昭和45(あ)761 関税法違反、外国為替及び外国貿易管理法違反

裁判年月日・裁判所
昭和46年3月25日 最高裁判所第一小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  被告人両名の弁護人岡本徳の上告趣意は、単なる法令違反の主張、同横田静造の 上告趣意は、事実誤認の主張、被告人本人両名連名

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判決文本文2,060 文字)

主文本件上告を棄却する。 理由被告人両名の弁護人岡本徳の上告趣意は、単なる法令違反の主張、同横田静造の上告趣意は、事実誤認の主張、被告人本人両名連名の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。〔関税法(昭和二九年法律第六一号)一一八条二項により犯人から追徴すべき金額の基準価格、すなわち同項にいう「その没収することができないもの又は没収しないものの犯罪が行われた時の価格」とは、輸入貨物については、その犯罪が行なわれた当時における国内卸売価格(関税および内国消費税込)をいう(昭和三二年(あ)第九三五号同三五年二月二七日第二小法廷決定、刑集一四巻二号一九八頁参照)ものであるから、本件密輸入貨物全体について本件犯罪の行なわれたときの価格に相当する金額を追徴した第一審判決を支持した原判決は正当であつて、なんら所論の違法はない。もつとも、右追徴すべき金額は本件貨物に対する関税を含んでいること前記のとおりであるから、同条項による追徴が行なわれた場合には、その犯罪貨物等の関税はこれを徴収すべきものではない。関税法一一条は、本件犯行後に至り昭和四一年法律第三六号により改正され、その第三項において、「第一項及び第二項の規定により犯罪貨物等の没収又はこれに代わる追徴が行なわれた場合には、当該犯罪貨物等については関税を課さない。」と規定するに至つたが、これはこの当然の理を規定したにすぎないものであつて、明文のなかつた右改正前の関税法においても同様に解すべきものである。そして、本件においては、被告人らは本件貨物の契約価格を実際のものより低額に偽つて輸入申告し、被告会社においてその申告額に相応する関税を納付していること所論のとおりであるから、本件犯罪貨物につき追徴が行なわれ においては、被告人らは本件貨物の契約価格を実際のものより低額に偽つて輸入申告し、被告会社においてその申告額に相応する関税を納付していること所論のとおりであるから、本件犯罪貨物につき追徴が行なわれた場合には、国は、被告会社が先に納付した関税の限度において、二重に関税を- 1 -徴収したこととなるので、国は所定の手続によりこれを右関税を納入したものに返還すべきである。〕よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、被告人Aに対する追徴の点につき裁判官大隅健一郎、同藤林益三の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 裁判官大隅健一郎の反対意見は、次のとおりである。 私は、多数意見が、被告人株式会社B(以下被告会社という。)に対し追徴を科した第一審判決を支持する原判決を是認した点については、別段異論はないが、被告人Aに対する追徴についても同様原判決を是認している点において、これに賛成することができない。 昭和四二年法律第一一号による改正前の関税法(以下関税法というのは同法を指す。) 一一八条二項所定の追徴は、没収に代わるべき換刑処分または補充処分の性質を有するものであつて、追徴を科せらるべき犯人は、犯罪貨物等の所有者または所有者であつた者に限られると解すべきことは、当裁判所昭和四五年一〇月二一日大法廷判決(昭和四一年(あ)第八〇九号、裁判所時報五五七号)における反対意見において述べたとおりである。 これを本件についてみるに、記録によれば、第一審判決の判示第一(二)の犯罪にかかる貨物は、被告会社が不正の行為により合計四五三、二八〇円の関税の支払を免れて輸入したうえ、その犯罪(関税法一一〇条一項一号参照)後これを情を知らない第三者に売却処分したものであつて、被告会社の所有に属していたものであることは明らかで 計四五三、二八〇円の関税の支払を免れて輸入したうえ、その犯罪(関税法一一〇条一項一号参照)後これを情を知らない第三者に売却処分したものであつて、被告会社の所有に属していたものであることは明らかである。そして、被告人Aは、被告会社の代表取締役として、同会社の業務につき右の違反行為をした結果、関税法一一七条により処罰されたものであつて、右犯罪貨物が同人の所有に属するものでなかつたこともまた明らかである。 しかるに、第一審判決は、昭和四二年法律第一一号附則第八項により、同法による- 2 -改正前の関税法一一八条二項を適用して、その判示第一(二)の犯罪につき、被告会社に対してのみならず、被告人Aに対しても、その犯罪にかかる貨物の犯罪が行なわれた時の価格に相当する金額の追徴を言い渡しているのである。してみれば、第一審判決およびこれを支持する原判決には、被告人Aに対し追徴を科した点において、関税法一一八条二項の解釈適用を誤つた違法があり、破棄を免れないものと考える。 裁判官藤林益三は、裁判官大隅健一郎の右反対意見に同調する。 昭和四六年三月二五日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官大隅健一郎裁判官長部謹吾裁判官岩田誠裁判官藤林益三裁判官下田武三- 3 -

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