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平成10(行ウ)19 文書非公開処分取消請求事件

裁判所

平成11年5月26日 東京地方裁判所 情報公開

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22,965 文字

主文 一被告が原告に対し、平成九年一二月二五日付けでした食糧費調査一覧表、近接地外旅費調査一覧表、調査票(食糧費)及び調査票(旅費)の各文書を非公開とする旨の決定を取り消す。二訴訟費用は、被告の負担とする。事実及び理由 第一請求主文同旨第二事案の概要本件は、原告が東京都港区情報公開条例(平成二年港区条例第二号。以下「本件条例」という。)四条に基づき、食糧費等調査結果報告書に係る調査資料の公開を求めたところ、被告が、本件条例五条一項三号に定める非公開事由に該当することを理由として、右請求に係る各文書を非公開とする旨の決定(以下「本件決定」という。)をしたため、原告がこれを不服として、本件決定の取消しを求めているものである。一本件条例の定め 1 本件条例は、区政情報の公開を請求する区民の権利を明らかにするとともに、区政情報の公開等に関し必要な事項を定めることにより、区民の知る権利を保障し、公正で開かれた区政の進展、区民と区政との信頼関係の確保及び区民の区政への参加の促進を図り、もって地方自治の本旨に即した区政を推進することを目的とするものである(本件条例一条)。2 本件条例は、同条例において、実施機関とは、区長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員及び議会をいい、区政情報とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム等で、当該実施機関が管理しているものをいうものと定義し(本件条例二条)た上、実施機関の責務として、実施機関は、同条例の解釈及び運用に当たっては、情報の公開を請求する権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることがないように最大限の配慮をしなければならない旨規定している(同三条)。3 本件条例四条は、何人も、実施機関に対し区政情報の公 権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることがないように最大限の配慮をしなければならない旨規定している(同三条)。 施機関は、同条例の解釈及び運用に当たっては、情報の公開を請求する権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることがないように最大限の配慮をしなければならない旨規定している(同三条)。3 本件条例四条は、何人も、実施機関に対し区政情報の公 権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公開されることがないように最大限の配慮をしなければならない旨規定している(同三条)。3 本件条例四条は、何人も、実施機関に対し区政情報の公開を請求することができる旨規定し、また、本件条例五条一項は、実施機関は、公開の請求に係る区政情報に同項各号のいずれかに該当する情報が記録されているときは、当該区政情報の公開をしないことができる旨規定しており、同項三号は、区政執行に関する情報であって、次の(一)ないし(四)に掲げるものを、非公開とすることができる情報と定めている。(一) 入札予定価格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針等で、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるもの(同号イ)(二) 区の事務事業に係る意思形成過程における情報であって、公開することにより公正又は適正な意思決定を著しく妨げるおそれのあるもの(同号ロ)(三) 国又は他の地方公共団体等(以下「国等」という。)との間における協議、依頼、指示、要請又は委任等に基づいて作成し、又は取得した情報であって、公開することにより国等との協力関係を著しく損なうおそれのあるもの(同号ハ)(四) 公開することにより、犯罪等の発生を招くおそれのあるもの(同号ニ)二前提となる事実(以下の事実のうち、証拠等を掲記したもの以外は、当事者間に争いがない事実である。) 1 当事者等被告は、本件条例に基づく情報の公開の実施機関である(本件条例二条三号)。2 情報公開請求(一) 原告は、平成九年一二月一日、被告に対し、本件条例四条の規定に基づき「食糧費等調査結果報告書に係る調査資料等の一切の文書」の公開を請求した(この請求を以下「本件情報公開請求」という。)。(二) 原告 告は、平成九年一二月一日、被告に対し、本件条例四条の規定に基づき「食糧費等調査結果報告書に係る調査資料等の一切の文書」の公開を請求した(この請求を以下「本件情報公開請求」という。)。(二) 原告の右公開請求に係る文書は、①食糧費調査一覧表、②近接地外旅費調査一覧表、③調査票(食糧費)及び④調査票(旅費)の各文書(以下「本件各文書」といい、その書式はそれぞれ別紙一ないし四のとおりである。 二) 原告 告は、平成九年一二月一日、被告に対し、本件条例四条の規定に基づき「食糧費等調査結果報告書に係る調査資料等の一切の文書」の公開を請求した(この請求を以下「本件情報公開請求」という。)。(二) 原告の右公開請求に係る文書は、①食糧費調査一覧表、②近接地外旅費調査一覧表、③調査票(食糧費)及び④調査票(旅費)の各文書(以下「本件各文書」といい、その書式はそれぞれ別紙一ないし四のとおりである。)であるところ、被告は、原告に確認した上で、本件情報公開請求の対象文書を本件各文書と特定し、平成九年一二月二五日付けで、原告に対し、「公開することにより、区民に誤解や混乱を招くおそれがあり、公開した場合、区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるため(東京都港区情報公開条例第五条第一項第三号該当)」との理由により、本件各文書を非公開とし(本件決定)、同日付け九港企情第二三八号をもって、この旨を原告に対し通知した。3 港区食糧費等調査委員会による調査について(一) 東京都港区(以下「港区」という。)は、平成六年度及び平成七年度に支出した食糧費の一部に、不適正な会計処理がなされている事実が判明したことを契機に、食糧費及び旅費の支出に係る会計処理の適否について厳正に実態を調査することを目的に、平成九年四月一日、港区食糧費等調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置した。(二) 調査委員会は、全部局を対象に、平成五年度から平成八年度にかけて支出した食糧費(地方自治法施行規則一五条二項に定める歳出予算に係る節区分の一一「需用費」のうち「食糧費」に該当するもので、会議や懇談会の参加者の弁当代、式典における飲食費、各種団体の研修旅行や見学会の参加者の昼食代、来客接待用の茶菓子代、研修講師の弁当代等に要する経費に充てるもの。以下同じ。)については起案文 ので、会議や懇談会の参加者の弁当代、式典における飲食費、各種団体の研修旅行や見学会の参加者の昼食代、来客接待用の茶菓子代、研修講師の弁当代等に要する経費に充てるもの。以下同じ。)については起案文書に記載されている内容と実施内容とが相違していないかどうかについて、右各年度に支出した近接地外旅費(同法施行規則一五条二項に定める歳出予算に係る節区分の九「旅費」に該当するもので、東京都港区職員の旅費に関する条例一九条に基づき、近接地(東京都の特別区、東京都内の八王子市等を除く各市、神奈川県、千葉県、埼玉県内の近隣の市)の地域外に旅行するときに支給されるもの。 てるもの。以下同じ。)については起案文書に記載されている内容と実施内容とが相違していないかどうかについて、右各年度に支出した近接地外旅費(同法施行規則一五条二項に定める歳出予算に係る節区分の九「旅費」に該当するもので、東京都港区職員の旅費に関する条例一九条に基づき、近接地(東京都の特別区、東京都内の八王子市等を除く各市、神奈川県、千葉県、埼玉県内の近隣の市)の地域外に旅行するときに支給されるもの。以下同じ。)については、旅行命令簿による出張が適正に行われているか否かについて、以下のとおり調査を行った(この調査を以下「本件調査」という。乙一、六)。(1) 課を単位として、起案文書・旅行命令簿等の書類と実態との相違状況について、後記4(一)及び(二)記載のとおり支出命令書の件名ごとに課内で自己点検を行わせ、その結果を併せ記載した調査一覧表を、関係資料とともに提出させた。(2) 主管課から提出された調査一覧表を点検するとともに、支出命令書を基準とする件名全部について起案文書、契約書類、支出命令書、旅行命令簿、出張報告書、出勤簿等の調査関係資料との突き合わせ、確認作業を行った。(3) 主管課長から、調査一覧表の確認、自己点検結果の内容、調査委員会指摘事項についての説明及び実態の確認に関して支出命令書を基準とする件名全部について事情聴取を行った。その際、食糧費、近接地外旅費ともに、疑問のある件については、独自に再調査を行った。(4) 調査の裏付け資料とするため、食糧費については契約の相手方である各業者、旅費については各宿泊先に対し、調査票を発送し、文書による調査を行った(以下「本件関 ついては、独自に再調査を行った。(4) 調査の裏付け資料とするため、食糧費については契約の相手方である各業者、旅費については各宿泊先に対し、調査票を発送し、文書による調査を行った(以下「本件関係人調査」という。)。右調査においては、食糧費については、調査対象件数六一四七件のうち四〇九五件を対象として調査を行い、近接地外旅費については、調査対象五三四六件のうち主として旅行目的が視察であるものを対象に、概ね、五〇件に一件の割合で選定した一〇九件について調査を行った。右調査の結果、その適正さに疑問のある件については、さらに再調査を行った。(三) 調査委員会は、右調査を経たうえで、平成九年一〇月二九日、その調査結果について、「食糧費等調査結果報告書」(乙一)をまとめ、以下のとおり公表した。 対象として調査を行い、近接地外旅費については、調査対象五三四六件のうち主として旅行目的が視察であるものを対象に、概ね、五〇件に一件の割合で選定した一〇九件について調査を行った。右調査の結果、その適正さに疑問のある件については、さらに再調査を行った。(三) 調査委員会は、右調査を経たうえで、平成九年一〇月二九日、その調査結果について、「食糧費等調査結果報告書」(乙一)をまとめ、以下のとおり公表した。すなわち、食糧費については、評価項目のすべてが適正に処理されているもの三五五八件、評価項目の一部に軽度な不適正処理があるもの一九八九件、評価項目の一部に重大な不適正処理があるもの六〇〇件とし、近接地外旅費については、旅行命令簿どおりに旅行が実施されている適正なもの五一二一件、旅行命令簿と旅行内容に一部相違があるもの及び旅行命令簿による旅行の事実が確認できない不適正なもの二二五件とした、というものである。4 本件各文書の内容(一) 食糧費調査一覧表は、前記3(二)(1)記載のとおり、各課ごとに作成された書類であり、食糧費について支出命令書の執行日順に、支出命令書、起案文書及び前渡金清算書の記載内容を転記した一覧表であり、その書式は別紙一のとおりである。すなわち、本件調査において、各課ごとに、別紙五記載の点検項目及び着眼点等に従って、①実施日、②実施場所、③実施目的、④参加者、⑤書類作成及び⑥清算状況の各点検項目について、右各書類の内容と実態との相 なわち、本件調査において、各課ごとに、別紙五記載の点検項目及び着眼点等に従って、①実施日、②実施場所、③実施目的、④参加者、⑤書類作成及び⑥清算状況の各点検項目について、右各書類の内容と実態との相違を自己点検し、相違がなければ「自己点検結果」欄には何も記入しないが、何らかの相違が認められた場合には、同欄に「*」印及び相違している項目の番号を記入するというものである。(二) 近接地外旅費調査一覧表は、前記3(二)(1)記載のとおり、各課ごとに作成された書類であり、支出命令書の執行日順に、支出命令書、旅行命令簿及び出張報告書等の記載内容を転記した一覧表であり、その書式は別紙二のとおりである。すなわち、本件調査において、各課ごとに、別紙五記載の点検項目及び着眼点等に従って、①旅行先、②旅行人数、③宿泊数、④旅行目的、⑤宿泊先、⑥訪問先及び⑦清算状況の各点検項目について右書類の内容と実態との相違を自己点検し、相違がなければ「自己点検結果」欄には何も記入しないが、何らかの相違が認められた場合には、同欄に「*」印及び相違している項目の番号を記入するというものである。 式は別紙二のとおりである。すなわち、本件調査において、各課ごとに、別紙五記載の点検項目及び着眼点等に従って、①旅行先、②旅行人数、③宿泊数、④旅行目的、⑤宿泊先、⑥訪問先及び⑦清算状況の各点検項目について右書類の内容と実態との相違を自己点検し、相違がなければ「自己点検結果」欄には何も記入しないが、何らかの相違が認められた場合には、同欄に「*」印及び相違している項目の番号を記入するというものである。(三) 調査票(食糧費)は、前記3(二)(4)の本件関係人調査において、契約の相手方である各業者が、納入日(実施日)、領収日、納入場所又は実施場所、領収金額、取扱担当者及び納入内容について記入したものであり、その書式は別紙三のとおりである。そして、同調査票の末尾には「この調査は、港区食糧費等調査の基礎資料とするもので他の目的に使用することは一切ございません。」との文言が記載されている。(四) 調査票(旅費)は、前記3(二)(4)の本件関係人調査において、各宿泊施設が、宿泊日、泊数、宿泊者氏名及び宿泊人数について記入したものであり、その書式は別紙四のとおりである。そして、同調査 (四) 調査票(旅費)は、前記3(二)(4)の本件関係人調査において、各宿泊施設が、宿泊日、泊数、宿泊者氏名及び宿泊人数について記入したものであり、その書式は別紙四のとおりである。そして、同調査票の末尾には「この調査は、港区食糧費等調査の基礎資料とするもので他の目的に使用することは一切ございません。」との文言が記載されている。三争点及び争点に関する当事者の主張本件の争点は、本件各文書に、被告が主張する非公開事由が存在するか否かであり、この点に関する当事者の主張は、次のとおりである。1 被告の主張(一) 本件条例五条一項は、公開の請求に係る区政情報に同項各号のいずれかに該当する情報が記録されているときは、当該区政情報の公開をしないことができる旨を定め、同項三号イにおいて「入札予定価格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針等で、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるもの」を規定しているところ、本件各文書に記載された情報は、以下に述べるとおり、いずれも右条項に定める非公開事由に該当する。(二) 本件条例五条一項三号イは、情報の種類として「入札予定価格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針」を明示しているが、右条項の文言に照らして明らかなとおり、これらは、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるものの典型的な例を示すものにすぎず、これらに該当しなくても、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのある区政情報は右規定により公開しないことができるものである。 格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針」を明示しているが、右条項の文言に照らして明らかなとおり、これらは、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるものの典型的な例を示すものにすぎず、これらに該当しなくても、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのある区政情報は右規定により公開しないことができるものである。(三) 食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表について(1) 食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の「自己点検 妨げるおそれのある区政情報は右規定により公開しないことができるものである。(三) 食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表について(1) 食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の「自己点検結果」欄については、前記二4(一)及び(二)記載のとおり、関係書類の内容と実態との間に相違がなければ無記入のままであるが、両者の間に相違があった場合には、同欄に「*」印が付されるとともに、相違している項目の番号が記載されることとなっている。(2) 調査委員会は、前記二3(二)(2)ないし(4)記載のとおり、各課から提出を受けた調査一覧表をもとに、支出命令書を基準とする件名全部について、つまり、右に述べた「自己点検結果」欄に「*」印の付してある件についても付してない件についても、調査関係資料との突き合わせ、確認作業を行い、主管課から事情聴取を行い、本件関係人調査を行い、その都度、疑問のある件については調査委員会独自に再調査もし、その結果を前記二3(三)記載のとおり公表したものである。このように、調査委員会の右判定は、三次にわたる審査と疑問のある件についての独自の再調査に基づくものである。(3) 右(1)及び(2)に述べたとおり、食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の「自己点検結果」欄の記載は、調査委員会作成の「食糧費等調査結果報告書」とはその性格を異にするものである。すなわち、右各調査一覧表の「自己点検結果」欄には、無記入の場合と「*」印とともに相違している項目の番号の記載がある場合とがあるが、これらの記載の有無や記載内容がそのまま調査委員会の適正処理、一部不適正処理、不適正処理との判定結果に結び付いているものではない。「*」印は、関係書類の内容と実態との間に何らかの相違が認められた場合には、その相違の程度いかんを問わずに「自己点検結 格を異にするものである。すなわち、右各調査一覧表の「自己点検結果」欄には、無記入の場合と「*」印とともに相違している項目の番号の記載がある場合とがあるが、これらの記載の有無や記載内容がそのまま調査委員会の適正処理、一部不適正処理、不適正処理との判定結果に結び付いているものではない。「*」印は、関係書類の内容と実態との間に何らかの相違が認められた場合には、その相違の程度いかんを問わずに「自己点検結 適正処理、一部不適正処理、不適正処理との判定結果に結び付いているものではない。「*」印は、関係書類の内容と実態との間に何らかの相違が認められた場合には、その相違の程度いかんを問わずに「自己点検結果」欄に表示することとされていたのである。しかるに、右各調査一覧表の公開を認めると、「*」印の付されている件は不適正支出、「*」印の付されていない件は適正支出などと、かかる形式的な齟齬の有無がそのまま支出の適正又は不適正の裏付けとなるものと誤認され、また、同一の調査対象について、同じ港区の異なる機関の調査の結果が存在することになり、正規の調査機関である調査委員会の出した食糧費等調査結果報告書の信ぴょう性についても疑惑を抱かれるおそれがあるなど、区民の誤解や混乱を招き、今後の区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるのである。(4) 原告は、食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の記載事項は、現在公開されている資料から書き写したものであるから、それらが非公開とされる理由はない旨主張する。しかしながら、食糧費調査一覧表には、現在公開されている支出命令書、起案文書、前渡金清算書からは通常得られない資料である参加者数の内訳が付加されているし、近接地外旅費調査一覧表には、同様に通常得られない情報である課などの訪問先や宿泊施設の名称及び所在地が付加されているのであって、右各調査一覧表は、支出命令書等の現在公開されている資料のみを単に書き移したものではないのであるから、原告の右主張は失当である。(四) 調査票(食糧費)及び調査票(旅費)について(1) 本件各文書のうち、調査票(食糧費)及び調査票(旅費)は、前記二4(三)及び(四)記載のとおり、他の目的に使用しないことを約して、契約の相手方である各業者及び各宿泊先に所定の事項の回答を依 (1) 本件各文書のうち、調査票(食糧費)及び調査票(旅費)は、前記二4(三)及び(四)記載のとおり、他の目的に使用しないことを約して、契約の相手方である各業者及び各宿泊先に所定の事項の回答を依頼したものである。 本件各文書のうち、調査票(食糧費)及び調査票(旅費)は、前記二4(三)及び(四)記載のとおり、他の目的に使用しないことを約して、契約の相手方である各業者及び各宿泊先に所定の事項の回答を依 (1) 本件各文書のうち、調査票(食糧費)及び調査票(旅費)は、前記二4(三)及び(四)記載のとおり、他の目的に使用しないことを約して、契約の相手方である各業者及び各宿泊先に所定の事項の回答を依頼したものである。もし、仮にかかる約束に反して、右各調査票を公開すれば、右の各業者及び各宿泊先のみならず、一般の区民に対する関係でも、港区の信用が損なわれ、今後の区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがある。(2) 原告は、調査票(食糧費)及び調査票(旅費)における記載事項については、現在公開されることとなっている情報である旨主張するが、宿泊先については、出張計画書や出張報告書等において記載することとされているにすぎず、右各文書の公開の請求があった場合に、そこに記載されている宿泊先名がそのまま公開されるか否かについては、かかる公開請求がなされない限り判明しないのである。原告の主張は、出張計画書や出張報告書等に記載される宿泊先名が公開されることを大前提として論じているのであって、明らかに失当である。2 原告の主張(一) 本件各文書は本件条例五条一項三号イにいう「入札予定価格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針等」に該当しないことは明白であるから、本件決定は違法である。(二) 被告は、本件条例五条一項三号イに列挙されているものに該当しなくても、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのある区政情報は公開しないことができる旨主張する。しかしながら、以下に詳述するとおり、本件各文書が「公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのある区政情報」に該当することについて、立証がなされていないというべきであり、被告の右主張は失当である。(三) 食糧費調査一覧表及 「公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのある区政情報」に該当することについて、立証がなされていないというべきであり、被告の右主張は失当である。(三) 食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表について(1) 港区食糧費等調査要領によれば、食糧費調査一覧表については、支出命令書、起案文書、前渡金清算書等により記入し、支出方法欄及び支出内容欄は該当するものを○で囲むこととされ、近接地外旅費調査一覧表については、支出命令書、旅行命令簿、出張報告書により記入することとされ、いずれも、同要領別紙一の点検項目により点検を行い、何らかの相違があったときに「*」を記入することとされている。 費調査一覧表について(1) 港区食糧費等調査要領によれば、食糧費調査一覧表については、支出命令書、起案文書、前渡金清算書等により記入し、支出方法欄及び支出内容欄は該当するものを○で囲むこととされ、近接地外旅費調査一覧表については、支出命令書、旅行命令簿、出張報告書により記入することとされ、いずれも、同要領別紙一の点検項目により点検を行い、何らかの相違があったときに「*」を記入することとされている。右各調査一覧表作成の基礎とされた右書類等は、いずれも現在公開されている資料であり、それらを単に書き写したにすぎない右各調査一覧表が非公開とされる理由はない。(2) 被告は、食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の公開を認めると、「*」印の付されている件は不適正支出、「*」印の付されていない件は適正支出などと、かかる形式的な齟齬の有無がそのまま支出の適正又は不適正の裏付けとなるものと誤認され、また、同一の調査対象について、同じ港区の異なる機関の調査の結果が存在することになり、正規の調査機関である調査委員会の出した食糧費等調査結果報告書の信ぴょう性についても疑惑を抱かれるおそれがある旨主張する。しかし、被告が主張するとおり右各調査一覧表の「自己点検結果」欄の「*」印の記載の有無等がそのまま調査委員会の適正処理、一部不適正処理、不適正処理に結び付いているものでないとするならば、そのことを区民に告知し、周知させればよいことであり、むしろ、右調査結果を一律非公開とすることによって、かえって、食糧費等調査結果報告書の信びょう性について疑惑を び付いているものでないとするならば、そのことを区民に告知し、周知させればよいことであり、むしろ、右調査結果を一律非公開とすることによって、かえって、食糧費等調査結果報告書の信びょう性について疑惑を抱かれるのであり、被告の主張は矛盾しているというべきである。また、同じ調査対象について、同じ港区の「異なる機関の調査の結果が存在する」ことになると被告は主張しているが、どれだけの文書がどのように調査されたのか、すなわち、調査そのものが公正、適正かつ厳正に行われたものかどうかが問われているのであり、「*」印の記載の意味等について必要十分な説明がなされれば、「*」印の記載があるものを含めて公開したからといって、区民に無用の混乱と誤解を惹起されるおそれがあるものとは認められない。 について、同じ港区の「異なる機関の調査の結果が存在する」ことになると被告は主張しているが、どれだけの文書がどのように調査されたのか、すなわち、調査そのものが公正、適正かつ厳正に行われたものかどうかが問われているのであり、「*」印の記載の意味等について必要十分な説明がなされれば、「*」印の記載があるものを含めて公開したからといって、区民に無用の混乱と誤解を惹起されるおそれがあるものとは認められない。(四) 調査票(食糧費)及び調査票(旅費)について(1) 調査票(食糧費)における記載事項については、「1 照会内容」のすべて((1) 企業(個人)名、(2) 発注部課、(3) 契約内容)及び「2回答欄」のうち納入日(実施日)、領収日、納入場所又は実施場所、領収金額、取扱担当者並びに内容欄が、また、調査票(旅費)における記載事項については、「1 照会内容」のうち(1) 宿泊先を除く(2) 宿泊日、(3) 所属部課名、(4) 宿泊者氏名並びに(5) 宿泊人数及び「2 回答欄」が、それぞれ本件条例及び平成九年六月三〇日付け庁議決定により、公開されることとなっている情報である。そうすると、これらの情報が記載されている書面が調査票であるからといって、すでに公開されているのと同様の情報が非公開とされる理由はないのであり、宿泊先等を公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるものとは認められない。(2) 調査委員会委員長が調査への協力を依頼するために 情報が非公開とされる理由はないのであり、宿泊先等を公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるものとは認められない。(2) 調査委員会委員長が調査への協力を依頼するために出した「食糧費及び旅費の調査についてのお願い」(以下「本件依頼文書」という。)によれば、本件関係人調査は、調査内容の客観性を担保し、区民の納得が得られる調査とするためになされたものであることが認められる。そうであるならば、客観性のある調査資料(右各調査票等)を公開すべきであり、本件依頼文書において本件関係人調査の結果を他に利用することは一切ないと断っている点も、調査結果が非公開とされることを前提として右調査を依頼したものとは認められないというべきである。第三当裁判所の判断一1(一) 原告が、被告に対し、本件条例四条に基づいて、本件情報公開請求を行ったところ、被告が、「公開することにより、区民に誤解や混乱を招くおそれがあり、公開した場合、区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるため(東京都港区情報公開条例第五条第一項第三号該当)」との理由により、本件各文書を非公開とする旨の本件決定をしたことは、前記第二の二2記載のとおりである。 きである。第三当裁判所の判断一1(一) 原告が、被告に対し、本件条例四条に基づいて、本件情報公開請求を行ったところ、被告が、「公開することにより、区民に誤解や混乱を招くおそれがあり、公開した場合、区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるため(東京都港区情報公開条例第五条第一項第三号該当)」との理由により、本件各文書を非公開とする旨の本件決定をしたことは、前記第二の二2記載のとおりである。なお、右のとおり、本件決定においては、本件各文書が本件条例五条一項三号イないしニのいずれに該当するのかについては明示していないのであるが、右理由の記載と同号イないし二の文言を併せて考えれば、本件決定は、同号イに該当することを理由とするものと解するのが相当である。また、本訴において、被告は、本件各文書につき本件条例五条一項に定めるその他の非公開事由が存在することについて何ら主張、立証をしていないから、以下、本件各文書が同項三号イに定める非公開事由に該当するか否かについてのみ検討することとする。(二) 本 例五条一項に定めるその他の非公開事由が存在することについて何ら主張、立証をしていないから、以下、本件各文書が同項三号イに定める非公開事由に該当するか否かについてのみ検討することとする。(二) 本件条例によれば、何人も、実施機関に対し区政情報の公開を請求することができる(四条)が、実施機関は、公開の請求に係る区政情報に同条例五条一項各号のいずれかに該当する情報が記録されているときは、当該区政情報の公開をしないことができるとされており、同項三号は、非公開とすることができる区政情報として、区政執行に関する情報であって、同号イないしニに掲げるものと定めており、同号イは、「入札予定価格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針等で、公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるもの」と定めている。右規定は、要するに、区民の知る権利を保障し、公正で開かれた区政の進展、区民と区政との信頼関係の確保及び区民の区政への参加の促進を図り、もって地方自治の本旨に即した区政を推進するという本件条例の制定目的(一条)からすれば、区政に関する情報は、本来、積極的に公開するのが望ましいことであるが、同条例五条一項三号に掲げたような情報を公開すると、かえって区民全体の利益を損なったり、その情報が悪用されたりするおそれがあることから、区政の公正、適正さを確保するという観点に立って、かかる区政情報を非公開とすることができることとしたものである。 、もって地方自治の本旨に即した区政を推進するという本件条例の制定目的(一条)からすれば、区政に関する情報は、本来、積極的に公開するのが望ましいことであるが、同条例五条一項三号に掲げたような情報を公開すると、かえって区民全体の利益を損なったり、その情報が悪用されたりするおそれがあることから、区政の公正、適正さを確保するという観点に立って、かかる区政情報を非公開とすることができることとしたものである。すなわち、港区が行う事務又は事業に係る情報の中には、入札予定価格や試験問題のように、その性質や目的等からみて、執行前あるいは執行過程で情報を公開した場合、当該事務又は事業を実施する目的を失わせたり、特定の者に不当な利益を与えるなどのおそれがあるものがあり、また、立入検査 のように、その性質や目的等からみて、執行前あるいは執行過程で情報を公開した場合、当該事務又は事業を実施する目的を失わせたり、特定の者に不当な利益を与えるなどのおそれがあるものがあり、また、立入検査又は取締りの要領・計画、港区が当事者となっている交渉や争訟の処理方針等の反復、継続的な事務又は事業に関する情報には、当該事務又は事業の実施後であっても、公開した場合、同種の事務又は事業の目的が達成できなくなったり、港区が不利益な立場に立たされるなどのおそれがあるものがあり、さらに、職員勤務評定記録や教育指導記録のように、公開した場合、公正かつ円滑な人事管理や教育指導を著しく妨げるおそれのあるものがあることから、このように区政執行に関する情報のうち、公開した場合に区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるものについては、これを公開しないことができることとしたものと解するのが相当である(港区情報公開条例の解釈運用基準(乙五)参照)。そうだとすれば、公開を求められた文書が本件条例五条一項三号イにいう「公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるもの」に該当するというためには、当該文書の性質、記載内容、作成目的等にかんがみ、当該文書に記載された情報を公開することによって、かえって区民全体の利益を損なったり、その情報が悪用されたりするおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあると客観的に認められる場合でなければならないというべきである。そして、そのような場合であれば、同号イに列挙された「入札予定価格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針」には該当しない文書であったとしても、同号イによりこれを非公開とすることができることは、その規定の文言からして明らかであ たりするおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあると客観的に認められる場合でなければならないというべきである。そして、そのような場合であれば、同号イに列挙された「入札予定価格、立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針」には該当しない文書であったとしても、同号イによりこれを非公開とすることができることは、その規定の文言からして明らかであ 立入検査の計画、職員勤務評定記録、教育指導記録又は交渉若しくは争訟の処理方針」には該当しない文書であったとしても、同号イによりこれを非公開とすることができることは、その規定の文言からして明らかである。そこで、かかる見地に立って、本件各文書が同号イにいう「公開することにより区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれのあるもの」に該当するか否かについて、以下検討する。2 食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表について(一) 食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の書式はそれぞれ別紙一及び二のとおりであり、前記第二の二4(一)及び(二)記載のとおり、各主管課が、別紙五記載の点検項目及び着眼点等に従って自己点検を行い、起案文書等の関係書類の内容と実態との間に相違がなければ「自己点検結果」欄は無記入のままであるが、両者の間に相違があった場合には、同欄に「*」印が付されるとともに、相違している項目の番号が記入されることとなっているものであるところ、被告は、右各調査一覧表の公開を認めると、「*」印の付されている件は不適正支出、「*」印の付されていない件は適正支出などと、かかる形式的な齟齬の有無がそのまま支出の適正又は不適正を裏付けるものと誤認され、また、同一の調査対象について、同じ港区の異なる機関の調査の結果が存在することになり、正規の調査機関である調査委員会の出した食糧費等調査結果報告書の信ぴょう性についても疑惑を抱かれるおそれがあるなど、区民の誤解や混乱を招き、今後の区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがある旨主張し、港区政策経営部副参事A作成の陳述書(以下「A陳述書」という。乙六)には、これに沿う供述がある。(二)(1) しかしながら、食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の「自己点検結果」欄における「*」印等の記 部副参事A作成の陳述書(以下「A陳述書」という。 の信ぴょう性についても疑惑を抱かれるおそれがあるなど、区民の誤解や混乱を招き、今後の区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがある旨主張し、港区政策経営部副参事A作成の陳述書(以下「A陳述書」という。乙六)には、これに沿う供述がある。(二)(1) しかしながら、食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の「自己点検結果」欄における「*」印等の記 部副参事A作成の陳述書(以下「A陳述書」という。乙六)には、これに沿う供述がある。(二)(1) しかしながら、食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の「自己点検結果」欄における「*」印等の記載が、主管課が支出命令書、起案文書、前渡金清算書、旅行命令簿、出張報告書等につき、別紙五記載の点検項目及び着眼点等に従って自己点検した結果を記入したものであり、調査委員会が行った本件調査の結果を記入したものではないことは、その項目名から明らかというべきであり、また、自己点検の資料とされた右各書類の内容と実態との間に形式的な齟齬があるからといって、他の事実調査を待つまでもなく、それが直ちに当該支出の不適正を裏付けるものとなるものでないことはいうまでもなく、そのことは区民においても常識的に理解できることというべきである。したがって、同欄に「*」印の付されている件は不適正支出、「*」印の付されていない件は適正支出などと誤認されるおそれは少ないとみるべきであり、また、「*」印の意味について若干のコメントを付することなどにより、そのような誤解を生ずることは相当程度防止することができるものと考えられる。もっとも、いかなる文書であっても、これを閲読する者の理解能力、予備知識や予断・偏見等により、その記載の趣旨・内容を誤解する者が出てくる可能性はおよそ皆無とはいいがたく、右各調査一覧表も例外とはいえないが、右に説示したところからすれば、このような誤解のおそれはいまだ抽象的なものにすぎないというべきであって、かかる抽象的なおそれがあることをもって、当該文書を公開することにより区民全体の利益を損なうおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を妨げるおそれがあるとすべき客観的な事情があるということはできない。被告の前記主張及びこれに沿うA陳述書(乙六)の記載は ことにより区民全体の利益を損なうおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を妨げるおそれがあるとすべき客観的な事情があるということはできない。 て、かかる抽象的なおそれがあることをもって、当該文書を公開することにより区民全体の利益を損なうおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を妨げるおそれがあるとすべき客観的な事情があるということはできない。被告の前記主張及びこれに沿うA陳述書(乙六)の記載は ことにより区民全体の利益を損なうおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を妨げるおそれがあるとすべき客観的な事情があるということはできない。被告の前記主張及びこれに沿うA陳述書(乙六)の記載は、結局はこのような抽象的な誤解のおそれがあることを述べるにとどまり、何ら具体性を有しないものである。(2) 前記第二の二3(二)記載のとおり、調査委員会においては、食糧費調査一覧表及び近接地外旅費調査一覧表の点検に加え、調査関係資料との突き合わせ、事情聴取、本件関係人調査等の調査を行ったのであり、この事実に乙六及び弁論の全趣旨を併せれば、右各調査一覧表の自己点検の結果と調査委員会のした調査の結果とが異なっているのは、主管課による自己点検と本件調査とでは調査資料及び調査方法が異なること等によるものであること、すなわち、時間的制約から、調査委員会が各主管課に対し、「自己点検結果」欄に「*」印を付けるかどうか判断に迷うような場合についてこと細かく指示していたわけではないこと、調査の対象年度が過去四年間に遡っており、担当者の退職や記憶の減退等によって同欄には「*」印を付けたものの、後に適正なものだと判明したものが多くあったこと、他の業務と並行して短期間で調査を実施せざるを得なかったため、調査の精度が低い場合もあること及び課によっては調査への取組み方が甘い課があったことなどが原因であると認められる。右各調査一覧表は、あくまでも主管課が支出命令書、起案文書、前渡金清算書、旅行命令簿、出張報告書等を自己点検した結果を記載するものにすぎず、右のとおり自己点検には調査資料等に制約があったのであるから、これをもって調査委員会のした調査の結果と同程度に十分な調査、検討を経た上での調査結果とみることはできない。前記(1)及び右に説示したところからすれば、右各調査 資料等に制約があったのであるから、これをもって調査委員会のした調査の結果と同程度に十分な調査、検討を経た上での調査結果とみることはできない。前記(1)及び右に説示したところからすれば、右各調査一覧表の「自己点検結果」欄の結果と調査委員会のした本件調査の結果とが齟齬しているからといって、そのことのみによって、正規の調査機関である調査委員会の出した食糧費等調査結果報告書の信ぴょう性について、区民らから疑惑を抱かれるおそれがあるものと直ちに認めることはできない。 た調査の結果と同程度に十分な調査、検討を経た上での調査結果とみることはできない。前記(1)及び右に説示したところからすれば、右各調査一覧表の「自己点検結果」欄の結果と調査委員会のした本件調査の結果とが齟齬しているからといって、そのことのみによって、正規の調査機関である調査委員会の出した食糧費等調査結果報告書の信ぴょう性について、区民らから疑惑を抱かれるおそれがあるものと直ちに認めることはできない。もっとも、港区に右各調査一覧表と本件調査の結果との二つの矛盾する調査結果が存在するものと誤解する者が出てくる可能性はおよそ皆無とはいいがたいが、このような誤解が生ずるおそれはいまだ抽象的なものにすぎないというべきであって、かかる抽象的なおそれがあることをもって、当該文書を公開することにより区民全体の利益を損なうおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を妨げるおそれがあるとすべき客観的な事情があるということはできない。被告の前記主張及びこれに沿うA陳述書(乙六)の記載は、結局はこのような抽象的な誤解のおそれがあることを述べるにとどまり、何ら具体性を有しないものである。(3) 他に、右各調査一覧表を公開することによって、区民の誤解や混乱を招き、今後の区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるとすべき事情を認めるに足りる証拠はない。3 調査票(食糧費)及び調査票(旅費)について(一) 調査票(食糧費)及び調査票(旅費)の書式はそれぞれ別紙三及び四のとおりであるところ、被告は、右各調査票は、他の目的に使用しないことを約して、契約の相手方である各業者及び各宿泊先に所定の事項の回答を依頼したものであり、かかる文書の公開を認めると、右の各業者及び各宿泊先のみならず、一般の区民 各調査票は、他の目的に使用しないことを約して、契約の相手方である各業者及び各宿泊先に所定の事項の回答を依頼したものであり、かかる文書の公開を認めると、右の各業者及び各宿泊先のみならず、一般の区民に対する関係で港区の信用が損なわれ、今後の区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがある旨主張し、A陳述書(乙六)には、これに沿う供述がある。(二) そこで、検討するに、前記第二の二4(三)、(四)記載の事実に証拠(甲五、乙一、三、四、六)及び弁論の全趣旨を併せれば、調査票(食糧費)は、本件関係人調査のため、契約の相手方である各業者が、納入日(実施日)、領収日、納入場所又は実施場所、領収金額、取扱担当者及び納入内容について記入したものであり、調査票(旅費)は、本件関係人調査のため、宿泊施設が、宿泊日、泊数、宿泊者氏名及び宿泊人数について記入したものであるところ、本件関係人調査への協力を依頼する趣旨で調査委員会委員長Bが関係人である右の各業者及び各宿泊先に対して差し出した「食糧費及び旅費の調査についてのお願い」(本件依頼文書)には、「なお、本調査は、港区食糧費等調査委員会の責任において実施するものであり、他に利用することは一切ございませんので、念のため申し添えます。 査のため、宿泊施設が、宿泊日、泊数、宿泊者氏名及び宿泊人数について記入したものであるところ、本件関係人調査への協力を依頼する趣旨で調査委員会委員長Bが関係人である右の各業者及び各宿泊先に対して差し出した「食糧費及び旅費の調査についてのお願い」(本件依頼文書)には、「なお、本調査は、港区食糧費等調査委員会の責任において実施するものであり、他に利用することは一切ございませんので、念のため申し添えます。」と記載されていたこと、また、右各調査票には、「なお、この調査は、港区食糧費等調査の基礎資料とするもので他の目的に使用することは一切ございません」と記載されていたことが認められる。ところで、右各調査票の回答欄に記載された情報に、国税又は地方税の課税の基礎資料となり得る情報が含まれていることなどを併せ考えれば、本件依頼文書及び右各調査票に記載された「他に利用することは一切ございません」、「他の目的に使用することは一切ございません」との文言は、一般には、港区において、右各調査票の ことなどを併せ考えれば、本件依頼文書及び右各調査票に記載された「他に利用することは一切ございません」、「他の目的に使用することは一切ございません」との文言は、一般には、港区において、右各調査票の回答欄に記載された情報を課税等の行政処分その他の不利益取扱いなどの基礎資料として利用しないこと及び同種の行政目的に利用することができるよう国又は他の地方自治体に対し当該情報を提供したりしないことをいうものと解される。これに対し、本件条例による区政情報の公開は、区民の知る権利を保障し、公正で開かれた区政の推進等を図ることを目的として、区民等からの公開請求に応じて行われるものであり、区政情報の公開を受けた者は、それによって得た情報を本件条例の目的に即して適正に使用することを義務付けられている(本件条例九条)のであって、右情報公開制度の下で被告が本件条例の定める公開義務を履行すべく右各調査票を公開することは、港区が右各調査票を自ら「他に利用」したり、「他の目的に使用」したりすることとは本質的に異なるものというべきである。してみれば、「他に利用」、「他の目的に使用」という文言に、本件条例に基づく公開も含まれると解するのは困難である。また、仮に、調査委員会が、そのような公開請求があった場合においてもなお、これらの文書を公開しないという約束の下に、関係人に対し、本件関係人調査への協力を依頼するのであれば、その旨を本件依頼文書及び右各調査票に明記することは容易にできたことであるにもかかわらず、本件依頼文書等にその旨が記載されていないことからすれば、右依頼に当たってそのような約束はされなかったものと認めるのが相当である。 困難である。また、仮に、調査委員会が、そのような公開請求があった場合においてもなお、これらの文書を公開しないという約束の下に、関係人に対し、本件関係人調査への協力を依頼するのであれば、その旨を本件依頼文書及び右各調査票に明記することは容易にできたことであるにもかかわらず、本件依頼文書等にその旨が記載されていないことからすれば、右依頼に当たってそのような約束はされなかったものと認めるのが相当である。右認定を覆し、調査委員会において、本件条例に基づき右各調査票について公開請求があった場合においてもなお、これらの文書を公開しないという約 てそのような約束はされなかったものと認めるのが相当である。右認定を覆し、調査委員会において、本件条例に基づき右各調査票について公開請求があった場合においてもなお、これらの文書を公開しないという約束の下に、関係人に対し、本件関係人調査への協力を依頼したという経緯が存したことを認めるに足りる客観的な証拠はない。(三) そうすると、被告が本件情報公開請求を受けて、調査票(食糧費)及び調査票(旅費)を原告に対し公開したとしても、右各調査票に示された約束に何ら反するものではないから、そのことをもって、契約の相手方である各業者、各宿泊先及び一般の区民の港区に対する信頼を著しく傷つけるということはできない。もっとも、本件関係人調査のような調査に協力する者の中には、本件依頼文書及び右各調査票に「他に利用することは一切ございません」、あるいは「他の目的に使用することは一切ございません」との記載があることから右各調査票が公開されることがないものと誤解する者がいるおそれがあること、そうではないとしてもその公開を快く思わない者がいる可能性があることは否定することができないが、前者の誤解のおそれはいまだ抽象的なものにすぎないというべきであり、また、後者のような主観的な事情を保護すべき理由は認めがたいのであって、右のような抽象的なおそれや主観的な事情があることをもって、当該文書を公開することにより港区の信用を損なうおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を妨げるおそれがあるとすべき客観的な事情があるということはできない。また、同種の調査を実施する際に調査票の公開を恐れて調査への協力をためらう業者等が出てくることを避けたいのであれば、各調査対象に応じて、調査票や依頼文書に公開しない旨を明記するなどの対策を講じれば足りるのであって、本件情報公開請求を受けて右各 、当該文書を公開することにより港区の信用を損なうおそれがあるなど、区政の公正又は適正な執行を妨げるおそれがあるとすべき客観的な事情があるということはできない。また、同種の調査を実施する際に調査票の公開を恐れて調査への協力をためらう業者等が出てくることを避けたいのであれば、各調査対象に応じて、調査票や依頼文書に公開しない旨を明記するなどの対策を講じれば足りるのであって、本件情報公開請求を受けて右各 恐れて調査への協力をためらう業者等が出てくることを避けたいのであれば、各調査対象に応じて、調査票や依頼文書に公開しない旨を明記するなどの対策を講じれば足りるのであって、本件情報公開請求を受けて右各調査票を公開したからといって、今後における同種の調査が著しく困難になるものとも到底考えられない。(四) この点に関し、A陳述書(乙六)には、一部の関係人から電話で調査票(食糧費)及び調査票(旅費)は公表しないことを前提としていいのかとの確認を受け、あらためて公表はしないことを伝え、右各調査票はこれを公表しないという前提で本件関係人調査への協力を依頼したこともある旨の記載がある。しかしながら、調査委員会が本件関係人調査を実施するに当たって、関係人に対し右各調査票を公開請求があっても公表しないことを公式見解として表明したことや調査委員会及び関係部署でこれを公表しないという取り決めがされたことを認めるに足りる証拠はないのであって、右記載部分は客観的な証拠による裏付けを欠くものであり、たやすく信用することができない。のみならず、右調査票を公開しないとの正式の表明も決定もないのに、単に本件関係人調査の事務担当者が、一部の関係人からの問合わせに対し、右のような回答をしたことがあったからといって、直ちに、港区がそのような約束を公式にしたものと解することはできない。また、右陳述書には、調査票(旅費)には、職員以外の名前も含め、様々な情報が記載されており、これらは宿泊者個人の情報であるため、調査票(食糧費)より一層慎重な対応が必要であるとし、仮にその内容が公開されると、個人情報を安易に取り扱う旅館ということで、その旅館の信用に大きな影響を与えるおそれがある旨の供述がある。しかしながら、本件調査対象とされた旅費は近接地外への公務出張に係るものであるとこ ると、個人情報を安易に取り扱う旅館ということで、その旅館の信用に大きな影響を与えるおそれがある旨の供述がある。 者個人の情報であるため、調査票(食糧費)より一層慎重な対応が必要であるとし、仮にその内容が公開されると、個人情報を安易に取り扱う旅館ということで、その旅館の信用に大きな影響を与えるおそれがある旨の供述がある。しかしながら、本件調査対象とされた旅費は近接地外への公務出張に係るものであるとこ ると、個人情報を安易に取り扱う旅館ということで、その旅館の信用に大きな影響を与えるおそれがある旨の供述がある。しかしながら、本件調査対象とされた旅費は近接地外への公務出張に係るものであるところ、公務員が、当該地方自治体の事務を遂行するため公費により出張して宿泊した場合、当該宿泊の費用の支出に係る事項は公務に関することであり純粋に私的なこととは異なるのであって、かかる情報をプライバシーとして保護しなければならない必要性はないというべきである(現に、甲四及び弁論の全趣旨によれば、かかる情報は現在港区において公開されることとなっていることが認められる。)。そうであれば、港区において公的な組織として設置された調査委員会が、前記第二の二3(一) 記載のとおりの公的な目的で実施した本件関係人調査に対し、旅館等の各宿泊先が協力したからといって、個人情報を安易に取り扱う旅館という評価を受け、その旅館等の信用が大きな影響を受けるということにはならず、したがってまた、港区が調査票(旅費)を公開しても、その旅館等の港区に対する信頼が損なわれるおそれがあるものとは到底考えられない。そして、他に、右各調査票に記載された情報を公開することによって区政の公正又は適正な執行を著しく妨げるおそれがあるとすべき事情を認めるに足りる証拠はない。二結論以上のとおり、本件各文書については、本件条例五条一項三号イに定める非公開事由に該当するものとは認められないから、本件決定は、違法として取消しを免れない。よって、原告の本件請求は、理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法七条、民訴法六一条を適用して、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第三部裁判長裁判官青柳馨裁判官増田稔、同篠田賢治は、いずれも転補のため署名、押印することがで 負担について、行政事件訴訟法七条、民訴法六一条を適用して、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第三部裁判長裁判官青柳馨裁判官増田稔、同篠田賢治は、いずれも転補のため署名、押印することができない。 訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法七条、民訴法六一条を適用して、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第三部裁判長裁判官青柳馨裁判官増田稔、同篠田賢治は、いずれも転補のため署名、押印することがで 負担について、行政事件訴訟法七条、民訴法六一条を適用して、主文のとおり判決する。東京地方裁判所民事第三部裁判長裁判官青柳馨裁判官増田稔、同篠田賢治は、いずれも転補のため署名、押印することができない。裁判長裁判官青柳馨

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