平成30(ワ)1654 損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年5月23日 名古屋地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-92198.txt

判決文本文60,150 文字)

- 1 - 令和5年5月23日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成30年(ワ)第1654号損害賠償等請求事件(甲事件)令和元年(ワ)第3222号損害賠償等請求事件(乙事件)口頭弁論終結日 (甲事件被告兼乙事件被告Y15、甲事件被告Y16及び乙事件被告Y19関係) 令和5年3月14日 (その余の被告関係) 令和5年1月26日判決当事者の表示別紙1記載のとおり(同別紙中で定義した略称は、以下においても同様に用いる。) 主文 1 被告Y1は、原告X23に対し、833万8000円及びこれに対する令和4年1月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Y6は、別紙2の「原告」欄記載の各原告に対し、同別紙の当該原告に係る「請求額」欄記載の金員及びこれに対する原告X1から原告X15までについては平成30年7月28日から、原告X16から原告X23までについて は令和元年11月16日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告Y8は、原告X1、原告X2、原告X5、原告X8、原告X9、原告X12から原告X18まで、原告X20及び原告X21に対し、別紙2の当該原告に係る「認容額」欄中「被告Y8」欄記載の金員及びこれに対する原告X1、 原告X2、原告X5、原告X8、原告X9及び原告X12から原告X15までについては平成30年11月1日から、原告X16から原告X18まで、原告X20及び原告X21については令和元年12月14日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告Y2は、原告X15及び原告X16に対し、別紙2の当該原告に係る「認 容額」欄中「被告Y2」欄記載の金員及びこれに対する原告X 、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告Y2は、原告X15及び原告X16に対し、別紙2の当該原告に係る「認 容額」欄中「被告Y2」欄記載の金員及びこれに対する原告X15については- 2 - 平成30年7月30日から、原告X16については令和元年11月19日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 被告Y4は、原告X1、原告X2、原告X5から原告X9まで及び原告X12から原告X21までに対し、別紙2の当該原告に係る「認容額」欄中「被告Y4」欄記載の金員及びこれに対する原告X1、原告X2、原告X5から原告 X9まで及び原告X12から原告X15までについては平成30年7月30日から、原告X16から原告X21までについては令和元年11月19日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 6 被告Y15は、原告X9、原告X16及び原告X18に対し、別紙2の当該原告に係る「請求額」欄記載の金員及びこれに対する原告X9については平成 30年7月28日から、原告X16及び原告X18については令和元年11月22日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 被告Y16は、原告X3及び原告X4に対し、それぞれ252万7142円及びこれに対する平成30年7月29日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 8 被告株式会社Y18は、原告X2及び原告X16に対し、別紙2の当該原告に係る「認容額」欄中「被告株式会社Y18」欄記載の金員及びこれに対する原告X2については平成30年7月29日から、原告X16については令和元年11月22日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 9 原告らの被告Y7、被告Y3、被告Y9、被 対する原告X2については平成30年7月29日から、原告X16については令和元年11月22日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 9 原告らの被告Y7、被告Y3、被告Y9、被告Y10、被告Y13、被告Y 11、被告Y14、被告Y12、被告株式会社Y5、被告Y17、被告Y19及び被告Y20に対する請求並びに被告Y8、被告Y2、被告Y4及び被告株式会社Y18に対するその余の請求をいずれも棄却する。 10 訴訟費用は、原告らに生じた費用の100分の1と被告Y1に生じた費用を被告Y1の負担とし、原告らに生じた費用の100分の33と被告Y6に 生じた費用を被告Y6の負担とし、原告らに生じた費用の100分の12と- 3 - 被告Y8に生じた費用の3分の1を被告Y8の負担とし、原告らに生じた費用の100分の2と被告Y2に生じた費用の100分の6を被告Y2の負担とし、原告らに生じた費用の100分の25と被告Y4に生じた費用の4分の3を被告Y4の負担とし、原告らに生じた費用の100分の4と被告Y15に生じた費用を被告Y15の負担とし、原告らに生じた費用の100分の 1と被告Y16に生じた費用を被告Y16の負担とし、原告らに生じた費用の100分の2と被告株式会社Y18に生じた費用の5分の2を被告株式会社Y18の負担とし、原告らに生じたその余の費用と被告Y7、被告Y3、被告Y9、被告Y10、被告Y13、被告Y11、被告Y14、被告Y12、被告株式会社Y5、被告Y17、被告Y19及び被告Y20に生じた費用並 びに被告Y8、被告Y2、被告Y4及び被告株式会社Y18に生じたその余の費用は原告らの負担とする。 11 この判決は、第1項から第8項までに限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 告Y8、被告Y2、被告Y4及び被告株式会社Y18に生じたその余の費用は原告らの負担とする。 11 この判決は、第1項から第8項までに限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告ら(ただし、被告Y1、被告Y15、被告Y16及び被告株式会社Y18を除く。)は、別紙2の「原告」欄記載の各原告に対し、連帯して、同別紙の当該原告に係る「請求額」欄記載の金員及びこれに対する原告X1から原告X15までについては別紙3の当該被告に係る「起算日1」欄記載の日から、原告X16から原告X23までについては「起算日2」欄記載の日から、それぞ れ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Y1については主文第1項と、被告Y15については主文第6項と、被告Y16については主文第7項とそれぞれ同旨 3 被告株式会社Y18は、原告X2、原告X3、原告X4、原告X9、原告X11、原告X16、原告X18、原告X22及び原告X23に対し、別紙2の 当該原告に係る「請求額」欄記載の金員及びこれに対する原告X2、原告X3、- 4 - 原告X4、原告X9及び原告X11については平成30年7月29日から、原告X16、原告X18、原告X22及び原告X23については令和元年11月22日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要原告ら(ただし、本件訴訟係属中に承継が生じた者については、その被承継 人を指す。以下、承継前の時点における事実をいうときは同じ。)は、A株式会社との間において、A株式会社から磁気治療器商品を購入してこれを第三者に賃貸してレンタル料の支払を受ける旨などの契約を締結し、上記商品の購入代金を支払い、一部レンタル料の支払を受けたが、その後、A株式会社は破産手続開 株式会社から磁気治療器商品を購入してこれを第三者に賃貸してレンタル料の支払を受ける旨などの契約を締結し、上記商品の購入代金を支払い、一部レンタル料の支払を受けたが、その後、A株式会社は破産手続開始決定を受け、原告らは上記代金の一部に相当する損害を被った。 本件は、原告らが、A株式会社が原告らとの間で上記契約を締結する行為は、これらの契約に係る事業の実体が存在せず、いずれ破綻することが必至であるにもかかわらず顧客に金員を支払わせるものであって、不法行為を構成するなどと主張した上で、A株式会社の役員、顧問若しくは従業員であった者、A株式会社の支店の従業員であった者、A株式会社の関連会社若しくはその役員で あった者又はA株式会社の代理店であった被告らに対し、民法709条、719条1項、2項(A株式会社の役員であった被告らについては、併せて会社法429条1項、被告株式会社Y18については、併せて民法715条)に基づき、別紙2の「請求額」欄記載の損害賠償金並びにこれに対する別紙3の「起算日1」欄及び「起算日2」欄記載の日(訴状送達の日の翌日)から支払済み まで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 なお、本件訴訟のうち原告X1から原告X22までの被告Y1に対する請求に関する部分は、破産債権の確定及び破産者が異議を述べなかったことにより終了したものである。 1 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨によ- 5 - り容易に認められる事実)(1) A株式会社ア A株式会社は、昭和50年3月28日に設立された株式会社であり、主に家庭用磁気治療器等の製造販売を業としていた(甲23)。 イ A株式会 り容易に認められる事実)(1) A株式会社ア A株式会社は、昭和50年3月28日に設立された株式会社であり、主に家庭用磁気治療器等の製造販売を業としていた(甲23)。 イ A株式会社本社の組織は、時期によって異なるものの、営業部、業務支 援部、N事業部、財務経理部、総務部等の本社部門と、埼玉工場、品質保証部等の北関東事業部から成っていた。また、A株式会社は全国各地に支店を有しており、東海地方には、名古屋店、豊田店、安城店、岐阜店等があった。そのほか、A株式会社は、香港やシンガポール等に支社を有していた。(甲22、25から29まで、52の1、2) ウ(ア) A株式会社の営業部の下には、営業連絡課、営業推進課、お客様相談室、システム担当があり、平成29年に顧客管理課が新設された。各課の業務等は、次のとおりである。(甲22、52の1から3まで、甲151、157、183)a 営業連絡課 訴外Bからの業務指示を各店舗に伝達すること、各店舗からの営業報告の確認及び各店舗に対する営業指導等の業務を行う。 b 営業推進課契約の締結、移行及び解約に伴う事務処理、店舗ごとの売上や日々の入金の集計、売上実績に基づく従業員への奨励金の計算並びにマ ネージャーや店長等が出席する営業会議の準備等を行う。 営業推進課は、営業推進一課、同二課、同三課、同四課から成り、同一課及び同二課は主に東日本の店舗を、同三課及び同四課は主に西日本の店舗を担当していた。営業推進一課及び同二課が第一営業部の下に、営業推進三課及び同四課が第二営業部の下にあるとされ た時期もあった。 - 6 - c お客様相談室顧客からの問合せやクレーム対応、契約及び取引に関する法務並びに契約書や約款等の作成等の業務を行う。 d 二営業部の下にあるとされ た時期もあった。 - 6 - c お客様相談室顧客からの問合せやクレーム対応、契約及び取引に関する法務並びに契約書や約款等の作成等の業務を行う。 d システム担当顧客の契約管理システムの開発及び管理並びに店舗ごとの売り上 げ管理システムの開発及び管理等の業務を行う。 e 顧客管理課顧客(オーナー)への商品の発送等の管理を行う。 (イ) 営業推進課の下には、地方ごとに営業職のトップである7名のエリアマネージャーがいた。地方マネージャーの下にエリアマネージャーがお り、その下に各店舗の店長がいた。(甲22、52の1から3まで、弁論の全趣旨)(2) 被告らア A株式会社の役員であった被告ら等(ア) 訴外Bは、A株式会社の創業者であり、平成30年3月1日までの間、 A株式会社の代表取締役であった者である。 (イ) 被告Y1は、訴外Bの二女であり、平成16年6月にA株式会社の取締役に就任し、平成19年6月から平成29年12月15日までの間、A株式会社の代表取締役であった者である。 (ウ) 被告Y6は、平成15年6月から平成30年3月1日までの間、A株 式会社の取締役であった者であり、N事業部長を務めていた。また、被告Y6は、第二営業部長を務めていた時期もあったが、訴外Bが営業全般を統括することになったため、平成21年頃に第二営業部長の任を解かれた。(甲164、弁論の全趣旨)(エ) 被告Y7は、平成20年6月から平成24年6月までの間、A株式会 社の監査役であり、同月から平成30年3月1日までの間、A株式会社- 7 - の取締役であった者である。被告Y7は、平成10年から、A株式会社と中華人民共和国(以下「中国」という。)の会社の 社の監査役であり、同月から平成30年3月1日までの間、A株式会社- 7 - の取締役であった者である。被告Y7は、平成10年から、A株式会社と中華人民共和国(以下「中国」という。)の会社の合弁会社に赴任し、その後、中国にあったA株式会社の青島工場を経営するC有限公司の総経理(社長)を務めた(甲28、弁論の全趣旨)。 被告Y7は、令和3年3月31日、免責許可決定を受け、同決定は、 その後確定した(乙(4)5、弁論の全趣旨)。 (オ) 被告Y8は、平成24年6月から平成30年3月1日までの間、A株式会社の社外監査役であった者である。被告Y8は、A株式会社の顧問税理士であった訴外Dの子であり、税理士である。 (カ) 被告Y2は、平成5年6月から平成13年6月までの間、A株式会社 の取締役であり、同月から平成24年6月までの間、A株式会社の監査役であった者である。 イ被告Y9被告Y9は、昭和62年に通商産業省(当時)に入省し、平成21年に消費者庁に出向した。被告Y9は、消費者庁取引対策課の課長補佐(特定 商取引に関する法律(以下「特商法」という。)及び預託等取引に関する法律(令和3年法律第72号による改正前の法律の題名は特定商品等の預託等取引契約に関する法律。以下、同改正前のものを「預託法」という。)担当)の地位にあった。 被告Y9は、平成27年3月に消費者庁を定年退職し、同年6月に経済 産業省を退職した。 被告Y9は、平成27年7月10日、A株式会社との間で顧問契約を締結し、平成28年5月10日、A株式会社の顧問を辞任した。被告Y9は、同年7月11日、A株式会社の関連団体である一般社団法人Eの嘱託に就任し、平成29年5月10日、これを辞任した。 ウ A株式会社の本社従業員であった被告 式会社の顧問を辞任した。被告Y9は、同年7月11日、A株式会社の関連団体である一般社団法人Eの嘱託に就任し、平成29年5月10日、これを辞任した。 ウ A株式会社の本社従業員であった被告ら- 8 - (ア) 被告Y4は被告Y2及び被告Y3の子であり(甲195)、平成28年4月以降、A株式会社の国際部ゼネラルマネージャーのほか、シンガポール、香港及び台湾の支社長を務め、イベント等でメイク講師として活動していた者である(甲150)。 (イ) 被告Y10は、平成24年1月からA株式会社営業部のお客様相談室 の担当となり、平成26年4月以降、同室長となり、営業連絡課の室長を兼任したほか、平成29年2月からは営業部の顧客管理課の室長も兼任した者である(甲52の3、甲157、弁論の全趣旨)。 被告Y10は、令和2年1月22日、免責許可決定を受け(乙(16)1の1)、同決定は同年2月20日確定した(弁論の全趣旨)。 (ウ) 被告Y13は、平成23年10月からA株式会社で派遣社員として勤務し、平成24年1月に正社員として入社し、平成25年7月頃から平成29年4月11日まで、A株式会社営業部のお客様相談室で勤務していた者である(弁論の全趣旨)。 (エ) 被告Y11は、平成28年3月にA株式会社に入社し、平成29年1 2月25日までの間、営業部の営業推進四課、同三課及び同二課で勤務していた者である。 (オ) 被告Y14は、平成27年2月にA株式会社に入社し、平成29年12月25日までの間、財務部で勤務していた者である。 (カ) 被告Y12は、平成26年4月にA株式会社に入社し、同年5月から 平成29年12月25日までの間、本社業務支援部で勤務していた者である。 (キ) 被告Y19は、平成27年 ある。 (カ) 被告Y12は、平成26年4月にA株式会社に入社し、同年5月から 平成29年12月25日までの間、本社業務支援部で勤務していた者である。 (キ) 被告Y19は、平成27年10月以降、A株式会社の財務経理部経理課主任、財務部経理課主任、財務部係長であった者である(甲52の1から3まで)。 被告Y19は、令和2年9月30日、免責許可決定を受け、同決定は- 9 - その後確定した(弁論の全趣旨)。 (ク) 被告Y20は、A株式会社の財務経理部、財務部で勤務し、平成28年10月から平成29年10月までの間に財務部管理課の主任になった者である(甲52の1から3まで)。 エ被告Y15 被告Y15は、平成22年3月にA株式会社に入社し、A株式会社安城店、岡崎店担当エリアマネージャー代理であった者である(当該エリアについてはエリアマネージャーがいなかった。甲52の3、甲153)。 オ A株式会社の関連会社及びその役員であった被告ら等(ア) 被告株式会社Y5(旧商号F株式会社。なお、商号変更の前後を問わ ず「被告株式会社Y5」という。)は、A株式会社の子会社であり、化粧品の製造販売をしていた。被告Y1が被告株式会社Y5の代表取締役を務めていたが、平成30年2月23日、被告Y4に代表取締役を交代した。(弁論の全趣旨)(イ) 有限会社Gは、昭和60年10月25日に設立された、A株式会社と 独立した業務を行うことはなく、A株式会社及び関連会社の株式を保有することのみを目的とした会社であった(A株式会社が作成した上代購入商品預託契約書(甲9の1)の添付書類である事業報告書には、平成26年3月31日現在で有限会社GがA株式会社の37.8%の株式を保有している旨の記載がある。)。平成3 (A株式会社が作成した上代購入商品預託契約書(甲9の1)の添付書類である事業報告書には、平成26年3月31日現在で有限会社GがA株式会社の37.8%の株式を保有している旨の記載がある。)。平成30年11月6日の時点で、被告 Y1が有限会社Gの全株式を保有していた。 有限会社Gの代表取締役は、平成19年11月30日から平成29年12月21日までは被告Y1、同日から平成30年6月5日までは被告Y17(訴外Bの妻)、同日以降は訴外Bであった。 被告Y3は、被告Y2の妻であり、平成7年3月から有限会社Gの取 締役であった者である。 - 10 - (甲9の1、甲190から192まで、弁論の全趣旨)。 カ被告株式会社Y18被告株式会社Y18は、A株式会社の代理店であった。被告株式会社Y18は、A株式会社の店舗と同様に、マッサージや商品の販売をしていた(甲166、182)。 (3) オーナー契約(甲23、147、151、弁論の全趣旨)A株式会社は、平成15年8月頃から、顧客(オーナー)との間で、要旨、磁気治療器を販売し、その磁気治療器をレンタルユーザー(以下、単に「ユーザー」という。)に賃貸して、レンタル料等の名目で毎月金員を支払うなどの内容の契約(オーナー契約)を締結するという事業を行っていた。 オーナー契約の内容は、時期によって変遷したが、おおむね次のア、イの二つの類型(長期契約と短期契約)に分かれている。いずれの類型においても、当初は、顧客がA株式会社にユーザーへの賃貸を委託する形式、平成27年4月1日以降は、顧客がA株式会社に磁気治療器を預託する形式、同年10月1日以降は、顧客がA株式会社に磁気治療器を賃貸する形式が取られ ていたが、その実質は同じである。また、いずれの類型においても、 日以降は、顧客がA株式会社に磁気治療器を預託する形式、同年10月1日以降は、顧客がA株式会社に磁気治療器を賃貸する形式が取られ ていたが、その実質は同じである。また、いずれの類型においても、平成28年12月17日から平成29年10月頃までは、顧客が磁気治療器を購入し、これを使用して拡販・宣伝活動を行うことの報酬である「活動手当」との名目で、A株式会社から上記レンタル料と同額の支払を受ける仕組みとされた。ただし、実際に拡販・宣伝活動を行ったか否かに関わらず、活動手当 は支払われていた(甲151・22頁から23頁まで)。さらに、いずれの類型についても、平成29年11月から、磁気治療器ではなく磁気治療器のリース債権を販売するという形式が取られたが、顧客はA株式会社からリース債権収入名目で上記レンタル料と同額の支払を受ける仕組みとされた。 ア長期契約(平成15年8月頃から取扱いを開始。名称は、レンタルオー ナー制度、長期オーナー、長期レンタル事業、割引率売上、割引率売上リ- 11 - ース債権譲渡契約20年物等。甲9の2、甲10の4)顧客が磁気治療器を会員の割引価格で一括払いで購入し、これをユーザーに賃貸して、A株式会社からレンタル料(年間で小売価格の6%)の支払を受ける。契約期間は実質的に20年間であり、中途解約をすることはできない。 イ短期契約(平成22年9月頃から取扱いを開始。名称は、上代購入契約装着タイプ磁気治療器一括借上オーナー制度、上代購入商品預託契約、短期オーナー、短期レンタル事業、定価売上、定価売上リース債権譲渡契約5年物等。甲9の1、甲10の2、3)顧客が磁気治療器を小売価格で一括払いで購入し、これをユーザーに賃 貸して、A株式会社からレンタル料(ほとんどの時期において、年間 売上リース債権譲渡契約5年物等。甲9の1、甲10の2、3)顧客が磁気治療器を小売価格で一括払いで購入し、これをユーザーに賃 貸して、A株式会社からレンタル料(ほとんどの時期において、年間で小売価格の6%)の支払を受ける。契約期間は、時期によって1年から6年までであり、おおむね中途解約をすることができ、顧客は、満期時又は解約時に売買代金の返還を受けることができる。 (4) 原告らとA株式会社との間の契約 原告ら(ただし、原告X2については、その被承継人であるHであり、原告X3及び原告X4については、その被承継人であるI及びJ)は、平成16年1月から平成29年12月5日にかけて、A株式会社との間において、別紙4-1から別紙4-23の「契約日」欄記載の各年月日に、「商品・数量」欄記載の磁気治療器について、「契約種類」欄記載の長期契約及び短期契約を 締結して(以下、個別の契約を、これらの別紙記載の番号に従い「原告X1の番号1の契約」などという。)、A株式会社に対し、「支払金額」欄記載の金員を代金として支払い、その後、その契約に基づいて、A株式会社から「受取額」欄記載の金員の支払を受けた。 (5) A株式会社の破産 A株式会社は、平成30年3月1日、破産手続開始決定を受けた(甲23)。 - 12 - (6) 訴訟承継ア甲事件原告であったHは、令和2年9月19日、死亡した。その相続人は、原告X2である(弁論の全趣旨)。 イ甲事件原告であったIは、令和2年12月20日に、甲事件原告であったJは、令和3年7月14日に、それぞれ死亡した。上記両名の相続人は、 原告X3及び原告X4である。(弁論の全趣旨) 2 主な争点(1) A株式会社が長期契約及び短期契約を締結する行為が顧客に対する不 和3年7月14日に、それぞれ死亡した。上記両名の相続人は、 原告X3及び原告X4である。(弁論の全趣旨) 2 主な争点(1) A株式会社が長期契約及び短期契約を締結する行為が顧客に対する不法行為を構成するか(2) A株式会社の役員であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職 務を行うについて悪意又は重大な過失があったといえるか(被告Y1、被告Y6、被告Y7、被告Y8、被告Y2関係)(3) 被告Y4が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(4) 被告Y9が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえ るか(5)ア A株式会社の営業部お客様相談室で勤務していた被告らが、共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(被告Y10、被告Y13関係)イ被告Y10の原告らに対する不法行為が「悪意で加えた」(破産法253 条1項2号)ものといえるか(6) 被告Y11が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(7) A株式会社の財務経理部(財務部)で勤務していた被告らが共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(被告Y14、被告Y 19、被告Y20関係)- 13 - (8) 被告Y12が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(9) 被告Y15の故意・過失(原告X9、原告X16、原告X18関係)(10) 被告株式会社Y5が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか (11) 有限会社Gの取締役又は代表取締役であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったといえるか(被告Y17、被告Y3関係)(1 えるか (11) 有限会社Gの取締役又は代表取締役であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったといえるか(被告Y17、被告Y3関係)(12) 被告株式会社Y18が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(原告X2、原告X3、原告X4、原告X9、原告X11、 原告X16、原告X18、原告X22、原告X23関係) 3 主な争点に関する当事者の主張の要旨(1) 争点(1)(A株式会社が長期契約及び短期契約を締結する行為が顧客に対する不法行為を構成するか)(原告らの主張の要旨) ア長期契約及び短期契約は、年6%ないし8%という実現不可能な高率の確定利回りを約束するものであった。また、これらの契約の対象とされた商品のうち実際に存在したのは一部にすぎず(商品の一つである磁気ネックレスについては、平成29年3月時点で契約上の個数の12%余り)、ユーザーはこれらの契約に対して一部しか存在しなかった。 そうすると、A株式会社が長期契約及び短期契約を締結する行為は、これらの契約に係る事業(以下「本件事業」という。)の実体が存在せず、いずれ破綻することが必至であるにもかかわらず顧客に金員を支払わせるものであって、公序良俗に違反して無効であり、不法行為を構成する。 イ長期契約及び短期契約は、顧客側からみれば、契約締結時に支払った代 金よりも高額の金員を必ず得ることが保証されており、特に短期契約につ- 14 - いては、いつでも無条件に解約することができ、解約時には当初売買代金相当額が返金されることとされていた。そして、A株式会社においては、対象商品が大幅に不足している状態が恒常的に続いていたのであり、A株式会社が顧客と締結していたレ ことができ、解約時には当初売買代金相当額が返金されることとされていた。そして、A株式会社においては、対象商品が大幅に不足している状態が恒常的に続いていたのであり、A株式会社が顧客と締結していたレンタルオーナー契約は、商品の存在に重きが置かれず、実質的には、金銭を預かって、これに利息を付して返還する ことをその内容としていたものというべきである。 そうすると、A株式会社が長期契約及び短期契約を締結する行為は、業として、不特定かつ多数の者からの金銭の受入れであって、預金、貯金又は定期積金の受入れと同様の経済的性質を有するもの(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下「出資法」という。)2条2項 にいう「預り金」)であるから、同条1項に違反する。 ウ A株式会社は負債を過少計上し、債務超過の事実を隠していた。A株式会社による会計処理に関する事実の不告知を前提とした勧誘は、消費者庁によって預託法3条違反、特商法52条1項5号違反に該当すると認定されているほか、顧客に対してA株式会社の財産状況の認識を誤らせるとい う点で欺罔行為にほかならず、A株式会社による商法の継続自体が詐欺に当たり、不法行為を構成する。 (被告Y1、被告Y6、被告Y7、被告Y2、被告Y3、被告Y4、被告株式会社Y5、被告Y17、被告株式会社Y18の主張の要旨)ア A株式会社の顧客は、A株式会社との間で地域センター又はアンテナシ ョップ契約といった業務提携契約を締結し、A株式会社と共に販売宣伝活動を行う。そして、顧客は、この販売宣伝活動のために商品を購入し、これをA株式会社に貸し付け、レンタル料の支払を受ける。A株式会社と顧客は、各店舗において上記貸し付けられた体験用の商品を用いて共に販売宣伝活動を行い、新たに顧客を開拓し、A株 ために商品を購入し、これをA株式会社に貸し付け、レンタル料の支払を受ける。A株式会社と顧客は、各店舗において上記貸し付けられた体験用の商品を用いて共に販売宣伝活動を行い、新たに顧客を開拓し、A株式会社は収益を上げる。この 収益が、上記のレンタル料の支払原資となるのであり、ユーザーからのレ- 15 - ンタル料のみで顧客(オーナー)に対するレンタル料等の支払を賄っていたものではない。 したがって、オーナー契約の対象とされた商品が足りていないからといって、同契約に係る事業の実体が存在せず、いずれ破綻することが必至であるとはいえない。事業の実体が存在するからこそ、A株式会社は、各オ ーナーに対して長期間にわたり多額の支払を現にしてきたものである。 イ A株式会社のレンタルオーナー契約に係るビジネスモデルは、顧客が自身で身に付けて使用するために購入した商品について、その効果を実感し、他者にも勧めたいと考えて、A株式会社と共にその販売宣伝活動を行うというものであり、商品の存在に重きが置かれていない元本保証の投資では ない。 (被告Y10、被告Y11、被告Y12の主張の要旨)原告らの中には、いわゆる「活動者(A株式会社の商品を購入し、その商品等の購入を他の者に勧め、その者がA株式会社の商品を購入したときは報奨金と呼ばれる対価を得る人)」という立場の者がおり、A株式会社の実体に ついては熟知していたはずである。その者らはA株式会社の欺罔行為によって錯誤に陥っていたとはいえず、A株式会社の商法は詐欺の要件を満たさない。 (2) 争点(2)(A株式会社の役員であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったといえるか(被告Y 1、被告Y6、被告Y7、被告Y8、被告Y (2) 争点(2)(A株式会社の役員であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったといえるか(被告Y 1、被告Y6、被告Y7、被告Y8、被告Y2関係))(原告らの主張の要旨)ア総論(ア)aA株式会社の代表取締役、取締役、監査役及び国際部統括マネージャーら(以下「役員等」という。)は、A株式会社が顧客を勧誘するた めに月に2、3回開催していた催事のうち、全国大会、地方大会及び- 16 - ビジネスセミナーにおいて、A株式会社の商法を説明する講師をしていたほか、顧客との個人面談(「面会」)をすることがあった。 また、A株式会社の役員等は、毎月1回、マネージャー・店長会議(以下「店長会議」という。)に出席し、エリア別の入金実績等の報告や、店舗ごとの売上目標金額とその達成率の報告を聞くなどしていた。 b 平成18年頃から平成20年頃にかけて、A株式会社の役員がオーナーとユーザーの数のかい離を解消すべきである旨を指摘したり、ユーザー数の不足等を問題視したりする者がいた。 A株式会社は、平成20年10月頃、取引先銀行からオーナーとユーザーの数のかい離を指摘されていた。 (イ) 前記(ア)の事情によれば、A株式会社の役員等はA株式会社の商法の内容を知り尽くしており、店長会議においては物販の売上よりもレンタルオーナー商法の売上が圧倒的に多いことを容易に把握可能であったといえる。そうすると、A株式会社の役員等はA株式会社がレンタルオーナー商法以外にそれに匹敵し得るような収入の手段を持っていなかった ことを十分に認識していたといえ、A株式会社の商法が破綻必至の商法であり、違法性を有することを認識し、又は認識し得たものといえる。 そうすると、A 敵し得るような収入の手段を持っていなかった ことを十分に認識していたといえ、A株式会社の商法が破綻必至の商法であり、違法性を有することを認識し、又は認識し得たものといえる。 そうすると、A株式会社の役員等は、A株式会社の行為によって損害を被った原告らとの関係で共同して不法行為をした(少なくとも過失により幇助した)ものというべきである。また、A株式会社の役員であっ た者は、A株式会社が違法な商法を行っていることを是正することもなく、自身もその一端を担っていたのであるから、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったものというべきである。 イ被告Y1について被告Y1は、財務全般を取り仕切り、従業員から日々の入金状況の報告 を受け、決算申告書についての決裁をし、入出金状況・現預金残高をまと- 17 - めた日報の提出を受けるなどしており、被告Y1がいなければA株式会社の振込手続は一切行えなかった。また、全国各地において「大会」を主催し、講師として講演を行っていた上、地方マネージャーやエリアマネージャーに対して営業に関して指導をし、営業の推進に関する指示を出していた。 上記のとおり、被告Y1はA株式会社の詐欺商法としてのレンタルオーナー商法を企画、実施及び推進したのであるから、A株式会社と共同して不法行為をしたものというべきである。 また、被告Y1は、A株式会社の代表取締役として、A株式会社の業務を適正・適法に行わせるよう監督し、A株式会社の他の役員や従業員らを して違法な詐欺商法を行うことを防止する管理体制を整備すべき注意義務を負っていたのにこれを怠り、自らが中心的な役割を担って違法な詐欺商法を遂行していたものであるから、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったものというべきであ る管理体制を整備すべき注意義務を負っていたのにこれを怠り、自らが中心的な役割を担って違法な詐欺商法を遂行していたものであるから、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったものというべきである。 ウ被告Y6について 前記ア(ア)の事情に加え、被告Y6は全国各地において「大会」を主催し、講師として講演を行っていたことを踏まえれば、被告Y6は、A株式会社のレンタルオーナー商法の違法性を認識し、又は認識することができたといえる。 エ被告Y7について 前記ア(ア)の事情に加え、被告Y7は平成29年9月16日にA株式会社富山店で行われた健康トークセミナーを皮切りに、全国各地の「大会」において講師として講演を行い、「面会」も担当して顧客に対する勧誘を行っていたことを踏まえれば、被告Y7は、A株式会社のレンタルオーナー商法の違法性を認識し、又は認識することができたといえる。 オ被告Y8について- 18 - 被告Y8の父である訴外DはA株式会社の決算に疑問を感じていたところ、被告Y8が監査役に就任した際、A株式会社の決算仕訳について資料を提出させるなどして訴外Dの疑問を究明しようとすれば、A株式会社が平成18年から粉飾決算をしていたことに気付くことができたといえる。 しかるに、被告Y8は実質的な監査役の職務を行うことはなく、A株式会 社から提示された書類に署名するなどの機械的な業務に従事したのみだった。 また、被告Y8は、平成25年12月頃、A株式会社のレンタルオーナー契約の説明を被告Y10から聞いているところ、被告Y10の発言を裏付ける資料を提出させるなどしていれば、ユーザーの数がオーナーの数よ り圧倒的に少ないことが分かったはずであり、A株式会社が破綻必至の商法を行っていることを容易 るところ、被告Y10の発言を裏付ける資料を提出させるなどしていれば、ユーザーの数がオーナーの数よ り圧倒的に少ないことが分かったはずであり、A株式会社が破綻必至の商法を行っていることを容易に認識することができたといえる。 以上によれば、被告Y8は、A株式会社のレンタルオーナー商法の違法性を認識することができたといえる。仮に認識していなかったとすれば、監査役としての職務を放棄していたことが原因であるから、被告Y8は共 同して不法行為をしたものというべきである。また、被告Y8は、違法な商法を行っていることを是正することなく自身もその一端を担っていたのであるから、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったものというべきである。 カ被告Y2について 被告Y2の役員としての在任期間中に取締役や監査役を務めていた者で、ユーザー数の不足、商品の製造不足といった問題点を認識していたものがいた。また、被告Y2は、A株式会社の創業の頃から訴外Bと多年にわたって行動を共にしてきている上、その家族も訴外Bと極めて密接な関係にあり、A株式会社に対する関与の程度が深い。そして、被告Y2の実子で ある被告Y4は、レンタルオーナー商法の勧誘を積極的に行っていた。 - 19 - 以上によれば、被告Y2は、A株式会社のレンタルオーナー商法の違法性を認識し、又は認識することができたといえる。 (被告Y1の主張の要旨)ア被告Y1の業務は、主に、美容品、化粧品に関する講演や体験会、店舗の設営や店員に対する指導等であった。 被告Y1は、店長会議に出席したことはあるが、何も発言しなかった。 店長会議では全国の各店舗の売上目標や売上状況について各店舗の店長から報告があったが、A株式会社の財務状況やオーナー契約の収支状況等は 告Y1は、店長会議に出席したことはあるが、何も発言しなかった。 店長会議では全国の各店舗の売上目標や売上状況について各店舗の店長から報告があったが、A株式会社の財務状況やオーナー契約の収支状況等は全く議題にならなかった。また、被告Y1はA株式会社の財務管理に関与していなかった。 イ被告Y1は顧客に対する勧誘行為を行っていないし、勧誘の内容の決定に関与していない。被告Y1は、訴外B及び業務支援部によって作成されたスライドを使って講演をしていたが、スライドの内容をただ読み上げるだけであったし、催事において顧客との個別面談を担当したことはない。 (被告Y6の主張の要旨) ア被告Y6はA株式会社の商品の物販を管理する部署の責任者であり、レンタルオーナー制度の企画・運営・販売に関わることはなかった。 被告Y6は講師として講演をしたが、業務支援部が作成したスライドを読み上げるだけであった。被告Y6は、講演において、顧客に商品体験と商品購入を提案したことはあるが、レンタルオーナー制度の金銭の支払を 勧誘したことはない。 イ被告Y6は、A株式会社の従業員や取引先から聴き取りをし、レンタルオーナー制度に対する意見や改善案等を訴外Bに提出したが、一切受け入れられなかった。 ウしたがって、被告Y6がその職務を行うについて悪意又は重大な過失が あったとはいえない。 - 20 - (被告Y7の主張の要旨)ア被告Y7は、商品の生産管理と品質監理を含む青島工場の運営業務に携わっていただけである。被告Y7は、訴外Bから同工場の業務だけに専念しそれ以外のことは一切関与するなと指示を受けており、A株式会社の日本における経営には一切関与していない。 イ被告Y7は、毎月末に埼玉工場で行われていた商品生産会議と東 工場の業務だけに専念しそれ以外のことは一切関与するなと指示を受けており、A株式会社の日本における経営には一切関与していない。 イ被告Y7は、毎月末に埼玉工場で行われていた商品生産会議と東京で行われていた営業会議には出席していたが、営業会議への出席はオブザーバー扱いであり、営業に関する詳細な資料は提供されなかった。 ウ被告Y7は、A株式会社の講師として講演をしたことはなく、平成29年9月に日本において講演した内容は磁気の効果と健康に関するものであ り、A株式会社の商法に関する講演はしていない。また、被告Y7が顧客と面会をして勧誘をしたこともない。 エしたがって、被告Y7がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったとはいえない。 (被告Y8の主張の要旨) ア被告Y8は、A株式会社のレンタルオーナーの勧誘に関与しておらず、「大会」と呼ばれる催事に講師として参加したことはなく、店長会議にも参加していない。 イ被告Y8が被告Y10にユーザーの数に関する確認をしたところ、被告Y10から「ユーザーとオーナーの紐付けは、きちんとできています。」と 回答があり、両者の数が実際には均衡していないなどの情報に接していたわけではない。また、被告Y10は消費者庁の求めに応じて行われた公認会計士らの調査に対して虚偽の説明をし、資料の提出をしなかったのであるから、仮に被告Y8が被告Y10に発言を裏付ける資料の提出を求めたとしても、適切な説明をし、資料を提出したとは考え難い。 ウ以上を踏まえると、被告Y8が、A株式会社が破綻必至の商法を行って- 21 - いることを容易に認識することができたとはいえない。 (被告Y2の主張の要旨)被告Y2は、形式的に監査役の地位にあったものにすぎず、経理について 式会社が破綻必至の商法を行って- 21 - いることを容易に認識することができたとはいえない。 (被告Y2の主張の要旨)被告Y2は、形式的に監査役の地位にあったものにすぎず、経理について何も分からなかった。 (3) 争点(3)(被告Y4が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したも のといえるか)(原告らの主張の要旨)前記(2)(原告らの主張の要旨)アの事情に加え、被告Y4がA株式会社の国際部を統括していたこと、全国各地において大会を主催し、講師として講演を行っていたこと等を踏まえると、A株式会社のレンタルオーナー商法の 違法性を認識し、又は認識することができたといえる。 そうすると、被告Y4は、A株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものというべきである。 (被告Y4の主張の要旨)被告Y4の業務は海外事業であり、日本国内のオーナー契約に関する事情 等は何も分からない。被告Y4が店長会議に出席したことはあるが、香港支社長として香港支社の状況について簡単に報告するだけであった。店長会議では全国の各店舗の売上目標や売上状況について各店舗の店長から報告があったが、A株式会社の財務状況やオーナー契約の収支状況等は全く議題にならなかった。 被告Y4は講師として講演をしたが、訴外B及び業務支援部が作成したスライドを読み上げるだけであった。また、被告Y4が催事において個人面談を担当したことはない。 (4) 争点(4)(被告Y9が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか) (原告らの主張の要旨)- 22 - 次のとおり、被告Y9は、A株式会社と共同して不法行為をした、又はA株式会社の不法行為を幇助したものといえる。 ア( 助したものといえるか) (原告らの主張の要旨)- 22 - 次のとおり、被告Y9は、A株式会社と共同して不法行為をした、又はA株式会社の不法行為を幇助したものといえる。 ア(ア) 被告Y9は、消費者庁の取引対策課の課長補佐(特商法及び預託法担当)として専門的な知識を有しており、在職中の平成26年4月からA株式会社の内偵調査を行っていたのであるから、A株式会社が詐欺商法 を行っている事実を認識していたものである。また、被告Y9は、A株式会社の顧問に就任後、被告Y10から消費者庁への対応について相談されていたのであるから、A株式会社の違法性を認識していたものである。 (イ) 被告Y9は、自らの経歴が有する一般市民に対する影響力に鑑み、A 株式会社の顧問に就任し、高額な顧問料を受領するに当たっては、その事業内容やその商法に継続性が存在するかについて調査すべき義務を負っていた。しかるに、被告Y9は、何らの調査もせず顧問に就任し、高額な顧問料を受領した。 イ被告Y9は、消費者庁の取引対策課に在職中の平成26年8月から退職 するまでの間、A株式会社に再就職する目的で、A株式会社に情報を提供したほか、本来であれば消費者庁においてA株式会社に対して立入検査を実施すべきところ、新任の課長に行為違反の事実の確認が取れないなどと説明して、行政指導にとどまらせた。 被告Y9は、A株式会社の顧問に就任した平成27年7月から、A株式 会社の関連団体の嘱託を辞任した平成29年5月までの間、A株式会社の行政処分等にどのように対応すべきかのアドバイスをした。 ウ A株式会社は、会社案内において、「関連法律担当顧問」として、消費者庁の元官僚である被告Y9がA株式会社の顧問に名を連ねていることを積極的に告知し、A株式会 に対応すべきかのアドバイスをした。 ウ A株式会社は、会社案内において、「関連法律担当顧問」として、消費者庁の元官僚である被告Y9がA株式会社の顧問に名を連ねていることを積極的に告知し、A株式会社が優良な会社であると顧客を誤信させ、新規契 約の締結等を促進した。被告Y9は、その見返りとして、A株式会社から- 23 - 顧問料年間360万円を受領していたものであり、被告Y9が有する社会的信用性を利用するA株式会社の意図を認識し、少なくとも認識できたにもかかわらず利用させた。 (被告Y9の主張の要旨)ア(ア) A株式会社による詐欺商法は訴外B等によって隠密裏に行われてお り、消費者庁もこれを認識していなかったのであり、被告Y9も、A株式会社が詐欺商法を行っている事実を認識していなかった。また、被告Y9は、A株式会社の顧問に就任後、被告Y10から消費者庁への対応について相談されたが、消費者庁の指示を尊重しこれを遵守すべきである旨の一般的な回答をしたにすぎない。 (イ) 被告Y9がA株式会社の顧問に就任した当時、A株式会社が商品を少なくしか製造していなかったことを予見することはできず、被告Y9がユーザーの数等を調査すべき義務はなかった。 イ被告Y9は、A株式会社に再就職する目的ではなくA株式会社からの勧誘を拒むことができず情報を提供したものである。消費者庁がA株式会社 に対して立入検査を実施しなかったのは、当時の課長等がその必要性がないと判断したためである。 被告Y9は、消費者庁の立入検査や平成29年3月の行政処分の際に被告Y10から質問されたが、立入検査については、弁護士と相談するように回答したのみであり、上記行政処分については、実態調査をするほか弁 護士と相談するように回答したのみである。 政処分の際に被告Y10から質問されたが、立入検査については、弁護士と相談するように回答したのみであり、上記行政処分については、実態調査をするほか弁 護士と相談するように回答したのみである。 ウ被告Y9は、顔写真や履歴がA株式会社の会社案内に掲載されることを拒んだが、半ば強制的に掲載されてしまった。平成27年11月頃、A株式会社担当者から会社案内に被告Y9の顧問就任が掲載される旨を知らされ、その内容を確認し、次回更新時には掲載を外して欲しい旨担当者に伝 えた。 - 24 - 会社案内に掲載されていた期間は多く見ても5か月ほどであり、被告Y9がA株式会社の顧問に就任していることでA株式会社が詐欺商法をしていないと誤信して取引に入った原告らは存在しない。また、被告Y9の顧問料は高額ではなく、業務に対する相当な対価であった。 (5) 争点(5)ア(A株式会社の営業部お客様相談室で勤務していた被告らが、共 同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(被告Y10、被告Y13関係))(原告らの主張の要旨)ア総論A株式会社の不法行為は、顧客に金員を出捐させる部分と出捐させた金 員を破綻時まで預け続けさせる部分とから成り、共同不法行為(幇助を含む。)といえるかを判断するに当たっては、前者の部分のみならず後者の部分に寄与したか否かも考慮すべきである。 お客様相談室は、解約返金を求める顧客との交渉に当たる部署であり、解約を阻止し、解約されるのであれば返金額をできるだけ少なくするとと もに、顧客との間で法的手続や消費者庁への通告をしないとの約束をして、他の顧客に取り付け騒ぎが広がることを阻止する役割を担っていたのであり、出捐させた金員を破綻時まで預け続けさせる部分に多大な寄与をしたもの との間で法的手続や消費者庁への通告をしないとの約束をして、他の顧客に取り付け騒ぎが広がることを阻止する役割を担っていたのであり、出捐させた金員を破綻時まで預け続けさせる部分に多大な寄与をしたものである。 イ被告Y10について 被告Y10は、お客様相談室の室長であると共に、営業連絡課室長、顧客管理課室長の地位にあったほか、訴外Bの指示を営業推進課に伝えていた。被告Y10は、トラブルになった顧客との対応について、被告Y1や訴外Bに伺いを立て、被告Y13に対応を指示していた。 被告Y10は、A株式会社の法務部門のトップの立場にあり、長期契約 及び短期契約が真実はポンジスキームであるのに、消費者庁からの行政指- 25 - 導を踏まえて長期契約及び短期契約の名称を変更したり、同庁による立入検査の後に契約の形態を変更したりするなど、消費者庁対策を担当した。 また、被告Y10は、訴外Bや被告Y1の指示を、A株式会社の本社営業部の従業員、地方マネージャー、エリアマネージャー等に伝達し、マネージャーからの相談に乗っていた。 ウ被告Y13について被告Y13は、被告Y10の直属の部下であり、お客様相談室において被告Y10に次ぐ地位を占めていた。被告Y13は、お客様相談室の担当として解約返金を求める顧客との示談交渉に当たっており、弁護士との実際の交渉窓口になっていたところ、弁護士と一人で交渉することができる だけの高い能力を有し、かつ、自ら主体的に交渉に当たっていたものである。 被告Y13は、契約書案を作成したり、被告Y10の指示の下、A株式会社の顧問弁護士に相談しながら契約書の修正をしたりしたものであるところ、上記のとおり高い能力を有していたことからすると、A株式会社 の商法の実態がポンジスキームである 10の指示の下、A株式会社の顧問弁護士に相談しながら契約書の修正をしたりしたものであるところ、上記のとおり高い能力を有していたことからすると、A株式会社 の商法の実態がポンジスキームであることを認識し、又は認識することができたものである。 しかるに、被告Y13は、お客様相談室の担当として解約返金を求める顧客との示談交渉に当たり、前記アのとおり解約を阻止するなどしたものであるから、A株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をしたか、又 はその不法行為を幇助したものというべきである。 (被告Y10の主張の要旨)被告Y10は、平成24年1月にA株式会社本社に来て、磁気治療器の数が少ないことに気が付き、消費者庁からもその旨の指摘を受けた。被告Y10が訴外Bに上記指摘を受けたことを報告した際、同人は、最近ユーザーが 増えてきているから大丈夫である旨を告げており、被告Y10は、数量の問- 26 - 題は解決すると思っていた。 被告Y10は、一般管理業務を行っていたにすぎず、A株式会社の詐欺的商法の拡大、継続に積極的に関与していたものではなく、違法性を認識する可能性がなかった。 (被告Y13の主張の要旨) お客様相談室は、わずか4名しかいない部署であり、被告Y13は取り立てて重要な地位にいたわけではない。被告Y13は顧問弁護士に相談して事務作業をしたにすぎず、高い能力を有していたものではない。 したがって、被告Y13が、A株式会社が詐欺商法を行っていたことを認識することはできなかった。 (6) 争点(5)イ(被告Y10の原告らに対する不法行為が「悪意で加えた」(破産法253条1項2号)ものといえるか)(原告らの主張の要旨)被告Y10は、本件事業が法律に違反し、顧客に対する金員の返還が不可能 イ(被告Y10の原告らに対する不法行為が「悪意で加えた」(破産法253条1項2号)ものといえるか)(原告らの主張の要旨)被告Y10は、本件事業が法律に違反し、顧客に対する金員の返還が不可能であることを十分認識しつつ、A株式会社の営業活動という名の下の金員 領得システムの中心の一人となって活動してきたものである。 したがって、被告Y10の原告らに対する不法行為は「悪意で加えた」ものといえる。 (被告Y10の主張の要旨)破産法253条1項2号にいう「悪意」とは、単なる故意ではなく他人を 害する積極的な意欲、すなわち「害意」を意味するところ、犯罪行為やそれに近い行為によって損害を与えた場合のみがこれに該当するのであって、本訴請求債権はこれに該当しない。 (7) 争点(6)(被告Y11が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか) (原告らの主張の要旨)- 27 - 営業推進課の従業員は、A株式会社の実際の契約状況や売上状況を知っていたのであるから、A株式会社の活動が利益を生むものではなく破綻必至の商法であることを認識することができた。 被告Y11は、営業推進課の従業員として、契約の締結、移行、解約に伴う事務処理、店舗ごとの売上や日々の入金の集計、売上実績に基づく従業員 への奨励金の計算、マネージャーや店長等が出席する営業会議の準備といった業務に従事していた。これらの業務がなければA株式会社が活動を継続することはできないのであり、被告Y11はA株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をしたか、又はその不法行為を幇助したものというべきである。 (被告Y11の主張の要旨) 被告Y11は、A株式会社から商品の数は不足していないと説明され、これを信じて疑っていなかった。 をしたか、又はその不法行為を幇助したものというべきである。 (被告Y11の主張の要旨) 被告Y11は、A株式会社から商品の数は不足していないと説明され、これを信じて疑っていなかった。 被告Y11は、A株式会社における営業のノウハウ、組織、システムについて一度も研修を受けたことはなく、原告らの契約に関わっていない。被告Y11を始めとする本社従業員は、一般管理業務を行っていたにすぎず、A 株式会社の詐欺的商法の拡大、継続に積極的に関与していたものではない。 (8) 争点(7)(A株式会社の財務経理部(財務部)で勤務していた被告らが共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(被告Y14、被告Y19、被告Y20関係)(原告らの主張の要旨) ア被告Y14について被告Y14は、財務部管理課従業員であったから、A株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものというべきである。 イ被告Y19について 被告Y19は、財務経理部課長であった訴外Kが作成した平成22年3- 28 - 月期の報告書について、提出前にチェックをした。また、被告Y19は、平成27年9月、A株式会社がオーナーに支払ったレンタル料とユーザーから支払を受けたレンタル料の額の報告を訴外Kが求められた際、被告Y20と共に集計作業を担当した。さらに、被告Y19は、平成28年3月期の決算において、訴外Kの指示を受けて架空の振替伝票を作成した。 被告Y19は、平成27年9月に上記のとおり集計作業をしたものであるから、A株式会社の商法の違法性を認識していたものである。 ウ被告Y20について被告Y20は、平成21年3月期、平成23年3月期、平成26年3月期及び平成27年3月期の各決算 をしたものであるから、A株式会社の商法の違法性を認識していたものである。 ウ被告Y20について被告Y20は、平成21年3月期、平成23年3月期、平成26年3月期及び平成27年3月期の各決算において、訴外Kの指示を受けて架空の 振替伝票を作成したが、その際、架空の振替伝票であることを認識していたか、又は容易に認識することができた。 被告Y20は、平成27年9月、A株式会社がオーナーに支払ったレンタル料とユーザーから支払を受けたレンタル料の額の集計を行ったのであるから、本件事業がおよそ利益を生むものではなく顧客からの預り金を 費消することによってしか成り立たない自転車操業であることを認識していたはずである。 以上によれば、被告Y20は、A株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものというべきである。 (被告Y14の主張の要旨) 被告Y14は、従業員の交通費等の精算に関する業務を始めとする単純な事務作業に従事していたにすぎず、A株式会社の計算書類の作成等に携わったことはなく、その内容を知る立場にもなかった。 (被告Y19の主張の要旨)粉飾決算に関する処理は、訴外Kが個人でしたものであり、被告Y19は 一切関係していない。 - 29 - (被告Y20の主張の要旨)被告Y20は、訴外Kの指示どおりに会計ソフトに入力して架空の伝票を作成したにすぎず、当時架空の伝票であるとは知らなかった。また、被告Y20が粉飾決算を認識することはできなかった。 被告Y20は、A株式会社がオーナーに支払ったレンタル料とユーザーか ら支払を受けたレンタル料の額の集計を行っていない。 (9) 争点(8)(被告Y12が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか) がオーナーに支払ったレンタル料とユーザーか ら支払を受けたレンタル料の額の集計を行っていない。 (9) 争点(8)(被告Y12が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)(原告らの主張の要旨)業務支援部は、A株式会社が行うイベントのパンフレットやチラシを、訴 外Bと打ち合わせて作成し、全ての催事で使用するスライドデータを作成していた。上記のチラシやスライドデータを作成するためには、その前提として、A株式会社の商法がどのようなものであるかを理解しなければならない。 そうすると、業務支援部の従業員は、A株式会社の商法がポンジスキームであることを認識し、又は認識することができたものであり、その上で、催事 の資料の作成を担うことにより他の従業員の不法行為を幇助したものである。 (被告Y12の主張の要旨)被告Y12は、A株式会社の商法の問題点を知らなかった。被告Y12は、上司の指示に従い、何らの特別な認識もなくチラシを作成していただけであり、この行為が不法行為に該当するとはいえない。 (10) 争点(9)(被告Y15の故意・過失(原告X9、原告X16、原告X18関係))(原告X9、原告X16、原告X18の主張の要旨)被告Y15は、A株式会社に入社した当初、営業担当者として、長期契約及び短期契約の内容について研修や指導を受けて、A株式会社の商法が破綻 必至の商法であることを認識していた。 - 30 - また、被告Y15は、エリアマネージャー代理として、毎月1回開催される店長会議に出席し、売上資料を確認するなどして、ユーザーの数がオーナーの数より圧倒的に少ないこと等を認識していた。 (被告Y15の主張の要旨)被告Y15は、A株式会社の商法が破綻必至の商法であることを認識し 席し、売上資料を確認するなどして、ユーザーの数がオーナーの数より圧倒的に少ないこと等を認識していた。 (被告Y15の主張の要旨)被告Y15は、A株式会社の商法が破綻必至の商法であることを認識して いなかった。 (11) 争点(10)(被告株式会社Y5が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)(原告らの主張の要旨)A株式会社は、その店舗において被告株式会社Y5の化粧品を使用してエ ステティックの施術をし、当初は長期契約及び短期契約の締結の勧誘という目的を隠して「無料でエステが受けられる」などとして顧客を誘引し、上記施術を受けた顧客に対し、上記両契約の締結を勧誘するという手法を取っていた。 被告株式会社Y5は、A株式会社のパンフレットやホームページ上で関連 企業として紹介されており、A株式会社が安全で信頼できる大きなグループ会社であるかのような外観の作出に寄与していた。 以上によれば、被告株式会社Y5は、A株式会社と共同して不法行為をした、又はA株式会社の不法行為を幇助したものというべきである。 (被告株式会社Y5の主張の要旨) 争う。 (12) 争点(11)(有限会社Gの取締役又は代表取締役であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったといえるか(被告Y17、被告Y3関係))(原告らの主張の要旨) ア有限会社Gは、A株式会社から訴外B等に資金を移転したり、A株式会- 31 - 社の財産を隠匿したりするなどの役割を果たしており、A株式会社と共同して不法行為をしたものである。 イ A株式会社が組織的詐欺商法を行っていることは、A株式会社の代表取締役である被告Y1はもちろん、その母である被告Y17、訴外Bと長年 しており、A株式会社と共同して不法行為をしたものである。 イ A株式会社が組織的詐欺商法を行っていることは、A株式会社の代表取締役である被告Y1はもちろん、その母である被告Y17、訴外Bと長年家族同様の密接な関係にあった被告Y3には明らかであった。そこで、被 告Y17は有限会社Gの代表取締役として、被告Y3は有限会社Gの取締役として、有限会社GがA株式会社の組織的詐欺商法を援助助長するという違法な行為を行わないよう注意する義務があった。 そうすると、被告Y17及び被告Y3は、A株式会社と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものというべきである。また、被 告Y17及び被告Y3は、有限会社Gの役員の職務を行うについて悪意又は重大な過失があったものというべきである。 (被告Y17の主張の要旨)被告Y1が平成29年12月21日に過労で倒れて有限会社Gの代表取締役を辞任したため、訴外Bが勝手に被告Y17を有限会社Gの代表取締役に 就任させたにすぎず、被告Y17は有限会社Gの代表取締役に就任したことを知らず、経営に何ら関与していない。 (被告Y3の主張の要旨)被告Y3は、登記上は有限会社Gの取締役であったが、そのことを知らなかった。 (13) 争点(12)(被告株式会社Y18が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(原告X2、原告X3、原告X4、原告X9、原告X11、原告X16、原告X18、原告X22、原告X23関係))(原告X2、原告X3、原告X4、原告X9、原告X11、原告X16、原告X18、原告X22、原告X23の主張の要旨) 被告株式会社Y18の従業員は、A株式会社の従業員と協力して、顧客を- 32 - マッサージや催事に誘い、長期契約及び短期契約 16、原告X18、原告X22、原告X23の主張の要旨) 被告株式会社Y18の従業員は、A株式会社の従業員と協力して、顧客を- 32 - マッサージや催事に誘い、長期契約及び短期契約を締結させていた。 被告株式会社Y18の従業員は、顧客と契約を締結する中で、オーナーとユーザーの数のかい離を把握していた。また、被告株式会社Y18の従業員は、A株式会社に対する度重なる行政指導、行政処分の内容も知っていた。 さらに、被告株式会社Y18の従業員は、新規の顧客に対して短期契約はい つでも解約することができると勧誘しながら、顧客の解約を阻止していた。 そして、被告株式会社Y18の従業員は、A株式会社が債務超過の状態にあると知りながら、顧客に対してその事実を隠していた。 以上によれば、被告株式会社Y18の従業員は、A株式会社の従業員等と共同して不法行為をしたものであり、被告株式会社Y18は使用者責任を負 う。 (被告株式会社Y18の主張の要旨)被告株式会社Y18は、短期契約の締結に関与していない。 被告株式会社Y18が締結に関与した長期契約について、顧客に交付する商品は存在しており、実際に存在する商品の数が販売した商品の数に大きく 不足していることを認識していなかった。また、A株式会社が行政処分を受けた時は、A株式会社から、行政処分が誤っている旨の説明を受け、これを疑うことができなかった。さらに、A株式会社の決算書類に誤りがあると考える合理的な根拠はなかった。 第3 被告Y16に対する請求について 1 原告X3及び原告X4は、主文第7項と同旨の判決及び仮執行宣言を求め、請求原因として要旨次のとおり述べた。 (1)ア Iは、平成16年1月26日から平成28年3月14日までの間、被告Y16から勧誘されて、 び原告X4は、主文第7項と同旨の判決及び仮執行宣言を求め、請求原因として要旨次のとおり述べた。 (1)ア Iは、平成16年1月26日から平成28年3月14日までの間、被告Y16から勧誘されて、別紙4-3の「契約日」欄記載の各年月日に、「商品・数量」欄記載の磁気治療器について、「契約種類」欄記載の長期契約を 締結して、A株式会社に対し、「支払金額」欄記載の金員を代金として支払- 33 - った。 イ Iは、令和2年12月20日、死亡した。 原告X3及び原告X4は、Iの子である。 (2) 被告Y16は、前記(1)アの契約を締結した当時、A株式会社が破綻することは必至であることを認識しながら、これを隠して同契約の締結を勧誘した。 (3) Iは、前記(2)の不法行為によって、505万4286円の損害を被った。 (4) よって、原告X3及び原告X4は、被告Y16に対し、不法行為に基づき、それぞれ252万7142円及びこれに対する不法行為の後の日である平成30年7月29日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 2 被告Y16は、適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日及び本件弁論準備手続期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しないから、請求原因事実を争うことを明らかにしないものと認め、これを自白したものとみなす。 3 以上の事実によれば、原告X3及び原告X4の被告Y16に対する請求はいずれも理由がある。 第4 当裁判所の判断(被告Y16に対する請求に関するものを除く。) 1 認定事実前記前提事実に掲記の証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められる。 (1) 長期契約の取扱いの開始 ア A株式会社は、平成15年8月 に関するものを除く。) 1 認定事実前記前提事実に掲記の証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められる。 (1) 長期契約の取扱いの開始 ア A株式会社は、平成15年8月頃から、「レンタルオーナー制度」の名称で長期契約の取扱いを開始した。その内容は、要旨、①顧客が磁気治療器(1回につき小売価格合計100万円以上のもの)を会員の割引価格で一括払いで購入し、②これをユーザーに賃貸して(顧客は、磁気治療器を受領せず、賃貸借業務及びレンタル料の回収をA株式会社に委託する。)、A 株式会社からレンタル料(年間で小売価格の6%)の支払を受ける、③契- 34 - 約期間は3年であるが、その後1年ごとに自動更新されるため、実質的に20年であり、中途解約をすることはできない、というものであった。(甲147、151)イ A株式会社は、長期契約及び短期契約の顧客を勧誘するために、全国大会、地方大会、ビジネスセミナー、カウンセリングセミナー、月例会とい った催事を開いていた。このうち、全国大会、地方大会、ビジネスセミナーについては、訴外B、被告Y1及び被告Y6が、講師として長期契約及び短期契約の仕組み等を説明していた。被告Y4も、国際部ゼネラルマネージャーに就任した後、講師として同様の説明をしていた。また、被告Y7も、平成29年9月以降、講師として同様の説明をしていた。 (甲160、 164、165、174、178)ウ A株式会社は、毎月1回、訴外B、被告Y1、被告Y6、被告Y7等の取締役、本社の各課の責任者、各地方マネージャー及び店長クラスの従業員が出席するマネージャー・店長会議(店長会議)を開催していた。被告Y4も、国際部ゼネラルマネージャーに就任した後、店長会議に出席して いた。店長会議で 各地方マネージャー及び店長クラスの従業員が出席するマネージャー・店長会議(店長会議)を開催していた。被告Y4も、国際部ゼネラルマネージャーに就任した後、店長会議に出席して いた。店長会議では、各月の最終入金予定金額及びユーザー契約最終見込み件数と金額等が報告されていた。平成28年2月度の同会議では、訴外Bが、「短期オーナー、長期オーナー契約だけでは行き詰まる。ユーザーを出さないといけない。」などと発言した。(甲150、158、170、弁論の全趣旨(被告Y6の令和4年12月19日付け準備書面1頁等)) (この点について、被告Y1は、オーナー契約の収支状況等は全く議題にならなかった旨主張するが、上記証拠等に照らして採用することができない。)(2) A株式会社の財務状況の悪化等ア A株式会社の監査役であった訴外Lは、平成20年3月10日、訴外B、 被告Y1及びA株式会社の取締役総務部長訴外Mに宛てて、同年2月まで- 35 - の監査結果報告を記載した書面及び監査役の辞任届を提出して、監査役を辞任した(被告Y1は、上記書面を受け取っていない旨主張するが(令和5年1月4日付け準備書面3頁)、何者かが上記書面を偽造したなどの事情はうかがわれず、被告Y1宛ての書面であるにもかかわらず被告Y1に提出されなかった事情もうかがわれない。)。 上記の監査結果報告には、要旨次の記載が含まれる。 (ア) レンタルオーナー制度について従来から指摘しているように、ユーザーとオーナーの比率が更に悪化している。オーナーは商品を購入した自覚がなく、A株式会社にも該当商品が在庫されていないように見受けられる。 レンタルオーナー制度について懸念するのは、A株式会社の資金集めの手段として使われているのではないか、あるい 入した自覚がなく、A株式会社にも該当商品が在庫されていないように見受けられる。 レンタルオーナー制度について懸念するのは、A株式会社の資金集めの手段として使われているのではないか、あるいはユーザーがいないために入金されていないにもかかわらず、A株式会社はオーナーに毎月金利を支払っているということである。 これは、A株式会社の財務体質を著しく弱め、このままの形で続け るとA株式会社に損害を与える行為であり、更には関係者にいずれ問題を起こす、例えばだましたなどの刑事問題の可能性を有している。 (イ) 粉飾決算について平成19年3月期決算においても4億5000万円の粉飾をして いるようであり、平成20年3月期決算においても、同年1月現在5億6000万円の損失が出ているというべきである。A株式会社の方針として、同年3月期も利益の状態に持って行くようであるが、それこそ虚偽の申告となり、A株式会社を取り巻く利害関係者に明らかに将来の刑事問題を懸念する。 (ウ) このように、レンタルオーナー制度の問題点、粉飾決算になるであ- 36 - ろうと予想される問題点などから、今期、訴外Lは監査報告書に署名できない。 (甲206)イ A株式会社は、平成20年10月頃、メインバンクであった株式会社りそな銀行から、融資の条件として、①ユーザーから支払を受けるレンタル 料と顧客(オーナー)に対して支払うレンタル料の差額を3年間で解消すること、②事業部及び香港支店の赤字解消を提示された。 上記①については、平成20年9月又は同年10月の時点において、A株式会社がユーザーから支払を受けるレンタル料が月額約3500万円であったのに対し、顧客(オーナー)に対して支払うレンタル料が月額約 3億2000万円に上っ 月又は同年10月の時点において、A株式会社がユーザーから支払を受けるレンタル料が月額約3500万円であったのに対し、顧客(オーナー)に対して支払うレンタル料が月額約 3億2000万円に上っていたため、前者を毎月800万円ずつ純増させることが条件として提示された。 当時A株式会社の財務経理部課長であった訴外Kは、平成20年10月14日頃、上記の条件について検討し、被告Y1に対し、要旨次の内容の決裁書を提出した。すなわち、上記①について、月額800万円の純増は、 ユーザーの期間満了やキャンセル等のマイナスも含むことから、小売価格でみると月額20億円に相当する金額のユーザーについて契約を獲得する必要があると想定される。上記②について、同年9月現在の最終損益において事業部が全て赤字であり、その累計額は約7000万円である。上記の条件は、内容的には、A株式会社の財務上の業務改善すべき部分への 指摘であり、資金供給を行う銀行側の主張は極めて妥当なものと考えられる。 (甲201)ウ少なくとも平成22年以降、A株式会社が顧客に対して支払うレンタル料の額が、ユーザーから支払を受けるレンタル料の額を大きく上回る状況 が一貫して続いた(甲23・2頁)。 - 37 - (3) 短期契約の取扱いの開始A株式会社は、平成22年9月頃から、長期契約に加えて、「上代購入契約装着タイプ磁気治療器一括借上オーナー制度」の名称で短期契約の取扱いを開始した。その内容は、要旨、①顧客が磁気治療器(当初は小売価格1000万円以上に限られていたが、後に500万円以上、100万円以上の各コ ースが追加された。)を小売価格で一括払いで購入し、②これをユーザーに賃貸して(顧客は、磁気治療器を受領せず、賃貸借業務及びレンタル料の回収を いたが、後に500万円以上、100万円以上の各コ ースが追加された。)を小売価格で一括払いで購入し、②これをユーザーに賃貸して(顧客は、磁気治療器を受領せず、賃貸借業務及びレンタル料の回収をA株式会社に委託する。)、A株式会社からレンタル料(年間で小売価格の6%)の支払を受ける、③契約期間は1年である(当初は契約の更新が必要であったが、その後1年ごとに自動更新されるようになった。)、④顧客は、 契約の満期時に、代金の返還(A株式会社が商品を買い戻す。)又は商品の返還を受けることができる、などというものであった。(甲147、151)(4) 1回目の行政処分とこれに対するA株式会社の対応ア A株式会社は、平成27年9月10日、消費者庁から、本社に対する立入検査を受けた。その後、A株式会社は、長期契約及び短期契約が預託法 2条にいう「預託等取引契約」に該当するという指摘を受けないようにするために、長期契約の名称を長期オーナーと、短期契約の名称を短期オーナーと改め、預託の形式から賃貸借の形式へと変更するとともに、従前とは異なり、販売した商品を顧客に一旦納品することとした。 しかし、その後、訴外Bは、被告Y10に対し、顧客への商品の納品を 止めるために必要な書類を被告Y9やA株式会社の顧問弁護士に相談するように指示した。被告Y10は、被告Y9やA株式会社の顧問弁護士に相談し、顧客から、A株式会社に対して直接ユーザーに磁気治療器を配送することを依頼する旨の書面を受け取ればよい旨の意見を聴いた。これを受けて、A株式会社は、平成28年1月頃から、上記書面を受け取って商 品を顧客に納品しないこととした。 - 38 - (甲147、157)イ A株式会社は、平成27年10月20日、消費者庁から、オーナーに支 成28年1月頃から、上記書面を受け取って商 品を顧客に納品しないこととした。 - 38 - (甲147、157)イ A株式会社は、平成27年10月20日、消費者庁から、オーナーに支払ったレンタル料とユーザーから支払を受けたレンタル料の額等について報告を求められたが、両者の額がほとんど均衡している旨の虚偽の報告をした。 消費者庁は、平成27年10月26日から同月28日にかけて、A株式会社の埼玉工場等に対する立入検査を実施した。 (甲157、201)ウ消費者庁は、平成28年11月14日、A株式会社に対し、預託法違反及び特商法違反により9か月間の業務停止命令等をする予定があるとして、 弁明の機会を付与した。A株式会社は、被告Y9や顧問弁護士に相談し、顧問弁護士が弁明書を提出した。(甲158)エ消費者庁は、A株式会社が、預託法3条1項、6条、特商法3条に違反する行為をしたなどとして、平成28年12月16日、A株式会社に対し、預託法7条1項、特商法8条1項(平成28年法律第60号による改正前 のもの。以下同じ。)及び39条1項(同改正前のもの。以下同じ。)の規定に基づき、同月17日から平成29年3月16日までの間、預託等取引契約の締結について勧誘すること等の業務を停止すること等を命じた(甲1)。 オ A株式会社は、平成28年12月以降、販売した商品を顧客に納品する ことにした(ただし、在庫不足により長期間商品を納品することができない場合、同額の代わりの商品を納品していた。)。また、A株式会社は、同月17日以降、長期契約の名称を「割引率売上」に、短期契約のそれを「定価売上」に変更し、いずれの類型においても、顧客とA株式会社との間の契約関係を賃貸借とせず、顧客が磁気治療器を購入し、これを使用 月17日以降、長期契約の名称を「割引率売上」に、短期契約のそれを「定価売上」に変更し、いずれの類型においても、顧客とA株式会社との間の契約関係を賃貸借とせず、顧客が磁気治療器を購入し、これを使用して拡 販・宣伝活動を行うことの報酬である「活動手当」との名目で、A株式会- 39 - 社から従前のレンタル料と同額の支払を受ける仕組みとされた。ただし、実際に拡販・宣伝活動を行ったか否かに関わらず、活動手当は支払われていた。(甲147、151、159)A株式会社は、平成29年1月から、アンテナショップ・地域センター認定制度を開始し、納品された磁気治療器を利用して自宅等で開業し、体 験会を行う活動者を募集するようになった(甲147、151)。 (5) 2回目の行政処分消費者庁は、①A株式会社が預託等取引契約の目的とするために購入させる磁気治療器の保有数が、少なくとも平成27年3月末から平成28年12月末までの間、その預託等取引契約の目的物となる上記商品の数に比して大 幅に不足していて、約定どおり顧客に割り当てる上記商品が存在しないにもかかわらず、複数の顧客に対し、その旨を故意に告げなかった、②預託法3条1項の規定に基づいて顧客に交付していたA株式会社の業務及び財産の状況に関する事項を記載した書面に負債の額が明らかに過少に計上されていたなどとして、平成29年3月16日、A株式会社に対し、預託法7条1項、 特商法8条1項及び39条1項の規定に基づき、同月17日から同年12月16日までの間、預託等取引契約の締結又は更新について勧誘すること等の業務を停止すること等を命じた(甲2。以下「平成29年3月処分」という。)。 (6) 3回目の行政処分とこれに対するA株式会社の対応ア消費者庁は、A株式会社が、過去の について勧誘すること等の業務を停止すること等を命じた(甲2。以下「平成29年3月処分」という。)。 (6) 3回目の行政処分とこれに対するA株式会社の対応ア消費者庁は、A株式会社が、過去の決算整理仕訳のうち根拠を示すこと ができない仕訳を取り消した結果、大幅な債務超過となったことについて、平成29年7月に公認会計士から報告がされた後も、業務提供誘引販売取引についての契約の締結について勧誘をするに際し、A株式会社が大幅な債務超過である事実等について故意に事実を告げなかったなどとして、同年11月17日、A株式会社に対し、特商法57条1項(平成28年法律 第60号による改正前のもの)の規定に基づき、同月18日から平成30- 40 - 年11月17日までの間、業務提供誘引販売取引について勧誘を行うこと等の取引を停止すること等を命じた(甲3)。 イ A株式会社は、平成29年11月4日以降、短期契約の名称を「定価売上リース債権譲渡契約5年物」に、同月6日以降、長期契約の名称を「割引率売上リース債権譲渡契約20年物」にそれぞれ変更し、いずれの類型 においても、磁気治療器ではなく磁気治療器のリース債権を販売し、リース債権収入名目で従前のレンタル料と同額の支払をするという形式をとることとした(甲147、159)。 (7) 4回目の行政処分とA株式会社の破産ア消費者庁は、A株式会社は、今後も当分の間、監査法人又は公認会計士 からの適正意見を受けた計算書類等に基づき、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って作成された備置き書類を備え置く見込みがないなどとして、平成29年12月15日、A株式会社に対し、特商法39条1項、預託法7条1項の規定に基づき、同月17日から平成30年12月16日までの間、預託等取 された備置き書類を備え置く見込みがないなどとして、平成29年12月15日、A株式会社に対し、特商法39条1項、預託法7条1項の規定に基づき、同月17日から平成30年12月16日までの間、預託等取引契約の締結又は更新について勧誘すること等 の業務を停止すること等を命じた(甲4)。 イ A株式会社は、平成30年3月1日、破産手続開始決定を受けた。 2 争点(1)(A株式会社が長期契約及び短期契約を締結する行為が顧客に対する不法行為を構成するか)について(1)ア長期契約において、顧客(オーナー)は、20年の契約期間が満了する までの間、磁気治療器を利用することがなく、これを第三者に売却することも想定されていないため、顧客にとっては、A株式会社から約定どおりのレンタル料(前記認定事実(4)オ、(6)イによれば、活動手当やリース債権収入もその実質はレンタル料と異ならないことから、以下、「レンタル料」というときは活動手当やリース債権収入も含むものとする。)の支払を受け ることが、契約を締結するか否かを判断する上で最も重要な考慮要素にな- 41 - るといえる。そうであるところ、顧客に販売した磁気治療器についてユーザーとの間で賃貸借契約を締結することができる限り、A株式会社は、ユーザーから支払を受けるレンタル料を顧客に対する支払に充てることができる(ユーザーによるレンタル料不払いのリスクの点は措く。)。また、顧客に販売した商品の一部について、ユーザーとの間で賃貸借契約を締結す ることができない状態が一時的に発生したとしても、賃貸借契約を締結することができるまでの間、一時的に販売代金を顧客に対する支払の原資に充てるなどすれば、顧客はA株式会社から約定どおりのレンタル料の支払を受けることができる。そうすると、A しても、賃貸借契約を締結することができるまでの間、一時的に販売代金を顧客に対する支払の原資に充てるなどすれば、顧客はA株式会社から約定どおりのレンタル料の支払を受けることができる。そうすると、A株式会社が顧客との間で長期契約を締結することが当然に不法行為を構成するものとはいえない。 しかるに、顧客に販売した商品のうち相当数について、ユーザーとの間で賃貸借契約を締結することができない状態(これは、オーナーとユーザーの数が著しくかい離している状態といえる。)が継続し、この状態が将来にわたって継続することが見込まれる場合、顧客が約定どおりのレンタル料の支払を受けることができない状態に陥ることが予想される。そうする と、A株式会社が顧客にそのことを告げることなく新たに長期契約を締結することは、契約を締結するか否かを判断する上で最も重要な考慮要素について事実を隠して契約を締結するものであって、不法行為を構成するものというべきである。 そうであるところ、前記認定事実(2)イのとおり、平成20年9月又は同 年10月の時点において、A株式会社がユーザーから支払を受けるレンタル料が月額約3500万円であったのに対し、A株式会社が顧客に対して支払うレンタル料が月額約3億2000万円に上っており、顧客に販売した商品のうち相当数について、ユーザーとの間で賃貸借契約を締結することができない状態が継続していたものといえる。そして、A株式会社が、 同月以降、ユーザーの獲得のための積極的な取組をしたことや、A株式会- 42 - 社がユーザーから支払を受けるレンタル料の額と顧客に対して支払うレンタル料の額のかい離が大幅に縮小したことをうかがわせる証拠はないから(かえって、証拠(甲150、164、170、201、205、206)に ザーから支払を受けるレンタル料の額と顧客に対して支払うレンタル料の額のかい離が大幅に縮小したことをうかがわせる証拠はないから(かえって、証拠(甲150、164、170、201、205、206)によれば、ユーザーの獲得ではなくオーナーの獲得を推進していた事実が認められる。)、当時、上記状態が将来にわたって継続することが見 込まれていたものといえる。また、A株式会社の従業員が顧客と長期契約を締結するに当たり、顧客に販売した商品のうち相当数について、ユーザーとの間で賃貸借契約を締結することができない状態が継続し、この状態が将来にわたって継続することが見込まれることなどを説明しなかったことは、当事者間に争いがない(被告らは、このような説明をした旨主張 しない。)。 そうすると、A株式会社が平成20年10月以降に原告らを含む顧客との間で長期契約を締結したことは、不法行為を構成する。 イ短期契約において、A株式会社は、顧客に対して、年率6%のレンタル料の支払を約束するのみならず、満期時又は中途解約時に代金を返還する 旨も約束していたものである。そうすると、A株式会社は、顧客に販売した商品についてユーザーとの間で賃貸借契約を締結してレンタル料の支払を受けるか、顧客から支払を受けた代金を運用して利益を上げるか、あるいは他の事業(長期契約に係る事業を含む。)により得た収入を原資とするかしない限り、顧客に対して約束したレンタル料の支払及び代金の返還を することができない。これに対して、上記の各方法でレンタル料の支払等をすることができず、ある顧客から支払を受けた代金を他の顧客に対するレンタル料の支払等に充てるということになれば、短期契約に係る事業は破綻することが必至になるといえる。 しかるに、前記アで説示したところに照らして ず、ある顧客から支払を受けた代金を他の顧客に対するレンタル料の支払等に充てるということになれば、短期契約に係る事業は破綻することが必至になるといえる。 しかるに、前記アで説示したところに照らして、A株式会社が短期契約 に基づいて顧客に販売した商品のうち相当数についてユーザーとの間で- 43 - 賃貸借契約を締結していたとは考え難い。また、A株式会社が顧客から支払を受けた代金を高利回りで運用していた形跡はない。さらに、前記アで説示したとおり、A株式会社が短期契約の取扱いを始めた平成22年には既に、長期契約について顧客に対して約定どおりのレンタル料の支払をすることができない状態になることが予想されていたものであり、長期契約 に係る事業により得た収入を短期契約に基づくレンタル料の支払等に充てることはできなかった。そして、ほかにA株式会社が短期契約に基づくレンタル料の支払を賄うに足りる利益を上げる事業をしていた形跡はない。 そうすると、A株式会社が平成22年以降に原告らを含む顧客との間で 短期契約を締結したことは、実質的に、破綻することが必至である事業に対して資金を拠出させるものであり、不法行為を構成するものというべきである。 (2) 原告らの主張に対する判断ア原告らは、A株式会社が長期契約及び短期契約を締結する行為は、本件 事業の実体が存在せず、いずれ破綻することが必至であるにもかかわらず顧客に金員を支払わせるものであって、公序良俗に違反して無効であり、不法行為を構成する旨主張する。しかしながら、前記(1)で説示したとおり、オーナーとユーザーの数が著しくかい離している状態が継続し、この状態が将来にわたって継続することが見込まれる場合でない限り、本件事業が 実体を欠く、いずれ破綻することが必至 で説示したとおり、オーナーとユーザーの数が著しくかい離している状態が継続し、この状態が将来にわたって継続することが見込まれる場合でない限り、本件事業が 実体を欠く、いずれ破綻することが必至であるとまではいえない。 そうであるところ、訴外Lの監査結果報告(前記認定事実(2)ア)によれば、平成19年3月又は平成20年3月の時点においてもオーナーとユーザーの数のかい離が生じていたのではないかとうかがわれる。しかし、本件全証拠によっても、この時点におけるオーナーとユーザーの具体的な数 等を認めることができない(証拠(甲199)によれば、平成19年3月- 44 - 期及び平成20年3月期において赤字額を小さくする粉飾決算がされた事実が認められるが、この事実をもって直ちにオーナーとユーザーの数の著しいかい離があったとまで認めることはできない。)。 そうすると、平成20年9月より前の時点で長期契約を締結する行為が不法行為を構成するものとはいえない。 イ原告らは、長期契約及び短期契約の締結が出資法2条1項に違反する不法行為である旨主張する。 しかしながら、仮に長期契約の締結が出資法2条1項に違反するとしても、当該長期契約の締結時においてオーナーとユーザーの数が著しくかい離している状態が継続していない限り、顧客の財産に対する危険を生じさ せるものとして不法行為を構成することはないものと解される。 したがって、原告らの主張するところをもって、平成20年9月より前の時点で長期契約を締結する行為が不法行為を構成するものとはいえない。 (3) 被告らの主張に対する判断 ア被告Y1、被告Y6、被告Y7、被告Y2、被告Y3、被告Y4、被告株式会社Y5、被告Y17及び被告株式会社Y18は、ユーザーからのレンタル い。 (3) 被告らの主張に対する判断 ア被告Y1、被告Y6、被告Y7、被告Y2、被告Y3、被告Y4、被告株式会社Y5、被告Y17及び被告株式会社Y18は、ユーザーからのレンタル料のみで顧客(オーナー)に対するレンタル料等の支払を賄っていたものではない旨主張する。 しかしながら、被告らの上記主張は、要するに、顧客は、新しい顧客か ら支払われた代金を原資としてレンタル料の支払を受けるというものであって、かえって本件事業の存続可能性を否定するものというべきであるから、失当である。 イ被告Y10、被告Y11及び被告Y12は、原告らの中には、いわゆる「活動者(A株式会社の商品を購入し、その商品等の購入を他の者に勧め、 その者がA株式会社の商品を購入したときは報奨金と呼ばれる対価を得る- 45 - 人)」という立場の者がおり、A株式会社の実体については熟知していたはずである旨主張する。 しかしながら、本件全証拠によっても、原告らがオーナーとユーザーの数の著しいかい離を認識していた事実はうかがわれないから、被告らの上記主張は採用することができない。 3 原告らの被告Y7及び被告Y19に対する請求について前記前提事実(2)ア(エ)、ウ(キ)のとおり、被告Y7及び被告Y19は、免責許可決定を受けたものである。しかるに、仮に原告らが被告Y7及び被告Y19に対して本件訴訟において主張する損害賠償請求権を有しているとしても、これが破産法253条1項ただし書所定の請求権に該当することを認めるに足り る証拠はない。 この点について、上記損害賠償請求権が破産法253条1項2号にいう「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」に該当するかが問題となる。そこで検討すると、同項3号が生命又は身体を害 い。 この点について、上記損害賠償請求権が破産法253条1項2号にいう「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」に該当するかが問題となる。そこで検討すると、同項3号が生命又は身体を害する不法行為のうち故意又は重大な過失により加えたもののみを同条1項ただし書所定の請求権とし ていることなどに鑑みると、同項2号にいう「悪意」とは、単なる故意ではなく、他人を害する積極的な意欲をいうものと解するのが相当である。これを本件についてみると、被告Y7及び被告Y19が、顧客を害する積極的な意欲をもってA株式会社の取締役若しくは監査役又は従業員として業務を遂行したことを認めるに足りる証拠はない。 以上によれば、その余の点について検討するまでもなく、原告らの被告Y7及び被告Y19に対する請求はいずれも理由がない。 4 争点(2)(A株式会社の役員であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったといえるか)について(1) 被告Y1について 前記認定事実(2)ア、イによれば、被告Y1は、遅くとも平成20年3月ま- 46 - でには、レンタルオーナー制度におけるオーナーとユーザーの数のかい離が生じていることを認識しており、遅くとも同年10月14日頃には、訴外Kから報告を受けて、A株式会社が顧客(オーナー)に対して支払うレンタル料の月額がユーザーから支払を受けるレンタル料のそれに比して3億円近く上回っている事実を認識したものである。そうすると、被告Y1は、この頃、 A株式会社の代表取締役として、長期契約の新規締結を中止すべき注意義務を負っていたものというべきである。 しかるに、被告Y1は、上記義務を怠り、長期契約の新規締結を継続させたのみならず、短期契約の取扱いも開 の代表取締役として、長期契約の新規締結を中止すべき注意義務を負っていたものというべきである。 しかるに、被告Y1は、上記義務を怠り、長期契約の新規締結を継続させたのみならず、短期契約の取扱いも開始したものであるから、遅くとも平成20年10月14日頃以降、その職務を行うについて少なくとも重大な過失 があったといえる。 (2) 被告Y6についてア平成20年9月又は同年10月以降、A株式会社が顧客に対して支払うレンタル料の額がユーザーから支払を受けるレンタル料のそれを大幅に上回っていた(前記認定事実(2)イ)。被告Y6は、A株式会社が本件事業を 始める前からA株式会社の取締役であった者であり(前記前提事実(2)ア(ウ))、長期契約及び短期契約の仕組み等を認識した上で、店長会議に出席して長期契約及び短期契約の数及び金額とユーザー契約の数及び金額について認識しており(前記認定事実(1)イ、ウ)、平成29年2月又は同年3月には被告Y1に対してオーナーとユーザーの数のバランスが悪くなるた め、何とかしなければならない旨などの意見を伝えた(甲164)というのである(なお、被告Y6は、講師として講演をしたが、業務支援部が作成したスライドを読み上げるだけであった旨主張するが、そうであったとしても長期契約及び短期契約の仕組みを認識していたという上記認定が左右されるものではない。同様の主張をするほかの被告についても同様であ る。)。 - 47 - 以上によれば、被告Y6は、遅くとも平成20年10月の時点において、長期契約について顧客に対して約定どおりのレンタル料の支払をすることができない状態に陥ること、及び短期契約の取扱いを開始すれば当該事業が破綻することが必至であることを容易に認識し得たものというべきである。 いて顧客に対して約定どおりのレンタル料の支払をすることができない状態に陥ること、及び短期契約の取扱いを開始すれば当該事業が破綻することが必至であることを容易に認識し得たものというべきである。 イそうすると、被告Y6は、本件事業の担当取締役ではないが、A株式会社の全事業について取締役の職務執行を監督する機関である取締役会の構成員である取締役として、訴外B及び被告Y1に対して長期契約の新規締結を中止し、短期契約の取扱いの開始を止めるよう促す、上記両名がこれを拒否することがあれば、招集権者に対し取締役会の招集を請求するなど すべき注意義務を負っていたものである。しかるに、被告Y6は、せいぜい平成29年2月又は同年3月以降に前記アの意見を伝えたにとどまる。 以上によれば、被告Y6は、平成20年10月以降、その職務を行うについて少なくとも重大な過失があったといえる。 他方、平成20年9月以前において、被告Y6がA株式会社の従業員等 と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したことを認めるに足りる証拠はない。 (3) 被告Y8についてア被告Y8は、平成24年6月以降、A株式会社の監査役であった者であり(前記前提事実(2)ア(オ))、平成25年12月頃に被告Y10から本件事 業の内容等の概要について説明を受け、前記2(1)で説示したような本件事業の性質(顧客(オーナー)とユーザーの数が著しくかい離している状態が継続し、この状態が将来にわたって継続することが見込まれる場合、顧客が約定どおりのレンタル料の支払を受けることができない状態に陥ることが予想されること)を認識していたものである(甲189)。 そうであるところ、消費者庁は、①A株式会社が預託等取引契約の目的- 48 - とするために購 ることができない状態に陥ることが予想されること)を認識していたものである(甲189)。 そうであるところ、消費者庁は、①A株式会社が預託等取引契約の目的- 48 - とするために購入させる磁気治療器の保有数が、少なくとも平成27年3月末から平成28年12月末までの間、その預託等取引契約の目的物となる上記商品の数に比して大幅に不足していて、約定どおり顧客に割り当てる上記商品が存在しないにもかかわらず、複数の顧客に対し、その旨を故意に告げなかった、②預託法3条1項の規定に基づいて顧客に交付してい たA株式会社の業務及び財産の状況に関する事項を記載した書面に負債の額が明らかに過少に計上されていたなどとして、平成29年3月16日、A株式会社に対し、業務停止等を命ずる処分をしたものである(平成29年3月処分)。 そうすると、被告Y8は、遅くとも平成29年3月16日の時点におい て、本件事業を継続すれば本件事業が破綻することが必至であることを容易に認識し得たものであり、A株式会社の監査役として、その旨を取締役会に報告し(会社法382条。必要があるときは、取締役に対して取締役会の招集を請求する(同法383条2項)。)、取締役会に出席して本件事業を中止すべきである旨の意見を述べる(同条1項)などすべき注意義務を 負っていたものというべきである。しかるに、被告Y8は、この義務を怠り、何らの措置も講じなかったのであるから(甲188、189)、その職務を行うについて少なくとも重大な過失があったといえる。 他方、被告Y8は、非常勤で、定時株主総会とそれに引き続く取締役会に出席するのみで実質的に監査をしていなかったものであり(甲188)、 平成29年3月処分がされるより前の時点において、被告Y8が本件事業の破綻可能性 で、定時株主総会とそれに引き続く取締役会に出席するのみで実質的に監査をしていなかったものであり(甲188)、 平成29年3月処分がされるより前の時点において、被告Y8が本件事業の破綻可能性を具体的に認識し得たことを根拠付ける具体的事実を認めるに足りる証拠はない。 イこれに対して、原告らは、被告Y8が本件事業の破綻可能性を認識していなかったとすれば、監査役としての職務を放棄していたことが原因であ るから、被告Y8は共同して不法行為をしたものというべきである旨主張- 49 - する。 しかしながら、本件全証拠によっても、平成29年3月処分がされる前の時点において、被告Y8がA株式会社の監査役として具体的にオーナーとユーザーの数を調査すべき義務を負っていたことを根拠付ける具体的事実を認めるに足りない。 したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 (4) 被告Y2について被告Y2は、平成13年6月から平成24年6月までの間、A株式会社の監査役であった者であるから(前記前提事実(2)ア(カ))、前記2(1)で説示したような本件事業の性質(顧客(オーナー)とユーザーの数が著しくかい離 している状態が継続し、この状態が将来にわたって継続することが見込まれる場合、顧客が約定どおりのレンタル料の支払を受けることができない状態に陥ることが予想されること)を認識し、又は認識すべき地位にあった。また、同じ時期にA株式会社の監査役を務めていた訴外Lは、レンタルオーナー制度についてユーザーとオーナーの比率が悪化している、粉飾決算がある などとして、平成20年3月期の監査報告書への署名を拒否していたものであるから(前記認定事実(2)ア)、被告Y2も、この頃、訴外Lが指摘したような問題点を認識していたもの る、粉飾決算がある などとして、平成20年3月期の監査報告書への署名を拒否していたものであるから(前記認定事実(2)ア)、被告Y2も、この頃、訴外Lが指摘したような問題点を認識していたものと推認される。 そうすると、被告Y2は、遅くとも平成20年10月の時点において、長期契約について顧客に対して約定どおりのレンタル料の支払をすることがで きない状態に陥ること、及び短期契約の取扱いを開始すれば当該事業が破綻することが必至であることを容易に認識し得たものというべきである。 そこで、被告Y2は、上記の時点において、前記(3)で被告Y8について説示したのと同様の注意義務を負っていたものというべきである。しかるに、被告Y2は、この義務を怠り、何らの措置も講じなかったのであるから(被 告Y2は、何らかの措置を講じた旨を主張しないし、その事実を認めるに足- 50 - りる証拠はない。)、その職務を行うについて少なくとも重大な過失があったといえる。 他方、平成20年9月以前において、被告Y2がA株式会社の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したことを認めるに足りる証拠はない。 5 争点(3)(被告Y4が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について(1) 前記前提事実(2)ウ(ア)及び前記認定事実(1)イ、ウに掲記の証拠を総合すれば、次の事実が認められる。 ア被告Y4は、平成24年にA株式会社に入社し、平成25年、新規顧客 にA株式会社の商品等を宣伝する店舗として東京都に開店したA株式会社のアンテナショップの店長に就任した。被告Y4は、平成28年4月にA株式会社の本社部門に国際部が設けられると、国際部ゼネラルマネージャーに就任し、海外統括責任者になった。( 京都に開店したA株式会社のアンテナショップの店長に就任した。被告Y4は、平成28年4月にA株式会社の本社部門に国際部が設けられると、国際部ゼネラルマネージャーに就任し、海外統括責任者になった。(甲28、29、150)イ被告Y4は、国際部ゼネラルマネージャーに就任して以降、全国大会、 地方大会等の催事において、講師として長期契約及び短期契約の仕組み等を説明していた。 ウ被告Y4は、毎月1回、各月の最終入金予定金額及びユーザー契約最終見込み件数と金額等が報告される店長会議に出席していた。 (2) 前記(1)の事実によれば、被告Y4は、平成28年4月以降、A株式会社の 海外統括責任者という枢要な地位にあり、長期契約及び短期契約の仕組み等を認識した上で、店長会議に出席して長期契約及び短期契約の数及び金額とユーザー契約の数及び金額について認識していたというのである。 そうすると、被告Y4は、遅くとも平成28年4月以降、長期契約について顧客に対して約定どおりのレンタル料の支払をすることができない状態に 陥ることなどを予見することができたものというべきである。 - 51 - しかるに、被告Y4は、全国大会、地方大会等の催事において、講師として長期契約及び短期契約の仕組み等を説明するなどして、長期契約及び短期契約の締結を勧誘していたものであるから、A株式会社の他の従業員等と共同して長期契約及び短期契約の締結という不法行為をした、又はこの不法行為を少なくとも過失により幇助したものというべきである。 6 争点(4)(被告Y9が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について(1) 前記前提事実(2)イ及び前記認定事実(4)に掲記の証拠を総合すれば、次の事実が認められる。 ア被告Y 告Y9が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について(1) 前記前提事実(2)イ及び前記認定事実(4)に掲記の証拠を総合すれば、次の事実が認められる。 ア被告Y9は、平成21年以降、消費者庁において、取引対策課の課長補 佐(特商法及び預託法担当)の地位にあった。 イ平成25年9月1日、特定商品等の預託等取引契約に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第218号)が施行され、預託法の適用対象に家庭用治療機器が追加された。その後、被告Y9は、平成26年4月から平成27年3月まで、消費者庁のほかの職員と共に、A株式 会社の内偵調査(消費者からの相談情報の分析等)を行った。その過程で、被告Y9は、平成26年7月31日、ほかの職員と共に、取引対策課課長に対して、A株式会社への対処方針の確認を求めた。被告Y9は、その際、預託法及び特商法上、書面の不交付、書面の記載不備及び書類の閲覧不備の疑いはあるが、行為違反の事実を確認することはできなかったとした上 で、立入検査を実施するか、召喚して書面の任意提出を促すかの判断を求めた。これに対して、同課長は、A株式会社は上記の改正を把握していない可能性が高いのではないかとした上で、立入検査を実施する程の行為違反事実があるわけではなく、A株式会社に法令遵守をさせることが重要であり、早急に召喚すべきであるとの対処方針を確認した。 その結果、消費者庁は、平成26年9月及び同年10月、A株式会社に- 52 - 対し、書面の不交付等を理由とする行政指導をした。 (甲16、17、104、105)ウ被告Y9は、平成27年3月に消費者庁を定年退職し、同年6月に経済産業省を退職した後、同年7月10日、A株式会社との間で顧問契約を締結し る行政指導をした。 (甲16、17、104、105)ウ被告Y9は、平成27年3月に消費者庁を定年退職し、同年6月に経済産業省を退職した後、同年7月10日、A株式会社との間で顧問契約を締結した。 エ A株式会社は、平成27年9月10日、消費者庁から、本社に対する立入検査を受けた。また、A株式会社は、同年10月20日、消費者庁から、オーナーに支払ったレンタル料とユーザーから支払を受けたレンタル料の額等について報告を求められたが、両者の額がほとんど均衡している旨の虚偽の報告をした。さらに、消費者庁は、平成27年10月26日から同 月28日にかけて、A株式会社の埼玉工場等に対する立入検査を実施した。 オ A株式会社は、本社に対する立入検査を受けた後の平成27年10月1日から、長期契約の名称を長期オーナーと、短期契約の名称を短期オーナーと改め、預託の形式から賃貸借の形式へと変更するとともに、従前とは異なり、販売した商品を顧客に一旦納品することとした。その後、被告Y 9は、訴外Bの指示を受けて顧客への商品の納品を止めるために必要な書類について相談されて、顧客から、A株式会社に対して直接ユーザーに磁気治療器を配送することを依頼する旨の書面を受け取ればよい旨の意見を述べた。 カ(ア) 内閣府再就職等監視委員会は、平成28年3月24日、被告Y9の次 の行為は、国家公務員の在職中の求職の規制に関する国家公務員法106条の3の規定に違反するとの調査結果を公表した(甲35)。 被告Y9は、消費者庁に在職していた平成26年8月から平成27年3月までの間、離職後にA株式会社の地位に就くことを目的として、A株式会社に対し、何度も「定年退職」「最後の仕事」と告げ、私用メー ルアドレス及び電話番号の連絡先を伝えたほか、行政指 成27年3月までの間、離職後にA株式会社の地位に就くことを目的として、A株式会社に対し、何度も「定年退職」「最後の仕事」と告げ、私用メー ルアドレス及び電話番号の連絡先を伝えたほか、行政指導中に利用して- 53 - いたツール及び資料等を自宅に持ち帰った上、A株式会社に対し、人事異動日等を伝えてトップとの面会を要求するなどした。 (イ) 被告Y9は、平成28年5月10日、A株式会社の顧問を辞任したが(顧問の在職期間中で合計360万円の顧問料の支払を受けた。甲88)、同年7月11日、A株式会社の関連団体である一般社団法人Eの 嘱託に就任した。そして、A株式会社が消費者庁から同年11月14日に業務停止命令等に関する弁明の機会を付与された際、A株式会社からの相談に応じた。 キ被告Y9は、平成29年3月処分がされた後の平成29年5月10日、一般社団法人Eの嘱託を辞任した。 (2) 前記(1)の事実によれば、被告Y9は、平成27年7月にA株式会社の顧問に就任してからA株式会社の関連団体の嘱託を辞任した平成29年5月までの間、A株式会社からの依頼を受け、消費者庁の取引対策課課長補佐の経験を生かして、本件事業について、契約の形態や手続等の不備を理由として消費者庁から業務停止命令等を受けることがないように助言をしていたもので ある。そして、この助言を受けて、A株式会社は、本件事業の実態はそのままとしながら、長期契約や短期契約の名称等を改めていたものである。そうすると、被告Y9の助言により、消費者庁による本件事業の問題点の発見が遅らされた面があるものというべきである。 しかしながら、本件において長期契約及び短期契約の締結が不法行為を構 成するのは、これらの契約がその形態や手続の不備等を理由として預託法や の発見が遅らされた面があるものというべきである。 しかしながら、本件において長期契約及び短期契約の締結が不法行為を構 成するのは、これらの契約がその形態や手続の不備等を理由として預託法や特商法の規定に違反していたからではなく、顧客(オーナー)とユーザーの数に著しいかい離があったからである。しかるに、本件全証拠によっても、被告Y9が、平成29年3月処分がされるまでの間、上記の著しいかい離がある事実を認識し、又は認識することができた事実を認めるに足りない。そ して、被告Y9は、平成29年3月処分がされた後の平成29年5月10日- 54 - に一般社団法人Eの嘱託を辞任したものである。 そうすると、被告Y9がA株式会社と共同して不法行為をした、又はA株式会社の不法行為を幇助したものとまではいえない。 (3) 原告らの主張に対する判断原告らは、被告Y9がA株式会社と共同して不法行為をした、又はA株式 会社の不法行為を幇助したとの主張の前提として、①被告Y9は、消費者庁に在職中、A株式会社が詐欺商法を行っている事実を認識していた、また、A株式会社の顧問に就任後、A株式会社の違法性を認識した、②被告Y9は、A株式会社の顧問に就任し、高額な顧問料を受領するに当たっては、その事業内容やその商法に継続性が存在するかについて調査すべき義務を負ってい た旨を主張する。 そこで検討すると、被告Y9は、消費者庁に在職中、A株式会社の内偵調査を行っていたものであるが、そうであるからといって当然にオーナーとユーザーの数の著しいかい離を認識していたとはいえない。また、被告Y9は、A株式会社の顧問に就任後、A株式会社から特商法や預託法に関する相談を 受けていたものであるが、その内容が契約の形態や手続の不備等に関するものの を認識していたとはいえない。また、被告Y9は、A株式会社の顧問に就任後、A株式会社から特商法や預託法に関する相談を 受けていたものであるが、その内容が契約の形態や手続の不備等に関するもののほかに上記のかい離等に関するものであったことを認めるに足りる証拠はない。さらに、会社の顧問に就任して高額な顧問料を受領するからといって、当該会社の事業内容等について調査すべき義務を負うものとはいえない。 以上によれば、原告らの上記主張はいずれも採用することができない。 7 争点(5)イ(被告Y10の原告らに対する不法行為が「悪意で加えた」(破産法253条1項2号)ものといえるか)について前記3で説示したとおり、破産法253条1項2号にいう「悪意」とは、単なる故意ではなく、他人を害する積極的な意欲をいうものと解するのが相当である。 これを本件についてみると、被告Y10が、顧客を害する積極的な意欲をも- 55 - ってA株式会社の従業員として業務を遂行したことを認めるに足りる証拠はない。 8 争点(5)ア(A株式会社の営業部お客様相談室で勤務していた被告Y13が、共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)についてお客様相談室は、営業部の下にあって、顧客からの問合せやクレーム対応、 契約及び取引に関する法務並びに契約書や約款等の作成等の業務を行う部署であった(前記前提事実(1)ウ(ア)c)。そして、被告Y13は、平成25年7月頃からお客様相談室で勤務し、平成27年10月に主任に昇格した。当時、お客様相談室は、室長である被告Y10がトップの立場にあり、その次に被告Y13が位置し、その下に従業員が1名いて、そのほかに育児休業中の従業員が1 名いるという体制であった(以上、同(2)ウ(ウ)、甲5 室は、室長である被告Y10がトップの立場にあり、その次に被告Y13が位置し、その下に従業員が1名いて、そのほかに育児休業中の従業員が1 名いるという体制であった(以上、同(2)ウ(ウ)、甲52の1)。 お客様相談室の室長であった被告Y10は、A株式会社の法務部門のトップというべき立場にあるのみならず、営業連絡課の室長や顧客管理課の室長をも兼務し、訴外Bの指示を受けて顧問弁護士等と相談しながら消費者庁への対応に当たるなどしていた(甲22、151、157から162まで)。これに対し て、被告Y13は、解約を求める消費者センターや弁護士への対応等に当たっていたほか(甲108から111まで)、契約書の案を作成したり顧問弁護士と相談しながら契約書を修正したりしたものであるが(争いがない。)、それ以上に本件事業の内容や消費者庁への対応等に関与していた形跡はない。そして、被告Y13がオーナーとユーザーの数の著しいかい離を認識し、又は認識する ことができた事実を認めるに足りる証拠はない(原告らは、被告Y13が契約書案を作成したりA株式会社の顧問弁護士に相談しながら契約書の修正をしたりしたものであるから、A株式会社の商法の実態がポンジスキームであることを認識し、又は認識することができた旨主張するが、当然にそのようにいうことはできない。)。 また、原告らがお客様相談室との間で解約の交渉をし、被告Y13から解約- 56 - を阻止されたという事実を認めるに足りる証拠はない。 そうすると、被告Y13がA株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものとはいえない。 9 争点(6)(被告Y11が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について 営業推進課は、営業部の て不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものとはいえない。 9 争点(6)(被告Y11が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について 営業推進課は、営業部の下にあって、契約の締結、移行及び解約に伴う事務処理、店舗ごとの売上や日々の入金の集計、売上実績に基づく従業員への奨励金の計算並びにマネージャーや店長等が出席する営業会議の準備等の業務を行う部署であり、地域ごとに四つの課に分かれていた(前記前提事実(1)ウ(ア)b)。 そして、被告Y11は、平成28年3月にA株式会社に入社し、平成29年1 2月25日までの間、営業部の営業推進四課、同三課及び同二課で勤務していた(同(2)ウ(エ))。被告Y11は、平成28年10月時点では、営業推進四課の副主任以下の従業員4名の末席であり、平成29年10月時点では、同二課の副主任の次の席次であった(甲52の2、3)。 被告Y11が従事していた上記業務は、専らA株式会社内部の管理的、事務 的な業務であり、これに従事したからといって、顧客との間で長期契約及び短期契約を締結するというA株式会社の他の従業員等の不法行為を共同してした、又はこれを幇助したものとはいえない。 10 争点(7)(A株式会社の財務経理部(財務部)で勤務していた被告らが共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について (1) 被告Y14の責任について被告Y14は、平成27年2月にA株式会社に入社し、平成29年12月25日までの間、財務部で勤務していた者であるが(前記前提事実(2)ウ(オ))、これをもって直ちに被告Y14がA株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものとはいえない。そして、その ほかに被告Y14がA 前記前提事実(2)ウ(オ))、これをもって直ちに被告Y14がA株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものとはいえない。そして、その ほかに被告Y14がA株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、- 57 - 又はその不法行為を幇助したことを根拠付ける具体的事実を認めるに足りる証拠はない。 (2) 被告Y20の責任について被告Y20は、A株式会社の財務経理部、財務部で勤務し、平成28年10月から平成29年10月までの間に財務部管理課の主任になった者である (前記前提事実(2)ウ(ク))。 被告Y20は、訴外Kの指示を受けて、平成21年3月期、平成23年3月期、平成26年3月期及び平成27年3月期の各決算書類作成の際、決算整理仕訳のための振替伝票を作成したものであるが(甲199、200)、これらの決算整理仕訳が粉飾決算のためのものであることを被告Y20が認識 し、又は認識することができたことを根拠付ける具体的事実を認めるに足りる証拠はない。 これに対して、原告らは、被告Y20が平成27年9月にA株式会社がユーザーから支払を受けたレンタル料の額と顧客に対して支払ったレンタル料の額の集計を行ったのであるから、本件事業がおよそ利益を生むものではな く顧客からの預り金を費消することによってしか成り立たない自転車操業であることを認識していたはずである旨主張する。しかし、被告Y20がこの集計を行ったのは平成27年3月期の決算整理仕訳のための振替伝票を作成した後のことであるところ、被告Y20がこの集計を行った後に長期契約及び短期契約の締結に関連する行為をしたことを認めるに足りる証拠はない。 以上によれば、被告Y20がA株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした 被告Y20がこの集計を行った後に長期契約及び短期契約の締結に関連する行為をしたことを認めるに足りる証拠はない。 以上によれば、被告Y20がA株式会社の他の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したものとはいえない。 11 争点(8)(被告Y12が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について業務支援部は、商品のチラシの制作、催事の講演で用いるスライドのデー タの作成等の業務を行う部署である(甲165)。被告Y12は、平成26年- 58 - 5月から平成29年12月25日までの間、業務支援部で勤務していたが(前記前提事実(2)ウ(カ))、係長や主任といった立場にあったものではない(甲22、52の1から3まで)。 以上によれば、被告Y12は、長期契約及び短期契約の締結を直接勧誘したものではなく、催事において上記両契約の内容について講師として講演し たり説明したりしたものでもなく、単に上司の指示に従ってその講演のための資料を作成したというにとどまるものである。これをもって、顧客との間で長期契約及び短期契約を締結するというA株式会社の他の従業員等の不法行為を共同してした、又はこれを幇助したものとはいえない。 12 争点(9)(被告Y15の故意・過失(原告X9、原告X16、原告X18関 係))について被告Y15は、平成22年3月にA株式会社に入社し、A株式会社の安城店、岡崎店担当エリアマネージャー代理であった者であるから(前記前提事実(2)エ)、長期契約及び短期契約の仕組み等を認識した上で、店長会議に出席して長期契約及び短期契約の数及び金額とユーザー契約の数及び金額につ いて認識していたものである。 そうすると、被告Y15は、平成22年3月以降、長期契約に み等を認識した上で、店長会議に出席して長期契約及び短期契約の数及び金額とユーザー契約の数及び金額につ いて認識していたものである。 そうすると、被告Y15は、平成22年3月以降、長期契約について顧客に対して約定どおりのレンタル料の支払をすることができない状態に陥ること、及び短期契約の取扱いを開始すれば当該事業が破綻することが必至であることを認識し得たものであるから、同月以降、担当する安城店及び岡崎店 の従業員等と共同して不法行為をしたものというべきである。 13 争点(10)(被告株式会社Y5が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか)について原告らは、①A株式会社は、その店舗において被告株式会社Y5の化粧品を使用してエステティックの施術をし、当初は長期契約及び短期契約の締結 の勧誘という目的を隠して「無料でエステが受けられる」などとして顧客を- 59 - 誘引し、上記施術を受けた顧客に対し、上記両契約の締結を勧誘するという手法を取っていた、②被告株式会社Y5は、A株式会社のパンフレットやホームページ上で関連企業として紹介されており、A株式会社が安全で信頼できる大きなグループ会社であるかのような外観の作出に寄与していたとして、被告株式会社Y5は、A株式会社と共同して不法行為をした、又はA株式会 社の不法行為を幇助した旨主張する。 しかしながら、上記①については、この事実を認めるに足りる証拠がない。 また、仮にこの事実があったとしても、勧誘に用いられた化粧品を製造販売したからといって契約の締結という不法行為を幇助したものとはいえない。 また、上記②について、仮にこの事実があったとしても、被告株式会社Y5 が関連会社として存在すること、あるいは関連会社として紹介されることが不法行 結という不法行為を幇助したものとはいえない。 また、上記②について、仮にこの事実があったとしても、被告株式会社Y5 が関連会社として存在すること、あるいは関連会社として紹介されることが不法行為を幇助することに当たるとはいえない。 以上によれば、原告らの上記主張は採用することができない。 14 争点(11)(有限会社Gの取締役又は代表取締役であった被告らが共同して不法行為をした、又はその職務を行うについて悪意又は重大な過失があった といえるか)について(1) 有限会社Gの責任有限会社Gは、訴外Bとその妻子が経営する会社であり(平成19年11月30日から平成29年12月15日までは、被告Y1がA株式会社及び有限会社Gの代表取締役であった。)、A株式会社と独立した業務を行うことは なく、A株式会社及び関連会社の株式を保有することのみを目的としていた(前記前提事実(2)オ(イ))。そして、有限会社Gは、A株式会社から配当金の支払を受けるほか、磁気治療器の賃料名目で毎月100万円の支払を受けていた。また、A株式会社は、平成30年11月時点で、有限会社Gに対して貸金債権又は立替金返還請求権約6億9000万円、会社法462条1項に 基づく配当金返還請求権約1億1600万円を有していると主張していた。 - 60 - (甲190、192)そうすると、有限会社Gは、A株式会社と経営者を同じくし、配当金や賃料等の名目で、A株式会社が長期契約及び短期契約の締結という不法行為によって得た利益の還流を受けていたものと認められるから、A株式会社と共同して上記不法行為をしたものというべきである。 (2) 被告Y17について原告らがA株式会社との間で長期契約及び短期契約を締結したのは、いずれも平成29年12月21日より A株式会社と共同して上記不法行為をしたものというべきである。 (2) 被告Y17について原告らがA株式会社との間で長期契約及び短期契約を締結したのは、いずれも平成29年12月21日より前である(前記前提事実(4))。しかるに、被告Y17は、平成29年12月21日に有限会社Gの代表取締役に就任したものであるから(前記前提事実(2)オ(イ))、有限会社Gの代表取締役として 原告らに対して損害賠償責任を負う余地はない。 また、仮に被告Y17が平成29年12月21日より前に有限会社Gの取締役であったとしても、被告Y17が当時有限会社Gの経営に関与していたことをうかがわせる証拠はなく、有限会社G(代表取締役被告Y1)がA株式会社と共同して不法行為をしていることを具体的に認識することができた ことを認めるに足りる証拠はない。 そうすると、被告Y17がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったとはいえないし、A株式会社の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したともいえない。 なお、原告らは、被告Y17が被告Y1の母であることから、被告Y1の 違法行為を阻止すべき義務を負うかのように主張するが、失当である。 (3) 被告Y3について被告Y3は、平成7年3月から有限会社Gの取締役であったが(前記前提事実(2)オ(イ))、有限会社Gの経営に関与していたことをうかがわせる証拠はなく、有限会社G(代表取締役被告Y1)がA株式会社と共同して不法行 為をしていることを具体的に認識することができたことを認めるに足りる証- 61 - 拠はない。 そうすると、被告Y3がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったとはいえないし、A株式会社の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行 めるに足りる証- 61 - 拠はない。 そうすると、被告Y3がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったとはいえないし、A株式会社の従業員等と共同して不法行為をした、又はその不法行為を幇助したともいえない。 なお、原告らは、被告Y3が訴外Bと長年家族同様の密接な関係にあった ことから、同人の違法行為を阻止すべき義務を負うかのように主張するが、失当である。 15 争点(12)(被告株式会社Y18が共同して不法行為をした、又は不法行為を幇助したものといえるか(原告X2、原告X3、原告X4、原告X9、原告X11、原告X16、原告X18、原告X22、原告X23関係))につい て(1) 被告株式会社Y18は、A株式会社の店舗と同様に、マッサージや商品の販売をしていたものであるから(前記前提事実(2)カ)、前記2(1)で説示したような本件事業の性質(顧客(オーナー)とユーザーの数が著しくかい離している状態が継続し、この状態が将来にわたって継続することが見込まれる 場合、顧客が約定どおりのレンタル料の支払を受けることができない状態に陥ることが予想されること)を認識していたものと認められる。 そうであるところ、消費者庁は、①A株式会社が預託等取引契約の目的とするために購入させる磁気治療器の保有数が、少なくとも平成27年3月末から平成28年12月末までの間、その預託等取引契約の目的物となる上記 商品の数に比して大幅に不足していて、約定どおり顧客に割り当てる上記商品が存在しないにもかかわらず、複数の顧客に対し、その旨を故意に告げなかった、②預託法3条1項の規定に基づいて顧客に交付していたA株式会社の業務及び財産の状況に関する事項を記載した書面に負債の額が明らかに過少に計上されていたなどとして、平成29年3月1 故意に告げなかった、②預託法3条1項の規定に基づいて顧客に交付していたA株式会社の業務及び財産の状況に関する事項を記載した書面に負債の額が明らかに過少に計上されていたなどとして、平成29年3月16日、A株式会社に対し、 業務停止等を命ずる処分をしたものである(平成29年3月処分)。 - 62 - そうすると、被告株式会社Y18は、遅くとも平成29年3月16日の時点において、長期契約及び短期契約について顧客に対して約定どおりのレンタル料の支払をすることができない状態に陥ることを認識し得たものである。 他方、平成29年3月処分がされるより前の時点において、被告株式会社Y18が、長期契約及び短期契約について顧客に対して約定どおりのレンタル 料の支払をすることができない状態に陥ることを具体的に認識し得たことを根拠付ける具体的事実を認めるに足りる証拠はない。 (2) しかるに、被告株式会社Y18は、平成29年3月16日以降も、顧客に長期契約及び短期契約の締結を勧誘したほか、A株式会社が長期契約及び短期契約を締結するに当たって締結場所として自社の店舗を提供したもので あり(甲(2)13、甲(9)9)、A株式会社の従業員等と共同して長期契約及び短期契約の締結という不法行為をした、又はこの不法行為を少なくとも過失により幇助したものというべきである。 これに対して、被告株式会社Y18は、短期契約の締結に関与していない旨主張する。しかしながら、証拠(甲(9)8、甲(16)7、8。枝番を含む。) によれば、被告株式会社Y18が短期契約に係る金員をA株式会社に振り込んだ事実や短期契約の締結に関与した事実が認められるのであり、被告株式会社Y18の上記主張は採用することができない。 16 小括-各被告が賠償責任を負う損害額(1 に係る金員をA株式会社に振り込んだ事実や短期契約の締結に関与した事実が認められるのであり、被告株式会社Y18の上記主張は採用することができない。 16 小括-各被告が賠償責任を負う損害額(1) 被告Y1及び被告Y6は、平成20年10月以降に長期契約又は短期契約 を締結した顧客との関係において、損害賠償責任を負う。 これを本件についてみると、Iを除く原告らは、いずれも平成20年10月以降に長期契約又は短期契約を締結したものである。また、Iは同月より前にも長期契約を締結したが、同月より前の長期契約については損害が発生していない(以上、前記前提事実(4))。 以上によれば、被告Y1は原告X23の主張する損害の全部について、被- 63 - 告Y6は原告らの主張する損害の全部について、それぞれ賠償する責任を負う。 (2) 被告Y8は、平成29年3月16日以降に長期契約又は短期契約を締結した顧客との関係において、損害賠償責任を負う。 これを本件についてみると、被告Y8は、原告X1、原告X2、原告X5 及び原告X8の主張する損害の全部について、賠償する責任を負う。 また、被告Y8は、原告X9の番号2から4まで、原告X12の番号8及び9、原告X13の番号3、原告X14の番号30から36まで、原告X15の番号17、原告X16の番号7及び8、原告X17の番号3、原告X18の番号7から9まで、原告X20の番号2並びに原告X21の番号2の各 契約の締結による損害について、賠償する責任を負う。そして、その額は、次のとおりである。 ① 原告X9 859万5000円(損失781万5000円、弁護士費用78万円)ただし、請求額を上回る。 ② 原告X12 330万円(損失300万円、弁護士費用30万円) ① 原告X9 859万5000円(損失781万5000円、弁護士費用78万円)ただし、請求額を上回る。 ② 原告X12 330万円(損失300万円、弁護士費用30万円)原告X12がA株式会社から支払を受けた94万円は、番号1から7までの契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 ③ 原告X13 176万円(損失160万円、弁護士費用16万円)④ 原告X14 858万円(損失780万円、弁護士費用78万円) 原告X14がA株式会社から支払を受けた1506万2000円は、番号1から29までの契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 ⑤ 原告X15 55万円(損失50万円、弁護士費用5万円)原告X15がA株式会社から支払を受けた4047万円は、番号1か ら16までの契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 - 64 - ⑥ 原告X16 284万5000円(損失259万5000円、弁護士費用25万円)⑦ 原告X17 452万6000円(損失411万6000円、弁護士費用41万円)⑧ 原告X18 863万円(損失785万円、弁護士費用78万円) 原告X18がA株式会社から支払を受けた244万7820円は、番号1から6までの契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 ⑨ 原告X20 770万円(損失700万円、弁護士費用70万円)原告X20がA株式会社から支払を受けた80万円は、番号1の契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 ⑩ 原告X21 1078万円(損失980万円、弁護士費用98万円)ただし、請求額を上回る。 原告X21がA株式会社から支払を受けた80万円は、番号1の契約 られたものと認められる。 ⑩ 原告X21 1078万円(損失980万円、弁護士費用98万円)ただし、請求額を上回る。 原告X21がA株式会社から支払を受けた80万円は、番号1の契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 (3) 被告Y2は、平成20年10月から、A株式会社の監査役を退任する平成 24年6月までに長期契約又は短期契約を締結した顧客との関係において、損害賠償責任を負う。他方、被告Y2の任務懈怠と被告Y2がA株式会社の監査役を退任した後の長期契約又は短期契約の締結との間に相当因果関係があるものとは認められない。 これを本件についてみると、被告Y2は、原告X15の番号1から5まで、 原告X16の番号1及び2の各契約の締結による損害について、賠償する責任を負う。そして、その額は、次のとおりである。 ① 原告X15 965万円(損失878万円、弁護士費用87万円)損失は、番号1から5までの各契約に基づいて支払った4925万円から、A株式会社から支払を受けた4047万円(個別の契約との対応 関係が不明であるから、全額を控除する。)を控除した額- 65 - ② 原告X16 403万円(損失367万円、弁護士費用36万円)(4) 被告Y4は、平成28年4月以降に長期契約又は短期契約を締結した顧客との関係において、損害賠償責任を負う。 これを本件についてみると、被告Y4は、原告X1、原告X2、原告X5、原告X8、原告X9、原告X18、原告X19、原告X20及び原告X21 の主張する損害の全部について、賠償する責任を負う。 また、被告Y4は、原告X6の番号4から8まで、原告X7の番号2、原告X12の番号4から9まで、原告X13の番号3、原告X14の番号16から36まで、 する損害の全部について、賠償する責任を負う。 また、被告Y4は、原告X6の番号4から8まで、原告X7の番号2、原告X12の番号4から9まで、原告X13の番号3、原告X14の番号16から36まで、原告X15の番号12から17まで、原告X16の番号6から8まで並びに原告X17の番号2及び3の各契約の締結による損害につい て、賠償する責任を負う。そして、その額は、次のとおりである。 ① 原告X6 289万1000円(損失263万1000円、弁護士費用26万円)② 原告X7 300万円(損失273万円、弁護士費用27万円)ただし、請求額を上回る。 ③ 原告X12 1210万円(損失1100万円、弁護士費用110万円)原告X12がA株式会社から支払を受けた94万円は、番号1から3までの契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 ④ 原告X13 176万円(損失160万円、弁護士費用16万円) ⑤ 原告X14 4928万円(損失4480万円、弁護士費用448万円)ただし、請求額を上回る。 原告X14がA株式会社から支払を受けた1506万2000円は、番号1から15までの契約に係る損害の塡補に充てられたものと認めら れる。 - 66 - ⑥ 原告X15 588万円(損失535万円、弁護士費用53万円)原告X15がA株式会社から支払を受けた4047万円は、番号1から11までの契約に係る損害の塡補に充てられたものと認められる。 ⑦ 原告X16 897万円(損失816万円、弁護士費用81万円)ただし、請求額を上回る。 ⑧ 原告X17 552万1000円(損失502万1000円、弁護士費用50万円)(5) 被告Y15は、平成22年3月以降に 6万円、弁護士費用81万円)ただし、請求額を上回る。 ⑧ 原告X17 552万1000円(損失502万1000円、弁護士費用50万円)(5) 被告Y15は、平成22年3月以降に被告Y15又は安城店及び岡崎店の従業員の勧誘によって長期契約又は短期契約を締結した顧客との関係において、損害賠償責任を負う。 これを本件についてみると、原告X9、原告X16及び原告X18に関する契約は、いずれも平成22年3月以降に安城店又は岡崎店の従業員の勧誘によって締結されたものであるから(甲(9)2から4まで、6、9、甲(16)4から15まで(枝番を含む。)、甲(18)1から4まで、6、7、9、10、12、15、17、22、弁論の全趣旨)、被告Y15は、原告X9、原告X1 6及び原告X18の主張する損害の全部について、賠償する責任を負う。 (6) 被告株式会社Y18は、平成29年3月16日以降に長期契約又は短期契約の締結に関与した顧客との関係において、損害賠償責任を負う。 これを本件についてみると、原告X2に関する契約並びに原告X16の番号7及び8の各契約は、いずれも平成29年3月16日以降に締結されたも のであり、被告株式会社Y18が締結場所として自社の店舗を提供したり、A株式会社から手数料を受領したりしていたものである(甲(2)13、弁論の全趣旨(原告X16の令和4年4月26日付け準備書面等))。したがって、被告株式会社Y18は、原告X2の主張する損害の全部について、賠償する責任を負い、原告X16の番号7及び8の各契約の締結による損害(284 万5000円。前記(2)⑥)について、賠償する責任を負う。 - 67 - 他方、原告X9の番号2から4まで及び原告X18の番号7から9までの各契約は、いずれも 締結による損害(284 万5000円。前記(2)⑥)について、賠償する責任を負う。 - 67 - 他方、原告X9の番号2から4まで及び原告X18の番号7から9までの各契約は、いずれも平成29年3月16日以降に締結されたものであるが、A株式会社の岡崎店又は安城店で締結されたものであり(甲(9)3、4、6、9、甲(18)15、17)、その締結に被告株式会社Y18が関与したことを認めるに足りる証拠はない。 第5 結論よって、主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第7部 裁判長裁判官齋藤毅 裁判官飯塚大航 裁判官三嶋朋典は、転補につき署名押印することができない。 裁判長裁判官齋藤毅(別紙2)請求額・認容額一覧表被告Y1被告Y6被告Y8被告Y2被告Y4被告Y15被告株式会社Y 1 原告X16,473,2256,473,2256,473,2256,473,225 2 原告X214,740,00014,740,00014,740,00014,740,00014,740,000(I分)3-1 原告X32,527,1422,527,1423-2 原告X42,527,1422,527,142(J分)3-1 原告X31,292,5001,292,5003-2 原告X41,292,5001,292,500原告X51,069,7501,069,7501,069,7501,069,750 6 原告X62,989,8002,9 3-2 原告X41,292,5001,292,500原告X51,069,7501,069,7501,069,7501,069,750 6 原告X62,989,8002,989,8002,891,000 7 原告X71,947,0001,947,0001,947,000 8 原告X85,775,0005,775,0005,775,0005,775,000 9 原告X95,696,3505,696,3505,696,3505,696,3505,696,350原告X104,308,6194,308,619 11 原告X112,950,7502,950,750 12 原告X1217,633,00017,633,0003,300,00012,100,000 13 原告X136,682,5006,682,5001,760,0001,760,000 14 原告X1446,200,00046,200,0008,580,00046,200,000原告X1519,706,50019,706,500550,0009,650,0005,880,000 16 原告X164,463,2504,463,2502,845,0004,030,0004,463,2504,463,2502,845,000 17 原告X177,626,3007,626,3004,526,0005,521,000 18 原告X1817,353,91917,353,9198,630,00017,353,91917,353,919 19 原告X1915,180,00015,180,00015,180,000原告X208,910,0008,910,0007,700,000 353,91917,353,919 19 原告X1915,180,00015,180,00015,180,000原告X208,910,0008,910,0007,700,0008,910,000 21 原告X2110,450,00010,450,00010,450,00010,450,000 22 原告X228,776,6258,776,625 23 原告X238,338,0008,338,0008,338,000(合計)224,909,8728,338,000224,909,87282,095,32513,680,000166,410,49427,513,51917,585,000一部認容原告番号原告請求額認容額

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る