1令和6年2月20日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官令和3年(ワ)第15257号 NHK文書開示等請求事件(第1事件)令和3年(ワ)第24143号 NHK文書開示等請求事件(第2事件)口頭弁論終結日 令和5年11月21日判決5主文1 被告NHKは、原告らに対し、別紙開示請求文書目録記載2①から③までの各議事内容を録音した電磁的記録の複製を交付せよ。 2 被告らは、原告らに対し、各自、各2万円及びこれに対する別紙附帯請求起算日一覧表記載の各被告及び各原告に対応する「起算日」欄記載の日から支払10済みまで年3%の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は、これを20分し、その10を被告NHKの負担とし、その1を被告らの連帯負担とし、その余は原告らの負担とする。 事実及び理由15第1 請求1 被告NHKは、原告らに対し、別紙開示請求文書目録記載の各文書を、いずれも正確に複写(電磁的記録については複製)して交付する方法で開示せよ。 2 主文第2項と同旨第2 事案の概要20本件は、被告NHKの視聴者である原告らが、①被告NHKに対し、主位的には受信契約に基づき、予備的には被告NHKとの間の文書開示に関する合意に基づき、被告NHKの経営委員会の会議の議事録等の開示を求め、また、②被告NHK及び被告NHKの経営委員会の委員長である被告Aにおいて上記議事録等の開示を遅滞したこと等によって精神的損害等を被ったなどと主張して、25被告NHKに対しては債務不履行に基づき、被告Aに対しては不法行為に基づ 2き、損害金各2万円及びこれに対する訴状送達日の翌日(不法行為後の日)から支払済みまで民法所定の割合による遅延損害金の連帯支払を求め しては債務不履行に基づき、被告Aに対しては不法行為に基づ 2き、損害金各2万円及びこれに対する訴状送達日の翌日(不法行為後の日)から支払済みまで民法所定の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 1 前提事実等(証拠等を掲記しない事実は当事者間に争いがない。その他の事実は掲記した証拠等により容易に認められる。)5⑴ 法令等の定めア 放送法の規定放送法には、放送番組の編集等に関する通則として以下の(ア)の規定が、被告NHKの経営委員会に関するものとして以下の(イ)~(キ)の規定がある。 10(ア) 放送番組編集の自由放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。(3条)(イ) 経営委員会の設置被告NHKに経営委員会を置く。(28条)15(ウ) 経営委員会の権限等経営委員会は、被告NHKの経営に関する基本方針等の議決や、役員の職務の執行の監督を行う。(29条1項)(エ) 経営委員会の組織a 経営委員会は、委員12人をもって組織する。(30条1項)20b 経営委員会に委員長1人を置き、委員の互選によってこれを定める。(同条2項)c 委員長は、委員会の会務を総理する。(同条3項)d 経営委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代行する者を定めて置かなければならない。 25(同条4項) 3(オ) 委員の権限等委員は、個別の放送番組の編集について、第3条の規定(前記(ア))に抵触する行為をしてはならない。(32条2項)(カ) 経営委員会の運営a 経営委員会は、委員長が招集する。(39条1項)5b 被告NHKの会長は、経営委員会の要求があったときは、経営委員 触する行為をしてはならない。(32条2項)(カ) 経営委員会の運営a 経営委員会は、委員長が招集する。(39条1項)5b 被告NHKの会長は、経営委員会の要求があったときは、経営委員会に出席し、経営委員会が求めた事項について説明をしなければならない。(同条5項)(キ) 議事録の公表委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めると10ころにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない。 (41条)イ 経営委員会の議事録の作成及び公表に関する経営委員会規程の定め(丙1、2)被告NHKの経営委員会が経営委員会に関する基本的事項を定める経営15委員会規程6条5項は、放送法41条の規定を受けて、議事録の作成・公表及び会議の運営については、同規程で定めるほか、経営委員会議事運営規則の定めるところによると定める。 被告NHKの経営委員会が定める経営委員会議事運営規則(以下「議事運営規則」という。)には、以下の定めがある。 20(ア) 委員長の役割a 委員長は、会議を司会し、議事を整理する。(4条1項)b 委員長が会議に出席できないときは、委員長の職務を代行する委員(以下「委員長職務代行者」という。)が委員長に代わって前記aの職務を行う。(同条2項)25(イ) 経営委員会議事録 4a 経営委員会議事録は、会議のつど作成するものとし、原則として、次回の会議においてその内容を確認した上で、委員長又は委員長職務代行者及び監査委員会が選定する監査委員1人が署名する。その後、遅滞なく、経営委員会議事録を公表する。(5条1項)b 経営委員会議事録には、少なくとも次の事項を記載する。(同条52項柱書)(a) 議事経過(同項6号)(b) 資料(同項8号)c 議事経 、経営委員会議事録を公表する。(5条1項)b 経営委員会議事録には、少なくとも次の事項を記載する。(同条52項柱書)(a) 議事経過(同項6号)(b) 資料(同項8号)c 議事経過には、原則として、発言者及びその発言内容を記載する。 (同条3項)10d 議事経過及び資料については、経営委員会が次の各号に該当すると認めた事項を除いて公表する。ただし、次の各号に該当すると認められる場合であっても、当該事項を公表する正当な理由があると経営委員会が合理的に判断するときは、議事録から当該事項を除かずに公表することができる。(同条4項柱書)(以下では、同項115号、4号、6号及び7号は省略する。)(a) 争訟、交渉、契約、調査、研究、人事、労務、経理その他の事務又は事業に関する情報であって、公表することにより、被告NHKの権利利益、地位若しくは事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの、又は特定の者に不当な利益若しくは不利益を20及ぼすおそれがあるもの(同項2号)(b) 審議、検討又は協議に関する情報であって、公表することにより、その審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあるもの(同項3号)(c) 被告NHK以外の法人及び任意団体その他の法人格のない団25体(以下「法人等」と総称する。)又は個人事業主に関する情 5報であって、公表することにより、当該法人等又は当該個人事業主の権利、競争上の地位その他事業の遂行を不当に害するおそれがあるもの(同項5号)(ウ) 文書の保存経営委員会議事録の保存期間は、30年とする。(6条)5(エ) 事務会議及び記録に関する事務は、経営委員会事務局が行う。(7条)ウ 被告NHKにおける情報公開の仕組み(丙36、弁論の全趣旨)被告 事録の保存期間は、30年とする。(6条)5(エ) 事務会議及び記録に関する事務は、経営委員会事務局が行う。(7条)ウ 被告NHKにおける情報公開の仕組み(丙36、弁論の全趣旨)被告NHKは、行政機関の保有する情報の公開に関する法律及び独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律のいずれの適用も受けない10ところ、自主的にNHK情報公開基準(以下「情報公開基準」という。)及びNHK情報公開規程(以下「情報公開規程」という。)を定めている。情報公開基準は情報公開に関する制度の概要を定めるものであり、情報公開規程はその具体的な手続等を定めるものである。 情報公開規程には、以下の定めがある。 15(ア) 定義この規程において「情報開示」とは、開示の求めに応じて文書を開示することをいう。(2条2項)(イ) 対象文書開示の求めの対象となる文書は、被告NHKの役職員が業務上共用20するものとして保有している文書(電磁的に記録されたものを含む。)とする。(3条本文)(ウ) 開示の求めのできる者開示の求めのできる者は、被告NHKの放送の視聴者とする。(6条)25(エ) 文書の開示 6第3条(前記(イ))に規定する開示の求めの対象となる文書について開示の求めがあったときは、開示の求めに係る文書に次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている場合を除き、当該文書を開示するものとする。(8条1項)(以下では、同項3号、5号及び6号は省略する。)5a 争訟、交渉、契約、調査、研究、人事、労務、経理その他の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、被告NHKの権利利益、地位若しくは事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの、又は特定の者に利益若しくは不利益を及ぼすおそれがあるも 経理その他の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、被告NHKの権利利益、地位若しくは事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの、又は特定の者に利益若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの(同項1号)10b 被告NHK内の審議、検討又は協議に関する情報であって、開示することにより、その審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあるもの(同項2号)c 法人等又は個人事業主に関する情報であって、開示することにより、当該法人等又は当該個人事業主の権利、競争上の地位その他事15業の遂行を害するおそれがあるもの(同項4号)(オ) 開示の求めに対する措置a 開示の求めに係る文書が開示の求めの対象となる文書の場合は、当該求めがあった日から30日以内に、開示・不開示等の判断を行うものとする。(11条2項本文)20b 前項(前記a)の規定により開示・不開示等の判断を行ったときは、開示の求めを行った者に対し、その判断の結果を書面により連絡する。(同条3項)c 開示の求めに係る文書が著しく大量である等の事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、第2項(前記a)に規定する期間25を必要に応じて延長することができる。(同条5項本文) 7(カ) 文書の開示の実施文書の開示は、開示の求めを行った者が第11条第3項(前記(オ)b)の開示の判断結果の連絡を受けた日から2週間以内に行う。(13条1項1号)(キ) 再検討の求め5開示の求めに対して被告NHKが行った開示・不開示等の判断について、当該求めを行った者は、被告NHKに対して再検討の求めを行うことができる。(17条)(ク) NHK情報公開・個人情報保護審議委員会への意見の求め再検討の求めがあったときは、一定の場合を除き、 、当該求めを行った者は、被告NHKに対して再検討の求めを行うことができる。(17条)(ク) NHK情報公開・個人情報保護審議委員会への意見の求め再検討の求めがあったときは、一定の場合を除き、再検討の求めに10係る被告NHKの見解を付して、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会(以下「審議委員会」という。)の意見を求める。(19条)(ケ) 審議委員会の意見の尊重被告NHKは、審議委員会の意見を尊重して、再検討の求めに対する開示・不開示等の判断を行う。(21条)15⑵ 当事者等ア 原告らは、被告NHKの視聴者である(弁論の全趣旨)。 イ 被告NHKは、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務等を行うこと等を目的とす20る特殊法人である(放送法15条、16条)。 ウ 被告Aは、平成27年3月1日から被告NHKの経営委員会の委員となり、令和元年12月24日から同委員会の委員長を務めている(丙37)。 ⑶ かんぽ生命保険の販売に関する放送被告NHKは、平成30年4月24日、「クローズアップ現代+」(以下25「本件番組」という。)の放送枠において、「郵便局が保険を“押し売 8り”!?〜郵便局員たちの告白〜」(以下「本件放送」という。)を放送した。本件放送は、株式会社かんぽ生命の商品である生命保険(以下「かんぽ生命保険」という。)について、日本郵便株式会社の社員らが不適切な販売をしていること等を内容とするものであった。 本件番組の制作担当者は、本件放送の続編を企画し、同年7月7日及び150日にSNSにおいて被害の情報を募る動画を掲載した。これに対し、日本郵政株式会社、日本郵便株式会 内容とするものであった。 本件番組の制作担当者は、本件放送の続編を企画し、同年7月7日及び150日にSNSにおいて被害の情報を募る動画を掲載した。これに対し、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社かんぽ生命(以下「郵政3社」という。)の社長らは、同月11日及び同年8月2日、被告NHKの会長に対し、「犯罪的営業を組織ぐるみでやっている印象を与える」などと抗議をした上、掲載中の動画の削除を求めるとともに、取材拒否をする旨の通知を10した。 被告NHKは、上記の抗議を受け、SNSに掲載された被害情報募集の動画の掲載を取り下げるとともに、同月に放送が予定されていた続編の放送を延期した。 ⑷ 被告NHKの会長に対する厳重注意に至る経緯15被告NHKの番組制作担当者がかんぽ生命保険の販売に関する取材を継続していたところ、郵政3社は、平成30年10月5日付けで、被告NHKの経営委員会に対し、被告NHKの「ガバナンス体制」について、放送法29条1項(前記ア(ウ))に基づく検証を求める旨の文書(丙8)を送付した。 上記文書には、同年7月11日に被告NHKの会長に対してSNSの動画20を削除するよう申入れをしたこと、当該申入れに対して被告NHKのプロデューサーが郵政3社を訪れ、番組制作と経営は分離しているため番組制作について会長は関与しないと説明したこと、番組の制作及び編集の最終責任者が会長であることは放送法上明らかであり理事の立場にもない職員がこのような発言をすることは被告NHKの「ガバナンス」が効いていないことの証25左であること、同年8月2日付けで会長に対して被告NHKのガバナンスに 9ついて尋ねる文書を送付したが返答がないこと、経営委員会において被告NHKのガバナンス体制について検証し必要な措置を講じ 左であること、同年8月2日付けで会長に対して被告NHKのガバナンスに 9ついて尋ねる文書を送付したが返答がないこと、経営委員会において被告NHKのガバナンス体制について検証し必要な措置を講じることを求めること等が記載されていた(丙8)。 被告NHKの経営委員会は、同年10月9日に開催された第1315回経営委員会において、上記の文書に対する対応を協議し、同月23日に開催さ5れた第1316回経営委員会において、当時の被告NHKの会長であったB(以下「B元会長」という。)に対し、ガバナンス体制を更に徹底するとともに、視聴者目線に立った適切な対応を行う必要があるとして、必要な措置を講ずるよう厳重注意をした。また、同年11月13日に開催された第1317回経営委員会において、上記の厳重注意後の郵政3社の対応が報告され10た。(甲1の2~4。以下、上記の第1315回、第1316回及び第1317回経営委員会を併せて「本件各経営委員会」という。)⑸ 視聴者からの開示の求めに対する被告NHKの対応等ア 本件各経営委員会の議事録(公表部分)は、平成30年10月26日、同年11月16日、同月30日に、それぞれ被告NHKのウェブサイトに15掲載されて公表された。もっとも、上記の各議事録の議事経過には、B元会長に対する厳重注意に関する議論の内容は記載されていなかった。(丙14〜16、33~35)イ 令和元年9月26日、被告NHKに対して、視聴者から2件の開示の求めがされた。これらは、それぞれ、「2018年4月24日放送の『クロ20ーズアップ現代+』や日本郵政グループについて、NHK経営委員会で行われた議論の内容が分かる一切の資料」及び「2018年度以降、NHK経営委員会がB会長に対して行った厳重注意について、経営委員会で行れた ップ現代+』や日本郵政グループについて、NHK経営委員会で行われた議論の内容が分かる一切の資料」及び「2018年度以降、NHK経営委員会がB会長に対して行った厳重注意について、経営委員会で行れたママ議論の内容が分かる一切の資料」を対象としていた。 被告NHKは、令和元年12月25日、上記開示の求めに対し、一部の25文書を開示したものの、本件各経営委員会で配付された議論のための資 10料及び議事録(非公表部分)については、被告NHKの事業に関する情報であって、開示することにより被告NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあり、情報公開規程8条1項1号(前記ウ(エ)a)に該当するとして、不開示とした。 被告NHKによる上記の判断に対し、令和2年1月28日、視聴者から5再検討の求め(前記ウ(キ))がされたところ、被告NHKは、対象文書は役員の職務の執行の監督(前記ア(ウ))のための協議に関する情報であり、開示することにより、今後の同種の審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあり、また、非公表を前提に行われた意思形成過程の情報であって、開示することにより被告NHKの事10業活動に支障を及ぼすおそれがあり、情報公開規程8条1項1号及び2号に該当するとの意見を付して、審議委員会の意見を求めた(前記⑴ウ(ク))。 審議委員会は、令和2年5月22日、答申第797号及び第798号として回答し、上記の各文書について情報公開規程上の不開示事由は認め15られず、いずれも開示すべきであるとした。 被告NHKは、上記の審議委員会の意見を受け、本件各経営委員会において配付された資料については開示したものの、本件各経営委員会の議事録(非公表部分)は開示せず、既に公表済みの議事録の末尾に議論の経過等をまとめた 上記の審議委員会の意見を受け、本件各経営委員会において配付された資料については開示したものの、本件各経営委員会の議事録(非公表部分)は開示せず、既に公表済みの議事録の末尾に議論の経過等をまとめた文章を追記し、これを公表するとともに開示した。 20(イにつき、丙3、4、14~16、20、弁論の全趣旨)ウ そこで、視聴者から、被告NHKに対し、改めて、前記イでされた開示の求めとほぼ同趣旨の3件の開示の求めがされた。被告NHKは、これらの開示の求めを受けて、一部の資料を開示したが、本件各経営委員会の議事録(非公表部分)については、なお不開示とした。 25被告NHKによる上記の判断に対し、再検討の求め(前記ウ(キ))が 11されたところ、被告NHKは、上記の各議事録は情報公開規程8条1項1号及び2号に該当するとの意見を付して、審議委員会の意見を求めた(同(ク))。審議委員会は、令和3年2月4日、答申第814号、第815号及び第816号として回答し、上記の各議事録についていずれも要約する形ではなくそのままを開示すべきであるとした。 5(ウにつき、丙5~7)⑹ 本件訴訟の提起等ア その後、原告らは、令和3年4月7日、被告NHKに対し、①「『クローズアップ現代+』を巡ってNHK経営委員会でなされた議論の内容(B会長に対して厳重注意をするに至った議論を含む)がわかる一切の記録・10資料」、②「『NHK情報公開・個人情報保護審議委員会』が提出した答申第797号、第798号、第814号、第815号、第816号を受けて、NHK経営委員会が行った当該議事録等の開示を巡る議論の内容がわかる一切の記録・資料」を対象文書として、開示の求めをし、被告NHKはこれを受理した。 15イ 第1事件原告らは、令和3年6月14日、前 経営委員会が行った当該議事録等の開示を巡る議論の内容がわかる一切の記録・資料」を対象文書として、開示の求めをし、被告NHKはこれを受理した。 15イ 第1事件原告らは、令和3年6月14日、前記アの①及び②の各文書の開示と損害賠償を求めて、本件訴訟(第1事件)を提起した(当裁判所に顕著な事実)。 ウ 被告NHKの経営委員会は、第1372回経営委員会会議(令和3年2月24日開催)から第1381回経営委員会会議(同年7月6日開催)ま20でにおいて、前記⑸ウの各答申への対応を検討し、本件各経営委員会の議事録(非公表部分)を開示する旨の決定をした(丙23~32)。 エ 被告NHKは、令和3年7月9日から同月27日にかけて、原告らに対し複数の文書を開示した。同月9日付けで開示された文書は、「別紙」、「開示の求めのありました文書を開示します。」との記載のある1枚の文25書と、「経営委員会 委員のみの会」との記載のある3点の文書であり、 12後者は、それぞれ、平成30年10月9日、同月23日及び同年11月13日の日付が記載された文書で、B元会長に対する厳重注意等に関係する経営委員会の委員らの発言が逐語的に記載されているものであった(甲1の1〜1の4。以下、上記3点の文書を「本件粗起こし」という。)。 オ 第2事件原告らは、令和3年9月16日、前記アの①及び②の各文書の5開示と損害賠償を求めて、本件訴訟(第2事件)を提起した(当裁判所に顕著な事実)。 カ 原告らは、本件訴訟の第5回口頭弁論期日(令和4年10月26日)に陳述された書面によって、開示請求の対象とする文書を、別紙開示請求文書目録記載のものに変更した(当裁判所に顕著な事実。以下、別紙開示請10求文書目録記載1の文書を「開示請求文書1」といい、同目録記載2の文 面によって、開示請求の対象とする文書を、別紙開示請求文書目録記載のものに変更した(当裁判所に顕著な事実。以下、別紙開示請10求文書目録記載1の文書を「開示請求文書1」といい、同目録記載2の文書を「開示請求文書2」といい、開示請求文書1及び2を併せて「本件各開示請求文書」という。)。 2 主な争点⑴ 文書開示請求及び損害賠償請求関係15本件各開示請求文書の存否(争点1)⑵ 損害賠償請求関係ア 被告らの損害賠償責任の有無(争点2)イ 損害の有無及び額(争点3)3 主な争点に対する当事者の主張20⑴ 本件各開示請求文書の存否(争点1)について(原告らの主張)ア 原告らが開示請求文書1として開示を求める文書は、放送法41条及び議事運営規則5条1項に基づき、被告NHKの経営委員会による内容の確認並びに委員長又は委員長職務代行者及び監査委員会が選定する監査委員251人による署名がされ、かつ、B元会長に対する厳重注意に関する議事経 13過が記載された、本件各経営委員会の議事録である。 被告Aは、本件粗起こしが放送法41条に基づいて作成された正式な議事録であり、それ以外に議事録は存在しない旨の主張をするが、本件粗起こしは、「整理、精査されていない粗起こしのものです。」、「整理、精査されていないだけでなく、経営委員会での確認を経ていないもので5す。」などの注意書きが記載された別紙が添付されているように、内容の確認がされていない内部資料にすぎない。議事運営規則は、一定の場合には議事録を非公表とすることを認めているものの、作成義務を免除しているものではないから、経営委員会による内容の確認等がされた議事録が存在しないということはあり得ず、開示請求文書1は存在してい10る。 イ 原告らが開示請求 めているものの、作成義務を免除しているものではないから、経営委員会による内容の確認等がされた議事録が存在しないということはあり得ず、開示請求文書1は存在してい10る。 イ 原告らが開示請求文書2として開示を求める文書は、本件各経営委員会の議事の様子を録音又は録画した電磁的記録である。 本件各経営委員会の議事録を作成するために被告NHKの経営委員会事務局の職員が議事の様子を録音したことには争いがないところ、その録15音データ(以下「本件各録音データ」という。)の消去の事実は認められないから、開示請求文書2は存在している。 (被告NHKの主張)ア 本件各経営委員会の議事録として、B元会長に対する厳重注意に関係する議事経過が記載されたもので、被告NHKの経営委員会による内容の確20認等がされたもの(開示請求文書1)は存在しない。 原告らは、被告NHKが上記の議事録を隠蔽していると主張するが、内容確認等の手続が完了した議事録を保有しながら、あえて議事録が存在しないと主張しつつ、議論の内容が詳細に記載された本件粗起こしのみを開示するという不合理なことを行うはずがない。 25イ 本件各録音データは被告NHKの経営委員会事務局によって既に削除さ 14れているから、開示請求文書2は存在しない。 ⑵ 被告らの損害賠償責任(争点2)について(原告らの主張)ア 主位的主張(本件各開示請求文書の存在を前提とする主張)(ア) 被告NHKの債務不履行に基づく損害賠償責任5被告NHKは、開示の求めの手続に及んだ原告らに対し、令和3年5月24日までに本件各開示請求文書を開示すべき債務があったにもかかわらず、これを不当に遅滞しているから、債務不履行に基づく損害賠償責任を負う。 (イ) 被告Aの不法行為に基づく損害賠償 令和3年5月24日までに本件各開示請求文書を開示すべき債務があったにもかかわらず、これを不当に遅滞しているから、債務不履行に基づく損害賠償責任を負う。 (イ) 被告Aの不法行為に基づく損害賠償責任10被告Aは、自らが放送法3条、32条2項に違反して番組に介入したことを隠蔽するために、本件各開示請求文書の存在を認識しながら、この開示を妨げることで、原告らの被告NHKに対する文書開示請求権を侵害したものであるから、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。 イ 予備的主張(本件各開示請求文書の不存在を前提とする主張)15(ア) 被告NHKの債務不履行に基づく損害賠償責任仮に本件各開示請求文書が不存在である場合、被告NHKの原告らに対する文書開示債務は履行不能となり、被告NHKが帰責事由の存在を否定できない以上、被告NHKは債務不履行に基づく損害賠償責任を負う。 20(イ) 被告Aの不法行為に基づく損害賠償責任仮に開示請求文書1が不存在である場合、被告Aは、放送法41条により義務付けられた経営委員会議事録の作成義務を放棄し、又は懈怠したことにより、原告らの被告NHKに対する文書開示請求権を侵害したものであるから、被告Aは不法行為に基づく損害賠償責任を負25う。 15また、仮に開示請求文書2が不存在である場合、被告Aは、経営委員会議事録の作成に不可欠の電磁的記録を保存せず消去したことにより、原告らの被告NHKに対する文書開示請求権を侵害したものであるから、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。 (被告NHKの主張)5情報公開規程3条は、開示の求めの対象となる文書を、被告NHKの役職員が業務上共用するものとして保有している文書(電磁的記録を含む。)と定義しているから、存在していない文書は「保有してい )5情報公開規程3条は、開示の求めの対象となる文書を、被告NHKの役職員が業務上共用するものとして保有している文書(電磁的記録を含む。)と定義しているから、存在していない文書は「保有している文書」に当たらず、開示の対象にならない。しかるところ、本件各開示請求文書はいずれも存在しないから、原告らは被告NHKに対して文書開示請求権を有しておらず、10被告NHKが債務不履行になることはない。このことは、被告NHKの経営委員会の委員長が放送法41条に基づく経営委員会議事録の作成と公表義務を怠っているか否かとは無関係である。したがって、原告らの主位的主張も予備的主張も理由がない。 (被告Aの主張)15ア 主位的主張(本件各開示請求文書の存在を前提とする主張)について(ア) 開示請求文書1について経営委員会議事録の記載事項のうち、議事経過については、各発言者の発言を逐語的に記載することとしているため、通常は、経営委員会の終了後に各議題に関する各委員の発言を逐語的に粗起こしし、各20委員が次回の経営委員会においてその内容を確認した上で、委員長又は委員長職務代行者及び監査委員の署名を経て、被告NHKのウェブサイトで公表される。 もっとも、議事運営規則5条1項は、「原則として」経営委員会が内容の確認等をすると定めているところ、非公表事由に当たると判断25された議題に係る議事経過については、上記の原則的な取扱いの例外 16として、公表のみならず内容の確認等も不要とする運用がされている。 具体的には、議事運営規則5条4項各号所定の非公表事由に該当すると認められる議題がある場合、当該非公表事由に該当しない議題に係る議事経過については、通常どおり内容の確認等を経て公表がされるが、当該非公表事由に該当する議題に係る議 各号所定の非公表事由に該当すると認められる議題がある場合、当該非公表事由に該当しない議題に係る議事経過については、通常どおり内容の確認等を経て公表がされるが、当該非公表事由に該当する議題に係る議事経過については、その5内容を経営委員会が確認するという手順は採られず、粗起こしのまま、公表される議事録と一体のものとして、どちらも放送法41条所定の経営委員会議事録として管理される。 そして、本件各経営委員会において行われた、B元会長に対する厳重注意に関する議題は、審議、検討又は協議に関する情報であって公10表することにより審議が円滑に行われることが阻害されるおそれがあるものであるとともに、調査又は人事その他の事務に関する情報であって公表することにより被告NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあると認められ、非公表とすることが経営委員らの中で黙示的に合意されていたから、議事録は上記の例外的な取扱いに基づいて作成さ15れており、原告らに開示した本件粗起こしが、放送法41条に基づく経営委員会議事録である。 したがって、原告らが主張するような、経営委員会による内容の確認等がされ、かつ、B元会長に対する厳重注意に関する議事経過が記載された本件各経営委員会の議事録(開示請求文書1)は、作成され20ていない。 (イ) 開示請求文書2について被告NHKの経営委員会には、その職務の執行を補助するための組織として経営委員会事務局が設置されており、経営委員会事務局は、経営委員会議事録の作成の補助業務として、経営委員会議事録の草案25を作成している。 17前記(ア)のとおり、議事経過については原則として逐語的に各発言者の発言内容を記載することとしているため、草案の記載の正確性を期すべく、議事録の草案作成を担当する経営委員 成している。 17前記(ア)のとおり、議事経過については原則として逐語的に各発言者の発言内容を記載することとしているため、草案の記載の正確性を期すべく、議事録の草案作成を担当する経営委員会事務局の職員が経営委員会に同席し、ICレコーダーを用いて録音する運用がされている。 5経営委員会における出席者の発言に係るICレコーダーに記録された録音データは、上記職員が業務上使用するパソコンに保存されると、ICレコーダーから消去される。その後、職員は、録音データを基に各発言者の発言内容を書き起こす。経営委員から内容に関する意見や発言内容の確認を求められる場合等に備え、録音データは次回の経営10委員会で内容の確認を経て署名がされるまで、職員のパソコンにおいて管理される。 その後、経営委員会での内容の確認及び署名がされた段階で、非公表事由に該当する議題に係る議事経過も含めてその内容が確定するから、録音データは、職員のパソコンからも消去される。 15本件各録音データも、上記のような一般的な取扱いに従い、それぞれ次回の経営委員会で内容が確認され、署名がされた時点で削除されているから、存在しない。 なお、経営委員会事務局において、経営委員会の開催時に、その内容を録画する運用は存在しない。 20したがって、開示請求文書2は存在しない。 イ 予備的請求(本件各開示請求文書の不存在を前提とする主張)について前記ア(ア)のとおり、原告らが主張するような、経営委員会による内容の確認等がされ、かつ、B元会長に対する厳重注意に関する議事経過が記載された本件各経営委員会の議事録(開示請求文書1)は、作成され25ていないところ、仮に本件粗起こしが放送法41条に基づく議事録であ 18ると認められないとしても、本件各経営委員会が が記載された本件各経営委員会の議事録(開示請求文書1)は、作成され25ていないところ、仮に本件粗起こしが放送法41条に基づく議事録であ 18ると認められないとしても、本件各経営委員会が開催された平成30年10月から同年11月までの当時、被告Aは経営委員会の委員長ではなく、経営委員会議事録の作成義務を負っていなかった。また、被告Aが、経営委員会の委員長に就任した後、その就任前に行われた経営委員会について、議事録を再度適式に作成すべき義務を負っているとは解されな5い。したがって、被告Aは本件各経営委員会の議事録の作成義務を負っておらず、その懈怠による責任を負わない。 また、被告NHKの経営委員会の録音データの保存等について定めた規則は存在せず、かつ、被告NHKが定める文書保存の準則は経営委員会には適用されない。そして、本件各経営委員会が開催された平成30年1010月から同年11月までの当時に経営委員会の委員長ではなかった被告Aがこれらの削除に関与したこともない。 ⑶ 損害の有無及び額(争点3)について(原告らの主張)原告らは、主位的に被告NHKとの間の受信契約に基づき、予備的に被告15NHKとの間の文書開示に関する合意に基づき、被告NHKに対して有する文書開示請求権が侵害されたことにより、被告NHKという公共放送機関の運営に主権者として関わりをもつ利益及び人格的利益としての知る権利が侵害されるとともに、消費者被害を回避するための情報の取得が妨害され、精神的苦痛を受けた。この苦痛を慰謝するための慰謝料は、原告1人当たり120万円を下回るものではない。 また、文書開示を実現するための弁護士費用は、原告1 人当たり1万円を下回るものではない。 (被告らの主張)否認し又は争う。 25第3 当裁判 たり120万円を下回るものではない。 また、文書開示を実現するための弁護士費用は、原告1 人当たり1万円を下回るものではない。 (被告らの主張)否認し又は争う。 25第3 当裁判所の判断 191 認定事実前提事実等に証拠(甲3、丙37、38、原告C本人、被告A本人及び証人Dのほか、後掲のもの)及び弁論の全趣旨を併せると、以下の事実が認められる。 ⑴ 経営委員会作成の文書を対象とする文書開示の流れ(弁論の全趣旨)5被告NHKの経営委員会の情報及び文書の管理については、被告NHKの執行部は関与せず、経営委員会が自主的な判断によってこれを行っている。 経営委員会の文書について情報公開規程に基づく開示の求めがあった場合、被告NHKの担当窓口は、経営委員会に問い合わせる方法により、該当文書の有無を確認する。その上で、被告NHKの情報公開制度の窓口である情報10公開・個人情報保護センターは、経営委員会が開示すると判断した文書を経営委員会から受領し、これを開示の求めを行った者に交付する。 ⑵ 本件各経営委員会の議事録の存否に関する被告Aの発言等ア 毎日新聞は、令和元年9月26日から同月30日にかけて、被告NHKの経営委員会がB元会長に対して厳重注意をしたこと、当該厳重注意は個15別番組への介入と受け止められかねず、被告NHKの自律を揺るがすものであること、当該厳重注意に関する議論は非公表の場で行われ、議事録が公表されていないこと等を報道した(甲4、5)。 イ 被告Aは、令和元年10月3日、「『かんぽNHK問題』野党合同ヒアリング」(以下「野党ヒアリング」という。)において、野党議員から、20B元会長に対する厳重注意に関する議事録を公開する気がないのかと問われたのに対し、もともと議事録がない、こ 題』野党合同ヒアリング」(以下「野党ヒアリング」という。)において、野党議員から、20B元会長に対する厳重注意に関する議事録を公開する気がないのかと問われたのに対し、もともと議事録がない、こういった議事録は作っていないなどと発言した(甲6・1時間17分~18分頃)。 ウ 被告NHKの当時の監査委員であったE(以下「E監査委員」という。)は、令和元年10月4日、野党ヒアリングにおいて、経営委員会事務局に25確認したところ議事録そのものを作っていない、そのときどきで誰が何を 20発言したのかというのは少なくとも何も残っていないなどと発言した(甲7・12分~14分頃)。 エ 被告Aは、令和元年10月8日、野党ヒアリングにおいて、非公開案件の議事録は作っていない、公開しているものが議事録としては全てであるなどと発言した(甲8・18分頃)。 5オ 当時の総務大臣であったFは、令和元年10月11日、衆議院予算委員会において、経営委員会の議事録は放送法41条に基づいて経営委員会の定めることにより作成、公表を行うということになっており、経営委員会においては適切にこれを説明し、対応していただきたいと思っているなどと答弁した(甲9)。 10カ 被告NHKは、令和元年10月15日、被告NHKのウェブサイトに、本件各経営委員会におけるB元会長に対する厳重注意に関する議事経過の要旨を公表した(甲10)。 キ 被告Aは、令和元年10月16日の野党ヒアリングにおいて、非公表にするものについて、公表しないという前提で整理、精査していない議事録15に相当する記録は残してあるなどと発言した(甲11・10分頃)。 ク 本件各経営委員会の当時に経営委員会の委員長であったG(以下「G元委員長」という。)は、令和元年11月7日、衆議院総務委員 15に相当する記録は残してあるなどと発言した(甲11・10分頃)。 ク 本件各経営委員会の当時に経営委員会の委員長であったG(以下「G元委員長」という。)は、令和元年11月7日、衆議院総務委員会において、公表、非公表にかかわらず議事録は作成している、非公表部分については、公表する形で整理、精査されたものではないが、議事の経過を記録した議20事録は存在するなどと答弁した(甲12)。 ⑶ 本件粗起こしの記載内容ア 令和3年7月9日付で原告らに開示された本件粗起こしには、別紙が付されており、当該別紙には「経営委員会の議事録は、放送法第41条に基づき作成していますが、対象文書は、整理、精査されていない粗起こしの25ものです。通常、議事録は経営委員会において内容を確認したうえで、委 21員長または委員長職務代行者および監査委員会が選定する監査委員1人が署名するという公表のプロセスを経ていますが、対象文書は、公表する議事録とは異なり、内部での作成の過程に位置づけられる資料であり、整理、精査されていないだけでなく、経営委員会での確認を経ていないものです。」との記載がされている(甲1の1、前提事実等⑹エ)。 5イ 本件粗起こしのうち、「経営委員会 委員のみの会 平成30年10月9日(火)」と題する文書には、経営委員らが、郵政3社からの申入れと本件放送について議論をしている様子が逐語的に記載されている(甲1の2、前提事実等⑹エ)。 ウ 本件粗起こしのうち、平成30年10月23日付の「経営委員会(委員10のみの会①)及び「経営委員会(委員のみの会②)」と題する文書には、経営委員らが郵政3社に対する返答の内容及びB元会長に対する注意の内容を検討する様子、B元会長に対して口頭で厳重注意をする様子が逐語的に記載されている(甲 員会(委員のみの会②)」と題する文書には、経営委員らが郵政3社に対する返答の内容及びB元会長に対する注意の内容を検討する様子、B元会長に対して口頭で厳重注意をする様子が逐語的に記載されている(甲1の3、前提事実等⑹エ)。 エ 本件粗起こしのうち、「経営委員会 委員のみの会 平成30年11月1513日(火)」と題する文書には、B元会長に対する厳重注意の後、日本郵政株式会社のH副社長から経営委員会宛てに感謝の文書が届いたことが報告されている様子が逐語的に記載されている(甲1の4、前提事実等⑹エ)。 2 開示請求の法的根拠について20争点に対する判断に先立ち、原告らの被告NHKに対する文書開示請求の法的根拠について検討する。 ⑴ 原告らは、主位的には被告NHKとの間の受信契約に基づき文書開示請求権が発生する旨主張するとともに、予備的に被告NHKとの間の文書開示に関する合意に基づき文書開示請求権が発生すると主張する。これに対し、被25告NHKは、受信契約に基づき文書開示請求権が発生することは争う一方、 22情報公開規程が定める要件を満たした開示の求めを被告NHKが受理した場合には、被告NHKと開示の求めをした者との間に情報公開規程を内容とする合意が成立し、これに基づき文書開示請求権が発生することは争わない。 ⑵ そこで検討すると、放送法は、64条1項において、被告NHKの放送を受信することができる受信設備を設置した者は、被告NHKと受信契約を締5結しなければならないと規定するが、その受信契約によって原告らが主張するような文書開示請求権が発生する旨の規定は置いておらず、受信契約によって被告NHKに対する文書開示請求権が発生するとは直ちに認められない。 一方、原告らは、令和3年4月7日、被告NHKに対して、①「『ク な文書開示請求権が発生する旨の規定は置いておらず、受信契約によって被告NHKに対する文書開示請求権が発生するとは直ちに認められない。 一方、原告らは、令和3年4月7日、被告NHKに対して、①「『クローズアップ現代+』を巡ってNHK経営委員会でなされた議論の内容(B会長10に対して厳重注意をするに至った議論を含む)がわかる一切の記録・資料」、②「『NHK情報公開・個人情報保護審議委員会』が提出した答申を受けて、NHK経営委員会が行った当該議事録等の開示を巡る議論の内容がわかる一切の記録・資料」について開示の求めをし、被告NHKはこれを受理しており(前提事実等⑹ア)、原告らと被告NHKの主張にも照らすと、これによ15り、原告らと被告NHKとの間で、被告NHKが、情報公開規程の定める手続に従い、その要件を満たす場合には、原告らに当該文書を開示する旨の合意が成立したものと認められる。 そして、本件各開示請求文書は、いずれも、上記①「『クローズアップ現代+』を巡ってNHK経営委員会でなされた議論の内容(B会長に対して厳20重注意をするに至った議論を含む)がわかる一切の記録・資料」に含まれると解されるから、原告らは、情報公開規程の要件を満たす場合には、被告NHKに対し、上記合意に基づいて、本件各開示請求文書の開示を求める権利を有すると解するのが相当である。 3 争点1(本件各開示請求文書の存否)について25⑴ 情報公開規程は、開示の求めの対象となる文書を、被告NHKの役職員が 23業務上共用するものとして保有している文書(電磁的に記録されたものを含む。)と定義しているから(前提事実等⑴ウ(イ))、開示の対象は、少なくとも現に存在する文書である必要があると解される。 原告らの被告NHKに対する文書開示請求権は、情報公開 的に記録されたものを含む。)と定義しているから(前提事実等⑴ウ(イ))、開示の対象は、少なくとも現に存在する文書である必要があると解される。 原告らの被告NHKに対する文書開示請求権は、情報公開規程の要件を満たす場合に発生するものであるから(前記2⑵参照)、被告NHKに対して5文書の開示を求める訴訟においては、原告らが、被告NHKの役職員が対象文書を保有していること(対象文書の存在)について主張立証責任を負うと解するのが相当である。 ⑵ 開示請求文書1について原告らは、本件各経営委員会に関して既に被告NHKのウェブサイトに公10表されている議事録(公表部分。前提事実等⑸ア)や本件粗起こし(甲1の2~4)とは別に、経営委員会による内容の確認並びに委員長又は委員長職務代行者及び監査委員会が選定する監査委員1人による署名がされたものとして、B元会長に対する厳重注意に係る議事経過が記載された本件各経営委員会の議事録が存在すると主張する。 15しかしながら、被告Aは、非公表事由に当たると判断された議題に係る議事経過については、公表のみならず内容の確認及び署名も不要とする取扱いがされている旨主張し、被告A及び経営委員会事務局長である証人Dはこれに沿う供述をしている(被告A本人2~4頁、証人D14頁)。そして、本件においては、議論の内容が詳細に(逐語的に)記載されてはいるものの、20経営委員会の確認を経ていないものとされた本件粗起こしが開示されている(認定事実⑶)。 前提事実等⑸、⑹のとおり、審議委員会により2度にわたり本件各経営委員会の議事録を開示すべきであるとの答申がされた後に、経営委員会の確認を経ていないものとして本件粗起こしが開示された。このことは、そもそも25上記確認を経た議事録が存在しないことを推測させる 委員会の議事録を開示すべきであるとの答申がされた後に、経営委員会の確認を経ていないものとして本件粗起こしが開示された。このことは、そもそも25上記確認を経た議事録が存在しないことを推測させるものといえる(仮にそ 24のような議事録が他に存在するのであれば、それを開示すればよく、そのような議事録を開示しない一方で、議論の内容が逐語的に記載され、議論の状況が迫真性をもって看取され得る本件粗起こしが開示されることは、それ自体不自然であるといわざるを得ない。)。そうすると、経営委員会における上記の開示当時の取扱いは、被告Aの主張するとおりであったというのが実5情であったものと認められる(なお、このような取扱いが議事運営規則に照らして適切といえるか否かは別問題である。)。 他に、B元会長に対する厳重注意に係る議題について、経営委員会による内容の確認等を経た議事録が作成されたことを認めるに足りる証拠はない。 したがって、開示請求文書1が存在するとは認められない。 10⑶ 開示請求文書2についてア 原告らは、本件各経営委員会の議事録を作成するために経営委員会事務局において会議の録音・録画がされているはずであり、その録音・録画データが存在すると主張する。 しかしながら、本件各経営委員会の議事録を作成するため、経営委員会15事務局の職員が、その議事の内容を録画していたことを認めるに足りる証拠はない。 他方、本件各経営委員会の議事録を作成するため、経営委員会事務局の職員が、その議事の内容を録音し、その録音データ(本件各録音データ)をかつて保有していたことには争いがない。 20そして、前記⑴のとおり、被告NHKに対して文書の開示を求める訴訟において、原告らが、被告NHKの役職員が対象文書を保有していること(対象文 タ)をかつて保有していたことには争いがない。 20そして、前記⑴のとおり、被告NHKに対して文書の開示を求める訴訟において、原告らが、被告NHKの役職員が対象文書を保有していること(対象文書の存在)について主張立証責任を負うと解するのが相当ではあるものの、本件各録音データは、議事録の正確性を担保するために必要な資料であること(被告らも、そのことは争っていない。)、原告25らは被告NHKが保有する文書の管理状況を直接確認、調査することが 25困難であること等を踏まえると、過去のある時点において被告NHKの役職員が本件各録音データを保有していた事実(本件各録音データの存在)がある場合には、その状態がその後も継続していることが事実上推認され、本件各録音データがいずれかの時点で削除されたことが立証されない限り、被告NHKの役職員が現時点においても本件各録音データ5を保有していると認められるものというべきである。 イ 被告NHKは、本件各録音データは、経営委員会での内容の確認がされた時点、具体的には、第1315回経営委員会の録音データについては第1316回経営委員会において、第1316回経営委員会の録音データについては第1317回経営委員会において、第1317回経営委員会の録10音データについては第1318回経営委員会において、それぞれ公表部分の議事録について経営委員会による内容の確認等がされた時点で削除されたと主張し、被告A及び証人Dもこれに沿う供述をする(被告A本人9頁、証人D8、9頁)。 (ア) 前記アのとおり、本件各録音データは、議事録の正確性を担保す15るために作成されたものであるから、議事録の正確性が確認された場合には、議事録とは別に本件各録音データを保存する必要はない。 しかし、本件粗起こしは、 各録音データは、議事録の正確性を担保す15るために作成されたものであるから、議事録の正確性が確認された場合には、議事録とは別に本件各録音データを保存する必要はない。 しかし、本件粗起こしは、経営委員会による内容の確認等がされたものではないというのであるから、その正確性が確認されたものとは認められない。 20また、情報公開規程において再検討の求めの制度が定められていること(前提事実等⑴ウ(キ))を踏まえれば、たとえ経営委員会において議事録を非公表にする旨を決定した場合であっても、正に本件のように、事後的にその開示を求められ、正確性の確認を要する場合があることが制度上想定されている。 25そうすると、公表部分の議事録について経営委員会による内容の確 26認等が済んだとしても、なお非公表部分の議事経過(本件粗起こし)についてはその記載内容の正確性を担保する必要性が残っており、本件粗起こしとは別に録音データを保存する必要がなくなったとは直ちに認められない。 (イ) また、認定事実⑵イ~エのとおり、被告Aは、令和元年10月35日と8日の野党ヒアリングにおいて、議事録は作っていない旨発言し、E監査委員も、同月4日の野党ヒアリングにおいて、誰が何を発言したのかは何も残っていない旨発言している。これらの発言は、(公表部分について経営委員会による内容の確認等がされたときより後である)上記各野党ヒアリングの時点において、議事経過を逐語的に記録10した文書がまだ作成されておらず、その後、まだ削除されていなかった本件各録音データを基にして、本件粗起こしが作成された可能性があることを示すものといえる。なお、被告Aは、上記各野党ヒアリングの当時、本件各経営委員会におけるB元会長に対する厳重注意に関係する議事経過が作成されてい 基にして、本件粗起こしが作成された可能性があることを示すものといえる。なお、被告Aは、上記各野党ヒアリングの当時、本件各経営委員会におけるB元会長に対する厳重注意に関係する議事経過が作成されていることは認識していたものの、当該議15事経過が放送法41条所定の議事録に当たるか否かという法的な位置付けについては明確な議論がされていなかったため、公表される議事録として作成されていないという趣旨で、議事録は作っていない旨発言したにすぎないと主張するが、認定事実⑵ウのとおり、E監査委員が、経営委員会事務局に確認をした上で、誰が何を発言したのか残っ20ていないと述べていることも踏まえると、被告Aの上記主張は採用し難い。 (ウ) 以上によれば、本件各録音データが、公表部分の議事録作成時の一般的な取扱いに従って削除された旨の被告A及び証人Dの前記供述は、直ちに採用することができない。なお、被告Aは、経営委員会事25務局においては、録音データを含む電子データ一般について業務上利 27用する可能性がなくなった時点で速やかに削除することを定めた被告NHKの情報セキュリティ対策基準(電子)(丙40)に基づいて録音データを取り扱っている旨の主張をするが、本件各録音データを業務上利用する可能性がなくなったとは直ちに認められないことは、前記(ア)のとおりである。 5(エ) 他に、本件各録音データが公表部分の議事録作成時の一般的な取扱いに従って削除されたことを認めるに足りる証拠はない。 ウ したがって、本件各録音データがいずれかの時点で削除されたとは認められないから、被告NHKの役職員は、現時点においても本件各録音データを保有しているものと認められる。 10小括以上のとおり、本件各録音データは、現に存在し、被告NHKの役職員 たとは認められないから、被告NHKの役職員は、現時点においても本件各録音データを保有しているものと認められる。 10小括以上のとおり、本件各録音データは、現に存在し、被告NHKの役職員が保有している。 また、弁論の全趣旨によれば、経営委員会会議の議事録における議事経過は、通常、出席者の発言内容を逐語的に記載する形で作成されているところ、15そのためには議事経過の録音が必要不可欠であり、経営委員会において議事録の記載内容の正確性が問題になった場合には、録音データを確認することが予定されているものと認められるから、本件各録音データは、経営委員会事務局の担当職員が個人的な備忘録として作成し、専ら当該職員の判断で廃棄することのできるような性質のものではなく、経営委員会事務局がその職20務として作成・使用しているものであり、被告NHKの役職員が「業務上共用するもの」として保有している文書(前提事実等(1)ウ(イ))であると認められる。 そして、被告NHKは、本件各録音データについて不開示事由の存在を主張しないから、原告らは、被告NHKに対し、本件各録音データの開示を求25めることができるというべきである。 28したがって、原告らの請求のうち被告NHKに対する文書開示請求は、主文第1項の限度で理由がある。 4 争点2(被告らの損害賠償責任)について⑴ 開示請求文書1についてア 開示請求文書1については、前記3⑵のとおり存在するとは認められな5いから、原告らの予備的主張について検討する。 イ 原告らは、開示請求文書1が不存在である場合、被告NHKの文書開示債務は履行不能になると主張するが、そもそも現に存在しない文書については開示の求めの対象にならず、被告NHKに対する文書開示請求権は発生しない(前 請求文書1が不存在である場合、被告NHKの文書開示債務は履行不能になると主張するが、そもそも現に存在しない文書については開示の求めの対象にならず、被告NHKに対する文書開示請求権は発生しない(前記2⑵参照)。したがって、被告NHKが開示請求文書1を10原告らに開示する債務を負っていることを前提とする原告らの主張は失当であり、開示請求文書1を開示しないことにつき、被告NHKに債務不履行があるとはいえない。 ウ 次に、原告らは、開示請求文書1が不存在である場合、被告Aが開示請求文書1を作成しないことは、原告らの被告NHKに対する文書開示請求15権を侵害するものであって、原告らに対する不法行為を構成すると主張するが、前記イのとおり、開示請求文書1に関する開示請求権は発生しないのであるから、原告らが主張する権利侵害は、その前提を欠く。また、本件各経営委員会には当時の経営委員会の委員長であったG元委員長が参加していたこと(甲1の2〜1の4、丙14〜16)からすると、経営委員20会議事録の作成義務者は、G元委員長であって、被告Aではないし(前提事実等⑴ア(キ))、被告Aが、経営委員会の委員長として、その就任前に行われた本件各経営委員会の議事録を作成すべきものと解する根拠を見いだすこともできないから、被告Aが開示請求文書1を作成しないことが原告らに対する義務違反を構成するものということもできず、この点につい25て被告Aの不法行為は成立しない。 29エ したがって、その他の点について判断するまでもなく、開示請求文書1を開示しないことに関し、被告NHKや被告Aが原告らに対する損害賠償責任を負うということはできない。 ⑵ 開示請求文書2についてア 開示請求文書2のうち、本件各録音データについては、前記3⑶のとお5り ことに関し、被告NHKや被告Aが原告らに対する損害賠償責任を負うということはできない。 ⑵ 開示請求文書2についてア 開示請求文書2のうち、本件各録音データについては、前記3⑶のとお5り現に存在していると認められるから、原告らの主位的主張について検討する。 イ 前記3⑷のとおり、被告NHKは、原告らに対し、本件各録音データを開示する債務を負っているところ、原告らが本件各録音データを含む「『クローズアップ現代+』を巡ってNHK経営委員会でなされた議論の10内容(B会長に対して厳重注意をするに至った議論を含む)がわかる一切の記録・資料」につき開示の求めをしたのは令和3年4月7日であること(前提事実等⑹ア)、開示の求めに対する判断は原則として開示の求めがあった日から30日以内にされ、文書の開示は、開示の求めを行った者が書面により上記判断結果の連絡を受けた日から2週間以内に行うこととさ15れていること(前提事実等ウ(オ)、(カ))等に鑑みれば、被告NHKは、遅くとも原告らが本件訴訟を提起した時(第1事件原告らにつき同年6月14日、第2事件原告らにつき同年9月16日)までには本件各録音データを開示すべきであったところ、まだ開示されていないから、この点について、被告NHKには債務不履行があるといえる。 20ウ 次に、本件各録音データが存在している以上、それは経営委員会事務局の職員が管理するパソコンなどの端末又は経営委員会事務局の職員が共有するネットワーク上にあると認められ、経営委員会事務局の職員は、その存在を認識していると考えるのが自然である。また、被告Aが、令和元年10月3日と8日の野党ヒアリングにおいて、議事録は作っていない旨発25言し、E監査委員も、同月4日の野党ヒアリングにおいて、誰が何を発言 30 るのが自然である。また、被告Aが、令和元年10月3日と8日の野党ヒアリングにおいて、議事録は作っていない旨発25言し、E監査委員も、同月4日の野党ヒアリングにおいて、誰が何を発言 30したのかは何も残っていない旨発言したにもかかわらず、同月11日に当時の総務大臣が経営委員会の議事録について適切な説明を求めたことを受けて、被告Aが、同月16日の野党ヒアリングにおいて、非公表にするものについて、公表しないという前提で整理、精査していない議事録に相当する記録は残してあるなどと発言するに至ったこと(認定事実イ~オ、5キ)からすれば、被告Aは、遅くとも同日頃までには、経営委員会事務局の職員から告げられるなどして、本件各録音データの存在を認識していたものと認められる。そうすると、被告Aは、同日頃以降、現在に至るまで、本件各録音データの存在を認識しながら、これを開示するための措置を講ずることなく、原告らの被告NHKに対する文書開示請求権を侵害してい10るというべきであり、以上の被告Aの行為は、不法行為に該当するものといえる。 エ したがって、本件各録音データを開示しないことは、被告NHKの債務不履行及び被告Aの不法行為を構成し、被告らは、これにより原告らに生じた損害を賠償する責任を負う。この責任は、不真正連帯債務となる。 15オ 他方、本件各経営委員会の議事録を作成するため、経営委員会事務局の職員が、その議事の内容を録画していたことを認めるに足りる証拠がないことは、前記3⑶アのとおりであるから、録画した電磁的記録については、原告らの予備的主張を検討することになる。そして、前記⑴イ、ウのとおり、現に存在しない文書については被告NHKに対する文書開示請求権が20発生しないのであるから、録画した電磁的記録を開示しないこと 告らの予備的主張を検討することになる。そして、前記⑴イ、ウのとおり、現に存在しない文書については被告NHKに対する文書開示請求権が20発生しないのであるから、録画した電磁的記録を開示しないことについては、被告NHKに債務不履行があるとはいえず、被告Aの不法行為も成立しない。 5 損害の有無及び額(争点3)について⑴ 前記4⑵によれば、被告NHK(その機関である経営委員会)及び被告A25は、本件各録音データの存在を認識しつつ、この不存在を主張して、故意に 31原告らの被告NHKに対する本件各録音データの開示請求権を侵害したものといえる。これにより、原告らは、相応の精神的苦痛を受けたと認められ、被告NHKの債務不履行及び被告Aの不法行為と原告らの上記精神的苦痛とは相当因果関係があると認められる。 以上のほか、本件に関する一切の事情を考慮すると、被告NHKの債務不5履行及び被告Aの不法行為により原告ら各自が受けた精神的苦痛に対する慰謝料としては、少なくとも、原告1人当たり各1万円を下らないものと認められる。 ⑵ 本件が被告NHKに対する文書開示請求及びこれに関する損害賠償請求を内容とするものであることのほか、本件に関する一切の事情を考慮すると、10原告らが弁護士を訴訟代理人として選任することは必要かつ相当といえる。 また、本件の内容や、原告らにおいて被告NHKとの間の情報公開に関する合意(前記2⑵)の内容を変更することができるものとは考えられないこと等も踏まえれば、被告NHKに対する債務不履行に基づく損害賠償請求においても、弁護士費用相当損害額を請求することができると解される。そして、15本件における原告ら各自の弁護士費用相当損害額としては、少なくとも、原告1 人当たり各1万円を下らないものと認められる。 ても、弁護士費用相当損害額を請求することができると解される。そして、15本件における原告ら各自の弁護士費用相当損害額としては、少なくとも、原告1 人当たり各1万円を下らないものと認められる。 ⑶ 前記4⑵のとおり、被告NHKは、遅くとも原告らが本件訴訟を提起した時までに、本件各録音データを開示すべき債務を負っていたものというべきであり(同イ)、被告Aは、現在に至るまで、本件各録音データの存在を認20識しながら、これを開示するための措置を講じてこなかった(同ウ)。そうすると、本件の訴状送達日の翌日には被告NHKの上記債務は既に履行遅滞となっており、また、同日は被告Aの不法行為後の日であるといえる。 ⑷ したがって、被告らは、原告らに対し、各自、慰謝料と弁護士費用相当損害額を合わせた損害金各2万円及びこれに対する訴状送達日の翌日から支払25済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払義務を負うという 32べきである。 第4 結論よって、原告らの請求は、主文第1項及び第2項の限度で理由があるからその限度で認容し、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。なお、主文第2項に係る仮執行宣言は、相当でないので、これを付5さないこととする。 東京地方裁判所民事第26部 裁判長裁判官 大竹敬人10 裁判官 宮川広臣 15 裁判官 上田文和 20 25 331 放送法41条及び経営委員会議事運営規則第5条に基づいて作成された、下記各経営委員会議事録(B会長に対する厳重注意に関する議事における各発言者並びに発言内容が明記されているもの)① 第1315回経営委員会議事録(平成 員会議事運営規則第5条に基づいて作成された、下記各経営委員会議事録(B会長に対する厳重注意に関する議事における各発言者並びに発言内容が明記されているもの)① 第1315回経営委員会議事録(平成30年10月9日開催)② 第1316回経営委員会議事録(平成30年10月23日開催)5③ 第1317回経営委員会議事録(平成30年11月13日開催) 2 下記各経営委員会議事録作成のために、各議事内容を録音又は録画した電磁的記録① 第1315回経営委員会議事録(平成30年10月9日開催)10② 第1316回経営委員会議事録(平成30年10月23日開催)③ 第1317回経営委員会議事録(平成30年11月13日開催)以上 15 20 25 34被告原告起算日被告NHK第1事件原告ら令和3年6月29日被告A第1事件原告ら令和3年6月30日被告NHK第2事件原告ら令和3年11月16日被告A第2事件原告ら令和3年10月8日 5 10 15 20
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