昭和39(オ)696 家屋明渡等請求

裁判年月日・裁判所
昭和39年11月19日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人樫本信雄、同浜本恒哉の上告理由第一点について。  賃借人が賃貸人の

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判決文本文1,447 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人樫本信雄、同浜本恒哉の上告理由第一点について。  賃借人が賃貸人の承諾を得ないで賃借権の譲渡又は賃借物の転貸をした場合であ つても、賃借人の右行為を賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情 のあるときは、賃貸人に民法六一二条二項による解除権は発生しないものと解する を相当とする(昭和二五年(オ)第一四〇号、同二八年九月二五日第二小法廷判決、 民集七巻九号九七九頁、昭和二八年(オ)第一一四六号、同三〇年九月二二日第一 小法廷判決、民集九巻一〇号一二九四頁参照)。ところで、本件について原審の確 定した事実によれば、被上告人は、昭和二二年七月の本件家屋の賃借当初から、階 下約七坪の店舗でD商会という名称でミシンの個人営業をしていたが、税金対策の ため、昭和二四年頃株式会社E商会という商号の会社組織にし、翌二五年頃にはこ れを解散してFミシン工業株式会社を組織し、昭和三〇年頃Gミシン工業株式会社 と商号を変更したものであつて、各会社の株主は被上告人の家族、親族の名を借り たに過ぎず、実際の出資は凡て被上告人がしたものであり、右各会社の実権は凡て 被上告人が掌握し、その営業は被上告人の個人企業時代と実質的に何らの変更がな く、その従業員、店舗の使用状況も同一であり、また、被上告人は右Gミシン工業 株式会社から転借料の支払を受けたことなく、かえつて被上告人は上告人Aらの先 代Hに対し本件家屋の賃料を同社名義の小切手で支払つており、被上告人は同会社 を自己と別個独立のものと意識していなかつたというのである。されば、個人であ る被上告人が本件賃借家屋を個人企業と実質を同じくする右Gミシン工業株式会社 に使用させたからといつて、賃貸人との間の信頼関係 を自己と別個独立のものと意識していなかつたというのである。されば、個人であ る被上告人が本件賃借家屋を個人企業と実質を同じくする右Gミシン工業株式会社 に使用させたからといつて、賃貸人との間の信頼関係を破るものとはいえないから、 - 1 - 背信行為と認めるに足りない特段の事情あるものとして、上告人らが主張するよう な民法六一二条二項による解除権は発生しないことに帰着するとした原審の判断は 正当である。右と異なる見解に立つて原判決を非難する論旨は、採用できない。  同第二点について。  上告人Aらの先代Iがその代理人たるJを通じて本件賃料の増額をしたことによ り、右Iは被上告人の本件家屋増築を暗黙に承諾したものである旨の原審の認定判 断は、その挙示する証拠関係に照らして首肯できないことはなく、その判断の過程 に所論違法は認められない。所論は、ひつきよう、原審の認定と相容れない事実を 前提として、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定を非難するに帰し、採 用できない。  よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、 主文のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    長   部   謹   吾             裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    松   田   二   郎             裁判官    岩   田       誠 - 2 -

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