平成17年(ア)第8863号住民基本台帳法違反事件決定当裁判所は,被審人に対する標記違反事件の過料の裁判について,被審人から異議申立てがあったので,検察官の意見を聴いたうえ,次のとおり決定する。 主文 1 本件につき,当裁判所が平成17年9月13日になした過料決定を取り消す。 2 本件につき,被審人を処罰しない。 3 本件手続費用は,国庫の負担とする。 理由 1 一件記録中の届出期間経過通知によれば,被審人は,平成16年4月21日に東京都世田谷区祖師谷○丁目○番○号○○○○○○住宅から上記住所に転居したが,届出期間経過後の平成17年6月10日になって転居届をしたことが認められる。 2 これについて,被審人は,異議申立書等において,仕事が平日勤務で,勤務時間の終了が午後5時5分から同6時5分ころであったこと,勤務地から届出場所までの所要時間が1時間程かかり昼休みを利用できないこと,代理人になる人も見つからなかったこと,区役所に何度か問い合わせたが,その都度,平日の午後5時までと言われ,事情を説明しても受け付けてもらうまでに至らなかったこと,今年になって,平日休みが可能になったので,届出をした旨述べている。 3 ところで,当裁判所が,東京都内の区役所におけるいわゆる勤務時間外の窓口受付事務について,非訟事件手続法11条に定める職権探知としてホームページを検索した結果,世田谷区役所では,太子堂出張所において,平成17年5月21日から毎月第2土曜日除く土曜日の午前8時30分から午後5時まで窓口開設を試行し,受付をしていること,他の区役所の中には,毎月第3日曜日の午前10時から午後4時まで一部業務の取扱窓口を設けた区役所,毎週火曜日は午後7時まで一部窓口を開設している区役所,毎週水曜日は午後7時まで窓口受付時 ていること,他の区役所の中には,毎月第3日曜日の午前10時から午後4時まで一部業務の取扱窓口を設けた区役所,毎週火曜日は午後7時まで一部窓口を開設している区役所,毎週水曜日は午後7時まで窓口受付時間を延長した区役所があることが判明した。区役所の受付事務の実情がこのようなものであることに鑑みると,上記2の事情の下で転居届出が遅滞したことには無理からぬ事情及び情状が認められるので,被審人を処罰しないこととする。 よって,本件過料決定を取り消すこととし,非訟事件手続法164条6項,7項,162条5項により,主文のとおり決定する。 平成17年10月7日東京簡易裁判所民事第8室裁判官大根良勝
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