昭和59(行コ)8 名古屋鉄道郵便局職員減給

裁判年月日・裁判所
平成元年5月30日 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主   文 本件控訴を棄却する。 但し、名古屋鉄道郵便局が組織上消滅したので原判決主文第一項中「被告」とある のを「名古屋鉄道郵便局長」と訂正する。 控訴費用は控訴人の負担とする。        事 

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主文 本件控訴を棄却する。 但し、名古屋鉄道郵便局が組織上消滅したので原判決主文第一項中「被告」とあるのを「名古屋鉄道郵便局長」と訂正する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 一当事者双方の申立 1 控訴人原判決を取消す。 被控訴人の請求を棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 2 被控訴人本件控訴を棄却する。 訴訟費用は控訴人の負担とする。 二当事者双方の事実上、法律上の主張及び証拠関係は左に訂正付加するほかは原判決事実摘示と同一であるからここにこれを引用する。 (原判決の訂正) 1 原判決二丁裏四行目の「う」の次に「。但し名古屋鉄道郵便局は昭和六一年一〇月一日組織上消滅し、控訴人郵政大臣が名古屋鉄道郵便局長(以下「第一審被告」ということもある。)の地位を承継した。」を挿入する。 2 原判決中「被告」とあるのを「名古屋鉄道郵便局長」と改める。 3 原判決三丁表九行目の「労働基準法」を「当時施行の労働基準法」と改め、同一一行目を次のとおり改める。 「れに対し、被控訴人が右三日間の、又は右時季変更権の行使により他時季振替された本件における時季指定そのものを撤回する旨の意思」 4 原判決五丁表三、四行目を次のとおり改める。 「で、慎重に検討したが、被控訴人の本件年休の時季指定は従前の名古屋鉄郵局における事実上の慣習になつていた予めの打診もなく、かつ名古屋鉄郵局長において年休の時季変更権を行使したことは、過去に一度もなかつたので、被控訴人が当然本件年休は付与されるものと考えて、例えば本件年休の間に一泊旅行を計画しているような場合には、被控訴人に本件年休が付与できないことを早く連絡しないと、乗務を欠く事態が発生し、事業の正常な運営を阻害する恐れがあつたので、同日一一時ころに、本件年休は事業の 泊旅行を計画しているような場合には、被控訴人に本件年休が付与できないことを早く連絡しないと、乗務を欠く事態が発生し、事業の正常な運営を阻害する恐れがあつたので、同日一一時ころに、本件年休は事業の正常な運営を妨げるものと認めて、他の時季に変更すること」 5 原判決六丁表四、五行目を「を示した。」と改める。 6 原判決六丁表五行目の後に改行して次のとおり挿入する。 「そしてP1課長は被控訴人の本件年休の時季指定は同課長が時季変更権を行使した時点でその効果が消滅し、さらに本件年休請求又は他時季振替された年休請求も被控訴人の撤回によつて消滅したものと判断し、右の趣旨を『年次有給休暇整理表(乙第一八号証)』の裏面に記載した。しかし同課長は名古屋鉄郵局において時季変更権を行使したことが初めてであり、『撤回した旨を朱書する』との通達を知らなかつたので、被控訴人の年休の時季指定は撤回されたとの認識のもとに右の処理をしたのである。」 7 原判決八丁表七行目から九行目までを次のとおり訂正する。 「被控訴人は昭和五〇年三月二四日から同月二六日までの三日間の年休時季指定についてP1課長が時季変更権を行使し、右三日間について再三にわたる就労命令を発し、かつ勤務指定によつて右三日間について勤務を命ぜられていたにもかかわらず、これに従わなかつたものであるから、右は職務命令違反行為として国家公務員法九八条一項に違反し同法八二条一号に該当する。また被控訴人が勤務義務を負つている右三日間について勤務を欠いたということは職務専念義務違反であつて同法一〇一条一項前段に違反し、同法八二条二号に該当する。さらに被控訴人が勤務義務を負い、かつ上司の職務上の命令をうけながらあえてこれに従わなかつたという行為は官職の信用を傷つけ、官職全本の不名誉となるものであり、同法九九条に違反し、同 二号に該当する。さらに被控訴人が勤務義務を負い、かつ上司の職務上の命令をうけながらあえてこれに従わなかつたという行為は官職の信用を傷つけ、官職全本の不名誉となるものであり、同法九九条に違反し、同法八二条三号に該当するものである。 そこで名古屋鉄道郵便局長は右各法条を適用して、」 8 原判決八丁裏一〇行目から九丁表二行目の「よつている。」までを次のとおり改める。 「航空機、船舶等を利用しているが、昭和五八年二月一日の郵便輸送システムの改善がなされるまでは、その中枢を占めるのが鉄道であり、鉄道によつて運送される郵便物の九九パーセントが分割民営化される前の日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)によつていた。」 9 原判決九丁表一一行目及び同丁裏二行目の「る」をいずれも「た」と改める。 10 原判決二二丁表七行目の「ここで」から同八行目の「し、」までを削除する。 11 原判決二二丁裏一行目の後に改行して次のとおり挿入する。 「右の乗務勤務時間(四時間二六分、一二時間二三分、四時間三三分)は、郵便車に乗つている時間だけではなく、乗車前及び降車後の整備時間、発車前作業時間、出駅時間、歩行時間、休息時間を含めた勤務時間を意味する。 すなわち、名古屋から松阪までの乗務勤務四時間二六分とは、始業時刻(一四時三〇分)から乗車(一五時二一分)までの整備時間(五一分間)と、名松下二に乗務する時間(一五時二一分から一八時〇二分までの二時間四一分)と、降車後(一八時〇二分)から就業時刻(一八時五六分)までの整備等時間(五四分)を合わせた勤務時間である。 次に、松阪から新宮へ、さらに新宮から松阪までの乗務時間一二時間二三分とは、松阪から新宮まで松和下一に乗務する時間(五時一〇分から九時〇五分までの三時間五五分)と乗車前の整備等時間(三時五〇分から五時一〇分までの一時間 、さらに新宮から松阪までの乗務時間一二時間二三分とは、松阪から新宮まで松和下一に乗務する時間(五時一〇分から九時〇五分までの三時間五五分)と乗車前の整備等時間(三時五〇分から五時一〇分までの一時間二〇分)、降車後の整備等時間(九時〇五分から一〇時〇三分までの五八分)及び新宮から松阪まで松和上一に乗務する時間(一六時五五分から二一時〇六分までの四時間一一分)と乗車前の整備等時間(一五時五〇分から一六時五五分までの一時間五分)、降車後の整備等時間(二一時〇六分から二二時〇〇分までの五四分)を合わせた勤務時間を意味するものである。 また松阪から名古屋までの乗務勤務四時間三三分とは、始業時刻(九時三二分)から乗車(一〇時二八分)までの整備等時間(五六分)と名松上一に乗務する時間(一〇時二八分から一三時〇八分までの二時間四〇分)と、降車後(一三時〇八分)から終業時刻(一四時〇五分)までの整備等時間(五七分)を合わせた勤務時間を意味する。」 12 原判決三九丁裏一〇行目の「5」を「(5)」と改める。 13 原判決四一丁表三行目の「阻害する」とあるのを「阻害される」と改める。 14 原判決四一丁表八行目の「当時も現在も」とあるのを「当時から名古屋鉄郵局が廃止された昭和六一年一〇月一日までの間」と改める。 15 原判決四三丁裏一〇行目の「別紙4ないし8」とあるのを「本判決の別紙勤務指定変更可能例一覧表1ないし9(以下「変更可能例1ないし9」という。)」と改め、同時に、原判決の別紙4、同5、同6、同7、同8の各記載を全て削除する。 16 原判決四六丁表一一行目の「名鉄郵局」とあるのを「名古屋鉄郵局」と改める。 17 原判決四六丁裏一〇行目の「現に」とあるのを「前記名古屋鉄郵局が廃止された昭和六一年一〇月一日まで」と改める。 18 原判決四八丁裏八行目の「も 名鉄郵局」とあるのを「名古屋鉄郵局」と改める。 17 原判決四六丁裏一〇行目の「現に」とあるのを「前記名古屋鉄郵局が廃止された昭和六一年一〇月一日まで」と改める。 18 原判決四八丁裏八行目の「もの」とあるのを「者」と改める。 19 原判決五一丁表八行目の「の「原告の主張及び再抗弁」」を削除し、同六〇丁裏八行目の「別紙4ないし8の」を「被控訴人主張の変更可能例の」と改める。 20 原判決六三丁表一行目の「またはその周辺の局所」とあるのを削除する。 (被控訴人の主張の付加)本件において被控訴人に対して年休を付与するための検討をしていた昭和五〇年三月二三日午前の時点においては、予備線表勤務者の勤務指定は乙第八号証の二のようにすべてが具体的に指定されていたのではなく、乙第五六号証のように三月二五日以降はほとんど当初の日勤指定のままであつたのである。 右の乙第五六号証を前提として本件服務差繰を検討すれば、変更可能例一覧表1ないし9のように九とおりの方法で服務差繰が可能であり、被控訴人に本件時季指定にかかる年休を付与することは十分に可能であつた。 また服務差繰にあたり基本線表勤務者の勤務指定の変更について非番日や週休日が変更された例があつたことは乙第四一号証、第四三号証、第四四号証の各一等からみても明らかである。 1 変更可能例1について右1に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、基本線表勤務者のP2とP3は両名とも二四日非番日、二五日週休日、二六日から二八日まで六番勤務の予定であるので、どちらか一方の勤務を二四日から二六日まで六番勤務に勤務指定変更をすることにより、被控訴人の代替乗務が可能となり服務差繰が可能になる。 この場合両名の週休日を二七日、非番日を二八日に変更することにより直近の日にあてることが ら二六日まで六番勤務に勤務指定変更をすることにより、被控訴人の代替乗務が可能となり服務差繰が可能になる。 この場合両名の週休日を二七日、非番日を二八日に変更することにより直近の日にあてることができる。 組合は週休や非番の者の勤務指定の変更に反対していたという事実はないから、すくなくとも右両名の意向を打診すべきであつたし、また勤務指定の変更として業務命令を発することも可能であつたものである。 2 変更可能例2について右2に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、基本線表勤務者のP4は二四日週休日、二五日から二七日までは六番勤務であるところ、同人の勤務を二四日から二六日までを六番勤務とし、二七日を週休日とし、予備線表勤務者のP5にP4の二五日から二七日までの六番勤務へ乗務させることにより、被控訴人の補充が可能となる。 組合が週休日の変更に応じないという事実はなかつたし、当局も週休日の変更を行つていたものである。 3 変更可能例3について右3に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、予備線表勤務者のP5が右の間六番勤務に乗務し、二三日の時点で指定されていた同人の一番勤務は基本線表勤務者のP6が当初の指定が二四日週休のところを一番勤務に変更し、右週休を二八日に変更することにより服務差繰は可能となる。 基本線表勤務者の週休日の変更の実例はそれ以前にもあつたし、週休日の変更に組合が反対していたという事実はない。 4 変更可能例4について右4に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、本件服務差繰の時点で二四、五日に五番勤務と指定されていた予備員のP7に右五番勤務を変更して六番勤務を乗務させ、右同人の五番勤務は二四日を一番勤務と指定され 日から同月二六日まで年休を付与する場合、本件服務差繰の時点で二四、五日に五番勤務と指定されていた予備員のP7に右五番勤務を変更して六番勤務を乗務させ、右同人の五番勤務は二四日を一番勤務と指定されていたP5をあて、同人の一番勤務には基本線表勤務者のP6の週休を勤務指定変更して乗務させ、P6の右週休は二八日に振替え、P6の二八日の一番勤務はP5が乗務するように各勤務指定の変更をすれば服務差繰が可能となる。なお二三日の時点ではP5の二五日の週休は具体的に指定されていなかつたものであるから、右4のようにP5に二六日と三〇日に週休を付与することができる。 5 変更可能例5について右5に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、基本線表勤務者のP8の当初勤務指定が二四日非番日、二五、六日三番勤務であつたところを六番勤務に変更して被控訴人の後補充にあて、P8の二五、六日の三番勤務は予備線表勤務者P9が二三日の時点ではまだ具体的な勤務指定はなされていなかつたので、同人を右三番勤務に補充し、また二六日の一番勤務をP10に、P8の非番日を三一日と指定することにより服務差繰が可能となる。 P8は二四日が非番日であつたが、非番日について勤務指定変更が不可能であるということはなく、現にP11代理は非番日の者に事情聴取をすることを考えた旨を証言しているのである。しかるに同人は組合が反対しているからP8に話をしても無駄であると考えて、右事情聴取をしなかつたと証言するが、組合が反対していたのはいわゆる休み(非番日も含む)の当日になつてからの勤務指定の変更に反対していたものであつて、それ以前の変更にまで反対していたのではない。そしてP8は二三日の一三時〇八分には名古屋駅に帰着しており、控訴人が被控訴人に時季変更権を行使した時点では事 勤務指定の変更に反対していたものであつて、それ以前の変更にまで反対していたのではない。そしてP8は二三日の一三時〇八分には名古屋駅に帰着しており、控訴人が被控訴人に時季変更権を行使した時点では事情聴取ができたのにこれをしていないのである。 次にP10に対して三月一四日以降週休を付与していなかつたので、右の変更可能例5の二七日まで一三日間も週休を付与しないことは原則として行つていなかつた旨をP11代理は証言する。しかし本件は交替制勤務であり、P10は右の間に非番日が四回あり、また祝日も一回とつていたのである。また本件職場は変形休日制度を採用していたから、労働基準法上も次の週休日が一三日目になつても違法であるということはない。さらに本件直前の短い期間をみても次のように週休日の間隔が一二日から一五日間をおいて付与された例が見られる。 (一) P12は昭和四九年一二月一〇日から同月二四日まで一四日間(二) P10は昭和四九年一二月一一日から同月二三日まで一二日間(三) P13は昭和五〇年一月九日から同月二二日まで一三日間(四) P2は昭和五〇年一月九日から同月二一日まで一二日間(五) P14は昭和五〇年二月四日から同月一九日まで一五日間次に控訴人はP5について三月二七、八日と三月三一日、四月一日に五番勤務に勤務指定することは同人の健康状態を無視するものであるというが、本例では右勤務の間に二日間の休息をとることができるので控訴人がことさらいうほど無理な勤務指定ではない。 次に控訴人はP8の勤務時間について被控訴人が主張するように勤務指定の変更をすると官損(本件職場において職員は一勤務指定期間四週間を通じて一万〇五六〇分就労すべきところ、それ以下の勤務時間しか就労しなかつたことをいう。)が発生するところ、年休を付与するために官損を出してまで ると官損(本件職場において職員は一勤務指定期間四週間を通じて一万〇五六〇分就労すべきところ、それ以下の勤務時間しか就労しなかつたことをいう。)が発生するところ、年休を付与するために官損を出してまで服務差繰をすることは実態としてなかつた旨を主張する。 しかし本例によればP8に対する官損は三番勤務の八八二分と五番勤務の初日の八四五分との合計と五番勤務の一五七八分との差だけであり、一四九分の官損にすぎない。しかも控訴人は同時に当該月は勤務指定が切り替わつたため官損が出たという特別な事例であることも認めている。右の官損は乙第八号証の一、二によると次のとおりである。 P15 八八五分 P16 六〇六分 P17 四八二分P4 四七五分 P18 二九八分 P19 二九八分P20 五六四分 P14 二九八分 P21 二二分被控訴人四八二分 P10 四五〇分 P22 六四四分P7 四〇二分 P9 一六七分 P23 二九六分そしてP8は当初指定では一五分の官損であつたところ、本例によれば一六四分の官損になるだけであつて、ほかの右乗務員にくらべてはるかに低い官損ですむことになり、また官損の出る特別な時期であつたこともあわせ考えれば、この点は特に服務差繰の困難な理由にはならない。 6 変更可能例6について右6に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、基本線表勤務者のP13が当初勤務指定が二四日年休、二五日非番日、二六日週休のところを勤務指定変更し、二四日から二六日まで六番勤務として被控訴人の補充にあて、P13の当初の勤務指定分となつている二七日から二九日までの六番勤務につき、二七日年休、二八日非番日、二九日週休と勤務指定変更し、P13の二七日から二九日までの六番勤務は、予備員のP5が右服務差繰の検討時点では二七日 定分となつている二七日から二九日までの六番勤務につき、二七日年休、二八日非番日、二九日週休と勤務指定変更し、P13の二七日から二九日までの六番勤務は、予備員のP5が右服務差繰の検討時点では二七日から二九日までは具体的な勤務指定がなされていなかつたから、同人にこの三日間六番勤務と具体的勤務指定をしてP13の補充とし、すべての服務差繰をすることができる。またその余の予備線表勤務者の三一日までの勤務指定を右6に示すように指定して特別に問題を残すようなことはない。 なおこの場合P13の年休、週休、非番日の変更の問題は、同人の都合を聴取してその可能性を探ることができたものである。 7 変更可能例7について右7に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、被控訴人の六番勤務を本件服務差繰の検討時点では二四日以外は具体的勤務指定のなかつた予備員のP5が乗務するよう勤務指定し、P5が指定されていた二四日の一番勤務は基本線表勤務者のP13が当日年休となつていたので、同人に変更に応じてもらえるか事情聴取のうえ、もし応じてもらえれば同人に二四日に一番勤務に勤務指定変更をする。この場合乙第八号証の二のP5の二五日の週休は右服務差繰の検討時点では指定されていなかつたから問題はない。 またP5が三日勤務を断つたことはない。 8 変更可能例8について右8に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、被控訴人の六番勤務を本件服務差繰の検討時点では二四日以外は具体的勤務指定のなかつた予備員のP5が乗務するよう勤務指定し、P5が指定されていた二四日の一番勤務は基本線表勤務者のP15が当初指定では二四日は年休であつたが、同人に対して二四日の一番勤務に乗務してもらえるか否かを事情聴取し、応じてもらえるならば 務指定し、P5が指定されていた二四日の一番勤務は基本線表勤務者のP15が当初指定では二四日は年休であつたが、同人に対して二四日の一番勤務に乗務してもらえるか否かを事情聴取し、応じてもらえるならば、二四日を一番勤務に勤務指定変更してP5の補充にあてることができる。なおこの場合P15の年休は年度末のため年度内に消化できない場合もあり得るが、服務差繰がつけば二九日から三一日までの間にとることもできたであろうし、また翌年度に計画年休として繰越すこともできたのであるから、同人が年休を失うことはない。 9 変更可能例9について右9に示すように被控訴人に対して三月二四日から同月二六日まで年休を付与する場合、被控訴人の六番勤務を本件服務差繰の検討時点では二四日以外は具体的勤務指定のなかつた予備員のP5が乗務するよう勤務指定し、P5が指定されていた二四日の一番勤務は基本線表勤務者のP24が当初指定では二四日は年休であつたが、同人に対して二四日の一番勤務に乗務してもらえるか否かを事情聴取し、応じてもらえるならば、二四日を一番勤務に勤務指定変更してP5の補充にあてることができる。そしてP24の年休はP15の場合と同様に考えることができるのである。 (控訴人の主張の付加)被控訴人の主張する変更可能例はすべて基本線表勤務者の週休日の変更若しくは非番日の変更又は年休の変更を前提とするものであつて、名古屋鉄郵局第二乗務課乗務係における本件当時の職場の実態を無視したものであるから、右の主張は失当である。 すなわち年休の時季変更権を行使するにあたってのその要件の存否の検討は、当該職場を基準としてその職場で行われている通常の方法をもつてすれば足りるものであり、加えて労働基準法上の週休日の解釈、非番日の性格、趣旨、労働協約、郵政省就業規則、勤務時間規程上における週 討は、当該職場を基準としてその職場で行われている通常の方法をもつてすれば足りるものであり、加えて労働基準法上の週休日の解釈、非番日の性格、趣旨、労働協約、郵政省就業規則、勤務時間規程上における週休日の解釈、当時の職場の実態に照らせば、年休を付与するにあたつての使用者の服務差繰の努力義務の中には、週休日、年休、非番日の変更はいずれも含まれないものである。 そして右の変更可能例は、すべて基本線表勤務者の週休日の変更若しくは非番日の変更又は年休の変更を前提とするものであり、しかもP5の健康状態を全く考慮していないものであつて、当時の職場の実態、一般の年休の時季指定についての通常の服務差繰の方法を無視した単なる机上の空論であつて、このような勤務指定の変更は不可能であつたことは明らかである。 1 変更可能例1について右1は基本線表勤務者のP2またはP3の非番日、週休日の変更を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に六番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 2 変更可能例2について右2は基本線表勤務者のP4の週休日の変更を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に六番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 3 変更可能例3について右3は基本線表勤務者のP6の週休日の変更を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に六番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 4 変更可能例4について右4は基本線表勤務者のP6の週休日の変更を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に五番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 5 変更可能例5につい 基本線表勤務者のP6の週休日の変更を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に五番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 5 変更可能例5について右5は基本線表勤務者のP8の非番日の変更を前提としており、当時の職場の実態を無視した事例である。 また右によればP10の週休日が三月二七日となり、三月一四日以降一三日目の週休付与となるが、予備線表勤務者についてもこのような長期の間隔をおいた週休の付与は原則として行つていなかつたものである。 またP5に対して、三月二七、八日ついで三一日、四月一日に各五番勤務の指定をしているので、健康上問題のあつた同人を、二日間に三・五日分に相当するきつい五番勤務を、しかも二日間の間隔をおいただけで重ねて勤務指定をすることになるが、これは同人の健康状態を無視したものである。 さらにP8の二四日非番、二五、六日の三番勤務を六番勤務に変更し、三月三一日の五番勤務の一日目を非番日に変更しているが、この場合、三月三一日までの当初の勤務時間の合計は七一五一分であるが、右のように変更すると同人の勤務時間の合計は六七〇六分となり、いわゆる官損が四四五分増えることになる。このように一般の年休の付与のために官損を出すというようなことまでして服務差繰をすることは実態としてなかつたものである(当該月は、急拠四月一日から勤務指定が切り替わつたため、官損がでたという特別な事例であり、通常は官損がこのように出ないのが実態である。つまり、本勤務指定も通常の四週間であればこの時のように大幅な官損という事態は発生しなかつたのである。)。 6 変更可能例6について右6は基本線表勤務者のP13の既に付与が決定されていた年休、非番週、週休の変更を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5 損という事態は発生しなかつたのである。)。 6 変更可能例6について右6は基本線表勤務者のP13の既に付与が決定されていた年休、非番週、週休の変更を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に六番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 7 変更可能例7について右7も前記6と同じく当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 8 変更可能例8について右8は基本線表勤務者のP15の既に付与が決定されている年休の変更(または取消)を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に六番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 9 変更可能例9について右9は基本線表勤務者のP24の既に付与が決定されている年休の変更(または取消)を前提としており、さらに健康上の配慮が必要なP5に六番勤務を行わせるものであつて、当時の職場の実態及びP5の健康状態を無視した事例である。 (証拠関係の付加)(省略) 理由 一被控訴人の身分及び本件懲戒処分の存在、本件懲戒処分に至る経緯に関する当裁判所の認定判断は左に付加訂正するほかは原判決理由(原判決六九丁裏四行目から同七七丁表八行目まで)と同一であるから、ここにこれを引用する。 1 原判決七〇丁表一〇行目から同丁裏一行目までを次のとおり改める。 「る乙第五号証、原審証人P1、同P25、同P26、原審及び当審証人P11(但し以上については後記措信しがたい部分を除く)、原審証人P27の各証言、原審及び当審における被控訴人本人尋問の結」 2 原判決七三丁表一一行目を「原審証人P1、同P26、原審及び当審証人P11の各証言中」と訂正する。 3 原判決七六丁表五行目から同七七丁表八行目までを次のとおり 審における被控訴人本人尋問の結」 2 原判決七三丁表一一行目を「原審証人P1、同P26、原審及び当審証人P11の各証言中」と訂正する。 3 原判決七六丁表五行目から同七七丁表八行目までを次のとおり改める。 「3 以上の認定事実によれば、すなわち、右認定の事実関係の脈絡からすると、被控訴人のP1課長の右他時季振替(以下「時季変更権の行使」ともいう。)に対して『それなら要らない。』との発言の趣旨はその言葉どおり『右他時季振替』がなされるのなら、振替にかかる三月二七日、二八日、二九日の年休なら、それはいらないという趣旨としか解されないのであり、他の趣旨、特に、当初の三日間の本件時季指定にかかる年休を不要としたり、その請求を撤回したりする趣旨とはとうてい解されない。 したがつて仮に本件におけるP1課長の右の他時季振替が適法なものである場合に、被控訴人の右の『それなら要らない。』との発言によつて右他時季振替がなされた二七日、二八日、二九日の年休の請求が撤回されたものと解される余地はあるが、この点は本件の争点に関係がないので、これ以上立ち入らない。 よつて、控訴人の本件時季指定撤回の抗弁は全く理由がない。」二そこで以下本件時季変更権行使の適否について判断する。 1 一般に、年次有給休暇の権利(以下「年休権」という。)は労基法(当時施行のもの。以下同じ。)三九条一、二項の要件の充足により法律上当然に生じるものであるから、労働者がその有する年休の日数の範囲内で始期と終期を特定して休暇の時季指定をしたときは、使用者が適法な時季変更権を行使しない限り、右の指定によつて年休が成立して当該労働日における就労義務が消滅するのであつて、そこに使用者の年休の承認等を考える余地はない。この意味において、労働者の年休の時季指定に対応する使用者の義務の内容は、労働者が によつて年休が成立して当該労働日における就労義務が消滅するのであつて、そこに使用者の年休の承認等を考える余地はない。この意味において、労働者の年休の時季指定に対応する使用者の義務の内容は、労働者がその権利としての休暇を享受することを妨げてはならないという不作為を基本とするものにほかならないのであるが、年休権は労基法が労働者に特に認めた権利であり、その実効を確保するために附加金及び刑事罰の制度が設けられていること(同法一一四条、一一九条一号)等に鑑みると、同法の趣旨は、使用者に対し、できるだけ労働者が指定した時季に休暇を取れるよう状況に応じた配慮をすることを要請しているものというべきである。 それ故、本件においては後記認定のように名古屋鉄郵局における被控訴人の勤務内容は四週間を一つの期間として予め当該期間の一週間前に指定されることになつていたものであり、被控訴人の本件年休時季指定権の行使は、右の昭和五〇年三月一三日から同年四月九日までの間の勤務割によつて定められていた勤務予定日についてなされたものであるが、しかしながらこのような場合であつても、なお使用者は労働者が休暇を取ることができるよう状況に応じた配慮をなすべきことが要請されていることに異なるところがないとみるべきである。 そして、労基法三九条三項但書にいう「事業の正常な運営を妨げる事由」の存否は、一般的には、当該労働者(年休請求者)の所属する事業場を基準として、事業の規模、内容、当該労働者の担当する仕事の内容、性質、繁閑、代替勤務者の配置の難易、時季を同じくして年休を請求した者の人数等諸般の事情を考慮して客観的、合理的に判断されるべきものである。 本件においては、予め勤務割による勤務体制がとられていた事業場における時季変更権が問題になつているのであるから、代替勤務者の配置の難易 般の事情を考慮して客観的、合理的に判断されるべきものである。 本件においては、予め勤務割による勤務体制がとられていた事業場における時季変更権が問題になつているのであるから、代替勤務者の配置の難易は前記事由を判断するにあたつて特に重要な要素になることは明らかであり、したがつて本件において使用者が通常の配慮を払つたかどうか、そしてこれを払つていれば、勤務割を変更して代替勤務者を配置すること(本件にいう服務差繰)が客観的に可能な状況にあつたかどうかが慎重に吟味されるべきである。 そこで以下右の見地に立つてさらに本件時季変更権の適否について検討を進める。 2 名古屋鉄郵局第二乗務課における業務運営の実態、本件年休の時季指定にかかる当日の要員の状況と服務差繰の状況、人員配置の状況、未処理郵便物についての当裁判所の認定判断は左に付加訂正するほかは、原判決の理由(原判決七八丁裏二行目から一〇七丁裏一行目まで。但し、原判決九〇丁表二行目から同丁表六行目まで、及び同九三丁表一行目から同丁表一〇行目まで、をいずれも削除する。)と同一であるからここにこれを引用する。 (一) 原判決七八丁裏五行目の「相互間を」とあるのを「相互間において」と改め、同八行目の「郵便局」とあるのを「鉄郵局」と改める。 (二) 原判決八二丁裏二行目の「車内乗務」とあるのを「車内業務」と改める。 (三) 原判決八三丁表一行目の「①」を削除する。 (四) 原判決九六丁裏六行目を「なお、弁論の全趣旨によつて成立を認める乙第三四号証、原審証人P1、同P26、原審及び当審証人P11の各証言」と改める。 (五) 原判決九七丁表五、六行目の「同P11、同P26」とあるのを「原審及び当審証人P11、原審証人P26」と改める。 3 次に、本件時季変更権行使の効力について考えるに、名古屋鉄郵局における「事 (五) 原判決九七丁表五、六行目の「同P11、同P26」とあるのを「原審及び当審証人P11、原審証人P26」と改める。 3 次に、本件時季変更権行使の効力について考えるに、名古屋鉄郵局における「事業の正常な運営を妨げる場合」の一般的判断、三日間の本件年休請求に対し、そのうち一日または二日のみの年休を認めることの可能性について検討をしなかったことについての当裁判所の認定判断は原判決理由(原判決一〇七丁裏三行目から一一四丁表四行目まで)と同一であるからここにこれを引用する。但し、原判決一一一丁表九行目及び一〇行目を削除する。 4 進んで、三月二四日に関する後補充、すなわち服務差し繰りの方法について検討する。 前記(引用の原判決)のように昭和五〇年三月二三日現在翌二四日の人員の配置状況は予備線表勤務者八名(病休者のP6を除く。)のうち六名はそれぞれ勤務についており、年休取得者は二名であり、また基本線表勤務者二一名のうち年休取得者が三名、週休者が三名、非番者が三名であつたのであるから、事業の正常な運営に必要な一八名を辛うじて確保していた状況であつたと認められるのであるから、被控訴人に対して後補充等を考慮せずにそのままの状態で右二四日に年休を付与すれば、直ちに事業の正常な運営が妨げられる状況にあつたことは明らかである。 しかしながら右のような状況にあつても通常の配慮をもつて服務差繰をすることにより、被控訴人に年休を付与できたにもかかわらず、これを怠つた場合は控訴人の時季変更権の行使は違法になるというべきである。 そこで以下三月二三日になされたP1課長やP11代理、P26代理、P28主事らによる服務差繰の適否ないし当否について検討する。 (一) 先ず年休取得者を服務差繰の後補充の対象から除外した第一審被告の措置が適法、かつ妥当なものであつたことに P11代理、P26代理、P28主事らによる服務差繰の適否ないし当否について検討する。 (一) 先ず年休取得者を服務差繰の後補充の対象から除外した第一審被告の措置が適法、かつ妥当なものであつたことについての当裁判所の判断は次のとおり付加するほか、すなわち、「すでに取得された年休が後に請求された年休のために変更されるべきであるとするときは、かえつて年休の取得につき不安定な状態を招くことになり、これが労基法等の精神にもとるものであることは見易い理である。」と付加するほか、原判決の理由(原判決一一四丁表七行目の「まず、」から一一五丁表一〇行目まで)と同一であるからここにこれを引用する。この点についての被控訴人の主張は理由がない。 したがつて、また、被控訴人の主張する変更可能例も、そのうち他の職員の三月二四日の年休の変更を前提とするものはその余の点について判断するまでもなく理由がなく採用できない。 (二) 次に既に週休を取得している職員に対して他の職員に年休を付与するために勤務を命ずること若しくは同様の勤務を要請することの要否について検討する。 一般に、労基法上、週休と年休との優劣関係を明示する規定は見当らないけれども、同法上、週休についてはいわば無条件でこれが与えられるべきものとされる(同法三五条)のに対し、年休については一年間の継続勤務及び全労働日の八割以上の出勤が、いわばその付与の前提とされている(同法三九条)こと、前者については労働者の請求をまたないでも与えられるべきものとされるのに対し、後者についてはその請求を要すること、前者については問題とならない業務支障が後者については(本件でも問題となつているように)これがある場合にはこれがなくなるのを待つて年休を与えれば足りるとされていること等に鑑みると、同法は、少くとも、年休が週休に優先す ならない業務支障が後者については(本件でも問題となつているように)これがある場合にはこれがなくなるのを待つて年休を与えれば足りるとされていること等に鑑みると、同法は、少くとも、年休が週休に優先するものでないことを暗黙に示しているとみることができる。 また、被控訴人が所属する第二乗務課乗務係においても、基本線表勤務者についてはもとより予備線表勤務者についても、後記のとおり本件のような一般の年休を付与するために他の週休者の週休日を変更することを通例としていなかつたことが認められるのである。 すなわちまず成立に争いのない乙第四三号証の一によれば当時の基本線表勤務者であるP6が昭和五〇年一月一九日当初勤務指定が週休日であつたが、三番勤務に変更され、当初指定の六番勤務の二日目の同月二一日に週休日が変更されていることが認められる。しかしこれは右証拠によると同人に一月二二日に組合休暇を付与するためにとられた措置であつたことも認められるのである。右の組合休暇は労働組合員が組合活動をするための当局の便宜供与であるが、右休暇の間は労働者は賃金を貰えないものであることが弁論の全趣旨によつて明らかであるから、本件のような年休とはその性質を異にするものである。 次に成立に争いのない乙第四四号証の一によれば、当時の基本線表勤務者であるP15が当初勤務指定が昭和五〇年二月一四日が週休日であつたところ当日を五番勤務に勤務指定が変更され、当初勤務指定の六番勤務の初日である同月一五日に週休日が変更されていることが認められるが、右勤務指定の変更は右証拠によつても他の職員に年休を付与するためのものであつたとは確認できないのである。 次に前掲乙第八号証の二によると本件当時予備線表勤務者の週休日が変更されていることが認められる。しかし右乙第八号証の二、原審証人P26、原審 休を付与するためのものであつたとは確認できないのである。 次に前掲乙第八号証の二によると本件当時予備線表勤務者の週休日が変更されていることが認められる。しかし右乙第八号証の二、原審証人P26、原審及び当審証人P11の各証言によると右の勤務指定の変更は他の職員に年休を付与したことによるものではなく、前記のように基本線表勤務者のみでは一日一名ないし三名不足するので、その補充を予備線表勤務者で補うための別表勤務の指定であるか、又はいわゆる突つ込み(前節の最後の勤務指定として二日以上にわたる勤務指定されていた者が次の節に予備線表勤務者になり、かつ、その最初の日が週休日にあたる場合に前節の勤務指定日が週休日に突つ込んでくることをいう。したがつてこの場合は必然的に週休の勤務指定の変更を伴うことになる。)であるか、若しくは労使関係に対する配慮からの組合休暇の付与によるものであることが認められるのであり、これらからすると前記のようなことが通例とされていなかつたことが認められるのである。 そして前記の労基法の趣旨及び右認定事実からすると、すでに週休を取得している者に対して他の者に年休を付与するために勤務を命じたり若しくは同様の勤務を要請したりする必要はないというべきである。 念のためにいえば、成立に争いのない甲第一八号証、乙第四〇号証、第五二号証、弁論の全趣旨によれば、郵政省の指導文書である「郵便業務管理」(甲第一八号証)に「やむを得ない事情で予定しない日に諸休暇を付与せざるを得ない場合」の服務差繰の後補充について一般的には週給日の振替により欠務の後補充をする旨の条項が定められていること、また本件当時に施行されていた郵政省就業規則六〇条や(乙第四一号証)や郵政省勤務時間規程一九条(乙第五二号証)にも週休日の振替についての条項のあることが認められるが る旨の条項が定められていること、また本件当時に施行されていた郵政省就業規則六〇条や(乙第四一号証)や郵政省勤務時間規程一九条(乙第五二号証)にも週休日の振替についての条項のあることが認められるが、これは、欠務の発生その他業務上必要のある場合に所属長が週休日の振替を行う権限を有する旨を規定しているものであつて、このことはむしろ当然のことで、何ら異とするに足りず、それ故、右各条項の存在は前記の必要性の判断に影響を与えるものではない。 したがつて既に週休を取得していた職員を服務差繰の後補充の対象から除外した三月二三日になされた第一審被告の措置に違法な点はなく、この点に関する被控訴人の主張は採用しがたい。 したがつて被控訴人の主張する変更可能例もこのうち他の職員の週休の変更を前提とするものはその余の点について判断するまでもなく理由がなく採用できない。 (三) 次に三月二三日になされた第一審被告の措置のうち、三月二四日が非番日であつた職員を、結局服務差繰の後補充の対象としなかつた点について検討する。 本件弁論の全趣旨によると、本件非番日とは、労働時間の調整の関係から勤務時間の割振が行われないいわゆる休業日にすぎず、労基法にいう休日ではないと解されるのであるから、これを週休日と同一に論ずることはできず、各事業場の実状に応じて非番日を変更すべきかどうかの配慮の要否が決められるべきであると解されるところ、前出乙第四三号証の一によると、当時の基本線表勤務者であつたP8の当初の勤務指定たる昭和五〇年一月二九、三〇日の三番勤務が年休日に変更され、この関連で、当時の基本線表勤務者のP29の同月二九日の非番日が同月三一日に変更されるとともに同人が同月二九、三〇日の三番勤務者に指定されている実例も認められ、また、同年三月二三日にP1課長が本件服務差繰につきすで の基本線表勤務者のP29の同月二九日の非番日が同月三一日に変更されるとともに同人が同月二九、三〇日の三番勤務者に指定されている実例も認められ、また、同年三月二三日にP1課長が本件服務差繰につきすでに年休をとつている者又はすでに週休をとつている者は服務差繰の後補充の対象者から除外するようにP11代理外二名に指示したにすぎないこと、そして現に同月二三日にP11代理外二名はこの指示に基づき同月二四日が非番日になつている者について服務差繰を検討しようとしたり、この検討を話題にしたりしていることは前(引用の原判決)認定のとおりである。 尤も弁論の全趣旨によると、本件非番日の変更は時間外労働の問題を引きおこす可能性がないとはいえないことが解るけれども、同時に当時三六協定の締結されていたことが認められるのであり、また本件第二乗務課乗務係における勤務形態が四週間を通じ一七六時間、一週間平均四四時間とするいわゆる変型労働時間制をとつていることは当事者間に争いがないのであるから、これらのことと弁論の全趣旨とによれば、実際上、本件非番日の変更が右問題を引き起こすことは殆どなく、右問題が起つたとしてもまさに時間外労働の問題としてこれを処理することが可能であつたことと認められるのである。 以上のことを総合して考えるとき、第一審被告は三月二三日に本件年休の服務差繰を検討するに当つて、三月二四日が非番日とされている者を右服務差繰の後補充の対象者に含めて検討するよう配慮すべきであつたというべきである。 ただ、前出乙第八号証の一、二、当審証人P11の証言により成立を認める乙第五六号証、原審及び当審証人P11、当審証人P30の各証言によると、前記乗務係の予備線表勤務者については、これらが本来短期欠務の補充を主たる職務としているところから、非番日を予め指定することはな 第五六号証、原審及び当審証人P11、当審証人P30の各証言によると、前記乗務係の予備線表勤務者については、これらが本来短期欠務の補充を主たる職務としているところから、非番日を予め指定することはなく、従って、本件年休の服務差繰の際に配慮すべき検討対象者として問題となるような非番者が本来存在しないことが認められるのであるから、結局同乗務係の基本線表勤務者の三月二四日の非番者が検討対象者として問題となるわけである。 ところで、三月二四日の非番者がP8、P2、P3の三名であつたこと、二三日の日はP8が六番勤務の三日目、P2、P3がいずれも五番勤務の二日目であり、同日午前中はいずれも乗務勤務中のためこれらに対する右の検討のための事情聴取が困難であつたことは前認定のとおりである。 進んで、前認定のとおりの状況の下で、同日午前中に右三名の者に対しわざわざ名古屋から待機の頃をみはからい待機中の駅事務室に連絡してまで右事情聴取をすべきであるとすることは多少とも右三名の勤務の妨げになるし常識的でもないと解されるから、同日午前中に右三名の者に右事情聴取をしなかつたことをもつて前記配慮を尽さなかつたとみることはできない。 そして、P2、P3の同日なしていた五番勤務が二日間で約三・五日分に相当する勤務時間のある同乗務係における最もきつい勤務であり、健康上からも安全衛生上からもその翌日は必ず非番日とする勤務割が組まれていたことは前出乙第八号証の一、原審及び当審におけるP11の証言から明らかであり、五番勤務者の名古屋駅へ帰着するのが一八時四五分であることは当事者間に争がなく、年休開始日の前日の午後五、六時頃までに時季変更権を行使するかどうかをきめればよいとされていたとは前認定のとおりであるから、これらの点から考えてP2、P3については本件服務差繰の後補充の対 がなく、年休開始日の前日の午後五、六時頃までに時季変更権を行使するかどうかをきめればよいとされていたとは前認定のとおりであるから、これらの点から考えてP2、P3については本件服務差繰の後補充の対象としてその検討を配慮すべきではあつたが、右のような事情の下で、これらの者につき同二三日に右検討のための事情聴取を行わなかつたことについては相当の理由があり、この点について前記配慮を尽さなかつたとみることはできない。 次にP8については、同人は二三日一三時〇八分に名古屋駅に帰着予定であり、P11代理らが職務差繰が困難であるとの結論を出した時期は同日一一時ころであつたことは前認定のとおりであり、このことからすると、あと二時間位待てば、名古屋に帰着したP8に対して直接事情聴取をすることができたと考えられるのに、前認定のように最初は同人にあたつてみようとの話もでていながらこれを中止してしまつたこと、しかも被控訴人に対して時季変更権を行使した時刻がP8が名古屋駅に帰着した後の同日一三時二六分ころであつたこと、本件当時名古屋鉄郵局の第二乗務課乗務係乗務員は六番勤務の次の日に必ずしも常に非番日をとつていないことも前記認定(原判決引用)のとおりである。 そうすると、二三日の午後には第一審被告においてP8に対し右検討のための事情聴取が必要であつたし、かつ十分可能であつたというべきである。 この点に関して控訴人は「被控訴人が時季指定をした年休の間に一泊旅行をするかもしれないことを慮つて、はやめに被控訴人に本件年休の付与ができない旨を告知した。」と主張するが、仮に右のような配慮をしたとしても、右のようなことは右検討のために必要な事情聴取を十分にした後に配慮すべき事柄であるについては多言を要しないから右の主張は理由がなく採用できない。 また前出乙第八号証の一、 ような配慮をしたとしても、右のようなことは右検討のために必要な事情聴取を十分にした後に配慮すべき事柄であるについては多言を要しないから右の主張は理由がなく採用できない。 また前出乙第八号証の一、二、原審及び当審証人P11の証言、同乙第五六号証、当審証人P15の証言とこれにより成立を認める甲第四六号証の一〇、弁論の全趣旨を総合すると、本件服務差繰の検討のなされた三月二三日の午前の時点においては同月二五日以降の予備線表勤務者の勤務指定はほとんどが日勤指定のままで具体的に定められていなかつたこと、このことを考慮に入れて前記のように同日の午後帰着したP8に対し事情聴取をした上同人の二四日の非番日を変更したならば同日の午後には少くとも例えば本判決の別紙勤務指定変更可能例5のように被控訴人に対しその年休の請求どおり三月二四日から同月二六日までの年休を付与することが十分可能であつたと認められるのである。 この点について控訴人は右の例ではいわゆる官損が出ることになり、年休の付与のため官損を出してまで服務差繰をする実態にはなかつた旨を主張する。しかし同時に控訴人は当該第一四節(すなわち昭和五〇年三月一三日から同年四月九日まで)は同年四月一日から勤務指定が切り替わつたため、官損が出たことも自認しており、前掲乙第八号証の一、二、原審証人P11の証言によると、当該節の三月末日現在の各乗務員についての官損は、例えば、P15が八八五分、P16が六〇六分、P17が四八二分、P4が四七五分、P18が二九八分、P19が二九八分、P20が五六四分、P14が二九八分、P21が二二分、P10が四五〇分、P22が六四四分、P7が四〇二分、P9が一六七分、P23が二九六分であること、そしてP8についていえば、同人の当初指定による右官損は一五分であつたが、右の勤務指定変更可能例 二分、P10が四五〇分、P22が六四四分、P7が四〇二分、P9が一六七分、P23が二九六分であること、そしてP8についていえば、同人の当初指定による右官損は一五分であつたが、右の勤務指定変更可能例5による右官損は一一四分になること(P8の当初指定は二四日が非番日、二五、六日が三番勤務、二七日週休日、二八日から三〇日まで六番勤務、三一日が五番勤務の初日であつたところ、これを二四日から二六日までを六番勤務、二七日週休日、二八日非番日、二九、三〇日五番勤務、三一日非番日と変更する結果、三番勤務の八三二分と五番勤務の初日の八四五分との小計に対する五番勤務の一五七八分の差プラス当初指定の一五分の合計一一四分)(以上は当事者間に争いない事実及び前掲各証拠から明らかである。)が認められるところ、この程度の官損は前記の他の職員についての官損に比ベて不均衡なものということはできず、むしろ服務差繰上は許容すべき程度のものと認めるのが相当である。控訴人の右の官損についての主張は理由がない。 次に控訴人は右変更可能例5によるとP10に対して三月一四日から二七日まで一三日間も週休日を与えられなくなるが、このような長期の間隔をおいた週休日付与は原則として行っていなかったから右可能例が事実上困難であると主張する。しかしながら前掲乙第八号証の二によれば、P10にはその間祝日の休日が一回あり、さらにその間休業日たる非番日が四回も割当てられることになることが認められるし、また前掲乙第四一号証ないし第四四号証の各一、二によれば、過去に例えば、P12は昭和四九年一二月一〇日から同月二二日まで一二日間、P10は同月一一日から二三日まで一二日間、P13は昭和五〇年一月九日から同月二二日まで一三日間、P2は同月九日から二一日まで一二日間、P14は同年二月四日から一九日まで一五日 月二二日まで一二日間、P10は同月一一日から二三日まで一二日間、P13は昭和五〇年一月九日から同月二二日まで一三日間、P2は同月九日から二一日まで一二日間、P14は同年二月四日から一九日まで一五日間の間、週休日の割当を受けていなかった例のあることが認められ、P10の右可能例の場合がこれらと均衡を失するものでないことは明らかであり、このことに照らすと、控訴人の右主張は採用しがたい。 さらに控訴人は右変更可能例5はP5に対して三月二七、八日及び三月三一日、四月一日に五番勤務の指定をしているが、健康上問題のあつた同人を二日間で約三・五日分に相当する勤務をしかも二日間の間隔をおいただけでさせることは同人の健康状態を無視するものであると主張するが、その間に合計二日間の非番日と週休日のあることは同可能例から明らかであり、しかも原審証人P5の証言、弁論の全趣旨によると、P5は当時五番勤務も普通にできたと認められるのであつて、このことに照らし、控訴人の右主張は採用しがたい。 以上の認定説示のとおり、P1課長及びP11代理らはP8に対する事情聴取が必要であり、かつそれは一挙手一投足の労をもつて容易にできたのにこれをしないまま本件服務差繰の後補充が困難であるとして本件時季変更権を行使したものであり、しかも、若し右の事情聴取をした上、P8の二四日の非番日を変更して服務差繰をしていたならば被控訴人に対しその請求どおりの年休を付与することが可能であつたのであるから、第一審被告は本件時季変更権の行使につき被控訴人が指定した時季に年休がとれるよう適切な配慮をしたものといえず、結局第一審被告のなした本件時季変更権の行使は違法であるといわざるをえない。 (四) 次に副課長ら管理職等につき服務差繰の後補充のための検討をすることを要しないことについての当裁判所の認定判断 えず、結局第一審被告のなした本件時季変更権の行使は違法であるといわざるをえない。 (四) 次に副課長ら管理職等につき服務差繰の後補充のための検討をすることを要しないことについての当裁判所の認定判断は原判決理由(原判決一一七丁裏三行目の「前記認定」から同一一八丁表四行目まで)と同一であるからここにこれを引用する。 三以上の次第で、本件時季変更権の行使は結局違法であるから、これが適法であることを前提とする本件懲戒処分もまた違法であり取消しを免れないものである。 従つて、その余の点について判断するまでもなく被控訴人の本訴請求は理由があり、正当として認容すべきところ、これと同旨の原判決は結局相当であつて本件控訴は理由がない。 よつて、これを棄却することにし、民事訴訟法八九条、九五条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官海老塚和衛高橋爽一郎野田武明)勤務指定変更可能例一覧表1~9(省略)

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