- 1 - 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は、控訴人の負担とする。 事実及び理由 (略称は原判決の例による。)第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 中央労働委員会が中労委平成26年(不再)第21号事件について平成31年2月6日付けでした命令を取り消す。 第2 事案の概要 1 事案の要旨控訴人は、コンビニエンスストアのフランチャイズ・チェーンを運営している参加人との間で加盟店基本契約(本件フランチャイズ契約)を締結して店舗を経営する加盟者らが加入する組合である。控訴人は、参加人に団体交渉の申入れをしたが、参加人はこれに応じなかった(本件各団交拒否)。 控訴人は、本件各団交拒否が不当労働行為に当たるとして、救済を申し立てたところ、岡山県労働委員会は、救済命令(本件初審命令)を発した。参加人がこれを不服として再審査を申し立てたところ、中央労働委員会は、本件初審命令を取り消し、救済申立てを棄却する命令(本件命令)を発した。 控訴人は、本件命令の取消しを求めた。 原審は、控訴人の請求を棄却したところ、控訴人が請求の認容を求めて控訴した。 2 当事者の主張等前提事実、争点及びこれに関する当事者の主張は、次のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の2及び3に記載のとおりであるから、これを引用する。 ⑴ 2頁22行目から23行目にかけての「参加人が」を「参加人は、」に改め- 2 -る。 ⑵ 11頁26行目の「Cタイプ契約」の次に「(加盟店の店舗に供する土地・建物を、参加人が所有し、又は第三者から賃借して、加盟希望者に使用させる場合に用いられる契約)」を加える。 第3 る。 ⑵ 11頁26行目の「Cタイプ契約」の次に「(加盟店の店舗に供する土地・建物を、参加人が所有し、又は第三者から賃借して、加盟希望者に使用させる場合に用いられる契約)」を加える。 第3 当裁判所の判断当裁判所も、控訴人の請求は理由がないと判断する。その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」に説示するとおりであるから、これを引用する。 1 32頁10行目の「18の地域」の次に「(本件命令発出当時)」を加える。 2 40頁15行目の「生産」を「清算」に改める。 3 45頁の表の「総売上原価」欄の「月初商品棚卸高から」を「月初商品棚卸高及び」に改める。 4 47頁8行目から9行目にかけての「これまで数例にとどまっている。」を「平成30年1月当時までで4例にとどまっていた。」に改める。 5 51頁12行目の「71、」の次に「77、」を加える。 6 52頁4行目の「発送等」を「配送等」に改める。 7 54頁9行目の「前記のとおり、」を削除する。 8 65頁12行目の「適正」を「適性」に改める。 9 79頁16行目の「参加人」を「加盟者」に改める。 10 80頁19行目の「前記2⑼カ」を「前記2⑼オ」に改める。 11 82頁15行目の「おり」の次に「(乙A31、32)」を加える。 12 82頁20行目の「情報の」を「情報を」に改める。 13 83頁21行目の「とともに」を「を」に改める。 14 84頁5行目の「については、」の次に「原則として」を加える。 15 84頁24行目の「前記2⑻ア」を「前記2⑻」に改める。 16 95頁11行目、12行目、14行目及び96頁20行目の各「前記」- 3 -をいずれも「前記3」に改める。 17 96頁4行目から8行目までを次の 記2⑻ア」を「前記2⑻」に改める。 16 95頁11行目、12行目、14行目及び96頁20行目の各「前記」- 3 -をいずれも「前記3」に改める。 17 96頁4行目から8行目までを次のとおり改める。 「ア控訴人は、労働者が東京でほぼ最低賃金の時給1000円で毎日10時間年300日働くと300万円となり、それを夫婦二人で行えば600万円の報酬となるところ、原判決別紙2によれば、Cタイプ契約の加盟店については、年間利益額が600万円台以下の加盟者が合計28.3%もおり、誰かに働いてもらうと赤字になることから、本件フランチャイズ契約は、加盟者と配偶者が自ら労務を提供とすることを前提としたものであることが明らかであると主張する。 しかし、控訴人が主張する年間600万円の賃金に相当する労働の全てを実際に加盟者及び配偶者で行うのか、従業員にも割り当てるのか、割り当てるとしてどの程度の労働を誰に割り当てるのかは、参加人ではなく、加盟者自身が判断しているのであるから(前記3⑴ウ参照)、控訴人が指摘する年間利益額の状況を理由として、加盟者が参加人の事業遂行に不可欠ないし枢要な労働力として組織に組み入れられているとか、参加人から支払われる月次引出金等が労務供給に対する対価又はそれに類するものとしての性格を有するなどとはいえず、控訴人の上記の主張を採用することはできない。」 18 98頁19頁の「そして、」から22行目の末尾までを、次のとおり改める。 「そして、控訴人の組合員のうちの5名(前記2⒀)は、組合に加入していない加盟者3名(同⒁)と異なり、常用雇用の正社員を店長等の職に就け、従業員の指揮監督や勤務シフトの作成を委ねたり、独自のカリキュラムやマニュアル等を作成し又は使用して従業員教育を行ったりはしておらず、また、店舗運営業務に携わ り、常用雇用の正社員を店長等の職に就け、従業員の指揮監督や勤務シフトの作成を委ねたり、独自のカリキュラムやマニュアル等を作成し又は使用して従業員教育を行ったりはしておらず、また、店舗運営業務に携わる時間が長い傾向にはあるものの、いずれも店舗の収益状況等に応じて、自ら判断して多数のアルバイト従業員を恒常的に雇用して店舗運営業務を割り当てていることなどに鑑みると、前記3⑵及び4の認定・判断は、控訴人の組合員についても当てはまるものと認められる。したがって、参加人と本件フランチャイズ契約を締結- 4 -した加盟者である控訴人の組合員は、労組法上の労働者に該当するとはいえない。」 19 98頁22行目の末尾に改行して、次のとおり加える。 「6 当審における控訴人の主張について⑴ 控訴人は、当審において、① 国際労働機関が平成18年(2006年)に採択した「雇用関係に関する勧告」(第198号)は、日本を含む加盟国に対し、契約上の取決め等により雇用関係が隠蔽された労働者を保護するための施策を求めており、各国の裁判所においても、業務委託契約や請負契約に基づき稼働する運転手や配達員を労働者として保護する判決がされている、② 憲法28条の「勤労者」が実態として役務を提供しこれに対し報酬を受領する者を含むものであれば、控訴人の構成員は団体交渉権を憲法上有することとなり、控訴人を労働組合と認めることができる、③ 控訴人の構成員の労働者性を判断するに当たり、Aタイプ契約を締結した者も含む、控訴人の構成員以外の加盟者の状況を根拠とすべきではない、④ 参加人はセブンイレブンのフランチャイズ・チェーンを運営しており、加盟者の加盟の対象も同フランチャイズ・チェーンであるから、加盟者と同フランチャイズ・チェーンとの関係という視点から検討すれば、加盟者の労働者性 ブンイレブンのフランチャイズ・チェーンを運営しており、加盟者の加盟の対象も同フランチャイズ・チェーンであるから、加盟者と同フランチャイズ・チェーンとの関係という視点から検討すれば、加盟者の労働者性が肯定されるべきである、と主張する。 しかし、①については、本件における争点は、参加人の控訴人に対する本件各団交拒否が労組法7条2号所定の不当労働行為に当たるか否かであり、その前提として、参加人と本件フランチャイズ契約を締結した控訴人の組合員が労組法上の労働者に該当するか否かが争われているのであって、控訴人の上記主張は、争点に対する判断に影響するものではない。 また、②については、憲法28条により保障された勤労者の権利を具体的に定めたのが労組法であり、控訴人の組合員が憲法28条にいう勤労者に当たるか否かも、具体的には、当該組合員が労組法上の労働者に当たるか否かとして判断されることとなるから、控訴人の上記主張も、実質的には労組法上の労働者該当性に関する解釈、適用を争うものにほかならず、この主張に対する判断は、前記5までに説- 5 -示したとおりである。 さらに、③、④について、参加人はセブンイレブンのフランチャイズ・チェーンを運営しており、加盟者の加盟の対象も同フランチャイズ・チェーンであるから、控訴人の構成員の労働者性を判断する上で、セブンイレブンのフランチャイズ・チェーンの実態を踏まえた、加盟者とフランチャイズ・チェーンとの関係という視点からの検討も必要となる。しかるところ、セブンイレブンのフランチャイズ・チェーンには、Aタイプ契約を締結したり複数出店をするなど事業者性が明らかな加盟者も一定数加盟しているのであるから、上記の視点を踏まえた検討を適切に行うためには、控訴人の構成員に限定することなく、Aタイプ契約を締結した加盟者等も含 たり複数出店をするなど事業者性が明らかな加盟者も一定数加盟しているのであるから、上記の視点を踏まえた検討を適切に行うためには、控訴人の構成員に限定することなく、Aタイプ契約を締結した加盟者等も含めた、セブンイレブンのフランチャイズ・チェーンの全体を認識する必要がある。 他方、控訴人が団体交渉を求めた相手は、フランチャイザーである参加人であって、セブンイレブンのフランチャイズ・チェーンではないから、控訴人の構成員がセブンイレブンのフランチャイズ・チェーンに組み込まれているからといって、直ちに控訴人の構成員が参加人の事業に組み込まれていることと同視することはできない。したがって、控訴人の主張のうち、③は採用することができず、④は前記4までの認定、判断を左右するものということはできず、いずれも理由がない。 ⑵ 控訴人は、さらに、⑤ 参加人が作成した損益計算書の記載例(乙B32・42頁)及び本件フランチャイズ契約における月次引出金の計算式によれば、加盟者が月次引出金として40万円を得るためには人件費9万円に相当する従業員の労働を減らして自ら働かなければならず、さらに、店舗運営の標準人時を参加人の資料から65人時とすると、全ての労働を他人に委ねるためには月平均168万8799円の給与を支払わなければならず、原判決別表3記載の平均138万円程度の給与との差額30万円に相当する労働は、加盟者が担っている、⑥ フランチャイズ・システムにおいては、フランチャイザーがシステムのオーガナイザーの役割を担い、加盟者はシステムの執行者としての役割を与えられ、事業者の自立性が大幅に制限されている、⑦ 参加人のPOS(販売管理システム)は、店舗における- 6 -加盟者、配偶者及び従業員によるデータ入力作業が必須であり、控訴人の構成員は参加人の情報システムに完全 性が大幅に制限されている、⑦ 参加人のPOS(販売管理システム)は、店舗における- 6 -加盟者、配偶者及び従業員によるデータ入力作業が必須であり、控訴人の構成員は参加人の情報システムに完全に組み込まれている、とも主張する。 しかし、⑤については、控訴人が援用する損益計算書の記載例は、その表題等からみて、セブンイレブンの会計システムを説明するための資料であって、そこに記載された金額から加盟者が店舗運営業務に携わる時間を推計し得るものとは考え難く、その他控訴人が主張する計算式等を考慮しても、加盟者が一般的に長時間にわたる店舗運営業務に従事することを余儀なくさせられているなどと認めることはできず、加盟者自身が店舗運営業務に従事する状況には相当に幅があり、その具体的な内容は加盟者本人が決定しているのが実態であること(前記3⑴ウ)が否定されるものではない。 また、⑥については、コンビニエンスストアのフランチャイズ・システムの加盟者においては、販売する商品及び提供する役務の各範囲や日々の店舗運営等において、事業主としての自立性が制限されるものではあるが、それらの点を考慮してもなお、控訴人の構成員がフランチャイザーである参加人との関係において労組法上の労働者に該当すると認め難いことは、既に検討したとおりである。 さらに、⑦については、控訴人の構成員に係る労組法上の労働者性に影響する事情であるとはいい難い。 ⑶ 以上のほかにも、控訴人は様々な主張をするが、いずれも原審における主張の繰り返しか、本件における争点に影響しないものであって、前記5までの認定判断を左右するものとは認められない。」第4 結論以上によれば、控訴人の請求は理由がないから棄却すべきであり、これと同旨の原判決は相当であって、本件控訴は理由がない。 東京高等 定判断を左右するものとは認められない。 第4 結論 以上によれば、控訴人の請求は理由がないから棄却すべきであり、これと同旨の原判決は相当であって、本件控訴は理由がない。 東京高等裁判所第20民事部 裁判長裁判官 村上正敏 裁判官 中山雅之 裁判官 鈴木拓児
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