主文 本件即時抗告を棄却する。 理由 本件即時抗告の趣旨及び理由は,主任弁護人作成の即時抗告申立書のとおりであるから,これを引用する。論旨は,要するに,本件事故の相手方であるAの前科前歴(交通違反歴を含む。)に関する捜査関係事項照会回答書,前科照会書,前科回答書,前科調書,裁判書ないしこれらに準ずる書面(以下「本件書面」という。)の開示は,Aが本件事故当時に速度違反及び信号無視等をしていたものであり,それゆえ被告人には過失がないとする弁護人の主張に関連する証拠として,被告人の防御のために必要かつ重要であり,また,開示による弊害も小さいのに,本件書面を開示することが相当であるとは認められないとした原決定は失当である,というのである。 そこで,一件記録を調査して検討するに,Aの交通違反歴の内容は,原決定が説示するとおり,Aの日常的な運転態度をうかがわせるひとつの資料とはいえても,本件事故の際にAが速度違反や信号無視等をしていた事実を直接推認させる証拠とはいえない。そして,このことは,Aの交通違反歴等の内容が,所論がいうように速度違反や信号無視等であったとしても変わるものではないから,本件書面が弁護人の主張に関連する証拠として被告人の防御のために必要かつ重要であるとは認められない。また,Aの供述調書等によって,同人に交通違反歴が4回あることについては明らかになっているとしても,Aの前科前歴等が具体的に明らかにされ,それがみだりに公開されるならば,その名誉やプライバシー等が害されることは明らかであり,その弊害は大きい。本件書面を開示することが相当であるとは認められないとした原決定の判断に誤りはなく,論旨は理由がない。 よって,本件即時抗告は理由がないから,刑事訴訟法426条1項後段によりこれを棄却することとして,主文のとおり決定する。 当であるとは認められないとした原決定の判断に誤りはなく,論旨は理由がない。 よって,本件即時抗告は理由がないから,刑事訴訟法426条1項後段によりこれを棄却することとして,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・伊藤新一郎,裁判官・後藤隆,裁判官・加藤員祥)
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