平成14(行ウ)7 平成14年(行ウ)第8号 相続税物納申請却下処分取消請求(乙事件)

裁判年月日・裁判所
平成14年5月10日 名古屋地方裁判所
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判決文本文8,886 文字)

主文 1 甲事件原告ら及び乙事件原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は甲事件原告ら及び乙事件原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 甲事件甲,乙両事件被告が,甲事件原告らに対し,平成12年5月25日付けでした,亡Aの相続税に関する相続税物納申請却下処分を取り消す。 2 乙事件甲,乙両事件被告が,乙事件原告に対し,平成12年5月25日付けでした,亡Aの相続税に関する相続税物納申請却下処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,甲事件原告ら及び乙事件原告(以下,個別には「原告Bら」,「原告C」といい,両者を併せて「原告ら」という。)が,甲,乙両事件被告(以下「被告」という。)に対し,相続税法(以下「法」という。)42条に基づいて物納申請をしたところ,被告がこれを却下したことから,同却下処分の取消しを求めた抗告訴訟である。 1 争いのない事実等(1) 原告らは,亡A(平成5年1月18日死亡,以下「A」という。)の相続人であり,同人の死亡に伴って開始した相続に係る相続税について,課税価格を9億3573万3000円,納付税額を5億1135万1400円とする期限内申告書を,同年10月28日に千種税務署長あてに提出した。Aの法定相続人は,原告らの外にDがいる。 (2) 原告ら及びDは,平成5年11月1日,千種税務署長に対し,別紙物件目録(1)(別紙省略)記載の土地の持分各4分の1をそれぞれを物納財産とする相続税物納申請書を提出した(以下「第1次物納申請」という。)。 被告は,平成6年1月18日,国税通則法43条3項により,千種税務署長から上記相続税について徴収の引継ぎを受け,同年2月2日付けで,原告らに対し,相続税物納財産変更要求通知処分(以下「本件変更通知処分」という。)をした。原告らは,本件変更通知処 により,千種税務署長から上記相続税について徴収の引継ぎを受け,同年2月2日付けで,原告らに対し,相続税物納財産変更要求通知処分(以下「本件変更通知処分」という。)をした。原告らは,本件変更通知処分を不服として異議申立て及び審査請求をしたが,いずれも棄却となったため,同処分の取消しを求める訴えをそれぞれ提起したが(原告Cにつき名古屋地方裁判所平成7年(行ウ)第33号,原告Bらにつき同裁判所同第34号),同訴訟についてはいずれも原告らの請求を棄却する判決が確定したため(言渡日は,原告Cにつき平成9年3月28日,原告Bらにつき平成11年1月22日),本件変更通知処分は確定した。 また,被告は,Dに対し,平成6年4月11日,相続税物納申請却下処分を行い,Dは同処分に対して異議申立てを行わなかったことから,同処分は確定した。 (3) 原告Cは,平成9年4月17日,被告に対し,第1次物納申請に係る土地のうちから別紙物件目録(1)の4及び7の土地を除外した上,新たに別紙物件目録(2)の4記載の土地を追加した合計6筆の土地(同目録(2)記載の土地。以下「本件各土地」という。)の持分4分の1を物納財産とする相続税物納申請書を提出し(以下「第2次物納申請」という。),原告Bらは,平成11年2月8日,被告に対し,原告Cの第2次物納申請と同様に,本件各土地の持分各4分の1を物納財産とする相続税物納申請書を提出した(以下「第3次物納申請」という。)。 被告は,平成12年5月25日,第2次物納申請及び第3次物納申請をいずれも却下する旨の処分をした(以下,これらを併せて「本件各処分」という。)。 本件各処分は,第2次物納申請及び第3次物納申請が,法42条2項ただし書にいう「申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不適当とする事由(相続税法基本通達42-2(1) 本件各処分」という。)。 本件各処分は,第2次物納申請及び第3次物納申請が,法42条2項ただし書にいう「申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不適当とする事由(相続税法基本通達42-2(1)ハに該当)が消滅しないため」を理由とするものである。 (4) 本件各土地については,いずれも,平成5年1月25日付けで,同月18日の相続を原因として,Aから原告ら及びDに対する持分各4分の1の所有権移転登記が経由されており,そのうちD持分については,同日付けで,同月18日の代物弁済を原因として,同人から第三者であるEに持分全部の移転登記が経由されている(以下「本件持分移転登記」という。)。 原告Bらは,Eに対し,本件持分移転登記の抹消登記手続を求めることなどを内容とする訴え(名古屋地方裁判所平成7年(ワ)第2600号持分全部移転登記抹消登記手続等請求事件,以下,同訴訟については上訴審を含めて「別件訴訟」という。)を提起し,平成12年2月18日,上記請求についてはこれを認容する判決がなされたが,Eの控訴により,控訴審の名古屋高等裁判所において,同年11月29日,原判決を取り消し,上記請求を棄却する判決がなされた。原告Bらは,同年12月13日に上告し,現在上告審に係属中である(最高裁判所平成12年(ネオ)第160号)。 (5) Dは,Aに対する殺人及び現住建造物放火の罪により起訴され(以下「刑事事件」という。),平成9年11月11日に名古屋地方裁判所において無期懲役の有罪判決を言い渡された。これに対し,Dは控訴したが,控訴審である名古屋高等裁判所において平成10年11月19日に控訴棄却の判決がなされ,さらに,上告審で平成12年12月20日に上告棄却の決定がなされ,これに対する異議申立ても平成13年1月15日に棄却されたことにより,前記有 いて平成10年11月19日に控訴棄却の判決がなされ,さらに,上告審で平成12年12月20日に上告棄却の決定がなされ,これに対する異議申立ても平成13年1月15日に棄却されたことにより,前記有罪判決は確定した。 2 争点第2次物納申請及び第3次物納申請が,法42条2項ただし書にいう「申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不適当であると認める場合」に該当するか。 3 争点に関する当事者の主張(1) 原告らの主張物納制度は,納税者の事情や利益を考慮して設けられた制度であるから,要件の解釈に当たっては,これらが重視されなければならない。本件では,相続税の財源としては,本件各土地しか存在しないことから,原告らは,E名義の共有持分が実際にはDのものであることを明らかにした上で,同登記の抹消登記手続請求訴訟を提起するなど出来る限りの努力を尽くしてきたものであり,かつ原告ら代理人及び税理士らと名古屋国税局の担当者らが協議を重ねてきたところである。 このように,本件には,物納財産の適格性(管理又は処分をするのに不適当な財産か否か)の形式的適用が著しく不合理な結果をもたらす特別な事情があるにもかかわらず,被告は,以下のとおり,実体的権利関係の調査を尽くすことなく,登記簿を形式的に調査し,内容虚偽の登記の外観を鵜呑みにして本件各処分をしたものであって,同処分は違法である。 アまず,共有者全員が持分全部を物納申請することを要するとの被告主張については,なるほど,本件各土地は,原告ら及びDの共有に係る土地であるが,Dは第1次物納申請により物納の意思を表示しているのであるから,第2次物納申請及び第3次物納申請は,共有者全員が物納申請をした場合に該当するというべきである。 また,DはAを殺害した犯人であり,平成9年11月11日に名古屋地方裁判所にお しているのであるから,第2次物納申請及び第3次物納申請は,共有者全員が物納申請をした場合に該当するというべきである。 また,DはAを殺害した犯人であり,平成9年11月11日に名古屋地方裁判所において無期懲役が言い渡され,平成10年11月19日に名古屋高等裁判所において控訴棄却の判決が言い渡されているから,この刑事裁判が確定し,ひいては同人は相続欠格者であることが確定すれば,本件各土地について無権利者となり,共同相続人たる資格を喪失する。そして,欠格となったDの代襲相続人については,現在,不在者財産管理人選任申立てがなされており,近日中に選任されるべき不在者財産管理人によって物納申請がなされる予定であるから,同申請がなされれば,共有者全員により物納申請がなされている状態となる。 イ次に,DからEに対する本件持分移転登記が現在もされたままであることは認めるが,その原因とされたDからEへの代物弁済は,債権金額が2億8000万円程度とされていたにもかかわらず,上記持分の評価額は9億円に近いから,暴利行為に該当し,公序良俗に反し無効である。したがって,Eは無権利者であり,Eに対する本件持分移転登記は別件訴訟により抹消される見込みであり,現に,名古屋地方裁判所は,平成12年2月18日に上記登記の抹消登記手続等の請求を認容する判決を言い渡している。このような実体的権利関係は,実質的な調査を行えば容易に判明したはずであり,被告は,このような調査を尽くすべき義務を課せられているというべきである。にもかかわらず,被告は,上記民事訴訟が控訴審に係属中に,かつ近い将来において上告審判決が言い渡され,確定することが予想された時点で,本件各処分を行ったもので,このようなやり方は,原告ら及び代襲相続人らによる物納の可能性を奪う結果となって,課税における基本原則 将来において上告審判決が言い渡され,確定することが予想された時点で,本件各処分を行ったもので,このようなやり方は,原告ら及び代襲相続人らによる物納の可能性を奪う結果となって,課税における基本原則ともいうべき「公平課税の原則」に真っ向から反するから,信義則上も到底容認されるべきものではない。 ウ法42条3項は,税務署長が物納申請を却下する場合,「当該却下をした旨及びその理由・・・を記載した書面により,これを当該申請者に通知する。」と規定している。このように,物納申請却下処分については,理由付記が要求されているところ,本件各処分では,「物納申請財産について管理又は処分をするのに不適当とする事由(相続税法基本通達42-2(1)ハに該当)が消滅しないため。」とされていたにもかかわらず,本訴において,被告は,本件各処分の適法性の根拠として,本件各土地が係争中の物件であることを挙げ,相続税法基本通達42-2(1)ロを理由として主張している。 また,本件各処分においては,共有者全員が共有物の全部を物納する場合に該当しないとして,共有者がだれであるかという実体的権利関係を問題にしてきたにもかかわらず,本訴においては,「不動産登記簿上」の記載を根拠として主張しようとしている。 このような処分理由の差し替えないし追加が許されるのであれば,原告らに対する不意打ちとの感を払しょくできないので,このような処分理由の差し替えは許されるべきではない。 エ仮に,被告が主張するように,不動産登記簿上,持分が第三者に移転していたり,係争中であることを理由に,物納申請が許されないというのであれば,原告らはどのような方策を講ずることができるのか,被告は説明すべき義務を負うというべきである。 すなわち,被告も主張するとおり,平成5年10月8日以降,原告らの税務代理人である いというのであれば,原告らはどのような方策を講ずることができるのか,被告は説明すべき義務を負うというべきである。 すなわち,被告も主張するとおり,平成5年10月8日以降,原告らの税務代理人であるF税理士や,原告ら代理人らは,名古屋国税局等に赴き,名古屋家庭裁判所における遺産分割の進行状況や国税当局の指導に従って提起したEに対する別件訴訟の進行状況を説明してきた。しかしながら,およそ訴訟で早期に解決することは,原告ら代理人だけの努力で実現できるものではなく,このような状況下で,本件各処分がなされ,更に原告ら代理人が国税当局と協議している中で,国税不服審判所による裁決がなされた。そうであるならば,被告は,原告に対し,他にどのような相続税納付方法があるかについて説明すべきである。被告による物納許可は,期間の制限がないのであるから,上記のような特殊な事情あるいは事態が変化している状況下において,納税義務を果たそうとして努力している原告らに対し,これを不可能にする本件各処分は,裁量権の範囲を逸脱するものとして不当である。 (2) 被告の主張法42条2項ただし書は,相続税の物納が金銭納付の例外として設けられたものであることにかんがみ,国が金銭に代えて物納財産を収納した場合にも金銭納付と同等の財政的効果を上げ得るものであることを要するとの趣旨に基づくものであり,そこにいう,管理又は処分をするのに不適当な財産とは,一般的に,質権,抵当権その他の担保権の目的となっている財産,所有権の帰属等について係争中の財産,共有財産(ただし,共有者全員が持分の全部を物納する場合を除く。)及び譲渡に関して法令等に特別の定めのある財産等が該当するものと解される(相続税法基本通達42-2)。しかるところ,以下のとおり,本件各土地が物納に適さないことは明らかであ を物納する場合を除く。)及び譲渡に関して法令等に特別の定めのある財産等が該当するものと解される(相続税法基本通達42-2)。しかるところ,以下のとおり,本件各土地が物納に適さないことは明らかである。 ア共有財産であること本件各土地は,本件各処分当時,不動産登記簿上,原告ら及びEの4名の共有財産であり,しかも,Eは物納申請をしていないから,共有者全員が持分の全部を物納する場合に該当せず,管理又は処分をするのに不適当な財産に該当する。なお,原告らは,Eは無権利者であり,近日中に不在者財産管理人によって物納申請がされる予定である旨主張するが,本件各処分当時,物納申請がなされていたのは原告らの持分4分の3にすぎなかったのであるから,当時,国に対して本件各土地全部につき所有権移転登記できる状況にはなく,管理又は処分をするのに不適当である点に変わりはない。 イ所有権の帰属等について係争中の財産であること本件各土地については,本件各処分当時,別件訴訟が継続しており,原告らとEの間で本件持分移転登記の効力が争われていた。したがって,本件各土地は,この意味でも管理又は処分をするのに不適当な財産に該当する。 したがって,第2次物納申請及び第3次物納申請は,法42条2項ただし書の要件に該当するから,これらを却下した本件各処分は適法である。 第3 当裁判所の判断 1 相続税は,金銭で納付するのが原則であり,物納が許可されるのは,延納の方法によっても金銭で納付するのが困難な場合に限られ,その場合も,納付を困難とする金額を限度として許可される(法41条1項)。また,物納に充てることができる財産は限定列挙されており(同条2項),物納申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不適当である場合は,その変更を求め,その結果に基づいて申請を許可又は却下するこ 。また,物納に充てることができる財産は限定列挙されており(同条2項),物納申請に係る物納財産が管理又は処分をするのに不適当である場合は,その変更を求め,その結果に基づいて申請を許可又は却下することができるとされている(法42条2項ただし書)。 物納について上記のような規制が設けられているのは,国の税収を確保する見地から,処分が容易で,金銭による納付がなされたのと同様の税収を上げ得るものに限って物納を許可しようとしたこと,物納を受けた財産は,国有財産として国が管理するところ,管理又は処分に支障を来すおそれのある財産を物納財産として収納した場合には,租税徴収の効果を上げ得ないばかりか,かえって本来は必要でなかった費用の支出を強いられることになりかねないことを考慮してのことと解される。 すなわち,共有財産は,共有者全員が持分全部について物納申請する場合でない限り,物納を許可した場合には,国がその他の共有者と共有関係に立つこととなって,管理に支障を来すことが強く予想される上,共有持分を独立して処分することは通常の場合容易でないと考えられる。また,所有権の帰属について係争中の不動産は,事後的に所有関係が覆滅される場合がある上,係争中の紛争に国が巻き込まれる可能性もあり,管理及び処分のいずれについても支障を来すおそれが大きいと考えられる。したがって,相続税法基本通達42-2が,共有財産等を法42条2項ただし書の「管理又は処分をするのに不適当」な財産として列挙していることには合理的理由があり,上記事由に該当する財産は,物納申請後,処分の日までに当該事由が解消した等の特段の事由がない限り,法42条2項ただし書所定の財産に該当するというべきである。 2 これを本件についてみるに,前記争いのない事実等のとおり,本件各土地は,本件各処分当時,本件持分 が解消した等の特段の事由がない限り,法42条2項ただし書所定の財産に該当するというべきである。 2 これを本件についてみるに,前記争いのない事実等のとおり,本件各土地は,本件各処分当時,本件持分移転登記が経由された結果,登記簿上は原告ら及びEの共有状態となっているところ,第三者であるEからは物納申請がされていないこと,また,本件各土地の上記持分を巡って,Eと原告Bらとの間に別件訴訟が係属していたこと,以上の事実が明らかであって,このように,共有財産状態であるにもかかわらず,全員から物納申請がなされておらず,かつ所有権(本件では共有持分権)の帰属等について係争中である以上,本件各土地は,法42条2項ただし書の「管理又は処分をするのに不適当」な財産に当たるというべきである。 なお,この点に関連して,原告らは,物納財産の適格性に関する被告の主張は処分理由の差し替え等に該当し,許されないと主張するところ,前記争いのない事実等のとおり,被告は,本件各処分においては,却下の理由として相続税基本通達42-2(1)ハ(共有財産)を引用していたにもかかわらず,本訴においては,「係争中の財産(相続税法基本通達42-2(1)ロ)」であることも主張し,また,共有財産の主張についても,「不動産登記簿上」との限定を付していることが明らかである。しかしながら,処分理由の付記が要求される趣旨は,行政庁の処分理由を明らかにしてその恣意的な判断を抑制するとともに,相手方に不服申立ての便宜を与えようとするものであるところ,本件各土地が「不動産登記簿上」共有状態になっていること及びその持分の移転登記を受けたEとの間で訴訟を含む紛争状態にあったことは客観的に明白な事実であって,原告らも争っていないこと,本件各処分に対する審査請求の段階においても上記主張が判断の対象となってい その持分の移転登記を受けたEとの間で訴訟を含む紛争状態にあったことは客観的に明白な事実であって,原告らも争っていないこと,本件各処分に対する審査請求の段階においても上記主張が判断の対象となっている(乙9,10)ことに照らすと,仮に上記主張が処分理由の追加,差し替えに該当するとしても,原告らにとって不意打ちとなり,ひいてはその攻撃防御に支障を与えることは考え難く,被告の上記主張は許されると解すべきである。 3 これに対し原告らは,まず,Eに対する共有持分権の移転は無効であるから,同人は無権利者であり,Dは第1次物納申請をしている上,そもそもAを殺害したことにより相続欠格者となったから,これらの者からの物納申請がないことを理由とする被告の主張は不当である旨主張する。しかしながら,行政処分の適法性は当該処分時を基準に判断されるべきところ(最高裁判所昭和34年7月15日第二小法廷判決・民集13巻7号1062頁等参照),前記争いのない事実等のとおり,本件各処分当時,Eとの間の別件訴訟は,1審判決で原告Bらの請求が認容されたものの,未だ控訴審において係争中であって,本件持分移転登記は抹消されていない状態であったこと,Dに対する刑事事件も未確定の状態にあった(有罪判決が確定したのは平成13年1月15日である。)上,Dからの第1次物納申請は却下処分が確定していたこと,仮に原告ら主張のとおり,E及びDが無権利者であるとしても,Dの代襲相続人(又はこれに代わる不在者財産管理人)からの物納申請はなかったこと,以上に照らせば,本件各土地が法42条2項ただし書に該当するとの上記判断を覆すことはできず,原告らの上記主張は採用の余地がない。 次に原告らは,被告には納税についての説明義務があり,これを尽くさぬまま物納を不可能にする本件各処分は,裁量権を逸脱したもの するとの上記判断を覆すことはできず,原告らの上記主張は採用の余地がない。 次に原告らは,被告には納税についての説明義務があり,これを尽くさぬまま物納を不可能にする本件各処分は,裁量権を逸脱したものである旨主張するが,そのような義務を被告に課する根拠となる法令は存在しないし,物納が不可能となったのは,前記判断のとおり,その対象財産に内在する事情によるものであるから,原告らの上記主張も採用できない。 4 以上の次第で,本件各処分は適法であり,原告らの本訴請求は理由がないからいずれも棄却し,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官富岡貴美

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