平成15(行コ)28 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成16年2月24日 名古屋高等裁判所 名古屋地方裁判所 平成12(行ウ)20
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判決文本文18,987 文字)

主文 原判決を取り消す。 本件を名古屋地方裁判所に差し戻す。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨主文同旨第2 事案の概要 1 本件は,愛知県西加茂郡に属する三好町の住民である控訴人が,同町が行った長野県木曽郡に属する三岳村に対する自動車2台(以下「本件各車両」という。)の寄贈(以下「本件寄贈」という。)は違法であるなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,同町に代位して,同町の町長であった被控訴人に対し,本件各車両の購入代金並びに本件各車両の取得に際して必要となる車両登録手数料,自動車損害賠償責任保険料及び自動車重量税(以下,これら購入代金以外の費用を「本件各諸費用」という。)に相当する額として941万9750円の損害賠償を請求している事案である。 前提事実及び本案に関する控訴人の主張は,第1審判決の「事実及び理由」の「第二事案の概要」の「一」及び「二」に摘示のとおりである。 2 第1審である名古屋地方裁判所及びその控訴審である名古屋高等裁判所(以下「原審」という。)は,控訴人の請求に係る訴えは不適法であるとしてこれを却下した(以下「原判決」という。)。 原審が確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。 (1) 三好町は,三岳村に寄贈する目的で平成10年4月2日に本件各車両を代金合計915万0750円で購入したうえ,同年5月11日に本件各車両を三岳村に寄贈することを決定し,同月15日に三岳村において贈呈式を行って本件各車両を引き渡した。 (2) 三好町は,平成10年6月5日及び同月25日に本件各諸費用を支出した。 (3) 控訴人は,平成12年2月16日,三好町の監査委員に対し において贈呈式を行って本件各車両を引き渡した。 (2) 三好町は,平成10年6月5日及び同月25日に本件各諸費用を支出した。 (3) 控訴人は,平成12年2月16日,三好町の監査委員に対し,本件寄贈は,地方公共団体相互間の経費の負担区分を乱すものであり,地方財政法28条の2に反する違法な行為であるとして,三好町長に対して車両購入費915万円を同町に返還させるよう求める監査請求(以下「本件監査請求」という。)を行ったが,監査委員は,同年3月9日,本件監査請求を却下した。 (4) 本件寄贈は三好町の町制施行40周年記念「水の感謝」事業として行われたものであるところ,同町の平成10年度予算書,予算審議の町議会議事録,同町の広報誌「広報みよし」,「三好町制施行40周年記念事業基本計画」及び「三好町制施行40周年記念事業のご案内」に本件寄贈は記載されておらず,同年度の予算説明書にも単に町制施行40周年記念「水の感謝」事業とのみ記載され本件寄贈は記載されていないが,これらは本件寄贈を隠ぺいする趣旨でされたものとはいえない。また,予算審議を行った総務委員会の会議録及び三好町制施行40周年記念事業推進委員会の会議録にも本件寄贈は記載されておらず,平成10年3月議会における町長の施政方針演説においても本件寄贈には触れられておらず,本件各車両は三好町の備品台帳にも記載されていないが,これらも本件寄贈を隠ぺいする趣旨でされたものとはいえない。 (5) 本件寄贈の事実は,平成10年6月3日発行の日刊紙「長野日報」,同年7月10日発行の三岳村の広報誌「広報みたけ」に掲載されているが,前者は長野県南西部を対象としたローカル紙,後者は三岳村民を対象とした広報誌であり,三好町の住民がこれらを目にする機会はなかった。本件各車両の購入,本件寄贈,贈 誌「広報みたけ」に掲載されているが,前者は長野県南西部を対象としたローカル紙,後者は三岳村民を対象とした広報誌であり,三好町の住民がこれらを目にする機会はなかった。本件各車両の購入,本件寄贈,贈呈式のための出張等に関しては,支出負担行為及び支出命令並びに出張命令等の手続が通常どおり執られていたが,三好町の住民は一般的にはそれを知り得なかった。 この判決に不服である控訴人が上告した。 3 最高裁判所は,次のとおりの理由で,原判決を全部破棄したうえ,三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたと解される時期について審理を尽くしたうえで,法242条2項ただし書にいう正当な理由があるか否かについて判断させるため,本件を名古屋高等裁判所に差し戻した。 (1) 上記事実関係等によれば,本件監査請求は,本件寄贈が地方財政法28条の2に反する違法な行為であるとしてされたものであり,控訴人は,本訴において,三好町の住民は,本件寄贈当時,相当の注意力をもって調査しても客観的にみて本件寄贈の事実を知ることができなかったものであり,控訴人自身は三好町議会議員である控訴人補助参加人が平成12年1月に発行した「議会だより」を見てその事実を初めて知った旨主張しているところ,三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたと解される時期は,原審の確定するところではなく,記録上も明らかではない。しかるに,原審はこれを確定することなく,本件寄贈が秘密裡にされたものといえないというだけで直ちに本件監査請求に法242条2項ただし書にいう正当な理由がないと判断しており,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令 審はこれを確定することなく,本件寄贈が秘密裡にされたものといえないというだけで直ちに本件監査請求に法242条2項ただし書にいう正当な理由がないと判断しており,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。 (2) 控訴人は,本訴提起後,本件寄贈に際しては,本件各諸費用の支出(以下「本件各支出」という。)がされていることが判明したとして被控訴人に対する請求額を増額して請求を拡張したが,上記請求の拡張は,訴訟物の同一性が認められる範囲で請求する損害額を拡張したものであるから,監査請求の経由の点はもとより,出訴期間の遵守の点においても欠けるところがないというべきである。しかるに,原審は本件各支出が本件監査請求の対象とされていたとは認められないとして,本件訴えのうち本件各支出に関する26万9000円の支払を求める部分は,監査請求を経ていない不適法な訴えであると判断しており,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。 4 以上を前提とする差戻し後の当審における争点並びに争点に関する控訴人・同補助参加人(以下「控訴人ら」という。)及び被控訴人・同参加人(以下「被控訴人ら」という。)の主張は,次のとおりである。 (1) 三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたと解される時期はいつか。 (被控訴人らの主張)ア主位的主張三好町と三岳村との間では従前から各種行事や各種贈り物の贈呈が行われており,昭和58年度から平成9年度までの間に,町制25周年記念,友好提携記念,愛知用水完工30周年記念,友好提携10周年記念,国体開催記念及び友好提携15周年記念として,消防指令車,ワゴン車,リフトカー,村長車(クラウン),福祉バス,村公用車(カルデ 年記念,友好提携記念,愛知用水完工30周年記念,友好提携10周年記念,国体開催記念及び友好提携15周年記念として,消防指令車,ワゴン車,リフトカー,村長車(クラウン),福祉バス,村公用車(カルディナ),その他の物品を寄贈した実績があった。三好町が三好町制40周年記念事業を行うことは,三好町の住民全体に対する広報活動によって広く知れわたっていたところであり,同事業のなかの一つである「水の感謝」事業として,本件各車両を三岳村に寄贈することは,三好町における各界代表者のなかから委嘱され,その氏名も公表されている29名の委員をもって構成されている推進委員会において,平成10年2月27日に承認されたものである。推進委員会が作成し,その名称が記載されている「三好町制40周年記念事業のご案内」が三好町内全戸に配布されていることから,三好町の住民は推進委員会の存在とその事業目的を知っていたというべきであり,更に三好町では過去において,各種記念事業の際には三岳村に対し,感謝の意を表明し,友好親善を促進するために各種贈り物を贈呈し,三岳村からも各種贈り物の贈呈を受けたことが種々の方法で広報されていたので,三好町の住民はこの事実を知っていたというべきである。 そうすると,三好町の住民は,三好町制40周年記念事業の一つとして三岳村に対して何らかの贈り物を贈呈することが推進委員会において審議決定されたであろうことは十分に推察することができたというべきであり,推進委員会の委員に尋ねたり,推進委員会事務局に問い合わせるなどすることによって,本件寄贈の事実を知ることができたものである。この程度の調査が「相当な注意力をもってする調査」以前のものであることは,常識上明らかであるから,三好町の住民は,推進委員会において審議決定された平成10年2月27日ころには ができたものである。この程度の調査が「相当な注意力をもってする調査」以前のものであることは,常識上明らかであるから,三好町の住民は,推進委員会において審議決定された平成10年2月27日ころには,本件寄贈の存在及び内容を知ることができたものというべきである。 イ第1次予備的主張A秘書課長(当時)は,平成10年3月12日,第1回三好町議会定例会の総務委員会における平成10年度一般会計予算の提案説明において,「水の感謝」事業として本件各車両を寄贈することを説明した。総務委員会は,非公開ではなく,「三好町議会委員会に関する条例」16条1項で,傍聴の取扱いについて,「委員会は,議員のほか,委員長の許可を得た者が傍聴することができる。」とされているうえ,同条例27条2項の規定により,委員会の会議録は,議長が保管するものと定められており,住民から閲覧等の請求があった場合には,議長が当該委員会の委員長と協議して,個別具体的に許否を決定しているところであるから,会議録も非公開ではない。 そして,B助役(当時)は,同月5日に開会した定例会の本会議において,平成10年度一般会計予算の提案説明の中で,総務費の主要事業の一つとして,特に「水の感謝」事業を挙げて説明しているから,三好町の住民は,総務委員会を傍聴し,又はその会議録を閲覧して担当者に具体的内容を尋ねる等の簡単な方法によって,容易に本件寄贈の事実を知ることができたものというべきである。この程度の調査が「相当な注意力をもってする調査」以前のものであることは,常識上明らかであるから,三好町の住民は,議会総務委員会において「水の感謝」事業が具体的には本件各車両の寄贈であることの説明があった平成10年3月12日ころには,本件寄贈の存在及び内容を知ることができたものというべきである。 町の住民は,議会総務委員会において「水の感謝」事業が具体的には本件各車両の寄贈であることの説明があった平成10年3月12日ころには,本件寄贈の存在及び内容を知ることができたものというべきである。 ウ第2次予備的主張三好町は,平成10年3月18日,平成10年度一般会計予算について,歳出に係る「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費,「節」18・備品購入費として,931万6000円を計上し,説明欄には「長野県三岳村との友好親善費1660万4000円」そのうち「町制施行40周年記念『水の感謝』事業958万5000円」と記載されている予算書及び予算説明書を三好町役場内の総務部総務課窓口において住民の閲覧に供する方法によって公表している。 三好町が三好町制施行40周年記念事業を行うこと及び各種記念事業等として友好都市三岳村に贈り物を贈呈することが当時の慣習となっていたことは,いずれも住民の間に広く知れわたっていたところであるから,本件についても,従来からの慣習に従って三岳村に対してしかるべき贈り物が寄贈されるであろうことは,当然推察できたところである。したがって,三好町住民は,何らかの端緒があれば,僅かばかりの労を厭わず調査することによって容易に本件寄贈の事実を知ることができたものというべきであり,上記予算書及び予算説明書を閲覧すれば,三好町が958万5000円を支出して「水の感謝」事業として,何らかの記念事業を行うことを知ることができたものであり,更に三好町職員に尋ねることによって,記念事業が具体的には本件各車両の寄贈であることを知ることも,極めて容易に可能であったものである。この程度の調査が「相当な注意力をもってする調査」以前のものであることは,常識上明らかであるから,三好町の住民は,予算書及び予 車両の寄贈であることを知ることも,極めて容易に可能であったものである。この程度の調査が「相当な注意力をもってする調査」以前のものであることは,常識上明らかであるから,三好町の住民は,予算書及び予算説明書を公表した平成10年3月18日ころには,本件寄贈の存在及び内容を知ることができたものというべきである。 エ第3次予備的主張C秘書課長は,平成11年12月13日及び同月14日に開催された平成10年度一般会計歳入歳出決算を審議するための第4回三好町議会定例会の総務委員会において,「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費について詳細に説明し,上記委員会委員である控訴人補助参加人の質問に対して本件各車両を寄贈した旨回答し,審議の結果,控訴人補助参加人を含む全員の賛成によって,当該決算認定が承認された。三好町の住民は,上記総務委員会を傍聴し,又は会議録を閲覧したり,同委員会の委員や三好町の担当職員に問い合わせる等の方法によって,極めて容易に本件寄贈の事実を知ることができたものである。この程度の調査が「相当な注意力をもってする調査」以前のものであることは,常識上明らかであるから,三好町の住民は,議会総務委員会において「水の感謝」事業が具体的には本件各車両の寄贈であったことの説明があった平成11年12月13日ころには,本件寄贈の存在及び内容を知ることができたものというべきである。 オ第4次予備的主張三好町は,平成11年12月17日に,総務課窓口において,平成10年度一般会計歳入歳出決算に係る決算書,実績並びに主要施策報告書を住民の閲覧に供した。したがって,前記ウにおいて予算書について述べたところと全く同様の理由により,三好町の住民は,決算書,実績並びに主要施策報告書が公表された平成11年12月17 に主要施策報告書を住民の閲覧に供した。したがって,前記ウにおいて予算書について述べたところと全く同様の理由により,三好町の住民は,決算書,実績並びに主要施策報告書が公表された平成11年12月17日ころには,本件寄贈の存在及び内容を知ることができたものというべきである。 (控訴人らの主張)控訴人補助参加人は,年4回行われる定例議会後,住民に議会活動を報告するため,「控訴人補助参加人議会だより」を発行していた。控訴人補助参加人は,平成11年12月に開催された三好町議会総務委員会において,町制施行40周年記念水の感謝事業の内容を問い質したところ,C秘書課長が本件各車両の寄贈を回答したため,その事実を知った。控訴人補助参加人は,住民に知らせることなく,三岳村に1000万円近い車両を友好交流と称し寄贈することには問題があると考え,これを「控訴人補助参加人議会だより(第19号)」で取り上げることにし,同月の議会終了後記事内容を検討し,同年12月末に編集者に記事の概略の説明と資料の手渡しを行い,平成12年1月10日ころ文面が完成したため,約8000部印刷したのち,町内に戸別配布を始めた。 控訴人は,同月20日ころ上記「控訴人補助参加人議会だより」を受け取って読み,初めて本件寄贈の事実を知った。しかし,「控訴人補助参加人議会だより」は,三好町が作成したような公的文書ではなく,三好町内では受け取っていない住民が多数存在する。 本件寄贈の事実は,控訴人のような一般住民はもとより,三好町内の公職者でさえ知り得るものではなく,これを知り得たのは被控訴人の周囲にいるごく限られた取り巻きにすぎなかった。上記総務委員会における控訴人補助参加人の質問によって,初めて本件寄贈の事実が明らかとされたが,これによって当然に三好町の住民が本件寄贈の事実を知る 周囲にいるごく限られた取り巻きにすぎなかった。上記総務委員会における控訴人補助参加人の質問によって,初めて本件寄贈の事実が明らかとされたが,これによって当然に三好町の住民が本件寄贈の事実を知ることができたとはいえない。 したがって,三好町の住民は,少なくとも上記「控訴人補助参加人議会だより」が配布された平成12年1月20日ころ以前においては,相当な注意力をもって調査をしたとしても,本件寄贈の存在及び内容を知ることはできなかったものというべきである。 (2) 控訴人は,被控訴人ら主張の上記(1)の各時期において,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたといえるか(当審における被控訴人らの補足的主張)。 (被控訴人らの主張)控訴人が提出した本件住民監査請求の事実証明書には,「判例自治121号抜粋」として,地方自治体間のミニパトカー寄付事件に係る判決及び「平成5年10月22日下野新聞に記載の記事」を添付し,監査請求書において,地方自治体間の寄付行為が裁判で争われた上記事件が新聞でも大きく報道されており,三好町は地方自治体として当然承知していなければならない旨の記載がある。このことから,控訴人は,車両寄贈行為が「地財法第28条の2の規定に反する違法行為にあたる」との疑念を抱いていたものであり,本件寄贈が住民監査請求の対象行為であることは,少なくとも控訴人がいう下野新聞に報道された平成5年10月22日ころには了知していたことを知ることができる。 更に,前記事実証明書には,「平成6年度三好ものしり百科抜粋」として,「友好町村提携」に関する事項(抜粋)が添付されている。これは三好町が平成6年度に発行し,公表している資料であり,記載内容は,友好提携から平成5年度ま は,「平成6年度三好ものしり百科抜粋」として,「友好町村提携」に関する事項(抜粋)が添付されている。これは三好町が平成6年度に発行し,公表している資料であり,記載内容は,友好提携から平成5年度までの間に,記念として三好町から三岳村へ寄贈した物品を紹介したものである。このことから,三好町では記念事業として慣習的に物品寄贈行為が行われてきた事実を容易に知り得ることができたこと,少なくとも三好町が発行した「平成6年度三好ものしり百科」により,物品の寄贈事実及び内容を容易に知ることが可能であったことを知ることができる。 そのうえ,控訴人は控訴人補助参加人との密接な関係があったことから,控訴人補助参加人を通じて,推進委員会の委員,三好町の担当者,三好町議会の議長その他の議員等に尋ねたり,予算書や決算書等を閲覧し,委員会の傍聴,会議録の閲覧等の許可を得たりすることが一般住民の場合と比較して容易であったことも,極めて容易に推測し得る。そうすると,控訴人が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の事実を知ることができたと解される時期は,上記(1)の三好町の一般住民に関する主位的主張及び各予備的主張における時期より早いことはあり得ても,遅くなることはあり得ないところであるから,仮に,これらの各時点においては三好町の一般住民は相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の事実を知ることができなかったとしても,控訴人において可能であった以上,これらの各時点を基準として,法242条2項ただし書にいう正当な理由があるか否かについて判断すべきである。 (控訴人らの主張)控訴人は,平成12年1月20日ころ,「控訴人補助参加人議会だより」を読んで,このような物品寄贈は許せない,何とか だし書にいう正当な理由があるか否かについて判断すべきである。 (控訴人らの主張)控訴人は,平成12年1月20日ころ,「控訴人補助参加人議会だより」を読んで,このような物品寄贈は許せない,何とかやめさせる方法はないかと考え,それまで面識のなかった控訴人補助参加人に相談を持ちかけ,控訴人補助参加人の協力を得て本件監査請求を行ったのである。したがって,控訴人が,それ以前に控訴人補助参加人と密接な関係があったなどということはなく,控訴人が同日以前に本件寄贈の事実を知ることはあり得なかった。 なお,一般論として,町会議員が,支援者に対し,問題も表面化していないにもかかわらず,各種委員会委員や町の担当者,町議会議長等に尋ねるよう指示を出したり,予算書や決算書の閲覧や委員会の傍聴,会議録の閲覧等を薦めたりすることはしない。 (3) 控訴人が本件監査請求をするについて監査請求期間を徒過したことについて,法242条2項ただし書所定の正当な理由があるか。 (控訴人らの主張)控訴人は,平成12年1月20日ころに本件寄贈の事実を知ったため,控訴人補助参加人に事実関係を確かめるとともに,控訴人補助参加人の協力を得て同年2月16日に郵送で三好町監査委員宛に住民監査請求書を提出し,本件監査請求を行った。この間は約28日間にすぎず,極めて短期間であるから,控訴人は,三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたことは明らかであり,本件監査請求は適法なものである。 (被控訴人らの主張)法242条2項ただし書き所定の正当な理由があるといえるためには,普通地方公共団体の住民は,当該財務会計行為の事実を知ってから相当な期間内に監査請求をする必要があるが ある。 (被控訴人らの主張)法242条2項ただし書き所定の正当な理由があるといえるためには,普通地方公共団体の住民は,当該財務会計行為の事実を知ってから相当な期間内に監査請求をする必要があるが,上記相当な期間とは一般的に30日程度をもって妥当とすべきである。 仮にそうでないとしても,少なくとも本件においては,本件寄贈の性格,控訴人を取り巻く環境等の具体的事情から勘案して30日程度を相当とすべきである。すなわち,①三好町の三岳村への物品寄贈は,友好交流を開始して以来節目の年を記念して慣行的に行ってきたものであり,広く住民に周知されており,本件寄贈についても住民が予測することが十分に可能であり,しかも具体的な事実内容の調査も極めて容易であったこと,②控訴人は,住民監査請求に関する法的な知識及び本件寄贈に関する情報をはじめとし,三好町政に関する情報を,一般住民より早くかつ詳細に入手しており,少なくとも入手し得る立場にあったから,本件寄贈については何らの能動的な調査,準備を要するものではなく,仮に若干の調査,準備を要するとしても,極めて短期間のうちにこれを完了し得たこと,③本件監査請求をするために必要な調査は,本件各車両寄贈の事実があったことのみであって,その内容を調査して把握することは極めて容易であり,しかも監査請求の対象となる行為を他の行為と区別するために格別の配慮を払う必要もなく,これを証する書面も三好町が議会の議決後速やかに公表した当該事業に係る予算または決算が記載された予算書,決算書の写しで足りるものであり,住民監査請求をするための準備は極めて短期間で可能であったこと,④控訴人は,本件監査請求の証拠書類として,那須郡小川町におけるミニパトカー寄付事件に関する新聞報道を添付しており,このことからすれば,控訴人は以前(少なく の準備は極めて短期間で可能であったこと,④控訴人は,本件監査請求の証拠書類として,那須郡小川町におけるミニパトカー寄付事件に関する新聞報道を添付しており,このことからすれば,控訴人は以前(少なくとも上記新聞報道のあったころ)から地方自治体間の車両寄贈が地方財政法28条の2に抵触するものではないかとの知識を有していたことが明らかであること,などの事情に照らせば,本件においては,上記相当な期間は通常の事例の場合よりも短期間で十分であるというべきであり,30日程度の期間とするのが正当である。 そして,三好町の住民は,前記のとおり遅くとも平成11年12月17日までには相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度にその存在及び内容を知ることができたと解されるから,本件監査請求は,上記相当な期間内にされたものとは到底認められず不適法である。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)について(1) 前記第2の2の事実,甲第7号証,丙第1号証の1ないし3,第3,第4号証,第9号証の1ないし3,第11,第12号証,第13号証の1ないし6,第14号証の1ないし6,第15号証の1ないし3,第16号証の1ないし3,第17,第18号証,第21ないし第24号証,第27号証,証人Aの証言及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができる。 アかつて水不足に苦しんでいた三好町は,昭和36年9月30日に長野県木曽郡三岳村所在の牧尾ダムを水源とする愛知用水が通水し,その恩恵を受けることとなったが,同ダム建設に伴い水没した184戸のうち7戸が三好町に移住したことから,その家族を通じ,三好町と三岳村との間で交流が開始されることとなり,その後両町村間において,数々の贈り物がされるようになった。 三好町は,平成10年度に町制施行4 ち7戸が三好町に移住したことから,その家族を通じ,三好町と三岳村との間で交流が開始されることとなり,その後両町村間において,数々の贈り物がされるようになった。 三好町は,平成10年度に町制施行40周年を迎えることから,平成7年10月13日に,各層の代表により組織された「三好町制施行40周年記念事業検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置することとし,計7回に及ぶ検討委員会の審議を経て,平成8年8月13日に検討委員会から三好町長に対し記念事業に係る基本計画についての最終報告がされた。三好町は,この基本計画に基づき,その記念事業の円滑な推進を図るため,「三好町制施行40周年記念事業推進委員会」(以下「推進委員会」という。)を設置することとし,「三好町制施行40周年記念事業推進委員会設置要綱」を定めて,平成8年11月12日から施行することとした。推進委員会は,同日(第1回),平成9年2月20日(第2回),平成10年2月27日(第3回)に開催された。 イ三好町は,平成10年1月中旬から2月中旬にかけて「三好町制施行40周年記念事業基本計画」と題する冊子を国,愛知県及び三好町の関係諸団体並びに三好町公職者に郵送等で配布を行った。また,各種記念事業の概要をPRするため,同年4月15日号の「広報みよし」に併せ,「三好町制40周年記念事業のご案内」と題するパンフレットを町内全戸に対し配布を行った。 ウ三好町は,推進委員会における審議を経たうえで,本件各車両を三岳村に寄贈することとし,平成10年度一般会計特別会計予算説明書において,歳出に係る「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費,「節」18・備品購入費として,931万6000円を計上し,説明欄には「長野県三岳村との友好親善費1660万4000円 ,歳出に係る「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費,「節」18・備品購入費として,931万6000円を計上し,説明欄には「長野県三岳村との友好親善費1660万4000円」そのうち「町制施行40周年記念『水の感謝』事業958万5000円」と記載したものを「議案27号」として,平成10年第1回三好町議会定例会に上程した。 上記予算案は,同月16日総務委員会において,同月18日定例会本会議において,それぞれ原案どおり可決承認され,平成10年度一般会計予算の成立に伴い,法219条1項の規定に基づき,平成10年3月18日に三好町議会議長から三好町長へ当該予算に係る議決の送付があり,三好町長は,同条2項の規定に基づき,同日より総務課窓口において予算書及び予算説明書を公表し,住民の閲覧に供するとともに,同月25日付けで愛知県知事にその報告を行った。 エ三好町は,上記予算の成立により,寄贈先である三岳村の希望する車種の車両2台を購入することとし,まず,乗用車クラウンマジェスタの車両購入については,同年4月1日に予算執行伺及び見積合わせ執行,同月2日に支出負担行為決議及び契約書締結,同年5月15日に物品検収,同月20日に支出命令,同年6月5日に支払を行い,一方,タウンエースノアの車両購入については,同年4月1日に予算執行伺及び入札執行,同月2日に支出負担行為決議及び契約書締結,同年5月15日に物品検収,同月28日に支出命令,同年6月15日に支払を行った。また,乗用車クラウンマジェスタの車両登録手数料,自動車損害賠償責任保険料及び自動車重量税については,同年5月20日に支出負担行為決議兼支出命令がされ,同年6月5日に支払が行われ,タウンエースノアの車両登録手数料,自動車損害賠償責任保険料及び自動車重量税について 保険料及び自動車重量税については,同年5月20日に支出負担行為決議兼支出命令がされ,同年6月5日に支払が行われ,タウンエースノアの車両登録手数料,自動車損害賠償責任保険料及び自動車重量税については,同年6月1日に支出負担行為決議兼支出命令がされ,同月25日に支払が行われた。これらの一連の事務処理手続は,三好町における物品購入に係る通常の手続と同様に行われた。 オ三好町は,同年5月15日,三岳村において上記車両の贈呈式を行い,この贈呈式については,日刊紙である同年6月3日発行の「長野日報」及び三岳村の広報紙である同年7月10日発行の「広報みたけ」によって報道された。 カ本件各車両の購入費の支出を含む平成10年度一般会計歳入歳出決算は,平成11年12月6日に開会した第4回三好町議会定例会において認定に付され,同月13日及び14日の2日間で開催された総務委員会では,同月13日にC秘書課長が,「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費の説明を行った。同月14日に委員である控訴人補助参加人から「町制40周年記念水の感謝事業は何を行いましたか。」という質疑があり,同秘書課長は,友好の森管理用自動車及び公用車を贈呈した旨の回答をし,審議を経て,同日全員の賛成により当該決算認定が承認された。 上記決算認定は,同月16日開催の本会議において可決承認され,三好町長は,平成10年度一般会計歳入歳出決算認定について,監査委員の意見と併せて同月17日より総務課窓口において決算書,実績並びに主要施策報告書を公表し,住民の閲覧に供するとともに,同月22日付けで愛知県知事にその報告を行った。 キ控訴人補助参加人は,自ら発行している「控訴人補助参加人議会だより」の第19号に,三好町が「町政40周年記念水の感謝事業」と 供するとともに,同月22日付けで愛知県知事にその報告を行った。 キ控訴人補助参加人は,自ら発行している「控訴人補助参加人議会だより」の第19号に,三好町が「町政40周年記念水の感謝事業」と称し,三岳村にタウンエースノア1台とクラウンマジェスタ1台,合計915万円の車を贈呈した旨の記事を掲載することとし,平成12年1月10日ころ文面が完成したことから,約8000部印刷した後,三好町内に戸別配布をした。 (2) 被控訴人らの主位的主張について甲第14号証の1ないし3,第15ないし第17号証,丙第3ないし第8号証及び弁論の全趣旨によれば,推進委員会の会議及びその会議録は三好町の住民に公開されたものではないこと,本件訴訟において提出された同会議録にも本件寄贈について言及された部分はなく,第3回委員会において資料とされた「三好町制施行40周年記念事業実施計画」にも「長野県三岳村への水の感謝事業」との記載があるにとどまること,また,三好町が作成し各家庭に配布した「広報みよし」や「三好町制施行40周年記念事業のご案内」にも,三好町が「三好町制施行40周年『水の感謝』事業」を行う旨の記載はあるものの,本件寄贈についての記載はなく,更に,国,愛知県及び三好町の関係諸団体並びに三好町公職者に郵送等で配布され,住民にとっては通常入手が困難であった「三好町制施行40周年記念事業基本計画」にも,本件寄贈についての記載はないことが認められる。 そうすると,三好町の住民が上記情報から知り得たことは,三好町が「三好町制施行40周年『水の感謝』事業」を実施するということのみであり,過去において三好町が三岳村に物品を寄贈した実績があったからといって,そのことから当然に本件各車両の寄贈がされることを予想することができたものとはいい難く,三好町の住民が するということのみであり,過去において三好町が三岳村に物品を寄贈した実績があったからといって,そのことから当然に本件各車両の寄贈がされることを予想することができたものとはいい難く,三好町の住民が上記情報をもとに相当の注意力をもって調査をしたとしても,本件寄贈の存在及び内容を知ることは不可能であったといわざるを得ない。 したがって,被控訴人らの主位的主張は採用できない。 (3) 被控訴人らの第1次予備的主張について被控訴人らは,A秘書課長は,平成10年3月12日,第1回三好町議会定例会の総務委員会における平成10年度一般会計予算の提案説明において,「水の感謝」事業として本件各車両を寄贈することを説明したと主張し,証人Aも,上記委員会において,水の感謝事業として行われる予算額,予算内容について述べるとともに,水の感謝事業として本件寄贈を行う旨説明したと供述する。しかし,丙第11号証によれば,上記総務委員会会議録には,同課長が,「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費について詳細に説明したとの記載があるにすぎず,本件寄贈の存在及び内容について言及した旨の記載はないことが認められる一方,甲第19号証によれば,三好町議会議員で総務委員として上記総務委員会に出席したは,上記総務委員会においてA秘書課長から上記のような説明は受けていないと述べていることが認められ,これらに照らすと,被控訴人の上記主張は採用できない。 そして,丙第26,第28号証によれば,三好町議会委員会に関する条例16条1項は,委員会は,議員のほか,委員長の許可を得た者が傍聴することができるものと定めていること,また,同27条2項は,委員会の会議録は,議長が保管するものと定めており,住民から閲覧等の請求があった場合には,議長が当該委員会の委員 員長の許可を得た者が傍聴することができるものと定めていること,また,同27条2項は,委員会の会議録は,議長が保管するものと定めており,住民から閲覧等の請求があった場合には,議長が当該委員会の委員長と協議して,個別具体的に許否を決定していることが認められるものの,これらによっても,総務委員会の議事については,これに特別の関心を持った住民が,所定の手続を経たうえで初めて了知し得る情報であるにとどまり,いつでも自由に取得し得るものとはいい難いうえ,仮にこれらによって上記総務委員会における議事の内容を知り得たとしても,上記のとおり,A秘書課長が本件寄贈の存在及び内容について言及したものとは認められない以上,結局,三好町の住民が本件寄贈について知り得たものとは認められない。 また,丙第12号証によれば,B助役は,平成10年3月5日開催の第1回定例会において,平成10年度三好町一般会計予算について説明をしたが,その際,「町制施行40周年記念『水の感謝』事業費」については言及しているものの,本件寄贈については何ら触れていないことが認められるから,これのみによっては,上記(2)について認定したのと同様,三好町の住民が上記情報をもとに相当の注意力をもって調査をしたとしても,本件寄贈の存在及び内容を知ることは不可能であったといわざるを得ない。 したがって,被控訴人らの第1次予備的主張は採用できない。 (4) 被控訴人らの第2次予備的主張について丙第9号証の1,2によれば,三好町の平成10年度一般会計特別会計予算説明書の,歳出「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費の説明欄に「町制施行40周年記念『水の感謝』事業958万5000円」との記載があるのみで,その事業の具体的内容の記載はないこと,また,同欄の「節」18・備 」5・総務管理費,「目」54・国内交流費の説明欄に「町制施行40周年記念『水の感謝』事業958万5000円」との記載があるのみで,その事業の具体的内容の記載はないこと,また,同欄の「節」18・備品購入費として931万6000円が計上されているが,町制施行40周年記念「水の感謝」事業に対応するという形の記述ではないことが認められる。そうすると,仮に,三好町の住民がこれらを閲覧したとしても,そこから知り得ることは,三好町が「三好町制施行40周年『水の感謝』事業」を実施すること及びそのために計上された予算の額についてのみであり,過去において三好町が三岳村に物品を寄贈した実績があったからといって,そのことから当然に本件各車両の寄贈がされることを予想することができたものとはいい難く,三好町の住民が上記情報をもとに相当の注意力をもって調査をしたとしても,本件寄贈の存在及び内容を知ることは不可能であったといわざるを得ない。 したがって,被控訴人らの第2次予備的主張は採用できない。 (5) 被控訴人らの第3次予備的主張について前記(1)カのとおり,平成11年12月13日,総務委員会において,C秘書課長が,「款」10・総務費,「項」5・総務管理費,「目」54・国内交流費の説明を行い,同月14日,控訴人補助参加人からの「町制40周年記念水の感謝事業は何を行いましたか」との質疑に対し,同課長は,友好の森管理用自動車及び公用車を贈呈した旨の回答をしたことが認められる。 しかし,前記(2)ないし(4)のとおり,上記定例会以前においては,三好町の住民は本件寄贈の事実について知り得る状況にはなかったというべきであるうえ,前記(3)のとおり,総務委員会の傍聴や会議録の閲覧は,三好町の住民がいつでも自由に行い得るものではないことからすれば,C秘書課長の 寄贈の事実について知り得る状況にはなかったというべきであるうえ,前記(3)のとおり,総務委員会の傍聴や会議録の閲覧は,三好町の住民がいつでも自由に行い得るものではないことからすれば,C秘書課長の上記回答があったからといって,これによって三好町の住民が一般に本件寄贈の事実について了知し得る状況に置かれたものとはいい難く,三好町の住民が相当の注意力をもって調査をしたとしても,本件寄贈の存在及び内容を知ることは不可能であったといわざるを得ない。 したがって,被控訴人らの第3次予備的主張は採用できない。 (6) 被控訴人らの第4次予備的主張について甲第4号証,第25,第26号証によれば,三好町の平成10年度一般会計特別会計決算書には「国内交流費」の「物品購入費」に相当する「支出済額」欄に915万0750円との記載はあるが,本件各車両の購入等のために支出がされたことを明らかにする記載はないこと,また,平成10年度決算実績並びに主要施策報告書にも,「国内交流費」の事業の概要欄に「町制40周年記念水の感謝事業915万円,町制40周年を迎えるにあたり,三好町の発展の基礎となった愛知用水とその水源地である三岳村への感謝の意を表する事業を実施しました。」との記載があるだけで,本件寄贈についての記載はないことが認められる。 そのうえ,甲第24号証,丙第47ないし第52号証及び弁論の全趣旨によれば,三好町の住民であるD,E,F,G,Hは,本件寄贈の事実を本件訴訟に関する記事が載った新聞報道や「広報みよし」を見て知ったこと,同じく三好町の住民であるIは本件寄贈の事実を知っていたが,それは,同人が三岳村出身であり,三岳村に住む親戚の者から聞いて本件寄贈の事実を知ったというものであることが認められ,これらによれば,三岳村と個人的な繋がりのあるIのよ 件寄贈の事実を知っていたが,それは,同人が三岳村出身であり,三岳村に住む親戚の者から聞いて本件寄贈の事実を知ったというものであることが認められ,これらによれば,三岳村と個人的な繋がりのあるIのような者を除けば,三好町の住民の間では一般には本件寄贈の事実は知られていなかったものと推認され,そうすると,過去において三好町が三岳村に物品を寄贈した実績があり,かつ,三好町の住民が,三好町が「水の感謝」事業を行うことを知ったうえで上記各書面を閲覧したとしても,上記各記載のみでは,「水の感謝事業」の中に本件各車両の寄贈が含まれていることを具体的に認識し得たものとはいい難く,住民が上記各書類を相当の注意力をもって調査したとしても,客観的にみて本件各車両が三岳村に寄贈されたことについて監査請求をするに足りる程度にその存在及び内容を知ることができたということはできない。 そして,被控訴人らの主張する全事実を考慮しても,平成11年12月17日において,三好町の住民が,相当の注意力をもって調査しても,客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたとは認められない。 したがって,被控訴人らの第4次予備的主張は採用できない。 (7) 三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたと解される時期について本件寄贈の記事が掲載された「控訴人補助参加人議会だより(第19号)」は,平成12年1月10日ころ文面が完成し,その後印刷のうえ三好町内の家庭に配布されたのであるから,控訴人がこれを読んだとする平成12年1月20日ころは,同じくその配布を受けた他の三好町の住民も本件寄贈の事実を知り得たものと認められる。そして,上記平成11年12年17日以降 されたのであるから,控訴人がこれを読んだとする平成12年1月20日ころは,同じくその配布を受けた他の三好町の住民も本件寄贈の事実を知り得たものと認められる。そして,上記平成11年12年17日以降,平成12年1月20日ころまでの間に三好町の住民が本件寄贈の事実を知ることができた事情を窺わせる証拠は見当たらない。 そうすると,三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたと解される時期は,控訴人らの主張のとおり,平成12年1月20日ころとするのが相当である。 2 争点(2)について被控訴人らは,控訴人が本件監査請求において,地方自治体間のミニパトカー寄付事件に係る判決や「平成6年度三好ものしり百科」を資料として添付していることや,控訴人が控訴人補助参加人と密接な関係があったと考えられることから,控訴人は,少なくとも,争点(1)に関する被控訴人らの各主張の時期には,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたと主張する。 しかし,この点について,控訴人は,平成12年1月20日ころ,「控訴人補助参加人議会だより」を読んで,それまで面識のなかった控訴人補助参加人に相談を持ちかけ,控訴人補助参加人の協力を得て本件監査請求を行ったと主張しており,その主張自体には格別不自然な点はないし,また,控訴人がそれ以前に控訴人補助参加人と面識があったことを窺わせる事情は証拠上何ら見当たらない。 したがって,上記被控訴人らの主張は採用できない。 3 争点(3)について上記認定のとおり,三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることが 控訴人らの主張は採用できない。 3 争点(3)について上記認定のとおり,三好町の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができたと解される時期は平成12年1月20日ころであると認められるところ,控訴人は,その約28日後である同年2月16日に本件監査請求を行っていることからすれば,控訴人は上記の程度に本件寄贈の存在及び内容を知ることができた時期から相当な期間内に監査請求をしたものと認めるのが相当であり,本件監査請求が監査請求期間を徒過した点について,法242条2項ただし書にいう正当な理由があるものというべきである。 4 結語以上の次第で,本件監査請求は適法にされたものと認められるから,本件訴えの提起もまた適法であるというべきである。したがって,これとは異なる原判決を取り消し,本件寄贈及び本件各支出の違法性の有無について更に審理を遂げさせるため,本件を名古屋地方裁判所に差し戻すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第4部裁判長裁判官小川克介裁判官鬼頭清貴裁判官濱口浩

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