昭和39(オ)5 家屋明渡等請求

裁判年月日・裁判所
昭和40年10月7日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所 松江支部 昭和37(ネ)19
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人原定夫の上告理由第一点について。  論旨は、原判決は借家法七条所定

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判決文本文2,714 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人原定夫の上告理由第一点について。  論旨は、原判決は借家法七条所定の賃料増額事由を判示しない違法があるという。 しかし、原判決は、昭和二七年一二月当時の本件家屋の賃料が一ヶ月一、〇〇〇円 である旨、被上告人が昭和二八年一二月上告人Aに対し本件家屋の賃料を同二九年 一月より一ヶ月三、〇〇〇円に増額する旨申し入れた旨、本件家屋について地代家 賃統制令の適用はないが、同令の適用があるものとしてその統制額を算出すると、 同二九年一月当時その額は一ヶ月一、八八七円である旨を確定した上、「家賃統制 額が一般物価に比して低額に抑制され、一般に同令の適用を排除された借家が同令 の適用あるものとして算出された統制額以上の家賃で賃貸されていることは周知の 事柄である」こと及び挙示の鑑定の結果により、右増額請求は少くとも一ヶ月一、 八八七円の限度では正当である旨認定判断しているのである。この点について、原 判決は所論指摘の如く措辞足らないものがあるが、原判決の判示及び記録に徴すれ ば、その趣旨は、約定賃料の決定以後相当期間内に、賃料と相関関係にある経済事 情の変動により賃料が不相当になつたので、被上告人に本件建物の賃料増額請求権 が発生したけれども、その増額請求の正当な範囲は一ヶ月金一、八八七円であるこ とを判示しているものと解するを相当とする。しからば、論旨は原判決を正解せず 審理不尽をいつて原判決を非難するものであつて、採用できない。  また、論旨は、地代家賃統制令の適用のない本件家屋の賃料について同令の適用 あるものとして算出された額を以つて相当賃料額であると認定した原判決は違法で あるという。しかし、家賃の増額請求のあつた場合、いくばくの増額が相当である 令の適用のない本件家屋の賃料について同令の適用 あるものとして算出された額を以つて相当賃料額であると認定した原判決は違法で あるという。しかし、家賃の増額請求のあつた場合、いくばくの増額が相当である - 1 - かについては、裁判所は一切の事清を斟酌して具体的妥当な家賃を認定すべきもの であるから、原判決が「家賃の統制額が一般物価に比して低額に抑制され、一般に 同令の適用を除外された借家が同令の適用あるものとして算出された統制額以上の 家賃で賃貸されている」こと及び挙示の鑑定の結果に徴して、被上告人の増額請求 にかかる相当家賃は少くとも一ヶ月一、八八七円であるとした認定制断は、是認で きないことはない。右一ヶ月一、八八七円の家賃が地代家賃統制令の適用あるもの として算出した統制額に照応する額だからといつて、直ちに右認定判断が不法であ るということはできない。従つて、この点に関する論旨も採用できない。  さらにまた、論旨は、借家人である上告人Aの本件家屋に対する修理改良工事の 費用を参酌せず、本件家賃の増額請求を認定した原判決に審理不尽、理由不備の違 法があるという。家賃増額請求による増額の範囲については、請求当時の経済事情 や当該貸借関係の一切の事情を斟酌して、具体的妥当な賃料を判定しなければなら ないが、本件において、賃借人たる上告人が本件家屋の修繕改良工事のため支出し た費用をば、被上告人がこれを考慮に容れることなくして増額請求の範囲を定めた としても、右請求そのものが信義に反し、また、権利の濫用にもなるような特段の 事由が存することは窺いえず、かえつて、原判決によれば、工事費用の額がいかほ どかを証拠上認め難いというのであるから、かかる場合に、原審が該工事の施工及 びその費用の如何を斟酌することなく、被上告人の増額請求の範囲を判断したこと は正当である。原判決には所論 事費用の額がいかほ どかを証拠上認め難いというのであるから、かかる場合に、原審が該工事の施工及 びその費用の如何を斟酌することなく、被上告人の増額請求の範囲を判断したこと は正当である。原判決には所論の違法はなく、この点に関する論旨も採用できない。  同第二点について。  原審の確定した事実によれば、昭和二七年一二月分から同三〇年一〇月分までの 賃料額は合計五万四、五一四円であり、上告人Aはこれに対し合計四万四、五〇〇 円を支払つたから、昭和三〇年一〇月分までの未払賃料は一万〇、〇一四円となる こと、被上告人が遅くも昭和三〇年一一月二八日上告人Aに到達した書面を以つて - 2 - 同二七年一二月分から同三〇年一二月分までの延滞賃料として二万九、九三〇円を 書面到達後一週間以内に支払うベく、その支払がないときは本件賃貸借を解除する 旨の意思表示をしたこと、上告人Aはこれに対しなんらの支払をしなかつたという のである。右事実によれば、被上告人のした賃料支払の催告は、実際の賃料債務額 を超過するものであることは明らかであるが、原判決によれば、被上告人において 催告額全額の提供を得なければ、その受領を拒絶する意思を有したものと認める証 拠はなく、かえつて、前記未払金一万〇、〇一四円だけの提供でもこれを受領する 意思であつたことが窺えるというのであるから、前記催告は右金額の範囲で有効で あるとした原審の判断は正当である。  また、上告人Aが被上告人の家賃増額請求に対し、本件家屋に多額の改造、修理 費を支出したことを以つて抗争したからといつて、原審の確定した本件の事実関係 のもとにおいては、前記賃料不払を理由とする被上告人の解除権の行使が背信的な ものとして法律上許されなくなるものではない。これと同趣旨に出た原審の判断は 正当であつて、原判決には所論の違法はなく、論旨は、すべて採用でき 、前記賃料不払を理由とする被上告人の解除権の行使が背信的な ものとして法律上許されなくなるものではない。これと同趣旨に出た原審の判断は 正当であつて、原判決には所論の違法はなく、論旨は、すべて採用できない。  よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、 主文のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    長   部   謹   吾             裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    松   田   二   郎             裁判官    岩   田       誠 - 3 -

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