人FC2の上記主張は理由がない。 (b) 以上のとおり、被控訴人FC2が本件生産1ないし3により得た限界利益額は、合計●●●●●●●●●●●円であり、この限界利益額は、特許法102条2項により、控訴人が受けた損害額と推定される(以下、この推定を「本件推定」という。)。 (ウ) 推定の覆滅について 被控訴人らは、被告各サービスにおいて、本件各発明のコメント表示機能が、システム全体の機能の一部であり、顧客誘引力を有していないことは、本件推定の覆滅事由に該当する旨主張する。 そこで検討するに、被告各サービスで配信されている動画で、その売上高に貢献しているものの多くはアダルト動画であり(甲4の1及び2、 9、11、弁論の全趣旨)、動画上にコメントが表示されることが視聴の妨げになることは否定できないこと、令和3年1月11日の時点において、被告サービス1で公開された●●●●●●●●個の動画のうち、コメントが付された動画は●●●●●●●個であり(乙85)、その割合は●●●●パーセントにとどまっていることに照らすと、被告各サー ビスにおいて、コメント表示機能が果たす役割は限定的なものであって、 被告各サービスの多くのユーザは、コメント表示機能よりも動画それ自体を視聴する目的で利用していたものと認められる。そして、本件各発明の技術的な特徴部分は、コメント付き動画配信システムにおいて、動画上にオーバーレイ表示される複数のコメントが重なって表示されることを防ぐというものであり(前記1⑵イ)、その技術的意義自体も、上 記システムにおいて限られたものであると認められる。 以上の事情を総合考慮すると、被告各サービスの利用に対する本件各発明の寄与割合は●●と認め のであり(前記1⑵イ)、その技術的意義自体も、上 記システムにおいて限られたものであると認められる。 以上の事情を総合考慮すると、被告各サービスの利用に対する本件各発明の寄与割合は●●と認めるのが相当であり、上記寄与割合を超える部分については、前記(イ)d(b)の限界利益額と控訴人の受けた損害額との間に相当因果関係がないものと認められる。 したがって、本件推定は、上記限度で覆滅されるものと認められるから、特許法102条2項に基づく控訴人の損害額は、上記限界利益額の●割に相当するものであり、別紙4-2認容額内訳表の「特許法102条2項に基づく損害額」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●●円と認められる。 ⑵ 特許法102条3項に基づく損害額について(予備的請求関係)ア特許法102条3項に基づく控訴人の損害額については、①株式会社帝国データバンク作成の「知的財産の価値評価を踏まえた特許等の活用の在り方に関する調査研究報告書~知的財産(資産)価値及びロイヤルティ料率に関する実態把握~」(本件報告書)の「Ⅱ.我が国のロイヤルテ ィ料率」の「1.技術分類別ロイヤルティ料率(国内アンケート調査)」の「⑵ アンケート調査結果」には、「特許権のロイヤルティ料率の平均値」について、「全体」が「3.7%」、「電気」が「2.9%」、「コンピュータテクノロジー」が「3.1%」であり、「Ⅲ.各国のロイヤルティ料率」の「1.ロイヤルティ料率の動向」には、国内企業のロイヤルテ ィ料率アンケート調査の結果として、産業分野のうち「ソフトウェア」 については「6.3%」であり、「2.司法決定によるロイヤルティ料率調査結果」の「(ⅰ)日本」の「産業別司法決定ロイヤルティ料率(2004~2008年)」には、「電気」の産 「ソフトウェア」 については「6.3%」であり、「2.司法決定によるロイヤルティ料率調査結果」の「(ⅰ)日本」の「産業別司法決定ロイヤルティ料率(2004~2008年)」には、「電気」の産業についての司法決定によるロイヤルティ料率は、平均値「3.0%」、最大値「7.0%」、最小値「1.0%」(件数「6」)であるとの記載があること、②前記⑴イ(ウ) のとおり、本件各発明の技術的な特徴部分は、コメント付き動画配信システムにおいて、動画上に複数のコメントが重なって表示されることを防ぐというものであり、その技術的意義は高いとはいえず、被告各サービスの購買動機の形成に対する本件各発明の寄与は限定的であること、その他本件に現れた諸般の事情を総合考慮すると、本件生産1ないし3 による売上高に実施料率2パーセントを乗じた額と認めるのが相当である。 そして、本件生産1ないし3による売上高(消費税相当分(10パーセント)を含む。)の合計額は、●●●●●●●●●●●円(●●●●●●●●●●●円+●●●●●●円+●●●●円(前記⑴イ(イ)aないし c記載の本件生産1ないし3の各売上高に消費税相当分(10パーセント)を加えた額の合計額))と認められるから、●●●●●●●●円(●●●●●●●●●●●円×0.02)となる。 これに反する控訴人及び被控訴人らの主張はいずれも採用することができない。 イそして、控訴人の特許法102条2項に基づく損害額の主張と同条3項に基づく損害額の主張は、選択的なものと認められるから、より高額な前記⑴イ(ウ)の同条2項に基づく損害額合計●●●●●●●●●円が本件の控訴人の損害額と認められる。 ⑶ 弁護士費用について 控訴人の本件生産1ないし3に係る損害額は、別紙4-2認容額内訳表 イ(ウ)の同条2項に基づく損害額合計●●●●●●●●●円が本件の控訴人の損害額と認められる。 ⑶ 弁護士費用について 控訴人の本件生産1ないし3に係る損害額は、別紙4-2認容額内訳表 の「特許法102条2項に基づく損害額」欄記載のとおり、合計●●●●●●●●●円となる。 そして、本件事案の性質・内容、本件の認容額、原審及び当審の審理経過等諸般の事情を斟酌すると、被控訴人FC2の本件特許権の侵害による不法行為と相当因果関係のある弁護士費用相当額は、別紙4-2認容額内訳表 の「弁護士費用相当額」欄記載のとおり、合計●●●●円と認めるのが相当である。 ⑷ 小括以上によれば、本件における控訴人の損害額は、別紙4-2認容額内訳表の「損害額小計」欄の「全期間合計」欄記載のとおり、合計1101万55 17円となる。 よって、控訴人は、被控訴人FC2に対し、本件特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償として1101万5517円及び別紙4-1認容額一覧表の「認容額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで「遅延損害金利率(年)」欄記載の各割合による遅延損害金の 支払を求めることができる。 第5 結論以上によれば、控訴人の請求は、被控訴人FC2に対し、被告サービス1において、被控訴人FC2のサーバから国内に存在するユーザ端末に対し、ユーザ端末の表示装置において動画上にオーバーレイ表示されるコメントが、水平 方向に移動し、互いに重ならないように表示される態様となるように、動画ファイル及びコメントファイルを配信することの差止めを求めるとともに、1101万5517円及び別紙4-1認容額一覧表の「認容額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで ァイル及びコメントファイルを配信することの差止めを求めるとともに、1101万5517円及び別紙4-1認容額一覧表の「認容額」欄記載の各金員に対する「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで「遅延損害金利率(年)」欄記載の各割合による金員の支払を求める限度で理由があり、その余 はいずれも理由がないから棄却すべきものである。 したがって、控訴人の請求(当審における拡張請求を除く。)を全部棄却した原判決は一部不当であって、本件控訴は一部理由があり、また、控訴人の当審における拡張請求は、一部理由があるから、原判決中被控訴人FC2に関する部分を本判決主文第1項のとおり変更し、控訴人の被控訴人HPSに対する控訴を棄却し、控訴人の当審における被控訴人HPSに対する拡張請求を棄却 することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所特別部 裁判長裁判官大鷹一郎 裁判官菅野雅之 裁判官本多知成 裁判官東海林保 裁判官小川卓逸 別紙1 被告ファイル目録 1 「FC2動画」(https://video.fc2.com/)において、被控訴人らがサーバからユーザ端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ別々に配信されるもの及び動画ファイルとコメント ファイルが一体のものを含む) 2 「FC2 SayMove!」(http://say-move.org/)において、被控訴人らがサーバから動画視聴者の端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ 含む) 2 「FC2 SayMove!」(http://say-move.org/)において、被控訴人らがサーバから動画視聴者の端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ別々に配信されるもの及び動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む) 3 「FC2 ひまわり動画」(http://himado.in/)において、被控訴人らがサーバから動画視聴者の端末に対して配信している動画ファイル及びコメントファイル(それぞれ別々に配信されるもの及び動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む) 別紙2 被告サーバ用プログラム目録 1 「FC2動画」(https://video.fc2.com/)において、被控訴人らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信するためのサーバ用プログラム(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配 信するためのサーバ用プログラム、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信するためのサーバ用プログラムを含む) 2 「FC2 SayMove!」(http://say-move.org/)において、被控訴人らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイル(動画ファイルとコメントファイルが一体のものを含む)を配信するための サーバ用プログラム(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信するためのサーバ用プログラム、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信するためのサーバ用プログラムを含む) 3 「FC2 ひまわり動画」(http://himado.in/)において、被控訴人らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイル(動画フ ァイルとコメントファイルが一体のものを含む)を配信するためのサー 動画」(http://himado.in/)において、被控訴人らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイル(動画フ ァイルとコメントファイルが一体のものを含む)を配信するためのサーバ用プログラム(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信するためのサーバ用プログラム、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信するためのサーバ用プログラムを含む) 別紙3 被告サーバ目録 1 「FC2動画」(https://video.fc2.com/)において、被控訴人らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信する用に供しているサーバ(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信す る用に供しているサーバ、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信する用に供しているサーバを含む) 2 「FC2 SayMove!」(http://say-move.org/)において、被控訴人らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信する用に供しているサーバ(動画ファイル又はコメントファイルの一 方を配信する用に供しているサーバ、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信する用に供しているサーバを含む) 3 「FC2 ひまわり動画」(http://himado.in/)において、被控訴人らがユーザ端末に対して動画ファイル及びコメントファイルを配信する用に供しているサーバ(動画ファイル又はコメントファイルの一方を配信す る用に供しているサーバ、動画ファイルとコメントファイルを一体として配信する用に供しているサーバを含む) 別紙8-1 被告各システムの動作(被告システム1のHTML5版) 【図】 別紙8-2 被告サ ァイルを一体として配信する用に供しているサーバを含む) 別紙8-1 被告各システムの動作(被告システム1のHTML5版) 【図】 別紙8-2 被告サービス1のFLASH版 別紙8-3 被告サービス1のHTML5版 別紙9 明細書図面 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 【図5】 【図6】 【図7】 【図8】 【図9】 【図10】 別紙10 争点5(無効の抗弁の成否)についての判断 5 争点5(無効の抗弁の成否)について ⑴ 争点5-1(乙17公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由1))について ア はじめに 被控訴人らは、①乙17には、下記のとおりの乙17発明(原判決127頁8行目から24行目まで)が記載されている、②本件発明1と乙17発明は、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部(構 7頁8行目から24行目まで)が記載されている、②本件発明1と乙17発明は、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部(構成要件1F)と、重なると判定された場合に前記第1コメントと前 記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部(構成要件1G)とを備えているのに対し、乙17発明はかかる構成を備えていない点でのみ相違(相違点1)する、③乙26ないし28によれば、文字列の重複表示による視認性低下という課題を解決するために、「動画」において文字情報を表示する際、文字列が重複するか否 かを判定し、重複する場合には重複しないように位置を変更することは、本件出願の優先日(本件原出願の優先日。以下同じ。)当時、公知であり(本件位置変更公知技術)、また、文字列が重複するか否かを判定し、重複する場合には重複しないように位置を変更することは、「動画」において文字情報を表示する技術において慣用されていた(本件位置変更慣用 技術)、④乙48、61及び62によれば、本件出願の優先日当時、「コンピュータの画面表示」において、異なる二つの表示物の表示位置が重なるか否かを判定する判定機能と、重なると判定された場合に、これらが重ならない位置に表示されるよう調整する表示制御機能は、周知であった(本件位置変更周知技術2)、⑤当業者は、乙17発明において、本 件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術 2を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張するので、以下において判断する。 【乙17発明】 る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張するので、以下において判断する。 【乙17発明】「(ア) 映像を再生するとともに、当該映像に付与された単数又は複数の 注釈を当該映像上に表示するビューワマシンであって、(イ) 前記注釈と、当該注釈の表示を開始するタイミングとを指定するSMIL(SynchronizedMultimediaIntegrationLanguage)で記述された同期記述を記憶するメモリ(以下「注釈記憶メモリ」という。)と、 (ウ) 前記映像を再生して表示する映像再生部と、(エ) 前記再生される映像の映像再生時間に基づいて、前記メモリに記憶された同期記述のうち、前記映像の映像再生時間に対応するタイミングで表示を開始させるべき注釈を前記メモリから読み出し、当該読み出された注釈を、ビューワ画面内の注釈を表示する注釈再生部と、 を有し、(オ) 前記注釈が少なくとも動画の一部に重なっており、(カ) 前記注釈は水平に移動するものである(キ) ことを特徴とするビューワマシン。」イ本件位置変更公知技術及び本件位置変更慣用技術について 被控訴人らは、乙26の【0059】及び【0095】、乙27の4頁左上欄2行~8行、14行~19行、乙28の【0007】及び【0011】には、本件位置変更公知技術が示されており、また、これらの記載から、本件位置変更慣用技術を認定できる旨主張する。 (ア) 乙26の記載事項 乙26(特開平8-107552号公報)には、「【産業上の利用分野】 本発明は、文字放送特殊再生装置及びテレテキスト放送特殊再生装置に関し、より詳細には (ア) 乙26の記載事項 乙26(特開平8-107552号公報)には、「【産業上の利用分野】 本発明は、文字放送特殊再生装置及びテレテキスト放送特殊再生装置に関し、より詳細には、TV(テレビジョン)映像信号の垂直帰線消去期間に文字、図形からなるデータを重畳して送信される文字放送データを受信・復調し、このデータをTV画面上に単独で表示する、スーパーインポーズ表示する、あるいはスクロール表示するなどの特殊な番組提示 処理機能を有する文字放送特殊再生装置及びテレテキスト放送特殊再生装置に関する。」(【0001】)、「【従来の技術】現在運用中の文字放送システムにおいて、文字放送データは、テレビジョン信号の垂直帰線消去期間内の決められた水平走査期間に重畳されているデータを単位長として、データ・パケット形式で送出される。この文字放送データには、 文字情報だけではなく、図形等の情報データも含まれる。したがって、以下の説明では、これらデータを総称して単に番組データと呼ぶ。」(【0002】)、「文字放送システムについて記載した公知文献としては、例えば、「~ハイブリッド位置方式~文字放送受信の手引き」(日本放送協会編、日本放送協会発行、昭61-1-15)に詳しく記載されてい る。この文献にもとづき、本発明の前提となる文字放送システムについて、特に、本発明に関係する事項を中心として以下に説明する。文字放送とは、文字や図形で構成された画像情報を符号化してディジタル信号の形でテレビ放送波に多重し、受信側で映像信号に変換してテレビ受信機に表示する放送である。画像の情報をもつ文字信号は、TV映像信号 中のテレビ画面に現れないVBL(垂直帰線消去期間)に重畳して伝送される。」(【0003】)、「文字放送の表示には、画面の 信機に表示する放送である。画像の情報をもつ文字信号は、TV映像信号 中のテレビ画面に現れないVBL(垂直帰線消去期間)に重畳して伝送される。」(【0003】)、「文字放送の表示には、画面の全てが文字番組である単独表示と、テレビ画面の一部に文字番組を重ねて表示するスーパー表示の2種類がある。また、表示モードは、①全面固定表示(表示領域に静止した文字及び図形を表示する)、②スーパー固定表示(テレ ビ放送の映像に重ねて静止した文字及び図形を表示する)、③字幕表示 (スーパー固定表示であって、同時に放送されるテレビ放送番組の内容と直接に関係のある文字及び図形を表示する)、④一行横スクロール表示(テレビ放送の映像に重ねて右から左へ移動する横一行の文字及び図形を表示する)、⑤全面縦スクロール(本文表示領域に下から上へ移動する文字及び図形を表示する)、⑥多画面表示(本文表示領域を4つの 象現に分け、各象現に画面を全面固定表示で同時に表示する)がある。」(【0009】)、「文字放送は、一種のデータ伝送であり、伝送したい情報である文字や図形を符号化し、適当な長さに分割して、映像信号のVBL(垂直帰線消去期間)内のH(水平走査期間)に重畳して伝送する。 伝送から提示に至る過程は、他の異なる規則(プロトコル)をもつデー タ伝送と整合がとれるようにISO(InternationalOrganizationforStandardization:国際標準化機構)で制定している層状モデルに従って階層化されている。」(【0010】)、「本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、全面固定表示画面をスクロール画面に変換し、かつ文字が途中で切れて しまうことのないスクロール表示を実現して、テレビ映像を見ながら文字放送やテ 「本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、全面固定表示画面をスクロール画面に変換し、かつ文字が途中で切れて しまうことのないスクロール表示を実現して、テレビ映像を見ながら文字放送やテレテキスト放送の情報を得るようにした文字放送特殊再生装置及びテレテキスト放送特殊再生装置を提供することを目的としている。」(【0058】)、「【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、(1)テレビジョン映像信号の垂直帰線消去期間 に文字、図形、付加音からなるデータを重畳して送信される文字データを受信・復調する文字放送受信装置において、全面固定表示画面をスクロール画面へ変換するために、最小文字単位のブロック毎に文字情報を記憶する提示画面変換用テーブルと、該提示画面変換用テーブルに基づいてスクロール表示するための特殊再生制御部とを有すること、更には、 (2)前記特殊再生制御部が、伝送された文字データの提示座標より前 記提示画面変換用テーブルのアドレスに変換する座標アドレス変換部と、該座標アドレス変換部により変換されたアドレスに基づき、前記提示画面変換用テーブルを生成するテーブル作成部とを有すること、更には、(3)前記特殊再生制御部によるスクロール表示が、スーパーインポーズ表示であること、更には、(4)前記提示画面変換用テーブルが、文 字のサイズを示す文字コードと、表示色を示す色コードと、文字飾り処理などのための属性コードとを含んでいること、更には、(5)前記文字放送番組をワイドアスペクトモニタにて視聴する場合、画面モードを判別する表示モード判別部と、提示位置を前記表示モード判別部により判別された画面モードに応じて最適の位置に自動変換する特殊再生表示 制御部とを有すること、更には、(6)前記文 合、画面モードを判別する表示モード判別部と、提示位置を前記表示モード判別部により判別された画面モードに応じて最適の位置に自動変換する特殊再生表示 制御部とを有すること、更には、(6)前記文字放送番組をワイドアスペクトモニタにて文字放送が重畳されているテレビ放送とは違う映像に表示する場合、該映像がシネスコサイズ等で字幕があり、字幕移動機能で字幕が移動して前記スクロール表示位置と重なり合う場合、字幕位置を検出する字幕位置検出部と、該字幕位置検出部により検出された該字 幕の位置を避けて最適位置に待避する特殊再生表示制御部とを有すること、更には、(7)テレビ映像上の指定領域の平均輝度やピーク輝度を検出する信号検出部と、前記提示位置の値を比較し、輝度が少なく、見やすく、テレビ映像の情報の邪魔にならない領域に提示位置を移動させる特殊再生表示制御部とを有すること…を特徴としたものである。」 (【0059】)、「また、字幕移動機能などにより字幕がある場合には、字幕位置検出部30により字幕位置を検出し、特殊再生(スクロール)表示位置制御部31により、字幕位置を避けて最適位置にスクロール表示を行う(請求項6)。さらに、テレビ映像上の指定領域の平均輝度やピーク輝度を信号検出部5により検出し、輝度の少なく、写しやすく、 テレビ映像の情報の邪魔にならない領域に提示位置を特殊再生(スクロ ール)表示位置制御部31により移動させてスクロール表示する(請求項7)。」(【0095】)との記載がある。 上記記載から、乙26には、文字や図形で構成された画像情報を符号化してディジタル信号の形でテレビ放送波に多重し、受信側で映像信号に変換してテレビ受信機に表示する文字放送において、テレビ映像に字 幕がある場合、字幕と文字データのスク 構成された画像情報を符号化してディジタル信号の形でテレビ放送波に多重し、受信側で映像信号に変換してテレビ受信機に表示する文字放送において、テレビ映像に字 幕がある場合、字幕と文字データのスクロール表示位置が重ならないように字幕位置を避けて最適位置に上記スクロール表示を行う技術が開示されていることが認められる。一方で、乙26記載の上記技術は、文字放送を前提としたテレビ受信機に係る技術であり、動画一般に関するものではない。 (イ) 乙27の記載事項乙27(特開昭59-105788号公報)には、「産業上の利用分野この発明は、テレテキストの受信機に関する。」、「背景技術とその問題点テレビ放送において、主番組の垂直ブランキング期間を利用してニュース、天気予報、お知らせなど、各種の情報を放送するテレビ多 重文字放送が考えられている。そして、その一例として、NHKの提案している方式があり、この方式には表示モードとして、(i)全面固定モード第1図に示すように、受像管の全面にわたり文字放送の画像を固定して表示する (ⅱ)縦スクロールモード第2図に示すように、受像管の全面にわたって文字放送の画像を表示するが、これを最上行を 除いて適当な速度で上方向にスクロールする (ⅲ)横スクロールモード第3図に示すように、メインの放送画像に対して、文字放送の文章の1行を表示するが、これを横方向にスクロールするなどのモードがある。」(以上、1頁)、「ところで、横スクロールモードでは、第3図にも示すように、メインの放送画像に対して文字放送による1行がスーパー インポーズにより表示されるので、この表示位置に、メインの放送によ る文字など、例えば野球の打者の名前などが表示されると、両方の表示が重なり、両方とも見づらく 送による1行がスーパー インポーズにより表示されるので、この表示位置に、メインの放送によ る文字など、例えば野球の打者の名前などが表示されると、両方の表示が重なり、両方とも見づらくなってしまう。」(4頁左上欄2行~8行)、「発明の目的この発明は、このような問題点を解決すると共に、特にそのときほとんどコストアップを生じないようにしようとするものである。」(4頁左上欄9行~12行)、「発明の概要そのため、この発明に おいては、縦スクロール用の機能を利用して横スクロールの位置を縦方向に変更できるようにしたものである。従って、横スクロールの文字とメインの放送の文字とが重なることを避けることができ、両者を見ることができる。」(4頁左上欄13行~19行)、「発明の効果横スクロールの表示位置を任意の行とすることができるので、横スクロールの表示 文字とメインの放送画像の文字とが重なったりすることがなく、両者を見ることができる。しかも、そのためのコストアップがほとんどない。」(6頁右下欄12行~17行)との記載がある。 上記記載から、乙27には、テレビ多重文字放送の受像機において、メインの放送画像の文字と文字放送の表示文字とが重なることを避け、 両者を見ることができるようにした技術が開示されていることが認められる。一方で、乙27記載の上記技術は、テレビ多重文字放送を前提とした受像機に係る技術であり、動画一般に関するものではない。 (ウ) 乙28の記載事項乙28(特開平6-165139号公報)には、「【産業上の利用分野】 本発明は、映像信号に重畳して伝送された文字信号を抽出して所定位置に文字情報を画面表示するクローズド・キャプションデコーダ及びこのクローズド・キャプションデコーダを備え、文字情報を映像と 】 本発明は、映像信号に重畳して伝送された文字信号を抽出して所定位置に文字情報を画面表示するクローズド・キャプションデコーダ及びこのクローズド・キャプションデコーダを備え、文字情報を映像とともに画面表示するテレビジョン受信機に関する。」(【0001】)、「【従来の技術】米国では、ろうあ者、難聴者が健常者と同様にテレビジョン放送を 楽しめるように、音声と同じ内容を文字情報にして映像信号の垂直帰線 期間内の走査線信号に重畳して伝送するクローズド・キャプション(文字多重)システムが多くのテレビジョン番組、ビデオソフト等に採用されており、文字の符号化方法、伝送方法などは FCC(連邦通信委員会)規格に基づいて細かく規定されている。また、日本では、クローズド・キャプションシステムを語学教材に利用することが考えられてい る。」(【0002】)、「【発明が解決しようとする課題】従来のクローズド・キャプションデコーダは以上のようであるので、クローズド・キャプションデコーダを語学教材として利用する場合に文字情報の表示位置が画面ごとに不定な表示スタイルであると、画面が変わる都度、文字情報を目で追い求めるため字幕に神経を集中できずに教育効果が低下す る。」(【0006】)、「また、日本語字幕とクローズド・キャプションの英語字幕とを比較しようとする場合に、日本語字幕にクローズド・キャプションの字幕が重なって読みにくくなっても受け手側で表示位置を変更できないという問題がある。」(【0007】)、「本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、アドレスデータの変換機 能を設けることにより、クローズド・キャプションの表示位置を受け手側で変更できるクローズド・キャプションデコーダ及びこれを備えたテレビジョン めになされたものであって、アドレスデータの変換機 能を設けることにより、クローズド・キャプションの表示位置を受け手側で変更できるクローズド・キャプションデコーダ及びこれを備えたテレビジョン受信機の提供を目的とする。」(【0008】)、「【課題を解決するための手段】本発明に係るクローズド・キャプションデコーダは、映像信号の垂直帰線期間に重畳されている符号化された文字信号を抽出 して復号化し、画面上の所定位置に文字情報を表示するクローズド・キャプションデコーダにおいて、画面上の文字情報の表示位置を指定する手段と、文字信号に含まれる文字情報の表示アドレスを、指定された表示位置に応じた表示アドレスに変換する回路と、変換した表示アドレスに文字情報を表示する手段とを備えたことを特徴とする。」(【000 9】)、「本発明に係るテレビジョン受信機は、前記クローズド・キャプ ションデコーダを備え、文字情報を映像とともに画面表示する。」(【0010】)、「【作用】本発明に係るクローズド・キャプションデコーダ及びこれを備えたテレビジョン受信機は、映像信号の垂直帰線期間に重畳されている文字信号を抽出して復号化し、文字信号に含まれる文字情報の表示アドレスを、変換プログラム、カーソル等により受信側で指定さ れた表示アドレスに変換し、変換した表示アドレスに文字情報を表示する。」(【0011】)、「【発明の効果】以上のように、本発明に係るクローズド・キャプションデコーダ及びこれを備えたテレビジョン受信機は、映像信号の送信側で決定されたクローズド・キャプションによる文字情報の表示アドレスを受信側で変更することができるので、例えば、一定 の表示位置に固定することにより文字情報に神経が集中し易くなり、また、オープン・キャプションに ズド・キャプションによる文字情報の表示アドレスを受信側で変更することができるので、例えば、一定 の表示位置に固定することにより文字情報に神経が集中し易くなり、また、オープン・キャプションによる文字情報と重ならない位置に移動することにより両者を比較し易くなるという優れた効果を奏する。」(【0023】)との記載がある。 上記記載から、乙28には、映像信号に重畳して伝送された文字情報 を映像とともに画面表示するクローズド・キャプションデコーダを備えたテレビジョン受信機において、例えば、日本語字幕とクローズド・キャプションの英語字幕との重なりが避けられて両者を比較し易くなるという効果を奏する技術が開示されていることが認められる。一方で、乙28記載の上記技術は、文字情報を映像とともに画面表示するクローズ ド・キャプションデコーダを備えたテレビジョン受信機に係る技術であり、動画一般に関するものではない。 (エ) まとめ以上のとおり、乙26ないし28記載の各技術は、文字放送を前提としたテレビ受信機等に係る技術であって、動画一般に関するものではな いし、また、相違点1に係る本件発明1の構成と同一のものでもない。 そして、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28の記載から、本件出願の優先日当時、被控訴人ら主張の本件位置変更公知技術が公知であったものと認めることはできないし、被控訴人ら主張の本件位置変更慣用技術が慣用されていたものと認めることもできない。 ウ本件位置変更周知技術2について 被控訴人らは、乙48の80頁、乙61の190頁、191頁、196頁及び199頁、乙62の182頁及び188頁の記載から、本件位置変更周知技術2を認定できる旨主張する。 (ア) 乙48の記載事項乙48(「Acti 80頁、乙61の190頁、191頁、196頁及び199頁、乙62の182頁及び188頁の記載から、本件位置変更周知技術2を認定できる旨主張する。 (ア) 乙48の記載事項乙48(「ActionScript ポケットリファレンス」)には、 「09 他のインスタンスと重なっているか調べる(衝突判定)」、「解説ムービークリップインスタンスと任意のxy座標、または他のムービークリップ、ボタン、テキストフィールドインスタンスとの重なり(衝突判定)を調べるメソッドです。重なっていればtrue、いなければfalseが返ってきます。」、「上の書式で指定できるxy座標(▲、 △)はグローバル座標です。★の判定条件には、線・塗りのある領域(ヒット領域)で判定するときはtrueを、インスタンスの領域矩形で判定するときはfalseを指定します。インスタンス同士の重なりを調べる下の書式では、この判定条件を設定することはできません。常に領域矩形で判定されます。」(以上、80頁)との記載がある。 上記記載から、乙48には、ムービークリップインスタンスと他のムービークリップ、ボタン、テキストフィールドインスタンスとの重なりを調べる(衝突判定)技術が開示されていることが認められる。 (イ) 乙61の記載事項乙61(FoundationActionScriptAni mation:MakingThingsMove!)には、「衝 突検出方法 ■それぞれのオブジェクト(ムービークリップ)の実際のピクセルに基づいてテストすることができる。すなわち、このムービークリップの形状があのムービークリップの形状に重なるか?というテストである。そして、そのテストとしては、そのムービークリップのグラフィックを作り上げる実際の視認 ことができる。すなわち、このムービークリップの形状があのムービークリップの形状に重なるか?というテストである。そして、そのテストとしては、そのムービークリップのグラフィックを作り上げる実際の視認可能なピクセルについて考えるか、ある いは、そのムービークリップの長方形の境界に基づいてテストするか? (という方法がある。)そのため、この方法は、どのように適用されるかについていくつかの選択肢を有している。この衝突検出の形式は、Flashに組み込まれている。■ 距離に基づいてテストすることもできる。2つのオブジェクト間の距離を計り、「これらが衝突するのに十 分なほど近いか?」を問うのである。これは、設定者自身の役割の衝突検出方法に近い。距離を計算し、オブジェクトが十分に近づくのがいつなのかを決定する必要がある。」、「hitTestを埋め込む」「かねてよりFlashムービークリップは、hitTestと呼ばれる方法を備え付けられていた。」(以上、190頁)、「以下の方法が、衝突が生じ ているか否かを決定するもっとも単純な方法である。すなわち、最初のオブジェクトを指定し、その周りを長方形で囲む。長方形の上部の辺は、オブジェクトのグラフィックの視認可能なピクセルの最上部を通り、下部の辺は、視認可能なピクセルの最下部を通り、左右の辺は、視認可能なピクセルの最遠部を通る。そして、それに対してテストするオブジェ クトについても同様の処理をする。そのうえで、これらの2つの長方形が何らかの方法で交差するか否かをチェックする。もし交差するなら、衝突が生じている。」(191頁)、「距離に基づく衝突検出このセクションでは、方法群にhitTestを組み込むことを放棄し、自身の手により衝突検出を行う。これは2つのオプジェクトが衝突するか否かを 衝突が生じている。」(191頁)、「距離に基づく衝突検出このセクションでは、方法群にhitTestを組み込むことを放棄し、自身の手により衝突検出を行う。これは2つのオプジェクトが衝突するか否かを 決定するために、これらの間の距離を用いる方法も含んでいる。」(19 6頁)、「弾くことに基づく衝突距離に基づくhitTestのよい作動例をもたらすことに伴う問題は、完全なプログラムが、2つのオブジェクトがぶつかったときの反応や、多くのオブジェクト間での交差を効率的に操る方法といった、未だ論じていないことと関連する多くの問題を含むであろうことである。しかし、私は、未だ見せていないものをさ ほど多く使わずに、hitTestを説明するものを何とか作り出した。」、「以下がそのアイデアである。すなわち、表示画面の真ん中に、センターボールと呼ばれる、ひとつの大きな円のムービークリップを設置する。そして、より小さな円のムービークリップ群を加え、それらの円には、ランダムのサイズと速度を設定する。これらは、基本的なモー ションコードに基づいて動き、壁で跳ね返る。それぞれの円の縁において、動いているそれぞれのボールとセンターボールとの間における、距離に基づく衝突チェックを行う。もし衝突する場合、二つのボールの間の角度と衝突を避けるための最短の距離に基づいて弾く対象のオフセットを計算する。分かった、これは分かりにくかったかもしれない。それ が意味すること全ては、もし動くボールがセンターボールに衝突した場合、そのボールを再度跳ね返させるということである。センターボールのちょうど外側に対象を設定することで、これを行う。すると、ひとたびボールが対象に達すれば、もはや衝突しないため、弾く動作は終わり、そして、それは単に通常のモーショ ということである。センターボールのちょうど外側に対象を設定することで、これを行う。すると、ひとたびボールが対象に達すれば、もはや衝突しないため、弾く動作は終わり、そして、それは単に通常のモーションコードに基づいて動くことにな る。」、「その結果は、大きな泡に泡が跳ね返るようなものであり、図9-4に示されるようになる。小さな泡は、その移動速度に応じて、大きな泡に少しだけ入り込むが、跳ね返される。」(以上、199頁)との記載(原文英語の抄訳)がある。 上記記載から、乙61には、二つのオブジェクト(ムービークリップ) が衝突するか否かを判定する衝突チェックを行い、衝突する場合、一方 のオブジェクトが他方から跳ね返される技術が開示されていることが認められる。 (ウ) 乙62の記載事項乙62(「Web制作演習FlashMX2004」)には、「ヒット領域を判別するアクション」、「hitTestを使う」、「Action Scriptの「hitTest();」は、重なる領域をもったインスタンスと、ヒット領域が重なるかどうかを判定します。重なっている場合はtrue、重なっていない場合はfalseを返します。」、「hitTestの利用例このLessonでは、hitTestを使い、ステージに置いてある判定用のムービークリップ「topicFitB ase」の上に、ポップアップウィンドウが来ると、ぴったりとポップアップウィンドウが貼り付き、吸着するように元の位置にもどるようにしています。」(以上、182頁)、「移動したポップアップウィンドウをある一定の位置に移動させると、元の位置に戻るようにします。」、「ここでは、ポップアップウィンドウが最初に配置されていたのと同じ座標 位置に、別のインスタンスを配置しておきま ップウィンドウをある一定の位置に移動させると、元の位置に戻るようにします。」、「ここでは、ポップアップウィンドウが最初に配置されていたのと同じ座標 位置に、別のインスタンスを配置しておきます。ポップアップウィンドウとそのインスタンスが重なったとき、ポップアップウィンドウの座標にインスタンスの座標を代入します。こうすることで、ポップアップウィンドウが元の座標位置に戻ることになります。」(以上、188頁)との記載がある。 上記記載から、乙62には、判定用のムービークリップ「topicFitBase」の上にポップアップウィンドウが重なると、ポップアップウィンドウが元の座標位置に戻るようにした技術が開示されていることが認められる。 (エ) まとめ 以上のとおり、乙48には、ムービークリップインスタンスと他のム ービークリップインスタンスとの重なりを調べる(衝突判定)技術、乙61には、二つのオブジェクト(ムービークリップ)が衝突するか否かを判定する衝突チェックを行い、衝突する場合、一方のオブジェクトが他方から跳ね返される技術、乙62には、判定用のムービークリップ「topicFitBase」の上にポップアップウィンドウが重なると、 ポップアップウィンドウが元の座標位置に戻るようにした技術が開示されているが、重なると判定された場合、単に、一方のオブジェクトが他方から跳ね返され、又はポップアップウィンドウが元の座標位置に戻るというものであり、これらが重ならない位置に表示されるよう調整する機能(表示制御機能)を行うものとはいえない。また、乙48、61及 び62記載の各技術は、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)と同一のものでもない。 そして、被控訴人らが根拠とする乙48、61及 のとはいえない。また、乙48、61及 び62記載の各技術は、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)と同一のものでもない。 そして、被控訴人らが根拠とする乙48、61及び62の記載から、本件出願の優先日当時、被控訴人ら主張の本件位置変更周知技術2が周知であったものと認めることはできない。 エ相違点1の容易想到性について被控訴人らは、当業者は、乙17発明において、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものである旨主張する。 しかしながら、前記イ及びウのとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術及び本件位置変更周知技術2をいずれも認めることはできないから、被控訴人らの上記主張は、その前提を欠くものであり、採用することができない。 オ小括 以上のとおり、被控訴人ら主張の乙17発明において相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものと認めることはできない。 また、本件発明2の構成要件2F及び2Gは、それぞれ本件発明1の構成要件1F及び1Gに相当するものであるから、上記と同様に、乙1 7発明において本件発明2の構成要件2F及び2Gの構成とすることを容易に想到することができたものと認めることはできない。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主張の無効理由1は理由がない。 ⑵ 争点5-2(乙18公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由2))に ついてア被控訴人 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主張の無効理由1は理由がない。 ⑵ 争点5-2(乙18公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由2))に ついてア被控訴人らは、①乙18には、下記のとおりの乙18発明(原判決137頁16行目から138頁2行目まで)が記載されている、②本件発明1と乙18発明は、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する 判定部(構成要件1F)と、重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部(構成要件1G)とを備えているのに対し、乙18発明はかかる構成を備えていない点でのみ相違(相違点1)する、③当業者は、乙18発明において、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又 は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張する。 【乙18発明】「(ア) 動画を再生するとともに動画上にテキストを表示する表示装置 であって (イ) 動画に対応付けられている単数又は複数のテキストデータを収集しログファイルに格納する格納部と(ウ) 当該動画を再生して表示する動画再生部と(エ) 前記テキストデータを読み込んで単数又は複数のテキストデータを表示する単数又は複数のテキストデータ表示部を有し (オ) 前記単数又は複数のテキストデータを前記動画の少なくとも一部に重畳して表示し(カ) ことを特徴とする表示装置」イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙 (オ) 前記単数又は複数のテキストデータを前記動画の少なくとも一部に重畳して表示し(カ) ことを特徴とする表示装置」イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から、本件位置変更公知技 術、本件位置変更慣用技術及び本件位置変更周知技術2をいずれも認めることはできず、当業者が乙18発明において相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものと認めることはできないから、被控訴人らの前記主張は、その前提を欠くものであって、採用することができない。本件発明 2についても、これと同様である。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主張の無効理由2は理由がない。 ⑶ 争点5-3(乙19公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由3))について ア被控訴人らは、①乙19には、下記のとおりの乙19発明(原判決146頁11行目から147頁6行目まで)が記載されている、②本件発明1と乙19発明は、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部(構成要件1F)と、重なると判定された場合に前記第1コメン トと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表 示位置制御部(構成要件1G)とを備えているのに対し、乙19発明はかかる構成を備えていない点でのみ相違(相違点1)する、③当業者は、乙19発明において、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することが できたもので て、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することが できたものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張する。 【乙19発明】「(ア) 複数のライブ閲覧者端末21から送信される単数又は複数のチャットのメッセージを受信して各ライブ閲覧者端末21へ配信するライブ配信サーバ100と、ライブ配信サーバ100に接続され動画を 再生するとともに、動画上にチャットのメッセージを表示するライブ閲覧者端末21とを有するライブ配信システムにおけるライブ閲覧者端末21であって、(イ) 単数又は複数の発言(チャットのメッセージ)と、前記発言がなされた時点におけるライブ開始からの差分時間を表す発言時間とを一 時的に記憶するメモリ(差分時間メモリ)と、(ウ) ライブ配信サーバ100がライブ閲覧者端末21からチャット入力情報を受信する毎にライブ配信サーバ100から送信されるチャット入力情報を受信し、メモリに記憶する通信装置22と、(エ) ライブ閲覧者端末21において、ライブ配信サーバ100に接続 され動画を再生させる動画再生部と、(オ) 再生される動画の動画再生時間に基づいて、メモリに記憶された単数又は複数のメッセージのうち、前記動画の動画再生時間に対応する発言時間(発言情報)が対応づけられたメッセージをメモリから読み出し、読み出したメッセージを動画上にスクロール表示するメディ ア専用プレイヤー23と、 (カ) を有することを特徴するライブ閲覧者端末21。」イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から イヤー23と、 (カ) を有することを特徴するライブ閲覧者端末21。」イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術及び本件位置変更周知技術2をいずれも認めることはできず、当業者が乙19発明において相違点1に係る本件発明 1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものと認めることはできないから、被控訴人らの前記主張は、その前提を欠くものであって、採用することができない。本件発明2についても、これと同様である。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主 張の無効理由3は理由がない。 ⑷ 争点5-4(乙20文献を主引用例とする進歩性欠如(無効理由4))についてア被控訴人らは、①乙20には、下記のとおりの乙20発明(原判決152頁10行目から21行目まで)が記載されている、②本件発明1と乙 20発明は、本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、「水平方向に移動する」(構成要件1E)のに対し、乙20発明においては、この点が不明である点(相違点1)、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部(構成要件1F)と、重なると判定された場 合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部(構成要件1G)とを備えているのに対し、乙20発明はかかる構成を備えているか否かが不明である点(相違点2)でのみ相違する、③相違点1に関し、当業者は、乙20発明において、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術 対し、乙20発明はかかる構成を備えているか否かが不明である点(相違点2)でのみ相違する、③相違点1に関し、当業者は、乙20発明において、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術 である、端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向に スクロール表示する技術(乙29ないし33等)を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1Eの構成)とすることを容易に想到することができたものである、④相違点2に関し、当業者は、乙20発明において、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点2に係る本件発明1の構成(構 成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張する。 【乙20発明】「(ア) 映像を再生するとともに、当該映像に付与された単数又は複数のアノテーションを表示する表示装置であって (イ) 前記アノテーションを映像の時間軸に合わせるための時間に関する情報が保存されており(ウ) 映像を再生する映像表示領域に当該動画を再生して表示する動画再生部と(エ) 前記再生される映像の時間軸に基づいて、アノテーションを読み 出し、当該アノテーションを動画上に表示する表示部を有する(オ) システム」イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術及び本件位置変更周知技術2をいずれも認め ることはできず、当業者が乙20発明において相違点2に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものと認めることはできな 知技術2をいずれも認め ることはできず、当業者が乙20発明において相違点2に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものと認めることはできないから、被控訴人らの前記主張は、その前提を欠くものであって、採用することができない。本件発明2についても、これと同様である。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主 張の無効理由4は理由がない。 ⑸ 争点5-5(乙21公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由5))についてア被控訴人らは、①乙21には、下記のとおりの乙21発明(原判決160頁末行から161頁15行目まで)が記載されている、②本件発明1 と乙21発明は、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部(構成要件1F)と、重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部(構成要件1G)とを備えているのに対し、乙21発明はか かる構成を備えているか否かが不明な点でのみ相違(相違点1)する、③当業者は、乙21発明において、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨 主張する。 【乙21発明】「(ア) サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備える動画とテキストを同時に配信するシステムであって、(イ) 動画を再生するとともに、動画上に単数又は複数のテキストを、 両者が同 これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備える動画とテキストを同時に配信するシステムであって、(イ) 動画を再生するとともに、動画上に単数又は複数のテキストを、 両者が同時に見えるように表示する複数の情報端末装置200を備え、(ウ) 単数又は複数のテキストと、動画再生開始時点からの相対時刻情報(当該動画の再生中におけるテキストの再生時刻情報)とを一時的に記憶する表示メモリ272と、(エ) 動画を表示する動画エリアに当該動画を再生して表示するととも に、再生される動画の動画再生時間に基づいて、表示メモリ272に 記憶された情報のうち、動画の動画再生時間に対応する相対時刻に対応する単数又は複数のテキストを表示メモリ272から読み出し、当該読み出されたテキストを、データエリアにスクロールさせるとともに動画の少なくとも一部と重なって表示させる表示制御部270とを有する。」 イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術及び本件位置変更周知技術2をいずれも認めることはできず、当業者が乙21発明において相違点1に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到する ことができたものと認めることはできないから、被控訴人らの前記主張は、その前提を欠くものであって、採用することができない。本件発明2についても、これと同様である。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主張の無効理由5は理由がない。 ⑹ 争点5-6(乙24公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由6))についてア被控訴人らは、①乙24には、下記のとおりの乙24 までもなく、被控訴人ら主張の無効理由5は理由がない。 ⑹ 争点5-6(乙24公報を主引用例とする進歩性欠如(無効理由6))についてア被控訴人らは、①乙24には、下記のとおりの乙24発明(原判決170頁3行目から14行目まで)が記載されている、②本件発明1と乙24発明は、本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、 「水平方向に移動する」(構成要件1E)のに対し、乙24発明においては、この点が不明である点(相違点1)、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部(構成要件1F)と、重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示さ れるよう調整する表示位置制御部(構成要件1G)とを備えているのに 対し、乙24発明はかかる構成を備えているか否かが不明である点(相違点2)でのみ相違する、③相違点1に関し、当業者は、乙24発明において、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術である、端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロール表示する技術(乙29ないし33等)を適用して、相違点1 に係る本件発明1の構成(構成要件1Eの構成)とすることを容易に想到することができたものである、④相違点2に関し、当業者は、乙24発明において、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点2に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができた ものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張する。 【乙24発明】「(ア) 動画を再生するとともに、前記動画上に単数又は複数のチャットメ )とすることを容易に想到することができた ものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張する。 【乙24発明】「(ア) 動画を再生するとともに、前記動画上に単数又は複数のチャットメッセージを表示する表示装置であって、(イ) 前記チャットメッセージを記録するチャットサーバと (ウ) 前記動画を表示する領域である第1の表示欄に当該動画を再生して表示する動画再生部と(エ) 前記チャットメッセージを読み出し、当該チャットメッセージを、前記チャットメッセージを表示する領域である第2の表示欄に表示するチャットメッセージ表示部を有する (オ) ことを特徴とする表示装置。」イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術及び本件位置変更周知技術2をいずれも認めることはできず、当業者が乙24発明において相違点2に係る本件発明 1の構成とすることを容易に想到することができたものと認めることは できないから、被控訴人らの前記主張は、その前提を欠くものであって、採用することができない。本件発明2についても、これと同様である。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主張の無効理由6は理由がない。 ⑺ 争点5-7(乙25文献を主引用例とする進歩性欠如(無効理由7))に ついてア被控訴人らは、①乙25には、下記のとおりの乙25発明(原判決179頁6行目から25行目まで)が記載されている、②本件発明1と乙25発明は、本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、「水平方向に移動する」(構成要件1E)のに対し、乙25発明において は、この点が不明である点 載されている、②本件発明1と乙25発明は、本件発明1においては、第1コメント及び第2コメントが、「水平方向に移動する」(構成要件1E)のに対し、乙25発明において は、この点が不明である点(相違点1)、本件発明1が、第2コメントを動画上に表示させる際の表示位置が前記第1コメントの表示位置と重なるか否かを判定する判定部(構成要件1F)と、重なると判定された場合に前記第1コメントと前記第2コメントとが重ならない位置に表示されるよう調整する表示位置制御部(構成要件1G)とを備えているのに 対し、乙25発明はかかる構成を備えているか否かが不明である点(相違点2)でのみ相違する、③相違点1に関し、当業者は、乙25発明において、動画編集ソフトやプログラミングの基本技術であり、慣用技術である、端末装置の画面上に表示されたテキストを水平又は垂直方向にスクロール表示する技術(乙29ないし33等)を適用して、相違点1 に係る本件発明1の構成(構成要件1Eの構成)とすることを容易に想到することができたものである、④相違点2に関し、当業者は、乙25発明において、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術又は本件位置変更周知技術2を適用して、相違点2に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができた ものであるから、本件発明1は進歩性を欠如する旨主張する。 【乙25発明】「(ア) 映像を再生するとともに、前記映像上に単数又は複数のコメントを表示する表示装置であって、(イ) ウインドウ110の下部にあるメッセージ・サブジェクトは、視聴者が視聴しているAV製品のタイムライン・ポイントに実質的に対 応する開始時刻を有しており、ストレージ・システム1230は、視聴者が入力したコ 110の下部にあるメッセージ・サブジェクトは、視聴者が視聴しているAV製品のタイムライン・ポイントに実質的に対 応する開始時刻を有しており、ストレージ・システム1230は、視聴者が入力したコメントとともに、AV製品のタイムラインのポイントとの関係に関する情報(CT関係情報)を蓄積する。 (ウ) AV製品を表示する領域であるウインドウ120(図1B)に当該AV製品を再生して表示する動画再生部と、 (エ) 前記再生されるAV製品の再生時間に基づいて、ストレージ・システム1230に蓄積されたCT関係情報のうち、前記AV製品のタイムラインに対応するコメント入力時間に対応するコメントをストレージ・システム1230から読み出し、当該読み出されたコメントを、前記コメントを表示する領域であるウインドウ110及び150に表 示するコメント表示部と、を有する(オ) ことを特徴とする表示装置。」イしかしながら、前記⑴エで説示したとおり、被控訴人らが根拠とする乙26ないし28、48、61及び62の記載から、本件位置変更公知技術、本件位置変更慣用技術及び本件位置変更周知技術2をいずれも認め ることはできず、当業者が乙25発明において相違点2に係る本件発明1の構成(構成要件1F及び1Gの構成)とすることを容易に想到することができたものと認めることはできないから、被控訴人らの前記主張は、その前提を欠くものであって、採用することができない。本件発明2についても、これと同様である。 したがって、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人ら主 張の無効理由7は理由がない。 ⑻ 争点5-8(明確性要件違反(無効理由8))について被控訴人らは、本件発明1の構成要件1Cの「前記端末装置に、前記動画と、コメント情 、被控訴人ら主 張の無効理由7は理由がない。 ⑻ 争点5-8(明確性要件違反(無効理由8))について被控訴人らは、本件発明1の構成要件1Cの「前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し」との記載は、サーバが受信したコメントをどのタイミングで端末に送信するかが明らかでないから、本件発明1の特許 請求の範囲(請求項1)の記載は、不明確であり、明確性要件(特許法36条6項2号)に適合しない旨主張する。 しかしながら、本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)中の「サーバと、これとネットワークを介して接続された複数の端末装置と、を備えるコメント配信システムであって、前記サーバは、前記サーバから送信された動 画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コメントを受信し、前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し、」との記載によれば、構成要件1Cの「前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し」にいう送信のタイミングは、前記サーバが、動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コ メントを受信した後であることを理解できるから、構成要件1Cの「前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し」の内容は明確である。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由8は理由がない。 ⑼ 争点5-9(サポート要件違反(無効理由9))について被控訴人らは、①本件明細書の【0008】の記載は、【0004】の記 載と併せると、コメント配信サーバがコメントを受信すると、「その都度」当該コメントを端末装置に送信することを記載したものと解すべきであるところ、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がどのタイミングでコメント情報を受信するか 、「その都度」当該コメントを端末装置に送信することを記載したものと解すべきであるところ、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がどのタイミングでコメント情報を受信するかについての記述がなく、リアルタイムでのコメントのやり取りを行うことは不可能であることからする と、請求項1及び2は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えているから、 サポート要件(特許法36条6項1号)に適合しない、②本件明細書の【0011】には、「本発明によれば、…そして、動画に対して入力されたコメント情報のうち、消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにしたので、そのコメントが動画にふさわしくないコメントであるか否かについて、ユーザの意思を考慮し た表示をすることができ、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性を向上させることが可能となる。」との記載があるところ、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2)には、端末装置がコメントを表示することについての記載はあっても、表示しないことについての記載はないことからすると、発明の詳細な説明に記載された発明の課題を解決する ための手段が反映されておらず、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えているから、サポート要件に適合しない旨主張する。 そこで検討するに、サポート要件は、「特許を受けようとする発明が明細書の発明の詳細な説明に記載したものでなければならない」(特許法36条6項1号)というものであり、発明の詳細な説明に開示(サポート)されて いない技術の独占をあらかじめ防止するための要件であるから、サポート要件違反を主張する場合には、特定の発明特定事項が明細書の記載との関係で、それが広すぎること な説明に開示(サポート)されて いない技術の独占をあらかじめ防止するための要件であるから、サポート要件違反を主張する場合には、特定の発明特定事項が明細書の記載との関係で、それが広すぎることを具体的に主張する必要があると解するのが相当である。 しかるところ、被控訴人らの上記主張は、本件発明1及び2の発明特定事項を特定して、その記載が明細書の記載との関係で広すぎることを具体的 に指摘するものではなく、かえって、明細書の記載が特許請求の範囲に記載されていないことを指摘するにすぎないものであるから、その主張自体理由がない。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由9は理由がない。 ⑽ 争点5-10(実施可能要件違反(無効理由10))について 被控訴人らは、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2) には、端末装置がどのタイミングでコメント情報を受信するかについての記述がなく、リアルタイムでのコメントのやり取りを行うことは不可能であり、また、本件明細書の【0011】には、「消去対象であるコメント情報を示すコメント消去要求が入力されると、そのコメントを表示しないようにした」との記述があるが、本件発明1及び2の特許請求の範囲(請求項1及び2) には、端末装置がコメントを表示することについての記載はあっても、表示しないことについての記載はないから、一つの請求項から発明を把握できない場合に該当するから、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明1及び2の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものといえず、実施可能要件(特許法36条4項1号)に適合しない旨主張 する。 しかしながら、前記⑻で説示したとおり、本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)の記載から、構成要件1Cの「前記端末装 といえず、実施可能要件(特許法36条4項1号)に適合しない旨主張 する。 しかしながら、前記⑻で説示したとおり、本件発明1の特許請求の範囲(請求項1)の記載から、構成要件1Cの「前記端末装置に、前記動画と、コメント情報とを送信し」にいう送信のタイミングは、前記サーバが、動画を視聴中のユーザから付与された前記動画に対する第1コメント及び第2コ メントを受信した後であることを理解できるし、また、請求項1及び2に、端末装置がコメントを表示しないことについての記載がないからといって、一つの請求項から発明を把握できない場合に該当するものとはいえないから、被控訴人ら主張の無効理由10は、その前提を欠くものであって、理由がない。 ⑾ 争点5-11(先願要件違反(無効理由11))について被控訴人らは、別件訴訟(乙15)において請求の根拠とされた特許第4695583号(別件訴訟特許2)は、本件出願前に出願(特願2006-333851号。出願日平成18年12月11日。乙11)されたところ、本件発明1及び2は、別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明と同一 又は実質的に同一であるから、先願要件(特許法39条)に違反し、特許を 受けることはできない旨主張する。 しかしながら、本件発明1及び2と別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明とは、少なくとも、①別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明は、いずれも「コメント情報を受信する毎に」との要件を含むのに対し、本件発明1及び2はそのような要件を含まない点、②本件発明1及び2は、 いずれも第1及び第2コメントが水平方向に移動する旨の要件を含むのに対し、別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明はそのような要件を含まない点で相違するから、被控訴人らの上記主張は採用 は、 いずれも第1及び第2コメントが水平方向に移動する旨の要件を含むのに対し、別件訴訟特許2の請求項1ないし3に係る発明はそのような要件を含まない点で相違するから、被控訴人らの上記主張は採用することができない。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由11は理由がない。 ⑿ 争点5-12(分割要件違反による新規性及び進歩性欠如(無効理由1 2))について被控訴人らは、㋐本件出願は、本件原出願(乙9)の一部を順次分割した特許出願(①ないし⑦の出願)を更に分割した特許出願(⑧の出願)であるところ、④ないし⑧の出願の出願時の請求項1は、③の出願の請求項1と同一であり、⑤ないし⑦の出願に係る補正後の請求項1は、④の出願の請求 項1と同一である、㋑⑥及び⑦の出願は、③の出願と同一の請求項で出願し、その後、④の出願と同一の補正をしたが、④の出願と同一であることを理由に拒絶査定に至っている、㋒④ないし⑦の出願(特に⑥及び⑦の出願)は、補正時期の制限(特許法17条の2第1項、3項)の脱法として用いた濫用的分割出願というべきものであるから、これらの出願については、分割出願 は原出願の時にしたものとみなすという分割出願の効果(特許法44条2項)は生じない、㋓本件出願の出願日は、現実の出願日である平成30年10月29日となるから、本件発明1 及び2は、④ないし⑦の出願の明細書等に記載された発明との関係において、新規性及び進歩性の要件を満たさないとして、本件特許には、新規性欠如及び進歩性欠如の無効理由がある旨主張する。 しかしながら、本件出願(⑧の出願)は、本件原出願及び①ないし⑦の 出願との関係において、特許法44条1項所定の「二以上の発明を包含する特許出願」から分割した「新たな特許出願」に該当するものと認められる 、本件出願(⑧の出願)は、本件原出願及び①ないし⑦の 出願との関係において、特許法44条1項所定の「二以上の発明を包含する特許出願」から分割した「新たな特許出願」に該当するものと認められるから(甲2、乙1ないし9(枝番を含む。))、本件出願の出願日は、同条2項により、本件原出願時(出願日平成19年3月2日)に遡及するというべきである。 また、平成18年法律第55号による特許法改正(平成19年4月1日施行)により、分割出願制度の濫用を抑止する趣旨で、分割出願の審査における拒絶理由が、原出願等で既に通知された拒絶理由と同一であるときは、その旨を併せて通知することとし(特許法50条の2)、その通知を受けた場合には、最後の拒絶理由通知を受けた場合と同様の補正制限を課すこと (特許法17条の2第5項)とされたが、その改正の前後を通じて、特許法上、同じ発明を繰り返して分割出願すること自体を不適法とする旨の規定は存在しないことに照らすと、被控訴人ら主張の出願の経緯は、上記認定を左右するものではないというべきである。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由12は理由がない。 ⒀ 争点5-13(優先権主張の要件違反による進歩性欠如等(無効理由13))について被控訴人らは、①本件原出願の優先権主張の基礎とする出願(特願2006-333850号)は、補正要件を満たしておらず、本件原出願について優先権主張(特許法41条1項1号)は許されないから、特許に関する登録 情報の信用性および画一的判断の必要の観点から、本件出願の現実の出願日(平成30年10月29日)を基準時として、本件発明1及び2の新規性及び進歩性が判断されるべきであること、②控訴人は、「ニコニコ動画」という名称で、本件発明1及び2に係る技術を用いたサービ の出願日(平成30年10月29日)を基準時として、本件発明1及び2の新規性及び進歩性が判断されるべきであること、②控訴人は、「ニコニコ動画」という名称で、本件発明1及び2に係る技術を用いたサービスを平成18年12月12日に公開していること、当時の運営会社であるニワンゴは、上記サー ビス公開後の平成19年1月以降積極的にプレスリリースを出しており、そ の技術は公知のものとなっていること、遅くとも、本件出願時点では、別件訴訟特許2は公開(乙11)され、本件発明1及び2は公知となっていることからすると、本件発明1及び2は、進歩性がない旨主張する。 しかしながら、本件原出願の国内優先権主張の基礎とされた特願2006-333850号の出願について、被控訴人らの主張する補正要件違反が あるか否かは、本件原出願の優先権主張に影響しないものであり(特許法41条1項)、また、本件原出願において不適法な補正は行われておらず、本件出願は適法な分割出願であるから、被控訴人ら主張の無効理由13は理由がない。 ⒁ 争点5-14(公序良俗違反(無効理由14))について 被控訴人らは、別件訴訟の第1審判決(乙15)は、別件訴訟特許2に係る発明は、端末からコメント情報を受信する「毎に」端末にコメント情報を送信するものであるが、被控訴人FC2のプログラムは、この要件を満たさないなどとして、本件発明1及び2の技術的範囲に属さないと判断したところ、控訴人は、別件訴訟の結果を覆すことを目的として、上記の「毎に」 の要件を外した本件発明1及び2について本件出願をしたものであるから、本件発明1及び2は、特許法32条の「公の秩序」を害するおそれがある発明に該当する旨主張する。 しかしながら、本件において、被控訴人ら主張の事情があるとしても、 ついて本件出願をしたものであるから、本件発明1及び2は、特許法32条の「公の秩序」を害するおそれがある発明に該当する旨主張する。 しかしながら、本件において、被控訴人ら主張の事情があるとしても、そのことから、本件発明1及び2が特許法32条の「公の秩序」を害するお それがある発明に該当するものと認めることはできない。 したがって、被控訴人ら主張の無効理由14は理由がない。
▼ クリックして全文を表示