昭和24(新)353 窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和24年12月8日 広島高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。      当審に於ける訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  被告人提出の控訴趣意書によれば「私儀窃盗被告事件に関し昭和二十四年

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判決文本文2,456 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 当審に於ける訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 被告人提出の控訴趣意書によれば「私儀窃盗被告事件に関し昭和二十四年七月二十日山口簡易裁判所に於て懲役二年の判決言渡を受け同年同月二十一日に控訴申立を致しました。私はこの七月二十日山口簡易裁判所に於ける懲役二年の判決言渡に対して不服がありますから控訴致します。私としては刑の軽重亦不服を申しているのでは御座いません。この窃盗被告事件そのものに対して私が窃盗事件を犯した者としての判決言渡を受けましたが私自身と致しましては全然窃盗を犯した覚えなく無実の罪に対して刑を受けることは私としてこの上もなき苦痛であり又心外に絶えざる次第であります。左に当時の事情を詳しく申し述べ正しき御審理をお願い致し度く存じます。私は当時山口市a町A株式会社に書は働き夜は山口市bB旅館で下働きをして真面目に働いておりました。私は前刑を公文書偽造罪で軍刑重労四年の言渡を受け山口刑務所に於て服役昭和二十三年七月五日向う一年の執行猶予で出所ひたすら更生の生活を暮していたもので全く身に覚えなき罪に対し刑を受けることは私として実に断腸の思が致します。私は捕れた当時の模様を詳細にのべることに致します。昭和二十四年一月二十九日午後九時十五分頃前記B旅館で働いている処を突然山口警察署員の方が来られて即時連行されました。その際警察署員の携行した逮捕状には一月二十四日山口市bC聯盟の窃盗事件の被疑者ということになつていたものでありますが全く私には覚えはなく極力否認して来たのでありますがその儘留置されそれから十五日目に山口刑務所に勾置され窃盗被告人として起訴され前記の如く二年の刑を言渡されたのであります。私の原籍は中華民国福建省台湾c市d字ef番地でありまして 来たのでありますがその儘留置されそれから十五日目に山口刑務所に勾置され窃盗被告人として起訴され前記の如く二年の刑を言渡されたのであります。私の原籍は中華民国福建省台湾c市d字ef番地でありまして当然第三国人であるにもかかわらず聯合国側の逮捕状を携行せず不法にも拘引したもので全く国際法を無視した非合法な処置でおり亦山口検察庁は本年三月四日小倉軍事裁判法廷に身柄を送つた後公判の開廷される二、三日前になつて私が日本に帰化しているので第三国人ではない旨の通牒を送り不法にも日本裁判により前記の如く事実無限の窃盗罪で懲役二年と云う判決を言渡したものであります。私は日本に帰化した憶はなく純然たる第三国人であることは山口市D聯合会でも明らかにされる処でありまして以上の事実は私としては絶対に承服できない処であります。私としては本年一月二十九日以降今日迄身に憶えのない罪により勾置されていることが残念で仕方が御座いません。何卒この事件について精密なる再調査をされて正しき公平なる裁判を仰ぎ度い次第であります」というにあつて自分には全然覚えがなく又自分は中華民国福建省c市d字ef番地に原籍を有する第三国人であるから日本の裁判所には裁判権がないと云うのでおる。 又弁護人掴原隆一提出の控訴趣意書によれば「原判決のように、有罪とするには証拠不十分である。(イ)原判決によれば証人Eの被害事実の証言(第三回公判調書)と同Fによる被告人がオート三輪車使用の証言(第三回公判調書)と同Gによる被害物件を被告人より預つた証言(第四回公判調書)に基いているが本件窃盗行為自体の証言は何もない。本件現場の検証調書によるも指紋、足跡等重要証拠を逸している。(ロ)本件行為の時期は原判決によれば一月二十二日午後十時頃より二十三日午前八時頃の間とあるが被害の発見は証人Eによると一月二十四日 ない。本件現場の検証調書によるも指紋、足跡等重要証拠を逸している。(ロ)本件行為の時期は原判決によれば一月二十二日午後十時頃より二十三日午前八時頃の間とあるが被害の発見は証人Eによると一月二十四日月曜の朝私の妻が朝起きて戸を開いて見ると白い砂糖がとぼれていたとあるが如く若しその行為が一月二十二―二十三日に行われているとすれば普通の場合二十三日の朝か或はそのうちに発見されねばならない。(ハ)大体被害物件たる袋の同一性の証拠はない証人Gによると袋のローマ字の有無(P87―P88)及びその大きさの半分なること(同)が明らかにされている。(ニ)被告人は始めから公訴事実を否認し続けているのである」と云うのである。 よつて先ず被告人が日本の裁判権に服するものでおるかどうかについて調べてみるに被告人がc市d字ef番地に本籍を有し日本に在住する台湾人であることは原審第一回公判調書中被告人の人定尋問に於け<要旨>る供述記載により明かである。 そして昭和二十一年六月十三日勅令第三百十一号及び一九四五年一月三十一日</要旨>附連合国最高司令部発日本国政府宛「連合国、中立国、及び敵国の定義に関する覚書」並に刑法第一条第八条の趣旨によれば台湾人は聯合国人に属するものでなく従つて日本在住の台湾人は日本刑法の適用を受け日本の裁判権に服するものであることが認められるのでとの点に関する論旨は理由がない。 次に弁護人及び被告人等主張の事実誤認の点について調べてみるに原判決は同判決に挙げておる原審公判廷における証人Eの証言(原審第三回公判調書)証人Fの証言(原審第三回公判調書)証人Gの証言(原審第四回公判調書)を綜合して原判決判示事実を認定しておるのであつてとれ等の証拠を綜合すれば原判決事実を認めることができるので論旨は理由がない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条第百八 人Gの証言(原審第四回公判調書)を綜合して原判決判示事実を認定しておるのであつてとれ等の証拠を綜合すれば原判決事実を認めることができるので論旨は理由がない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条第百八十一条に則り主文の通り判決する。 (裁判長判事柳田躬則判事藤井寛判事永見眞人)

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