平成20(行コ)285 源泉徴収に係る所得税の納税告知及び不納付加算税の賦課決定取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成19年(行ウ)第277号)

裁判年月日・裁判所
平成20年11月27日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文3,075 文字)

- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1当事者の求めた裁判 控訴人(1)原判決を取り消す。 (2)処分行政庁が控訴人に対して平成17年12月26日付けでした平成13年3月分,平成15年7月分及び平成15年12月分の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分をいずれも取り消す。 (3)訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 被控訴人主文同旨第2事案の概要 事案の要旨控訴人(中小企業等協同組合法上の事業協同組合)は,その組合員のA及びBが死亡して脱退したため,その相続人らに対し,それぞれ持分の払戻金の支払をした。処分行政庁は,その各払戻金のうち各組合員の出資金を超える部分は,各組合員の所得に当たるとして,控訴人に対し,平成17年12月26日付けで,平成13年3月分,平成15年7月分及び平成15年12月分の各月分の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分をした。 本件は,控訴人が,被控訴人に対し,上記の各払戻金のうち各組合員の出資金を超える部分は,各組合員の所得には当たらないから,上記の源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分及び不納付加算税の各賦課決定処分はいずれも違法- 2 -であるなどと主張して,上記各処分の取消しを求める事案である。 原判決は,本件各処分は適法であると判示して,控訴人の請求を棄却したので,これを不服とする控訴人が控訴をした。 法令等の内容及び争いのない事実等は,原判決の「事実及び理由」欄の「第 事案の概要」の1及び2(原判決2頁12行目から4頁18行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 争点及び争点に関する当事者の主張は,後記のとおり, 判決の「事実及び理由」欄の「第 事案の概要」の1及び2(原判決2頁12行目から4頁18行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 争点及び争点に関する当事者の主張は,後記のとおり,当審における控訴人の主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第2事案の概要」の3及び4(原判決4頁19行目から7頁19行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,控訴人の請求は理由がないから棄却するのが相当であると判断する。その理由は,後記2において当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点に対する判断」の1から4まで(原判決7頁21行目から13頁15行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 当審における控訴人の主張に対する判断(1)控訴人は,原判決が,組合員の死亡による脱退に伴う持分の払戻請求権は,組合員が死亡した時点で確定的に発生し,死亡した組合員に帰属すると判示したことについて,上記の払戻請求権は,組合員が死亡した時点では発生しておらず,総会の決議により組合員の相続人に発生するものであるから,上記判示は誤っていると主張する。 しかし,中小企業等協同組合法19条1項の規定は,組合員は,死亡により脱退すると定め,同法20条1項の規定は,組合員は,死亡により脱退したときは,定款の定めるところにより,その持分の全部又は一部の払戻しを請求することができると定めているから,中小企業等協同組合法の上記の規- 3 -定によると,組合員が死亡により脱退したときは,その組合員がその脱退時にその脱退による持分払戻請求権を取得することは明らかであって,脱退による持分払戻請求権がその脱退時には発生せず,その後の総会の決議により組 組合員が死亡により脱退したときは,その組合員がその脱退時にその脱退による持分払戻請求権を取得することは明らかであって,脱退による持分払戻請求権がその脱退時には発生せず,その後の総会の決議により組合員の相続人に発生すると解する余地はないというべきである。確かに,同条2項の規定は,同条1項の持分は,脱退した事業年度の終わりにおける組合財産によって定めると規定しているし,証拠(甲1)によると,控訴人の定款(甲1)23条の規定は,組合員の持分は,控訴人の正味財産につき,その出資口数に応じて算定すると定め,また,同定款14条本文の規定は,組合員が脱退したときは,当該事業年度末の決算貸借対照表における出資金,法定利益準備金,資本準備金,特別積立金,繰越損益金及び当期利益剰余金のうち控訴人に留保した金額(教育情報費用繰越金を除く。)の合計額から,当期損失金を減額した金額(以下「払戻対象金額」という。)(控訴人の財産が払戻対象金額より減少したときは,払戻対象金額から当該減少額を減額した金額)につき,その出資口数に応じて算定した金額を限度として払い戻すものとすると定めているから,脱退した組合員に対する払戻金は,脱退した事業年度の終わりにおける組合財産によって算定される(控訴人の場合は,上記定款の規定に従って算定され,総会の決議を経て支払われる。)のであって,それまでは持分払戻請求権を行使して払戻金の支払を受けることはできないけれども,それは持分払戻請求権の行使に期限又は条件が付されているだけのことであって,組合員が死亡して脱退したときは,その組合員が持分払戻請求権を取得すると解することの妨げにはならないものというべきである。 したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。 (2)また,控訴人は,本件の関連法律に関する解釈は一義的に明確でない 戻請求権を取得すると解することの妨げにはならないものというべきである。 したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。 (2)また,控訴人は,本件の関連法律に関する解釈は一義的に明確でないところ,その解釈及び行政上の取扱いを一般に国民に対して周知していない状態で,源泉徴収を履行しなければならないとするのには無理があり,控訴人が- 4 -源泉徴収をせず,源泉徴収に係る所得税を法定納付期限までに納付しなかったことについては正当な理由があるから,本件において不納付加算税は賦課すべきではないと主張する。 しかし,中小企業等協同組合法の規定から,事業協同組合の組合員が死亡したときは,その組合員が脱退して持分払戻請求権を取得すると解した上で,所得税法及び相続税法の規定から,その払戻金のうち出資金を超える部分は,相続税のみを課して所得税を課さない退職手当金等には当たらず,その部分については,組合員の所得として所得税が課せられると解することが,法律上,一義的に明確でないとまでいうことはできないから,控訴人の上記主張は,その前提を欠くものといわざるを得ない。また,その解釈及び行政上の取扱いが一般に国民に対して周知されていないとしても,そのことから直ちに控訴人が源泉徴収に係る所得税を法定納付期限までに納付しなかったことについて正当な理由があるということはできない。 したがって,控訴人の上記主張は,採用することはできない。 以上のとおり,控訴人の請求を棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第19民事部裁判長裁判官青柳馨裁判官長久保守夫裁判官小林昭彦 東京高等裁判所第19民事部裁判長裁判官青柳馨裁判官長久保守夫裁判官小林昭彦

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