令和5(う)117 公職選挙法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
令和6年5月22日 広島高等裁判所 棄却 広島地方裁判所 令和4(わ)212
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判決文本文8,622 文字)

令和6年5月22日宣告広島高等裁判所令和5年第117号公職選挙法違反被告事件原審広島地方裁判所令和4年(わ)第212号 主文 本件控訴を棄却する。 理由 本件控訴の趣意は、弁護人田上剛作成の控訴趣意書、控訴趣意補充書1及び控訴趣意補充書2に各記載のとおりであるから、これらを引用する(なお、弁護人は、当審第1回公判期日において、控訴趣意書第4記載の公訴権濫用に関する主張は、不法に公訴を受理した違法をいう刑訴法378条2号の控訴理由を主張するものである旨釈明した。)。 論旨は、要するに、⑴①本件起訴はいわゆる公訴権を濫用した無効な公訴提起であるから、原判決には不法に公訴を受理した違法がある、また、②原審弁護人の証拠請求を却下した原審の訴訟手続には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反がある、⑵被告人には、渡されたものが現金であり、その現金に選挙運動の報酬の趣旨が含まれているとの認識はなかったのであるから、原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認がある、というものである。 そこで、記録を調査して検討する。なお、弁護人の主張内容に鑑み、以下、控訴理由の論理的順序にかかわらず、事実誤認をいう論旨に対する判断を示した後に、不法に公訴を受理した違法をいう論旨及び訴訟手続の法令違反をいう論旨に対する判断を示すこととする(なお、略称については原判決のそれと同様である。)。 第1 事実誤認をいう論旨について 1 原判決の判断概要原判決が認定した罪となるべき事実の要旨は、令和元年7月21日施 行の参議院議員通常選挙に際し、広島県選出議員選挙の選挙人であり、同選挙に立候補する決意を有していたAの選挙運動者である被告人が、Aを当選させる目的をもって同人への投票及び投票取りまと 行の参議院議員通常選挙に際し、広島県選出議員選挙の選挙人であり、同選挙に立候補する決意を有していたAの選挙運動者である被告人が、Aを当選させる目的をもって同人への投票及び投票取りまとめなどの選挙運動をすることの報酬として供与されるものであることを知りながら、平成31年4月3日、広島市内の被告人の選挙事務所において、Aの配偶者であるBから現金30万円の供与を受けた、というものである(以下、年は特記しない限り平成31年又は令和元年である。)。 原判決は、被告人においてBから受領したものが現金であると認識していたかについて、被告人は、これまで被告人の選挙事務所を訪れたことのなかったBから自らの選挙期間内の忙しい時期に急遽訪問したいとの意向を受けて、Bと面会することになった上、面会した僅かの時間に、Bから事務所の奥に誘導され、その中に相応の現金が入っていることが容易に想像できる状態の封筒を手渡されたことに加え、被告人がそれまでにもBから複数回現金10万円入りの封筒を手渡された経験を有していたことなどによると、被告人は、Bから渡された封筒に相当金額の現金が入っていることを認識したことは明らかというべきであり、自身の個人演説会の予定が差し迫っていたことから受領したものが何か認識していなかったという被告人の供述は信用できないとの判断を示し、さらに、原判決は、被告人がBから受領した現金にAを当選させるための選挙運動をすることの報酬を含むと認識したかについて、Aの立候補に関する一連の報道や被告人の置かれた立場、被告人が事務担当者から本件選挙にAが立候補する旨を伝えられていたことに照らすと、被告人は、Bから現金を受領した当時、少なくとも、本件選挙においてAが厳しい情勢に立たされるであろうといった程度のことは当然認識していたといえ、ま にAが立候補する旨を伝えられていたことに照らすと、被告人は、Bから現金を受領した当時、少なくとも、本件選挙においてAが厳しい情勢に立たされるであろうといった程度のことは当然認識していたといえ、また、被告人の選挙区はBの選挙区に含まれていることや被告人がこれまでBの選挙の支援をしてきたことなども考慮する と、被告人は、本件選挙において妻であるAの当選に向けて活動するBから、Aの当選に向けた支援を依頼される可能性があることも当然認識していたといえ、そのような中で、Aが本件選挙に立候補を表明して間もない時期に、これまで被告人の選挙事務所を訪れたことのなかったBから、突如訪問したいとの連絡を受けてBと面会し、Bから事務所の奥に誘導されて現金入りの封筒を手渡されているのであって、その現金に本件選挙においてAの当選に向けて選挙運動をすることの報酬が含まれていることも当然認識していたというべきであり、被告人が、過去には領収証を求められず趣旨不明との理由でBから手渡された現金を後日返還するなどしながら、今回受領した現金については、事後的にすら、B側にその趣旨や領収証の要否を尋ねるなどしておらず、この点も被告人が現金の意味を理解していたことを裏付けているとして、被告人において、Bから受領した現金がAに当選を得しめる目的をもってAへの投票及び投票取りまとめなどの選挙運動をすることの報酬を含むものであると認識していたことは優に認められるとの判断を示したものである。 2⑴ 所論は、Bから受領したものが現金であると認識していたかについて、原判決が指摘する事実に関し、①Bがこれまで被告人の選挙事務所を訪れたことがなかったのは、前回の選挙ではBとの関係がなかったからであり、また、選挙期間内の忙しい時期にあえてBが来訪したのは、被告人の選挙 が指摘する事実に関し、①Bがこれまで被告人の選挙事務所を訪れたことがなかったのは、前回の選挙ではBとの関係がなかったからであり、また、選挙期間内の忙しい時期にあえてBが来訪したのは、被告人の選挙運動の激励のためと推認するのが自然である、②Bの意向を受けて急遽面会することになったことについては、被告人にはその目的は全く分からず、来訪自体は迷惑なものにすぎず、その面会した僅かな時間に事務所の奥に誘導され物を渡されたという事実については、個人演説会へ急いでいた被告人にとってBをやり過ごす過程の中での事実にすぎず、現金の認識に影響を与えるものではない、 ③受領した封筒の大きさや厚み、過去にBから複数回現金10万円入り封筒を渡された経験があるという原判決の指摘については、被告人は、個人演説会に遅刻するのではないかと挨拶もそこそこに会場に向かおうとした際にBから物を押し付けられ、頭に血が上った状態で瞬時に妻に渡し、封筒であること自体の認識もなく、その大きさや厚さを正確に認識できる状況ではなかったのであり、過去にBから現金を受領した際は、封筒や中身の現金も十分認識できる状況であって、今回とは全く状況が異なる、④Bとの関係から待ち続けた末、ようやく訪問してきたBが挨拶程度のやり取りのみで奥に誘導して直接物を手渡してきたという行動が、Bの来訪目的に直結する事柄であるという原判決の指摘について、被告人は、BがX党県連の組織の支部長という地位にあり、Bの機嫌を損ねることを恐れて来訪を拒めなかったにすぎず、Bと接した時間は僅かで何らやり取りはなかったのであるから、被告人が封筒の中身について関心や認識を持ったと推認することはできないなどと主張して、原判決が指摘する事実から被告人が現金入りの封筒を渡されたと認識したことを推認するのは不合理で ったのであるから、被告人が封筒の中身について関心や認識を持ったと推認することはできないなどと主張して、原判決が指摘する事実から被告人が現金入りの封筒を渡されたと認識したことを推認するのは不合理であるというのである。 しかしながら、所論①②の事情に関する指摘は、原判決の判断過程を大きく左右するような事情とはみられず、原判決の推認を妨げるに足る的確な指摘とはいえない。また、所論③④の指摘についてみても、これまでと異なりBが被告人の繁忙時に急遽面会を求めてきて、来訪したBが行ったことといえば、挨拶もそこそこに個人演説会へ出掛けようとする被告人を引っ張るように事務所の奥の方へ連れて行って、物を渡しただけというのであるから、Bの来訪の目的が被告人にそれを渡すことにあったことは明らかというべきであり、個人演説会の時間が迫っており精神的に余裕のない状況であったという所論の指摘を 踏まえても、待たされた末にやってきたBのそのような行動をみれば、渡された物について何ら意識しなかったというのはやはり不自然といわざるを得ないのである。そして、その外観や厚みからして、渡された物はそれなりの金額の現金が入った封筒と容易に想像されるものであるというべきであり、被告人はこれまでにもBから現金入りの封筒を手渡された経験もあったというのであるから、これらの事実を総合考慮し、Bから渡された封筒に相当金額の現金が入っていることを被告人としても認識したとの判断を示した原判決の推認過程に誤りがあるとはいえない。 ⑵ また、所論は、現金の趣旨の認識について、①被告人は、近しいCが連続当選し盤石な状態であったから、他派閥のBやAに対する関心はあまりなかった上、Aが公認候補者となったのは被告人が市議選に向けて活動を始めていた時期であり、また、Bが来 て、①被告人は、近しいCが連続当選し盤石な状態であったから、他派閥のBやAに対する関心はあまりなかった上、Aが公認候補者となったのは被告人が市議選に向けて活動を始めていた時期であり、また、Bが来訪したのも市議選投票日の4日前のことであって、自身の選挙に集中し、Aの選挙活動や参院選の選挙情勢に関心を持つ余裕もなかったから、Aの選挙支援を依頼される可能性を認識することはできなかった、②原判決は、これまでの被告人とBとの関係から、Bの配偶者というだけでAとの関係に結び付けているが、組織の上位者との関係を大切にすることはあるとしてもその程度は千差万別であり、その者の妻の支援を求められるとは限らないし、被告人は、Bには地元の陳情を国政に届けて対応してもらうといった程度の関係であり、Bと直接話すことは余りなかったから、Bの言外の意思を把握することなどできず、また、封筒を手渡したのは候補者であるAではなくBであって、接触した時間は僅かできちんとしたやり取りもなかったのであるから、被告人としてはその意味を認識することはできなかった、③被告人は、Cに対する支援や運動を期待される立場にあり、過去の国政選挙においてもそのよ うに行動しており、派閥を異にするAの支援や運動を期待される立場にはなく、過去のAの知事選や県議会議員選挙の支援も行っていなかったなどと主張し、本件選挙におけるAの選挙情勢に関心がなく選挙運動支援を求められる可能性を認識していない被告人について、選挙運動の報酬であるとの認識があったと推認することはできないというのである。 しかしながら、被告人は、3月の中頃に事務担当者から本件選挙にAが立候補する旨聞いたことを現に記憶しており、原審公判廷においてもその旨の供述をしているのであって、参院選やAの立候補について関心が全 しかしながら、被告人は、3月の中頃に事務担当者から本件選挙にAが立候補する旨聞いたことを現に記憶しており、原審公判廷においてもその旨の供述をしているのであって、参院選やAの立候補について関心が全くなく記憶に留まっていなかったなどとみることはできない。そして、Aが参院選に立候補した場合には衆議院議員であり配偶者であるBが支援するであろうことは通常予想されるところであり、被告人は、Bの意向に従って指定された時間に訪問を受ける旨承諾し、個人演説会に遅れそうになりながらもBの訪問を待つなどしていたのであって、このような対応状況等をみれば、被告人は、Bとの関係を重視しており、また、これまでもBの選挙を支援していたという関係にもあったのであるから、本件選挙においても、Bの妻であるAの選挙支援をそれなりに期待し得る立場にあったというべきであり、所論が指摘するところを踏まえてみても、Aの立候補を認識していた被告人において、選挙支援を依頼される可能性があることを全く認識していなかったとは考え難いというべきである。そのような状況の中で、Aの立候補表明から間もなく被告人もその事実を知っていた時期に、これまで被告人の選挙に関して陣中見舞いなどしたことのないBが、突如面会を求めて相応の厚みのある封筒を手渡してきたというのであり、このような事実関係に加え、被告人が、過去の現金交付の際には趣旨が分からず領収証もないことから受け取ることを断ったこともあ るのに、本件においては、その趣旨や領収証の要否にこだわることもなく、渡された現金を受け取ったままにしていたという行動状況も併せ考慮すれば、被告人において渡された現金にAの当選に向けた選挙運動をすることの報酬の趣旨が含まれていることを認識していたと推認することができるのである。そのような原判決の判 いたという行動状況も併せ考慮すれば、被告人において渡された現金にAの当選に向けた選挙運動をすることの報酬の趣旨が含まれていることを認識していたと推認することができるのである。そのような原判決の判断に誤りがあるとはいえない。 ⑶ さらに、所論は、被告人が6月7日にBから封筒を差し出された際にはこれを受領しなかったことについて、原判決は、この時にはあからさまな買収行為と感じたことからこれを拒否したとも考えられると説示するが、本件選挙から相当前である4月3日に選挙運動の報酬と認識して現金を受領したというのであれば、本件選挙が近付いた6月7日にも受領しても不思議ではないのに、被告人は、選挙運動報酬の現金であることを認識し違法性の意識があったから、はっきりと受領を拒絶しているのであり、このような認識や意識のある被告人が4月3日に現金を受領しているのは、その際に渡された物が現金であることや選挙運動の報酬の趣旨であることの認識がなかったということしかあり得ないなどともいうのである。 しかしながら、被告人が、差し出された現金について選挙運動報酬の趣旨を認識し違法性の意識から受領を拒絶したことがあったとしても、別の機会において同じ趣旨で現金を差し出された場合に、その趣旨の認識の程度、受領に関するやり取りや状況の違いから、その場は受け取ってやり過ごすといった対応を取ることも十分に考え得るのであるから、常に同じように拒絶するはずであるとは限らないというべきである。被告人が、選挙運動の報酬としての趣旨を感じ取りながらも、自身の個人演説会の会場入りが差し迫っていたことから、毅然とした対応ができなかったものと説示する原判決の判断は不合理とはい えず、所論の指摘は原判決の認定判断を揺るがすものとはいえない。 3 以上のとおり りが差し迫っていたことから、毅然とした対応ができなかったものと説示する原判決の判断は不合理とはい えず、所論の指摘は原判決の認定判断を揺るがすものとはいえない。 3 以上のとおり、縷々主張する所論を踏まえて検討してみても、原判決の認定判断に論理則、経験則等に照らし特段不合理なところはなく、被告人に、渡されたものが現金であり、その現金に選挙運動の報酬の趣旨が含まれていることの認識があったと認定した原判決に事実の誤認があるとは認められない。 事実誤認をいう論旨は理由がない。 第2 その余の論旨について 1 不法に公訴を受理した違法をいう論旨について所論は、要旨、本件において、検察官は、不起訴約束や供述誘導等による虚偽自白に基づく供述調書を作成し、司法取引を行い、個別事情を考慮せずに訴追裁量を逸脱して受供与者全員を一律不起訴とし、Bの公判では供述誘導等により偽証をさせ、本件で証拠調請求をしていない供述調書や証人尋問調書を検察審査会の判断資料として提出して起訴相当へと誘導し、議決後の取調べでは当初の取調べで作成された任意性のない虚偽自白の供述調書に基づいて複写のような供述調書を作成し、個別事情を考慮せずに受供与者のほぼ全員を起訴しているのであって、このような重層的かつ重畳的に訴追裁量を逸脱した本件起訴には公訴権を濫用した重大な違法があり、原審弁護人が主張する個別事情を判断することもなく審理した原審には不法に公訴を受理した違法があるなどというのである。 しかしながら、検察官による不起訴を前提とした取調べがなされ、被告人が不起訴を期待して検察官の意に沿う供述をし、Bの公判においても同様の供述をしたことは否定できないにしても、本件起訴に至った手続経過は、検察官が被告人を不起訴処分(起訴猶予)とし、この検察 、被告人が不起訴を期待して検察官の意に沿う供述をし、Bの公判においても同様の供述をしたことは否定できないにしても、本件起訴に至った手続経過は、検察官が被告人を不起訴処分(起訴猶予)とし、この検察官の判断について、検察審査会が不当であるとして起訴相当の議決をした ことから、その議決を踏まえて、検察官が判断を改めて本件起訴に至ったというものである。検察官も、捜査段階の被告人の供述調書等は、公判前整理手続における整理の過程において証拠請求しないとの判断に至ったもので、当初は請求を検討して手続を進めていたことが認められるところ、検察官としても、最終的には被告人を起訴することを目論んで一旦は不起訴処分とし、この処分が検察審査会の審査対象となり、被告人を不起訴処分とした判断が検察審査会の審査結果として覆ることまで綿密に想定し、公判で請求し得ないような違法な証拠を意図的に検察審査会に提供して議決を誘導したなどとはおよそ考え難い上、検察審査会の審査も、関連証拠を踏まえ総合的に判断したものとみられるのであって、問題とされる供述調書等のみから結論を得たとは考え難いのである。そうすると、そのような検察審査会の議決を受けて改めて被告人を起訴した検察官の本件公訴提起自体が、職務犯罪を構成するような極限的な場合に当たる、あるいは、これと同視し得るような事情があるとは到底認められないのであるから、本件起訴には公訴権を濫用した重大な違法があって公訴提起自体が無効であると主張する所論は採用することができない。 不法に公訴を受理した違法があるという論旨も理由がない。 2 訴訟手続の法令違反をいう論旨について所論は、前記1の論旨に関連し、原審弁護人が請求した検察官の取調べ録音テープ(原審弁6号証ないし13号証、20号証、21号証)、証 旨も理由がない。 2 訴訟手続の法令違反をいう論旨について所論は、前記1の論旨に関連し、原審弁護人が請求した検察官の取調べ録音テープ(原審弁6号証ないし13号証、20号証、21号証)、証人テストの録音テープ(原審弁22号証)及び被告人供述調書(原審弁1号証)並びに検察官2名の証人尋問請求について、原審が、必要性、相当性がないなどとして却下し、異議申立てがされてもこれを棄却したことに関し、上記各証拠及び証人尋問は、公訴棄却すべきか否かの判断を左右するものであるから、これらの証拠請求を却下したことは憲法3 1条、刑訴法1条、298条、刑訴規則199条1項、189条の2に違反しており、原審には判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続の法令違反があるというのである。 しかしながら、上記各証拠は、捜査段階の取調べにおける強要や利益誘導、不起訴約束の事実、被告人の供述経過、取調べや証人テストの状況等を立証するものとして請求され、公判前整理手続ないし公判期日において却下されたものであるところ、違法な取調べや司法取引の事実については、それらの事実が認められたとしても、そのこと自体やそれによって作成された供述調書等の存在が、本件におけるいわゆる公訴権濫用の主張に対する判断に直ちに繋がるものではなく、また、原審において検察官は最終的に被告人の供述調書の証拠請求はしなかったことから、その任意性に関する証拠を取り調べる必要はなかったのであり、さらに、被告人の捜査段階での弁解内容については検察官も特に争っていなかったことなどの事情に照らすと、上記各証拠の請求を却下した原審の判断は証拠採否の合理的な裁量を逸脱するものとはいえない。 訴訟手続の法令違反をいう論旨も理由がない。 よって、刑訴法396条により本件控訴を棄却すること 主文 上記各証拠の請求を却下した原審の判断は証拠採否の合理的な裁量を逸脱するものとはいえない。訴訟手続の法令違反をいう論旨も理由がない。よって、刑訴法396条により本件控訴を棄却することとして、主文のとおり判決する。 理由 令和6年5月22日広島高等裁判所第1部 裁判長裁判官 森浩史 裁判官 家入美香 裁判官 富張真紀は転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官 森浩史

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