平成15(行ウ)8 産業廃棄物収集運搬業許可取消処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年3月24日 宇都宮地方裁判所
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判決文本文11,161 文字)

主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告が平成15年6月4日付けで原告に対してした産業廃棄物収集運搬業許可取消処分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,産業廃棄物処分業の許可を受けていない者に産業廃棄物の処分を委託することを禁止した平成15年法律第93号による改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」という。)違反を理由として,被告が原告に対して産業廃棄物収集運搬業の許可を取り消す処分をしたことについて,原告がその取消しを求めた事案である。 1 争いのない事実・原告は,産業廃棄物の収集運搬等を業とする株式会社である。 原告は,平成8年1月18日,被告から,法14条1項に基づく産業廃棄物収集運搬業の許可を受けた。 ・原告は,平成13年3月から同年7月までの間に,埼玉県南埼玉郡a町に所在する原告の産業廃棄物の中間処理施設(以下「A施設」という。)から排出した中間処理産業廃棄物である廃プラスチック類等合計約1000立方メートルを,産業廃棄物処分業の許可を受けていない有限会社B(以下「B」という。)に搬入した。 ・被告は,平成15年6月4日,原告に対し,原告の上記・の行為(以下「本件行為」という。)が上記廃棄物の処分を産業廃棄物処分業の許可を受けていない者に委託したものであり法12条3項に違反するとして,法14条の3第1号に基づき原告の産業廃棄物収集運搬業を取り消す処分(以下「本件処分」という。)をした。 ・本件行為は法12条3項に違反するものである。 2 争点及び当事者の主張本件の争点は,被告が本件行為を理由として本件処分をしたことが裁量権を濫用したものとして違法か否かである。 (当事者の主張) 12条3項に違反するものである。 2 争点及び当事者の主張本件の争点は,被告が本件行為を理由として本件処分をしたことが裁量権を濫用したものとして違法か否かである。 (当事者の主張)・原告の主張ア法14条の3は,都道府県知事が,同条各号に該当した業者に対する制裁として,許可の取消し又は期間を定めて事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる旨規定する。その処分の基準を定めた規定はないが,都道府県知事が無制限に裁量権を行使して処分を決定することが許されるものではなく,処分を決定する際には,違反行為の内容,程度,改善の見込みなどを勘案し,比例原則,平等原則を踏まえてする必要がある。ことに許可取消処分は,許可申請の際の欠格事由(法14条3項2号イ,7条3項4号ニ)に該当し,他の区域においても処分の対象事由(法14条の3第3号)となるもので処分の相手方に重大な影響を及ぼすことになるから,違反行為の内容等を十分に検討して慎重にする必要があり,これらに反する場合には,裁量権を濫用するものとして当該処分は違法となるというべきである。 イ原告は,本件行為前,Bの隣接地に所在する株式会社C(以下「C」という。)に,中間処理産業廃棄物を運搬し,焼却処分を委託していた。当時,CとBの代表取締役はいずれもDであり,Cは,産業廃棄物の保管場所が不足するとBの敷地内において一時保管することを繰り返していた。 原告は,平成12年秋ころ,Dに対し,産業廃棄物の受入枠の拡大を要請し,同人の承諾を得た。当時,DがCとBの代表取締役を兼任し,両社が一体となって活動をしていたことから,原告は,両社を厳密に区別する意識を欠き,Dの指示に従い,平成13年3月から同年7月まで,産業廃棄物をBに搬入し,本件行為に及んだ。原告としては,D 任し,両社が一体となって活動をしていたことから,原告は,両社を厳密に区別する意識を欠き,Dの指示に従い,平成13年3月から同年7月まで,産業廃棄物をBに搬入し,本件行為に及んだ。原告としては,Dの承諾を得たことから,最終的にCにおいて産業廃棄物が適法に処分されると認識していたもので,Bにおいて不法に投棄されることを意図していたものではない。実際にも,原告がBに搬入した産業廃棄物は,Cにおいて,適法に焼却処理された。 以上のとおり,原告には不法に産業廃棄物を処分するという意図はなく,本件行為は,形式的に法12条3項に違反するにとどまり,その悪質性は低いこと,期間が限定され,自主的に行為をやめていること,原告が搬入した産業廃棄物は,その後Cにおいて適法に処理され実害は発生していないことなどからすると,被告が,本件行為について,指導,改善命令を経ることもなく,原告に重大な不利益をもたらす本件処分をしたことは,重きに過ぎるものである。 したがって,本件処分は,比例原則に反するものであって,裁量権を濫用した違法なものである。 ウ被告は,平成15年3月6日,Cに対し,同社が,中間処理を委託された産業廃棄物約2000トンをBの破砕施設において破砕した後に自社の処理施設において焼却処理したこと,委託された産業廃棄物の一部をBの敷地内において一時保管したことについて,産業廃棄物処理施設の維持管理計画に従わなかったこと(法15条の2の2違反)を理由として,15日間の事業停止処分をしたが,上記のCの行為は,法12条3項に違反するものであり,被告は,違反行為の適用法条を恣意的に認定し,わずか15日間の事業停止処分にとどめたものである。また,被告は,本件処分の日と同日の平成15年6月4日,E株式会社(以下「E」という。)に対し,60日間の事業 違反行為の適用法条を恣意的に認定し,わずか15日間の事業停止処分にとどめたものである。また,被告は,本件処分の日と同日の平成15年6月4日,E株式会社(以下「E」という。)に対し,60日間の事業停止処分をしたが,同処分についても,適用法条を恣意的に認定し,自らの処分基準にも反した取扱いをした。 このように,被告は,違反行為の適用法条を恣意的に認定したり,自らの処分基準に反した取扱いをするなど無限定に裁量を行使して処分をしているものであり,これらの処分と比較すると,原告に対する本件処分は,著しく重きに過ぎ均衡を失している。したがって,本件処分は,平等原則に反するものであって,裁量権を濫用した違法なものである。 ・被告の主張ア原告の本件行為は,産業廃棄物処分業の許可を受けていないBに対し,産業廃棄物の処分を委託したものであり,法12条3項に違反する。 すなわち,原告は,有限会社F(以下「F」という。)に産業廃棄物の運搬を委託し,Cにその処分を委託するという正規のルートと別に,特ルートと称して,Fに産業廃棄物の運搬を委託し,Bにその処分を委託するというルートを設けて,違法な処分を繰り返し本件行為をしたものである。 原告は,Dの指示に従って産業廃棄物をBに搬入したにすぎず,その後,Cにおいて産業廃棄物が適法に処分されると認識していた旨主張するが,原告は,正規のルートと特ルートとで,科目別月次明細書,運搬費の請求書,処分費の請求書を分けて処理し,特ルート分の処分費用をBに支払っていたこと,法により作成,保管が義務付けられている産業廃棄物管理票についても,特ルート分については,Bから写しの送付を受け,その処分担当者欄に同社の従業員の署名があるか空欄であったことからすると,原告がBに処分を委託したもので 義務付けられている産業廃棄物管理票についても,特ルート分については,Bから写しの送付を受け,その処分担当者欄に同社の従業員の署名があるか空欄であったことからすると,原告がBに処分を委託したものであり,その認識を有していたことは明らかである。また,特ルート分に係る処分費用は,正規のルートと比して著しく低額であり,Cにおいて適法に処分されることを予定していたものでもない。 イ原告は,5か月間に渡り,法12条3項に違反して,産業廃棄物処分業の許可を受けていない者に産業廃棄物の処分を委託することを繰り返し,また,産業廃棄物の処分を委託した事業者は,受託者から送付される産業廃棄物管理票の写しにより,当該処分の終了を確認する義務を負う(法12条の3第5項)ところ,委託した産業廃棄物の処分をBの措置に委ねて放置していたものであり,これに対して,被告が本件処分をしたことが重きに過ぎるとはいえない。 また,被告は,処分基準に照らして厳正に処分をしたものであり,本件処分が重きに過ぎるということはない。原告は,CやEに対する処分と比較して重きに過ぎるとして平等原則に違反する旨主張するが,それぞれ本件処分とは対象となる行為が異なるのであるから,比較をすること自体意味がなく,両者を比較してみても,本件処分が重きに過ぎるともいえない。 したがって,被告が本件処分をしたことについて,裁量権の濫用があるとはいえず,本件処分は適法である。 第3 当裁判所の判断 1 前記争いのない事実に証拠(甲6,14,乙2ないし19,原告代表者G本人)及び弁論の全趣旨を総合すると次の事実が認められる。 ・原告は,平成8年1月18日,被告から,法14条1項に基づく産業廃棄物収集運搬業の許可を受け,以降,栃木県内において,産業廃棄物の収集運搬を行い,また, 旨を総合すると次の事実が認められる。 ・原告は,平成8年1月18日,被告から,法14条1項に基づく産業廃棄物収集運搬業の許可を受け,以降,栃木県内において,産業廃棄物の収集運搬を行い,また,A施設から排出した中間処理産業廃棄物の一部をFに委託してCに運搬し,同社に焼却処分を委託するなどの業務を行っていた。 ・ Cは,被告から,法14条1項に基づく産業廃棄物収集運搬業及び同条4項に基づく産業廃棄物処分業の許可を受け,これらを業とする株式会社である。また,Bは,本件行為当時,被告から,法14条1項に基づく産業廃棄物収集運搬業の許可を受け,これらを業としていた有限会社であるが,法14条4項に基づく産業廃棄物処分業の許可は受けていない。 両社は,それぞれ隣接する場所に施設を有し,Bの代表取締役であったDは,平成13年3月9日,解任されるまで,Cの代表取締役を兼任していた。また,当時,両社は,業務委託契約を締結していたほか,Bの施設において,Cの産業廃棄物を一時保管し焼却処分前の破砕処理をするなど,緊密な関係にあった。 ・原告は,本件行為の前までに,A施設の中間処理産業廃棄物が過剰保管状態となったことから,Dに対し,原告のA施設から排出した中間処理産業廃棄物の受入枠の拡大を申し入れ,Dは,これをBにおいて処理することとして,原告の申入れに応じた。 原告は,上記の拡大分について,特ルート(以下「特ルート」という。)などと称して,従前からFに運搬を委託しCに焼却処分を委託してきたもの(以下「通常ルート」という。)と区別して取り扱い,平成13年3月から同年7月までの間に本件行為に及んだ。 特ルートは,原告のA施設から排出した中間処理産業廃棄物をFが運搬して,Bに搬入し処理を委託するというものである。通常ルートでの焼却 ,平成13年3月から同年7月までの間に本件行為に及んだ。 特ルートは,原告のA施設から排出した中間処理産業廃棄物をFが運搬して,Bに搬入し処理を委託するというものである。通常ルートでの焼却処分費用の単価が1キログラム当たり25円,大型塵芥車に換算すると1台当たり約10万ないし16万円であるのに対し,特ルートでの処分費用は,平成13年3月分の単価こそ大型塵芥車1台当たり12万円であったものの,同年4月分以降の単価は大型塵芥車1台当たり5万円と通常ルートに比して明らかに低額に設定された。搬入量等の打合せについても,通常ルートはCの従業員との間で行われていたが,特ルートはFとの間で行なわれた。原告は,通常ルートと特ルートとを区別して科目別月次明細書を作成し,特ルートについても科目名欄に廃棄代,Cなどと記載した。原告は,Fに対し,通常ルートと特別ルートと区別して運搬費用を支払い,処分費用については,通常ルート分をCに対し,特ルート分をBに対して支払った。また,原告は,法12条の3に基づき作成等が義務付けられている産業廃棄物管理票を,通常ルート,特ルートのいずれについても処分受託者をCとして作成していたが,特ルートについては,Bから産業廃棄物管理票の写しの交付を受けていた。その産業廃棄物管理票の写しには,処分担当者欄にCの従業員の署名押印がなく,Bの従業員による署名押印があるか空欄のままであり,最終処分を行った場所欄も空欄のままであったが,原告は,特ルートに係る中間処理産業廃棄物がBに搬入された後,どのように処分されたか確認する措置を何ら講じていない。 ・被告は,平成14年11月ころ,産業廃棄物処理業に係る行政処分に関して処分基準を設け,許可業者が法12条3項に違反する行為をしたときには,その許可を取り消すことができると定めた。 ていない。 ・被告は,平成14年11月ころ,産業廃棄物処理業に係る行政処分に関して処分基準を設け,許可業者が法12条3項に違反する行為をしたときには,その許可を取り消すことができると定めた。 被告は,平成15年5月15日,本件処分について聴聞手続を実施し,同年6月4日,原告に対し,本件処分をした。原告は,聴聞手続において,本件行為がBに対して処分を委託したものであることを認めた。原告及び原告代表者は,聴聞手続以前に被告等に提出した顛末書(乙4)及び報告書(乙5)においても,本件行為はBに対して処分を委託したものであり,違法であると認識していた旨記載している。また,Bの総務部長であったHは,被告に対して提出した顛末書において,原告から搬入された中間処理産業廃棄物を,Cから破砕を依頼された廃棄物に混ぜて破砕し,その後Cにおいて焼却した旨記載している。 なお,被告は,平成15年3月6日ころ,Cに対し,同社が,中間処理を委託された産業廃棄物約2000トンをBの破砕施設において破砕した後に自社の処理施設において焼却処理したこと,委託された産業廃棄物の一部をBの敷地内において一時保管したことについて,産業廃棄物処理施設の維持管理計画に従わなかったこと(法15条の2の2違反)を理由として,15日間,産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の全部を停止する処分をし,また,同日ころ,B及びFに対し,それぞれ,原告から,特ルートに係る産業廃棄物約1000立方メートルの処分を受託したこと(法14条9項違反),その運搬を行うことによりこれを助けたこと(法14条9項違反への関与)を理由の一部として,産業廃棄物収集運搬業を取り消す処分をした。 2 本件処分の適否・産業廃棄物の収集運搬又は処分を業として行おうとする者は,管轄区域の都道 こと(法14条9項違反への関与)を理由の一部として,産業廃棄物収集運搬業を取り消す処分をした。 2 本件処分の適否・産業廃棄物の収集運搬又は処分を業として行おうとする者は,管轄区域の都道府県知事の許可を受けることを要し(法14条1項,4項),許可を得るためには,その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確にかつ継続して行うに足りるものとして環境省令により定める基準に適合することのほか,欠格事由に該当しないことなど所定の要件を満たすことを要する(法14条3項,6項)。このように,法が,産業廃棄物の収集運搬及び処分業を都道府県知事の許可にかからせているのは,廃棄物の処理を業として行うことができる者を基準に適合する施設及び能力を備えた一定の資格要件を満たす者に限定し,その有無の第一次的判断を都道府県知事の専門的判断に委ねることにより,公衆衛生や生活環境の保全上支障が生じないように産業廃棄物の適正な処理を図ることにあると解される。そして,法14条の3第1号は,都道府県知事は,法に違反する行為をした産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者に対して,その許可を取り消し,又は期間を定めてその事業の全部又は一部の停止を命ずることができるとして,処分の選択を都道府県知事の裁量に委ねているところ,産業廃棄物の適正な処理を図る上で,違反行為をした事業者に対していかなる処分が必要であるかについては専門的判断を要するものであるから,その裁量の範囲は広範なものと解され,都道府県知事が違反行為をした事業者に対して同法条に基づいて処分をした場合,上記の許可制度の趣旨,当該違反行為の性質,態様,程度等に照らして,当該処分をもって臨むことが社会通念上著しく妥当性を欠くなど裁量権を逸脱又は濫用したといえる場合に限り,当該処分が違法となるというべ 記の許可制度の趣旨,当該違反行為の性質,態様,程度等に照らして,当該処分をもって臨むことが社会通念上著しく妥当性を欠くなど裁量権を逸脱又は濫用したといえる場合に限り,当該処分が違法となるというべきである。 ・本件処分は,本件行為が法12条3項に違反したことを処分理由とするものである。法12条3項は,中間処理業者を含む事業者が産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託するときは,都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者等に委託しなければならない旨規定する。事業者は,その産業廃棄物を自ら処理しなければならない(法11条1項)のであって,法12条3項の規定に基づき産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合においても,政令で定める基準によることを要し(法12条4項),当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう務めなければならない責務を負っている(法12条5項)。加えて,事業者は,産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合,受託者に対し,当該産業廃棄物の種類及び数量,受託者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票を交付することを要し(法12条の3第1項),運搬受託者は,当該運搬を終了したときは,担当者の氏名等環境省令で定める所定の事項を記載した産業廃棄物管理票の写しを委託者に送付しなければならず(法12条の3第2項),処分受託者は,当該処分を終了したときは,担当者の氏名等環境省令で定める事項及び当該処分が最終処分である場合には最終処分が終了した旨を記載した産業廃棄物管理票の写しを,更に,当該処分が最終処分でない場合には当該処分に係る中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載された産業廃棄物管理票の写し 合には最終処分が終了した旨を記載した産業廃棄物管理票の写しを,更に,当該処分が最終処分でない場合には当該処分に係る中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載された産業廃棄物管理票の写しの送付を受けたときは,最終処分が終了した旨を記載した産業廃棄物管理票の写しを,委託者に交付しなければならず(法12条3第3,4項),委託者は,産業廃棄物管理票の写しの送付を受けたときは,その写しにより当該運搬又は処分の終了を確認し,所定の期間保存しなければならず(法12条5項),所定の期間内に産業廃棄物管理票の写しの送付を受けないとき,所定の事項が記載されていないときなどには,委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握し,適切な措置を講じなければならない(法12条7項)とされている。また,産業廃棄物収集運搬業者,産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者以外の者は,産業廃棄物の収集,運搬又は処分を受託することはできず(法14条9項),産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者は,原則として産業廃棄物の収集,運搬又は処分を他人に委託してはならず(法14条10項),自己の名義をもって,他人に産業廃棄物の収集運搬又は処分を業として行わせてはならない(法14条の3の2)とされている。 このように,法は,産業廃棄物の処理について,排出事業者の処理責任の原則を明定した上で,事業者が産業廃棄物の処理を他人に委託する場合には,適法に産業廃棄物の処理を業として行うことができる者として許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者等に対してのみ委託ができることとし,更に,事業者の処理責任を全うするため,政令で定める基準に従い委託し,最終処分が終了するまで処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう務めなければならないとし,これを担保し ができることとし,更に,事業者の処理責任を全うするため,政令で定める基準に従い委託し,最終処分が終了するまで処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう務めなければならないとし,これを担保して事業者が処理を委託した産業廃棄物の移動,処理の状況を把握し,不適正な処理を防止するために産業廃棄物管理票制度を設けているところ,その委託先を許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者等に限定した法12条3項の規定は,これらの一連の規定の中核をなすものであり,法は,同条項が遵守されることを前提として,更に,委託をする際の基準,委託した後の措置等について規定をしているものである。しかるに,事業者が同条項の規定に違反して,許可を受けていない者に産業廃棄物の収集運搬又は処分を委託することは,これらの規定を通じて産業廃棄物の処理が適正に行われることを確保しようとした法の趣旨を無意味なものとし,不適正な処理を誘発,助長することに繋がるものであり,排出事業者の処理責任を放棄したにも均しい重大な違反行為であるといわざるを得ない。 法が,同条項の違反について,無許可営業(法25条1号)などと同列に,同法所定の中で最も重い罰則を規定している(法25条4号)ことからも,法12条3項の違反を重大な違反として位置付けていることが看取できる。 ・前記のとおり,被告は,処分基準を設けて,許可を受けた産業廃棄物処理業者が法12条3項に違反する行為をしたときは,その許可を取り消すことができるとしているところ,同条項違反の重大性に鑑みれば,そのような処分基準を設けたことに不適切な点はなく,適正なものということができる。そして,本件行為は,平成13年3月から同年7月までの5か月間の間に渡り,継続的に違反行為を繰り返したものであること,その違反行為に係る産業廃棄 とに不適切な点はなく,適正なものということができる。そして,本件行為は,平成13年3月から同年7月までの5か月間の間に渡り,継続的に違反行為を繰り返したものであること,その違反行為に係る産業廃棄物の量が合計約1000立方メートルと多大なものであること,原告は,違反行為に係る産業廃棄物がその後どのように処分されたか確認する措置を何ら講じていないことなどの諸事情からすると,その違反の程度が軽微なものであるということは到底できず,被告が,その処分基準に従い,本件行為に対して本件処分をもって臨んだことが,社会通念上著しく妥当性を欠くものということはできない。 3・この点,原告は,本件行為について,中間処理産業廃棄物をBに搬入したにとどまり,処分を委託する旨の認識まではなかったかの如く主張する。しかしながら,前記1・,・で認定のとおり,原告は,Cに焼却処分を委託していた通常ルートと,本件行為に係る特ルートとを区別し,後者についてはBに対して処分費用を支払い,Bから産業廃棄物管理票の写しの交付を受けていたこと,そこにはCの従業員の署名押印はなく,最終処分を行った場所欄も空欄のままであったにもかかわらず,中間処理産業廃棄物がその後どのように処理されたか確認する措置を何ら講じていないこと,更に,原告及び原告代表者が本件処分に関する聴聞手続や聴聞手続以前に提出した書面において,Bに処分を委託したことを認めていたことからすれば,原告がBに処分を委託したことは明らかである。そして,その委託の経過及び処理の仕方からすれば,原告は,そのことを本件行為の当初から認識していたと認められる。 また,原告は,中間処理産業廃棄物が最終的にCにおいて適法に処分されると認識しており,実際にもCにおいて適法に処分された旨主張するが,BがCに対して中間処理産業廃棄 識していたと認められる。 また,原告は,中間処理産業廃棄物が最終的にCにおいて適法に処分されると認識しており,実際にもCにおいて適法に処分された旨主張するが,BがCに対して中間処理産業廃棄物の処分を委託した形跡は全くなく,かえって,Hが,被告に提出した顛末書に,BがCから破砕を依頼された廃棄物に混ぜて破砕した旨記載していることや,これに見合うかのように,特ルートの処分費用が通常ルートよりも明らかに低額に設定されていることなどの諸事情からすると,Cにおいて適法に処分されたとの事実を認めることはできず,また,原告において,かかる認識があったと推認することもできない。 したがって,原告の主張を採用することはできない。 ・また,原告は,本件行為の悪質性は低く,期間が限定されていること,原告が搬入した産業廃棄物がその後Cにおいて適法に処理されたことなどの諸事情,許可取消処分がされると,許可申請の際の欠格事由に該当し,他の区域においても処分の対象事由となり,重大な影響があることなどをもって,本件処分が比例原則に反する旨主張する。しかしながら,既に認定説示したとおり,法12条3項の違反行為がそれ自体重大な違反行為であり,かつ,本件行為の違反の程度も軽微なものとは到底いえないものであることからすると,原告の主張するように許可取消処分が重大な不利益を与えることを考慮してもなお,本件行為に対する処分として本件処分が著しく重きに過ぎ均衡を失するということはできず,比例原則に反するということはできない。 また,原告は,被告のCやEに対する処分と比較すると,原告に対する本件処分は著しく重きに過ぎ均衡を失するものであるから,平等原則に反する旨主張する。しかしながら,両者は,それぞれ処分の対象となる行為を異にし,違反行為の適用法条も異な 分と比較すると,原告に対する本件処分は著しく重きに過ぎ均衡を失するものであるから,平等原則に反する旨主張する。しかしながら,両者は,それぞれ処分の対象となる行為を異にし,違反行為の適用法条も異なるのであるから,それぞれの処分に原告主張のような差異があることをもって,平等原則に反するということはできない。また,原告は,平等原則に反することの根拠として,被告がCやEに対して処分をする際に,恣意的に適用法条を認定し,自らの処分基準に反した取扱いをした旨主張するが,これを認めるに足りる証拠はなく,この点に関する原告の主張を採用することはできない。 4 以上によれば,本件処分について裁量権の濫用ないし逸脱があるということはできず,本件処分は適法である。 よって,原告の請求は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 宇都宮地方裁判所第2民事部裁判長裁判官羽田弘裁判官宮田祥次裁判官天川博義

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