【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人村上信金上告趣意は末尾添附の別紙記載のとおりである。 同第一点について。 原審第一回公判期日前である昭和二四年
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人村上信金上告趣意は末尾添附の別紙記載のとおりである。 同第一点について。 原審第一回公判期日前である昭和二四年一〇月一五日に原審弁護人村上信金から同人名義の同日附上申書と題する書面が原審裁判所に提出されていること及び原審裁判所においては右上申書の証拠調手続をしていないことは所論のとおりである、しかし右上申書なる書面全文を読めば右は被告人が検察官に対し恐喝の事実を自白するに至つた経緯を弁解し後日原審の公判廷において右経緯を立証し弁論しようとすることを予め裁判所に上申する趣旨の書面であつて、その後原審公判廷で裁判長が被告人弁護人に立証を促した際に同弁護人は証人としてA、B、Cの三名の喚問を申請している(右三名のうちB、Cは前記自白の経緯を立証する為め申請したものと解される)のに拘らず前記上申書については裁判所に対し証拠調手続をとられたい旨促した形跡も存しないところを見ると右上申書は特に証拠として提出されたものとは認められないしてみれば右上申書は舊刑訴第三四二条にいわゆる証拠書類とはいえないからこれについて証拠調の手続をしなかつたからといつて何等所論のような違法はない、論旨は理由がない。 同第二点について。 昭和二三年最高裁判所規則第三四号刑事訴訟規則施行規則(以下刑訴規則施行規則と略稱する)第三条第三号の規定は憲法第七七条に定める最高裁判所の権限の範囲内に属しかつ直接には刑訴施行法第一三条の委任によつて制定されたもので憲法第七七条に違反しないものであることは最高裁判所の判例である(昭和二四年(れ)第二一二七号同二五年一〇月二五日大法廷判決参照)しかして、法律が一定の規定- 1 -の制定を最高裁判所の規則に委任することは何ら憲法の禁ずるところでないこと 高裁判所の判例である(昭和二四年(れ)第二一二七号同二五年一〇月二五日大法廷判決参照)しかして、法律が一定の規定- 1 -の制定を最高裁判所の規則に委任することは何ら憲法の禁ずるところでないことは、前記大法廷判決の趣旨から容易にうかがわれるところであるからこの点に関する論旨も理由がない。又論旨は刑訴施行法第一三条は規則の制定方を最高裁判所だけに委任せず下級裁判所にも委任しているのは憲法第七七条第三項に違反すると主張する。しかし前記刑訴規則施行規則第三条第三号は最高裁判所の制定した規則であつて下級裁判所の制定したものでないのであるから所論は本件規則の効力に無関係であるのみならず刑訴施行法第一三條に「裁判所の規則の定めるところによる」とあるいわゆる「裁判所の規則」とは憲法により司法裁判所に制定権を認められた規則の意であつて最高裁判所が憲法第七七条第一項により自ら制定する規則及び最高裁判所の委任に基き下級裁判所の制定する規則を指すことは右刑訴施行法第一三条の解釈上当然である。次に舊刑訴第三五三条に違反して公判手続の更新をしないで裁判した原裁判所は憲法第七六条第三項に違反するとの所論も亦刑訴施行規則第三条第三号が違憲無効のものであることを前提とするものであるが右規則第三条第三号が違憲無効のものでない以上右の所論はその前提を欠くもので採用するを得ない論旨はいずれも理由がない。 よつて刑訴施行法第二条舊刑訴第四四六条に従つて主文のとおり判決する。 右は裁判官全員一致の意見である。 検察官十藏寺宗雄関与昭和二六年二月二三日最高裁判所第二小法廷裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝 第二小法廷裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎- 2 -裁判長裁判官塚崎直義は退官につき署名押印することができない。 裁判官霜山精一- 3 -
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