主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 1 第1事件(1) 別紙処分目録1-1の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成16年10月13日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る関税についての各更正処分のうち,納付すべき関税額につき同目録の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分及び各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 (2) 別紙処分目録1-2の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成16年10月19日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る関税についての各更正処分のうち,納付すべき関税額につき同目録の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分及び各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 (3) 別紙処分目録1-3の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成16年11月24日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る関税についての各更正処分のうち,納付すべき関税額につき同目録の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄 記載の金額を超える部分及び各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 (4) 別紙処分目録1-4記載の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成17年6月23日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る関税についての各更正処分のうち,納付すべき関税額につき同目録の各「納付すべき関税額」「更 7年6月23日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る関税についての各更正処分のうち,納付すべき関税額につき同目録の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分及び各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 (5) 別紙処分目録1-5記載の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成16年10月13日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る消費税及び地方消費税についての各更正処分のうち,納付すべき消費税額につき同目録の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分及び納付すべき地方消費税額につき同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分並びに各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 (6) 別紙処分目録1-6記載の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成16年10月19日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る消費税及び地方消費税についての各更正処分のうち,納付すべき消費税額につき同目録の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分及び納付すべき地方消費税額につき同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の 金額」欄記載の金額を超える部分並びに各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 (7) 別紙処分目録1-7記載の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成16年11月24日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る消費税及び地方消費税についての各更正処分のうち,納付すべき消費税額につ 処分行政庁が平成16年11月24日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る消費税及び地方消費税についての各更正処分のうち,納付すべき消費税額につき同目録の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分及び納付すべき地方消費税額につき同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分並びに各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 (8) 別紙処分目録1-8記載の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁が平成17年6月23日付けで原告に対してした,同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る消費税及び地方消費税についての各更正処分のうち,納付すべき消費税額につき同目録の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分及び納付すべき地方消費税額につき同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の金額」欄記載の金額を超える部分並びに各過少申告加算税賦課決定処分をいずれも取り消す。 2 第2事件(1) 原告が横浜税関大黒埠頭出張所長(以下「大黒出張所長」という。)に対して別紙処分目録2-1の各「更正の請求日」欄記載の日に行った同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る関税,消費 税及び地方消費税の税額に係る更正の請求について,大黒出張所長が平成18年2月2日付けでした更正をすべき理由がない旨の通知処分のうち,関税の税額につき更正をすべき理由がないとした部分をいずれも取り消す。 (2) 原告が横浜税関本牧埠頭出張所長(以下「本牧出張所長」という。)に対して別紙処分目録2-2の各「更正の請求日」欄記載の日に行った同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の をいずれも取り消す。 (2) 原告が横浜税関本牧埠頭出張所長(以下「本牧出張所長」という。)に対して別紙処分目録2-2の各「更正の請求日」欄記載の日に行った同目録の各「輸入申告書番号」欄記載の輸入申告書番号の納税申告に係る関税,消費税及び地方消費税の税額に係る更正の請求について,本牧出張所長が平成18年2月2日付けでした更正をすべき理由がない旨の通知処分のうち,関税の税額につき更正をすべき理由がないとした部分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,化粧品,美容用品その他のパーソナルケア製品及び栄養補助食品の輸入,卸売販売等の事業を営む会社である原告が,自己の行った輸入取引に関して,関税定率法に規定する輸入取引の売手はアメリカ合衆国(以下「米国」という。)所在の製造業者であるとして関税,消費税及び地方消費税の申告納税をしたことについて,処分行政庁らが,輸入取引の売手は原告の代理人であると称する米国所在の原告の関連会社であるなどとして関税,消費税及び地方消費税の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分等をしたことに対し,原告が,上記各処分は違法であると主張して,その各取消しを求め(第1事件),また,その後,原告が,自己の行った輸入取引に関して,輸入取引の売手は上記関連会社であるとして関税,消費税及び地方消費税の申告納税をした後,売手は前記製造業者であるなどと主張して更正の請求をしたところ,大黒出張所長及び本牧出張所長が,上記各更正の請求には理由がない旨の通知処分をした ことから,原告が,同各通知処分は違法であると主張して,その取消しを求めている(第2事件)事案である。 2 関係法令等の定めの概要等(1) 関税の課税等に関する法令の定めの概要等ア輸入貨物(信書を除く。以下同じ。)には,関税法及び関税 その取消しを求めている(第2事件)事案である。 2 関係法令等の定めの概要等(1) 関税の課税等に関する法令の定めの概要等ア輸入貨物(信書を除く。以下同じ。)には,関税法及び関税定率法その他関税に関する法律により,関税を課することとされており,条約中に関税についての特別の規定があるときは,当該規定によるとされている(関税法3条)。 関税は,輸入貨物の価格又は数量を課税標準として課するものとされ(関税定率法3条),関税法又は関税定率法その他関税に関する法律に別段の定めがある場合を除く外,貨物を輸入する者が,これを納める義務がある(関税法6条)。 関税の税率については,関税定率法3条に定める同法別表による税率(基本税率)のほか,世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(以下「WTO協定」という。)附属書1Aの1994年の関税及び貿易に関する一般協定(以下「1994年のGATT」という。)のマラケシュ議定書に附属する譲許表の第38表の日本国の譲許表に掲げられている税率(協定税率)が用いられる。なお,関税暫定措置法において定める税率が適用される場合もあるが,本件では問題とならない。 イ関税法29条に規定する保税地域から引き取られる外国貨物には,消費税法別表第2に掲げるものを除き,消費税を課するものとされており(同法4条2項,6条2項),外国貨物を保税地域から引き取る者に消費税の 納税義務がある(同法5条2項)。 保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準は,当該課税貨物につき関税定率法4条から4条の8までの規定に準じて算出した価格に当該課税貨物の保税地域からの引取りに係る消費税以外の消費税等(国税通則法2条3号に規定するもの。)の額(附帯税の額に相当する額を除く。)及び関税の額(関税法2 の8までの規定に準じて算出した価格に当該課税貨物の保税地域からの引取りに係る消費税以外の消費税等(国税通則法2条3号に規定するもの。)の額(附帯税の額に相当する額を除く。)及び関税の額(関税法2条1項4号の2に規定する附帯税の額に相当する額を除く。)に相当する金額を加算した金額とするとされている(消費税法28条3項)。 ウ消費税が課税される貨物については,当該貨物を保税地域から引き取る者に対し,当該保税地域所在の都道府県が地方消費税を貨物割によって課するものとされている(地方税法72条の78第1項)。 (2) 輸入申告及び納税申告に関する関税法の定め等の概要ア外国から本邦に到着した貨物は,原則として,まず保税地域(関税法29条)に搬入され(同法30条),これを輸入しようとする者(以下「輸入者」という。)は,必要な事項を記入した輸入申告書(同法67条,関税法施行令59条)及び仕入書等(同法68条,同令60条)を,さらに,他の法令により輸入に関して許可,承認等を必要とする貨物については,当該許可,承認等を受けている旨を証明する書面(同法70条1項)を,他の法令により輸入に関して検査又は条件の具備を必要とする貨物については,当該検査の完了又は条件の具備を証明する書面(同条2項)を提出して,税関長に対して輸入申告を行う(同法67条)。 イ申告納税方式が適用される貨物(関税法6条の2第1項1号)の輸入者 は,税関長に対し,当該貨物に係る関税並びに消費税及び地方消費税(以下「内国消費税等」という。)の納付に関する申告(以下「納税申告」という。)をしなければならない(同法7条1項)。 納税申告は,輸入申告書に,当該貨物に係る課税標準,税額その他必要な事項を記載して,これを税関長に提出することによって行う(関税法7条2 税申告」という。)をしなければならない(同法7条1項)。 納税申告は,輸入申告書に,当該貨物に係る課税標準,税額その他必要な事項を記載して,これを税関長に提出することによって行う(関税法7条2項,関税法施行令4条,消費税法47条1項,地方税法72条の101)が,貨物の課税価格の計算につき,関税定率法4条1項の適用を受ける場合(ただし,関税法68条の規定により提出する書類等によって課税価格の計算の基礎が明らかである場合に限る。)以外の場合には,課税価格の計算の基礎及びこれに関連する事項等も併せて申告しなければならない(同法7条2項,関税法施行令4条1項3号,4号。以下,このようにして行う申告を「評価申告」という。)。 評価申告は,輸入申告及び納税申告(以下「輸入(納税)申告」という。)の都度,上記の事項等を輸入申告書に記載して提出することにより行うのが原則である(同令4条1項)が,貨物の輸入が同一人との間の継続した輸入取引に係るものであり,かつ,当該貨物に係る個々の評価申告に係る申告内容が同一の内容となるときは,あらかじめ,これらの事項を記載した申告書(以下「包括申告書」という。)を税関長に提出することにより行うことができる(同条3項)。包括申告書を提出した場合においては,当該包括申告書が提出された日から起算して2年間に限り,当該個々の輸入申告書には,既に包括申告書を提出している旨を付記して,個々の評価申告に係る申告内容の記載を省略することができる(同項)。 ウ税関長は,税関に提出された上記各書類に不備がなければ,必要な検査を行い,当該貨物について輸入の許可の要件が充足されていることが認められ,かつ,関税及び内国消費税等の納付が確認された場合は,当該輸入を許可する(関税法67条,70条から72条まで)。 (3) 関税 ,当該貨物について輸入の許可の要件が充足されていることが認められ,かつ,関税及び内国消費税等の納付が確認された場合は,当該輸入を許可する(関税法67条,70条から72条まで)。 (3) 関税の課税標準となる価格(以下「課税価格」という。)の決定方法等に関する法令等の定めの概要等ア 1994年のGATT7条2(a)は,輸入貨物の関税上の価額は,関税を課せられる輸入貨物又は同種の貨物の実際の価額に基づくものでなければならない旨を定め,同(b)は,「実際の価額」とは,輸入国の法令で定める時に,及びその法令で定める場所で,その貨物又は同種の貨物が通常の商取引において完全な競争的条件の下に販売され,又は販売のために提供される価格をいう旨を定めている。 イ 1994年の関税及び貿易に関する一般協定第7条の実施に関する協定(以下「関税評価協定」という。)の序説は,この協定の下における課税価額の決定のための主たる基礎は,1条に定める「取引価額」であり,同条は,関税上の価額の一部を構成すると認められる特定の要素が買手により負担される場合であって,輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に当該特定の要素が含まれていないときの調整について特に規定する8条と併せて解釈される旨解説している。 そして,関税評価協定1条1項は,輸入貨物の課税価額は,輸入貨物の取引価額,すなわち,貨物が輸入国への輸出のために販売された場合に現実に支払われた又は支払われるべき価格に8条の規定による調整を加えた 額とする旨を定め,その解釈のための注釈では,現実に支払われた又は支払われるべき価格とは,輸入貨物につき,売手に対し又は売手のために,買手により行われた又は行われるべき支払の総額をいうとされている。 また,関税評価協定8 注釈では,現実に支払われた又は支払われるべき価格とは,輸入貨物につき,売手に対し又は売手のために,買手により行われた又は行われるべき支払の総額をいうとされている。 また,関税評価協定8条では,同協定1条の規定による課税価額の決定に当たって,手数料及び仲介料(買付手数料を除く。)を加算する旨を定めている。 ウ関税定率法は,輸入貨物の課税価格の決定方法について,次のような定めをしている。 (ア) 現実支払価格による方法関税定率法4条1項は,輸入貨物の課税価格は,同条2項本文の規定の適用がある場合を除き,当該輸入貨物に係る輸入取引がされた時に買手により売手に対し又は売手のために,当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格(以下「現実支払価格」という。)に,その含まれていない限度において,運賃等の額を加えた価格(以下「取引価格」という。)とする(以下,この方法による課税価格の決定方法を「現実支払価格による方法」という。)旨を定め,取引価格に加算されるものを同項1号から5号までに規定しているところ,同項2号イは,当該輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される「仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)」が加算される旨を定めている。 また,同条2項本文は,輸入貨物に係る輸入取引に関し,同項1号から4号までに掲げる事情のいずれかがある場合における当該輸入貨物の課税価格の決定については,同法4条の2から4条の4までに定めると ころによる旨を定めており,4号として,売手と買手との間に特殊関係(売手と買手とがその行う事業に関し相互に事業の取締役その他の役員となっていることその他政令で定める売手と買手との特殊な関係をいう。以下同じ。)がある場合において,当該特殊関係のあることが当該 関係(売手と買手とがその行う事業に関し相互に事業の取締役その他の役員となっていることその他政令で定める売手と買手との特殊な関係をいう。以下同じ。)がある場合において,当該特殊関係のあることが当該輸入貨物の取引価格に影響を与えていると認められることを掲げている。 (イ) 同種又は類似の貨物の取引価格による方法関税定率法4条の2は,同法4条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合又は同条2項本文の規定の適用がある場合において,当該輸入貨物と同種又は類似の貨物(当該輸入貨物の本邦への輸出の日又はこれに近接する日に本邦へ輸出されたもので,当該輸入貨物の生産国で生産されたものに限る。以下「同種又は類似の貨物」という。)に係る取引価格(同条1項の規定により課税価格とされたものに限る。)があるときは,当該輸入貨物の課税価格は,当該同種又は類似の貨物に係る取引価格とする(以下,この方法による課税価格の決定方法を「同種又は類似の貨物の取引価格による方法」という。)旨を定めている。 (ウ) 国内販売価格からの逆算方式又は製造原価からの積算方式関税定率法4条の3第1項は,同法4条及び4条の2の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合において,当該輸入貨物の国内販売価格又は当該輸入貨物と同種若しくは類似の貨物(当該輸入貨物の生産国で生産されたものに限る。)に係る国内販売価格がある ときは,当該輸入貨物の課税価格は,当該国内販売価格から手数料等の額を控除して得られる価格とする(以下,この方法による課税価格の決定方法を「国内販売価格からの逆算方式」という。)旨を定めている。 また関税定率法4条の3第2項は,同条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができな の方法による課税価格の決定方法を「国内販売価格からの逆算方式」という。)旨を定めている。 また関税定率法4条の3第2項は,同条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合において,当該輸入貨物の製造原価を確認することができるときは,当該輸入貨物の課税価格は,当該輸入貨物の製造原価に当該輸入貨物の輸入港までの運賃等の額を加えた価格とする(以下,この方法による課税価格の決定方法を「製造原価からの積算方式」という。)旨を定めている。 そして,同条3項は,輸入貨物の製造原価を確認することができる場合において,当該輸入貨物の輸入者が要請するときは,国内販売価格からの逆算方式に先立って製造原価からの積算方式により当該輸入貨物の課税価格を計算するものとする旨を定めている。 (エ) 特殊な輸入貨物に係る課税価格の決定関税定率法4条の4は,同法4条から4条の3までの規定により課税価格を決定することができない輸入貨物の課税価格は,これらの規定により計算される課税価格に準ずるものとして政令で定めるところにより計算される価格とする旨を定めており,これを受けた関税定率法施行令1条の11第1号は,現実支払価格による方法により計算された課税価格又は国内販売価格からの逆算方式により計算された課税価格のうち,品質,性能,輸出の時期その他の事情の差異により生じた当該輸入貨物との価格差を明らかにすることができると認められる貨物に係るものが ある場合には,当該課税価格にこれらの貨物の価格表による品質又は性能の差異に応ずる価格比,輸出の時期の差異による価格の変動率を乗ずる等当該課税価格について品質,性能,輸出の時期その他の事情の差異により生じた当該輸入貨物との価格差につき必要な調整を行った後の価格と の差異に応ずる価格比,輸出の時期の差異による価格の変動率を乗ずる等当該課税価格について品質,性能,輸出の時期その他の事情の差異により生じた当該輸入貨物との価格差につき必要な調整を行った後の価格とする旨を定め,同条2号は,それ以外の場合には,1994年のGATT及び関税評価協定に適合する方法として税関長が定める方法により計算される価格とする旨を定めている。 エ関税定率法基本通達(昭和47年3月1日蔵関第101号。ただし,平成19年6月11日財関第772号による改正前のもの。)は,課税価格の決定方法等につき,次のような定めをしている。 (ア) 輸入取引の意義及び取扱い関税定率法基本通達4―1(1)は,関税定率法4条に規定する「輸入取引」とは,原則として,貨物を外国から本邦に向けて輸出することを目的として行われたときの売買をいい,当該売買が輸出国(又は第三国)の者と本邦に居住する者との間又は本邦に居住する者の間で行われたものであるか否かは問わないものとするとし,本邦へ輸出される前に輸出国において本邦へ向けて輸出する目的で複数の取引が行われた場合には,現実に貨物を外国から本邦に向けて輸出することになった売買を輸入取引とするとしている。 (イ) 課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができない輸入貨物関税定率法基本通達4-1の2は,関税定率法4条の規定により課税 価格を決定することができない輸入貨物は,輸入取引によらない貨物及びその輸入取引に関し,同条2項1号から4号までのいずれかの号に掲げる事情がある輸入貨物(ただし,輸入者が売手と買手の間の特殊関係により影響を受けていないことの証明をした場合を除く。)であるとしている。 (ウ) 売手,買手及び現実支払価格の かの号に掲げる事情がある輸入貨物(ただし,輸入者が売手と買手の間の特殊関係により影響を受けていないことの証明をした場合を除く。)であるとしている。 (ウ) 売手,買手及び現実支払価格の意義及び取扱い関税定率法基本通達4-2(1)は,輸入取引における関税定率法4条1項に規定する売手及び買手とは,実質的に自己の計算と危険負担の下に輸入取引をする者をいい,具体的には,売手及び買手は自ら輸入取引における輸入貨物の品質,数量,価格等を取り決め,瑕疵,数量不足,事故,不良債権等の危険を負担するとしている。 また,同(2)は,同項に規定する「現実支払価格」とは,輸入貨物につき,買手により売手に対し又は売手のために行われた又は行われるべき支払の総額をいい,関税定率法施行令1条の4各号に掲げるその額が明らかである費用等を含まないとしている。 (エ) 課税価格に含まれる仲介料その他の手数料関税定率法基本通達4-9(2)は,関税定率法4条1項2号イに規定する「仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)」とは,輸入取引の売手と買手の間にあって,これらの者のために当該輸入取引の成立及び履行のための業務を行う者に対する手数料をいうとし,当該手数料の額は,通常,当該業務の内容に応じ当該輸入取引の額(輸入貨物代金)に対する百分率として約定されることに留意するとしている。そして,そ の例として,売手及び買手のために輸入取引の成立のための仲介業務を行う者に対し買手が支払う手数料(イ),輸入貨物の売手による販売に関し当該売手に代わり業務を行う者(売手の管理の下で,売手の計算と危険負担により契約の成立までの業務や商品の引渡しに関する業務等を行う者)に対し買手が支払う手数料(ロ),輸入取引に関連して売手以 関し当該売手に代わり業務を行う者(売手の管理の下で,売手の計算と危険負担により契約の成立までの業務や商品の引渡しに関する業務等を行う者)に対し買手が支払う手数料(ロ),輸入取引に関連して売手以外の者に対して買手が支払う手数料(ハ)を挙げている。 他方,同(3)は,「買付手数料」とは,輸入貨物の購入に関し外国において買手に代わり業務を行う者に対し買手が支払う手数料をいい,その認定は,当該手数料の名称のみによるものではなく,当該手数料を受領する者が輸入取引において果たしている役割及び提供している役務の性質を考慮して行うものとし,買付手数料は,通常,貨物代金とは別に支払われること,また,その額は,通常,手数料を受領する者が輸入貨物の購入に関し買手に代わり行う業務の内容に応じ当該輸入貨物代金に対する百分率として約定されることに留意するとしている。そして,具体的には,手数料を受領する者が「買手に代わり業務を行う者」(買手の管理の下で,買手の計算と危険負担により契約の成立までの業務,商品の引渡しに関する業務,決済の代行に関する業務等を行う者)であることが,買付委託契約書等の文書により明らかであること(イ),手数料を受領する者が「輸入貨物の購入に関し買手に代わり業務」を実際に行っているという実態の存在が文書や記録その他の資料により確認できること(ロ),税関の要請がある場合には,売手と買手との間の売買契約書,輸入貨物の売手(製造者等)が買手に宛て作成した仕入書等を提示 することが可能であることによるとしている。 (オ) 同種又は類似の貨物に係る取引価格による方法関税定率法基本通達4の2―1(4)は,関税定率法4条の2に規定する「これに近接する日」とは,おおむね,輸出の日の前後1月以内の日とするとしている は類似の貨物に係る取引価格による方法関税定率法基本通達4の2―1(4)は,関税定率法4条の2に規定する「これに近接する日」とは,おおむね,輸出の日の前後1月以内の日とするとしている(なお,平成19年6月11日財関第772号により,「これに近接する日」とは,輸入貨物の価格に影響を与える商慣行及び市場条件が輸出の日と同じであると認められる期間内の日をいい,原則として,輸出の日の前後1月以内の日として取り扱って差し支えないとするものに改正された。)。 3 前提事実本件の前提となる事実は,次のとおりである。証拠等により容易に認めることができる事実等は,その旨付記した。その余の事実は,当事者間に争いがない。 (1) 当事者等ア原告は,化粧品,美容用品その他のパーソナルケア製品及び栄養補助食品の輸入,卸売販売等の事業を営む株式会社である。 イ P1(以下「P1社」という。)は,パーソナルケア製品及び栄養補助食品の販売等の事業を営む米国ユタ州の法人である。(乙イA2)ウ P2(以下「P2社」という。)は,米国ユタ州の法人であり,P3及びP4の商標でパーソナルケア製品及び栄養補助食品を開発し,世界約50の国と地域でグループ会社を介してその卸売販売をしている(以下,P2社のグループ会社をまとめて「P5グループ」といい,P5グループが 販売する製品を「P5製品」という。)。(甲イ41,弁論の全趣旨)エ原告及びP1社は,いずれもP2社の全額出資法人である。また,P6(以下「P6社」という。)は,香港で設立された法人であり,P2社の全額出資法人である。(甲イ41,乙イA2,弁論の全趣旨)オ(ア) P7(以下「P7社」という。),P8(以下「P8社」という。),P9(以下「P9社」という。)及びP10( 人であり,P2社の全額出資法人である。(甲イ41,乙イA2,弁論の全趣旨)オ(ア) P7(以下「P7社」という。),P8(以下「P8社」という。),P9(以下「P9社」という。)及びP10(以下「P10社」といい,上記4社を併せて「本件各ベンダー」という。)は,いずれも,米国の法人であり,原告が輸入する貨物の製造業者である。 (イ) 本件に関連する本件各ベンダーが製造するP5製品は,次のとおりである(以下,これらをまとめて「本件対象製品」という。)。(甲イ3,5の1から4まで)商品名製造業者○○P7社P9社○○P7社P9社○○P10社○○P9社○○P8社○○P7社○○P8社 ○○P7社P9社○○P7社○○P7社○○P7社(2) 原告に係る輸入貨物の取引及び輸入(納税)申告等ア原告に係る平成11年頃までの輸入貨物の取引形態並びに輸入申告及び納税申告等原告は,日本国内で販売する全ての栄養補助食品及びパーソナルケア製品について,平成11年頃までは,①P1社が本件各ベンダーを含む米国の製造業者から当該製造業者が製造した製品を購入し,それを②P6社がP1社から購入し,さらに,③原告がP6社から購入するという取引形態を採っていた。そして,原告は,P6社と原告との間の売買が関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」であるとして,原告に対するP6社からの請求書(インボイス)(以下「P6社インボイス」という。)記載の金額を同項に規定する「当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格」であるとして輸入貨物の課税価格を算定し,輸入(納税)申告をしていた。(甲イ11,13 社インボイス」という。)記載の金額を同項に規定する「当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格」であるとして輸入貨物の課税価格を算定し,輸入(納税)申告をしていた。(甲イ11,13の1,15の1,41)イ原告と横浜税関の面談等平成11年7月7日,原告担当者と横浜税関関税評価部門のP11特別価格審査官(以下「P11審査官」という。)及びP12上席調査官(以下「P12調査官」という。)が面談をした。原告は,これに先立ち,原 告の輸入貨物のうち,P13(以下「P13社」という。)が製造する製品である○○及びP7社が製造する製品である○○については,日本市場向けに特別に調合,指定及び梱包されたものであり,物流上はP6社を経由せず米国から日本へ直接輸入されていることなどから,上記各製造業者からの請求書に基づいて輸入貨物の課税価格を決定してほしい旨の申し入れをした。原告担当者とP11審査官及びP12調査官は,同年の9月7日及び10月13日にも,○○及び○○の課税価格について協議をするための面談をした。(甲イ11から16まで,乙イA45から47まで(枝番を含む))ウ原告による包括申告書の提出及びこれに基づく輸入(納税)申告原告は,平成11年10月25日,横浜税関長に対して○○及び○○に関する各包括申告書(以下,これらを併せて「平成11年包括申告書」という。)を提出した。平成11年包括申告書は,輸入者及び輸入取引の買手を原告,輸出者及び売手をP13社又はP7社とするものであり,原告とP13社との間の覚書,原告とP7社との間の覚書,P1社とP6社との間の覚書,原告,P6社及びP1社の三者間の覚書(いずれも同年9月12日を効力発生日とするもの)並びに同9年4月14日付けの原告とP6社との間の卸売販売契約修正 7社との間の覚書,P1社とP6社との間の覚書,原告,P6社及びP1社の三者間の覚書(いずれも同年9月12日を効力発生日とするもの)並びに同9年4月14日付けの原告とP6社との間の卸売販売契約修正契約書が添付されていた。平成11年包括申告書は,即日受け付けられ,同12年10月25日の前日まで適用されるものとされた。(甲イ17の1及び2,乙イA44の1及び2)原告は,これ以降,原告が輸入する○○及び○○について,平成11年包括申告書及びその後に提出した同様の包括申告書に従って課税価格を計 算し,輸入(納税)申告をした。(弁論の全趣旨)エ横浜税関による事後調査等横浜税関は,以下のとおり,3度にわたり,原告についての調査を実施した。(甲イ46,弁論の全趣旨)(ア) 平成12年5月23日から同月25日まで平成10年6月1日から同12年5月までの輸入(納税)申告を対象としたもの(イ) 平成13年10月16日から同月18日まで平成12年6月1日から同13年9月30日までの輸入(納税)申告を対象としたもの(ウ) 平成14年4月23日及び同月24日平成12年6月1日から同14年3月31日までの輸入(納税)申告を対象としたものオ本件卸売販売契約の締結平成14年7月1日,P5グループ内の組織変更に伴い,原告が日本国内で販売する製品の取引からP6社が離脱することとなったことから,それ以降の原告とP1社との間の取引関係を明らかにするため,原告,P1社及びP6社は,卸売販売契約(以下「本件卸売販売契約」という。)を締結した。(乙イA22,弁論の全趣旨)カ原告による他の本件対象製品に係る包括申告書の提出及び輸入(納税)申告等原告は,平成14年8月9日,横浜税関に対し,○○ 売販売契約」という。)を締結した。(乙イA22,弁論の全趣旨)カ原告による他の本件対象製品に係る包括申告書の提出及び輸入(納税)申告等原告は,平成14年8月9日,横浜税関に対し,○○及び○○を除く本 件対象製品について,輸入者(買手)を原告,輸出者(売手)をそれぞれの製品に対応する本件各ベンダーとする包括申告書を提出した。これらの包括申告書は,同月29日付けで評価申告があったものと扱われ,同16年8月29日の前日まで適用があるものとされた。なお,前記オのとおり,同14年7月1日にP6社が原告による製品の購入取引から離脱することとなったため,上記各包括申告書は,本件各ベンダー,P1社及び原告を取引当事者とすることを前提としたものであった。(甲イ18の1から10まで,41,証人P14)原告は,これ以後,本件対象製品について,輸入(納税)申告をするに当たり,本件各ベンダーからの請求書(以下「ベンダーインボイス」という。)に記載された価格を基にして輸入貨物の課税価格を計算することとした。 (3) 本件各更正処分等の経緯等(第1事件)ア本件更正処分等1(ア) 原告は,別紙輸入目録1―1記載の貨物(整理番号1から256まで。以下「本件貨物1―1」という。)につき,同目録の各「輸入申告年月日」欄記載の日に,納付すべき関税額を別紙処分目録1-1(同目録の整理番号は,別紙輸入目録1―1の整理番号と対応する。以下,別紙処分目録1-2から1-4までについても順次同じ。)の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1-5(同目録の整理番号は,別紙輸入目録1-1の整理番号と対応する。以下,別紙処分目録1-6から1-8までについても順次同じ。) の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額 付すべき消費税額を同1-5(同目録の整理番号は,別紙輸入目録1-1の整理番号と対応する。以下,別紙処分目録1-6から1-8までについても順次同じ。) の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の金額」記載の金額であるとして,東京税関成田航空貨物出張所長(以下「成田出張所長」という。),本牧出張所長及び大黒出張所長に対し,輸入(納税)申告をした(以下「本件申告1-1」という。)。 (イ) 横浜税関調査保税部調査担当部門(以下「横浜税関調査部門」という。)は,平成16年5月17日から同月21日までの間,原告の調査を行った。 (ウ) 別紙処分目録1-1及び同1-5の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁は,平成16年10月13日付けで,本件申告1-1について,納付すべき関税額を別紙処分目録1-1の各「納付すべき関税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1-5の各「納付すべき消費税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正後の金額」欄記載の金額であるとする各更正処分(以下,これらの処分をまとめて「本件各更正処分1」という。)をするとともに,同1-1及び同1-5の各「過少申告加算税賦課決定額」欄各記載のとおりの過少申告加算税の賦課決定処分をした(以下,これらの処分をまとめて「本件賦課決定処分1」といい,本件各更正処分1と併せて「本件更正処分等1」という。)。 (以上につき,甲イ46,乙イA18及び19の各1から30まで,弁論の全趣旨) イ本件更正処分等2(ア) 原告は,別紙輸入目録1―2記載の貨物(整理番号257から262まで。以下「本 以上につき,甲イ46,乙イA18及び19の各1から30まで,弁論の全趣旨) イ本件更正処分等2(ア) 原告は,別紙輸入目録1―2記載の貨物(整理番号257から262まで。以下「本件貨物1-2」という。)につき,同目録の各「輸入申告年月日」欄記載の日に,納付すべき関税額を別紙処分目録1-2の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1-6の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の金額」欄記載の金額であるとして,本牧出張所長に対し,輸入(納税)申告をした(以下「本件申告1-2」という。)。 (イ) 本牧出張所長は,平成16年10月19日付けで,本件申告1-2について,納付すべき関税額を別紙処分目録1-2の各「納付すべき関税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1-6の各「納付すべき消費税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正後の金額」欄記載の金額であるとする各更正処分(以下,これらの処分をまとめて「本件各更正処分2」という。)をするとともに,同1-2及び同1-6の各「過少申告加算税賦課決定額」欄各記載のとおりの過少申告加算税の賦課決定処分をした(以下,これらの処分をまとめて「本件賦課決定処分2」といい,本件各更正処分2と併せて「本件更正処分等2」という。)。 (以上につき,乙イA18及び19の各31から34まで,弁論の全趣旨)ウ本件更正処分等3(ア) 原告及びP1社は,本件更正処分等1及び同2を受け,平成16年1 0月26日ころ,本件各製品の原告による輸入について,それまでP1社が発行 ,弁論の全趣旨)ウ本件更正処分等3(ア) 原告及びP1社は,本件更正処分等1及び同2を受け,平成16年1 0月26日ころ,本件各製品の原告による輸入について,それまでP1社が発行していた請求書(以下「P1社インボイス」という。)の発行を同日以降は行わないこととした。(甲ロ6,弁論の全趣旨)(イ) そして,原告は,別紙輸入目録1―3記載の貨物(整理番号263から269まで。以下「本件貨物1-3」という。)につき,平成16年11月15日,納付すべき関税額を別紙処分目録1-3の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1―7の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の金額」欄記載の金額であるとして,本牧出張所長に対し,輸入(納税)申告をした(以下「本件申告1―3」という。)。 (ウ) 本牧出張所長は,平成16年11月24日付けで,本件申告1-3について,納付すべき関税額を別紙処分目録1-3の各「納付すべき関税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1-7の各「納付すべき消費税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正後の金額」欄記載の金額であるとする各更正処分(以下,これらの処分をまとめて「本件各更正処分3」という。)をするとともに,同1-3及び同1-7の各「過少申告加算税賦課決定額」欄各記載のとおりの過少申告加算税の賦課決定処分をした(以下,これらの処分をまとめて「本件賦課決定処分3」といい,本件各更正処分3と併せて「本件更正処分等3」という。)。 (以上につき,乙イA18及び19の各35から3 算税の賦課決定処分をした(以下,これらの処分をまとめて「本件賦課決定処分3」といい,本件各更正処分3と併せて「本件更正処分等3」という。)。 (以上につき,乙イA18及び19の各35から38まで,弁論の全趣旨) エ本件更正処分等4(ア) 原告は,別紙輸入目録1-4記載の貨物(整理番号270から516まで。以下「本件貨物1-4」といい,本件貨物1-1から同1-4までを併せて「本件各輸入貨物1」という。)につき,同目録の各「輸入申告年月日」欄記載の日に,納付すべき関税額を別紙処分目録1-4の各「納付すべき関税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1-8の各「納付すべき消費税額」「更正前の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正前の金額」欄記載の金額であるとして輸入(納税)申告をした(以下「本件申告1-4」といい,本件申告1-1から同1-4までを併せて「本件各申告1」という。)。 (イ) 本件申告1-4は,前記ア(イ)の調査において横浜税関が課税価格を確定できないと判断したもの及び同調査以降本件更正処分等1までに行われた輸入(納税)申告等であるところ,別紙処分目録1-4及び同1-8の各「処分行政庁」欄記載の処分行政庁は,平成17年6月23日付けで,納付すべき関税額を同1-4の各「納付すべき関税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき消費税額を同1-8の各「納付すべき消費税額」「更正後の金額」欄記載の金額,納付すべき地方消費税額を同目録の各「納付すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正後の金額」欄記載の金額であるとする各更正処分(以下,これらをまとめて「本件各更正処分4」といい,本件各更正処分1から同4までを併せて「本件各更正処分」という すべき地方消費税額(貨物割額)」「更正後の金額」欄記載の金額であるとする各更正処分(以下,これらをまとめて「本件各更正処分4」といい,本件各更正処分1から同4までを併せて「本件各更正処分」という。)をするとともに,同1-4及び同1-8 の各「過少申告加算税賦課決定額」欄各記載のとおりの過少申告加算税の賦課決定処分をした(以下,これらの処分をまとめて「本件賦課決定処分4」といい,本件各更正処分4と併せて「本件更正処分等4」という。また,本件賦課決定処分1から同4までを併せて「本件各賦課決定処分」といい,本件更正処分等1から4までを併せて「本件各更正処分等」という。)。 (以上につき,乙イA18及び19の各39から62まで,弁論の全趣旨)オ原告による不服申立て等(ア) 原告は,平成16年12月10日に本件更正処分等1について,同月20日に本件更正処分等2について,同17年1月21日に本件更正処分等3について,さらに,同年8月5日に本件更正処分等4について,成田出張所長によるものについては東京税関長に対し,大黒出張所長又は本牧出張所長によるものについては横浜税関長に対し,それぞれ異議申立てをしたところ,東京税関長及び横浜税関長は,本件更正処分等1については同年3月10日に,本件更正処分等2については同月14日に,本件更正処分等3については同年4月19日に,さらに,本件更正処分等4については同年10月20日及び同月21日に,いずれも上記各申立てを棄却する旨の決定をした。(乙イA20の1から6まで)(イ) 原告は,平成17年4月8日に本件更正処分等1及び本件更正処分等2について,同年5月18日に本件更正処分等3について,さらに,同年11月18日に本件更正処分等4について,関税に係る更正処分及び過少申告 は,平成17年4月8日に本件更正処分等1及び本件更正処分等2について,同年5月18日に本件更正処分等3について,さらに,同年11月18日に本件更正処分等4について,関税に係る更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分については財務大臣に対し,内国消費 税等に係る更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分については国税不服審判所長に対し,それぞれ審査請求をしたところ,同18年6月22日には財務大臣が,同年9月14日には国税不服審判所長が,これらの審査請求をいずれも棄却する旨の裁決をした。(乙イA21の1から6まで)(4) 原告による輸入(納税)申告方法の変更等原告は,本件更正処分等1を受け,本件対象商品の輸入を可能とするため,P1社インボイスに記載された価格を基にして輸入貨物の課税価格を算定するなど,一旦は税関の指導に従った輸入(納税)申告をすることとした。(甲イ41,甲ロ6,7)(5) 本件各通知処分の経緯等(第2事件)ア本件各更正の請求及び本件各通知処分の経緯(ア) 原告は,大黒出張所長に対し,別紙輸入目録2―1記載の貨物(整理番号1から18まで。以下「本件貨物2―1」という。)(ただし,「輸出者」欄に記載の会社は原告が「輸出者」であると主張する者であり,輸入申告書の輸出者欄には,P1社が記載されていた。同目録2-2についても同じ。)につき,同目録2-1の各「輸入申告年月日」欄記載の日に,納付すべき関税額を別紙処分目録2-1(同目録の整理番号は,別紙輸入目録2―1の整理番号と対応する。別紙処分目録2-2についても同じ。)の各「更正の請求をした関税額」「更正前の金額」欄記載の金額であるとして内国消費税等と共に輸入(納税)申告(以下「本件申告2-1」という。)をしたが,上記申告に係る税額等の計算 についても同じ。)の各「更正の請求をした関税額」「更正前の金額」欄記載の金額であるとして内国消費税等と共に輸入(納税)申告(以下「本件申告2-1」という。)をしたが,上記申告に係る税額等の計算 が関税定率法の規定に従っておらず,申告により納付すべき税額が過大であったとして,大黒出張所長に対し,別紙処分目録2-1の各「更正の請求日」欄記載の日に,納付すべき関税額を同目録の各「更正の請求をした関税額」「更正後の金額」欄記載の金額とする旨及び内国消費税等についても同様に更正する旨の更正の請求をした(以下「本件更正の請求1」という。)ところ,大黒出張所長は,平成18年2月2日付けで,本件更正の請求1には更正すべき理由がない旨の通知処分(以下「本件通知処分1」という。)をした。 (イ) 原告は,本牧出張所長に対し,別紙輸入目録2―2記載の貨物(整理番号19から119まで。以下「本件貨物2―2」といい,本件貨物2-1と併せて「本件各輸入貨物2」という。また,本件各輸入貨物1と本件各輸入貨物2を併せて「本件各輸入貨物」という。)につき,同目録の各「輸入申告年月日」欄記載の日に,納付すべき関税額を別紙処分目録2-2の各「更正の請求をした関税額」「更正前の金額」欄記載の金額であるとして,内国消費税等と共に輸入(納税)申告をした(以下「本件申告2-2」といい,本件申告2-1と併せて「本件各申告2」という。)が,原告は,上記申告に係る税額等の計算が関税定率法の規定に従っておらず,申告により納付すべき税額が過大であったとして,本牧出張所長に対し,別紙処分目録2-2の各「更正の請求日」欄記載の日に,納付すべき関税額を同目録の各「更正の請求をした関税額」「更正後の金額」欄記載の金額とする旨及び内国消費税等についても同様に更正する旨の更正の請求をした 目録2-2の各「更正の請求日」欄記載の日に,納付すべき関税額を同目録の各「更正の請求をした関税額」「更正後の金額」欄記載の金額とする旨及び内国消費税等についても同様に更正する旨の更正の請求をした(以下「本件更正の請求2」といい,本 件更正の請求1と併せて「本件各更正の請求」という。)ところ,本牧出張所長は,平成18年2月2日付けで,本件更正の請求2には更正すべき理由がない旨の通知処分(以下「本件通知処分2」といい,本件通知処分1と併せて「本件各通知処分」という。)をした。 イ原告による不服申立て等(ア) 原告は,平成18年3月28日,本件各通知処分について横浜税関長に対して異議申立てをしたところ,横浜税関長は,同年6月23日付けで上記申立てを棄却する旨の決定をした。 (イ) 原告は,平成18年7月19日,本件各通知処分のうち関税額に係る部分につき財務大臣に対して審査請求をしたところ,財務大臣は,同19年1月19日付けで上記審査請求を棄却する裁決をし,同裁決に係る裁決書は,同月22日に原告に送達された。 (以上につき,乙ロ20,21の1及び2,弁論の全趣旨)(6) 本件各輸入貨物の類型ア本件各輸入貨物のうち,本件貨物1-1,本件貨物1-2及び本件貨物1-4の各貨物並びに本件各輸入貨物2のうち別紙輸入目録2―1の整理番号1から7まで並びに同2-2の整理番号19及び20の輸入貨物(以下「区分Aの輸入貨物」といい,本件貨物1-1,同1-2及び同1-4と併せて「類型Ⅰの輸入貨物」という。)については,輸入(納税)申告の際又はその後の税関からの求めに応じて,P1社インボイスが税関に提出された。 イ本件各輸入貨物のうち,本件貨物1-3並びに本件各輸入貨物2のうち 別紙輸入目録 ては,輸入(納税)申告の際又はその後の税関からの求めに応じて,P1社インボイスが税関に提出された。 イ本件各輸入貨物のうち,本件貨物1-3並びに本件各輸入貨物2のうち 別紙輸入目録2―1の整理番号8から18まで並びに同2-2の整理番号21から28まで,30から33まで,35から92まで,94から96まで,98から102まで及び104から119までの輸入貨物(以下「区分Bの輸入貨物」といい,本件貨物1-3と併せて「類型Ⅱの輸入貨物」という。)については,これらに対応するP1社インボイスが税関に提出されていないが,過去に税関に輸入(納税)申告をして許可された同種貨物に係るP1社インボイスが存在する。 ウ本件各輸入貨物のうち,本件各輸入貨物2のうち別紙輸入目録2―2の整理番号29,34,93,97及び103の輸入貨物(以下「区分Cの輸入貨物」といい,「類型Ⅲの輸入貨物」ともいう。)は,いずれもP8社が製造する○○であり,類型Ⅱの輸入貨物と同様にこれらに対応するP1インボイスが税関に提出されておらず,過去に税関に輸入(納税)申告をして許可された同種貨物に係るP1社インボイスが存在するものの,当該P1社インボイスは,当該製品の価格についてP1社と原告との間で変更の合意がされる前のものである。 (7) 本件各訴えの提起原告は,平成18年12月22日,本件各更正処分等の取消しを求める第1事件に係る訴えを提起し,同19年7月18日,本件各通知処分のうち関税額に係る部分の取消しを求める第2事件に係る訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実) 4 本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張(第1事件)本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張は,別紙「本件各 更正処分等の根拠及 裁判所に顕著な事実) 4 本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張(第1事件)本件各更正処分等の根拠及び適法性についての被告の主張は,別紙「本件各 更正処分等の根拠及び適法性」のとおりである。 5 当事者の主張の構造の骨子本件における当事者の主張の構造の骨子は,以下のとおりである。なお,括弧内に掲げた争点の番号は,後記6の争点の番号に対応する。 (1) 第1事件(原告の主張の構造)ア類型Ⅰ及び類型Ⅱの輸入貨物共通の主位的主張(ア) 本件各輸入貨物については,P1社が原告を代理して本件各ベンダーと売買をしたことにより,原告と本件各ベンダーとの間に関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」があるから,ベンダーインボイスに記載された価格が課税価格とされるべきであり,これと異なる本件各更正処分はいずれも違法である。(争点①―1)なお,原告がP1社に対して支払った役務提供の対価は,関税定率法4条1項2号イに規定する「仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)」には該当しない。(争点④)(イ) 仮に,前記(ア)の代理の成立が認められず,本件各ベンダーとP1社との間の売買及びP1社と原告との間の売買が存在するとしても,ファースト・セール理論により,本件各ベンダーとP1社の間の売買の価格,すなわちベンダーインボイスに記載された価格が課税価格とされるべきであり,これと異なる本件各更正処分はいずれも違法である。(争点①―2)イ前記アの原告の主張が認められなかった場合(P1社と原告との間の売買が輸入取引であるとした場合)の主張 (ア) P1社と原告との間に関税定率法4条2項4号に規定する「特殊関係」があることについては争いがないところ,被告によって特殊関 と原告との間の売買が輸入取引であるとした場合)の主張 (ア) P1社と原告との間に関税定率法4条2項4号に規定する「特殊関係」があることについては争いがないところ,被告によって特殊関係が輸入貨物の取引価格に影響を与えていないことの証明はされていないから,同号の規定により,同条1項に規定する現実支払価格の方法による課税価格の決定は認められないのであって,類型Ⅰの輸入貨物についてP1社インボイスに記載された価格を課税価格とした本件各更正処分1,2及び4はいずれも違法である。(争点②―1)(イ) 本件各輸入貨物について関税定率法4条2項1号から3号までに該当しないことについては争いがないところ,P1社と原告との間に輸入取引があるのであれば,現実支払価格による方法により課税価格を計算すべきであり(同条1項),同法4条の2の適用は認められないのであって,類型Ⅱの輸入貨物について,同条の規定により同種又は類似の輸入貨物の取引価格による方法によって課税価格を計算することは許されず,同方法により類型Ⅱの輸入貨物についてされた本件各更正処分3はいずれも違法である。なお,類型Ⅱの輸入貨物についての現実支払価格はベンダーインボイスに記載された価格と同一である。 仮に,類型Ⅱの輸入貨物について,同種又は類似の輸入貨物の取引価格から課税価格を計算することが許されるとしても,類型Ⅱの輸入貨物については,同法4条の2に規定する「当該輸入貨物の本邦への輸出の日又はこれに近接する日」との要件(以下「近接性の要件」という。)を満たしていないから,これを満たしているとしてされた類型Ⅱの輸入貨物に係る本件各更正処分3はいずれも違法である。(争点②―2) ウ仮に,本件各更正処分における課税価格の計算が適法であったとしても,本 から,これを満たしているとしてされた類型Ⅱの輸入貨物に係る本件各更正処分3はいずれも違法である。(争点②―2) ウ仮に,本件各更正処分における課税価格の計算が適法であったとしても,本件各更正処分をすることは信義則に違反し,違法である。(争点③)エ仮に,本件各更正処分が適法であったとしても,原告には過少申告加算税を課すべきでない「正当な理由」(関税法12条の2第3項,国税通則法65条4項)があるから,本件各賦課決定処分はいずれも違法である。(争点⑤)(被告の主張の構造)ア類型Ⅰ及び類型Ⅱの輸入貨物共通の主張(ア) 本件各輸入貨物については,原告を買手,P1社を売手とする売買が認められ,この間の売買が関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」である。原告が主張するようなP1社が原告の代理人として本件各ベンダーと売買をしたという事実は認められない。(争点①―1)また,原告が主張するファースト・セール理論を採用することはできない。(争点①―2)(イ) 仮に,原告と本件各ベンダーとの間に「輸入取引」があったとしても,P1社が本件各輸入貨物に係る取引において受け取る報酬は関税定率法4条1項2号イに規定する「仲介料その他の手数料」というべきであり,また,P1社を買付代理人と認めることはできないから,課税価格はP1社が受け取る報酬分を加えた価格とすべきである。(争点④)イ原告とP1社との間の取引価格が課税価格と認められた場合の主張(ア) 類型Ⅰの輸入貨物は,P1社インボイスによりその価格が明らかであるから,関税定率法4条1項に規定する現実支払価格による方法により, P1社インボイスに記載された価格に基づいて課税すべきである。 (イ) 類型Ⅱの輸入貨物については,P 価格が明らかであるから,関税定率法4条1項に規定する現実支払価格による方法により, P1社インボイスに記載された価格に基づいて課税すべきである。 (イ) 類型Ⅱの輸入貨物については,P1社インボイスがなく,そのほか,原告とP1社との間の取引価格を認めるに足りる証拠がないから,関税定率法4条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができないときに当たり,同法4条の2以下の規定の適用が問題となる。 そして,類型Ⅱの輸入貨物については,近接性の要件を満たすものと認められるから,同種又は類似の貨物に係る取引価格による方法により課税価格が計算されるべきである。(争点②―2)(ウ) なお,関税定率法4条1項又は4条の2第1項の規定により,原告とP1社との間の取引価格が課税価格と認められたとしても,原告とP1社の間に同法4条2項4号に規定する特殊関係が認められ,それが価格に影響を与えるものであれば,同価格を課税価格とすることはできない(同号)が,特殊関係があり,それが価格に影響を与えているという事実は,本件各更正処分等が違法であることを基礎付けるものであるから,違法を主張する原告が主張立証責任を負うべきものである。なお,仮に,原告とP1社の間の特殊関係が取引価格に影響を与えていないことについて,被告に主張立証責任があるとしても,被告は,その主張立証を尽くしている。(争点②―1)ウ本件各更正処分について信義則違反があるとは認められない。(争点③)エ本件各賦課決定処分について,それをすべきでない「正当な理由」は認められない。(争点⑤)(2) 第2事件 (原告の主張の構造)ア区分A,区分B及び区分Cの輸入貨物に関する主位的主張(ア) 本件各輸入貨物は,P1社が原告を 理由」は認められない。(争点⑤)(2) 第2事件 (原告の主張の構造)ア区分A,区分B及び区分Cの輸入貨物に関する主位的主張(ア) 本件各輸入貨物は,P1社が原告を代理して本件各ベンダーから購入したものであるから,関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」は,原告と本件各ベンダーとの間の取引であるところ,原告は,原告とP1社との間の取引価格に基づき納税申告をしたのであるから,本件各更正の請求には理由があり,本件各通知処分は取り消されるべきである。なお,本件各通知処分の取消後に税関長がすべき更正処分の内容は,別紙更正後の関税価格等の計算明細(現実取引価格による方法)のとおりである。(争点①―1)(イ) 仮に前記(ア)の代理が成立するものとは認められず,本件各ベンダーとP1社の間の売買及びP1社と原告の間の売買があったとされた場合であっても,ファースト・セール理論により,本件各ベンダーとP1社の間の売買の価格が課税価格とされるべきであるから,本件各更正の請求には理由があり,本件各通知処分は取り消されるべきである。税関長がすべき更正処分の内容は前記(ア)と同様である。(争点①―2)イ前記アの原告の主張が認められなかった場合(原告とP1社との間の売買が「輸入取引」であるとされた場合)の主張(ア) P1社と原告との間の特殊関係が輸入貨物の取引価格に影響を与えていないことの立証を原告が行っていない以上,関税定率法4条2項4号の規定により,P1社と原告との間の現実支払価格の方法(同法4条1項)による課税価格の決定は認められないのであって,区分Aの輸入貨物につ いてP1社インボイスに記載された価格を課税価格としてした納税申告は違法であり,更正の請求には理由があるから,本件各通知処分のうち区分 価格の決定は認められないのであって,区分Aの輸入貨物につ いてP1社インボイスに記載された価格を課税価格としてした納税申告は違法であり,更正の請求には理由があるから,本件各通知処分のうち区分Aの輸入貨物に係るものは取り消されるべきである。(争点②―1)また,P1社と原告との間の取引価格を用いた現実支払価格の方法による課税価格の決定が認められない以上,それを同種又は類似の貨物に係る「取引価格」(関税定率法4条の2)として用いることもできないから,区分Bの輸入貨物について,同種又は類似の貨物に係る取引価格による方法によって課税価格を計算してされた納税申告も違法であるから,本件各通知処分のうち区分Bの輸入貨物に係るものは取り消されるべきである。 このことは,P1社と原告の間の取引価格を用いて課税価格を計算して納税申告をした区分Cの輸入貨物についても同様である。 なお,これらの場合には,製造原価からの逆算方式又は国内販売価格からの逆算方式によるべきであるところ,原告は前者の優先適用を希望するので,前者が優先適用される(ただし,前者によることのできないP10社が製造する製品を除く。)。この場合に税関長がすべき更正処分の内容は,別紙更正後の関税価格等の計算明細(製造原価からの積算方式)のとおりである。この場合のP10社が製造する製品について税関長がすべき更正処分の内容は,別紙更正後の関税価格等の計算明細(国内販売価格からの逆算方式-P10社 ○○分)のとおりである。そして,製造原価からの積算方式によることができないときは,国内販売価格からの逆算方式によるべきところ,この方式による場合に税関長がすべき更正処分の内容は,別紙更正後の関税価格等の計算明細(国内販売価格からの逆算方式- 全輸入)のとおりである。 (イ) 特殊関係が輸 式によるべきところ,この方式による場合に税関長がすべき更正処分の内容は,別紙更正後の関税価格等の計算明細(国内販売価格からの逆算方式- 全輸入)のとおりである。 (イ) 特殊関係が輸入貨物の取引価格に影響を与えていないことの証明があった場合には,関税定率法4条1項に基づく課税価格の計算をすべきであり,同法4条の2以下の適用は許されない。 そして,区分B及び区分Cの輸入貨物に係る取引については,ベンダーインボイスに記載された価格が原告がP1社に対して支払った価格であるから,これによらずに課税価格を計算してされた納税申告は違法であり,これらに係る本件各通知処分のうち区分B及び区分Cの輸入貨物に係るものは取り消されるべきである。 なお,この場合にされるべき更正処分の内容は,区分B及び区分Cの輸入貨物に係る前記ア(ア)と同様である。 (ウ) 仮に区分Bの輸入貨物について現実支払価格による方法を用いないことが認められるとしても,近接性の要件を満たさないものについては,この方法によることはできず,当該方法によってした納税申告は違法であり,当該申告についてされた本件各通知処分のうち当該申告についての更正の請求に係る部分は違法である。(争点②―2)また,区分Cの輸入貨物については,製造原価からの積算方式又は国内販売価格からの逆算方式を用いることができるのに,これによらず,その他の方法(関税定率法4条の4)によって計算した課税価格に基づく納税申告がされているから,当該申告は違法であり,本件各通知処分のうち区分Cの輸入貨物に係るものは違法である。(争点②―3)なお,この場合にされるべき更正処分の内容は,区分B及び区分Cの輸 入貨物に係る前記(ア)と同様である。 (被告の主張の構 区分Cの輸入貨物に係るものは違法である。(争点②―3)なお,この場合にされるべき更正処分の内容は,区分B及び区分Cの輸 入貨物に係る前記(ア)と同様である。 (被告の主張の構造)ア区分A,区分B及び区分Cの輸入貨物共通の主張前記(1)の被告の主張の構造アと同じ。 イ原告とP1社との間の取引価格が課税価格と認められた場合の主張(ア) 区分Aの輸入貨物は,P1社インボイスによりその価格が明らかであるから,現実支払価格の方法により,その価格に基づいて課税すべきである。 (イ) 区分Bの輸入貨物については,P1社インボイスがなく,そのほか,原告とP1社の間の取引価格を認めるに足りる証拠がないから,関税定率法4条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができないときに当たり,同法4条の2以下の規定の適用が問題となる。 そして,区分Bの輸入貨物には,近接性の要件を満たすものと認められることから,同種又は類似の貨物に係る取引価格による方法により課税価格が計算されるべきである。(争点②―2)(ウ) 区分Cの輸入貨物については,近接性の要件が認められず,かつ,製造原価からの積算方式によることも国内販売価格からの逆算方式によることもできないから,同法4条の4の規定により,価格改定率から取引価格を推定して課税価格を決定するのが相当である。(争点②―3)(エ) なお,関税定率法4条1項又は4条の2第1項の規定により,原告とP1社間の取引価格が課税価格と認められたとしても,原告とP1社間に特殊関係が認められ,それが価格に影響を与えるものであれば,同価格を 課税価格とすることはできない(同法4条2項4号)が,特殊関係があり,それが価格に影響を与えているという事実は,納 P1社間に特殊関係が認められ,それが価格に影響を与えるものであれば,同価格を 課税価格とすることはできない(同法4条2項4号)が,特殊関係があり,それが価格に影響を与えているという事実は,納税申告が違法であることを基礎付けるものであり,違法を主張する原告が主張立証責任を負うべきものである。本件各通知処分においては,上記の特殊関係による影響を受けていないことを前提としているが,例外規定である同法4条2項4号の適用を主張しようというのであれば,それを主張する者に主張立証責任があるというべきである。 なお,仮に,原告とP1社の間の特殊関係が取引価格に影響を与えていないことについて,被告に主張立証責任があるとしても,被告はその主張立証を尽くしている。(争点②―1) 6 争点前記5のとおりの当事者の主張の構造を踏まえると,本件の主要な争点は,次のとおりである。 (1) 本件各輸入貨物に係る関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」は,誰と誰との間の取引か。(争点①)(第1事件,第2事件)ア原告とP1社との間に売買が認められるか,それとも,P1社は原告の代理人であると認められるか。(争点①―1)イ原告とP1社との間に売買が認められるとした場合でも,ファースト・セール理論により,本件各ベンダーとP1社との間の売買を「輸入取引」とすべきか。(争点①―2)(2)(争点①において,原告とP1社との間の取引が「輸入取引」とされた場合) 本件各更正処分等及び本件各申告2における課税価格の計算は適法であったか。(争点②)ア類型Ⅰの輸入貨物について,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができるか。(争点②-1)(第1事件,第2事件)イ類型Ⅱの輸入貨物について,現 たか。(争点②)ア類型Ⅰの輸入貨物について,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができるか。(争点②-1)(第1事件,第2事件)イ類型Ⅱの輸入貨物について,現実支払価格による方法によらないことが適法か,また,同種又は類似の輸入貨物の課税価格による方法によるのに必要な近接性の要件を満たしているか。(争点②-2)(第1事件,第2事件)ウ類型Ⅲの輸入貨物について,現実支払価格による方法によらないことが適法か,また,製造原価からの積算方式又は国内販売価格からの逆算方式によることができるか(争点②-3)(第2事件)(3)(争点①において,原告とP1社との間の取引が「輸入取引」とされた場合)被告には,本件各更正処分等について信義則違反が認められるか。(争点③)(第1事件)(4)(争点①において,原告と本件各ベンダーとの間又はP1社と本件各ベンダーとの間の取引が「輸入取引」とされた場合)原告がP1社に支払った費用は,課税価格に加算すべき「仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)」(関税定率法4条1項2号イ)に該当するか。(争点④)(第1事件,第2事件)(5) 原告には,過少申告加算税を課すべきでない「正当な理由」(関税法12条の2第3項,国税通則法65条4項)があったか否か。(争点⑤)(第1事件) 7 争点に関する当事者の主張の概要(1) 争点①―1(原告とP1社との間に売買が認められるか,それとも,P1社は原告の代理人であると認められるか。)について(原告の主張)ア前提となる主張立証責任について関税,消費税及び地方消費税はいずれも申告納税方式の税であるところ,第1事件において,納税者である原告は,「原告と本件各ベンダーの間 告の主張)ア前提となる主張立証責任について関税,消費税及び地方消費税はいずれも申告納税方式の税であるところ,第1事件において,納税者である原告は,「原告と本件各ベンダーの間に本件各輸入貨物に係る売買契約が存在する」からこれが関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」であるとして納税申告を行ったのに対し,被告が更正処分を行っているのであるから,更正処分の適法性を主張する被告は,「原告と本件各ベンダーとの間に本件各輸入貨物に係る売買契約が存在しない」ことをまず立証する必要がある。さらに,原告は,上記主張を基礎付ける事実として,「原告はP1社に対して本件各輸入貨物を本件各ベンダーから購入する代理権を授与し,P1社は当該代理権に基づき原告の代理人としての資格において本件各ベンダーから本件各輸入貨物を購入した」事実を主張しているから,被告は,まずは代理の不成立を立証する必要がある。 イ関税の課税価格決定の原則的方法について関税定率法4条1項は,輸入貨物の課税価格決定の原則的な方法について規定しているところ,同項にいう「輸入取引がされた時」とは関税評価協定1条にいう「輸出のために販売された場合」と同義であり,「取引」とは売買のことである。つまり,関税の課税価格決定の原則的な方法は, 我が国への輸出のために販売された現実の売買の売買価格に基づき決定されなければならないのであって,現実には存在しない架空の売買を存在すると想定して恣意的な課税価格を決定することは許されない。 取引価格に基づき関税の課税価格を決定するには,具体的には,①現実に存在する売買行為の中から「輸入取引」を特定し,②特定された当該輸入取引の売手と買手を特定し,③買手により売手に対し又は売手のために当該輸入貨物につき現実に支 格を決定するには,具体的には,①現実に存在する売買行為の中から「輸入取引」を特定し,②特定された当該輸入取引の売手と買手を特定し,③買手により売手に対し又は売手のために当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格を認定するという流れになるから,まず売買行為を特定しなければならない。 そして,「現実の売買」とは,私法上有効に成立している売買のことであって,その認定は私法上の法律要件の充足の有無によりされなければならず,私法上の法律関係として存在しない売買は,「現実の売買」ではない。このことは,関税定率法基本通達4-1が,「輸入取引」とは,原則として,貨物を外国から本邦に向けて輸出することを目的として行われたときの売買をいうとしていることからも明らかである。 ウ本件における「輸入取引」について(ア) 本件各輸入貨物の輸入に関する事実経過は,次のとおりである。 a 原告と本件各ベンダーは,平成14年7月1日を効力発生日として,原告と本件各ベンダーとの間で合意した一定の製品(以下「本件ベンダー合意製品」という。)について,原告を買主,本件各ベンダーを売主とすることなどを内容とする覚書(甲イ5の1から4まで。以下「本件ベンダー覚書」という。)を締結した。 b 原告,P1社及びP6社は,平成14年7月1日を効力発生日とし て,原告とP1社が合意した一定の製品(本件対象製品に相当するもの。以下「本件代理権付与製品」という。)について,P1社が原告を代理して原告のために海外で購入する行為を行い,P1社がベンダーからの本件代理権付与製品の調達に関する役務の提供等をすることなどを内容とする覚書(甲イ3。以下「本件三者間の覚書」という。)を締結した。本件三者間の覚書については,P1社と原告のほか 社がベンダーからの本件代理権付与製品の調達に関する役務の提供等をすることなどを内容とする覚書(甲イ3。以下「本件三者間の覚書」という。)を締結した。本件三者間の覚書については,P1社と原告のほか,P6社も当事者となっていたが,これは,従来の原告,P6社及びP1社の間の取引関係が,P6社が取引関係から離脱することにより原告とP1社との間の法律関係になることを明らかにするためであった。 なお,原告は,本件三者間の覚書に先立ち,P1社との間で,平成14年7月1日を効力発生日とする本件卸売販売契約を締結したところ,これは,原告とP1社間のいわば基本契約であって,本件三者間の覚書は,その特別契約に相当する。 cP1社は,平成14年7月頃から同16年11月頃までの間に,本件各ベンダーとの間で,本件各輸入貨物を購入する売買契約を締結した。なお,本件各輸入貨物は,いずれも本件ベンダー合意製品に該当し,かつ本件代理権付与製品に該当する。 (イ) 以上のとおり,本件においては,P1社は,本件各ベンダーとの間で,原告を代理して本件各輸入貨物の売買の契約を締結したのであるから,本件各輸入貨物の「輸入取引」(売買)は,本件各ベンダーと原告との間の売買である。これに対し,被告は,P1社が原告の代理としてではなく本人として本件各ベンダーと本件各輸入貨物の売買契約を締結 したことを前提として,P1社と原告との間に本件各輸入貨物の売買が存在し,その売買が「輸入取引」であると主張しているから,本件においては,代理の要件の充足の有無が問題となる(代理の要件を充足すれば,「本件各ベンダーと原告との間に売買が存在する」との原告の主張が正しいという結論になり,他方で「P1社と原告との間に売買が存在する」との被告の主張は誤りであると 問題となる(代理の要件を充足すれば,「本件各ベンダーと原告との間に売買が存在する」との原告の主張が正しいという結論になり,他方で「P1社と原告との間に売買が存在する」との被告の主張は誤りであるとの結論になる。)。 (ウ) ところで,我が国の民法では,代理の成立要件として,①代理人が本人のためにすることを示して意思表示を行ったこと及び②代理人がその代理行為についての代理権を有することを規定している(民法99条1項)ところ,本件各輸入貨物の売買の準拠法であるユタ州法においても,上記①及び②の要件が満たされれば,代理人と相手方との間で締結された売買の効果が本人に帰属することに変わりはない。そして,本件において,①P1社が,本件各ベンダーに対して,本件各輸入貨物を購入する意思表示を,原告を代理しての意思表示であることを示して行ったこと及び②原告がP1社に対して本件各輸入貨物を購入する権限を授与していたことという代理の要件が充足されていることは,以下の事実から明らかであるから,本件各ベンダーとの間の本件各輸入貨物の売買の効果は原告に帰属する。 aP1社が原告を代理して意思表示をしたことについて(a) 本件ベンダー覚書は,その締結当事者を「売主」,「買主」と明示していることからも明らかなとおり,原告と本件各ベンダー間の継続的な売買についての基本契約としての性格を有するもので,両 者間の個々の売買をP1社が原告の代理人として本件各ベンダーと締結する旨が合意されている。 本件各ベンダーは,本件ベンダー覚書に署名する前に,その法的意味内容を十分に検討し,その規定する法律関係に真に拘束される意思で署名しており,その後これを大切に保管し続けた。 (b) P1社は,本件各ベンダーに対 ダー覚書に署名する前に,その法的意味内容を十分に検討し,その規定する法律関係に真に拘束される意思で署名しており,その後これを大切に保管し続けた。 (b) P1社は,本件各ベンダーに対して,原告のための発注であること及び原告から発注書記載の発注を行うことの権限が付与されていることを明記した発注書を本件各ベンダーに送付することによって,原告を代理して本件各輸入貨物の購入の申込みを行っており,これは,本件ベンダー覚書の「原告はP1社を介して本件各ベンダーに対して注文を行う」との文言と合致する。 (c) 本件各ベンダーは,本件各輸入貨物につき,「原告を代理して購入するP1社に売却したこと」,「原告に対して出荷したこと」を明記したインボイスを発行しているところ,本件各ベンダーはP2社及びその関連会社とは独立の第三者であり,その発行するインボイスが日本の税関当局に原告の添付書類である「仕入書」として提出されることを認識しているから,本件各ベンダーがあえて事実に反する記載をするはずがない。 bP1社に代理権が授与されたこと(a) 本件卸売販売契約に係る契約書(乙イA22。以下「本件卸売販売契約書」という。)には,原告は,独占的卸売販売権を有するP5製品を,P1社から購入し,又は調達するだけでなく,P1社を 介して購入し,又は調達することも認められる旨が明記されている。 (b) また,本件ベンダー覚書には,P1社が原告を代理して本件代理権付与製品を購入することに原告とP1社が同意する旨が明確に記載されている。 (c) P1社は,本件各ベンダーに対する本件各輸入貨物の購入申込みに際し,「原告より代理権を付与されている」旨を明記した発注書を本件各ベンダーに送付しており,この発注 載されている。 (c) P1社は,本件各ベンダーに対する本件各輸入貨物の購入申込みに際し,「原告より代理権を付与されている」旨を明記した発注書を本件各ベンダーに送付しており,この発注書は,P1社から原告にも送付されている。 (d) 原告は,平成11年に横浜税関からされた助言及び教示に基づき,P1社を代理人とする取引を開始したものであって,原告がP1社に代理権を授与しなければ目的が達成できず,他方で,原告がP1社に代理権を付与することによる不利益はないから,代理権を付与しないことはあり得ない。 (エ) なお,原告とP1社は,両者間の別個の契約により,原告が本件各輸入貨物の買手として負担するリスクの一部を最終的にP1社に移転しているが,本件各ベンダーの関与しないそのような契約によって,本件各ベンダーと原告との間の売買の効力に影響が及ぶものではないし,本件各ベンダーが売手であるという事実にも影響が及ぶものではない。 (オ) 仮に,代理の成立が認められないとしても,表見代理又は無権代理の追認の法理により,本件各輸入貨物の売買契約の効果が本件各ベンダーと原告との間に帰属することは明らかである。なぜなら,原告を代理して本件各ベンダーから本件売買対象商品を購入する代理権をP1社に 対して授与した事実を原告が本件各ベンダーに表明した事実(本件ベンダー覚書),P1社が原告の代理人として行為することを示して本件各ベンダーと本件各輸入貨物の売買契約を締結した事実(ベンダーインボイス),原告が本件各ベンダーと原告との間の売買であることを認めて本件各輸入貨物を受領し本件各ベンダーを輸出者として輸入申告をした事実(甲イ2(枝番を含む。)の輸入申告書)は,証拠上明らかであるためである。 エ被告の主張に の間の売買であることを認めて本件各輸入貨物を受領し本件各ベンダーを輸出者として輸入申告をした事実(甲イ2(枝番を含む。)の輸入申告書)は,証拠上明らかであるためである。 エ被告の主張に対する反論被告は,P1社と原告との間に本件各輸入貨物の売買が存在すると主張するが,以下のとおり失当である。 (ア) 被告は,本件各輸入貨物に関する取引の一連の流れは,本件卸売販売契約書の内容に合致するから,P1社と原告との間の売買である旨主張するが,前記ウ(ウ)b(a)のとおり,本件卸売販売契約書は,原告がP5製品をP1社から購入し,又は調達する場合だけでなく,P1社を介して購入し,又は調達する場合も想定しているから,被告が本件各輸入貨物に関する取引で本件卸売販売契約の内容に合致すると主張する事項は,いずれも本件ベンダー覚書や本件三者間の覚書の内容と矛盾するものではない。 (イ) 被告は,原告による本件各輸入貨物の発注は,全て原告とP1社の間で合意された円建ての価格であるから,原告とP1社間の売買である旨主張するが,代理の要件は,前記ウ(イ)のとおりであり,本人と代理人との間で代理人の代理行為に対する手数料や代理人が本人のために支 出した費用の償還方法をどのように合意するかなどは,代理の成否とは何ら関係ないし,私法上の法律関係は当事者が自由に合意できるのだから,米国ドル建てで製品を購入する代理人の立替代金の求償金と手数料について円建てで合意することも当然に認められるのであって,それによって売買契約に関する代理の法律効果が否定されることはない。また,原告がP1社に対して製品代金と役務提供の対価を円建てで支払うことは,本件三者間の覚書の内容に合致する行為であって,代理の成立を否定する根拠とはなり得ない。 律効果が否定されることはない。また,原告がP1社に対して製品代金と役務提供の対価を円建てで支払うことは,本件三者間の覚書の内容に合致する行為であって,代理の成立を否定する根拠とはなり得ない。 なお,原告とP1社との間で,原告と本件各ベンダーとの間の売買代金相当額とP1社の役務提供の対価の合計を一括して一定額の円価格として支払う旨の契約がされたのは,原告が売買契約の買手として負担する為替リスクをヘッジするためであり,これは経済的合理性のある当然に有効な合意である。 (ウ) 被告は,本件ベンダー合意製品でありながら原告がP1社を売手として購入している貨物があるから,本件ベンダー覚書は信用できないと主張するが,被告主張の貨物は代理取引対象製品ではないから,これをP1社を売手として輸入申告することは当然である。本件ベンダー覚書は,本件各ベンダーに対してP1社が本人として本件各ベンダーと売買契約を締結することを禁止していないし,原告に対してP1社が本件各ベンダーから購入した貨物をP1社から購入することを禁止してもいないから,矛盾はない。 また,被告は,本件ベンダー覚書の作成日が不明であるとか,形式に 違いがあるなどとしてその信用性がないと主張するが,作成時期は平成14年7月1日ころであるし,形式の違いは,当事者がそれぞれ自己のプリンターでプリントアウトしたからにすぎず,信用性は高い。 (エ) 被告は,原告がP1社の役務提供の対価としているP1社インボイスの価格と本件各ベンダーインボイスの価格との差の内容について何ら承知していないことから,原告とP1社との間の売買である旨の主張をするが,原告とP1社は前記(イ)のとおり,原告と本件各ベンダーとの間の売買代金相当額とP1社の役務提供の対価の合計を一括して て何ら承知していないことから,原告とP1社との間の売買である旨の主張をするが,原告とP1社は前記(イ)のとおり,原告と本件各ベンダーとの間の売買代金相当額とP1社の役務提供の対価の合計を一括して支払うこととしたのであり,P1社が提供する役務の内容は,本件三者間の覚書に記載されているとおりであるから,原告はその内容を当然に承知している。また,原告とP1社は,個々の役務の種類ごとに単価の合意をしたのではなく,P1社が提供する役務提供の対価を「一定の円価格マイナス本件各ベンダーからの米国ドル建て購入価格の円換算額」として合意したものである。 (オ) 被告は,原告がP1社インボイスに記載された金額を,社内の承認手続を経てP1社に対して支払い,仕入計上しているから,P1社と原告との間の売買である旨主張するが,代理の成否は,P1社と本件各ベンダーが本件各輸入貨物についての意思表示をした時点で確定するものであって,その後に発生する事実によって影響を受けるものではないし,P1社インボイスは,P1社の立替払代金と役務提供の対価の請求書であるから,原告がその金額をP1社に対して支払うことは,何ら本件各ベンダーと原告との間の売買の存在を否定するものではない。さらに, 原告が本件各ベンダーへの売買代金とP1社に対する役務提供の対価を売上原価とすることは,本件においては,P1社に対する役務提供の対価も製品ごとに合意されていて各製品と個別に対応させることができるから,企業会計の原則にのっとった会計処理である。 (カ) 被告は,P1社が発行する発注確認書に本件各輸入貨物と他の本邦市場向け貨物(原告が平成14年7月1日から同16年11月15日までの間に行った輸入(納税)申告の対象となる栄養補助食品,化粧品等のうち,本件各輸入貨物以外のものをいう 書に本件各輸入貨物と他の本邦市場向け貨物(原告が平成14年7月1日から同16年11月15日までの間に行った輸入(納税)申告の対象となる栄養補助食品,化粧品等のうち,本件各輸入貨物以外のものをいう。以下同じ。)が混在するから,本件各輸入貨物もP1社との間の売買であると主張するが,原告からP1社に対する製品供給に関する依頼が同一のシステムを用いて行われていても,その対象となる商品から,それがP1社に対して原告を代理して本件各ベンダーから購入することの依頼なのか,P1社に対する製品購入の申込みなのかは,一義的に明らかであって,両者を分けなければならない理由はないし,既存の同一のシステムを用いて全ての製品供給に関する依頼をP1社に対して行うことが,手続が簡素で便利であるからこれを用いているにすぎないのであって,被告の上記主張は,何ら本件各ベンダーと原告との間の売買を否定する根拠となるものではない。 (キ) 被告は,本件各輸入貨物の荷送人がP1社になっているから,P1社と原告との間の売買であると主張するが,貨物到着通知書の荷送人は,運送人と運送契約を締結した者のことであって,運送物の売買の当事者のことではないから,何ら矛盾はない。本件三者間の覚書において,P 1社は本件代理権付与製品について国際運送契約を締結する義務を負っているから,荷送人がP1社であることは,これに合致する。 (ク) 被告は,P1社インボイスには,原告とP1社との間の発注番号が付されているが,ベンダーインボイスには原告とP1社との間の発注番号が付されていないから,本件各輸入貨物の売買はP1社と原告との間の売買であると主張するが,本件各ベンダーが契約成立後に発行するインボイスに本人と代理人との間のレファレンス番号を記載するかどうかは,代理の成立要件 いから,本件各輸入貨物の売買はP1社と原告との間の売買であると主張するが,本件各ベンダーが契約成立後に発行するインボイスに本人と代理人との間のレファレンス番号を記載するかどうかは,代理の成立要件の事実認定と何ら関係のないことである。 また,被告は,ベンダーインボイスにコンテナ番号,コンテナシール番号,船舶の名称及び配船スケジュールが記載されていて不自然であるなどと主張するが,原告は,本件各ベンダーと運送人渡(FCA)の条件で売買契約を締結しているところ,貿易実務において,輸出者は上記の各情報を入手して「仕入書」であるインボイスを作成するのが一般であるから,何ら不自然ではない。 (ケ) 被告は,原告が本件各輸入貨物についてP1社に対してクレーム求償を行っているから,本件各輸入貨物はP1社と原告の間の売買であると主張する。しかし,本件卸売販売契約書6.2条には,「P1社は,製造業者から調達した製品に関して,商品性又は特定目的適合性を含むいかなる保証も行わない」と規定されていて,P1社を代理人として原告が製品を購入した場合でも,P1社と原告が売買契約を締結した場合も,原告は製品の瑕疵等に関する求償をP1社に行う権利を有さないから,被告の上記主張は事実に反する。 なお,被告の主張するクレーム求償は,BSE問題を起因として日本で製品が販売できなくなった事案に関するものであり,そもそも契約違反を理由とするものでも製品に瑕疵があったものでもなく,その対象となる製品を原告が取得する原因となった契約とは全く別個の合意に基づくものであって,BSE問題という異常事態に対処するためにP1社が損失を負担して原告を救済したものにすぎないから,本件各ベンダーと原告との間の売買の存在を否定する論拠となるものではない。 に基づくものであって,BSE問題という異常事態に対処するためにP1社が損失を負担して原告を救済したものにすぎないから,本件各ベンダーと原告との間の売買の存在を否定する論拠となるものではない。 (コ) 被告は,原告が,平成15年11月27日付けで国税庁長官から独立企業間価格の算定方法についての相互協議の合意について通知を受けていることをもって,本件各輸入貨物の売買がP1社と原告との間にあると主張するが,その論拠は不明である。そもそも,代理の成立要件が満たされているかどうかは,本人,代理人及び相手方の三者の意思表示の内容によって決せられるものであって,本人と代理人の所属する国家間でどのような合意がされているかによって影響を受けるものではないし,独立企業間価格に関する相互協議の成立が国外関連者間に成立している法律関係を変更するものでもない。 (サ) 被告は,原告が法人税の確定申告書の国外関連者との取引状況の「役務提供の対価」の支払欄を空白としていたから,原告とP1社間に本件各輸入貨物の売買があると主張するが,代理の成否は,その後発生した事実により影響を受けるものではない。なお,原告は,原告が本件各輸入貨物の取引に関してP1社に対して支払った金額は,P1社が原告を代理して本件各ベンダーから棚卸資産である本件各輸入貨物を購入した ことにより原告がP1社に対して支払った金額であるから,これを「棚卸資産の売買対価」欄に記載したものであり,仮に別の記載方法を採るべきであったとしても,そのことは原告の法人税の確定申告書の記載に誤りがあったことを意味するだけで,既に成立している法律関係が覆されるわけではない。 (シ) 被告は,原告とP1社は,本件各輸入貨物も他の本邦市場向け貨物も,同様に価格改定の合意をしているから, あったことを意味するだけで,既に成立している法律関係が覆されるわけではない。 (シ) 被告は,原告とP1社は,本件各輸入貨物も他の本邦市場向け貨物も,同様に価格改定の合意をしているから,本件各輸入貨物もP1社と原告との間の売買であると主張する。しかし,平成15年の価格改定において,本件各輸入貨物については,P1社が提供する役務提供コストの増加並びに厚生労働省の通達の変更による栄養補助食品に対する検査というP1社の追加的な役務提供及び費用の発生によって,従前の役務提供の対価が適正ではなくなったことを理由として,「サービス料の増加」という価格変更を行っている。これに対し,他の本邦市場向け貨物については,一定の利益水準による製品をグループ分けをして製品の評価を行った結果,P1社が適正な利益を確保するためには移転価格の変更が必要であるとの理由で価格改定がされたものである。また,平成16年の価格改定においては,本件各輸入貨物についての役務の提供については,本件三者間の覚書を引用した上で,P1社が原告に対して提供している役務の内容が変化したことを理由に対価を引き下げたものである。以上のとおり,価格変更の際の態様からすれば,本件各輸入貨物の取引は,P1社と原告との間の売買である他の本邦市場向け貨物の取引とは異なるのであって,被告の上記主張は失当である。 (被告の主張)ア前提となる主張立証責任について本件の主位的争点は,①原告を買手,P1社を売手と認められるか,②①が認められたとして,原告とP1社との間の取引が「輸入取引」に該当するかであり,本件各輸入貨物に係る「輸入貨物」の取引が原告とP1社との間の直接取引であることが立証できれば,同取引が,P1社が原告を代理して本件各ベンダーから購入したものであると 輸入取引」に該当するかであり,本件各輸入貨物に係る「輸入貨物」の取引が原告とP1社との間の直接取引であることが立証できれば,同取引が,P1社が原告を代理して本件各ベンダーから購入したものであるとの立論は成り立たなくなるのであるから,まず「本件各輸入貨物がP1社が原告を代理してベンダーから購入したものではないこと」が立証されるべきであるとする原告の主張は,独自の見解というほかなく,失当である。P1社は原告の代理人であるとの原告の主張は上記①に対する積極否認であり,ファースト・セール理論に関する原告の主張は上記②に対する積極否認である。 イ関税評価における代理関係の有無等の判断について原告は,本件各輸入貨物については,P1社が原告を代理して本件各ベンダーとの間で売買をしたと主張するところ,関税評価における代理関係の有無及び売手と買手の判断に当たっては,まず,代理人契約書等について,その内容を確認することとなるが,これらの書類が明確にいわゆる代理人の活動の性格を表現しておらず,又はこれを反映していないと考えられる場合には,取引における様々な事実に基づく個別的な事情を総合的に考慮して,真実の契約関係(真実の売手)を判断すべきものである。 ウ原告とP1社との間に売買があったことについて(ア) 税関が,関税評価のための検討において,輸入者側から提出された 書類の記載内容に拘束されることなく,その真実性を検討する権限は,関税評価協定17条によって認められており,その検討の結果,名目上の書類の存在及び記載内容と取引の実態が異なると判断される場合は,当該取引の実態そのものに即して関税評価を行うべきである。その例として,世界税関機構(WCO)の関税評価に関する技術委員会(以下「関税評価技術委員会」という。)におい 態が異なると判断される場合は,当該取引の実態そのものに即して関税評価を行うべきである。その例として,世界税関機構(WCO)の関税評価に関する技術委員会(以下「関税評価技術委員会」という。)において平成2年10月12日に採択された解説17.1(乙イA36,乙ロ15。以下「解説17.1」という。)の9項には,「契約書又は書類が代理人と称する者の活動の本質を明確に表していない又は反映していない場合がある。このような場合には,事実関係を確定し,下記に述べるような種々の要素について検討することが重要である。」と規定されているところ,税関は,輸入者から提出された書類の記載内容のみにより関税評価を行うのではなく,取引における様々な事実に基づく個別的な事情を総合的に考慮して,真実の契約関係,あるいは真実の売手及び買手を判断すべきものである。 (イ) これを本件についてみると,原告が,本件各ベンダーが売手で,P1社が原告の代理人であることの根拠とする本件三者間の覚書及び本件ベンダー覚書については,まず,本件三者間の覚書が,そもそも本件各輸入貨物に係る取引において当事者となっていないP6社を当事者として含むものである点で主張の根拠を欠くものである。さらに,本件三者間の覚書において,P1社を代理人として本件各ベンダーから直接購入することとされている本件対象製品と,本件ベンダー覚書において同様の扱いとされている本件ベンダー合意製品には差異があり,本件ベンダ ー覚書においては,原告がP1社を代理人とし本件各ベンダーから直接購入することとされている製品について,実際には,原告がP1社を売手として購入している事実が認められ,また,処分行政庁が審査請求時までに原告から入手した原告とP9社との覚書(乙イA39)と本件訴訟で提出されている本件ベンダー について,実際には,原告がP1社を売手として購入している事実が認められ,また,処分行政庁が審査請求時までに原告から入手した原告とP9社との覚書(乙イA39)と本件訴訟で提出されている本件ベンダー覚書のうちP9社に係るもの(甲イ5の1)の書式やサインが異なっている(原告は別のプリンターで出力したからであると主張するが,そのようなことをするとは考え難い。)等,様々な矛盾や問題点があり,上記各覚書の信用性には疑問がある。 さらに,原告が,原告と本件各ベンダーとの間の売買取引が本件における課税価格決定の根拠であるとする主張を裏付けるために提出したベンダーインボイスについても,その記載内容並びにインボイスの形式及び番号に不自然な点があり,その信ぴょう性には疑問がある。すなわち,P1社における梱包について本件各ベンダーは関与しないものと考えられるところ,ベンダーインボイスには,本邦へ輸出される際のコンテナ番号及びコンテナシール番号が記載されている上,輸出地から輸入地まで貨物を積載し運送する船舶の名称や配船スケジュールまで記載されており,本件各ベンダーが取引に基づいて作成したとすれば不自然である。 また,例えば,別紙輸入目録1-4の整理番号489の貨物の輸入申告に際し提出されたP7社作成とされるインボイスは,その書式や書体等の内容から,真実の取引に基づいて作成されたのか疑問である。さらに,ベンダーインボイスの記載内容は,税関の調査内容に併せ,原告の指示に基づいて変更されたものと認められ,真実の取引に基づいて作成され たものでないことが疑われる。 以上のとおり,そもそも,本件ベンダー覚書及びベンダーインボイスの内容は,本件各輸入貨物の真の取引実態を反映しているとはいい難く,直ちに信用することができず,原告の主張の裏付 われる。 以上のとおり,そもそも,本件ベンダー覚書及びベンダーインボイスの内容は,本件各輸入貨物の真の取引実態を反映しているとはいい難く,直ちに信用することができず,原告の主張の裏付けとなる証拠の信ぴょう性は乏しいものであり,本件は,正に解説17.1の9項に該当し,取引の実態そのものに即して関税評価を行うべきケースであるというべきである。 (ウ) この観点に基づき,取引の実態に着目すると,他の本邦市場向け貨物は,本件卸売販売契約に基づいてP1社から原告に対して販売されたものと認められるところ,本件三者間の覚書の内容は,本件卸売販売契約の条件と合致するものであるから,本件各輸入貨物についても,他の本邦市場向け貨物と同様に,P1社から原告に対して販売されたものというべきである。この点について,原告は,本件卸売販売契約が基本契約であり,本件三者間の覚書よりも先に締結されている旨の主張をするが,これらはいずれも発効日が平成14年7月1日とされていて,締結日の記載がないから,本件卸売販売契約が先に締結されたとはいえないし,本件卸売販売契約書には,「本契約は内容に関して両当事者間のすべての取り決めを構成し,以前若しくは同時期における全ての交渉,事実表明,取り決め,覚書(口頭及び書面)に優先する」旨明記されているから,これが優先適用される。 そして,本件各輸入貨物について,原告は,他の本邦市場向け貨物と区別することなく,P1社に対しP1社の価格で発注し,同社から請求 を受け,P1社の価格で支払(前払金による充当を含む。)を行い,原告とP1社が,自ら本件各輸入貨物の品質,数量,価格等を取り決めており,また,本件各輸入貨物に係る瑕疵等についての責任及び為替変動リスクはP1社が負っている。さらに,原告は,本件 含む。)を行い,原告とP1社が,自ら本件各輸入貨物の品質,数量,価格等を取り決めており,また,本件各輸入貨物に係る瑕疵等についての責任及び為替変動リスクはP1社が負っている。さらに,原告は,本件各ベンダーの価格ではなく,P1社の価格に基づいて仕入計上していることに加え,本件各輸入貨物のクレーム求償についても,P1社の価格に基づいて行われていることからも,本件各輸入貨物については,他の本邦市場向け貨物と同様に,P1社を売手とし,原告を買手とする売買があったというべきである。 (エ) これに対し,原告は,原告がP1社に対して支払った金額は,P1社が原告のために本件各ベンダーに支払う製品購入代金とP1社が原告に対して提供する買付代理等の役務の対価を合計した金額であると主張しているが,原告の平成15年1月1日から同年12月31日までの事業年度の法人税の確定申告書の別表17(3)「国外関連者に関する明細書」(乙イA2)には,「役務提供の対価」の「支払」欄に金額の記載がなく,原告からは当該役務提供の対価の内容や内訳とその算出根拠に関して,何らの裏付け資料等も提出されず,原告は,本件各輸入貨物の購入価格とP1社の役務提供の対価とを明確に区別することもできないのであるから,P1社インボイスに記載されている価格は,貨物の売買に係る代金そのものであるというほかない。 仮にP1社インボイスに記載されている価格にP1社の役務提供の対価が含まれるとするならば,当該対価の金額は,P1社インボイスの金 額とベンダーインボイスの金額の差額から判断しても,ベンダーインボイス記載の単価の3.5倍(価格改定前は約3から7倍)という高額なものとなり,代理人の手数料の割合としての一般的金額をはるかに上回る金額となり,不自然である。 判断しても,ベンダーインボイス記載の単価の3.5倍(価格改定前は約3から7倍)という高額なものとなり,代理人の手数料の割合としての一般的金額をはるかに上回る金額となり,不自然である。 また,①原告は,P1社に対する発注に際し,本件各輸入貨物をいずれのベンダーに製造させるか特定していないこと,②P1社の役務提供の対価が明確にされていないこと,③原告は,原告がP1社の役務提供の対価としているP1社の価格と製造業者の価格との差の内容について何ら承知していないこと,④原告が製造業者の特定や製造業者から本件各輸入貨物を米国ドル建て金額で購入すること及びその購入価格についてP1社に対して指示している事実が見受けられないほか,原告の当該発注行為の後に,原告がP1社に対して貨物手配,管理及び運送手配等について指示している事実も見受けられないことからすると,P1社の役務提供の対価に関する原告の主張は,不合理である。 (オ) したがって,本件各輸入貨物はP1社が原告を代理して本件各ベンダーから購入したものではなく,原告とP1社との間における売買が輸入取引である。 (カ) なお,原告は,仮に代理の要件を立証できなかったとしても,表見代理又は無権代理の追認の法理により,本件各輸入貨物の売買契約の効果が本件各ベンダーと原告との間に帰属する旨の主張をするが,本件の争点は,本件各輸入貨物の取引について,本件各ベンダー,P1社及び原告という代理関係を前提とする三者間の問題とするか,あるいは,P 1社及び原告の二者間の問題とすべきかという事実認定の問題であり,仮に二者間の問題であると認められれば,代理を前提とする表見代理又は無権代理の追認の法理の適用の余地はなく,原告の主張は失当である。 (2) 争点①―2(原告とP1社との いう事実認定の問題であり,仮に二者間の問題であると認められれば,代理を前提とする表見代理又は無権代理の追認の法理の適用の余地はなく,原告の主張は失当である。 (2) 争点①―2(原告とP1社との間に売買が認められるとした場合でも,ファースト・セール理論により,本件各ベンダーとP1社の間の売買を「輸入取引」とすべきか。)について(原告の主張)ア仮に,本件各輸入貨物について本件各ベンダーとP1社との間の売買取引が原告のためにする代理取引でないとするならば,本件各ベンダーとP1社との間の売買及びP1社と原告との間の売買という2個の取引が存在することになるが,その場合でも,P1社は,本件各ベンダーに対して,本件各輸入貨物を日本市場向けに特別に調合し,指定し,及び梱包するように注文しているのであって,本件各輸入貨物はP1社に本件各ベンダーから売却される時点において日本向けに輸出されることが確定していたのであるから,P1社と本件各ベンダーとの間の売買契約が関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」である。 イすなわち,関税定率法4条1項に規定する「輸入貨物に係る輸入取引がされた時に」とは,関税評価協定1条1項の「輸出のために販売された時」と同義であるところ,輸入貨物が複数の売買取引を経て輸入されるに至った場合には,当該貨物が輸出されることが確定した時点以後の最も安い取引価格,すなわち,流通経路の最初のものを関税評価の基礎に採用するのが関税評価協定の精神にかなうものである(ファースト・セール理論)。 これは,貿易障害としての関税を可及的に軽減して国際貿易を促進するというマラケシュ体制の目的に基づくものであり,関税評価協定も,その2条,3条,5条及び7条の規定から明らかなように,課税価格の評価の基礎として複数の選択 の関税を可及的に軽減して国際貿易を促進するというマラケシュ体制の目的に基づくものであり,関税評価協定も,その2条,3条,5条及び7条の規定から明らかなように,課税価格の評価の基礎として複数の選択肢があり得る場合には,最も安い価格を選択することで一貫している。 このような関税評価協定の精神からすれば,我が国の関税定率法の解釈においても,同一の輸入貨物に関して複数の輸入取引があり得る場合には,最も安い取引価格,すなわち,流通経路の最初のものを関税評価の基礎に採用するのが正しい解釈である。また,ファースト・セール理論に従った解釈をすることは,実質的な価値判断の観点からも妥当である。 このファースト・セール理論は,米国において判例上確立しており,また,EUにおいても制定法上明示的に取り込まれており,確立された法原則であり,我が国もこれに倣うのがWTO協定の枠組みに我が国が加入している趣旨に沿うものである。 ウ被告は,関税定率法は,貨物の付加価値全てを課税対象とするものであるなどとしてファースト・セール理論の適用を否定する主張をするが,関税評価協定には,付加価値全てを課税対象とするというような思想はなく,関税評価協定及び関税定率法においては,加算項目は限定列挙されているのであり,かえって,規定のない現実支払価格に対する加算を明示的に禁止したり,規定されている加算項目も限定されていたりするなどしているのであるから,被告の主張には理由がない。 (被告の主張) ア関税定率法4条1項に規定する「輸入貨物に係る輸入取引がされた」とは,関税評価協定1条1項に規定する「貨物が輸入国への輸出のために販売された」と同じ意味で用いられているものと解され,「輸入取引」は,「輸入国への輸出のための販売」,輸入国への 輸入取引がされた」とは,関税評価協定1条1項に規定する「貨物が輸入国への輸出のために販売された」と同じ意味で用いられているものと解され,「輸入取引」は,「輸入国への輸出のための販売」,輸入国への貨物の輸入に帰結する「輸出」をもたらすことを目的としている販売というべきであり,本件各ベンダーが日本市場向けに商品を特別に調合し,指定し,梱包するなどし,本邦への輸出を意識してP1社に販売していたとしても,そのような内容の販売は,単に輸出を想定して行われた販売であるにすぎず,これを輸入取引と認めることはできない。 イまた,関税評価協定1条1項の「輸入国への輸出のために販売された」という表現の意義については,関税評価技術委員会で昭和61年10月10日に採択された文書である勧告的意見14.1(以下「勧告的意見14. 1」という。)において,「貨物の実際の国際移動を伴う取引のみが,取引価格方式によって商品を関税評価する場合に使用できる」とされているところ,原告は,本件卸売販売契約書により,P1社を経由して本件各輸入貨物を本邦において引き取るのであるから,本件各輸入貨物は,P1社から原告に販売されたことによって初めて本邦への「輸入」という結果に帰結し,物理的に本邦の領域内に入ったというべきであり,原告とP1社間の売買が,貨物の実際の国際移動を伴う取引に当たることは明らかである。 また,関税評価協定上,貨物が輸入国に到着する以前に複数の売買取引がある場合,どの取引における現実支払価格を課税価格とするかについて 明文上明らかにするために,関税評価技術委員会において平成19年4月27日に上記勧告的意見の意味について採択された解説22.1(乙イA28。以下「解説22.1」という。)の27項において,「一連の販売における輸入国への輸 ,関税評価技術委員会において平成19年4月27日に上記勧告的意見の意味について採択された解説22.1(乙イA28。以下「解説22.1」という。)の27項において,「一連の販売における輸入国への輸出のために販売される場合の輸入貨物の現実に支払われた又は支払われるべき価格は,前段階の販売ではなく,輸入貨物を輸入国に持ち込む前に行われた直近の販売を基に決定されると結論づける」とされていることからも,ファースト・セール理論を根拠とする原告の主張に理由がないことは明らかである。 ファースト・セール理論は,解説22.1が発出される前の段階での米国における関税評価に係る考え方の1つにすぎず,そもそも本邦における関税評価は,関税評価協定を基に制定されている我が国の法令に基づいて決定されるものであり,米国の一理論に影響されるものではない。 ウこのことは,関税定率法が定める課税価格の概念からしても明らかである。 すなわち,関税定率法は,課税価格について,原則的に,当該輸入貨物に係る輸入取引がされた時に買手により売手に対し又は売手のために,当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格とするとし,当該価格に含まれない限度において,運賃等運送関連費用や手数料(買付手数料を除く。)等を加算することとしており(同法4条1項柱書),輸入貨物自体の価値である輸入貨物の品代のほか,運賃,手数料,売手の利益等で構成される当該輸入貨物の売買代金を課税価格とし,売買代金に上記運送関連費用や手数料が含まれていない場合には,当該価格を加算した 価格を課税価格とすることとしている。これは,関税の国境税としての性格上,本邦の領域内に入ってきた貨物について,その付加価値全てを課税対象としようとするものというべきである。 こ 価格を課税価格とすることとしている。これは,関税の国境税としての性格上,本邦の領域内に入ってきた貨物について,その付加価値全てを課税対象としようとするものというべきである。 このような課税価格の捉え方からすれば,課税価格の計算対象を決定する「輸入取引」も当該貨物が本邦の領域内に入ってきた時点における当該貨物の付加価値を正確に捉えることができる取引と解するのが相当であり,それは正に,当該貨物を本邦の領域内に入れる直近の取引,「外国から本邦への当該貨物の輸出を現実にもたらした売買」であるというべきである。 エ原告は,ファースト・セール理論が実質的価値判断の見地からも妥当であると主張するが,当該主張は,買付代理人と仲介者又は中間者とに関して,買手からの独立性,危険負担及び取引において果たす役割等における様々な差異など,取引における位置付けが全く異なるなること,ひいては買付手数料と買付手数料を除く仲介料その他の手数料との,取引価格に占める位置付けが根本的に異なることを全く無視した暴論である。 (3) 争点②―1(類型Ⅰの輸入貨物について,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができるか。)について(原告の主張)ア仮に,本件各輸入貨物の輸入取引が原告とP1社との間の売買であるとしても,原告及びP1社は共にP2社の全額出資法人であるから,「売手と買手との間に特殊関係」があり,かつ,「当該特殊関係があることが当該輸入貨物の取引価格に影響を与えている」ため,関税定率法4条1項を 適用することはできない(同法4条2項4号,関税定率法施行令1条の8第6号)。 なお,特殊関係が取引価格に影響を与えていないことについては,被告が立証責任を負い,その立証をするためには,①当該輸入貨物の産業にお い(同法4条2項4号,関税定率法施行令1条の8第6号)。 なお,特殊関係が取引価格に影響を与えていないことについては,被告が立証責任を負い,その立証をするためには,①当該輸入貨物の産業における通常の価格設定の慣行に適合する方法で設定されていること,②特殊関係にない買手に対する販売における売手の価格設定の方式に適合する方法でされていること,又は③全ての費用に利潤を加えた額を回収するのに十分な価格であること,のいずれかを立証するか,あるいはこれに準じる方法で特殊関係が取引価格に影響を与えていないことを立証する必要があるが,被告は十分な立証を行っていない。したがって,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することはできない。 イこの点について,被告は,原告とP1社との間に特殊関係があったとしても,取引価格に影響を与えていないと主張し,その根拠として本件卸売販売契約書の記載事項を挙げるが,当該事項は,特殊関係の有無にかかわらず成り立つものであって,特殊関係が取引価格に影響を与えているか否かとは関係がない。 また,被告は,原告の二国間相互協議の申立てにより,日米関税当局が相互協議を行い,輸入貨物に係る取引価格について「適正な価格」を合意したことを根拠に,取引価格が特殊関係による影響を受けていないと主張するが,当該合意により合意されたのは,粗利益率について守るべき一定の範囲及び範囲を逸脱したときの回復方法であって,個々の輸入取引について何らかの特定された価格が合意されたわけではないから,上記主張は その前提を欠く。 ウこれに対し,本件各通知処分の取消しを求める訴え(第2事件)においては,特殊関係が取引価格に影響を与えていないことについて原告が主張立証責任を負うが,原告はその立証をしていない。したがって,現実 ウこれに対し,本件各通知処分の取消しを求める訴え(第2事件)においては,特殊関係が取引価格に影響を与えていないことについて原告が主張立証責任を負うが,原告はその立証をしていない。したがって,現実価格による方法によって課税価格を計算することはできないから,本件各申告2のうち,P1社インボイスの価格に基づいて課税価格を計算したものは違法である。 (被告の主張)ア原告とP1社との間における本件各輸入貨物に係る取引価格は,本件卸売販売契約によれば,当事者間で決定及び合意の上で取り決め,いずれの当事者もいつの時点においても自由に価格変更の要請を行うことが可能であり,変更後の価格は両当事者が合意した時点で有効となるとなっており,一般的な価格の決定方法と何ら異なるところがなく,価格決定の過程で特殊関係による影響を認めることはできない。 しかも,原告が,平成15年11月27日付けで国税庁長官から通知を受けたP1社を含む国外関連者との間の独立企業間価格の算定方法に関する事前確認についての二国間相互協議の合意によれば,P1社と原告との間の棚卸資産(輸入貨物)に係る取引価格は,租税特別措置法66条の4第2項所定の再販売価格基準法に基づく独立企業間価格であるとして,原告自身が国税庁長官に申出を行い,その結果,日米それぞれの国税当局が相互協議の上,適正な価格として合意しており,当該合意は,関税における課税価格としても国際的に合意された価格と認めるのが相当である。原 告及びP1社は,独立企業間価格として両者が合意した取引価格を基にした価格表の価格で継続的に取引を行っている。 以上のとおり,原告とP1社との間の取引は,取引形態からしても特殊関係による影響を受けているとはいえない上,国際的に合意された価格により行うとして国税庁が受 価格で継続的に取引を行っている。 以上のとおり,原告とP1社との間の取引は,取引形態からしても特殊関係による影響を受けているとはいえない上,国際的に合意された価格により行うとして国税庁が受諾したものであり,税関もそれを尊重すべきであるから,いずれにせよ,本件各輸入貨物に係る取引価格は,原告とP1社間の特殊関係による影響を受けるものではないというべきである。 仮に,本件各輸入貨物について,特殊関係による取引価格への影響の存在を認めて関税定率法4条1項の適用を排除した場合には,同様の理由により他の本邦市場向け貨物等についても,同項の適用を排除しなければならず,原告は,税関に対し当該特殊関係により取引価格に影響があるとする根拠を明らかにした上で,実務上は,評価申告書を提出し,当該取引価格について,関税評価上の適正な価格に補正した価格で輸入(納税)申告する必要があるが,原告は,そのようなことはしないで,関税定率法4条1項に基づいて輸入(納税)申告を行っている。したがって,税関も原告も,原告の申告額は特殊関係により取引価格に影響がない価格であるとの認識を前提に輸入(納税)申告を取り扱ってきたものであり,それに反する原告の主張には理由がない。 イなお,原告は,第1事件においては,被告が原告とP1社との間の特殊関係が取引価格に影響を与えていないことについて立証責任を負うと主張するが,仮にP1社と原告の間に特殊関係があり,当該特殊関係が取引価格に影響を与えているとすれば,関税定率法4条1項により課税価格を決 定することはできないのであるから,本件各更正処分等の違法性を主張する原告が,当該特殊関係による取引価格への影響があることを立証すべきである。 (4) 争点②―2(類型Ⅱの輸入貨物について,現実支払価格による方法によら あるから,本件各更正処分等の違法性を主張する原告が,当該特殊関係による取引価格への影響があることを立証すべきである。 (4) 争点②―2(類型Ⅱの輸入貨物について,現実支払価格による方法によらないことが適法か,また,近接性の要件を満たしているか。)について(原告の主張)ア被告は,類型Ⅱの輸入貨物について,関税定率法4条の2の規定に基づいて課税価格を計算すべきであると主張するが,原告とP1社の間に輸入売買があれば,当然に「原告によりP1社に対して支払われた又は支払われるべき価格」により課税価格を計算することができるから,同条に基づき課税価格を計算することにならない。 同条1項にいう「4条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合」とは,輸入取引に基づく取引価格が存在しない場合,すなわち,輸出を目的とした売買に基づく取引価格が存在しない場合を意味するのであって,輸出を目的とした取引価格が存在する場合には,同法4条2項に規定する特別な事情がない限り,課税価格の決定の原則的な方法である同条1項の規定により課税価格を決定しなければならない。 被告は,原告とP1社間の取引価格を認めるに足りる証拠がないから,同法4条1項の規定により課税価格を計算できない理由があることになり,同法4条の2以下の規定の適用を検討することになると主張するが,そもそも「原告とP1社間の取引価格を認めるに足りる証拠がない」のであれば,原告とP1社間の売買の存在が立証されていないことになる。 なお,原告とP1社は,本件対象製品の原告による輸入について,平成16年10月28日頃,同日以降はP1社によるインボイスの発行は行わないこととするとともに,原告はP1社に対して本件各ベンダーへの立替代金をベンダーインボイスに基づいて支払 による輸入について,平成16年10月28日頃,同日以降はP1社によるインボイスの発行は行わないこととするとともに,原告はP1社に対して本件各ベンダーへの立替代金をベンダーインボイスに基づいて支払うことに合意した。原告とP1社は,P1社の役務の提供の代価については貨物の輸入代金の支払とは切り離して別個に両者間で協議することで合意した。したがって,この合意がされた日以降の輸入貨物である類型Ⅱの輸入貨物について「原告によりP1社に対して支払われた又は支払われるべき価格」は,ベンダーインボイスに記載された価格である。 この点について,被告は,原告がP1社に対して支払うべき金額にはP1社の利益が含まれなければならないなどと主張するが,そのことは,本件各輸入取引の売手が本件各ベンダーで,買手が原告であるという事実と何ら矛盾しないし,仮に,本件各輸入取引がP1社と原告との間の売買であると評価するとしても,取引当事者である原告とP1社は,P1社が原告を代理して本件各ベンダーから製品を購入する取引であると思いその取引を行っていたのであるから,代理人であるP1社に対し本件各ベンダーからの製品購入金額に相当する金額を支払っていたことは何ら不合理ではない。被告は,本件各輸入取引はP1社が本件各ベンダーから仕入れた製品を原告に転売する取引であることを前提に,原告からP1社に支払われるべき価格は転売利益を含んだものであるとの推論を行ったものと考えられるが,そのような理由で現実に存在する取引価格とは異なる架空の価格を基礎として関税評価額を算定することは,関税評価協定も関税定率法も 認めないところであるから,被告の上記主張は失当である。 イ仮に類型Ⅱの輸入貨物について関税定率法4条の2の規定に基づいて課税価格を計算するとしても,同条にいう「近接する 協定も関税定率法も 認めないところであるから,被告の上記主張は失当である。 イ仮に類型Ⅱの輸入貨物について関税定率法4条の2の規定に基づいて課税価格を計算するとしても,同条にいう「近接する日」とは,関税評価協定2条の「ほぼ同時」と同義と解すべきであり,輸出の日にできるだけ直近することが必要なのであって,少なくとも,関税定率法基本通達4の2-1にいうおおむね輸出の日の前後1月以内の日でなければならない。 原告は,価格に影響する商慣行及び市場条件が同じ状態であれば,「近接する」の範ちゅうであると主張するが,その根拠とする関税評価技術委員会で合意を得て発給された説明文書である説明ノート(以下「説明ノート」という。)1.1(乙イA26の2)の12項は,「輸出の日にできるだけ直近で,価格に影響する商慣行及び市場条件が同じ状態である一定期間をカバーするもの」と規定しているのであるから,価格に影響する商慣行及び市場条件が同じであっても,輸出の日にできるだけ直近でなければ「近接する日」に該当しないことは明らかである。 なお,仮に原告とP1社との間に売買が存在し,かつ,これが輸入取引であるとしても,前記(3)の原告の主張のとおり,原告とP1社との間の特殊関係が輸入貨物の取引価格に影響を与えているため,関税定率法4条1項を適用することができないのであるから,P1社インボイスの価格は,「関税定率法4条1項の規定により課税価格とされたもの」には該当しないのであって,これを同法4条の2の「同種貨物に係る課税価格」として他のP1社インボイスのない輸入貨物の課税価格の決定を行うことも認められない。 (被告の主張)ア原告は,類型Ⅱの輸入貨物については,原告がP1社に対して支払った又は支払われるべき価格は,ベンダーインボイスに記 輸入貨物の課税価格の決定を行うことも認められない。 (被告の主張)ア原告は,類型Ⅱの輸入貨物については,原告がP1社に対して支払った又は支払われるべき価格は,ベンダーインボイスに記載された価格と同一の価格であり,関税定率法4条1項の規定により課税価格を算定することができると主張する。 しかし,原告が提出した書証(甲ロ21から27まで)は,原告がP1社に対してベンダーインボイスに記載された金額と同額の金額を支払ったことを説明しているにとどまるものであり,原告からP1社に対して別途の支払がないことは何ら証明されていない。また,平成16年10月26日より前においては,P1社はP1社インボイスに基づき,ベンダーインボイスに記載された価格の3倍以上の利潤及び一般経費等を原告から受領していたのであり,原告とP1社との間の本件卸売販売契約が変更された事実も見当たらないことからも,類型Ⅱの輸入貨物に係る取引形態は,同日以前から変更されていないというべきである。加えて,もし,原告が主張するとおり,原告において高額なP1社に対する支払がなくなったとすれば,原告が,P1社製品を,その本邦内での販売を行うディストリビューターと称する者に対して販売する際の価格は大幅に引き下げられてしかるべきと思われるが,この形跡もない。 そして,類型Ⅱの輸入貨物については,P1社インボイスが税関に提出されておらず,その他,原告とP1社との間の取引価格を確認するに足りる証拠がないので,関税定率法4条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合に該当するというべきである。 なお,原告は,関税定率法4条2項に列挙するいずれかの特別な事情がない限り,同条1項の規定が適用されなければならず,同法4条の2の規定を適用するこ ない場合に該当するというべきである。 なお,原告は,関税定率法4条2項に列挙するいずれかの特別な事情がない限り,同条1項の規定が適用されなければならず,同法4条の2の規定を適用することはできない旨の主張をするが,同条1項の「前条第1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合」との文言からすれば,何らかの理由から同法4条1項の規定により課税価格の計算ができない場合が広く含まれており,輸入取引がない場合のみを意味するものではないから,原告の上記主張は理由がない。 イそして,関税定率法4条の2に規定する「近接する日」とは,関税評価協定2条に規定されている「ほぼ同時」に相当するものであり,説明ノート1.1の12項によれば,この「ほぼ同時」とは,「輸出の日にできるだけ近接しており,価格に影響を与える商慣行及び市場条件が同じ状態にある期間をいうもの」と解釈されており,この解釈において明確な時間的基準は示されていないが,関税評価協定の序説にある「課税価格が商慣行に適合する簡明かつ衡平な規準を基礎として決定されるべきである」との原則を踏まえると,輸入貨物の輸出の日と同種貨物の輸出の日との間に,ある程度時間がある場合においても,価格に影響する商慣行及び市場条件が同じ状態であれば,ここでいう「近接する日」の範ちゅうであり,関税定率法4条の2の規定の適用が許されるというべきである。なお,関税定率法基本通達4の2-1(4)における「『これに近接する日』とは,おおむね,輸出の日の前後1月以内の日とする。」旨の規定は,あくまでも原則的な考え方を示したものであり,「輸出の日の前後1月以内」という限定された時間的基準を明示したものではない。 類型Ⅱの輸入貨物については,本件卸売販売契約における販売価格につき価格改 的な考え方を示したものであり,「輸出の日の前後1月以内」という限定された時間的基準を明示したものではない。 類型Ⅱの輸入貨物については,本件卸売販売契約における販売価格につき価格改定合意があった事実は認められるものの,類型Ⅱの輸入貨物の輸出の日及び同種の貨物の輸出の日のいずれも,価格改定後同一の価格で販売されている期間に含まれることから,価格に影響する商慣行及び市場条件は同じ状態であると認められるので,これらの日は,同条に規定する「近接する日」であり,類型Ⅱの輸入貨物の課税価格は,同条の規定の適用があるというべきである。 (5) 争点②―3(類型Ⅲの輸入貨物について,現実支払価格による方法によらないことが適法か,また,製造原価からの積算方式又は国内販売価格の逆算方式によることができるか)について(被告の主張)ア類型Ⅲの輸入貨物については,P1社インボイスが税関に提出されておらず,その他,原告とP1社の間の取引価格を確認するに足りる証拠がないので,関税定率法4条1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合に該当するというべきであることは,前記(4)の被告の主張アと同様である。 イ類型Ⅲの輸入貨物については,その輸出の日と同種貨物の輸出の日が「近接する日」の要件を満たさないので関税定率法4条の2の規定を適用することができず,さらに,国内販売価格からの逆算方式(同法4条の3第1項)による課税価格決定に必要となる国内販売価格から控除すべき通常の利潤及び一般経費等や,製造原価からの積算方式による課税価格の決定(同条2項)に必要となる製造原価,通常の利潤及び一般経費等について,原 告によって必要な立証が適切にされておらず,これらの方法により課税価格を計算するに足りる証拠はなく,同法4条の3 格の決定(同条2項)に必要となる製造原価,通常の利潤及び一般経費等について,原 告によって必要な立証が適切にされておらず,これらの方法により課税価格を計算するに足りる証拠はなく,同法4条の3の規定により課税価格を決定することもできないため,法令の適用順序に従い,同法4条の4の規定により課税価格を決定するのが相当である。 ウところで,関税定率法4条の4の規定により政令で定めることとされた政令である同法施行令1条の11によれば,当該輸入貨物の課税価格は,同法4条1項に規定する原則的な課税価格の決定方法又は同法4条の3第1項に規定する国内販売価格に基づく課税価格の決定方法により課税価格を決定することができる他の輸入貨物が存在し,同貨物と当該輸入貨物との間で,品質,性能,輸出の時期その他の事情の差異により生じた価格差を明らかにすることができると認められる場合には,当該価格差につき必要な調整を行って当該輸入貨物の課税価格を決定し,それ以外の場合には1994年のGATT7条及び関税評価協定の規定に適合する方法として税関長が定める方法により計算することになる。 そして,類型Ⅲの輸入貨物については,P1社のインボイスに基づき同法4条1項の規定により課税価格を決定していたものの,本件各輸入貨物に係る価格改定がされた後も,別紙輸入目録2―2の整理番号29の貨物につき,価格改定前の価格で輸入(納税)申告されていたため,価格改定前の価格と価格改訂後の価格との価格差を,他の輸入貨物に係る価格改定率によって明らかにすることが可能であったため,類型Ⅲの輸入貨物の課税価格は,同法4条1項の規定により決定されていた価格決定前の価格に,価格改定率による価格調整を行って算定したものである。 このような検討を踏まえて,原告に対し,類型Ⅲの輸入貨物 輸入貨物の課税価格は,同法4条1項の規定により決定されていた価格決定前の価格に,価格改定率による価格調整を行って算定したものである。 このような検討を踏まえて,原告に対し,類型Ⅲの輸入貨物(○○)の改訂後の価格は2568円ではないかと問い合わせたところ,原告はそれを了承したことから,上記価格を課税価格として輸入(納税)申告書の是正による減額更正(関税法7条の16第4項ただし書)を行った。その後,原告は,4回にわたり○○の輸入(納税)申告をしているところ(別紙輸入目録2―2の整理番号34,93,97,103),いずれも改訂後の上記価格で輸入(納税)申告をしている。 (原告の主張)ア関税定率法4条の2までに規定された方法により課税価格を計算できない場合(原告は,類型Ⅲの輸入貨物だけでなく,前記(4)の原告の主張のとおり,類型Ⅱの輸入貨物についても,計算できないと主張している。)には,輸入貨物の国内販売価格又は製造原価に基づく課税価格の決定を行うことになる。この場合には,国内販売価格に基づく方法(同法4条の3第1項)が製造原価に基づく方法(同法4条の3第2項)に優先して適用されることが原則となっているが,輸入者が要請するときは,この優先順位を逆転することができる。そして,本件において,輸入者である原告は,製造原価に基づく方法の優先適用を要請するのであるから,製造原価に基づく方法が適用できる輸入取引については,製造原価に基づく方法が優先適用されなければならない。 イ被告は,類型Ⅲの輸入貨物につき,関税定率法4条の4の規定により課税価格を算定すべきであると主張するが,類型Ⅲの輸入貨物の輸入取引については,別紙製造原価からの積算方式及び国内販売価格からの逆算方式 に関する原告の主張記載のとおり,同法4条の3の規定 より課税価格を算定すべきであると主張するが,類型Ⅲの輸入貨物の輸入取引については,別紙製造原価からの積算方式及び国内販売価格からの逆算方式 に関する原告の主張記載のとおり,同法4条の3の規定により課税価格を算定することができるから,被告の上記主張は失当である。 (6) 争点③(被告には,本件各更正処分等について信義則違反が認められるか。)について(原告の主張)ア租税法規に適合する課税処分であっても,特段の事情がある場合には,法の一般原理である信義則の適用により,違法なものとして取り消されるべきことについては,一般に認められており,その特段の事情の有無については,①税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと,②納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したこと,③表示に反する課税処分が行われ,そのために納税者が経済的不利益を受けることとなったこと,④納税者が税務官庁の表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて,納税者の責めに帰すべき事由のないことにより判断されるべきであるところ,本件については,次のとおり,いずれの要件も充足している。 (ア) 税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと原告は,当初,当時の取引関係及び法律関係に基づき,米国の製造業者とP1社との間の売買の価格に基づき課税価格を決定できないか,横浜税関に教示を求めた。これに対し,横浜税関は,そのような方法で課税価格を決定することはできないが,P1社が原告の代理人として製造業者と売買契約を締結するのであれば,製造業者を売手,原告を買手として,製造業者の請求書に基づき課税価格を決定することができる旨を 助言した。そして,いかなる契約を締結すべきか,いかなる書面を作成すべきか 約を締結するのであれば,製造業者を売手,原告を買手として,製造業者の請求書に基づき課税価格を決定することができる旨を 助言した。そして,いかなる契約を締結すべきか,いかなる書面を作成すべきか,横浜税関長に対して教示を求める書面にはいかなる記載をすべきか,その書面にどのような書類を添付すべきかなどにつき,具体的に指示をした。そして,横浜税関の指示するとおりの書面を提出した原告に対して,横浜税関は,原告を買手,米国の製造業者を売手と明記した包括申告書を受理するという方式で,原告が買手で,製造業者が売手であり,製造業者の請求書を基に課税価格を決定することが認められるとの見解を公式に表明した。 横浜税関の助言は,税関長に対する関税評価に関する照会に回答する権限を与えられた税関の経験豊富な統括官によってされたものである。 したがって,「税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと」という要件は充足されている。 (イ) 納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したこと原告は,横浜税関からの助言を信頼し,米国の製造業者と折衝し,従来の取引関係及び契約関係を「P1社が原告を代理して米国の製造業者と売買契約を締結する」ことに変更し,横浜税関の助言及び指導に従って締結した米国の製造業者と原告との覚書及びP1社等と原告との覚書の内容どおりの取引を行い,米国の製造業者の請求書に基づき輸入申告を行った。したがって,「納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したこと」という要件が充足されていることも明らかである。 (ウ) 表示に反する課税処分が行われ,そのために納税者が経済的不利益を受けることとなったこと 原告は,既にベンダーインボイスに基づき輸入申告 ていることも明らかである。 (ウ) 表示に反する課税処分が行われ,そのために納税者が経済的不利益を受けることとなったこと 原告は,既にベンダーインボイスに基づき輸入申告を行った製品をディストリビューターに販売済みである。したがって,もはや更正処分を受けたことにより増加した関税額等をディストリビューターに転嫁することは不可能である。したがって,「表示に反する課税処分のために納税者が経済的不利益を受けることとなったこと」の要件が充足されていることも明らかである。 (エ) 納税者が税務官庁の表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて,納税者の責めに帰すべき事由のないこと原告は,事前教示を求めるに際し,その判断の基礎となるべき取引の事実関係と関連する書類,契約書等を全て開示している。平成12年に開始した事後調査で税関により示された売手及び買手の認定に関する懸念も,全て同11年の事前教示の求めの際に原告により開示されている事実を基礎とした懸念であって,しかも,この調査は是認により終結している。本件各更正処分も新たな事実が判明したためにされたものではなく,事前教示の求めの際に原告が開示した基礎的事実関係を前提にしてされたものである。したがって,「納税者が税務官庁の表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて納税者の責めに帰すべき事由のないこと」との要件も充足している。 イそして,原告は,当初,当時の取引関係及び契約関係を前提に製造業者の請求書を基に課税価格を決定することの了解を求めただけであるのに,横浜税関は,取引関係及び契約関係を変更することを自らの判断で積極的に助言したのであり,このような助言があったからこそ,原告は,取引関 係及び契約関係を変更して,横浜税関 求めただけであるのに,横浜税関は,取引関係及び契約関係を変更することを自らの判断で積極的に助言したのであり,このような助言があったからこそ,原告は,取引関 係及び契約関係を変更して,横浜税関の助言するとおりの申告を行ったのである。このような横浜税関側からの積極的な助言に対する原告の信頼を保護しなければ,予測可能性を確保するために原告が行った事前教示の求めの結果,かえって,原告が不測の重大な損害を被ることになり,予測可能性を高めるために法が規定した事前教示の制度の趣旨を没却することになり,著しく正義に反する。 したがって,本件各更正処分は,信義則に反するから,違法なものとして取り消されるべきである。 ウこれに対し,被告は,本件においては,税関長その他の責任ある立場にある者による正式の見解の表示はないし,見解が明示的に表示されてもいないなどとして,信義則の前提となる公的見解は表示されていないと主張する。 しかし,本件において,原告と一連の会議を行い,その結果に基づき見解を表明した特別価格審査官は,輸入貨物の課税価格の算定に係る申告書及び申請書並びにこれらの付属書類の受理及び審査に関する事務並びに輸入貨物の課税価格の教示に関する事務のうち課税価格に係る法令又は条約の解釈及び適用が困難なものであって税関長が指定するものを分掌する職責を有する者であり,特別価格審査官がその分掌する事務の履行として見解を表明した場合には,それは,「責任ある立場にある者」による見解の表明であるところ,横浜税関のP11審査官は,横浜税関長の命を受け,横浜税関の機関として,原告からされた事前教示の求めに対応したのであり,P11審査官が見解を示した行為は,法令に基づく職務行為であって, 「責任ある立場にある者」による見解の表示 長の命を受け,横浜税関の機関として,原告からされた事前教示の求めに対応したのであり,P11審査官が見解を示した行為は,法令に基づく職務行為であって, 「責任ある立場にある者」による見解の表示である。 そして,P11審査官は,原告を買手とし,P13社又はP7社を売手として課税価格を決定することを認めること,そのような横浜税関としての正式な見解の表明を,原告を買手と,P13社又はP7社を売手と明記された包括申告書を承認する方法により行うことを平成11年10月13日に表明しており,その後,実際に,横浜税関は,そのような内容の平成11年包括申告書を同月25日に受理及び承認しているのであるから,P11審査官の見解の表明と,平成11年包括申告書の受理及び承認は,一体として「原告を買手とし,P13社又はP7社を売手として輸入貨物の課税価格が決定されるべき」旨の「正式な見解の表示」が明示的にされたものである。 なお,被告は,平成12年以降,「売手,買手の認定について輸入者との見解に相違がある」と包括申告書の備考欄に記載することで,原告が買手で本件各ベンダーが売手であることは認められない可能性があるとの考えを示していたのであるから,原告には信頼の前提がないと主張するが,当該記載は,横浜税関の担当者レベルに売手はP1社ではないかという問題意識を持つ者がいたという状況を示しているだけにすぎず,売手と買手の認定について,横浜税関としての見解と原告の見解に相違があったことを示しているわけではない。要するに,同11年に示された公的見解について,横浜税関として公的にそれが誤りであったとして,取消し又は撤回の効果を有する見解の表明を行ったわけではないから,信義則の適用の前提となる公的見解は,同12年以降も存在するのであって,上記備考欄 いて,横浜税関として公的にそれが誤りであったとして,取消し又は撤回の効果を有する見解の表明を行ったわけではないから,信義則の適用の前提となる公的見解は,同12年以降も存在するのであって,上記備考欄へ の記載は,信頼の基礎である公的見解の表示の有無の判断とは無関係である。横浜税関は,自らの公的見解により原告に信頼を生じさせたのであるから,それが誤りであるかどうかについて疑念が生じた場合には,自ら公的見解の成否につき判断をすべきであって,その判断を原告に強いたり,過誤納付のリスクの甘受を原告に強いるのは不当であるし,横浜税関は,自らの先行行為により原告に経済的不利益が発生する可能性を生じさせたのであるから,原告に経済的不利益が発生しないように見解を変更することの結論及びその理由を明確に原告に通知すべきであり,被告の主張は不当である。 エ被告は,事前教示は,最終的な判断ではなく,本件各更正処分等の内容と異なっても本件各更正処分等が違法となるわけではない旨の主張をするが,事前教示の制度は,国民に対して予測可能性を与えるための重要な制度であり,国民の権利及び利益の保護にとって重要な機能を果たしているのであるから,事前教示がされても常にその判断は最終的ではなく変更可能であって,これに反する処分ができると解することは,事前教示の制度を関税法が創設した趣旨を没却し,不当な結果を生じさせるものであるから,許されない。 (被告の主張)ア信義則違反については,税務官庁が納税者に対して信頼の対象となる公的見解を表示しているという前提があって,初めて,その有無が判断されることとなるところ,次のとおり,本件においてはその前提自体がない。 平成11年の原告と横浜税関との一連の面談は,原告が横浜税関に包括 申告書を提 があって,初めて,その有無が判断されることとなるところ,次のとおり,本件においてはその前提自体がない。 平成11年の原告と横浜税関との一連の面談は,原告が横浜税関に包括 申告書を提出するに当たって,事前にその内容を確認するために行われたものである。包括申告書の受領は,必要的記載事項が記載されていることの確認のみを行って包括申告書を受領する事実行為であり,その内容の正確性までも吟味し判断するものではないから,これを受領したとしても,その内容について税関が承認することは,制度上あり得ない。 このことは,包括申告書の備考欄に,「この評価申告に基づく輸入申告による課税標準又は納付すべき税額に誤りがあることがわかったときは,修正申告又は更正の請求をすることができます。なお,輸入の許可後,税関長の調査により,この申告に基づく輸入申告による税額等を更正することがあります。」との記載があることからも明らかである。 以上により,税関が包括申告書を受領したからといって,輸入者に公的見解を表示したことにならないのは当然であり,平成11年の一連の面談においても,横浜税関の担当者は,その受領のための事前の確認を行ったにすぎないのであって,原告に対し,「原告が買手で,米国の製造業者が売手であり,米国の製造業者の請求書に基づき課税価格を決定する」などの公的見解を表示することは,制度上あり得ず,また,実際にもそのような事実はなかった。 イむしろ,横浜税関は,平成11年包括申告書に係る取引により輸入された貨物についての最初の事後調査である平成12年実施の調査の結果,売手は本件各ベンダーではなくP6社ではないかと考え,原告に対し,追加資料の提出等を求めたものの,原告からの資料の提出がなく,原告との議論が平行線となったことから,更正処分を行う 実施の調査の結果,売手は本件各ベンダーではなくP6社ではないかと考え,原告に対し,追加資料の提出等を求めたものの,原告からの資料の提出がなく,原告との議論が平行線となったことから,更正処分を行うことなく継続調査となった。 同13年に実施した事後調査においても同様の状況であり,原告との協議によっても結論が出ず,平成14年に追加調査を実施したが,再び結論が出ず,再度継続調査となったのである。 これらの経緯から,同12年以降の原告の包括申告書の交付に当たっては,その備考欄に「売手,買手の認定について輸入者と見解の相違があるが,輸入者の申し出により受理する。」との記載を行っていた。 ウなお,原告は,平成11年の面談が関税法7条3項に規定される事前教示の手続であると主張するが,同手続では,照会時点で照会者によって事前教示を求める旨が明示され,それを受けて同手続が開始されると,面談状況の記録化や文書での回答など所定の処理が行われるところ,平成11年7月以降に行われた原告と横浜税関担当職員との面談においては,原告から事前教示を求める旨が明示されてはおらず,所定の処理も一切行われていないのであるから,このことからしても,この面談は,包括申告書に関する事前の問い合わせにすぎないというべきである。 仮に,原告の主張を前提としても,事前教示は,原告の提示する資料及び説明の内容を前提とし,その限度で原告の問い合わせに答えるものにすぎず,事前教示によって税関が何らかの事項について最終的な判断をするものではない。 エそして,本件について,横浜税関が公的見解を表示したことを認めるに足りる証拠はないから,信義則に係る原告の主張は理由がない。 (7) 争点④(原告がP1社に支払った費用は,課税価格に加算すべき「仲介料 ,本件について,横浜税関が公的見解を表示したことを認めるに足りる証拠はないから,信義則に係る原告の主張は理由がない。 (7) 争点④(原告がP1社に支払った費用は,課税価格に加算すべき「仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)」に該当するか。)について (被告の主張)ア仮に,本件各輸入貨物の売買が原告と本件各ベンダーとの間で行われたとしても,原告,P1社及び本件各ベンダーの三者間の関係を考えた場合には,P1社の立場は,原告と本件各ベンダーの仲介者というべきであり,その役務提供の対価は,関税定率法4条1項2号イに規定する「仲介料その他の手数料」として,課税価格に含まれるべきものである。 すなわち,「仲介料その他の手数料」とは,売買契約締結に関与する中間者に対して行われる支払をいい,「仲介料その他の手数料」には含まれないとされている「買付手数料」とは,輸入貨物の購入に関し外国において買手に代わり業務を行う者に対して買手が支払う手数料をいう。この外国において買手に代わり業務を行う者,すなわち,買付代理人とは,買手の勘定で活動する者であり,供給者を探し,輸入者の要求を売手に通知し,見本を集め,貨物を検査し,ある場合には,売買契約締結に関する業務のほか,貨物についての付保,運送,保管,引渡し等を手配する者をいう。 これを本件についてみると,仮に,本件各輸入貨物の売買が原告と本件各ベンダーとの間で行われているとした場合でも,P1社は,材料の調整や技術情報,ノウハウの提供,品質管理から,製品の包装,出荷の手配,国際運送及び保険の手配など,本件各ベンダーと原告との間で幅広く活動していることから,本件各ベンダーと原告の中間者というべきであり,原告がP1社の役務の提供に対する対価として支払った金員は,売 配,国際運送及び保険の手配など,本件各ベンダーと原告との間で幅広く活動していることから,本件各ベンダーと原告の中間者というべきであり,原告がP1社の役務の提供に対する対価として支払った金員は,売買契約締結に関する中間者に対して行われる支払であるから,「仲介料その他の手数料」に該当する。 また,P1社の業務内容は,製品の一般的調達,製造における品質管理,本件各ベンダーへの技術情報の提供,製品研究及び開発,国際輸送及び保険,その他付加的サービスの提供などであり,本件各ベンダーの業務に属するものというべきであるから,P1社が買手の勘定で業務を行っているとはいえず,P1社を買付代理人と評価することはできない。 イ(ア) これに対し,原告は,説明ノート2.1(乙イA26の1)によれば,関税評価協定8条において加算要素とされている「手数料及び仲介料」とは仲介者に対して売買契約の締結に関与したことに対する支払であり,およそ仲介者に対して支払われた金銭全てが加算要素となるのではなく,売買契約締結に関与したことに対する手数料及び仲介料だけが加算要素となると主張し,また,買付代理人とは,買主の代理人として売買契約を締結する者のことであり,買主の代理人として売買契約を締結する者に対して,売買契約の締結に関与したことに対する報酬として,輸入者により支払われる手数料のことをいうとし,原告がP1社に支払った役務の対価は,仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)には該当しないから,課税価格に加算すべき金額でない旨主張する。 しかし,説明ノート2.1において,買付及び販売代理人について,「代理人は売手又は買手のいずれかを代理し,売買契約の締結に関与する」と規定されているのは,それが買付代理人の一般的な職務内容であるというも ,説明ノート2.1において,買付及び販売代理人について,「代理人は売手又は買手のいずれかを代理し,売買契約の締結に関与する」と規定されているのは,それが買付代理人の一般的な職務内容であるというものにすぎず,それ以外の業務を行う者は買付代理人ではなく,それ以外の業務に対する対価は買付手数料ではないとするものではない。 (イ) また,原告は,「「原告がP1社に対して支払った役務提供の対価」のうち,「売買契約締結に関与したことに対する支払」は,「代理人としての対価部分」だけであ」り,「「その他の対価部分」は,「売買契約締結に関与したこと」に対する報酬ではない」から,前者は買付手数料として,後者は「仲介料その他の手数料」に当たらないことを理由として,課税価格の加算要素にはならない旨主張する。 しかし,原告からP1社に対する支払が,上記のような区別をもって行われた形跡はなく,上記のような区別は疑問である上,原告の上記主張によれば,売買契約締結以外の業務に対する対価は全て仲介料その他の手数料には当たらないということになるものの,中間者の業務は売買契約締結に関する業務に限られるものではないから,それ以外の業務に対する対価が課税価格の加算要素とする余地がないというのは妥当でない。また,原告が上記のような区別をしてP1社に対価を支払った形跡がない上,本件各輸入貨物において対価支払の対象となる売買契約の存在を認めることができないことからしても,原告の上記主張には理由がない。 (原告の主張)ア説明ノート2.1は,「手数料及び仲介料」には,代理人に対して支払われる手数料と仲介者に対して支払われる仲介料があるとした上で,代理人は,常に売手又は買手のいずれかを代理し,売買契約の締結に関与するが,それ以外にも,販売代 料及び仲介料」には,代理人に対して支払われる手数料と仲介者に対して支払われる仲介料があるとした上で,代理人は,常に売手又は買手のいずれかを代理し,売買契約の締結に関与するが,それ以外にも,販売代理人は売手のために,顧客を探し,注文を取り集め,時には貨物の保管,配送を行うこともあり,また,買付代理人は, 買手のために,供給者を探し,輸入者の要求を売手に通知し,見本を集め,貨物を検査し,ある場合には貨物についての付保,運送,保管,引渡しを手配するのであり,買付手数料とは,この買付代理人に対する報酬であるのに対し,仲介者は,売手及び買手双方のために活動する者であって,通常取引当事者の双方をそれぞれ他方に媒介させる役割以外の任務は持たないとしている。 これを本件について当てはめると,P1社は,売手である本件各ベンダーと買手である原告の双方のために活動しているわけではなく,買手である原告のために行動している。また,P1社の活動内容は,単に取引当事者の双方をそれぞれ他方に媒介する行為ではない。 したがって,P1社は「仲介者」ではなく,P1社に対して支払われる対価は「仲介料その他の手数料」でないことは明らかである。 イまた,P1社の提供する役務には,契約の締結とその履行に関する役務と履行には関係しない役務とがあるが,契約の締結とその履行に関する役務は,買手である原告のために提供されるものであって,売手である本件各ベンダーのために提供されるものではないから,買付代理人としての役務提供であって,これに係る手数料は買付手数料である。そして,P1社が提供する契約の締結と履行に関係しない役務に係る手数料は,「仲介者としての活動に対する手数料」ではない。 したがって,P1社が提供する役務の対価が「仲介者としての である。そして,P1社が提供する契約の締結と履行に関係しない役務に係る手数料は,「仲介者としての活動に対する手数料」ではない。 したがって,P1社が提供する役務の対価が「仲介者としての活動に対する手数料」であることを理由に「仲介料その他の手数料」であるとする被告の主張は失当である。 ウなお,P1社が提供する役務の具体的内容は,本件三者間の覚書に明記されている上,原告は,平成11年の事前教示手続において,税関に対して,横浜税関長に対する照会文書(甲イ15の1)及び添付書類2「P1とP6のリスク,機能,業務分担」(甲イ15の3)を提出し,P1社(及びP6社)が原告の代理人として本件各ベンダーから製品を購入するだけではなく,各種の役務の提供を行うことを具体的に説明した。しかし,横浜税関は,事前教示手続において,上記添付書類2に記載された役務の対価について,課税価格に加算することを求めはしなかった。このことは,P1社が提供する役務の対価が「仲介料その他の手数料」に該当しないことを如実に示しているといえる。 (8) 争点⑤(原告には過少申告加算税を課すべきでない「正当な理由」があったか否か。)について(原告の主張)ア関税法12条の2第3項,国税通則法65条4項は,「正当な理由があると認められる場合」には過少申告加算税を課さない旨を規定しているところ,「正当な理由があると認められる場合」とは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解されている。 イ本件においては,①平成11年に原告が横浜税関に対して課税標準につき教示を求めた際,米国の製造業者が売手であり,原告 加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解されている。 イ本件においては,①平成11年に原告が横浜税関に対して課税標準につき教示を求めた際,米国の製造業者が売手であり,原告が買手であるとの見解を原告に示していること,②横浜税関は,平成12年に開始した事後 調査において,売手と買手の認定につき疑問を表明しながらも,最終的には申告是認で調査は終了しており,米国の製造業者を売手とする見解にも相応の論拠があり,税関内部でもその判断は分かれ得るものであったこと,③原告が横浜税関に対して事前教示の手続において米国の製造業者の請求書を基に課税価格を決定することを認めるよう求めたところ,横浜税関は,米国の製造業者を売手,原告を買手であると明示した包括申告書を受理するという方法により,これを認める公的見解を示したのであり,このような経緯からすれば,税関がP1社を売手とする見解に改めるのであれば,事前に原告に対してその旨を周知徹底する措置を講ずべきであるのに,その後も横浜税関は包括申告書を受理している(平成15年3月受理分には留保文言が記載されているが,確定的な意見が記載されているわけではない。)のであって,本件各更正処分等に至るまで,横浜税関は,見解を変更することを明示し周知徹底する措置を原告に対して一切採ってはいないことが認められる。 以上からすれば,原告が,売手は米国の製造業者であるとの見解に基づき,米国の製造業者の請求書を基に課税価格を算定し申告したことには無理からぬ面があるのであり,それをもって納税者の主観的な事情に基づく単なる法令解釈の誤りにすぎないものということはできない。 したがって,原告が米国の製造業者を売手として輸入申告を行ったことについては,真に納税者の責めに帰することのできない 事情に基づく単なる法令解釈の誤りにすぎないものということはできない。 したがって,原告が米国の製造業者を売手として輸入申告を行ったことについては,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になるというのが相当であるから,過少申告加算 税を課すべきではない正当な理由があるというべきである。 (被告の主張)ア過少申告加算税は,過少申告による納税義務違反の事実があれば,原則としてその違反者に対し課されるものであり,これによって,当初から適法に申告し納税した納税者との間の客観的不公平の実質的な是正を図るとともに,過少申告による納税義務違反の発生を防止し,適正な申告納税の実現を図り,もって納税の実を挙げようとする行政上の措置であり,国税通則法65条4項にいう「正当な理由があると認められる場合」とは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,上記のような過少申告加算税の趣旨に照らしても,なお,納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である。 イ本件においては,前記(6)の被告の主張のとおり,横浜税関長は,原告から提出された包括申告書に税関長の最終的な判断を記載して交付したものではないのであるから,本件において,上記の「正当な理由」は存しないというほかなく,原告の主張は失当である。 第3 当裁判所の判断 1 本件各輸入貨物の取引に係る事実関係について前記第2の3の前提事実(以下「前提事実」という。)並びに証拠(該当箇所に掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,本件各輸入貨物の取引に関し,以下の事実が認められる。 (1) 原告に係る 前記第2の3の前提事実(以下「前提事実」という。)並びに証拠(該当箇所に掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,本件各輸入貨物の取引に関し,以下の事実が認められる。 (1) 原告に係る平成11年頃までの輸入貨物の取引形態及び輸入(納税)申告 等ア 1984年(昭和59年)に米国で栄養補助食品及びパーソナルケア製品の販売を始めたP1社は,その後,世界各国へ販路を拡大し,平成11年7月の時点では,28か国にP5製品を販売するようになっていた。その販売方法は,いずれも,P1社が第三者である米国内の製造業者からP5製品を購入し,P1社がこれをP5グループ内の関連会社へ販売する形態であった。 イ日本国内では,P5グループの関連会社の1つである原告がP5製品である栄養補助食品及びパーソナルケア製品の販売を行っていたが,その製品調達経路は,米国の製造業者からP1社が製品を購入し,これをP6社が原告向けに調達して原告に売却するというものであった。この場合の製品の代金等の請求の流れは,製造業者がP1社に本船渡し(FOB)条件で請求し,P1社はその金額に各種実費とマージンを上乗せしてP6社に請求し,P6社はこれにマージンを上乗せして原告に請求するというものであった。 もっとも,日本向けのP5製品は,製造業者に日本市場向けに調合,指定及び梱包をするよう注文されるものであることから,製品自体の流れは,米国製造業者から直接原告に輸出されるか,又は製造業者から米国内の輸出用梱包や発送をする倉庫業者を経由するだけで,原告へ輸出される形態となっていた。 ウ原告は,日本国内で販売するP5製品の輸入につき,前記イのとおりの製品の調達経路の流れのうち,P6社と原告との間の売買を関税定率法4 条1項に規定する「 出される形態となっていた。 ウ原告は,日本国内で販売するP5製品の輸入につき,前記イのとおりの製品の調達経路の流れのうち,P6社と原告との間の売買を関税定率法4 条1項に規定する「輸入取引」であるとして,原告に対して発行されたP6社インボイスに記載されている金額を基にして輸入貨物の課税価格を計算し,輸入(納税)申告を行っていた。 (以上につき,前提事実(2)ア,甲イ11,13(枝番を含む。),15(枝番を含む。),41,乙イA45の1,46の1,47の1,証人P14)(2) P2社及び原告における課税価格の検討の開始ア平成11年初め頃,会計事務所であるP15に所属するP16がP5グループの会社を訪れ,原告は関税評価協定上必要とされている関税額以上の関税を支払っているのではないかという問題提起をした。すなわち,原告が日本で販売している栄養補助食品のうち,日本市場向けに特別な仕様で製造されているものについては,いわゆるファースト・セール理論により,P6社と原告との間の取引ではなく,製造業者とP1社との間の取引を「輸入取引」として,P1社が製造業者に支払う代金を基にして課税価格を計算することができるのではないかとの助言をした。 イ P2社の経営陣は,前記アの助言について,費用の削減につながるものとして大きな関心を抱いたが,他方で,P17証券取引所に上場する企業であるP2社としては,法令を遵守することが必要であったため,上記助言について詳しく検討することを開始するものの,課税価格の計算方法の変更は,日本の税関から日本の法令に適合している旨の承認を得た上で行うこととした。 ウそこで,P2社は,P15と共に,前記アの提案にあるような製造業者とP1社との間の売買価格を基に課税価格を計算するこ の税関から日本の法令に適合している旨の承認を得た上で行うこととした。 ウそこで,P2社は,P15と共に,前記アの提案にあるような製造業者とP1社との間の売買価格を基に課税価格を計算することについて,日本 の税関から事前の承認を得られるように準備を開始した。 そして,原告が日本で販売しているP5製品のうち,日本向け専用に特別な調合がされており,梱包や商品表示等も日本向け専用であって,P1社が米国の製造業者に対して発注した時点で日本向け輸出専用であることが明らかであると考えられる製品のうち,まず,P13社が製造する○○とP7社が製造する○○について,課税価格の計算方法を変更することができないかを検討し,その事前承認を税関に求めることとした。 (以上につき,甲イ41,甲ロ16,証人P14,弁論の全趣旨)(3) 平成11年7月7日の面談等ア(ア) P2社は,P16に○○及び○○の課税価格の決定方法に関する横浜税関長宛て照会文書の英文草案の作成を依頼し,作成された草案及びその日本語訳等を基に,原告及びP15と協議を行った後,平成11年6月21日頃,同年7月7日付けの原告代表者名義の照会文書(甲イ11,乙イA45の1。以下「7月7日付け照会文書」という。)を完成させ,横浜税関長に送付した。 7月7日付け照会文書には,付属書類として,①物流と請求書の流れを図解したもの,②P1社とP6社のリスク,機能及び業務分担について記載したもの,③P6社と原告の間の包括販売修正契約書(1997年(平成9年)4月14日締結のもの),④P6社とP1社との間の覚書案(○○及び○○については,P1社は常時P6社の代理として製品の発注を行っていること等を内容とするもの)及び原告とP6社との間の覚書案(○○及び 月14日締結のもの),④P6社とP1社との間の覚書案(○○及び○○については,P1社は常時P6社の代理として製品の発注を行っていること等を内容とするもの)及び原告とP6社との間の覚書案(○○及び○○についてP6社は常時原告の代理として製品の 発注を行っていること等を内容とするもの),⑤○○及び○○の関税評価額の計算書案,⑥P13社,P7社,P1社及びP6社がそれぞれ発行するインボイスのサンプルが添付されていた。 (イ) 7月7日付け照会文書の内容の概要は,以下のとおりである。 a 米国から日本に輸入している一定の栄養補助食品について,今後の関税課税価格の変更を承認していただきたく申請する。現在,P6社が作成する原告宛ての請求書を基に関税課税価格が決定されているが,今後は,米国の製造業者からの請求書に基づいて決定していただきたい。 b 取引形態を関税定率法4条の条文に照らし合わせると,全製品が製造業者からP1社へ販売された時点で日本向け専用貨物として扱われるので,製造業者からP1社へ販売された時点が米国から日本への輸入の起因となる「輸入取引」であるといえ,P1社(買手)が製造業者(売手)へ支払う価格(製造業者の請求額)が日本の課税価格決定の基礎となるべきであると考える。今回の取引形態では,原告は製品の発注処理や購入に関してP6社に依存しており,同様にP6社はP1社に依存していて,P1社及びP6社による役務は,課税評価対象製品の輸入取引の条件として提供されているものではない。 c 製造業者発行の請求書を課税価格決定の基礎とする場合でも,P1社の実費の一部は課税価格の構成要素として追加されるべきものと考えている。 d 我々の取引形態では,製造業者は本船渡し(FOB)条 求書を課税価格決定の基礎とする場合でも,P1社の実費の一部は課税価格の構成要素として追加されるべきものと考えている。 d 我々の取引形態では,製造業者は本船渡し(FOB)条件で製品を 販売するため,製品の所有権は日本行きの輸送船に荷積みするまで製造業者に帰属しており,米国から日本への輸出入は,製造業者とP1社間の売買取引に起因するといえる。 (ウ) また,前記(ア)の付属書類①及び⑥によれば,○○及び○○の取引の概要は次のとおりとされていた。 a ○○ P13社が製造した○○をP1社が単価2.85ドルで購入し,これをP6社が単価6.50ドルで購入し,さらに,原告が単価1011円で購入する。 製品は,P13社が輸出向けに梱包し,直接原告に発送する。 b ○○P7社が製造した○○をP1社が単価2.95ドルで購入し,これをP6社が単価5.70ドルで購入し,さらに,原告が単価848円で購入する(ただし,付属書類①に記載されている金額は,それぞれ2.95ドル,5.61ドル,872円である。)。 製品は,P7社がP5グループの倉庫に供給し,そこで輸出用に梱包されて原告に向けて発送される。 イ平成11年7月7日,原告の経理部長P18,P15のP16ほかの担当者らが,横浜税関関税評価部門のP11審査官及びP12調査官と面談し,P1社と製造業者との取引が輸入取引であり,当該取引に係る価格を基に課税価格が決定されるべきである旨の説明をしたが,横浜税関側がこれを受け入れることはなかった。もっとも,P11審査官からは,製造業 者とP1社との間,P1社とP6社との間,P6社と原告との間でそれぞれ売買が行われている現在の状 説明をしたが,横浜税関側がこれを受け入れることはなかった。もっとも,P11審査官からは,製造業 者とP1社との間,P1社とP6社との間,P6社と原告との間でそれぞれ売買が行われている現在の状態では,P6社のインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算しなければならないが,製造業者が売手で原告が買手であるというのなら,製造業者のインボイスに記載された金額を基に課税価格を計算することもあり得る,しかし,そのような見解なら,その見解に沿う契約関係を示す書面があるのが望ましいというような発言がされた。 ウそこで,原告は,内部会議を開き,米国の製造業者が,P1社に対してではなく原告に対して製品を売却することに同意しさえすれば,製造業者を売手とし,原告を買手とする取引にできるのではないかという結論に至った。そこで,P2社において,P13社及びP7社に対し,○○及び○○の取引形態を,製造業者が原告に対して販売する方式へ変更することができないか打診したところ,いずれの製造業者もこれに応じられる旨の回答をした。 (以上につき,前提事実(2)イ,甲イ11,12,34,35,41,乙イA45(枝番を含む。),弁論の全趣旨)(4) 平成11年9月7日の面談等ア(ア) 原告は,前記(3)ウの検討の結果,再度横浜税関に面談を申し入れることとし,それに先立ち,7月7日付け照会文書を一部訂正した平成11年9月7日付けの原告代表者名義の照会文書(甲イ13,乙イA46の1。以下「9月7日付け照会文書」という。)を作成し,横浜税関長に送付した。 9月7日付け照会文書は,7月7日付け照会文書と同様に,本文のほか,付属書類として,①発注,請求書と支払の流れ及び物流を図解したもの,②P1社とP6社のリスク,機能及び業務分 。 9月7日付け照会文書は,7月7日付け照会文書と同様に,本文のほか,付属書類として,①発注,請求書と支払の流れ及び物流を図解したもの,②P1社とP6社のリスク,機能及び業務分担について記載したもの,③P6社と原告との間の包括販売修正契約書(1997年(平成9年)4月14日締結のもの),④原告とP13社との間の覚書案,原告とP7社との間の覚書案並びに原告,P6社及びP1社の間の覚書案,⑤○○及び○○の関税評価額の計算書案,⑥製造業者,P1社及びP6社がそれぞれ発行するインボイスのサンプルが添付されたものであり,これらの付属書類のうち,上記②及び③は7月7日付け照会文書に添付されていたものと同一のものである。 (イ) 9月7日付け照会文書は,7月7日付け照会文書と同様に,今後の関税課税価格は製造業者の請求書を基に決定していただきたい旨の文書であるが,7月7日付け照会文書からの主要な変更点は,以下のとおりである。 a 米国の製造業者(供給者)の請求書や,今回の取引に関連する契約書等からも,原告が購入者かつ荷受人であることが明確であるとしたこと。 b 原告は,P6社とP1社を通じ,第三者の製造業者から製品を購入しており,P6社とP1社は原告の代理人としての役割を果たしており,製品調査に関する指示は原告からP6社にされ,P6社はこれをP1社に伝える流れとなっているとしたこと。 cP1社とP6社は,原告による製品の海外調達処理の代理役も果た しているため,各種事務処理の便宜や各社のビジネスリスク軽減などの観点から,製造業者からの請求は,P1社宛てにされることになっており,P1社はこれに,製品に関連した費用,更に原告へのその他役務の対価を加算してP6社に請求し,P6社は自社 ビジネスリスク軽減などの観点から,製造業者からの請求は,P1社宛てにされることになっており,P1社はこれに,製品に関連した費用,更に原告へのその他役務の対価を加算してP6社に請求し,P6社は自社の費用と役務対価を加算して原告へ請求する流れとなっており,輸入製品の代金も,原告からP6社及びP1社を経由して製造業者に支払われているとしたこと。 (ウ) また,前記(ア)の付属書類①及び⑥によれば,○○及び○○の取引の概要は次のとおりとされていた。 a ○○原告がP6社及びP1社に対して発注書を送り,P1社がこれをP13社に送る。 代金等は,P13社がP1社に単価2.85ドルで,P1社がP6社に製品代単価2.85ドルと追加費用及び役務対価単価3.65ドルの合計単価6.50ドルで,さらに,P6社が原告に単価1011円でそれぞれ請求し,それぞれこれに応じた支払をする。 製品は,P13社で輸出向けに梱包し,P1社のウェアハウスで原告に向けて一括発送する。 b ○○原告からP6社へ,P6社からP1社へ,P1社からP7社へそれぞれ発注書を送る。 代金等は,P7社がP1社に単価2.95ドルで,P1社がP6社 に製品代単価2.95ドルと追加的費用及び役務対価単価2.75ドルの合計単価5.70ドルで,P6社が原告に単価848円でそれぞれ請求し,それぞれこれに応じた支払をする。 製品は,P7社がP5グループの倉庫に供給し,そこで輸出用に梱包されて原告に向けて発送される。 (エ) 前記(ア)の付属書類②であるP1社とP6社のリスク,機能及び業務分担について記載したものには,P1社がP6社の製品調達に関連して請け負う機能として, されて原告に向けて発送される。 (エ) 前記(ア)の付属書類②であるP1社とP6社のリスク,機能及び業務分担について記載したものには,P1社がP6社の製品調達に関連して請け負う機能として,完成品の供給元の確保,P6社の代理として製造販売元と売買契約を締結すること,製品の研究開発等が記載されていたほか,P1社はFOBベースで購入,CIFベースで転売するため,製品の所有権はいったんP1社に帰属するものの,輸出元の港から50マイル時点でP6社に移転されること,製造物責任はP1社が負うこと,原告の支払う国外へのコミッション・ライセンス料に関する為替リスクはP1社が負担することが記載されていた。 また,P6社の負うリスク,機能及び業務分担は調達代理人的なものとされ,具体的には,完成品供給元の確保,原告のためのP1社との取引その他のコミュニケーションの助け,原告の指示の下に製品の紛失,損傷,その他不良品や返品に関するクレーム処理,原告のための製品仕入代金のP1社への支払等が記載されていたほか,輸送中の製品の所有権はP6社に帰属するため日本に到着するまでの紛失又は損傷リスクはP6社が負うこと,P6社は米国ドル建てで調達し原告には日本円で請求するので,為替リスクはP6社が負うこと,劣化や期限切れ製品のリ スクはP6社が負うことが記載されていた。 (オ) 前記(ア)の付属書類④のうち,原告とP13社との間の覚書案及び原告とP7社との間の覚書案には,次のような記載があった。 a 製品の購入者である原告は,P6社とP1社経由で製品の発注を行う。 bP6社とP1社は,○○又は○○の調達等に関し原告のために活動し,その海外からの調達について原告の代理を務める。 cP13社又はP7社はP1社経由で受 で製品の発注を行う。 bP6社とP1社は,○○又は○○の調達等に関し原告のために活動し,その海外からの調達について原告の代理を務める。 cP13社又はP7社はP1社経由で受けた受注に対し,原告の代理としてP1社が合意した処理方法及び手順に基づき製品を原告向けに発送する。 d 製品は原告向け専用に特別調合したものとする。 e 取引処理の便宜上,P13社又はP7社は製品の代金を米国ドル建てでP1社に請求する。 (カ) 前記(ア)の付属書類④のうち,原告とP6社との間の覚書案には,次のような記載があった。 aP6社は,○○及び○○の調達等に関し原告のために活動し,また,製品の海外からの調達について原告の代理を務める。 bP6社は原告から受けた発注指示に基づき,P1社経由で独立の製造業者からの製品供給を確保する。製品調達のサポートに際し,P6社は製品の種類及び数量等に関する原告からの指示をP1社に伝える。 cP6社は,調達代理業務に関し原告が必要に応じて要求する内容に 従う。 dP6社は製品が日本に到着するまでその所有権を有し,この間の製品紛失及び損傷に関するリスクを負うものとし,所有権及びこれに伴うリスクは日本到着時点で原告に移行するものとする。 eP6社は,製品代金及びP1社とP6社の各種役務対価について,製品代金と役務対価が明確に区別できる形で,かつ日本円建てで原告に請求する。 (キ) さらに,前記(ア)の付属書類④のうち,原告,P6社及びP1社の間の覚書案には,次のような記載があった。 aP1社は,P6社の下請けとして,○○及び○○の調達等に関し原告のために活動し,また,製品の海外からの調達について原告の 告,P6社及びP1社の間の覚書案には,次のような記載があった。 aP1社は,P6社の下請けとして,○○及び○○の調達等に関し原告のために活動し,また,製品の海外からの調達について原告の代理を務める。 bP1社は,原告又はP6社から受けた発注指示に基づき,独立の製造業者からの製品供給を確保する。製品調達のサポートに際し,P1社は製品の種類及び数量等に関する原告からの直接又はP6社経由の指示を製造業者へ伝える。 cP1社は,調達代理業務に関し原告が必要に応じて直接又はP6社経由で要求する内容に従うものとする。 d 製品の所有権及びこれに伴うリスク負担は,P1社と製造業者及びP6社間の合意内容に準ずるものとする。 eP1社は製品代金と自社による調達代行を含む各種役務対価について,製品代金と役務対価が明確に区別できる形で,米国ドル建てでP 6社に請求する。 (ク) 前記(ア)の付属書類⑥のインボイスのサンプルのうち,P13社及びP7社発行のものは,いずれも7月7日付け照会文書に添付されていたものと同一のもの(いずれも原告向けに出荷する旨の記載がある。)であるが,P1社発行のものには,請求金額の内訳として,製品代金,関税の課税価格に加算される追加費用並びに運賃及び保険料(○○については合計5万5026ドル,○○については合計1万9971ドル)が記載されており,P6社発行のものにも請求金額の内訳として上記金額を円換算したもの(○○については合計632万7990円,○○については合計229万6665円)が記載されていた。なお,P6社発行のインボイスには,原告が支払うべき合計金額は,○○については1819万8000円,○○については534万2400円と記載されていた。 イ 29万6665円)が記載されていた。なお,P6社発行のインボイスには,原告が支払うべき合計金額は,○○については1819万8000円,○○については534万2400円と記載されていた。 イ平成11年9月7日,原告,P1社及びP15の各担当者が,横浜税関のP11審査官及びP12調査官と2回目の面談をした。また,この面談には,P2社の取締役であるP19及びP5グループのアジア地域財務管理者であるP14も出席した。 面談では,原告側からの9月7日付け照会文書及びその付属書類に基づき原告が買手で製造業者が売手であると説明したのに対し,横浜税関側が,請求及び支払の流れが,原告が買手であり製造業者が売手であるという立場と矛盾すると指摘した。これに対し,原告側は,請求と支払の流れの中に中間業者を入れることについて売手と買手双方が合意している場合に は,その流れ自体が買手と売手の関係に影響を与えるものではないと説明した。また,横浜税関側は,付属書類について,原告とP6社との覚書に「P6社が製品の所有権を有している」旨の記載があること,インボイスのサンプルに記載されている原告がP6社に支払う金額と製品代金及び追加費用等の合計額との間に大きな差異があることについては税関調査官から疑問を抱かれる可能性が高いこと,仮に原告が買手であるなら,製造業者のインボイスの宛先は原告でなければならないこと等も指摘した。また,原告が提出を予定している包括申告書の記載案を税関側に示したところ,税関からは一部修正した方がよい旨の指摘があった。 ウ前記イの指摘を受けたものの,原告は,横浜税関が原告の提案する輸入貨物の課税価格の決定方法を基本的に承認したものと受け止め,9月7日付け照会文書,付属書類及び包括申告書に修正を加えることとした。 イの指摘を受けたものの,原告は,横浜税関が原告の提案する輸入貨物の課税価格の決定方法を基本的に承認したものと受け止め,9月7日付け照会文書,付属書類及び包括申告書に修正を加えることとした。 (以上につき,前提事実(2)イ,甲イ13(枝番を含む。),14,41,乙イA45(枝番を含む。),46(枝番を含む。),証人P14,弁論の全趣旨)(5) 平成11年10月13日の面談等ア原告は,前記(4)イの指摘を受け,9月7日付け照会文書を一部訂正した上で,再度横浜税関に面談を申し入れることとし,平成11年10月13日付けの原告代表者名義の照会文書(甲イ15(枝番を含む。),乙イA47の1。以下「10月13日付け照会文書」という。)を作成し,横浜税関長に送付した。 10月13日付け照会文書も,7月7日付け照会文書及び9月7日付け 照会文書と同様に,本文と付属書類から成るものであり,9月7日付け照会文書に主として以下のとおりの変更を加えたものである。 (ア) 本文につき,7月7日付け照会文書及び9月7日付け照会文書では,「取引形態がFOB条件であるため,製品の所有権は日本行きの輸送船に荷積みするまで製造業者に帰属」する(前記(3)ア(イ)d)とされていたが,10月13日付け照会文書では,「我々の取引形態では,製造業者はFreeCarrier(FCA)条件で製品を販売するところ,FCA条件下では,輸出通関後,買手の指定した場所及び船会社に製品を引き渡した時点で製造業者はその責任を果たしたことになり,製品に関する責任は日本行きの輸送船に荷積みされた時点で製造業者から移転する」とされた。 (イ) P1社とP6社のリスク,機能及び業務分担を記載した書面についても,9月7日付け照会文書の付属書類において 任は日本行きの輸送船に荷積みされた時点で製造業者から移転する」とされた。 (イ) P1社とP6社のリスク,機能及び業務分担を記載した書面についても,9月7日付け照会文書の付属書類においては,「P1社がFOBベースで購入するので,製品の所有権が一旦P1社に帰属する」とされていた(前記(4)ア(エ))ものが,「P1社がFCAベースで購入するので,製品に対する責任が一旦P1社に帰属する」と修正されるなどした。 (ウ) 原告とP6社の間の覚書案について,9月7日付け照会文書の付属文書においては,P6社は製品が日本に到着するまでの所有権を有し,この間の製品紛失及び損傷に関するリスクを負い,所有権及びこれに伴うリスクは日本到着時点で原告に移行するものとされていた(前記(4)ア(カ)d)ものが,製品が日本に到着するまでの輸送及び保険は,P6社が責任を持ってアレンジするものとし,日本到着までの間の製品紛失 及び損傷に関するリスクはP6社が負い,当該リスクは日本到着時点で原告に移行するものとされた。また,P6社がアレンジする輸送及び保険のコストは,原告に実費請求するものとされた。 (エ) 原告,P6社及びP1社との間の覚書案については,当該覚書は,原告とP6社間で締結した1999年(平成11年)9月12日付けの覚書を受けた合意をするもので,当事者間で過去に締結された各種の法的契約書に準ずるものとし,いかなる場合でも覚書の内容がそれらの契約書の内容に優先するものではない旨の記載が加えられた。また,P1社は全ての知的財産を有しており,P6社,原告又はその他の者によるこれら知的財産の使用については,別途締結した既存の契約書に準ずるものとする旨も加えられた。 (オ) 添付されているインボイスのサンプルは書式等が変更され, ,P6社,原告又はその他の者によるこれら知的財産の使用については,別途締結した既存の契約書に準ずるものとする旨も加えられた。 (オ) 添付されているインボイスのサンプルは書式等が変更され,関税評価額の提案書案記載の金額にも修正が加えられた。 イ平成11年10月13日,原告及びP15の担当者らが,横浜税関のP11審査官及びP12調査官と3回目の面談をした。 原告側から提出された10月13日付け照会文書及びその付属書類並びに包括申告書の案について,横浜税関側から,包括評価を希望するのであれば,課税価格への加算要素は包括申告書に記載し,P13社及びP7社のインボイスには記載しない方がよいこと,覚書には,原告が買手であり,P13社又はP7社が売手であることを盛り込む方がよいこと等の指摘がされた。また,通関の際には,製造業者のインボイスと包括申告書があれば足り,P1社とP6社のインボイスは申告書類に含まないこととする旨 が話された。 ウ原告は,横浜税関側からの指摘を受けて修正した書類一式を包括申告書と共に提出すれば,横浜税関において,包括申告書に捺印がされるものと理解した。 (以上につき,前提事実(2)イ,甲イ15(枝番を含む。),16,41,乙イ46(枝番を含む。),47(枝番を含む。),証人P14,弁論の全趣旨)(6) 原告による平成11年10月25日の包括申告書の提出原告は,平成11年10月25日,横浜税関長に対し,○○及○○についての平成11年包括申告書を提出して,関税定率法4条に基づく評価申告をしたところ,横浜税関において,同日付けの受理印が押印され,同12年10月25日の前日まで適用がある旨の記載がされた上,即日,1部が原告に交付された。平成11年包括申告書及びその添付書類 評価申告をしたところ,横浜税関において,同日付けの受理印が押印され,同12年10月25日の前日まで適用がある旨の記載がされた上,即日,1部が原告に交付された。平成11年包括申告書及びその添付書類の内容はおおむね以下のとおりである。 ア包括申告書の記載内容輸入者及び輸入取引の買手は原告であり,輸出者及び輸入取引の売手はP13社又はP7社であるとされており,輸入申告価格のうち,運賃明細書又は保険料明細書に記載された額以外の加算要素について,輸入港までの運賃等(いずれも0.03ドルで,その内訳は,原告の代理としてP1社が負担した製品関連の費用である米国生産者輸送費と米国内陸輸送費の合計であるとされている。),容器及び包装の費用(いずれも米国内梱包費0.01ドル)並びに役務(技術,設計等)の費用(R&D費用(調査 開発費)として,○○については0.22ドル,○○については0.23ドル)を加算する(加算要素の1ユニット当たりの合計は,○○について0.26ドル,○○について0.27ドル)旨が記載されている。また,輸入取引に関する事情として,関税定率法4条2項1号,2号又は3号に掲げる事情は「ない」,売手と買手との間に特殊関係(同項4号)は「ない」と記載されている。 イ添付書類の内容(ア) P13社及びP7社のインボイスのサンプルには,売買の相手方(Soldto)としてP1社が,送付先(Shipto)として原告が記載されている。また,請求金額としては,製品代金のほか,運賃と保険料が記載されている。 (イ) 対日関税評価額提案書には,詳細な計算根拠が記載されている。 (ウ) P13社及びP7社と原告との間の覚書(以下「旧ベンダー覚書」という。),原告とP6社との間の覚書(以下「旧二者間の覚書」 対日関税評価額提案書には,詳細な計算根拠が記載されている。 (ウ) P13社及びP7社と原告との間の覚書(以下「旧ベンダー覚書」という。),原告とP6社との間の覚書(以下「旧二者間の覚書」という。)並びに原告,P6社及びP1社の間の覚書(以下「旧三者間の覚書」という。)は,いずれも10月13日付け照会文書に添付されていたものと同じ内容のものに各当事者の代表者による署名がされたものであり,効力発生日が1999年(平成11年)9月12日とされている。 なお,契約締結日の記載はない。 (エ) 発注,請求書と支払の流れ及び物流を図解したもの,P1社とP6社のリスク,機能及び業務分担について記載したもの並びにP6社と原告の間の卸売販売修正契約書は,10月13日付けの照会文書に添付さ れていたものと同一のものである。 (以上につき,前提事実(2)ウ,甲イ17,乙イA44(いずれも枝番を含む。))(7) 原告による○○及び○○についての輸入(納税)申告等原告は,○○及び○○について,平成11年包括申告書の内容に沿った輸入(納税)申告を開始した。 なお,平成12年になって,原告が輸入していたP13社が製造する○○に品質不良の問題が生じたため,原告は,○○についてもP7社が製造したものを購入することとし,同年9月9日頃,旧ベンダー覚書と同様の覚書をP7社とも締結した。そして,原告は,同年10月20日,横浜税関長に対し,○○について,原告を輸入者(買手),P7社を輸出者(売手)とする包括申告書(乙イA27。以下「平成12年包括申告書」という。)を提出したところ,横浜税関では,同月25日以降にこれを適用することとしたが,横浜税関は,平成12年包括申告書の欄外に「売手,買手の認定について輸入者と見解の相違がある 12年包括申告書」という。)を提出したところ,横浜税関では,同月25日以降にこれを適用することとしたが,横浜税関は,平成12年包括申告書の欄外に「売手,買手の認定について輸入者と見解の相違があるが輸入者の申し出により受理する。なお,輸入の許可後,税関長の調査により,この申告に基づく輸入申告による税額等を更正することがあります。」との記載をした。 さらに,原告は,平成13年には,P9社が製造した○○及び○○も購入することとし,同年3月1日ころ,P9社との間でも旧ベンダー覚書と同様の覚書を締結した。原告は,これらの取引についても,平成11年包括申告書と同様の包括申告書及び関係する覚書等を横浜税関長に提出し,これに沿った輸入(納税)申告を開始した。 (以上につき,前提事実(2)ウ,甲イ34,35,乙イA27,証人P14, 弁論の全趣旨)(8) 横浜税関による事後調査等横浜税関は,前提事実(2)エのとおり,平成12年から同14年までの間に3度にわたる原告についての調査を行い,その都度,輸入取引の売手は製造業者ではなくP6社ではないかという疑問を抱いている旨を指摘し,原告との間で書面の交換や会議を行ったが,更正処分が行われることなどはなかった。(前提事実(2)エ,甲イ41,46,証人P14,弁論の全趣旨)(9) 原告,P1社及びP6社による本件卸売販売契約の締結等平成14年7月1日,P5グループ内の組織変更に伴い,P6社が日本国内で販売するP5製品の取引から離脱することとなり,その旨を明らかにするとともに,その後の取引関係を明らかにするため,原告,P6社及びP1社は,同日を効力発生日とする本件卸売販売契約を締結した。 本件卸売販売契約は,これまで原告がP6社により日本における独占的販売業者として 後の取引関係を明らかにするため,原告,P6社及びP1社は,同日を効力発生日とする本件卸売販売契約を締結した。 本件卸売販売契約は,これまで原告がP6社により日本における独占的販売業者として任命されていたものを,P1社により任命されることとするものであり,本件卸売販売契約書4.1(b)及び5.2には,原告は,P1社から又はP1社を経由してのみ製品を購入する旨の規定がある。他方で,同8には,P1社と原告の関係は,「常に別個独立した委託者と受託者の関係にとどまるものとする。(中略)いずれの当事者も,(中略)相手方当事者を代理してその他の行為を行う権限を有しない。」旨が規定されている。 (以上につき,前提事実(2)オ,乙イA22,弁論の全趣旨)(10) 本件三者間の覚書及び本件ベンダー覚書の締結並びに原告による他の本件対象製品に係る包括申告書の提出及び輸入(納税)申告等 アその後,原告は,○○及び○○以外の製品についても,同様に製造業者を輸出者(売主),原告を輸入者(買主)として輸入(納税)申告をすることができるよう,包括申告書を提出することを検討し,各製造業者に,旧ベンダー覚書と同様の覚書の締結を打診した。その結果,本件各ベンダーが本件対象製品を含むベンダー合意製品について,覚書を締結することを了承したことから,本件ベンダー覚書を締結した。本件ベンダー覚書は,旧ベンダー覚書とほぼ内容を同じくするもので,①原告は,覚書の対象となる製品の荷受人であり買主であること,②原告は,P1社を介して同製品の発注を行い,P1社は,原告のために製造業者に注文を行い,製造業者は,P1社から注文を受領し次第,同製品の供給の手配を行うこと等を内容とするものである。 (以上につき,甲イ5の1から4まで,甲イ34,35,弁論の全趣 のために製造業者に注文を行い,製造業者は,P1社から注文を受領し次第,同製品の供給の手配を行うこと等を内容とするものである。 (以上につき,甲イ5の1から4まで,甲イ34,35,弁論の全趣旨)イ他方で,原告,P1社及びP6社は,平成14年7月1日を効力発生日として,旧三者間の覚書においてP6社が担っていた機能及びリスクを今後担うことがなくなることを確認するとともに,本件ベンダー覚書に記載されている製品の一部である本件対象製品の調達に関連した取決めをすることを目的として,本件三者間の覚書を締結した。 本件三者間の覚書には,①P1社は,原告を代理して,原告のために本件対象製品の海外における購入活動として,原告から提供される受注予測及び指示に従い本件対象製品を製造するため製造業者等と購入契約の締結などを行うこと,②本件各ベンダーは,P1社に米国ドル建てで請求を行い,P1社は原告のために原告を代理して本件各ベンダーに米国ドル建て で支払を行うこと,③P1社は原告に対し製品代金及びP1社の役務提供の対価を日本円で請求することなどが記載されている。 (以上につき,甲イ3,弁論の全趣旨)ウなお,原告とP1社は,平成16年7月ころ,前記イの内容を明らかにするため,同14年7月1日を効力発生日として,原告が日本国内で販売する本件対象製品の調達,請求,支払及び出荷に関する覚書(以下「本件二者間の覚書」という。)を作成した。 本件二者間の覚書には,①原告は,本件対象製品の供給につき,それぞれの独立の製造業者と取り決めを交わすこと,②P1社は原告の代理として活動すること等が記載されている。 (以上につき,甲イ9,乙イA32,弁論の全趣旨)エ平成14年8月9日,原告は,○○及び○○以外の本 取り決めを交わすこと,②P1社は原告の代理として活動すること等が記載されている。 (以上につき,甲イ9,乙イA32,弁論の全趣旨)エ平成14年8月9日,原告は,○○及び○○以外の本件対象製品について,平成11年包括申告書と同様に,原告を輸入者かつ買手とし,本件各ベンダーを輸出者かつ売手とする製品ごとの包括申告書に,ベンダーインボイスのサンプル,関税評価額計算書,本件ベンダー覚書,発注及び物流について図解したもの等を添付して横浜税関長に提出したところ,横浜税関は,同月29日付けで申告があり,同16年8月29日の前日まで適用されるものとして受け付け,それぞれの1部を原告に交付した。なお,上記各包括申告書には,原告からの申入れを受け,平成12年包括申告書にされたような欄外の文言の記入はされなかった。 原告は,これ以降,本件各対象製品につき,上記各包括申告書に従った輸入(納税)申告を開始した。 (以上につき,前提事実(2)カ,甲イ18の1から10まで,弁論の全趣旨)オなお,原告が平成15年3月20日に横浜税関長に提出したP9社が製造する○○の包括申告書(甲イ19)には,再び平成12年包括申告書にされたような欄外の文言の記載がされたが,その翌年である同16年3月17日に提出したP9社が製造する○○並びにP7社及びP9社が製造する○○の包括申告書(甲イ20の1から3まで)には,そのような記載はされなかった。 (11) 原告がP1社に支払うべき本件対象製品に係る金員の額の改定等ア原告がP1社に対して本件対象製品に関して支払う金額(1ユニット当たりの単価)は,平成14年7月1日以降,以下のとおりとする旨の合意が原告とP1社との間で交わされていた。(乙イA10の1,イB517) して本件対象製品に関して支払う金額(1ユニット当たりの単価)は,平成14年7月1日以降,以下のとおりとする旨の合意が原告とP1社との間で交わされていた。(乙イA10の1,イB517)○○ 1535円○○ 1262円○○ 904円○○ 1474円○○ 1436円○○ 1189円○○ 2825円○○ 699円○○ 1732円○○ 1725円○○ 805円 イ P1社は,提供する役務の費用の増加及び厚生労働省の通達変更に伴う追加費用の発生により,前記アの金額が適正なものでなくなったとして,原告に対し,本件対象製品について原告がP1社に支払う金銭の額の改定を申し入れ,平成15年9月1日,P1社と原告は,同年1月1日以降の金額を以下のとおりとし,同日から同年8月31日までの増加分については,平成16年3月31日までに支払う旨の合意をし,その旨の価格改定合意書(以下「平成15年価格改定合意書」という。)を交わした。(乙イA10(枝番を含む。),イB517)○○ 1751円○○ 1256円○○ 986円○○ 1677円○○ 1599円○○ 1380円○○ 3233円○○ 766円○○ 2040円 ○ 1599円○○ 1380円○○ 3233円○○ 766円○○ 2040円○○ 1963円○○ 995円なお,P1社と原告は,平成15年9月1日,他の本邦市場向け貨物についても,原告がP1社から購入する製品の価格を同年1月1日に遡って改定し,遡及分については,同16年3月31日までに支払う旨の合意を しているところ,その対象製品のリスト(以下「平成15年価格改定リスト」という。)には,本件対象製品と同一のものが挙げられており,その価格は,本件対象製品について合意された金額と同額である。(乙イA23(枝番を含む。),33)ウさらに,P1社は,平成16年8月5日,原告に対し,平成15年価格改定合意書による金額を同年1月1日に遡って以下のとおりとすることを申し入れ,原告は,同年8月28日,これを承諾し,その旨の価格改定合意書(以下「平成16年価格改定合意書」という。)が作成された。(乙イA10の2,B518,乙ロ8)○○ 1328円○○ 1147円○○ 970円○○ 1340円○○ 639円○○ 2568円○○ 558円○○ 1625円○○ 747円(12) 本件申告1-1,同1-2及び同1-4,横浜税関による調査並びに本件更正処分等1及び同2の経緯ア原告は,平成14年1 1625円○○ 747円(12) 本件申告1-1,同1-2及び同1-4,横浜税関による調査並びに本件更正処分等1及び同2の経緯ア原告は,平成14年10月21日から同16年10月14日にかけて,本件貨物1-1及び同1-4に係る輸入(納税)申告である本件申告1- 1及び同1-4をした。当該輸入(納税)申告は,平成11年包括申告書の提出以降に横浜税関長に提出した包括申告書に従い,本件各ベンダーが発行したベンダーインボイス記載の運賃保険料込みの価格を仕入書価格として,これを基に課税価格を計算してされたものである。(前提事実(3)ア(ア),乙イB1から256,270から516までの各枝番1)イ横浜税関調査部門は,平成16年5月17日から同月21日にかけて,同14年5月17日から同16年5月14日までに原告が行った輸入(納税)申告について,実地調査を行った。そして,横浜税関調査部門担当者は,原告に対し,上記期間に行われた申告に係る輸入貨物のP1社インボイス等の追加資料の提出を求めた。 横浜税関調査部門は,原告から追加提出された資料を検討するなどした結果,本件貨物1―1については,P1社インボイスの価格に基づき課税価格を計算すべきであると判断し,平成16年10月4日,原告に対し,P1社を売手とした修正申告をするようしょうようした。これに対し,原告は,同月8日付けの書面で横浜税関長宛てに協議の場を設けてほしい旨を申し出たため,同月12日に横浜税関調査部門担当者と原告担当者及びP15担当者との会合が開かれたが,見解の一致には至らず,原告は修正申告を行わなかった。 そこで,成田出張所長,本牧出張所長及び大黒出張所長は,平成16年10月13日付けで本件更正処分等1を行った。 担当者との会合が開かれたが,見解の一致には至らず,原告は修正申告を行わなかった。 そこで,成田出張所長,本牧出張所長及び大黒出張所長は,平成16年10月13日付けで本件更正処分等1を行った。 (以上につき,前提事実(3)ア(イ),(ウ),甲イ46,48,49,乙イA18の1から30まで,弁論の全趣旨) ウ原告は,平成16年10月14日,本件貨物1-2について,P9社又はP7社が発行したベンダーインボイス記載の運賃保険料込みの価格を仕入書価格とし,これを基に課税価格を計算して,本牧出張所長に対し,本件申告1-2をしたところ,本牧出張所長は,審査の結果,本件貨物1-2については,本件貨物1-1と同様にP1社インボイスの価格に基づき課税価格を計算するのが適切であると判断し,原告から本件貨物1-2に係るP1社インボイスの提出を受けた上で,同月19日,本件更正処分等2を行った。(前提事実(3)イ,乙イA18の31から34まで,乙イB257から262までの各枝番1)(13) 本件貨物1-3に係る輸入(納税)申告及び本件更正処分3等ア原告とP1社は,本件更正処分等1及び同2を受け,平成16年10月26日頃から,本件対象製品の原告による輸入については,各船積みに応じたP1社インボイスの発行をしないこととした。(前提事実(3)ウ(ア))イ原告は,平成16年11月15日,本牧出張所長に対し,本件貨物1-3について,P9社又はP7社が発行したベンダーインボイス記載の運賃保険料込みの価格を仕入書価格として,これを基に課税価格を計算して,本件申告1-3をしたところ,本牧出張所長は,原告に対し,本件貨物1-3に係るP1社インボイスの提出を求めた。しかし,原告がこれを提出しなかったことから,本牧出張所長は,同月24 税価格を計算して,本件申告1-3をしたところ,本牧出張所長は,原告に対し,本件貨物1-3に係るP1社インボイスの提出を求めた。しかし,原告がこれを提出しなかったことから,本牧出張所長は,同月24日,本件貨物1-3について,過去に横浜税関に提出された同種製品のP1社インボイスに記載された価格に基づき課税価格を計算した上で,本件更正処分等3を行った。 また,横浜税関担当者は,原告に対し,今後もP1社インボイスに記載さ れた価格を基に輸入(納税)申告をするように求めた。 そこで,原告は,製品の輸入を行うためには,横浜税関担当者の指示どおりの輸入(納税)申告を行わざるを得ないと判断し,横浜税関長宛ての文書を送付して,同日以降は,やむを得ずそのような申告を行う旨を表示した。 (以上につき,前提事実(3)ウ(ウ),甲ロ6,7,乙イA18の35から38まで,乙イB263から269まで,弁論の全趣旨)(14) 本件各申告2及び本件各更正の請求ア原告は,平成16年10月27日から同17年6月29日までの間,区分Aの輸入貨物について,P1社インボイスを添付し,当該P1社インボイスに記載された価格に基づいて算出した金額が現実支払価格による方法によって計算した課税価格であるとして,区分Bの輸入貨物について,同16年10月1日以前の発効日の記載があるP1社のインボイスの価格に基づき課税価格を計算した上で,区分Cの輸入貨物について,平成16年価格改定合意書に記載された金額を基に記載された価格から関税定率法4条の4に基づき課税価格を計算した上で,本件各申告2を行った。(前提事実(5)ア,乙ロ8,20,21の1及び2)イ他方で,原告は,平成17年10月27日から同年12月14日までの間,本件各更正の請求を行った。(前提事実(5)ア) ,本件各申告2を行った。(前提事実(5)ア,乙ロ8,20,21の1及び2)イ他方で,原告は,平成17年10月27日から同年12月14日までの間,本件各更正の請求を行った。(前提事実(5)ア)(15) 本件更正処分等4横浜税関調査部門は,前記(12)イの実地調査において課税価格が確定できなかった輸入(納税)申告及び同調査以降本件更正処分等1までの間に行わ れた輸入(納税)申告について実地調査を行ったところ,本件貨物1-4については,税関に提出されたP1社インボイスに記載された価格に基づき課税価格を計算すべきものであると判断し,成田出張所長,本牧出張所長及び大黒出張所長は,平成17年6月23日付けで本件更正処分等4を行った。 (前提事実(3)エ(イ))(16) 本件各通知処分大黒出張所長及び本牧出張所長は,本件各申告2には誤り等はないとして,平成18年2月2日付けで,本件各通知処分を行った。(前提事実(5)ア)(17) 事実認定の補足説明ア被告は,本件三者間の覚書及び本件ベンダー覚書の信用性には疑問がある旨の主張をする。すなわち,①本件三者間の覚書は,本件各輸入貨物の取引当事者でないP6社を当事者として含むものであること,②本件三者間の覚書においてP1社を代理人として本件各ベンダーから直接購入することとされている本件対象製品と,本件ベンダー覚書において同様の扱いとされている本件ベンダー合意製品には差異があること,③本件ベンダー覚書に掲げられている製品について,実際には,原告がP1社を売手として購入している事実が認められること,④原告は,本件訴訟に先立つ異議申立ての段階では本件二者間の覚書(乙イA32)を自らの主張を基礎付けるものとして提出していたのに,本件訴訟の段階になって本件三者間の覚書 ている事実が認められること,④原告は,本件訴訟に先立つ異議申立ての段階では本件二者間の覚書(乙イA32)を自らの主張を基礎付けるものとして提出していたのに,本件訴訟の段階になって本件三者間の覚書(甲イ3)を提出したこと,⑤本件ベンダー覚書は,処分行政庁に提出されたものと本件訴訟において提出されたものの書式やサインが異なっていることなどから,いずれもその信用性には疑問があるとする。 イそこで,まず本件三者間の覚書について検討するに,前記ア①については,前記(10)イのとおり,従前は原告のP5製品の調達過程にP1社及びP6社が介在していたが,平成14年7月1日のP5グループの組織変更に伴い,P6社が離脱することとなったため,そのことも明らかにするために本件三者間の覚書が作成されたというのであるし,本件三者間の合意の内容は,実質的には,P1社と原告の関係に関するものとなっているから,P6社が当事者となっていることをもって,本件三者間の合意が信用できないものということはできない。 前記ア②及び③については,確かに,証拠(甲イ3,5,乙イA41,42(枝番のあるものは枝番を含む。))によれば,本件各ベンダーのいずれについても,本件ベンダー覚書において合意の対象とされている本件対象製品の中には,本件三者間の覚書において合意の対象とされている製品に含まれていないものが存在すること,本件ベンダー覚書の対象となっている製品について,本件ベンダー覚書の効力発生日である平成14年7月1日以降も,原告がP1社を輸出者(売手)として輸入(納税)申告がされているものがあることが認められる。しかし,本件ベンダー覚書及び本件三者間の覚書の内容をみると,それぞれの対象となる製品については,適宜改訂や補充がされる旨が記載されていること,本 納税)申告がされているものがあることが認められる。しかし,本件ベンダー覚書及び本件三者間の覚書の内容をみると,それぞれの対象となる製品については,適宜改訂や補充がされる旨が記載されていること,本件ベンダー覚書が,その対象製品について,原告がP1社から購入することを禁じているとまで解することはできないこと,本件対象製品については,平成14年7月1日以降本件各申告2より前までの間に,P1社を輸出者(売手)として原告が輸入(納税)申告をしたことがあったことを認めるに足りる証拠は なく,常に本件各ベンダーを輸出者(売手)として申告していたものと考えられること等の事情に照らせば,前記ア②及び③のような事情があるからといって,直ちに本件三者間の覚書が信用できないということはできないというのが相当である。 そして,前記ア④についてみると,証拠(乙イA21(枝番を含む。),32)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,異議申立て段階では,本件二者間の覚書に基づく主張を行っていたのに対し,本件訴訟では,本件三者間の覚書に基づく主張を行っていることが明らかである。そして,前記(10)ウのとおり,本件二者間の覚書は,平成16年7月ころに,効力発生日を同14年7月1日に遡らせるような形で確認的に作成されたものと認められ,その作成の経緯は明らかでない。さらに,本件三者間の覚書には,効力発生日の記載はあるものの,作成日の記載がなく,他にその成立の日を認めるに足りる証拠もない。したがって,本件三者間の覚書の成立の経緯については明らかでない部分があることは否めない。 しかし,本件三者間の覚書には,各当事者の代表者の署名がされていること,その内容は,P6社が離脱したほかは,平成11年包括申告書に添付されていた旧三者間の覚書の内容を基本的には引き継いで めない。 しかし,本件三者間の覚書には,各当事者の代表者の署名がされていること,その内容は,P6社が離脱したほかは,平成11年包括申告書に添付されていた旧三者間の覚書の内容を基本的には引き継いでいるものであるといえることに,前記(1)から(10)までのとおりの経緯を併せ考慮すると,本件三者間の覚書は,各当事者がその内容を承知した上でその効力発生日のころに作成されたものであると認めるのが相当である。 ウ次に本件ベンダー覚書についてみると,確かに,被告の主張するとおり,被告が本件審査請求時までに原告から入手したという本件ベンダー覚書 (P9社につき乙イA39,P7社につき乙イA40,P8社につき乙イA48,P10社につき乙イA49)と原告が本件訴訟において提出した本件ベンダー覚書(P9社につき甲イ5の1,P7社につき甲イ5の2,P8社につき甲イ5の3,P10社につき甲イ5の4)とでは,その字体や配字が若干異なることが認められる。また,署名についても,同一人物の署名であることは認められるものの,特に署名欄に日付の記載のあるP8社(2002年6月21日付け)及びP10社(2002年6月24日付け)のものについては,その配置等が異なり,同一の機会に署名されたものではないのではないかとの疑念を払拭しきれない。他方で,いずれについても文書の内容に違いはなく,P9社及びP7社の最高財務責任者の宣誓供述書(甲イ34,35)には,P9社及びP7社においては,立会人同席の下,いずれも副社長の職にある者が本件ベンダー覚書2通に署名し,1通をP9社又はP7社が,もう1通は原告が保管したとの記述があることからすると,その経緯はともかく,本件ベンダー覚書が,原告と本件各ベンダーとの間で作成されたこと自体は,間違いないと解されるところである。 又はP7社が,もう1通は原告が保管したとの記述があることからすると,その経緯はともかく,本件ベンダー覚書が,原告と本件各ベンダーとの間で作成されたこと自体は,間違いないと解されるところである。 なお,この点について,原告は,本件ベンダー覚書は,本件各ベンダーについて2通ずつ作成され,1通は日本で,もう1通は米国でプリントアウトされたことから,プリンターの違い等により,上記のような違いが生じてしまったにすぎないと主張するところ,双方がそれぞれ保管する原本に署名する必要があることからすると,それぞれが別のプリンターで印刷をしたものを交換するということは容易には考え難い。もっとも,そのこ とをもって本件ベンダー覚書の内容のとおりの合意がされたとの事実の存在が左右されるものではないというのが相当である。 エ以上によれば,本件三者間の覚書及び本件ベンダー覚書に記載された内容の合意がされたこと自体については,認められるというのが相当である。 2 争点①―1(原告とP1社の間に売買が認められるか,それとも,P1社は原告の代理人であると認められるか。)について(1)ア前記1に認定したところによれば,原告,P1社及び本件各ベンダーとの間においては,平成14年7月1日以降,本件対象製品について,本件三者間の覚書(又はその内容を確認した本件二者間の覚書)及び本件ベンダー覚書により,原告がP1社を代理人として本件各ベンダーから購入する旨の合意が成立していたものと認められる。これらの合意の内容だけを見れば,原告が主張するように,P1社は,原告を代理して原告のために本件各ベンダーから本件各輸入貨物を購入しているということ,すなわち,本件各ベンダーと原告との間に売買が成立するということになって,関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」も を代理して原告のために本件各ベンダーから本件各輸入貨物を購入しているということ,すなわち,本件各ベンダーと原告との間に売買が成立するということになって,関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」も本件各ベンダーと原告との間の取引であり,同項に基づいて計算される課税価格は,本件各ベンダーが請求する製品の代金に同項が規定する運賃等の額を加えた価格であるということになりそうである。 イもっとも,関税の目的は,貨物の輸入の段階で租税を課すことにより国庫収入を確保するとともに,財貨の本邦への移動を制限することにより国内産業を保護することにあると解されるところ,関税評価協定1条及び関税定率法4条1項において,関税の課税価格を原則として現実支払価格に 一定の加算要素を加えた価格としたのは,貨物について公正,画一的かつ衡平な関税評価をし,恣意的な,又は架空の課税価格が用いられないようにするため,関税評価の基礎として,可能な限り貨物の取引価格を用いるとの趣旨であると解されるから(関税評価協定前文参照),上記の関税の目的も考慮すると,関税定率法4条1項にいう「輸入取引」に当たる取引とは,現実に当該輸入貨物が本邦へ輸入されることとなった取引をいうと解するのが相当である。このことは,同項各号において,課税価格を計算するに当たって,輸入貨物が輸入港に到着するまでの運賃,買手により負担される仲介料等,当該輸入貨物に係る特許権等の対価で買手により支払われるもの等を現実支払価格に加算することとして,関税の賦課対象を,当該貨物の輸入時点において本邦外においてもたらされた当該貨物の付加価値全体であって買手が負担するものにできるだけ近いものとしようとしていると解されることにも合致する。したがって,「輸入取引」の認定に当たっては,当該取引における「売手」 もたらされた当該貨物の付加価値全体であって買手が負担するものにできるだけ近いものとしようとしていると解されることにも合致する。したがって,「輸入取引」の認定に当たっては,当該取引における「売手」と「買手」が実質的に自己の計算と危険負担の下に取引を行っているかが重要な要素となるというべきであり,具体的には,「売手」と「買手」がそれぞれ自ら輸入取引における輸入貨物の品質,数量,価格等を取り決め,瑕疵,数量不足,事故,不良債権等の危険を負担するものであることを要するというのが相当であって,これと同様の内容を定めた課税定率法基本通達4-1(1)及び4-2(1)の内容は正当というべきである。 また,本件において,原告は,本件各ベンダーと原告の間に「輸入取引」があり,P1社は,原告から関税定率法4条1項2号イに規定する「買付 手数料」の支払を受ける買付代理人である旨の主張をしているところ,貨物の輸入に当たり,輸入者の「代理人」である旨の合意の下に活動している者が,真実は自らの計算と危険負担の下に実質的には「売手」として活動しているというような実態がある場合には,たとえその者を「代理人」とするような合意があったとしても,その者を「代理人」と認めることはできず,その者を「売手」とする「輸入取引」が輸入者との間にあると認めるのが相当であり,その場合の課税価格は,輸入者からその者に対してされた現実支払価格を基に計算するのが相当というべきである。このことは,解説17.1(乙ロ15)において,申告者から提出された契約書又は書類が代理人と称する者の活動の本質を明確に表しておらず,又は反映していない場合には,事実関係を確定し,代理人と称する者が危険負担をしていないか,自己の計算で活動をしていないか等の種々の要素について検討することが重要で の活動の本質を明確に表しておらず,又は反映していない場合には,事実関係を確定し,代理人と称する者が危険負担をしていないか,自己の計算で活動をしていないか等の種々の要素について検討することが重要であるとされていることからも明らかである(なお,関税評価技術委員会の解説は,関税評価協定の特定部分について追加的な指針を与えることにより,関税評価協定の理解について補完しようとするものであり,加盟国はこれに拘束されるものではないが,加盟国の共通認識として尊重されるべきものと解されているものであり(乙イA58,乙ロ16参照),関税評価に当たってその内容を参考にすることは許されるものというべきである。)。 なお,憲法84条は,「あらたに租税を課し,又は現行の租税を変更するには,法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」として,国民は法律の根拠に基づくことなく租税を賦課されることはないとの租税 法律主義を規定しており,この原則は,国民に対して経済活動における法的安定性と予測可能性を与える機能を果たしていると解されるところ,租税の一種である関税にもこの原則が及ぶことはいうまでもない。しかしながら,上記のとおり,貨物の輸入に当たって,「輸入取引」に当たる取引が誰と誰の間で行われたか,あるいは,契約書等により「代理人」とされた者が,実際に関税定率法において買手が買付手数料(同法4条1項2号イ)を支払う相手方として想定されている代理人としての役割を果たしていたか等について,取引の実態に即して判断することは,具体的な取引行為等が関税法及び関税定率法等の規定に該当する事実か否かについて事実認定をするものにすぎず,租税法律主義に反するものではないというべきである。 (2) そこで,本件各輸入貨物の取引において,P1社が現実に原告の代理 税定率法等の規定に該当する事実か否かについて事実認定をするものにすぎず,租税法律主義に反するものではないというべきである。 (2) そこで,本件各輸入貨物の取引において,P1社が現実に原告の代理人としての役割を果たしていたか,それとも原告とP1社の間に売買があったと認められるかについて検討する。 ア前記1(10)のとおり,本件各ベンダー,P1社及び原告は,本件三者間の覚書(又は本件二者間の覚書)及び本件ベンダー覚書を交わしており,その記載内容からすると,原告による本件各輸入貨物の輸入は,P1社が原告を代理して本件各ベンダーから行うという形式となっている。本件三者間の覚書,本件二者間の覚書及び本件ベンダー覚書には,合意内容として,おおむね次のような記載がある。 (ア) 本件三者間の覚書(甲イ3)a 原告は,P5製品の独占的卸売販売業者であり,P1社は,P5グ ループのために無形資産の全てを所有し管理し,本件対象製品のフォーミュレーションを開発し所有している。原告及びP1社は,本件三者間の覚書より,本件対象製品の調達,請求,支払及び出荷に関連した取決め並びにP1社が引き受ける一般的な商業リスク及びP1社が原告のために原告を代理して引き受ける商業的責任について合意する。 bP1社は,原告を代理して,原告のために本件対象製品の海外における購入活動を行う。P1社は以下の行為を行う。 (a) 独立した第三者である製造業者からの本件対象製品の調達に関するサービスを提供すること(b) 原告から提供される受注予測及び指示に従い本件対象製品を製造するため製造業者及び売手と購入契約を締結すること(c) 日本市場向けの本件対象製品の特別仕様及びその他の要件を指 (b) 原告から提供される受注予測及び指示に従い本件対象製品を製造するため製造業者及び売手と購入契約を締結すること(c) 日本市場向けの本件対象製品の特別仕様及びその他の要件を指定された製造業者に通知すること(d) 原告の指示に従い,本件対象製品の日本特別仕様包装及び出荷を手配すること(e) 原告のために取引及びその他製造業者との連絡を支援すること(f) 本件三者間の覚書の趣旨に合致するその他の原告がP1社に適宜要請するその他調達に関するサービスを行うことcP1社は,原告から指示された注文を変更したりキャンセルしたりすることはできず,原告からの指示があって初めて変更やキャンセルができる。P1社は価格交渉を行う。 dP1社は,品質管理サービス等を提供する。 eP1社は,全ての技術情報,本件対象製品の仕様書その他の製造のノウハウを第三者である製造業者に提供する。 fP1社が全ての無形資産を有している間は,原告は適宜日本市場の動向及び各種要件を伝えるものとするが,P1社は適宜新製品の研究,開発及びデザインを行う。 gP1社は国際輸送を手配し,本件対象製品に関する米国その他の外国からの日本への自家保険手続を行う。P1社は原告からの通知を受けた際に,原告を代理して輸送中に生じた商品の損失及び損害の求償を行い,発生したコストを原告に返還する手続を迅速に行わせる責任を有する。これらの活動を行うに当たり,原告は,P1社に対し,製品が輸送中の間は製品に責任を有し,その損失又は損害のリスクを引き受けるよう指示する。すべての国際運送について,P1社は原告に対しその費用を請求する。 h 原告は適宜P1社に対して ,製品が輸送中の間は製品に責任を有し,その損失又は損害のリスクを引き受けるよう指示する。すべての国際運送について,P1社は原告に対しその費用を請求する。 h 原告は適宜P1社に対して本件三者間の覚書で合意されたサービス以外の追加的なサービスを要求することができる。これらのサービスには,マーケティング,法律,財務,予算及び戦略的開発,情報システム・インフラストラクチャー,ノウハウの提供及び会社経営アドバイスに関するサービス等が含まれるが,これらに限定されるものではない。また,このサービスには製品及び保証に関する販売業者又は顧客からの苦情のような顧客サービスの管理も含まれる。P1社は,原告に対し,付加的なサービスの対価として,当該サービスの提供に係 る費用と適切なマージンを合計した金額を請求する。 iP1社は原告に対し,製品代金及び原告を代理して行う製品の海外における購入に係るP1社のサービス料金を日本円で請求する。 (イ) 本件二者間の覚書(甲イ9,乙イA32)a 原告は,本件対象製品の供給につき,独立の製造業者とそれぞれ取り決めを交わす。 bP1社は,原告の代理として活動する。P1社は,本件対象製品の米国での購入につき原告を代理し,原告からの指示の下,独立の製造業者からの製品の調達に関連したサービスを提供するものであり,それを行うために,製造業者に製品の種類及び数量に関する原告の要求を伝える。 cP1社は,原告からの特定の要求に応じて製品調達に関するサービスを提供する。 dP1社は,製品の輸送及び保険の手配について責任を負う。したがって,製品が原告に引き渡されるまでは,P1社は,製品の滅失及び損失についてリスクを負い,輸送費及び保険費用を原告に請求する。 eP1社は原告に対し の輸送及び保険の手配について責任を負う。したがって,製品が原告に引き渡されるまでは,P1社は,製品の滅失及び損失についてリスクを負い,輸送費及び保険費用を原告に請求する。 eP1社は原告に対し,製品代金及び米国での製品購入につき原告を代理したことに関するサービスの対価を日本円で請求する。 f 原告は,P1社に対し,適宜,追加サービスを要求することができ,P1社が行った追加サービスについては,P1社は原告に対し,当該サービスの費用相当分と適切なマージンを請求する(なお,当該追加サービスの内容は,別紙に記載されており,例えば,日本向け特別包 装及び出荷の手配,製造業者への送金,原告に代わって製造業者及び売手と購入契約を結ぶこと,P5グループの無形財産の所有及び管理,製品の研究及び開発,原告の財政的に健全で法令を遵守した事業の維持のための管理サポートなどが挙げられている。)。 (ウ) 本件ベンダー覚書(甲イ5の1から4まで,乙イA39,40,48,49)a 原告と本件各ベンダーは,日本市場向けの本件対象製品に関する調達,請求,支払,物流の処理方法及び手順について,書面による確認を行う。 b 原告と本件各ベンダーは,以下のとおり合意する。 (a) 原告は,本件対象製品の荷受人であり買主である。 (b) 原告は,P1社を介して本件対象製品の発注をし,P1社は,原告の予測に基づき特別に調合され包装された本件対象製品を原告のために本件各ベンダーに発注する。本件各ベンダーは,P1社からの注文を受け次第,原告の代理人としてのP1社と本件各ベンダーとの間で結ばれた取決めに従って,最終的に日本に向けて出荷される本件対象製品の供給の手配を行う。 (c) 本件対象製品は,原告向けに特 け次第,原告の代理人としてのP1社と本件各ベンダーとの間で結ばれた取決めに従って,最終的に日本に向けて出荷される本件対象製品の供給の手配を行う。 (c) 本件対象製品は,原告向けに特別に調合,包装及びラベル貼りをされたものとする。 (d) 現在の商業上の取決めに従い,本件各ベンダーは,本件対象製品の代金を米国ドル建てでP1社に請求する。 イまた,前記アの本件各輸入貨物の取引に関してやり取りされている文書 及びその記載内容は,次のとおりである。 (ア) 原告は,P1社に対し,本件各輸入貨物の品名,配送希望日,品目ごとの数量,単価,合計金額及び発注日を記載した発注確認書を送付する。上記発注確認書には,P1社から購入し(Purchasevia),原告に出荷される(Deliverto)旨が記載され,単価については,前記1(11)のP1社と原告との間の価格改定の合意に基づく金額が日本円で表示されている。上記発注確認書は,1か月分ずつ取りまとめて送付されている。 (乙イA5の1から3まで)(イ) P1社は,本件各ベンダーに対し,原告からの発注確認書に記載されている本件各輸入貨物について,発注書を発行する。当該発注書には,製品の単価が米国ドルで記載され,出荷先は原告とされていて,原告が確認した(Authorizedby)旨の記載がされている。(別紙輸入目録1―1の整理番号3の輸入貨物につき甲イ47)(ウ) 前記(イ)の発注書の送付を受けた本件各ベンダーは,本件各輸入貨物を出荷するとともに,仕入書(ベンダーインボイス)を発行する。 類型Ⅰの輸入貨物及び類型Ⅱの輸入貨物である別紙輸入目録1-2の整理番号267から269までに係る各ベンダーインボイスには,原告のために原告を代理して購入する 書(ベンダーインボイス)を発行する。 類型Ⅰの輸入貨物及び類型Ⅱの輸入貨物である別紙輸入目録1-2の整理番号267から269までに係る各ベンダーインボイスには,原告のために原告を代理して購入するP1社に対して売却する旨(Soldto:P1, buyingforandonbehalfof P20)及び原告に向けて出荷される旨(Shipto: P20)が記載されている。また,本件各ベンダーからは,運送人渡条件(FCA)であること並びに運賃及び保険料を加えた金額を請求することが明らかにされている。ただし,P10社のベン ダーインボイスには,P1社を売却の相手方ではなく請求の相手方(Billto)としているもの(甲イ1の336,337,339,453,454,457)もある。(甲イ1の1から262まで,267から516まで,弁論の全趣旨)他方,類型Ⅱの輸入貨物及び類型Ⅲの輸入貨物(ただし,整理番号267から269までを除く。)の各ベンダーインボイスには,原告に対して売却する旨(Soldto: P20)及び原告に向けて配送される旨(Shipto: P20)が記載されており,類型Ⅰの輸入貨物と同様に,運送人渡条件であること並びに運賃及び保険料を加えた金額を請求することが明らかにされている。(甲イ1の263から266まで)(エ) 類型Ⅰの輸入貨物については,P1社が原告に向けて発行したインボイスが税関に提出されているところ,そこには,前記(ア)の発注確認書と同様に,運送人渡条件(FCA)であること並びに運賃及び保険料を加えた金額を請求することが明らかにされ,前記1(11)に掲げられた各貨物の単価に数量を乗じた金額に運賃及び保険料を加算した金額が請求金額として記載されている。(本件貨物1-1,1-2及び 保険料を加えた金額を請求することが明らかにされ,前記1(11)に掲げられた各貨物の単価に数量を乗じた金額に運賃及び保険料を加算した金額が請求金額として記載されている。(本件貨物1-1,1-2及び1-4につき乙イB1から262,270から516までの各枝番2)ウ他方,前記アのようなP1社が原告を代理して本件各ベンダーから購入するという形式によるP5製品の輸入は,○○及び○○について平成11年包括申告書を提出した後から採られたものであり(ただし,当時は,P6社も介在しており,同社も原告の代理人としての立場に立つ旨の合意がされていた。),それ以前においては,原告はP1社から製品を購入する という形式を採っていたものである。そうすると,本件各輸入貨物の取引が真にP1社を代理人として行ったものであると認められるか否かを判断するに当たっては,原告が平成11年包括申告書を提出するより前の取引の実態(前記1(1)のとおり,当時はP1社と原告の間に「輸入取引」があるものとして,両者間の取引価格に基づいて課税価格を計算していた。)と本件各輸入貨物の取引の実態とにどのような差異があるかを検討することが必要である。 そして,平成11年包括申告書を提出するより前の取引の実態は,原告が横浜税関に対して提出した7月7日付け照会文書からうかがい知ることができる。それは,前記1(3)のとおり,原告は,7月7日付け照会文書の提出及び同日の横浜税関との面談において,それまでの取引形態のまま,P1社インボイスに記載された価格ではなく,製造業者のインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算することができないかについて横浜税関に相談をしたという経緯があるためである。 そして,平成11年包括申告書の提出より前のP5製品の取引形態及び イスに記載された価格を基に課税価格を計算することができないかについて横浜税関に相談をしたという経緯があるためである。 そして,平成11年包括申告書の提出より前のP5製品の取引形態及び関連する文書の記載は,おおむね次のとおりであったと認められる(乙イA45(枝番を含む。))。 (ア) 原告が日本国内で販売するP5製品は,米国の製造業者からP1社,P6社,原告の順に順次売買されていた。 (イ) 代金等の請求の流れは,製造業者がP1社にFOB(本船渡し)条件で代金を請求し,P1社はその額に各種実費とマージンを上乗せしてP6社に請求し,P6社はこれにマージンを上乗せして原告に請求する というものであった。 (ウ) 本件対象製品に含まれる○○及び○○は,P1社が製造業者に注文する時点で既に日本市場向けに特別に調合,指定及び梱包するように注文されており,製品の物流は,製造業者から直接原告へ輸出されるか,製造業者から米国内の輸出用梱包倉庫業者を経由するのみで原告に輸出されるというものであった。 (エ) P1社が請け負う機能として,日本市場向け完成品の供給元の確保,P6社のための製造業者への製品仕入代金の支払,P6社の代理としての製造業者との売買契約締結,輸送のコーディネート,製造業者への技術的データ,製品の調合フォーミュレーション,その他の生産ノウハウの提供,原告が支払う国外へのコミッション・ライセンス料に関する為替リスクの負担等があった。 また,P6社が果たす機能として,完成品の供給元の確保,原告の指示の下に行う製品の紛失,損傷その他不良品や返品に関するクレーム処理,原告のためのP1社に対する仕入代金の支払,日本に到着するまでの紛失及び損傷リスクの負担,米国ドルで調達し日本円 の確保,原告の指示の下に行う製品の紛失,損傷その他不良品や返品に関するクレーム処理,原告のためのP1社に対する仕入代金の支払,日本に到着するまでの紛失及び損傷リスクの負担,米国ドルで調達し日本円で請求することによる為替リスクの負担,劣化又は期限切れ製品のリスクの負担等があった。 (オ) 製造業者のインボイスには,請求先としてP1社が,出荷先(Shipto)として原告が,それぞれ記載され,製品代金が米国ドル建てで記載されていた。他方,P6社インボイスには,代金及び諸費用が日本円で記載されていた。 エところで,原告による他の本邦市場向け貨物の輸入に当たっては,前記ウのとおりの平成11年包括申告書提出より前の本件対象製品の取引と同様の方法により(ただし,P6社を介さないものとして)行われており,また,原告とP1社の間の取引を「輸入取引」として,課税価格の計算をして輸入(納税)申告をしている(乙イA6の1,弁論の全趣旨)のであるから,本件各輸入貨物の取引の実態を判断するためには,他の本邦市場向け貨物の取引実態との比較をすることが有益である。 そこで,他の本邦市場向け貨物の取引に係る文書等をみると,次のとおりであると認められる。 (ア) 本件卸売販売契約書(乙イA22)の内容原告とP1社は,平成14年7月1日,原告が日本国内で独占的に販売するP5製品の取引に関し,本件卸売販売契約を締結した。なお,原告の主張によれば,本件卸売販売契約は,原告とP1社の間の基本契約に相当するものであり,本件三者間の覚書又は本件二者間の覚書に規定のないものについては,本件対象製品についても適用されるものであるという。 本件卸売販売契約書には,以下のような記載がある。 a 原告 件三者間の覚書又は本件二者間の覚書に規定のないものについては,本件対象製品についても適用されるものであるという。 本件卸売販売契約書には,以下のような記載がある。 a 原告は,P5製品の独占的卸売販売業者として活動する特権を維持するため,日本におけるP5製品の販売促進,市場展開並びに販売及び流通に必要な安定供給を維持するために求められる数量のP5製品をP1社から,又はP1社を経由して購入する。 b 日本国内へのP5製品の輸入についての輸入許可に関連する手数料 及び費用の全額の支払並びに輸入に関連する関税,物品税及びこれらに関連する政府による賦課徴収金その他の料金又は費用の支払については,原告が責任を負う。 c 原告は,P1社から,又はP1社を経由してのみ,P5製品を調達する。 dP5製品に対して原告が支払う価格は,その都度両当事者間で決定及び合意の上,価格表に記載する。運送料,包装料,輸入税,輸入手数料及び保険料はこれに含まれておらず,原告が負担する。 e 原告が行うP5製品の発注は,P1社に送付する書面による発注又はP1社が承認するその他の手段により行う。発注書には,購入予定の製品,製品が流通する対象国,発注数量及び要求出荷日を記載する。 f 本契約の条件に従って発注及び出荷されたP5製品の所有権及び危険負担は,当該発注書に記載する指定港において原告若しくは原告指定の代理業者に実際に引き渡されるまで,又は原告への所有権及び危険負担の移転につき両当事者が書面により別途合意する時期まで一時的にP1社が留保するものとする。 g 本契約に基づくP1社に対する支払は,日本円で行う。 h 原告は,P1社と協力して,日本の市場規制及び消費者の嗜好に基 途合意する時期まで一時的にP1社が留保するものとする。 g 本契約に基づくP1社に対する支払は,日本円で行う。 h 原告は,P1社と協力して,日本の市場規制及び消費者の嗜好に基づき,日本でのP5製品に対して用いるべき製法及び成分を決定する。 P1社は,P5製品を対象として開発された製法,技術その他の無形財産に対する権利,権限及び利益を全て保有するものとし,かつ原告が提供する役務に対して原告に報酬を支払う。 iP1社の関係者でない製造業者からP1社が調達したP5製品について,P1社は当該製造業者が提供する保証を何らの変更も加えず原告に譲渡する。P1社は,製造業者から調達したP5製品に関して,いかなる保証も行わない。 jP1社と原告の関係は,常に別個独立した委託者と受託者の関係にとどまるものとする。本契約が規定し,又は暗示するいかなる事項によっても,一方の当事者が相手方当事者の法的代表者又は代理人として解釈されるものではない。いずれの当事者も,相手方当事者の名義で,又は相手方当事者を代理して行為を行う権限を有しない。 kP1社は,原告が請求を受けた債務,損失,費用及び損害を賠償し,原告に負担をかけない。ただし,独立のディストリビューターの行為により生じた債務については,P1社は損害賠償義務を負わない。 (イ) 他の本邦市場向け貨物の取引に当たり発行される文書の内容等a 原告は,P1社に対し,発注確認書を送付するが,この発注確認書は,本件各輸入貨物についてのものと同様のものであり,本件各輸入貨物と他の本邦市場向け貨物が同一の発注確認書に混在して記載されている。(乙イA5の1から3まで)bP1社は,他の本邦市場向け貨物についても,原告からの発注確認 ものであり,本件各輸入貨物と他の本邦市場向け貨物が同一の発注確認書に混在して記載されている。(乙イA5の1から3まで)bP1社は,他の本邦市場向け貨物についても,原告からの発注確認書に記載された貨物について,製造業者に発注書を発行し,製造業者は,製品を出荷するとともに,仕入書(ベンダーインボイス)を発行するものと考えられるが,その記載内容を認めるに足りる証拠はない。 cP1社は,原告に向けて仕入書(P1社インボイス。乙イA6の1) を発行する。このP1社インボイスにも,運送人渡条件(FCA)であること並びに運賃及び保険料を加えた金額を請求することが明らかにされ,平成15年価格改定リスト(乙イA23)に記載された単価に数量を乗じた金額に運賃及び保険料を加算した金額が請求金額として記載されている。 オ(ア) 前記アからエまでによれば,本件各輸入貨物の取引において,P1社は,形式上は,原告の代理人として本件各ベンダーとの間で売買契約を締結することとされ(前記ア(ア)b(b),(イ)b,(ウ)b(b)),原告からの製品の種類及び数量の要求に応じてP1社が本件各ベンダーに対し,本件対象製品を発注することとされている(前記ア(ア)b(b),c,(イ)b,(ウ)b(b))。 (イ) しかし,他方で,本件対象製品について,①P1社が本件各ベンダーとの間で価格の交渉を行うものとされている(前記ア(ア)c)が,原告がP1社に対して本件各ベンダーに対して支払う製品代金の指示をする旨の取決めは見当たらない。また,②P1社は,原告との間で,製品の輸送中の責任はP1社が原則として負う旨の合意をしており(前記ア(ア)g,(イ)d),また,原告からP1社に対する支払は,製品代金及びP1社の役務提供の対価について日本円で行う(前記 の間で,製品の輸送中の責任はP1社が原則として負う旨の合意をしており(前記ア(ア)g,(イ)d),また,原告からP1社に対する支払は,製品代金及びP1社の役務提供の対価について日本円で行う(前記ア(ア)i,(イ)e,f)のに対し,P1社から本件各ベンダーに対する支払は,製品代金について米国ドル建てで行う(前記ア(ウ)b(d))とされていて,為替変動リスクはP1社が負うこととなっている。そして,これらのことは,他の本邦市場向け貨物についても同様である(前記エ(ア)g,k)。 また,本件各輸入貨物の取引ごとにやりとりされている文書についてみると,③原告からP1社に対して送付される発注確認書には,「P1社から購入」し,「原告に出荷」する旨が記載されていて,P1社から本件各ベンダーに対しては別途原告が確認した旨が付記された発注書が発行されるところ,(前記イ(ア),(イ)),上記発注確認書には,他の本邦市場向け貨物と混在した形で記載がされている(前記エ(イ)a)。 また,④本件各ベンダーが発行するベンダーインボイスには,類型Ⅰの輸入貨物に係るものには「原告のために原告を代理して購入するP1社に対して売却する」旨が,類型Ⅱの輸入貨物(ただし,一部を除く。)及び類型Ⅲの輸入貨物に係るものには「原告に対して売却する」旨がそれぞれ記載されている(前記イ(ウ))ものの,上記のように記載を変更したのは,税関から本件貨物1―1,1-2及び1-4に係る輸入取引はP1社が本件各ベンダーから購入した貨物を原告に輸出する取引ではないかとの疑念が示されていたことから,その疑念を払拭するためであり,実際の取引には何ら変更はなかったと認められる(乙イA31)。 そして,⑤類型Ⅰの輸入貨物についてP1社が発行したインボイスには,前記1(11)のとおりP1社と原告 ら,その疑念を払拭するためであり,実際の取引には何ら変更はなかったと認められる(乙イA31)。 そして,⑤類型Ⅰの輸入貨物についてP1社が発行したインボイスには,前記1(11)のとおりP1社と原告の間で合意された製品ごとの単価として価格改定合意書に記載された単価が日本円で記載され,本件各ベンダーに支払う製品代金は記載されていない(前記イ(エ))。 さらに,本件各輸入貨物に係る取引と平成11年包括申告書の提出より前の本件対象製品に係る取引とを比較してみると,⑥製品がP1社を通さず,直接又は倉庫業者等のみを介して原告に送付されること(前記 イ(イ),(ウ),ウ(ウ),(オ)),製造業者からP1社への請求は米国ドル建てで,P1社又はP6社から原告への請求は日本円でされること(前記ア(ア)i,(イ)e,f,(ウ)b(d),ウ(オ)),製品が日本に到着するまでのリスク及び為替リスクの負担はP1社又はP6社が負っていること(前記ア(ア)g,(イ)d,ウ(エ))等において変更がない。確かに⑦平成11年包括申告書の提出より前には,製造業者がP1社に対してFOB条件で代金を請求していたもの(前記ウ(イ))を,本件各輸入貨物についてはFCA条件に変更している(前記イ(ウ))が,他の本邦市場向け貨物についてもFCA条件で請求されており(前記エ(イ)c),上記変更が,取引形態の実質的な変更に伴うものとは考え難い。 (ウ) 前記(イ)①から⑦までの事情によれば,原告による本件各輸入貨物の輸入におけるP1社と原告との関係は,平成11年包括申告書の提出より前の本件対象製品の輸入におけるP1社及びP6社との関係又はあるいは他の本邦市場向け貨物の輸入におけるP1社と原告との関係と実質的に変わるものではなく,P1社は,自己の計算と危険負担の下に原告と り前の本件対象製品の輸入におけるP1社及びP6社との関係又はあるいは他の本邦市場向け貨物の輸入におけるP1社と原告との関係と実質的に変わるものではなく,P1社は,自己の計算と危険負担の下に原告と取引を行っていたと認めるのが相当である。 このことは,平成16年4月30日,同年10月29日及び同年11月30日に原告からP1社に対して送金するに当たり,BSE問題に起因する返品に相当する代金を,本件各輸入貨物についても,他の本邦市場向け貨物についても,同様にP1社インボイス記載の価格に基づき減算しており,正にP1社が返品のリスクを負担していること(乙イA12,13(いずれも枝番を含む。)),原告の平成15年1月1日から 同年12月31日までの事業年度の法人税の確定申告において,国外関連者であるP1社との取引状況欄に,棚卸資産の売買の対価及び無形固定資産の使用料の記載はあるものの,役務提供の対価が記載されておらず(乙イA2),原告自身,P1社との取引は,P1社から買付代理人等としての役務の提供を受けるというものではなく,売買契約の相手方としての取引であると認識していたものと解されること,前記1(1)のとおり,P2社及び原告は,製造業者が発行するインボイスに記載されている価格を基に課税価格を計算することができないかを検討する中で,P1社を代理とする形式を採ることとしたという経緯があること,P1社が売手という立場から原告の代理人という立場に変更になったとしながら,P1社が行う役務の内容に具体的にいかなる変更があったのか明らかでないこと等からも明らかというべきである。 (エ) なお,甲イ34及び35には,本件各ベンダーが原告及びP2社からの申入れに応じて,旧二者間の覚書及び本件ベンダー覚書の締結に応じた際,本件対象製 と等からも明らかというべきである。 (エ) なお,甲イ34及び35には,本件各ベンダーが原告及びP2社からの申入れに応じて,旧二者間の覚書及び本件ベンダー覚書の締結に応じた際,本件対象製品に関しては,法的には原告に対してのみ請求でき,P1社には請求できないことを理解していた旨の記載があるが,同時に,P5グループとの長い付き合いがあったことから支払については懸念を持っていなかった旨の記載もあるのであって,本件各ベンダーは,本件対象製品についても,取引の実態に実質的な変更はないものと認識していたと解するのが相当である。 カ以上によれば,本件各輸入貨物の取引にいては,P1社が原告の代理人としての役割を果たしていたと認めることはできず,原告とP1社との間 に売買があったと認めるのが相当である。 (3)アこれに対し,原告は,P1社が本件各ベンダーに対して,本件各輸入貨物を購入する意思表示を原告を代理しての意思表示であることを示して行ったこと,及び原告がP1社に対して本件各輸入貨物を購入する権限を付与していたことという代理の要件が充足されているかが本件の主要な争点であり,これらが充足されていないことの立証が被告によってされない限り,代理の要件が充足されていることになるから,P1社が原告の代理人として本件各ベンダーと売買を行ったことになるのであり,また,原告とP1社との間には私法上の法律関係としての売買が存在しないのであるから,原告とP1社との間に売買があるとしてこれを関税定率法4条1項にいう「輸入取引」とすることは許されない旨の主張をする。 確かに,前記(1)アのとおり,本件においては,本件三者間の覚書及び本件ベンダー覚書により,原告からP1社への代理権の授与がされ,それに基づきP1社が原告の代理人とし ない旨の主張をする。 確かに,前記(1)アのとおり,本件においては,本件三者間の覚書及び本件ベンダー覚書により,原告からP1社への代理権の授与がされ,それに基づきP1社が原告の代理人として本件各ベンダーから本件各輸入貨物を購入するような形式が整えられている。しかし,関税定率法4条1項にいう「輸入取引」に該当する取引が誰と誰の間の取引であるかについては,外形的な文書のやり取りのみでなく,取引の実態に即して判断すべきであることは前記(1)イのとおりであって,形式的に代理の要件が備わっているからといって,その形式に沿った取引しか存在しないものと扱わなければならないことにはならないのであって,反対に,実質的に存在する取引をもって「輸入取引」であるとすることが,架空の取引を対象として課税することにはならないことはいうまでもない。 なお,原告は,仮に代理の成立が認められないとしても,表見代理又は無権代理の追認の法理により,本件各輸入貨物の売買契約の効果が本件各ベンダーと原告との間に帰属する旨の主張をし,その結果,本件各ベンダーと原告との間の売買が「輸入取引」となる旨の主張をするようである。 しかし,表見代理又は無権代理の追認の法理は,代理権を有しない者が代理人と称して行為をした場合等にその行為の相手方が本人に対して私法上の請求をすることができるか否かという場面で問題となるものであって,本件のように,輸入取引に係る関税の課税価格を決するための「輸入取引」に該当する取引について事実認定をする場合とは,場面を異にするというべきであるから,上記主張は採用できない。 イまた,原告は,原告とP1社は,買付代理人としてのP1社が提供する役務の内容を本件三者間の覚書で合意しており,その対価を「一定の円価格マイナス本件各ベンダー から,上記主張は採用できない。 イまた,原告は,原告とP1社は,買付代理人としてのP1社が提供する役務の内容を本件三者間の覚書で合意しており,その対価を「一定の円価格マイナス本件各ベンダーからの米国ドル建て購入価格の円換算額」として合意したとして,P1社が買付代理人であることは明らかである旨の主張をする。しかし,買付代理人としての役務の提供の対価を上記のような方法で決定し,役務の提供を依頼した買手が役務の内容とその対価との関係を承知していないというのは,不自然といわざるを得ない。他方で,原告は,ベンダーインボイスに記載された価格に基づき課税価格を計算すべきであると主張する中で,原告からP1社に支払われた金額のうちベンダーインボイスに記載された価格を超える部分は,買付代理人としての役務の提供に係る部分と,本件各輸入貨物の売買契約の締結と履行に関係しない役務の提供に係る部分がある旨の主張をするが,そのような明確に性格 が異なるものについて,その内訳を明らかにせずに原告に支払を求めるというのも不自然である。したがって,原告の上記主張は採用できない。 ウさらに,原告は,本件各ベンダーへの売買代金とP1社に対する役務提供の対価を売上原価として計上したり,確定申告書において棚卸資産の売買対価として記載したりしていても,そのような事後的な事実によって,原告とP1社との関係が左右されるものではない旨の主張をする。しかし,上記のような事情があったことに,証拠(乙イA37,38の1及び2)によれば,原告の経理部長であったP18は,P1社が買付代理人であるとの認識を有していたものではないと認められることも併せ考慮すると,原告において,P1社への支払額について上記のような処理をしていたのも,P1社が買付代理人であるとの認識をしていなか 付代理人であるとの認識を有していたものではないと認められることも併せ考慮すると,原告において,P1社への支払額について上記のような処理をしていたのも,P1社が買付代理人であるとの認識をしていなかったためであると解されるところであって,このことは,P1社が実質的には売手であったことを推認させる重要な根拠となるというべきであり,原告の上記主張は採用できない。 エ加えて,原告は,本件各輸入貨物の取引と他の本邦市場向け貨物の取引とで,発注確認書の記載等において違いがないからといって,本件各輸入貨物について本件各ベンダーと原告の間の売買を否定することにはならないし,価格改定の合意も別個の理由により行われている旨の主張をする。 しかし,発注確認書の記載等に違いがないことは,取引形態が異ならないことを推認させる重要な根拠ということができる。また,他の本邦市場向け貨物についてP1社と原告との間で価格改定の合意がされた際に作成された平成15年価格改定リストには本件対象製品が含まれている(乙イ A23の1,2)上,原告は,本件各輸入貨物2についての更正の請求等をした際には,上記の他の本邦市場向け貨物が含まれている製品ごとの価格リストを横浜税関に提出している(乙イA33,弁論の全趣旨)のであるから,本件対象製品についての価格合意に関する価格決定合意書が別途作成されている(乙イA10の1及び2,乙イB517,518)からといって,これらについての取引形態が異なっていたと認めることはできず,原告の上記主張は採用できない。 3 争点①―2(ファースト・セール理論により,本件各ベンダーとP1社の間の売買を「輸入取引」とすべきか。)について(1) 原告は,原告とP1社との間に売買が存在するとした場合でも,いわゆるファースト・セー ファースト・セール理論により,本件各ベンダーとP1社の間の売買を「輸入取引」とすべきか。)について(1) 原告は,原告とP1社との間に売買が存在するとした場合でも,いわゆるファースト・セール理論により,本件各ベンダーとP1社との間の売買契約が関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」であり,ベンダーインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算するべきであると主張する。 原告が主張するファースト・セール理論とは,関税定率法4条1項に規定する「輸入貨物に係る輸入取引がされた時」とは,関税評価協定1条1項に規定する「輸入国への輸出のために販売された時」と同義であり,輸入貨物が輸入国市場向けに特別に製造され,複数の売買取引を経て輸入されるに至った場合には,当該貨物が輸出されることが確定した時点以後の最も安い取引価格,すなわち,流通経路の最初の取引価格を関税評価の基礎とするというものである。 (2) そこで,「輸入貨物に係る輸入取引がされた」又は「輸入国への輸出のために販売された」の意義について,関税評価技術委員会における議論の状況 をみると,勧告的意見14.1には,貨物の実際の国際移動を伴う取引がこれに該当する旨の記載があり,また,解説22.1では,上記勧告的意見によっても「輸入国への輸出のために販売された」の意味は明確にされていないとした上で,「通常,買手が輸入国に所在すること及び現実に支払われた又は支払われるべき価格が当該買手により支払われる価格に基づくことが(関税評価協定)第1条の基礎的前提とされている。」,また,「一連の販売における輸入国への輸出のために販売される場合の輸入貨物の現実に支払われた又は支払われるべき価格は,前段階の販売ではなく,輸入貨物を輸入国に持ち込む前に行われた直近の販売を基に決定される 一連の販売における輸入国への輸出のために販売される場合の輸入貨物の現実に支払われた又は支払われるべき価格は,前段階の販売ではなく,輸入貨物を輸入国に持ち込む前に行われた直近の販売を基に決定される」としている。 ところで,関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」に当たる取引とは,現実に当該輸入貨物が本邦へ輸入されることとなった取引をいうと解するのが相当であり,同法は,関税の賦課対象を,貨物の輸入時点においてもたらされた当該貨物の付加価値全体であって買手が負担するものにできるだけ近いものとしようとしていると解されることは,前記2(1)イのとおりである。 そうすると,輸入貨物が本邦に輸入されるまでの間に複数の売買取引があるような場合には,たとえその複数の取引の当初の段階から当該貨物が本邦向けに輸出されることを前提としたものであったとしても,「輸入取引」に当たるのは,当該貨物が本邦の領域内にもたらされる現実の取引をいうと解するのが相当であり,それと同旨の解説22.1の結論は妥当なものということができる。なお,解説22.1は,本件各更正処分等及び本件各通知処分の後に採択されたものであるが,その内容が相当である以上,採択の前後を問わず当該解説の内容を参考にすることは許されるというべきである。 (3) これに対し,原告は,ファースト・セール理論は,課税価格の評価の基礎として複数の選択肢があり得る場合には最も安い価格を選択することとしている関税評価協定の精神にかなう旨の主張をする。しかし,原告がその根拠として挙げる関税評価協定2条,3条,5条及び7条は,いずれも,どの取引を「輸入取引」と捉えるかについて規定したものではなく,輸入取引がされたが現実支払価格により課税価格を決定できない場合に,課税価格をどのように計算すべきかについ ,5条及び7条は,いずれも,どの取引を「輸入取引」と捉えるかについて規定したものではなく,輸入取引がされたが現実支払価格により課税価格を決定できない場合に,課税価格をどのように計算すべきかについて規定したものであって,関税評価協定や関税定率法において,課税価格の計算に当たって最も安い価格を選択することとしているものがあるとしても,そのことによって複数の取引の末に本邦に輸入された貨物について「輸入取引」とすべき取引を,最も安価での取引と解すべきことには直ちにはならないというべきである。 また,原告は,ファースト・セール理論を採用しないということにした場合には,製造業者と本邦の購入者との間に中間者を介在させる(この場合には,購入者から中間者に支払われる価格が課税価格となる。)のではなく,当該中間者を買付代理人として選任する(この場合には,買付手数料は課税価格に含まれないこととなる。)ことによって,容易に課税価格を低額にすることができてしまうのであるから,ファースト・セール理論を採用しないことの実益がないとして,ファースト・セール理論を採用することが実質的価値判断の観点からも合理的である旨の主張をする。しかし,関税評価協定及び関税定率法における買付代理人は,専ら買手のために買手の計算及び危険負担の下に行動するものであるから,自己の計算及び危険負担の下に行動していた売手(原告が上記主張においていう中間者もこれに該当すると解さ れる。)とは,その果たす役割や買手との関係が異なるのであって,それまで売手として行動していた者に対して単に代理権を付与するような形式を採ることによって,何らその役割等やその者が得る利益等を変更することなく,容易にその者の立場が買付代理人になってしまうようなものではない。したがって,原告の上記主張は採用 理権を付与するような形式を採ることによって,何らその役割等やその者が得る利益等を変更することなく,容易にその者の立場が買付代理人になってしまうようなものではない。したがって,原告の上記主張は採用できない。 なお,原告は,ファースト・セール理論は,米国及びEU諸国において確立しているから,関税評価協定という共通の協定に基づき関税評価を行っている我が国においても,同様の解釈をすべきである旨の主張をする。確かに,証拠(甲イ21,22,28,29)によれば,米国においては,ファースト・セール理論に従ったような実務が行われており,2008年(平成20年)に米国関税当局によって,複数取引がされた場合にはその最終取引における取引価格を課税価格の基礎とする旨の提案がされたものの,それが撤回されたことが認められ,また,証拠(甲イ30,31)によれば,EUにおいては,輸入貨物がEU域内に運び込まれるよりも前の段階の売買取引が,EUに向けて輸出する目的で行われたことが立証された場合には,当該前の売買取引に基づき関税評価をすることができる旨の定めがされていることが認められる。しかし,関税評価が,関税評価協定に基づいてされるべきものであることは当然としても,その解釈は,関税評価協定及び我が国の関税定率法の趣旨等に照らしてされるべきものであり,他国における解釈に直ちに拘束されるものではないところ,関税定率法の解釈上,ファースト・セール理論を採用できないことは前記(2)のとおりであるから,原告の主張は採用できない。 (4) 以上のとおりであるから,ファースト・セール理論を採用することはできないというべきであり,本件各輸入貨物の輸入において関税定率法4条1項にいう「輸入取引」に該当するのは,原告とP1社の間の取引であるというべきである。 ,ファースト・セール理論を採用することはできないというべきであり,本件各輸入貨物の輸入において関税定率法4条1項にいう「輸入取引」に該当するのは,原告とP1社の間の取引であるというべきである。 4 争点②―1(類型Ⅰの輸入貨物について,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができるか。)について(1) 前記3(4)のとおり,本件各輸入貨物については,原告とP1社との間の取引を「輸入取引」として課税価格を計算すべきところ,類型Ⅰの輸入貨物については,P1社インボイスに記載された価格が原告からP1社に対して現実に支払われた価格であると認めることができるから,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することになる。 (2) これに対し,原告は,原告とP1社の間には関税定率法4条2項4号に規定する特殊関係があり,当該特殊関係のあることが本件各輸入貨物の取引価格に影響を与えているため,同条1項を適用することはできず,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することはできない旨の主張をするところ,原告とP1社の間に上記特殊関係があることには争いがない。 しかし,本件各輸入貨物の価格の決定方法について本件三者間の覚書には何ら記載がないものの,本件卸売販売契約書5.3には,P5製品に対して原告が支払う価格は,その都度両当事者間で決定及び合意するとされており(乙イA22),現実にも原告とP1社との間で価格改定の合意を製品ごとにしていること(乙イA10の1及び2,23)並びに原告が上記特殊関係が上記各輸入貨物の取引価格に影響を与えていることについて何ら立証をし ていないことからすると,本件各輸入貨物の価格の決定方法は,一般的な製品の価格の決定方法と異ならないと考えられ,そこに特殊関係による影響が及ん 価格に影響を与えていることについて何ら立証をし ていないことからすると,本件各輸入貨物の価格の決定方法は,一般的な製品の価格の決定方法と異ならないと考えられ,そこに特殊関係による影響が及んでいると認めることはできない。また,原告は,法人税の納税申告に関して,P1社が租税特別措置法(平成14年法律第79号による改正前のもの)66条の4第1項に規定する国外関連者に該当するとして,平成12年10月10日,国税庁長官に対して,P1社を含む国外関連者との独立企業間価格の算定方法に関する事前確認について二国間相互協議の申立てを行い,同15年11月27日に国税庁長官から相互協議の合意について通知を受けているところ,これによれば,P1社と原告との間の棚卸資産に係る取引価格は同条2項所定の再販売価格基準法に基づく独立企業間価格であるとして合意がされていることが認められる。確かに,この合意は,法人税の特例を受けるためのものであり,関税評価を目的としたものではないが,その内容は,原告とP1社との間の販売取引は,両社が特殊関係にあるものの,支配従属関係にない独立した企業間において,取引条件その他の事情が同一又は類似の状況の下で取引が行われたとした場合に成立するであろう対価の額であることを再販売基準法を用いて合意したというものであり,原告とP1社との取引価格が,特殊関係の影響を受けないものであることをうかがわせるものであるということができる。これらの事情に照らせば,原告とP1社の間の本件各輸入貨物の取引価格は,両者の間の特殊関係の影響を受けていないというのが相当である。 なお,原告は,原告とP1社の間の取引に基づき輸入(納税)申告をしている他の本邦市場向け貨物について,現実支払価格による方法によって課税 価格を計算して申告しており,これらの申 相当である。 なお,原告は,原告とP1社の間の取引に基づき輸入(納税)申告をしている他の本邦市場向け貨物について,現実支払価格による方法によって課税 価格を計算して申告しており,これらの申告は,原告とP1社との間の特殊関係が取引価格に影響を与えていないことを前提にしていると解されるところ(乙イA6の1,15の1,41の1,41の2,42の1,42の2),他の本邦市場向け貨物と異なり本件各輸入貨物については特殊関係が輸入貨物の取引価格に影響を与えていることを認めるに足りる証拠はないのであって,原告において,本件各輸入貨物についてのみ取引価格が特殊関係の影響を受けている旨の主張をすることは,一貫していないものと言わざるを得ない。 (3) したがって,類型Ⅰの輸入貨物については,現実支払価格による方法によって課税価格を計算すべきである。 5 争点②―2(類型Ⅱの輸入貨物について現実支払価格による方法によらないことが適法か,また,近接性の要件を満たしているか。)について(1)ア被告は,前記第2の4及び乙ロ20,21の2によれば,類型Ⅱの輸入貨物について,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができないから,関税定率法4条の2に規定する同種又は類似の貨物の取引価格による方法によって課税価格を計算すべきであるとして,本件更正処分等3をするとともに,本件各通知処分のうち区分Bの貨物に係るものをしていることが認められる。これに対し,原告は,類型Ⅱの輸入貨物については,原告とP1社の間に取引があるという以上,現実支払価格による方法によって課税価格を計算しなければならず,類型Ⅱの輸入貨物の現実支払価格はベンダーインボイスに記載された価格と同一の価格である旨の主張をする。 イそこで,前記3及び4の による方法によって課税価格を計算しなければならず,類型Ⅱの輸入貨物の現実支払価格はベンダーインボイスに記載された価格と同一の価格である旨の主張をする。 イそこで,前記3及び4のとおり,原告とP1社との間に「輸入取引」が認められることを前提に,類型Ⅱの輸入貨物について,現実支払価格を認定することができるか否かについて検討する。 類型Ⅱの輸入貨物については,税関にP1社インボイスが提出されておらず,また,前記1(13)アのとおり,平成16年10月26日以降はP1社インボイスを発行しないこととしたというのであり,他に原告からP1社に対して現実に支払われた価格を認定するに足りる証拠はないから,類型Ⅱの輸入貨物についての原告からP1社に対する現実支払価格は明らかでないと言わざるを得ない。 これに対し,原告は,原告によりP1社に対して支払われ,又は支払われるべき価格は,ベンダーインボイスに記載された価格であると主張し,それを裏付けるものとして,別紙輸入目録2―1の整理番号18の貨物(P10社製の○○)について,甲ロ20から27までを提出する。これらによれば,確かに,上記貨物について,2005年(平成17年)2月23日にP1社がP10社に対して発注した貨物の代金に相当する金額が,同年6月30日に原告がP1社に対して行った送金の明細に記載されていることが認められる(ただし,P1社による発注は米国ドル建てであるのに対し,原告による支払は円建てで行われている。)。しかし,原告がP1社に対して上記貨物に関連して支払った金額又は支払われるべき金額が上記のP10社に対する支払額のみであるというのは不自然であるというほかない。すなわち,原告が主張するところによれば,同16年10月26日以降は,P1社インボイスを発行しな 又は支払われるべき金額が上記のP10社に対する支払額のみであるというのは不自然であるというほかない。すなわち,原告が主張するところによれば,同16年10月26日以降は,P1社インボイスを発行しないこととした上で,原告からP1 社に対しては,本件各ベンダーに対してP1社が支払う製品代金相当額の支払をすることとし,P1社による役務の提供の対価については貨物の輸入代金の支払とは切り離して別途協議することとしたというのであり,P1社による役務の提供の対価は,輸入取引に係る取引価格に含まれるものではなく課税価格の基礎とはならないというもののようである。しかし,本件三者間の覚書及び本件卸売販売契約書によれば,原告が本件各輸入貨物を輸入するに当たっては,P1社は,必要な役務の対価及びマージンを原告に請求することとなっているのであって,その提供する役務の内容及びその対価の額に平成16年10月26日の前後で変更があったとは認められないところ,原告は,同日より前には,P1社に対し,P1社インボイスに記載されている価格(これには,P1社による役務提供の対価のほか,P1社が当該輸入取引により得るマージンなども含まれていると解される。)を基にした金額を支払っていたのであって,同日をもって突如として本件対象製品の輸入取引に係る取引価格が下がることについて合理的な説明はされていない。また,P1社が無償で本件対象製品の取引に関与しているとは考え難いところ,別途協議することとしたという原告がP1社に対して支払う役務の提供の対価の額及びその内訳等について実際にどのように協議されたのかを認めるに足りる証拠はなく,その内容が関税定率法4条1項にいう取引価格に含まれるべきものか否かも不明である。原告は,P1社に対し,ベンダーインボイスに記載されている金額以外には うに協議されたのかを認めるに足りる証拠はなく,その内容が関税定率法4条1項にいう取引価格に含まれるべきものか否かも不明である。原告は,P1社に対し,ベンダーインボイスに記載されている金額以外には何ら支払をしていないと主張するが,平成17年6月30日までは契約形態に変更はないというのであるし(甲イ4,乙ロ19,弁論の全趣旨), 同16年10月26日までは,ベンダーインボイスに記載された価格とP1社インボイスに記載された価格との間に約3倍もの違いがあり,P1社はP1社インボイスに記載された金額を受領していたのに,突如としてそれが3分の1になるというのは,合理的な経済活動としては考え難く,また,P1社に対する支払額が大幅に減少したことにより,本邦内における本件対象製品の販売価格が引き下げられるなどしたことを認めるに足りる証拠もないから,上記主張をにわかに信用することもできない。 したがって,類型Ⅱの輸入貨物について原告がP1社に対して支払われ,又は支払われるべき価格は,ベンダーインボイスに記載されている価格であると認めることはできないというべきであり,他に,類型Ⅱの輸入貨物に係る現実支払価格を認めるに足りる証拠もない。 ウそうすると,類型Ⅱの輸入貨物については,原告とP1社との間の取引に係る取引価格を確認することができないから,現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができず,関税定率法4条の2第1項にいう「前条第1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合」に該当するというのが相当である。 これに対し,原告は,関税定率法4条の2第1項にいう「前条第1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合」とは,輸入取引に基づく取引価格が存在しない場合をいうのであっ これに対し,原告は,関税定率法4条の2第1項にいう「前条第1項の規定により輸入貨物の課税価格を計算することができない場合」とは,輸入取引に基づく取引価格が存在しない場合をいうのであって,類型Ⅱの輸入貨物については,取引価格が存在するのであるから,これには該当しない旨の主張をする。確かに,同項の規定の文言及びこれに関連する関税定率法基本通達4-1の2をみると,同項が主として想定しているのは,寄 贈品などの無償貨物,委託販売のために輸入される貨物,賃貸借に基づき輸入される貨物,同一法人の本支店間の取引により輸入される貨物等,輸入取引における取引価格がないために現実支払価格による方法により課税価格を計算できない場合及び同法4条2項に規定する特別な事情がある場合であるようにも読める。しかし,これは,輸入取引により輸入される貨物については,通常は取引価格を示す資料が税関に提出され,これを認定することができるからにすぎず,輸入取引があるにもかかわらずその取引価格を適切に認定することができないような場合に,同法4条の2を適用することを殊更排除しているものと解することはできない。仮にそのような場合に同条の適用がないとなると,輸入取引はあるがその取引価格を適切に認定することができない場合には,課税価格を計算することができないことになって,不合理というべきである。原告は,現実の取引価格と異なる架空の価格を基礎として課税価格を計算することは関税評価協定も関税定率法も想定していないから許されない旨の主張をするが,上記のとおり現実の取引価格が明らかでない場合に,法の規定に従って課税価格を計算することは何ら法令等に違反するものではないというべきであり,原告の上記主張は採用できない。 (2)アそこで,類型Ⅱの輸入貨物については,関税 らかでない場合に,法の規定に従って課税価格を計算することは何ら法令等に違反するものではないというべきであり,原告の上記主張は採用できない。 (2)アそこで,類型Ⅱの輸入貨物については,関税定率法4条の2,すなわち同種又は類似の貨物に係る取引価格による方法により課税価格を決定することになる。 そして,被告は,別表①(製造者インボイス及びP1社インボイスに係る出港日の対応一覧表1)の各「製造者インボイス出港日」欄記載の日を 輸出日とする本件貨物1-3(同表の整理番号は別紙輸入目録1―3記載の整理番号に対応する。)について,同表の「P1社インボイス出港日」欄記載の日を輸出日とする貨物を関税定率法4条の2第1項に規定する同種又は類似の貨物として同貨物についてP1社インボイスを基に計算された取引価格によって課税価格を計算して,本件更正処分等3を行ったものである。また,原告は,区分Bの貨物について,別表②(製造者インボイス及びP1社インボイスに係る出港日の対応一覧表2)の整理番号8から18まで,21から28まで,30から33まで,35から92まで,94から96まで,98から102まで及び104から119まで(これらの整理番号は別紙輸入目録2―1及び2-2記載の整理番号に対応する。)の各「製造者インボイス出港日」欄記載の日を輸出日とするものの,同表の各「P1社インボイスの出港日」欄記載の日を輸出日とする貨物を同種又は類似の貨物として同貨物についてP1社インボイスを基に計算された取引価格によって課税価格を計算して,区分Bの貨物に係る本件各申告2を行ったものである。 そこで,上記の更正処分等及び申告において同種又は類似の貨物とされた各貨物が,対応する本件各輸入貨物の本邦への輸出の日に近接する日に本邦へ輸出された る本件各申告2を行ったものである。 そこで,上記の更正処分等及び申告において同種又は類似の貨物とされた各貨物が,対応する本件各輸入貨物の本邦への輸出の日に近接する日に本邦へ輸出された(関税定率法4条の2第1項)といえるかについて検討する。 イ関税定率法4条の2第1項に規定する「近接する日」は,関税評価協定2条にいう「ほぼ同時」と同義であると解されるところ,その具体的期間については定められていない。また,説明ノート1.1(乙イA26の2) によれば,「ほぼ同時」とは「同時」に幾分の柔軟性を持たせたることを意図しているにすぎないと考えるべきであるとされ,「同時又はほぼ同時」というのは,輸出の日にできるだけ直近で,価格に影響する商慣行及び市場条件が同じ状態である間の一定期間をカバーされるものと解すべきであるとされているが,明確な時間的基準が示されているものでもない。 ところで,関税評価協定及び関税定率法が,輸入貨物について現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができない場合等には,同種又は類似の貨物の取引価格による方法によって課税価格を計算することとしたのは,本邦に輸入された同種又は類似の貨物がある場合には,その経済的価値等がほぼ同一又は類似であると考えられることから,当該同種又は類似の貨物について既に課税価格として用いられた取引価格がある場合には,当該輸入貨物についてもそれを課税価格とすることが相当であり,貨物についての公正,画一的かつ衡平な関税評価のための制度について定めようとする関税評価協定の趣旨にも合致するためであると解される。 そうすると,仮に当該輸入貨物について取引価格が存するとすれば,ほぼ同額の取引価格となる蓋然性が高いといえるような状況の下で輸入された貨物 協定の趣旨にも合致するためであると解される。 そうすると,仮に当該輸入貨物について取引価格が存するとすれば,ほぼ同額の取引価格となる蓋然性が高いといえるような状況の下で輸入された貨物が同種又は類似の貨物であると解するのが相当であり,そのような観点からすると,「近接する日」とは,当該輸入貨物の輸出の日にできるだけ近接していることが望ましいものの,説明ノート1.1にいう「価格に影響する商慣行及び市場条件が同じ状態である間」に輸出されたものである場合にも,ほぼ同額の取引価格となる蓋然性が高いということができ, その場合にも「近接する日」に輸出されたものということができると解される。この点に関し,関税定率法基本通達4の2-1(4)は,「これに近接する日」とは,「おおむね輸出の日の前後1月以内の日とする。」と定めているが,これは一般に輸出の日の前後1月以内の日であれば,ほぼ同額の取引価格となる蓋然性が高いと考えられることから一応の目安を示したものと考えられ,輸出の日の違いが1月を超える場合に同種又は類似の貨物として扱うことが許されないとしたものではないと解される。なお,上記の関税定率法基本通達の定めは,平成19年6月11日財関772号により,「「これに近接する日」とは,輸入貨物の価格に影響を与える商慣行及び市場条件が輸出の日と同じであると認められる期間内の日をいう。 ただし,原則として,輸出の日の前後1月以内の日として取り扱って差し支えない。」と改められたところ,これは,前記のとおりの解釈を明確にしたものであって,取扱いを変更したものではないと解される。 ウそこで,類型Ⅱの輸入貨物に係る本件処分3及び本件各申告2において課税価格の基礎とされた輸入貨物の輸出の日が「近接する日」の要件を満たしているか否かについて検討す のではないと解される。 ウそこで,類型Ⅱの輸入貨物に係る本件処分3及び本件各申告2において課税価格の基礎とされた輸入貨物の輸出の日が「近接する日」の要件を満たしているか否かについて検討する。 前記イのとおり,本件貨物1-3については,その輸出の日と課税価格の計算の基礎とされた輸入貨物の輸出の日との間はおおむね1か月以内であり,整理番号267についてのみ2か月余りとなっている。他方,区分Bの貨物については,その輸出の日と課税価格の計算の基礎とされた輸入貨物の輸出の日との間が1か月以内のものは,整理番号21(ただし,一部のみ),22,26,30,31,35及び36の貨物のみであり,そ の余はいずれも1か月以上である。しかし,本件対象製品の取引の実態についてみると,前記1(11)のとおり,原告とP1社とは,一定期間ごとに製品ごとの支払金額を合意しており,原告はこの合意に基づく金額の支払をしていたものと認められ,取引関係者が原告,P1社及び本件各ベンダーの三者であることや,貨物の発注方法や運送手配の方法等の取引実態にほとんど変更がないものと考えられるところ,類型Ⅱの輸入貨物及びその課税価格の基礎とされた輸入貨物は,いずれも,前記1(11)ウの平成16年価格改定合意書に基づいて輸入されたものと認められる。そうすると,類型Ⅱの輸入貨物及びその課税価格の基礎とされた輸入貨物は,いずれも価格に影響する商慣行及び市場条件が同じ状態である間に輸入されたものと認めるのが相当であり,これらはいずれも「近接した日」に輸入されたものと認められる。 エしたがって,類型Ⅱの輸入貨物について類似又は同種の貨物の取引価格による方法によって課税価格計算すべきものとしてされた本件各更正処分3及び区分Bの貨物に係る本件各申告2は,いずれ れる。 エしたがって,類型Ⅱの輸入貨物について類似又は同種の貨物の取引価格による方法によって課税価格計算すべきものとしてされた本件各更正処分3及び区分Bの貨物に係る本件各申告2は,いずれも適法なものであったと認められる。 6 争点②―3(類型Ⅲの輸入貨物について,現実支払価格による方法によらないことが適法か,また,製造原価からの積算方式又は国内販売価格からの逆算方式によることができるか)について(1) 類型Ⅲの輸入貨物については,税関にP1社インボイスが提出されておらず,また,他にP1社に対して現実に支払われた価格を認定するに足りる証拠はなく,類型Ⅱの輸入貨物と同様,その現実支払価格は明らかでないから, 前記5(1)に判示したとおり,現実支払価格による方法により課税価格を計算することはできないから,関税定率法4条の2以下により課税価格を計算することになる。 そして,類型Ⅲの輸入貨物である別紙輸入目録2-2の整理番号29,34,93,97及び103の輸入貨物と最も近接する日に輸出された同種の貨物(○○)として確認できるのは,別表②の上記整理番号に対応する各「P1社インボイス出港日」欄に記載された日に輸出されたものであるところ,当該輸出において作成されたP1社インボイスには,平成16年価格改定合意書による改定前の平成15年価格改定合意書に記載された価格が記載されているものと考えられる(同合意は,同年1月1日に遡って適用されるとされているが,合意の日である同年8月28日以前に作成されたP1社インボイスには,改定前の価格が記載されていると考えられる。)。したがって,これらの貨物については,関税定率法4条の2第1項の「近接した日」の要件を満たさないことになるから,類型Ⅲの貨物について同種又は類似の輸入貨物 前の価格が記載されていると考えられる。)。したがって,これらの貨物については,関税定率法4条の2第1項の「近接した日」の要件を満たさないことになるから,類型Ⅲの貨物について同種又は類似の輸入貨物の取引価格による方法によって課税価格を計算することはできない。 (2) そこで,関税定率法4条の3第1項の国内販売価格からの逆算方式又は同条2項の製造原価からの積算方式により類型Ⅲの輸入貨物の課税価格を計算することができるかを検討することになるが,原告は,同条3項に基づき,まず製造原価からの積算方式により計算することを要請する旨の主張をするから,製造原価からの積算方式による計算の可否から検討する。 ア製造原価からの積算方式について関税定率法4条の3第2項は,輸入貨物の製造原価を確認することがで きるときは,当該輸入貨物の課税価格は,当該輸入貨物の製造原価に当該輸入貨物の生産国で生産された当該輸入貨物と同類の貨物の本邦への輸出のための販売に係る通常の利潤及び一般経費並びに当該輸入貨物の輸入港までの運賃等(同法4条1項1号に規定する費用)の額を加えた価格とするとして製造原価からの積算方式について定めているところ,原告は,類型Ⅲの輸入貨物について,当該輸入貨物である○○の製造業者であるP8社作成の原価明細(甲ロ1の3)に記載された製造原価,利潤及び一般経費を用いて製造原価からの積算方式による課税価格の計算ができる旨主張する。 しかし,同原価明細は,P8社における製造原価,利潤及び一般経費のみが記載されたものにすぎず,これに基づき製造原価からの積算方式による計算をするというのは,P8社を売手とする輸入取引における取引価格を課税価格とすべきであるとの争点①に係る原告の主張を前提としていると考えられるところ, ず,これに基づき製造原価からの積算方式による計算をするというのは,P8社を売手とする輸入取引における取引価格を課税価格とすべきであるとの争点①に係る原告の主張を前提としていると考えられるところ,そのような原告の主張を採用できないことは,前記2及び3に判示したとおりである。前記2及び3のとおり,本件各輸入貨物については,P1社と原告との間に輸入取引があったと認められるのであるから,類型Ⅲの貨物について製造原価からの積算方式により課税価格を計算する場合に製造原価に加算されるべき「本邦への輸出のための販売に係る通常の利潤及び一般経費」には,P8社に係る利潤及び一般経費だけでなく,P1社に係る利潤及び一般経費が通常の利潤及び一般経費として含まれなければならないというべきである。ところが,○○についてのP1社に係る利潤及び一般経費の額を認定するに足りる証拠はない。 したがって,類型Ⅲの貨物について,製造原価からの積算方式により課税価格を計算することはできないというべきである。 イ国内販売価格からの逆算方式について関税定率法4条の3第1項1号は,輸入貨物に国内販売価格がある場合には,当該輸入貨物の課税価格は,その国内販売価格から①当該輸入貨物と同類の貨物(以下「同類の貨物」という。)の国内販売に係る通常の手数料又は利潤及び一般経費(②に掲げる費用を除く。),②国内で販売された輸入貨物又はこれと同種若しくは類似の貨物に係る輸入港到着後国内で販売するまでの運送に要する通常の運賃,保険料その他運送に関連する費用(以下「通常の運賃等」という。),③国内で販売された輸入貨物又は同種若しくは類似貨物に係る本邦において課された関税その他の課徴金の額を控除して得られた価格とするとして国内販売価格からの逆算方式について 「通常の運賃等」という。),③国内で販売された輸入貨物又は同種若しくは類似貨物に係る本邦において課された関税その他の課徴金の額を控除して得られた価格とするとして国内販売価格からの逆算方式について定めている。 そして,原告は,前記第2の7(5)の原告の主張イのとおり,類型Ⅲの輸入貨物について,国内販売価格から控除すべき上記①の同類の貨物の国内販売に係る通常の手数料又は利潤及び一般経費のうち,利潤に相当するものとして,本件対象製品である9品目の製品についての平成16年及び平成17年上期の営業利益率や経費割合を計算したものを用いることが相当である旨の主張をする。しかし,上記①にいう「同類の貨物」とは,同一の産業部門において生産された当該輸入貨物と同一の範ちゅうに属する貨物をいうとされている(同号イ)ところ,原告が輸入するP5製品には,上記9品目のほか,他の本邦市場向け貨物に係る製品など,本件各ベンダ ーその他の製造業者が製造するものが多数あり,それらの中には,上記「同類の貨物」に該当するものがあると認められる。そうすると,上記9品目のみの「利潤」から一般経費及び利潤を算出することは相当ではなく,他にこれを算出するに足りる証拠はない。 また,原告は,類型Ⅲの貨物について,一般経費として,原告全社の販売費及び一般管理費の売上高に対する割合(経費割合)を算出して,控除すべき一般経費の額を計算する一方で,運送に関連する費用として,商品除却損,仕入商品運搬費,商品発送費,流通諸経費,出荷資材費又は仕入BioTest,COGS-Inventory に計上されている各年度の費用合計を各年度の売上数量で除した割合から算出した額を控除する旨主張しているところ,これらの費用に相当するものが,販売費及び一般管理費に含まれていないことについての合理 に計上されている各年度の費用合計を各年度の売上数量で除した割合から算出した額を控除する旨主張しているところ,これらの費用に相当するものが,販売費及び一般管理費に含まれていないことについての合理的な説明はされていない。 以上に照らせば,原告が主張する方法によっては,国内販売価格からの逆算方式による適正な課税価格の計算はできないものというのが相当であり,他にこれを適正に計算するに足りる証拠はない。 (3) 以上のとおりであるから,類型Ⅲの輸入貨物については,製造原価からの積算方式によっても国内販売価格からの逆算方式によっても課税価格を計算することはできない。 そうすると,類型Ⅲの輸入貨物については,関税定率法4条の4により関税定率法施行令1条の11に定める方法により課税価格を計算すべきことになる。そして,証拠(乙ロ4から7までの各枝番1から3まで)及び弁論の全趣旨によれば,類型Ⅲの輸入貨物についての輸入(納税)申告は,同種貨 物の取引価格を平成15年価格改定リストに記載された製品単価3233円から平成16年価格改定合意書に記載されるべき価格を算出して製品単価2568円として課税価格を計算してされていることが認められ,これは,同条に定める価格差につき必要な調整を行って課税価格を決定することによりされたものと認められる。なお,前記1(11)ウによれば,平成16年価格改定合意書に記載された○○の単価は2568円であると認められるから,結局原告が申告に当たり計算したその課税価格は適正なものであったということができる。 したがって,類型Ⅲの輸入貨物に係る輸入(納税)申告は,適法にされたものというべきである。 7 争点③(被告には,本件各更正処分等について信義則違反が認められるか。)について(1) 原告は したがって,類型Ⅲの輸入貨物に係る輸入(納税)申告は,適法にされたものというべきである。 7 争点③(被告には,本件各更正処分等について信義則違反が認められるか。)について(1) 原告は,横浜税関が,原告との協議の結果,原告を買手と,米国の製造業者を売手と明記した包括申告書を受理するという方式で,原告が買手で,上記製造業者が売手であり,同製造業者の請求書を基に課税価格を決定することが認められるとの見解を示したこと,及びこれが行政庁による公式見解の表示に該当することを前提に,原告がこれを信頼して従来の取引関係及び契約関係を変更して本件各ベンダーのベンダーインボイスに基づき輸入(納税)申告をしたのに,上記見解に反してされた本件各更正処分等は,信義則に違反し,違法である旨の主張をする。 (2) しかしながら,信義則の法理の適用により租税法規に適合する課税処分を違法なものとして取り消すことができる場合があるとしても,それは,租税 法規の適用における納税者間の平等及び公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れさせて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別な事情が存する場合に,初めて同法理の適用の是非を考えるべきものである。そして,上記のような特別な事情が存するかどうかの判断に当たっては,少なくとも,税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したことにより,納税者がその表示を信頼し,その信頼に基づいて行動したところ,後にその表示に反する課税処分が行われ,そのために納税者が経済的不利益を受けることになったものであるかどうか,また,納税者が税務官庁の当該表示を信頼し,その信頼に基づいて行動したことについて,納税者の責めに帰すべき事由がないかどうかという点の考慮が不可欠である(最高裁 けることになったものであるかどうか,また,納税者が税務官庁の当該表示を信頼し,その信頼に基づいて行動したことについて,納税者の責めに帰すべき事由がないかどうかという点の考慮が不可欠である(最高裁昭和60年(行ツ)第125号同62年10月30日第三小法廷判決・裁判集民事第152号93頁参照)。 そして,上記のように信義則の適用につき慎重であるべき租税法律主義の特質を考慮すれば,様々な状況の下で行われる税務職員の見解の表示のすべてが信頼の対象となる公的見解の表示となるものでないことはいうまでもなく,納税者はもともと自己の責任と判断の下に行動すべきものであることからすれば,信頼の対象となる公的見解の表示であるというためには,少なくとも,税務官庁の長その他の責任ある立場に在る者の正式の見解の表示であることが必要であるというべきである。 (3)アこれを本件についてみると,前記1(2)から(6)までのとおり,原告は,本件対象製品に含まれる○○及び○○について,取引形態を変更することなく課税価格の決定方法の変更ができないかについて横浜税関に相談した こと,これに対応した横浜税関のP11審査官及びP12調査官は,そのままでは課税価格の決定方法を変更することはできないが,取引形態が異なるのであれば,製造業者の請求書に記載された金額を基に課税価格を計算することもあり得る旨の発言をしたこと,原告は,これを受け,準備すべき覚書の内容や包括申告書の記載事項等を検討した上,更に2度にわたる横浜税関職員との面談を経て,平成11年包括申告書を提出し,これが受領されたこと,本件輸入貨物1に係る本件申告1は,原告が,平成11年包括申告書に記載された課税価格の計算方法と同様の計算方法により課税価格を計算して輸入(納税)申告をしたものであることが認められ,さ されたこと,本件輸入貨物1に係る本件申告1は,原告が,平成11年包括申告書に記載された課税価格の計算方法と同様の計算方法により課税価格を計算して輸入(納税)申告をしたものであることが認められ,さらに,原告においては,あらかじめ税関長の了承を得られることを確認した上で輸入(納税)申告をするのが望ましいとの考えを持っていたことが認められる。 しかし,P11審査官及びP12調査官において,○○及び○○について,ベンダーインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算して輸入(納税)申告をするようにとの助言をしたものと認めるに足りる証拠はないし,そもそも,横浜税関関税評価部門の特別価格審査官及び上席調査官は,税関長その他の命を受けて輸入貨物の申告書の受理及び審査等を行う者であり(甲イ45),そのような者による発言が,直ちに横浜税関の税関長その他責任ある立場の者による正式な見解の表示であるということはできないのであって,他に,税関長その他責任ある立場の者が,正式に上記のような申告が適法であるとの見解を表示したと認めるに足りる証拠はない。 また,包括申告書は,評価申告の内容が全く同一の内容となる貨物の輸入が見込まれる場合に,あらかじめその内容を記載した申告書を税関長に提出することにより,輸入の都度評価申告をする必要がなくなるというものであるが,税関長による包括申告書の受領は,当該申告書に必要事項が記載されていることの確認を行ってされたものにすぎず,当該申告書に記載されたとおりの申告内容を是認することを何ら意味するものではないのであって,このことをもって,税関長による公式見解の表示があったということもできない。 なお,原告は,横浜税関職員との3回の面談が関税法7条3項に規定する事前教示を求めたものであり,その判断に反する処分をす このことをもって,税関長による公式見解の表示があったということもできない。 なお,原告は,横浜税関職員との3回の面談が関税法7条3項に規定する事前教示を求めたものであり,その判断に反する処分をすることは許されない旨の主張をするが,原告が,横浜税関に対し,書面により事前教示を求める旨を明らかにして照会をしたと認めるに足りる証拠はなく,口頭により事前教示を求める旨を明らかにしたとも認められない上,横浜税関による回答がされたと認めるに足りる証拠もないから,原告は,横浜税関に対し,事実上の相談をもちかけ,横浜税関もこれに対応したにすぎないと解され,原告の上記主張はその前提を欠くというべきである。また,仮に原告が横浜税関に対し事前協議を求めたのだとしても,事前教示の制度は,関税の課税対象の多様性,新規商品についての税表分類の技術的困難性等を考慮し,納税申告の適正や円滑な実施を期するために設けられたものであって,教示をした後にその内容と異なる更正をせざるを得なくなった場合に,その更正を無効にするような法律的効果を有するものと解することはできない。 イまた,原告は,本件輸入貨物1をディストリビューターに販売済みであり,もはや更正処分を受けたことにより増加した関税額をディストリビューターに転嫁することは不可能であるから,原告が不当に経済的不利益を受けることになったと主張するが,そもそも,本件各輸入貨物のディストリビューターに対する販売額が,平成11年包括申告書の提出より前と比べて関税額等の減少分に相当する金額だけ引き下げられたと認めるに足りる証拠はないし,仮に原告がベンダーインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算することが認められると誤信して輸入(納税)申告をし,それに伴い販売価格を引き下げていたとしても,上記信頼に基づ 足りる証拠はないし,仮に原告がベンダーインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算することが認められると誤信して輸入(納税)申告をし,それに伴い販売価格を引き下げていたとしても,上記信頼に基づいて行った原告の行動は,関税定率法等の法規を正当に適用した場合の税額を下回る額の関税を納付し,当該差額に相当する金額をディストリビューターから回収しなかったにすぎないのであって,そのことによって,原告が経済的不利益を被ったと評価することはできない。 ウしたがって,本件において,原告に本件各更正処分等による課税を免れされてその信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別な事情の存在は認められず,信義則の法理の適用により本件各処分の違法を論ずることはできないというべきである。 8 争点⑤(原告には過少申告加算税を課すべきでない「正当な理由」があったか否か。)について(1) 過少申告加算税は,過少申告による納税義務違反の事実があれば,原則として当然にその違反者に対し課されるものであり,これによって当初から適法に申告し納税した納税者との間の客観的不公平の実質的な是正を図るとと もに,過少申告による納税義務違反の発生を防止し,適正な申告納税の実現を図り,もって納税の実を挙げようとする行政上の措置である。この趣旨に照らせば,過少申告があっても例外的に過少申告加算税が課されない場合として国税通則法65条4項が定めた「正当な理由があると認められる」場合とは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,なお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である(最高裁平成17年(行ヒ)第9号同18年4月20日第一小法廷判決・民集60巻4号1611頁,最高裁平成16年(ヒ)第8 告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である(最高裁平成17年(行ヒ)第9号同18年4月20日第一小法廷判決・民集60巻4号1611頁,最高裁平成16年(ヒ)第86号,第87号同18年4月25日第三小法廷判決・民集60巻4号1728頁)。 (2) これを本件についてみると,前記1に認定した事実関係によれば,原告は,横浜税関との間で事前に課税価格の計算の方法を変更することについて協議をしていたこと,その中で取引態様を製造業者を売手,原告を買手とすることを検討していたことが横浜税関に伝えられていたこと,その結果,原告が製造業者のインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算する旨の平成11年包括申告書を提出したこと,本件輸入貨物1についての輸入(納税)申告も平成11年包括申告書と同様の方法による申告であることが認められるものの,横浜税関において,平成11年包括申告書に記載されたとおりの方法による課税価格の計算が正当である旨を認めるような公式の見解を示したものではないことは前記7に判示したとおりである。また,平成11年包括申告書に記載された方法と同様の方法による課税価格の計算について記載した平成12年包括申告書が提出されたのに対し,横浜税関において,「売 手,買手の認定について輸入者と見解の相違があるが輸入者の申し出により受理する。なお,輸入の許可後,税関長の調査により,この申告に基づく輸入申告による税額等を更正することがあります。」と記載して,この計算方法が認められない可能性があることを示唆していたこと(前記1(7)),平成12年から同14年にかけての横浜税関による事後調査において,横浜税関から輸入取引の売手は製造業者ではなくP6社ではないかという疑問を抱いている旨が指摘されていたこと(前記 と(前記1(7)),平成12年から同14年にかけての横浜税関による事後調査において,横浜税関から輸入取引の売手は製造業者ではなくP6社ではないかという疑問を抱いている旨が指摘されていたこと(前記1(8)),平成15年3月20日に提出した包括申告書にも平成12年包括申告書と同様の記載がされたこと(前記1(11))が認められる。 このような事実関係及び事情の下においては,原告がベンダーインボイスに記載された価格を基に課税価格を計算して本件各申告1をしたことについて,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお原告に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になるということはできないというのが相当であるから,国税通則法64条4項にいう「正当な理由」があるとは認められない。 9 本件各更正処分等の適法性について(1) 本件各更正処分1,2及び4について前記2から4までに判断したところによれば,本件貨物1-1,1-2及び1-4については,原告とP1社の間に関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」があると認められ(争点①),P1社インボイスに記載された価格に基づき現実支払価格による方法によって課税価格を計算することができるところ(争点②―1),これらの事情に,乙イB1から262 まで及び270から516まで(いずれも枝番を含む。)並びに弁論の全趣旨を総合し,さらに前記7のとおり本件各更正処分には被告の信義則違反は認められないこと(争点③)を考慮すると,前記2から4まで及び7に判示した以外のところを含め,前記第2の4記載のとおりの被告が本件各更正処分1,2及び4の根拠として主張するところは,いずれも適法であると認められる。 そして,上記の点を踏 まで及び7に判示した以外のところを含め,前記第2の4記載のとおりの被告が本件各更正処分1,2及び4の根拠として主張するところは,いずれも適法であると認められる。 そして,上記の点を踏まえ,関税定率法,消費税法,地方税法等の関係法令により原告が納付すべき関税額,消費税額及び地方消費税額を算出すると,別表1,2及び4の納付すべき関税額欄,納付すべき消費税額欄及び納付すべき貨物割額欄各記載のとおりであるところ,これらは,いずれも本件各更正処分1,2及び4における納付すべき関税額,消費税額及び地方消費税額と同額であるから,本件更正処分1,2及び4はいずれも適法であると認められる。 (2) 本件各更正処分3について前記2及び3で判断したところによれば,本件貨物1-3については,原告とP1社の間に関税定率法4条1項に規定する「輸入取引」があると認められるが(争点①),現実支払価格による方法によって課税価格を計算することはできず,同種又は類似の貨物に係る取引価格による方法により課税価格が計算されるべきところ(争点②―2),これらの事情に,乙イB263から269まで(いずれも枝番を含む。)及び弁論の全趣旨を総合し,さらに,前記7のとおり本件各更正処分には被告の信義則違反は認められないこと(争点③)を考慮すると,前記2,3及び7に判示した 以外のところを含め,前記第2の4記載のとおりの被告が本件各更正処分3の根拠として主張するところは,いずれも適法であると認められる。 そして,上記の点を踏まえ,関税定率法,消費税法,地方税法等の関係法令により原告が納付すべき関税額,消費税額及び地方消費税額を算出すると,別表3の納付すべき関税額欄,納付すべき消費税額欄及び納付すべき貨物割額欄各記載のとおりであるところ 費税法,地方税法等の関係法令により原告が納付すべき関税額,消費税額及び地方消費税額を算出すると,別表3の納付すべき関税額欄,納付すべき消費税額欄及び納付すべき貨物割額欄各記載のとおりであるところ,これらは,いずれも本件各更正処分3における納付すべき関税額,消費税額及び地方消費税額と同額であるから,本件更正処分3はいずれも適法であると認められる。 (3) 本件各賦課決定処分について前記(1)及び(2)のとおり,本件各更正処分は適法であり,原告は本件各輸入貨物に係る関税及び内国消費税等について納付すべき税額を過少に申告していたものであり,前記8のとおり,納付すべき税額を過少に申告していたことについて,原告に国税通則法64条4項に規定する「正当な理由」は認められないから(争点⑤),本件各更正処分に伴って課されるべき過少申告加算税の額は,関税法12条の2第1項,2項及び5項の規定,国税通則法65条1項及び2項の規定並びに地方税法72条の106第1項の規定に基づき,関税及び内国消費税等について,本件各更正処分により納付すべきこととなった税額にそれぞれ上記規定に定める税率を乗じて算出されるところ,これによって算出される金額は,本件各賦課決定処分における過少申告加算税の額と同額であるから,本件各賦課決定処分はいずれも適法であると認められる。 10 本件各通知処分の適法性について 前記2から6までに判断したところによれば,原告が本件各申告2の違法性として主張するところにはいずれも理由がないと認められるから,本件各更正の請求はいずれも理由がなく,本件各通知処分はいずれも適法であると認められる。 第4 結論よって,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,,訴訟費用の負担につき,行 の請求はいずれも理由がなく,本件各通知処分はいずれも適法であると認められる。 第4 結論よって,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官杉原則彦 裁判官角谷昌毅 裁判官澤村智子 (別紙)本件各更正処分等の根拠及び適法性第1 本件各更正処分の根拠被告が主張する原告の第1事件についての本件各輸入取引に係る関税及び内国消費税等の納付すべき税額は,別表1から4までのとおりであるが,その算出過程を類型別にその代表例について示すと,次のとおりである。 なお,別表1から4までの「類型」欄は下記類型を示すものであり,「AC」とは再輸出があったもので価格改定がないもの,「BC」とは再輸出があったもので価格改定があるものを示す。 1 類型A(別紙1参照)本類型は,価格改定がない通常の輸入(納税)申告に係るものであり,具体例を挙げると,整理番号417及び418に係る輸入(納税)申告について,納付すべき税額は以下のとおりである。 (1) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙1順号⑪) 188万0838円上記金額は,下記(ア)の金額に下記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙1順号⑨) 187万8786円上記金額は,P1社インボイス(乙イB417の2)に基づき,製品番号「××」の数量(別紙1順号⑥)に単価(別紙1順号⑧)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料 2052円上記金額は (乙イB417の2)に基づき,製品番号「××」の数量(別紙1順号⑥)に単価(別紙1順号⑧)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料 2052円上記金額は,P1社インボイスの運賃及び保険料の額5432円(別 紙1順号⑩)を,前記(ア)の金額と後記(2)ア(ア)の金額で按分して算出した,上記(ア)に係る部分の金額である。 イ関税額(別紙1順号⑬) 23万5000円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙1順号⑫)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙1順号⑮) 211万5000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額を加算した金額(ただし,国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙1順号⑯) 8万4600円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100分の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙1順号⑱) 8万4600円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき,前記エの金額と同額である。 カ貨物割額(別紙1順号⑲) 2万1150円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (2) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙1順号⑪) 309万6932円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加 を乗じて算出した金額である。 (2) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙1順号⑪) 309万6932円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙1順号⑨) 309万3552円上記金額は,P1社インボイス(乙イB418の2)に基づき,製品番号「××」の数量(別紙1順号⑥)に単価(別紙1順号⑧)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料 3380円上記金額は,P1社インボイスの運賃及び保険料の額5432円(別紙1順号⑩)を,前記(ア)の金額と前記(1)ア(ア)の金額で按分して算出した,前記(ア)に係る部分の金額である。 イ関税額(別紙1順号⑬) 24万7680円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙1順号⑫)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙1順号⑮) 334万4000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙1順号⑯) 13万3760円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100分の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙1順号⑱) 13万3700円 上記金額は,地方税 円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100分の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙1順号⑱) 13万3700円 上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき,前記エの金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 カ貨物割額(別紙1順号⑲) 3万3425円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (3) 納付すべき税額ア納付すべき関税額(別紙1順号⑭) 48万2600円上記金額は,前記(1)イの金額と前記(2)イの金額の合計額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ納付すべき消費税額(別紙1順号⑰) 21万8300円上記金額は,前記(1)エの金額と前記(2)エの金額の合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 ウ納付すべき貨物割額(別紙1順号⑳) 5万4500円上記金額は,前記(1)カの金額と前記(2)カの金額の合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 2 類型B(別紙2参照)本類型は,原告とP1社との間で交わされた価格改定合意書(乙イA10の1及び2,以下「価格改定合意書」という。)に基づき価格改定が行われた輸 入(納税)申告に係るものであり,具体例を挙げると,整理番号384及び385に係る輸入(納税)申告について,納付すべき税額は以下のと 下「価格改定合意書」という。)に基づき価格改定が行われた輸 入(納税)申告に係るものであり,具体例を挙げると,整理番号384及び385に係る輸入(納税)申告について,納付すべき税額は以下のとおりである。 (1) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙2順号⑪) 285万5446円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙2順号⑨) 285万1875円上記金額は,P1社インボイス(乙イB第384の2)及び価格改定合意書に基づき,当該P1社インボイス記載の製品番号「××」の数量(別紙2順号⑥)に価格改定合意書に記載の改定後の製品番号「××」の単価(別紙2順号⑧)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料 3571円上記金額は,P1社インボイスの運賃及び保険料の額3917円(別紙2順号⑩)を,前記(ア)の金額と後記(2)ア(ア)の金額で按分して算出した,前記(ア)に係る部分の金額である。 イ関税額(別紙2順号⑬) 42万8250円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙2順号⑫)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙2順号⑮) 328万3000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,国税通則 法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,国税通則 法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙2順号⑯) 13万1320円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100分の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙2順号⑱) 13万1300円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき,前記エの金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 カ貨物割額(別紙2順号⑲) 3万2825円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (2) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙2順号⑪) 25万1338円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙2順号⑨) 25万0992円上記金額は,P1社インボイス(乙イB385の2)及び価格改定合意書に基づき,当該P1社インボイス記載の製品番号「××」の数量(別紙2順号⑥)に価格改定合意書に記載の改定後の製品番号「××」の単価(別紙2順号⑧)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料 346円上記金額は,P1社インボイスの運賃及び保険料の額3917円(別 紙2順号⑩)を,前記(ア)の金額と前記(1)ア(ア)の金額で按分して算出した,上記(ア)に係る部分の金額である。 イ関税額(別紙2順号⑬ 1社インボイスの運賃及び保険料の額3917円(別 紙2順号⑩)を,前記(ア)の金額と前記(1)ア(ア)の金額で按分して算出した,上記(ア)に係る部分の金額である。 イ関税額(別紙2順号⑬) 5万3463円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙2順号⑫)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙2順号⑮) 30万4000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙2順号⑯) 1万2160円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100分の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙2順号⑱) 1万2100円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき,前記エの金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 カ貨物割額(別紙2順号⑲) 3025円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (3) 納付すべき税額ア納付すべき関税額(別紙2順号⑭) 48万1700円上記金額は,前記(1)イの金額と前記(2)イの金額の合計額(ただし,関税法第13条の 。 (3) 納付すべき税額ア納付すべき関税額(別紙2順号⑭) 48万1700円上記金額は,前記(1)イの金額と前記(2)イの金額の合計額(ただし,関税法第13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ納付すべき消費税額(別紙2順号⑰) 14万3400円上記金額は,前記(1)エの金額と前記(2)エの金額の合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 ウ納付すべき貨物割額(別紙2順号⑳) 3万5800円上記金額は,前記(1)カの金額と前記(2)カの金額の合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 3 類型C(別紙3参照)本類型は,輸入許可後に,関税定率法20条に規定する事由による貨物の再輸出が行われた輸入(納税)申告に係るものであり,具体例を挙げると,整理番号274に係る輸入(納税)申告について,納付すべき税額は以下のとおりである。 (1) 関税の課税価格(別紙3順号⑰) 1億1000万2932円上記金額は,後記カの金額に後記キの金額を加算した金額である。 ア製品番号「××」の再輸出前数量に対応する関税の課税価格(別紙3順号⑫) 6799万3538円 上記金額は,下記(ア)の金額に(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 製品番号「××」の再輸出前数量に対応する貨物代金6795万2808円上記金額は,P1社インボイス(乙イB274の2)及び価格改定合意書に基づき,当該P1社イン 出前数量に対応する貨物代金6795万2808円上記金額は,P1社インボイス(乙イB274の2)及び価格改定合意書に基づき,当該P1社インボイス記載の製品番号「××」の数量(別紙3順号⑤)に価格改定合意書に記載の改定後の製品番号「××」の単価(別紙3順号⑧)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料 4万0730円上記金額は,P1社インボイスの運賃及び保険料の額6万5988円(別紙3順号⑩)を,上記(ア)の金額と下記イ(ア)の金額で按分して算出した,上記(ア)に係る部分の金額である。 イ製品番号「××」の再輸出前数量に対応する関税の課税価格(別紙3順号⑫) 4216万4914円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 製品番号「××」の再輸出前数量に対応する貨物代金4213万9656円上記金額は,P1社インボイス(乙イB274の2)及び価格改定合意書に基づき,当該P1社インボイス記載の製品番号「××」の数量(別紙3順号⑥)に価格改定合意書に記載の改定後の製品番号「××」の単価(別紙3順号⑧)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料 2万5258円上記金額は,P1社インボイスの運賃及び保険料の額6万5988円 (別紙3順号⑩)を,前記(ア)の金額と前記ア(ア)の金額で按分して算出した,上記(ア)に係る部分の金額である。 ウ再輸出前数量に対応する関税の課税価格の合計額1億1015万8452円上記金額は,前記 額で按分して算出した,上記(ア)に係る部分の金額である。 ウ再輸出前数量に対応する関税の課税価格の合計額1億1015万8452円上記金額は,前記アの金額に前記イの金額を加算した金額である。 エ製品番号「××」の再輸出後数量に対応する関税の課税価格(別紙3順号⑬) 6778万3292円上記金額は,製品番号「××」の再輸出後数量(別紙3順号⑥)を輸入(納税)申告時の数量(別紙3順号⑤)で除した金額に,前記アの金額を乗じた金額である。 オ製品番号「××」の再輸出後数量に対応する関税の課税価格(別紙3順号⑬) 4216万4914円上記金額は,製品番号「××」の再輸出後数量(別紙3順号⑥)を輸入(納税)申告時の数量(別紙3順号⑤)で除した金額に,前記イの金額を乗じた金額である。 カ再輸出後数量に対応する関税の課税価格の合計額1億0994万8206円上記金額は,前記エの金額に前記オの金額を加算した金額である。 キ再輸出数量に対応する当初関税課税価格(別紙3順号⑯)5万4726円上記金額は,当初の輸入(納税)申告における関税の課税価格(別紙3順号⑭,乙イB第274の1)の金額から,前記カの金額を前記ウの金額 で除した金額に当初の輸入(納税)申告における関税課税価格を乗じた金額を減算した金額である。 (2) 関税額(別紙3順号⑲) 1650万0300円上記金額は,前記(1)の金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のも 額(別紙3順号⑲) 1650万0300円上記金額は,前記(1)の金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙3順号⑱)を乗じた金額である。 (3) 消費税の課税標準額(別紙3順号21) 1億2650万3000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記(1)の金額に前記(2)の金額を加算した金額(ただし,国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (4) 消費税額(別紙3順号22) 506万0120円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記(3)の金額に税率100分の4を乗じた金額である。 (5) 地方消費税の課税標準額(別紙3順号24) 506万0100円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき,前記(4)の金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 (6) 貨物割額(別紙3順号25) 126万5025円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記(5)の金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (7) 納付すべき税額ア納付すべき関税額(別紙3順号⑳) 1650万0300円 上記金額は,前記(2)の金額と同額である。 イ納付すべき消費税額(別紙3順号23) 506万0100円上記金額は,前記(4)の金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 ウ納付すべき貨物割額(別紙3順号26) 126万5000円上 前記(4)の金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 ウ納付すべき貨物割額(別紙3順号26) 126万5000円上記金額は,前記(6)の金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 4 類型D(別紙4参照)本類型は,関税定率法4条の2の規定に基づいて関税の課税価格を計算した輸入(納税)申告に係るものであり,具体例を挙げると,整理番号263に係る輸入(納税)申告について,納税すべき税額は以下のとおりである。 (1) 関税の課税価格(別紙4順号⑨) 1895万3730円上記金額は,後記アの金額に後記イの金額を加算した金額である。 ア貨物代金(別紙4順号⑥) 1893万1968円上記金額は,ベンダーインボイス(乙イB263の3)の数量(別紙4順号④)に,関税定率法4条の2第1項に基づき,本貨物の本邦への輸出の日に近接する日に本邦へ輸出された製品番号「××」に係るP1社インボイス(乙イB263の2)の単価(別紙4順号⑤)を乗じた金額である。 イ運賃及び保険料(別紙4順号⑧) 2万1762円上記金額は,ベンダーインボイス(乙イB263の3)の運賃及び保険料の額204.82米国ドル(別紙4順号⑦)に,平成16年11月9日に横浜税関長が公示した外国為替相場(乙イB519)1米国ドル=10 6.25円を乗じて円換算した金額である。 (2) 関税額(別紙4順号⑪) 284万2950円上記金額は,前記(1)の金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のも 額(別紙4順号⑪) 284万2950円上記金額は,前記(1)の金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙4順号⑩)を乗じた金額である。 (3) 消費税の課税標準額(別紙4順号⑬) 2179万6000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記(1)の金額に前記(2)の金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 (4) 消費税額(別紙4順号⑭) 87万1840円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記(3)の金額に税率100の4を乗じた金額である。 (5) 地方消費税の課税標準額(別紙4順号⑯) 87万1800円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき,上記(4)の金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 (6) 貨物割額(別紙4順号⑰) 21万7950円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記(5)の金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (7) 納付すべき税額 ア納付すべき関税額(別紙4順号⑫) 284万2900円上記金額は,前記(2)の金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 イ納付すべき消費税額(別紙4順号⑮) 前記(2)の金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 イ納付すべき消費税額(別紙4順号⑮) 87万1800円上記金額は,前記(4)の金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 ウ納付すべき貨物割額(別紙4順号⑱) 21万7900円上記金額は,前記(6)の金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 5 類型E(別紙5参照)本類型は,関税定率法4条の2の規定に基づいて関税の課税価格を計算した輸入(納税)申告に係るもののうち,複数のP1社インボイスの価格を使って計算したものであり,整理番号266,267,268及び269に係る輸入(納税)申告について,納付すべき税額は以下のとおりである。 (1) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙5順号⑨) 1129万1717円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙5順号⑥) 1127万1960円上記金額は,ベンダーインボイス(乙イB266の3)及びP1社インボイス(乙イB266の2)に基づき,当該ベンダーインボイスの製品番号「××」の数量(別紙5順号④)に,当該P1社インボイスの製 品番号「××」の単価(別紙5順号⑤)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料(別紙5順号⑧,別紙5別添参照)1万9757円上記金額は,ベンダーインボイスの運賃及び保険料の額640.08米国ドルを,ベンダーインボイスの貨物代金の合計額10万084 料(別紙5順号⑧,別紙5別添参照)1万9757円上記金額は,ベンダーインボイスの運賃及び保険料の額640.08米国ドルを,ベンダーインボイスの貨物代金の合計額10万0845. 38米国ドルに本件輸入(納税)申告に係る評価申告書(乙イB266の4)記載の金額1万0879.52米国ドルを加えたもので除し,これに,ベンダーインボイスの貨物代金2万9282.40米国ドルと評価加算額3175.20米国ドルを加えたものを乗じて算出した額(別紙5順号⑦)に,平成16年11月9日に横浜税関長が公示した外国為替相場1米国ドル=106.25円を乗じて円換算した金額である。 イ関税額(別紙5順号⑪) 169万3650円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙5順号⑩)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙5順号⑬) 1298万5000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙5順号⑭) 51万9400円 上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙5順号⑯) 51万9400円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき前記エの金額と同額である。 カ貨物割額(別紙5順号⑰) オ地方消費税の課税標準額(別紙5順号⑯) 51万9400円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき前記エの金額と同額である。 カ貨物割額(別紙5順号⑰) 12万9850円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (2) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙5順号⑨) 990万7527円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙5順号⑥) 989万0280円上記金額は,ベンダーインボイス(乙イB267の3)及びP1社インボイス(乙イB267の2)に基づき,当該ベンダーインボイスの製品番号「××」の数量(別紙5順号④)に,当該P1社インボイスの製品番号「××」の単価(別紙5順号⑤)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料(別紙5順号⑧,別紙5別添参照)1万7247円上記金額は,ベンダーインボイスの運賃及び保険料の額640.08米国ドルを,ベンダーインボイスの貨物代金の合計額10万0845. 38米国ドルに本件輸入(納税)申告に係る評価申告書記載の金額1万0879.52米国ドルを加えたもので除し,これに,ベンダーイ ンボイスの貨物代金2万5685.60米国ドルと評価加算額2648.00米国ドルを加えたものを乗じて算出した額(別紙5順号⑦)に,平成16年11月9日に横浜税関長が公示した外国為替相場1米国ドル=106.25円を乗じて円換算した金額である。 イ関税額(別紙5順号⑪) 211万0191円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び 外国為替相場1米国ドル=106.25円を乗じて円換算した金額である。 イ関税額(別紙5順号⑪) 211万0191円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙5順号⑩)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙5順号⑬) 1201万7000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙5順号⑭) 48万0680円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙5順号⑯) 48万0600円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき前記エの金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)と同額である。 カ貨物割額(別紙5順号⑰) 12万0150円 上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (3) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙5順号⑨) 78万2474円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙5順号⑥) 78万1107円上記金額は,ベンダーインボイス(乙 78万2474円上記金額は,後記(ア)の金額に後記(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 貨物代金(別紙5順号⑥) 78万1107円上記金額は,ベンダーインボイス(乙イB268の3)及びP1社インボイス(乙イB268の2)に基づき,当該ベンダーインボイスの製品番号「××」の数量(別紙5順号④)に,当該P1社インボイスの製品番号「××」の単価(別紙5順号⑤)を乗じた金額である。 (イ) 運賃及び保険料(別紙5順号⑧,別紙5別添参照) 1367円上記金額は,ベンダーインボイスの運賃及び保険料の額640.08米国ドルを,ベンダーインボイスの貨物代金の合計額10万0845. 38米国ドルに本件輸入(納税)申告に係る評価申告書記載の金額1万0879.52米国ドルを加えたもので除し,これに,ベンダーインボイスの貨物代金2029.38米国ドルと評価加算額217.92米国ドルを加えたものを乗じて算出した額(別紙5順号⑦)に,平成16年11月9日に横浜税関長が公示した外国為替相場1米国ドル=106. 25円を乗じて円換算した金額である。 イ関税額(別紙5順号⑪) 9万7750円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの) に,関税率(別紙5順号⑩)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙5順号⑬) 88万0000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数 (ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙5順号⑭) 3万5200円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙5順号⑯) 3万5200円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき前記エの金額と同額である。 カ貨物割額(別紙5順号⑰) 8800上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (4) 製品番号「××」に係る税額等ア関税の課税価格(別紙5順号⑨) 1690万3556円上記金額は,下記(ア)の金額に下記(イ)の金額を加算した金額である。 a 貨物代金(別紙5順号⑥) 1687万3920円上記金額は,ベンダーインボイス(乙イB269の3)及びP1社インボイス(乙イB269の2)に基づき,当該ベンダーインボイスの製 品番号「××」の数量(別紙5順号④)に,当該P1社インボイスの製品番号「××」の単価(別紙5順号⑤)を乗じた金額である。 b 運賃及び保険料(別紙5順号⑧,別紙5別添参照)2万9636円上記金額は,ベンダーインボイスの運賃及び保険料の額640.08米国ドルを,ベンダーインボイスの貨物代金の合計額10万0845. 38米国ドルに本件輸入(納税)申告に係る評価申告書記載の金額1万0879.52米国ドルを加えたもので除し,これに, の額640.08米国ドルを,ベンダーインボイスの貨物代金の合計額10万0845. 38米国ドルに本件輸入(納税)申告に係る評価申告書記載の金額1万0879.52米国ドルを加えたもので除し,これに,ベンダーインボイスの貨物代金4万3848.00米国ドルと評価加算額4838.40米国ドルを加えたものを乗じて算出した額(別紙5順号⑦)に,平成16年11月9日に横浜税関長が公示した外国為替相場1米国ドル=106.25円を乗じて円換算した金額である。 イ関税額(別紙5順号⑪) 135万2240円上記金額は,前記アの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)に,関税率(別紙5順号⑩)を乗じた金額である。 ウ消費税の課税標準額(別紙5順号⑬) 1825万5000円上記金額は,消費税法28条3項に基づき,前記アの金額に前記イの金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満を切り捨てた後のもの)を加算した金額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法118条1項の規定により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 エ消費税額(別紙5順号⑭) 73万0200円上記金額は,消費税法29条に基づき,前記ウの金額に税率100の4を乗じた金額である。 オ地方消費税の課税標準額(別紙5順号⑯) 73万0200円上記金額は,地方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき上記エの金額と同額である。 カ貨物割額(別紙5順号⑰) 18万2550円上記金額は,地方税法72条の 方税法72条の77第3号及び72条の82に基づき上記エの金額と同額である。 カ貨物割額(別紙5順号⑰) 18万2550円上記金額は,地方税法72条の83に基づき,前記オの金額に税率100分の25を乗じて算出した金額である。 (5) 納付すべき税額ア納付すべき関税額(別紙5順号⑫) 525万3800円上記金額は前記(1)イの金額,前記(2)イの金額,前記(3)イの金額及び前記(4)イの金額の合計額(ただし,関税法13条の4及び国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 イ納付すべき消費税額(別紙5順号⑮) 176万5400円上記金額は前記(1)エの金額,前記(2)エの金額,前記(3)エの金額及び前記(4)エの金額の合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 ウ納付すべき貨物割額(別紙5順号⑱) 44万1300円上記金額は前記(1)カの金額,前記(2)カの金額,前記(3)カの金額及び前記(4)エの金額の合計額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの)である。 第2 本件各更正処分の適法性本件各輸入貨物に係る原告の納付すべき関税及び内国消費税等の金額は,別表1から4までに記載したとおりであり,その算出過程は前記第1の例によるところ,これらの金額は,本件各更正処分の関税及び内国消費税等の納付すべき税額(別紙処分目録1-1から同1-8までの関税更正金額,消費税更正金額及び地方消費税更正金額参照)といずれも同額であるから,本件各更正処分はいずれも適法である。 第3 本件各賦課 等の納付すべき税額(別紙処分目録1-1から同1-8までの関税更正金額,消費税更正金額及び地方消費税更正金額参照)といずれも同額であるから,本件各更正処分はいずれも適法である。 第3 本件各賦課決定処分の根拠及び適法性前記第2のとおり,本件各更正処分はいずれも適法であるところ,原告は本件各輸入貨物に係る関税及び内国消費税等について,納付すべき税額を過少に申告していたものであり,納付すべき税額を過少に申告していたことについて,関税法12条の2第3項及び国税通則法65条4項に規定する正当理由は存しない。 したがって,本件各更正処分に伴って課されるべき過少申告加算税の額は,関税法12条の2第1項,2項及び5項の規定,国税通則法65条1項及び2項の規定並びに地方税法72条の106第1項の規定に基づき,関税及び消費税等について,本件各更正処分によって新たに納付すべきこととなった税額にそれぞれ上記規定に定める税率を乗じて算出されるところ,これによって算出される金額は,別紙処分目録1-1から1―8までの各「過少申告加算税賦課決定額」欄の金額といずれも同額となるから,本件各賦課決定処分はいずれも適法である。 (別紙)製造原価からの積算方式及び国内販売価格からの逆算方式に関する原告の主張 第1 原告が主張する本件各輸入貨物2に係る製造原価からの積算方式及び国内販売価格からの逆算方式による課税価格は,別紙更正後の関税価格等の計算明細(製造原価からの積算方式)及び別紙更正後の関税価格等の計算明細(国内販売価格からの逆算方式)のとおりである。なお,本件各ベンダーのうち,P10社の製品については,製造原価の資料が入手できなかったため,同社の製品については,国内販売価格からの逆算方式によるべきであるが,他の3社の製品については,まず る。なお,本件各ベンダーのうち,P10社の製品については,製造原価の資料が入手できなかったため,同社の製品については,国内販売価格からの逆算方式によるべきであるが,他の3社の製品については,まず製造原価からの積算方式によることを求め,これができない場合に国内販売価格からの逆算方式によることを求める。 それぞれの方式による積算根拠は次のとおりである。 第2 製造原価からの積算方式について更正後の課税価格等の計算明細(製造原価からの積算方式)における各欄の記載内容について説明すると,次のとおりである。 1 「整理番号」別紙輸入目録2-1及び2-2の整理番号に対応する。 2 「製品番号」輸入目録2-1及び2-2の輸入貨物の製品番号に対応する。 各製品番号に対応する製品名を具体的に表示すると次のとおりである。 ×× ○○ ×× ○○×× ○○×× ○○×× ○○×× ○○×× ○○×× ○○×× ○○ 3 「製造原価」(K欄),「利潤」(L欄),「一般経費」(M欄)(1) P9社,P7社,P8社から入手した原価明細(甲ロ1の1から3まで)を基に計算された金額を記載した。 (2) P9社の原価明細によれば,たとえば,○○の製造原価明細(1個当たり)は製造原価が2.826ドル,「利潤+一般経費」(売上総利益に相当)は0.594ドルである。整理番号2の輸入のうちP9社からの○○(製品番号××)の24,624個の輸入については,上記の1個当たりの金額に数量を乗じることにより,次のとおり計算される。 「製造原価(K欄)」 2.826ドル×24,624個 = 69,587.42ドル「利潤(L欄)+一般経費(M欄)」0.594ドル×2 金額に数量を乗じることにより,次のとおり計算される。 「製造原価(K欄)」 2.826ドル×24,624個 = 69,587.42ドル「利潤(L欄)+一般経費(M欄)」0.594ドル×24,624個 = 14,626.66ドル(3) P7社の原価明細によれば,たとえば,○○の製造原価明細(1個当たり)は「製造原価」が材料費(1.91ドル)とその他製造原価<労務費及び加工費>(0.82ドル)の合計金額である2.73ドル,「利潤」は0.54ドル,「一般経 費」は0.18ドルである。整理番号2の輸入のうちP7社からの○○(製品番号××)の33,012個の輸入については,上記の1個当たりの金額に数量を乗じることにより,次のとおり計算される。 「製造原価(K欄)」 2.73ドル×33,012個 = 90,122.76ドル「利潤(L欄)」 0.54ドル×33,012個 = 17,826.48ドル「一般経費(M欄)」 0.18ドル×33,012個 = 5,942.16ドル(4) P8社の原価明細によれば,たとえば,○○の製造原価明細(1個当たり)は「製造原価」が材料費(3.33ドル)とその他製造原価<労務費及び加工費>(1.18ドル)の合計金額である4.51ドル,「利潤」は1.26ドル,「一般経費」は0.90ドルである。整理番号29のP8社からの○○(製品番号××)の16,161個の輸入については,上記の1個当たりの金額に数量を乗じることにより,次のとおり計算される。 「製造原価(K欄)」 4.51ドル×16,161個 = 72,886.11ドル「利潤(L欄)」 1.26ドル×16,161個 = 20,362.86ドル「一般経費(M欄)」 0.90ドル×16,161個 = 14,544.90ドル 4 「 72,886.11ドル「利潤(L欄)」 1.26ドル×16,161個 = 20,362.86ドル「一般経費(M欄)」 0.90ドル×16,161個 = 14,544.90ドル 4 「その他関税定率法4条第1項に基づく加算額」(N欄)製造者毎に申告を行っている「包括評価申告書・合計欄」に記載の米国通貨表示の製品1個当たりの加算額に,インボイス記載の数量を乗じた金額である。 第3 国内販売価格からの逆算方式別紙更正後の関税価格等の計算明細(国内販売価格からの逆算方式)の表における各欄の記載内容について説明すると,次のとおりである。 1 「国内販売単価」(L欄) 原告のディストリビューターに対する各製品ごとの卸売価格(販売単価)である。製品ごとに示すと次のとおりである。 ×× ○○ 4,670円×× ○○ 4,200円×× ○○ 3,730円×× ○○ 5,250円×× ○○ 2,300円×× ○○ 2,570円×× ○○ 3,620円×× ○○ 9,900円×× ○○ 4,990円 2 「利潤」(N欄)(1) 利潤は,添付別表「P3株式会社損益計算書総括表」の上記9品目についての営業利益率の数値を用いて算出した。 (2) 例えば,整理番号1の輸入は,別紙輸入目録2-1記載の整理番号1の輸入に対応しており,平成16年の輸入である。平成16年(2004年)の9品目の営業利益率は6.10%である。そこで,国内販売総額(M欄)の金額133,650,280円に6.10%を乗じて,「利潤」(N欄)は8,152,667円と算出される。 成16年(2004年)の9品目の営業利益率は6.10%である。そこで,国内販売総額(M欄)の金額133,650,280円に6.10%を乗じて,「利潤」(N欄)は8,152,667円と算出される。 (3) 例えば,整理番号119の輸入は,別紙輸入目録2-2記載の整理番号119の輸入に対応しており,平成17年上期の輸入である。平成17年(2005年)上期の9品目の営業利益率は23.11%である。そこで,国内販売総 額(M欄)の金額145,255,680円に23.11%を乗じて,「利潤」(N欄)は33,568,588円と算出される。 3 「一般経費」(O欄)一般経費は,原告全社の販売費及び一般管理費の売上高に対する割合(「経費割合」)を用いて算出した。平成16年(2004年)及び平成17上期(2005年)の経費割合は次のとおりである。 販売費及び一般管理費売上高経費割合 2004 年 39,551,191 62,621,191 63.16% 2005 年上期 19,623,317 30,434,339 64.49%(1) 例えば,整理番号1の輸入は,別紙輸入目録2-1記載の整理番号1の輸入に対応しており,平成16年の輸入である。平成16年(2004年)の原告全社の売上高は62,621,191 千円,販売費及び一般管理費は39,551,191千円,経費割合は63.16%である。そこで,国内販売総額(M欄)の金額133,650,280 円に経費割合63.16%を乗じて,「一般経費」(O欄)は84,413, 517 円と算出される。 (2) 例えば,整理番号119の輸入は,別紙輸入目録2-2記載の整理番号119の輸入に対応しており,平成17年上期の輸入である。平成17年(2 」(O欄)は84,413, 517 円と算出される。 (2) 例えば,整理番号119の輸入は,別紙輸入目録2-2記載の整理番号119の輸入に対応しており,平成17年上期の輸入である。平成17年(2005年)上期の原告全社の売上高は30,434,339 千円,販売費及び一般管理費は19,626,317 千円,経費割合は64.49%である。そこで,国内販売総額(M欄)の金額145,255,680 円に経費割合64.49%を乗じて,「一般経費」(O欄)は93,675,388 円と算出される。 4 「運賃」(P欄) (1) 「運賃」は,輸入通関費用と輸入港から最寄の保管倉庫までの費用である。 各年度の上記費用の合計額を各年度の輸入数量で除した割合(「運賃割合」)を各輸入の輸入数量に乗じて,算出した。 (2) 例えば,整理番号1の輸入は,別紙輸入目録2-1記載の整理番号1の輸入に対応しており,平成16年の輸入である。平成16年(2004年)の原告全社の輸入数量は14,054,498 個,輸入諸掛勘定(勘定番号550022)から海上運賃及び保険料を控除した「乙仲請求国内運賃・通関料等」は38,151千円であるので,運賃割合は2.71 円である。そこで,製造者インボイス数量(A欄)の数値52,004 個に運賃割合2.71 円を乗じて,「運賃」(P欄)は140,931 円と算出される。 (3) 例えば,整理番号119の輸入は,別紙輸入目録2-2記載の整理番号119の輸入に対応しており,平成17年上期の輸入である。平成17年(2005年)上期の原告全社の輸入数量は6,871,633 個,輸入諸掛勘定(勘定番号550022)から海上運賃及び保険料を控除した「乙仲請求国内運賃・通関料等」は6,063 千円であるので,運賃割合は0.88 円である。 社の輸入数量は6,871,633 個,輸入諸掛勘定(勘定番号550022)から海上運賃及び保険料を控除した「乙仲請求国内運賃・通関料等」は6,063 千円であるので,運賃割合は0.88 円である。そこで,製造者インボイス数量(A欄)の数値31,104 個に運賃割合0.88 円を乗じて,「運賃」(P欄)は27,372 円と算出される。 5 「その他」(Q欄)(1) 「その他」は,商品除却損(勘定番号550003),仕入商品運搬費(勘定番号550004),商品発送費(勘定番号550005),流通諸経費(勘定番号550007),出荷資材費(勘定番号550008),仕入BioTest(勘定番号550023),COGS-Inventory(勘定番号55028)に計上されている各年度の費用合計額(「そ の他費用」)を各年度の売上数量で除した割合(「その他費用割合」)を各輸入の輸入数量に乗じて,算出した。 (2) 例えば,整理番号1の輸入は,別紙輸入目録2-1記載の整理番号1の輸入に対応しており,平成16年の輸入である。平成16年(2004年)の原告全社の売上数量は18,077,408 個,「その他費用」は1,782,199 千円であるので,その他費用割合は98.59 円である。そこで,製造者インボイス数量(A欄)の数値52,004 個にその他費用割合98.59 円を乗じて,「その他」(Q欄)は5,127,074 円と算出される。 (3) 例えば,整理番号119の輸入は,別紙輸入目録2-2記載の整理番号119の輸入に対応しており,平成17年上期の輸入である。平成17年(2005年)上期の原告全社の売上数量は9,164,872 個,「その他費用」は822,198 千円であるので,その他費用割合は89.71 円である。そこで,製造者インボ の輸入である。平成17年(2005年)上期の原告全社の売上数量は9,164,872 個,「その他費用」は822,198 千円であるので,その他費用割合は89.71 円である。そこで,製造者インボイス数量(A欄)の数値31,104 個にその他費用割合89.71 円を乗じて,「その他」(Q欄)は2,790,340 円と算出される。
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