昭和29(ネ)479 約束手形金請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和29年6月10日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。      控訴費用は控訴人の負担とする。          事    実  控訴人訴訟代理人は「原判決中控訴人に関する部分を取消す。被控訴人の請求を 棄却

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判決文本文1,416 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 控訴人訴訟代理人は「原判決中控訴人に関する部分を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴人訴訟代理人は控訴棄却の判決を求めた。当事者双方の事実上の陳述はいずれも原判決の事実摘示の記載と同一であるから、ここにこれを引用する。 理由 訴外株式会社三和建材社(原審における相被告)が昭和二十八年三月十三日控訴人を受取人として、金額十七万円、満期同年五月十九日、支払地東京都千代田区、支払場所株式会社住友銀行有楽町支店、振出地東京都港区なる約束手形を、これに拒絶紅書の作成を免除する旨の文言を記載して払出したこと、被控訴人は控訴人から右手形の裏書譲渡を受け、その所持人となつたので、右満期日に支払場所において該手形を呈示して支払を求めたが、その支払を拒絶せられたこと及びその後被控訴人は控訴人から右手形金の内に金十万円の弁済を受けたことは、いずれも当事者間に争がない。 そこで約束手形の振出人が振出にあたり拒絶証書の作成を免除する旨の記載をしたことの効力について考えてみるに、約束手形の振出人は、為替手形の引受人と同じく、主たる債務者であつて、償還義務者でないのであるから、拒絶証書の作成を免除するということは自己の債務に関する限り無意義であるが、(大正十三年三月七日大審院第一民事部判決参照)翻つて為替手形振出人のなしたかかる記載が当該払出人に対してのみならず、すべての償還義務者に対してもその効力を生ずるものとする手形法第四十六条第三項第一段の規定は償還請求の要件として拒絶証書の作成を不要とする手形を振出人において作成することができることとした趣旨と解せ すべての償還義務者に対してもその効力を生ずるものとする手形法第四十六条第三項第一段の規定は償還請求の要件として拒絶証書の作成を不要とする手形を振出人において作成することができることとした趣旨と解せられるから手形法第七十七条第四号において、第四十三条乃至第五十条の規定をその性質に反しない限り約束手形に準用している中には、第四十六条第三項全部の準用を包含し約束手形の作成者たる振出人にも、為<要旨>替手形払出人と同様の権限を与えたものというべきであつて、振出人自身の義務に関しては無意味の記載であ</要旨>るとしても、かかる記載は約束手形のすべての償還義務者にはその効力を生ずるものと解すべきである。従つて前述のように本件約束手形の振出人が拒絶証書作成免除文言を記載した以上、裏書人たる控訴人に対してその効力が生じ、所持人たる被控訴人は支払拒絶証書を作成することなく本件約束手形金の償還請求権を行使し得ること勿論であつて、被控訴人が控訴人に対し、右手形金の残金七万円及びこれに対する本件訴状送達の翌日であること当裁判所に明らかである昭和二十八年七月一日より右支払済に至るまで商法所定の年六分の割合による遅延損害金の償還を求める本訴請求は正当であるから、これを認容すべきものとする。 よつて原判決は右と同趣旨に出で相当であつて、本件控訴は理由がないから、民事訴訟法第三百八十四条第一項に則りこれを棄却すべきものとし、訴訟費用の負担について同法第九十五条第八十九条を適用して主文のよおり判決する。 (裁判長判事斎藤直一判事菅野次郎判事坂本謁夫)

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