平成17(行ウ)43 都税還付加算金還付請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年7月14日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文24,536 文字)

- 1 -主文 被告は,原告に対し,4億8229万5900円及びこれに対する平成16年3月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを20分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 この判決は,第1項及び第3項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1請求被告は,原告に対し,5億0825万1400円及びこれに対する平成16年3月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,被告の税務官署がした都民税及び事業税の減額更正により生じた過納金の還付に際して加算すべき還付加算金の算定の起算日が争われている事案である。 関係法令の定め(1)還付加算金に関する定め(。 「」地方税法平成16年法律第17号による改正前のもの以下地方税法という)17条の4第1項地方団体の長は,過誤納金を17条(…。 中略…)の規定により還付(…中略…)する場合には,次の各号に掲げる過誤納金の区分に従い当該各号に掲げる日の翌日から地方団体の長が還付のため支出を決定した日(…中略…)までの期間の日数に応じ,その金額に年7.3パーセントの割合を乗じて計算した金額(以下「還付加算金」という)をその還付(…中略…)すべき金額に加算しなけれ。 ばならない。 一更正,決定若しくは賦課決定(…中略… ,53条28項若しくは)- 2 -321条の8第28項の規定による申告書(法人税に係る更正若しくは決定によつて納付すべき法人税額(…中略…)を課税標準として算定した道府県民税又は市町村民税の法人税割額に係るものに限る,。)72条の33第3項の規定による修正申告書(…中略…)の提出又は(…中略…)不申告加算金(…中略…)の 中略…)を課税標準として算定した道府県民税又は市町村民税の法人税割額に係るものに限る,。)72条の33第3項の規定による修正申告書(…中略…)の提出又は(…中略…)不申告加算金(…中略…)の決定により納付し又は納入すべき額が確定した地方団体の徴収金(当該地方団体の徴収金に係る地方税に係る延滞金を含む)に係る過納金(次号及び3号に掲げる。 ものを除く)当該過納金に係る地方団体の徴収金の納付又は納入。 があつた日二,三号略四前3号に掲げる過納金以外の地方団体の徴収金に係る過誤納金その過誤納となつた日として政令で定める日の翌日から起算して1月を経過する日地方税法施行令平成16年政令第108号による改正前のもの以下施(。 「行令」という)6条の15第1項法17条の4第1項4号に規定す。 る政令で定める日は,次の各号に掲げる過誤納金の区分に応じ,当該各号に掲げる日とする。 一申告書の提出により納付し又は納入すべき額が確定した地方税(当該地方税に係る延滞金を含む)に係る過納金でその納付し又は納入。 すべき額を減少させる更正(…中略…)により生じたものその更正があつた日二法17条の4第1項4号に掲げる過誤納金のうち,前号に掲げる過納金以外のものその納付又は納入があつた日地方税法附則3条の2第1項当分の間,56条2項(…中略…)に規定. ,,する延滞金の年73パーセントの割合はこれらの規定にかかわらず各年の特例基準割合(各年の前年の11月30日を経過する時における- 3 -日本銀行法(平成9年法律第89号)15条1項1号の規定により定められる商業手形の基準割引率に年4パーセントの割合を加算した割合をいう。以下本項から3項までにおいて同じ)が年7.3パーセントの。 ,(「」割合に満たない場合にはその 項1号の規定により定められる商業手形の基準割引率に年4パーセントの割合を加算した割合をいう。以下本項から3項までにおいて同じ)が年7.3パーセントの。 ,(「」割合に満たない場合にはその年次項において特例基準割合適用年という)中においては,当該特例基準割合(当該特例基準割合に0. 。 1パーセント未満の端数があるときは,これを切り捨てる)とする。 。 同条3項当分の間,各年の特例基準割合が年7.3パーセントの割合に満たない場合には,17条の4第1項に規定する還付加算金の計算の基礎となる期間であつてその年に含まれる期間に対応する還付加算金についての同項の規定の適用については,同項中「年7.3パーセントの割合」とあるのは「附則3条の2第1項に規定する特例基準割合(当該,特例基準割合に0.1パーセント未満の端数があるときは,これを切り捨てる」とする。 。)(なお,上記特例基準割合は,平成12年及び平成13年は年4.5パーセント,平成14年から平成16年までは年4.1パーセントである)。 (2)法人の都民税及び事業税の申告に関する定め地方税法53条1項法人税法71条1項(…中略…)の規定によつて法人税に係る申告書を提出する義務がある法人は,当該申告書の提出期,,,限までに総務省令で定める様式によつて当該申告書に係る法人税額これを課税標準として算定した法人税割額(…中略…)をその法人税額の課税標準の算定期間(…中略…)中において有する事務所,事業所又は寮等所在地の道府県知事に提出し(…中略…)及びその申告した道,府県民税額(…中略…)を納付しなければならない。‥以下略‥同条26項1項…中略… の規定によつて申告書を提出すべき法人…()(中略…)は,当該申告書(…中略…)の提出期限後においても,55条4項の (…中略…)を納付しなければならない。‥以下略‥同条26項1項…中略… の規定によつて申告書を提出すべき法人…()(中略…)は,当該申告書(…中略…)の提出期限後においても,55条4項の規定による更正又は決定の通知があるまでは,1項(…中略…)- 4 -の規定によつて申告書を提出し,並びにその申告した道府県民税額を納付することができる。 同条27項1項…中略…の規定によつて申告書を提出した法人…()(中略…)は,次の各号のいずれかに該当する場合には,次項に該当する場合を除くほか,遅滞なく,総務省令で定める様式によつて,当該申告書を提出し(…中略… ,及びその申告により増加した道府県民税額を)納付しなければならない。 一,二号略三先の申告書に納付すべき道府県民税額を記載しなかつた場合(…中略…)において,その納付すべき道府県民税額があるとき。 同条28項1項(…中略…)の法人が(…中略…)法人税に係る(…中略…)決定の通知を受けたこと(…中略…)により,当該法人が前項各号のいずれかに該当することとなつた場合においては当該法人は…,,()()()中略…当該…中略…決定によつて納付すべき法人税額…中略…を納付すべき日までに,同項の規定によつて申告納付しなければならない。 地方税法72条の33第1項72条の25(…中略…)の規定によつて申告書を提出すべき法人は,当該申告書の提出期限後においても,72条の42の規定による決定の通知があるまでは,72条の25(…中略…)の規定によつて申告納付することができる。 同条3項72条の25から72条の31まで又は1項の規定によつて申告書を提出した法人で所得(…中略…)に対する事業税を申告納付すべきものは,前項の規定によるほか,当該申告に係る事業税 とができる。 同条3項72条の25から72条の31まで又は1項の規定によつて申告書を提出した法人で所得(…中略…)に対する事業税を申告納付すべきものは,前項の規定によるほか,当該申告に係る事業税の計算の基礎となつた事業年度(…中略…)に係る法人税の課税標準について税務官署の更正又は決定を受けたとき(…中略…)は,当該税務官署が当該更正又は決定の通知をした日から1月以内に,当該更正又は決定に係る課- 5 -税標準を基礎として,総務省令で定める様式による修正申告書を提出するとともに,その修正により増加した事業税額を納付しなければならない。 地方税法321条の8第1項法人税法(…中略…)74条1項(同法145条において準用する場合を含む(…中略… )の規定によつて法人。 )税に係る申告書を提出する義務がある法人は,当該申告書の提出期限までに,総務省令で定める様式によつて,当該申告書に係る法人税額,これを課税標準として算定した法人税割額(…中略…)均等割額その他,必要な事項を記載した申告書(…中略…)をその法人税額の課税標準の算定期間(…中略…)中において有する事務所,事業所又は寮等所在地の市町村長に提出し,及びその申告した市町村民税額(…中略…)を納付しなければならない(以下略)。 同条26項1項…中略… の規定によつて申告書を提出すべき法人…()(中略…)は,当該申告書(…中略…)の提出期限後においても,321条の11第4項の規定による(…中略…)決定の通知があるまでは,1項(…中略…)の規定によつて申告書を提出し,並びにその申告した市町村民税額を納付することができる。 同条27項1項(…中略…)の規定によつて申告書を提出した法人(…中略…)は,次の各号のいずれかに該当する場合には,次項に該当する場合を除くほか, の申告した市町村民税額を納付することができる。 同条27項1項(…中略…)の規定によつて申告書を提出した法人(…中略…)は,次の各号のいずれかに該当する場合には,次項に該当する場合を除くほか,遅滞なく,総務省令で定める様式によつて,当該申告書を提出し(…中略… ,及びその申告により増加した市町村民税額を)納付しなければならない。 一号略二先の申告書に納付すべき市町村民税額を記載しなかつた場合(…中略…)において,その納付すべき市町村民税額があるとき。 同条28項1項(…中略…)の法人が(…中略…)法人税に係る(…中- 6 -略…)決定の通知を受けたこと(…中略…)により,当該法人が前項各号のいずれかに該当することとなつた場合においては当該法人は…,,()()()中略…当該…中略…決定によつて納付すべき法人税額…中略…を納付すべき日までに,同項の規定によつて申告納付しなければならない。 前提事実(当事者間に争いのない事実及び記録上明らかな事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1)原告は,再保険業を行っているドイツ連邦共和国(以下「ドイツ」という)法人であり,昭和50年ころから,東京連絡事務所を設置している。 。 (2)麹町税務署長は,原告に対し,平成10年6月23日,平成4年7月1日から平成7年6月30日までの3事業年度にわたり,法人税等の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分等を行った(甲9の1から4まで。 )(3)原告は,平成10年7月22日,千代田都税事務所長(以下「処分庁」という)に対し,自己の事業が保険業である旨及び事業税の課税標準とし。 て収入金額を記載した平成4年7月1日から平成7年6月30日までの3事業年度分の都民税及び事業税の確定申告書を提出した 処分庁」という)に対し,自己の事業が保険業である旨及び事業税の課税標準とし。 て収入金額を記載した平成4年7月1日から平成7年6月30日までの3事業年度分の都民税及び事業税の確定申告書を提出した(乙2の1から3まで。なお,原告が上記(2)の決定処分等を受けて事業税及び住民税の支払に)つき相談したところ,処分庁から申告手続をとるよう慫慂された。 (4)処分庁は,平成12年3月27日,原告に課すべき,平成4年7月1日から平成7年6月30日までの3事業年度分の事業税に係る不申告加算金額を決定した。 (5)原告は,上記(4)の事業年度分の都民税及び事業税の各本税については,平成10年7月21日に,各延滞金については,同年7月31日に,不申告加算金については,平成12年7月21日に,それぞれ以下の金額を納付した。 ①平成5年6月期都民税本税(法人税割)1億6280万5000円- 7 -(均等割)115万0000円同延滞金5853万1900円事業税本税9638万2100円同不申告加算金481万9100円同延滞金3440万8300円②平成6年6月期都民税本税(法人税割)3億4359万2000円(均等割)121万0000円同延滞金9792万3700円事業税本税1億2159万7200円同不申告加算金607万9800円同延滞金3453万3500円③平成7年6月期都民税本税(法人税割)7億4788万1200円(均等割)121万0000円同延滞金1億5805万8200円事業税本税1億3673万8300円同不申告加算金683万6900円同延滞金2885万1700円(6)麹町税務署長は,平成13年6月27日,平成8年7月1日から平成10年12月31日までの3事業年度(最終の事業年度は平成10年 不申告加算金683万6900円同延滞金2885万1700円(6)麹町税務署長は,平成13年6月27日,平成8年7月1日から平成10年12月31日までの3事業年度(最終の事業年度は平成10年7月1日から同年12月31日まで。以下,(2)の平成4年7月1日から平成7年6月30日までの3事業年度と併せて「本件事業年度」という)にわたり,。 法人税等の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分等を行った(以下,前記(2)の決定処分等と併せて「本件法人税決定処分」という(甲9の5か。)ら7まで。 )(7)原告は,平成13年7月30日,処分庁に対し,自己の事業が保険業である旨及び事業税の課税標準として収入金額を記載した平成8年7月1日か- 8 -ら平成10年12月31日までの3事業年度分の都民税及び事業税の確定申告書を提出した(以下,前記(3)の申告と併せて「本件申告」という(乙。)2の4から6まで。 )(8)処分庁は,平成13年10月25日,原告に課すべき,平成8年7月1日から平成10年12月31日までの3事業年度分の事業税に係る不申告加算金額を決定した。 (9)原告は,上記(8)の事業年度分の都民税及び事業税の各本税については,平成13年7月27日に,各延滞金については,同年9月14日に,不申告加算金については,平成14年1月30日に,それぞれ以下の金額を納付した。 ①平成9年6月期都民税本税(法人税割)2億9759万5600円(均等割)121万0000円同延滞金7200万2100円事業税本税1億1050万6600円同不申告加算金552万5300円同延滞金2662万8300円②平成10年6月期都民税本税(法人税割)3億8647万1800円(均等割)121万0000円同延滞金6519万5100円 同不申告加算金552万5300円同延滞金2662万8300円②平成10年6月期都民税本税(法人税割)3億8647万1800円(均等割)121万0000円同延滞金6519万5100円事業税本税1億3873万7500円同不申告加算金693万6800円同延滞金2333万1000円③平成10年12月期都民税本税(法人税割)3億1711万6300円(均等割)60万5000円同延滞金4186万5100円事業税本税7363万7400円- 9 -同不申告加算金368万1800円同延滞金970万2000円(10)原告は,平成10年8月24日付けで,ドイツの権限ある当局(ミュンヘン税務署)に対して,日独租税条約に基づく相互協議の申立てを行ったところ,平成15年7月ころ,日独当局は,その相互協議において,原告が本邦において行っている事業は,事業税において,収入金額を課税標準とする損害保険事業ではなく,所得を課税標準とする事業であること,原告の東京連絡事務所が恒久的施設に該当するものであることが確認されるとともに,同事務所に帰属する所得について再計算が行われた。これに先だって,原告は,国税庁長官官房相互協議室長に対し,そこでの合意内容について同意する旨を申し入れた(以上につき,甲8の1,12)。 (11)麹町税務署長は,平成15年9月16日付けで,前記(2)及び(6)の各決定に係る法人税について減額更正をした(以下「本件法人税減額更正」という。なお,同減額更正の通知書には,その理由として,租税条約に基づく。)日独当局間の合意に従い,所得金額等に加算,減算して更正するものであること,減算項目としては,原告の東京連絡事務所に帰せられる事業損益の金額が減少したので,これを所得金額から減算したこと,加算項目とし 独当局間の合意に従い,所得金額等に加算,減算して更正するものであること,減算項目としては,原告の東京連絡事務所に帰せられる事業損益の金額が減少したので,これを所得金額から減算したこと,加算項目としては,東京連絡事務所に帰せられる事業損益は,保険事業に係る仲介・代理サービス提供の対価となるので,普通法人に係る標準税率により計算した事業税が損金算入されるべきところ,前記(2)及び(6)の各決定において,保険事業に係る標準税率により算定されていた事業税の損金算入額との差額を所得金額,。(,)に加算したことが記載されていた以上につき甲10の1から7まで(12)処分庁は,平成16年1月26日,前記(10)の協議結果に従い,原告に課すべき事業税について,所得を課税標準として税額の計算を行い,減額の更正を行った。また,原告に課すべき都民税の法人税割額についても,麹町税務署長が更正した法人税の税額を課税標準とした税額の計算を行い,減額- 10 -の更正を行った(以下,各税に係る減額の更正を一括して「本件事業税等減額更正」という(以上につき,甲1の1から6まで)。)。 (13)処分庁は,平成16年3月16日,上記(12)の更正に基づいて発生した過納金について,下記①ないし⑥のとおり,還付を行った(以下,これらのうち不申告加算金に係る過納金を除いたものを「本件過納金」という。 。)これらに付する還付加算金は,不申告加算金については,地方税法17条の4第1項1号を適用して,納付の日の翌日をもって還付加算金の計算期間の始期とし,都民税及び事業税の各本税並びにこれらに対する延滞金については,地方税法17条の4第1項4号,同法施行令6条の15第1項1号を適用して,上記(12)の更正があった日の翌日から起算して1か月を経過する日の翌日( 業税の各本税並びにこれらに対する延滞金については,地方税法17条の4第1項4号,同法施行令6条の15第1項1号を適用して,上記(12)の更正があった日の翌日から起算して1か月を経過する日の翌日(平成16年2月27日)をもって還付加算金の計算期間の始期として,還付加算金額の計算を行い,これを支払った(以上につき,甲2及び。 3の各1から6まで)記①平成5年6月期都民税本税(法人税割)1億1064万8100円同延滞金3950万1700円事業税本税1205万2300円同不申告加算金60万2700円同延滞金430万2900円②平成6年6月期都民税本税(法人税割)2億7887万1200円同延滞金7919万9600円事業税本税1687万3900円同不申告加算金84万3700円同延滞金479万2200円③平成7年6月期都民税本税(法人税割)6億6873万2100円同延滞金1億4110万2500円- 11 -事業税本税859万5100円同不申告加算金42万9800円同延滞金181万3600円④平成9年6月期都民税本税(法人税割)2億3908万0700円同延滞金5761万0600円事業税本税1585万6400円同不申告加算金79万2800円同延滞金382万0800円⑤平成10年6月期都民税本税(法人税割)3億2025万4000円同延滞金5385万6100円事業税本税3158万4200円同不申告加算金157万9200円同延滞金531万1400円⑥平成10年12月期都民税本税(法人税割)3億0299万5800円同延滞金3992万4900円事業税本税5096万8000円同不申告加算金254万8400円同延滞金671万5900円(14)原告は,平成16年3月26日 割)3億0299万5800円同延滞金3992万4900円事業税本税5096万8000円同不申告加算金254万8400円同延滞金671万5900円(14)原告は,平成16年3月26日,東京都知事に対し,上記(13)の還付加算金の計算に関する審査請求を行って,納付した日の翌日を起算日とすべきであると主張し,その未払額の支払を求めた(甲4)。 (15)東京都知事は,平成16年10月29日,原告に対し,上記審査請求を棄却するとの裁決を行い,同裁決書は,同年11月5日,原告に対して送達された(甲5。 )(16)原告は,平成17年2月4日,本件訴訟を提起した。 争点 - 12 -処分庁のした本件事業税等減額更正により生じた過納金に係る還付加算金の計算期間において,いつをその起算日とするべきかが争点である。 この点に関する当事者それぞれの基本的立場は以下のとおりであり,その具体的理由は別紙「当事者の主張(理由」記載のとおりである。 )(1)原告の主張本件申告は,地方税法17条の4第1項1号に規定する「53条28項若しくは321条の8第28項の規定による申告書,72条の33第3項の規定による修正申告書の提出」に当たるものと解すべきであるから,これによって納入すべき額が確定した地方団体の徴収金に係る過納金として,その還付加算金は「納付の日の翌日」を起算日として計算されるべきである。 仮にそうでないとしても,施行令6条の15第1項1号に規定する「申告」,,,書とは納税者が自主的に作成・提出した場合を指し本件申告のような国税について決定がされたために作成・提出された場合を含まないものと解すべきであるから,同項2号が適用され,還付加算金はその「納付の日の翌日から起算して1か月を経過する日の翌日」を起算日として計算されるべき いて決定がされたために作成・提出された場合を含まないものと解すべきであるから,同項2号が適用され,還付加算金はその「納付の日の翌日から起算して1か月を経過する日の翌日」を起算日として計算されるべきである。 (2)被告の主張ア本件過納金については,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用され「減額更正があった日の翌日から起算して,1か月を経過する日の翌日」をもって,還付加算金の起算点とするのが,合理的な取扱いである。 イ還付加算金の計算期間の起算点に関して,地方税法17条の4第1項1号は,同法53条28項,321条の8第28項及び72条の33第3項に基づく義務修正申告をした場合を特別に取り上げた上,課税庁が賦課決定等をした場合と同じ取扱いをするものと定めているものであって,申告が任意にされた場合をその対象から除外している。本件申告は,原告が任- 13 -意に行ったものであり,義務修正申告には当たらないのであるから,本件過納金について,同法17条の4第1項1号が適用される余地はない。 また,施行令6条の15第1項2号は,地方税法17条の4第1項4号に掲げる過納金のうち,施行令6条の15第1項1号が適用されない場合にのみ適用されるものである。本件過納金は,本件申告によって納付すべき額が確定したものであって,事後的に納付すべき額を減少させる更正により生じたものであり,同項1号が適用されることは条文上明らかであるから,同項2号が適用される余地もない。 第3争点に対する判断 還付加算金の性質及びその計算期間の起算点の定め方について還付加算金は,過納金の性質が課税主体と納税者との間における不当利得に類するものであり,これを納税者に還付する場合には,これを保持していた課税主体において,その期間に対応した利子に の定め方について還付加算金は,過納金の性質が課税主体と納税者との間における不当利得に類するものであり,これを納税者に還付する場合には,これを保持していた課税主体において,その期間に対応した利子に相当するものを納税者に支払うのが衡平にかなうものとして定められたものということができる。 還付加算金の計算期間の起算点に関しては,上記のような過納金及び還付加算金の性質に即して,また,民法上の不当利得にあっては,受益者が悪意であ()る場合にのみ利息を付して返還の義務を負うものとされている民法704条ことを踏まえて,過納が生じた原因が専ら納税者の行為に起因するものであるか,課税庁・課税主体の行為に起因するものであるかによって区別し,基本的には,後者の場合において,かつ,過納が生じたことにつき課税庁・課税主体に帰責事由を認めることができる期間に限って,還付加算金が発生するものと定めているものと解される。 すなわち,過納金が生ずる典型的な場合は,納付された税金が過大であったため,その後の減額更正により還付を要することになったときであるが,納付された税額の確定が納税者の申告行為に起因する場合には,上記起算点は,減額更正がされた日の翌日から起算して1か月が経過する日の翌日とされている- 14 -のに対し,その確定が課税庁の更正・決定に起因する場合には,上記起算点は納付の日の翌日とされている。 この点につき都民税及び事業税に関してみると,法人税の更正又は決定を受けたこと等により,それまでに申告し,又は更正若しくは決定を受けたことにより確定していた都民税及び事業税の額に不足が生じたときは,地方税法53条28項,321条の8第28項及び72条の33第3項の規定により,納税者はその不足額について申告納付の義務を負うこととされている。これらの規定により申告 業税の額に不足が生じたときは,地方税法53条28項,321条の8第28項及び72条の33第3項の規定により,納税者はその不足額について申告納付の義務を負うこととされている。これらの規定により申告をした場合については,納税者が法律上申告納付の義務を負っており,たとえその申告額が過大であったとしても,その責任を納税者に求めることができないものであることから,課税庁の行為に起因して過誤納が生じた場合に準じて,その納付の日の翌日を還付加算金の計算期間の起算点とするものとされている。 法人税と法人に対する都民税及び事業税との関係まず,法人に対する都民税(住民税)は,地方団体内に事務所又は事業所等を有する法人に対して課されるものであって,資本等の金額に応じて均等額で課される均等割と法人税額を課税標準として課される法人税割とからなっており,外国法人の場合は,その恒久的施設をもって事務所又は事業所に当たるものとされている。また,法人の住民税の確定と納付も,申告納付の方法によることとされているが,法人税割については,申告の内容が,法人税に関する法律の規定によって申告し又は更正若しくは決定された法人税額等と異なるときは,都道府県知事は,これを更正するものとされており,申告をしなかった法人についても申告すべき確定法人税額等を決定するものとされ,さらに,その更正・決定をした法人税額等が確定法人税額等と異なることを発見したときは,これを更正するものとされている(以上につき,地方税法734条2項。 及び3項,294条1項及び5項,施行令46条の4,地方税法53条1項,55条1項から3項まで)- 15 -次に,法人に対する事業税は,法人の行う事業に対して,所得・清算所得又は収入金額を課税標準として,事務所又は事業所の所在する都道府県によって課されるもの 項,55条1項から3項まで)- 15 -次に,法人に対する事業税は,法人の行う事業に対して,所得・清算所得又は収入金額を課税標準として,事務所又は事業所の所在する都道府県によって課されるものとされており,外国法人の場合は,その恒久的施設をもって事務所又は事業所に当たるものとされている。そして,電気供給業,ガス供給業,生命保険業及び損害保険業の場合にあっては,各事業年度の収入金額が課税標準とされ,その他の事業の場合は,各事業年度の所得及び清算所得が課税標準とされている。この場合の所得は,特別の定めがない限り,各事業年度の法人。 ,税の課税標準である所得の計算の例によって算定することとされているまた法人事業税の確定と納付は,申告納付の方法によることとされているが,申告の内容が,法人税の申告又は更正若しくは決定において課税標準とされた所得等を基準として算定した課税標準(基準課税標準)と異なるときは,都道府県知事は,当該基準課税標準に従って更正をするものとされており,申告をしなかった法人についても,法人税の課税標準を基準として,当該法人の所得割等を決定するものとされ,さらに,その更正・決定をした場合において,法人税に係る更正又は修正申告があったことにより法人税の課税標準が増加又は減少したときは,その増加し,又は減少した法人税の課税標準を基準として,当該法人の所得割等を更正するものとされている(以上につき,地方税法72条。 の2第1項及び5項,施行令7条の3の5第1項から3項まで,地方税法72条の12,72条の23第1項,72条の25第1項,72条の39第1項から3項まで等) 本件申告の性質と還付加算金の起算点以上のような各税の関係を踏まえて,本件法人税決定処分を受けた時点での原告の置かれていた状況をみながら,都民税と事業税に分け 2条の39第1項から3項まで等) 本件申告の性質と還付加算金の起算点以上のような各税の関係を踏まえて,本件法人税決定処分を受けた時点での原告の置かれていた状況をみながら,都民税と事業税に分けて検討することとする。 (1)都民税の申告についてアまず,都民税との関係においては,前記前提事実のとおり,麹町税務署- 16 -長は,本件法人税決定処分において,原告の東京連絡事務所を恒久的施設と認定した上,そこに帰属する事業損益を認定し,その課税標準である所得を算定し,法人税額を具体的に確定させたものである。そうすると,都民税の法人税割の課税標準である法人税額は,権限ある国税官署により一応有効に確定された状態にあったといえる。そして,原告がこれに従った,。 都民税の申告納付を行えば処分庁はこれをそのまま是認することになる一方,仮に原告がその申告納付を行わなければ,しかるべき時期に,処分庁が本件法人税決定処分に係る法人税額に従った都民税の決定を行うことが当然に予想される状況にあったということができる(後者の場合には,処分庁の決定を待って納付を行った原告は,納付が遷延したことにより相応の延滞金を別途負担することになる。更に見方を変えれば,麹町税務。)署長や裁判所が本件法人税決定処分を取り消すなどしなければ,処分庁が上記以外の課税処分を行う,あるいは,何らの課税処分を行わないなどの事態はおよそ予定されていないといえるものであった。したがって,税額の具体的な確定には,申告や決定等の税額確定行為を待つ必要があるとはいえ,原告は,本件法人税決定処分時において,上記法人税額に従った都民税の納付を事実上余儀なくされていたと評価することができる。なお,事務所若しくは事業所又は恒久的施設の存在も都民税の課税要件とはなるが,麹町税務署長が法人税 処分時において,上記法人税額に従った都民税の納付を事実上余儀なくされていたと評価することができる。なお,事務所若しくは事業所又は恒久的施設の存在も都民税の課税要件とはなるが,麹町税務署長が法人税の決定処分を行った場合,恒久的施設の存在することもそこでの法人税額の確定という判断内容に一体として含まれているものであり,その点のみを取り出して,処分庁が麹町税務署長と異なる独自の判断(原告東京事務所が恒久的施設に該当しないという判断)をして,都民税の課税を自制するという事態もおよそ予定されていないといわざるを得ない。 イ確かに,都民税に関しては,法人税の申告義務を負う法人について,その申告書の提出期限までに,都民税を申告納付することが義務付けられて- 17 -いる(地方税法53条1項。 )一方,その提出期限後,法文上は,申告納付をすることができると規定されているにとどまる(同条26項。そして,本件法人税決定処分を受)けた原告は,法人税の更正又は決定がされた場合において都民税の申告納付が明文で義務付けられている場合(すなわち,都民税について先行する申告をしているか,又は更正・決定を受けている場合。同条28項)に該当しないとはいえ,少なくとも還付加算金の計算期間の起算点との関係では,上記アのとおり,本件法人税決定処分に従った都民税の申告納付を義務付けられた状況に置かれていた場合と同視するのが相当であり,本件法人税決定処分に従った内容の本件申告をしたことについて,原告が自身の責任で任意に行ったとみるべきではない。結果として,その額が過大であることが判明した場合に,その責任を原告に負わせるのが相当な場合に当たるとはいい難いからであるし,また,このように解さないとすると,原告も指摘する(別紙「当事者の主張(理由」1(2))とおり,原告のよう とが判明した場合に,その責任を原告に負わせるのが相当な場合に当たるとはいい難いからであるし,また,このように解さないとすると,原告も指摘する(別紙「当事者の主張(理由」1(2))とおり,原告のよう)に,都民税の申告をしないまま法人税の決定を受けた場合において,その決定に従って都民税について期限後の申告納付をした者の方が,申告納付の措置をとらずに放置して都民税について決定を受けた者に比べ,還付加算金の算定において著しい不利益を受けるという不公平な結果となりかねない。地方税法は,都民税について申告納税制度を採用し,第一次的な税額確定の責任を,課税標準の実情をよく知る納税者にゆだねたものであるから,期限後の申告であるとはいえ,法人税の決定処分の内容に従って自主的に申告した納税者について,申告をしなかった納税者よりも不利益に扱うという結果を是認する趣旨を含んだものと考えるのは相当性を欠く解釈というべきである。 ウ以上の判断に関して,更に必要な限度において,被告の主張を吟味しておくこととする。 - 18 -(ア)まず,被告は,日本国内に恒久的施設を有し,客観的に納税義務があったにもかかわらず,原告は,自らの判断で期限内に申告納付をすることを怠っていたものであるから,期限内に申告納付をした納税者が,法人税について更正等をされたのを受けて義務修正申告をした場合と異なる扱いをされることにも合理的な理由があると主張している。 確かに,日独当局間で合意され,原告も同意した相互協議の内容により確定された事実関係によれば,原告は当初から法人税,都民税及び事業税の申告納付の義務を負いながら,本件申告までにその義務を怠っていたことになる。 しかしながら,申告納付義務の不履行に関する制裁としては,地方税法において,その趣旨にのっとり,各税に関してそれぞれ 業税の申告納付の義務を負いながら,本件申告までにその義務を怠っていたことになる。 しかしながら,申告納付義務の不履行に関する制裁としては,地方税法において,その趣旨にのっとり,各税に関してそれぞれ過少申告加算金,不申告加算金,重加算金及び延滞金を課されることが予定されている。そもそも還付加算金は,過誤納があったとき国又は地方団体が正当に保有すべき理由がない金員を納税者に還付するに当たり,民法上の不当利得の法理に準じて,その保有していた期間の使用利益に当たる利息に相当する金員を付さなければならないとしたものであって,申告納付義務の不履行に対する制裁として機能することを予定したものとは解し難い。したがって,その起算点を定めるに当たり,納税者に申告納付義務の不履行があったことを理由にして,不利益に扱わなければならないとする合理的な根拠は見当たらない。むしろ,被告主張のように解すると,法人税の決定処分を受けた後,期限後申告もしないまま放置していたため,都民税について決定を受け,それにより確定した税額を納付した納税者との間で,著しい不均衡が生じかねないことは,前記イで指摘したとおりである。 (イ)さらに,被告は,申告期間内に申告をし,本来的義務を果たした納税者が減額更正を受けた場合には,後に減額更正を受けたとしても,地- 19 -方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用されて,減額更正の日の翌日から1か月を経過する日の翌日から還付加算金が計算されるにもかかわらず,申告納付義務を怠った原告について,地方税法17条の4第1項1号が適用されて,納付の日の翌日から還付加算金が計算されると,衡平を欠いた結果となり,期限内申告軽視につながるなどと主張する。 しかしながら,期限内申告にあっては,課税標準について税務官署の公権的 号が適用されて,納付の日の翌日から還付加算金が計算されると,衡平を欠いた結果となり,期限内申告軽視につながるなどと主張する。 しかしながら,期限内申告にあっては,課税標準について税務官署の公権的判断が先行するという事態は一般には存在せず,都民税の申告に当たっても,自身の判断で納税者がその課税標準を定めるほかないのであって,そもそも,その内容に誤りがあって過納金が生じたことについては,納税者の責めに帰すべきものであるから,還付加算金の起算日が減額更正よりも後の日となることには,合理的な理由がある。このことと当該納税者が期限内に申告義務を履行したこととは直接関係のない事柄である。被告の主張は,期限後申告をした者について,後に減額更正がされれば,その理由を問わず,還付加算金の起算日をすべて納付の日の翌日になると解した場合に初めて成り立つ議論である。本件においては,専ら,先行する法人税の決定処分に従った内容の期限後申告をした場合を問題にするものであり,この場合に限れば,還付加算金の起算日を納付の日の翌日とすることに理由があることは既に述べてきたところから明らかである。将来,過大な法人税の決定がされ,後にその減額更正がされ,これに合わせて都民税・事業税の減額更正がされるという極めてまれな偶然を見込んで,納税者が期限内の申告納付を意図的に怠るという事態はおよそ非現実的であり,期限内申告軽視につながるなどとする被告の主張は採用することができない。 エ以上によれば,都民税に関しては,地方税法17条の4第1項を適用する上では,本件申告は,同法53条28項又は321条の8第28項の規- 20 -定による義務修正申告によって申告書を提出した場合と同視するのが相当であるから,その還付加算金の起算日は「納付の日の翌日」と解すべきである。 (2)事業 又は321条の8第28項の規- 20 -定による義務修正申告によって申告書を提出した場合と同視するのが相当であるから,その還付加算金の起算日は「納付の日の翌日」と解すべきである。 (2)事業税の申告についてアこれに対して,事業税との関係では,本件法人税決定処分を受けた時点において原告の置かれていた状況は,都民税との関係として上記(1)で述,。 べたところがそのまま妥当はしないので改めて検討を加えることとする,,,事業税の課税標準は都民税と異なり所得又は収入金額とされておりこの場合の所得は,前記のとおり,特別の定めがない限り,各事業年度の法人税の課税標準である所得の計算の例によって算定することとされ,また,事業税の申告の内容が,法人税の申告又は更正若しくは決定において課税標準とされた所得等を基準として算定した課税標準(基準課税標準)と異なるときは,都道府県知事は,当該基準課税標準に従って更正をするものとされている。そうすると,本件において「所得」を課税標準とす,る場合については,やはり,原告は,本件法人税決定処分に従った事業税の申告納付を義務付けられた状況にあったとみる余地がないではない。 ,(),,しかしながら前記前提事実第2の2(3)及び(7)のとおり原告は本件申告において自らを保険業とするとともに「所得」ではなくあくま,でも「収入金額」を課税標準として事業税の税額計算を行っているものであるから,その申告内容は「所得」を課税標準とする本件法人税決定処,分の内容に拘束されているものとも,これを反映したものともみることはできない(ちなみに,本件法人税決定処分の通知書には,法人税額算定の過程として,所得金額の記載はあるものの,収入金額の記載はなく,そこで麹町税務署長の収入金額に係る判断が示されたと のともみることはできない(ちなみに,本件法人税決定処分の通知書には,法人税額算定の過程として,所得金額の記載はあるものの,収入金額の記載はなく,そこで麹町税務署長の収入金額に係る判断が示されたという事実も認められない。甲9の2から7まで参照。 )イそうであるとすれば,原告は,事業税に関しては,その収入金額を自ら- 21 -,,計算しこれを課税標準として税額を算定したとみるほかないのであってその申告は,本件法人税決定処分に従ったものとはいえないし,原告がそれを義務付けられた状況にあったともいえない。むろん,通常は,収入のないところに所得はないのであり,両者には一定の相関関係が認められる場合が少なくないが,本件申告における収入金額が本件法人税決定処分の内容に従って算定されたとする根拠はない。詰まるところ,還付加算金の計算期間の起算点との関係においては,結果として,本件申告により確定された税額が過大であることが判明した場合でも,それは自己の判断で任意にした申告に起因するものと解するほかなく,その責任は原告に負わせるのが相当である。 ウしたがって,事業税の申告に関しては,地方税法17条の4第1項との関係において,本件申告は同法72条の33第3項の規定による修正申告書を提出した場合と同視するだけの前提を欠き,施行令6条の15第1項1号が適用される場合であるといわざるを得ないから,その還付加算金の起算日は「減額更正があった日の翌日から起算して1か月を経過する日の翌日」と解すべきである。 還付加算金に関する具体的な計算以上判断したところによれば,原告が本件申告により税額を確定させ,納付した徴収金のうち,都民税の法人税割及びこれに対する延滞金に係る過納金については,地方税法17条の4第1項1号を適用するのが相当であり,その納付の によれば,原告が本件申告により税額を確定させ,納付した徴収金のうち,都民税の法人税割及びこれに対する延滞金に係る過納金については,地方税法17条の4第1項1号を適用するのが相当であり,その納付の日の翌日を還付加算金の計算期間の起算日とするのが相当である。これらについて,適用される還付加算金の割合は,平成11年12月31日までは,7.3パーセント,平成13年12月31日までは,4.5パーセント,平成16年2月26日までは,4.1パーセントであり,これを基に計算した未払の還付加算金の額は,別表認容額・合計額欄記載のとおりである(なお,平成10年12月期の都民税法人税割の延滞金の還付額に対する還付加算金のう- 22 -ち,納付日から平成16年2月26日までに発生した分の合計は406万0900円(百円未満切捨て)であって,原告の請求額の内訳と考えられる406万3100円を下回っている。原告が本訴で請求するのは,納付日から平成16年2月26日までの上記期間に発生した還付加算金と解されるから,406万0900円の限度で原告の請求を認容するものとする。したがって,被告。)は,原告に対し,その合計額4億8229万5900円及びこれに対する原告が被告に対して未払の還付加算金の支払を求めた日の翌日である平成16年3月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員を支払うべきである。 これに対して,事業税及びこれに対する延滞金に係る過納金については,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号を適用するのが相当であり,被告は,これに従って還付加算金を計算して,その支払を行っているから,この部分について被告の原告に対する未払の還付加算金はない。 第4 結論 以上によれば,原告の請求は,上記第3の4において,被告が原告に対して支払 って還付加算金を計算して,その支払を行っているから,この部分について被告の原告に対する未払の還付加算金はない。 第4 結論 以上によれば,原告の請求は,上記第3の4において,被告が原告に対して支払うべきであると説示した限度で理由があるから,これを認容し,その余については理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部大門匡裁判長裁判官田徹裁判官吉- 23 -小島清二裁判官- 24 -(別紙)当事者の主張(理由) 原告の主張(1)地方税法17条の4第1項1号の規定の改正経緯昭和44年法律第16号による改正(以下「昭和44年改正」という)。 前の地方税法において,還付加算金の起算日は,過納金の発生した原因を問わず,すべて地方団体の徴収金の「納付又は納入があった日の翌日」と定められていた。 しかし,納税者が自らの計算誤りにより過大申告をした場合のように,過納金の発生について地方団体の側に帰責事由がない場合について,納付等の日の翌日から還付加算金を付すことには,民法上の不当利得の法理に照らしても合理性がないことから,昭和44年改正により,納税者の申告によって納付すべき地方税の額が確定した場合については,原則として「減額更正,があった日の翌日から起算して1か月を経過する日の翌日」を起算日とすることとされた。 さらに,納税者の申告によって納付すべき地方税の額が確定した場合であっても,国税の更正又は決定により,納税者が義務的に都民税及び事業税等を申告納付した場合には,納税者に帰責事由はなく,自主的に申告納付した場合と同じに取り扱うのは不合理であることから,昭和50法律第18号による改正(以下「昭和50年改正」という)により,これら義務的な申告。 ,,「」により税 事由はなく,自主的に申告納付した場合と同じに取り扱うのは不合理であることから,昭和50法律第18号による改正(以下「昭和50年改正」という)により,これら義務的な申告。 ,,「」により税額が確定した場合の還付加算金は改めてその納付の日の翌日を起算日として計算されることとなった。 (2)原告は,本件事業年度の都民税及び事業税について,本件申告以前に申告書を提出したことがないから,地方税法53条28項若しくは321条の8第28項の規定による申告書又は同法72条の33第1項の規定による修正申告書を提出した場合のいずれにも該当せず,文言上は,同法17条の4- 25 -第1項1号に該当しない。 しかしながら,原告は,外国法人が日本国内に恒久的施設を有する場合に限り法人税,都民税及び事業税の申告納付の義務を負うものであり,日本に,,恒久的施設がないと信じて上記各税の申告納付を行っていなかったところ麹町税務署長の決定により,東京連絡事務所が恒久的施設に該当すると認定されて法人税を賦課されたことから,本件申告を行ったものである。本件申告の内容は,本件法人税決定処分の公定力により法定されており,原告の自,,主的な判断を入れる余地がないのであるから過納金が生じたことについて原告に何ら帰責事由はない。また,過納金が生じたのは,恒久的施設に帰属する範囲の所得か否かを問わず,すべての国内源泉所得に課税する更正決定をしたことに由来するものであるから,納税金を自由に使用するという利益,,。 享受を受けた被告がその対価を支払わないのは信義誠実の原則に反するそうであるとすれば,地方税法17条の4第1項1号所定の法律上の義務として申告書を提出した場合に準じて同号が適用されるべきである。 仮に,本件において,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6 反するそうであるとすれば,地方税法17条の4第1項1号所定の法律上の義務として申告書を提出した場合に準じて同号が適用されるべきである。 仮に,本件において,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用されるとすると,本件法人税決定処分の後に,都民税及び事業税について申告納付を行わないまま放置し,処分庁が決定をすることにより納付すべき税額が確定した納税者については,その後減額更正が行われれば,地方税法17条の4第1項1号が適用されて,納付をした日の翌日が還付加算金の起算日となるのに,原告のように本件法人税決定処分の内容,,に従って申告納付をした納税者についてはその後減額更正が行われた場合その更正の日の翌日から1か月を経過する日の翌日が還付加算金の起算日と,。 なってしまい法に従った誠実な納税者がかえって不利益を被る結果となるこうした課税上の不公平は到底容認されるべきではない。 (3)日独租税条約24条2項は,一方の締約国の企業が他方の締約国内に有する恒久的施設に対する租税は,当該他方の締約国において,同様の活動を- 26 -行う当該他方の締約国の企業に対して課される租税よりも不利に課されることはない旨規定する。日本法人が原告と同様の法人税の決定処分を受けた場合には,都民税及び事業税について修正申告義務を負っており,地方税法53条28項,321条の8第28項及び72条の33第3項の規定による申告書を提出することにより,同法17条の4第1項1号の規定の適用を受けることができるところ,仮に,原告は,恒久的施設の認定を受ける以前は申告書を提出していなかったことから,同条同項同号の適用を受けられないということになれば,ドイツ企業が日本国内に有する恒久的施設に対する租税を,日本において同様の活動を行う日本企業に対して る以前は申告書を提出していなかったことから,同条同項同号の適用を受けられないということになれば,ドイツ企業が日本国内に有する恒久的施設に対する租税を,日本において同様の活動を行う日本企業に対して課される租税よりも不,。 利に課すことになり上記租税条約の定める無差別取扱いの規定に違反するさらに,上記(2)でみたとおり,原告に対して,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用されるとすると,本件法人税,,決定処分の後も都民税及び事業税について申告納付を行わないまま放置し処分庁が決定をして納付すべき税額を確定させた納税者と比べて不利益を被ることになるが,こうした差別に合理的な理由はないのであって,これによって生ずる課税上の不公平は,憲法14条に違反する。 したがって,地方税法17条の4第1項1号及び4号,施行令6条の15第1項1号の各規定は,上記日独租税条約及び憲法の規定に反しないよう,原告の主張するように解釈されるべきである。 被告の主張(1)本件過納金について,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用され,減額更正があった日の翌日から起算して1か月を経過する日の翌日をもって還付加算金の起算点とすることは以下の(2),,のとおり,合理的な取扱いである。 (2)ア昭和50年改正は,納税者が自ら税額を多く申告した場合,過納金となる税額分を納付しなければならない立場に置かれるのは自ら招いた結果- 27 -であるのに対し,課税庁による賦課決定がされた場合,決定が取り消されない限り過納金となる税額分についても納付義務は存続するから,納税者の意に反する結果を招来することに着目し,過納金の発生が,課税庁側の措置に由来するか,納税者側の行為に由来するかの別によって還付加算金の起算点 金となる税額分についても納付義務は存続するから,納税者の意に反する結果を招来することに着目し,過納金の発生が,課税庁側の措置に由来するか,納税者側の行為に由来するかの別によって還付加算金の起算点を異にすることとしたものである。 イ(ア)事業を行う法人は,納付すべき事業税額がない場合であっても,事業年度終了の日から2か月以内に,事業税に係る申告書を提出しなければならないし(地方税法72条の55第1項,9項,法人税に係る申)告書を提出する義務がある法人は,当該申告書の提出期限までに,都民税の申告書を提出し,その申告税額を納付しなければならないこととされている(同法321条の8第1項。しかし,申告期限経過後は,都)民税及び事業税に係る申告書を提出すべきことを義務付ける規定は存在せず,法人税の課税標準について更正・決定を受けた場合であっても,修正申告をする義務が課されているのは,それ以前に都民税及び事業税に係る申告書を提出しているか,両税に係る更正・決定を受けている法人に限られている。 (イ)原告は,本邦内に恒久的施設を有していないと判断して法人税,都民税及び事業税の申告を自主的にはしなかったものであり,麹町税務署長による本件法人税決定処分があったとしても,恒久的施設の有無を争う余地はなお残されていた。にもかかわらず,自ら不服申立てをして争,,う途を放棄してあえて申告書を提出したものといわざるを得ないからこれにより発生した過納金が納税者側の行為に由来するものであるとみることは,極めて合理的である。 (ウ)また,都民税及び事業税においては申告納付制度が採用され,納税者がその納付すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し,その申告した税金を納付することとされている(地方税法1条1項8号,53条2- 28 -7項1項,321条の8 は申告納付制度が採用され,納税者がその納付すべき地方税の課税標準額及び税額を申告し,その申告した税金を納付することとされている(地方税法1条1項8号,53条2- 28 -7項1項,321条の8第1項。これは,課税となる事実を誰よりも)よく知る立場にある納税者自身に申告義務を課すことによって,正確に課税標準額を把握することを目的としたものであり,原告においても,都民税及び事業税の課税要件を自ら判断することが求められているのであるから,仮に麹町税務署長の恒久的施設の認定に事実上拘束されたとしても,自ら適正と考える課税標準額及び税額を申告すれば足りるのである。都民税及び事業税の申告を怠っていた法人については,法人税に係る更正・決定があっても,これに従った都民税及び事業税の申告をすべきことを義務付けた規定は存在しないのであるから,地方税法の規定に従い義務修正申告をした場合と同視することはできない。 (エ)特に,本件申告において,原告は,自らを事業税の課税標準額が法人税の課税標準額に準拠する法人(以下「国税準拠法人」という)で。 はなく,収入金額を課税標準とする法人(以下「収入金額による自主決定法人」という)であるとしていたのだから,本件申告における課税。 標準額が麹町税務署長の法人税額等の決定に拘束されていたということはできず,この点からは,本件申告が義務修正申告と同視されるべき理由は全くないというべきである。 ちなみに,収入金額による自主決定法人については,国税準拠法人と異なり,期限内申告をした後に法人税に係る更正を受けた場合であっても,法72条の33第3項による修正申告義務を負わないものとされている。これは,収入金額による自主決定法人の場合,その課税標準が法人税の課税標準に準拠するものではないためである。 仮に,原告が本件申告を 法72条の33第3項による修正申告義務を負わないものとされている。これは,収入金額による自主決定法人の場合,その課税標準が法人税の課税標準に準拠するものではないためである。 仮に,原告が本件申告をせずに処分庁から都民税及び事業税の賦課決定を受けていたとすれば,地方税法72条の46第2項の規定により,100分の15の割合による不申告加算金を課されていたはずのものであるところ,原告は,本件申告をすることにより,申告書の提出が更正- 29 -又は決定があるべきことを予知してされたものではないときに当たるものとして,同条3項の規定が適用され,100分の5の割合による不申告加算金が課されるにとどまったものである。原告は,これらの事情をも勘案の上,都民税及び事業税の賦課決定を待つことなく,自らの判断により本件申告を行ったものと推測されるところである。 (オ)内国法人であっても,事業を行っているか否か,事務所又は事業所を有する場所はどこかなどの点について,税務官署との間で見解が相違する場合には,都民税及び事業税について不申告のまま,法人税に係る決定がされることが起こり得る。さらに,白色申告法人にあっては,事業年度における所得がないと判断して申告をしないものについても,都民税及び事業税について不申告のまま,法人税に係る決定がされることも起こり得る。これらの内国法人については,当初の申告がされていなければ都民税及び事業税について修正申告ができないことは地方税法の規定上明らかであって,法人税の決定後に,任意の期限後申告がされ,その後に減額更正がされれば,都民税及び事業税並びにこれらに対する延滞金の過納金の還付加算金については,原告と同様,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用される。原告に対して,上記各条項が適用されるの 民税及び事業税並びにこれらに対する延滞金の過納金の還付加算金については,原告と同様,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用される。原告に対して,上記各条項が適用されるのは,内国法人と外国法人との差異に起因するものではないから,日独租税条約の規定する無差別取扱いに反するものではない。 ウさらに,税法は,適正公平な課税を行うため,法人税並びに法人の都民税及び事業税について申告納税制度を採用しているのであるから,本来,原告は,税務官署による決定を待たずに,上記各税について申告納付を行うべきであった。 しかし,原告は,自主的な申告納付を行わず,たまたま行われた麹町税,,務署長の決定処分を契機として法定納期限後数年を経過した後になって- 30 -それまで怠っていた都民税及び事業税の申告納付の義務をようやく果たしたにすぎないものである。このような原告について,地方税法17条の4第1項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用されたとしても,それは申告納税制度の趣旨にそうものであって,憲法14条に違反するものでもない。 仮に,原告について地方税法17条の4第1項1号が適用されて,納付の日の翌日から還付加算金が計算されるとすると,申告期間内に申告をするという本来的義務を果たした納税者が減額更正を受けた場合に,同項4号及び施行令6条の15第1項1号が適用されて,減額更正の日の翌日から1か月を経過する日の翌日から還付加算金が計算されるのと比べて,より有利に取り扱われることになる。このような結果こそ,期限内申告軽視につながり,申告納付制度の根幹を脅かしかねないのであって,容認し難い事態というべきである。 告納付制度の根幹を脅かしかねないのであって,容認し難い事態というべきである。

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