令和3年9月1日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成30年第24721号損害賠償等請求事件(以下「本訴」という。)平成31年第667号損害賠償等請求反訴事件(以下「反訴」という。)口頭弁論終結日令和3年6月9日判決 主文 1 被告DHCは,原告に対し,550万円及びこれに対する平成29年1月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告DHCは,原告に対し,別紙謝罪文目録3記載の謝罪文を,同目録記載の条件で掲載せよ。 3 原告の被告DHCに対するその余の本訴請求及び被告Aに対する本訴請求をいずれも棄却する。 4 被告Aの反訴請求を棄却する。 5 訴訟費用は,本訴について生じた費用はこれを2分し,その1を原告の,その余を被告DHCの各負担とし,反訴について生じた費用は全部被告Aの負 担とする。 6 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求 1 本訴 ⑴ 被告らは,原告に対し,連帯して,1100万円及びこれに対する平成29年1月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 主位的請求ア被告DHCは,原告に対し,別紙番組目録記載1及び2の番組につき,上映,放映,公衆送信,送信可能化,複製物の頒布その他方法の如何を問 わず公表してはならない。 イ被告DHCは,原告に対し,別紙ウェブサイト目録記載1及び2のウェブサイトから配信されている別紙番組目録記載1及び2の番組の動画につき,いずれもこれらを削除せよ。 ⑶ ⑵の予備的請求被告DHCは,原告に対し,別紙謝罪文目録1記載の謝罪文を,同目録記 載の条件で掲載せよ ている別紙番組目録記載1及び2の番組の動画につき,いずれもこれらを削除せよ。 ⑶ ⑵の予備的請求被告DHCは,原告に対し,別紙謝罪文目録1記載の謝罪文を,同目録記 載の条件で掲載せよ。 ⑷ 被告Aは,原告に対し,別紙謝罪文目録2記載の謝罪文を,同目録記載の条件で掲載せよ。 2 反訴原告は,被告Aに対し,2200万円及びこれに対する平成30年8月24 日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本訴は,原告が,被告DHCが制作し,被告Aが司会を務めた別紙番組目録記載1及び2の各テレビ番組(以下,順に「本件番組1」,「本件番組2」といい,これらを併せて「本件各番組」という。なお,本件番組1及び2は, それぞれ番組の一部分であり,その全体を指して「本件番組1」などという場合もある。)について,これらの番組内容によって原告の名誉が毀損され,また,番組の進行を司った被告Aは当該名誉毀損によって原告が被った損害について共同不法行為責任を負うとして,①被告らに対し,慰謝料,弁護士費用の合計1100万円及びこれに対する一連の不法行為が終了した日であ る平成29年1月9日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法404条所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めるとともに(本訴⑴),②被告DHCに対し,人格権に基づく差止請求として,本件各番組の公表の禁止及びウェブサイトからの削除を求め(本訴⑵ア,イ),これが認められない場合に備えて,民法723条所定の名誉毀損にお ける名誉回復処分として謝罪文の掲載を求め(本訴⑶),③被告Aに対し, 上記同様の名誉回復処分として謝罪文の掲載を求める(本訴⑷)事案である。 反訴は,被告Aが,原告が行った本件各 ける名誉回復処分として謝罪文の掲載を求め(本訴⑶),③被告Aに対し, 上記同様の名誉回復処分として謝罪文の掲載を求める(本訴⑷)事案である。 反訴は,被告Aが,原告が行った本件各番組に対する抗議等のための記者会見や本訴の訴え提起等の一連の行為について,違法な訴訟提起であり,被告Aの名誉を毀損しており,同被告に対する不法行為を構成するなどとして,原告に対し,無形損害等の損害合計2700万円のうち2200万 円及びこれに対する一連の不法行為が終了した日の後の日である平成30年8月24日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法404条所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(争いのない事実及び後掲証拠等により容易に認められる事実。な お,証拠等を掲記しない事実は当事者間に争いがない。枝番を記載しない書証はすべての枝番を含む。)⑴ 当事者等ア原告は,東京都生まれの在日朝鮮人であり,人材育成コンサルタント等として稼働する一方で種々の人権活動を行っており,平成25年9月には, 市民団体である「B’」(「B」はその略称。以下「B」という。)を設立し,現在に至るまで共同代表としてその運営に携わっている。(甲1,27,弁論の全趣旨)イ被告DHC(平成29年3月31日にその商号を「株式会社DHCシアター」から現在のものへと変更)は,テレビ番組の制作等を目的とする株 式会社である。(甲2)ウ被告Aは,本件各番組の司会を務めた者である。 同被告は,本件各番組が放送された当時,株式会社中日新聞社(以下「中日新聞社」という。)の社員として東京新聞及び中日新聞の論説副主幹を務めていたが,平成29年3月1日に論説室論説委員へと降格と 。 同被告は,本件各番組が放送された当時,株式会社中日新聞社(以下「中日新聞社」という。)の社員として東京新聞及び中日新聞の論説副主幹を務めていたが,平成29年3月1日に論説室論説委員へと降格となっ た後,平成30年3月31日に中日新聞社を定年退職した。(丙34,被 告A28頁,弁論の全趣旨)⑵ 本件各番組の制作及び放送等ア被告DHCは,平成27年から,論客と女性タレント等がニュースと時事問題を論ずるトークバラエティ番組である「ニュース女子」(なお,平成28年4月に現在のものへと改題。以下「本件テレビ番組」という。) の制作を開始し,東京のローカル放送局である東京メトロポリタンテレビジョン株式会社(放送局としての呼称は「TOKYOMX」。以下,「東京メトロポリタンテレビ」という。)及びその他の地方局の地上波での放送やWEBサイトでの配信等を行っていた。 イ東京メトロポリタンテレビにおける平成29年当時の本件テレビ番組の 放送時間は毎週月曜日の午後10時から11時であり,同年1月2日午後10時からはその第91回(本件番組1はその一部)が,同月9日午後10時からはその第92回(本件番組2はその一部)が,それぞれ同局で放送された。 本件番組1は,沖縄県国頭郡東村高江地区(以下,単に「高江」とい う。)における米軍基地のヘリパッド建設反対運動をテーマとしたもの,本件番組2は,本件番組1の放送後にSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などにおいて同番組の放送内容に対して多くの批判的な投稿がされていることを採り上げた内容のものとなっており,その具体的内容は別紙4及び5のとおりである。(甲3の1・2,弁論の全趣旨) ウ東京メトロポリタンテレビは,同局における本件テ 稿がされていることを採り上げた内容のものとなっており,その具体的内容は別紙4及び5のとおりである。(甲3の1・2,弁論の全趣旨) ウ東京メトロポリタンテレビは,同局における本件テレビ番組の地上波での放送を,平成30年3月末日をもって終了させた。(乙42)エ被告DHCは,現在も,自社が開設し運営している「DHCテレビ」と題するウェブサイトや動画投稿サイトであるYouTubeにおいて,本件各番組を公開,配信している。(甲4,弁論の全趣旨) ⑶ 原告等による抗議文の提出,記者会見等 ア Bは,平成29年1月5日,その開設に係るウェブサイトにおいて,「1月2日放送TOKYO-MXTV「#ニュース女子」による「B」および共同代表・原告を誹謗中傷する虚偽報道に対する抗議声明」を発出した。(丙8)イ同月27日,Bは,沖縄県民有志と共同して「TOKYOMX-TV 「ニュース女子」による沖縄ヘイト・デマ放送に関する沖縄・東京合同記者会見」を行うとともに,Bのウェブサイトにおいて「沖縄・東京共同記者会見共同声明」と題する声明を発出した。(丙10,11,22)ウ Bは,同月31日に被告Aの雇用主(当時)である中日新聞社に対し,原告が共同代表の一人として名を連ねた抗議文を提出し,併せて,Bのウ ェブサイトで公表した。同抗議文には,別紙3の「平成29年1月31日中日新聞社宛て抗議文」の「発言及び記載の内容」欄記載のとおりの記載部分がある。なお,原告訴訟代理人であるC弁護士が,Bの代理人としてその作成に関与した。(丙12,弁論の全趣旨)エ Bは,平成30年3月8日,「TOKYOMX「ニュース女子」BP O人権委」と題する記者会見を行った。同記者会見は原告及びC弁護士 てその作成に関与した。(丙12,弁論の全趣旨)エ Bは,平成30年3月8日,「TOKYOMX「ニュース女子」BP O人権委」と題する記者会見を行った。同記者会見は原告及びC弁護士らによって行われたものであり,その際,C弁護士は,別紙3の「平成30年3月8日記者会見」の「発言及び記載の内容」欄記載のとおりの発言をした。(丙19,22,33)オ Bは,同年7月20日,「「ニュース女子」TOKYOMXが原告共 同代表に謝罪」と題する記者会見を行った。同記者会見は原告及びC弁護士らによって行われたものであり,その際,原告は,別紙3の「平成30年7月20日記者会見」の「発言及び記載の内容」欄記載のⅠ-③及び④のとおりの発言をし,C弁護士は同欄記載のⅡ-④及び⑤のとおりの発言をした。(丙20,22,33) カ原告は,同月31日,本訴に係る訴えを提起するとともに,これに関す る記者会見を行った。同記者会見は原告及びC弁護士らによって行われたものであり,その際,C弁護士は,別紙3の「平成30年7月31日記者会見」の「発言及び記載の内容」欄記載のとおりの発言をした。(訴訟提起日については当裁判所に顕著な事実,丙21,22) 2 争点 ⑴ 被告DHCによる不法行為の成否ア本件番組1,本件番組2の摘示事実の内容イ社会的評価の低下の有無ウ違法性阻却事由等の有無⑵ 被告Aによる不法行為の成否 ⑶ 原告の損害及びその額⑷ 本件各番組の差止め及び削除の可否⑸ 被告DHC及び被告Aによる謝罪広告の必要性⑹ 原告による被告Aに対する不法行為の成否⑺ 被告Aの損害及びその額 3 争点に関する当事者の主張⑴ 争点⑴(被告 削除の可否⑸ 被告DHC及び被告Aによる謝罪広告の必要性⑹ 原告による被告Aに対する不法行為の成否⑺ 被告Aの損害及びその額 3 争点に関する当事者の主張⑴ 争点⑴(被告DHCによる不法行為の成否)についてア本件番組1,本件番組2の摘示事実の内容(原告の主張) 本件番組1について 本件番組1の個々の場面の意味内容等については,別紙1の①ないし⑮の「摘示事実に関する原告の主張」欄に各記載のとおりと解すべきである。 本件番組1は,沖縄での取材の結果を収録したVTR部分と,その内容を踏まえて出演者が話をするスタジオ収録部分とから構成されている。 VTR部分は,沖縄の高江ヘリパッドの建設に反対する運動をする人々 を取材した結果の報告との体裁がとられているところ,その内容は,反対運動をしている人々が,暴力も犯罪行為をも厭わずにこれを繰り返す人々であるかのように描かれている。そして,スタジオ収録部分の映像において,テロップや出演者の発言をもって,そのような暴力も犯罪行為も厭わぬ人々の活動に対し,原告がそれを煽り,かつ経済的に支援し ているかのような事実が述べられている。 したがって,本件番組1は,全体として,原告につき,別紙1の①ないし⑮の「摘示事実」欄記載のとおりの事実を摘示するものと解されるべきである。 本件番組2について 本件番組2の個々の場面の意味内容等については,別紙1の⑯,⑰の「摘示事実に関する原告の主張」欄に各記載のとおりと解すべきであるところ,本件番組2は,本件番組1の翌週の同じ時間帯に放送されたものであり,また,本件番組1に抗議が殺到した旨を伝えた上で高江ヘリパッド建設反対運動に関して続報を伝えているものであるから,その内 ,本件番組2は,本件番組1の翌週の同じ時間帯に放送されたものであり,また,本件番組1に抗議が殺到した旨を伝えた上で高江ヘリパッド建設反対運動に関して続報を伝えているものであるから,その内 容において本件番組1と一体性を有するものであるといえる。 そうすると,本件番組2の摘示事実は同別紙の⑯及び⑰の「摘示事実」欄記載のとおりに解すべきであり,全体として,原告が煽り支援している団体が,暴力行為や破壊行為を行う危険性を有するものであることを改めて指摘し,その旨の事実を摘示するものである。 (被告らの主張)本件番組1について本件番組1の個々の場面の意味内容等については別紙1の①ないし⑮の「摘示事実に関する被告らの主張」欄に各記載のとおりと解すべきであり,本件番組1が全体として同別紙の「摘示事実」欄記載のとおりの 事実を摘示するものであるとの原告の主張は否認し,争う。 本件番組2について別紙1の⑯及び⑰の「摘示事実に関する被告らの主張」欄に記載のとおり。 イ社会的評価の低下の有無(原告の主張) 本件番組1は,原告につき,暴力も犯罪行為も厭わぬ過激な集団の活動を煽り,かつ経済的に支援する者であるとの事実を摘示するものであるところ,同事実の摘示が原告の社会的評価を低下させることは明らかである。 本件番組2は,その原告が煽動・支援している対象が危険な者たちである旨を改めて強調するものであって,原告の社会的評価を一層低下させる ものである。 (被告らの主張)上記アの被告らの主張のとおりであり,本件各番組は原告との関係で何らかの事実を摘示するものではないから,これらによって原告の社会的評価が低下することはない。 (被告らの主張)上記アの被告らの主張のとおりであり,本件各番組は原告との関係で何らかの事実を摘示するものではないから,これらによって原告の社会的評価が低下することはない。 ウ違法性阻却事由等の有無(被告らの主張)仮に本件各番組が原告主張に係る事実を摘示するものと認められたとしても,以下のとおり,本件各番組は,公共の利害に関する事実につき,専ら公益を図る目的で制作,放送されたものであり,その摘示事実は真実 であって違法性が阻却されるか,被告らにおいて摘示事実が真実であると信じたことに相当な理由があるから故意又は過失がない。 公共の利害に関する事実高江のヘリパッド建設反対運動が過激化している状況は,極めて政治的な内容であって,国民が知るべき情報であるにもかかわらず,これら が報道されていない。反対運動の実情を伝えることは国民が本来知るべ き重要な判断資料を提供するものであるから,公共の利害に関する事実である。 公益目的上記のとおり,本件各番組は,報道機関によって報道されないことでゆがめられた国民の知る権利を是正するものである。また,犯罪行為が 行われ,高江の住民に多大な影響を与えている反対運動に関する本件各番組は,専ら公益を図る目的で制作,放送されたものである。 真実性,真実相当性仮に本件各番組が原告の主張する各事実を摘示していると認められるとしても,別紙1の「被告らの抗弁」欄記載のとおり,その摘示事実は 真実であるか,被告らにおいて摘示事実が真実であると信じたことに相当な理由がある。 (原告の主張)事実の公共性について本件で問題とされるべき公共性は,原告に対する摘示事実の公共性で あって,本件各番組の全体の内容についての公共 信じたことに相当な理由がある。 (原告の主張)事実の公共性について本件で問題とされるべき公共性は,原告に対する摘示事実の公共性で あって,本件各番組の全体の内容についての公共性ではない。 目的の公益性について本件で問題とされるべき公益性は,原告に対する摘示事実の公益性であって,本件各番組の全体の内容についての公益性ではない。 真実性,真実相当性について 別紙1の「抗弁に対する原告の主張」欄記載のとおり。 ⑵ 争点⑵(被告Aによる不法行為の成否)について(原告の主張)ア不特定多数人に向けたテレビ番組に出演する者は,当該番組において他人の名誉を違法に侵害しないようにすべき注意義務を負う。番組司会者は, 収録中に番組出演者が他人の名誉を毀損する発言をした場合,その発言者 に対して発言の根拠を質して真偽を問うことにより,当該発言が訂正されることもあるのであるから,発言者の発言の根拠を質してその真偽を問うという対応が法律上要求される場合がある。 本件各番組の場合,基本的に被告Aが番組を進行するという構造があり,また,スタジオで出演者が随時発言をするという状況がある一方で,被告 Aが積極的に議論に入り込んで意見を述べ,あるいはD,Eその他の出演者に質問をし,あるいは合いの手を入れるなどの関与をするという役割が構成されていたのであり,仮に出演者の誰かが他人の名誉を毀損する発言に及んだ場合,疑問を差し挟んだり真偽の程や根拠を確認したりすることが可能であった。 そうすると,被告Aは,本件各番組ないしその出演者が他人の名誉を毀損することを回避させることが可能なのであるから,番組出演者の発言のうちそれが他人の名誉を毀損することを予見することが可能なものに そうすると,被告Aは,本件各番組ないしその出演者が他人の名誉を毀損することを回避させることが可能なのであるから,番組出演者の発言のうちそれが他人の名誉を毀損することを予見することが可能なものについては,司会者として,その真偽等について注意を払うことが法律上要求され,当該発言によって他人の名誉が毀損されることを防止すべき注意義務 を負うものと解すべきである。 イこれを本件番組1についてみると,被告Aが同番組において果たした具体的役割は,別紙2の「被告Aの過失」欄記載のとおりであり,同被告は,番組司会者において要求される上記注意義務に反したものというべきであるから,原告に対して不法行為責任を負う。 次に,本件番組2についてみると,被告Aは,司会者としてこれが本件番組1の続報であることを明らかにした上で,その続報中において,D及びEが別紙1の⑯の「発言及び記載の内容」欄記載のとおりの発言をするに任せ,その後そのまま本件番組2を進行させたものであり,同行為は番組司会者としての上記注意義務に反し,原告に対する不法行為を構成する。 なお,このように解しないとしても,本件各番組は一連一体のものである から,本件番組1における被告Aの不法行為責任が認められる以上,同被告において,それと一体の番組である本件番組2によってもたらされる結果についても当然に責任を負うものである。 ウ以上のとおり,被告Aは原告に対する不法行為責任を負うところ,同被告は,本件各番組を制作,放送した被告DHCないし原告の名誉を毀損す る発言をした同番組出演者のEと共同不法行為責任(民法719条1項前段)を負う。被告DHCやEの行為は故意の不法行為であるといえるところ,故意の者と過失の者との間にも共同不法行為は成立する す る発言をした同番組出演者のEと共同不法行為責任(民法719条1項前段)を負う。被告DHCやEの行為は故意の不法行為であるといえるところ,故意の者と過失の者との間にも共同不法行為は成立する。 仮に被告Aの行為が原告に対する独自の不法行為を構成するものではなく,その援助助長に過ぎないとしても,同被告は,本件各番組のVT R部分についても番組出演者の個々の発言についてもとりたてて問題視しなかったのであるから,被告Aは,被告DHCらによる不法行為を幇助した者として,民法719条2項により,共同不法行為者と同様の責任を負う。 エ被告Aは,収録中における同被告の司会進行と,編集後の本件番組の 放送部分とは無関係であると主張するが,収録時に出演者が他人の名誉を毀損し,その内容が放送された場合,その番組の編集に当該出演者が関与しているか否かにかかわらず,当該出演者が名誉毀損に係る責任を負うことは明らかである。 (被告Aの主張) ア被告Aが本件番組1において果たした具体的役割に係る原告の主張に対する被告Aの反論は,別紙2の「被告Aの反論」欄記載のとおりである。 イテレビ番組の出演者の発言が名誉毀損に該当するか否かを判断するには,それがいかなる事実を摘示しているか,当該摘示事実が人の社会的評価を低下させるものであるか,さらには真実性の要件を満たすかを判断する必 要があるところ,当該判断は規範的な評価の問題を伴うものであり,限ら れた時間で行われるトークバラエティ番組のスタジオ収録の際に,法律の専門家でない司会者が司会進行をしながら,収録中になされる出演者の個々の発言について,即座に規範的評価を正しく行うことは不可能である。 また,個々の出演者の具体的発言に問題があれば,収録後の編集の段階で 門家でない司会者が司会進行をしながら,収録中になされる出演者の個々の発言について,即座に規範的評価を正しく行うことは不可能である。 また,個々の出演者の具体的発言に問題があれば,収録後の編集の段階で削除するなりの対応をすることもできる一方で,司会者が,その規範的評 価について不確かな判断に基づいて,その場で,逐一出演者の話を遮ったり否定したりしなければならないとすれば,出演者による議論を阻害する。 これらのことからも,司会者がスタジオ収録の場で出演者の発言について逐一監視,是正する義務は認められない。 また,特定の場面が放送されるか否かは収録後の編集によって決まると ころ,被告Aは,本件テレビ番組の編集には一切関与し得ず,番組が放送されるまで編集後の番組内容を知らないのであるから,被告Aの収録中の司会進行と,原告が名誉毀損と主張する編集後の本件各番組の放送部分とは無関係である。 ウしたがって,被告Aは,幇助者としての責任を含め,原告に対して何ら の不法行為責任を負うものではない。 ⑶ 争点⑶(原告の損害及びその額)について(原告の主張)原告はBの代表者であり,沖縄の平和運動に携わってきた者である。原告にとっては市民からの信頼が命であるところ,原告が犯罪行為も厭わぬ過激 な集団の活動を煽ったり支援したりしているなどとの虚偽の事実を流布されることは,市民からの信頼の喪失につながることが必定であり,原告にとって致命的な打撃であるのみならず,信用毀損による原告の仕事に対する悪影響は甚大なものである。 原告は,本件各番組が東京メトロポリタンテレビで放送された直後から, 原告はテロリストのリーダーであるなどと糾弾されたり,私生活上において も種々の嫌がらせを受けたりし,精神科へ通院するほどの 件各番組が東京メトロポリタンテレビで放送された直後から, 原告はテロリストのリーダーであるなどと糾弾されたり,私生活上において も種々の嫌がらせを受けたりし,精神科へ通院するほどの精神状態となり,仕事にも支障が生じたことなどから,平成29年11月からの2年間を海外で生活することを余儀なくされた。 また,本件各番組の内容は,人種等を理由とする差別に該当するものであって,被害者の精神的苦痛を増加させるものである。 以上のような事情に鑑みると,本件各番組によって原告が受けた精神的な打撃は致命的であり,これを金銭に換算すると慰謝料額としては1000万円を下らない。また,被告らの不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は100万円を下らない。 (被告らの主張) 争う。 ⑷ 争点⑷(本件各番組の差止め及び削除の可否)について(原告の主張)本件各番組は原告に対して致命的な打撃を与えるものであり,今後これ以上の名誉毀損が続いた場合,原告の損害の回復は不可能である。そのため, 本件各番組による名誉毀損には,人格権としての名誉権に基づく差止めが認められるべきであり,被告DHCに対しては,今後の本件各番組の公表を禁じるほか,別紙ウェブサイト目録記載の各ウェブサイトからの本件各番組の削除を命じることが認められるべきである。 (被告DHCの主張) 争う。 ⑸ 争点⑸(被告DHC及び被告Aによる謝罪広告の必要性)について(原告の主張)仮に本件各番組の差止め及び削除の請求が認められなかった場合,別紙ウェブサイト目録記載の各ウェブサイトで公開,配信がされている本件各番組 による名誉毀損が継続するところ,これらは不特定多数の者がいつでも閲覧 可能 請求が認められなかった場合,別紙ウェブサイト目録記載の各ウェブサイトで公開,配信がされている本件各番組 による名誉毀損が継続するところ,これらは不特定多数の者がいつでも閲覧 可能であるから,原告が受けた名誉毀損の損害を完全に回復するためには,被告らそれぞれにおいて,被告らの各行為が原告の名誉を毀損する違法行為であることを対外的に宣明することが必要である。 (被告らの主張)事実は否認し,主張は争う。 ⑹ 争点⑹(原告による被告Aに対する不法行為の成否)について(被告Aの主張)原告による以下の一連の行為は,被告Aの社会的評価を低下させ,応訴の負担を強制し,表現の自由,営業の自由及び労働者の働く権利を侵害するものであり,同被告に対する包括して一個の不法行為を構成する。 ア本訴の提起 原告は,以下のとおり,本訴に係る訴えが事実的,法律的根拠を欠くものであることを認識し,少なくともその認識を欠くことについて重大な過失があったにもかかわらず,被告Aの雇用主であった中日新聞社に代わって自ら同被告を「処分」する意図・目的,同被告が円満退社した ことの腹いせ,反ヘイト等の活動に不都合な言論の抑圧,同被告を言論の場から徹底的に排除することなどの目的であえて本訴を提起したものであり,本訴の提起は裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠き,被告Aに対する不法行為を構成する。 事実的,法律的根拠の欠如 本件各番組が摘示したとする事実に関する原告の主張が事実的根拠及び法律的根拠を欠き成り立たないことについては上記⑴アないしウにおける(被告らの主張)記載のとおりである。 被告Aに対する訴えにおける原告の主張は,当初のものから変遷し,裁判所の釈明などを経て特定され 律的根拠を欠き成り立たないことについては上記⑴アないしウにおける(被告らの主張)記載のとおりである。 被告Aに対する訴えにおける原告の主張は,当初のものから変遷し,裁判所の釈明などを経て特定されたものであって,主張に係る被告Aの 注意義務についての根拠のなさを露呈するものである。もとより原告は, 番組司会者が負うべき注意義務の存在を一切立証しておらず,むしろそのような注意義務など存在せず,出演者に自由な発言を積極的に促すことが司会者の役割であることは顕著な社会常識であるから,そもそもかかる原告主張が主張自体失当であることは明白である。また,仮に被告Aにおいて原告主張の注意義務が存在するとしても,上記における (被告Aの主張)記載のとおり,同被告において注意義務違反が存在しないことは明らかである。 したがって,被告Aに対する本訴提起が事実的,法律的根拠を欠くことは当然かつ明白である。 原告が事実的,法律的根拠の欠如を知り又は容易に知り得たこと 原告は,被告Aが本件各番組の企画,構成に関わっているという事実を否認していることについて悪意である。また,原告は被告Aが本件各番組の制作に企画,構成から関わっていることの根拠を有しておらず,かつ,当該根拠を有していないことを原告自身が認識していたことも明らかである。そうすると,原告が,過失による不法行為を構成する被告 Aの具体的な行為として主張する別紙2の「被告Aの過失」欄記載の各行為を根拠とする原告の主張が成り立つ余地はなく,かつ,そのことにつき,原告は知り又は容易に知り得たといえる。 イ名誉毀損平成29年1月31日の中日新聞社宛抗議文,平成30年3月8日, 同年7月20日及び同月31日の各記者会見における原告 ことにつき,原告は知り又は容易に知り得たといえる。 イ名誉毀損平成29年1月31日の中日新聞社宛抗議文,平成30年3月8日, 同年7月20日及び同月31日の各記者会見における原告及びC弁護士の発言等の内容は,以下のとおり,被告Aの名誉を毀損するものであり,原告は,C弁護士の発言等部分を含めて(同部分については共同不法行為者として)被告Aに対する不法行為責任を負う。 摘示事実 別紙3の「発言及び記載の内容」及び「摘示事実」欄に各記載のとお り。 社会的評価の低下別紙3の「摘示事実」欄記載の各事実は,いずれも,ジャーナリストである被告Aの社会的評価を著しく低下させるものである。 関連共同性 C弁護士は,遅くとも平成29年1月27日頃から原告とともに被告Aに対する抗議活動に加わっているところ,原告及びC弁護士の発言は,①被告Aがデマを広めたとする点,及び,②東京新聞の論説副主幹であった被告Aが処分される必要があるとする点において終始一貫している。 上記の抗議文及び各記者会見における原告及びC弁護士の発言等の内 容は上記①又は②を骨子とするものであり,これらはそれまでの上記抗議活動の一環として行われたものであるから,原告とC弁護士との間には客観的関連共同性が認められる。 原告主張の違法性阻却事由等が存在しないこと別紙3の「抗弁に対する被告Aの主張」欄記載のとおり。 ウ本訴提起及びその前後の2度の記者会見 仮に原告による被告Aに対する本訴提起が事実的,法律的根拠を欠くものであることを通常人であれば容易に知り得たものとまでいえなかったとしても,以下のとおり,本訴提起の前後2度の記者会見を併せ鑑みると,本訴提起及び2度の記者会見は著しく相当性を ,法律的根拠を欠くものであることを通常人であれば容易に知り得たものとまでいえなかったとしても,以下のとおり,本訴提起の前後2度の記者会見を併せ鑑みると,本訴提起及び2度の記者会見は著しく相当性を欠き,不法行為を 構成する。 すなわち,被告Aに対する本訴の提起は,著しく事実的,法律的根拠に乏しいものであるうえに,名誉毀損に基づく権利行使という外形を装っているものの,真に被害回復を図る目的をもってされたものとはいえず,被告Aが新聞社を円満退社したことへの腹いせ,反ヘイト等の活動 に不都合な言論の抑圧,被告Aを言論の場から徹底的に排除することな どを目的とした行為であり,言論の自由に与える影響は甚大であって,著しく相当性を欠くものである。 本訴提起の前後に,平成30年7月20日及び同月31日の2度にわたって行われた記者会見において,原告及びC弁護士は,被告Aに対する本訴提起の事実を発表し,同被告が本件各番組においてデマであるこ とを知りながら原告への誹謗中傷を煽るような発言を繰り返したなどと発言しており,上記記者会見の内容が報道されれば,被告Aが名誉を毀損したことを理由に訴訟を提起されたという事実が広く世間に知れ渡ることとなり,一般の視聴者・読者に対し,被告Aが原告の名誉を毀損したかのような印象を与える蓋然性が高く,また,メディア関係者に対し ては,同被告のジャーナリストとしての信用が毀損されるばかりでなく,出演依頼や執筆依頼が差し控えられるなどして,ジャーナリストとしての活動が制限される蓋然性が高いものである。 そうすると,これらの記者会見は,被告Aが名誉毀損訴訟の被告となったことを広く世間に知らしめることにより,被告Aを罰するとともに, 反ヘイト等の活動に不都合な言論を抑圧 である。 そうすると,これらの記者会見は,被告Aが名誉毀損訴訟の被告となったことを広く世間に知らしめることにより,被告Aを罰するとともに, 反ヘイト等の活動に不都合な言論を抑圧し,被告Aを言論の場から排除する手段として用いられたものということができ,著しく相当性を欠く。 エ過度に執拗な抗議活動 原告は,平成29年1月31日,C弁護士その他の者と共同で,被告Aの雇用者である中日新聞社に対し,同被告が反対運動に関して虚偽の 情報を流布するなどしたとして,被告Aについての中日新聞社の雇用者責任を追及し,基地問題に対する東京新聞の報道姿勢との整合性を問い詰める内容の抗議文を提出した。 C弁護士は,平成30年3月8日の記者会見において,被告Aが「この1月2日の本放送で煽りに煽った」,「デマを流している」,「人種 差別的な行動に加担している」といういずれも真実ではない事実を摘示 した上で中日新聞社に対して被告Aの処分を求める発言を行った。 原告が本訴を提起して被告Aに応訴という多大な負担を強制し,その前後に2度にわたり,原告及びC弁護士が記者会見を開いたこと及びその内容は,上記アないしウのとおりである。 このように,原告やC弁護士らが被告Aに対して行った一連の抗議活 動は,「ヘイト」や「デマ」の名のもとに被告Aに対して徹底的な個人攻撃及び批判を加え,ジャーナリストとしての社会的生命を抹殺しようとするものであり,目的に比して手段が著しく相当性を欠いたものであるうえ,言論の自由を萎縮させるとともに社会生活上許容される受忍限度を超えており,被告Aに対する不法行為責任を構成する。なお,原告 がC弁護士の言動についても共同不法行為者として不法行為責任を負 うえ,言論の自由を萎縮させるとともに社会生活上許容される受忍限度を超えており,被告Aに対する不法行為責任を構成する。なお,原告 がC弁護士の言動についても共同不法行為者として不法行為責任を負うことは,上記イと同じである。 (原告の主張)ア本訴提起について事実は否認し,主張は争う。 被告Aが原告に対して不法行為責任を負う旨の原告の主張は,何ら事実的,法律的根拠を欠くものではない。 イ名誉毀損について被告Aの主張に対する反論等は以下のとおり。なお,下記のとおり,原告は各記者会見におけるC弁護士の発言に関してはいかなる意味におい ても責任を負わない。 摘示事実について摘示事実に関する原告の主張は,別紙3の「摘示事実に関する原告の主張」欄記載のとおり。 社会的評価の低下について a 別紙3の「発言及び記載の内容」欄記載のⅠ-①について 対立する当事者間で相手方の言い分を虚偽であると論評しているに過ぎないのであって,これによって被告Aの社会的評価が低下することはなく,仮に低下するとしてもその程度は僅少であって,不法行為が成立するほどの違法性はない。 b 別紙3の「発言及び記載の内容」欄記載のⅠ-②について 被告Aが意見を述べた発言内容に対して疑問を呈したにすぎず,これによって同被告の社会的評価が低下することはない。 c 別紙3の「発言及び記載の内容」欄記載のⅠ-③,④についてこれらの発言部分が被告Aの社会的評価を低下させるものであることは特段争わない。 関連共同性について弁護士は,受任事件に関して記者会見をするような場合には,かかる記者会見を行う これらの発言部分が被告Aの社会的評価を低下させるものであることは特段争わない。 関連共同性について弁護士は,受任事件に関して記者会見をするような場合には,かかる記者会見を行うか否か,その場における発言をどのようにするかなど,法律専門家である弁護士の職責に照らして,独自の判断に基づき適切に対応することが要請されるものである。この場合において,受任事件の 依頼者は,一定の意向を示すのが通常であるが,弁護士としては,その職責上,依頼者の意向よりも,第一次的に弁護士としての判断と責任に基づいて対応すべきものである。したがって,依頼者としては,弁護士に対し意図的に虚偽の情報を提供するなどして,弁護士の判断を誤らせたなどの特段の事情がない限り,弁護士の行為について,不法行為責任 (使用者責任を含む。)を負うものではない。 被告Aが問題としている記者会見におけるC弁護士の発言については,原告は一切関与していない。 したがって,C弁護士の発言について原告の責任を問う被告Aの主張は失当である。 違法性阻却事由等 平成29年1月31日の中日新聞社宛て抗議文及び平成30年7月20日の記者会見による名誉毀損に関しては,別紙3の「平成29年1月31日中日新聞社宛て抗議文」及び「平成30年7月20日記者会見」の各「原告の抗弁」欄に記載のとおり,いずれも違法性阻却事由等の存在が認められる。 ウ本訴提起及びその前後の2度の記者会見について名誉毀損訴訟を提起することが雇用者による処分を代替することになるはずがなく,被告Aの主張は,原告の行った提訴及び記者会見につき,それらを腹いせであるとか,言論を抑圧し,言論の場から徹底的に排除することなどを目的としたものと主観的に決め 処分を代替することになるはずがなく,被告Aの主張は,原告の行った提訴及び記者会見につき,それらを腹いせであるとか,言論を抑圧し,言論の場から徹底的に排除することなどを目的としたものと主観的に決めつけているにすぎず,失当であ る。 エ過度に執拗な抗議活動について被告Aの主張は,原告の活動が不服である旨を述べ,名誉毀損や不当訴訟によって表現の自由や営業の自由が侵害されたとの損害を述べているにすぎない。また,原告の言動によって被告Aの働く権利ないし利益が不当 に侵害されたことはない。 ⑺ 争点(被告Aの損害及びその額)について(被告Aの主張)被告Aは,原告の一連の不法行為によって以下の損害合計2700万円の損害を被った。 ア信用毀損による無形損害 2000万円一連の不法行為によってジャーナリストである被告Aが被った個々の逸失利益を算出して立証することは極めて困難であり,これらの損害はジャーナリストとしての信用が毀損されたことによる無形損害として評価されるべきであるところ,被告Aのジャーナリストとしての活動内容や一連の 不法行為が同被告に及ぼした影響の大きさに照らすと,上記損害は200 0万円を下らない。 イ精神的苦痛に対する慰謝料 300万円被告Aは一連の不法行為によって多大な精神的苦痛を被っており,これを金銭に換算すると,慰謝料額としては300万円を下らない。 ウ弁護士費用 400万円 被告Aに対する本訴の請求内容に照らすと,同被告が弁護士に委任してこれに応訴することを余儀なくされたことによる弁護士費用相当の損害金は400万円を下らない。 (原告の主張)損害の発生は否認し る本訴の請求内容に照らすと,同被告が弁護士に委任してこれに応訴することを余儀なくされたことによる弁護士費用相当の損害金は400万円を下らない。 (原告の主張)損害の発生は否認し,主張は争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点(被告DHCによる不法行為の成否)について⑴ 本件各番組の摘示事実ア本件においては,地上波においてテレビジョン放送をされた番組によって摘示された事実の内容が問題となるところ,テレビジョン放送をされた 番組によって摘示された事実がどのようなものであるかという点については,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断するのが相当である。そして,テレビジョン放送をされる番組においては,視聴者は,音声及び映像により次々と提供される情報を瞬時に理解することを余儀なくされるのであり,同一の番組を録画等により見返すなどしない限り, 提供された情報の意味内容を十分に検討したり,再確認したりすることができないものであることからすると,当該番組により摘示された事実がどのようなものであるかという点については,当該番組の全体的な構成,これに登場した者の発言の内容や,画面に表示されたフリップやテロップ等の文字情報の内容を重視すべきことはもとより,映像の内容,効果音,ナ レーション等の映像及び音声に係る情報の内容並びに放送内容全体から受 ける印象等を総合的に考慮して判断すべきである(最高裁平成14年(受)第846号同15年10月16日第一小法廷判決・民集57巻9号1075頁参照)。 以下,これに基づき本件各番組の摘示事実について検討する。 イ本件番組1について 上記前提事実イによれば,本件番組1の内容は,次のようなものであった。 5頁参照)。 以下,これに基づき本件各番組の摘示事実について検討する。 イ本件番組1について 上記前提事実イによれば,本件番組1の内容は,次のようなものであった。 本件番組1の開始後02:37経過部分(以下,分秒の表示は本件番組1開始からの経過時間を指す。)から03:48までの部分は,取材VTRの冒頭で,現地取材を行ったDが「高江ヘリパッドの建設現場で 過激な反対運動が行われている」などと話したうえで,さっそく遭遇した基地反対派のデモ活動を行っている集団と緊張関係が生まれ,取材を継続することで集団を刺激し,襲撃されることを危惧していったんその場から撤退したとの内容のものであり,一般の視聴者に対して,高江ヘリパッドの建設現場で過激な反対運動が行われているとの事実を強く印 象付けるものといえる。 さらに,05:55から08:11の場面では,「当日高江ヘリパッド移設現場は過激デモで危険な為ロケ中止の要請が」「反対派の暴力行為により,地元の住民でさえ高江に近寄れない」「警察でも手に負えない高江ヘリパッド反対デモ運動」,「公道に違法駐車して道路を封鎖す る反対派の活動家」,「過激派が救急車も止めた?」,「防衛局,機動隊員の人が暴力を振るわれている」との内容の発言やナレーション,テロップに加え,地元住民へのインタビューの場面では住民やDが反対派を指してテロリストのようである旨を述べる部分や同旨のテロップが表示され,さらに,「なぜ,後先考えず犯罪行為を繰り返すのか。」との ナレーション及びテロップが加えられている。「テロリスト」とは,テ ロリズムすなわち政治目的のために暴力あるいはその脅威に訴える傾向又はその行為を奉ずる者をいい,一般の視聴者においてもテロリストとは過激な暴 ップが加えられている。「テロリスト」とは,テ ロリズムすなわち政治目的のために暴力あるいはその脅威に訴える傾向又はその行為を奉ずる者をいい,一般の視聴者においてもテロリストとは過激な暴力的行為を行う者であると認識するものと考えられるから,上記の番組部分は,一般の視聴者に対して,高江ヘリパッドの建設現場で過激な反対運動が行われているとの事実をさらに印象付け,その活動 内容はテロリストが行うような過激な暴力行為を伴うものであり,そのような犯罪行為が繰り返されているとの印象を与えるものといえる。 その後,08:11から09:16の場面では,「なぜ犯罪行為を犯すのだろうか?」とのナレーション及びテロップ,その直後に「その裏には信じられないからくりがあった。」とのナレーション及びテロップ が表示されるなどし,さらに,東京で配られていた「ホットケナイ,高江。ないちゃ~大作戦!全員集合 2016年9月9日」と記載されたチラシ(乙3と同内容のもの。以下「本件チラシ」という。)には5万円を支給する旨の記載があること,普天間基地の周辺において「2万円」と書かれた封筒が発見されたことなどを紹介した上,「反対派デモの人 達は何らかの組織に雇われているのか。」とのナレーションとともに,「反対派は日当を貰っている!?」,「反対派の人達は雇われている!?」とのテロップが表示されるなどしており,上記の場面は,上記の場面と併せると,一般の視聴者に対して,高江ヘリパッド建設現場において行われている暴力を含む犯罪行為を伴う過激な運動に従事して いる者は何らかの組織によって雇われて活動に参加している可能性があるとの印象を与えるものといえる。 そして,スタジオに戻った10:38からの場面においては,14:35以降,過激な反対運動をし いる者は何らかの組織によって雇われて活動に参加している可能性があるとの印象を与えるものといえる。 そして,スタジオに戻った10:38からの場面においては,14:35以降,過激な反対運動をしている者の中に沖縄の地元の人がどの程度含まれているのだろうかとの話の流れにおいて,Eが,「そういう意 味では,Dさんがさっき取材してくれた,この情報っていうのは貴重だ なと思ったのは,『B』の原告さんの名前が書かれたパンフレットがあったじゃないですか。」「この方々っていうのはもともとは,反原発,そしてそれに続いて反ヘイトスピーチ,そしてもう職業的にずーっとやってきて,今沖縄行っていると。」と述べ,その際,画面上には,「『B』“原告”は何者?」「反原発,反ヘイトスピーチ,基地建設反 対など…職業的に行っている?」とのテロップが表示され,他の出演者がVTR内で紹介したチラシ(本件チラシ)に記載されていた「5万円」の財源を問い,Dがそれについては本当に分からないなどと答えるやりとりをしていた際に,画面上には「沖縄・高江ヘリパッド問題」「反対運動を煽動する黒幕の正体は?」とのテロップが表示され,その後CM や他の話題場面を挟んだ後,本件チラシに記載の「5万円」の問題につき,被告Aが,「でも,ちょっと聞きたいのは,お金ですよ。5万円日当出すなんて。これは誰が出しているの。」などと問うと,Dにおいて「これ,本当にわからないんですよ。だからね,これ「B」というところに,まあこれ書いてあって。で,連合会館で,お茶の水でやっている わけですよね,これ。お茶の水でやっているの。だから,東京から,そういう反対派の人たち,さあ一緒にみんなおいでよ5万円あげるからと。 いうことで,まあ格安の,格安のチケットで行けば,そりゃ行けますよ わけですよね,これ。お茶の水でやっているの。だから,東京から,そういう反対派の人たち,さあ一緒にみんなおいでよ5万円あげるからと。 いうことで,まあ格安の,格安のチケットで行けば,そりゃ行けますよね。」との発言が,Eにおいて,「この原告さんっていうのは,あれなんですよ。在日韓国・朝鮮人の差別ということに関して戦ってきた中で は,カリスマなんですよ。もうピカイチなんですよ。お金がガンガンガンガン集まってくるっていう状況があるんですね。」との発言があり,Eの当該発言の際には画面上に「『B』〝原告〟は差別と戦うスペシャリスト」とのテロップが表示されている。 上記の場面は,それ以前の場面が,上記,のとおり,一般の視聴 者に対して,高江ヘリパッド建設現場において行われている暴力を含む 犯罪行為を伴う過激な運動に従事している者は何らかの組織によって雇われて活動に参加している可能性があるとの印象を与えるものであることを併せ考慮すると,「B」という組織が上記の過激な運動の参加者を雇ってこれを煽動しているとの印象を与えるものと認められる。そして,本件番組1は,上記の場面において,Eの「『B』の原告さん」という 同組織名と原告名を同格の「の」で連結した発言をそのまま放映したり,番組テロップで「『B』〝原告〟」と同組織名と原告名を直結させた表示をしたりしていることからすると,一般の視聴者に対して,「B」とは原告と実質的に一体化した組織であって,両者の人格が融合し,「B」とは原告のことであるとの印象を与えた上で,原告には集金力があり, 原告が集金した金銭が反対運動を行う者に支払われる5万円の原資となっているとの印象を与えるものということができる。 さらに,「反対運動を煽動する黒幕」という表現は,反対運動の前面には姿を 原告が集金した金銭が反対運動を行う者に支払われる5万円の原資となっているとの印象を与えるものということができる。 さらに,「反対運動を煽動する黒幕」という表現は,反対運動の前面には姿を現わさずに,裏側から反対運動をそそのかし操作している人物という印象を一般の視聴者に与えるものであって,一般の視聴者として は,原告が反対運動において暴力や犯罪行為が行われることを当然に認識・認容しているとの印象を受けるものと解される。 以上によれば,本件番組1の摘示事実は,原告が,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為がされることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽 っているという事実を摘示するものであると認められる。 これに対し,被告らは,本件番組1は原告との関係で何らの事実を摘示するものではないなどと主張するが,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準とすれば,本件番組1は原告につき上記のとおりの事実を摘示するものと認められるのであり,被告らの主張は理由がない。 ウ本件番組2について 上記前提事実イによれば,本件番組2においては原告個人を直接に名指しして言及する場面はなく,本件各番組が元々連続性を有する番組として制作・放送されることが予定されていたわけではなく,視聴者がこれらを連続して視聴することが想定されているものではないものの,本件各番組は毎週同じ曜日の同一の時間帯にレギュラー放送されていた ものであり,同一の番組を定期的に視聴する者は相当数存在すると考えられるところ,本件番組2は,本件番組1の放送の1週間後に放送されたものであって,時間的にも近接していることも考慮すると,本件番組1と本件番組2の視聴者は相当程度重複して る者は相当数存在すると考えられるところ,本件番組2は,本件番組1の放送の1週間後に放送されたものであって,時間的にも近接していることも考慮すると,本件番組1と本件番組2の視聴者は相当程度重複していると推認される。そして,本件番組2の内容としても,本件番組1がSNS上で批判の対象となっ ていることを受けて,SNS上の批判内容を採り上げた上で,本件番組1で放送した内容を一部紹介したものであるから,本件番組2の相当数の視聴者は本件番組1の内容と関連付けて本件番組2を視聴すると考えられる。 そうすると,本件番組2の摘示事実の内容を判断するに当たっては, 本件番組1の放送内容ないしその摘示事実を踏まえて行うのが相当である。 この観点から本件番組2の摘示事実についてみると,同番組においては,全体として,「B」が5万円を支給して高江ヘリパッドの建設反対運動にデモ隊を動員しているとの事実が摘示されているものと認められ るところ,上記のとおり,本件番組1においては,上記反対運動は暴力を含む犯罪行為を伴う過激なものであり,「B」と一体化した原告がその参加者を雇ってその運動を煽動していること,原告には集金力があり,同人が集めた金銭が上記参加者に対する金銭支払の原資となっていることが摘示されており,本件番組2においてこれらの事実の真実性につい て疑問を呈するような場面は特段見受けられない。そうすると,一般の 視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準にした場合,本件番組2における上記の事実摘示部分は,本件番組1と同様に,原告が,暴力や犯罪行為を伴う反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為が行われることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているという事実を摘示するものであるということができる。 ,暴力や犯罪行為を伴う反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為が行われることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているという事実を摘示するものであるということができる。 これに加え,本件番組2においては,Dが,公安調査庁発行に係る2015(平成27)年版の「内外情勢の回顧と展望」という冊子の記載の一部を朗読した上で,DとEとが,同冊子には,中国が沖縄に存在する米軍基地に対する反対運動に従事する人たちに接触していることが記載されており,公安調査庁という国の機関がそのことを認めている旨の やり取りを行う場面がある。一般の視聴者がこれらのやり取りを見た場合,上記の摘示事実も併せ考慮すると,反対運動を煽動している原告は,公安調査庁が注視するような危険な存在であるとの印象を受けるものということができる。 ⑵ 社会的評価の低下の有無について 本件各番組によって摘示された,原告が,暴力や犯罪行為を厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為が行われることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているとの事実は,原告の社会的評価を低下させるものであることが明らかである。 ⑶ 違法性阻却事由等の有無について ア摘示事実の公共性,公表の公益目的について高江のヘリパッド建設現場において暴力を含む犯罪行為を伴う過激な反対運動がされているという事実や,そのような反対運動がどのような背景事情を有する者によって行われているのかという事実は,我が国の防衛政策と密接な関係を有する在日米軍の基地問題に関するものであり,一般市 民が関心を寄せるのが正当であると考えられる事項であると認められる。 したがって,上記の各事実は公共の利害に関する事実であるという する在日米軍の基地問題に関するものであり,一般市 民が関心を寄せるのが正当であると考えられる事項であると認められる。 したがって,上記の各事実は公共の利害に関する事実であるということができるうえ,その内容に照らし,被告DHCは,これらの事実を広く視聴者に知らしめるとの公益を図る目的で上記各事実を公表したものと推認することができる。 イ摘示事実の真実性について 被告DHCは,沖縄の高江ヘリパッド建設に関する反対運動が,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動であることは関係証拠に照らして明らかであり,原告がその実施を承認,推奨している高江の県道を走行する車両を停止させるような行為は往来妨害罪ないし道路交通法違反の犯罪行為に該当するものであること,原告が共同代表を務めるB は,抗議活動中の行為につき傷害罪等で逮捕されたFやGことG’(以下「G」という。)の逮捕の不当性を表明し,Fの反対運動の支持を訴えたり,Gを自らが開催する集会に招へいしたりしていることなどからすると,原告が,反対運動において暴力や犯罪行為がされることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っていることは真実で あると主張する。 そこで検討するに,上記前提事実及び後掲証拠等によれば,Bないし原告の活動内容等に関して以下の事実が認められる。 a 原告は,東京都生まれの在日朝鮮人であり,これまで種々の人権活動を行い,平成25年9月には,市民団体である「B’」(B)を設 立し,現在に至るまで共同代表としてその運営に携わっている。 bBは,平成28年9月9日に東京都内で「ホットケナイ,高江。ないちゃー大作戦会議!」と題する集会を開催した。(乙3)c 同集会の開催にあたって配布されたチラシ(本件チ の運営に携わっている。 bBは,平成28年9月9日に東京都内で「ホットケナイ,高江。ないちゃー大作戦会議!」と題する集会を開催した。(乙3)c 同集会の開催にあたって配布されたチラシ(本件チラシ)には,「『市民特派員』を沖縄・高江に送ろう」,「往復の飛行機代相当, 5万円を支援します。あとは自力でがんばってください!」,「高江 にたどり着いて,TwitterやFacebookなどのSNS,もしくはツイキャスでの中継をお願いします。」,「戻ってから千字程度の報告をお願いします。報告は原告さんのFacebookか,BのFacebookなどに掲載させて頂きます。」との記載がされている。(乙3) d 同集会には原告も参加しており,その際,原告は,「非暴力とは無抵抗ではないんです。知恵を使って戦うということです。」,「向こう行って何しろやってこい,とか言って頑張って撮って来た写真は,これから,実はPさんはたくさんの写真を撮る機会を逸しました。なぜならば,現場の人が足りないからです。だから現場で彼ら二人がね, 20何台もね,止めた。それでも1日止められるのが,15分。でもあと3人行ったらね,16分止められるかもしれないんです。もう1人行ったら20分止められるかもしれないんです。だから,送りたいんです。」,「私たちは,私もね,はっきり言います,一生懸命これから稼ぎます。」,「なぜならば,私もう,あの,体力ない。あとは, 若い子に死んでもらう」,「それからじいさんばあさん達はですね,あの,向こうに行ったら,ただ座って止まって何しろ嫌がらせをして,みんな捕まってください。」,「Fのそばに人を送ってもらいたいと思います。」などと発言した。(乙9,丙6)e 同集会においては,Gが報告者として出演していた 座って止まって何しろ嫌がらせをして,みんな捕まってください。」,「Fのそばに人を送ってもらいたいと思います。」などと発言した。(乙9,丙6)e 同集会においては,Gが報告者として出演していた。(乙3) Gは,平成28年9月24日に高江ヘリパッド建設工事に抗議していた際に防衛省沖縄防衛局職員に対して傷害を負わせたとの容疑で同年10月4日に逮捕され,その後有罪判決を受けた。(乙29,57の3・4)同月6日,Bは,SNSの一種であるFacebook上におい て,Gの逮捕に抗議する内容の投稿を行った。(乙29) fFは,平成28年8月25日に高江ヘリパッド建設工事に伴うフェンス設置等に従事していた沖縄防衛局職員に対して傷害を負わせたとの容疑で逮捕され,その後有罪判決を受けた。(乙57の1・2・4)平成29年2月23日,Bは,SNSの一種であるTwitter上において,Fが逮捕されたことに対して「不当逮捕」であるとの投 稿を行った。(乙28)gBは,本件チラシのほか,動画投稿サイトのYouTube上でも,「今ここで起きていることを高江に行き日本中に伝えてくれる特派員を募集しています」との呼び掛けを行った。 上記の募集に応じた特派員に対しては往復の飛行機代相当額とし て5万円が支給されているところ,その資金はカンパによって賄われている。カンパは現在までに110万円が集まり,Bはこれを基に16人を高江に特派員として派遣した。(甲15,乙3,原告本人4,7,17頁)hBによって派遣された特派員の報告書には,工期を遅らせるために ダンプカー隊列阻止運動に参加した旨,座り込みに参加した旨が記載されている。(丙7) 原告は,高江の反対運動において,ヘリパッド建設工事に対す 特派員の報告書には,工期を遅らせるために ダンプカー隊列阻止運動に参加した旨,座り込みに参加した旨が記載されている。(丙7) 原告は,高江の反対運動において,ヘリパッド建設工事に対する抵抗の手段として,道路に座り込んで工事車両の通行を妨害する行為を呼び掛けているところ,その座り込みの形態によっては往来妨害罪等の犯罪 行為として問われかねないのであって,その限度ではそのような実力行使の抵抗方法が採られることを認識・認容している側面があることは否定し難い。 また,Bが,FやGが高江ヘリパッド建設工事に関連する防衛局職員に対する傷害被疑事件で逮捕されたことに対してSNS上で抗議声明を 発したり,平成28年9月9日に行った集会にGを招へいし,同集会に おいて,原告が,高江において反対運動をしているFの元に人を送りたいなどと発言したりしていることからすると,Bないし原告において,高江における反対運動に関し,傷害事件を起こしたFやGと友好関係にあったことが窺える。 さらに,Bが,往復の飛行機代相当額として5万円を支給するとの触 れ込みで,反対運動を取材する特派員を募集していたことは上記認定のとおりである。 しかしながら,これらの事実をもってしても,原告が,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動において暴力や犯罪行為がされることを認容しているとの事実や,経済的支援をするなどして暴力行為が伴 うような反対運動を煽っているとの事実を認めることは困難であり,その他本件全証拠を総合しても,上記各事実を認めるに足りない。上記認定事実によれば,Bが金員を支給して高江に特派員を派遣しているのはあくまで高江のヘリパッド建設現場における反対運動の現状を発信してもらうことに主たる目的がある ,上記各事実を認めるに足りない。上記認定事実によれば,Bが金員を支給して高江に特派員を派遣しているのはあくまで高江のヘリパッド建設現場における反対運動の現状を発信してもらうことに主たる目的があるものと認められるうえ,これまでに派遣 した特派員の人数は16人にとどまっており,実際に特派員により行われた活動についてみても,特派員の報告(丙7)の中にヘリパッド建設工事の関係者や沖縄防衛局職員らに暴力を振るった旨の記載はないことからしても,上記特派員の派遣及び交通費の支給が反対運動を煽る目的でされたものとは認め難い。また,Bや原告が上記特派員以外の反対運 動の参加者に対して現金を支給したことを認めるに足りる証拠はなく,本件番組1で採り上げている普天間基地の周辺で発見されたとする「2万円」と書かれた封筒についても,当該現金がBや原告から反対運動の参加者に支給されたことを支える根拠は示されておらず,原告との関連は全く不明であり,原告から反対運動の参加者に支給されたかのような 印象付けをしているにすぎない。 加えて,上記集会における,「非暴力とは無抵抗ではないんです。知恵を使って戦うということです。」との原告の発言からは,原告が非暴力による抵抗運動を志向していることが推認される。もっとも,上記のとおり,原告は,高江の反対運動におけるヘリパッド建設工事に対する抵抗の手段として,道路に座り込んで工事車両の通行を妨害する行為を 呼び掛けているところ,その座り込みの形態によっては往来妨害罪等の犯罪行為として問われかねないものであって,その限度では,原告がそのような実力行使の抵抗方法が採られることを認識・認容している側面があることは否定し難いが,本件各番組では,「暴力」の内容が道路への座り込みによって行われていること であって,その限度では,原告がそのような実力行使の抵抗方法が採られることを認識・認容している側面があることは否定し難いが,本件各番組では,「暴力」の内容が道路への座り込みによって行われていることは示されておらず,むしろ,反対 運動の参加者に関して,「過激(派)」,「(Dが)襲撃され(る)」,「警察でも手に負えない」,「テロリスト」などの表現を使用して,殊更に危険性の高い暴力が直接身体に加えられる可能性を強調し,それを一般の視聴者に印象付けているものと認められるから,本件各番組の摘示する暴力と原告が上記集会で採り上げた抵抗方法とでは,暴力ないし 実力行使の次元が異なり,一般の視聴者が受ける「暴力」に関する印象は全く異なるものである。そうすると,原告の上記発言内容をもって,原告が,暴力や犯罪行為を厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為が行われることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているとの事実のうちの重要な部分の真 実性が証明されているとは到底いえない。 したがって,被告DHCの上記の主張は採用することができない。 ウ摘示事実を真実と信ずることの相当性について被告DHCは,仮に本件各番組における摘示事実が真実と認められないとしても,同被告がこれを真実と信ずるについて相当の理由があると主張 する。 この点について,同被告は,いつ,どのような根拠に基づいて上記のとおり信じたのかについて具体的に主張していないが,本件各番組でBに関して採り上げられた本件チラシの上記記載内容,封筒の記載内容やEの上記発言内容は,摘示事実を真実と信じる根拠として薄弱であるうえ,同被告はそれらの点を含め摘示事実の真偽を確認するためにBないし原告に対 する裏付け 件チラシの上記記載内容,封筒の記載内容やEの上記発言内容は,摘示事実を真実と信じる根拠として薄弱であるうえ,同被告はそれらの点を含め摘示事実の真偽を確認するためにBないし原告に対 する裏付け取材をしていないのであって(証人H34頁,弁論の全趣旨),他に上記イで同被告が指摘している根拠が加えられたとしても,同被告が本件各番組における摘示事実を真実と信じるについて相当の理由があったとはいえない。 ⑷ 以上の次第であり,被告DHCが本件各番組を制作,放送したことは原告 の名誉を毀損するものであり,同被告はこれにつき原告に対する不法行為責任を免れないといわざるを得ない。 2 争点(被告Aによる不法行為の成否)について⑴ 上記前提事実及び後掲証拠等によれば,本件各番組の作成経緯等に関して以下の事実が認められる。 ア本件番組1の制作及び放送等 被告DHCは,平成28年12月当時,本件テレビ番組の企画及び制作をテレビ番組制作会社である株式会社ボーイズ(以下「ボーイズ」という。)に委託しており,同社の執行役員であるHがそのプロデューサーを務めていた。(乙42,丙24,証人H3頁,弁論の全趣旨) 被告Aは,本件番組1の収録日当日である平成28年12月15日,台本(丙26の2)を基にHらとの間で打合せを行った。なお,その収録前にリハーサルは行われていなかった。(丙24,26の2,34,37,証人H23頁,被告A30頁) 本件番組1のテロップやナレーションは,沖縄の現地取材のVTR部 分についてはスタジオ収録よりも前に入れられたものであり,スタジオ 収録部分のナレーションやテロップは,スタジオ収録後に入れられたものである。 なお,Hは,上記VTR部分の編集 についてはスタジオ収録よりも前に入れられたものであり,スタジオ 収録部分のナレーションやテロップは,スタジオ収録後に入れられたものである。 なお,Hは,上記VTR部分の編集を行った際は原告に関して特段の知識を有しておらず,一般の者という認識しか持っていなかったことから,VTR部分で映し出された本件チラシの原告の氏名部分にぼかしを 入れる処理をしていた。その後,収録が行われた際のEの発言でその存在を認識するに至り,同月26日に東京メトロポリタンテレビに納品するまでの間に,原告のことを調べ,Bの共同代表であり,沖縄の基地問題に関する活動を行っている人物であるとの情報を得たり,同年9月9日の集会における原告の発言を確認したりするなどし,原告は著名な活 動家であるとの認識から,本件番組1で原告の個人名を出すこととし,編集担当者とともに必要な編集を行い,番組を完成させた。(丙24,証人H5~8,40~41頁,被告A30頁,弁論の全趣旨) 被告Aは,本件各番組の企画,制作や編集には関与しておらず,本件各番組のナレーションやテロップの内容を決める立場にもないことから, スタジオ収録後に入れられたナレーションやテロップの内容をその放送前に知る機会はなかった。(丙34,37,証人H20頁,被告A3~4頁)イ本件番組2の制作及び放送等平成29年1月5日,本件番組2の収録が行われた。 本件番組2では,本件番組1の放送後,Twitter上で同番組に対する批判が噴出する状態となっていたことから,急きょ本件番組1について採り上げることとなった。(乙2,58,59,61,弁論の全趣旨) 被告Aは,本件番組2の収録日当日に,Hとの間で打合せを行った。 その際,Hは, たことから,急きょ本件番組1について採り上げることとなった。(乙2,58,59,61,弁論の全趣旨) 被告Aは,本件番組2の収録日当日に,Hとの間で打合せを行った。 その際,Hは,被告Aに対して,収録時にLED画面に表示することと なっていたTwitterにおける本件番組1の内容を批判する投稿を集めた資料(乙61)を渡し,本件番組1が上記の状態になっている旨を伝え,収録の冒頭でそのことについて触れてほしいこと,Dが収録にいるためコメントを求めてほしい旨を伝えた。なお,本件番組2の収録前にリハーサルは行われず,また,被告Aが本件番組1の放送内容を 確認することもなかった。(乙59,61,証人H23頁,被告A30~36頁)本件番組1における被告Aの不法行為の成否についてア原告は,本件テレビ番組の進行方法や被告Aの司会者としての役割に照らすと,同被告は,仮に出演者の誰かが他人の名誉を毀損する発言に及ん だ場合,その発言に対して疑問を差し挟んだり真偽の程や根拠を確認したりすることによって本件各番組ないしその出演者が他人の名誉を毀損することを回避させることが可能なのであるから,番組出演者の発言のうちそれが他人の名誉を毀損することを予見することが可能なものについては,司会者として,その真偽等について注意を払うことが法律上要求され,当 該発言によって他人の名誉が毀損されることを防止すべき注意義務を負うと主張する。 イしかしながら,一般に,番組の司会者は台本に沿って各出演者に発言を促す役割を担う者であるから,出演者からなされる発言それぞれについて,真実でないのではないかと疑い,否定や批判,訂正をすることは,番組制 作者からそのような役割を与えられているような例外的な場合は別として,番 あるから,出演者からなされる発言それぞれについて,真実でないのではないかと疑い,否定や批判,訂正をすることは,番組制 作者からそのような役割を与えられているような例外的な場合は別として,番組の制作意図から外れ,番組の収録の上でも支障をきたすものであるし,生放送でなく事前収録がなされる番組においては出演者から不適切な発言がされても編集作業で適宜修正・削除がされたうえで放送されることが予定されているものであるから,司会者が否定や批判,訂正といった行為を 行うことは原則として予定されていないといえる。 しかるところ,上記で認定した事実によれば,被告Aは,本件各番組の企画,制作や編集に一切関与しておらず,放送前に完成された番組の内容を知る機会も与えられていなかったことが認められる。また,被告Aは,本件番組1の収録にあたり,事前に他の出演者との打合せやリハーサルを行っているわけではなく,本件番組1の台本に各出演者の具体的な発言内 容は記載されておらず(丙26の2),収録時点において,各出演者がどのような発言をするかを具体的に把握していたわけでもない。 ウそうすると,上記アの原告の主張を採用することはできず,被告Aの過失行為として原告が別紙2のとおり主張する点を判断するまでもなく,同被告が不法行為責任を負うとの原告の主張は理由がない。同様に,被告A は幇助者として被告DHCの行為につき共同不法行為責任を負うとの主張も採用することはできない。 本件番組2における被告Aの不法行為の成否について上記で説示したところに加え,被告Aは本件番組2の収録前に本件番組1の放送内容を確認していないこと,収録時にLED画面に表示するこ ととなっていたTwitterにおける本件番組1の内容を批判する投稿を集 たところに加え,被告Aは本件番組2の収録前に本件番組1の放送内容を確認していないこと,収録時にLED画面に表示するこ ととなっていたTwitterにおける本件番組1の内容を批判する投稿を集めた資料(乙61)には原告の個人名の記載がなく,その他の場面においても原告の個人名に言及した場面はないこと(甲3の2,乙2)からすると,被告Aは本件番組2の収録時において,本件番組1において原告の個人名が採り上げられて原告の名誉が毀損されたという事実を認識して いなかったのであり,本件番組2において,改めて,原告の名誉が毀損される結果となっていることを認識することは困難であったと認められる。 したがって,被告Aは,本件番組2による原告の名誉毀損について,過失による不法行為責任を負わないのであって,被告DHCとともに共同不法行為責任を負うとの原告の主張は理由がない。 3 争点(原告の損害及びその額)について上記前提事実⑵ア及びイのとおり,本件各番組は地上波放送で2回にわたり放送されたものであって,その視聴者数は相当数に上るものと認められる。 また,本件各番組の内容は,原告が暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為がされることを認識・ 認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているという事実を摘示したものであるところ,暴力や犯罪行為に対する経済的支援や煽り行為それ自体も犯罪行為に当たる可能性があることに照らすと,被告DHCが本件各番組を放送したことによって,人権活動家として広く社会運動を行っている原告の社会的評価が著しく低下し,これにより原告は重大な精神的損害を受けた ことが認められる。 さらに,被告DHCが原告やBに対する十分な取材や裏付け調査を行わずに, く社会運動を行っている原告の社会的評価が著しく低下し,これにより原告は重大な精神的損害を受けた ことが認められる。 さらに,被告DHCが原告やBに対する十分な取材や裏付け調査を行わずに,本件番組1で原告の個人名を挙げて上記の名誉毀損の事実を摘示するに至る判断を安易に行ったうえ,本件番組2で上記事実に関する放送を訂正する機会があったにもかかわらず,Bすなわち原告が公安調査庁に注視される ような危険な存在であるとの悪印象を強調する行為に及んだこと,同被告から原告に対する謝罪や放送内容の訂正等はなく,現在もなお本件各番組と同じ内容の番組が同被告の管理下のウェブサイトで閲覧可能な状態に置かれていること(甲4,弁論の全趣旨)など本件に顕れた一切の事情を併せ考慮すると,原告が被った精神的損害を塡補するための慰謝料としては500万円 をもって相当と認める。 また,弁論の全趣旨によれば,原告は,被告DHCの上記不法行為により,原告訴訟代理人弁護士らに委任して本件訴訟を提起,遂行することを余儀なくされたことが認められるところ,上記認容額,事案の難易,審理経過等を総合すると,上記不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は50万円と認 めるのが相当である。 4 争点(本件各番組の差止め及び削除の可否)について⑴ 名誉権に基づく出版物の頒布,番組の放送等に対する事前差止めは,表現行為に対する重大な制約となることから,憲法21条の趣旨に照らし,原則として許されないが,その表現内容が真実でないか,又は専ら公益を図る目的のものでないことが明白であって,かつ,被害者が重大にして著しく回復 困難な損害を被るおそれがあると認められる場合には,例外的に事前差止めが許されるものと解される(最高裁昭和56年(オ)第609号 ものでないことが明白であって,かつ,被害者が重大にして著しく回復 困難な損害を被るおそれがあると認められる場合には,例外的に事前差止めが許されるものと解される(最高裁昭和56年(オ)第609号同61年6月11日大法廷判決・民集40巻4号872頁参照)。 本件は,既に放送された本件各番組の放送等の公表行為の差止め及び現在ウェブサイトで配信されている本件各番組の削除を求めるものであるが,そ れらの差止め及び削除は,今後視聴する可能性のある者に対する関係では事前抑制と同様の表現行為に対する重大な制約となり得ることから,上記と同様の要件の下において差止め及び削除の可否を判断するのが相当である。 本件では,本件各番組は地上波放送で既に放映され,相当数に上る視聴者がこれを視聴しており,原告の社会的評価が著しく低下し,原告が重大な精 神的損害を被ったこと,同損害については上記慰謝料をもって塡補されるべきことは上記説示のとおりであり,これに加え,謝罪広告による名誉回復の措置が講じられるならば,原告が本件各番組の放送によって受けた損害は相当程度回復するものと解される。 通常,名誉毀損を含む表現が公表された場合の被害者の社会的評価の低下 の程度は,当初の公表直後にもっとも大きく,その後に公表が継続されたり,数次にわたって公表されたりしても,当初の公表直後と同程度に重大な損害が発生するとはいえないうえ,今後,被告DHCが本件各番組の公表行為やウェブサイトでの配信継続をするとしても,それらによって原告が被る可能性のある損害は,上記と同様の方法によって塡補され,相当程度の被害回復 を図ることが可能であると認められる。 以上によれば,本件では,上記の「被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る 記と同様の方法によって塡補され,相当程度の被害回復 を図ることが可能であると認められる。 以上によれば,本件では,上記の「被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがある」との要件を満たさないことから,本件各番組の放送等の公表行為の差止め及び現在ウェブサイトで配信されている本件各番組の削除を求める請求は理由がない。 5 争点(被告DHC及び被告Aによる謝罪広告の必要性)について 上記3で説示したとおり,被告DHCの不法行為による原告の社会的評価の低下及びそれによって被った精神的損害は重大であると認められ,原告の損害に対し金銭賠償のみをもって塡補するのでは十分とはいえない。 したがって,本件においては謝罪広告の必要性が認められ,本件の事実関係その他一切の事情に鑑み,原告の名誉回復のための措置として,被告DH Cに対し,別紙謝罪文目録3記載のとおりの謝罪広告を同被告が運営するウェブサイトに同目録記載の条件で掲載することを命じるのが相当である。なお,謝罪広告の内容は上記のとおりにするのが相当であり,これを超える内容は理由がなく,また,原告の被告Aに対する請求は,上記2で説示したところに照らして理由がない。 6 争点(原告による被告Aに対する不法行為の成否)について⑴ 被告Aに対する本訴提起についてア民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において,当該訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは,当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものである うえ,提訴者が,そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど,訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著 ,法律的根拠を欠くものである うえ,提訴者が,そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど,訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である(最高裁昭和60年(オ)第122号同63年1月26日第三小法廷判決・民集42巻1号1頁参照)。 イ本件では,被告Aは,本件各番組の企画,制作や編集には関与しておら ず,本件各番組の収録時における各出演者の発言内容や放送時の内容を事前に認識していなかったのであって,同被告による名誉毀損の不法行為責任は成立しないことは上記2のとおりであるものの,被告Aの本件各番組への上記関与の有無やその程度,本件各番組の収録における被告Aの役割や事前の打ち合わせの有無及びその内容等は,原告が容易に知ることので きない事柄であることからすると,原告において,被告Aに対する本件訴えが事実的,法律的根拠を欠くものであることを認識し,あるいはこれを容易に認識し得たにもかかわらず,あえてこれを提起したものとは認められない。 ウこれに対し,被告Aは,原告は被告Aが本件各番組の企画・構成に関わ っているという事実を否認していたことについて悪意であること,原告は被告Aが企画・構成から関わっていることの根拠を有しておらず,かつ,当該根拠を有していないことを原告自身が認識していたことも明らかであると主張する。 しかしながら,司会者の実際の役割や番組への関わり方は番組によって 様々であって,一般の視聴者としては,番組における司会者の進行役としての役割や振る舞いを見て司会者が番組の企画・構成にも深く関わっているものと受け止めることが少なくなく,たとえ司会者がそのような関与を であって,一般の視聴者としては,番組における司会者の進行役としての役割や振る舞いを見て司会者が番組の企画・構成にも深く関わっているものと受け止めることが少なくなく,たとえ司会者がそのような関与を否定する発言をしていたとしても何らの資料を示されることがないままでその発言を鵜呑みにすることが当然に期待されるものでもない。 この点に鑑みると,原告において,本件各番組の司会者として進行役を果たしていた被告Aが本件各番組の企画・構成にも関与し,出演者の発言やナレーション,テロップ等の内容を認識していたものと考え,そのことを前提に,被告Aがこれを否定する発言をしていたにもかかわらず本件訴訟を提起したのであるとしても,原告の主張に係る被告Aの過失による名 誉毀損について事実的,法律的根拠を欠くことを知りながら又は通常人で あれば容易にそのことを知りえたのにあえて訴えを提起したとは認められず,本件訴訟の提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くとまではいえない。 したがって,被告Aの上記主張は理由がない。 ⑵ 被告Aに対する名誉毀損について ア事実の摘示と論評の区別について一般に,ある一連の表現の名誉毀損の成否が問題となっている部分について,事実の摘示か論評かを区別するには,一般の読者の普通の注意と読み方を基準として,証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を主張しているものと解せられるか否かによって判断す べきものであり,そこに用いられている語のみを通常の意味に従って理解した場合には,証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を主張しているものと直ちに解せないときにも,当該部分の前後の文脈や,記事の公表当時に一般の読者が有していた知識ないし経 した場合には,証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を主張しているものと直ちに解せないときにも,当該部分の前後の文脈や,記事の公表当時に一般の読者が有していた知識ないし経験等を考慮し,右部分が修辞上の誇張ないし強調を行うか,比喩的表現方法 を用いるか,又は第三者からの伝聞内容の紹介や推論の形式を採用するなどによりつつ,間接的ないしえん曲に上記事項を主張するものと理解されたり,当該部分の叙述の前提として上記事項を黙示的に主張するものと理解されたりするならば,同部分は事実を摘示するものとみるのが相当である。他方,そのような証拠等による証明になじまない物事の価値,善悪, 優劣についての批評や論議等は意見ないし論評に属するものと解される(最高裁平成6年(オ)第978号同9年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁参照)。 イこれを踏まえて,本件の各表現が事実の摘示と論評のいずれに当たるかについて検討する。 中日新聞社宛て抗議文(丙12)について a 記載Ⅰ-①(Ⅱ-①)について同記載部分は,被告Aが,「反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっている」との虚偽の情報を流布する発言をしたという事実を摘示するものであると認められる。当該情報が虚偽であるか否かは証拠等をもってその存否を決することが可能であるからである。 b 記載Ⅰ-②(Ⅱ-②)について同記載部分は,被告Aが,「高江の現場では記者が拘束されてしまうので取材ができない」との虚偽の情報を流布する発言をしたという事実を摘示するものであると認められる。一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として,当該部分の前後の文脈(記載Ⅰ-①や「御 社の一連の記事は,高江の現場に立ち入ることなく,また, したという事実を摘示するものであると認められる。一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として,当該部分の前後の文脈(記載Ⅰ-①や「御 社の一連の記事は,高江の現場に立ち入ることなく,また,反対運動の参加者への取材をすることなく書かれたものと解釈するほかなくなります」の部分。後者は実際には取材をしたうえで記事を書いているはずであるということを前提とする記述であり,裏を返せば,実際には取材が行われているのであるから,被告Aの発言として引用された 部分が虚偽であることを修辞的に表現しているものと解される。)に徴するならば,上記発言内容が虚偽の情報であることを暗に示しているものと解されるうえに,当該情報が虚偽であるか否かは証拠等をもってその存否を決することが可能であるからである。 平成30年7月20日記者会見における原告の発言Ⅰ-③について 同発言中の「デマを流し続けた」という表現部分が事実の摘示か論評かについて検討するに,一般に,「デマ」とは虚偽の情報を意図的に流布することを意味するところ,同日の記者会見における原告の発言からは,「デマ」の内容が明示的に示されてはいないものの,上記の抗議文は,上記記者会見の当時も,Bのウェブサイトに掲載され,一般の閲 覧者にとって閲覧可能な状態にあり,その中で上記のとおり被告Aが 「反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっている」との虚偽の情報を流布する発言をしたという事実が摘示されていることや,同日の記者会見に原告代理人弁護士として同席したC弁護士が,原告と同様に「デマ」という言葉を用いて,被告Aが「デマを広めた」という表現をし,同被告が(高江の)現場にマスコミでさえ近づけない状況だと盛 んに煽った旨の説明を補足していることからすると,上記の「デ 様に「デマ」という言葉を用いて,被告Aが「デマを広めた」という表現をし,同被告が(高江の)現場にマスコミでさえ近づけない状況だと盛 んに煽った旨の説明を補足していることからすると,上記の「デマを流した」の意味内容としては,被告Aが,「反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっている」との虚偽の情報を流布する発言をしたということであると解される。そして,当該情報が虚偽であるか否かは証拠等をもってその存否を決することが可能であるから,上記表現部分は 事実を摘示するものであると認められる。 平成30年7月20日記者会見における原告発言Ⅰ-④について同発言は,「お菓子屋さんが,自分のとこの社員が毒菓子を出して,それでもそのまま円満退社させるようなことはないんです。」というものであるところ,同じ記者会見の場において,原告の発言Ⅰ-③のとお り,ジャーナリストという職業でありながら「デマを流し続けた」被告Aを雇用主である新聞社が処分せずに退職させたことを批判していることに照らすと,上記発言部分は,雇用主である新聞社を「お菓子屋さん」,被告Aをその「社員」に喩え,上記の虚偽の情報を「毒菓子」と比喩的に表現したものと解される。 したがって,同発言部分は,被告Aが,「反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっている」との虚偽の情報を流布する発言をしたという事実を摘示するものであると認められる。 ウ平成30年3月8日,同年7月20日及び同月31日の記者会見におけるC弁護士の発言について 一般に,弁護士は,受任事件に関して記者会見をするような場合には, かかる記者会見を行うか否か,その場における発言をどのようにするかなど,法律専門家である弁護士の職責に照らして,独自の判断に基づき適 護士は,受任事件に関して記者会見をするような場合には, かかる記者会見を行うか否か,その場における発言をどのようにするかなど,法律専門家である弁護士の職責に照らして,独自の判断に基づき適切に対応することが要請されるものであるから,依頼者としては,弁護士に対し意図的に虚偽の情報を提供するなどして弁護士の判断を誤らせたなどの特段の事情がない限り,弁護士の行為について不法行為責任を負わない ものと解されるのであり,このことは,弁護士の記者会見の席に依頼者が同席しており,依頼者が弁護士の発言を認識し,また認識したうえで自らが発言を行っている場合にも同様であると解される。 これを本件についてみると,C弁護士は,上記各記者会見の場で,記者からの被告Aを本訴の被告に据えた理由を尋ねる質問等に対し,自身の判 断において,別紙3記載Ⅱ-③ないし⑥の各発言を行ったものと認められ(丙19,20,22,33,証人C弁護士),上記の特段の事情は認められない。 したがって,C弁護士の上記各発言につき,その不法行為該当性について判断するまでもなく,原告が共同不法行為者としての責任を負うもので はない。 エ社会的評価の低下について中日新聞社宛て抗議文(丙12)について上記前提事実ウのとおり,上記抗議文は,原告が,被告Aの雇用者である中日新聞社に対して提出されたばかりでなく,Bのウェブサイト で公表されたのであり,同文書の内容は,不特定又は多数の者が閲覧可能な状態に置かれたことが認められる。 そして,ジャーナリストは真実を報道することに信頼の基礎があることに鑑みると,上記抗議文が,ジャーナリストである被告Aについて,「反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっている」との虚偽 の情報を流布する発言をし を報道することに信頼の基礎があることに鑑みると,上記抗議文が,ジャーナリストである被告Aについて,「反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっている」との虚偽 の情報を流布する発言をしたという事実及び「高江の現場では記者が拘 束されてしまうので取材ができない」との虚偽の情報を流布する発言をしたという事実を摘示したことは,いずれも被告Aの社会的評価を低下させるものであると認められる。 平成30年7月20日記者会見における原告の発言Ⅰ-③④について原告が上記各発言部分において,ジャーナリストである被告Aについ て,「反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっている」との虚偽の情報を流布する発言をしたという事実を摘示したことにより,被告Aの社会的評価が低下するものと認められることは,上記と同様である。 オ違法性阻却事由(対抗言論の法理)について 自己の正当な利益を擁護するためやむを得ず他人の名誉,信用を毀損するような言動をした場合,かかる行為は,その他人の言動に対比して,その方法,内容において適当と認められる限度を超えない限り,先行する言論に対抗する正当な言論の行使として許容される範囲内にある表現行為であると解するのが相当であって,違法性が阻却されるというべき である(最高裁昭和34年(オ)第1019号同38年4月16日第三小法廷判決・民集17巻3号476頁参照)。 これを本件についてみると,原告は,地上波放送のテレビジョンで2回にわたり放送された本件各番組において,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為がさ れることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているという事実を摘示されてその名誉を毀損され,重大な損 厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為がさ れることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているという事実を摘示されてその名誉を毀損され,重大な損害を被ったものである。上記抗議文の内容(丙12)や,上記記者会見が「「ニュース女子」TOKYOMXが原告共同代表に謝罪」との題名で開催されたものであって(上記前提事実オ),原告が本件各番組を放送したテレ ビ局が原告に謝罪したことを公表し,もって上記のとおり毀損された名 誉を回復することをも内容とするものであることに照らせば,上記抗議文の公表及び原告の上記各発言は,上記摘示事実が真実ではないことを社会に訴える目的で行われたことが認められる。また,被告Aは,本件番組2に司会者として出演した場において,「是非あのトンネルの向こう側に行って頂いて,もうボカスカ殴られるんであってもなんでもとに かくね,やって,あのトンネルの向こう側を見たかったな。」と発言しているところ,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方を基準として,本件番組2における上記発言部分の直前の番組出演者Dの発言(私が二見のトンネルの手前で引き返したと。そこから30分ほど行ったところに実は高江のヘリパッド基地があるんですけども。なぜそこに行けなか ったかというと,やっぱりいろんな人から「やめなさい」と。)やテロップ(現地の被害者から「今は危険過ぎるから行くな!」と言われて引き返したそのトンネルの向こう側)等(上記前提事実イ)を考慮すると,被告Aの上記発言は,「二見トンネルの向こう側の高江の現場付近では,反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るうため身の危険 があるから近づけず,取材ができない」という事実を,上記発言の叙述の前提として黙示的に摘 見トンネルの向こう側の高江の現場付近では,反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るうため身の危険 があるから近づけず,取材ができない」という事実を,上記発言の叙述の前提として黙示的に摘示するものと理解されるのであり,そうすると,同発言によって摘示されている事実は,本件各番組における摘示事実すなわち「原告が,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為がされることを認識・認容した 上で,経済的支援を含め,これを煽っている」という事実との間で,原告に支援されて「反対運動に従事する者たちが暴力や犯罪行為を行っている」という主要な部分において重なり合っていることになる。しかるところ,本件各番組における上記摘示事実については,真実性の証明がなく,これにより原告の名誉が違法に侵害されたことは上記1で説示し たとおりであるから,本件各番組における上記事実の摘示によって名誉 を違法に侵害された原告とすれば,これと関連する被告Aの上記発言に対して上記のとおり反論することは,自己の名誉の回復という正当な利益を擁護するためやむを得なかったということができる。 被告Aは,本件各番組の制作等に関与してはおらず,原告に対する名誉毀損に関して不法行為責任を負わないことは上記2で説示したとおり であるが,一般の視聴者からみれば同被告は本件各番組の司会者として番組の進行上中心的な役割を果たしており,しかも同被告の上記発言が本件各番組の摘示事実と主要な部分で重なり合っていることに鑑みれば,原告が上記の目的で上記抗議文を公表するとともに上記各発言を行ったことは,その方法,内容において適当と認められる限度を超えるものと はいえない(なお,「社員が毒菓子を出し」という修辞的表現を用いた 上記の目的で上記抗議文を公表するとともに上記各発言を行ったことは,その方法,内容において適当と認められる限度を超えるものと はいえない(なお,「社員が毒菓子を出し」という修辞的表現を用いたことは,人身攻撃には当たらない。)。 したがって,原告による上記抗議文の公表及び上記各発言は,自己の正当な利益を擁護する目的のためやむを得ず行ったものであるうえ,その方法,内容において適当と認められる限度を超えるものではないから, 先行する言論に対抗する正当な言論の行使として許容される範囲内にある表現行為であると解するのが相当であって,違法性が阻却され,不法行為は成立しないというべきである。 ⑶ 本訴提起及びその前後の2度の記者会見について上記⑴及びのとおり,原告の被告Aに対する本訴提起は,裁判制度の趣 旨目的に照らして著しく相当性を欠くとは認められないうえ,平成30年7月20日及び同月31日の2度の記者会見における原告及びC弁護士の各発言につき,原告の被告Aに対する名誉毀損に係る不法行為は成立しないこと,本訴提起及び2度の記者会見に関し,被告Aが新聞社を円満退社したことへの腹いせ,反ヘイト等の活動に不都合な言論の抑圧,被告Aを言論の場から 徹底的に排除することなどを目的として原告が行ったことを認めるに足りる 的確な証拠がないことに照らすと,本訴提起及び上記の2度の記者会見を総合しても,それらが著しく相当性を欠き,不法行為を構成するとはいえない。 ⑷ 過度に執拗な抗議活動について被告Aは,原告が平成29年1月31日に抗議文を提出したこと,被告Aに対する本訴提起のほか,平成30年3月8日,同年7月20日及び同月3 1日の記者会見における原告やC弁護士の発言等を挙げて,上記一連の抗議活動が被告Aに 月31日に抗議文を提出したこと,被告Aに対する本訴提起のほか,平成30年3月8日,同年7月20日及び同月3 1日の記者会見における原告やC弁護士の発言等を挙げて,上記一連の抗議活動が被告Aに対して徹底的な個人攻撃及び批判を加え,ジャーナリストとしての社会的生命を抹殺する目的で行われた旨主張するが,上記⑴及びのとおり,本訴提起及び上記の3度の記者会見を個別に検討しても原告の被告Aに対する不法行為を構成せず,また,上記の一連の行為が被告Aに対して 徹底的な個人攻撃及び批判を加え,ジャーナリストとしての社会的生命を抹殺することを目的としていることを認めるに足りる的確な証拠がないことに照らすと,上記一連の行為を総合しても,原告に被告Aに対する不法行為が成立する余地はないというべきである。 したがって,被告Aの上記主張は採用することができない。 ⑸ 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,被告Aの反訴請求は理由がない。 第4 結論よって,原告の被告DHCに対する本訴請求は,主文掲記の限度で理由があるからこれを認容し,同被告に対するその余の本訴請求及び被告Aに 対する本訴請求はいずれも理由がないから棄却し,被告Aの反訴請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第5部 裁判長裁判官大嶋洋志 裁判官齊藤学 裁判官上村江里子 別紙謝罪文目録3 1 掲載場所被告DHCの開設するウェブサ 別紙謝罪文目録3 1 掲載場所被告DHCの開設するウェブサイト「DHCテレビ」(https://dhctv.jp/)のうち,「「ニュース女子」#91」及び「「ニュース女子」 #92」の動画を送信しているページ(https://dhctv.jp/movie/100690/,https://dhctv.jp/movie/100691/) 2 謝罪文の内容 ㈠タイトルご報告とお詫び㈡本文当社が2017年(平成29年)1月2日及び同月9日に「TOKYOMX」を通じて放映し,その後,当ウェブサイトで送信してきた本番組 「「ニュース女子」#91」及び「「ニュース女子」#92」は,沖縄における基地反対運動において,あたかも原告が,暴力も犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において暴力や犯罪行為がされることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っているかのような,事実と異なる内容を有するものでした。 当社は,上記各番組の放映により,原告の名誉を毀損したことを認め,原告に対し深くお詫び致します。 年月日株式会社DHCテレビジョン 代表取締役 ○○○○(謝罪広告掲載時の代表取締役) 3 掲載条件㈠ 2㈠のタイトルの文字は,掲載ページの番組タイトル「「ニュース女子」#91」及び「「ニュース女子」#92」と同じ大きさ。ゴシック体。 ㈡ 2㈡の本文の文字は,掲載ページの「番組説明」及び「出演者」という文字 と同じ大きさ。明 の番組タイトル「「ニュース女子」#91」及び「「ニュース女子」#92」と同じ大きさ。ゴシック体。 ㈡ 2㈡の本文の文字は,掲載ページの「番組説明」及び「出演者」という文字 と同じ大きさ。明朝体。 ㈢この謝罪文は,被告DHCが「DHCテレビ」において「「ニュース女子」#91」及び「「ニュース女子」#92」の動画のいずれかを公表している限り削除及び改変をしてはならない。 発言・記載番号該当部分発言及び記載の内容摘示事実摘示事実に関する原告の主張摘示事実に関する被告らの主張被告らの抗弁抗弁に対する原告の主張①番組1VTR冒頭でDが,「高江ヘリパッドの建設現場で過激な反対運動が行われている」ことから取材に来た,と取材の趣旨を述べている。 本件番組1は,原告が,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動に関し,同反対運動において,暴力や犯罪行為がされることを認識・認容した上で,経済的支援を含め,これを煽っている事実を摘示するものである。 本取材は,高江ヘリパッドの建設現場の反対運動が「過激」であることを所与の前提としてそれを確認しに来た,というのであり,かかる冒頭の発言により,高江ヘリパッドの建設現場の反対運動が尋常なものではないという印象が視聴者に与えられる。 Dは,「高江ヘリパッドの建設現場で,過激な反対運動が行われている」と反対運動の中に過激な反対運動がある事実を発言しているにすぎないが,これをとらえて,原告は,無理矢理に「反対運動が『過激』であることを所与の前提」としているなどとこじつけている。反対運動の「一部」が過激であることを前提としていることは明らかであり,反対運動(全体)の過激性を所与の前提としていない。 原告との関係で何らの事実を摘示するも 」としているなどとこじつけている。反対運動の「一部」が過激であることを前提としていることは明らかであり,反対運動(全体)の過激性を所与の前提としていない。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく無関係である。 ②番組1VTRDがデモの現場に遭遇したとされる場面で,「Dさん,このまま突っ込んで襲撃されないんですか?」とのナレーションが挿入される。 かかるナレーションは,デモをしている者が安易に集団で暴行を働くものであるかのような印象を与える。 該当部分の少し前「いきなりデモ発見」というナレーション後の映像と併せてみれば,不穏な空気や態度があったのが反対派の一部に限られること,一般視聴者はそのように見ることは明らかである。 「デモをしている者が安易に集団で暴行を働く者であるかのような印象」は全く与えられない。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく無関係である。 ③番組1VTRDは普天間基地前において,「この辺の反対運動の人たちがどうやら高江のヘリパッド建設地の方に集中投入されているということで…」と述べる。 そしてDのこの発言とともに,画面下部には「基地の外の反対運動の活動家たちが高江ヘリパッド移設反対デモに集中投入!?」というテロップが表示される。 かかるD発言とテロップにより,基地の反対運動につき,誰かが操って差配をしているかのような印象を視聴者に与えている。 VTRを見れば,Dの発言及び画面下部のテロップ表示は,単に,普天間基地で反対運動をしていた多くの人が同所にいなくなっている理由を説明する文脈で使われているだけであることは明白である。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく無関係である。 仮に原告の主張するように操って差配する者を想定するととらえても,その主体が個人 明する文脈で使われているだけであることは明白である。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく無関係である。 仮に原告の主張するように操って差配する者を想定するととらえても,その主体が個人か組織かは予定されていない。 ④番組1VTRDは名護市のキャンプシュワブに移動し,基地反対運動としてキャンプシュワブ前にいる人について「うわー。定年を過ぎたような人たちばっかりですよ。」と言い,それに続けて番組のナレーションが「そう,反対派の過激デモを支えるのが彼ら『シルバー部隊』,万一逮捕されても生活に影響が少ない65歳以上のお年寄りを集め,過激デモ活動に従事させているという。」と挿入され,その音声に合わせて画面下部に「過激派デモの武闘派集団『シルバー部隊』」「逮捕されても生活の影響もない65~75歳を集めた集団」というテロップが表示される。 まず,上記ナレーションは,反対派のデモに対し,枕詞のように「過激」という言葉を付けて反対派の運動を過激であると決めつけている。 さらにテロップは,反対派を「過激派」呼ばわりし,さらに何の根拠も示さないまま反対派の人たちを「武闘派集団」と規定している。 つまりテロップは,反対派の人たちの行動を単に「過激」だと形容しているのではなく,反対派の人たちを「過激派」「武闘派集団」と表示しているのであり,これは反対派の人たちにつき,犯罪行為を厭わないような人々であるかの印象を与えるものである。 反対派を過激派としているのではなく,反対派の中には「過激」と評価されてもやむを得ない行動をとる者もあることを表現しているにすぎない。一般視聴者においても,過激な反対運動をする人々がいると判断するだけである。 いずれにせよ,原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく無関係である。 別紙1 ることを表現しているにすぎない。一般視聴者においても,過激な反対運動をする人々がいると判断するだけである。 いずれにせよ,原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく無関係である。 別紙1主張整理表本訴(名誉毀損)⑴ 本件番組1は,VTR部分で「過激な反対運動」を取り上げた上でそのような犯罪行為を繰り返すからくりとして,原告による支援の存在を指摘しているのであるから,本件番組1のVTR部分において取り上げられた過激な反対運動自体に対して原告の関与があることを主張立証しなければならない。しかるところ,被告DHCは,本件番組1で放映された内容とは関係のない行為について主張立証しているにすぎず,真実性・相当性の立証として不十分である。 被告は,原告が道路封鎖を求める発言をしているとするが,原告の発言は,いずれも本件摘示事実の真実性・相当性を基礎づけるものではない。また,原告の犯罪行為を煽る行為の結果として,本件番組1のVTRで取り上げられている過激な反対運動がなされていることが立証されなければ,本件摘示事実の真実性・相当性の主張立証として不十分である。 ⑵ 仮に原告が,反対運動の現場で逮捕されたFを支援し,G’(G)を集会に呼ぶことに関与したり,Fを支援する言葉を述べたりしたとしても,原告が本件番組1で取り上げられている暴力行為等を煽り支援していることにはならない。 Bが沖縄への往復の飛行機代相当額5万円の支援をした事実は認めるが,当該金員が犯罪行為のための支援であるということまで立証する必要があるが,これがなされていない。 本件番組1は,原告が暴力行為を煽っているとの事実を摘示しているのであるから,原告集会で「車を止めろ」「座って止まって嫌がらせをして捕まってください」と発言しているからといって,真実性・相当性の立証に 番組1は,原告が暴力行為を煽っているとの事実を摘示しているのであるから,原告集会で「車を止めろ」「座って止まって嫌がらせをして捕まってください」と発言しているからといって,真実性・相当性の立証にはならない。 真実性・相当性の抗弁⑴ 沖縄の高江ヘリパッド移設に関する反対運動が,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動であること反対運動に従事する者が,沖縄防衛局職員に対しては暴行及び逮捕監禁行為を行い,また,機動隊員や防衛省の職員に対しては暴行,逮捕監禁,窃盗行為を行い,警察官に対しても脅迫行為が頻繁に行われている。特に,沖縄防衛局職員や警察関係者ら及びその家族の顔を公道やインターネットで公開すると告知する脅迫行為は,同人及びその家族の穏やかな社会生活を脅かすものである。 高江において,反対運動に従事する者が道路全面を封鎖したり,公道上の車両を停車させて前方への進行を妨げUターンさせる行為,国頭郡東村宮城福上湖出水口において,権限を有しない一般市民が通行中の車両を県道上で一時停車させる私的検問行為は,自動車の往来を妨害する行為であり,往来妨害罪を構成する。 これらの危険かつ違法な抗議活動は連日行われており,高江住民の日常生活にも大きな影響が生じて不満,批判が出ている。 上記のように多数人により犯罪行為が行われているという態様からして,犯罪行為が組織的に行われていることは明らかである。そして,Fの指示に従って反対派の人々が動き,犯罪行為を行っているのであるから,Fが主導的な立場を担っていたことも明白である。また,反対運動において,明らかに犯罪行為が行われているにもかかわらず,現場にいる反対運動の参加者は,これを止めることなく黙認し,あるいは犯罪行為の結果を前提として行動することで犯罪行為を許容する行動をとっている。 原告は,高江の県道 行為が行われているにもかかわらず,現場にいる反対運動の参加者は,これを止めることなく黙認し,あるいは犯罪行為の結果を前提として行動することで犯罪行為を許容する行動をとっている。 原告は,高江の県道を走行する車両を止めるような反対運動の実施を承認し,推奨しているが,車両の停止行為は往来妨害罪ないし道交法に違反する犯罪行為であって,これら犯罪行為を行うことを目的に集まった者たちにより構成される反対運動集団は,犯罪行為を行うことを厭わない者たちである。 したがって,沖縄の高江ヘリパッド移設に関する反対運動は,暴力や犯罪行為も厭わない者たちによる反対運動であるといえる。 ⑵ 経済的な支援を含め,原告が反対運動を煽っている事実上述のとおり,原告は,往来妨害罪ないし道交法違反に該当する道路封鎖を煽る行為を行っており,犯罪行為を煽る行為を行っている。 原告が代表を務めるBは,上記のような犯罪行為の主導的立場にあったFが逮捕されたことにつき,Twitter上で不当逮捕との書き込みを行っている。また,抗議活動中に防衛省職員にけがを負わせ,傷害と公務執行妨害で逮捕されたG’(G)を報告者として招き報告会を行わせ,Facebookにおいて不当逮捕などとの書き込みを行っている。Fは上述のとおり高江における反対運動で明らかな犯罪行為を多数行っている人物である。また,G’(G)も,F同様,傷害の罪で逮捕され,平成30年3月14日に懲役1年6月,執行猶予3年の判決が下されている。このような犯罪行為を厭わない人物を招き,また同人らを国家権力が逮捕することに対して抗議するような行動は,犯罪行為を厭わない反対運動を組織として許容,肯定するものであり,Bとしての行動として容認,追認することに他ならない。 このような状況下で,原告がBの共同代表にあることに加え,集会において,より 動は,犯罪行為を厭わない反対運動を組織として許容,肯定するものであり,Bとしての行動として容認,追認することに他ならない。 このような状況下で,原告がBの共同代表にあることに加え,集会において,より一層反対運動に従事する必要があることを述べ,自ら道路封鎖行為等の犯罪行為をあっせんする発言をし,犯罪行為に従事する人としてGを積極的に招き入れ,Fの活動を支持する発言をすることは,犯罪行為を煽る行為であるといえる。 さらに,Bは,往復の飛行機代相当5万円を支援するとして,反対運動に従事する者を募集しているところ,これは反対運動を煽る行為であり,同団体の共同代表を務める原告についても同様である。 ⑶ 原告が,反対運動において,暴力や犯罪行為がされることを認識認容していた事実原告は,犯罪行為を構成することが明らかな道路封鎖行為を煽る発言を行っている。また,上記⑵記載のとおり,犯罪行為を厭わない人物を招き,同人らを捜査機関が逮捕することに対して抗議するような行動はBとして犯罪行為を厭わない反対運動を組織として容認,追認するものであるから,同団体の共同代表を務める原告も,反対運動において犯罪行為が行われることを認識認容していたといえる。 また,Fが沖縄防衛局職員に対して多数の暴行を行っていたことは明白であり,Fと親交がある原告はFの行状を把握しているはずであるところ,原告がFのそばに人を送ってもらいたいなどの発言をすることは,反対運動において,犯罪行為がされることを認識認容していたことを示すものである。 ⑤番組1VTRDは,キャンプシュワブ前から二見杉田トンネルの手前に移る。Dから,そのトンネルをくぐっていくと高江ヘリパッドの建設現場に至る旨の説明がなされた後,「高江に向かっているロケの途中,地元関係者から,高江ヘリパッド建設現場が緊 杉田トンネルの手前に移る。Dから,そのトンネルをくぐっていくと高江ヘリパッドの建設現場に至る旨の説明がなされた後,「高江に向かっているロケの途中,地元関係者から,高江ヘリパッド建設現場が緊迫してトラブルに巻き込まれる可能性があるので,今回の撮影を中止すべきだとの要請があり,残念だがDさんにはロケを断念してもらうことに。」とのナレーションが流れ,その後さらに,「反対派の暴力行為により,地元の住民でさえ高江に近寄れない状況。」とのナレーションも挿入される。そしてこのナレーションの際,画面下部に「反対派の暴力行為により高江ヘリパッドに近寄れない」とのテロップが表示される。 かかるナレーションとテロップにより,高江のヘリパッド建設に反対する者が暴力を行使する者たちであり,かつその暴力の危険性は地元の住民さえ近寄れないほどであるという印象が視聴者に植えつけられる。 原告の主張は編集されており,実際の放送は甲3の1,乙1のとおりである。 映像とDの説明内容を併せて聞けば,視聴者においてはDが高江に行けなかった理由が説明されているものだと理解するのであって,高江のヘリパッド建設に反対する者がどのような人々であるかが描かれたものであるとは理解しない。 いずれにせよ,原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑥番組1VTRさらにその後,ナレーションが「警察でも手に負えない高江ヘリパッド反対デモ運動。地元の人も泣き寝入りするこの状態。」とたたみ込み,そのナレーションと同時に画面下部に「警察も手に負えない高江ヘリパッド移設反対デモ運動。」とのテロップが表示される。 かかるナレーションとテロップは,高江ヘリパッドの移設に反対するデモ運動が,警察でも手に負えないほど危険なものであるとの印象を視 い高江ヘリパッド移設反対デモ運動。」とのテロップが表示される。 かかるナレーションとテロップは,高江ヘリパッドの移設に反対するデモ運動が,警察でも手に負えないほど危険なものであるとの印象を視聴者に与えるものである。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑦番組1VTR「高江ヘリパッド反対デモ運動」について,「地元に住んでいる…人」である依田啓示へのインタビューを流した後,依田の説明を聞いたDが「テロリストみたい。」と言い,その発言に合わせて画面下に「テロリストみたい」と表示される。この表示の「テロリスト」という文字部分は赤色で強調されている。 そしてDのこの「テロリストみたい」との発言に対してNも「もう僕はテロリストだって言っても全然大げさじゃないと思います。」と同調し,そのNの発言に合わせて画面下に「僕はテロリストと言っても全然大げさじゃないと思います」とのテロップが表示され,この表示の「テロリスト」という文字部分も赤色で強調されている。 このやり取りとテロップにより,視聴者は,高江ヘリパッドの移設に反対する活動をしている人々について,手段を選ばずに暴力に及ぶ人たちであるかのような印象を植え付けられる。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑧番組1VTR「なぜ,後先考えず犯罪行為を繰り返すのか。」とのナレーションが入り,それに合わせて「なぜ犯罪行為を犯すのだろうか?」とのテロップが表示される。 高江ヘリパッド移設の反対運動をしている人々につき,「後先考えず犯罪行為を繰り返す」人たちであると言い,もって,それらの人々につき,単なる犯罪者呼ばわりを超えて,「後先考えず」に犯罪を「繰り返す」人である,と極めて危険な人々であることが視聴者 「後先考えず犯罪行為を繰り返す」人たちであると言い,もって,それらの人々につき,単なる犯罪者呼ばわりを超えて,「後先考えず」に犯罪を「繰り返す」人である,と極めて危険な人々であることが視聴者に刷り込まれる。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑨番組1VTR“なぜ犯罪行為を繰り返すのか?”の疑問に対し,「その裏には信じられないからくりがあった。」とのナレーションが続き,同時に「そこには報道されない真実が!!」とのテロップが表示される。 つまり,反対運動をする人々が犯罪行為を繰り返す理由として,「からくり」つまり意図的に作られた仕組みがあり,かつ,その仕組みは,これまで報道されてこなかったけれども「真実」である,ということが述べられ,次のやり取りに移る。 反対運動をしている人々が「後先考えず犯罪行為を繰り返」していることを所与の前提として,そのような犯罪行為の反復が,次の項目で示されているような「からくり」によって実現されている,としている。 原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 「からくり」以降は,単にこのような反対デモに参加する人たちに資金的な支援をしている組織の可能性があることを示唆し,その仕組みをからくりと評価したものである。 ⑩番組1VTR原告が共同代表を務める「B」がその開催に関与した「ホットケナイ,高江。 ないちゃ~大作戦会議!全員集合016年9月9日」と題する集会のチラシを,Dが,「東京で配られていたんです」と言いながら示し,そのチラシに「往復の飛行機代相当,5万円を支援します」と記載されている点を取り上げ,Dが「びっくりしたのが,5万円あげますって書いてあるんです。」という。 そして,「2万」と書かれた茶封筒に のチラシに「往復の飛行機代相当,5万円を支援します」と記載されている点を取り上げ,Dが「びっくりしたのが,5万円あげますって書いてあるんです。」という。 そして,「2万」と書かれた茶封筒に関する話をDが取り上げた後,ナレーションが「これが事実なら,反対派デモの人たちは何らかの組織に雇われているのか。」と受け,同時に画面上に「反対派の人たちは雇われている!?」とのテロップが表示される。 この部分は,反対運動をしている人々が「後先考えず犯罪行為を繰り返」している原因として,このチラシの作成主が「5万円」を「あげます」と言って東京から人を送り込んでいるという「からくり」があったというのが「真実」だという作りになっている。 (なお,このチラシの作成主が「B」であることは,のちにスタジオ収録部分で明らかにされる)原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 「からくり」以降は,単にこのような反対デモに参加する人たちに資金的な支援をしている組織の可能性があることを示唆し,その仕組みをからくりと評価したものである。 ⑪番組1スタジオ収録部分JがDに対し,「この過激な活動をしている奴らのうち,沖縄の地元の人の割合は,どれくらいいると思いますか」といった際,テロップとして,「反対運動に沖縄県民は何割いるのか?」という表示がなされる。 高江ヘリパッド移設への反対運動をしている人々をイコール「過激な行動をしている奴ら」だと思い込み決めつけている。 「過激な活動をしている奴ら」とのJの発言に対して「反対運動」という言葉があてられている事実はない。 いずれにせよ,原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑫番組1スタジオ収録部分JとDのやり取りの後,Eが,「そういう意味では,D 言葉があてられている事実はない。 いずれにせよ,原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑫番組1スタジオ収録部分JとDのやり取りの後,Eが,「そういう意味では,Dさんがさっき取材してくれた,この情報っていうのは貴重だなと思ったのは,『B』の原告さんの名前が書かれたパンフレットがあったじゃないですか。」と,VTR部分で取り上げた「ホットケナイ,高江。ないちゃ~大作戦会議!全員集合 2016年9月9日」と題する集会のチラシに関わっている者として,「B」及び原告の名前を明示し,続けて原告につき,「この方々っていうのはもともとは,反原発,そしてそれに続いて反ヘイトスピーチ,そしてもう職業的にずーっとやってきて,今沖縄行っていると。」と述べ,そしてこのE発言の間,画面には,「『B』“原告”は何者?」「反原発,反ヘイトスピーチ,基地建設反対など…職業的に行っている?」とのテロップが表示された。 原告の名前を明示して原告が沖縄基地の反対運動に関わっていることが指摘されている。 Eは,「Bの原告さんの名前が書かれたパンフレットがあったじゃないですか。」と原告の名前が記載されたパンフレットないしチラシがあったことを指摘しているだけである。また,「B原告は何者?」とのテロップは,原告が何者か疑問を呈しているに過ぎない。 ⑬番組1スタジオ収録部分上記チラシに記載されていた「5万円」につき,Kから「あの交通費5万円は,財源はどこなんですか。」とその財源を問う質問がなされ,続いて,CMに切り替わる前にCM後の内容を予告する映像として,被告Aの「これは誰が出しているの。」との発言と,それに対するDの「これ本当にわからないんですよ。だからね,これ,『B』というところに,まあこれ書いてあって。 CM後の内容を予告する映像として,被告Aの「これは誰が出しているの。」との発言と,それに対するDの「これ本当にわからないんですよ。だからね,これ,『B』というところに,まあこれ書いてあって。で,お茶の水でやっているわけですよね。」との発言が挿入され,その被告AとDの発言の間,画面には「沖縄・高江ヘリパッド問題」「反対運動を煽動する黒幕の正体は?」とのテロップが表示される。 5万円の支援をしている者が,高江ヘリパッド移設反対運動を「煽動」する「黒幕」であると摘示されている。「煽動」という文言も「黒幕」という文言も,一般に,悪い行いに関して用いられる用語であり,要するにこのテロップは,5万円の支援をしている者が,“警察も手に負えないような過激な暴力行為や犯罪行為に及んでいる基地反対運動”を煽っている者だと言っているにほかならない。 Kの言う「交通費5万円」の話はほかならぬBのチラシの話であり,かつ,そのあとのスタジオトークでも,B及び原告以外に財源があるかのような話は一切出てきていないのであり,かかる放送内容を一般視聴者が見れば,この「黒幕」はB及び原告を指すものとしか受け止められない。 このテロップは,交通費5万円の財源に対して,背後にいるのは誰だろう,という疑問を提示しただけにすぎず,特に「黒幕」が誰であるかを暗示しているわけではないし,暗示しているようにも見えない。 なお,Bが支給するという5万円についての財源についてどこが出しているのか疑問を呈しているのであるから,仮に「黒幕」に意味を持たせようと考えたとしても,財源はBでないことを前提とした質問であるから,少なくとも「黒幕」がBではありえないことは明白である。いずれにしても,原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑭ ,財源はBでないことを前提とした質問であるから,少なくとも「黒幕」がBではありえないことは明白である。いずれにしても,原告との関係で何らの事実を摘示するものではなく,無関係である。 ⑭番組1スタジオ収録部分CM後,前記項目で予告された,チラシ記載の「5万円」の問題につき,以下のようなやり取りがなされる。 ○被告A:でも,ちょっと聞きたいのは,お金ですよ。5万円日当出すなんて。これは誰が出しているの。 ○D:これ,本当にわからないんですよ。だからね,これ「B」というところに,まあこれ書いてあって。 で,連合会館で,お茶の水でやっているわけですよね,これ。お茶の水でやっているの。だから,東京から,そういう反対派の人たち,さあ一緒にみんなおいでよ5万円あげるからと。いうことで,まあ格安の,格安のチケットで行けば,そりゃ行けますよね。 ○E:この原告さんっていうのは,あれなんですよ。在日韓国・朝鮮人の差別ということに関して戦ってきた中では,カリスマなんですよ。もうピカイチなんですよ。お金がガンガンガンガン集まってくるっていう状況があるんですね。 「5万円」の財源については,Bが「5万円あげる」と言っている旨がDから示され,更にその5万円の大元の財源につき,原告に「ガンガンガンガン集まってくる」金員があってそれが財源となっている旨をEが述べる形となっている。 かくして原告は,“警察も手に負えないような過激な暴力行為や犯罪行為に及んでいる基地反対運動”を,自分に「ガンガンガンガン集まってくる」お金を財源にして経済的にも支援していると名指しで摘示された。 被告A,D,Eの発言についてのみ認め,その余は否認ないし争う。 原告の主張するようには読み取れない。 ⑮番組1スタジオ収録部分反対運動の現場について にも支援していると名指しで摘示された。 被告A,D,Eの発言についてのみ認め,その余は否認ないし争う。 原告の主張するようには読み取れない。 ⑮番組1スタジオ収録部分反対運動の現場については,Jから「無法地帯」という言葉が2度も使われている。 Jは,反対運動の現場につき,何の留保もせずに「無法地帯」と何度も言っており,そしてその他の出演者も司会者の被告Aもそのような言葉遣いについて特段何の異論も違和感も差し挟んでいないのであって,かかる映像により,一般視聴者は,反対運動の現場につき,「無法地帯」であった旨の印象が植え付けられる。 Jが無法地帯という言葉を使用したことは認めるが,本件請求と全く関連性がなく,原告との関係で何らの事実を摘示するものではない。 一般視聴者も過激な反対運動が行われている現場については「無法地帯」と評されるような印象を持つかもしれないが,原告が主張するようにすべての反対運動の現場につき,「無法地帯」であった旨の印象が植え付けられることはない。 ⑯番組2原告が共同代表を務める「B」を名指しした上で,同団体から高江ヘリパッド移設反対運動に経済的支援がなされている旨が出演者のスタジオトークで述べられ,その後,Dが,公安調査庁発行に係る2015(平成27)年版の「内外情勢の回顧と展望」という冊子の記載の一部を朗読した上で,DとEとが,D:中国が,中国がこういう米軍反対基地反対運動の人たちに接触していると,要するに近づいているということが,もう既に公安のこの分析の中にもあるんです。 E:この公安調査庁というのは法務省の外局ですからね,要するに日本のお役所が,今Dさんが言ったことを正式に認めてるってことですよ。 というやり取りを行った。 本件番組2は,原告につき,犯罪行為も厭わぬ 公安調査庁というのは法務省の外局ですからね,要するに日本のお役所が,今Dさんが言ったことを正式に認めてるってことですよ。 というやり取りを行った。 本件番組2は,原告につき,犯罪行為も厭わぬ過激な集団の活動を煽り,かつ経済的に支援する者であるとの事実摘示をした本件番組1と相まって,その原告が扇動・支援している対象が危険な者たちである旨を改めて強調するものであり,原告の社会的評価を一層低下させるものである。 中国と「米軍基地反対運動の人たち」との関係を公安調査庁が注視している旨を指摘している。 公安調査庁は,「破壊活動防止法」及び「無差別大量殺人を行った団体の規制に関する法律」に基づいて,「破壊的団体」や「無差別大量殺人行為を行った団体」の規制に関する調査等を任務とする庁であり(公安調査庁設置法3条),公安調査庁が注視している旨を指摘することは,当該団体が破防法上の「暴力主義的破壊活動」を行うような危険な団体であることを指摘しているに等しい。 ⑰番組2上記やり取りの後で,被告Aは,「ただね,僕ね,残念だったのはね,是非あのトンネルの向こう側に行っていただいて,もうボカスカ殴られるんであってもなんでもとにかくね,やって,あのトンネルの向こう側を見たかったな。」と述べた。 高江ヘリパッド移設反対運動をしている人々が,暴力を振るう人間であるかのように言い,その危険性を強調している。 本件番組2は原告の名誉を毀損する事実摘示部分がなく名誉毀損は成立しない。また,番組1と番組2はその性質を異にするものであるから,一連一体性の根拠もない。 番号被告Aの過失被告Aの反論①被告Aは,本件番組1に司会者の立場で出演し,現に司会をした。 この点が原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しないことは るから,一連一体性の根拠もない。 番号被告Aの過失被告Aの反論①被告Aは,本件番組1に司会者の立場で出演し,現に司会をした。 この点が原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しないことは論をまたない。 ②被告Aは,01:58(以下,分秒の表示は本件番組1開始からの経過時間を指す。)でこの日のテーマを紹介し,02:14で取材VTRを紹介した。 この点が原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しないことは論をまたない。 ③この取材VTRは,高江ヘリパッドの移設に反対する運動に従事している人々につき,暴力も犯罪行為も厭わずにこれを繰り返すような人たちであると決めつけてそれを所与の前提とした上で,「5万円」のチラシを紹介して,そのような人々はお金をもらって東京から送り込まれているという「からくり」があるのだと描き,お金を出して東京からそのような人々を送り込んでいるのがこのチラシの作成主(のちにスタジオ収録部分で「B」であると明らかにされる)だとしているという内容であるところ,そのような原告の名誉毀損につながっていく内容を放映した後,被告Aは,スタジオ出演者であるLが「スタッフが反対派に拘束されそうになった」という話を持ち出したり,Dが反対派の襲撃の様をあたかも見てきたかのように話したりするなどしているのに対し,被告Aは同出演者らが語るに任せた。 以後同様に,被告Aは,スタジオ出演者が,ヘリパッド移設反対運動のうさんくささや過激さ等について縷々述べるのに対し,それらをただ語るに任せ,特にその話の真偽を確認したりするような発言はしていない。 本件VTRは,「高江ヘリパッドの移設に反対する運動に従事している人々の中には,暴力も犯罪行為も厭わずにこれを繰り返すような人たちがいることを紹介するとともに,『5万円』のチラシを紹介して,反対運動を経済的あるいは精 高江ヘリパッドの移設に反対する運動に従事している人々の中には,暴力も犯罪行為も厭わずにこれを繰り返すような人たちがいることを紹介するとともに,『5万円』のチラシを紹介して,反対運動を経済的あるいは精神的に支援している東京の団体(チラシの作成主)があること」を述べたものに過ぎない。 そのため,本件VTRは,原告の名誉毀損につながっていく内容を放映するものではなく,原告の主張には理由がない。 また,「スタッフが反対派に拘束されそうになった」という話が持ち出されたこと,Dが反対派の襲撃の様をあたかも見てきたかのように話したこと,出演者がヘリパッド移設反対運動のうさんくささや過激さ等について縷々述べたことは,反対派の一部の行動に言及したものにすぎず,原告の名誉毀損に向けた注意義務の根拠となるものではない。 ④Dが,「反対派の過激な活動は報じられない。それを報じようとすると現場に入れない。」という話を持ち出したのに対し,被告A自身が「他のメディアもそうなの。それはDさんだけなの。」と,Dの上記情報の本件信憑性を全く疑わずにこの情報を前提とした上でDに対して質問をし,Dの上記の話に流れを持たせた。 被告Aは,原告も認めるとおり,Dから「我々がカメラを向けると入れない」との発言があったので,「他のメディアもそうなの。それはDさんだけなの。」と質問しただけである。 そもそも原告が,「反対派の過激な活動は報じられない」と要約する通り,Dの上記発言は原告の社会的評価にはかかわりのない事項であり,このような原告とは関係ない事項について上記質問をすることは原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 ⑤Dの④の話に対し,被告A自身が「映像出ないね」「出ないね」と補足し,反対派の過激な活動は報じられないというDの話を補強した。 被告Aの発言は,「ほとんどだから仰るとおり 意義務違反を構成しない。 ⑤Dの④の話に対し,被告A自身が「映像出ないね」「出ないね」と補足し,反対派の過激な活動は報じられないというDの話を補強した。 被告Aの発言は,「ほとんどだから仰るとおり映像が出ないんですよ」とのDの発言に対して,「映像出ないね」との述べただけであり,原告とは関係のない事項についての単純な発言であって,原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 ⑥VTR中に出てくる「交通費5万円」の拠出者につき,被告A自身がDに対し,「これは誰が出しているの」と質問し問題提起をした。 被告Aの発言は,交通費5万円のことが話題となり,Kの「えっあの交通費5万円は財源はどこなんですか」との発言があったので,「これは誰が出してんの?」と述べただけであり,このような原告とは関係ない事項について上記質問をすることは原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 別紙2主張整理表本訴(被告Aの過失) ⑦被告A自身がDに対し,「普通のメディアはこれを報じようと思ったら報じられる?」という質問をし,Dの「できないはずです」という答えを導いた。 すなわち,スタジオトークでは,反対運動をしている人々が,一貫して過激,うさんくさいというトーンで採り上げられているところ,被告Aの上記質問は,そのような過激でうさんくさいという実態を普通のメディアが報じようとしたらそれを報道することは可能なのかという質問である。被告Aは,このような質問をすることによって,反対派の過激でうさんくさい実態は,普通のメディアが報じようとしても報じることはできないのだ,という流れに話を導いている。 被告Aは,CM明けに「普通のメディアはこれを報じようと思ったら報じられるの」と出演者に質問したものであり,原告とは関係のない事項についての単純な質問であって,原告の名誉毀損に 流れに話を導いている。 被告Aは,CM明けに「普通のメディアはこれを報じようと思ったら報じられるの」と出演者に質問したものであり,原告とは関係のない事項についての単純な質問であって,原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 ⑧⑦の「反対派の過激でうさんくさい実態は普通のメディアが報じようとしても報じることができない」という話は,琉球新報等地元のメディアは反対派から歓迎されている,という話につながっていったが(17:46のD発言,17:52のJ発言)被告Aは,その話に加えるように,「地元のメディアは,要するにシンパシーがあるから」と自らの意見を述べて補足し,反対派は,自分たちにシンパシーを感じてくれているメディアに対してしか取材・報道をさせないという話の流れを助長した。 地元のメディアのシンパシーや報道姿勢は,原告に関する事項ではない。原告とは関係のない事項についての発言であって,原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 ⑨Dが,反対派が警察でもないのに勝手に検問をしているという真偽不明の話を持ち出したのに対し,被告Aは,「つまり,あなたは誰ですかって。」という質問とも補足ともいえる言葉を継いで,Dの話の流れに勢いを与えた。 反対派による私的検問の問題は,原告に関する事項ではない。原告とは関係のない事項についての発言であって,原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 ⑩被告Aは,VTR部分で提示された「5万円」の話につき,「でも,ちょっと聞きたいのは,お金ですよ。5万円日当出すなんて。これは誰が出しているの。」とDに質問をし,過激な反対運動を経済的に支援している者を究明する流れを作っている。 「5万円の日当お金出す」ことは,原告に関する事項ではない。原告とは関係のない事項についての発言であって,原告の名誉毀損に向けた注意義務 対運動を経済的に支援している者を究明する流れを作っている。 「5万円の日当お金出す」ことは,原告に関する事項ではない。原告とは関係のない事項についての発言であって,原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 ⑪被告Aの提起したこの⑩の質問の流れにより,Eが「この原告さんっていうのは,あれなんですよ。在日韓国・朝鮮人の差別ということに関して戦ってきた中では,カリスマなんですよ。もうピカイチなんですよ。お金がガンガンガンガン集まってくるっていう状況があるんですね。」(19:39)との発言をした。Eのこの発言は,過激な反対運動を原告が経済的に支援している旨を摘示するものであり原告に対する名誉毀損を完結させるものであるが,被告Aは,自身で作った財源に関する話の流れにおけるこのE発言について,特に疑問を差し挟んだり真偽の程や根拠を確認しようとすることもなくそのまま話を進めた。 当該発言は原告の社会的評価に対して中立な発言であるし,あくまでEの発言であって,被告Aの発言ではない。 また,被告Aにとって,Eが当該発言をすることについての予見可能性はない上,被告AがEの発言をコントロールすることはできず,同発言を回避できる立場にもないから,被告Aには注意義務違反はない。 仮に,原告がEの当該発言後の被告Aの発言を問題にしているのだとしても,そもそもEの発言は,原告の社会的評価に対して中立な発言であるし,被告Aは,その場で,当該発言の真偽及び評価を判断することはできないしすべき立場にもないから,被告Aに注意義務違反はない。 ⑫被告Aは,上記各行為の他にも,20:32,20:54,20:59でDらの話に意見を差し挟んだり合いの手を入れることによって話に流れを作り,最後は「また機会があったら是非」と言い,本件番組1のVTR映像の内容やそれに対するスタジオにおけ 2,20:54,20:59でDらの話に意見を差し挟んだり合いの手を入れることによって話に流れを作り,最後は「また機会があったら是非」と言い,本件番組1のVTR映像の内容やそれに対するスタジオにおけるDらの説明やトークをいずれも肯定的に捉えることができるものとして締めた。 かかる発言は,司会者としての通常の締め方であり,原告の名誉毀損に向けた注意義務違反を構成しない。 該当部分発言及び記載の内容摘示事実摘示事実に関する原告の主張原告の抗弁抗弁に対する被告Aの主張平成29年1月31日中日新聞社宛て抗議文(丙12)Ⅰ-①「司会のA氏は,同番組の問題点を正すことをせず,逆にコメンテーターに対し,「トンネルの向こうでぽかぽかやられるのをみたかった」と述べて,反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっているとの虚偽の情報を改めて流布する発言に終始しました。」Ⅰ-②「『高江の現場では記者が拘束されてしまうので取材ができない』との論説副主幹の言に従えば…御社の一連の記事は,高江の現場に立ち入ることなく,また,反対運動の参加者への取材をすることなく書かれたものと解釈するほかなくなります。」(Ⅰ-①,②は,Ⅱ-①,②に同じ。)Ⅰ-①:被告Aが,反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっているとの虚偽の情報を流布する発言をした事実Ⅰ-②:「高江の現場では記者が拘束されてしまうので取材ができない」との虚偽の情報を流布する発言をした事実Ⅰ-①は,被告Aが,反対運動の参加者につき,その者が報道機関の記者に暴力を振るっているとの情報を流布する発言をしたという事実を摘示したものであり,そして,その流布された情報につき,原告が虚偽であるという論評を加えているものである。 Ⅰ-②は,被告Aが「高江の現場では記者 いるとの情報を流布する発言をしたという事実を摘示したものであり,そして,その流布された情報につき,原告が虚偽であるという論評を加えているものである。 Ⅰ-②は,被告Aが「高江の現場では記者が拘束されてしまうので取材ができない」という趣旨の発言をした事実を摘示したものである。 自己の正当な利益を擁護するためやむを得ず他人の名誉,信用を毀損するがごとき言動をなすも,かかる行為はその他人が行った言動に比して,その方法,内容において適当と認められる限度を超えない限り違法性を欠く(最判昭和38・4・16民集17巻3号476頁)。 被告は,本件番組1及び2をもって,被告らにより名誉を毀損された。被告らによる名誉毀損の態様は,地上波のテレビをもって2週連続で行われたものであり,それによって原告にもたらされた侵害は甚大である。これに対し,丙12はBのウェブサイトで公表されているにすぎず,その閲覧者の規模は,本件番組1及び同2の視聴者の規模には遠く及ばない。したがって,丙12による名誉毀損の程度は,本件番組1及び同2に対する原告に対する名誉毀損の程度よりもはるかに僅少である。 原告は,本件番組1において,暴力や犯罪行為も厭わない人々を経済的に支援しかつ煽っていると指弾された者であり,かかる指弾は虚偽である。そのように虚偽を言われた原告が,被告に対し,その虚偽を訂正してくれることを期待するのは道理である。しかし,被告Aは,本件番組2において,反対運動の参加者につき,ボカスカ殴る存在であるとの発言に及び,本件番組1と同様,暴力や犯罪行為も厭わない人々であるという前提の話をし,本件番組1の趣旨を上塗りした。 このように被告Aにより,地上波のテレビにおいて虚偽を述べられて名誉毀損を上塗りされた者が,被告Aの発言について虚偽であると述べて見解を公表すること う前提の話をし,本件番組1の趣旨を上塗りした。 このように被告Aにより,地上波のテレビにおいて虚偽を述べられて名誉毀損を上塗りされた者が,被告Aの発言について虚偽であると述べて見解を公表することは,原告の正当な利益(名誉権)を擁護するためにやむを得ないものである。 したがって,丙12による名誉毀損行為は,その方法,内容において適当と認められる限度を超えない。 被告Aが,「トンネルの向こうでぽかぽかやられるのを見たかった」と発言したか否か,反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっているとの虚偽の情報を流布する発言をしたか否かは,証拠等をもって決することが可能であるから,Ⅰ-①が論評ではなく事実であることは明らかである。 そして,被告Aが,「トンネルの向こうでポカポカやられるのを見たかった」と発言した事実は存在せず,反対運動の参加者が報道機関の記者に暴力を振るっているとの情報を改めて流布する発言など行っていないのであるから,仮に,「虚偽」が論評であるとしても,論評の基礎となる事実が事実に反していることが明らかである。 原告がこのように虚偽の事実を摘示し,ウェブサイトで公開する行為は,ジャーナリストである被告Aの名誉を毀損する人身攻撃であり,論評としての域を超えたものであって,発言の目的が専ら公益を図ることにあるともいえない。 したがって,発言Ⅰ-①が論評であることを前提に,被告Aの社会的評価を低下させない,程度が僅少である,違法性が阻却されるなどとする原告の主張には理由がない。 平成30年7月20日記者会見(丙20)Ⅱ-④「やはり最も大きかったのは当時,東京中日新聞社のA氏が,つまり新聞社の論説副主幹であるA氏が,デマを広めたと。」Ⅱ-⑤「彼は,マスコミが何の取材もしない取材もできない状態だと。そしてテロリストがあそこを占 大きかったのは当時,東京中日新聞社のA氏が,つまり新聞社の論説副主幹であるA氏が,デマを広めたと。」Ⅱ-⑤「彼は,マスコミが何の取材もしない取材もできない状態だと。そしてテロリストがあそこを占拠しているので,全く現場にはマスコミでさえメディアでさえ近づけないこういった状況だと盛んに煽っていました。新聞社の人間なのに。」Ⅰ-③「Aさんを訴えるという思いは私の中にはとても強いです。…自分たちのジャーナリストという職業でありながらデマを流し続けた人を,そのまま何の処分もせずに退職させるというのは,一体何を,Mさんは一体何を反省してくださったのか。…東京新聞の論説がやらなかったなら,私がやります。」Ⅰ-④「お菓子屋さんが,自分のとこの社員が毒菓子を出して,それでもそのまま円満退社させるようなことはないんです。…」Ⅱ-④:被告Aが沖縄の高江辺野古でテロリストと呼ぶにふさわしい人間たちが暴力的な反対運動を行っており,そこに資金を供与しているのは原告であり,原告が資金を出して雇っているのがあの運動である,というデマを広めたという事実Ⅱ-⑤:被告Aが「マスコミが何の取材もしない取材もできない」,「テロリストがあそこを占拠している」,「まったく現場にはマスコミでさえメディアでさえ近づけない」という「デマ」を広めて,人々を煽動したという事実Ⅰ-③④:被告Aがジャーナリストという職業でありながら,沖縄の高江辺野古でテロリストと呼ぶにふさわしい人間たちが暴力的な反対運動を行っており,そこに資金を供与しているのは原告であり,原告が資金を出して雇っているのがあの運動である,というデマを流し続けたという事実Ⅱ-④及びⅡ-⑤は,Cの発言であるところ,原告はCの発言には関与しておらず責任を負わない。 Ⅰ-③は,単純に被告Aにつき「デ て雇っているのがあの運動である,というデマを流し続けたという事実Ⅱ-④及びⅡ-⑤は,Cの発言であるところ,原告はCの発言には関与しておらず責任を負わない。 Ⅰ-③は,単純に被告Aにつき「デマを流し続けた」と言っているのみであり,被告Aの言論が事実に反する旨を評した論評である。 Ⅰ-④は,被告Aが事実に反する言論をしていることをたとえて言ったものであり,被告Aの発言が事実に反する旨を評した論評である。 ⑴ 自己の正当な利益を擁護するためやむを得ず他人の名誉,信用を毀損するがごとき言動をなすも,かかる行為はその他人が行った言動に比して,その方法,内容において適当と認められる限度を超えない限り違法性を欠く(最判昭和38・4・16民集17巻3号476頁)。 ア本件の場合,原告は,本件番組1及び同2をもって,被告らにより名誉を毀損された。 被告らによる名誉毀損の態様は,地上波のテレビをもって2週連続で行われたものであり,それによって原告にもたらされた侵害は甚大である。このため,原告がその被害を回復するには,ただ訴訟を提起して法的責任を追及するだけでは,判決の対社会への伝播力が地上波のテレビに到底かなうものではない点において名誉回復を図ることが著しく困難であること,判決を得るまでに相当の時日を要するため被害回復の時機を逸しかねないことから,著しく不十分である。 したがって,提訴の際に提訴の旨及び自身の主張を記者会見で公表することは,原告の正当な利益(名誉権)を擁護するためにやむを得ない行為である。 イ原告は,本件番組1及び同2において,暴力や犯罪行為も厭わない人々を経済的に支援しかつ煽っていると指弾された者であり,そのようなことを言われた原告が,そのように言われた内容につき,記者会見で「デマ」であると論評することは,被告らが行った言動に 罪行為も厭わない人々を経済的に支援しかつ煽っていると指弾された者であり,そのようなことを言われた原告が,そのように言われた内容につき,記者会見で「デマ」であると論評することは,被告らが行った言動に対比して,その方法,内容において適当と認められる限度を超えない。 ⑵ 論評による名誉毀損は,論評が公共の利害に関する事項について,公益を図る目的でなされたものであり,その前提事実が重要な部分において真実であるかまたは真実と信じるについて相当な理由がある場合は,人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものでない限り,違法性ないし故意過失を欠く(最判平成9・9・9民集51巻8号3804頁)。 ア Ⅰ-③は,単純に被告Aにつき「デマを流し続けた」と言っているものであり,Ⅰ-④は,被告Aが事実に反する言論をしていることをたとえて言ったものである。いずれも,被告Aの発言が事実に反する旨を評した論評である。 イジャーナリストを標榜している被告が事実に基づいた論評をしているか否かは公共の利害に関する事項である。 ウ原告は,発言Ⅰ-③及びⅠ-④を,ジャーナリストを標榜する被告Aの言論が事実に基づいていない旨を社会に向けて訴えかける目的でなされたものである。 エ被告Aが,本件番組1において,原告につき,実際にはそうではないにもかかわらず,暴力や犯罪行為も厭わない人々を,暴力や犯罪行為がなされることを認識認容した上で経済的に支援しかつ煽っている,と指弾したこと(つまり,原告につき事実に反する指弾をしたこと)は真実であるかまたは真実であると信じるにつき相当の理由がある。 また,被告Aが,本件番組2において,本件番組1で原告についてした,事実に反する上記指弾を訂正しなかったことは,真実であるかまたは真実であると信じるにつき相当の理由がある。 したがって,各論評の前提事実である Aが,本件番組2において,本件番組1で原告についてした,事実に反する上記指弾を訂正しなかったことは,真実であるかまたは真実であると信じるにつき相当の理由がある。 したがって,各論評の前提事実であるところの,被告Aの言論が事実に反する旨は,真実であるかまたは真実であると信じるにつき相当の理由がある。 オ各論評が論評の域を逸脱していないことは明らかである。 ⑴ 原告の主張は,自己の名誉権のために自力救済を行ったという主張にほかならないが,原告の発言にはそのような自力救済をしなければならないような緊急性も相当性も存在しない。 ア本件番組1及び2が放送されてから第1回及び第2回の記者会見まで,1年6カ月以上が経過している。その間,原告らにより,抗議活動が行われ,東京新聞は,本件番組1について「「沖縄ヘイト」まん延」と題する記事や,同社の論説副主幹被告Aが本件番組1に出演していたことを重く受け止め対処することを表明する反省記事などを掲載し,被告Aは論説副主幹から降格され,ニュース女子の地上波放送は終了となり,BPO決定についての記者会見が開かれた。そのため,第1回記者会見が行われた平成30年7月20日の時点に及んで,原告の側において自力救済を行わなければならないような緊急性は存在しない。 イまた,第1回記者会見における原告の発言(Ⅰ-③,Ⅰ-④)は,TOKYOMXが原告に対して「お詫び文」を交付したことを奇貨として,これを被告A及び被告DHCに対して個人攻撃・批判を加えジャーナリストとしての社会的生命を抹殺しようとする目的でなされたものである。 また,ジャーナリストである被告Aについて,「デマを流し続けた人」や「お菓子屋さん」で「毒菓子を出し」た「社員」と表現したりすることは,ジャーナリストである被告Aの社会的評価や信用を著しく毀損し,ジャー ,ジャーナリストである被告Aについて,「デマを流し続けた人」や「お菓子屋さん」で「毒菓子を出し」た「社員」と表現したりすることは,ジャーナリストである被告Aの社会的評価や信用を著しく毀損し,ジャーナリストとしての社会的生命を抹殺しかねないものであり,およそ相当性を欠く。 ⑵ 原告は,発言Ⅰ-④を論評であるとするが,デマを流し続けたことは証拠等をもってその存否を決することが可能であるから,これは事実であって論評ではない。加えて,原告は,基礎となる被告Aの言論が事実に反するという事実について,何ら立証しておらず,事実に反する被告Aの言論を特定すらしていない。 さらに,被告Aの個々の発言が原告の名誉を毀損するものではないことは原告も認めるところであって,そのような被告Aに対して,「デマを流し続けた」,「毒菓子を出した社員」と発言することは人身攻撃であって,論評としての域を超えたものであり,発言目的が専ら公益を図ることにあるともいえない。 平成30年7月31日記者会見(丙21)Ⅱ-⑥「このA氏がジャーナリストであるにもかかわらず,デマに基づいた番組を何ら是正することなくデマであることを知りながら原告氏に対する誹謗中傷を煽るような発言を番組内で繰り返していると。 …これを重く見て,制作会社だけではなくて司会者であるA氏も被告に据える。ということになります。」被告Aが,沖縄の高江辺野古でテロリストと呼ぶにふさわしい人間たちが暴力的な反対運動を行っており,そこに資金を供与しているのは原告であり,原告が資金を出して雇っているのがあの運動である,というデマに基づいた番組を何ら是正することなく,デマであることを知りながら原告に対する誹謗中傷を煽るような発言を番組内で繰り返していたという事実(すなわち,デマであることを知りながら他の出演 というデマに基づいた番組を何ら是正することなく,デマであることを知りながら原告に対する誹謗中傷を煽るような発言を番組内で繰り返していたという事実(すなわち,デマであることを知りながら他の出演者や一般視聴者に対して,原告に対する誹謗中傷行為を煽動する発言を被告A自らが繰り返したという事実)原告は,Cの発言には関与しておらず責任を負わない。 別紙3主張整理表反訴(名誉毀損部分) 平成30年3月8日記者会見(丙19)Ⅱ-③「司会者のA氏。中日新聞東京新聞の当時論説副主幹,現在も論説委員。彼がこの1月2日の本放送で煽りに煽った。・・・この問題についてA氏は全く答えてません。そしてかれは未だに中国からお金をもらっているのは私は500%真実だと思うと。しかし,新聞社として彼がデマを流しているということ。中国から金をもらっているんだこの人たちはということ。そしてもう一つ人種差別的な行動に加担しているということをこの点について新聞社としてのきちんと見解を求めたいと私は思っています。」被告Aが他の共演者や一般視聴者を煽動している事実,被告Aが,沖縄の高江ヘリパッド及び辺野古で反対運動をしている人たちがテロリストであり犯罪者の集団であって,彼らに対して5万円を出しているのはのりこえネットの原告であるというデマを流しているという事実及び人種差別的な行動に加担しているという事実原告は,Cの発言には関与しておらず責任を負わない。 別紙4及び別紙5については,記載を省略。 申し訳ありませんが、整形するテキストが提供されていません。テキストを入力してください。
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