平成25年1月23日判決言渡平成24年(行コ)第82号不当労働行為再審査申立棄却命令取消請求控訴事件主文 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,第1審,差戻前の控訴審,上告審及び差戻後の控訴審を通じ,参加によって生じた費用を含めて,被控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨主文と同旨第2 事案の概要本件は,音響製品等の設置,修理等を業とする会社である被控訴人(千葉県浦安市に本店を置くビクターサービスエンジニアリング株式会社の分割により平成21年12月1日に成立した会社であり,前者の本件に関する権利義務を承継し,訴訟上の地位を承継した。以下,その前後を通じ「被控訴人」という。)が,被控訴人と業務委託契約を締結してその修理等の業務に従事する業者(以下「代行店」という。)であって個人営業の形態のもの(以下「個人代行店」という。)が加入する控訴人補助参加人ら(以下「参加人ら」という。)から個人代行店の待遇改善を要求事項とする団体交渉の申入れを受けたのに対し,個人代行店は被控訴人の労働者に当たらないなどとして上記申入れを拒絶したところ,参加人らの申立てを受けた大阪府労働委員会から上記申入れに係る団体交渉に応じないことは不当労働行為に該当するとして上記団体交渉に応ずべきこと等を命じられ,中央労働委員会に対し再審査申立てをしたものの,これを棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)を受けたため,その取消しを求める事案である。 第1審及び差戻前の控訴審は,いずれも個人代行店は労働組合法上の労働者 に当たらないとして,被控訴人の請求を認容したため,控訴人がこれを不服として上告した。 上告審は,個人代行店については,他社製品の修理業務の受注割合,修理業 個人代行店は労働組合法上の労働者 に当たらないとして,被控訴人の請求を認容したため,控訴人がこれを不服として上告した。 上告審は,個人代行店については,他社製品の修理業務の受注割合,修理業務における従業員の関与の態様,法人等代行店の業務やその契約内容との等質性などにおいて,なお独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情がない限り,労働組合法上の労働者としての性質を肯定すベきものと解するのが相当であり,個人代行店について上記特段の事情があるか否かが問題となるとした上で,個人代行店が自らの独立した経営判断に基づいてその業務内容を差配して収益管理を行う機会が実態として確保されているか否かは必ずしも明らかであるとはいえず,出張修理業務を行う個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情の有無を判断する上で必要な上記の諸点についての審理が十分に尽くされていないとして,差戻前の控訴審判決を破棄し,本件を当審に差し戻した。 1 当事者間に争いのない前提事実は次のとおりである。 (1) 被控訴人は,親会社であるA株式会社(以下「A」という。)が製造する音響製品等の設置,修理等を業とする株式会社である。 被控訴人の出張修理業務(被控訴人から指示された特約店又は顧客宅等を訪問して修理を行う業務)は,被控訴人の従業員のほか代行店が行っており,代行店には,個人代行店と法人等の企業形態のもの(以下「法人等代行店」という。)とがあった。 (2) 参加人Bは,C労働組合(以下「本件組合」という。)の下部組織で,その組合員のうち大阪府内の者により組織された労働組合である。参加人分会は,本件組合に加入する個人代行店により組織された団体である。 参加人ら及び本件組合D支部(以下「本件支部」という。)は,平成17年 合員のうち大阪府内の者により組織された労働組合である。参加人分会は,本件組合に加入する個人代行店により組織された団体である。 参加人ら及び本件組合D支部(以下「本件支部」という。)は,平成17年1月31日,被控訴人に対し,個人代行店が本件組合に加入したことなどを記載した通知書とともに,最低保障賃金を月額30万円とすること,1日 の就労時間を午前9時から午後6時までとし,年間総休日数は110日とすること,社会保険及び労働保険に加入すること,業務の遂行上必要な経費は被控訴人が全額負担すること,その他については労働基準法に準拠すること等を要求する書面(以下,これらの要求事項を併せて「本件要求事項」という。)を提出し,同時に,本件要求事項について団体交渉の申入れをした。 しかし,被控訴人は,団体交渉には応じられない旨を回答し,その後の参加人らの同様の申入れにも応じなかった。 (3) 大阪府労働委員会は,参加人ら及び本件支部の救済申立てを受けて,平成18年11月17日付けで,参加人らに対する被控訴人の上記対応は不当労働行為に当たるとして,被控訴人に対し本件要求事項に係る団体交渉に応ずべきこと等を命ずる旨の救済命令を発した。被控訴人は中央労働委員会に対し再審査申立てをしたが,同委員会は,平成20年2月20日付けでこれを棄却する旨の本件命令を発した。 2 争点及び争点に関する当事者の主張は,次項3のとおり当審における当事者の主張を付加するほかは,原判決(第1審判決)「事実及び理由」欄の「第2事案の概要」の2及び3(原判決7頁16行目から27頁23行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 3 当審における当事者の主張(1) 個人代行店は労働組合法上の労働者に当たるか(個人代行店の修理業務の内容,個人代行店が独立の事業者とし 行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 3 当審における当事者の主張(1) 個人代行店は労働組合法上の労働者に当たるか(個人代行店の修理業務の内容,個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情があるか否か)〔被控訴人の主張〕① 代行店の業務内容被控訴人は,その前身も含めて,遅くとも昭和34年頃から,業者と代行店契約を締結していた。その当初から一貫して,代行店は個人か法人かを問わず,独立自営の修理業者として契約されてきたものである。個人代 行店であっても,従業員と異なり仕事完成の対価としての出来高払による報酬が支払われ,独立自営業者でなければ考えられないような,従業員よりはるかに高額の報酬を得る者もいた。また,業務命令によって担当地域が定まる従業員とは異なり,個人代行店の業務担当地域は概ね住所地かその近接地とされることも,個人代行店が独立事業者であることによる。したがって,当事者の認識及び実際の運用において,個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情がある。 ② 他社製品の修理業務の受注割合被控訴人と個人代行店の契約において,他社業務の受注は禁止されていない。独立事業者である個人代行店が他社と契約しているか,どれだけ受注しているかについては,被控訴人は当然に知るべき立場にない。個人代行店が他社業務も獲得するか否かは,個人代行店の判断による。個人代行店の中には,以下のとおり,相当大きな割合で他社製品の修理業務を受注しているものがある。 ア E代行店は,F,Gの修理業務を受注している。F製品の受注だけを見ても,被控訴人からの受注に比べて金額ベースで大半の月において上回っている。 イ H代行店は,I製品の修理業務を受注しており,大半の月 ,F,Gの修理業務を受注している。F製品の受注だけを見ても,被控訴人からの受注に比べて金額ベースで大半の月において上回っている。 イ H代行店は,I製品の修理業務を受注しており,大半の月において,I製品の業務割合が被控訴人からの受注業務割合に比して,これを超えるか又は相当大きな割合に達していると推認される。 ウ J元代行店は,遅くとも平成22年10月20日以降,被控訴人からの受注は火曜日・木曜日・土曜日に限定し,その他の日については他社から受注することとし,実際に他社から受注している。 エ K代行店は,遅くとも平成23年10月以降,休業日を毎週日曜日と月曜日にして,他の仕事もすることにした。 ③ 修理業務における従業員の関与の態様 被控訴人は,個人代行店が従業員を雇用して修理業務に関与させているか否かを知らない。もっとも,前述のとおり,個人代行店の中には他社業務を受注するなど積極姿勢をとり,従業員を雇用するかあるいは他の修理業者に委託するかして,企業組織に発展する可能性を有する者もいた。 ④ 法人等代行店の業務やその契約内容との等質性ア代行店の出張修理業務は,代行店が予め受注枠を設定し,その範囲内において被控訴人が顧客から受注して代行店に発注する。代行店は,業務内容を出張訪問カードにより確認し,顧客宅を訪問して商品ごとの修理マニュアルに基づく修理及び代金回収業務を遂行し,被控訴人に対し伝票処理及び進捗報告の入力作業を行う。個人代行店か法人等代行店かによって,このような業務の本質に相違はない。 イ被控訴人と個人代行店との間の業務委託契約(以下「本件契約」という。)の内容(乙43)と法人等代行店との間の契約の内容(甲10)は,次のとおり本質的な相違はなく,等質である。なお,個人代行店と イ被控訴人と個人代行店との間の業務委託契約(以下「本件契約」という。)の内容(乙43)と法人等代行店との間の契約の内容(甲10)は,次のとおり本質的な相違はなく,等質である。なお,個人代行店と法人等代行店との契約の等質性を検討するには,一般的な株式会社L(以下「L」という。)の例(甲10)によるべきである。有限会社M(以下「M」という。)との契約(甲7)については,根本的な趣旨は同旨であるが,淡路島全域という特殊性の高い地域を委託しているという事情に適合した特例的な合意をしているところがある。 (ア) 本件契約(乙43)も法人等代行店の契約(甲10)も,契約書前文,契約の目的(第1条)その他後記(イ)ないし(オ)を除く契約条項は同旨である。 (イ) 乙43号証の第2条に記載されている「在庫修理」は,平成4年頃から取り扱っていないため,甲10号証の第2条に記載がないだけで,実質的な相違はない。 (ウ) 部品供給について 純正部品の使用を原則とする(第7条第2項),代行店の責任及び負担による部品供給(同条第1項,3項)という本質は同旨である。 なお,第1項及び第3項については,乙43号証では有償支給又は個人代行店の管理責任及び差損負担による貸与(いわゆる消化仕入である。)とされ,甲10号証では有償支給のみとされているが,いずれも代行店の責任及び負担によるという本質は同旨である。 (エ) 禁止事項乙43号証の第11条では,未契約の第三者への再委託禁止とされるのに対し,甲10号証の第11条では,代行店と委託契約ある第三者に対する再委託につき例外を認める規定がある。Lについては,法人として基本的な組織を有する業者と認められることから,被控訴人において同社の修理担当者の技術及び知識を調査・確認できること(甲10 者に対する再委託につき例外を認める規定がある。Lについては,法人として基本的な組織を有する業者と認められることから,被控訴人において同社の修理担当者の技術及び知識を調査・確認できること(甲10第14条(4))及び同社の責任においてということを担保として,同社が委託契約を締結している業者であれば再委託を認める余地があるとしたものである。これは,顧客のA製品専門修理に対する安心に応えるため,修理に当たる技術者を信頼関係及び技術,知識が担保される技術者に限定するという再委託禁止の趣旨に反するものでなく,本質的な相違はない。 (オ) 納税義務(乙43第15条)個人代行店については,納税義務を失念する危険が相対的に高いと推察されることから,念のため注意を喚起したもので,法人等代行店についてはその危険は相対的に低いと推察されるので,注意喚起はしていない。 〔控訴人及び参加人らの主張〕① 代行店の業務内容後記②ないし④のとおり,個人代行店につき独立の事業者としての実態 を備えていると認めるべき特段の事情はない。 個人代行店に支払われる委託料は「形式的には出来高払に類する方式が採られているものの,」「本件においては,実質的には労務の提供の対価としての性質を有するものとして支払われているとみるのがより実態に即している」(本件上告審判決)のであるから,個人代行店の報酬が仕事完成の対価であることを前提とする前記被控訴人の主張は前提を欠く。前記被控訴人の主張①は,上告審判決の趣旨を正しく理解せず修理業者の業務形態の歴史を述べたにすぎず,失当である。 ② 他社製品の修理業務の受注割合個人代行店は,本件団体交渉申入れ当時,1日当たりの受注可能件数を原則8件と定められ,午前に1件,午後のうち午後5時まで6件,午後5時以降1件とされて である。 ② 他社製品の修理業務の受注割合個人代行店は,本件団体交渉申入れ当時,1日当たりの受注可能件数を原則8件と定められ,午前に1件,午後のうち午後5時まで6件,午後5時以降1件とされており,そもそも被控訴人以外の業務を請け負う時間的余裕がなく,全て被控訴人の専属であった。他方,個人代行店が他社製品の修理業務を担当するには,労働者が兼業をする場合に許可や届出が求められるのと同様に,被控訴人の許可が必要であった。 したがって,他社製品の修理業務の受注割合という点から,個人代行店の労働者性を否定する事情はない。 本件上告審判決では,他社製品の修理業務を行う個人代行店が2店存在するとされており,このうち1店はNであるが,他の1店は誰のことを指すか不明である。 Nは,平成20年2月から11月までOから業務を受注していた(甲1の3頁)。しかし,これは,同人の担当地域が和歌山県田辺市周辺で,遠方修理が多いため効率が悪く,また業務量も不足してきたため,被控訴人が,同人に対して特別に他のメーカーの製品修理を許可したものである。 また,このような特別扱いをしたのは,同人が被控訴人による組合脱退工作に応じた見返りでもあるから,この事情が個人代行店の労働者性を否定 する理由にはならない。 ③ 修理業務における従業員の関与の態様本件団体交渉申入れ時における分会員18名の中に,従業員を使用していた者はいなかった。また,当時,分会員以外の個人代行店についても,従業員を使用していた事実はなかった。したがって,この点が個人代行店の労働者性を否定する事情とはならない。 ④ 法人等代行店の業務やその契約内容との等質性ア法人等代行店と個人代行店とは,以下のような業務実態の違いがある。 (ア) 休業日の届出と調整個人代行店は,毎月20 情とはならない。 ④ 法人等代行店の業務やその契約内容との等質性ア法人等代行店と個人代行店とは,以下のような業務実態の違いがある。 (ア) 休業日の届出と調整個人代行店は,毎月20日までに翌月の休業日を届け出て,担当業務地域の出張修理業務に支障が出るときは,コールセンター長から変更を申し出ることがある。法人等代行店は,その社の判断で社内のどの従業員が担当するか決せられ,被控訴人との関係で休業という概念がない。 (イ) サービスセンターへの出社,帰社と貸与パソコンによる作業個人代行店は,特殊な例外を除き,原則として午前9時頃までに被控訴人のサービスセンターに出向き,貸与されたパソコンを使用して出張訪問カードを確認し,当日業務が終了するとサービスセンターに戻り,貸与パソコンで出張訪問カードに進捗状況を入力する。法人等代行店の従業員はサービスセンターに出向くことはなく,パソコンの貸与やそれによる入力作業もない。 (ウ) 呼称と服装,ロゴマーク個人代行店は,被控訴人から「サービスマン」と呼称され,被控訴人のロゴマーク入りの名刺,被控訴人従業員と同じデザインの作業服を使用する。法人等代行店は,自らの社名や名刺,作業服を使用する。 (エ) 採用方式と研修 個人代行店になろうとする者は,被控訴人による筆記試験及び面接を受け,これに合格した場合に,被控訴人と研修契約を締結し,概ね3か月間の被控訴人による研修を受けてこれを終了することが必要であり,研修に要する交通費,教材費,宿泊費などは被控訴人が負担し,研修日当も支給される。法人等代行店が契約する場合は,このような採用方式や研修はない。 イ Mの契約書(甲7)について本件団体交渉申入れ当時すでに被控訴人が契約していたMとの間の契約内容や実態は,次のとおり個人 る。法人等代行店が契約する場合は,このような採用方式や研修はない。 イ Mの契約書(甲7)について本件団体交渉申入れ当時すでに被控訴人が契約していたMとの間の契約内容や実態は,次のとおり個人代行店と全く異なる。被控訴人は,Mとの契約書は,α橋開通前の平成元年における淡路島全域の業務委託という特殊事情によるものと主張する。しかし,逆にそのような特殊事情があったからこそ,被控訴人は個人代行店でなく法人等代行店に委託したのであって,かかる法人等代行店の存在をもって個人代行店の労働者性が左右されるものではない。 (ア) 修理代金Mは,有償修理について,同社の修理料金規定に基づいて直接顧客に代金を請求し,受領する(甲7,3条1項)。受領した代金は同社に帰属し,受領した代金を被控訴人に引き渡すことは予定されていない。同社は,顧客に対し,自らの名義の領収証を作成して交付する。 無償修理については,同社は,被控訴人に対して被控訴人作成の「サービス技術支払表」に基づき請求するが,同社の購入した部品代金と相殺される(8条)。 これに対して,個人代行店は,被控訴人が定めた「民生用機器修理技術料金基準」(乙81)により定められた金額で,顧客に対し被控訴人の指定する被控訴人名義の売上伝票,請求書を発行する(乙53,54)。個人代行店が受領した修理代金は被控訴人に帰属し,個人代 行店は代理受領をするにすぎない。個人代行店は,回収した修理代金を翌日(ただし金曜日,土曜日については月曜日)の朝センター長に引き渡す。入金が遅れた場合は,被控訴人から遅延理由書を求められ,また,個人代行店が顧客に渡す領収書(乙55)は,被控訴人の指定する被控訴人名義のものを使用し,また,領収書の控え及び未使用分については毎週1回以上被控訴人に提出し検収を受ける。こ 由書を求められ,また,個人代行店が顧客に渡す領収書(乙55)は,被控訴人の指定する被控訴人名義のものを使用し,また,領収書の控え及び未使用分については毎週1回以上被控訴人に提出し検収を受ける。これ以外に例外的な事項が生じた場合も,被控訴人の指示を受ける。 (イ) 付帯業務についてMとの契約書では,出張修理と持込修理(被控訴人から指定された持込修理品につき被控訴人又は代行店の作業場において修理を行う業務)のみが定められ,その他の定めはない。(甲7,2条)これに対して,個人代行店は,委託業務の内容として出張修理,持込修理の他に,在庫修理,工事及び保守(乙43,2条),修理代金回収業務などが定められ,在庫修理については,被控訴人の指示した再販商品の点検,修理,梱包等を行い(同条③),被控訴人の指示した各種の設備工事保守点検を行い,被控訴人に支払われるべき代金を請求し,顧客から回収して入金する(3条)など,契約の目的である修理サービス業務の代行(1条)とは直接関係がないと思われる付帯業務も行うこととされている。 (ウ) 修理期間についてMは,出張修理の依頼を受けてから2日以内に業務をこなせばよく(甲7,4条)その範囲内でいつ行くかは同社の裁量に委ねられる。 個人代行店は,1日の標準受注件数が8件と定まっており,その範囲内で個別の依頼については拒否できず,しかも,その日のうちに受け持った全ての顧客を訪問しなければならず,顧客が不在のときは不在カードを置いてくるように指示を受けている。 (エ) 部品供給についてMは,修理業務に必要な部品を,被控訴人から全て有償で購入しなければならない(甲7,6条)。 個人代行店は,「修理業務に必要とする部品を乙に有料支給又は貸与する」(乙43,7条)とされ,有償支給と貸与の2種類 務に必要な部品を,被控訴人から全て有償で購入しなければならない(甲7,6条)。 個人代行店は,「修理業務に必要とする部品を乙に有料支給又は貸与する」(乙43,7条)とされ,有償支給と貸与の2種類があることになっているが,実際は,被控訴人から支給された純正部品を在庫として保有しているにすぎず,無償供与である。個人代行店が在庫として保有できる部品の上限は8万円に限定されている。 (オ) その他Mとの契約書では第三者への再委託は禁止されていないが,個人代行店は,被控訴人と未契約の第三者に再委託することは禁じられている(乙43,11条)。また,個人代行店の業務担当地域は,被控訴人が指定,変更できるが(同12条),Mとの契約書にはこのような規定はない。 また,個人代行店は,店舗の類を持たないが,Mなど法人等代行店は,独立した事業所を構えている。 ウ Lの契約書(甲10)についてL等の法人等代行店は,本件分会結成後に組合対策として契約されたもので,意図的に個人代行店に近づける契約内容となっているものの,なお以下のとおり契約内容,実態において個人代行店と異なり,自己の危険と計算で事業活動を展開しているものといえる。したがって,L等の存在を理由に個人代行店の労働者性が否定されるものではない。 (ア) Lは,池田市に店舗を構える社員が5~6人の会社であって,独自の作業服を着用して業務遂行しており,その実態において個人代行店と異なる。 (イ) 修理業務について Lとの契約書では,出張修理,持込修理,工事及び保守とされ(甲10,2条),在庫修理については規定されていない。個人代行店は出張修理,持込修理,在庫修理,工事及び保守を行うこととされている(乙43,2条)のと異なる。 (ウ) 修理部品について修理に使用する部品は, ,在庫修理については規定されていない。個人代行店は出張修理,持込修理,在庫修理,工事及び保守を行うこととされている(乙43,2条)のと異なる。 (ウ) 修理部品について修理に使用する部品は,Lが購入し,原則として返品ができないとされている(甲10,7条)。個人代行店は,被控訴人から支給された部品を修理に使用するのみである(乙43,7条)。 (エ) 再委託の禁止についてLとの契約書では,同社が契約した第三者への委託が可能とされる(甲10,11条1項)。個人代行店は,被控訴人と未契約の第三者に再委託してはならないとされ(乙43,11条),実際にも再委託は禁止されている。 (2) 被控訴人が本件団体交渉の申入れに応じなかったことは不当労働行為に当たるか〔被控訴人の主張〕① 参加人分会の組合規約具備について不当労働行為が成立し,かつ救済を受けるためには,不当労働行為があった時,救済申立ての時,及び救済を受ける時(審問終結の時)において,その労働者の団体が労働組合法2条に適合していなければならない。 参加人分会は,平成17年1月29日の分会結成大会において組合規約を審議しておらず,平成18年1月22日の組合大会で組合規約(乙97)が承認されるまでは,組合規約を具備していなかった。参加人らは分会結成大会で組合規約が審議,承認され,施行されてきたと主張する。しかし,参加人分会から脱退した組合員の陳述書によれば,分会結成大会に参加した全ての者が同大会で分会規約が提案,審議された事実はないとし ていることなどからすれば,参加人らの主張は虚偽であり,組合規約が分会結成大会において審議,承認された事実はない。 参加人分会は,不当労働行為時とされる本件団体交渉申入れ時に組合規約を具備していなかったから,救済申立て後に労 加人らの主張は虚偽であり,組合規約が分会結成大会において審議,承認された事実はない。 参加人分会は,不当労働行為時とされる本件団体交渉申入れ時に組合規約を具備していなかったから,救済申立て後に労働組合と認められることになったからといって,遡って不当労働行為の成立と救済が認められることはあり得ない。 ② 参加人らに本件支部を加えた団体交渉の拒絶について本件団体交渉申入れは,参加人ら及び本件支部が三者一体となって共同団体交渉を求めたものである。共同団体交渉は,競合的に団体交渉権を有する各当事者が不離一体となって行う団体交渉方式であるから,その当事者の中の1つでも団体交渉権を持たない者が含まれていれば,使用者はその共同団体交渉に応じる義務はなく,団体交渉を全面的に拒否する正当な理由がある。(全鉱事件中労委昭和31年3月20日命令,命令集14集57頁)参加人分会は,本件支部の下部組織ではなく,本件支部と同列の組織であり,本件支部は分会構成員である個人代行店に関する事項について何らの権限を有しないから,本件共同団体交渉について団体交渉権を持たない。 また,参加人分会は,個人代行店の労働者性の問題をおくとしても,団体交渉申入れ当時組合規約を具備していなかったから,本件共同団体交渉の当事者適格を欠いていた。したがって,被控訴人が本件共同団体交渉の申入れを拒否したのは正当である。 ③ 本件要求事項の義務的団体交渉事項該当性参加人らは,本件団体交渉申入れにおいて,個人代行店が労働基準法上の労働者であるとして,同法に規定されている具体的労働条件の確保を要求していた。 労働基準法上の労働者としての要求は,個人代行店が同法上の労働者で あって初めて認められるものである。そして,仮に個人代行店が労働組合法上の労働者と認められたとしても 保を要求していた。 労働基準法上の労働者としての要求は,個人代行店が同法上の労働者で あって初めて認められるものである。そして,仮に個人代行店が労働組合法上の労働者と認められたとしても,労働組合法上の労働者は労働基準法上の労働者よりも広い概念であって,労働基準法上の労働者に該当しない労働者を含むものであり,個人代行店はそのような労働者に該当するから,被控訴人に処分権のある事項であったとしても,このような労働者から労働基準法上の労働者としての要求が認められるべき道理はない。 〔控訴人及び参加人らの主張〕① 参加人分会の組合規約具備について労働者集団が労働組合法2条の労働組合に該当するためには,団体運営に必要な規約を備えていることが必要であるが,労働組合として同法の保護を受けるためには,必ずしも組合規約が体裁上完成されたものである必要はなく,組合員の権利義務,機関,役員,統制,会計など組織運営の基本的要素を備えたものであれば,その後に修正が必要なものであっても差し支えない。 参加人分会は,平成17年1月29日に開催された結成大会において,組合員の権利義務,機関,役員,統制,会計など団体運営に必要な基本的要素を備えた規約案を承認していたが,必ずしも十分体裁を整えた完成されたものではなく,その後に修正が重ねられて現在に至った。したがって,参加人分会は,平成17年1月31日の団体交渉申入れ時において,規約を具備していた。 ② 参加人らに本件支部を加えた団体交渉申入れの拒絶について団体交渉申入れにおいて,分会員の待遇について団体交渉権を持たない支部が交渉に加わっていたとしても,そのことにより交渉の結果を分会に受け入れさせることができなくなるなど,団体交渉の機能が失われてしまうような事情が生じない限りは,会社は団体交渉を 交渉権を持たない支部が交渉に加わっていたとしても,そのことにより交渉の結果を分会に受け入れさせることができなくなるなど,団体交渉の機能が失われてしまうような事情が生じない限りは,会社は団体交渉を拒否することはできないと解すべきである。かかる団体交渉申入れに対し,当事者組合の1つが 団体交渉権を持たないことをもって当該団体交渉の応諾拒否を認めると,団体交渉の機能を阻害するような事情発生の如何に関わらず,団体交渉権を持つ労働組合との団体交渉をも一律に拒否することを認めることとなる。 被控訴人は,仮に本件支部が加わった団体交渉申入れに疑義があるならば,その旨を組合に告げて,本件支部からの出席者を外すなどの対応を求め,組合が応じた場合には速やかに交渉に応じることが可能であったにもかかわらず,そうした対応を何らとることなく,参加人分会が団体交渉の当事者資格をもたないことなど,正当とは認められない理由を挙げて一切の団体交渉を拒否したのであるから,団体交渉拒否に正当な理由はない。 ③ 本件要求事項の義務的団体交渉事項該当性義務的団体交渉事項該当性については,当該要求事項が労働条件ないし待遇にかかわるもので,使用者が処分権限をもつものか否かをもって判断すべきものであり,仮に本件要求事項が個人代行店は労働基準法上の労働者に該当する旨の見解に立って要求されたものであるが,その該当性は認められないと解されるとしても,このことから本件要求事項が義務的団体交渉事項に当たらないということはできない。また,団体交渉において,労働基準法が適用されたのと同様の結果となる労働協約の締結を要求することは不可能ではなく,そのような要求であれば義務的団体交渉事項に当たり得る。 本件要求事項は,全て個人代行店の労働条件や待遇にかかわるもので,被控訴人が処分権 結果となる労働協約の締結を要求することは不可能ではなく,そのような要求であれば義務的団体交渉事項に当たり得る。 本件要求事項は,全て個人代行店の労働条件や待遇にかかわるもので,被控訴人が処分権限をもつものである。また,いずれの要求内容も,労働基準法が定める水準に準拠するものとするよう合意を求めたものではあっても,労働基準法そのものを適用することを求めたものではない。 したがって,本件要求事項は義務的団体交渉事項に当たる。 第3 当裁判所の判断 1 個人代行店は労働組合法上の労働者に当たるか(個人代行店の修理業務の内 容,当該個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情があるか否か)(1) 証拠等によれば,以下の事実が認められる。 ① 平成19年4月1日時点における被控訴人のP支社の従業員102名(正社員56名,契約社員21名,パートタイマー25名)のうち,出張修理業務に従事していた者は正社員3名,契約社員3名の計6名であり,出張修理業務のうち多くの割合の業務は個人代行店21店及び法人等代行店6店の計27店によって行われていた。なお,上記各代行店とは別に,同日時点において,持込修理業務(被控訴人から指定された持込修理品につき被控訴人又は代行店の作業場において修理を行う業務)に従事していた代行店も,個人代行店3店,法人等代行店1店の計4店存在した。(乙135,193)② 被控訴人と業務委託契約を締結して個人代行店になろうとする業者は,被控訴人による筆記試験及び面接を受け,これに合格した場合に,被控訴人と研修契約を締結し,おおむね3か月間の被控訴人による研修を受け,これを了することが必要である。上記研修の目的は,代行店に一定の水準に達する修理技術を習得させることにあり,上記研修に要する交通費 人と研修契約を締結し,おおむね3か月間の被控訴人による研修を受け,これを了することが必要である。上記研修の目的は,代行店に一定の水準に達する修理技術を習得させることにあり,上記研修に要する交通費,教材費,宿泊費等は原則として被控訴人が負担し,研修日当も被控訴人から支払われている。(乙45,135,150)③ 被控訴人と個人代行店との本件契約は,被控訴人が作成した統一書式による業務委託に関する契約書及び委託料等に関する覚書に記載された内容で締結されている。本件契約の概要は,以下のとおりである。(乙43)ア本件契約は,被控訴人において個人代行店に被控訴人が実施すべき修理サービス業務の一部を代行させ,個人代行店において市場におけるA及びその製品の信用を高めるとともに被控訴人及び個人代行店双方の繁 栄を図ることを目的とする(1条)。個人代行店は,修理業務の実施に際し,被控訴人が定める品質基準を守り適正な処理を行う(5条)とともに,修理に関する全ての事項を,被控訴人の指定する修理報告書を使用して被控訴人に報告する(8条)。被控訴人は,個人代行店の業務担当地域を指定するとともに,業務の都合によりその業務担当地域を変更することができる(12条)。 イ個人代行店は,保証期間を過ぎた修理品については,必要に応じて被控訴人の定めた修理料金規程により,顧客に対し売上伝票又は請求書を発行し,直接代金の回収を指示されているものについては,発生の都度個人代行店の責任において代金を回収して被控訴人に入金し,その際に使用する領収書は被控訴人の指定のものを使用し,領収書の控え及び未使用分は毎週1回以上被控訴人に提出して検収を受ける(3条)。被控訴人は,修理業務に必要とする部品を個人代行店に有料支給し又は貸与し,個人代行店は,安全性及び 指定のものを使用し,領収書の控え及び未使用分は毎週1回以上被控訴人に提出して検収を受ける(3条)。被控訴人は,修理業務に必要とする部品を個人代行店に有料支給し又は貸与し,個人代行店は,安全性及び機能上の理由から,原則として被控訴人の支給する以外の部品を使用してはならない(7条)。修理業務遂行に必要な技術力及び被控訴人が定めた設備(計測器等)の保有,被控訴人が定めた修理安全確認事項の実施並びに被控訴人が定めた保険等ヘの加入は個人代行店の義務であり(10条),個人代行店は,被控訴人から受託した業務を未契約の第三者に再委託してはならない(11条)。個人代行店は,所管の税務署に営業届を提出し,年度ごとの申告を行う(15条)。 ウ本件契約は,その存続期間を1年間とし(17条),契約期間満了時3か月前までに文書で双方のいずれかから期間を延長しない旨の申出があった場合には契約期間満了日をもって終了するが,上記申出がないときは1年間ごとに更新される(13条)。 なお,本件契約には業務遂行の方法等について特段の定めは置かれて いないが,被控訴人は,個人代行店に対し,A製品の機種ごとに,商品固有のサービス事項,分解方法,調整方法,修理の手引等が記載されているA作成のサービスマニュアルを配布しており,個人代行店は,被控訴人の従業員と同様に,上記マニュアルに従って修理業務を行っている。 また,被控訴人は,顧客訪問前の準備事項,訪問時の注意及びマナー等が記載された冊子やAが同社の従業員の行動基準について定めた冊子等も個人代行店に配布している。(乙81,115の1及び2,135,149,150)④ 被控訴人は,上記覚書の約定に従い,ア特約店又は顧客に請求する修理工料(修理単価は,被控訴人が定めた修理料金規程によるものとされている。)及 ,115の1及び2,135,149,150)④ 被控訴人は,上記覚書の約定に従い,ア特約店又は顧客に請求する修理工料(修理単価は,被控訴人が定めた修理料金規程によるものとされている。)及び出張料に対して一定の比率を乗じた額並びにイ附帯修理部品使用料(当該部品の価額の2%相当額),開発商品拡売料及び物件紹介料の額の合計額を委託料とし,これに消費税を加算した金額を個人代行店に対して毎月支払っているが,その際,源泉徴収や社会保険料等の控除はされていない。なお,被控訴人の従業員には,上記イに相当する支払はされない。(乙46,107,135,147)⑤ア被控訴人は,個々の個人代行店の業務担当地域については,その所在地を考慮しつつ,他の個人代行店の業務担当地域となるべく重複しないように割り振っている。個人代行店は,被控訴人のコールセンターに対し,毎月20日までに翌月の休業日を届け出るが,上記届出は,一般的に,被控訴人からの要請により,出張修理業務の遂行に支障が出ることのないよう,あらかじめ個人代行店間で休業日を調整してから行われている。また,個人代行店が担当する各営業日ごとの出張修理業務については,被控訴人において,個人代行店の出張修理実績を基にした出張修理業務に要する時間等を考慮して,1日当たりの受注可能件数を原則として8件と定めている。受注可能件数を8件とする 場合の割り振りは,通常,午前中に1件,午後のうち午後5時までに6件,午後5時以降に1件とされている。個人代行店が当該営業日の受注可能件数を変更する場合には,あらかじめ被控訴人のコールセンターに対し,その旨を届け出ることとなる。(甲1,乙76,135)個人代行店から休業日及びその変更の届出又は受注可能件数の変更の届出があった場合において,業務担当地域にお め被控訴人のコールセンターに対し,その旨を届け出ることとなる。(甲1,乙76,135)個人代行店から休業日及びその変更の届出又は受注可能件数の変更の届出があった場合において,業務担当地域における出張修理業務の遂行に支障が生ずるときは,被控訴人のコールセンター長から当該届出をした個人代行店に対し,当該届出の内容の変更を申し入れることがあり,この場合には,当該個人代行店と同センター長との協議を経て当該変更の成否が決まることとなる。(甲1,乙76,119ないし121,135,149,150)イ被控訴人は,顧客からの出張修理の依頼を電話又はファックスによってコールセンターで受け付けた後,顧客の住所地及び修理希望日時と個人代行店の業務担当地域及び訪問時間帯ごとの受注可能件数に従って当該依頼に係る出張修理業務を各個人代行店に割り振り,訪問先,故障状況,受付日及び訪問予定日時を記載した個人代行店ごとの出張訪問カードを作成する。 個人代行店は,タイムカード等による出退勤管理はされていないが,原則として,午前9時頃までに各業務担当地域を管轄するサービスセンターに出向き,同センターのパソコンで出張訪問カードを印刷するなどして,各個人代行店に割り振られた当日の出張修理業務の内容を確認する(なお,一部の個人代行店は,ファックス等を通じた通信により出張訪問カードに関する処理を行っている。)。個人代行店は,特別な事情のない限り,割り振られた出張修理業務を全て受注している。個人代行店が1日に処理する出張修理件数は,通常5件ないし8件程度である。 (乙50,52,118ないし121,135,147ないし150) ウ個人代行店は,出張訪問カードの記載に基づいて顧客に電話をし,訪問時間や順路を調整して決定し,顧客を訪問してその依頼に係るA製 ,52,118ないし121,135,147ないし150) ウ個人代行店は,出張訪問カードの記載に基づいて顧客に電話をし,訪問時間や順路を調整して決定し,顧客を訪問してその依頼に係るA製品の修理を実施する。被控訴人は,出張修理業務に従事する自社の従業員と同様に個人代行店を「サービスマン」と呼称し,「A」のロゴマークが入った名札及び自社の従業員と同じデザインの作業服を着用させ,被控訴人の経費で上記と同様のロゴマーク及び被控訴人の社名の入った名刺を印刷して個人代行店に支給し,使用させている。(乙56,57の1及び2,58,114,135,150)個人代行店は,顧客を訪問する際にはその保有する自動車を用い,ガソリン代等の諸費用を自ら負担し,A製品の出張修理業務に必要な工具等のうちドライバー等の一般的な工具や計測器は自ら所有しているが,高価で使用頻度の少ない特殊な計測機器等については被控訴人から無償で貸与されている。(甲1,2,乙135,147,150)エ個人代行店は,出張修理業務が終了した後,顧客から修理代金を受け取り,顧客に対して被控訴人から支給された被控訴人名義の領収書等を手交する。個人代行店の最終の顧客への訪問時間は,午後6時ないし7時頃になることが多く,その日に予定された出張修理業務を全て完了すると,通常,サービスセンターに戻り,伝票類の処理や,出張訪問カードの記録にその日の修理の進捗状況等を入力する作業をする。個人代行店は,顧客から受領した修理代金を受領日の翌日に入金処理することになっており,この手続が遅れた場合には,被控訴人に対して遅延理由書を提出しなければならない。(乙49の1ないし3,50,乙150)オ被控訴人は,技術革新に対応するため,その従業員のみならず個人代行店も対象に含めて研修を適宜実 には,被控訴人に対して遅延理由書を提出しなければならない。(乙49の1ないし3,50,乙150)オ被控訴人は,技術革新に対応するため,その従業員のみならず個人代行店も対象に含めて研修を適宜実施しており,受講した個人代行店に対し,営業補償の趣旨で研修日当(平成10年当時は1万円)を支払っている。また,被控訴人は,その従業員の公的資格取得を奨励する制度を 設け,個人代行店もその適用の対象としている。(乙45,66,147,150)カ個人代行店は,被控訴人以外の者からA製品以外の製品の修理を請け負うことについては制約がなく,これを行っている個人代行店は平成18年2月当時被控訴人P支社においてN及びQの2店があった。NはO株式会社からF製品の修理業務を受注していたほか,R株式会社からG製品の修理業務を受注しており,平成20年4月から同年11月までの間のF製品修理業務の報酬額は被控訴人の業務による報酬額を上回っていたが,Qの他社製品修理業務の内容は証拠上明らかではない。その他の個人代行店においては,Sが平成23年6月,同年9月及び同年12月から平成24年3月までT株式会社から修理業務を受注しており,その各月の報酬額はいずれも同月の被控訴人の修理業務による報酬額を上回っていた。(甲1別紙4,甲11,甲19,乙151の13頁,弁論の全趣旨)キ本件契約上,個人代行店がその従業員を修理業務に従事させることは禁止されてはいないが,少なくとも参加人分会員については,従業員を雇用している者はない。(乙43,甲150の44頁,弁論の全趣旨)クなお,個人代行店は,いずれも事業者として所得税の確定申告をしており,被控訴人のP支社における個人代行店のうち半数近くの者は,青色申告の承認を受けている。また,個人代行店は,被控訴人が加入を クなお,個人代行店は,いずれも事業者として所得税の確定申告をしており,被控訴人のP支社における個人代行店のうち半数近くの者は,青色申告の承認を受けている。また,個人代行店は,被控訴人が加入を求める自動車保険や所得補償保険等に自ら保険料を負担して加入している。 (乙135,150)⑥ 被控訴人の法人等代行店との業務委託契約の内容は,必ずしも一様ではなく,本件団体交渉申入れ当時すでに業務委託契約をしていたMとの契約(甲7)においては,委託料は有償修理代金についてはM使用の修理料金規定に準じ顧客に請求することとされ(3条),修理期間は出張修理受付 日より2日以内(実平均日数)とされていること(4条),修理に必要な部品は被控訴人が有料で供給すること(6条),再委託禁止条項がないこと等の点で本件契約と異なっている。また,Lとの契約(甲10)においては,修理に必要とする部品はLが購入すること(7条),Lが委託契約をした第三者への再委託は禁止されないこと(11条)等が本件契約と異なるほかは,概ね本件契約に近い条項となっている。Lは,被控訴人から提供されたITシステム端末を利用して被控訴人から委託された修理業務を行うとともに,独自の店舗を構え,複数の従業員を雇用して,他社からも業務を受託し,独自に一般顧客との関係でも家電出張・持込修理,エアコン工事,電話工事,修理,電気工事等を行っている。 法人等代行店の中には,複数の個人代行店が一つのグループを作り,これを代表する個人代行店が被控訴人から修理業務を一括して受注し,これを各個人代行店に割り振って修理業務を分担する形態のものもあり,個人代行店の中には,法人等代行店からの業務を受注する者もあった。(甲1,7,10,18,乙43,135,149,150,丙18(枝番含む),19)( 振って修理業務を分担する形態のものもあり,個人代行店の中には,法人等代行店からの業務を受注する者もあった。(甲1,7,10,18,乙43,135,149,150,丙18(枝番含む),19)(2)① 上記(1)の事実関係等によれば,被控訴人は,自ら選抜し,約3か月間の被控訴人が実施する研修を了した個人代行店にA製品に係る出張修理業務の多くを担当させている上,個人代行店が担当する各営業日ごとの出張修理業務については,被控訴人が1日当たりの受注可能件数を原則8件と定め,各個人代行店とその営業日及び業務担当地域ごとの業務量を調整して割り振っているのであるから,個人代行店は,被控訴人の上記事業の遂行に必要な労働力として,基本的にその恒常的な確保のために被控訴人の組織に組み入れられているものとみることができる。加えて,本件契約の内容は,被控訴人の作成した統一書式に基づく業務委託に関する契約書及び覚書によって画一的に定められており,業務の内容やその条件等につい て個人代行店の側で個別に交渉する余地はないから,被控訴人が個人代行店との間の契約内容を一方的に決定しているものといえる。さらに,個人代行店に支払われる委託料は,形式的には出来高払に類する方式が採られているものの,個人代行店は1日当たり通常5件ないし8件の出張修理業務を行い,その最終の顧客訪問時間は午後6時ないし7時頃になることが多く,修理工料等が修理する機器や修理内容に応じて著しく異なることからこれを専ら仕事完成に対する対価とみざるを得ないといった事情が特段うかがわれないことからすると,本件においては,実質的には労務の提供の対価として支払われているとみることができる。また,個人代行店は,特別な事情のない限り被控訴人によって割り振られた出張修理業務を全て受注すべきものとされて と,本件においては,実質的には労務の提供の対価として支払われているとみることができる。また,個人代行店は,特別な事情のない限り被控訴人によって割り振られた出張修理業務を全て受注すべきものとされている上,本件契約の存続期間は1年間で被控訴人から申出があれば更新されないものとされていること等にも照らすと,各当事者の認識や本件契約の実際の運用においては,個人代行店は,基本的に被控訴人による個別の出張修理業務の依頼に応ずべき関係にあるものとみるのが相当である。しかも,個人代行店は,原則として営業日には毎朝業務開始前に被控訴人のサービスセンターに出向いて顧客訪問予定日時等の記載された出張訪問カードを受け取り,被控訴人の指定した業務担当地域に所在する顧客宅に順次赴き,A作成のサービスマニュアルに従って所定の出張修理業務を行うのであり,その際には,被控訴人の親会社であるAのロゴマーク入りの制服及び名札を着用した上,被控訴人の社名が印刷された名刺を携行し,毎夕の業務終了後も原則としてサービスセンターに戻り,伝票処理や当日の修理進捗状況等の入力作業を行っているのであるから,個人代行店は,基本的に,被控訴人の指定する業務遂行方法に従い,その指揮監督の下に労務の提供を行っており,かつ,その業務について場所的にも時間的にも相応の拘束を受けているということができる。 ② 上記①の諸事情に鑑みると,本件における出張修理業務を行う個人代行 店については,他社製品の修理業務の受注割合,修理業務における従業員の関与の態様,法人等代行店の業務やその契約内容との等質性などにおいて,なお独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情がない限り,労働組合法上の労働者に当たると解するのが相当である。 そこで,以下上記の特段の事情の有無につき検討す などにおいて,なお独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情がない限り,労働組合法上の労働者に当たると解するのが相当である。 そこで,以下上記の特段の事情の有無につき検討する。 (3) 個人代行店の業務内容について被控訴人は,沿革的に個人代行店には従業員と異なり仕事完成の対価としての出来高払による報酬が支払われ,従業員よりもはるかに高額の報酬を得ている者もいたこと,個人代行店の業務担当地域は,従業員と異なりその住所地又はその付近とされていることから,個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情がある旨主張する。 しかし,前記(2)①のとおり,個人代行店に支払われる委託料は,形式的には出来高払に類する方式が採られているものの,実質的には労務の提供の対価として支払われているとみられるのであって,個人代行店の中に通常の従業員よりも高額の報酬を得ていた者があったとしても,この判断が左右されるものとはいえない。また,前記(2)①のような個人代行店の業務実態に鑑みると,個人代行店の業務担当地域がその住居地又はその付近とされているとしても,個人代行店は被控訴人の出張修理業務の遂行に必要な労働力の恒常的な確保のために被控訴人の組織に組み入れられ,基本的に,被控訴人の指定する業務遂行方法に従い,その指揮監督の下に労務の提供を行っており,かつ,その業務について場所的にも時間的にも相応の拘束を受けているというべきである。したがって,被控訴人指摘の事情を考慮しても,個人代行店が自らの独立した経営判断に基づいてその業務内容を差配して収益管理を行う機会が実態として確保されているとは認め難く,直ちに個人代行店が独立の事業者としての実態を備えているとはいえない。 (4) 他社製品の修理業務の受注割合について の業務内容を差配して収益管理を行う機会が実態として確保されているとは認め難く,直ちに個人代行店が独立の事業者としての実態を備えているとはいえない。 (4) 他社製品の修理業務の受注割合について 前記(1)の認定事実によれば,個人代行店が他社製品の修理業務を受注することは被控訴人との契約上禁止されておらず,個人代行店の中には,他社製品の修理業務を受注し,営業月によっては被控訴人からの報酬よりも多額の報酬を得ている者もある(前記(1)⑤カ)。また,参加人らは,他社製品の修理業務受注には被控訴人の許可を要する旨を主張するが,それを裏付けるに足りる証拠はない。しかしながら,前記のとおり,被控訴人は個人代行店の営業日1日当たりの出張修理業務受注可能件数を原則8件と定め,各個人代行店と業務量を調整して修理業務を割り振っており,個人代行店は割り振られた業務を原則として全て受注する結果,午前9時頃までに被控訴人のサービスセンターに出向いた後一日当たり通常5件ないし8件の出張修理業務を行い,最終の顧客訪問時間は午後6時ないし7時頃になることが多く,その後に被控訴人のサービスセンターに戻り伝票処理等を行っていることが認められるから,個人代行店が被控訴人の承諾の下に被控訴人の業務の営業日又は営業時間帯を限定するか,受注件数を減らすなどの調整をしない限り,上記のような業務に加えて他社製品の修理業務を受注することは困難であると推認される。また,平成18年2月当時,被控訴人P支社の個人代行店のうち,被控訴人以外の者からA製品以外の製品の修理を請け負っていたのは2店のみであったところ,そのうちQについては他社製品の修理の割合は明らかでなく,Nの他社製品の修理による報酬額が増大したのは,同人が,参加人らが被控訴人に対し団体交渉の申入れをした後の平成1 のは2店のみであったところ,そのうちQについては他社製品の修理の割合は明らかでなく,Nの他社製品の修理による報酬額が増大したのは,同人が,参加人らが被控訴人に対し団体交渉の申入れをした後の平成17年5月に,参加人分会を脱退した後のことである(甲1,乙75)。 したがって,他社製品の修理業務を受注し,その収入が被控訴人の業務に比して大きい個人代行店が存在したとしても,それは被控訴人の承諾の下にその業務受注量や拘束時間を調整した結果であって,個人代行店が被控訴人の承諾を得ることなく他社製品の修理業務を受注することは困難であると推認されるから,そのことから直ちに個人代行店が独立の事業者としての実態 を備えていると認めるべき特段の事情があるとは認められない。 (5) 修理業務における従業員の関与の態様について前記(1)の認定事実によれば,本件契約上個人代行店が従業員を雇用して修理業務を行わせることは禁じられていないが,少なくとも参加人分会員の中に,実際に従業員を雇用している者はいない(前記(1)⑤キ)。したがって,従業員の関与という点から個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情があるとは認められない。 (6) 法人等代行店の業務やその契約内容との等質性について前記(1)の認定事実によれば,被控訴人と個人代行店との本件契約内容は,被控訴人の作成した統一書式による契約書及び覚書によって一律に定められており,前記(3)のとおり個人代行店の業務実態からみて個人代行店が自らの独立した経営判断に基づいてその業務内容を差配して収益管理を行う機会が確保されているとは認め難いのに対し,被控訴人と法人等代行店との契約内容は一律ではなく,Mとの契約内容は,有償修理代金についてはMの使用する規定に基づき顧客に請求で 容を差配して収益管理を行う機会が確保されているとは認め難いのに対し,被控訴人と法人等代行店との契約内容は一律ではなく,Mとの契約内容は,有償修理代金についてはMの使用する規定に基づき顧客に請求できること,修理期間についても所定の期間内ではMの裁量により定められることなど,契約上重要と思われる点において本件契約と差異があり,個人代行店に比べてより独立した経営判断に基づき業務内容を差配して収益管理を行う機会が確保されていることが認められる。 なお,被控訴人は,Mとの契約は淡路島全域の業務委託という特殊性に応じたものと主張するが,契約上の相違点(前記(1)⑥)の内容,性質からすると,その全てが上記特殊性に対応して定められたものとは認め難い。また,Lとの契約条項は,Mとの契約に比べると本件契約に近いことが認められるものの,Lの業務実態は,独自の店舗を構え,従業員を雇用し,他社からの業務受託とともに一般からの家電修理その他の業務を受けているなど,個人代行店の業務実態とは異なり,独立した経営判断に基づき業務内容を差配して収益管理を行う機会が確保されていることが認められる。したがって,こ れら法人等代行店の業務やその契約内容との等質性の観点からみても,個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情があるとは認められない。 (7) その他本件に現われた証拠及び事情によっても,個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情があるとは認められない。したがって,個人代行店は労働組合法上の労働者に当たる。 2 被控訴人が本件団体交渉の申入れに応じなかったことは不当労働行為に当たるか否か(1) 参加人分会の組合規約具備について労働者集団が労働組合法2条の労働組合に該当するものとして団体交渉権の 2 被控訴人が本件団体交渉の申入れに応じなかったことは不当労働行為に当たるか否か(1) 参加人分会の組合規約具備について労働者集団が労働組合法2条の労働組合に該当するものとして団体交渉権の保護を受けるためには,団体運営に必要な規約を備えていることが必要であるが,その規約は組合員の権利義務,機関,役員,統制,会計など組織運営の基本的要素を備えたものであれば足りると解される。 証拠によれば,参加人分会においては,平成17年1月29日の結成大会までに分会規約の作成が本件組合支部の主導により進められており,結成大会では,規約案が配布説明され,その中には組合員の権利義務,機関,役員,統制,会計などの組織運営の基本的要素の記載がされており,参加者から特に異議はなかったが,その規約案は一部手書きの部分があるなど完成したものではなかったため,いったん回収されたこと,その後役員等の間で更に規約案の内容が検討修正された上,平成18年1月22日の臨時大会で分会規約(乙97)が決議されたことが認められる(乙73,77,92,96,97,137,138,148,149,174)。被控訴人は,結成大会において規約案が審議・承認されたことはなかったと主張し,元分会員の陳述書等(甲18,乙125ないし131)にはこれに沿う部分もあるが,前掲各証拠,とりわけ結成大会で配布されたレジュメには規約説明の項目があり(乙77,78,乙149の8頁),同大会2日後の平成17年1月31 日には参加人B役員から本件支部役員あてに修正された規約案がメールで送信されていたこと(乙96)等からすると,上記元分会員の陳述書はただちに採用できるものとはいえず,その他上記認定を左右するに足りる証拠はない。 そうすると,参加人分会結成大会において,組合規約として必要とされる (乙96)等からすると,上記元分会員の陳述書はただちに採用できるものとはいえず,その他上記認定を左右するに足りる証拠はない。 そうすると,参加人分会結成大会において,組合規約として必要とされる基本的要素を備えた規約案が構成員に承認されていたものと認められるから,本件団体交渉申入れ当時,参加人分会は労働組合法上の労働組合として保護されるために必要な規約を具備していたというべきである。 (2) 参加人らに本件支部を加えた団体交渉申入れの拒絶について被控訴人は,共同団体交渉においては当事者となる組合のいずれかに団体交渉権がなければ,使用者は共同団体交渉を拒否することができ,本件団体交渉申入れにつき,本件支部には個人代行店に関する権限がなく,参加人分会は少なくとも申入れ当時組合規約を具備していなかったから,いずれも団体交渉権がなく,したがって,被控訴人が本件団体交渉申入れを拒否したことには正当な理由があると主張する。 使用者は,団体交渉権を有する労働組合からの団体交渉申入れには応ずべき義務があるが,団体交渉権を有しない者からの団体交渉申入れに応ずべき理由はない。したがって,共同団体交渉を求められた使用者は,その当事者となる労働組合の一部に団体交渉権がないとする場合,その旨を労働組合側に伝えて団体交渉権のない者を団体交渉から除くことを求めることができ,労働組合側がこれに応じないときには全体としての団体交渉に応ずべき義務はない。しかし,使用者が共同団体交渉を求める労働組合の一部に団体交渉権がないと判断したからといって,それを労働組合側に告げず,その排除を求めることもせずに,直ちに全面的に団体交渉を拒否することは,そのような対応ができない特段の事情がない限り,許されないというべきである。 本件において,被控訴人は,本件団体交渉申入れに対し の排除を求めることもせずに,直ちに全面的に団体交渉を拒否することは,そのような対応ができない特段の事情がない限り,許されないというべきである。 本件において,被控訴人は,本件団体交渉申入れに対し,参加人分会が被 控訴人の雇用する労働者をもって結成された労働組合とは解されないことなどを理由として,参加人分会が出席する交渉及び個人代行店に関する事項についての交渉には応じられない旨を回答し,併せて,交渉をする人数は5名程度とし,喧噪にわたらないようにすること等の団体交渉における遵守事項を申し入れていたことが認められる(乙30ないし32)。しかし,被控訴人が本件支部の団体交渉権に疑義を有していたとしても,その旨を参加人ら及び本件支部に伝え,本件支部を団体交渉から除くよう求めることができなかった特段の事情は認められないから,被控訴人がこのような対応をせずに本件団体交渉申入れに応じなかったことに正当な理由があるとはいえない。 (3) 本件要求事項の義務的団体交渉事項該当性について被控訴人は,個人代行店が労働組合法上の労働者と認められたとしても,労働基準法上の労働者に該当しない個人代行店に労働基準法上の労働者としての要求が認められるべき道理はないと主張する。 しかしながら,労働基準法は同法所定の労働者の労働条件についての基準を定めるものであるが,その他の労働者が同法の定める基準を参照して自己の労働条件の改善交渉を求めることを何ら妨げるものではない。団体交渉において労働者が自己の労働条件に関する改善を求めることは,団体交渉権が認められた趣旨から当然のことである。したがって,労働基準法上の労働者に該当しない労働者であっても,労働組合法上の労働者として組合員の労働条件その他の待遇や当該団体的労使関係の運営に関する事項であって,使用者に処 ら当然のことである。したがって,労働基準法上の労働者に該当しない労働者であっても,労働組合法上の労働者として組合員の労働条件その他の待遇や当該団体的労使関係の運営に関する事項であって,使用者に処分可能なものに関して団体交渉を求めることができ,その際労働基準法の定める基準を参照して待遇改善を求めることは何ら違法不当なものではなく,使用者はそのような団体交渉に応じる義務があるというべきである。 本件要求事項は,最低保障賃金を月額30万円とすること,1日の就労時間を午前9時から午後6時までとし,年間総休日数は110日とすること, 社会保険及び労働保険に加入すること,業務の遂行上必要な経費は被控訴人が全額負担すること,その他については労働基準法に準拠すること等をいうものであって,労働基準法の定める基準を参照して個人代行店の待遇改善を要求するものであるから,いわゆる義務的団体交渉事項に該当するというべきである。 3 以上によれば,被控訴人が本件団体交渉の申入れに応じなかったことは不当労働行為に当たるとした本件命令は正当であって,被控訴人の請求は理由がないから棄却すべきであり,これと異なる第1審判決は相当ではない。 第4 結論よって,第1審判決を取り消し,被控訴人の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第23民事部 裁判長裁判官鈴木健太 裁判官小宮山 茂 樹 裁判官瀬川卓男
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