昭和41(行コ)8 行政処分取消請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
昭和46年12月13日 高松高等裁判所
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【DRY-RUN】主   文 原判決中、一審原告P1、同P2、同P3に関する部分を取消す。 一審被告が昭和三七年一一月一〇日右原告三名に対してなした、国家公務員法八二 条にもとづく、各免職処分を取消す。 一審被告の本件

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主文原判決中、一審原告P1、同P2、同P3に関する部分を取消す。 一審被告が昭和三七年一一月一〇日右原告三名に対してなした、国家公務員法八二条にもとづく、各免職処分を取消す。 一審被告の本件控訴を棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも全部、一審被告の負担とする。 事実第一当事者双方の申立一審原告P1、P2、P3三名(以下では一審原告三名という。)訴訟代理人等は「原判決中一審原告三名敗訴の部分を取消す。一審被告が昭和三七年一一月一〇日一審原告三名に対してなした、国家公務員法八二条にもとずく、各免職処分を取消す。訴訟費用は第一、二審とも一審被告の負担とする」との判決を求め、一審被告指定代理人等は「右一審原告三名の本件控訴を棄却する。控訴費用は一審原告三名の負担とする」との判決を求め、更にその控訴につき「原判決中一審被告敗訴の部分を取消す。一審原告P4の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも一審原告P4の負担とする」との判決を求め、一審原告P4訴訟代理人等は「一審被告の本件控訴を棄却する」との判決を求めた。 第二当事者双方の主張一一審原告等の請求の原因(一) 一審原告等の地位、身分全財務労働組合(以下単に全財組合と称する)は、全国十財務局の職員をもつて組織する法人たる労働組合であり、一審原告P1はその四国地区本部(以下単に四国地本と称する)執行委員長、同原告P2は同本部高松支部(以下単に高松支部と称する)書記長、同原告P3は高松支部副支部長、同原告P4は高松支部執行委員である。 なお、昭和三七年一一月一〇日の本件処分時には、同原告P1は四国財務局理財部主計課に、同原告P2は同局管財部総括課に、同原告P3は同局理財部融資課に、同原告P4は同局管財部管財課に所属し、それぞれ調査主任(P1)及び大蔵事務官 本件処分時には、同原告P1は四国財務局理財部主計課に、同原告P2は同局管財部総括課に、同原告P3は同局理財部融資課に、同原告P4は同局管財部管財課に所属し、それぞれ調査主任(P1)及び大蔵事務官(P2、P3、P4)として勤務していた。 (二) 本件処分とその内容一審被告は昭和三七年一一月一〇日、一審原告P1、同P2、同P3、同P4の四名に対し、当時施行の国家公務員法八二条を根拠に、懲戒免職処分(以下単に本件処分と称する)を通告してきた。 而してその処分の理由とするところは、つぎのとおりである。 (A) 一審原告P1関係(1) 昭和三七年一〇月三日、午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間、同局食堂において、勤務評定の適正な実施を妨害する目的のもとに、高松支部が主催した第一次評定者の会合にみだりに参加し、職務を放棄した。 (2) 昭和三七年一〇月五日、同局局長室において、午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間に行なわれた同局局長と、香川県公務員共斗会議(以下単に共斗と称する)役員との会見に、みだりに職務を放棄して参加し、かつ、同日午前一一時三〇分頃、同局局長が外出しようとした時、同局庁舎内において、それまで会談していた同共斗役員等と共同して、同局局長をしつように追いかけ、とり囲み、その前方に立ちふさがり、その外出を妨害した。 (3) 昭和三七年一〇月五日午後三時頃、みだりに職務を放棄し、同日午前中の同局局長と同共斗役員との会談およびその後の状況について、執務中の職員に対し、同局総務課長の中止要求に応ずることなく、携帯拡声器により、放送を行ない、職員の勤務を妨害した。 (4) 昭和三七年一〇月八日、同局局長の業務命令により同日午後五時までに、勤務状況報告書を第一次評定者が第二次評定者に提出することになつていたのを、同日 り、放送を行ない、職員の勤務を妨害した。 (4) 昭和三七年一〇月八日、同局局長の業務命令により同日午後五時までに、勤務状況報告書を第一次評定者が第二次評定者に提出することになつていたのを、同日午後四時頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄して、組合側に提出するよう第一次評定者をあおり、そそのかした。 (5) 昭和三七年一〇月九日午前一〇時頃、同局階上事務室において、P5中央執行委員長(以下単にP5委員長と称する)が前日勤務状況報告書を組合に保管した経過について執務中の職員に経過報告を行なつた際、勤務時間中であるため、同局総務課長の制止があつたにもかかわらず、P5委員長に同行し、職務を放棄した。 (6) 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した。 (7) 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤務評定反対斗争(以下単に勤評反対斗争と称する)の結果措置等について抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (8) 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (9) 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (B) 一審原告P2関係(1) 昭和三七年一〇月二日午後四時五分頃、みだりに職務を放棄し、同局階上、階下事務室において、携帯拡声器で第一次評定者に対し、勤務状況報告書を記入しないことを要請する趣旨の放送を行ない、執務中の職員の勤務 和三七年一〇月二日午後四時五分頃、みだりに職務を放棄し、同局階上、階下事務室において、携帯拡声器で第一次評定者に対し、勤務状況報告書を記入しないことを要請する趣旨の放送を行ない、執務中の職員の勤務を妨害した。 (2) 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局食堂において、勤務評定の適正な実施を妨害する目的のもとに、高松支部が主催した第一次評定者の会合に参加し、第一次評定者に対し、勤務状況報告書の提出を延伸するようあおり、そそのかした。 (3) 昭和三七年一〇月八日午後三時三〇分頃みだりに職務を放棄し、高松支部が同支部組合事務所において主催した執行委員会に参加し、同局局長の業務命令で定まつていた第一次評定者の提出期限を延伸し、右報告書を組合が保管することの共同謀議に参画して、同委員会終了後、同日午後五時頃まで、この実行に加担した。 (4) 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した。 (5) 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤評反対斗争の結果、措置等について抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (6) 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (7) 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (C) 一審原告P3関係(1) 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一 での間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (C) 一審原告P3関係(1) 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間、同局食堂において、勤務評定の適正な実施を妨害する目的のもとに、高松支部が主催した第一次評定者の会合にみだりに参加し、職務を放棄した。 (2) 昭和三七年一〇月五日、同局局長室において、午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間に行なわれた、同局局長と前記共斗役員との会見にみだりに職務を放棄して参加した。 (3) 昭和三七年一〇月五日午後一時三〇分頃みだりに職務を放棄し、同局経理課事務室において、同局経理課長に対し勤務状況報告書の提出を一日でもおくらせる組合方針に従うよう要請した。 (4) 昭和三七年一〇月八日午後三時三〇分頃みだりに職務を放棄し、高松支部が同支部組合事務所において主催した執行委員会に参加し、同局局長の業務命令で定まつていた第一次評定者の提出期限を延伸し、右報告書を組合が保管することの共同謀議に参画して、同委員会終了後、同日午後五時頃までこの実行に加担した。 (5) 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した。 (6) 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤評反対斗争の結果措置等について抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (7) 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (8) 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後 四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (8) 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (D) 一審原告P4関係(1) 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間、同局食堂において、勤務評定の適正な実施を妨害する目的のもとに、高松支部が主催した第一次評定者の会合にみだりに参加し、職務を放棄した。 (2) 昭和三七年一〇月八日午後三時三〇分頃みだりに職務を放棄し、高松支部が同支部組合事務所において主催した執行委員会に参加し、同局局長の業務命令で定まつていた第一次評定者の提出期限を延伸し、右報告書を組合が保管することの共同謀議に参画して、同委員会終了後、同日午後五時頃まで、この実行に加担した。 (3) 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した。 (4) 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤評反対斗争の結果措置等について抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (5) 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (6) 昭和三七年一〇月一二日午後〇時一〇分頃、同局内庭において香川県公務員共斗会議が開催しようとした無許可の抗議集会に、高松支部組合員が参加するよう再度にわたり携帯拡声器で呼びかけた。 (7 。 (6) 昭和三七年一〇月一二日午後〇時一〇分頃、同局内庭において香川県公務員共斗会議が開催しようとした無許可の抗議集会に、高松支部組合員が参加するよう再度にわたり携帯拡声器で呼びかけた。 (7) 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した。 (三) 本件処分にはいずれも次のような違法があるので、取消を免れないものである。 1 事実誤認(1) 一審被告の処分理由書に、一審原告P1等の行為として挙げられたものの殆んどは、著しく真実と相違している。以下前記の各一審原告の処分理由の項目別に、事実誤認を列挙すると次のとおりである。 ① 一審原告P1関係(イ) 時間は一一時頃から三〇分足らずである。勤務評定の適正な実施を妨害する目的はない。みだりに職務を放棄したことにはならない。(前記(A)の(1))(ロ) 会見は前日からの約束にもとづくもので、みだりに職務を放棄したことにはならない。局長をしつように追いかけ、とり囲み、その前方に立ちふさがり、その外出を妨害した事実はない。(同(2))(ハ) みだりに職務を放棄したことにはならない。総務課長の中止要求は受けていない。職員の勤務を妨害していない。(同(3))(ニ) 記載の事実はない。(同(4))(ホ) 総務課長が制止した事実はない。職務を放棄したことにはならない。(同(5))(ヘ) 時間は〇時三〇分より一時一九分までで、勤務時間には四分しかくい込んでいない。なお、この集会には、総務課長の諒解を得ていたものである。(同(6))(ト) みだりに職務を放棄したことにはならない。抗議、要求というような強い性質のものではない単なる話合いであつて、同課長の勤務を妨害した事実もない 総務課長の諒解を得ていたものである。(同(6))(ト) みだりに職務を放棄したことにはならない。抗議、要求というような強い性質のものではない単なる話合いであつて、同課長の勤務を妨害した事実もない。 (同(7))(チ) 右と同様である。(同(8))(リ) みだりに職務を放棄したことにはならないし、また、同課長の勤務も妨害していない。(同(9))② 一審原告P2関係(イ)みだりに職務を放棄したことにはならない。 勤務状況報告書の記入は局長と話合いが行なわれるまで待つてくれと言つただけで、記入しないことを要請したものではない。 職員の勤務を妨害していない。(前記(B)の(1))(ロ) 右原告P1の(イ)と同じ。 なお、P2は司会役として皆の意見をきいてまとめただけで、勤務状況報告書の提出を延伸するようあおり、そそのかした事実はない。(同(2))(ハ) 記載の事実はしていない。(同(3))(ニ) 右原告P1の(ヘ)に同じ。(同(4))(ホ) 記載の事実はない。(同(5))(ヘ) 右原告P1の(チ)と同じ。(同(6))(ト) 右原告P1の(リ)と同じ。(同(7))③ 一審原告P3関係(イ) 右原告P1の(イ)と同じ。(前記(C)の(1))(ロ) 右原告P1の(ロ)の前段と同じ。(同(2))(ハ) 勤務状況報告書の提出を一日でもおくらせるというような組合方針は存在しない。したがつてそれを要請したこともない。 右話合いは五分くらいの挨拶程度のもので、経理課長も話合いの趣旨を諒承していたものである。 したがつて、この点もみだりに職務を放棄したことにはならない。(同(3))(ニ) 記載の事実はない。(同(4))(ホ) 右原告P1の(ヘ)と同じ。 なお、右原告P3はただその席に坐つていただけで、積極的にという言葉が如何なる意味で使用 たことにはならない。(同(3))(ニ) 記載の事実はない。(同(4))(ホ) 右原告P1の(ヘ)と同じ。 なお、右原告P3はただその席に坐つていただけで、積極的にという言葉が如何なる意味で使用されているか諒解に苦しむところである。(同(5))(ヘ) 右原告P1の(ト)と同じ。(同(6))(ト) 右原告P1の(チ)と同じ。(同(7))(チ) 右原告P1の(リ)と同じ。(同(8))④ 一審原告P4関係(イ) 右原告P1の(イ)と同じ。(前記(D)の(1))(ロ) 右原告P2の(ハ)と同じ。(同(2))(ハ) 右原告P1の(ヘ)と同じ。(同(3))(ニ) 右原告P1の(ト)と同じ。(同(4))(ホ) 右原告P1の(チ)と同じ。(同(5))(ヘ) 右原告P4は、この集会が無許可ということは知らなかつた。 なお、この頃には、職場で執行中の者は殆んどいなかつた。(同(6))(ト) 右原告P1の(リ)と同じ。 なお、当原告は総務課長に呼ばれていつたものである。(同(7))(2) 本件勤評反対斗争の経過① 勤評反対斗争の正当性(イ) 勤務評定制度当時施行の国家公務員法(昭和二二年法律第一二〇号、以下単に国公法と称する)七二条では、勤務成績優秀な者と、不良な者とに区分し、前者には優遇措置を、後者には矯正措置をとることとしている。そして人事院規則(以下単に「規則」という。)一〇ー二は差別的措置を明確、具体化し、特に矯正措置としては執務上の指導、配置換、その他適当な措置を規定している。(同規則四条)優遇措置としては、国公法三七条により、特別昇給、昇格、昇任が行なわれ、矯正措置としては、逆に昇給延期、延伸、昇格の延期(人事院細則九ー八ー二)が行なわれ、勤勉手当(一般職員の給与に関する法律(昭和二五年四月三日法律第九五号)以下「給与法」と 、昇格、昇任が行なわれ、矯正措置としては、逆に昇給延期、延伸、昇格の延期(人事院細則九ー八ー二)が行なわれ、勤勉手当(一般職員の給与に関する法律(昭和二五年四月三日法律第九五号)以下「給与法」と称する。)にも関係してくる。このような差別措置は一見大きな影響がないかに見えるが、職階制度(国公法二九条)及び職階給制度(給与法四条ないし八条)と結合することによつて、確定的なものとなるのであつて、その際一つの等級から上位の等級に昇任、昇格する根拠となるのが勤務評定による結果である。 そして勤務評定制度において、勤務成績良、否の判断の仕方として、勤務成績の評価は総括的評語を付して決定し、その評語は三段階以上に区分し、且つ上位の評語を受けるものは被評定者のおおむね十分の三を越えないように所轄庁の長は措置をとることとしているが(規則一〇ー二一五条)、このことは、勤務成績の良否が絶対的基準により定められているものでなく、あくまで相対的であり、その中で上位評語を受けると判断される者を全体の十分の三以下に規制するものである。従つて如何にして職員は全職員の十分の三以内に優秀と判断される程精勤するかが問題となり、勢い労働強化となり、職員間における競争心をあおり立て反射的に管理体制を強化することとなる。 (ロ) 国家公務員の低賃金勤務評定制度は、国家公務員給与が低水準のため職員をして上位の職階級につく慾望を強くし、一層職員の労働強化をもたらすものである。特に給与体系の上厚下薄の傾向はこの弊害を助長するのであつて、昭和三二年に通し号俸制度から職階級に変更し、毎年上下較差の増大する給与体系は、勤務評定制度の実施と相まつて、管理体制の強化、労働強化をもたらす。 昭和三七年度の人事院給与勧告(従つて現行の給与水準)の例で見ても、官民給与較差に大巾な差が金額的に 下較差の増大する給与体系は、勤務評定制度の実施と相まつて、管理体制の強化、労働強化をもたらす。 昭和三七年度の人事院給与勧告(従つて現行の給与水準)の例で見ても、官民給与較差に大巾な差が金額的にも、年令的にもあることは明らかなところである。 (ハ) 当局の労務政策と評定者の評定基準勤務評定制度において、管理体制の強化が目的であることを論じたが、勤評を実施するに当つて問題なのは、評定者の評定の態度である。評定の態度は評定結果に影響する。そして評定者の評定態度は当局の労務政策に根本的に結合するものである。政府当局は労働運動を圧殺しようとしている。そして政府の労働組合敵視政策、弾圧政策は職制を通じて行なわれ、このことが、中間的評定者の評定基準を偏向させることは明白であり、評定者は労働条件の改善を要求する組合役員に対しては、それの容認が自己の勤務成績に影響するところから、勤務成績不良とすることは明らかである。この面において、勤務評定制度は、当局の組合弾圧政策と合致して管理体制を強固にし、一方では組合役員等活動者を差別し、ひいては団結権を侵害するものといわわばならない。 以上、各項におけるごとく、勤務評定制度は、勤務成績優秀、不良として職員を差別する本質をもち、それが現状のような低賃金下においては、一層職員の競争心をあおり、労働強化をもたらすものであり、人事に関する労働条件に密接に関係するし、一面においては管理体制を強化し、労働組合の団結を侵害するものであつて、労働組合として重大な関心をもたざるを得ないものである。 ② 全財組合の勤評反対斗争(イ) 大蔵省の勤務評定制度大蔵省の勤務評定は昭和二七年四月一日人事院規則一〇ー二制定以来実施されてきた。それは実施当時の柔軟性のあるものから、大蔵省本省勤務評定実施規則(昭和三三年一〇月一日訓令特 大蔵省の勤務評定制度大蔵省の勤務評定は昭和二七年四月一日人事院規則一〇ー二制定以来実施されてきた。それは実施当時の柔軟性のあるものから、大蔵省本省勤務評定実施規則(昭和三三年一〇月一日訓令特第一一号、以下勤評実施規則という。)の施行後はその態度を一変し、反動労務対策と相俟つて差別政策を徹底し、職員の競争心をあおり、労働強化をもたらし、団結を侵害する機能を果たしてきた。 具体的に財務局における勤務評定制度をみれば、前記勤評実施規則に基づき実施され、大蔵大臣の委任により財務局長が実施権者として実施する。対象職員は部長以下の職員を対象とし、毎年一〇月一日を評定日とし、前年一〇月二日から当年九月三〇日の一年間の勤務成績を評定する。評定は五評定要素につきa、b、c三段階の評語を付し、これらを総合判断して、A、B、C三段階の総括評語を決定する方法を採用する。係員については第一次係長、第二次課長、最終部長、係長については第一次、課長、最終、部長、課長にあつては第一次、部長、最終、局長とそれぞれ評定者を設ける。評定結果は、第一次評定者は一〇月八日、第二次一〇月一一日にそれぞれ上位評定者に提出し、財務局長は一〇月一五日までにその集計結果を大蔵大臣に報告することとしている。 最近における実施方法の主な変更としては(Ⅰ) 評定の結果、A評語を決定されるものが十分の三以上の時は再評定される(昭和三六年度)(Ⅱ) A評語を受けるものは十分の三以内となるよう第一次評定者に対し指示(昭和三七年度)(Ⅲ) 勤務評定実施について口頭命令を文書命令に変更(昭和三七年度)(Ⅳ) 意見(評定者)記載事項を「出勤状況」から「出勤及び執務状況」に変更(昭和三七年度)(Ⅴ) 対組合との関係において全国統一して地区本部、支部又は本部と下部組織の合同交渉を拒否(昭和三七年 (Ⅳ) 意見(評定者)記載事項を「出勤状況」から「出勤及び執務状況」に変更(昭和三七年度)(Ⅴ) 対組合との関係において全国統一して地区本部、支部又は本部と下部組織の合同交渉を拒否(昭和三七年度)等があげられる。 ここで、財務局勤務評定制度の非合理性について付言すると、勤務評定実施規則別表第二A表(一般職員分)(乙第一号証)によれば人物、能力、適性、出勤執務状況について意見を記載し、次に①責任感②判断力③企画力④統制力⑤知識の五要素についてabcの評語決定をし、これを総括的に判断してABCの総括評定を付することとなつている。 しかし人物、能力、適性といい、そのいずれもが適確な判断は不可能に近く、要素別評定もそれにつき公正な尺度、基準がない上に、各評定者間に共通の尺度もないため、公正な結論を出すことが困難であつて、評定は実際上何ら理由を付されず直観的になされるのが現実であつて、およそ昇任、昇格等を決定する程厳密なものとすることはとうてい不可能である。更に、人事院規則一〇ー二の二条三項には複数評定を実施することにより専横を防止するというも、直接上司の評定がまだしも適確(相対的の意味)であり、常に接する機会もない上位評定者が多数いたとしてもその評定は不可能に近い。また評定の結果の非公開というも非民主的であり、職員の質的向上を計るものとはいえない。更に職員間に反目敵視の気配さえかもし出す弊害がある。 およそ勤務評定なる制度は、職員のおかれた職場、労働条件を一切考慮した上で、なお且つ科学的判断が可能な場合に始めて適正といえるが、現行勤評は余りにも直観的であり、自由な批判、平等な立場での討論の入る余地なく、非科学的といわねばならない。 (ロ) 全財組合が勤評反対斗争を行なう特殊事情一般的に勤務評定制度の職員の勤務条件に及ぼす弊害について も直観的であり、自由な批判、平等な立場での討論の入る余地なく、非科学的といわねばならない。 (ロ) 全財組合が勤評反対斗争を行なう特殊事情一般的に勤務評定制度の職員の勤務条件に及ぼす弊害については、前記(2)①のとおりであるが、全財組合が斗争を行なう特殊事情としては、次に述べるように、職員の多数に給与上のアンバランスがあること、財務局組織の細分化、職務内容の異質性の問題がある。仮りに勤務評定制度を容認したとしても、これらの特殊事情を解決しないで実施することは明らかに不当である。 まず給与上のアンバランスの多いことについてであるが、給与上のアンバランスとは、給与法八条三項により新規採用者の俸給の決定、四項により一の職務の等級から他の職務の等級に移つた場合又は一の官職から同じ職務の等級の初任給の基準を異にする他の官職に移つた場合、給与号俸の決定が行なわれるが、同学歴、同経験年数の同一資格を有する職員につき、基準に定められた給与号俸と現実に支給されている給与号俸との間に極めて大きい格差を生じている。この差のうち職員に不利なる差を給与上のアンバランス(通常「アンバラ」とよんでいる。)というのであるが、昭和三七年一月一日現在で、四国財務局全体で一一一名(全職員の四割強)延べ、四〇七号に及ぶ大量のアンバランスがある。本来かかるアンバランスのあること自体法令、規則違反の不当なことであるが、現実的にこれを解消するためには特別昇給源資を充当する以外方法がないものである。(かような是正方法を必要と考えるのは、そもそも職員の客観的な資格は公平かつ最も職員に有利になるように等級号俸の決定にあたつて反映、評価されるべきだとの構想に発して、現実の格差は、等級別定数、上級制限等の職員の責めに帰すべきでない偶然的事由で生じたもので、合理的理由がないので、これを是 なるように等級号俸の決定にあたつて反映、評価されるべきだとの構想に発して、現実の格差は、等級別定数、上級制限等の職員の責めに帰すべきでない偶然的事由で生じたもので、合理的理由がないので、これを是正する必要がある。しかしながら現行の給与制度、勤評制度を是認する限り、そこで許される方法は特別昇給源資以外にないので、これを是正のために使用しようというのである。)そしてこのためには、人事院規則九ー八ー二の二〇条により特別昇給は「人事院規則一〇ー二(勤務評定)一五条二項本文の規定により上位の段階に決定され、かつ執務に関連して見られた職員の性格、能力及び適性が優秀である場合」とされているので、アンバランス該当者是正のためにはこれら職員をAにすることが必要である。 次に財務局組織における勤務評定の不合理については、仮りに勤務評定を正当なりとしても、第一次評定者の段階においては、財務局の組織が細分化され、職務の性質を課、係により異にしていて、他の事情が不明であるし、かつ評定対象となる被評定者数が一人ないし二人と極端に少数の場合もあるのに、その第一次評定者に対してさえ右十分の三Aの原則を導入して評定を行なわせ、場合により更に再評定を命ずるなどの実情にあるが、これは明らかに差別のみを目的とし、差別を助長し、ひいては労働強化をもたらす。この際第一次評定、第二次評定というも単なる複数評定の仮面に過ぎず、非科学的であることに変りはない。 従つて勤務評定の斗い、アンバランス是正のためのオールA要求の根拠等には切実なものが存するのであつて、本来人事院勧告等によつて大巾に改正されるべき給与が改善されない結果、わずかに残された合法的財源たる「特別昇給源資」を少しでも低賃金公務員の不公平な待遇是正に使用してもらおうとするのが組合のささやかな要求である。 しかる 巾に改正されるべき給与が改善されない結果、わずかに残された合法的財源たる「特別昇給源資」を少しでも低賃金公務員の不公平な待遇是正に使用してもらおうとするのが組合のささやかな要求である。 しかるに右要求について一顧だにせず、話し合おうとさえしなかつた当局側の態度は言語道断であり、右違法、不当に反対した一審原告ら組合員の所為は、憲法二八条との関係において最大限に擁護されるべきものと信ずる。 ③ 全財組合の組織並びに昭和三七年度勤評反対斗争方針(イ) 全財組合の組織全財組合は昭和二九年、単一組織として、全国の財務局に勤務する約六〇〇〇の職員をもつて結成された職員団体である。そして、これまで機構改革や、職場の民主化などのたたかいを組織して、その成果をあげてきたところであるが、その組織の構成は、全国七八に及ぶ支部と中央本部に区別され、その運営を円滑に行なうために、中間機関として各財務局毎に地区本部あるいは地区協議会をおいている。そしてその決議機関に大会、中央委員会、執行機関として中央執行委員会があたることとなつている。 全財組合の執行機関である中央執行委員会は、規約綱領並びに大会決定の方針に従つて業務を執行し、その場合、地本並びに支部の各級機関に文書を発し、各種の行動を提起し、目的達成を図つているが、そのうち中央執行委員長の任務は、この中央執行委員会の議長をつとめ、組織を代表することとなつていて、結成以来一年(三三年度)を除いてはP5委員長が長年にわたり、その任にあたつている。そして右文書は中央執行委員長名で発せられるが、その文書を通常拘束力の差異によつて、一応、指令、指示、通常文書にわけ、文書はそれぞれの専門部の名称を冠し、全財組第何号、あるいは全財総第何号と表示されている(甲第七号証全財組第三号「勤評斗争のとりくみ方」という文書も、 異によつて、一応、指令、指示、通常文書にわけ、文書はそれぞれの専門部の名称を冠し、全財組第何号、あるいは全財総第何号と表示されている(甲第七号証全財組第三号「勤評斗争のとりくみ方」という文書も、あとで述べるように、大会決定に基づいて、中央本部が、委員長名で発した通常文書である)。 ここで組織の統制面についていえば、ホワイトカラーという組合員の体質と国公法のオープンシヨツプ制度の法律的な取扱いによつて、組織運営を強い統制力でもつて行なうことは難く、最も拘束力の強い指令の場合でも、実施できないときは理由を付して、中央執行委員長に予め承認を求めるという方法によつて、各地域の力量と条件を考慮するなど、極めて柔軟な指導を行ない、これまで統制処分に付したことは一度もないが、現在の官公労働者の組織形態としては、真に止むを得ない現状である。 要するに、全財組合は単一組織の形態と機能を果すため、中央執行委員会は、その執行機関として大会などの決議機関にその責めを負い、その執行は委員長名によつて発せられる各種の文書に従い、各級機関はその目的達成のために活動が進められ、その実践に際し、指導のために投入されるオルグも、より明確にその方針の滲透をはかり、具体化を推進するのが当然の任務であり、それが原則であり、仮りに各地の現状がその要請に即応すべき体制にない場合にのみ、その現地の事情を勘案し、その力量と条件を加味して、本部の承認を得て、行動の一部を変更することもあり得るのである。 そして、本件のように組合の代表権と指令権をもつ中央執行委員長が、現地指導のためオルグとして派遣される場合、中央執行委員長はオルグの権能と同時に指令権を有する中央執行委員長としての権能を有し、原則として大会で決定した方針の範囲内で、例外的には突発的な事態に対し合理的止むを得ない範囲に して派遣される場合、中央執行委員長はオルグの権能と同時に指令権を有する中央執行委員長としての権能を有し、原則として大会で決定した方針の範囲内で、例外的には突発的な事態に対し合理的止むを得ない範囲において、その指令、指示を発し、現地執行部並びに組合員に行動を命ずることは当然のことであり、現地の執行部もその指示に従う義務があるのである。 以上の次第であつて、後述の本件勤評反対斗争、とくに用紙保管については、昭和三七年一二月一六、一七日開催の第一〇回臨時大会においてもP5中央執行委員長のとつた措置は、右に該当する真に止む得ない措置として承認されており、統制違反、山猫争議等の問題は全く生じなかつたものである。 (ロ) 昭和三七年度勤評反対斗争方針勤評反対斗争は、全財組合が、昭和三三年の第五回大会において、労働強化と差別をもち込み、職員間に反目、競争意識をあおるものとして勤務評定制度に反対の態度を決め、その戦術として記入拒否、提出拒否を決定、組織して以来、毎年勤務評定実施の際には必ず斗争が組織されていた。そして逐年その斗争戦術も斗いの批判と反省のうえにたつて若干ずつ変更されたが、本件の昭和三七年度においても前年度とは若干戦術が変更された。 即ち三六年度勤評反対斗争方針は、公開、均一オールA、一斉提出であつたが、その斗争の経験では、この方針は、勤評の当面の当事者である第一次評定者のみに前記戦術行使の負担がかかり、斗いが全組合員のものにならないこと、斗争の負担が第一次評定者のみにいちじるしく集中する結果、第一次評定者の中には勤評斗争を重荷と感じて当局からの圧力に苦慮する者があることにかんがみ、戦術を一歩後退して「一定期間の記入拒否、提出拒否」に転換したものである。 この戦術は、職場の条件、組織の力量を十分に考慮し、これまでの経験を生かし、対官 らの圧力に苦慮する者があることにかんがみ、戦術を一歩後退して「一定期間の記入拒否、提出拒否」に転換したものである。 この戦術は、職場の条件、組織の力量を十分に考慮し、これまでの経験を生かし、対官交渉を軸として斗つて行くべきだという方針をその主要な考え方としている。斗いの主柱は、対官交渉であり、その交渉の中で実質的な要求の前進をかちとるのが第一義の目的であり、いたずらに第一次評定者を前面に押し出すことなく、全体で包んで斗つていくべきだというのが三七年度方針であつた。従つて昭和三七年度勤評反対斗争の方針は、当局が主張しているように、前年度に比し、より高姿勢のものではなかつたのである。 なお、この戦術転換の意義は、甲第七号証の四具体的なとりくみ方、(6)用紙配付後のたたかいのなかに「オールA、公開を推進し、それが困難なときは最低遅れ号俸のある組合員を優先的に評定します。」とあるように、オールA、公開戦術をやめ、提出拒否、記入拒否を採用するという二律背反的な考え方をとるのでなく、職場の力関係に余裕のあるところは、前年どおり、オールA、公開の斗争を行ない、できないところは、基本指令通り、一定期間の記入拒否、提出拒否を行なうというものであつて、四国地本や高松支部の昭和三七年度の方針も、さような考え方に従つたものであつた。 右方針に関して、ここでまず昭和三七年度勤評反対斗争方針を示す全財組第三号「勤評斗争のとりくみ方」(甲第七号証)についてふれるが、この文書は、昭和三七年九月一五日付をもつて全財組合(中央本部)が、大会決定に基づき、P5委員長名をもつて、傘下各地本、支部などに発した通常文書であり、以上の方針を明らかにしたものであるが、この文書の発せられた九月一五日段階では、勤務状況報告書の提出期日などは全く未定であり、第一次評定者の提出期日が一 、傘下各地本、支部などに発した通常文書であり、以上の方針を明らかにしたものであるが、この文書の発せられた九月一五日段階では、勤務状況報告書の提出期日などは全く未定であり、第一次評定者の提出期日が一〇月八日と定まり、それが組合に分つたのは一〇月二日頃のことであるから、この文書が発せられた当時から組合が、その八日の提出期日を一日でも、二日でも延期させる方針をとつていたとの一審被告の主張は、全くの見当違いであり、次に一定期間の記入拒否、提出拒否というのも、組合として、これにより、官の指定する提出期日がきても提出せず、何日も遅らせることを企図したものでなく、むしろ、提出日がきたら、その過程において対官交渉を強化し、勤務評定に対する組合側の考え方を当局側に訴え、特別昇給の措置を給与のアンバラ該当者に充当させるために、この勤評制度を使うなどの交渉を煮つめ、この点につき当局から若干の譲歩でもかちとり、少しでも要求の前進をはかろうとしたものであり、組合として当然の正当な要求を行なうものである。 以上述べたとおり、昭和三七年度勤評反対斗争方針は、その内容に於て毫も違法性を有するものではなく、特に、当局の担当課長等の当時の見解からすれば、本省においては、最終の一五日を厳守すればよいし、文書命令もさして重きを置いていなかつたにもかかわらず、高松においてはP6局長が、頑として合同交渉を拒否し、実質的な交渉を行なわず、「一〇月八日」の期日を固執したため、本件を惹起するに至つたものである点をあわせて考慮すれば、全財務労働組合の昭和三七年度勤評反対斗争方針は「対官交渉を軸とした一定期間の記入拒否、提出拒否」を含め完全に合法、正当なものであつたというべきである。 ④ 四国財務局における昭和三七年度勤評反対斗争の推進と当局・一審被告の態度(イ)全財組合四国地本および 軸とした一定期間の記入拒否、提出拒否」を含め完全に合法、正当なものであつたというべきである。 ④ 四国財務局における昭和三七年度勤評反対斗争の推進と当局・一審被告の態度(イ)全財組合四国地本および高松支部は、大会決定方針並びに中央本部の指示に従い、勤評斗争を推進することとなつたが、そのため(Ⅰ) 高松支部においては、九月二七日大巾賃上げ、勤評反対のための職場集会を開き勤評反対署名並びにリボン戦術を採用することを決定し、(Ⅱ) 翌二八日四国地本、高松支部は、P7総務課長を通じ一審被告に対し、勤評実施方法等に関する交渉の申入れを行なつたが、同被告は従来の慣行を無視し、四国地本、高松支部との合同交渉を一方的に拒否し、各個別になら交渉に応ずるとの回答を固執して譲らず、そのため、四国地本および高松支部は、一〇月六日の予備交渉成立まで数回にわたり積極的に代表者、交渉回数等の点につき色々と妥協的な申入れを行ない、接衝を重ねたが、当局側の承諾がなかなか得られず、この斗争は当初から当局の従来にない挑発的行為により極めて困難なものとなつた。 (ロ) 四国財務局長の団体交渉否認の違法性本件発生の原因としては、P6四国財務局長の所謂合同交渉拒否が最も重視されるべき点である。 同局長に合同交渉を拒否し得る法的、合理的理由があるか。その理由は全くない。 即ち(Ⅰ) 公務員の団体交渉権(以下団交権という)は争議権を背景とせず、また協約締結権を含まないとしても、他の一般の団交権と同じく憲法二八条に由来する権利であり、同条の保障と関係のない団体接衝権などというべきものではない。従つてその行使に対し当局は、誠実に交渉に応ずるべき義務がある。そしてその団交権を有する組合が如何なる交渉方式(個別交渉か、合同交渉か)をとるかは、組合が独自に自主的に決定する権利を持つ事柄で い。従つてその行使に対し当局は、誠実に交渉に応ずるべき義務がある。そしてその団交権を有する組合が如何なる交渉方式(個別交渉か、合同交渉か)をとるかは、組合が独自に自主的に決定する権利を持つ事柄であるから、使用者の当局がこれに介入し、正当な理由なしにこれを拒否することは許されない。しかも交渉対象となり得る事項は、組合員の勤務条件や地位の向上に実質的な関連を有するすべての事項が含まれるのであつて、勤務評定制度それ自体も一定の労働条件たるものということができるので、いちいち具体的な労働条件との関連を摘示するまでもなく、当然正当な交渉対象事項であるというべきである。 従つて本件において、交渉議題が「勤評問題について」というだけであるとの理由で、あるいは管理運営事項である等を口実に、合同交渉の申入れを拒否することは許されず、その申入れにつき直ちに局長は誠意を以て協議に応ずるべき法律上の義務があつたものである。 (Ⅱ) 本件においては、組合側から勤評に関する交渉の具体的問題を明示しているばかりか、当局側においても数年来の反対斗争とその経過からその議題内容は十分に知悉していたものである。のみならず本件で申入れた方式の合同交渉は、昭和二九年頃からの、少くとも数年来の確立された慣行であり、殊に昭和三六年度勤評斗争時には、当時のP8局長との間に前後七回にわたつて、この方式の合同交渉が行なわれた事例もある位である。そこで本件における当局の合同交渉拒否の動向は、従前の慣行を破棄し、組合の既得権を侵害するものであり、組合の勤評反対斗争そのものを抑圧しようとする不当な意図に出たものということができる。 (3) 本件各処分は、事実を誤認し、従前の慣行を否認し、或いは正当な職員組合の活動に対してなされたもので違法、不当であり、更に公平の原則に反し、信義誠実の原則に 意図に出たものということができる。 (3) 本件各処分は、事実を誤認し、従前の慣行を否認し、或いは正当な職員組合の活動に対してなされたもので違法、不当であり、更に公平の原則に反し、信義誠実の原則に反するから、いずれも取消さるべきである。 ① 勤務時間中の組合活動の正当性一般に、国家公務員に対する団結権保障の憲法秩序のもとにおいては、必要止むを得ない最少限度の時間中の組合活動は、当局においてこれを受忍する義務があるというべきで、当局の明示的、黙示的承認がある場合は勿論、慣行上許容されている場合も当然正当な組合活動であり、その他の場合においても具体的状況により、その正当性は合理的に判断されるべきものである。しかも当時の人事院規則一四ー一の二項によれば、勤務を要する時間であつても、あらかじめ承認を得た休暇のかたちで組合業務に従事することが規則上も許されているのであつて、本件においては、次に記載するとおり、勤務時間中の短時間の連絡、集会等の活動が、従前承認或いは黙認せられていた経緯に徴すると、当局側、組合側のいずれもがそれを組合休暇として自覚していなかつたとしても、法律的には右二項に基づく、いわゆる休暇による組合業務であつて、あらかじめ受くべき承認が慣行的に黙認のかたちで実施せられていたものと解するのが相当である。これは同規則一五ー六のいわゆる有給休暇は「あらかじめ承認を得た休暇期間」ではあるが、それも規定上は正規の勤務時間中であると認めるべきことに由来する。 従つて本件における勤務時間中の以下に記載する各活動は、右一般的立場から、或いは少くともあらかじめ承認を得た休暇期間中の職員の組合活動である点からみて、いずれも適法であり、少くとも違法性を阻却さるべきものである。 なお、四国財務局では、始業時間、昼食時間等につき当時多少厳格でない面があ らかじめ承認を得た休暇期間中の職員の組合活動である点からみて、いずれも適法であり、少くとも違法性を阻却さるべきものである。 なお、四国財務局では、始業時間、昼食時間等につき当時多少厳格でない面があつたこともここで考慮に入れらるべき一事情である。 ② 勤務時間中の組合活動に関する慣行について(イ) 組合関係の簡単な決定事項等の通知、報告組合に関する短時間の通知報告は、特別の事前の許可を得なくとも、勤務時間中に行なうことが許されている慣行があり、その際、官所有の庁内マイクの使用さえも総務課えの通知のみでできる旨の協定があつた。組合所有の携帯マイクの使用がそれと同程度ないしそれ以上に認められていたことは条理上当然のことである。 (ロ) 時間内職場集会等第一次評定者会議については、数年来の慣行で公然と認められ、勤務時間中の参加が官側から許されていたものである。 共斗と局長の会見、交渉に、休暇手続をとらずに参加することも従前の慣行として認められていた。 執行委員会を勤務時間中に行ない、その間離席を許されることも数年来認められて来た慣行である。 職場集会が多少勤務時間にくいこむことは黙認せられていたし、相当時間超過の際も当局側に了解を求めれば、何時も許可される慣行であつた。 (ハ) 総務課長交渉総務課長との交渉の際、あらかじめその都合を聞くことなどせずに、直接その席に赴き、用件の申出をし、総務課長が格別異議をいわない場合は、そのままその用件について交渉を行なうのが従前の例であつた。 而して以上の慣行による行為を、慣行破棄の事前の警告も、正式の通告もなく、一方的に否認し、行為者を処分することは、組合の正当な活動を懲戒する違法をおかすものであり、少くとも信義、誠実、公平の原則に反して許されないところというべきである。 ③(イ) 一〇月二日 告もなく、一方的に否認し、行為者を処分することは、組合の正当な活動を懲戒する違法をおかすものであり、少くとも信義、誠実、公平の原則に反して許されないところというべきである。 ③(イ) 一〇月二日の一審原告P2のマイク放送について本処分理由について処分者は、右原告P2が「携帯拡声器で第一次評定者に対し、勤務状況報告書を記入しないことを要請する趣旨の放送を行ない、執務中の職員の勤務を妨害した」と称している。 しかし前記のとおり、勤務時間中に組合の決定事項等を通知連絡することは従前の慣行で認められていたことであるし、局長に会見を申入れているから何らかの結論がでるまで勤評の記入を待つてほしいと告げるのは、当時の状況では組合として当然すぎるほど当然のことであり、その時間はわずか二分ないし三分で、刺激的な言葉も使つていないので、職員の勤務を妨害していない。そしてこの間当局は、中止警告を行なつていないのである。 従つて一〇月二日のいわゆる右原告P2のマイク放送なるものは、従来の慣行(甲第九号証の解釈)、その態様及び必要性、執務妨害のなかつたこと、いずれの点からみても正当な職員組合の活動と認めるべきものであつて、これを処分理由とすることは許されない。 (ロ) 一〇月三日の第一次評定者会議について前記のとおりこの会議は、過去数年来全く公然平穏に慣行として認められて来たもので、従前当局側からその開催につき何等の処分警告もなかつたものである。 (Ⅰ) まず処分理由の「みだりに参加し職務を放棄した」という点についてみる。 この会議については、課長の中にも、積極的に行つて来なさいといつて所属係長を参加させた者がいる位で、多数の課長が参加を許していた。 まして一審原告P3は、副支部長として当日午前一一時前、P7総務課長に集会の了解を求めにゆき、P7は一 極的に行つて来なさいといつて所属係長を参加させた者がいる位で、多数の課長が参加を許していた。 まして一審原告P3は、副支部長として当日午前一一時前、P7総務課長に集会の了解を求めにゆき、P7は一たんはその許可を与えていながら、その後間もなく従来の慣行に全く反し独断で「時間中だからやめてくれ」と中止命令を出したものであり、その後約五分か一〇分程度で集会は終つている。一審原告P1の参加時間は僅か一五分位のことである。右の如き事情のもとでは、処分理由にいう「みだりに参加し職務を放棄した」ことにはならないし、少くとも右理由で処分をすることは後来の組合活動上の慣行を正当な理由なく一方的に突然破棄するものであつて、とうてい許されないものというべきである。 (Ⅱ) 次に「勤務評定の適正な実施を妨害する目的」の存しないこと。 第一次評定者会議は、組合役員の方がむしろ第一次評定者の不満、意見の聞き役という形で進行し、その会議の内容としては、係長から再評定、十分の三A、アンバラ是正等に関する意見がでたこと、一審原告P2等組合役員から、オールA、公開でやつてもらいたい旨及び再評定を指示されたら組合に連絡してほしい旨のべたところ、P9係長から、決議をすればたとえ公正にAとつけても色目でみられると困るからとの異議がでて、それではできるだけそうしてもらうという要請をすることにとどまつたこと、提出期日については、現在局長交渉が早くもてるよう交渉中だから、交渉ができるまで記入をみあわせてほしい旨、組合として一緒に出すようにしようと組合役員らがのべたところ、係長から交渉を早くもつこと及びその間課長が督促しないよう組合が努力してほしい旨の要望があり、これらが諒承されたこと、その間一〇月八日の提出期日を一日でもよいからおくらせるなどの要請は一切しなかつたのである。従つて もつこと及びその間課長が督促しないよう組合が努力してほしい旨の要望があり、これらが諒承されたこと、その間一〇月八日の提出期日を一日でもよいからおくらせるなどの要請は一切しなかつたのである。従つてこれらの話合いは決して勤務評定の適正な実施を妨害する目的のものでないことが明らかである。 (Ⅲ)右の次第であるから、一〇月三日の第一次評定者会議に参加したことをP1、P4、P3各一審原告について処分理由にすること、同原告P2について「第一次評定者に対し勤務状況報告書(以下勤評用紙或いは単に用紙或いは報告書と称することがある。)の提出を延伸するようあおりそそのかした」ことを処分理由にすることの違法、不当なことは明らかである。 (ハ) 一〇月五日局長と公務員共斗会議役員との会見に、一審原告P1、同P3が「みだりに職務を放棄して参加した」とされていることについて(Ⅰ)一〇月五日一〇時半から賃金ベースアツプ問題と全財組合の勤務評定についての交渉を軌道にのせることを主たる目標として、局長と共斗役員が会見したことは認める。共斗役員或いは代表と会うということは議長、副議長、事務局長、常任幹事及び加盟各単組の代表と会うということに従来からなつていたのであるから、この場合全財組合についても、一審原告P1は常任幹事であるから当然として、その他に全財組合高松支部代表として、支部長ないしその代理人、この場合は副支部長の一審原告P3が出席することも、これまた当然であつた。両名の参加は、人事院規則一四ー〇、一四ー一の許す範囲内の職員団体ないし個人の行動で、勤務時間中に行なつても正当な組合活動として適法なものである。 (Ⅱ) 処分者側も右原告P1、同P3両名の参加について、少くとも会見中「みだりに職務を放棄した」などと何ら異議、注意を行なわなかつたものであり、むしろ、役員と 当な組合活動として適法なものである。 (Ⅱ) 処分者側も右原告P1、同P3両名の参加について、少くとも会見中「みだりに職務を放棄した」などと何ら異議、注意を行なわなかつたものであり、むしろ、役員として参加するのが当然と考えていたのである。即ち、右原告P3は入室を制止されたことなどないし、局長等は、右共斗役員代表と一〇月五日に会見することを承諾するに当り、右原告P1が全財務職員であると同時に共斗の役員であることを知り、更にその役員として参加することを当然と考え、会見中も休暇手続の要求など何ら文句をいわなかつたものである。 かように局長等が、会見参加を諒承した事実がある以上、右原告両名が特に休暇手続をとらなくてもよいと考えたことには当然正当な事情があつたといえるので、その際別に休暇手続をとり、許可をもらつてなかつたからといつて、そのため職務専念義務に反することとなるものではない。 (Ⅲ)本件は、過去の局長交渉と全く同様であり、そして前記のとおり、従来は慣行として勤務時間中に有給休暇をとることなく、交渉参加を認められていたものである。局長自らが共斗代表との会見を諒承し、そして右代表の中に自己の職員も含まれることを知悉し、かつ異議をいわない以上、この慣行により、右参加は当然、正当な職員組合の活動であり、これを「みだりに職務を放棄した」などと称して懲戒処分をすることは、公平、信義、誠実の原則から許されない。 (ニ) いわゆる一〇月五日の局長『退出妨害』について(Ⅰ)一〇月五日の公務員共斗と局長との会見交渉において、局長は約三〇分近く返事もしないで沈黙し、突如何の断りもなく無言で退出しようとして局長室を出て、二階大部屋に南入口から入室し、文書係と金融課の机の間を通つて北へ行き、そこで南むきに立止つたこと。そこで半間位の間をおいてP10公務員共斗副議 突如何の断りもなく無言で退出しようとして局長室を出て、二階大部屋に南入口から入室し、文書係と金融課の机の間を通つて北へ行き、そこで南むきに立止つたこと。そこで半間位の間をおいてP10公務員共斗副議長が対峙していたこと、その頃局長の周囲に群がつていた人数はせいぜい一〇数名であつたこと、しかしその後間もなく局長はP11部長、P12課長、P13係長等にかこまれ平穏に外にでたこと、この時間は二分前後であつたこと、以上のような事実の経過の間に右大部屋で局長とP10共斗副議長が対峙していた際、一審原告P1は、局長の一間くらい近くまで位置し、「局長」といつたことはあるが、それ以上局長の体にふれたり、退出を妨害したりしたことはないし、当時その退出を妨害する意思もなかつた。 (Ⅱ) 仮りにその際、何らかのゆきすぎ(P10が大声で叫んで局長を追つたこと)があつたとしても、それはP10の独自の行動であつて、これらすべてを右原告P1ただ一人の責めに帰することは許されない。 (Ⅲ) また国公法が懲戒処分の事由とする信用失墜の非行というのは、本来的にはいわゆる破廉恥な所為であり、公務員が一般国民に対する信用を損うが如き非行をいうものと解すべきであり、右原告P1の本件の如き些細な組合活動上の行為はそれに該当するものではない。これに国公法九九条を適用することは許されない。 (ホ) 一〇月五日の一審原告P3等の経理課長要請について。 一審原告P3等がP12課長に要請したのは、五日でなく四日であり、それも午前一一時頃のことである。そして話の内容も、局長交渉をするから期日の八日までは提出を督促しないでほしいということであつた。これは、当時の高松支部の斗いの経過からいつても当然で、提出期日を一日でも遅らせるなどという様なことを言う筈はない。前記第一次評定者会議において、係長か は提出を督促しないでほしいということであつた。これは、当時の高松支部の斗いの経過からいつても当然で、提出期日を一日でも遅らせるなどという様なことを言う筈はない。前記第一次評定者会議において、係長から、期日の八日迄は課長に督促しないよう組合も努力してほしい旨の要望があつたので、早速翌四日にその旨を課長のところへお願いに行つたというのが経過の真実である。その話合いの模様も同課長が話合いを拒否せずに、右原告を応接セツトに坐らせ、三分ないし五分位平穏に話しあつただけである。正当な組合活動で、みだりに職務を放棄したものではない。 (ヘ) 一〇月五日の一審原告P1のマイク放送について本マイク放送は、前記のいわゆる局長「退出妨害」の事実のあと、その経過報告として行なわれたものであるが、当日午前中の局長交渉の模様と、平素ないことが起つた事情につき、組合としては組合員に報告する必要があつたし、しかも事柄の性質上、時機を失せず行なう必要が存在したので、組合として当然なすべき正当な行為であつた。しかも右放送は四分位のもので、淡々として報告したものであり、執務を妨害したことはなく、前記のとおり、協定ないし従前の慣行として認められている程度のものであつて違法性がなく、放送中P13係長が一旦制止したが、これは総務課長の命令ではなく、P13が独断で制止したものである。それ故本処分理由もまた、正当な職員組合の活動に対し、従来の慣行を一方的に否認して行なわれたものであつて、違法、不当であり、信義則に反し許されないものである。 (ト) 一〇月八日のいわゆる勤評用紙保管について(Ⅰ) 当局の合同交渉拒否と一〇月八日交渉の不誠実について九月二八日の組合の交渉申入れ以降、当局が合同交渉を拒否し続けて来たこと、これに対し、組合が忍耐づよく交渉したのであるが、結局そのため、九 (Ⅰ) 当局の合同交渉拒否と一〇月八日交渉の不誠実について九月二八日の組合の交渉申入れ以降、当局が合同交渉を拒否し続けて来たこと、これに対し、組合が忍耐づよく交渉したのであるが、結局そのため、九月二八日から一〇月六日まで貴重な一〇日近くが空費され、組合側をいたずらに組織否認だと硬化させて来た。このことが、一〇月八日勤評用紙保管に至つた遠因である。(この点については当時のP6局長の特異な性格、とくに組合に対する姿勢、態度に留意すべきである。)一〇月八日の交渉の実体について当局が八日の直前になつて合同交渉を認めたのは、もし合同交渉を拒否し続ければ、組合側に対し当局を攻撃する材料を与え、勤評書提出がスムースにいかない場合、当局に非があることになるので、形式的に交渉を行ない、八日提出強行を合理化しようとしたものに他ならないのであつて、交渉の実体もこのことを明白に裏書きしているが、当局側の態度は、組合と誠意を以て交渉する態度ではなかつた。このことはとくに、午前中交渉中であるにもかかわらず、一方で各課長が、勤評書の提出を督促していること及び午後、気まずい沈黙の中から、尚かつ訴外P14、P15、P16らが十分の三A、アンバラについて問題提起をしたとき、その場にいない「主管課長に聞け」という人をくつた回答を局長がしたことなどに如実にあらわれているのである。これは「交渉」などといえたものではない、しかも局長があくまで固執した八日の午後五時という期限は、本省の見解によれば、前記のとおり、さほど固執するまでの期限でなく、多少の変更は一向差支えないものであつた。 従つて以上の経過、とくに本部中央執行委員長自ら指導と責任をとることを確認の上始めた交渉に対し、機械的に八日の五時の期限を固執し、内容についても組合からの苦情をきき、回答してやろうとしなか た。 従つて以上の経過、とくに本部中央執行委員長自ら指導と責任をとることを確認の上始めた交渉に対し、機械的に八日の五時の期限を固執し、内容についても組合からの苦情をきき、回答してやろうとしなかつた当局の態度からすれば、これに対して組合が対抗措置をとるのは、まさに止むをえないことであつたといわなければならない。 (Ⅱ) 用紙保管からその返還に至る経過についてまず用紙保管を執行委員会が決定した事実はない。 一〇月八日の急激な事態の進展に対し、P5中央執行委員長が、組合員とくに第一次評定者の要望に基づく執行委員の意見具申により断を下し、この断を地本、支部の大多数の役員が止むをえない当然の措置として受け入れて実行し、第一次評定者の協力を求めて、結局用紙を保管するに至つたのが真相であり、その間の事情の詳細は次のとおりである。即ち(用紙を第一次評定者の手もとにとどめておいてほしいと要請したことについて)当日午後の交渉が何らの成果をみることなく決裂という事態に逢着したP5中央委員長以下交渉に参加した八、九名の役員は(一審原告P1は公務員共斗常幹会議に出席、支援の礼を言つており、訴外寺内は病院に行き午後の交渉欠席)、小使室に引き揚げ、半ば茫然として一同寝ころんでいた。課長が局長室に集つているという報告があつたので、P5がこんなことをしていては駄目だ、ともかく組合員に報告しようといつて、皆小使室を出た。(時刻は午後三時前後である)当時はまだ、どうするという方針については決つておらず、ともかく報告しようということであつた。そして階下では、「当局に交渉しようという誠意がない、組合を守るため何らかの抵抗を示してもらいたい」という抽象的な報告であつたのが、二階では、P5委員長の報告は具体的に前進して、抵抗の形として今日一日提出を見合せてもらいたいと ようという誠意がない、組合を守るため何らかの抵抗を示してもらいたい」という抽象的な報告であつたのが、二階では、P5委員長の報告は具体的に前進して、抵抗の形として今日一日提出を見合せてもらいたいという話、訴えになつたのである。そして最後の徴収課での話がすんで随行していた執行委員六・七人にP5委員長から、ボヤボヤせんと第一次評定者を説得せよとの叱責に近い指示があり、一同異議なく説得にまわつた。これが事実である。 即ち用紙を提出せず手もとにとどめておいてほしいということも当初から決つていたのでなく、何らかの形の抵抗というのが、P5委員長の心の中で時間の経過、報告の経過の中で発展、具体化したものである。(ここでP5委員長が四国出身であり、長年全財組合中央執行委員長の要職にあり、この度の合同交渉拒否に際しても、現地が指名して来援を求めたもので、全組合員から絶対の支持を受け、権威を有していたことが考えられなければならない。)(用紙保管にふみきつた事情)右経緯で組合役員は、第一次評定者に五時の提出をみあわすよう説得にまわつたのであるが、第一次評定者のなかには、当局の側から提出を督促されて板ばさみになるので、組合で是非預つてほしいという声が多数あつたのである。そこで訴外P15執行委員は、同P16執行委員に対し、この用紙保管を求める第一次評定者の声を伝えて相談し、P5中央執行委員長の指示を仰ぐべく組合事務所に赴き、そこでP5委員長に会い、訴外P15、同P16から用紙保管を求める各係長の声を伝えたところ、P5委員長は、自分もそういう声を聞いている「今日一日預かろう」「やろう」という決断を下したのである。 この時の断の下つた場所は、組合事務所入口付近であり、P5委員長のほかは、訴外P16、同P15、同P17他一・二名がいあわせたのみであつた。一審 日預かろう」「やろう」という決断を下したのである。 この時の断の下つた場所は、組合事務所入口付近であり、P5委員長のほかは、訴外P16、同P15、同P17他一・二名がいあわせたのみであつた。一審原告P1、訴外P14は組合事務所の奥にいたが、訴外P14は情宣でガリを切つており、右原告P1は共斗のP18、P10に、午前の交渉の模様や午後の交渉決裂の事情等について説明していたので、このP5委員長の決断を知らず、P1はその直後にP18議長からそのことを聞いて承知したものである。 (用紙保管の目的)何故組合は用紙保管にふみきつたのか。その理由は(a) 当局の合同交渉拒否、交渉における実質的な誠意のある態度のみられないことに現われた組織否認、団結権、交渉権侵害に対する組織防衛であること、(b) 勤評交渉について当局が何ら実質的誠意をみせないことに対し、用紙保管を一つのテコとして直ちに再度交渉し、アンバラ是正その他諸要求を煮つめること、(c) 組合の抵抗として、第一次評定者が用紙を手許にとどめておくことによる当局との摩擦を避け、組合が、前面に出ることによつて第一次評定者をも包み守つてゆくことにあつたのである。そして重点は(b)であるからー再度交渉がもてれば、(d)(a)と(c)は自ら解決するー組合としては、何より、再交渉により職場要求を煮つめることを希望したのであつて、勤評用紙をいたずらに何日も保管し、当局の挑発、弾圧を自ら買うようなことはそもそも当初から考えてもいなかつたのである。また当日五時すぎから行なわれた組合事務所での執行委員会(出席がよく約一四・五人が集り、四国地本、高松支部合同執行委員会として成立している。)では、P5委員長が司会して、二一人の係長が組合に預けてくれたことを確認し、P5委員長が風呂敷につつんで預ることをきめ、 く約一四・五人が集り、四国地本、高松支部合同執行委員会として成立している。)では、P5委員長が司会して、二一人の係長が組合に預けてくれたことを確認し、P5委員長が風呂敷につつんで預ることをきめ、更にその際、直ちに再交渉をもつこと、そして用紙は挑発にのらず、おそくとも、あらかじめ賃金問題での公務員の統一行動として開くことになつていた翌九日昼休みの職場集会に報告した後で返すことがそこで諒承された。 そして直ちにP5委員長以下が局長室に赴き再交渉を申入れたのである。 (局長の「病気」と用紙返還)ところが不幸なことに、局長が突然血圧が高くなり、高松病院に「入院」するという思いがけないことが起つた。そのため六時頃直ちに交渉をもち、用紙返還やアンバラ是正等について話し合おうとしていた組合の再交渉申し入れは不可能となつた。当局側のP7総務課長等も当日は、組合側に対し、用紙返還についてはふれず、翌九日午前九時から組合と交渉することを約束するだけに終つたのである。ところが当局は、八日夜と九日一〇時頃本省と連絡してその指示をうけ、九日九時すぎから交渉のために来ているP5委員長等を一一時すぎまで待たせた上、交渉がはじまるや直ちに用紙の返還を命じ、何ら実のある交渉をしようとせず、ただ一二時迄に返還せよとの要求をくり返すだけであつたので、P5委員長より、昼休みの職場集会で報告して後返還すると回答したにもかかわらず、今度は文書命令で、一二時までに返還せよと命じて来たのである。 そこで組合は予定に従い、当日職場集会を昼休みに開催し、P5委員長が事情を報告の上第一次評定者に返還することになつたが、P5委員長としてはすでに予め返還することに決めていたので、一応集会で報告して了解を得る形だけで勿論採決などとつていないのである。そして用紙は、午後一時一五分から三〇 評定者に返還することになつたが、P5委員長としてはすでに予め返還することに決めていたので、一応集会で報告して了解を得る形だけで勿論採決などとつていないのである。そして用紙は、午後一時一五分から三〇分の間に、組合から第一次評定者に返還され、その後、出張者等を除き第二次評定者に直ちに提出されている。従つて第二次評定者の提出期日一一日、局長評定の一三日の期限について勿論支障はなく、まして先きにのべた本省担当課長のいう最終一五日の期限には全く支障がなかつたのである。 これが本件の実態である。従つて執行委員会の決定の事実はなく、また以上の経過に徴すれば、その際一審被告主張の「俗にいう執行委員会」なども存在の余地がないし、更に正規の執行委員会以外にさような委員会はそもそも存在しないものである。 (Ⅲ) 右勤評用紙の保管行為は、国公法にいう争議行為に該当せず、むしろ正当な組合活動である。 (い) 一般に、国家公務員の具体的な行為が国公法による禁止の対象たる争議行為に該当するかどうかは、争議行為を禁止することによつて保護しようとする法益と労働基本権を尊重し保護することによつて実現しようとする法益との比較衡量により、両者の要請を適切に調整する見地から判断することが必要であり、その場合、当該行為がその態様からいつて、国民全体の利益を害し、国民生活に重大な障害をもたらすおそれがあるものであるかどうか、その程度如何が判断の基準となるのである。 ところで本件用紙の保管行為は、勤務評定の職務が、本来、職員と当局間の単なる内部関係に属する事項であつて、その事務の一時的停廃が国民全体の利益を害し、国民生活に重大な支障をもたらす可能性をもつものとはいい得ないものであり、しかも前記のように、その保管行為による提出遅延は僅か半日位の間にすぎず、本件勤務評定の実施には何 廃が国民全体の利益を害し、国民生活に重大な支障をもたらす可能性をもつものとはいい得ないものであり、しかも前記のように、その保管行為による提出遅延は僅か半日位の間にすぎず、本件勤務評定の実施には何ら具体的な支障が生じていない点からすれば、それは国公法九八条五項により禁止された争議行為には該当しないものである。 しかもおよそ争議行為とは、組合が一定の要求を実現する目的をもつて、組合の統制下に組合員をおき、使用者の労務指揮、管理を排除して、組合員に就業を放棄させ、日常的業務運営に支障を生ぜしめる行為をいうのであるが、本件保管行為においては、組合の統制力に基づく、指令、指示等による団体行動とみられる行為はなく、日常的業務阻害を目的とする労務提供拒否行為、もしくはいわゆる怠業的行為等も一切存在しない。これは右にいう争議行為の概念にはそもそも適合しないものである。 (ろ) 本件保管行為の直接かつ唯一の目的が、組合の団結を保持しつつ、当局に対して交渉の再開を求めるという正当なものであり、それは当局の不当、不誠実な態度による交渉決裂の緊急事態のもとで、組合が第一次評定者庇護の昭和三七年度勤評反対の基本方針にそう体制を組みながら、当局との交渉再開をはかる有力な方法としては、他にとるべき方法がないところから止むなくとられた措置であつたことを考えれば、当然正当な組合活動というべきである。 (Ⅳ) 用紙保管の「あおりそそのかし」と称するものについて。 一審原告P1に「あおりそそのかし」に該る事実はない。 先きに述べたように用紙保管は、多数の第一次評定者の中から要請がでて、組合がこれに応えたものであり、当初から組合が企図したものではないのである。中には、P19係長等のように、当局に出さず自らの手もとにおいておくという、より強い姿勢の係長さえ存在した。これらは でて、組合がこれに応えたものであり、当初から組合が企図したものではないのである。中には、P19係長等のように、当局に出さず自らの手もとにおいておくという、より強い姿勢の係長さえ存在した。これらは、いずれも組合員である各係長が、組合否認の局長の高圧的な態度、昭和三六年度勤務評定におけるP8局長の態度と全く異なる職場の声を無視したやり方に対し、何らかの形で抵抗しようという気持を自主的、積極的にもつていたことを示している。 ところで一般に「そそのかし若しくはあおり」とは「特定の行為を実行させる目的をもつて、文書若しくは図書又は言動により人に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめ、又は既に生じている決意を助長するような勢いある刺戟を与えること」であり、相手方の感情に訴える方法により決意を創生もしくは助長せしむることを意味するものと解すべきである。そこで国公法の規定においても、いわゆる「そそのかし」は実行の決意を新たに生ぜしめる行為を意味し、「あおり」は既に生じている実行の決意を助長する行為を意味するものと解するのが相当であるが、当該行為が「勢いある刺戟」に当るかどうか、或いは相手方に新たに決意を生じさせるに足る内容のものであるか否かについては、具体的状況に照らし、具体的に判断せられるべきものであつて、特に任命上、雇傭上の権利まで奪われるという場合については、それは、現実に争議行為の実行の決意をさせ、または既に生じている決意を助長させる結果を伴なう具体的危険をもつものに限られるものと解すべきである。 本件において第一次評定者中には、前記のとおり、或いは組合と一審被告・処分者との間にたつて組合の助力を求め、或いは処分者の団交拒否と不誠意な交渉を不当として、自ら組合に保管方を申し出たものが多数あつたのであるから、それらの者についてはそもそも「 いは組合と一審被告・処分者との間にたつて組合の助力を求め、或いは処分者の団交拒否と不誠意な交渉を不当として、自ら組合に保管方を申し出たものが多数あつたのであるから、それらの者についてはそもそも「そそのかす」ことは問題とならないし、残余の者も、団結権擁護、勤評交渉再確保、第一次評定者個々の処分回避等について組合役員の理性的説得により、何ら感情の興奮昂揚を惹起され、合理的判断ないし中正の判断を失う等のことなく、スムースに組合に寄託したものであるから「あおり」は問題とならず、結局本件は「そそのかしあおり」には全く該当しないのである。 とくに三一名の全係長のうち二二名の係長に用紙保管についての協力を実際に要請し、そのうち只一人P9係長を除いて、全員に当る二一名が、組合に用紙を預けたという事実は、如何にそれが第一次評定者の声を反映していたかを物語るものである。 (Ⅴ) 一審原告P1はもとより、同P3、同P2の二名も、八日午後四時過ぎ頃組合がなしたといわれる本件用紙保管の決定には全く参画していないし、またその実行にも加わつていない。 (Ⅵ) 全財速報等の「戦術会議」の用語について。 なお一審被告は、当時の全財速報、臨時大会議案書等の「戦術会議」の用語から、これが執行委員会である旨主張している。しかし右全財速報は、関東地本書記長織間が記載したもので三・四点で誤りがあるほか、組合の立場として三・四人の執行委員が集つて事案を決めたとは表現し得ないので「戦術会議」なる用語を使用したもので、その実体は先きに詳述したとおりである。この点についてはむしろ、一審被告側提出の乙第一七号証、乙第二二号証によつて、一審原告等主張の事の真相が十二分に裏づけられている。 (Ⅶ) 結論以上詳述したように、本件用紙保管の行為は、そもそも国公法により禁止された争議行為に該 提出の乙第一七号証、乙第二二号証によつて、一審原告等主張の事の真相が十二分に裏づけられている。 (Ⅶ) 結論以上詳述したように、本件用紙保管の行為は、そもそも国公法により禁止された争議行為に該当しないし、前記のとおり、一審被告当局の違法不当或いは不誠実な態度によつて明白に示された当局の組織否認、団結権侵害に対し、まさに止むに止まれず最少限の組織防衛のため、また勤評再交渉申入れ及び第一次評定者保護のため、組合がとつた防衛措置であり、正当な組合活動というべきである。 なお右保管行為により、勤評実施につき第二次評定者以後の段階では何らの支障が存しなかつたこと、用紙保管につきいわゆる「あおり、そそのかし」とみられる事実はなく、その他の点でもゆきすぎはなく、むしろ右保管行為は第一次評定者からの要望に応えたものであること等具体的事情を考慮すれば、組合が守らんとした団結権、利益と、これによつて侵害されたと称する業務阻害の比較衡量では、問題なく前者が優越するものであつて、法秩序全体の見地からみて、少くとも違法性を有しないものといわなければならない。 とくに、本件用紙保管はP5委員長の権威と指導、組合員の信頼と信望によつて行なわれた面の強いものであること前述のとおりであるが、上部役員であるP5委員長の決定に基づき、同人の指示に従つてなされた行為であつて、組合員として当然の義務としてなされた行為であるから、正当な組合活動というべきものである。 (チ) 一〇月九日の一審原告P1のP5委員長同行について右P5委員長の報告に同行したものは、ひとり右原告P1だけにとどまらず、他に数名の者がいた。(なぜこの数名の中から、ただ黙つてP5委員長の報告に現地役員として同行しただけの右原告P1だけを抜き出したのか。この点に当局の作為がうかがわれる。)そして右報告は二 どまらず、他に数名の者がいた。(なぜこの数名の中から、ただ黙つてP5委員長の報告に現地役員として同行しただけの右原告P1だけを抜き出したのか。この点に当局の作為がうかがわれる。)そして右報告は二・三分程度のもので、その内容も、前日の局長交渉、勤評用紙保管という突発事態につき、組合員に実情を説明し、あわせて当局と九日朝から交渉をもてることになつているということを報告したものであり、慣行として組合に許されていた程度のものであつた。これは当時の情況では、組合にとつて最少限必要とされる行動なのである。その報告に、しかも中央オルグの行動に同行することは、組合役員として当然の行為であり、従前許されていたところである。この点の処分理由は明らかに、処分のため右原告P1を狙つたものであり、従前の慣行により認められた正当な組合の活動の範囲内の行動をあえて処分しようとするものであつて、信義則に反し許されないことである。 (リ) 一〇月九日の職場集会について(Ⅰ) 処分理由は「積極的に参加した」というが、他の組合員と区別されるような参加はしていない。 (Ⅱ) 一〇月九日の職場集会は一審原告P2の宣言文朗読を最後として終了した。そして右宣言文朗読中に一時一五分の始業のベルが鳴つた。宣言文朗読終了は、ベルが鳴つてから約二分余であるから、集会終了は一時一七・八分であることが明らかである。 (Ⅲ) 右時間延長について組合側は、P5委員長がP7総務課長に連絡して従前の慣行通り事前に官側の諒解を取つている。 (Ⅳ) P7課長が中止を命じたことはなく、一審原告P3、同P2が同課長の行動を制止した事実もない。 (Ⅴ) 本職場大会は、従前の職場大会と同様、延長時間はわずか三分程度の僅少なものにすぎないので、かりに官側の諒解の得かたが不十分であつたと仮定しても、少くとも処分の対 行動を制止した事実もない。 (Ⅴ) 本職場大会は、従前の職場大会と同様、延長時間はわずか三分程度の僅少なものにすぎないので、かりに官側の諒解の得かたが不十分であつたと仮定しても、少くとも処分の対象となり得るものではない。とくにその職場大会の内容が、組合の保管した勤評用紙を第一次評定者に返還することを主たる目的として開催されたものであつて、官側においてむしろ歓迎すべき大会であることを考えれば尚更である。 (Ⅵ) 官側も従来慣行として数分ないし一〇数分の延長はこれを黙認ないし承認して来ていたのである。従前の慣行破棄の事前通告をすることもなくして、一審原告P1、同P3、同P2、同P4等が右職場集会に積極的に参加し、職務専念義務に違反したとして処分することは違法不当であり、少くとも従前の慣行に照らして、信義則に反し許されないところというべきである。 (Ⅶ) のみならず、極めて短時間のくい込みに過ぎないのであるから、これを仮りに争議行為であるとしても、国公法の解釈(制限解釈)上、同法により禁止された争議行為には該当しない場合であるから、これにつき処分は許されない。 (ヌ) 一〇月一〇日から一二日にかけてのいわゆる総務課長交渉についてこれらの処分理由について共通していることは、いずれも総務課長の勤務を妨害したとされていることである。 (Ⅰ) 職員組合の局長交渉の予備手続、(規則一四ー一)職場要求についての話合い、苦情処理などそれら一切は、正に総務課長がその責任者として、勤務時間中になすべき職責、仕事である。勿論総務課長には対組合交渉のほかにも仕事があるであろうが、しかし総務課長が異議なく組合の交渉に応じ、話をきいてくれるときは、他の課長ならいざ知らず、少くとも「総務課長」の場合にその勤務を妨害するなどということは、そもそも問題となりえないことであ あろうが、しかし総務課長が異議なく組合の交渉に応じ、話をきいてくれるときは、他の課長ならいざ知らず、少くとも「総務課長」の場合にその勤務を妨害するなどということは、そもそも問題となりえないことである。 そしてこの場合、総務課長の方からの交渉の申出の場合であつても、組合からの申出であつても、その取扱いに差別なく、法律上はいずれも等しく適法なものというべきである。 なおその場合の議題、話の内容或いは苦情は、一応職員組合の活動の合理的範囲内にあるものであればよく、客観的、厳格に人事院規則等に適合する必要は必ずしもないと解すべきである。何故なら、正に何が職員組合の交渉活動、苦情申出の合理的範囲内のものかは、通常労使双方に争いのあるところであるから、総務課長は右判断をするためにも、まず職員組合の言い分を聞く必要があるからであり、そしてそのまま総務課長が、異議なく話合いを続ける限り、それは同課長が、その議題を職員組合の活動の範囲内のことであると判断したことにほかならないからである。 従つてすでに話合いのあつた場合、後になつて、違法だから処分するなどということは、少くとも総務課長交渉については信義則からしてとうてい許されないことというべきである。 (Ⅱ) 従来の総務課長との話合いのやり方の実際も、ほぼ右のような線にそつて行なわれて来たのである。本件の各場合の交渉もそうであり、しかも抗議などというような強い性質のものではなく、単なる話合いであつたから、いずれもその動機、目的、態様からみて正当なものであり、少くとも違法性が阻却されるべき場合である。 (A) 一〇月一〇日第一回交渉について右用紙返還によつて昭和三七年度勤評反対斗争は一応終了したと思われていた。 ところが一〇日になつて、第一次評定者である係長が別室で調べられていることが判明した。いや 一〇月一〇日第一回交渉について右用紙返還によつて昭和三七年度勤評反対斗争は一応終了したと思われていた。 ところが一〇日になつて、第一次評定者である係長が別室で調べられていることが判明した。いやしくも係長ともあろうものが、課長や本省から来高した職員に取調べを受けるなどということは異例のことであつて、処分をする前提ではないかと組合が考え、右につき交渉し、できれば組合の者も立会わしてほしいと申入れ、P7課長も必要なら立会わせると答えたので、この場合は一同諒承して引きあげたのである。 従つてこの場合、右交渉が職員組合の合理的な交渉の申入れ乃至意見表明であることは明らかであるし、P7総務課長も忙しいから会えないとか、帰つてくれとかいわず、異議なくその話合いに応じたものである。 一審原告P2に至つては、一〇月一〇日午後二時頃から二時半頃までの第一回交渉には全く参加していない。 (B) 一〇月一〇日第二回交渉について前記のとおり、組合側は「必要あれば立会させる」という肯定的なP7総務課長の回答を得ていたのであるが、当日午後四時頃、本省から来高した係員等から取調べをうけた係長で、その不当さを訴える者が出たので、組合としては捨てておけず、その取調べに抗議し、取調方法の改善、立会の約束の実施を要求するため、取調中の監察官室に赴いたものであつて、これは組合としては誠に無理からぬ要請であり、正当な苦情申入れといわなければならない。 P7総務課長は、組合の要請に対し応待をしぶつてはいたが、必要があれば立会させると従前の答えをくり返し、すぐ退去せよなどとはいわなかつたし、そもそも総務課長等の仕事が不当だと交渉しているのに、その当該仕事につき「仕事中だから」との理由で話合いを拒否するのは、非論理的で正当ではない。 従つてこの場合P7総務課長の明示の意思に かつたし、そもそも総務課長等の仕事が不当だと交渉しているのに、その当該仕事につき「仕事中だから」との理由で話合いを拒否するのは、非論理的で正当ではない。 従つてこの場合P7総務課長の明示の意思に反してその職務を妨害した時間は、仮りにあつたとしても殆んどないに等しい。 とくに本件については「言わなければどんな処分をするかわからないぞ」と脅迫して、いわば犯罪行為的な取調べ(官側は非行調査と称していた)を行なつていたのであるが、この取調べは、そのやり方が不当であるのみでなく、その権限自体にも問題があり、更にそれによつて作成した聴取書にも誤りが多く、職権濫用的取調である。これに対しその改善を求める交渉は、それが或る程度相手の意思に反しても、法益がほぼ均衡する限り正当なものと認められるべきである。 (C) 一〇月一二日交渉について総務課長が異議なく交渉に応じ、一審原告P1及び訴外P16・同P14等は主管のP20課長の許可を受けて離席したものであり、更に、同原告P4は、総務課長から主管のP21課長に連絡があり、その承認を得て交渉に参加したものである。なおその話合いの全容も、職員組合としての交渉、苦情申入れ、要求の合理的な範囲内に属するものであつた。 一審原告P2はこの点につき「無実の罪」で処分されたものである。 以上詳述したとおり、一〇月一〇日から一二日にかけての一連の「総務課長交渉」はいずれも適法なものであり、P7総務課長の明示もしくは黙示の承認を得、正当な職員組合の交渉範囲内の話合い、苦情申入れ等を行なつたものであつて、何等違法性を有せず、これに対し懲戒処分をすることは、信義則違反として許されないものである。 (ル) 一〇月一二日の一審原告P4のマイク放送について(Ⅰ) 右抗議集会は、勤務時間中でなく、同日昼休みに開催されたものであり、 に対し懲戒処分をすることは、信義則違反として許されないものである。 (ル) 一〇月一二日の一審原告P4のマイク放送について(Ⅰ) 右抗議集会は、勤務時間中でなく、同日昼休みに開催されたものであり、昼休みに集会を開くことは自由であるから、これによつて何人も処分されていない集会である。そのとがめられない集会に、組合員が参加してくれと呼びかけることは、そのこと自体何ら違法でないことが明らかである。 (Ⅱ) 放送が午後〇時一〇分頃という勤務時間中である点については、それが従前許可されていた慣行もあるし、とくに〇時一〇分という時間に注目すべきである。即ち〇時一五分から休憩であるが、実際上食堂が狭い等の関係で、職員は、皆一二時前後にはそれぞれ昼食に出かけ、職場で執務をしている者は殆んどいないのが通例である。従つてその時刻には簡単なマイク放送位で勤務の妨害などはあり得ないのである。 とくに一審原告P4の二階での放送は、その事実がそもそも疑わしいものである。 2 憲法違反本件処分説明書によれば、一審原告P1等の行為は、当時施行の国公法九八条五項の争議行為ないし怠業的行為に該るとされ、同法八二条により免職処分が行なわれたものである。 (1) しかしながら、同原告P1等が、公務員として憲法二八条にいう勤労者であることは明白であつて、当時施行の右国公法九八条(五項、六項等)は、公務員が有すべき労働基本権をいわれもなしに制限ないし剥奪する違憲無効の規定であるから、これ等の規定に基づいてなされた本件処分は、法律上当然に違憲、無効である。即ち① 憲法二八条自体になんらの除外規定がないのであるから、憲法は公務員労働者についても、争議権を含めて労働基本権を不可侵の権利として保障しているものとみるのが、憲法上の原則である。この原則からみるならば、争議権を剥奪する んらの除外規定がないのであるから、憲法は公務員労働者についても、争議権を含めて労働基本権を不可侵の権利として保障しているものとみるのが、憲法上の原則である。この原則からみるならば、争議権を剥奪する右国公法の規定が憲法に違反するものであることは本来明白である筈である。 即ち、公務員が憲法二八条にいう「勤労者」であることはもはや今日の定説であるから、公務員も原則的には憲法上の労働基本権を享受するものであり、公務員に対し、権利そのものに内在する限界を越えて、無差別、無条件に争議行為を禁止することは許されないところであつて、国公法の争議行為禁止規定が、国家公務員に対し具体的社会的危険なくして、一律全面的に争議行為を禁止し、しかもその際適正な代償的保障もなしにあえてこれを禁止し、加えて刑事上、行政処分上の責任追求を、何んらの限度もなく全面的に、当局ないし権力機関の手にまかせるほかないものとしているものである以上、かような争議権剥奪の規定は、当然憲法二八条に違反するものというべきである。 而して労働基本権制限禁止の根拠として、従前、「公共の福祉」、公務員の身分、公務員が全体の奉仕者であること、公務員の職務専念義務、使用者が国または公共団体であること、職務の公共性が強いこと、勤務条件の決定が議会の承認にかかることなどがあげられているのであるが、これらはいずれも制限、禁止の根拠として適切なものではない。とくに「公共の福祉」論についていえば、憲法は「公共の福祉」を労働基本権に対する積極的な制約原理としては規定していないし、本来公共の福祉そのものが、個々の基本的人権に優越する上位概念としての性格を持つものではなく、それは基本的人権相互間の調整原理としての制約機能を持つにとどまる。労働基本権に対する制限はその権利自体に内在する制約であり、本来司法機関に 的人権に優越する上位概念としての性格を持つものではなく、それは基本的人権相互間の調整原理としての制約機能を持つにとどまる。労働基本権に対する制限はその権利自体に内在する制約であり、本来司法機関による事後的抑制にゆだねられるべきものであり、立法的な事前抑制の際には「明白かつ現在の危険」の存在、その他の合理的根拠と、制約の程度に応じた完全な代償措置が講じられなければとうてい合憲とはいえない。 ② 右国公法の規定を違憲でないとするためには、少くともいわゆる合理的、限定的解釈をすることが必要とされ、憲法が労働基本権を保障している趣旨にそくし、他方において同じく憲法が保障する財産権との間に調和と均衡が保たれるように右規定の趣旨を適切、妥当に解釈すべきものである。この見地からすれば、右国公法の争議行為禁止の規定は、公務員の提供する職務または業務の性質が、公共性の強いものであり、従つてその職務または業務の停廃が国民生活全体の利益を害し、国民生活に重大な障害をもたらすおそれがあるものについて、これを避けるために必要止むを得ない場合に限り、国家公務員に対して争議行為を禁止したものとみるべきである。 ところで本件は、以上の主張に徴して明らかであるが、その職務の公共性及びなされた争議行為の種類、態様からみて、右規定による禁止が許される場合には該当しないのであるから、これを該当するものとする解釈ないし処分は当然違憲の措置といわねばならない。 (2) なお、本件免職処分の真のねらいは、全財組合の下部組織における、殊に昭和三六年度において全国各地の斗争の先進的役割を果たした高松において、組合活動のもり上りを抑圧し、全国的な見せしめにしようとした点にあり、当局の意図は、勤評体制を貫徹するため、全国的に組合組織の弾圧をはかることにあつたのである。これは明らかに憲法 した高松において、組合活動のもり上りを抑圧し、全国的な見せしめにしようとした点にあり、当局の意図は、勤評体制を貫徹するため、全国的に組合組織の弾圧をはかることにあつたのである。これは明らかに憲法二八条に違反する不当労働行為というべきである。 3 権利濫用(1) 報復本件処分は、大蔵当局ないし処分者が全財務労働組合四国地区本部等を破壊する意図のもとに強行した報復的措置である。 当局が一審原告等の組合組織弾圧のため、四国の高松を選んだことについては、それ相当の理由がある。高松支部が全財務においてかなりのウエイトを占めている(中央本部役員を比較的多く出している)こと及び従来から比較的まとまつた組織のもとに、人事慣行をはじめとする数多くの労働慣行を持つていること等がそれである。そのほか特に、以下説明する昭和三六年度の勤評反対斗争とP22問題が、この点に関し重要である。 (イ) 昭和三六年度勤評反対斗争昭和三六年度の勤評反対斗争において、組合は組合員の意見と職場要求をまとめて、それを局長交渉の場に持ち込み、当時のP8局長も、組合と終始誠実に話合いを行なつた。 ところが、大蔵当局はこのようなP8局長の態度にあき足らず、特に同局長の責任で、(Ⅰ) 一たん配布した用紙を、組合との話合いで回収したこと、(Ⅱ) 勤評問題等について七回も局長交渉がもたれ、十分に話合いが行なわれたこと、(Ⅲ) 全職員に対して異例ともいえる局長談話がなされたこと、(Ⅳ) 翌年一月の特別昇給財源の殆んどが、給与アンバランスに使用されたこと、(Ⅴ) その他職場諸要求が解決されたこと等に著しい不満を感じている。 (ロ) P22事件P22問題は、最初は小さな事柄であつた。昭和三七年四月一日の定期異動で、松山財務部管財課橘事務官がいわゆる抜打ち配転を受けたことが発端 されたこと等に著しい不満を感じている。 (ロ) P22事件P22問題は、最初は小さな事柄であつた。昭和三七年四月一日の定期異動で、松山財務部管財課橘事務官がいわゆる抜打ち配転を受けたことが発端である。その手続が従来の慣行に反するとの組合の抗議に対し、責任者であるP22松山財務部長は四国地本の意向を歯牙にもかけず一蹴した。そこに偶々P22部長の不正出張の問題がからみ、これらのことが同年五月に開かれた全財務中央委員会で問題とされ、組合をあげての抗議が行なわれるに至つた結果、遂にP22部長がその非を認め、公式に組合の要求どうりの謝罪を行なう始末となつた。 P22問題はこれで終結したのであるが、しかし、この問題は、財務部長が組合に正式に謝罪するという、当局にとつては最も好ましくない結果を生んだ。大蔵当局の威信を傷つけ、当局側に必要以上の刺戟を与えることになつたのである。 このような関係から、当局は四国地本に対し、今回の昭和三七年度の勤評実施を機会に、組織弾圧の意図をもつて、あえて本件の大量過酷な処分を強行するに至つたものである。しかもそれは当時の諸般の状況からみて、あらかじめ仕組まれた報復の気配さえうかがわれるものである。 (2) 特定個人の狙い打ち本件処分の主目的は、あらかじめ狙いをつけた人達を財務局から追放することであつた。その標的は一審原告P1等四名であつた。それは右原告等が熱心な組合活動家であつたからである。 四国財務局においては、P5委員長を別にすれば、右原告等以外で二期以上連続して組合役職の「長」と名のつくポストに留任したものはいない。また、共斗関係との関連については、P1は香川県国家公務員共斗会議副議長兼香川県公務員共斗会議常任幹事、P3は高松支部共斗部専担、P4は昭和三七年三月二三日結成された香川県国家公務員青年婦人 ない。また、共斗関係との関連については、P1は香川県国家公務員共斗会議副議長兼香川県公務員共斗会議常任幹事、P3は高松支部共斗部専担、P4は昭和三七年三月二三日結成された香川県国家公務員青年婦人協議会結成準備委員を経て、その後常任幹事の任務にあつた。従つて右原告等四名は、当局の眼に特に好ましからざる人物とされていたものである。 (3) 仮りに、一審原告等の行為が違法性ありとしても次の三点からみて、免職の如き重大なる処分は不当であり、均衡を失した処分であり、即ち権利の濫用である。 ① 公務員の職務は、その性質、内容により公共性の程度が強弱さまざまであり、争議行為といつてもそれが直ちに常に公務の停廃をきたし、ひいて国民全体の利益を害するとはいえないものがあるのみならず、ひとしく争議行為といつても、それには種々の態様のものがあり、それが直ちに国民生活に重大な支障をもたらすおそれがあるとは限らない。従つて具体的争議行為では、国民全体或いは国民生活の利益に重大な関係があるかどうかにより、その違法性の程度において強弱の差が生じるのであつて、争議行為に対して科せられる不利益処分は、その違法性の度合いに応じ、必要な限度を越えない範囲においてなされるべきものである。懲戒処分についてもこの理は当然妥当するところである。 本件についてみれば、各処分事実はその大部分が、本件斗争の動機、目的及び各行為の態様からみて、違法性が極めて弱く、禁止された争議行為に該当しないと判断すべき場合であるか、せいぜい違法性の比較的弱い場合にとどまる。当局が最も重視する勤評用紙保管の行為も、僅か一日、正確には半日程度の国の業務の阻害にすぎない等のその態様からして、更にはその阻害が国民生活に重大な或いは相当程度の支障をもたらしたことにつき明確な立証がなされていない点からしても、一 為も、僅か一日、正確には半日程度の国の業務の阻害にすぎない等のその態様からして、更にはその阻害が国民生活に重大な或いは相当程度の支障をもたらしたことにつき明確な立証がなされていない点からしても、一審原告等に対する懲戒免職処分は、余りにも過酷であり、社会観念上著しく妥当を欠き、処分権の濫用というべきである。 ② 従来の職場慣行に基づく行為を無警告で直ちに違法と断定している。即ち、(イ)一審原告等の属する全財務労働組合四国地区本部並びに同高松支部には、人事院規則一五ー三にいういわゆる専従職員がいないことから、勤務時間中に組合活動が職場慣行として行なわれていた。 従前の慣行として、具体的には、組合執行委員会、執行委員と組合員との話合い活動、職場大会、庁内でのビラ等掲示行為、組合大会、組合員に対する周知連絡、外部共斗団体と財務局長との交渉参加等が挙げられる。 これらの慣行は当局側も諒解し、かつ長期間にわたつて反覆実施されてきたものである。 本件処分事実はすべてこれらの慣行に従うものであつて、何ら違法性がない。 (前記(三)(3)①②参照)(ロ) 処分者は、これらの慣行に従つた一審原告等に対し、慣行破棄の事前通告、もしくは事前警告もなくしてあえて処分に及んだのであつた。このことは、当局が労務管理の信義誠実性を全く欠くものであることを示し、一面では組合組織の破かいの意図を示すものにほかならない。 ③ 公務員が従来その在職中に被監督下にあつた企業等に就職することは、人事院の許可等一定の条件の下に例外的にのみ認められ(国公法一〇三条)、原則的には国民に対し不利益を与えるので法令により禁止されているのであるが、かかる法令の趣旨にそむいて、大蔵官僚が次々に大企業に天下りしていることは公知の事実である。 かように、出先機関の長が天下り的に、企業に就職す 不利益を与えるので法令により禁止されているのであるが、かかる法令の趣旨にそむいて、大蔵官僚が次々に大企業に天下りしていることは公知の事実である。 かように、出先機関の長が天下り的に、企業に就職することにより生ずる行政阻害と今回全財務労働組合の行なつた正当、かつ、ささいな組合活動と、そのいずれが実質的に国民に不利益になるかは明白である。「国の業務を阻害」したとの理由をもつて一審原告等を懲戒免職したことは不当であるといわざるを得ない。 (4) 処分の不均衡本件処分は、かつて官公庁にその例を見ない程過酷なものである。のみならず、今回の処分においては、被処分者三五名相互の間にも、救い難い不均衡が見受けられる。 その一例がP5委員長である。同人は本件について停職(三月)の処分を受けているが、処分理由は殆んど一審原告等とかわらない。否むしろ、客観的に見れば、同人は中央執行委員長として、本件勤評斗争の指令を全国に発し、しかも四国高松へ現地指導に来て、「勤評報告書を組合側に提出するようくりかえし強要する等の行為を行ない、二一名分の報告書を不当に預り、これを組合事務所に保管せしめた」というのであるから、この者と同人の直接指揮にしたがつて行動した一審原告等との間に、何故このような一見逆と考えられる区別を設けたか、理解に苦しむところである。 P5委員長は、用紙保管以後の一切の斗いの最高責任者であり、用紙保管についても決定的役割を果たしたものであつて、同委員長の三ケ月停職(これも何ら処分に値いしないと考えるものであるが)が仮りに妥当なものとすれば、一審原告P1、P2、P3、P4等を公務員関係から放逐する極刑たる免職処分にしなければならない合理性は存在しない。同原告等はP5以上の本件斗争の実質上の指導者の地位などにあつたものではない。 また訴外P17 1、P2、P3、P4等を公務員関係から放逐する極刑たる免職処分にしなければならない合理性は存在しない。同原告等はP5以上の本件斗争の実質上の指導者の地位などにあつたものではない。 また訴外P17(停職九月、降任)、同P23(減給1/10、三月)の処分に比しても、右原告P1等を免職にしなければならない理由は全く存在しない。 なお、仮りに一審原告等中の一人であるP4の処分が、不当に重きに失するものとすれば、その余の右原告等の処分も、P4と同様、当然不当に重きに失するものというべきである。 以上に述べた事実に対し、当局側は、「算術的判断でなく総合判断である」というが、総合判断をすればする程、理解が困難となる。 特に訴外P17については「本来免職処分に付すべきところ、本人の家庭の事情、年長であること等を考慮すれば、免職するに忍びず、異例の措置として停職に止めた。他の四名については、かかることは考慮しなかつた。」というのであるが、懲戒処分を行なうに当つて、かかる事情を考慮にいれるとするならば、P1等一審原告四名に対しても同様考慮されねばならないことは当然であり、特定個人のみを、その対象とし、あるいは対象外とすることは、平等取扱の原則、公正の原則に著しく反する処分との誹をまぬかれない。まして訴外P17は、その処分事実以外に、一〇月八日の局長との交渉に参加、午後四時の用紙保管決定に参加、更に第一次評定者に対する説得等相当程度の組合活動を行なつているし、その年令、職場の地位等から考え、用紙保管の行為には多大の貢献をしている点を注目すべきである。 而して一審原告P3、同P2等がいわば無理にすすめられて組合役員に就任し、責任だけは果たそうとした事情、財務局就職いらい、わずか三・四年であり、先輩の慣行に従つて行動して来た事情、春秋ある将来を考えるとき 一審原告P3、同P2等がいわば無理にすすめられて組合役員に就任し、責任だけは果たそうとした事情、財務局就職いらい、わずか三・四年であり、先輩の慣行に従つて行動して来た事情、春秋ある将来を考えるとき、本件処分が処分権の濫用たることは明らかである。 およそ処分は、いうまでもなく恣意的なものであつてはならず、合理性を持つべきであり、まして公務員の懲戒処分には平等取扱の原則(国家公務員法第二七条)と公正の原則(同法第七四条)が要請されている。本件のような著しい処分の不均衡は、前段各理由とともに、権利濫用を構成する違法なものというべきである。 二一審被告の答弁並びに主張(一審原告等の関係)(一) 一審原告等主張の請求原因(一)の点は認める。 (二) 同(二)の点は認める。 (三)1 一審原告等の事実誤認の主張について(1) 一審原告等主張の請求原因(三)1(1)の点について本件懲戒免職の理由となつた一審原告P1等の違法行為の内容は、次のとおりである。 (A) 一審原告P1関係右原告P1は、四国財務局理財部調査主任として勤務中、昭和三七年度勤務評定実施を妨害すべく、同局庁舎内において、前示本件処分の内容(1)ないし(9)の行為をなし、(B) 一審原告P2関係右原告P2は、四国財務局管財部総括課に大蔵事務官として勤務中、昭和三七年度勤務評定の実施にあたり同局庁舎内において、前示本件処分の内容(1)ないし(7)の行為をなし、(C) 一審原告P3関係右原告P3は、四国財務局理財部融資課に大蔵事務官として勤務中、前示本件処分の内容(1)ないし(8)の行為をなし、(D) 一審原告P4関係右原告P4は、四国財務局管財部管財課に大蔵事務官として勤務中、前示本件処分の内容(1)ないし(7)の行為をなしたものである。 (2) 次に一審 いし(8)の行為をなし、(D) 一審原告P4関係右原告P4は、四国財務局管財部管財課に大蔵事務官として勤務中、前示本件処分の内容(1)ないし(7)の行為をなしたものである。 (2) 次に一審原告主張の請求原因(三)1(2)の点について① 四国財務局における勤務評定とこれに対する全財組合の態度(イ) 四国財務局における勤務評定(Ⅰ)組織的に多数の人間を使用する者が、管理者に被用者の平素の勤務成績を判定させ、これに応じて昇給昇格その他の人事管理を行なうのは当然のことといわねばならない。而して、近時組織の拡大と機構の分化が進むにつれ、この判定に管理者の恣意的な要素の介入する余地を少なくし、それを可及的に全体的・綜合的・客観的なものとするため、判定の方法・手段を制度的に運営することが要請されているのである。 (Ⅱ)右の如き要請に基づいて、当時施行の国公法七二条(勤務成績の評定)及び人事院規則一〇ー二(勤務評定)四条は、所轄庁の長に、その所管に属する職員についての勤務評定の実施に関する規程を定め、これに基づいて定期的に勤務評定を実施し、その評定の結果に応じて所要の措置を講じなければならないことを義務づけている。 しかして所轄庁の長の定める規程は、人事院の承認がない限り、次の如き右人事院規則の規定によらなければならないものとされている(同人規四条二項)(い) この勤務評定は、職員が割り当てられた職務と責任を遂行した実績(勤務実績)を当該官職の職務遂行の基準に照らして評定し、並びに執務に関連して見られた職員の性格、能力及び適性を公正に示すものであること(ろ) また、その方法は、職員の勤務実績を分折的に評価して記録し、又は具体的に記述し、これに基づいて総合的に評価するものであり、かつ、評定の公正を確保するうえから、二以上の者による評価を含む こと(ろ) また、その方法は、職員の勤務実績を分折的に評価して記録し、又は具体的に記述し、これに基づいて総合的に評価するものであり、かつ、評定の公正を確保するうえから、二以上の者による評価を含む等特定の者の専断を防ぐ手段を具備するものであること(以上同二条)(は) 評定の総括的な結果は、三以上の段階に区分された評語をもつて報告書に記載するものとし、しかして、上位の段階の評語を決定される職員の数は、同一時期に評定された職員数のおおむね十分の三以内になるようにしなければならないこと(同一五条)(に) 各職員の勤務評定の結果は、公開しないこと(同一七条)また、所轄庁の長が勤務評定の結果に応じた措置を講ずるに当つては、勤務成績の良好な職員については、これを優遇して職員の志気をたかめるように努め、勤務成績の不良な職員については、執務上の指導、研修の実施及び職務の割当の変更等を行ない、または配置換その他適当と認める措置を講ずるように努めなければならないのである(同五条)(Ⅲ) 大蔵省では、昭和二七年度以来国公法及び前記人事院規則に基づいて勤務評定を実施しているが、その規程については、全財組合の要望をも尊重して、前記人事院規則の各規定の範囲内で順次改正を加え、現在では、昭和三三年一〇月一日制定の大蔵省本省勤務評定実施規則(大蔵省訓令特第一一号)に基づいてこれを行なつている。従つて財務局においては、この規則に基づき、財務局長が実施権者となつて(四条)、毎年一回、大蔵大臣が定める時期(六条)に勤務評定を実施することとなつている。 ところで、右規則によれば、(い) 勤務実績の評定は、役付職員については、責任感、判断力、企画力、統率力及び知識の五評定要素、一般職員については、責任感、知識、仕事の結果及び勤勉さの五評定要素に分折して評価し、具体的に ば、(い) 勤務実績の評定は、役付職員については、責任感、判断力、企画力、統率力及び知識の五評定要素、一般職員については、責任感、知識、仕事の結果及び勤勉さの五評定要素に分折して評価し、具体的に記述を行ない、これに基づいて総合的評価を決定し、あわせて、執務に関連して見られた人物、能力、適性、家庭事情、健康状態等を記載することとなつており(同規則別表第二、A、B表)(ろ) これらの評価は、その公正を確保するうえから、係員については係長、課長、部長が、また係長については課長、部長、局長が、それぞれ三次にわたつて評定を行なうことにより、適正なる結果を保障する措置が講じられている(同規則別表第一)(は) 次に、評定の結果は、各評定要素につきa(優良である)、b(普通である)、c(良くない)の三段階の評語を付し、これらを総合的に評価してA・B・Cの三段階の総括評語を決定する方法がとられている(同規則別表第二、A、B表)のである。 (Ⅳ) 従つて大蔵省管下の四国財務局における勤務評定は、職員個々の実情に即した適正な人事管理を行なうための公正な基礎資料の一つとするために、法令、規則をもつて定められた制度であり、局長にはこれを実施すべき義務があるのである。 (ロ) 全財組合の勤務評定に対する態度(Ⅰ) 全財組合は、勤務評定制度の実施以来常にこれに反対して来た。その理由とするところを要約すれば次のとおりである。 (い) 勤務評定は、職階制と職階給制度に結びつき昇任、昇格の根拠となり、特別昇給、勤勉手当に影響を与え、国家公務員の低賃金傾向を助長するものである。 (ろ) 勤務評定には、客観的な判断基準がなく非科学的である。 (は) その結果として、いたずらに職員間に競争心をあおりたて、労働強化をもたらす。 しかしながら、勤務評定は、前述のとおり適正な人事 (ろ) 勤務評定には、客観的な判断基準がなく非科学的である。 (は) その結果として、いたずらに職員間に競争心をあおりたて、労働強化をもたらす。 しかしながら、勤務評定は、前述のとおり適正な人事管理の公正な基礎資料の一つとするために行なうものであつて、その本質上賃金水準の高低にかかわりなく実施することを要するものである。しかも、国家公務員の賃金水準は、中立的専門機関である人事院の勧告によつてこれを確保する途が法律上制度化されているのである。又現行の評定手段、方法は、これまた前述の如く、出来るだけ全体的・綜合的・客観的な評定が得られるよう人事院規則上種々の配慮が加えられ、大蔵省の実施規則もその範囲内において数次の改善を重ねて来たところである。これをも非科学的というのであれば、勤続年数の長短、欠勤日数の多少等全く機械的・数字的資料に基づく判定以外は全て非科学的といわねばならない。 これを要するに、全財組合の態度は、現行の評定手段、方法の欠陥を指摘してその是正を求めるものではなく、勤務評定制度そのものを否定し、ひいては職階制、職階給制度、国家公務員給与制度等現行の国家公務員制度全体を否定するものにほかならない。 (Ⅱ) なお、一審原告等は、全財組合が勤務評定に反対する特殊事情として、財務局では、給与号俸の決定が法令、規則に定められた基準通りに行なわれないことによつて生じた給与上のアンバランスが多く、これを救済するためには特別昇給によらざるを得ないので、いわゆる十分の三Aの制限を撤廃する必要のあること及び財務局では、被評定者数が二名以下の第一次評定者が多くかつ仕事が専門的に細分化されているので、いわゆる十分の三Aの原則を第一次評定の段階にまで導入するのは不合理であることを挙げる。しかしながらこれらも決して理由のあるものではなく、制度自体を 者が多くかつ仕事が専門的に細分化されているので、いわゆる十分の三Aの原則を第一次評定の段階にまで導入するのは不合理であることを挙げる。しかしながらこれらも決して理由のあるものではなく、制度自体を否定しようとする前述の如き基本的態度に根ざす強弁に過ぎないのである。即ち(い) 一審原告等のいう「給与のアンバランス」とは、人事院細則九ー八ー二の等級別資格基準表に定める昇格に必要な経験年数及び在級年数を充たしていても、給与法八条に定める等級別定数の制限によつて、昇格し得ない場合のあること、及び右細則の経験年数換算制度により、学卒後採用されるまでの経験年数が、初任級の決定に際し、そのままの年数で号俸決定の基礎とされない場合のあること、並びに、上級制限の制度により、上位等級の初号俸に相当する号俸以下の号俸にしか決定されない場合のあることに伴ない、学卒後直ちに採用された職員に比し不利となつていること、を指すもののごとくである。 しかしながら、右の如きは、給与号俸を人事院規則の定める基準に従つて決定するときは常に当然に生ずる問題であつて、かかる結果をあえて「給与上のアンバランス」と呼ぶならば、それはあらゆる官庁に勤務する国家公務員全体に共通の問題であつて、ひとり財務局職員にのみの特殊の現象では決してないのである。 而して一審原告等のいう「給与上のアンバランス」が右の如きものである当然の結果として、その主張するアンバランスの集計数は、前記の人事院規則や細則等を全く無視した方法を前提に算出された数字であつて、その多寡は、右各規則違反の主張事実の立証としては無意味なものというべきである。 (ろ) 四国財務局において、第一次評定の段階における被評定者が二名以下という部署のあることは事実である。しかしながら、いわゆる十分の三Aの原則は、人事院規則一〇ー二、 意味なものというべきである。 (ろ) 四国財務局において、第一次評定の段階における被評定者が二名以下という部署のあることは事実である。しかしながら、いわゆる十分の三Aの原則は、人事院規則一〇ー二、一五条に明記されているとおり、最終評定者の段階における調整措置の基準であつて、第一次評定の段階において遵守すべき基準ではない。四国財務局においても、第一次評定者に対していわゆる十分の三Aの原則に従つた評定を求めたことはないのである。二名又は一名の被評定者を評定する第一次評定者に対して、Aを十分の三にしろなどという数字上明らかに不可能な指示を官がすることなどある筈のないことは常識上明白なところである。 ② 昭和三七年度勤務評定と全財組合の反対斗争(イ) 勤務評定実施に当り一審被告のとつた措置について(Ⅰ) 昭和三七年度における勤務評定は、同年九月二二日付秘第二一四八号大蔵大臣官房長依命通達により、評定の時期を昭和三七年一〇月一日とし、評定は一〇月一五日までに完了すること、特に完了の時期を厳守することが指示された。このため四国財務局においては、九月二八日付決裁文書をもつて、管内財務部長及び財務局出張所長あてに、勤務評定の実施方を指示するとともに、一〇月一日本局部課長ら幹部職員を局長室に集め、勤務評定は大蔵省本省勤務評定実施規則により公正に実施し、所定期日までに確実に提出するよう指示して、勤務状況報告書をこれら部課長に手交した。 (Ⅱ) この際、前年度迄の勤務評定においては必ずしも提出期限が遵守されたとはいえない実情にあつたので、特にこの勤務状況報告書の上部欄外右肩に、第一次評定者は一〇月八日までに、第二次評定者は一〇月一一日までに報告書を提出するよう記載し、局長名の文書命令の形式をとつて、勤務評定の円滑適正な実施を期したのである。 なお、右の措 欄外右肩に、第一次評定者は一〇月八日までに、第二次評定者は一〇月一一日までに報告書を提出するよう記載し、局長名の文書命令の形式をとつて、勤務評定の円滑適正な実施を期したのである。 なお、右の措置は、全財務局の総務課長会議での申し合せに基づいて、他の財務局においても一様に採用されたところであつて、ひとり一審被告のみが行なつたものではないのである。 (Ⅲ) 而して、この命令書は、同日、各課長を通じて第一次評定者である係長らに交付されたが、課長は交付に当り、「今回の勤務評定は業務命令になつているから」と説明し「昭和三七年一〇月八日」の期限を厳守するよう特に注意したのであつた。 (ロ) 全財組合の昭和三七年度勤評反対斗争について(Ⅰ) 全財組合の昭和三七年度勤務評定に対する反対斗争の戦術は、中央委員長名をもつて各地本委員長、地協議長、支部長にあてて発せられた全財組第三号に「基本的に絶対反対の態度でたたかいを進めていきます。」「当面は〃勤評を職場で無力化していく〃ことに力点をおく。」「対官交渉、抗議行動を軸とした〃提出拒否〃〃記入拒否〃戦術を採用します。」「今年度は、一昨年、昨年の〃オールA公開〃から〃記入拒否、提出拒否〃に戦術を転換した。」「提出時期は中央本部の責任において決定しますが、その場合(一〇月一〇日ごろ)は全国一せい職場大会を開催し、同時に提出します。なお、その時点においては、オールA公開を推進し、それが困難の場合は最低遅れ号俸のある組合員を優先的に評定するようにします。」と明記されている。 而して全財組合の四国地本では右の中央方針に基づいて、斗いの目標を「職場で勤評を骨抜きにし、人事管理、特昇(特別昇給)の資料として使用させない。」ことにおき、斗いの進め方としては「局長交渉抗議行動を軸とする〃記入拒否〃〃提出 右の中央方針に基づいて、斗いの目標を「職場で勤評を骨抜きにし、人事管理、特昇(特別昇給)の資料として使用させない。」ことにおき、斗いの進め方としては「局長交渉抗議行動を軸とする〃記入拒否〃〃提出拒否〃戦術をとる」こととしたのである。 (Ⅱ) 一審原告等は、右の「対官交渉を軸とした一定期間の記入拒否、提出拒否」とは、文字どおり「記入拒否、提出拒否」を意味するものではなく、官の指定した提出期日迄は記入提出を拒否して、この間に対官交渉を行ない、出来るだけ組合の要求するところを官に承認させ、おそくとも官の指定した提出期日には一せいに提出する予定であつたのであつて、官の指定した提出期日になつても「記入拒否」「提出拒否」をする意図は毛頭なかつた旨主張する。 しかしながら、右の戦術を昭和三六年度の戦術と比較すれば「基本的に勤務評定絶対反対の態度」に立つて「勤評を職場で無力化し、骨抜きにする」ために「オールA、公開を推進」しようという根本的な方針においては、昭和三七年度も同三六年度と全く変りがなく、ただ昭和三六年度には直接第一次評定者に対してオールA、公開の評定を行なうよう要請したため斗争が困難であつたので、昭和三七年度では、対官交渉を行なつて官にオールA、公開を承認させた上で第一次評定者に記入提出させることとしたに過ぎないのである。 ところで全財組合としては、昭和三六年度の四国財務局における反対斗争は、官の指定した提出期限後も局長交渉を行ない、局長に組合の要求項目を承認させ、大いに成果をおさめたと考えていた。従つて、昭和三七年度の戦術は、右の如き昭和三六年度の四国財務局における斗争の評価を前提として、右三六年度の戦術を部分的に修正したものと解すべきである。そうだとすれば、この新戦術は、右三六年度の四国財務局における斗争と同様に、各局でオールA、公 年度の四国財務局における斗争の評価を前提として、右三六年度の戦術を部分的に修正したものと解すべきである。そうだとすれば、この新戦術は、右三六年度の四国財務局における斗争と同様に、各局でオールA、公開という組合の要求を局長に承認さすか、少くともこれに近い組合としてある程度満足しうる結果を得るまでは、官の指定した提出期日後といえども、第一次評定者に勤務状況報告書の記入提出を拒否させた状態のまま局長交渉を続行し、中央本部が各局の交渉の成果を見定めた上で、全国で一せいに勤務状況報告書を提出させようというものであつたことは極めて明白である。「中央本部の責任において決定する提出時期」が官の指定した提出期日を予定していたものであるというが如きは、文理上も全く根拠がないばかりでなく、明らかに虚構の弁といわねばならない。 (Ⅲ) 一審原告等は、処分説明書に記載されている「勤務状況報告書の提出を一日でもおくらせる組合方針」という文言をとらえて、全財組合にはかかる方針は存在しなかつたと主張し、かかる方針の存在を前提として行なつた本件処分は不当であると強調する。しかしながら、一審被告としては、全財組合が当初から提出期日を引き伸ばすこと自体を目的としていたと主張しているのではなく、昭和三七年度の新戦術は、前述のとおり、局長交渉によつて、勤務評定を骨抜きにするような何らかの成果がかち取られるまでは、提出期日後も勤務状況報告書を提出しない場合があり得るという方針であつたということを右の如く表現しただけのことであつて、八日の勤務状況報告書の回収、保管を頂点とする右三七年度の反対斗争中の一連の違法行為は、さような方針に基づくものであると判断して本件処分を行なつたものである。 (ハ) 四国財務局における昭和三七年度勤評反対斗争の推進と一審被告の態度(Ⅰ) 四国財務局にお 対斗争中の一連の違法行為は、さような方針に基づくものであると判断して本件処分を行なつたものである。 (ハ) 四国財務局における昭和三七年度勤評反対斗争の推進と一審被告の態度(Ⅰ) 四国財務局における昭和三七年度勤評反対斗争の推進について全財組合四国地本および高松支部では全財務の勤評反対斗争方針を承け、その一環として、勤評反対、評定書の提出拒否、オールA、公開の勤評斗争をすることに方針をきめ、(い) 高松支部においては九月二七日、大巾賃上げ、勤評反対総けつ起のため職場集会を開き、勤評反対署名運動には全員参加し、勤評斗争終了まで「勤評反対」のリボン戦術をとることとし、(ろ) 九月二八日右四国地本と高松支部役員数名が、P7総務課長を通して、局長に対して、勤務評定に関する申入れを行ない、局長が、翌二九日午前一〇時から一時間に限り、本部、支部各別に交渉に応ずる旨回答したところ、組合側は官側と地区本部、支部との合同交渉を固執してやまず、合同交渉について一〇月一日から同月五日までの間数回に渉りしつように申入れを行なつた。 (Ⅱ) 対官交渉の制限について(い) 一審原告等は、P6局長(処分者)の合同交渉の拒否を主張する。 しかし、同局長は、組合の「勤務評定の問題について」という合同交渉の申入れに対しては、常に四国地本と高松支部それぞれ個別になら交渉に応ずる旨回答してきたところである。それは、人事院規則一四ー〇(交渉の手続)に基づいて、勤務評定実施規則所定の勤務評定そのものについては交渉事項でなく、勤務評定の実施に伴なう個々の勤務条件に関する問題についてのみ交渉事項とすべきものと考えていたので、四国財務局管下の全職員に共通する勤務条件に関する事項は四国地本と、四国財務局本局勤務の職員のみの勤務条件に関する事項は高松支部と、各別に交渉することが、問 み交渉事項とすべきものと考えていたので、四国財務局管下の全職員に共通する勤務条件に関する事項は四国地本と、四国財務局本局勤務の職員のみの勤務条件に関する事項は高松支部と、各別に交渉することが、問題の解決により適切であると考えたからである。 (ろ) 更に一審原告等は、合同交渉問題について、当時のP6局長の組合に対する態度等を非難するが、合同交渉の拒否は、すでに一審原告等が極めて理解のある局長であつたというP8局長時代から問題となつていた事項であるばかりでなく、当時合同交渉を拒否したのはひとり四国財務局に限られた事柄ではないのである。 ところがかかる情勢にもかかわらず、四国財務局においてのみ、かくも過激な違法行為が行なわれたことは、何らの理由もなくして合同交渉を固執してゆずらず、前述の如き昭和三七年度の新戦術を忠実に実行した一審原告等の態度に起因するのであつて、本件粉争の責めは、むしろ右原告等にあるといわざるを得ない。 (3) 一審原告等主張の請求原因(三)1(3)の点について① 一審原告等の本件行為は、違法行為(争議行為を含む)であつて、この違法行為に対してなされた本件懲戒処分は適法である。 以下本件処分理由書に従つて順次に一審原告等の違法行為につき詳論する。 (イ) 一〇月二日の一審原告P2の放送(一審原告等主張の(3)③ (イ)、甲第一八号証第三番の処分事実。これを「処分事実第三」と略称し、以下これに準ずる)について(Ⅰ) 右放送の内容につき、一審被告のいう「勤務状況報告書に記入しないこと」とは、組合方針に基づいて、一〇月二日の時点における勤務状況報告書の不記入を要請したという趣旨であり、勤務状況報告書を絶対記入しないよう要請したというものではない。 (Ⅱ)(い) 当時階下の事務室には約三〇名の職員が執務しており、また当時階上の事務室 状況報告書の不記入を要請したという趣旨であり、勤務状況報告書を絶対記入しないよう要請したというものではない。 (Ⅱ)(い) 当時階下の事務室には約三〇名の職員が執務しており、また当時階上の事務室にも約三〇名の職員が執務していたのであつて、右放送の音量は、電話に邪魔にならないようにするためには、放送中止しなければならない程度のものであり、各事務室全体に聞える程度の大きさであつた。 従つて、いずれの事務室においても、執務中の職員がこの放送に耳を傾け、暫時その執務の手を止めたことは推測に難くなく、これ等職員の執務を妨害したことは明らかである。 (ろ) 一審被告が、勤務時間中に組合役員の行なう組合決定事項等の通知連絡を容認して来た事実はない。 後述するとおり、局では勤務時間中の離席についてさえ、一々上司の許可を得た上で行なうことになつていたのであつて、職場の中では、たとえ短時間といえども他の職員の勤務を妨害するような行為は容認されていなかつた。それのみならず、庁舎備え付けマイクの使用に関する話合いの結果を確認した文書の存在は、一審原告等の意図するところとは逆に、かえつて本件放送が許されないものであることを裏づけるものであり、少なくとも総務係への通知手続をとることなしに行なつた右放送は、とうてい許されないものである。 (Ⅲ) よつて、一審原告P2が職務に専念する義務に違反して(当時執行の国公法一〇一条一項違反。これを「国公法一〇一条一項」と略称する。以下、これに準ずる。)勤務時間中に組合活動に従事し(人事院規則一四ー一、三項前段該当。これを「人規一四ー一、三項前段」と略称する。以下これに準ずる。)かつ、勤務時間中における他の職員の勤務を妨げた(人規一四ー一、三項後段)ことは明らかである。 (ロ) 一〇月三日の第一次評定者の会合(一審原告等主張 ー一、三項前段」と略称する。以下これに準ずる。)かつ、勤務時間中における他の職員の勤務を妨げた(人規一四ー一、三項後段)ことは明らかである。 (ロ) 一〇月三日の第一次評定者の会合(一審原告等主張の(3)③ (ロ)、処分事実第四及び第五)について(Ⅰ)(い) 右の会合の目的は、全財組第三号四項及びこれと同旨の全財務四国地区本部第四回定期大会議案書その一及び二によれば、「用紙が配付されたら、所属長に対する抗議行動をいつそう強め、一定期間記入しないたたかいを組織します。提出時期は中央本部の責任において決定しますが、その場合(一〇月一〇日ごろ)は全国一せい職場大会を開催し、同時に提出します。 なお、その時点においては、オールA、公開を推進し、それが困難の場合は最低遅れ号俸のある組合員を優先的に評定するようにします。それとても、所属長に対する抗議行動の強弱が大きく影響することを忘れてはなりません」という組合の根本方針を第一次評定者に徹底させることにあつたのであり、当時組合が発行した「斗争ニユース3」にも、「高松支部では、三日、第一次評定者と執行部の合同会議を開き① 公開、均一評定② 出すのも、出さね(〃ぬ〃の明らかな誤記と考えられる)も、統一して行なう③ 執行部は課長説得を行なうと同時に第一次評定者に対する圧力を排除する」と、記載されている。 従つて、右会合が、適正な勤務評定の実施に資するために行なわれたもので、これを妨害する目的はなかつたかの如き一審原告等の主張は詭弁に過ぎない。 (ろ) 次に、従来の第一次評定者の会合は、必ず、総務課長に届け出て、その許可を得た上で行なわれていたものであつて、無断で開催することが許されていたものではない。 本件会合については、P7総務課長及びP40課長補佐が右会合の開催中に再度にわたつてこれを 届け出て、その許可を得た上で行なわれていたものであつて、無断で開催することが許されていたものではない。 本件会合については、P7総務課長及びP40課長補佐が右会合の開催中に再度にわたつてこれを制止したにもかかわらず、一審原告等はこの制止を無視して会合を続行したものである。従つて従前の慣行を理由とする主張は理由がない。 (Ⅱ)一審原告P2は右会合で司会役をつとめ、「今年もオールA公開で行きます。したがつて一つ御協力を願う」及び「提出期日をいつにするかということは、現在局長交渉も出来てないし、局長交渉のなりゆきをみてみないと、いつということはわからないが、今言えることは先きに出すんだというような、ぬけがけの功名はやめて出す時は一緒に出そうと、出すも、引くも皆な一緒に出そうと、出すも、引くも皆な一緒にしましよう」と要請したことは、同原告自ら認めているところである。しかも、その結果、出席して第一次評定者が、オールA、公開、出すときは一緒に出すという前述の如き組合方針に従う意思を固めたことは明らかであるから、同原告の「あおり、そそのかし」た事実に誤りはない。 (Ⅲ)よつて、一審原告等がいずれも職務専念義務に違反し(国公法一〇一条一項違反)かつ、勤務時間中において組合活動に従事し(人規一四ー一、三項前段該当)たことは明らかであり、しかも一審原告P2が第一次評定者の違法な行為をあおり、そそのかしたこと(当時施行の国公法九八条五項後段該当)は明白である。 (ハ)一〇月五日の局長会見参加並びに(二)局長退出妨害(一審原告等主張の(3)③(ハ)(ニ)、処分事実第六及び第七)について(Ⅰ)(い) 共斗は、国家公務員の職員団体のほか、地方公務員の職員団体をも包含するものであつて、当時施行の国公法九八条二項にいう職員団体ではないから、かかる団体との会見参加につ 及び第七)について(Ⅰ)(い) 共斗は、国家公務員の職員団体のほか、地方公務員の職員団体をも包含するものであつて、当時施行の国公法九八条二項にいう職員団体ではないから、かかる団体との会見参加については、かりに前日からの約束があつたとしても、いわゆる職員団体との交渉の如く当然に職務専念義務が免除されるいわれがない。従つて一審原告P1が、年次有給休暇をとることなしにこれに参加したことは、みだりに職務を放棄し、勤務時間中に組合活動に従事したものというべきであり、国公法一〇一条一項および人規一四ー一、三項前段に該当することはいうまでもない。 (ろ) 一審原告P3が、入室を阻止するP24課長補佐の意に反して無断で入室したものであることは明らかであるし、かりに、右原告P3が同課長補佐あるいはP7総務課長の承認をえて入室したものであるとしても、同原告が年次有給休暇の手続をとらずして会合に参加したことは、国公法一〇一条一項並びに人規一四ー一、三項に抵触する。右管理者の入室時における承認は、右会見に参加する資格を認めたにすぎず、年次有給休暇をとることなく、参加することまで許容したものとはいえないからである。 (Ⅱ)(い) 同日午前一一時三〇分頃、局長が退出しようとした時、局庁舎内において、それまで会議していた共斗役員等と共同して、一審原告P1が、局長をしつように追いかけ、とり囲み、その前方に立ちふさがり、その退出を妨害したことは明らかであつて、その詳細は次のとおりである。 (a) 局長が、午前一一時二〇分頃P25理財部長に、あとを頼むといい残して、予定の日銀における調査のため、局長室を出たところ、共斗の訴外P10副議長が「局長待てえ、逃げる気か」と大声を挙げながら、局長を追いかけ、右原告P1も、右P10に続いて局長を追いかけた。 (b) P10が、階上 おける調査のため、局長室を出たところ、共斗の訴外P10副議長が「局長待てえ、逃げる気か」と大声を挙げながら、局長を追いかけ、右原告P1も、右P10に続いて局長を追いかけた。 (b) P10が、階上おどり場で局長に追いつき、このとき局長は周囲の気配にそのまま階段を降りることに危険を感じ、一瞬立止まり、階段を背にしたP10と向い合い、右原告P1がその近くまで来ていた。 (c) 局長は止むなく、そのまま理財部の事務室の南の入口から室内に入り、金融課と総務課総務係の席の間を北に進み、北側の窓口のところで南向きに立ち止つたところ、局長のあとを追う共斗役員及び右原告P1等多数の者が、一瞬にして局長を取り囲み、その周囲には二〇人位の人垣が二重、三重に出来上つてしまつた。 (d) その時局長を取り囲む人々が、口々に「局長逃げるとはけしからん」「会見中にだまつて飛び出すとはけしからん」「絶対出さん」「局長室へもう一回帰つて話を続けん限りは出さん」「ひきようや」等と騒ぐ中で、右原告P1は、局長の直前でなにごとか大声でいいながら局長に詰めより、局長の退出を妨害したのである。 (ろ) その退出妨害の時間も決して一審原告等主張のような短時間ではなかつた。 (は) 右原告P1等が局長を追いかけた目的は、局長を引き止め、交渉を再開させようとすることであつたから、右原告P1の行為は、多人数の人恒の中もかまわず、局長に詰めより、局長の自由に退出するのを妨害することを意図した所為であつたことは明からである。 (Ⅲ) 従つて一審原告P1、P3の以上の行為は職務専念義務(国公法一〇一条一項)に違反して、勤務時間中において組合活動に従事(人規一四ー一、三項前段該当)したものであるばかりでなく、一審原告P1については職員としての品位保持義務(国公法九九条)に違反したものであることは 一項)に違反して、勤務時間中において組合活動に従事(人規一四ー一、三項前段該当)したものであるばかりでなく、一審原告P1については職員としての品位保持義務(国公法九九条)に違反したものであることは明らかである。 (ニ) 一〇月五日の一審原告P3等の経理課長要請(一審原告等主張の(3)③(ホ)、処分事実第九)について(い) 少なくとも、一審原告P3及び訴外P17等は「局長交渉が成功するまでは勤評書の提出を督促しないでくれ」と要請しているのであるが、これは「局長交渉によつて、組合の満足しうる成果を収めるまでは、勤務状況報告書を提出しない」という組合方針に従つてくれるよう要請する趣旨であることが明らかである。 のみならず処分者は、本件要請を職務専念義務に違反して(国公法一〇一条一項違反)勤務時間中に組合活動に従事した(人規一四ー一、三項前段該当)ものとして問責しているのであつて、右要請が勤評反対斗争という組合活動の一環として、勤務時間中に行なわれたものであることは明らかであるから、右原告P3はその責めを免れることはできない。 (ろ) さらに、右要請の実態は、単なる挨拶程度のものでなく、それに要した時間についても五分ぐらいの時間ではなかつた。 なお、経理課長が一同を応接セットに坐らせたのは、断わつても簡単には帰らないであろうし、この際むしろ組合の行動に逸脱のないよう説得した方がよいとする趣旨に出たものであつて、決して当該話合い行為を承認する趣旨に出たものではない。またその際、経理課長が諒承したとの主張は、職務専念義務に違反し、勤務時間中に組合活動に従事した責任を問うている本件の場合の弁解としては全く的外れである。 (は) 本件要請の日時が一〇月五日と認められない場合は、予備的にその日時を一〇月四日午前一一時頃と主張する。 (ホ) 一〇月五日の 事した責任を問うている本件の場合の弁解としては全く的外れである。 (は) 本件要請の日時が一〇月五日と認められない場合は、予備的にその日時を一〇月四日午前一一時頃と主張する。 (ホ) 一〇月五日の一審原告P1の放送(一審原告等主張の(3)③(ヘ)、処分事実一〇)について(Ⅰ)(い) 右放送に対してなされたP13係長の制止は、P7総務課長がP13総務係長をして、その中止命令を伝達させたものである。 仮りに右制止が、P7総務課長の指示によらない制止であるとしても、総務係長が庁内取締の当面の担当係長である以上、勤務時間内の組合活動を目撃した場合、課長の指示をまつまでもなく、自己の判断でこれを制止することは当然の事理である。従つてP7総務課長の制止がないから職務放棄にならないとの主張は理由がなく、更にまた、例え管理者の制止がなかつたからといつて、勤務時間内の組合活動が正当化されるいわれはない。まして、右中止要求をうけた後もなお右原告は放送を続けていたものである。 (ろ) 当時階上事務室において執務していた職員は約三〇名であり、右放送は、携帯拡声器によつて、階上広間事務室全体に聞える程度の大きさであつたから、職員の執務が妨害されたことは明らかである。 (は) 次に一審原告等は、右放送についても、慣行の存在を根拠として、処分が許されないと主張するが、その理由なきことはすでに前示(3)①(イ)(Ⅱ)(ろ)において述べたところと同様である。 (Ⅱ) よつて、一審原告P1が職務専念義務(国公法一〇一条一項)に違反し、勤務時間中に組合活動に従事し(人規一四ー一、三項前段該当)職員の執務を妨害した(人規一四ー一、三項後段該当)ことは明らかである。 (ヘ) 一〇月八日の勤務状況報告書の組合保管(一審原告等主張の(3)③(ト)、処分事実第一一、一二)について( 項前段該当)職員の執務を妨害した(人規一四ー一、三項後段該当)ことは明らかである。 (ヘ) 一〇月八日の勤務状況報告書の組合保管(一審原告等主張の(3)③(ト)、処分事実第一一、一二)について(Ⅰ)(い) 一審原告等の勤務状況報告書の組合保管の決定参画と同原告P1の「あおり、そそのかし」の行為について当日午後、四国地本・高松支部の執行委員数名が組合事務所に集合し、勤務状況報告書を組合で保管する旨の決定をした。 右決定のなされた時間、参加者及びこの会合の性格は次のとおりである。 (A) まず、右決定のなされた時間はおそくとも午後四時前後であつた。(従つて、これを午後三時三〇分頃とした、処分説明書の記載に誤りはない。)(B) 次に右会合の参加者について、全財組合代表者P5及び一審原告P4並びに訴外P15、同P16、同P17がこの決定に参加していたことは明らかである。 而して、一審原告P1、訴外P14もその場にいた。そして四国地本の執行委員長として本件勤評反対斗争において中心的役割を果たしていた右原告P1が、僅か四坪足らずのその場にいあわせながら、かかる重大な決定に、まつたく関与しないままでいたとはとうてい考えられない。この点についてのこれまでの同人の供述の喰い違いや、不自然さは、結局、右決定に参画した事実を故意に隠蔽しようとするところから生じたものと考えられる。このことは訴外P14についてもほぼ同様である。 一審原告P2、同P3もその場にいあわせ右決定に参加した。仮りに同原告等がその時その場にいあわせなかつたとしても、P2は決定の直後、組合事務所に赴いて訴外P15より決定のなされたことを聞き、またP3は、融資課において訴外P15より右決定のなされたことを伝えられ、両名ともに爾後、他の役員等とともに、この決定に基づく回収、説得行為を行な 所に赴いて訴外P15より決定のなされたことを聞き、またP3は、融資課において訴外P15より右決定のなされたことを伝えられ、両名ともに爾後、他の役員等とともに、この決定に基づく回収、説得行為を行なつているのであるから、同人等が、この決定に参画して回収を行なつた役員と同様に問責されるのも止むを得ないことである。 (C) 更に、当時一審原告等は、定足数にみちた正規の執行委員会ではなくても、数人の執行委員が集つて何らかの決定をすれば、これを執行委員会と理解し、またそのように称する例であつた。そしてさような執行委員会による決定も、いわゆる持ち廻り決議や、事後承認等の形で、正規の執行委員会の決議と同じに取り扱われていたものである。従つて、仮りに右会合が、正規の執行委員会ではなかつたとしても、それは俗に執行委員会と称されていた役員の会合であつた。しかも当日在庁の全執行委員が、右決定の趣旨に従い、その後回収行為を共同して行なつているのであるから、右の決定も、執行委員会の決議として取り扱われたものである。 なお当時の全財速報、全財新聞及び第一〇回臨時全国大会議案書等によれば、全財組合自らも、右会合を、執行委員会或いは、戦術会議と称している。(従つて、処分者が、その処分説明書に、右会合を、執行委員会と表示した点に誤りはない。)(ろ) 一審原告等の勤務状況報告書の回収行為右の決定に基づいて、高松支部、四国地本の役員が数名ずつ、第一次評定者の席を廻り、右決定の方針に従うよう説得し、勤務状況報告書を回収したのであるが、この時における一審原告四名の行為は、次のとおりである。 (A) 一審原告P1は融資課において、第一次評定者であるP26監査係長に対して、他の組合役員たる訴外P15、一審原告P4、訴外P27、同原告P3等とともに、総括課において、第一次評定 ある。 (A) 一審原告P1は融資課において、第一次評定者であるP26監査係長に対して、他の組合役員たる訴外P15、一審原告P4、訴外P27、同原告P3等とともに、総括課において、第一次評定者であるP19総括係長に対して、他の役員たる右原告P3、同P2、訴外P16等とともに、管財課において、第一次評定者であるP28管財第一係長に対し他の役員一審原告P2、訴外P14、同P15、同P23、同P7、同P16、同P17等とともに、経理課において、第一次評定者であるP9経理係長に対して、それぞれ勤務状況報告書を組合に預けるよう説得し(あおり、そそのかし)、その際組合役員の回収説得を阻止しようとするP21管財課長に対して妨害をし、更に経理課において、P9経理係長がP12経理課長に提出しようとした勤務状況報告書を同課長と引張り合つて、同課長の制止を妨害した。 (B) 一審原告P3は融資課において、第一次評定者であるP26監査係長に対して、総括課において第一次評定者であるP19総括係長に対して、一審原告P1と同様に、経理課において、第一次評定者である係長に対して、他の組合役員訴外P16、同P23、同P27及び組合員たる訴外P29等とともに、主計課において、第一次評定者であるP30監査第三係長に対して、組合の人たち四、五人とともに、それぞれ、勤務状況報告書を組合に預けるよう説得した。 (C) 一審原告P2は融資課において、第一次評定者であるP26監査係長及びP31監理係長に対して、他の役員たる訴外P15、同P32、同P7、同P27等とともに、徴収課において、第一次評定者であるP33収納係長に対して、他の役員たる一審原告P4、訴外P15、同P23、同P17、同P16等とともに、総括課において、第一次評定者であるP34管財総務係 に、徴収課において、第一次評定者であるP33収納係長に対して、他の役員たる一審原告P4、訴外P15、同P23、同P17、同P16等とともに、総括課において、第一次評定者であるP34管財総務係長に対して、他の役員たる訴外P5、一審原告P1、同P3、訴外P16等とともに、管財課において、第一次評定者であるP28管財第一係長に対して、他の役員たる一審原告P1、訴外P14、同P15、同P7、同P23、同P16、同P17等とともに、経理課において、第一次評定者であるP35用度係長に対して、一審原告P3と同様に、それぞれ、勤務状況報告書を組合に預けるよう説得し、またその際組合役員の回収、説得を阻止しようとするP26融資課長及びP21管財課長に対して妨害をした。 (D) 一審原告P4は融資課において、第一次評定者であるP26監査係長に対して、一審原告P1と同様に、また、徴収課において、第一次評定者であるP33収納係長に対して、一審原告P2と同様に、それぞれ勤務状況報告書を組合に預けるよう説得した。 (Ⅱ) 右事実について(い) 一審原告等は、右勤務状況報告書の組合保管は、第一次評定者からの申出に基づいて行なわれたものであると主張する。 しかしながら第一次評定者のその申出は、必ずしもその真意ではなく、しつような組合役員の説得に困惑した係長等の遁辞に過ぎないと考えるべきものである。 (ろ) 次に一審原告等は、右決定はP5委員長が行なつたものである旨主張する。 しかし執行委員会における。P5の助言が右の如き決定をなす有力な動機になつたことはいなめないにしても、その決定の主体はあくまでも四国地本もしくは高松支部の役員であつた。 中央本部委員長のP5にも、地本、支部をさしおいて自ら右決定を下す権限はなく、実際上も、下部組織の意向を尊重 いなめないにしても、その決定の主体はあくまでも四国地本もしくは高松支部の役員であつた。 中央本部委員長のP5にも、地本、支部をさしおいて自ら右決定を下す権限はなく、実際上も、下部組織の意向を尊重する全財組合の建前からすれば、さようなことはあり得ない事柄である。 (は) 更に団体交渉についていえば、一審被告側が個別交渉を固執したというのなら、組合側もまた合同交渉を固執したものであつて、未交渉のまま勤務状況報告書の提出日八日を迎えたのは、必ずしも一審被告側の態度のみに起因するものではない。 しかも八日、一審被告側が従前の主張を譲つて、合同交渉に応じたにもかかわらず、組合側はあくまで当日五時の提出期限の延期を求め、その約束が取りつけられない限り内容の交渉には這入れないとの態度を固執したため、この交渉も遂に決裂するに至つたものである。 而して一審原告等組合が合同交渉に固執したのは、交渉形態自体に意義を認めていたというより、所期の成果を得るためには、個別交渉より合同交渉の方が有利であると考えていたからである。そして前記のとおり、右組合が、本件勤評斗争において目的としたところは、勤務評定制度を骨抜きにするような何らかの条件(具体的にはオールA、公開の承認)を取りつけることであつたから、その所期の目的にそう成果が得られない限り、当局側が如何に早く合同交渉に応じたとしても、とうてい組合側が満足する筈はないのであつて、やはり当局の誠意のなさを主張して抗議の行動に出ることが当然推測できる。 従つて本件において、合同交渉拒否は単なる口実に過ぎず、一審原告等主張のように、それが直ちに用紙保管行為の動機となつたものといえない。 (に) 組合は勤務状況報告書の提出期限内における提出を阻止せんとして、まず第一次評定者の責任において、これを実行させようとしたが、 のように、それが直ちに用紙保管行為の動機となつたものといえない。 (に) 組合は勤務状況報告書の提出期限内における提出を阻止せんとして、まず第一次評定者の責任において、これを実行させようとしたが、必ずしもその協力を得られないことを知るや、組合が自ら同報告書を保管することによつて、その実現を図つたものである。 組合が、かかる行動に出たのは、交渉再開のための手段としてであつた。 ところで組合は、勤務評定制度を骨抜きにするような要求を一審被告当局に承認さすことを斗争の目的としていたのであるから、右の保管行為は、当面は交渉再開の手段であるが、終局的には勤務評定制度を骨抜きにするという目的達成のための手段として行なわれたものであるとみるべきである。 (Ⅲ) 右保管行為の争議行為該当性及び「あおり、そそのかし」について(い)右保管行為は、右の如く、勤務評定制度を骨抜きにするという組合の反対斗争における目的達成のための手段であり、勤務状況報告書を提出期限に提出させようとする管理者の労務指揮権を、組合の統制、機能によつて集団的に排除したものであつて、正に争議行為に該当し、その要件において欠けたところはない。この際、組合機関の正式決定のあることが法の禁止する争議行為の要件でないことは、あえて山猫争議の例を引くまでもなく、明らかである。 (ろ) 而して右保管行為は、一審原告等のしつような説得のもとで行なわれたものであり、最初は官に提出しないでくれと説得し、後では組合に預けてくれとのしつような説得をくり返した一審原告P1の言動は、正に「違法行為を実行させる目的で………言動により、他人(本件では第一次評定者)に対し、その実行を決意させ、またはすでに生じている決意を助長させるような刺激を与え」(最高裁昭四四年四月二日判決)たものであつて、「争議行為に通常随伴す ……言動により、他人(本件では第一次評定者)に対し、その実行を決意させ、またはすでに生じている決意を助長させるような刺激を与え」(最高裁昭四四年四月二日判決)たものであつて、「争議行為に通常随伴する」域を越えた甚だしく積極的な行動であるから、その収めた効果の多少にかかわらず、国公法九八条五項にいう「そそのかし、あおり」に該当するものというべきである。 (Ⅳ)結論一審被告(処分者)は、下部組織の意向を尊重する全財務労働組合の実態からみて、前記、回収保管を決定したのは高松支部であると判断し、右決定及び回収に参加した支部役員(本訴一審原告では、P2、P3、P4)については「みだりに職務を放棄し、支部が主催した執行委員会に参加し共同謀議に参画し」更に自ら、右決定に基づく争議行為の「実行に加担」したものとし、四国地本の役員(本訴一審原告ではP1)については「みだりに職務を放棄し」支部の決定した争議行為に努力するよう、支部役員とともに第一次評定者を説得し、或いは課長の右説得に対する阻止を妨害するなどして高松支部の争議行為を助勢したものと認定したのである。 従つて支部役員の行為は、職務専念義務に違反したもので、国公法一〇一条一項に該当し、勤務時間中に組合活動を行なつたもので、人規一四ー一、三項前段に該当し、しかも争議行為の遂行を共謀したものである点で国公法九八条五項後段に該当するとともに、自ら争議行為を行なつた点で同条同項前段にも該当し、かつ第一次評定者の勤務を妨害したものとして、人規一四ー一、三項後段にも該当するものであり、四国地本役員の行為は、右同様、国公法一〇一条一項人規一四ー一、三項前段に該当するほか、高松支部役員が決定し行なつた争議行為を助勢し、第一次評定者の勤務を妨害した点で前示国公法九八条五項後段及び人規一四ー一、三項後段にも該 様、国公法一〇一条一項人規一四ー一、三項前段に該当するほか、高松支部役員が決定し行なつた争議行為を助勢し、第一次評定者の勤務を妨害した点で前示国公法九八条五項後段及び人規一四ー一、三項後段にも該当するものとして本件処分を行なつたものである。(なお、仮りに右回収保管の決定及び実行が、四国地本及び高松支部の役員が合同して行なつた行為であるとしても、その場合には、四国地本役員についても、右擬律以上に、支部役員と同様に、前示国公法九八条五項前段をも適用すべきであつたというにすぎないのであつて、本件処分の効力に何らの影響を及ぼすものではない。)(ト) 一〇月九日の一審原告P1のP5委員長同行(一審原告等主張の(3)③(チ)、処分事実第一四)について(Ⅰ) 時間中の組合活動について、一審原告等主張の職場慣行はない。 当局においては、時間中の組合活動を厳に戒めていたのであつて、例え短時間にしろ、時間内の組合活動がおろそかに看過されていた事実はない。 一審原告P1の本件行為については、その所管であるP20課長が、階上の事務室から融資課の部屋まで右原告P1のあとを追い、同人に対し自席に戻りなさいと注意しているのであつて、管理者の監督も十分であつた実情が明らかである。 (Ⅱ) 右原告P1の同行の時間が何分間であつたかという時間の長短にかかわりなく、この行為は職務専念義務に違反し(国公法一〇一条一項違反)勤務時間中に組合活動に従事した(人規一四ー一、三項前段該当)違法行為である。 (チ) 一〇月九日の職場集会(一審原告等主張(3)③(リ)、処分事実第一五)について(Ⅰ)(い) 右職場集会の終了時刻は、勤務時間にくい込み、午後一時二七分頃であつたことが明らかである。 (ろ) 右集会の開催について官側が事前に許可を与えたことは争わないが、その際、勤務時間にく (Ⅰ)(い) 右職場集会の終了時刻は、勤務時間にくい込み、午後一時二七分頃であつたことが明らかである。 (ろ) 右集会の開催について官側が事前に許可を与えたことは争わないが、その際、勤務時間にくい込まないようにと、よく注意して許可を与えたものであり、とくに、始業のベルが鳴つたのちにおける集会の継続について諒承を与えた事実は全くない。むしろ、総務課長自ら中止解散を命じたにもかかわらず、これに従わず、勤務時間にくい込み、午後一時二七分頃に至つてようやく解散したものである。 (Ⅱ)(い) 一審原告P1等が右職場集会に積極的に参加したこと及びその際の各人の行為の態様は次のとおりである。 (a) 右原告P1は、四国地本管下各支部の斗争経過報告をした。 (b) 同原告P2は大会宣言文を朗読した。 (c) 同原告P4は、中止命令を伝えようとした総務課長の入室を阻止した。 (d) 同原告P3は右集会の司会役をつとめ、激励電報をひろうしたほか、中止命令を伝えようとした総務課長を制止した。 右の如く、右原告P1が管下各支部の斗争状況を報告し、右原告P2が大会宣言文を朗読し、右原告P3が司会役をつとめたこと、これ等は本集会を維持する上で、右原告等が積極的な役割を果たした点であり、更に右原告P3、同P4は、右集会を中止解散させようとしたP7総務課長を制止して、本集会の続行に寄与したものであり、これ等の言動が、勤務時間にくい込んだ本集会の遂行に重要な役割を果たしたものであることは疑う余地がない。 右原告等が他の一般参加者と区別されることは当然である。 (Ⅲ) 以上右原告等の行為は、職務専念義務に違反し(国公法一〇一条一項違反)、勤務時間中に組合活動に従事し、かつこの間同事務室において勤務すべき職員の勤務を妨害した(人規一四ー一、三項前後段)ものにほかならない。 (リ 行為は、職務専念義務に違反し(国公法一〇一条一項違反)、勤務時間中に組合活動に従事し、かつこの間同事務室において勤務すべき職員の勤務を妨害した(人規一四ー一、三項前後段)ものにほかならない。 (リ)(A) 一〇月一〇日の第一次総務課長抗議要求(一審原告等主張の(3)③(ヌ)、(A)、処分事実第一六)について(Ⅰ)(い) 当日一審原告等を含む組合役員多数に取り囲まれたP7総務課長が、はげしい抗議要求をうけたのは、次のような状況であつた。すなわち、「全部で一〇名ぐらい入つて来まして、わたしの机を取り囲んで口々に、局長や総務課長は怪しからんと言うことを、声を相当大きく荒立てまして抗議を受けた」、「相当いきり立つておりまして、わたしの机にもたれかかるような格好で、声を相当大きくしまして総務課長怪しからんと言うようなことを強い語気で各人代る代るわたしに抗議を言つた」、「それはもう口々に言うわけですから、あちこちから大きい声で言うものですから整然という状態とは全然違う」という異常な状況であつたのである。 かような状態における話合いが、通常の課長交渉であろうはずはない。 もつとも、同課長が机上を整理して話合いに入つたのは、当初から右の如き違法な抗議要求が予期できなかつたからであり、また、爾後それが右の如き抗議状況となつた後は、同課長は戸口まで立つて行こうという素振りなどを示して、これを打ち切る態度を表明したにもかかわらず、一審原告等は抗議を継続してP7総務課長の無言の制止を聞入れなかつたものである。 (ろ) また右のような状況下では、P7課長に対して、言語によつて退去要求をせよと期待するのは無理であり、仮りに言語による退去要求がなかつたからと言つて、右原告等の行為が違法であることに変りはない。 (は) なお、右抗議に一審原告P2が参加していた事実に によつて退去要求をせよと期待するのは無理であり、仮りに言語による退去要求がなかつたからと言つて、右原告等の行為が違法であることに変りはない。 (は) なお、右抗議に一審原告P2が参加していた事実については、P7総務課長自身が同人の姿を現認していることから明らかである。 (Ⅱ) よつて、右原告等が職務専念義務に違反して(国公法一〇一条第一項違反)勤務時間中に組合活動に従事し(人規一四ー一、三項前段該当)かつ、P7総務課長の勤務を妨げた(人規一四ー一、三項後段)ことは、明らかである。 (B) 一〇月一〇日の第二次総務課長抗議要求(一審原告等主張の(3)③(ヌ)(B)、処分事実第一七)について(Ⅰ)(い) 総務課長との話合いは、従来の例として、事前に組合員が課長に対して直接、或いは電話により、場所、時間、内容を打ち合せて課長の都合を確かめた上、行なわれていたのである。これは、局長交渉ほど形式的に確立された手続ではないけれども、総務課長の都合を聞いた上差支えないことが確認されてはじめて話合いに入るのが総務課長交渉の通常の手続であり、四国財務局においても、この手続に差異はなかつた。 しかるに本件の場合は、一審原告四名を含む約一一名の組合員が、何ら右の手続をふむことなくいきなり、四坪位の監察官室へどやどやと入り込んで来て、激しい剣幕で、非行調査に立ち合わすよう、つめより喰つてかかり、同課長が勤務の邪魔になる、仕事中だからいけないと、当該行為の初めと途中の二度にわたり注意し、退去するよう意思表示をしたにもかかわらず、これを無視し、約三〇分の長きにわたつてしつように、また荒々しく右抗議を継続し、その状況は甚だ険悪なものであつた。かくの如きは、通常の課長交渉にはほど遠く、全く一審原告等が、課長交渉の範囲を逸脱して違法な抗議要求に及んだものというべきであ つように、また荒々しく右抗議を継続し、その状況は甚だ険悪なものであつた。かくの如きは、通常の課長交渉にはほど遠く、全く一審原告等が、課長交渉の範囲を逸脱して違法な抗議要求に及んだものというべきである。 (ろ) その結果、当日の調査はやり直すことになり、結果的に一〇日の日の予定の仕事は全然できなかつたのであるから、同課長の勤務が妨害されたことは明らかである。 (は) その際P7課長は「仕事中だから駄目だ、困る」と前後二回にわたつて右原告等に対し、退去するよう意思表示をしている。 仮りにこれが言語による直接的退去命令とはいえないとしても、右のような無秩序な抗議要求は、決して正当な課長交渉として許されるべきものではない。 (Ⅱ) よつて一審原告等が、職務専念義務に違反して、勤務時間中に組合活動に従事し、P7総務課長の勤務を妨害したことは、すでに(リ)(A)(第一次総務課長抗議要求)において述べたのと同様である。 (C) 一〇月一二日の総務課長抗議要求(一審原告等主張の(3)③(ヌ)(C)、処分事実第一九)について(Ⅰ)(い) 本件事実の場合においても、一審原告等を含む組合役員一〇数名が、前述の通常の手続をふくむことなく、いきなり総務課長室に押しかけて、数々の違法な抗議要求を行なつたものであるが、その状況は「いきなり組合役員が、あまり職員の離席をやかましく言うので総務課長の所にもろくろく来れない、そんな認識不足の課長もおるんだ、何故そんなにやかましく言うのか」と抗議し、「まず非常に声が荒々しいですね、口々に怪しからんと。語気が強かつた、平生と状態が大分違つておつた」「総務課長けしからんと、いわゆるぼろくそに言われておつた」「総務課長は一つもなつておらんとかいうようなことを盛んに言われておつた」という実情であり、かかる状況における話合いは正常な課 違つておつた」「総務課長けしからんと、いわゆるぼろくそに言われておつた」「総務課長は一つもなつておらんとかいうようなことを盛んに言われておつた」という実情であり、かかる状況における話合いは正常な課長交渉などとはとうていいえないものである。 (ろ)なお本件においても、総務課長は非行調査の仕事中であり、話合いに応じる気持はなかつたが、当時右原告等が非常にいきり立つている異常な状況であつたので、この際、更に粉糾を招くことになつてはとの配慮から、言語を以て明らかに退去は命令しなかつたものであつて、さような言語による退去命令がなかつたからといつて、右原告等の行為の違法性が阻却されるいわれはない。 (Ⅱ) なお一審原告P4がこれに参加するに至つた実情は次のとおりである。すなわち、右組合役員の抗議の最中一審原告P1が、右課長に対し、わからず屋の課長がいるので電話をかけろと電話器を持ち上げてしつようにP21課長に電話することを要求した。そこで総務課長は、これ以上粉糾を招くのは本意でないとして、止むなくこれに応じ「勤務時間中でも合法的な組合活動なら総務課長の所へ来るのは合法である」という趣旨の電話を一審原告P4の直属の課長であるP21課長にかけた。 しかし右の電話の本旨は、今やつている交渉が正当なものであるから、P4をこちらに寄こせなどというものでは決してない。これにより、P7課長が自ら右電話を以て右原告P4を呼びつけたなどというのは、全くのこじつけであり、険悪な状況下におけるP7課長のおびえた言葉を巧みに利用したものにほかならない。 よつて一審原告等が、職務専念義務に違反して、勤務時間中に組合活動に従事し、かつP7総務課長の勤務を妨害したことは明らかである。 (ヌ) 一〇月一二日一審原告P4のマイク放送(一審原告等主張の(3)③(ル)、処分事実第一八 専念義務に違反して、勤務時間中に組合活動に従事し、かつP7総務課長の勤務を妨害したことは明らかである。 (ヌ) 一〇月一二日一審原告P4のマイク放送(一審原告等主張の(3)③(ル)、処分事実第一八)について(Ⅰ)(い) 右放送によつて一審原告P4が呼びかけを行なう数分前に、当局側が、庁内備え付けマイクで、同日内庭で開かれる予定の共斗の集会を禁止する旨の放送を行なつているのであるから、右原告P4がこの事実を知らないはずはない。 (ろ)右放送につき、本件処分事由としては、職員の勤務を妨害した事実(人規一四ー一、三項後段)の有無は問題にせず、一審原告P4が職務専念の義務に違反し、勤務時間中に組合活動に従事したこと(人規一四ー一、三項前段)のみを処分の対象としたものであるから、この点の一審原告等の主張は見当違いである。 (Ⅱ) よつて一審原告P4が、職務専念義務に違反し、勤務時間中に組合活動に従事したことは明らかである。 ② ここで、以上の一審原告等の各行為の評価にあたつて用いられた「職務専念義務」について付言する。この義務はいうまでもなく国公法一〇一条一項に規定されているもので、職員に対し勤務時間をすべてその職務遂行のために用うべき義務を規定するものである。この規定は、単に上司の承認或いは慣行等を理由にたやすくその適用が排除される訓示規定ではなく、特則として勤務時間中における交渉権を認めた人事院規則一四ー一の規定も、あくまでも職員団体に対する便宜供与のため特に設けられた例外規程にとどまる。従つてこの例外規程の趣旨を拡張、援用して、国家公務員の職務専念義務並びにその違反に対する責任を軽視し、ないしは否認しようとする一審原告等の主張は不当といわねばならない。 ③ 結論本件懲戒処分は、四国財務局における昭和三七年度勤評反対斗争に際し、一審原告等が行 務並びにその違反に対する責任を軽視し、ないしは否認しようとする一審原告等の主張は不当といわねばならない。 ③ 結論本件懲戒処分は、四国財務局における昭和三七年度勤評反対斗争に際し、一審原告等が行なつた、勤務状況報告書の組合保管という争議行為を頂点とし、その前後にくり返された一連の違法行為に対してなされた懲戒免職処分である。 この勤務状況報告書を組合で保管した行為は、一審原告等が、全財組合の斗争方針に従い、勤務評定を各職場で無力化することを目的とし、直接には一〇月八日決裂した局長交渉を再開させるという主張貫徹のために行なつた団体的行動であり、当時施行の国公法九八条五項に該当する争議行為にほかならず、しかもその勤務状況報告書の組合保管は、単純に勤務状況報告書の提出を遅らせるが如きものとは本質的に異り、かつて例を見ない異例の争議行為である。その際一審原告等が回収した本件勤務状況報告書は、決して単なる勤評用紙ではなく、局長命令を以て各評定者に対し、提出期限を明記し、文書命令の形を備えた報告書であり、しかもその大部分が各評定者において既に記入済みの極秘の公文書であつたのである。かくの如き公文書を、実力を行使して回収し保管することが許されるのであれば、官の威信も公の秩序もとうてい保持されるものではなく、一審原告等の行為が、正当なる組合活動の範囲を逸脱した違法なものであることは多言を要しないところである。 以上のように、一審原告等はいずれも、法に定めた勤務評定制度の適法なる実施を阻止妨害する目的のもとに、前記の如き争議行為をなし、もつて重要なる国家事務の正常な運営を著しく阻害したものであつて、同人等の行為はいずれも当時施行の国公法八二条一号の「この法律又は人事院規則に違反した場合」に該当すると同時に、同条二号の「職務上の義務に違反し、又は職務を怠 正常な運営を著しく阻害したものであつて、同人等の行為はいずれも当時施行の国公法八二条一号の「この法律又は人事院規則に違反した場合」に該当すると同時に、同条二号の「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」にも該当するものであり、一審被告がこれら行為に対して懲戒免職の処分をとつたことは当然であつて、そこには何ら違法ないし不当の瑕疵は存しないものである。 2 国公法九八条の合憲性についてしかしながら憲法上、公務員の争議権を公共の福祉を理由に禁止、制限することは、国公法九八条五項に制限解釈を施すまでもなく、当然に許されるところであり、右国公法の規定はその文言のままで合憲であると解すべき余地があるので、一審原告等の、右国公法の規定が直ちに違憲である旨の主張は正当とはいえないし、少なくとも右規定の趣旨を、その表現にかかわらず、合理的に制限解釈することにより、禁止されるべき争議行為の種類や態様につき合理的な限界が設定される以上は、右規定は決して違憲無効の規定というべきでない。その制限解釈によつても、本件は右国公法の規定により禁止された争議行為に該当するものというべきである。 3 一審原告等が本件処分につき取消を求め、或いはその量定の不当を主張することは許されない。即ち前記のとおり、少なくとも前記勤務状況報告書の保管行為は、国公法九八条五項の規定によつて禁止された争議行為である。争議行為に関与した者は、同法同条六項により、国に対し法令に基づいて保有する任命又は雇用上の権利を以て対抗することができないとされていて、本来、争議行為を事由とする懲戒処分につき取消を求め、或いはその量定の不当を主張することは許されない。従つてその関与者である一審原告等の本訴請求は、右保管行為が争議行為であることが認定される以上、その段階においてすでに、本件処分の量定 き取消を求め、或いはその量定の不当を主張することは許されない。従つてその関与者である一審原告等の本訴請求は、右保管行為が争議行為であることが認定される以上、その段階においてすでに、本件処分の量定の当否の判断に立ち入るまでもなく、当然直ちに棄却されるべきものである。 4 本件処分は懲戒権の濫用ではない。 一審原告等は、本件処分をもつて、法の趣旨を無視し、専ら不純な動機のもとになされた処分であるから懲戒権の濫用である旨主張するのであるが、この主張も失当である。即ち(1) 一審原告等は、本件処分は大蔵当局ないし処分者の、一審被告が全財組合四国地本等を破壊する意図の下に強行した報復的措置である旨主張するが、一審原告等に対する本件処分は、一審被告が前記のとおり、昭和三七年一〇月二日から同月一二日までの間の一審原告等の一連の違法行為が、国公法および人事院規則に違反するところから、同法八二条一号、二号に基づき行なつたものであつて、組合に対する破壊意図により、ないしは報復手段として行なつたものではない。 一審原告等は、これにつきあらかじめ仕組まれた報復を主張するが、一審被告側は、一審原告等が報告書を取り上げる等の常軌を逸した違法行為に出ることなど全く夢想だにしなかつたことであり、右違法行為が発生した後に、急遽調査官の派遣を要請したものである。また、非行調査の内容も、第一次評定者が局長の業務命令に反して、報告書を第二次評定者に提出しなかつたので、当時の第一次評定者の行為を対象として調査したものであり、予め手筈を整えて組合弾圧のための調査をしたものではない。 更に、P22事件については、本件処分とは何らの関係がないものである。 (2) つぎに一審原告等は、本件処分の主目的は、あらかじめ狙いをつけた組合活動家の右原告等を財務局から追放することにあつた旨 更に、P22事件については、本件処分とは何らの関係がないものである。 (2) つぎに一審原告等は、本件処分の主目的は、あらかじめ狙いをつけた組合活動家の右原告等を財務局から追放することにあつた旨主張するが、右主張も何ら理由のないことである。 一審原告等の処分は、同原告のなした一連の違法行為に対してなされたものであつて、四国財務局の組合における同原告等の地位、正当な組合活動等に対してなされたものではない。従つて仮りに同原告等以外の者であつても、同程度の違法行為をした者があれば、その氏名が確認できる限り、当然同程度の処分がなされた筈である。 而して実際にも処分者が、本件勤評反対斗争において処分した者の数は、一審原告等だけにはとどまらず、計三五名の多数に達していることがよくその間の事情を物語つている。 (3) 一審原告等の行為の違法性と職場慣行① 一審原告等の勤務状況報告書の保管行為は、すでに述べたとおり、国公法により禁止された争議行為であり、争議行為に対する制裁は、その違法性の強弱に応じてその軽重を定めるべきものである。ところで右保管行為は、その目的、態様、手段等の点からみて、その違法性が極めて強いものである。即ち右保管行為は、前記のとおり、勤務評定制度を骨抜きにすることを目的とした勤評反対斗争のための争議行為であり、法律により当局が実施を義務づけられた勤務評定制度の適正な実施を妨げることを当面の目的としながら、ひいては国家公務員給与制度、現行の国家公務員制度全体の否定にまで通ずるものであり、それはもはや当局と組合の単なる内部関係での粉争の域をはるかに越え、政治的目的のための争議行為に準ずる違法性の強度なものであり、しかも右行為により保管された報告書は単なる用紙ではなく、一審被告(処分者)の記名捺印のある命令文書で、その大部分に の域をはるかに越え、政治的目的のための争議行為に準ずる違法性の強度なものであり、しかも右行為により保管された報告書は単なる用紙ではなく、一審被告(処分者)の記名捺印のある命令文書で、その大部分にはすでに評定結果が記入済みの極秘の公文書であつたから、その手段の点でも違法性が強く、更にその保管行為は前記の如く、しつような説得行為のもとに行なわれたものであつて、この点においてもまたその違法性は強いものというべきである。 なお、右保管行為等一審の違法行為により、一審被告の職場は、一〇月一日以降同月中頃まで殆んど連日混乱状態に陥つたのであつて、その業務阻害の程度も決して軽微なものとはいえない。 ② 一審原告等主張の如き職場慣行は存在しない。すでに述べたとおり((3)①(ト))、一審被告は勤務時間中の組合活動を戒め、監督も怠つていないのであるから、慣行の存在を前提とするこの点の主張は失当である。 (4) 一審原告等は本件処分は他の省庁の処分基準と対比しても、また本件勤評反対斗争の被処分者相互についてみても不均衡である旨主張するが、このような主張も全く理由のないものである。過去において、財務局の如き非現業官庁においては、勤務報告書を組合が取り上げるといつたような重大な妨害行為が発生した事例は一度もない。従つて本件は取るに足らぬささいな事案では決してないのである。 更に一審原告等は、被処分者間に不均衡があると主張し、P5委員長に対する処分を一例として挙げているが、P5委員長が発した指令には勤務状況報告書を取り上げることまでは、含んでいなかつたし、同委員長は高松における現地指導に際し、勤務状況報告書の取り上げ保管に関与したことはあるが、これは高松支部役員の強い提案を止むなく承認したと認むべき事情があるものであつて、一審原告等のように、本件反対斗争におい における現地指導に際し、勤務状況報告書の取り上げ保管に関与したことはあるが、これは高松支部役員の強い提案を止むなく承認したと認むべき事情があるものであつて、一審原告等のように、本件反対斗争において積極的に行動したものとはその事情を異にするものである。従つてその間の処分に軽重のあるのは当然のことである。 而して一審原告等とともに本件処分を受けた計三五名の者全員についても、右に述べたと同様に、各人の違法行為を綜合的に判断して処分の種類及び程度を定めたものであつて、その間に何等の矛盾も不均衡も存在しない。それは本件に関してその後人事院の判定により、一審原告等に対する本件処分がそのまま維持されたことに徴しても明らかである。 以上のとおりであるから、本件処分は、一審原告等の主張するように、何等不純な動機等によつてなされたものではなく、処分権者に裁量権の濫用もないので、本訴請求は失当であつて、棄却せられるべきである。 (一審原告P4関係)一審原告P4は、一審被告(処分者)が本件勤評反対斗争に関して行なつた多数の懲戒処分において、処分理由としてあげた一九の事由のうち、特殊なものを除きその殆んど全部に近い事実に関与していて、しかもその関与の程度、積極さは組合役員中でも他の一審原告三名と同じく、斗争の中心的人物であつた。とくに前記保管行為に際しては、自ら多数の第一次評定者の説得のため庁内各所を立ち廻り、しかもその姿勢は単に他の役員に追従する態のものではなく、むしろそれを先導するような形で、積極的に行動していたものである。従つて右原告P4に対しては、他の一審原告三名と同一程度の処分が当然相当であり、同原告がただの平執行委員に過ぎないことなどを理由として、本件懲戒処分(免職)を著しく不均衡な処分とした原判決の判断は不当といわねばならない。 第三証拠 審原告三名と同一程度の処分が当然相当であり、同原告がただの平執行委員に過ぎないことなどを理由として、本件懲戒処分(免職)を著しく不均衡な処分とした原判決の判断は不当といわねばならない。 第三証拠(省略) 理由第一当事者間に争いのない事実一審原告等の地位、身分が同原告等主張のとおりであり、一審被告が昭和三七年一一月一〇日一審原告等に対し、当時施行の国公法八二条の規定に基づき、一審原告等主張のとおりの処分事由により、免職処分を通告したことは当事者間に争いがない。 第二本件勤評反対斗争の経過について(一)① 勤務評定制度当時施行の国公法及び人事院規則一〇ー二によれば、勤務評定は、人事の公正な基礎の一つとするために職員の執務について行なわれるものであり(同規則一条)、所轄庁の長は、その所管に属する職員について、勤務評定の実施に関する規程を定め、これに基づいて勤務評定を実施し、その評定の結果に応じて、所要の措置を講じなければならないことを義務づけられている(同法七二条、同規則四条)。 その所轄の長の定める規程は、人事院の承認がない限り、次の如き右人事院規則の規定によるべきものとされている(同規則四条二項)。 (い) この勤務評定は、職員が割り当てられた職務と責任を遂行した実績(勤務実績)を当該官職の職務遂行の基準に照らして評定し、並びに執務に関連して見られた職員の性格、能力及び適性を公正に示すものであること(同規則二条)(ろ) またその方法は、職員の勤務実績を分折的に評価して記録し、又は具体的に記述し、これに基づいて綜合的に評価するものであり、かつ、評定の公正を確保するうえから、二以上の者による評価を含む等、特定の者の専断を防ぐ手段を具備するものであること(同規則二条)(は) 評定の総括的な結果は、三以上の段 合的に評価するものであり、かつ、評定の公正を確保するうえから、二以上の者による評価を含む等、特定の者の専断を防ぐ手段を具備するものであること(同規則二条)(は) 評定の総括的な結果は、三以上の段階に区分された評語をもつて報告書に記載するものとし、しかして、上位の段階の評語を決定される職員の数は、同一時期に評定された職員数のおおむね十分の三以内になるようにしなければならないこと(同規則一五条)(に) 各職員の勤務評定の結果は公開しないこと(同規則一七条)また所轄庁の長が勤務評定の結果に応じた措置を講ずるに当つては、勤務成績の良好な職員については、これを優遇して職員の志気をたかめるように努め、勤務成績の不良な職員については、執務上の指導、研修の実施及び職務の割当の変更等を行ない、又は配置換その他適当と認める措置を講ずるように努めなければならないのである。(同規則五条)② 四国財務局における勤務評定成立に争のない乙第一号証、弁論の全趣旨により成立を認めうる乙第三号証の一、二並びに弁論の全趣旨によれば、大蔵省では、昭和二七年度以来国公法及び前記人事院規則に基づいて勤務評定を実施しているが、その規程については前記人事院規則の各規定の範囲内で順次改正を加え、現在では昭和三三年一〇月一日制定の大蔵省本省勤務評定実施規則(大蔵省訓令特第一一号)に基づいてこれを行なつている。従つて財務局においては、この規則に基づき、財務局長が実施権者となつて、毎年一回、大蔵大臣が定める時期(同規則六条)に勤務評定(定期評定)を実施することとなつている。 ところで、右規則によれば、次のとおりに定められている。即ち、(い) 勤務実績の評定は、役付職員については、責任感、判断力、企画力、統率力及び知識の五評定要素、一般職員については、責任感、知識、仕事の結果及び 右規則によれば、次のとおりに定められている。即ち、(い) 勤務実績の評定は、役付職員については、責任感、判断力、企画力、統率力及び知識の五評定要素、一般職員については、責任感、知識、仕事の結果及び勤勉さの四評定要素に分折して評価し、具体的に記述を行ない、これに基づいて綜合的評価を決定し、あわせて、執務に関連して見られた人物、能力、適性、家庭事情、健康状態等を記載することとなつており、(同規則一一条、別表第二A、B表)(ろ) これらの評価は、その公正を確保するうえから、係員については係長、課長、部長が、また係長については課長、部長、局長がそれぞれ三次にわたつて評定を行なうことにより、適正なる結果を保障する措置が講じられている。(同規則九条、別表第一)(は) 次に、評定の結果は、各評定要素につきa(優良である)、b(普通である)、c(良くない)の三段階の評語を付し、これらを綜合的に評価して、A・B・Cの三段階の総括評語を決定する方法がとられている。(同規則一一条、別表第二A・B表)のである。 (に) 従つて大蔵省管下の四国財務局における勤務評定は、職員個々の実情に則した適正な人事管理を行なうための公正な基礎資料の一つとするために、法令、規則をもつて定められた制度であり、一審被告・局長はこれを実施すべき法律上の義務があるのである。 (二)(1) 全財組合の勤務評定に対する態度① 全財組合は勤務評定制度の実施以来常にこれに反対して来た。その理由とするところを要約すれば、(い) 勤務評定は、職階制と職階給制度に結びつき昇任、昇格の根拠となり、特別昇給、勤勉手当に影響を与え、国家公務員の低賃金傾向を助長するものである。 (ろ) 勤務評定には、客観的な判断基準がなく、非科学的である。 (は) その結果として、いたずらに職員間に競争心をあおりたて、労 給、勤勉手当に影響を与え、国家公務員の低賃金傾向を助長するものである。 (ろ) 勤務評定には、客観的な判断基準がなく、非科学的である。 (は) その結果として、いたずらに職員間に競争心をあおりたて、労働強化をもたらすものであり、一面においては管理体制を強化し、組合役員等活動者を差別し、ひいては労働組合の団結を侵害するものである。というにあることは、成立に争いのない甲第三号証、乙第二三号証及び弁論の全趣旨に徴して明らかである。 しかしながら、組織的に多数の人間を使用する者にとつて、業務の能率化をはかり、組織の働きを高度に保つことは、本来当然の要求というべきであり、この要求を実現するためには、多数の被用者を有効、適切に活用する何らかの人事管理の方策をとる必要があることもことさらいうを待たないことである。そこで使用者が管理者に被用者の能力並びに平素の勤務成績を判定させ、これに応じてその配置、処遇その他の人事管理の措置を行なうのは当然のことというべきである。而して、近時ますます組織の拡大と機構の分化が進むにつれ、この判定を適正に行なうために、管理者の恣意的な要素の介入する余地を少くし、それを可及的に全体的、綜合的、客観的なものとすることが問題とされ、その方策として、判定の方法、手段を制度的に運営することが要請されるに至るのである。かような要請に基づいて、その目的にそうものとして、右勤務評定制度が法定、実施せられるに至つたものである。従つて勤務評定は、本来業務の能率的運営のために、適正な人事管理の公正な基礎資料の一つを得るために行なわれるものであり、その本来の目的において、合理的な制度というべきである。而してあらゆる制度において、その本来果たすべき機能のほかに、他の副次的ないしは附随的な作用が伴なうことがあるのは、通常免れないところというべきで 本来の目的において、合理的な制度というべきである。而してあらゆる制度において、その本来果たすべき機能のほかに、他の副次的ないしは附随的な作用が伴なうことがあるのは、通常免れないところというべきであるから、これらの作用が、本来の機能をある程度阻害する等その他の副次的効果をもたらすことがあるとしても、その本来の所期する機能の面において効用が十分と認められ、しかもその副次的作用等に対し相応の対策が考慮されている限り、その制度を直ちに一概に、合理性のないものとして非難、排斥することは許されないものというべきである。一審原告等は、国家公務員の低賃金をいうが、しかし国家公務員の賃金水準は、中立的専門機関である人事院の勧告によつて一応妥当な額を確保する途が法律上で制度化されているし(もしその勧告が実際上十分な実効をあげていないものとすれば、その制度、あるいは運用等に対し、直接非難ないしは改善要求等を向けるのが当面とるべき措置というべきである。)、もともと勤務評定自体は、一般的な賃金水準とはかかわりがなく、その水準の高低とは無関係に実施され得るものであるから、右理由に基づく勤務評定の非難は妥当なものといえない。また現行の評定手段、方法は、評定する者、評定の対象事項等の点からみて、必ずしも難点がないとはいえず、とうてい完全なものとはいえないかもしれないが、これに対しては、前認定のとおり、人事院規則上、出来る限り全体的、綜合的及び客観的な評定が得られるよう種々の配慮が加えられ、大蔵省実施規則も、その線にそい、数次の改善が重ねられて来たものであることが弁論の全趣旨に徴してうかがえるところであつて、さしあたり、これに優る代替的方策が他にあるとも考えられない現段階では、さような欠点のみをみて直ちに、現行の勤務評定を全く客観的な判断基準がなく、非科学的なものと 旨に徴してうかがえるところであつて、さしあたり、これに優る代替的方策が他にあるとも考えられない現段階では、さような欠点のみをみて直ちに、現行の勤務評定を全く客観的な判断基準がなく、非科学的なものとして、たやすく全面的に排斥することは正当な態度とはいえない。更に、勤務評定が本来被用者(職員)の能力の判定を直接の目的とするものである以上、その判定の結果として、優劣の区別が生じ、ひいてはそれが人事管理の面である程度の差別的取扱いをもたらすことは、もともと制度の建前からみて当然のことであり、従つてその際、その判定が絶対的なものでなく、あくまで相対的なものにとどまることも、またその判定結果が、段階的評価の形で職員の区別を行なうに至ることも、もとより、正規の評定を行なう以上、当初から予定されたところというべきである。さような取扱いが、結果的には職員間にある程度の競争心を生じさせ、ひいては労働強化等をもたらす作用を及ぼすものであるとしても、元来職員には全力を挙げて職務の遂行に当るべき義務がある(国公法九六条)のであるから、それは必ずしも勤務評定制度自体から直接に発生した結果であると一概にはいい切れないし、仮りにある程度は、この制度に関係があるとしても、その程度は、特段の事情がない限り、制度本来の機能に伴なう止むを得ない副次的作用として受忍すべき範囲のものというほかはない。なお、以上の点に関し一審原告等は、いわゆる十分の三Aの原則の第一次評定者の段階での適用等、現実の実施面での非合理性を主張するのであるが、しかし十分の三Aの原則は、もともと統計学上の原則であつて、それ自体を合理性がないものとはいえないし、その適用も本来は、最終評定者の段階における調整措置の基準であることが規定上明らかであつて(人規一〇ー二、一五条)、この建前に立つ限り、実施権者が、 つて、それ自体を合理性がないものとはいえないし、その適用も本来は、最終評定者の段階における調整措置の基準であることが規定上明らかであつて(人規一〇ー二、一五条)、この建前に立つ限り、実施権者が、具体的な調整実施に当り、適正妥当な評定結果を得るため、仮りに第一次評定者に対して、右原則に従い評定を行なうべきことを指示する等の事実があつたとしても、それは、あくまでも最終評定のための単なる参考意見の提示を求める趣旨にとどまるものとみるのが相当であり、具体的状況のもとで客観的に不可能と認められる場合にまでも、右原則の適用を強いる指示と解すべきものではないので、この点の主張は失当である。更に、右勤務評定制度自体或いはその実施が、直ちに管理体制を強化し、組合役員等活動者を差別し、ひいては団結権を侵害するものである旨の主張については、この主張にそう甲第一、二、七号証、原審並びに当審における証人P29、当審における証人P5、原審における証人P37の各証言及び元一審原告全財組合代表者P5本人の供述(第一回)があるが、これらはたやすく採用できないし、他にこの主張事実を認めるに足る証拠がない。 而して全財組合の勤務評定に対する態度は、一審原告等の主張自体並びに成立に争いのない甲第二、三号証に徴すれば、具体的な反対斗争の方針は別として、基本的、終局的には、単に現行の評定手段、方法等につきその欠陥を指摘してこれにつき是正を求める程度のものではなくて、右制度そのものを否定し、その撤廃を求めようとするものであることが明らかであり、これに反する証拠はない。ところで一審被告は、全財組合が、右勤務評定制度の否定から更に進んで、職階制等国家公務員給与制度を含む国家公務員制度全体を否定する態度である旨を主張するのであるが、かかる事実を確認するに足る証拠はない。 ② なお、一 、全財組合が、右勤務評定制度の否定から更に進んで、職階制等国家公務員給与制度を含む国家公務員制度全体を否定する態度である旨を主張するのであるが、かかる事実を確認するに足る証拠はない。 ② なお、一審原告等は、全財組合としては勤務評定に反対する特珠事情がある旨主張するので検討する。 (い) 一審原告等のいう「給与のアンバランス」とは、人事院細則九ー八ー二の等級別資格基準表に定められた昇格に必要な経験年数及び在級年数を充たしていても、給与法八条に定める等級別定数の制限によつて昇格し得ない場合のあること、右細則の経験年数換算制度により、学卒後採用されるまでの経験年数が、初任級の決定に際し、そのままの年数で号俸決定の基礎とされない場合のあること、及び上級制限の制度により、上位等級の初号俸に相当する号俸以下の号俸にしか決定されない場合のあることに伴ない、学卒後直ちに採用された職員に比し不利となつていることなどを指すものの如くである。 しかしながら、さような事態は、一審被告主張のとおり、給与号俸を人事院規則の定める基準に従つて決定するときは、常に当然に生じる問題であり、しかもそれはあらゆる官庁に勤務する国家公務員全体に共通する問題であつて、ひとり財務局職員にのみ特有の現象ではない。一審原告等提出の「賃金アンバランス集計表」(甲第二一号証の一、二)の数字は、一審原告等の主張に徴しても、等級別定数や上級制限に関する前記の法、規則等を無視し、経験年数と在職年数を充してさえおれば、すべての職員が一律に昇給し、また民間等の経験年数を有する者の初任級決定に当り学卒後直ちに採用された職員と同一に取扱うべきものとして算出した号俸と、現実の号俸とを比較した場合の数字に過ぎないものであり(当審証人P14の証言もこの点に関しては、結論において、右と同趣旨の内容に帰する 直ちに採用された職員と同一に取扱うべきものとして算出した号俸と、現実の号俸とを比較した場合の数字に過ぎないものであり(当審証人P14の証言もこの点に関しては、結論において、右と同趣旨の内容に帰すると認められる)、右法、規則に基づいて適法に算出されたものではないので、財務局職員が不当、違法な取扱いを受けている事実の証拠としては、採用できないものというべきである。 しかし成立に争いのない右甲第二一号証の一、二、当審証人P14の証言及び同証言によつて成立の真正を認める甲第二八号証、同第二九号証の一、二、同第三〇号証によれば、一審原告等のいう「アンバランス」の状況にある相当数の職員がいることが認められるのであるが、この「アンバランス」是正のために特別昇給源資を使用せよとの全財組合の要求は、右源資が、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二五年法律第九五号)八条、人事院規則一〇ー二の五条、一五条、同規則九ー八の一六条ないし一八条、同細則九ー八ー二の二〇条等に基づく勤務成績の良好な職員に対する優遇措置の源資であることからすれば、一応その本来の趣旨にそわない運用を要求するものであると認められるので、その限りでは、原則として正当なものとはいえない。(ただし、後記(三)、(2)、②、(い)、(ロ)の項参照。)(ろ) 組織の細分化、職務内容の異質性等の点に関する主張については、四国財務局では、第一次評定の段階において、被評定者の数が二名以下という部署があることは当事者間に争いがない。しかし前記①の項で述べたとおり、第一次評定者に対する十分の三Aの原則の適用の指示は、絶対的な要求とまで解すべきものではないから、この点の主張は採用できない。 ③ これを要するに、前記説示のように、勤務評定制度自体は否定すべきものといえないのであるが、現行の実施方法等の点につ 示は、絶対的な要求とまで解すべきものではないから、この点の主張は採用できない。 ③ これを要するに、前記説示のように、勤務評定制度自体は否定すべきものといえないのであるが、現行の実施方法等の点については完全性を期待することが困難であるし、その結果としていたずらに職員間に、一審原告等主張のように、反目感情や、労働強化等をもたらす虞れがないともいえないのであるから、一審原告等の組合側が、その弊害を強調して、その制度の採用或いは実施方法等につき検討、考慮を要求すること自体は、これが勤務条件に関連する事柄である以上、もとより一概にこれを不当なものとはいえない。しかしすでに勤務評定が、議会の承認等適法な手続を経て実施に移され、制度化されている段階において、定められた法規に従い実施義務を負う当局に対し、関係法規に明らかに反して、その制度の撤回ないし運用方を、組合活動の方法によつて、直接に要求し、その実現をはかろうとする態度は、一般にたやすく正当なものとはいえない。 (2) 全財組合の組織と昭和三七年度勤務評定に対する反対斗争の方針等① 全財組合の組織成立に争いのない甲第二五号証、乙第二二号証、証人P37の証言及び元一審原告全財組合代表者P5(第一、二回)本人の供述を綜合すれば、全財組合の組織及びその実体は一審原告等主張(請求の原因(三)、1、(2)、③(イ))のとおりであることが認められ、これに反する証拠がない。 ② 勤務評定の実施につき一審被告のとつた措置成立に争いのない乙第二号証、証人P7の証言により真正に成立したと認める同第四号証、証人P7、同P11、同P6の各証言を綜合すれば、昭和三七年度における勤務評定は、同年九月二二日付秘第二一四八号大蔵大臣官房長依命通達により、評定時期を同三七年一〇月一日とし、評定は一〇月一五日までに完了す P11、同P6の各証言を綜合すれば、昭和三七年度における勤務評定は、同年九月二二日付秘第二一四八号大蔵大臣官房長依命通達により、評定時期を同三七年一〇月一日とし、評定は一〇月一五日までに完了すること、特に完了の時期を厳守することが指示されたこと、このため四国財務局においては、九月二八日付決裁文書をもつて管内財務部長及び財務局出張所長あてに勤務評定の実施を指示するとともに、一〇月一日本局部課長等幹部職員を局長室に集め、勤務評定は大蔵省本省勤務評定実施規則により公正に実施し、所定期日までに確実に提出するよう指示して、勤務状況報告書をこれら部課長に手交したこと、その際、前年度迄の勤務評定においては、必ずしも提出期限が遵守されたとはいえない実情にあつたので、特にこの勤務状況報告書の上部欄外右肩に、第一次評定者は一〇月八日までに、第二次評定者は一〇月一一日までに右報告書を提出するよう記載し、局長名の文書命令の形式をとつて、勤務評定の円滑適正な実施を期したこと、なお右の措置は全財務局の総務課長会議での申合わせに基づいて他の財務局においても一様に採用されたところであつて、ひとり四国財務局における一審被告のみが行なつたものではないこと、而して、この命令書は、同日各課長を通じて第一次評定者である係長等に交付されたが、課長は交付に当り、「今回の勤務評定は業務命令になつているから」と説明し、「昭和三七年一〇月八日」の期限を厳守するよう特に注意したことが認められ、この認定を左右するに足る証拠はない。 ③ 全財組合の昭和三七年度勤評反対斗争方針いずれも成立に争いのない甲第一号証ないし第七号証、乙第五、一四、二三、二五、二八号証と証人P37、同P5の証言の一部、同P16、同P29(原審)、同P38、同P26(原審)、同P12、同P9、同P7の各証言、及び いのない甲第一号証ないし第七号証、乙第五、一四、二三、二五、二八号証と証人P37、同P5の証言の一部、同P16、同P29(原審)、同P38、同P26(原審)、同P12、同P9、同P7の各証言、及び元一審原告全財組合代表者P5(第一回)本人の供述の一部を綜合すれば次の事実が認められる。 (い) 勤評反対斗争は全財組合が昭和三三年の第五回大会において労働強化と差別をもち込み、職員間に反目競争意識をあおるものとして勤務評定制度に反対の態度を決め、その戦術として記入拒否、提出拒否を決定して斗争を組織して以来、毎年勤務評定実施の際には必ず斗争が組織されて来た。そして逐年その斗争戦術も、斗いの批判と反省のうえにたつて若干ずつ変更されたが、本件の昭和三七年度においても前年度とは若干戦術が変更された。即ち、昭和三六年度勤評反対斗争方針は、公開、均一オールA、一斉提出であつたが、この方針は勤務評定の当面の当事者である第一次評定者のみに戦術行使の負担がかかり、斗いが全組合員のものにならないこと、斗争の負担が第一次評定者のみにいちじるしく集中する結果、第一次評定者の中には勤評反対斗争を重荷と感じて当局からの圧力に苦慮する者があること等に鑑み、昭和三七年度においては戦術を転換して「一定期間の記入拒否、提出拒否」としたものである。 (ろ) 而して全財組合の昭和三七年度勤務評定に対する反対斗争の戦術は、中央委員長名をもつて各地本委員長、地協議長、支部長にあてて発せられた全財組第三号(甲第七号証)によれば、「基本的に絶対反対の態度でたたかいを進めていきます。」「当面は、勤評を、〃職場で無力化していく〃ことに力点をおく。」「対官交渉、抗議行動を軸とした〃提出拒否〃〃記入拒否〃戦術を採用します。」「今年度は、一昨年、昨年の〃オールA公開〃から〃記入拒否、提出拒否〃に 勤評を、〃職場で無力化していく〃ことに力点をおく。」「対官交渉、抗議行動を軸とした〃提出拒否〃〃記入拒否〃戦術を採用します。」「今年度は、一昨年、昨年の〃オールA公開〃から〃記入拒否、提出拒否〃に戦術を転換した。」「勤務状況報告書の提出時期は中央本部の責任において決定しますが、その場合(一〇月一〇日ごろ)は全国一斉職場大会を開催し、同時に提出します。なおその時点においては、オールA公開を推進し、それが困難の場合は最低遅れ号俸のある組合員を優先的に評定するようにします。」と明記されている。 そこで全財組合の四国地本では、右の中央方針に基づいて、斗いの目標を「職場で勤評を骨抜きにし、人事管理、特昇の資料として使用させない。」ことに置き、斗いの進め方としては、「局長交渉、抗議行動を軸とする〃記入拒否〃〃提出拒否〃戦術をとる。」こととしたのである。 この点に関して一審原告等は、右の「対官交渉を軸とした一定期間の記入拒否、提出拒否」とは、文字どおり「記入拒否、提出拒否」を意味するものではなく、官の指定した提出期日までは記入提出を差しひかえさせて、この間に対官交渉を行ない、出来るだけ組合の要求するところを官に承認させ、おそくとも官の指定した提出期日には一せいに提出する予定であつたのであつて、官の指定した提出期日になつても「記入拒否」「提出拒否」をする意図は毛頭なかつた旨主張する。 しかしながら、右の戦術を昭和三六年度のそれと比較すれば、「基本的に勤務評定絶対反対」の立場で「勤評を職場で無力化し、骨抜きにする」ために「オールA・公開を推進」しようという根本的な方針においては、昭和三七年度も同三六年度と全く変りがなく、ただ同三六年度には直接第一次評定者に対してオールA・公開の評定を行なうよう要請したため、全組織的斗争としては、同じ組合員である いう根本的な方針においては、昭和三七年度も同三六年度と全く変りがなく、ただ同三六年度には直接第一次評定者に対してオールA・公開の評定を行なうよう要請したため、全組織的斗争としては、同じ組合員である第一次評定者に過重な負担をかけ、それを官側に押しやるとの難点があつたので、同三七年度では、組合において先ず対官交渉を行ない、官に対してオールA・公開等の組合の要求を承認させる措置をとつた上で、第一次評定者に記入、提出を行なわせることとしたに過ぎないのである。ところで、全財組合としては、昭和三六年度の四国財務局における反対斗争は、官の指定した提出期日経過後までも局長交渉を行ない、局長に組合の要求項目を承認させ、大いに成果をあげたと考えていたのである。(もつとも一審被告側の評価では、当時のP8局長が組合の要求項目を承認したものとは認めていない。)そこで昭和三七年度の戦術は、右の如き同三六年度の四国財務局における斗争の経過並びにその評価をふまえて、同年度の戦術を部分的に修正した性格のものであるとみるのが相当である。してみると、この新戦術は、同三六年度の四国財務局における斗争と同様に、各財務局において対官交渉を行ない、その間オールA・公開等の要求項目を局長に承認さすか、或いはこれに近い組合が満足できるある程度の交渉結果(遅れ号俸の組合員の優先的評定等)を得るまでは、第一次評定者に勤務状況報告書の記入、提出を差しひかえさせ、場合によつては官の指定した提出期日経過後にわたつても、その局長交渉を継続し、中央本部が各局の交渉成果を見定めた上で、全国一せいに勤務状況報告書を提出させようというものであつたことが推認できる。従つて、前記「中央本部の責任において決定する提出時期」が官の指定した提出期日を予定し、これと一致させる意図であつた旨の主張はとうてい採用でき 告書を提出させようというものであつたことが推認できる。従つて、前記「中央本部の責任において決定する提出時期」が官の指定した提出期日を予定し、これと一致させる意図であつた旨の主張はとうてい採用できないものというべきである。この点に関し、原審証人P19、同P33の証言によつて認められる、局長が前記第一次評定者に対して指定した提出期日の当日午前中、四国財務局において、組合役員が、第一次評定者に対し、報告書を提出できるように準備しておいてくれと連絡を行なつている事実は、後記のとおり、当日午前一〇時頃から待望の局長との団体交渉が行なわれる運びとなつたので、その際の交渉の模様によつては、即日提出の事態もあり得ることに備えて、その準備のため行なわれた連絡と認められるのであつて、必ずしも右認定の妨げとなるものではなく、また証人P37、同P5の証言及び元一審原告全財組合代表者P5本人(第一回)の供述中以上の認定に抵触する部分は、前示各証拠に照らしてたやすく採用できないし、他に以上の認定を覆えすに足る証拠がない。 なお、元一審原告全財組合代表者P5(第一回)本人の供述及び同人の当審における証言によると、大蔵省のP39地方課長等が昭和三七年度の勤務評定に関し、組合側に対し、最終の一〇月一五日の期限さえ守つて貰えば、第一次評定の期日などはさほど問題でない、また文書命令といつても取扱上格別従前と差はない等の発言をしているというのであるが、仮りにそうだとしても、これは右係官等が、本省の立場での見解を示しただけのこととみるべきで、各財務局自体における勤務評定の実施権者は、成立に争いのない乙第一号証に徴し、あくまでも同局長であるから、同局長が自らの責任において指定した前記第一次評定の期日等がその意思に反して、無視ないしは軽視されてよい筈はない。 (三) 四国財務 は、成立に争いのない乙第一号証に徴し、あくまでも同局長であるから、同局長が自らの責任において指定した前記第一次評定の期日等がその意思に反して、無視ないしは軽視されてよい筈はない。 (三) 四国財務局における全財組合の昭和三七年度勤評反対斗争の推進と一審被告の態度いずれも成立に争いのない甲第一ないし第三号証、同第四、五号証の各一、二、同第六、七号証、同第八号証の一、二、同第二七号証、乙第五号証、同第八ないし第一二号証、同第一四、一八、一九、二一号証と証人P37、同P15(原審並びに当審)、同P5の各証言中一部、同P7、同P17、同P12、同P25、同P6、同P40(原審及び当審)の各証言及び元一審原告全財組合代表者P5(第一回)、一審原告P1、同P2(いずれも原審並びに当審)各本人の供述中の一部並びに弁論の全趣旨を綜合すると、次の事実が認定できる。即ち(1) 四国財務局における全財組合の昭和三七年度勤評反対斗争の推進全財組合四国地本及び高松支部では、前記全財組合の勤評反対斗争方針をうけ、その一環として、勤評反対、勤務状況報告書(勤評書)の記入、提出拒否、オールA・公開等の勤評反対斗争を行なう方針を取りきめ、(い) 高松支部では昭和三七年九月二七日、大巾賃上げ、勤評反対総けつ起のための職場集会を開き、勤評反対の署名運動及び反対斗争終了まで「勤評反対」のリボン戦術を行なうこととし、(ろ) 翌二八日、右四国地本と支部役員数名がP7総務課長を通じて、局長に対して、勤務評定に関する団体交渉の申入れを行ない、局長が、その翌二九日午前一〇時から一時間位、右地本、支部各別の交渉ならば応ずる旨回答したところ、組合側は、右地本、支部合同による局長との交渉(合同交渉)を固執して止まず、しかも右合同交渉の要求については、その間申出内容の細部に多少の変化は 、右地本、支部各別の交渉ならば応ずる旨回答したところ、組合側は、右地本、支部合同による局長との交渉(合同交渉)を固執して止まず、しかも右合同交渉の要求については、その間申出内容の細部に多少の変化はあつたが、一〇月一日から同月五日までの間数回にわたりその申出がくり返されたこと、しかし局長側がこれに応じないまま、交渉拒否というべき事態が続いて来た。 (2) 四国財務局長の団体交渉拒否の当否一審原告等は、四国財務局における勤評反対斗争が後記のような経過をたどつた最も根本的な原因は、当時の同局P6局長の違法な合同交渉拒否の態度にある旨主張するので検討する。 ① 先ず、国家公務員の対官交渉権について検討する。 国家公務員も憲法二八条にいう「勤労者」であるから、その職員団体の交渉権も右法条に基づくものというべきであつて、単なる折衝権と解すべきものではなく、憲法の労働基本権保障の趣旨からみて、この交渉権は、可能な限り尊重されるべきものである。しかし、国家公務員の勤務関係の内容は、一般労働者の場合と異り、国民の意思の現れである法律(それに基づく規則等)によつて規律されているのであつて、政府といえども、公務員の勤務条件につき、その独自の権限により決定ないし変更を行なうことはできないのであるから、右交渉権中には政府当局との間に拘束的効力のある協約を締結する権限は含まれない(当時施行の国公法九八条二項)し、更にその交渉手続についても、法令の規定がある以上、右交渉権の行使はその規定に従つて行なわれるべきものである。また交渉内容については、法令によつて勤務関係に関し定められた制度の廃止、変更はもとより、明らかに法令の趣旨に反する制度の運用等を行政当局に対して直ちに要請する内容の交渉は、行政当局の権限ないし管理、処分能力を越える事項の要請であつて、原則として正 定められた制度の廃止、変更はもとより、明らかに法令の趣旨に反する制度の運用等を行政当局に対して直ちに要請する内容の交渉は、行政当局の権限ないし管理、処分能力を越える事項の要請であつて、原則として正当な交渉権の行使とはいえないものというべきである。 而して右交渉権については、右国公法九八条二項中に「職員はこれらの組織(組合その他の団体すなわち職員団体)を通じて、代表者を自ら選んでこれを指名し、勤務条件に関し、及びその他………適法な目的のため、人事院の定める手続に従い、当局と交渉することができる。」と規定され、この規定に基づいて、その交渉手続につき人事院規則一四ー〇が定められているが、その規則には、(い) 交渉は、職員の団体の代表者と関係機関の長又はその正当に委任を受けた者とによつて、たがいにとりきめた時間に行なわなければならない。 (ろ) 交渉は、機関の長が適法に決定し及び管理する事項に限らなければならない。但し交渉は、懲戒に関する事項を含まないものとする。 (は) 交渉は、人事院に登録した職員の団体によつてのみ行なわなければならない。 との定めがなされている。これによれば、当局と職員団体との交渉に関し、交渉主体、交渉事項等についての規定はあるが、いわゆる合同交渉等交渉方式の点については何らの定めがなく、もとより特にそれに対する制限もない。従つてこの点については、右法及び規則の精神並びに従前の慣行、その他条理に従つてことを決定するほかはないというべきである。 ② 本件についてみるに、(い)(イ) 右四国地本及び高松支部はともに、全国単一組織の職員団体である全財組合の下部機関であるから、それぞれ四国財務局長に対応して交渉団体の適格がある。 (ロ) 交渉事項についていえば、これは元来、当事者間の団体交渉において解決が可能な勤務条件に関する 員団体である全財組合の下部機関であるから、それぞれ四国財務局長に対応して交渉団体の適格がある。 (ロ) 交渉事項についていえば、これは元来、当事者間の団体交渉において解決が可能な勤務条件に関する事項でなければならないのであつて、右交渉によつては解決できない事項、或いは勤務条件とは直接関係のない事項は、これに該当しないものというべきである。而して、四国財務局長には、勤務評定を廃止、変更する権限はもとより、その実施方法に関し法令の規定ないしその趣旨に明らかに反する変更を行なう権限も全くないのであるから、これらの事項が交渉事項に属さないことは明らかである。(もつとも当時施行の国公法九八条二項の規定上、交渉事項として、勤務条件のほかに、とくに「社交的、厚生的活動を含む適法な目的のため」の事項が加えられているが、本件は、かような事項に属するものではない。)ところで全財組合が本件反対斗争で要求しようとするところは、前記のとおり、オールA・公開ないしは特別昇給源資の転用の要求等であり、この要求は、勤務評定の実施につき、当時施行の人事院規則一〇ー二(勤務評定)の五条、一五条及び一七条、同細則九ー八ー二の二〇条等の規定の趣旨に反する運用方を要求するものというべきであるから、それ自体としては本来正当な交渉事項とならないものというべきである。 しかし本来交渉事項には属さない事項、例えば組合の勤評制度ないしはその実施方法に関する意見、希望或いはその上申の要求等も、当事者が合意でこれを交渉事項とすることは差支えないことである(ただそれは、あくまでも組合側の局長に対する単なる要望事項に過ぎず、局長の交渉受諾義務を伴なう交渉事項とはならない点に差異がある。)。のみならず、本件では、前認定のように、昭和三六年度において、本件とほぼ同様の組合側の要求事項に関して する単なる要望事項に過ぎず、局長の交渉受諾義務を伴なう交渉事項とはならない点に差異がある。)。のみならず、本件では、前認定のように、昭和三六年度において、本件とほぼ同様の組合側の要求事項に関して、当局の方である程度の譲歩をしているのであるが、その際ある範囲で裁量による特別昇給の取扱いも行なわれていることが、証人P37の証言からうかがえるところであるし、その事由はともかく職員間に生じた給与の著しい不均衡を是正するため等特段の事情がある場合についても、法規の建前が、特別昇給等の運用につきある程度の裁量を行なうことを必ずしも違法なものとする趣旨とまでは解せられないのであるから、組合側が事実上ある程度の裁量を施すことを要望し、これを交渉事項とするよう局長に要求したからといつて、必ずしも直ちにその要求が違法、不当であるとはいえないし、更に明らかに法規に反しない限り具体的な勤務評定の仕方等の問題をとらえて、それを交渉事項とすることは当然許されるべきところである。 (ハ) 合同交渉の点についていえば、組合自体が如何なる交渉方式をとるかは、特段の規定等がない以上、原則として一応、組合側の自主的に決定できる事柄であるとはいえ、すべての場合に必ず合同交渉が許されるべきものと解するのは正当でない。後記の如く、一審原告等主張の合同交渉の慣行は認められないところであるし、更に前記法、規則の建前も、具体的場合の交渉事項等の点からみて、合同交渉の必要性も妥当性も認められない場合にまで、組合側が要求するからといつて当然に、合同交渉を正当なものとすべき趣旨のものとは考えられない。 而して本来団体交渉では、交渉当事者は互いに誠意をもつてこれに当るべきものである。ところで本件合同交渉に関する要求、拒絶は、その実質は、むしろ当事者双方の戦術的かけ引きとみるのが相当である。 い。 而して本来団体交渉では、交渉当事者は互いに誠意をもつてこれに当るべきものである。ところで本件合同交渉に関する要求、拒絶は、その実質は、むしろ当事者双方の戦術的かけ引きとみるのが相当である。即ち、組合側は、合同交渉の方法により、少しでも交渉人員をふやし、その勢いをかりて目標とするオールA・公開等の要求にできるだけ近い結果を得ようと図つたものであり、一方局長側は、従前の勤評反対斗争の経過からみて、組合側の合同交渉に固執する意図を、ただ多衆の勢いに乗じて法規に反する勤務評定の運用を要求するためのものに過ぎず、合同交渉の方式に適しない場合として、頭から拒否の態度に出たものであると推認される。 而して誠意ある交渉が行なわれるためには、組合側としても、交渉事項につき単に「勤評問題について」とだけしか表示を行なつていないその態度を更め、より具体的に合同交渉に適する交渉事項を提示すべきであり、一方局長側も、同様に、従前の経過ないし組合側の態度から推測するだけで早急に交渉を拒否することなく、具体的な交渉事項を明確にするよう努力を試みるか、或いは一応交渉に応じて爾後の態度を決する(一審被告は、後記のとおり、八日に至つて漸く合同交渉に応じているが)等の途を選ぶべきで、頭から合同交渉を拒否する態度に出るべきものではなかつたのである。従つて互いに誠意をもつてなされるべき交渉に臨む双方の態度としては、本件当事者双方ともに、一方的に他を非難することは許されないところというべきである。なお、争議権がなく、ただ交渉権のみしか有しない公務員組合の場合に、その交渉権を尊重すべきことが当然であるとしても、この交渉権は、法令ないしその趣旨に反することが明らかな事項の要求についてまで当然に認められるべきものでないことはいうまでもない。 (ろ) 合同交渉に関しては、すでに昭 べきことが当然であるとしても、この交渉権は、法令ないしその趣旨に反することが明らかな事項の要求についてまで当然に認められるべきものでないことはいうまでもない。 (ろ) 合同交渉に関しては、すでに昭和三六年当時からその規制が問題とされていた事柄であるのみでなく、昭和三七年度においては全国的な問題で、四国財務局だけに限られた事柄ではなかつたのである。(従つてこの点につき本件当時のP6局長の人格、態度を殊更問題視すべき余地はない。)従前四国財務局においても、合同交渉が行なわれた事例は確かに存在するが、しかしその交渉方式を当局側が慣行として承認して来たことまでを確認するに足る証拠はない。従つて、その慣行の確立を前提として、局長の合同交渉拒否が従前の慣行を破棄し、組合の既得権を侵害するものであり、組合の反対斗争を抑圧する意図に出たものであるとする一審原告等の非難は失当である。 而して以上の認定、判断に抵触する甲第七号証、証人P37、同P15(原審並びに当審)、同P5、同P14(原審並びに当審)、同P29(原審並びに当審)、同P16、同P40(当審)の証言中各一部及び元一審原告全財組合代表者P5(第一回)、一審原告P1、同P2(いずれも原審並びに当審)各本人の供述中一部はたやすく採用できないし、他に右認定、判断を左右するに足る証拠はない。 第三本件処分に関し一審原告等主張の事実誤認の有無について(一) 勤務時間中の組合活動の正当性国家公務員については、当時施行の国公法九六条一項が「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」、同法一〇一条が「職員は人事院規則の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府 職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」、同法一〇一条が「職員は人事院規則の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府のなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」「職員は、政府から給与を受けながら、職員の団体のため、その事務を行ない、又は活動してはならない。但し、職員は、人事院によつて認められ又は人事院規則によつて定められた条件又は事情の下において、第九八条の規定により認められた行為をすることができる。」と規定し、職員の勤務時間中の職務専念義務と組合活動禁止の原則を明定している。而して人事院規則一四ーー「職員団体に関する職員の行為」により、例外として、勤務時間中ではあつても勤務を要しない時間及びあらかじめ承認を得た休暇期間における組合活動一般と、勤務時間中の団体協約を含まない適法な交渉を行なう行為とが職員に対し特に許容されているのである。 かような法規の建前からすれば、国家公務員に対しては、その地位並びに職務の公共性に鑑み、勤務時間中の組合活動は原則として禁止され、ただ団結権保障のため必要と認められる限度において、組合活動が例外的に許されているにすぎないものというべきである。しかも右例外法規は、関係当事者の意思によりその適用を左右され、或いは適宜にその内容を変更して適用することが許されるべき性格の任意法とは考えられない。従つて右例外以外の場合にまで、右法規を拡張解釈して、勤務時間中の組合活動を許容すべき余地は乏しく、その場合の組合活動は、原則として右法規に違反し、違法なものというべきである。その際仮りに、この組合活動につき当局の承認或いは慣行があつたとしても、それだけでは、必ずしも直ちに右原則に対する例外となるものではない。而して勤務時間中の組合活 違反し、違法なものというべきである。その際仮りに、この組合活動につき当局の承認或いは慣行があつたとしても、それだけでは、必ずしも直ちに右原則に対する例外となるものではない。而して勤務時間中の組合活動が許されるべきものか否かは、憲法の団結権保障の趣旨と国の業務の正常な運営確保の必要との調和の見地から考察されるべきであり、具体的場合における組合活動の目的、規模、方法その他の態様及び結果などからみて、その組合活動が、組合運営のため必要最少限のものであり、実質上国の事務の正常な遂行を阻害するまでに至らないものと認められる場合は、勤務時間中の組合活動も、違法な組合活動に該当しないものとされ、或いはその阻害の程度が比較的軽微にとどまる場合は、違法性が阻却されることがあり得るものというべきで、かような場合にのみ勤務時間中の組合活動も許されたものとなると解すべきである。 ところで本件において、一審原告等は、勤務時間中の組合活動を当局が承認或いは黙認していた従前の経緯に徴し、あらかじめ受くべき休暇の承認が慣行的に黙認のかたちで与えられていた場合である旨を主張する。而して四国財務局における勤務時間が、始業時間、昼食時間等の点で、従前多少厳格さを欠いでいた点があることは原審における証人P9、同P13、同P12の各証言に徴し否めないところであるが、しかし従前勤務時間中における若干の組合活動が当局から承認され或いは黙認されていたからといつて、そのため一概にその組合活動をすべての点において当然に適法、正当なものであると即断すべき限りではないこと前記のとおりであるから、その組合活動のため費やされる勤務時間についても、あえて当局の意思を擬制してまで、当局が当然に慣行的に休暇の承認を与え、殊にあらかじめの承認を与えていたものと解釈すべき十分な根拠はない。 (二) 勤 その組合活動のため費やされる勤務時間についても、あえて当局の意思を擬制してまで、当局が当然に慣行的に休暇の承認を与え、殊にあらかじめの承認を与えていたものと解釈すべき十分な根拠はない。 (二) 勤務時間中の組合活動の慣行について成立に争いのない甲第九号証、証人P15、同P19、同P26(以上原審及び当審)、同P16、同P31、同P33、同P41、同P42、同P43(以上原審)、同P14(当審)の各証言、一審原告P1、同P2(いずれも原審及び当審)各本人の供述と証人P7(一部)、同P9(一部)、同P20の各証言、弁論の全趣旨を綜合すれば、次の事実が認定できる。 (イ) 従前組合関係の簡単な通知、連絡等は勤務時間中に度々行なわれ、それは職場の慣行とまでは認められないが、しかし当局側もこれを黙認し、殊に一、二分間程度の通知等については当局と組合間の協定により、総務課へ通知することだけで庁舎備えつけのマイクを使用して放送することも許されていたものである。 一審原告等はそれ以上に、組合所有の携帯マイクの使用までが自由である旨を主張するのであるが、しかしかかるマイクによる放送は、右協定に基づき、官側の管理する庁舎備えつけのマイクによる場合とは事情を異にし、その放送の時間、場所、方法等が無制限になされる虞れが大であり、他の職員の執務妨害の可能性が強いので、庁舎備えつけのマイクにつき、右協定があるからといつて、条理上当然に携帯マイクの使用までが許されるべきものとは考えられないし、更に、さような放送が時おり行なわれた事例があることはうかがえるが、しかしその放送につき当局も承認した慣行があつたとまでの事実を確認することは困難である。 (ロ) 時間内職場集会等の点につき組合側主催の第一次評定者会議が、本件当時まで数年来、公然と開かれ、当局側も組合役員等 につき当局も承認した慣行があつたとまでの事実を確認することは困難である。 (ロ) 時間内職場集会等の点につき組合側主催の第一次評定者会議が、本件当時まで数年来、公然と開かれ、当局側も組合役員等の勤務時間中の参加に承認ないし黙認を与えていた事実があり、共斗と局長の会見、交渉に際し組合役員が特に有給休暇の手続をとらずに参加することも従前許されていた事例があり、勤務時間中の執行委員会も数年来黙認せられ、それに参加するための離席についても、所管課長等から許可が与えられていた事実があり、昼休みの職場集会が多少勤務時間にくい込むことは、従前その例が時々あつたが、格別厳重な注意、処分等も行なわれないまま黙認され、相当長時間のくい込みの場合も諒解を求めれば、当局側は、これに承認を与えていた事例がある。 もつとも以上の態様の組合活動が、職場の慣行であつたとの事実までは、これを確認することが困難である。 (ハ) 総務課長との交渉の際、組合側が、同課長の都合を聞かずに直接面談に赴き、同課長も手続にこだわらず、何ら異議をいわないまま、その交渉に応じた事例が従前あつた事実は明らかであるが、一方あらかじめ電話等により、同課長の都合を聞いた上で対談した事例もあることが認められるので、直接面談の方式が、従前の組合側との慣例ないし慣行であつたものとは認められない。 以上の認定に反する証人P7、同P13(原審及び当審)の各証言部分は採用できないし、他にこの認定を左右するに足る証拠がない。 (三) 一審原告等主張の事実誤認について(1) 本件各処分の事由とされる事実の存否について成立に争いのない甲第四、五号証の各一、二、同第七号証、同第八号証の一、二、同第九号証、同第二七号証、乙第五号証、第八ないし第一二号証、第一四ないし第二九号証、証人P7の証言により成立 否について成立に争いのない甲第四、五号証の各一、二、同第七号証、同第八号証の一、二、同第九号証、同第二七号証、乙第五号証、第八ないし第一二号証、第一四ないし第二九号証、証人P7の証言により成立を認める乙第四号証、証人P44、同P17の各証言により成立を認める乙第一三号証、弁論の全趣旨に徴し成立の真正を認める乙第三二号証と証人P41、同P10(原審及び当審)、同P45、同P46、同P47(原審及び当審)、同P42(原審及び当審)、同P31(原審及び当審)、同P18(原審及び当審)、同P33、同P16、同P14(原審及び当審)、同P17、同P15(原審及び当審)、同P48(原審及び当審)、同P19(原審及び当審)、同P37、同P23、同P29(原審及び当審)、同P32、同P49、同P50、同P51、同P5、同P30、同P52、同P9、同P25、同P40(原審及び当審)、同P7、同P13(原審及び当審)の各証言の一部、同P53、同P54、同P12、同P6、同P55、同P11、同P56、同P36、同P20、同P44、同P21、同P26(原審及び当審)、同P57、同P58、同P59、同P35の各証言及び元一審原告全財組合代表者P5(第一、二回)、一審原告P1、同P2、同P3(いずれも原審及び当審)各本人の供述の一部並びに検証の結果と前記認定の本件勤評反対斗争の経過を綜合すれば、次の各事実が認定できる。 (イ) 一〇月二日の一審原告P2のマイク放送について(一審原告P2関係)(Ⅰ) 全財組合四国地本及び高松支部において、前認定の昭和三七年度勤評反対斗争の方針を決め、同三七年九月二八日右四国地本及び高松支部において一審被告に対し勤務評定に関する合同交渉を申入れたが、同月五日まで前記のとおりその交渉が進捗しなかつたところ、その間において一〇月一 斗争の方針を決め、同三七年九月二八日右四国地本及び高松支部において一審被告に対し勤務評定に関する合同交渉を申入れたが、同月五日まで前記のとおりその交渉が進捗しなかつたところ、その間において一〇月一日午後二時頃、一審被告が各課長からそれぞれ第一次評定者に対し勤務状況報告書を交付して、勤務評定実施を命ずるや、組合側は直ちに掲示板、局庁舎食堂入口等に「勤評反対」「オールA・公開」等と記載したアジビラを貼付する等これに対抗する措置に及んだ。 (Ⅱ) かような状況下において、一審原告P2が、一〇月二日午後四時五分頃勤務時間中、四国財務局(以下単に局という)の階上、階下事務室において、前後約五分間位にわたり、携帯拡音器で、第一次評定者に対し、勤務状況報告書に記入しないことを要請する趣旨の放送を行なつた。もつとも右の放送は、勤務状況報告書を絶対記入しないよう要請したというのではなくて、前認定の全財組合の方針に基づいて勤務評定についての話合いを煮つめることができないので、一〇月二日当日の時点においては、勤務状況報告書を記入しないよう要請する、という趣旨のものであつた。 (Ⅲ)(い) 当時階下事務室には約三〇名の職員が執務しており、また階上の事務室にも約三〇名の職員が執務していた。 そして右放送の音量は、職員のなす電話の通話の邪魔になりかねない程度のものであり、各事務室全体に聞える程度の大きさであつたのである。 従つて、いずれの事務室においても執務中の職員の執務の妨害となつた。 (ろ) 勤務時間中における携帯拡声器の使用を、一審被告が容認してきた事実はない。なお、庁舎備え付けマイクの使用に関する話合いの結果を確認した文書(前記協定)には、「簡単な通知事項、報告事項については総務係への通知を以て放送する。その他の事項については、総務課長に協議する」と明記さ 、庁舎備え付けマイクの使用に関する話合いの結果を確認した文書(前記協定)には、「簡単な通知事項、報告事項については総務係への通知を以て放送する。その他の事項については、総務課長に協議する」と明記されていて、協定による庁舎備え付けマイクの使用も、決して無制限に許容されていたものではないのであつて、一審原告P2が右協定に含まれない組合の携帯拡声器を使用し、しかも総務課への通知その他の手続を全くとることもなく、右のような放送をなすことは、一審被告側が当然承認している事項とはとうていいえないものである。 (ロ) 一〇月三日の第一次評定者の会合について(一審原告P1、同P3、同P4、同P2関係)(Ⅰ) 一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間勤務時間中、局食堂において高松支部が主催した第一次評定者の会合に一審原告P1、同P3、同P4、同P2及び訴外P17等が出席、参加した。 (Ⅱ)(い) 而して右会合の目的は、甲第七号証、同第四、五号証の各一、二に記載されているとおり、「用紙が配付されたら、所属長に対する抗議行動をいつそう強め、一定期間記入しないたたかいを組織します。 提出時期は中央本部の責任において決定しますが、その場合(一〇月一〇日ごろ)は全国一せい職場大会を開催し、同時に提出します。なおその時点においては、オールA・公開を推進し、それが困難の場合は最低遅れ号俸のある組合員を優先的に評定するようにします。それとても、所属長に対する抗議行動の強弱が大きく影響することを忘れてはなりません」という趣旨の組合の斗争方針を、第一次評定者に対して徹底さすために行なわれたものであり、このことは、第一次評定者会議における論議の内容について、当時組合が発行した「斗争ニユース3」(乙第二〇号証)中に「高松支部では、三日、第一次評定者と執行部の合 て徹底さすために行なわれたものであり、このことは、第一次評定者会議における論議の内容について、当時組合が発行した「斗争ニユース3」(乙第二〇号証)中に「高松支部では、三日、第一次評定者と執行部の合同会議を開き、(a) 公開、均一評定(b) 出すのも出さぬも、統一して行なう。 (c) 執行部は課長説得を行なうと同時に第一次評定者に対する圧力を排除する。 公開・均一の意思統一図る」との記載があることからも明らかである。従つて右会合は、その進行の経過、決議の有無如何にかかわらず、勤務評定の法規に従う実施に反対する目的のもとに行なわれたものとされても止むを得ない。 (ろ) この会合は、前記のとおり、数年来公然と開かれていたものであるが、その開催については、当局の承認或いは黙認を得て行なわれていたものであつて、全く無断で開催することが許されていたものではない。また昭和三七年度の右会合においては、P7総務課長及びP40課長補佐が、右会合の開催中に再度にわたつてこれを制止したにもかかわらず、一審原告等はこの制止を無視して右会合を続行したものである。 (は) 而して右会合は、あらかじめ一審被告の承認を得て開かれたものでもなかつた。 (Ⅲ) 一審原告P2が右会合において、勤務状況報告書の提出を延伸するよう要請し、「あおり、そそのかし」に該当するとされる行為をしたかどうかについて同原告は、この会合で司会役をつとめ、「今年もオールA・公開で行きます。したがつて一つ御協力を願う」及び「提出期日をいつにするかということは、現在局長交渉も出来ていないし、局長交渉のなりゆきをみてみないと、いつということはわからないと、今言えることは先に出すんだというような、なんて言いますか、ぬけがけの功名と言いますか、そういうことはやめて、出す時は一緒に出そうと、出すも、 なりゆきをみてみないと、いつということはわからないと、今言えることは先に出すんだというような、なんて言いますか、ぬけがけの功名と言いますか、そういうことはやめて、出す時は一緒に出そうと、出すも、引くも皆んな一緒にしましよう。」と要請した。 (ハ)、(ニ) 一〇月五日の局長会見参加(一審原告P1、同P3関係)並びに局長退出妨害(一審原告P1関係)について(Ⅰ) 一〇月三日午後〇時一五分頃より午後一時一五分頃までの間にわたり、高松支部は、局庁舎階下事務室において、臨時大会を開催して、組合員より代表者一六名を選出した上、局長交渉にあたることを決議したりしていたが、同日午後二時頃から四時五〇分頃までの間、共斗議長等八名はP7総務課長に対し、一審被告との会見の予備交渉を行なつた上、来る一〇月五日午前一〇時三〇分から賃金ベースアツプ問題と全財務の勤務評定についての交渉を軌道にのせることを主たる目標として、局長と共斗役員が会見することとなつた。 (Ⅱ) かくて一〇月五日局長室において、午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間、勤務時間中に行なわれた局長と共斗役員との会見に一審原告P1及び同P3が、いずれも年次有給休暇の手続をとらないで、同会見に参加した。 (Ⅲ) 同日の右会見は、一応一〇時三〇分から一一時までと予定されていたところ、その予定時間が過ぎると局長は、その後はもはや話合いに応じないとの態度をとり、一一時三〇分頃になつて、もう話は聞くだけ聞いた、これで話合いを打切る旨発言し、それでも暫く席にいたが、その間、ただP25理財部長に対して、あとを頼むといい残して、他の一座の者には挨拶をしないまま席を立ち、当日予定の日銀における調査に赴くため、局長室を出たところ、共斗のP10副議長が「局長待てえ、逃げる気か」と大声を挙げながら局長を追いかけ 頼むといい残して、他の一座の者には挨拶をしないまま席を立ち、当日予定の日銀における調査に赴くため、局長室を出たところ、共斗のP10副議長が「局長待てえ、逃げる気か」と大声を挙げながら局長を追いかけ、一審原告P1も、右P10に続いて局長を追いかけた。 このとき局長は、周囲の気配から、そのまま階段を降りることを危険と感じて、一旦は階上おどり場を通り過ぎたが、前方廊下が行き止まりのため再びおどり場に引き返し、一瞬立ち止まつた際、右P10が局長に追いつき、そこで階段を背にしたP10と局長が向い合う態勢となり、右原告P1がその近くまで来ていた。ここにおいて局長は止むなく、そのまま理財部事務室の南の入口から室内に入り、金融課と総務課総務係の席の間を北に進み、北側の窓口のところで南向きに立ち止つたところ、局長のあとを追う共斗役員及び一審原告P1等その他多数の者が、一瞬にして局長を取り囲み、その周囲に二〇人位の人垣が出来上つた。 その時局長を取り囲む人々が、口々に「局長逃げるとはけしからん」「会見中にだまつて飛び出すとはけしからん」「絶対出さん」「局長室へもう一回帰つて話を続けん限りは出さん」「ひきようや」等と騒ぐ中で、一審原告P1は、局長の直前附近でなにごとか大声でいいながら、局長に詰めよる態度を示した。 以上の右原告P1等の行為により、局長は、当初局長室を出てから約七、八分間にわたりその退出を妨害された。 (ホ) 一〇月五日の一審原告P3等の経理課長要請について(一審原告P3関係)一〇月五日午後一時三〇分頃勤務時間中、一審原告P3が高松支部長P17等とともに局経理課長室において、P12課長に対し、「勤評書の提出を督促しないでくれ」と要請し、勤務評定制度その他に関する対談を行なつた。 これは、前記の、交渉経過による適当な時期まで勤務状況報告書 とともに局経理課長室において、P12課長に対し、「勤評書の提出を督促しないでくれ」と要請し、勤務評定制度その他に関する対談を行なつた。 これは、前記の、交渉経過による適当な時期まで勤務状況報告書を提出しないという組合の方針に従つてくれるよう同課長に対し要請する趣旨のものであつたことが明らかであり、右要請は、当然勤評反対斗争中の組合活動の一環として行なわれたものであつて、その実態は決して単なる挨拶程度にとどまるものとはいえないものである。 なお、その所要時間も五分位の短時間ではなく、約二〇分位であり、経理課長としてはもとより右要請をそのまま諒承していたものではなく、同課長が、右原告P3等との対談に応じたのは、ただ断つても簡単に帰らないであろうから、この際むしろ組合の行動に逸脱がないよう右原告等を説得した方がよい、と判断したことによる結果であつた。 (ヘ) 一〇月五日の一審原告P1の放送について(一審原告P1関係)一〇月五日午後三時頃勤務時間中、右原告P1が、局階上事務室において、携帯拡声器を用い、執務中の職員に対して同日午前中の局長と共斗役員との会談及びその後の状況について約四、五分間にわたり放送した。 そうして、P7総務課長がP13総務係長をして、この放送の中止命令を伝達させたのであるが、同原告は右中止要求を受けた後も、なおその放送を続けたのである。 右放送の当時、局階上事務室において執務していた職員は約三〇名であり、右放送は、携帯拡声器によつて、階上広間事務室全体に聞える程度の大きさでなされ、執務中の職員がその方に気を取られていたのであるから、その口調が淡々としたものであつたか否かなどにかかわらず、執務中の職員がこの放送によつてその執務を妨害されたことは明らかである。 (ト) 一〇月八日のいわゆる勤評用紙(勤務状況報告書)の であるから、その口調が淡々としたものであつたか否かなどにかかわらず、執務中の職員がこの放送によつてその執務を妨害されたことは明らかである。 (ト) 一〇月八日のいわゆる勤評用紙(勤務状況報告書)の組合保管について(一審原告P1、P2、P3、P4関係)(Ⅰ)(い) 勤務状況報告書の組合保管の決定昭和三七年度勤務評定については、第一次評定者に対し、勤務状況報告書を一〇月八日午後五時までに第二次評定者に提出すべき旨の局長の業務命令が発せられていたのである。 (a) 一〇月八日までの交渉経過前記のように、四国財務局においても、全財組合四国地本及び高松支部は、全財組合の勤評反対斗争方針をうけ、その一環として、勤評反対、勤務状況報告書の提出拒否、オールA・公開等の勤評反対斗争を行なう方針を取りきめ、同三七年九月二八日に一審被告に対し四国地本、高松支部のいわゆる合同交渉の申入れを行なつたが、一審被告は、個別交渉なら応ずる旨を回答して譲らず、組合側も一〇月一日から同月五日までの間数回にわたり右申入れをくり返したが、埓があかず、交渉は行き詰り状況になつていたところ、組合側は、P5委員長(全財組合中央執行委員長)の現地派遣を受けて局面の打開をはかり、一〇月六日に至つて漸く、八日午前一〇時から合同交渉を行なうことに一審被告の諒承を得たのである。 (b) 一〇月八日の交渉経過一〇月八日午前中、(イ) 組合側から、最高責任者は以後P5委員長であることの申出をした、(ロ) 組合側から、交渉が九月二九日から拒否された責任は当局にあり今後こういう交渉拒否はしない旨の要請があり、(ハ) 組合側から勤務状況報告書提出についての文書命令の撤回要請があり、(ニ) 組合側から、一〇月八日五時の期限は、交渉に当つて支障もあるので十分話合いをするために棚上げにしてほしい 要請があり、(ハ) 組合側から勤務状況報告書提出についての文書命令の撤回要請があり、(ニ) 組合側から、一〇月八日五時の期限は、交渉に当つて支障もあるので十分話合いをするために棚上げにしてほしい旨の要請があり、(ホ) 組合側から、交渉中は勤務状況報告書提出の督促をしない旨の要請があり、(ヘ) 双方昼休みの後、午後もう一度話合いをすることを確認した。 同日午後一時二〇分頃再開、(イ) 組合側から再三にわたり、提出期限の延期の申出をしたが、局長は、午後五時の期限を延期することはできないと回答した、(ロ) 組合側から局長に対し、十分の三Aとか、評定者の少数の場合はどうするかとか、アンバラの問題を出したところ、局長としては、そういう問題については既に初中会(四国財務局における部課長会)なり、総務課長に話してあるので、各課長あたりにきいてもらいたい旨の回答をした。 かような話合いの状況で、結局午後二時二〇分頃双方対立のしこりを残したまま交渉が決裂した。 (c) 組合の勤務状況報告書保管に至る経過、とくに処分書にいう執行委員会なるものについて、右のように、午後二時二〇分頃局長交渉が決裂したので、P5委員長以下四国地本、高松支部の執行委員等(約九名)は、一旦局庁舎内小使室まで引き揚げたのであるが、間もなく、一同相談の上、一応当日の交渉の経緯等について階上、階下の職員に対して状況報告を行なうこととなり、五、六名の執行委員を従えてP5委員長が、階下から階上への順路でその報告を行なつたのであるが、その際P5委員長は、第一次評定者に対して、ともかく頑張つて抵抗してくれという趣旨の要請を行なつた。そしてその後において、右執行委員等が更めて各第一次評定者に対して、勤務状況報告書の当日の提出を見合わすようにと説得に廻つたのであるが、一方、その以前において 抗してくれという趣旨の要請を行なつた。そしてその後において、右執行委員等が更めて各第一次評定者に対して、勤務状況報告書の当日の提出を見合わすようにと説得に廻つたのであるが、一方、その以前においてすでに、官側が、課長等を集合せしめて打合わせなどを行なつているとの情報が伝えられていて、官側の態度が意外に強硬なことが察知されていたし、右説得の際後記のとおり、第一次評定者からの希望なども出されたことにより、結局組合側は、当日五時の提出期限を間近に控えて、緊急の措置の必要を認め、P5委員長のほか四国地本及び高松支部の執行委員の数名が組合事務所に集合し、そこで執行委員会を開催して、本件勤務状況報告書を組合で保管する旨の決定をするに至つたものである。 この決定をした時刻は、おそくとも当日午後四時前後の勤務時間中であり、右会合の参加者は、P5委員長のほか、一審原告P3(高松支部副委員長)、同P2(同書記長)、同P4(同執行委員)及び訴外P15(同執行委員)、同P17(高松支部委員長)等であり、その主体は高松支部の役員で構成されていたものであつて、なお一審原告P1(四国地本委員長)及び訴外P14(四国地本、執行委員)、同P16(同執行委員)も同時刻に同事務所にい合わせたものである。 而して右会合が、組合規約に定められた正規の執行委員会といえるかどうかについては、実際には、当時組合では、定足数に充ちた正規の執行委員会でなくても、ある程度の人数の執行委員が集まつて一定事項の決定をすれば、これを執行委員会と理解し、又そのように称していたのであつて、しかもそのような執行委員会もいわゆる持ち廻り決議や、事後承認等の形で、正規の執行委員会が成立したものと同様に取扱われていた実情にあつたことがうかがえる。したがつて、本件の会合は、形式の如何にかかわらず少くとも組 執行委員会もいわゆる持ち廻り決議や、事後承認等の形で、正規の執行委員会が成立したものと同様に取扱われていた実情にあつたことがうかがえる。したがつて、本件の会合は、形式の如何にかかわらず少くとも組合員間で執行委員会と称されていた、前記構成による役員の会合であつたとともに、当日在庁の全執行委員が直ちに右決定の趣旨に従い、勤務状況報告書の回収行為を共同して行なう挙動に出ている(後記参照)ところよりして、右の決定も高松支部執行委員会の決議として取扱われたものである。このことは、全財速報(乙第一四号証)、全財新聞(乙第二一号証)及び第一〇回臨時全国大会議案書(乙第二二号証)で、全財組合自ら、この会合を執行委員会或いは、戦術会議と称している点に徴してもうかがえるところである。 (ろ) かくして右決定に基づいて、高松支部及び四国地本の役員が、数名ずつ第一次評定者の席を廻つて、右決定の方針に従い、官側には提出せず、組合に預けるよう説得し、勤務状況報告書を回収したのであるが、このときにおける一審原告等の行動は次のとおりである。 (A) 一審原告P1関係同原告P1は(イ) 融資課において、第一次評定者であるP26監査係長に対して、他の組合役員である同原告P4、同P3、訴外P15、同P27等とともに、(ロ) 総括課において、第一次評定者であるP19総括係長に対し、他の組合役員である同原告P3、同P2、訴外P16等とともに、(ハ) 管財課において、第一次評定者であるP28管財第一係長に対し、他の組合役員である同原告P2、訴外P14、同P15、同P23、同P7、同P16、同P17等とともに、(ニ) 経理課において、第一次評定者であるP9経理係長に対して、それぞれ勤務状況報告書を組合に預けるよう説得し、(ホ) 更に右経理課において、P9経理係長がP12経 16、同P17等とともに、(ニ) 経理課において、第一次評定者であるP9経理係長に対して、それぞれ勤務状況報告書を組合に預けるよう説得し、(ホ) 更に右経理課において、P9経理係長がP12経理課長に提出しようとした勤務状況報告書を、同課長と引つ張り合つて同課長の制止を妨害した。 (B) 一審原告P3関係同原告P3は(イ) 融資課において、第一次評定者であるP26監査係長に対して、一審原告P1と同様に、(ロ) 総括課において、第一次評定者であるP19総括係長に対して、右原告P1と同様に、(ハ) 主計課において、第一次評定者であるP30第三係長に対して、組合の人たち四、五人とともに、それぞれ、勤務状況報告書を組合に預けるよう説得した。 (C) 一審原告P2係同原告P2、(イ) 融資課において、第一次評定者であるP26係長及びP31係長に対して、他の組合役員である訴外P15、同P32、同P7、同P27とともに、(ロ) 徴収課において、第一次評定者であるP33収納係長に対して、他の組合役員である原告P4、訴外P15、同P23、同P17、同P16等とともに、(ハ) 総括課において、第一次評定者であるP34管財総務係長に対して、他の組合役員である訴外P5委員長、右原告P1、同P3、訴外P16等とともに、(ニ) 管財課において、第一次評定者であるP28管財第一係長に対して、他の組合役員である右原告P1、訴外P14、同P15、同P7、同P23、同P16、同P17等とともに、(ホ) 経理課において、第一次評定者であるP35用度係長に対して、他の組合役員である訴外P16等とともに、それぞれ勤務状況報告書を組合に預けるよう説得し、(ヘ) 右管財課における組合役員の回収説得を阻止するため右P28係長を説ゆしようとするP21係長に対し、そう 合役員である訴外P16等とともに、それぞれ勤務状況報告書を組合に預けるよう説得し、(ヘ) 右管財課における組合役員の回収説得を阻止するため右P28係長を説ゆしようとするP21係長に対し、そういわずに係長の判断にまかしなさいと申入れて、阻止行為を妨害し、(D) 一審原告P4関係同原告P4は、(イ) 融資課において、第一次評定者であるP26監査係長に対して、右原告P1と同様に、(ロ) 徴収課において、第一次評定者であるP33収納係長に対して、右原告P2と同様に、それぞれ勤務状況報告書を組合に預けるよう説得した。 そして以上の行動の結果、一審原告等四名及びその他の四国地本、高松支部執行委員等の手によつて、第一次評定者二一名(係長たる第一次評定者においてはそれぞれ一名ないし二、三名の係員の勤務状況報告書を所持していたのである)から、その殆んど全部が記入済みの勤務状況報告書を回収して組合に保管したものである。 なお、一審原告P1の管財課におけるP21課長に対する妨害及び一審原告P2の融資課におけるP36課長に対する妨害の各行為を認めるに足る確証はない。 (Ⅱ)(い) 右勤務状況報告書の組合保管は第一次評定者の希望に基づいて行なわれたものかどうかにつき前認定のように、当日午後二時二〇分頃局長交渉が決裂したので、P5委員長ほか五、六名の執行委員(交渉委員)が、局庁舎階上、階下を廻つて組合員に対し、当日の交渉の経緯等について報告を行ない、次いで各第一次評定者に対して、勤務状況報告書の当日の提出を見合わすよう説得に廻つたが、その間第一次評定者のなかには、例えば、P19総括係長等一部の者は、円満に官側との話合いがつくまでは提出しないで自分の手許においておくという強い態度の者もいる反面、当局の方からは提出を督促されて板ばさみになるので、一 なかには、例えば、P19総括係長等一部の者は、円満に官側との話合いがつくまでは提出しないで自分の手許においておくという強い態度の者もいる反面、当局の方からは提出を督促されて板ばさみになるので、一時的に組合に預つてもらうほかない。或いは預つてもらえばよいがという意見を提案した者も、相当数いたのであり、例えば、徴収課のP60係長、或いはP33係長、金融課の獅子堀係長、P58係長、総括課のP29係長等がその例であつた。 而して当時係長等の地位にあると同時に組合員でもある第一次評定者が、前年の昭和三六年度の反対斗争における如く、昭和三七年度においても、当局と組合間に一応円満な交渉が成立した上で、勤務状況報告書を提出する運びになることを希望するのは、その立場上無理からぬところというべきである。しかるに昭和三七年度の本件斗争では、その交渉が成立するまでに至らず、相対立する両者の板ばさみとなつたのであるから、第一次評定者として困惑を感じる者が出ることは当然であり、しかも組合では、当時前記のとおり、本件斗争につき組合が前面に出て斗争を行ない、第一次評定者に対する過重な負担をかけないとの戦術をとつていたのであるから、かような状況のもとで、右の如き組合保管の提案をなす者があつても、これは成り行きとして不自然なものとはいえない。しかし前記組合の保管に委ねた第一次評定者の全部が、組合側の前記説得に直ちに素直に応じたものではなく、右提案者中でも、獅子堀係長はその後自らの提案に反して勤務状況報告書を担当課長に提出して出張してしまつているし、P60係長かP33係長かは、組合に預ける者が少い場合は、自分の報告書も戻して貰いたい旨特に注文をつけて組合側に預けていることが認められるし、その他管財課のP28係長は、組合側からの説得に迷いながら、結局その報告書を収納箱か 組合に預ける者が少い場合は、自分の報告書も戻して貰いたい旨特に注文をつけて組合側に預けていることが認められるし、その他管財課のP28係長は、組合側からの説得に迷いながら、結局その報告書を収納箱から組合役員が取り出して持ち去るにまかせた状況にあることが認められるのであつて、組合側の説得に止むを得ず応じた第一次評定者も少なからずいた状況が推測できるので、当日在庁していて組合側が説得を行なつた二二名の第一次評定者中二一名の者が勤務状況報告書を組合側に預けるに至つた事実(なお、当時の第一次評定者の総数は三一名であつて、その立場上説得が無駄であり、組合側もあえて説得をしなかつた総務課係長四名と、当日出張或いは休暇中のため実際上組合側が説得できなかつた係長四名及び右報告書を自宅に置き忘れて当日持参していなかつた係長一名の合計九名が、右二二名以外の残された第一次評定者である。)があつても、前記組合保管がすべて第一次評定者の希望に基づいて行なわれたものということはできない。 (ろ) 一審原告P1の「勤務状況報告書の組合保管」につき「あおり、そそのかし」に該当するとされる行為があつたかどうかにつき右原告P1は、四国地本執行委員長として、右高松支部執行委員会の決定した前記「勤務状況報告書の組合保管」の方針に従つて、支部執行委員等とともに、同日午後四時頃から同五時頃までの間勤務時間中、右決定事項を支部組合員に通知するとともに、前記のとおり、第一次評定者を説得して、組合に対し多数の第一次評定者から勤務状況報告書を回収、保管せしめたものである。 (は) 次に右決定はP5委員長が行なつたものであつて、四国地本、高松支部の役員等はその指示に従つたに過ぎないものかどうかにつき全財組合は全国的単一組織であるが、その組織の体質として、現地の意思を無視できないものが P5委員長が行なつたものであつて、四国地本、高松支部の役員等はその指示に従つたに過ぎないものかどうかにつき全財組合は全国的単一組織であるが、その組織の体質として、現地の意思を無視できないものがあり、下部組織の意向を尊重する実態をもつていて、中央本部の方針に基づいて行なう斗争の一環として、地方本部又は支部が、具体的に或る戦術決定を行なうような場合にも、その主体はあくまでも当該地本ないし支部であつて、中央本部派遣のオルグにはそれが中央執行委員長の場合といえども、その決定の権限はなく、ただオルグの役目は、決定に至るまでの助言、指導などを行なうに過ぎないものであること、のみならず本件勤務状況報告書の保管は、組合本部の方針に必ずしも忠実にそうものではなくて、むしろそれを越える性格のものであり、場合によれば重大な結果を伴なう虞れが多分にあり、ひとりP5委員長の独断、専行にたやすく委ねられるべき事柄とは考えられないものである点等に鑑みると、一審原告等主張のとおり、P5委員長が四国地区と縁故が深く、同地区の組合員から高度の信頼を受ける立場にあつた者であること、その他全財組合の全国大会における組合保管に関する議案並びに決議の状況などを考慮に入れても、右保管の決定をP5委員長が単独で行なつたものとするのは相当でなく、もとよりその間にP5委員長の助言、指導はあつたにしても、その決定自体は前記のように高松支部の執行委員会が行なつたものとみるべきものである。 (に) 本件勤務状況報告書の組合保管(回収)は、官側の違法、不当な交渉態度に対抗して組織防衛のため止むを得ない唯一の手段として行なわれたものかどうかの点につき前認定のように、従来合同交渉の慣行が確立していたものとはいえないし、本件では、一審被告が個別交渉を固執したというのなら、組合側もまた合同交渉を い唯一の手段として行なわれたものかどうかの点につき前認定のように、従来合同交渉の慣行が確立していたものとはいえないし、本件では、一審被告が個別交渉を固執したというのなら、組合側もまた合同交渉を固執したものというべきであつて、具体的事項の交渉に入れないまま勤務状況報告書の提出期日八日を迎えたのは、必ずしも一審被告側のみの違法、不当な態度に起因し、専ら一審被告の責任であるとまでは一概にいえないし、また八日の午前、午後にわたつて開かれた合同交渉においても、具体的な内容の交渉に立入る以前に組合側は、当日五時の提出期限の延期を求めることに主力をそそぐ態度に出たため、双方とも交渉に行き詰る破目となり、遂に交渉は決裂するに至つたものであるが、組合側の右延期要求の態度は、折角合同交渉に漕ぎつけたところで、短時間の、形だけの交渉で、何らの成果も得られないまま、時間切れを理由に早々に交渉を打切られることをおそれて、とにかく相当時間交渉を継続するためには、さしせまつた提出期限の延期を求めるほかに途がないので、右交渉態度に出たものと推測できるのである。その結果は、前認定のように、何ら実質的内容に入ることなく、交渉決裂の事態に陥つたものであるが、かような事態におかれた組合側としては、相手方の交渉態度を不当なものとし、かつ同日午後五時にせまつた勤務状況報告書の提出期限をひかえて、ともかく交渉の再開、継続よりほかに途がない事態におかれたところ、たまたま前認定のように、組合員である第一次評定者中から組合保管を希望する声もあつたので、困難な事態を打開し、交渉再開を求める方策として、早急に組合保管に踏切るに至つたものであることが認められる。(この措置は終局的には、オールA・公開等の組合の要求にもつながるものであるが、前認定の交渉決裂の経緯及びその際における局長側の 策として、早急に組合保管に踏切るに至つたものであることが認められる。(この措置は終局的には、オールA・公開等の組合の要求にもつながるものであるが、前認定の交渉決裂の経緯及びその際における局長側の態度並びに冒頭掲記の証拠に徴し、組合側が勤務状況報告書の回収後に再び委員会を開き、右報告書を翌日返還するとの打合せを行なつていることが認められる点などからみて、この組合保管の措置が組合側に多少なりとも交渉成果の得られる見込みないしは意図に基づいてなされたものとはとうてい認められない状況であつたと推認される。)而してこれは、結果としては、公文書を官の意思に反して違法に組合で保管するという、良識のある組合としては、その結果の重大さを考慮すれば、ちゆうちよせざるを得ないような措置を選んだものというべきである。従つて、組合保管の行為が組織防衛のため、組合にとつて真に止むを得ない唯一の手段であつたとはいえない。(なお、八日午後五時過頃局長は高血圧のため高松病院に入院したため、六時頃直ちに交渉をもち、右報告書返還やアンバラ是正等について話合おうとした組合の再交渉申入れは不可能となつた。)(チ) 一〇月九日の一審原告P1のP5委員長同行について(一審原告P1関係)(Ⅰ) 一〇月九日午前一〇時頃勤務時間中、局階上事務室において、P5委員長が、前日、勤務状況報告書を組合に保管した経過について、執務中の職員に三、四分間位経過報告を行なつた際、一審原告P1がP5委員長に同行した。 (Ⅱ) 右原告の同行につき、P7総務課長の命を受けたP13総務係長がこれを制止していて、しかも右のような勤務時間中の組合活動は、従来の職場慣行上容認されていたものとはいえないものである。 (リ) 一〇月九日の職場集会について(一審原告P1、同P2、同P3、同P4関係)(Ⅰ) 一〇月九日 も右のような勤務時間中の組合活動は、従来の職場慣行上容認されていたものとはいえないものである。 (リ) 一〇月九日の職場集会について(一審原告P1、同P2、同P3、同P4関係)(Ⅰ) 一〇月九日、局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会が行なわれた。 もつとも、この集会の開催については、一審被告が事前に許可を与えているのであるが、その際、勤務時間内にくい込まないようにと特に注意して許可を与えたものであり、午後一時一五分に、始業のベルが鳴つたのちにおける集会の継続については承認を与えたことがなく、むしろP7総務課長自らその中止解散を命じたにもかかわらず、これに従わず、勤務時間内にくい込み、午後一時二七分頃に至つて、ようやく解散したものである。 (Ⅱ) 一審原告P1等四名は、訴外P17等とともに、右職場集会に参加したものであり、その際の各人の行為の態様は次のとおりである。 即ち、右原告P1は、地区管内各支部の斗争経過報告をし、同P2は大会宣言文を朗読し、同P4は、中止命令を伝えようとした総務課長の入室を阻止し、同P3は司会役を勤め、激励電報をひろうし、更に組合支部長に対して中止命令を伝えようとした総務課長の行動を制止したものであつて、いずれもそれにより、本集会の進行、維持につき相当な役割を果たしたものである。 (ヌ)(A) 一〇月一〇日一審原告等四名の第一回総務課長抗議要求について(一審原告P1、同P2、同P3、同P4関係)一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間勤務時間中、一審原告P1、同P3、同P4、同P2の四名が、他の組合役員約六名とともに、総務課長室において、P7総務課長の机をとり囲んで、同課長に対し、一〇月八日に勤務状況報告書が組合に保管されたこと等勤評反対斗争 告P1、同P3、同P4、同P2の四名が、他の組合役員約六名とともに、総務課長室において、P7総務課長の机をとり囲んで、同課長に対し、一〇月八日に勤務状況報告書が組合に保管されたこと等勤評反対斗争の結果措置について、局長や総務課長は怪しからん等と相当大きく荒立てて抗議要求を行ない、その結果同課長の勤務が妨害された。 (B) 一〇月一〇日右原告等四名の第二回総務課長抗議要求について(右原告P1、同P2、同P3、同P4関係)同日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、右原告P1、同P3、同P2、同P4の四名は、訴外P17その他の組合役員六名以上の者とともに、監察官室において、総務課長に対し、いわゆる非行調査に立会わさすよう抗議要求を行なつた。 その態様は、通常の課長交渉ではなくて、右原告四名を含む約一〇名の組合員が、事前に右課長の都合をきくなど連絡もしないまま、いきなり、四坪位の監察官室へどやどやとは入り込んできて、激しい剣幕で、非行調査に立会わすよう、つめより、喰つてかかり、同課長が、勤務の邪魔になるから、仕事中だからいけないと、当該行為の初めと途中の二度にわたり注意し、退去を求めたにもかかわらず、これを無視して約三〇分間しつように、また荒々しく右抗議を継続したものである。 その結果、同課長の勤務である右の調査の事務が妨害された。 (C) 一〇月一二日右原告等四名の総務課長抗議要求について(右原告P1、同P2、同P3、同P4関係)一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、勤務時間中、右原告P1、同P3、同P2、同P4の四名は、訴外P17その他の組合役員六名位とともに、総務課長室において、P7総務課長に対し、集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務が妨害された。 その状況は、右一〇名位の者が総務課長室に 訴外P17その他の組合役員六名位とともに、総務課長室において、P7総務課長に対し、集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務が妨害された。 その状況は、右一〇名位の者が総務課長室におしかけ、同課長に対し次のような言動に及んだのである。即ち、同課長は右組合役員等から、あまり職員の離席をやかましくいう課長がいるので総務課長の所へもろくろく来れない、何故そんなに離席をやかましくいうのかなどといきなり抗議を受けたが、その声は非常に荒々しく、やかましくまくし立てる抗議であり、その語気も強いものであつて、平常の状態とは大分違つた役員等の態度であつて、その場の状況は従前の課長交渉の際には認められない異様なものであつた。 (ル) 一〇月一二日の一審原告P4のマイク放送について(右原告P4関係)一〇月一二日午後〇時一〇分頃の勤務時間中、右原告P4が、階上事務室において、携帯拡声器を用いて、高松支部組合員に対し、同日、共斗が中庭で開催しようとした無許可の抗議集会に参加するよう呼びかけた。 而して、右原告P4が、右呼びかけを行なつた数分前に、一審被告側が、庁内備え付けマイクで右集会を禁止する旨の放送を行なつているのであるから、同原告がこれを知らないはずはない状況にあつたものである。 以上の事実が認められる。 ところで、右(イ)の点につき、証人P31の証言及び一審原告P2の本人供述(いずれも原審並びに当審)中に、右(ロ)の点につき、証人P30、同P46、同P31(原審並びに当審)、同P15(原審並びに当審)、同P9、同P41、同P52、同P33、同P7の各証言及び一審原告P2、同P3(いずれも原審並びに当審)の各本人供述中に、右(ハ)、(ニ)の点につき、証人P15、同P19(いずれも原審並びに当審)ー(以上主として(ハ)の点に関する 、同P7の各証言及び一審原告P2、同P3(いずれも原審並びに当審)の各本人供述中に、右(ハ)、(ニ)の点につき、証人P15、同P19(いずれも原審並びに当審)ー(以上主として(ハ)の点に関するもの)、同P47、同P10、同P18(いずれも原審並びに当審)、同P50、同P32、同P25の各証言(以上主として(ニ)の点に関するもの)及び一審原告P1、同P3(いずれも原審並びに当審)の各本人供述中に、右(ホ)の点につき、証人P17、同P23の各証言及び一審原告P3本人(原審並びに当審)の供述中に、右(ヘ)の点につき、証人P29、同P13(いずれも原審並びに当審)の各証言及び一審原告P1(原審並びに当審)の本人供述中に、右(ト)の点につき、乙第一〇、一七、二二、二四号証、甲第三一号証、証人P14(原審並びに当審)、同P16、同P15(原審並びに当審)、同P17、同P33、同P46、同P45、同P29(原審並びに当審)、同P18(原審並びに当審)、同P10(原審並びに当審)、同P31(原審並びに当審)、同P26(原審並びに当審)、同P32、同P9、同P37、同P5の各証言及び元一審原告全財組合代表者P5(第一、二回)本人の供述、一審原告P1、同P2、同P3(いずれも原審並びに当審)の各本人供述中に、右(チ)の点につき、証人P5の証言及び元一審原告全財組合代表者P5(第一回)の本人供述中に、右(リ)の点につき、甲第三三号証の三ないし五、証人P16、同P42(原審並びに当審)、同P15(原審並びに当審)、同P17、同P5、同P49の各証言及び元一審原告全財組合代表者P5(第一回)、一審原告P2、同P3(いずれも原審並びに当審)の各本人供述中に、右(ヌ)の(A)、(B)、(C)の点につき、乙第二四号証、同第三〇号証、証人P14 言及び元一審原告全財組合代表者P5(第一回)、一審原告P2、同P3(いずれも原審並びに当審)の各本人供述中に、右(ヌ)の(A)、(B)、(C)の点につき、乙第二四号証、同第三〇号証、証人P14(原審並びに当審)、同P16、同P48(原審並びに当審)、同P15(原審並びに当審)、同P43、同P61の各証言及び一審原告P1、同P2、同P3(いずれも原審並びに当審)の各本人供述中に、それぞれ右認定に低触する部分があるけれども、いずれも前示各証拠に対比してたやすく採用し難いし、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 (2)進んで以上認定の(イ)ないし(ル)の各事実が一審被告主張の懲戒事由に該当するものであるかどうかについて判断する。 ① 先ず右各事実について違法の有無を検討する。 (イ) 前記(イ)の事実について(Ⅰ) 一審原告P2は公務員として職務専念義務があるにもかかわらず、前認定のとおり、勤務時間中において、本件勤評反対斗争の目的達成のため、第一次評定者に対し、前記全財組合の反対斗争の方針に従つて、勤務状況報告書を記入しないでくれと要請する放送を、前認定の相当時間にわたつて行ない、勤務中の他の多数の職員の執務を妨害する結果を惹起したのであるから、その際用いた言語が刺激的なものであつたかどうかは問うまでもなく、その行為の態様からみて、他に特段の事情がない限り、この放送は違法を免れないものというべきである。 (Ⅱ) 前記(第三の(一))のとおり、勤務時間中における組合活動も、場合により、違法性を欠くと認めるべきものがあり得るところ、一審原告等は、本件一〇月二日のマイク放送は従来の慣行によつたものであり、しかも当局側から全く警告中止が行なわれていないし、その放送の必要性及び態様等いずれの点からみても正当な組合活動であるから、これを処分理由とす 一〇月二日のマイク放送は従来の慣行によつたものであり、しかも当局側から全く警告中止が行なわれていないし、その放送の必要性及び態様等いずれの点からみても正当な組合活動であるから、これを処分理由とすることは許されない旨を主張する。 しかし前記のとおり、組合と当局間の協定によるマイク放送は、本件の如き携帯マイクによる放送の場合までも含むものではなく、携帯マイクによる放送を一審被告が容認してきた事実もないのであるから、本件の放送は、とうてい従来認められた慣行によつたものとはいえないものであり、しかも前認定のとおり、その放送の内容、並びに時間、方法などの態様、及びそれが多数の職員の執務の妨害になつている事実等からすれば、本件放送は、本件勤評反対斗争の一環として行なわれた組合活動であるが、たやすく組合運営のため必要最少限のものとはいえないものであつて、勤務時間中の組合活動として正当なものとは認められず、あえて当局の中止命令等を待つまでもなく、違法を免れないものというべきである。この点の一審原告等の主張は採用し難く、一審原告P2はみだりに職務を放棄して右マイク放送により他の職員の勤務を妨害したものというべきである。 (ロ) 前記(ロ)の事実について一審原告等は、過去数年来公然、平穏に慣行として認められて来た第一次評定者の会合を、従来の慣行に反して、しかも総務課長の独断で中止を命じ、まして従前処分、警告等も全くなしに行なわれて来た組合役員の参加を「みだりに職務を放棄したもの」として処分理由としたことは、正当の理由なしに組合活動上の慣行を一方的に破棄するものであつて、とうてい許されない。一審原告等に対するこの点の処分が違法、不当である旨主張するので検討する。 過去数年来本件の如き組合主催の第一次評定者会議は、公然と開かれていたが、その開催については であつて、とうてい許されない。一審原告等に対するこの点の処分が違法、不当である旨主張するので検討する。 過去数年来本件の如き組合主催の第一次評定者会議は、公然と開かれていたが、その開催については、当局の承認或いは黙認があつたもので、全く無断で開催することが許されていたものでないこと、本件昭和三七年度の会議については、一審被告の事前の承認を得たものではなかつたことが前認定のとおりであるから、当局の中止命令を直ちに従前の慣行に反する措置であつたとまではとうていいえないし、しかも一審原告等は、P7総務課長及びP40課長補佐が右会議の開催中再度にわたつてこれを制止したにもかかわらず、これを無視して右会合を続行したものであるから、この点を一審被告が、「みだりに職務を放棄し」たものと評価し、処分の対象としたからといつて、それが、従前の慣行に反するなどとの非難はもとより当らない。右慣行の存在を前提とする一審原告等の主張は理由がない。 なお、一審原告等は、総務課長の右制止の措置の効力を問題としているが、当時局長が総務課長に対し、言語上では、単に事態の確認を命じたに過ぎないとしても、局長を補佐する立場の総務課長としては、具体的状況に応じて、その際の局長の真意を推察し、その真意にそうべき適宜の措置をとり、違法事態に対処するのがむしろ職務に忠実な当然の態度というべきであり、弁論の全趣旨に徴すれば、本件においてなされた総務課長の制止の措置は、結局、その際の局長の真意にそうものであつたことが推測できるところであるから、一審原告等のこの点の非難も失当である。 従つて、右会議に勤務時間中参加した一審原告等の行為は「みだりに職務を放棄した」ものというべきであり、所属各課長中一部に、右会議参加を許可した者がいたとか、或いは一審原告等自らの参加時間が一五分或いはせい 、右会議に勤務時間中参加した一審原告等の行為は「みだりに職務を放棄した」ものというべきであり、所属各課長中一部に、右会議参加を許可した者がいたとか、或いは一審原告等自らの参加時間が一五分或いはせいぜい三〇分位までの短時間に過ぎないことなどの一審原告等主張の事実も、以上認定の本件会合の具体的状況に徴すれば、右会議の主催者側である一審原告等の参加行為が違法性を全く欠くものとまで認めるに足る特別事情とはならない。 しかし一審原告P2の要請行為は、後記の本件勤務状況報告書の組合保管を念頭においてなされたものではなく、局長との交渉経過をまつて一せいに提出しようというもので、せいぜい右報告書を組合側が、指定された提出期限どおりに提出しない場合のあり得ることを予測してなされた行為に過ぎず、その目的は単純な一時的業務の放棄を意図するにとどまるものというべきであつて、この程度の行為は、争議行為として直ちに違法な争議行為とはいえないので、右原告P2の行為は後記((ト)(Ⅲ)「あおり、そそのかし」の解釈に照らして、その「あおり、そそのかし」た行為には該当しないものというべきである。 (ハ)及び(ニ) 前記(ハ)及び(ニ)の事実について(Ⅰ) 一〇月五日の局長会見参加(一審原告P1、同P3関係)一審原告等は、この会見は前日から予定されていたものであつて、従前の慣行に従い、一審原告P1が、共斗常任幹事の資格で、同原告P3が、P17支部長の代理で高松支部の代表として、参加したものであり、しかも従来当局は、有給休暇をとることなしに参加を認める慣行であり、当日一審被告からも何ら異議が出なかつた旨を主張する。 しかしながら、共斗は、それ自体として一個独立の団体であり、その構成員としては、国家公務員の職員団体のみならず、地方公務員の職員団体をも包含するものであるこ も何ら異議が出なかつた旨を主張する。 しかしながら、共斗は、それ自体として一個独立の団体であり、その構成員としては、国家公務員の職員団体のみならず、地方公務員の職員団体をも包含するものであることが弁論の全趣旨に徴して明らかであるから、財務局長との関係では、共斗は、当時施行の国公法九八条二項等、人事院規則一四ー〇、同一四ー一にいう職員団体とはいえないものであり、しかも本件では、右原告等は、共斗の一員の資格で右会見に参加したもので、財務局の職員団体あるいは職員個人として参加したものではないことも弁論の全趣旨から明らかであるから、かりにこの会見が、前日から予定されていたものであり、それに参加した右原告等がそれぞれ財務局の職員団体の代表者あるいは職員の一人であるからといつて、右法、規則等にいう職員団体等との交渉の場合と同様に、この会見参加につき当然に職務専念義務が免除されるいわれはない。従つて右原告等が、年次有給休暇の手続をとらないでこれに参加したことは、当然に適法な行動であるとはいえない。また、右原告等が、右会見に出席することを局長が知つていたとしても、更に、かりにその会見室に右原告P3が無断で入室したものではないとしても、これにより当局側が、右原告等の会見参加を認容したものと認むべきかの点はともかく、そのことから直ちに当然に、局長が、右原告等に対し有給休暇をとることなしに参加することまで承認したものとはいえない。従つて右原告等の行為がみだりに職務を放棄し、勤務時間中に組合活動に従事し、職務専念義務に違反したものとされるのは止むを得ない。 もつとも前認定のとおり、右会見については、従前有給休暇手続をとらないで参加することを当局側も認めた事例があるし、右会見の相手方は、その手続における当面の責任者の一審被告局長であり、しかも右会見の席上で とも前認定のとおり、右会見については、従前有給休暇手続をとらないで参加することを当局側も認めた事例があるし、右会見の相手方は、その手続における当面の責任者の一審被告局長であり、しかも右会見の席上で、この点につき当局側から何らかの異議、申出もなされていないことが弁論の全趣旨からみて明らかであるから、右原告等が、その際、右手続の履行につき配慮を怠つたことは、違法であることを免れないが、しかしそれにはかなりゆうじよすべき余地があると考えられるのであつて、あえて強く違法な態度として非難すべきものではない。 (Ⅱ)局長の退出妨害(一審原告P1関係)一審原告等は、退出妨害といわれる行動は、局長の非礼を共斗役員がとがめたものであり、一審原告P1には、退出妨害の意図も行動もなく、右行動を右P1一人の責めに帰することは許されない旨主張するのであるが、前認定のとおり、すでに打合わせで定められた交渉予定時間を三〇分位も過ぎ、局長がともかく話合いを打切る旨の発言までした後で席を立つて、当日予定の他の用件のため退出しようとするのを、右原告P1ほか多数の者が、追いかけ取り囲んだりなどした前記事実関係からすれば、その間、局長の応接ないし退席の態度に多少とがめられるべき点があり、そのためその非礼をたしなめ、交渉の続行を求めるため、右行動がなされるに至つたものである点に若干しんしやくすべき余地があるとしても、右原告P1の行動そのものは、共斗役員等多数の者とともに、局長の退出妨害を意図し、かつその妨害行動に及んだものと認めるのが相当であり、右原告P1としてもその責任を問われるのは止むを得ないところである。 なお、以上認定の右原告P1の退出妨害の行動は、財務局に勤務する国家公務員として、単なる不謹慎の程度を越え、かなりの程度に職場秩序を乱すものであり、粗暴性を帯びた行 のは止むを得ないところである。 なお、以上認定の右原告P1の退出妨害の行動は、財務局に勤務する国家公務員として、単なる不謹慎の程度を越え、かなりの程度に職場秩序を乱すものであり、粗暴性を帯びた行為であるから、当時施行の国公法九九条所定の信用失墜行為に当るものというべきである。 (ホ) 前記(ホ)の事実について前認定のとおり、一審原告P3等は、P12経理課長に対して、勤評反対斗争中の組合活動の一環として本件要請を行なつたものであり、その実態は、単なる挨拶程度のものとはいえず、所要時間も約二〇分位で決して短時間ではなく、しかもその際、同課長が右要請をそのまま諒承していたものでもないのである。まして右原告P3は、前記のとおり、融資課所属の職員であるから、同原告に対し管理責任ある上司でもない右経理課長が、平穏に話合いに応じてくれたからといつて、勤務時間中の組合活動で職務放棄をすることが、正当化されるべきいわれがない。右原告P3は、その行為の態様からみて、みだりに職務を放棄したものというほかはない。 (ヘ) 前記(ヘ)の事実について一審原告P1の放送に対しP13係長が制止したのは、前認定のとおり、P7総務課長がその中止命令を伝達させたものであり、その制止にもかかわらず右原告P1はその放送を続けたものである。なお右放送の行為を処分理由とするのは、正当な組合活動に対し、従来の慣行を一方的に否認するものであつて違法、不当であり、信義則にも反する旨一審原告等は主張するのであるが、この主張が理由のないことは、前記(イ)Ⅱの項で説示したところと同様である。右放送そのものがその際、内容的にも、時機的にも組合側にとつてある程度必要なものであり、淡々と報告が行なわれたものであつたとしても、前認定の右行為の態様からみて、勤務時間中の組合活動として全く違法性 放送そのものがその際、内容的にも、時機的にも組合側にとつてある程度必要なものであり、淡々と報告が行なわれたものであつたとしても、前認定の右行為の態様からみて、勤務時間中の組合活動として全く違法性を欠くものとはいえない。従つて右原告P1の行為が、みだりに職務を放棄して、放送を行ない、もつて職員の執務を妨害したものとされるのは止むを得ない。 (ト) 前記(ト)の事実について(Ⅰ) 一審原告等は先ず、本件勤務状況報告書の保管行為は、当時施行の国公法九八条五項により禁止された争議行為には該当しない旨を主張する。 一般的に争議行為とは、国公法においても、国家公務員(職員)が、その組織する団体の意思に従つて、当局側の管理意思に反して、集団的に行なう行為(但しいわゆる怠業的行為を除く)であつて、国の業務の正常な運営を阻害するものすべてのものを含むと解するのが相当である。而して、本件勤務状況報告書(以下単に本件報告書ともいう。)についてみれば、前認定のとおり、一審原告等の職員団体である全財組合高松支部の決定に従つて、組合員である多数の第一次評定者が、局長命令に反して、あえて右報告書を官側に提出せず、かつその不提出の状態を確保するため組合においてこれを保管し、その結果として、その提出期限が守られず、四国財務局における右報告書の作成に関する国の業務の正常な運営が阻害されるに至つたものであるから、これが一般論からいつて、争議行為に該当するものであることは明らかである。しかもそれは単なる本件報告書の不提出にはとどまらず、あえてこれを組合側の保管に移すことにより、国(四国財務局)の業務を阻害したものであり、その際その報告書は、殆んど全部がすでに記入済みのものであつたのであるから、その違法性は軽微なものといえない。 ところで国家公務員については、国公法九八条 (四国財務局)の業務を阻害したものであり、その際その報告書は、殆んど全部がすでに記入済みのものであつたのであるから、その違法性は軽微なものといえない。 ところで国家公務員については、国公法九八条に争議行為の禁止規定が存するのであるが、この禁止規定自体が違憲無効であるかどうかにつき当事者間に争いがあるので、この点についてここで判断するが、右規定を直ちに違憲、無効の規定と解すべきでないことについては、すでに先に、憲法二八条と右争議行為禁止規定の関係について、刑事事件に関してではあるが、最高裁判所が昭和四一年一〇月二六日判決(最高刑事裁判例集二〇巻、八号、九〇一頁)及び昭和四四年四月二日判決(右同集二三巻、五号、三〇五頁)において判示したところであつて、当裁判所の見解も、本件は民事事件ではあるが、基本的に右判決と立場を同じくし、右国公法の規定は違憲の規定ではないと判断するものである。即ち、これを少し詳論すれば、国家公務員も憲法二八条にいう勤労者であり、憲法二八条が保障する勤労者の団結権及び団体交渉その他の団体行動をする権利(労働基本権)の保障を受けるものである。しかるに右国公法九八条五項は「職員は、政府が代表する使用者としての公衆に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし若しくはあおつてはならない。」と規定している。そして国家公務員の職務には多かれ少なかれ、直接または間接に、公共性が認められるので、その職務の公共性に応じ、国家公務員の労働基本権が、何らかの制約を受けることは当然であるが、しかしもしこの規定を文字どおりに、すべての国家公務員の一切の争議行為を禁止する趣旨と解すべきものとすれば、それは違憲の規定 応じ、国家公務員の労働基本権が、何らかの制約を受けることは当然であるが、しかしもしこの規定を文字どおりに、すべての国家公務員の一切の争議行為を禁止する趣旨と解すべきものとすれば、それは違憲の規定の疑いを免れない。しかし法律の規定は可能な限り、憲法の精神と調和し得るよう、合理的に解釈されるべきものである。而して実定法規によつて労働基本権の制限が定められている場合にも、右見地から、その制限の意味が考察されるべきであり、財産権の保障と並んで労働基本権が保障されている憲法のもとでは、これら両者の間に調和と均衡が保たれるように、実定法規の適切、妥当な法解釈をすべきである。(この点につき鑑定人P62の鑑定の結果は採用できない。)その際拠るべき基準としては、労働基本権の制限が必要最少限度に止められるべきこと、国民生活全体の利益の侵害等を避けるため必要止むを得ない場合についてのみ許されるものであること、違反者に対して科せられる不利益が必要な限度を越えないこと、その他のいわゆる四条件がある。 而してこれら諸条件に照らして、具体的な国家公務員の争議行為が、右国公法により禁止せられた争議行為であるかどうかが判断せられるべきであり、即ち争議行為を禁止することによつて保護しようとする法益と、労働基本権を尊重し保障することによつて実現しようとする法益との比較考量により両者を適切に調整する見地から判断がなされるべきである。従つてその際、一方において、当該公務員の職務が帯びる公共性の程度と当該争議行為の目的、手段方法等の態様に注目し、その争議行為により直接、或いは公務の停廃されることを仲介にして間接に、国民全体の利益が害され、国民生活に重大な支障がもたらされるものかどうかを考慮し、他方において当該争議行為が許されることによつて公務員が受ける利益を検討し、この両者 廃されることを仲介にして間接に、国民全体の利益が害され、国民生活に重大な支障がもたらされるものかどうかを考慮し、他方において当該争議行為が許されることによつて公務員が受ける利益を検討し、この両者の要請を調整する見地に立つて判断が下されるべきこととなる。その結果として、国家公務員の行為が、右国公法の禁止する争議行為に該当し、しかも違法性が強い場合もあり、違法性の比較的弱い場合も認められようし、また、実質的に、禁止された争議行為に該当しないと判断されるべき場合もあり得ることとなるであろう。 右国公法の規定の文言も、以上のような解釈を施すに妨げがなく、かように禁止される争議行為の範囲を限定的に解釈する限り、右規定は、憲法二八条の労働基本権保障の趣旨に反するものでなく、憲法に違反するものではない。 而して以上は、国家公務員の職務の公共性に鑑み、その職務(国家の業務)の正常な運営を確保する要請と国家公務員に対して与えられた労働基本権保障の趣旨との調整をはかる見地から、国家公務員に対する労働基本権の制限が考慮されるべきことを述べたものであり、いわば国家公務員の特殊性に鑑み、特に国家公務員に対しては、一般の私企業の労働者の場合以上に、争議行為として禁止されるものがあり得ることを論じ、さような争議行為が国公法の禁止規定によつて禁止された争議行為に該当するものであることを述べたものである。しかしながら、国公法により禁止された争議行為に該当するものは以上の範囲につきるものではなく、更に、一般私企業の労働者に対しても、現行の労働法の一般法理上で許されない争議行為は、当然国家公務員に対しても許されないものであり、これも右禁止規定により禁止された争議行為に該当するものというべきである。(かように解釈しても右禁止規定が憲法に違反するものとは考えられない。)従 は、当然国家公務員に対しても許されないものであり、これも右禁止規定により禁止された争議行為に該当するものというべきである。(かように解釈しても右禁止規定が憲法に違反するものとは考えられない。)従つて、具体的争議行為にして、国民生活全体の利益を害し、国民生活に重大な障害をもたらす虞がある等前記の争議行為制限の条件を具備しないものでありさえすれば、その争議行為の目的、手段等の適否は問うまでもなく、すべて当然に許されるべき争議行為に該るとたやすく解すべきものではなく、右一般法理上で、許されない争議行為とされる純然たる政治目的に出た争議行為、暴力等を伴なうとか、その他不法な手段による争議行為などは、私企業の労働者に対しても許されないところであるから、国家公務員にも同様許されない争議行為として、これも禁止の対象となるものというべきである。 なお、以上のような禁止規定に違反する争議行為に対し刑事罰が科せられるべき場合は、その争議行為の違法性が強い場合であり、「あおり、そそのかし」については更にその行為自体の違法性も強度の場合に限られるべきことは前記最高裁判所の判決の説示するとおりであるが、本件のような民事制裁の懲戒処分については、いずれも、必ずしも刑事罰を科する程度の強い違法性を必要とするものではないと解すべきである。 ところで本件争議行為は、前記のとおり、単なる報告書の不提出にはとどまらず、その不提出行為の実効を確保するため、進んで公文書である報告書を官の意思に反して組合において占有、保管する態様で行なわれたものであつて、この保管行為が不提出という争議行為の手段としてなされたものであることは明らかであるが、これにより、爾後官側の第一次評定者に対する提出の指示、命令も全く徒労に帰することとなるのであり、争議行為の手段としての性格からみれば、こ 争議行為の手段としてなされたものであることは明らかであるが、これにより、爾後官側の第一次評定者に対する提出の指示、命令も全く徒労に帰することとなるのであり、争議行為の手段としての性格からみれば、この保管行為は、公文書に対する官側の占有を積極的に排除する態様のものであり、とうてい争議行為の方法として正当な手段とはいえず、不法な、許されないものというべきである。従つてさような手段による争議行為は争議行為として適法な範囲を逸脱した違法なものであり、国公法によつて禁止された争議行為に該るというべきである。 なお、昭和三七年度における本件勤評反対斗争は、前認定の事実関係からすれば、直ちに勤評制度の撤廃を要求する趣旨で組織、遂行せられたものではなく、一応この制度を是認しながら、各職場において職員の勤務条件に関する要求をかかげた斗争活動を行ない、この制度を運用、実施面において無力化して行くことを当面の目的としているにとどまるものというべきであるから、これを直ちに政治的目的に出るもの、ないしはそれに準ずるものとはいえない。 (Ⅱ) 次に一審原告等は、本件報告書の保管行為は、一審被告側の違法不当な合同交渉拒否、それに続く不誠実な交渉態度、これによつて示された当局の組織否認、団結権侵害に対して、止むに止まれず、最少限の組織防衛のためとられた防衛措置であり、交渉決裂の事態のもとで、組合の団結を保持しつつ、当局に対して交渉の再開を求めるための方法としては、他にとるべき方法がないところから止むなくとられた対抗措置であつて、正当な組合活動であり、違法性がない旨を縷々主張するので検討する。 一審被告側当局の本件におけるいわゆる合同交渉拒否の態度が、必ずしも妥当なものとはいえないけれども、しかしだからといつて、ただ一方的にこれを不当として非難することも正当といえ するので検討する。 一審被告側当局の本件におけるいわゆる合同交渉拒否の態度が、必ずしも妥当なものとはいえないけれども、しかしだからといつて、ただ一方的にこれを不当として非難することも正当といえず、従来合同交渉の確立した慣行があつたことを前提として一審被告の合同交渉拒否を慣行に反する不当な措置と断定することはできないし、その後勤務状況報告書の提出期日一〇月八日を具体的交渉に入れないまま迎えたことも、必ずしも一審被告側のみの違法、不当な態度に起因するものとは一概にいえないものであることは前記のとおりである。そして前認定の、一〇月八日当日の合同交渉の経過も、交渉決裂の責任が一審原告等側にはなく、一方的に一審被告当局側の不誠実さにあると断定すべき状況にあるとまでは認められないし、また本件報告書の保管行為が、一審原告等主張のように、一審被告側の態度に対する止むを得ない最少限度の組織防衛ないしは唯一の対抗の措置であるとまでいえないものであることはすでに説示したところである。 而して前認定のとおり、本件報告書に関して説得、回収及び保管の行動を決定したのは、全財組合高松支部であるが、右決定及び回収に参加した同支部役員の一審原告P2、同P3、同P4は「みだりに職務を放棄し」、支部が主催した執行委員会に加わり、右決定に参加し、更に右決定に基づき説得、回収を行なつたものであり、(本件執行委員会に参加するにつき当時、右原告等が、当局側の許可を得ていた事実を認めるに足る証拠はない。)、また、地本の役員である一審原告P1は、右と同一理由により「みだりに職務を放棄し」、前認定のとおり、支部役員等とともに多数の第一次評定者を説得等して廻つたものというべきで、一審原告等の行為は、以上で認定した、その目的、態様及び結果からみて、違法なものであることは明らかである。 、前認定のとおり、支部役員等とともに多数の第一次評定者を説得等して廻つたものというべきで、一審原告等の行為は、以上で認定した、その目的、態様及び結果からみて、違法なものであることは明らかである。 而して一審原告等四名は、以上の各行動により、それぞれ第一次評定者の勤務状況報告書に関する勤務を妨害したものというべきである。 (Ⅲ) 一審原告P1の「勤務状況報告書の組合保管」という違法な争議行為を「あおり、そそのかし」た行為について当時施行の国公法九八条五項後段は「何人も、同項前段で禁止されたいわゆる争議行為等違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。」と規定する。而して一般に、先ず「そそのかす」行為とは、違法行為を実行させる目的をもつて、人に対し、その行為を実行する決意を新たに生じさせるに足りる慫慂行為をすることを意味し(昭和二七年(あ)第五七七九号、昭和二九年四月二七日最高裁第三小法廷判決、最高刑裁判集八巻、四号、五五五頁)、また「あおる」行為とは、違法行為を実行させる目的で文書もしくは図画または言動によつて、他人に対し、その違法行為を実行する決意を生ぜしめるような、またはすでに生じている決意を助長させるような勢のある刺戟を与えることを意味する(昭和三三年(あ)第一四一三号、昭和三七年二月二一日最高裁大法廷判決、最高刑裁判集一六巻二号一〇七頁)ものであり、そのいずれの場合にも、右行為によつてその相手方が現実に影響を受け、実際に新たに実行の決意を生じたかどうか、或いはすでに生じている決意が助長されたかどうか、更にその決意に基づき実行行為がなされたかどうかは問わないが、客観的にみて、その行為自体が違法行為の実行に対し影響を及ぼし、それにより相手方が実行行為に出る危険性があると認められるものであれば か、更にその決意に基づき実行行為がなされたかどうかは問わないが、客観的にみて、その行為自体が違法行為の実行に対し影響を及ぼし、それにより相手方が実行行為に出る危険性があると認められるものであれば足りるものと解される。而してこれを国家公務員についていえば、右国公法九八条五項後段の規定の趣旨とするところは、国の業務の正常な運営を確保するために、国家公務員(職員)に対し、単に違法な争議行為等の実行行為を禁止するにとどまらず、進んでその実行行為の原動力となり、またはこれを誘発する虞れのある行為を直接禁止することにより、違法な争議行為等の発生を未然に防止しようとするにあるから、ここにいう「そそのかし、若しくはあおる」行為とは、事柄を国公法に基づく懲戒処分に関していう限り、「そそのかし、あおる」行為自体の違法性の強弱の程度及びそれが争議行為に対して随伴性のあるものであるかどうかなどの点は、問題とすべきでなく、およそ職員に対して国家業務の正常な運営を阻害する違法な争議行為等をするようにしむける行為であつて、職員がその実行行為に出る危険性があると認められる行為であれば、一切のものを含むと解すべきである。従つてその手段の如何を問わず、国の事務の正常な遂行を阻害する違法な争議行為等の実行を指図し、慫慂し、または説得する行為は、客観的にみてそれが争議行為等の実行に影響を及ぼす虞れがあるものと認められる限り、右の「そそのかし、若しくはあおる」行為に該当するものというべきである。従つて、本件において、一審原告P1が、高松支部執行委員会が決定した本件報告書の組合保管の方針に従い、この決定事項を組合員に通知するとともに、右組合の決定に従い、官側に提出せず、組合の保管に委ねるよう多数の第一次評定者を説得等して廻り、その結果として多数の右報告書を第一次評定者から回収 方針に従い、この決定事項を組合員に通知するとともに、右組合の決定に従い、官側に提出せず、組合の保管に委ねるよう多数の第一次評定者を説得等して廻り、その結果として多数の右報告書を第一次評定者から回収して組合の保管に移したものであることが前認定のとおりであり、しかもその組合保管の方法による争議行為が前記のとおり違法なものである以上、右説示の「あおり、そそのかし」の解釈に徴すれば、右原告P1の行為は国公法九八条五項後段にいう「あおり、そそのかし」行為に該当するものというべきである。 (チ) 前記(チ)の事実について一審原告等は、同原告P1が中央本部からのオルグのP5委員長の報告に同行したのは、組合役員として当然の行動であり、極めて短時間のことであつて、従来の職場慣行から当然許されていたものであり、当時他に同行者もいたのに右原告P1に対してだけ処分を行なうのは不当である旨主張する。 しかし前認定のとおり、右のような勤務時間中の組合活動は、職場慣行として従来容認されていたものではないし、その際P13係長がその行動を制止したばかりでなく、更に原審証人P20、P13、原審及び当審証人P14の各証言によれば、所管のP20係長も右原告P1のあとを追いかけて行き、自席に戻るよう注意をし、その後になつてやつと右原告が同行を中止するに至つた状況が認められるのであるから、その行為の態様、並びに組合運営のための必要最少限の行動ともたやすくは認められない点からして、右原告がみだりに職務を放棄したものとされるのは当然であり、その際、他に同行者がいたからといつて、同原告の責めが免れられるものではない。 (リ) 前記(リ)の事実について一審原告等は、職場集会については、従前多少の勤務時間内くい込みが慣行として黙認ないし承認されていたし、本件では、事前にその諒解があ めが免れられるものではない。 (リ) 前記(リ)の事実について一審原告等は、職場集会については、従前多少の勤務時間内くい込みが慣行として黙認ないし承認されていたし、本件では、事前にその諒解があり、くい込みも極めて短時間であり、その際P7総務課長の中止命令、一審原告P3、同P2が同課長の行動制止の事実もなく、また一審原告等に「積極的参加」に該当する事実もないのみならず、むしろ本件職場集会が前記組合保管の勤評用紙の返還を主たる目的とする集会である点からすれば、当局側も当然くい込みを承認すべき場合であるし、更に争議行為としては、短時間のくい込みで、違法なものといえないから、この点の処分は違法不当である旨主張する。 従前、本件のような昼休みに開かれる職場集会において、勤務時間内にくい込む延長が行なわれた場合、当局の黙認ないし承認がなされた事例があつたことはあるが、それを慣行とまではいえないものであること前認定のとおりであり、また本件職場集会については、当局側が事前に許可を与えた際、特にくい込みを許さない旨注意して許可を与えたものであり、始業のベルの後総務課長が、自らその中止、解散を命じたにもかかわらず、一審原告等はこれに従わずに集会を続行し、一審原告P3、同P4等が、中止命令を伝えようと赴いた総務課長の入室を阻止し、またはその行動を制止したほか、一審原告P1が、右集会において、斗争経過報告を、同原告P2が大会宣言文の朗読を、同原告P3が司会役等をそれぞれ担当したものであることは前認定のとおりであるから、その延長時間が比較的短時間であつたとはいえ、また本件集会が、勤評用紙の返還の件をその会合の目的の一つとするものであつたとしても、その行為の態様からみて、一審原告等の行動は、勤務時間中の組合活動として、違法性のないものとはいえず、職務専念義 、また本件集会が、勤評用紙の返還の件をその会合の目的の一つとするものであつたとしても、その行為の態様からみて、一審原告等の行動は、勤務時間中の組合活動として、違法性のないものとはいえず、職務専念義務に違反するものというべきである。しかし、右一審原告等の各行動により、右集会が勤務時間内までくい込んで続行されることとなつたからといつて、そのため直ちに右集会に参加した他の職員の意思を問わずに、右各行動が、同職員等の勤務を妨害したものとなるものとはいえない。(而して本件集会は、もともと休けい時間中の職場集会として行なわれたもので、それがたまたま時間内にくい込んだものであり、行為者である一審原告らに争議行為の意図があつたものとも認められないから、たやすく右集会を争議行為と認めるべきではない。)(ヌ) 前記(ヌ)(A)、(B)、(C)の事実について(Ⅰ) 対総務課長交渉についていえば、職員団体等との折衝が同課長の当然の職務内容に属する以上、職員(組合員)の取扱いに関して同課長に対し交渉ないし抗議を行なうこと自体はもとより正当であるが、ただ同課長が、その職責上行なう執務そのものも当然保護されるべきものであるから、交渉等が目的、時機及び方法などその態様において相当性を欠き、同課長の執務を不当に妨害する行為であることは許されず、さような交渉等は違法を免れないものというべきである。(なお、交渉が、同課長の方からの申出ではなく、職員団体等からの申出であるというだけで、勤務時間中の交渉に違法性の有無、程度を差別するのは相当でない。)(Ⅱ) 本件においては、検証の結果によつて認められる、さ程広くもない総務課長室等において、一審原告等は、前認定のとおり、ほか多数の組合役員等とともに押しかけ、相当長時間にわたつて、執務中のP7総務課長に対し、激しい剣幕でつめよ 果によつて認められる、さ程広くもない総務課長室等において、一審原告等は、前認定のとおり、ほか多数の組合役員等とともに押しかけ、相当長時間にわたつて、執務中のP7総務課長に対し、激しい剣幕でつめより、喰つてかかり、抗議行動を行なつているのであつて、原審における証人P7の証言によつて、職員団体等との折衝が、当時総務課長の職務であつたことが認められ、また前認定のとおり、交渉手順として職員(組合員)が直接総務課長のところに赴いて面談し、そのまま交渉が行なわれた事例も従前あつたのであるから、本件の各抗議行動は、その手順においてあながち不当なものとはいえず、暴力を伴つた事実も認められないのではあるが、しかしそれは相当長時間にわたるものであり、しかも多衆の勢いを借りた、かなり粗暴な抗議のやり方であつたことが前認定の状況から推測できるところなので、殆んど単身の総務課長に対する抗議の方法としては著しく妥当を欠くものであり、一審原告等主張の各抗議の動機、目的の点を考慮してもたやすく違法性を欠くものとはいえない。 なお(A)の事実に関し、前記P7証人の証言に徴し、P7総務課長は異議なく話合いに応じたものとは認められないし、(B)の事実につき、いわゆる非行調査に関してその取調方法などの違法、不当を一審原告等は主張するのであるが、先ず、行政庁であつても、その所管事務に関する限り、一定の範囲で、相当な方法により、事実調査を行なう権限があることはむしろ当然であり、本件において行なわれた事実調査(いわゆる非行調査)は、財務局所属の職員の執務状況に関する調査と認められるべきものであるから、当然その権限内の事項に属するものといえるし、次に、その取調方法などの点に関し一審原告等の主張にそう甲第一〇ないし第一二号証(但し第一一号証は一ないし三)、原審における証人P14、P ものであるから、当然その権限内の事項に属するものといえるし、次に、その取調方法などの点に関し一審原告等の主張にそう甲第一〇ないし第一二号証(但し第一一号証は一ないし三)、原審における証人P14、P29、P17の各証言及び一審原告P1本人尋問の結果はたやすく採用できないし、他に一審原告等主張の取調方法などにおける違法、不当の事実を認めるに足る証拠がなく、更に、総務課長の取扱中の執務そのものが抗議の対象であるからといつて、総務課長がその職責に基づき実施中の執務を、著しく不当な方法による抗議等で妨害することまで許されるべき筋合いはない。 (C)の事実に関し、前認定の現場の状況並びに前記P7証人の証言に徴し、P7総務課長が全く異議なしにこの話合いに応じたものとはとうていいえないし、また、一審原告P1が、所管課長の許可を受けて離席したとの事実は、これを認めるに足る証拠がない(この点につき乙第三〇号証の一は採用できない)。 そして(C)の事実中、一審原告P4がこの抗議に参加した点に関しては、前記P7証人の証言及び原審並びに当審における一審原告P1本人尋問の結果によれば、一審原告P1から抗議を受けて右総務課長が、しぶしぶながらではあるが、右原告P4の参加も止むを得ない旨の電話連絡をとつた結果、同原告は、ともかくも、所管のP21課長から離席の許可を与えられたので、これに参加することとなつたものであり、特段の事情も認められないので、この許可により公務の遂行に格別の支障はなかつたものと推測されるので、右原告P4はみだりに職務を放棄したことにはならないものである。 従つて一審原告等は、みだりに職務を放棄し(但し一審原告P4につき右(C)の場合を除く)、P7総務課長の勤務を妨害したものというべきである。 (ル) 前記(ル)の事実について前認定のとおり、一 従つて一審原告等は、みだりに職務を放棄し(但し一審原告P4につき右(C)の場合を除く)、P7総務課長の勤務を妨害したものというべきである。 (ル) 前記(ル)の事実について前認定のとおり、一審原告P4は、階上事務室で、携帯拡声器を用いて、無許可の抗議集会に参加を呼びかけたものであるが、これはもとより組合活動としてなされたものであり、またその放送時刻の午後〇時一〇分頃がまだ勤務時間中であることも明らかであるから、前認定のように、当時四国財務局においては、勤務時間が昼食時間等の点で多少厳格でない点があつたので、その時刻頃に執務中の職員は殆んどいなかつたとしても、また昼休みに集会を開くこと自体に違法な点はないとしても、当局がその権限に基づき中庭を用いる集会に許可を与えず、(この点につき権限の濫用を認めるに足る証拠がない。)しかもその旨を庁内備え付けマイクで放送までしたこと前認定のとおりであるにかかわらず、あえてその後において、その集会に参加するよう呼びかけた本件の放送は、その目的、態様からみて、とうてい違法性を欠くものということができない。なお、従前の慣行を主張する一審原告等の主張が理由がないものであることは、すでに前記(イ)で説示したところと同様である。右原告P4の行為は、みだりに職務を放棄したものというべきである。 ② 以上において、懲戒事由となるべき一審原告等の違法行為につき、各人別該当法条を挙げれば、次のとおりである。 (A) 一審原告P1の違法行為の該当法条右原告P1は、① 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間四国財務局庁舎内食堂において、勤務評定に関して高松支部が主催した第一次評定者の会合にみだりに参加し、職務を放棄した〔当時施行の国公法(以下同様とする)一〇一条一項、職員団体に関する職員の までの間四国財務局庁舎内食堂において、勤務評定に関して高松支部が主催した第一次評定者の会合にみだりに参加し、職務を放棄した〔当時施行の国公法(以下同様とする)一〇一条一項、職員団体に関する職員の行為(昭和二四、五、九人事院規則ー以下人規というー一四ー一)三項前段該当〕② 昭和三七年一〇月五日同局々長室において午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間に行なわれた同局々長と共斗役員との会見にみだりに職務を放棄して参加し(国公法一〇一条一項および人規一四ー一、三項前段該当)、同日午前一一時三〇分過ぎ頃同局局長が退出しようとした時、同局庁舎内において、共斗役員等とともに同局局長を追いかけ、とり囲みその前方に立ちふさがり、その退出を妨害した(国公法九九条、一〇一条、人規一四ー一、三項前段該当)。 ③ 昭和三七年一〇月五日午後三時頃みだりに職務を放棄し、同日午前中の同局局長と共斗役員との会談およびその後の状況について、執務中の職員に対し、同局総務課長の中止要求に応ずることなく、携帯拡声器により放送を行ない職員の職務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ④ 昭和三七年一〇月八日同局局長の業務命令により、同日午後五時までに勤務状況報告書を第一次評定者が第二次評定者に提出することになつていたのを、同日午後四時頃から午後五時頃までの間みだりに職務を放棄し、組合側に提出するよう第一次評定者をあおり、そそのかし、第一次評定者の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、九八条五項後段、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑤ 昭和三七年一〇月九日午前一〇時頃同局階上事務室において、P5委員長が前日勤務状況報告書を組合に保管した経過について、執務中の職員に経過報告を行なつた際、勤務時間中であるため、同局総務課長の制止があつたにもかかわ 月九日午前一〇時頃同局階上事務室において、P5委員長が前日勤務状況報告書を組合に保管した経過について、執務中の職員に経過報告を行なつた際、勤務時間中であるため、同局総務課長の制止があつたにもかかわらず、P5委員長に同行し職務を放棄した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ⑥ 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ⑦ 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤評反対斗争の結果、措置等について、抗議要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑧ 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑨ 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 (B) 一審原告P2の違法行為の該当法条右原告P2は、① 昭和三七年一〇月二日午後四時五分頃、みだりに職務を放棄し、四国財務局階上、階下事務室において、携帯拡声器で第一次評定者に対し、勤務状況報告書を記入しないことを要請する趣旨の放送を行ない、勤務中の職員の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ② 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇 報告書を記入しないことを要請する趣旨の放送を行ない、勤務中の職員の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ② 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間みだりに職務を放棄し、同局食堂において、勤務評定に関して高松支部が主催した第一次評定者の会合に参加した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ③ 昭和三七年一〇月八日午後四時頃みだりに職務を放棄し、高松支部が同支部組合事務所において主催した執行委員会に参加し、同局局長の業務命令で定まつていた第一次評定者の提出期限を延伸し、勤務状況報告書を組合が保管する決定に参画し(国公法九八条五項後段、一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)、同委員会終了後同日午後五時頃までこの実行に加担し、第一次評定者の勤務を妨害した(国公法九八条五項前段、一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ④ 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ⑤ 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃より午後二時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤評反対斗争の結果、措置等について抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑥ 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑦ 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総 抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑦ 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 (C) 一審原告P3の違法行為の該当法条右原告P3は、① 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間四国財務局食堂において、勤務評定に関して高松支部が主催した第一次評定者の会合にみだりに参加し職務を放棄した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ② 昭和三七年一〇月五日同局々長室において、午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間に行なわれた、同局々長と共斗役員との会見にみだりに職務を放棄して参加した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ③ 昭和三七年一〇月五日午後一時三〇分頃みだりに職務を放棄し、同局経理課事務室において、経理課長に対し、勤務状況報告書の提出時期に関して組合方針に従うよう要請した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ④ 昭和三七年一〇月八日午後四時頃みだりに職務を放棄し、高松支部が同支部組合事務所において主催した執行委員会に参加し、同局局長の業務命令で定まつていた第一次評定者の提出期限を延伸し、前記報告書を組合が保管する決定に参画し(国公法九八条五項後段、一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)、同委員会終了後同日午後五時頃までこの実行に加担し、第一次評定者の勤務を妨害した(国公法九八条五項前段、一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑤ 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時 この実行に加担し、第一次評定者の勤務を妨害した(国公法九八条五項前段、一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑤ 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ⑥ 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤評反対斗争の結果、措置について抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑦ 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に、非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑧ 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 (D) 一審原告P4の違法行為の該当法条右原告P4は、① 昭和三七年一〇月三日午前一〇時三〇分頃より午前一一時三〇分頃までの間四国財務局庁舎食堂において、勤務評定に関して高松支部が主催した第一次評定者の会合にみだりに参加し、職務を放棄した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ② 昭和三七年一〇月八日午後四時頃みだりに職務を放棄し、高松支部が同支部組合事務所において主催した執行委員会に参加し、同局局長の業務命令で定まつていた第一次評定者の提出期限を延伸し、前記報告書を組合が保管する決定に参画し(国公法九八条五項後段、一〇一条一項、人規 支部組合事務所において主催した執行委員会に参加し、同局局長の業務命令で定まつていた第一次評定者の提出期限を延伸し、前記報告書を組合が保管する決定に参画し(国公法九八条五項後段、一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)、同委員会終了後午後五時頃までこの実行に加担し、第一次評定者の勤務を妨害した(国公法九八条五項前段、一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ③ 昭和三七年一〇月九日同局階下事務室において、午後〇時三〇分頃より午後一時二七分頃までの間、勤務時間にくい込む職場集会に積極的に参加した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ④ 昭和三七年一〇月一〇日午後二時頃から午後二時三〇分頃までの間みだりに職務を放棄し、同局総務課長に勤評反対斗争の結果、措置等について、抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑤ 昭和三七年一〇月一〇日午後四時三〇分頃から午後五時頃までの間、みだりに職務を放棄し、同局総務課長に非行調査に組合員を立会わすよう抗議、要求を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前、後段該当)。 ⑥ 昭和三七年一〇月一二日午後〇時一〇分頃、みだりに職務を放棄し、同局内庭において共斗が開催しようとした無許可の抗議集会に、高松支部組合員が参加するよう携帯拡声器で呼びかけた(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項前段該当)。 ⑦ 昭和三七年一〇月一二日午後三時頃から午後四時三〇分頃までの間、同局総務課長に対し、集会不許可、離席問題等について抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項後段該当)。 以上のとおりである。 ③ 結論以上のように、一審原告等はいずれも、四国財務局における昭和三七年度の ついて抗議を行ない、同課長の勤務を妨害した(国公法一〇一条一項、人規一四ー一、三項後段該当)。 以上のとおりである。 ③ 結論以上のように、一審原告等はいずれも、四国財務局における昭和三七年度の勤評反対斗争として、法に定めた勤務評定制度に関して、前記のような勤務状況報告書の組合保管という方法の争議行為を頂点とし、その前後にくり返された一連の違法な組合活動をなし、もつて国家業務の正常な運営を阻害したものであつて、以上において違法とされた同原告等の行為はいずれも当時施行の国公法八二条一号の「この法律又は人事院規則に違反した場合」に該当すると同時に、同条二号の「職務上の義務に違反し、または職務を怠つた場合」にも該当するものというべきである。 第四当時施行の国公法九八条の規定が違憲、無効であるかどうかについて一審被告が、一審原告等の行為につき当時施行の国公法九八条五項の争議行為等に該当するものがあるとして本件処分を行なつたものであることは、当事者間に争いがないところであるが、一審原告等は、右規定が憲法二八条の規定に反し、違憲、無効である旨を縷々主張する。 しかし前記説示のとおり(第三(三)(2)①(ト)(Ⅰ)の項)、当裁判所は、右規定は違憲の規定ではないと判断するものであり、この点の一審原告等の主張は理由がない。 従つて本件処分が違憲の措置である旨の主張はもとより失当であり、また本件処分が不当労働行為であつて憲法二八条に違反する旨の主張については、その主張の趣旨にそう甲第一二号証、証人P16、同P41、同P29(原審)の各証言、元一審原告全財組合代表者P5(第一回)、原審における一審原告P1各本人の供述は採用できないし、他にこの点の一審原告等主張事実を認めるに足る証拠がないので、この主張もまた採用できないものである。 第五本件処分は 組合代表者P5(第一回)、原審における一審原告P1各本人の供述は採用できないし、他にこの点の一審原告等主張事実を認めるに足る証拠がないので、この主張もまた採用できないものである。 第五本件処分は懲戒権の濫用か否かについて判断する。 一審原告等は懲戒権の濫用である旨縷々主張する。 当時施行の国公法八二条は、職員が前記(第三の末尾)の同条一号または二号等の一つに該当する場合、これに対し懲戒処分として免職、停職、減給または戒告の処分をすることができる旨を規定する。右懲戒処分の軽重の順位は、免職が最も重く、以下右記載の順序で戒告が最も軽い処分であると解する。ところで右処分に関して、如何なる場合に如何なる種類の懲戒処分をなすべきかを明示する規定はなく、その選択は専ら懲戒権者の合理的裁量に委ねられたものと解される。ところでその裁量は、前記憲法二八条と国公法の関係についての説示に徴し、およそ職員に対する不利益処分は、もとより、懲戒処分をも含めて、必要な限度を越えない合理的な範囲内のものであることが要請されるのであるから、社会通念に照らして、客観的に妥当な裁量でなければならないのであつて、懲戒処分の種類、程度は当然に、一方において職員のなした違反行為の態様、程度に応じるものであることを要するとともに、他方職員の身分を保障する国公法の趣旨に反しないものであることを要する。ことに懲戒免職の処分は、一般労使関係の現状からすれば、免職された職員の多くに対し、かなり不利な条件での再就職を余儀なくさせ、場合によつては、生活の基盤を全く失わせる結果にもなりかねない危険が大である事態に鑑みれば、比較的軽い違反行為に対して、結果の重大な免職処分を行なうが如きは、客観的妥当性を欠き、不必要かつ不合理な処分であつて、裁量権の範囲を逸脱するものであり、懲戒権の濫用として 大である事態に鑑みれば、比較的軽い違反行為に対して、結果の重大な免職処分を行なうが如きは、客観的妥当性を欠き、不必要かつ不合理な処分であつて、裁量権の範囲を逸脱するものであり、懲戒権の濫用として違法を免れないものというべきである。 本件についてみるに、以上において懲戒事由となるべき一審原告等の行為は、前認定の事実関係に徴して、いずれも昭和三七年度における全財組合の勤評反対斗争に際し、その組合員である一審原告等が職場とする、四国財務局においてなされた一連の違法行為であるが、右反対斗争の活動は、右職場において、同年九月下旬頃から翌一〇月中旬頃までの間の一〇数日間にわたつて、断続的に行なわれた行為であり、これによりその間、相当職場の平穏が害され、秩序が乱されたこと、組合側の要求が根本的には勤務評定制度の廃止に指向されたオールA・公開等という、現行の法規のもとでは勤評実施庁たる財務局にとつて許されない要求を行なうものであること等、その情状は必ずしも軽いものとはいえない。しかし他方その各行為の態様、ことに各違法行為の時間はいずれも比較的短時間のものに過ぎないこと、その手段方法の点でも明らかな暴力等の行使がなされた事実は認められないこと、とくにその違法とされる行為中最も違法性が強いものと考えられる勤務状況報告書の組合保管による争議行為についてみても、この保管行為は、前認定のように切迫した状況のもとでなされた行為で、しかも第一次評定者の申出がそのきつかけをなしたものであり、その際保管された報告書は公文書であるが、いずれも封をした袋に収めた状態で回収、保管がなされたものであることが、証人P52、同P33、同P16、同P41、同P53、同P15(原審)、同P26(当審)、同内海恒夫(当審)、同P51、同P29(原審、当審)、同P5の各証言を綜合して明 がなされたものであることが、証人P52、同P33、同P16、同P41、同P53、同P15(原審)、同P26(当審)、同内海恒夫(当審)、同P51、同P29(原審、当審)、同P5の各証言を綜合して明らかに認められるところであるし、また四国財務局の取扱う国の業務は、原審証人P7の証言によれば、国の予算の編成資料の蒐集、共済組合の監査、金融経済情勢の調査、証券業者の検査、監督、公認会計士の登録事務、公共団体その他の組合に対する資金の貸付け並びに管理事務及び国有財産の処分管理事務等を主な職務事項とするものであつて、本件の勤務状況報告書の作成業務は、同財務局所属の職員の勤務関係のもので、前記の業務とは直接かかわりのない、いわば単なる内部的な事務というべきもので、その業務の阻害が直ちに、国民生活全体の利益等を害するに至る業務の停廃を招くとは認められないものであり、なお、右P7証人の証言及び原審における元一審原告全財組合代表者P5(第一回)本人の供述によつて、本件報告書は、組合から、第一次評定者に、一〇月九日午後一時半頃までに返還され、第一次評定者からは、遅くとも同日午後六時頃までに第二次評定者に提出されていることが認められるので、前認定に徴して、本件報告書の提出遅延はせいぜい丸一日間位にとどまるものであることが明らかであることなどの点に鑑みると、前記懲戒処分の基準からみて、一審原告等に対する本件懲戒免職の処分は、必要の限度を越えて過酷に過ぎ、妥当性を欠くものというべきである。のみならず、本件勤評反対斗争に関し、他の職員、ことに訴外全財組合中央執行委員長P5、同高松支部長P17等の、前認定のほか、本件全証拠によつてうかがえる同人等の具体的な行動につき、同人等に対してなされた懲戒処分(前者は停職三ケ月、後者は停職九ケ月であることが一審における元一審 5、同高松支部長P17等の、前認定のほか、本件全証拠によつてうかがえる同人等の具体的な行動につき、同人等に対してなされた懲戒処分(前者は停職三ケ月、後者は停職九ケ月であることが一審における元一審原告全財組合代表者P5本人第一回の供述及び同証人P17の証言によつて明らかである。)と比較して甚だしく重きに過ぎるものであり、職員に対する公正の原則ないしは平等取扱いの原則にも違反するものであるから、その余の争点につき判断するまでもなく、以上ですでに、本件懲戒免職処分は、懲戒権の濫用として違法というべきである。 第六当時施行の国公法九八条六項に関する一審被告の主張について判断する。 一審被告は、右規定を根拠に、懲戒処分の取消請求並びに裁量に関する判断が許されない旨を主張するのであるが、以上のように、禁止された争議行為が認定されたからといつて、一般に、これに対する処分ないしその裁量に関して、違法の存在がそのまま放置されてよい筋合いはないのであるし、まして国民に対し、一切の法律上の争訟につき裁判所の裁判を受ける権利が憲法三二条及び裁判所法三条によつて保障されている以上、処分ないし裁量に関する違法の主張並びにこれに対する裁判所の判断が右国公法の規定によつてたやすく禁止されるべきいわれはない。右規定は単に、国家公務員に対し国公法上認められた分限上の身分保障につき、違法な争議行為を行なつた国家公務員が、その保障を失い、これを国に対し主張することができなくなるとの趣旨のものにとどまると解すべきである。 第七以上の次第で、一審原告等に対する前示国公法八二条に基づく本件懲戒免職の処分はすべて違法であつて取消を免れないものである。しかるに、一審原告P4に対し右処分を取消しただけで、その余の一審原告三名の本訴請求を棄却した原判決は失当というべきである。 よ く本件懲戒免職の処分はすべて違法であつて取消を免れないものである。しかるに、一審原告P4に対し右処分を取消しただけで、その余の一審原告三名の本訴請求を棄却した原判決は失当というべきである。 よつて、一審原告P1、同P2、同P3の本件各控訴は理由があるので、民訴法三八六条により、原判決中同原告等に関する部分を取消し、同原告等の本訴請求を正当として認容することとするが、一審被告の本件控訴は理由がないのでこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき同法九六条、八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官合田得太郎谷本益繁林義一)

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