平成27年10月15日判決言渡平成24年(行ウ)第130号行政文書非公開決定処分取消請求事件 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 内閣情報官が平成24年5月28日付けで原告に対してした,平成23年8月分ないし同年10月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書に対する行政文書開示等決定(ただし,平成26年1月20日付け,同年2月26日付け及び同年5月30日付けの各行政文書変更開示等決定並びに同年8月20日付けの行政文書変更開示決定による各変更後のもの)のうち,別紙「文書目録」記載1ないし3の各行政文書に記録された同目録「不開示部分」欄記載の各情報を不開示とした部分を取り消す。 2 内閣情報官が平成24年9月27日付けで原告に対してした,平成23年11月分ないし平成24年3月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書に対する行政文書開示等決定(ただし,平成26年1月20日付け,同年2月26日付け及び同年5月30日付けの各行政文書変更開示等決定並びに同年8月20日付けの行政文書変更開示決定による各変更後のもの)のうち,別紙「文書目録」記載4ないし16の各行政文書に記録された同目録「不開示部分」記載の各情報を不開示とした部分を取り消す。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)4条1項の規定に基づいて秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る行政文書等の開示を請求した原告が,平成24年5月28日付け及び同年9月27日付けで,内閣情報官から,上記請求に係る行政文書の一部を開示し,その余の部分を不開示とする旨の各決定を受けたため,これらの決定(ただし,平成26年 原告が,平成24年5月28日付け及び同年9月27日付けで,内閣情報官から,上記請求に係る行政文書の一部を開示し,その余の部分を不開示とする旨の各決定を受けたため,これらの決定(ただし,平成26年1月20日付け,同年2月26日付け及び同年5月30日付けの各行政文書変更開示等決定並びに同年8月20日付けの行政文書変更開示決定による各変更後のもの。以下「本件決定」という。)のうち,別紙「文書目録」(以下「本件文書目録」という。)記載1ないし16の各行政文書(以下「本件各文書」という。)の中に記録されている同目録「不開示部分」欄記載の各情報(以下「本件各不開示情報」という。)を不開示とした部分の取消しを求めた事案である。 2 関係法令の定め別紙「関係法令の定め」記載のとおり。 3 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者等ア原告は,市民団体及び個人が情報公開法等を利用して行政文書の開示を請求し,かつ正当に開示を受けることを支援し,もって情報公開法等の健全な運用と,民主的な行政の推進に寄与することを目的として設立された特定非営利活動法人である。(弁論の全趣旨)イ本件決定をした内閣情報官は,内閣法20条1項に基づいて内閣官房に設置された特別職の国家公務員であり,内閣官房長官,内閣官房副長官,内閣危機管理監及び内閣情報通信政策監を助け,同法12条2項2号から5号までに掲げる事務のうち特定秘密の保護に関する法律(以下「特定秘密保護法」という。)3条1項に規定する特定秘密の保護に関する事務及び内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務を掌理する者である。(弁論の全趣旨)(2) 特定秘密保護法の制定の経緯等ア特定秘密保護法は,国際情勢の 定する特定秘密の保護に関する事務及び内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務を掌理する者である。(弁論の全趣旨)(2) 特定秘密保護法の制定の経緯等ア特定秘密保護法は,国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに,高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で,我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて,これを適確に保護する体制を確立した上で収集し,整理し,及び活用することが重要であることに鑑み,当該情報の保護に関し,特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより,その漏えいの防止を図り,もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的として制定されたものである(同法1条参照)。 イ 「政府における情報保全に関する検討委員会」(以下「政府情報保全検討委員会」という。)は,平成23年1月,「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(以下「有識者会議」という。)に対し,我が国における秘密保全の法制の在り方についての意見を示すように要請した。 これを受けて,有識者会議は,同年8月8日,「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(以下「有識者会議報告書」という。)を政府情報保全検討委員会に対して提出して同会議の意見を示した。(甲4,弁論の全趣旨)ウ政府情報保全検討委員会は,平成23年10月7日に開催した第4回会議の中で,有識者会議報告書の内容を十分に尊重の上,次期通常国会への提出に向けて,秘密保全に関する法制の整備のための法案化作業を進めることを決定した。その後,同決定が示した方針に基づき,特定秘密保護法案は,内閣官房内閣情報調査室(以下「内閣情報調査室」という。)を立案担当部局 秘密保全に関する法制の整備のための法案化作業を進めることを決定した。その後,同決定が示した方針に基づき,特定秘密保護法案は,内閣官房内閣情報調査室(以下「内閣情報調査室」という。)を立案担当部局として法案化作業が進められ,平成25年10月25日の閣議決定を経て第185回国会に提出された。その後,特定秘密保護法は,同年12月6日に成立し(平成25年法律第108号),同月13日に公布,平成26年12月10日に施行された。(弁論の全趣旨)(3) 本件訴えの提起に至る経緯等ア原告がした行政文書の開示請求(ア) 原告は,平成24年3月26日付けで,内閣情報官に対し,情報公開法4条1項の規定に基づき,行政文書の開示を請求した(以下,この原告の請求を「本件開示請求」という。)。(甲1,乙4)(イ) 本件開示請求の際に原告が提出した行政文書開示請求書(甲1,乙4)には,開示を請求する行政文書の名称等として「秘密保全法制に関する法令等協議,法令以外の協議(行政文書ファイル管理簿・内閣情報調査室分)に綴られた文書」と記載されていた。(甲1,乙4)イ内閣情報官がした当初の部分開示決定(ア) 内閣情報官は,本件開示請求に係る対象文書が1994枚という著しく大量のものであったため,請求があった日から60日以内にその全てにつき開示決定等をすると事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある旨判断し,平成24年4月27日付けで,本件開示請求について情報公開法11条の規定を適用し,同年5月28日までに可能な部分について開示決定等を行い,残りの部分については同年9月27日までに開示決定等をする予定であることを原告に通知した。(乙5,弁論の全趣旨)(イ) 内閣情報官は,平成24年5月28日付けで,原告に対し,平成23年8月分から同年10月分 ついては同年9月27日までに開示決定等をする予定であることを原告に通知した。(乙5,弁論の全趣旨)(イ) 内閣情報官は,平成24年5月28日付けで,原告に対し,平成23年8月分から同年10月分までの秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書について,下記a及びbの情報が記録されている部分を不開示とし,その余の部分を開示する旨の部分開示決定(閣情第262号)をした。(甲2,乙6)a 平成23年9月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書中,資料に記載された個人の氏名及び所属が記載されている部分b 平成23年8月分から同年10月分までの各文書中,下記の情報が記載されている部分① 秘密保全法制に関する関係省庁相互間における審議,検討又は協議の具体的な内容② 行政機関の直通電話番号,内線番号,FAX番号,電子メールアカウントのURL及び電子メールアドレス③ 内閣情報調査室の課長相当職未満の職員の所属及び氏名④ 警察庁の警部又は同相当職以下の職員の氏名⑤ 公安調査庁の課長相当職未満の職員の氏名及び個人を識別できる情報⑥ 外務省の課長相当職未満の職員の氏名⑦ 防衛省の職員の氏名(ウ) 内閣情報官は,平成24年9月27日付けで,本件開示請求の対象とされた行政文書のうち,上記(イ)の決定の中で開示等の判断をしなかった分(平成23年11月分から平成24年3月分までの秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書)につき,下記aないしcの情報が記録されている部分を不開示とし,その余の部分を開示する旨の部分開示決定(閣情第435号。以下,上記(イ)の決定と併せて「本件当初決定」という。)をした。(甲3,乙7)a 平成23年11月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書中,公にすることを伝達す 定(閣情第435号。以下,上記(イ)の決定と併せて「本件当初決定」という。)をした。(甲3,乙7)a 平成23年11月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書中,公にすることを伝達することなく諸外国の行政機関等から入手した情報が記載されている部分b 平成23年11月分及び同年12月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書中,内閣情報調査室の班以下の業務体制が記載されている部分c 平成23年11月分から平成24年3月分までの秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書中,下記の情報が記載されている部分① 秘密保全法制に関する関係省庁相互間における審議,検討若しくは協議の具体的な内容② 行政機関の電話番号,FAX番号,電子メールアカウントのURL及び電子メールアドレス③ 内閣情報調査室の課長相当職未満の職員の所属及び氏名④ 警察庁の警部又は同相当職以下の職員の氏名⑤ 公安調査庁の課長相当職未満の職員の氏名及び個人を識別できる情報⑥ 外務省の課長相当職未満の職員の氏名⑦ 防衛省の職員の氏名ウ本件訴えの提起原告は,平成24年11月21日,本件訴えを提起した。(顕著な事実)(4) 本件訴え提起後にされた変更開示等決定の各内容等ア平成26年1月20日付けの変更開示等決定内閣情報官は,平成26年1月20日付けで,本件当初決定につき,下記(ア)の部分を新たに開示し,下記(イ)の部分を従前どおり不開示とする旨の行政文書変更開示等決定(閣情第27号)をした。(乙41,弁論の全趣旨)(ア) 新たに開示する部分a 平成23年8月分から平成24年3月分までの秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書のうち,条文案,読替表,新旧対照条文,秘密保全法案と自衛隊法との対照表,法案 ア) 新たに開示する部分a 平成23年8月分から平成24年3月分までの秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書のうち,条文案,読替表,新旧対照条文,秘密保全法案と自衛隊法との対照表,法案概要,論点ペーパー案(「別表事項の解説(防衛に関する事項)」,「別表事項の解説(外交に関する事項)」及び「別表事項の解説(公共の安全と秩序の維持に関する事項)」を除く。),資料一覧,別表事項案に係る文書(平成23年11月分を除く。)b 平成23年11月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書のうち,条文案,読替表,法案概要,論点ペーパー案,資料一覧,関係省庁からの内閣情報調査室に提出された質問又は意見等,関係省庁からの質問又は意見に対する内閣情報調査室の回答,関係省庁との個別協議結果要旨,関係省庁との個別協議で使用した説明資料,関係省庁相互間で送付した事務連絡に係るメールに係る文書(イ) 不開示とする部分上記(ア)bの文書中,下記の情報が記載されている部分① 特定秘密の保護に関する法律の適性評価において,調査のために用いることとしている質問票の調査項目に関する具体的な内容② 我が国の懸案事項に関する概念整理や,相手国から得た各種情報への評価等③ 行政機関の電話番号,電子メールアカウントのURL及び電子メールアドレス④ 内閣情報調査室の課長相当職未満の職員の氏名⑤ 警察庁の警部又は同相当職以下の職員の氏名⑥ 公安調査庁の課長相当職未満の職員の氏名⑦ 外務省の課長相当職未満の職員の氏名⑧ 防衛省の職員の氏名イ平成26年2月26日付けの変更開示等決定内閣情報官は,平成26年2月26日付けで,本件当初決定(ただし,上記アの変更開示等決定後のもの)につき,下記(ア)の部分を新たに開示し,下記(イ) イ平成26年2月26日付けの変更開示等決定内閣情報官は,平成26年2月26日付けで,本件当初決定(ただし,上記アの変更開示等決定後のもの)につき,下記(ア)の部分を新たに開示し,下記(イ)の部分を従前どおり不開示とする旨の変更開示等決定(閣情第177号)をした。(乙42,弁論の全趣旨)(ア) 開示する部分平成23年8月分から同年10月分及び同年12月分から平成24年3月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書のうち,関係省庁から内閣情報調査室に提出された質問又は意見等,関係省庁からの質問又は意見に対する内閣情報調査室の回答,関係省庁との個別協議結果要旨,関係省庁の回答状況(イ) 不開示とする部分① 外交機密の具体的な項目が列挙されている部分② 特定秘密保護法の適性評価において,調査のために用いることとしている質問票の調査項目及び調査方法に関する具体的な内容が記載されている部分③ 我が国において現に実施されている秘密取扱者適格性確認制度の具体的内容が記載されている部分④ 防衛省における防衛秘密の具体的な運用に関する内容が記載されている部分⑤ 他国との意見交換に関する具体的な内容が記載されている部分⑥ 他国から得た各種情報への評価等が記載されている部分⑦ 行政機関の電話番号,電子メールアカウントのURL及び電子メールアドレス⑧ 内閣情報調査室の課長相当職未満の職員の氏名⑨ 警察庁の警部又は同相当職以下の職員の氏名⑩ 公安調査庁の課長相当職未満の職員の氏名⑪ 外務省の課長相当職未満の職員の氏名⑫ 防衛省の職員の氏名ウ平成26年5月30日付けの変更開示等決定内閣情報官は,平成26年5月30日付けで,本件当初決定(ただし,上記ア及びイの各変更開示等決定後のもの)につき,下 の氏名⑫ 防衛省の職員の氏名ウ平成26年5月30日付けの変更開示等決定内閣情報官は,平成26年5月30日付けで,本件当初決定(ただし,上記ア及びイの各変更開示等決定後のもの)につき,下記(ア)の部分を新たに開示し,下記(イ)の部分を従前どおり不開示とする旨の変更開示等決定(閣情第411号)をした。(乙57,弁論の全趣旨)(ア) 開示する文書平成23年8月分から同年11月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書のうち,関係省庁から内閣情報調査室に提出された意見及び質問並びに適性評価に係る同意書(イメージ)(イ) 不開示とする部分① 特定秘密保護法の適性評価において,調査のために用いることとしている質問票のうち,同意書のイメージに関する具体的な内容が記載されている部分② 行政機関の電話番号,電子メールアカウントのURL及び電子メールアドレス③ 内閣情報調査室の課長相当職未満の職員の氏名④ 公安調査庁の課長相当職未満の職員の氏名エ平成26年8月20日付けの変更開示決定内閣情報官は,平成26年8月20日付けで,本件当初決定(ただし,前記アないしウの各変更開示等決定後のもの)につき,平成23年9月分から平成24年1月分の秘密保全法制に関する関係省庁との協議に係る文書のうち,適性評価調査票(イメージ),関係省庁から内閣情報調査室に提出された質問又は意見の一部,関係省庁の回答状況の一部,関係省庁からの質問又は意見に対する内閣情報調査室の回答の一部を開示する旨の変更開示決定(閣情第582号)をした。(乙61)(5) 本件各文書及び本件各文書に記録されている本件各不開示情報の概要等ア本件各文書の概要等原告が開示を求める本件各不開示情報が記録されている文書(本件各文書)は,本件文書目録記載 1)(5) 本件各文書及び本件各文書に記録されている本件各不開示情報の概要等ア本件各文書の概要等原告が開示を求める本件各不開示情報が記録されている文書(本件各文書)は,本件文書目録記載1ないし16の各文書(以下,それぞれの文書を「文書番号1の文書」などという。)である。本件各文書は,いずれも特定秘密保護法案の制定作業の過程の中で,内閣情報調査室や,外務省その他の関係省庁の職員により作成された文書であり,次の14の文書から成る。(乙74ないし87,弁論の全趣旨)(ア) 文書番号1の文書(乙74)外務省大臣官房総務課の職員が平成23年8月15日午前10時37分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた「秘密の範囲別表事項案」と題する文書である(合計5枚)。 (イ) 文書番号2の文書(乙75)外務省大臣官房総務課の職員が平成23年8月19日午後5時40分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた「秘密の範囲別表事項案」と題する文書である(合計5枚)。 (ウ) 文書番号3の文書(乙76)外務省大臣官房総務課の職員が平成23年9月29日午後8時58分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた添付文書であり,添付文書は,①外務省設置法に関するコンメンタールの写しと②「安全保障【未定稿】」と題する外務省作成に係る回答案から成る(合計8枚)。 (エ) 文書番号4及び5の文書(乙77)外務省大臣官房総務課の職員が平成23年11月17日午後9時18分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールの添付文書であり,添付文書は,①『問 「我が国の主権の維持及び安全保障』について」と題するもの,②『 23年11月17日午後9時18分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールの添付文書であり,添付文書は,①『問 「我が国の主権の維持及び安全保障』について」と題するもの,②『問 「国際約束に基づき,保護を必要とする情報」について』と題するものから成る(合計6枚。なお,文書番号4の文書と文書番号5の文書は同一の内容である。)。 (オ) 文書番号6及び7の文書(乙78)内閣情報調査室が,平成23年11月18日付けで,秘密保全法制に関して内閣法制局に持ち込んだ資料のうち,①「秘密保全法制法制局持込資料」と題する一覧表,②『問 「我が国の主権の維持及び安全保障』について」と題するもの,③『問 「国際約束に基づき,保護を必要とする情報」について』と題するものである(合計6枚。なお,文書番号6の文書と文書番号7の文書は同一の内容である。)。 (カ) 文書番号8の文書(乙79)内閣情報調査室の職員が平成23年11月22日午後8時39分に警察庁警備局警備企画課の職員に対して送付したメールの本文と,同メールの添付文書のうち,①「特別秘密の保護に関する法律(仮称)(素案)について(回答)」と題するもの,②「補佐級説明会(11月4日)に対する質問について(回答)」と題するもの,③「刑事司法手続における秘密の保護」と題するもの,④「秘密保護法違反事件の刑事司法手続における秘密保護制度」と題するものである(合計12枚)(キ) 文書番号9の文書(乙80)防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成23年12月5日午後2時2分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた『特別秘密の保護に関する法律(仮称)の「適性評価」について』と題する文書である(合計3枚)。 (ク) 文書番号10の文 内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた『特別秘密の保護に関する法律(仮称)の「適性評価」について』と題する文書である(合計3枚)。 (ク) 文書番号10の文書(乙81)防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成23年12月21日午後8時15分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(指定権関連)について』と題する文書である(合計5枚)。 (ケ) 文書番号11の文書(乙82)内閣情報調査室の職員が平成23年12月12日午後5時22分に防衛省の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた『特別秘密の保護に関する法律(仮称)の「適性評価」について(回答)』と題する文書である(合計3枚)。 (コ) 文書番号12の文書(乙83)内閣情報調査室の職員と防衛省の職員が平成23年12月27日午前10時30分から午後5時10分頃まで打合せをした協議結果等を記載したものであり,①「防衛省との協議結果メモ」と題する文書,②「防衛省への質問事項」と題する文書,③『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(指定権関連)について』と題する文書から成る(合計7枚)。 (サ) 文書番号13の文書(乙84)内閣情報調査室の職員が平成24年1月16日午後6時37分に防衛省防衛政策局調査課の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた,①『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(指定権・適性評価以外)について(回答)』と題する文書,②『「他の行政機関等における特別秘密の取扱いの業務について(案)」について(回答)』と題する文書,③『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(適性評価関連)について いて(回答)』と題する文書,②『「他の行政機関等における特別秘密の取扱いの業務について(案)」について(回答)』と題する文書,③『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(適性評価関連)について(回答)』と題する文書,④『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(指定権関連)について(回答)』と題する文書である(合計13枚)。 (シ) 文書番号14の文書(乙85)防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員と内閣情報調査室の職員が平成24年1月18日午後1時30分から午後3時30分にかけてした協議の概要が記載された「防衛省との協議概要(未定稿)」と題する文書である(合計3枚)。 (ス) 文書番号15の文書(乙86)防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成24年2月7日午後9時19分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた,①『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(指定権関連)について』と題する文書,②『「特別秘密の保護に関する法律案(仮称)」(適性評価関連)について』と題する文書である(合計5枚)。 (セ) 文書番号16の文書(乙87)外務省大臣官房総務課防護室の職員が平成24年2月22日午後7時18分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文と,同メールに添付されていた『「国際約束」に関する規定を法案に盛り込むことの必要性』と題する文書である(合計4枚)。 イ本件各不開示情報の概要等(ア) 本件訴訟の中で原告が開示を求める本件各文書中の不開示情報は,本件文書目録の「不開示部分」欄各記載のとおりである(以下,同欄の各項目中で記載したとおり,それぞれの情報を「不開示部分1」などという。)。(乙74ないし87,弁論の全趣旨)(イ) このうち,①不開示部分1 の「不開示部分」欄各記載のとおりである(以下,同欄の各項目中で記載したとおり,それぞれの情報を「不開示部分1」などという。)。(乙74ないし87,弁論の全趣旨)(イ) このうち,①不開示部分1及び2,②不開示部分4及び6,③不開示部分5及び7,④不開示部分9及び11,⑤不開示部分10,12及び13にはそれぞれ同一の内容が記載されている。(乙74,75,77,78,80ないし84,弁論の全趣旨)(ウ) 本件訴訟の中で,被告は,①不開示部分1ないし3には,我が国の外交機密の具体的な項目が列挙されている,②不開示部分4及び6には,我が国の懸案事項に関する概念を整理したものが記載されている,③不開示部分5及び7には,相手国の政府から受領した各種情報への評価等が記載されている,④不開示部分8には,公にすることを伝達することなく諸外国の行政機関等から入手した情報が記載されている,⑤不開示部分9,11,不開示部分14-2及び不開示部分15には,秘密取扱者適格性確認制度の具体的な内容が記載されている,⑥不開示部分10,12及び13には,防衛省における防衛秘密の具体的な運用に関する内容が記載されている,⑦不開示部分14-1には,他国との意見交換に関する具体的な内容が記載されている,⑧不開示部分16には,情報保護協定等によって他国から提供される情報のうち,我が国の特定秘密に該当し得ると考えられる事項についての例示及び例示に対する安全保障上の評価等が記載されているなどとし,これらの本件各不開示情報は,いずれも情報公開法5条3号又は6号所定の各不開示情報に当たる旨主張している。(弁論の全趣旨) 4 争点本件の争点は,本件決定のうち本件各不開示情報を開示しなかった部分の適否である。具体的には,①本件各不開示情報に被告が主張する内容が記録されて 当たる旨主張している。(弁論の全趣旨) 4 争点本件の争点は,本件決定のうち本件各不開示情報を開示しなかった部分の適否である。具体的には,①本件各不開示情報に被告が主張する内容が記録されているか否か,②本件各不開示情報の中に被告が主張する内容が記録されていると認められた場合において,それらの情報が情報公開法5条3号・6号所定の各不開示情報に該当するか否かが問題となる。 5 争点に関する当事者の主張(被告の主張の要旨)(1) 総論ア主張立証責任の所在等(ア) 情報公開法5条3号該当性の判断については,当該情報が,一般の行政運営に関する情報とは異なり,その性質上,開示・不開示の判断に高度の政策的判断を伴うため,同号該当性に関する司法審査の場においては,裁判所は,同号に規定する情報に該当するか否かについての行政機関の長の第一次的な判断を尊重し,その判断が合理性を持つ判断として許容されるものであるかどうか,すなわち,開示・不開示の決定に全く事実の基礎を欠き,あるいは,社会通念上著しく妥当性を欠くなどの裁量権の範囲の逸脱ないし濫用があると認められる点があるか否かを判断するという審査方法によるべきであると解される。 (イ) また,情報公開法5条6号の「おそれ」については,単に行政機関においてそのおそれがあると判断するだけではなく客観的にそのおそれがあると認められることが必要であるとされる一方で,行政機関としては当該行政文書の内容自体を立証することはできないのであるから,「おそれ」があるか否かの判断に当たり,高度な蓋然性があることまで要求することはできないものと解される。したがって,第三者機関である裁判所において当該不開示部分が不開示情報に該当するか否かを判断するのに支障がない程度の具体性をもって,当該不開示部分の適法性 まで要求することはできないものと解される。したがって,第三者機関である裁判所において当該不開示部分が不開示情報に該当するか否かを判断するのに支障がない程度の具体性をもって,当該不開示部分の適法性について主張立証すれば良いものと解される。 イ政府機関の情報セキュリティに係る情報の格付との関係(ア) 本件決定は,原告が情報公開法4条1項に基づいてした行政文書の開示請求に対して,同法9条1項に係る決定として行われたものである以上,開示請求の対象とされた文書が同法の定める不開示情報に該当するか否かの判断は,当然,政府機関の情報セキュリティに係る情報の格付にこだわることなく,同法5条各号の規定に基づいて行われるべきものである。そして,政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(甲39。以下「統一基準」という。)における情報の格付と同条各号に係る不開示情報該当性の判断は,その趣旨や目的を異にするものであるから,一概に両者を比較することは困難である。 (イ) これに対して,原告は,行政の内部では,統一基準における情報の格付と情報公開法5条各号に係る不開示情報該当性を関連付けた運用がされているなどと主張しているが,原告の主張は,何らの根拠もない独自の見解にすぎない。したがって,本件各文書に機密性の格付に関する表示がされていないことをもって,本件各文書に記録されている本件各不開示情報が情報公開法5条各号に係る不開示情報に該当しないということはできない。 (2) 各論(本件各情報の不開示情報該当性)ア不開示部分1ないし3の各不開示情報該当性について不開示部分1ないし3には,我が国の特定秘密に該当し得る外交機密の具体的な項目が列挙されている。このような外交機密の具体的な項目を公にすると,我が国がどのような内容の情報を外交機密として について不開示部分1ないし3には,我が国の特定秘密に該当し得る外交機密の具体的な項目が列挙されている。このような外交機密の具体的な項目を公にすると,我が国がどのような内容の情報を外交機密として取り扱っているか,すなわち,我が国がどのような情報を重視し,それに対して高度の秘密保全措置を講じているかが明らかになり,その結果,我が国の情報収集体制に対して他国の情報機関等から対抗措置が講じられるおそれがあるほか,他国又は国際機関(以下「他国等」という。)との交渉上不利益を被るおそれや関係国等との信頼関係が損なわれるなどのおそれがある。 したがって,不開示部分1ないし3は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当する。 イ不開示部分4及び6の各不開示情報該当性について(ア) 不開示部分4及び6には,我が国の外交上の高度に政治的な問題に対する我が国政府の位置付け及び当該問題の範ちゅうとして捉えるべき個別・具体的な事案名等が記載されている。このような情報を公にすると,直接・間接に当該問題に関わる外国政府との間において,我が国の懸念事項や懸案事項が察知され,外交交渉上の不利益を被ったり,無用な不信感や疑念を抱かせて信頼関係を損なうおそれがある。 したがって,不開示部分4及び6は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当する。 (イ) 我が国の主権に係る個別具体的な懸案事項に関する政府としての考え方は原告が主張するように常に報道の対象となっているものではないし,報道の対象となったものがあるとしても,当該報道により政府としての方針が公的に示されるものでもない。また,不開示部分4及び6が記録されている各文書(文書番号4及び6の各文書)は,特定秘密保護法の立案に係る政府内部の調整の中で,我が国の主権の維持及び安全保障についての概念を整理した ものでもない。また,不開示部分4及び6が記録されている各文書(文書番号4及び6の各文書)は,特定秘密保護法の立案に係る政府内部の調整の中で,我が国の主権の維持及び安全保障についての概念を整理した資料であり,不開示部分4及び6にはそのような性格の資料であることを前提に,我が国の主権に係る個別具体的な懸案事項に対する政府としての考え方が明らかにされている。したがって,立法過程の参考資料にすぎない上記各文書の中に具体性や非公知性のある情報が記録されているとは考え難いとする原告の主張は,その前提を欠くものであって失当である。 ウ不開示部分5及び7の各不開示情報該当性について(ア) 不開示部分5及び7が記録されている各文書(文書番号5及び7の各文書)は,「国際約束に基づき,保護を必要とする情報」に関する概念を整理した資料であり,そのうち,不開示部分5及び7には,脚注である「注4」の内容として,「我が国の主権の維持及び安全保障に関するもの」ではない情報のうち,「国際約束に基づき相手国政府から受領した情報であって,特定秘密に該当すると考えられる事項についての例示及びその例示に対する安全保障上の評価等」が記載されている。このような情報を公にすると,我が国が実際に特に秘匿すべきと考える問題及びそれに対する我が国の方針等が類推されることとなり,それらの内容との関係で,他国等から,我が国が情報を入手する際に支障を及ぼしかねないなど,他国等との交渉上不利益を被るおそれや当該他国等との信頼関係が損なわれるおそれがあり,ひいては,我が国の安全が害されるおそれもある。 したがって,不開示部分5及び7は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に当たる。 (イ) これに対して,原告は,既に開示された文書の中には,具体的な国名や実際に発生している問題及びそれ もある。 したがって,不開示部分5及び7は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に当たる。 (イ) これに対して,原告は,既に開示された文書の中には,具体的な国名や実際に発生している問題及びそれらに対する政府の考え方や評価を交えた記載がされているところ,これらの情報が開示されたことにより他国との交渉上不利益を被るといった支障が生じた事実は一切指摘されていないから,不開示部分5及び7は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当しない旨主張する。しかしながら,不開示部分5及び7の内容は,原告が引用する文書に記載された内容とは異なるから,原告の上記主張は失当である。 エ不開示部分8の不開示情報該当性について(ア) 不開示部分8には,イギリス,ドイツ,フランス,アメリカの行政機関等の関係者が,公にされることを前提とせず,当該各国の刑事司法手続における秘密保護制度について率直に述べた内容がほぼありのままの形で記載されている。このような情報を公にすると,情報提供者ないし当該情報提供者が所属する国の関係者に対して不信感を抱かせ,当該国との信頼関係を損なうおそれがあり,また,それによって情報交換などにおける外国機関等の協力が得にくくなり,今後の調査研究に支障が及ぶなど行政機関が行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。 したがって,不開示部分8は,情報公開法5条3号及び6号所定の各不開示情報に該当する。 (イ) なお,原告が指摘している有識者会議報告書の添付資料は,当初から公開されることを前提に作成されているのに対し,不開示部分8が記録されている文書(文書番号8の文書)は,部内の検討用資料として作成されたものであるから,情報公開法5条各号該当性を検討する際に,これらを同列のものとして論じることはできない。また,文書番号8の文書は れている文書(文書番号8の文書)は,部内の検討用資料として作成されたものであるから,情報公開法5条各号該当性を検討する際に,これらを同列のものとして論じることはできない。また,文書番号8の文書は,部内の検討用資料であるために,法令の規定にとどまらない事実上の対応や運用上の問題点に関して,情報提供者から聴取した具体的な内容が記載されており,情報提供者を特定又は相当程度限定することができる形で内容が記載されている。このような内容は,情報を入手した我が国の在外公館の担当者に確認するまでもなく,開示することにより我が国の保秘に対する信頼を失う結果となることは明らかである。 オ不開示部分9,11,14-2及び15の各不開示情報該当性について(ア) 下記(イ)ないし(エ)のとおり,不開示部分9,11,14-2及び15には,我が国の秘密取扱者適格性確認制度の具体的な調査手続の流れや調査の手法,考え方,代替措置等が記載されているところ,このような情報を公にすることにより,同制度の中で,我が国がどのような調査を行っているかが具体的に明らかとなり,それにより,他国の情報機関等から対抗・妨害措置が講じられることなどにより我が国の安全が害されるおそれがある上,内閣情報調査室及び防衛省・自衛隊を含む政府の情報保全事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれもある。 したがって,不開示部分9,11,14-2及び15は,情報公開法5条3号及び6号所定の各不開示情報に該当する。 (イ) 不開示部分9及び11が記録されている各文書(文書番号9及び11の各文書)は,防衛省から内閣情報調査室に対して提出された質問や意見(以下「意見等」という。)であるところ,不開示部分9及び11には,特定秘密保護法の下で実施されることになる適性評価制度と秘密取扱者適格性確認制度とを比較 内閣情報調査室に対して提出された質問や意見(以下「意見等」という。)であるところ,不開示部分9及び11には,特定秘密保護法の下で実施されることになる適性評価制度と秘密取扱者適格性確認制度とを比較する形で同省の質問が記載されている。そのため,不開示部分9及び11を公にすると,防衛省が行っていた適格性確認の調査の手法等が明らかになり,秘密取扱者の適格性の確認に際し,同省の職員から不正に情報を入手しようとするなど,他国機関等による情報収集活動を容易ならしめ,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や現行の対策内容に応じた攻撃手法の実行等情報漏えいの危険性を高める事態を招き,我が国の安全が害されるおそれがある。 (ウ) 不開示部分14-2が記録されている文書(文書番号14の文書)は,秘密保全法制に関する内閣情報調査室と防衛省の協議の概要が記載されているところ,不開示部分14-2には,特定秘密保護法の下で実施される適性評価制度と,秘密取扱者適格性確認制度とを比較した発言が記載されている。そのため,不開示部分14-2が公になると,秘密取扱者適格性確認制度の調査の手法等が明らかになり,内閣情報調査室及び防衛省・自衛隊を含む政府全体のカウンターインテリジェンス(外国情報機関の情報収集活動による被害を防止するための方策)に係る情報保全態勢・能力等が推察され,当該態勢の裏をかくなどして,各行政機関の職員から不正に情報を入手しようとする他国機関等による情報収集活動を容易ならしめ,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や,現行の対策内容に応じた攻撃手法の実行等情報漏えいの危険性を高める事態を招き,我が国の安全が害されるおそれがある。 (エ) 不開示部分15が記録されている文書(文書番号15の文書)は,適性評価制度に関して,防衛省から内閣情報調査室に提出され えいの危険性を高める事態を招き,我が国の安全が害されるおそれがある。 (エ) 不開示部分15が記録されている文書(文書番号15の文書)は,適性評価制度に関して,防衛省から内閣情報調査室に提出された意見等であり,不開示部分15には,特定秘密保護法の下で実施される適性評価制度と秘密取扱者適格性確認制度とを比較する形で,同省からの質問が記載されている。そのため,不開示部分15が公になると,秘密取扱者適格性確認制度の調査の手法等が明らかになり,同省の職員から不正に情報を入手しようとする他国機関等による情報収集活動を容易ならしめ,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や現行の対策内容に応じた攻撃手法の実行等情報漏えいの危険性を高める事態を招き,我が国の安全が害されるおそれがある。 カ不開示部分10,12及び13の各不開示情報該当性について不開示部分10,12及び13には,防衛省における「防衛秘密」(平成25年法律第108号による改正前の自衛隊法96条の2参照)を含む情報の入手経路・伝達経路等の運用に関し,現に存在する情報入手・伝達の経路が個別に取り上げられ,当該経路に係る運用の実情が具体的に記載されている。したがって,これらの情報が公になると,上記記載に係る「防衛秘密」の個別の伝達経路等に接近するなどして防衛省の職員から不正に防衛秘密の情報を入手しようとする他国機関等による情報収集活動を容易ならしめ,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や現行の対策内容に応じた攻撃手法の実行等,情報漏えいの危険性を高める事態を招くとともに,我が国の安全保障に関する防衛秘密が含まれる情報を入手するに際し,他国機関等による妨害行為等が行われ,これらの情報を他国から入手しにくくなる等,我が国の安全が害されるおそれがある。また,これらの行為の結果,防衛省にお する防衛秘密が含まれる情報を入手するに際し,他国機関等による妨害行為等が行われ,これらの情報を他国から入手しにくくなる等,我が国の安全が害されるおそれがある。また,これらの行為の結果,防衛省における秘密保全業務や防衛省の任務の効果的な遂行に支障が生じるおそれもある。 したがって,不開示部分10,12及び13は,情報公開法5条3号及び6号所定の各不開示情報に該当する。 キ不開示部分14-1の不開示情報該当性について不開示部分14-1には,情報保全についての他国との意見交換に関する我が国の方針・問題意識が記載されており,当該情報が公になると,当該国との相互の信頼に基づき保たれている正常な関係に支障を及ぼすおそれがある。 したがって,不開示部分14-1は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当する。 ク不開示部分16の不開示情報該当性について不開示部分16には,情報保護協定等によって他国から提供される情報のうち,我が国の特別秘密に該当すると考えられる安全保障上の事項についての例示及び例示に対する安全保障上の評価等が記載されている。同例示は,これまで公にされていない情報であり,例示であるとはいえ,特定の国名や地域,条約等が個別に取り上げられ,これらの国や地域,条約等において,ある程度現実的に想定し得る事態が具体的に想定されており,これらの個別・具体的な事項を含む情報に対する我が国政府の安全保障上の評価が記載されている。これらの情報が公になると,個別・具体的な安全保障上の事項に関する我が国の考え方が明らかになり,当該明らかとなった考え方等との関係で,我が国の他国等からの情報入手に支障を及ぼしかねないなど,当該不開示部分に記載されている国を含む他国等との交渉上不利益を被るおそれや関係国等との信頼関係が損なわれるおそれがあるこ え方等との関係で,我が国の他国等からの情報入手に支障を及ぼしかねないなど,当該不開示部分に記載されている国を含む他国等との交渉上不利益を被るおそれや関係国等との信頼関係が損なわれるおそれがあることは明らかである。 したがって,不開示部分16は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当する。 (原告の主張の要旨)(1) 総論ア政府は,昭和40年4月15日の事務次官等会議申合せにおいて,行政機関における秘密の保全について,機密,極秘及び秘の3種に分類することとし,その管理を徹底しているところ,これら3種の秘密情報は「機密性3情報」にカテゴライズされている。その一方で,機密性3情報に該当しない情報は,情報公開法に基づく開示請求があった都度,個別に判断される情報である機密性2情報,このようなカテゴリーにすら属さない機密性1情報に分類されている。また,政府は,平成17年9月15日付けの情報セキュリティ政策会議による「政府機関の情報セキュリティ対策の強化に関する基本方針」に基づいて,各省庁が情報セキュリティ確保のために採るべき対策を定めるための政府機関の統一的な枠組みである「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」(統一基準)を策定し,機密性,完全性及び可用性の観点から,情報を格付するとともに,それぞれについて取扱制限を行うことを各省庁間で統一することとしている。 本件各文書に関しては,不開示部分1及び2が記録されている各文書(文書番号1及び2の各文書)については機密性2情報の指定がされているものの,他の文書にはこのような指定はされておらず,担当者以外の者もアクセスすることができる。したがって,本件各不開示情報が情報公開法5条各号所定の不開示情報に該当するか否かの判断に当たっては,統一基準に基づく格付や情報へのアクセス されておらず,担当者以外の者もアクセスすることができる。したがって,本件各不開示情報が情報公開法5条各号所定の不開示情報に該当するか否かの判断に当たっては,統一基準に基づく格付や情報へのアクセス制限がされていないことを考慮しても,なお「相当の理由」(情報公開法5条3号)があると判断することができるだけの事情が被告によって主張立証されたと認めることができるか否かが問われなければならない。 特に,不開示部分3ないし16が記録されている各文書(文書番号3ないし16の各文書)は,情報セキュリティ上,開示されることに何ら問題がないとの評価を受けているにもかかわらず,被告が,他国との信頼関係を害するおそれ(同号)や内閣情報調査室の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ(同条6号)があると主張していることは,情報公開法の運用の局面で,情報セキュリティ制度が守ろうとした利益と同一の利益を理由として情報の不開示を正当化しようとするものであり,行政内部の運用基準を恣意的に運用するものであって不当であり,かつ,行政文書の原則公開を命じた同条柱書きの趣旨にも反する。 イ被告は,特定秘密保護法の成立後になって初めて,他国との信頼関係を害するおそれ(情報公開法5条3号)や内閣情報調査室の事務(法案化作業)の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあること(同条6号)を,本件各不開示情報を不開示とする理由として主張するに至っている。しかしながら,本件各不開示情報を開示することによって,他国との信頼関係を害するおそれや,内閣情報調査室の事務の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるというのであれば,同法の成立の有無にかかわらず,不開示理由として当然に主張することができたはずである。したがって,本件当初決定や本件訴訟の初期の段階で,本件各不開示情報が情報公開法5条3号の不 あるというのであれば,同法の成立の有無にかかわらず,不開示理由として当然に主張することができたはずである。したがって,本件当初決定や本件訴訟の初期の段階で,本件各不開示情報が情報公開法5条3号の不開示情報に該当すること等を不開示の理由として主張していなかったことは,当初から同号が不開示の理由として挙げられていた不開示部分8を除き,処分行政庁である内閣情報官及び被告自身,本件各不開示情報が同号所定の不開示情報に該当しないものと判断していたことを示している。 (2) 各論ア不開示部分1ないし3の各不開示情報該当性について(ア) 不開示部分1及び2が記録されている文書(文書番号1及び2の各文書)は,機密性2情報の指定はされているものの,行政内部において担当者のみがアクセスすることができる旨の取扱制限はされていない。また,不開示部分3が記録されている文書(文書番号3の文書)については,機密性2情報の指定すらされていない。 (イ) 被告は,不開示部分1ないし3には特別秘密に該当し得る外交機密の具体的な項目が列挙されているとし,不開示の理由として,①公にすることにより我が国がどのような内容の情報を外交機密として取り扱っているかが明らかになる結果,我が国がどのような情報を重視しているかが公になる,②それによって,他国等の情報機関等から対抗措置が講じられるなどして他国等との交渉上不利益を被るおそれがあるなどと主張している。しかしながら,被告の主張を前提としても,不開示部分1ないし3を公にすることで明らかになるのは外交機密それ自体ではなく外交機密の項目でしかないから,このような外交機密の具体的な項目が明らかになったからといって,我が国に不利益が生じるものとはいえないことは明らかである。また,そもそも,外交機密の項目は,外交の分野において の項目でしかないから,このような外交機密の具体的な項目が明らかになったからといって,我が国に不利益が生じるものとはいえないことは明らかである。また,そもそも,外交機密の項目は,外交の分野においては容易に推知可能であるから,不開示部分1ないし3を開示することによりなぜ我が国が不利益を被ることになるのかも明らかではない。 イ不開示部分4及び6の各不開示情報該当性について(ア) 被告は,不開示部分4及び6に我が国の外交上の高度に政治的な問題に対する我が国政府の位置付け及び当該問題の範ちゅうとして捉えるべき個別・具体的な事案名等が記載されている旨主張している。しかしながら,被告の説明は抽象的な内容にとどまっており,外交上の問題点が記載されているとのみ述べているに等しい。したがって,不開示部分4及び6を開示したからといって,なぜ我が国が不利益を被ることになるのかを具体的に説明したことにはならず,情報公開法5条3号所定の「相当の理由」の存在を主張立証したものとはいえない。 (イ) 仮に,不開示部分4及び6に,我が国の主権に係る個別・具体的な懸案事項に対する政府としての考え方が明らかにされているとしても,その開示によって,他国等との交渉上不利益を被るおそれや関係国との信頼関係が害されるおそれがなぜ生じるかについて全く説明がされていない。しかも,不開示部分4及び6が記録された各文書(文書番号4及び6の各文書)は,いずれも統一基準上,機密性2情報の指定はされていないし,本件当初決定時や本件訴えの初期の段階では,これらの情報が情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することは不開示の理由として挙げられていなかった。これらの事情に照らすと,不開示部分4及び6が同号所定の不開示情報に該当しないことは明らかである。 ウ不開示部分5及び7の各不開 不開示情報に該当することは不開示の理由として挙げられていなかった。これらの事情に照らすと,不開示部分4及び6が同号所定の不開示情報に該当しないことは明らかである。 ウ不開示部分5及び7の各不開示情報該当性について(ア) 被告は,不開示部分5及び7に「海外における軍事動向や政治動向の具体例」及び「これらの情報に対する我が国政府の評価及びこれらの情報が漏えいした場合に生じる我が国の国益への影響に関する情報」が記録されている旨主張している。しかしながら,被告の主張は抽象的な内容にとどまるし,「海外における軍事動向や政治動向の具体例」については,現在,連日,安全保障関連法案の国会での審議の中で具体例が挙げられていることによれば少なくとも非公知性がない。 (イ) 不開示部分5及び7が特定秘密自体を記載したものではないことは被告も認めている。また,具体的な国名や実際に発生している問題及びそれらに対する政府の考え方や評価を交えて記載した部分のある行政文書が被告によって開示されていることは既に開示済みの甲第27号証を見れば明らかである。そして,本件当初決定や本件訴訟の初期の段階では,不開示部分5及び7が情報公開法5条3号の不開示情報に該当することは不開示の理由とはされていなかったこと,不開示部分5及び7が記録された各文書(文書番号5及び7の各文書)は,統一基準の機密性2情報の指定すらされておらず,取扱制限の指定もされていないことを指摘することができる。これらの事情に照らすと,不開示部分5及び7が同号所定の不開示情報に該当しないことは明らかである。 エ不開示部分8の不開示情報該当性について(ア) 被告は,「情報提供者である各国の行政機関等の関係者が述べた内容が記載された部分を公にすることにより,情報提供者ないし外国機関関係者に不信感を エ不開示部分8の不開示情報該当性について(ア) 被告は,「情報提供者である各国の行政機関等の関係者が述べた内容が記載された部分を公にすることにより,情報提供者ないし外国機関関係者に不信感を抱かせ」「当該国との信頼関係を損なうおそれがあり」「情報交換などにおける外国機関等の協力が得にくくなり,今後の調査研究に支障が及ぶ」旨主張する。しかしながら,不開示部分8に記載されている情報についての被告の上記説明は抽象的な内容にとどまるから,被告が主張するような支障が生じる理由は明らかではない。また,不開示部分8が記録されている文書(文書番号8の文書)は,行政内部においても「取扱注意」の指定がされているのみであり,原則として,行政機関内部の者であれば誰もがアクセスすることのできる情報であるところ,このことは,文書番号8の文書にアクセスした職員が,情報収集等に際し,その記載内容を外国関係者に漏らすことがあり得ることを意味している。しかしながら,被告が主張するように,各国の行政機関等の関係者が述べた内容が記載された部分を公にすることにより,情報提供者ないし外国機関関係者に不信感を抱かせたり,当該国との信頼関係を損なったりするおそれがあるというのであれば,少なくとも交渉関係者以外には閲読させない旨の指定などがされるはずであり,そのような指定がされていないことは,不開示部分8を開示することによって被告が主張するような支障が生じるおそれがないことを示している。 (イ) 被告は,情報提供者から聴取を行った在外公館の担当者に対し,公開の可否を確認するプロセスすら経ることなく不開示部分8について不開示決定をしており,このことは,情報公開法5条3号所定の「相当な理由」を欠くことを示している。 オ不開示部分9,11,14-2及び15の各不開示情報該当性 すら経ることなく不開示部分8について不開示決定をしており,このことは,情報公開法5条3号所定の「相当な理由」を欠くことを示している。 オ不開示部分9,11,14-2及び15の各不開示情報該当性について(ア) 特定秘密保護法の施行により,同法に基づく適性調査が行われるようになり,その具体的な調査手続の流れや調査の手法,考え方等は公表されている。被告は,不開示部分9,11,14-2及び15の中に秘密取扱者適格性確認制度の具体的な調査の流れや調査の手法,考え方,代替措置等が記載されており,これを公表することによって我が国が同制度によって具体的にどのような調査を行っているかが明らかになり,その結果,他国機関から対抗,妨害措置が講じられる旨主張するけれども,このような事情は,現行制度における特定秘密保護法の適性調査についても同様のはずである。しかしながら,現行制度の内容が公表されているのはこのような可能性がないことを示すものである。また,そもそも旧制度である秘密取扱者適格性確認制度に関する情報を不開示とする理由はない。 (イ) また,不開示部分9,11,14-2及び15が記録されている各文書(文書番号9,11,14及び15の各文書)は,機密性2情報に指定されていないから,情報公開法5条所定の不開示情報に該当する旨の被告の主張に理由がないことは明らかである。 カ不開示部分10,12及び13の各不開示情報該当性について(ア) 被告は,不開示部分10,12及び13には「防衛秘密が含まれる情報の」「現に存在する情報入手・伝達の経路が個別に取り上げられ,当該経路に係る運用の実情が具体的に記載されている」旨主張する。また,被告は,これらの不開示部分を開示することによって,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や,現行の対策内容に応じた攻撃手 げられ,当該経路に係る運用の実情が具体的に記載されている」旨主張する。また,被告は,これらの不開示部分を開示することによって,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や,現行の対策内容に応じた攻撃手法の実行等に関する情報漏えいの危険性を高める事態を招く旨の主張もしている。 しかしながら,仮に,不開示部分10,12及び13の中にそのような具体的な事実が記載されているのであれば,情報へのアクセスや取扱いについて何らの制限も設けられておらず,行政内部の誰もが情報にアクセスすることができたり,資料をコピーすることができたりするのは不自然である。特に,これらの不開示部分を不開示とする理由が情報保全対策にあるとするのであれば,これらの情報自体に統一基準に基づいた保全措置が講じられていなければつじつまが合わない。 (イ) 被告は,本件訴訟の中で,これらの情報が個別具体的な入手経路・伝達経路やその運用状況を示しているとは一切主張しておらず,単に,特定秘密保護法の運用基準の記載が個別具体的な入手経路・伝達経路やその運用状況を示しているものではないと主張しているにすぎない。しかしながら,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示とするのであれば,少なくとも,これらの情報中に防衛秘密の入手経路・伝達経路やその運用状況が,どの程度,具体的かつ個別的に記載されているかを明らかにすることが不開示事由の主張の大前提となるはずである。しかも,仮に,防衛秘密の入手経路・伝達経路やその運用状況が具体的かつ個別的に記載されているのであれば,常識的に見て,これらの文書については統一基準に基づいて機密性2情報以上の指定がされているはずである。しかしながら,不開示部分10,12及び13が記録されている各文書(文書番号10,12及び13の各文書)は,い これらの文書については統一基準に基づいて機密性2情報以上の指定がされているはずである。しかしながら,不開示部分10,12及び13が記録されている各文書(文書番号10,12及び13の各文書)は,いずれも,このような機密性情報に関する指定はされていない上,本件当初決定時には,これらの情報が情報公開法5条3号・6号所定の各不開示情報に該当することを不開示の理由にはされていなかった。これらの事情に照らすと,不開示部分10,12及び13が情報公開法5条3号及び6号所定の各不開示情報に該当しないことは明らかである。 キ不開示部分14-1の不開示情報該当性について被告は,不開示部分14-1には,情報保全についての他国との意見交換に関する我が国の方針・問題意識が記載されており,これを開示することによって,当該国との相互の信頼に基づき保たれている正常な関係に支障を及ぼす旨主張する。しかしながら,同部分が記録されている文書(文書番号14の文書)についても,情報自体に統一基準に基づいた保全措置が講じられておらず,行政内部において誰もが情報にアクセスでき,資料をコピーすることができることになっているところ,被告が主張するような支障が生じるおそれがあるというのであれば,情報の開示請求への対応以前に行政機関の内部において取扱制限が設けられているはずである。したがって,被告は,行政内部での統一基準に基づいた情報の保全措置が執られていない理由を社会通念上合理性が認められる程度に説明すべきであり,このような説明がされていない以上,被告の主張に合理性はない。 ク不開示部分16の不開示情報該当性について(ア) 被告は,本件訴訟の中で,不開示部分16に,安全保障上の事項についての具体的な内容やこれらの例示及び例示に対する安全保障上の評価がどの程度個別具体的に 示部分16の不開示情報該当性について(ア) 被告は,本件訴訟の中で,不開示部分16に,安全保障上の事項についての具体的な内容やこれらの例示及び例示に対する安全保障上の評価がどの程度個別具体的に記載されているかを明らかにしていない。 (イ) また,仮に,不開示部分16の中にある程度具体的な記述があったとしても,例示にとどまる不開示部分16を開示することによって,なぜ個別・具体的な事項に対する我が国の安全保障上の考え方が明らかになるのか,また,このことによって,どのように他国等との交渉上我が国が不利益を被り,関係国との信頼関係が損なわれるのかについて被告は明らかにしていない。加えて,不開示部分16が記録されている文書(文書番号16の文書)については,機密性2情報にすら指定されておらず,本件当初決定時には,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示にするとはされていなかった。これらの事情に照らすと,不開示部分16が同号所定の不開示情報に該当しないことは明らかである。 (ウ) そもそも,安全保障上の事項についての例示は,安全保障関連法案の議論において様々な事例を持ち出す形で何度も具体的に指摘されているところ,これらの国会での議論によって情報を提供した国との信頼関係が破壊されていないことは明らかであることによれば,不開示部分16を開示したからといって,情報の入手に支障を及ぼすおそれや,他国との信頼関係を害するおそれなど,到底想定することができない。 第3 当裁判所の判断 1 情報公開法5条3号・6号所定の不開示情報の有無に関する判断枠組み等(1) 情報公開法は,国民主権の理念にのっとり,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸 有無に関する判断枠組み等(1) 情報公開法は,国民主権の理念にのっとり,行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により,行政機関の保有する情報の一層の公開を図り,もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに,国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とし(1条),何人も,行政機関の長に対して当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができ(3条),開示請求があったときは,行政機関の長は,開示請求に係る行政文書に5条各号に掲げる不開示情報のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,開示請求に係る行政文書を開示しなければならないものとしている(同条)。 (2) 情報公開法5条3号は,「公にすることにより,国の安全が害されるおそれ,他国等との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国等との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」を不開示情報とする旨を定めているところ,その趣旨は,我が国の安全,他国等との信頼関係及び我が国の国際交渉上の利益を確保することは,国民全体の利益を擁護するために政府に課された重要な責務であって,同法においてもこれらの利益は十分に保護されるべきと考えられたことによるものであると解される。そして,公にすることにより,国の安全が害されるおそれ,他国等との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国等との交渉上不利益を被るおそれがある情報については,一般の行政運営に関する情報とは異なり,その性質上,その開示・不開示の判断につき高度の政治的判断を伴うこと,我が国の安全保障上又は対外関係上の専門的・技術的判断を要することなどの特殊性が認められるところ,同号が「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相 開示の判断につき高度の政治的判断を伴うこと,我が国の安全保障上又は対外関係上の専門的・技術的判断を要することなどの特殊性が認められるところ,同号が「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」という文言を用いているのも,そのような特殊性を考慮したからであると解される。このような同号の趣旨及び文言に照らすと,同号所定の不開示情報に該当するか否かの判断には行政機関の長に一定の裁量が認められているものと解することが相当であり,行政機関の長が同号所定の不開示情報に該当するとして不開示決定をした場合には,裁判所は,当該行政文書に同号に規定する不開示情報が記録されているか否かについての行政機関の長の第一次的な判断を尊重し,その判断が合理的なものとして許容される範囲内であるかどうかを審理判断すべきであって,同号に該当する旨の行政機関の長の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えるものであると認められる場合に限り,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったものとして違法になると解するのが相当である。 もっとも,一般に,国の安全や他国等との交渉等に関する正確かつ詳細な情報は専ら行政機関の長の側に属しており,開示請求をする者及び処分の適否につき判断する裁判所は,処分に係る行政文書又はその部分に記録されている内容等を直接には把握することができないことによれば,被告において,事案に応じ,当該処分に係る行政文書又はその部分に記録されている情報に係る事柄,当該情報の性質,当該処分をするに当たって前提とした事実関係その他の当該処分当時の状況等,一般的・類型的にみて,当該情報が同号に掲げる国の安全等の確保に関するものに当たるものであることを推認するに足りる事情を立証する責任を負うものと解される。そして,被告がした上記の立 分当時の状況等,一般的・類型的にみて,当該情報が同号に掲げる国の安全等の確保に関するものに当たるものであることを推認するに足りる事情を立証する責任を負うものと解される。そして,被告がした上記の立証により,当該情報が開示された場合に,不開示の理由とされた,我が国の安全が害されるおそれや,他国等との信頼関係が損なわれるおそれなどがあることが一般的・類型的にみて肯定されるような場合には,同号に基づき開示をしない旨の処分を争う原告において,当該処分につき行政機関の長の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったことを基礎付ける具体的事実について証明することを要するというべきである。 (3) 次に,情報公開法5条6号は,「国の機関(中略)が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,(中略)当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」を不開示情報とする旨を定めているところ,その趣旨は,国の機関等が行う事務又は事業は,公共の利益のために行われるものであり,公にすることによりその適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報については,不開示とすることに合理的な理由があると考えられたからであると解される。そして,このような不開示事由に該当しない限り,原則として行政機関の長に行政文書の開示を義務付けているという同法の構造や,同号の不開示事由を定めた趣旨に照らすと,同号所定の不開示事由があるとして文書を不開示にした場合には,このような不開示処分をした行政機関の長の所属する行政主体である国(被告)が,当該行政文書には同号所定の不開示事由があること,すなわち,当該行政文書には「国の機関(中略)が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,(中略)当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正 は同号所定の不開示事由があること,すなわち,当該行政文書には「国の機関(中略)が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,(中略)当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」が記録されていることを主張立証する必要があるものと解することが相当である。加えて,ここにいう「支障」の程度は,名目的なものでは足りず実質的なものであることが必要であり,「おそれ」の程度も単なる確率的な可能性ではなく,法的保護に値する蓋然性が要求され,さらに,これら「支障」や「おそれ」の程度については,開示によって支障を及ぼすおそれがあるとされる事務又は事業の性質を踏まえた判断を行う必要があるというべきである。 (4) そこで,以下,このような見地から,情報公開法5条3号又は6号所定の各不開示情報に該当することを理由として本件各不開示情報を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断の適否について検討する。 2 認定事実前記前提事実に掲記の証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の各事実が認められる。 (1) 特定秘密保護法の制定の経緯等ア特定秘密保護法は,国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに,高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で,我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて,これを適確に保護する体制を確立した上で収集し,整理し,及び活用することが重要であることに鑑み,当該情報の保護に関し,特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより,その漏えいの防止を図り,もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的として制定されたものである(同法1条参照)。 イ 特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより,その漏えいの防止を図り,もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的として制定されたものである(同法1条参照)。 イ我が国では,「カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針」(平成19年8月9日カウンターインテリジェンス推進会議決定)に基づき,政府の統一基準として,平成21年4月1日から,国の行政機関の職員を対象として,秘密情報の取扱者の適性評価を実施していたが,同取扱いについては法令上の位置付けが明確ではないなどの課題が存在した。 そのため,政府は,平成22年12月7日,政府における情報保全に関し,秘密保全に関する法制の在り方及び特に機密性の高い情報を取り扱う政府機関の情報保全システムにおいて必要と考えられる措置について検討するため,内閣官房長官を委員長,内閣官房副長官を副委員長とし,内閣情報官らを委員とする政府情報保全検討委員会を開催することを決定した。 (甲4,21・参考1,40,42,43,乙1)ウ政府情報保全検討委員会は,平成23年1月,学識経験者5名から成る有識者会議に対し,我が国における秘密保全の法制の在り方について意見を示すように要請した。これを受けて,有識者会議は,同月5日から同年6月10日にかけて合計6回にわたって会議を開き,同年8月8日,有識者会議報告書を提出して同会議の意見を示した。この有識者会議報告書には,①特別秘密の範囲については,国の存立にとって重要な情報に限定すること,②特別秘密を管理するため,適性評価(セキュリティ・クリアランス)を実施すること,③秘密の漏えい行為に対する処罰の範囲は必要最少限度のものに抑えること,④特別秘密は,情報公開法の下で開示されるべき情報には当たらないことなどが記載されていたほか,事 クリアランス)を実施すること,③秘密の漏えい行為に対する処罰の範囲は必要最少限度のものに抑えること,④特別秘密は,情報公開法の下で開示されるべき情報には当たらないことなどが記載されていたほか,事務局の作成した参考資料として「諸外国(米,英,独,仏)における適性評価制度(セキュリティ・クリアランス)の概要」(乙1・34頁ないし37頁)などが添付されていた。(甲4,乙1ないし3)エ政府情報保全検討委員会は,平成23年10月7日,「情報漏えいに関する脅威が高まっている状況及び外国との情報共有を推進していくことの重要性に鑑み,内閣情報調査室を中心に関係省庁は,政府による秘密保全を徹底することが極めて重要であるとの認識の下,有識者会議報告書の内容を十分に尊重の下,次期通常国会への提出に向けて,秘密保全法制に関する法制の整備のための法案化作業を進めること。」等を内容とする決定をした。(乙1)オその後,上記エの決定に基づき,特定秘密保護法案は,内閣情報調査室を担当部局として法案化の作業が進められ,平成25年10月25日に閣議決定されて第185回国会に提出された。その後,国会での審議を経て同年12月6日に成立し(平成25年法律第108号),同月13日に公布され,平成26年12月10日に施行された。(弁論の全趣旨)(2) 本件各文書の概要本件各文書は,いずれも特定秘密保護法案の立案の過程において,内閣情報調査室の職員や関係省庁(外務省・防衛省)の職員によって作成された文書である。前記前提事実(5)アのとおり,本件各文書は,次の14の文書から成り,各文書中に,本件文書目録の「不開示部分」欄各記載のとおり本件各不開示情報が記録されている。(乙74ないし87,弁論の全趣旨)ア外務省大臣官房総務課の職員が平成23年8月15日午前10時 成り,各文書中に,本件文書目録の「不開示部分」欄各記載のとおり本件各不開示情報が記録されている。(乙74ないし87,弁論の全趣旨)ア外務省大臣官房総務課の職員が平成23年8月15日午前10時37分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙74,文書番号1の文書)イ外務省大臣官房総務課の職員が平成23年8月19日午後5時40分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙75,文書番号2の文書)ウ外務省大臣官房総務課の職員が平成23年9月29日に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙76,文書番号3の文書)エ外務省大臣官房総務課の職員が平成23年11月17日に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書であり,このうち,添付文書は,外務省作成に係る①「我が国の主権の維持及び安全保障について」と題する文書及び②「国際約束に基づき,保護を必要とする情報について」と題する文書から成る(乙77,文書番号4及び5の各文書)。 オ内閣情報調査室が,平成23年11月18日付けで,秘密保全法制に関して内閣法制局に持ち込んだ外務省作成に係る資料であり,①「我が国の主権の維持及び安全保障について」と題する文書及び②「国際約束に基づき,保護を必要とする情報について」と題する文書から成る(乙78,文書番号6及び7の各文書)。 カ内閣情報調査室の職員が平成23年11月22日午後8時39分に警察庁警備局警備企画課の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙79,文書番号8の文書)キ防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成23年12月5日午後2時2分に内閣情報調査室の職員に対して送 員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙79,文書番号8の文書)キ防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成23年12月5日午後2時2分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙80,文書番号9の文書)ク防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成23年12月21日午後8時15分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙81,文書番号10の文書)ケ内閣情報調査室の職員が平成23年12月12日午後5時22分に防衛省の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙82,文書番号11の文書)コ内閣情報調査室の職員が平成23年12月27日に防衛省の職員と協議した結果を記載したメモ及び同メモの添付文書(乙83,文書番号12の文書)サ内閣情報調査室の職員が平成24年1月16日午後6時37分に防衛省防衛政策局調査課の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙84,文書番号13の文書)シ防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員と内閣情報調査室の職員が平成24年1月18日にした協議の概要が記録された「防衛省との協議概要(未定稿)」と題する文書(乙85,文書番号14の文書)ス防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成24年2月7日午後9時19分に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙86,文書番号15の文書)セ外務省大臣官房総務課防護室の職員が平成24年2月22日に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙87,文書番号16の文書) 3 検討前記前提事実及び上記2の認定事実に基づき,以下,前記1で説示した判断枠 22日に内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの本文及び同メールの添付文書(乙87,文書番号16の文書) 3 検討前記前提事実及び上記2の認定事実に基づき,以下,前記1で説示した判断枠組みに従い,内閣情報官が本件決定の中で開示しなかった本件各不開示情報が情報公開法5条3号又は6号所定の各不開示情報に該当するか否かについてそれぞれ検討する。 (1) 不開示部分1ないし3についてア各不開示部分の記載内容について(ア) 不開示部分1及び2の各記載内容について前記前提事実(5)ア及び証拠(乙74,75)によれば,①不開示部分1及び2は,内閣情報調査室の職員が特定秘密保護法案の関係省庁の担当者に送付した「【照会】秘密保全法制に係る検討資料等の協議について」と題するメールでの照会に対する外務省大臣官房総務課の回答を記載したメールの添付文書の中にあること,②同添付文書は,特定秘密保護法案の立案過程において,同法案の立案担当部局である内閣情報調査室が,関係省庁との協議の結果を踏まえて,同法案の中で特定秘密の範囲に含めることが相当であると考える事項とその具体例を挙げた一覧表であり,冒頭に「秘密の範囲別表事項案」の記載があること,③同添付文書には,青字で自衛隊法の別表第4に掲げる事項が記載されているほか,赤字で内閣官房の秘密の具体例が記載され,緑字で外務省のコメントが記載されていることが認められる。 これらの不開示部分1及び2が記録されている各文書が作成された経緯や,本件決定により既に開示済みの部分に記載されている内容に加えて,不開示部分1及び2は,いずれも「(外交機密の分野)」という見出しの直後に記載されていること(乙74,75)に鑑みると,不開示部分1及び2には,被告が主張するとおり,我が国の外交機密の具体的な項目が記 示部分1及び2は,いずれも「(外交機密の分野)」という見出しの直後に記載されていること(乙74,75)に鑑みると,不開示部分1及び2には,被告が主張するとおり,我が国の外交機密の具体的な項目が記載されているものと推認することができる。 (イ) 不開示部分3の記載内容について次に,前記前提事実(5)ア及び証拠(乙76)によれば,①不開示部分3(合計8箇所)は,外務省大臣官房総務課の職員が内閣情報調査室の職員に対して送付したメールの添付文書である「安全保障【未定稿】」と題する外務省作成に係る回答案の中にあること,②不開示部分3の直後には「日本国の安全保障」,「国際情勢に関する情報の収集及び分析並びに外国及び国際機関等に関する調査に関すること」,「外交文書の発受その他の外交上の通信に関すること」などの記載があること,③不開示部分3が記録されている文書(文書番号3の文書)の中には,外務省設置法4条の条文が挙げられていることが認められる。 これらの文書番号3の文書の表題や不開示部分3が記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,不開示部分3には,被告が主張するとおり,我が国の外交機密の具体的な項目が記載されているものと推認するのが相当である。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分1ないし3を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分1ないし3には,我が国の外交機密の具体的な項目が記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障の確保や他国等との交渉に関する情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害された 推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障の確保や他国等との交渉に関する情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害されたり,他国等との交渉上不利益を被ったりするおそれのある情報であると認められる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示とされたことを争う原告において,不開示部分1ないし3を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①特別秘密に該当し得る外交機密自体と外交機密の項目とは,情報の性格が全く異質のものであるから,外交機密の項目にすぎない不開示部分1ないし3が公にされたとしても我が国に何らかの不利益が生じるとは考え難いこと,②外交機密の項目は,外交の分野では容易に推知することが可能であるから,このような外交機密の項目にすぎない不開示部分1ないし3を開示することによって我が国が不利益を被るとは考え難いこと,③不開示部分1及び2が記録されている各文書(文書番号1及び2の各文書)は,統一基準に基づく機密性2情報の指定がされてはいるものの,行政の内部において担当者のみがアクセスすることのできる秘密文書には指定されておらず,不開示部分3が記録されている文書(文書番号3の文書)に至っては,機密性2情報の指定すらされていないこと,④内閣情報官は,本件当初決定当時,不開示部分1ないし3を不開示とする理由として情報公開法5条3号を挙げておらず,このことは,不開示部分1ないし3が同号所定の不開示情報に該当しないことを示すものであることなどを指摘し,同号所定の不開示 示部分1ないし3を不開示とする理由として情報公開法5条3号を挙げておらず,このことは,不開示部分1ないし3が同号所定の不開示情報に該当しないことを示すものであることなどを指摘し,同号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分1ないし3を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 (ウ) しかしながら,上記①の点については,証拠(甲4,乙1)及び弁論の全趣旨によれば,これまで,我が国では外国の情報機関等による情報収集活動を原因とする情報の漏えい事案が発生したり,政府の保有する情報がネットワーク上に流出し,極めて短期間に世界規模で拡大する事案が発生したりしてきたことが認められ,我が国の安全保障に関する情報の管理は極めて重要な課題であるということができる。しかるに,不開示部分1ないし3を開示することにより我が国の外交機密の具体的な項目を公にすることとした場合には,我が国の政府がどのような情報が外交機密であると考え,それに対して情報保全措置を講じているのかという我が国の安全保障に関する事項を外国の情報機関等に明らかにする結果となる。そうすると,外国の情報機関等による情報収集活動がこれらの情報を有する組織や担当者に対して集中的に行われ,我が国が保有している外交機密の内容が漏えいする危険が高まるものということができる。 また,我が国では,外交機密の具体的な項目に基づき,他国等において情報収集活動や収集した情報の分析等を行い,その結果を踏まえて他国等との交渉を行っているものと考えられるところ,不開示部分1ないし3を開示して外交機密の具体的な項目を公にした場合には,他国等から我が国の情報収集活動に対する対抗措置が講じられるなどして,他国等との交渉上,不利益を被るおそれがあると るところ,不開示部分1ないし3を開示して外交機密の具体的な項目を公にした場合には,他国等から我が国の情報収集活動に対する対抗措置が講じられるなどして,他国等との交渉上,不利益を被るおそれがあるということもできる。 以上によれば,不開示部分1ないし3に記載されているのが外交機密の項目にとどまるものであるからといって,それを公にすることが我が国の安全を害するおそれや,他国等との交渉上不利益を被るおそれがないとはいえず,これらのおそれがあることに鑑みて,不開示部分1ないし3を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとは認められない。 上記②の点については,確かに,外交機密の項目の中には,容易に推知することができる事項があることは原告が指摘するとおりである。しかしながら,原告の主張を見ても,不開示部分1ないし3に記載されている内容が,このような容易に推知し得る情報であることをうかがわせるような事情は見いだせない。また,不開示部分1ないし3が記録されている文書(文書番号1ないし3の各文書)は,前記2で認定したとおり,特定秘密保護法案の法案化作業の過程において,日本国の安全保障に係る事務をつかさどる外務省の職員が安全保障に関わる外交機密の具体的な項目を明らかにしたものであるから,このような性格の情報である不開示部分1ないし3を公にすることは,我が国の政府において,我が国の安全保障上,どのような外交機密の項目を重視しているかを明らかにするものであって,我が国の安全を害するおそれや他国等との交渉上不利益を被るおそれがあるということができる。 上記③の点については,不開示部分1及び2が記録されている文書(文書番号1及び2の各文書)には「機密性2情報」の指定及び「取扱注意」の記載があるにとどまり,また るおそれがあるということができる。 上記③の点については,不開示部分1及び2が記録されている文書(文書番号1及び2の各文書)には「機密性2情報」の指定及び「取扱注意」の記載があるにとどまり,また,不開示部分3が記録されている文書(文書番号3の文書)には機密性2情報の指定等がされていないことは原告が指摘するとおりである。しかしながら,情報公開法に基づく開示請求の対象となった行政文書の開示の可否についての判断と,統一基準に基づいて機密性情報の指定等をすることの要否についての判断とは,その目的や性格を異にするものであるから,文書番号1ないし3の各文書に原告が指摘するような機密性3情報の指定等がされていないからといって,そのことから直ちに不開示部分1ないし3が情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当しないことを示す事情であるとはいえない。そして,不開示部分1ないし3を公にすることによって,我が国の安全を害するおそれや,他国等との交渉上不利益を被るおそれがあると判断した本件決定における内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるものとは認められないことは,既に説示したとおりである。 上記④の点については,本件当初決定の段階や本件訴訟の初期の段階において,不開示部分1ないし3が情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当する旨の処分理由の摘示や被告による主張がされていなかったことは原告が指摘するとおりである。もっとも,情報公開法に基づく開示請求の対象文書の中に同条各号所定の複数の不開示情報に該当し得る情報が記録されている場合において,開示するか否かの判断を行う処分行政庁がその全ての不開示情報該当性を判断し,その理由を明らかにしなければならないとする情報公開法その他の法令の定めは存在しない。 したがって,特定秘密保護法の成立などの本件当 か否かの判断を行う処分行政庁がその全ての不開示情報該当性を判断し,その理由を明らかにしなければならないとする情報公開法その他の法令の定めは存在しない。 したがって,特定秘密保護法の成立などの本件当初決定後に生じた事情の変化を踏まえて,被告が,不開示部分1ないし3を不開示とする理由として情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当する旨の理由を挙げるに至ったからといって,そのことをもって,不開示部分1ないし3が同号所定の不開示情報に該当しないことを示す事情であるということはできない。 (エ) 以上によれば,不開示部分1ないし3を公にすると,情報公開法5条3号が定める「国の安全が害されるおそれ」や「他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,内閣情報官がした判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。 したがって,不開示部分1ないし3は,同号所定の不開示情報に該当する。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分1ないし3を開示しなかった部分は適法である。 (2) 不開示部分4及び6についてア各不開示部分の記載内容について前記前提事実(5)ア及び証拠(乙77,78)によれば,①不開示部分4及び6は,特定秘密保護法案の立案過程において,我が国の主権の維持及び安全保障に関する考え方を明らかにするため外務省が作成した『問 「我が国の主権の維持及び安全保障」について』と題する文書(文書番号4及び6の各文書)の中にあること,②同文書の1項部分には,『「安全保障」及び「主権」の概念整理』という見出しの下に,「安全保障」及び「主権」の概念についての説明と,国会議員が提出した質問主意書に対する答弁の内容が参考と あること,②同文書の1項部分には,『「安全保障」及び「主権」の概念整理』という見出しの下に,「安全保障」及び「主権」の概念についての説明と,国会議員が提出した質問主意書に対する答弁の内容が参考として記載されていること,③不開示部分4及び6は,上記各文書の2項の中に存在しており,不開示部分の直後には,記載内容を補足するものとして「(参考)国会における発言」の見出しの下に,参議院の本会議の中で内閣総理大臣がした各答弁の内容が記載されていること,④上記の各答弁は,北方領土の問題や北朝鮮の拉致問題に関するものであり,いずれの答弁の中でも,北方領土問題や北朝鮮の拉致問題が我が国の主権に関わる最重要ないしは重大な問題であるとされていることが認められる。 これらの不開示部分4及び6が記録されている文書(文書番号4及び6の各文書)の性質や,不開示部分4及び6が記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,不開示部分4及び6には,被告が主張するとおり,我が国が現在抱えている外交上の懸案事項についての我が国政府の位置付けやその個別・具体的な事案の名称等が記載されているものと推認することができる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分4及び6を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分4及び6には,我が国が現在抱えている外交上の懸案事項についての位置付けやその個別・具体的な事案の名称等が記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障や他国等との信頼関係の確保に関する情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害されるおそれ とができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障や他国等との信頼関係の確保に関する情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害されるおそれや,他国等との信頼関係が損なわれるおそれのある情報であると認められる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号に基づき不開示とされたことを争う原告において,不開示部分4及び6を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①不開示部分4が記録されている文書(文書番号4の文書)は外務省,不開示部分6が記録されている文書(文書番号6の文書)は内閣情報調査室という政府機関の情報セキュリティ対策の中心となる省庁が作成したものであるにもかかわらず,両文書は機密性2情報の指定すらされておらず,取扱制限の指定もされていないところ,このことは両文書に情報公開法5条3号所定の不開示情報が記録されていないことを示すものであること,②我が国の主権に関係する個別・具体的な懸案事項は常に報道の対象とされているところ,不開示部分4及び6は,特定秘密保護法案の法案化作業の過程で作成された参考資料に記録されている情報にとどまるから,その内容に,同号所定のおそれを生じさせるほどの具体性や非公知性があるとは考え難いこと,③本件当初決定がされた時点では,不開示部分4及び6は,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由に不開示とはされていなかったことなどを指摘し,同号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分4及び6を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨 示とはされていなかったことなどを指摘し,同号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分4及び6を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 (ウ) しかしながら,上記①の点については,情報公開法に基づく開示請求がされた場合において,同請求の対象とされた行政文書を開示することの可否についての判断と,機密性情報の指定等をすることの要否についての判断は,その目的や性質を異にするものであり,機密性情報の指定等がされていない文書に記録されていることから直ちに情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当しないものとはいえないことは既に説示したとおりである。そして,前記(ア)で認定・説示した不開示部分4及び6に記載されているものと推認される内容に照らすと,不開示部分4及び6が開示された場合には,我が国の安全保障や外交上の懸案事項が明らかになり,その結果,これらの問題に直接・間接に関わる外国等に対して無用な不信感や疑念を抱かせて信頼関係を損ない,ひいては,我が国の安全が損なわれるおそれがあるものということができる。したがって,これらのおそれがあることに鑑みて,不開示部分4及び6を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとは認められない。 上記②の点については,我が国の主権に係る個別・具体的な懸案事項に関する政府としての考え方は,常に報道の対象とされているということはできない。また,仮に,不開示部分4及び6に記載されている個別・具体的な事案の中に,既に報道の対象とされたものがあるとしても,前記アで認定したとおり,不開示部分4及び6は,我が国の安全保障に係る事務をつかさどる外務省が我が国の主権の維持及び安全保障についての概念を整理するために 既に報道の対象とされたものがあるとしても,前記アで認定したとおり,不開示部分4及び6は,我が国の安全保障に係る事務をつかさどる外務省が我が国の主権の維持及び安全保障についての概念を整理するために作成した文書の中に記載されているものであるから,これらの情報が公にされた場合には,我が国が直面している懸案事項のうち,我が国の政府がどの問題を重視しており,これらの課題に対してどのような方針を有しているかが明らかになるところ,これらの事項が既に報道で明らかになっているとは考え難い。したがって,不開示部分4及び6に情報公開法5条3号所定のおそれを肯定することができるほどに具体性や非公知性があるとはいえないという原告の上記主張は採用することができない。 上記③の点については,本件当初決定の時点で,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することが不開示の理由とされていなかったことをもって,不開示部分4及び6が同号所定の不開示情報に該当することを否定する事情であるといえないことは,不開示部分1ないし3について説示したところと同様である。 (エ) 以上によれば,不開示部分4及び6を公にすると,情報公開法5条3号が定める「国の安全が害されるおそれ」や「他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。したがって,不開示部分4及び6には同号所定の不開示情報が記録されているということができる。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分4及び6を開示しなかった部分は適法である。 (3) 不開示部分5及び7についてア各不開示部分の記載内容について前記前提事実(5) 。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分4及び6を開示しなかった部分は適法である。 (3) 不開示部分5及び7についてア各不開示部分の記載内容について前記前提事実(5)ア及び証拠(乙77,78)並びに弁論の全趣旨によれば,①不開示部分5及び7は,特定秘密保護法案の法案化作業の過程において,国際約束に基づき保護を必要とする情報(外国政府又は国際機関から受領した情報であって,当該情報を提供する外国政府又は国際機関との間で締結している国際約束に基づき保護を必要とする情報)を特定秘密保護法案の秘密の範囲に含ませる必要があることを明らかにする目的で外務省が作成した『問「国際約束に基づき,保護を必要とする情報」について』と題する文書の中にあること,②同文書では,1項部分に,「国際約束に基づき,保護を必要とする情報」の対象とすべき情報の範囲が記載され,2項部分に,国際約束に基づき保護を必要とする情報を特定秘密保護法案が定める特定秘密の対象に含めることの必要性に関する外務省の意見が記載されていること,③不開示部分5及び7は,「特別秘密の対象を我が国の主権の維持及び安全保障に関するものに限定しており,外国政府等から受領した情報であって,国際約束上我が国として保護を必要とする情報を,必ずしも対象として読み込めない」という本文の記載を補足するために置かれた脚注の中に記載されていることが認められる。 これらの不開示部分5及び7の情報が記録されている文書(文書番号5及び7の各文書)の性質や,不開示部分5及び7が記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,不開示部分5及び7には,被告が主張するとおり,国際約束に基づき外国政府又は国際機関から受領した情報であって,外務省において,特定秘密保護法案において特定秘密の対象に含ませるべき 文脈等に鑑みると,不開示部分5及び7には,被告が主張するとおり,国際約束に基づき外国政府又は国際機関から受領した情報であって,外務省において,特定秘密保護法案において特定秘密の対象に含ませるべきであると考えられる事項についての例示及びそれに対する安全保障上の評価等が記載されているものと推認することができる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分5及び7を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分5及び7には,国際約束に基づき外国政府又は国際機関から受領した情報であって,外務省において,特定秘密保護法案において特定秘密の対象に含ませるべきであると考えられる事項についての例示及びそれに対する安全保障上の評価等が記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障の確保に関する情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に,我が国の安全が害されるおそれのある情報であると認められる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号に基づき不開示とされたことを争う原告において,不開示部分5及び7を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①被告の主張を前提としても,不開示部分5及び7に記録されている情報は,特別秘密に含めるべき事項の例示及びその例示に対する安全保障上の評価にすぎず,同評価が明らかにされることにどのような不都合があるのか明らかではないこと,②不開示部分5が記録されている文 いる情報は,特別秘密に含めるべき事項の例示及びその例示に対する安全保障上の評価にすぎず,同評価が明らかにされることにどのような不都合があるのか明らかではないこと,②不開示部分5が記録されている文書(文書番号5の文書)は外務省,不開示部分7が記録されている文書(文書番号7の文書)は内閣情報調査室という政府機関の情報セキュリティ対策の中心となる省庁が作成しているにもかかわらず,機密性2情報ですらなく取扱制限もされていないこと,③本件当初決定がされた時点では,不開示部分5及び7は情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当するとはされていなかったことなどを指摘し,同号所定の不開示情報に当たることを理由として不開示部分5及び7を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 (ウ) しかしながら,上記①の点については,不開示部分5及び7を開示して外国等から収集した情報に対する我が国の評価を公にすることは,当該情報を提供した外国等との信頼関係を害することは明らかであり,また,例示された事項についての我が国の方針が明らかになることにより,当該外国との交渉上不利益を被るおそれもあるということができ,このことは,不開示部分5及び7に記載されている内容が例示であることによって左右されるものではない。なお,原告は,既に開示された文書の中に,具体的な国名や実際に発生している問題及びそれらに対する政府の考え方や評価を交えた記載がされているところ,これらの情報が開示されたことにより他国との交渉上不利益を被るといった支障が生じた事実は一切指摘されていないことも指摘するけれども,不開示部分5及び7の内容が原告が引用する文書の内容と同一であることを推認させる事情は存在しないから,原告の上記主張はその前提を欠き, 支障が生じた事実は一切指摘されていないことも指摘するけれども,不開示部分5及び7の内容が原告が引用する文書の内容と同一であることを推認させる事情は存在しないから,原告の上記主張はその前提を欠き,採用することができない。 上記②の点については,機密性情報の指定等がされていないことから直ちに,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当しないものとはいえないことは既に説示したとおりである。 上記③の点については,本件当初決定の時点で情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示とされていなかったことをもって,不開示部分5及び7が同号所定の不開示情報に該当しないものということができないことは不開示部分1ないし3について説示したところと同様である。 (エ) 以上によれば,不開示部分5及び7を公にすると,情報公開法5条3号が定める「国の安全が害されるおそれ」や「他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。したがって,不開示部分5及び7には同号所定の不開示情報が記録されているということができる。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分5及び7を開示しなかった部分は適法である。 (4) 不開示部分8の不開示情報についてア不開示情報の内容について(ア) 前記前提事実(5)ア及び証拠(乙79)並びに弁論の全趣旨によれば,①不開示部分8は,「刑事裁判手続における特別秘密(に類する秘密)の立証方法について,諸外国の事例を把握されているのであれば教示されたい」という警察庁の質問への回答として内閣情報調査室が送付した資料である文書番号8の 刑事裁判手続における特別秘密(に類する秘密)の立証方法について,諸外国の事例を把握されているのであれば教示されたい」という警察庁の質問への回答として内閣情報調査室が送付した資料である文書番号8の文書の中に存すること,②同資料は,諸外国における秘密保護法違反事件の刑事司法手続における秘密保護制度につき,我が国の在外公館の駐在官がイギリス,ドイツ,フランス及びアメリカの行政機関の担当者等から聴取した事項を内閣情報調査室がまとめたものであること,③同資料のうち既に開示された不開示部分8以外の部分には,上記各国の秘密保護制度に関する法律の条文や法律の概要などの客観的な情報が記載されていること,④文書番号8の文書の右上には「取扱注意」の文言が記載されていることが認められる。 これらの文書番号8の文書の性質や不開示部分8が記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,不開示部分8には,被告が主張するとおり,上記各国の秘密保護制度に関して,㋐聴取した相手国担当官の経験に基づく実例等の公にされていない情報や,㋑聴取した相手国担当官が自国の制度についての問題点を指摘し,我が国が新たに制度を設計する際に留意すべきであると考える事項が記載されているものと推認することができる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分8を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分8には,イギリス,ドイツ,フランス及びアメリカの秘密保護制度に関して,㋐我が国の在外公館の担当者が聴取した相手国の担当官の経験に基づく実例等の公にされていない情報や,㋑聴取した相手国の担当官が自国の制度についての問題点を指摘し,我が国が制度を設計する際 度に関して,㋐我が国の在外公館の担当者が聴取した相手国の担当官の経験に基づく実例等の公にされていない情報や,㋑聴取した相手国の担当官が自国の制度についての問題点を指摘し,我が国が制度を設計する際に留意すべきであると考える事項が記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の在外公館の担当者と被聴取者である4か国の行政機関の担当者との間に存する信頼関係に基づく情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,公にすることにより他国等との信頼関係が損なわれるおそれのある情報であると認められる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号に基づき不開示とされたことを争う原告において,不開示部分8を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①不開示部分8が記録されている文書(文書番号8の文書)には機密性情報の指定等がされておらず,「取扱注意」の記載がされているのみであるところ,このことは,同文書が情報公開法5条3号の不開示情報に該当しないことを示すものであること,②不開示部分8に記載されている情報を提供した相手国の担当官は,我が国の情報公開制度によって公開される可能性があることを当然に予想していたものと考えられること,③被告は,相手国の担当者から聴取を行った在外公館の担当者に対し,不開示部分8を開示することの可否について確認せずに本件決定をしていること,④不開示部分8と同様の内容が記載されている有識者会議報告書の資料は既に開示されていることなどを指摘し,同号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分8を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判 8と同様の内容が記載されている有識者会議報告書の資料は既に開示されていることなどを指摘し,同号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分8を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,機密性情報の指定等がされていないことから直ちに,情報公開法5条3号所定の不開示情報該当性が否定されるものではないことは既に説示したとおりである。そして,政府の政策判断が適切に行われるためには,諸外国との間での相互の信頼関係に基づいた情報交換を進めることが重要であると考えられるところ,在外公館の担当者が相手国の担当者から聴取した率直な意見をそのままの形で公開した場合には,在外公館の担当者が調査した事項の秘密保持に関する他国等からの信頼を失い,同担当者による情報収集活動に支障が出るおそれがあることは明らかである。特に,不開示部分8には各国の秘密保護制度につき担当官が問題があると考えている点などが記載されているというのであるから,それを公にすることにより,当該国からの信頼を失うおそれがあるということができる。したがって,このようなおそれがあることに鑑みて,不開示部分8を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとは認められない。 上記②の点については,相手国の制度を所管する担当者が同国の秘密保護法制について問題があるものと考えていることが公になることにより,同制度の性格上,当該相手国において政治上・社会上の混乱を引き起こすおそれがあることは明らかであるから,不開示部分8について,我が国の国内で公開されることを聴取先の担当者が暗黙のうちに了解していたとは考え難い。 上記③の点については,既に説示した文書番号8 起こすおそれがあることは明らかであるから,不開示部分8について,我が国の国内で公開されることを聴取先の担当者が暗黙のうちに了解していたとは考え難い。 上記③の点については,既に説示した文書番号8の文書の性格や,前記(ア)で認定・説示した不開示部分8に記載されているものと推認される内容に鑑みると,同文書は当初から公開が予定されていなかった文書であるということができる上,在外公館の担当者が聴取した事項は一般に秘密を保持すべき性格のものであると考えられることによれば,本件決定の際に,情報公開法に基づく開示の可否について,不開示部分8に記載された情報を聴取した担当官等に確認していないことをもって,情報公開法5条3号所定の「相当の理由」を欠くものであるとまでいうことはできない。 上記④の点については,弁論の全趣旨によれば,原告が指摘する有識者会議報告書の添付資料は,当初から公開されることを前提として作成されたものであるのに対し,文書番号8の文書は部内用の検討用の資料として作成されたものであることが認められるから,両文書を同列に論じることはできないというべきであるし,前記(ア)で認定・説示した不開示部分8に記載されているものと推認される内容に鑑みると,原告が指摘する文書に記載されている内容と不開示部分8に記載されている内容とは異なるということができるから,原告が指摘する点をもって,不開示部分8を開示しなかった本件決定における内閣情報官の判断が裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるということはできない。 (ウ) 以上によれば,不開示部分8を公にすると,情報公開法5条3号が定める「他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれる」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断 と,情報公開法5条3号が定める「他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれる」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には,同号所定の相当の理由があるものと認められる。したがって,不開示部分8には同号所定の不開示情報が記録されているということができる。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分8を開示しなかった部分は適法である。 (5) 不開示部分9,11,14-2及び15についてア各不開示部分の記載内容について(ア) 前記前提事実(5)ア及び証拠(乙80,82)並びに弁論の全趣旨によれば,①不開示部分9は,防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が内閣情報調査室の職員に送付したメールの添付文書の中にあること,②同添付文書には,内閣情報調査室が平成23年12月1日に内閣法制局に持ち込んだ特別秘密保護法案の条文案に対する防衛省の意見等が記載されており,不開示部分9は,条文案8条1項に対する意見等が記載されていること,③不開示部分11が記録されている文書(文書番号11の文書)は,上記②の意見等に対する内閣情報調査室の回答を記載したものであること,④不開示部分11には,防衛省がした条文案8条1項の意見等に回答する前提として,防衛省の意見等が記載されており,不開示部分9と不開示部分11の内容は同一のものであることが認められる。 次に,前記前提事実(5)ア及び証拠(乙85)によれば,①不開示部分14-2は,防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員と内閣情報調査室の職員とが平成24年1月18日にした特定秘密保護法案に関する協議の概要が記載された文書の中にあること,②同文書には,㋐総論として防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が述べた と内閣情報調査室の職員とが平成24年1月18日にした特定秘密保護法案に関する協議の概要が記載された文書の中にあること,②同文書には,㋐総論として防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が述べた内容が記載されているほか,㋑特定秘密保護法案の中で定められる調査票の記載内容,同法案が成立した場合に想定される施行期日,適性評価を行う場合の代替措置等に関してされた協議の結果が記載されており,このうち,不開示部分14-2(6箇所)は,調査票,施行期日及び代替措置に関する協議結果の中に存することが認められる。 さらに,前記前提事実(5)ア及び証拠(乙86)によれば,①不開示部分15は,防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が内閣情報調査室の職員に送付したメールの添付文書の中にあること,②同添付文書は,防衛省がした意見等に対する内閣情報調査室の回答を踏まえて,特別秘密の保護に関する法律案の適性評価に関係する部分についての意見等が記載されており,このうち,不開示部分15は,調査票に関する意見等の一部であること,③不開示部分15の直前には,特定秘密保護法案が成立した場合には,防衛省が行っている防衛秘密制度は同法に取り込まれることになるため,特別秘密の取扱者については,新法における適性評価を行うことになる旨の記載があること,④他方,不開示部分15の直後には,防衛秘密等の取扱者に対する適性評価の調査項目を定めるに当たっては,従前,防衛省訓令に基づく調査項目として定めたものを引き続き定めるよう検討を求める旨が記載されていることが認められる。 (イ) これらの不開示部分9,11,14-2及び15が記録されている各文書(文書番号9,11,14及び15の各文書)の性質や,これらの不開示情報が記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,これらの部分に れらの不開示部分9,11,14-2及び15が記録されている各文書(文書番号9,11,14及び15の各文書)の性質や,これらの不開示情報が記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,これらの部分には,被告が主張するとおり,本件決定の時点で現に行われていた秘密取扱者適格性確認制度の具体的な内容が記載されているものと認められる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分9,11,14-2及び15を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分9,11,14-2及び15には,本件決定がされた時点で現に行われていた秘密取扱者適格性確認制度の具体的な調査手続の流れや調査の手法,考え方,代替措置等が記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障の確保に関する情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害されるおそれのある情報であると認められる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号所定に基づいて不開示とされたことを争う原告において,これらの情報を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①不開示部分9及び15が記録されている各文書(文書番号9及び15の各文書)は防衛省,不開示部分11及び14-2が記録されている各文書(文書番号11及び14の各文書)は内閣情報調査室という政府機関の情報セキュリティ対策の中心となる省庁が作成しているにもかかわらず,機密性情報の指定や取扱 部分11及び14-2が記録されている各文書(文書番号11及び14の各文書)は内閣情報調査室という政府機関の情報セキュリティ対策の中心となる省庁が作成しているにもかかわらず,機密性情報の指定や取扱制限の指定はされていないところ,このことは,これらの情報が開示されても,我が国の安全が害されるおそれがないことを防衛省や内閣情報調査室が認めていたことを示していること,②特定秘密保護法の施行により,同法に基づく適性調査制度が行われるようになったところ,同制度の内容は公表されていることによれば,旧制度にすぎない秘密取扱者適格性確認制度に関する情報を不開示とする必要はないこと,③被告は,外国からの攻撃を殊更強調して不開示を正当化しようとしているものにすぎず,危機をいたずらにあおることで国民の意見を封殺しようとする現政権の政治的姿勢の宣言以外の何者でもないことなどを指摘し,情報公開法5条3号所定の不開示情報に当たることを理由として不開示部分9,11,14-2及び15を開示しなかった内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,機密性情報の指定等がされていないことをもって,情報公開法5条3号所定の不開示情報に当たらないということができないことは既に説示したとおりである。そして,不開示部分9,11,14-2及び15が公にされることにより,本件決定の時点で現に行われていた秘密取扱者適格性確認制度において我が国がどのような調査を行っているかが具体的に明らかとなる結果,それを基にして他国機関等から対抗・妨害措置が講じられるおそれがあることは明らかである。さらに,不開示部分14-2や15が記録されている文書(文書番号14及び15の各文書)には,秘密保全法制に関する内閣情報調査室と防衛省の協議の ・妨害措置が講じられるおそれがあることは明らかである。さらに,不開示部分14-2や15が記録されている文書(文書番号14及び15の各文書)には,秘密保全法制に関する内閣情報調査室と防衛省の協議の概要が記載されているものと推認することができるところ,不開示部分14-2や15には,特定秘密保護法の下で実施される適性評価制度と内閣情報調査室及び防衛省が実施している現行の秘密取扱者適格性確認制度とを比較した発言が記載されているものと推認することができるから,これらの部分が公にされると,政府全体の情報保全態勢・能力等が推察されるなどして,各行政機関の職員から不正に情報を入手しようとする他国機関等による情報収集活動を容易ならしめ,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や,現行の対策内容に応じた攻撃手法の実行等情報漏えいの危険性を高める事態を招き,我が国の安全が害されるおそれがあるということができる。 上記②の点については,前記前提事実(4)エのとおり,本件当初決定の内容を変更する旨の行政文書変更開示等決定が最後にされたのは平成26年8月20日であるから,不開示部分9,11,14-2及び15を開示しなかった本件決定の適否については,同日を基準として判断すべきことになるところ,特定秘密保護法が施行されたのは同日よりも後の同年12月10日であるから,秘密取扱者適格性確認制度が旧制度にとどまることを前提とする原告の主張は,その前提を欠き失当である。 上記③の点については,原告が指摘するような事情をもって,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分9,11,14-2及び15を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付けるものということはできない。 (ウ) 以上によれば,不開示部分9, として不開示部分9,11,14-2及び15を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付けるものということはできない。 (ウ) 以上によれば,不開示部分9,11,14-2及び15を公にすると,情報公開法5条3号が定める「国の安全が害されるおそれ」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。したがって,不開示部分9,11,14-2及び15には同号所定の不開示情報が記録されているということができる。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分9,11,14-2及び15を開示しなかった部分は適法である。 (6) 不開示部分10,12及び13の不開示情報についてア各不開示部分の記載内容について(ア) 前記前提事実(5)ア及び証拠(乙81,83,84)並びに弁論の全趣旨によれば,①不開示部分10及び12は,防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員が平成23年12月21日付けで内閣情報調査室に送付した文書の中にあること,②同文書には,内閣情報調査室が同月1日に内閣法制局に持ち込んだ特別秘密保護法案の条文案のうち指定権の調整に関する部分に対する意見等が記載されていること,③不開示部分10及び12は,条文案3条及び5条に対する意見等であり,その内容は同一であること,③不開示部分10及び12の直後には「このような経路(外交ルート)で伝達される文書であって,防衛に関する事項であり,防衛大臣が我が国の防衛上秘匿することが必要であると判断したものについて,外務大臣の意見が尊重されることにより特別秘密に指定できないようなことになると,防衛に関する秘密保全上の懸念が生じ得る。 り,防衛大臣が我が国の防衛上秘匿することが必要であると判断したものについて,外務大臣の意見が尊重されることにより特別秘密に指定できないようなことになると,防衛に関する秘密保全上の懸念が生じ得る。」との記載があること,④不開示部分13は,内閣情報調査室が防衛省防衛政策局調査課に対して送付した上記①の意見等に対する回答を記載した文書の中にあり,不開示部分13は上記③の意見等と同一の内容が記載されていることが認められる。 (イ) これらの不開示部分10,12及び13が記録されている各文書の内容や不開示部分10,12及び13が記載されている部分の直後の記載内容等に鑑みると,不開示部分10,12及び13には,被告が主張するとおり,防衛省における「防衛秘密」が含まれる情報の入手経路・伝達経路等の運用に関し,現に存在する情報入手・伝達の経路が個別に取り上げられ,当該経路に係る運用の実情が具体的に記載されているものと推認することができる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分10,12及び13を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分10,12及び13には,防衛省における「防衛秘密」が含まれる情報の入手経路・伝達経路等の運用に関し,現に存在する情報入手・伝達の経路が個別に取り上げられ,当該経路に係る運用の実情が具体的に記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障の確保に関する情報であるということができ,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害されるおそれや,他国等との交渉上不利益を被るおそれのある情報であると認められる。したがって,前記 関する情報であるということができ,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害されるおそれや,他国等との交渉上不利益を被るおそれのある情報であると認められる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号に基づいて不開示とされたことを争う原告において,不開示部分10,12及び13を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①不開示部分10が記録されている文書(文書番号10の文書)は防衛省,不開示部分12及び13が記録されている各文書(文書番号12及び13の各文書)は内閣情報調査室という政府機関の情報セキュリティ対策の中心となる省庁が作成しているにもかかわらず,これらの各文書には機密性情報の指定や取扱制限の指定がされていないところ,このことは,これらの情報が開示されても,我が国の安全が害されるおそれがないことを防衛省や内閣情報調査室が認めていたことを示すものであること,②防衛秘密が含まれる情報の入手経路や伝達経路の運用に関する内容は,特定秘密保護法の別表第2号の基準を定めた運用基準の中にも記載されているから,「防衛秘密が含まれる情報の入手経路・伝達経路等の運用に関する内容が記載されている」と主張しても情報公開法5条3号が定める「相当の理由」を主張したことにはならないことなどを指摘し,同号所定の不開示情報に当たることを理由として不開示部分10,12及び13を開示しなかった内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,機密性2情報の指定等がされていないことをもって情報公開法5条3号所定の不開示情報に当たらな 閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,機密性2情報の指定等がされていないことをもって情報公開法5条3号所定の不開示情報に当たらないということができないことは既に説示したとおりである。そして,既に認定したとおり,不開示部分10,12及び13には,防衛省における「防衛秘密」を含む情報の入手経路や伝達経路等の運用に関し,現に存在する情報入手・伝達の経路が個別に取り上げられ,当該経路に係る運用の実情が具体的に記載されているものと推認することができるところ,これらの情報が公にされることにより,上記記載に係る防衛秘密の個別の伝達経路等に接近するなどして防衛省の職員から不正に防衛秘密の情報を入手しようとする他国機関等による情報収集活動を容易ならしめ,我が国の情報保全対策に対する妨害行為や現行の対策内容に応じた攻撃手法の実行等,情報漏えいの危険性を高める事態を招くとともに,我が国の安全保障に関する防衛秘密が含まれる情報を入手する際に他国機関等による妨害行為等が行われ,これらの情報を他国から入手することが困難になるなど,我が国の安全が害されるおそれがあるということができる。 上記②の点については,特定秘密保護法の別表第2号の基準を定めた運用基準の中にも記載されていることは,情報公開法5条3号所定のおそれを否定する事情には当たらないことは明らかである。 (ウ) 以上によれば,不開示部分10,12及び13を公にすると,情報公開法5条3号が定める「国の安全が害されるおそれ」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。したがって,不開示部分10,12及び13には 閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。したがって,不開示部分10,12及び13には同号所定の不開示情報が記録されているということができる。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分10,12及び13を開示しなかった部分は適法である。 (7) 不開示部分14-1の不開示情報についてア不開示部分の記載内容について(ア) 前記前提事実(5)ア及び証拠(乙85)によれば,①不開示部分14-1は,防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室の職員と内閣情報調査室の職員が平成24年1月18日にした協議の概要が記載された文書の中にあること,②同文書の「概要」欄には,㋐総論として防衛省の職員が述べた内容のほか,㋑調査票,施行期日及び代替措置に関する協議の結果がまとめられており,このうち,不開示部分14-1は,防衛省の職員がした発言であること,③不開示部分14-1の直前には,防衛省の職員の発言として,「防衛省としては,以下の基本的な問題意識をもって本法制の検討に臨んでいる」などの記載があることが認められる。 (イ) これらの不開示部分14-1が記録されている文書の性質や,同部分が記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,同部分には,被告が主張するとおり,情報保全についての他国との意見交換に関する我が国の方針・問題意識が記載されているものと推認することができる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分14-1を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分14-1には,情報保全について ち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分14-1を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分14-1には,情報保全についての他国との意見交換に関する我が国の方針・問題意識が記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障や他国等との交渉に関する情報であるということができ,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に我が国の安全が害されるおそれや,他国等との交渉上不利益を被るおそれのある情報であることが認められる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号所定に基づいて不開示とされたことを争う原告において,これらの情報を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①不開示部分14-1が記録されている文書(文書番号14の文書)は内閣情報調査室が作成したものであるから,被告が主張するような「情報保全についての他国との意見交換に関する我が国の方針・問題意識」が不開示部分14-1に記録されているのであれば,機密性3情報としての格付や取扱いの制限をすべきであるところ,機密性3情報はおろか,機密性2情報にも指定されておらず,取扱いの制限もされていない,②不開示部分14-1は僅か2行の文章であるところ,その中に,「他国との意見交換に関する我が国の方針,問題意識」といった具体的な情報が記載されているという主張は疑わしいことなどを指摘し,同号所定の不開示情報に当たることを理由として不開示部分14-1を開示しなかった内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 しかし という主張は疑わしいことなどを指摘し,同号所定の不開示情報に当たることを理由として不開示部分14-1を開示しなかった内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,機密性2情報の指定等がされていないことをもって,情報公開法5条3号所定の不開示情報に当たらないということができないことは既に説示したとおりである。そして,不開示部分14-1には,情報保全についての他国との意見交換に関する我が国の方針・問題意識が記載されており,当該情報が公にされることにより,当該国との相互の信頼に基づき保たれている正常な関係に支障を及ぼすおそれがあるものということができる。 また,上記②の点については,原告が指摘する点をもって,情報保全についての他国との意見交換に関する我が国の方針・問題意識が記載されているという被告の主張を疑わせるに足りる事情であるとはいえない。 (ウ) 以上によれば,不開示部分14-1を公にすると,情報公開法5条3号が定める「国の安全が害されるおそれ」や「他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。したがって,不開示部分14-1には同号所定の不開示情報が記録されているということができる。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分14-1を開示しなかった部分は適法である。 (8) 不開示部分16の不開示情報についてア不開示部分の記載内容について(ア) 前記前提事実(5)ア及び証拠(乙87)によれば,①不開示部分16は,外務省情報防護対策室が平成24年2月22日付けで作成した『「国際 開示情報についてア不開示部分の記載内容について(ア) 前記前提事実(5)ア及び証拠(乙87)によれば,①不開示部分16は,外務省情報防護対策室が平成24年2月22日付けで作成した『「国際約束」に関する規定を法案に盛り込むことの必要性』と題する文書の中にあること,②同文書には,特別秘密の保護に関する法律案の中に,外国政府等から提供される当該外国政府等の安全保障等に関する事項であって,我が国が当該外国政府等との間で締結した国際約束に従い保護を必要とする情報につき,特別秘密に指定し得るような規定を設けることについての意見が記載されており,不開示部分16は6項の部分であること,③不開示部分16の直前の部分(5項)には,外国政府等から提供される当該外国政府等の安全保障等に関する情報であって,国際約束に従い保護を必要とするものについては,我が国として厳重に保護することが必要であり,特定秘密保護法案の別表第1号から第3号までに該当しない事項であっても,そのような情報を特定秘密に指定し得るような規定を置く必要がある旨の記載があること,④不開示部分16の直後には,情報保護協定の意味や我が国が締結済みの情報保護協定及びその保護の対象について説明した脚注が存することが認められる。 (イ) これらの不開示部分16が記録されている文書の性質や不開示部分16の記載されている部分の前後の文脈等に鑑みると,不開示部分16には,被告が主張するとおり,情報保護協定等によって他国から提供される情報のうち,我が国の特定秘密に該当し得ると考えられる事項について,特定の国名を挙げた上での現実的に想定し得る事態の例示や,これらについての我が国政府の安全保障上の評価が記載されているものと推認することができる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次 名を挙げた上での現実的に想定し得る事態の例示や,これらについての我が国政府の安全保障上の評価が記載されているものと推認することができる。 イ法定の不開示情報該当性について(ア) そこで,次に,本件決定のうち,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当することを理由として不開示部分16を開示しなかった部分の適否について検討する。 上記アで認定したとおり,不開示部分16には,情報保護協定等によって他国から提供される情報のうち,我が国の特定秘密に該当し得ると考えられる事項について,特定の国名を挙げた上での現実的に想定し得る事態の例示や,これらについての我が国政府の安全保障上の評価が記載されているものと推認することができるところ,これらの情報は,我が国の安全保障や他国等との信頼関係の確保に関する情報であるということができるから,一般的・類型的にみて,当該情報が開示された場合に,我が国の安全を害するおそれや,他国等との信頼関係が損なわれるおそれのある情報であるということができる。したがって,前記1(2)で説示したとおり,情報公開法5条3号に基づいて不開示とされたことを争う原告において,これらの情報を開示しなかった内閣情報官の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があることを基礎付ける具体的事実について証明することを要するものというべきである。 (イ) この点について,原告は,①不開示部分16に外交上重要な情報が記載されているとすれば,文書を作成した外務省が機密性情報の指定等をしているものと考えられるところ,不開示部分16が記録されている文書(文書番号16の文書)には機密性2情報の指定すらされていないこと,②情報保護協定等によって他国から提供される情報のうち,我が国の特別秘密に該当するものと考えられる安全保障上の事項などは,特定秘密保 文書番号16の文書)には機密性2情報の指定すらされていないこと,②情報保護協定等によって他国から提供される情報のうち,我が国の特別秘密に該当するものと考えられる安全保障上の事項などは,特定秘密保護法が定める運用基準の中に具体的に記載されているし,被告の主張を前提としても,例示にすぎない情報を不開示とする理由はないことなどを指摘し,同号所定の不開示情報に当たることを理由として不開示部分16を開示しなかった内閣情報官の判断には裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,機密性情報の指定等がされていないことから直ちに情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当しないとはいえないことは既に説示したとおりである。そして,既に認定したとおり,不開示部分16には,情報保護協定等によって他国から提供される情報のうち,我が国の特別秘密に該当すると考えられる安全保障上の事項についての例示及び例示に対する安全保障上の評価等が記載されているところ,これらの情報は例示であるとはいっても,特定の国名や地域等が個別に取り上げられ,同国等との関係で生じ得る個別・具体的な事項を含む情報に対する我が国政府の安全保障上の評価が記載されているというのであるから,これらの情報が公にされることにより,個別・具体的な安全保障上の事項に対する我が国の考え方が明らかになり,当該明らかとなった考え方等との関係で,当該不開示部分に記載されている他国等との信頼関係が損なわれるおそれがあるということができる。 上記②の点については,上記のとおり,不開示部分16の中には,個別・具体的な事案に対する我が国政府の安全保障上の評価が記載されているというのであるから,特定秘密保護法の別表第2号の基準を定めた運用基準の中に記載されている内容とは性格が異なるこ 16の中には,個別・具体的な事案に対する我が国政府の安全保障上の評価が記載されているというのであるから,特定秘密保護法の別表第2号の基準を定めた運用基準の中に記載されている内容とは性格が異なることは明らかである。したがって,原告が指摘するような点をもって,情報公開法5条3号所定のおそれを否定する事情であるということはできない。 (ウ) 以上によれば,不開示部分16を公にすると,情報公開法5条3号が定める「国の安全が害されるおそれ」や「他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ」があると判断した内閣情報官の判断が社会通念上合理的なものとして許容される限度を超えたものということはできず,上記判断には同号所定の「相当の理由」があるものと認められる。 したがって,不開示部分16には同号所定の不開示情報が記録されているということができる。 ウ小括以上によれば,本件決定のうち,不開示部分16を開示しなかった部分は適法である。 4 まとめ以上に述べたところからすれば,本件各不開示情報について,これを公にすることにより,情報公開法5条3号所定のおそれがあると内閣情報官が判断したことをもって,その裁量権の範囲から逸脱し,又はこれを濫用したということはできない。したがって,本件各不開示情報は,いずれも,情報公開法5条3号所定の不開示情報に該当するということができるから,その余の点(本件各不開示情報の情報公開法5条6号所定の不開示情報該当性)について判断するまでもなく,本件決定のうち本件各不開示情報を不開示とした部分は適法であるというべきである。 第4 結論以上の次第で,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 である。 第4 結論以上の次第で,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部 裁判長裁判官市原義孝 裁判官富澤賢一郎 裁判官西脇真由子(別紙)文書目録 文書の標目不開示部分12011年8月15日午前10時37分送信に係る外務省大臣官房総務課職員作成の「RE:【照会】秘密保全法制に係る検討資料等の協議について」と題する文書乙74の5枚目末尾の(外交機密の分野)以下の黒塗り部分(不開示部分1)22011年8月19日午後5時40分送信に係る外務省大臣官房総務課職員作成の「秘密保全法制(秘の範囲)(外務省回答)」と題する文書乙75の5枚目末尾の(外交機密の分野)以下の黒塗り部分(不開示部分2)32011年9月29日午後8時58分送信に係る外務省大臣官房総務課職員作成の「秘密保全法制【安全保障】」と題する文書乙76の6枚目の「安全保障【未定稿】」内にある黒塗り部分(8箇所)(不開示部分3)42011年11月17日午後9時18分送信に係る外務省大臣官房総務課職員作成の「別表説明」の件名の文書乙77の2枚目及び3枚目の(参考2)中の黒塗り部分(不開示部分4) 乙77の5枚目及び6枚目の【注3】中の黒塗り部分(不開示部分5)6平成23年11月18日付けの「秘密保全法制法制局持込み資料」と題する文書乙78の2枚目及び3枚目の(参考2)中の黒塗り部 乙77の5枚目及び6枚目の【注3】中の黒塗り部分(不開示部分5)6平成23年11月18日付けの「秘密保全法制法制局持込み資料」と題する文書乙78の2枚目及び3枚目の(参考2)中の黒塗り部分(不開示部分6) 乙78の5枚目及び6枚目の【注3】中の黒塗り部分(不開示部分7)82011年11月22日午後8時39分送信に係る内閣官房内閣情報調査室送信に係る「警察庁からの質問に対する回答」と題する文書 乙79の8枚目ないし11枚目の「秘密保護法違反事件の刑事司法手続における秘密保護制度」中の黒塗り部分(7箇所)(不開示部分8)92011年12月5日午後2時2分送信に係る防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室職員作成の「【防衛省】法案に係る意見等提出について」と題する文書乙80の2枚目の「1 第8条第1項関係」中の黒塗り部分(不開示部分9)2011年12月21日午後8時15分送信に係る防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室職員送信に係る「【防衛省】法制に係る質問等について」と題する文書乙81の4枚目の「コ」中の黒塗り部分(不開示部分10) 11 2011年12月12日午後5時22分送信に係る内閣官房内閣情報調査室総務部職員送信に係る「秘密保全法制に係る質問等に対する回答について」と題する文書乙82の2枚目の「1 第8条第1項関係」中の黒塗り部分(不開示部分11) 12 「防衛省との協議結果メモ」と題する文書(平成23年12月27日午前10時30分から午後5時10分頃までの間,防衛省防衛政策局内で開催された協議の結果をまとめたもの)乙83の6枚目の「コ」中の黒塗り部分(不開示部分12) 13 2012年1月16日午後6時37分送信に係る内閣官房内閣情報調査室職員送信 策局内で開催された協議の結果をまとめたもの)乙83の6枚目の「コ」中の黒塗り部分(不開示部分12) 13 2012年1月16日午後6時37分送信に係る内閣官房内閣情報調査室職員送信に係る文書乙84の10枚目の「コ」中の黒塗り部分(不開示部分13) 14 「防衛省との協議概要(未定稿)」と題する文書(平成24年1月18日午後1時30分から午後3時30分までの間,内閣府内で開催された協議の結果をまとめたもの)乙85の1枚目の「5 概要(1)総論」中の黒塗り部分(不開示部分14-1) 乙85の1枚目及び2枚目の「(2) 調査票について」以下の黒塗り部分(6箇所)(不開示部分14-2)2012年2月7日午後9時19分送信に係る防衛省防衛政策局調査課情報保全企画室職員送信に係る文書 乙86の4枚目の「1 調査票について」中の黒塗り部分(不開示部分15) 16 2012年2月22日午後7時18分送信に係る外務省官乙87の3枚目の「6.」中の黒塗り部分房総務課防護室職員送信に係る「秘密保全法制:国際約束の必要性」と題する文書(不開示部分16) (別紙)関係法令の定め 1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(1) 2条1項この法律において「行政機関」とは,次に掲げる機関をいう。 1号法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(中略)及び内閣の所轄の下に置かれる機関2号~6号 (略)(2) 2条2項この法律において「行政文書」とは,行政機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画及び電磁的記録(中略)であって,当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして,当該行政機関が保有しているものをいう。(後略)(3) は,行政機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画及び電磁的記録(中略)であって,当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして,当該行政機関が保有しているものをいう。(後略)(3) 3条何人も,この法律の定めるところにより,行政機関の長(中略)に対し,当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。 (4) 4条1項前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は,次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を行政機関の長に提出してしなければならない。 1号開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名2号行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項(5) 5条行政機関の長は,開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならない。 1号・2号 (略)3号公にすることにより,国の安全が害されるおそれ,他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報4号・5号 (略)6号国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若 又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれロ契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,国,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれハ調査研究に係る事務に関し,その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれニ人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれホ独立行政法人等,地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれ(6) 6条1項行政機関の長は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において,不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求者に対し,当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない。 (7) 9条1項行政機関の長は,開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示するときは,その旨の決定をし,開示請求者に対し,その旨及び開示の実施に関し政令で定める事項を書面により通知しなければならない。 (8) 10条1項前条各項の決定(以下「開示決定等」という。)は,開示請求があった日から30日以内にしなければならない。ただし,第4条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては,当該補正に要した日数は,当該期間に算入しない。 2項前項の規定にかかわらず,行政機関の長は 0日以内にしなければならない。ただし,第4条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては,当該補正に要した日数は,当該期間に算入しない。 2項前項の規定にかかわらず,行政機関の長は,事務処理上の困難その他正当な理由があるときは,同項に規定する期間を30日以内に限り延長することができる。この場合において,行政機関の長は,開示請求者に対し,遅滞なく,延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。 (9) 11条開示請求に係る行政文書が著しく大量であるため,開示請求があった日から60日以内にそのすべてについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には,前条の規定にかかわらず,行政機関の長は,開示請求に係る行政文書のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし,残りの行政文書については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。この場合において,行政機関の長は,同条第1項に規定する期間内に,開示請求者に対し,次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。 1号本条を適用する旨及びその理由2号残りの行政文書について開示決定等をする期限 2 内閣法(1) 12条2項内閣官房は,次に掲げる事務をつかさどる。 1号 (略)2号内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務3号閣議に係る重要事項に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務4号行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務5号前3号に掲げるもののほか,行政各部の施策に関するその統一保持上必要な企画及び立案並びに総合調整に関する事務 策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務5号前3号に掲げるもののほか,行政各部の施策に関するその統一保持上必要な企画及び立案並びに総合調整に関する事務6号内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務7号~14号 (略)(2) 20条1項内閣官房に,内閣情報官1人を置く。 (3) 20条2項内閣情報官は,内閣官房長官,内閣官房副長官,内閣危機管理監及び内閣情報通信政策監を助け,第12条第2項第2号から第5号までに掲げる事務のうち特定秘密(特定秘密の保護に関する法律(中略)第3条第1項に規定する特定秘密をいう。)の保護に関するもの(内閣広報官の所掌に属するものを除く。)及び第12条第2項第6号に掲げる事務を掌理する。 3 特定秘密の保護に関する法律(1) 1条この法律は,国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに,高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で,我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ。)に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて,これを適確に保護する体制を確立した上で収集し,整理し,及び活用することが重要であることに鑑み,当該情報の保護に関し,特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより,その漏えいの防止を図り,もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。 (2) 3条1項行政機関の長(中略)は,当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって,公になっていないもののうち,その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与える する。 (2) 3条1項行政機関の長(中略)は,当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって,公になっていないもののうち,その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため,特に秘匿することが必要であるもの(中略)を特定秘密として指定するものとする。ただし,内閣総理大臣が第18条第2項に規定する者の意見を聴いて政令で定める行政機関の長については,この限りでない。 (3) 8条1項特定秘密を保有する行政機関の長は,その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために,適合事業者に当該特定秘密を利用させる特段の必要があると認めたときは,当該適合事業者との契約に基づき,当該適合事業者に当該特定秘密を提供することができる。ただし,当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているとき(当該特定秘密が,第6条第1項の規定により当該保有する行政機関の長から提供されたものである場合を除く。)は,当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。 (4) 別表一防衛に関する事項イ自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究ロ防衛に関し収集した電波情報,画像情報その他の重要な情報ハロに掲げる情報の収集整理又はその能力ニ防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究ホ武器,弾薬,航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量ヘ防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法ト防衛の用に供する暗号チ武器,弾薬,航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様,性能又は使用方法リ武器,弾薬,航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作,検査,修理又は 空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様,性能又は使用方法リ武器,弾薬,航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作,検査,修理又は試験の方法ヌ防衛の用に供する施設の設計,性能又は内部の用途(ヘに掲げるものを除く。)二外交に関する事項イ外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち,国民の生命及び身体の保護,領域の保全その他の安全保障に関する重要なものロ安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針(第一号イ若しくはニ,第三号イ又は第四号イに掲げるものを除く。)ハ安全保障に関し収集した国民の生命及び身体の保護,領域の保全若しくは国際社会の平和と安全に関する重要な情報又は条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報(第一号ロ,第三号ロ又は第四号ロに掲げるものを除く。)ニハに掲げる情報の収集整理又はその能力ホ外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号三特定有害活動の防止に関する事項イ特定有害活動による被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「特定有害活動の防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究ロ特定有害活動の防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報ハロに掲げる情報の収集整理又はその能力ニ特定有害活動の防止の用に供する暗号四テロリズムの防止に関する事項イテロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究ロテロリズムの防止に関し収集した国民の生命及び身体 テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究ロテロリズムの防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報ハロに掲げる情報の収集整理又はその能力ニテロリズムの防止の用に供する暗号 4 自衛隊法(平成25年法律第108号による改正前のもの)96条の2第1項(1) 1項防衛大臣は,自衛隊についての別表第4に掲げる事項であって,公になっていないもののうち,我が国の防衛上特に秘匿することが必要であるもの(日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法(中略)第1条第3項に規定する特別防衛秘密に該当するものを除く。)を防衛秘密として指定するものとする。 (2) 2項前項の規定による指定は,次の各号のいずれかに掲げる方法により行わなければならない。 1号政令で定めるところにより,前項に規定する事項を記録する文書,図画若しくは物件又は当該事項を化体する物件に標記を付すこと。 2号前項に規定する事項の性質上前号の規定によることが困難である場合において,政令で定めるところにより,当該事項が同項の規定の適用を受けることとなる旨を当該事項を取り扱う者に通知すること。 (3) 3項防衛大臣は,自衛隊の任務遂行上特段の必要がある場合に限り,国の行政機関の職員のうち防衛に関連する職務に従事する者又は防衛省との契約に基づき防衛秘密に係る物件の製造若しくは役務の提供を業とする者に,政令で定めるところにより,防衛秘密の取扱いの業務を行わせることができる。 (4) 4項防衛大臣は,第1項及び第2項に定めるもののほか,政令で定めるところにより,第 役務の提供を業とする者に,政令で定めるところにより,防衛秘密の取扱いの業務を行わせることができる。 (4) 4項防衛大臣は,第1項及び第2項に定めるもののほか,政令で定めるところにより,第1項に規定する事項の保護上必要な措置を講ずるものとする。 5 外務省設置法(1) 3条外務省は,平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ,国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図ることを任務とする。 (2) 4条外務省は,前条の任務を達成するため,次に掲げる事務をつかさどる。 1号次のイからニまでに掲げる事項その他の事項に係る外交政策に関すること。 イ日本国の安全保障ロ対外経済関係ハ経済協力ニ文化その他の分野における国際交流2号~6号 (略)7号国際情勢に関する情報の収集及び分析並びに外国及び国際機関等に関する調査に関すること。 8号~29号以上
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